JP2004197092A - 二級アミンを用いるモノエチレン性不飽和モノマーの現場重合 - Google Patents

二級アミンを用いるモノエチレン性不飽和モノマーの現場重合 Download PDF

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Abstract

【課題】 制御された分子量、狭い分子量分布、高いモノマー転化率および制御された構造を有するホモポリマー、ランダムコポリマー及びブロックコポリマーのいずれかの新規な製造方法。
【解決手段】 ビニルモノマーをヒンダード二級アミン及び酸化剤の混合物の形成下、比較的低温で、短い反応時間で重合することにより、制御された分子量、狭い多分散性、高いモノマー転化率および制御された構造を有するポリマーを製造する。本発明では、重合前にフリーラジカル開始剤を加えることは不要である。また、モノマーを加える前に、二級アミンと酸化剤との予備的な反応も不要である。
【選択図】なし

Description

本発明は、重合方法に関し、より特には、追加のフリーラジカル開始剤を必要としない重合方法に関する。
本発明の要約
明確なホモポリマー、ランダムコポリマー及びブロックコポリマーのいずれかの製造方法を開示する。モノマー、ヒンダード二級アミン及び酸化剤の混合物を形成することが必要な本発明の製造方法は、追加のフリーラジカル開始剤が不要であることを特徴とする。
今日、特定の分子量、狭い分子量分布及び/もしくは十分に特定された末端基を有するホモポリマー、ランダムコポリマー及びブロックコポリマーに対する要求が、多くの産業で、継続的に増加している。これらの高分子の制御された構造は、それらに新規な特性をもたらし、得るべき目的にぴったりの特性の概要(もしくはプロフィール:profile)をを可能とする。例えば、エレクトロニクス、コンピュータサイエンス、通信、遺伝子工学、バイオテクノロジー及び材料科学等の分野の、多くの新しい技術は、制御されたポリマー構造を必要とする。
多くのポリマーは、要求される条件がそれほどきびしくないために、即ち、溶媒として水を用いることができ、かなり幅広い温度範囲を使用することができ、幅広い範囲のモノマーを重合に利用できるために、フリーラジカル重合によって商業的に生産される。更に、ラジカル共重合は、ポリマーの特性を改質する多くの機会をもたらす。しかし、ラジカル種の中和は、不可逆な転移反応(もしくは移動反応)及び停止反応の原因となり、それらは、重合度、高分子性(polymolecularity)、末端官能性及び鎖構造を含む高分子構造の不十分な制御の原因となる。
これに対し、制御されたラジカル重合(controlled radical polymerization: CRP)は、鎖の分子特性(Mn、Mw/Mn)及びそれらの高分子構造を精巧に制御するための強力な手段(もしくはツール)である。例えば、明確なブロックコポリマーをコモノマーの逐次的な付加によって合成することができ、また、末端官能基を有するポリマーを、開始剤(α−鎖末端)もしくは不活性化剤(もしくは停止剤:deactivating agent)(ω−鎖末端)を賢明に選択することによって、有効に製造することができる。
現在検討されている全てのCRP系の中で、ニトロキシル媒介重合(nitroxyl-mediated polymerization: NMP)は、最も有効なものの一つである。この方法は、ニトロキシルラジカルによって、伝搬(もしくは成長)するラジカルを可逆的に捕獲して、休眠する鎖を形成することに基づく。この方法は、例えば、米国特許明細書 US-A 4,581,429 に開示されている。それにもかかわらず、このNMP法は、重合反応速度が遅いこと、適当なモノマーの範囲が限られること及び必要なニトロキシルラジカルのコストが高いことによる、短所を有する。
極めて最近、これらのNMPの問題点のいくつかが解決された。重合速度の促進と重合すべきモノマー範囲の拡張の両者は、Hawker et al. (J. Am. Chem. Soc., 1999, 121, 3904) 及び例えば国際公開 WO-A 96/24620 に報告された。重合温度の低下は、Miura et al. (Macromolecules 2001, 34, 447) により、スピロ構造を有するニトロキシルラジカルを用いることによって、報告された。
これらの改良されたNMP法は、新規なポリマー構造を得るための魅力的な方法を示しているが、それらは、容易に用いることができない、複雑なニトロキシルラジカル及び/もしくはアルコキシアミンを今まで通り必要とし、そのことは工業的プロセスのトータルコストを相当増加させる。その結果、幅広い範囲のモノマーを重合することができる、より簡単なNMP法が未だ必要とされている。
国際公開 WO-A 99/03894 及び 米国特許明細書 US-A 6,262,206 は、ビニルモノマーのラジカル重合を制御するために、ニトロン及びニトロソ化合物の使用を開示する。ビニル化合物のラジカル重合にこれらの化合物を加えると、ラジカル開始剤もしくは成長する鎖とニトロンもしくはニトロソ化合物との反応によって、現場でニトロキシラジカルが形成した。従って、重合は、NMP機構で制御された。
現場NMP法によって制御されるビニルモノマーのフリーラジカル重合を促進するために、ニトロン及びニトロソ化合物を使用することは、例えば、D. F. Grishin et al., Polymer Science, Ser. A, 1999, 41(4), 401; D. F. Grishin et al., Polymer Science, Ser. B, 2000, 42(7-8), 189; D. F. Grishin et al., Russian Journal of Applied Chemistry 2001, 74(3), 494; D. F. Grishin et al., Mendeleev Commun. 1999, 250; D. F. Grishin et al., Russian Journal of Applied Chemistry 2001, 74(9), 1594 にも記載されている。
更により最近、ニトロソ−tert−オクタンにより媒介されたスチレンの制御されたラジカル重合が、J. M. Catala et al., Macromolecules 2001, 34, 8654 によって報告された。
ニトロソ化合物もしくはニトロンを用いるこれらの現場方法では、ニトロキシルラジカルの遅い合成を回避することができる。それにもかかわらず、これらの方法は、(特にニトロソ化合物の場合)有毒で有り得る予め形成した試薬を必要とし、それらの多くは、未だに容易に利用することができず、特別な方法を用いて合成しなければならない。
米国特許明細書 US-A 6,320,007 及び日本国特許明細書 JP-A 08208714 は、反応器中で前駆物質から安定なニトロキシルラジカルが生成する現場NMP法を用いて、狭い分子量分布を有する熱可塑性ポリマーの製造を開示する。この重合プロセスは、二段階で行われる:まず、ニトロキシルラジカルは、前駆体(二級アミン)から生成し、次に、狭い分子量分布によって特徴付けられる熱可塑性ポリマーを生成するために、ビニルモノマーの重合にニトロキシルラジカルを加える。二つの実施例において、酸化剤として、過酸化水素とタングステン酸ナトリウムとの混合物又はm−クロロ過安息香酸と組み合わせた2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(TMP)を、ニトロキシルラジカルの前駆体として使用する。これらの方法の欠点は、重合の前にニトロキシルラジカルを生成する反応時間が長いことと、重合を開始するために(例えば、過安息香酸等の)フリーラジカル開始剤を使用することであり、このことは、重合の前にモノマー、開始剤及び必要なニトロキシルラジカルの間の予備的な反応を生じさせる。これは、この方法のコスト増加と関連する。
本発明の目的は、制御された分子量及び制御された分子構造を有するホモポリマー及びコポリマーを合成するための新規な経路を提供することである。そのような方法は、従来技術にみられた欠点を克服し、ビニルモノマーのフリーラジカル重合を制御し、簡単で高価ではない方法であるべきである。
驚くべきことに、ビニルモノマーの重合を二級アミンと酸化剤の存在下で行うと、相当低い温度で、短い反応時間で、制御された分子量、狭い多分散性、高いモノマー転化率及び制御された構造を有する明確な(コ)ポリマーを製造するための方法を提供することができることが見出された。重合前にフリーラジカル開始剤を加えることは不要である。更に、モノマーを加える前に、二級アミンと酸化剤との間の予備的な反応は不要であり、生成物の予備的な反応をすることなく、重合媒体(又は重合混合物)を極めて素早く重合温度に加熱することができる。
本発明の目的は、
(I)
a)一般式(M):
HRC=CR (M)
[ここで、
、R及びRは、独立して、水素、C〜C20のアルキル、C〜C20のシクロアルキル、C〜C24のアリール、ハロゲン、シアノ、C〜C20のアルキルエステル、C〜C20のシクロアルキルエステル、C〜C20のアルキルアミド、C〜C20のシクロアルキルアミド、C〜C24のアリールエステル及びC〜C24のアリールアミドから成る群から選択される。]
を有する少なくとも一種のモノエチレン性不飽和モノマー、
b)少なくとも一種の酸化剤(A)及び
c)一般式(I):
Figure 2004197092
[ここで、
及びRは、独立して、C〜C18のアルキル、C〜C18のアルケニル、C〜C18のアルキニル、C〜C12のシクロアルキル、C〜C12のヘテロシクロアルキル、C〜C24のアリール、(これらはNO、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、エステル、ケトン、C〜Cのアルコキシ、C〜Cのアルキルチオ、C〜Cのアルキルアミノで置換されていても置換されていなくてもどちらでもよい)、及びC〜C12のアルカノールから成る群から選択され、又は
及びRは、場合により、両者を結合している中間の窒素原子と一体となって、酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子を含有するC〜C13のヘテロシクロアルキル残基を形成し;又は
及びRは、一体となって、多環式環状系の残基又は酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子を含有する多環式へテロ脂環族式(複素脂環式:heterocycloaliphatic)環状系の残基を形成し;
窒素原子に直接隣接するR及びR残基の炭素原子は、各々の場合、更に2もしくは3の有機置換基によって置換されており、
場合により、残基R及びRの少なくとも一つは、コーティング分野で既知の官能基と更に反応できるもしくは架橋できる官能基Yを含み、例えば、Yは水酸基、カルボキシレート、もしくはアミノ基である。Yは水酸基であることが好ましい。]
の少なくとも一種の二級アミン
を含む混合物を形成すること、並びに
(II)
約0℃〜220℃の温度に混合物を加熱すること
を含んで成るオリゴマー、コオリゴマー、ポリマー又はブロックもしくはランダムコポリマーの製造方法である。
本発明に適するモノエチレン性不飽和モノマー(M)には、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート及びイソブチルメタクリレート等のアクリル酸もしくはメタクリル酸のアルキルエステル;例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸とメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アリルアルコール、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ホスホエチルメタクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルアセテート、例えば、ブタジエン及びイソプレン等の共役ジエン、スチレン、スチレンスルホン酸塩、ビニルスルホン酸塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン−スルホン酸塩及びアクリロイル(Acryloyl)が含まれる。適当なモノマーは、水溶性であっても、水不溶性であってもどちらでもよい。
本発明において使用に適するコモノマーの例には、C〜Cのエチレン性不飽和モノカルボン酸、そのアルカリ金属塩及びそのアンモニウム塩が含まれる。C〜Cのエチレン性不飽和モノカルボン酸には、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸及びアクリルオキシプロピオン酸が含まれる。アクリル酸とメタクリル酸が、好ましいモノエチレン性不飽和モノカルボン酸モノマーである。
コモノマーとしても使用され得るC〜C16のエチレン性不飽和フェノール性化合物の例には、4−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−ビニルフェノールが含まれる。
本発明のコモノマーとして使用に適するその他の種類のカルボン酸モノマーは、C〜Cのエチレン性不飽和ジカルボン酸、そのアルカリ金属塩及びそのアンモニウム塩、シス−ジカルボン酸無水物である。その例には、マレイン酸、マレイン酸無水物、イタコン酸、メサコン酸、フマル酸及びシトラコン酸が含まれる。マレイン酸無水物及びイタコン酸が、好ましいモノエチレン性不飽和ジカルボン酸モノマーである。
本発明の使用に適する酸モノマーは、それらの酸の形態であっても、酸のアルカリ金属塩の形態もしくはアンモニウム塩の形態であってもよい。
好ましいコモノマーは、(メタ)アクリル酸とC〜C20のアルコールとのエステル、アクリロニトリル、シアノアクリル酸とC〜C20のアルコールとのエステル、マレイン酸とC〜Cのアルコールとのジエステル、マレイン酸無水物、ビニルピリジン、ビニル(アルキルピロール)、ビニルオキサゾール、ビニルオキサゾリン、ビニルチアゾール、ビニルイミダゾール、ビニルピリミジン、ビニルケトン、共役ジエン、アクロレイン、スチレンもしくはスチレン誘導体(α−位に、C〜Cのアルキル基もしくはハロゲンを含み、芳香環に3つまでの追加の置換基を含むもの)から成る群から選択される。
特に好ましいモノマーは、スチレン、置換されたスチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート及びマレイン酸無水物である。
適当な酸化剤(A)は、二級アミンをニトロキシルラジカルに酸化するために当業者に既知の全ての酸化剤である。好ましい酸化剤は、例えば、過酢酸、過プロピオン酸、m−クロロ過安息香酸、ジメチルジオキシラン、過安息香酸等の過酸、例えば、過酸化一硫酸カリウム(2KHSO・KHSO・KSO、Oxone(登録商標)、DuPont Specialty Chemistry、米国)、過酸化水素、過酸化水素/タングステン酸ナトリウム、過酸化水素/例えば二酸化チタン及びチタニウムシリケート(欧州特許明細書 EP-A 0 488 403 第5頁)等のチタン含有触媒、過酸化ジベンゾイル、ホスホタングステン酸(phosphotungstic acid)等の過酸化物及び例えば、分子状の酸素及びオゾン等の酸化ガスである。
酸化銀、酸化鉛(IV)及びタングステン酸ナトリウム等の金属酸化物も、使用することができ、場合により、他の酸化剤と組み合わせて使用することができる。種々の酸化剤の混合物も使用し得る。
過酢酸、過プロピオン酸、過酸化水素、過酸化水素/チタン含有触媒、過酸化一硫酸カリウム(2KHSO・KHSO・KSO:potassium peroxymonosulfate)、過酸化ジベンソイル、酸化銀及び酸化鉛(IV)が、特に好ましい。
一般式(I)の立体障害のある適当な二級アミン(suitable hindered secondary amine)は、下記式(II)〜(VIII)のものを含む:
Figure 2004197092
[ここで、
、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19は、相互に独立して、水素、ハロゲン又はシアノ−、アミド−、エーテル−、エステル−、チオエーテル−、ケトン−、アミド−、カルボミル−(又はカルバミル−)、アミジン−もしくはジアルキルホスホニル−含有基から成る群から選択される基であり;又は
〜R19は、各々独立して、C〜C18のアルキル、C〜C18のアルケニル、C〜C18のアルキニル、C〜C12のシクロアルキルもしくはC〜C12のヘテロシクロアルキル、C〜C24のアリール、(これらは、NO、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、エステル、C〜Cのアルコキシ、C〜Cのアルキルチオ、C〜Cのアルキルアミノによって置換されていても、置換されていなくてもどちらでもよい)、から成る群から選択される基であり;又は
〜R19は、それらを結合する中間炭素原子と一体となって、C〜C12のシクロアルキル残基、C〜C12のアルカノール残基又は酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子を含有するC〜C13のヘテロシクロアルキル残基を形成し;又は
〜R19は、一体となって、多環式環状系の残基、もしくは酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子を含有する多環式へテロ脂環式環状系の残基を形成し;
場合により、R〜R19残基の少なくとも一つは、コーティングの分野で既知の官能基と、更に反応することができるもしくは架橋することができる官能基Yを含み、Yは、例えば、水酸基、カルボキシレート基もしくはアミノ基であり、Yは、好ましくは水酸基であり、
Xは、メチレン、ケトン、エステル基もしくは酸素原子、又は炭化水素残基を示し、それらは、シアノ基、エステル基、水酸基、ニトロ基、エーテル基もしくはイミド基によって置換されていてもよい。]
他の適当な二級アミンは、下記の式(VII)及び(VIII)のものを含む:
Figure 2004197092
[ここで、
20は、C〜C18のアルキル、C〜C18のアルケニル、C〜C18のアルキニル、C〜C12のシクロアルキルもしくはC〜C12のヘテロシクロアルキル、C〜C24のアリール、(これらは、NO、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、C〜Cのアルコキシ、C〜Cのアルキルチオ、C〜Cのアルキルアミノによって置換されていても、置換されていなくてもどちらでもよい)、から成る群から選択される基であり];
20は、場合により、コーティングの分野で既知の官能基と更に反応することができるもしくは架橋することができる官能基Yを含み、Yは、例えば、水酸基、カルボキシレート基もしくはアミノ基であり、Yは、好ましくは水酸基であり、
21及びR22は、相互に独立して、水素、ハロゲン及びシアノ−、アミド−、エーテル−、エステル−、チオエーテル−、ケトン−、アミド−、カルボミル−(又はカルバミル−)、アミジン−もしくはアルキルホスホニル−含有基から成る群から選択される基であり;好ましくは
21及びR22は、相互に独立して、C〜C18のアルキル、C〜C18のアルケニル、C〜C18のアルキニル、C〜C12のシクロアルキルもしくはC〜C12のヘテロシクロアルキル、C〜C24のアリール、(これらは、NO、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、C〜Cのアルコキシ、C〜Cのアルキルチオ、C〜Cのアルキルアミノによって置換されていても、置換されていなくてもどちらでもよい)、から成る群から選択される基であり;又は
21及びR22は、場合により、それらを結合する炭素原子と一体となって、C〜C12のシクロアルキル残基、C〜C12のアルカノール残基又は酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子を含有するC〜C13のヘテロシクロアルキル残基を形成し;又は
21及びR22は、それらを結合する炭素原子と一体となって、多環式環状系の残基、もしくは酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子を含有する多環式へテロ脂環式系の残基を形成し;
23及びR24は、場合により、それらを結合する中間リン原子と一体となって、酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子を含有するC〜C13のへテロシクロアルキル残基を形成し;
20〜R24の残基の少なくとも一つは、場合により、コーティングの分野で既知の官能基と更に反応することができるもしくは架橋することができる官能基Yを含み;
23及びR24は、相互に独立して、C〜C18のアルキル、C〜C18のアルケニル、C〜C18のアルキニル、C〜C12のシクロアルキルもしくはC〜C12のヘテロシクロアルキル、C〜C24のアリール、(これらは、NO、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、シアノ、カルボキシ、C〜Cのアルコキシ、C〜Cのアルキルチオ、C〜CのアルキルアミノもしくはC〜C12のアルカノールによって置換されていても、置換されていなくてもどちらでもよい)から成る群から選択される基であり;又は
23及びR24は、中間リン原子と一体となって、C〜C12のシクロアルキル残基、C〜C12のアルカノール残基もしくは酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子を含有するC〜C13のヘテロシクロアルキル残基を形成し;
23〜R24の残基の少なくとも一つは、場合により、コーティングの分野で既知の官能基と更に反応することができるもしくは架橋することができる官能基Yを含み、Yは、例えば、水酸基、カルボキシレート基もしくはアミノ基であり、Yは、好ましくは水酸基である。]
一般式(I)の好ましい二級アミンは、tert−ブチルアミン;2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノン;2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルアセテート;2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルステアレート;2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルベンゾエート;2,6−ジメチル−2,6−ジエチルピペリジン;ジエチル 1−(tert−ブチルアミノ)−2,2−ジメチルプロピル−ホスホネート;ジプロピル 1−(tert−ブチルアミノ)−2,2−ジメチルプロピルホスホネート;ジブチル 1−(tert−ブチルアミノ)−2,2−ジメチルプロピルホスホネート;N−(tert−ブチル)−1−(ジエチル−ホスホリル)−2,2−ジメチル−1−プロピルアミン;N−(tert−ブチル)−1−(ジプロピルホスホリル)−2,2−ジメチル−1−プロピルアミン;N−(tert−ブチル)−2−メチル−1−フェニル−1−プロピルアミン;2,2,4,6,6−ペンタメチル−1,2,5,6−テトラヒドロピリミジン;N−[(3E)−2,2−ジフェニル−1,2−ジヒドロ−3H−インドール−3−イリデン]−N−フェニルアミン;2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−4−ピペリジノン;2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−4−ピペリジノール;14−オキサ−7−アザジスピロ[5.1.5.2]ペンタデカン;2,2,4,4−テトラメチル−1,3−オキサゾリジン;2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジン;3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジン;2,5−ジフェニル−2,5−ジメチルピロリジン;3−カルボキシ−2,5−ジフェニル−2,5−ジメチルピロリジン;1,1,3,3,−テトラエチルイソインドリン;1,1,3,3−テトラメチルイソシンドリン;1,1,3,3−テトラプロピルイソインドリンである。
一般式(I)の特に好ましい二級アミンは、tert−ブチルアミン;2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン;2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノン;2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニルアセテート;ジエチル 1−(tert−ブチルアミノ)−2,2−ジメチルプロピル−ホスホネート;ジプロピル 1−(tert−ブチルアミノ)−2,2−ジメチルプロピルホスホネート;ジブチル 1−(tert−ブチルアミノ)−2,2−ジメチルプロピルホスホネート;2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−4−ピペリジノン;2,6−ジエチル−2,3,6−トリメチル−4−ピペリジノール;2,2,5,5−テトラメチル−1−ピロリジン;1,1,3,3−テトラメチルイソシンドリンである。
多官能価アミンも式(I)の化合物として使用され得る。本明細書において、多官能価アミンは、一以上の二級アミノ基を有する化合物をいう。これらの性質は、プロセス(処理又は反応)の間に、ポリマーが低粘度であることが要求される場合に、特に推奨される。
適当な多官能価アミンの例には、ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)セバケート;ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)スクシネート;ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)アジペート;ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)フタレート;ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)イソフタレート;ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン)テレフタレート;又はポリ((6−((1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ)−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ)−1,6−ヘキサンジイル−((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)イミノ))(CHIMASSORB(登録商標)944、Ciba Specialty Chemicals、D-Lampertheim)等のポリメリック多官能価アミンが含まれる。
本発明を実施する一つの方法では、第一段階にて、少なくとも一種の一般式(I)の二級アミン、少なくとも一種の酸化剤(A)及び少なくとも一種のビニルモノマー(M)を一緒に混合する。反応温度は、約−20℃〜約150℃、好ましくは約0℃〜約100℃、より好ましくは約0℃〜約50℃の範囲であってよい。反応時間は、約1分間〜72時間、好ましくは5分間〜約24時間、より好ましくは約15分間〜約12時間の範囲であってよい。本発明の方法の第一段階は、空気中で又は窒素もしくはアルゴン等の不活性ガスの雰囲気中で行うことができる。二級アミン及び酸化剤を、モノマーの重量を基準として、約30重量%〜約0.01重量%、好ましくは約10重量%〜約0.05重量%、より好ましくは約5重量%〜約0.06重量%の範囲の量で入れてよい。
本発明の方法の第二段階において、第一段階の混合物を、約0℃〜約220℃、好ましくは約50℃〜約180℃、より好ましくは約70℃〜約150℃の範囲の温度で、加熱して重合を行う。本発明の第二段階は、通常、窒素もしくはアルゴン等の不活性ガスの雰囲気中で行われる。反応時間は、約10分間〜約72時間、好ましくは約30分間〜約32時間、より好ましくは約1時間〜約24時間の範囲であってよい。
本発明を実施する他の方法では、少なくとも一種の一般式(I)の二級アミン、少なくとも一種の酸化剤(A)及び少なくとも一種のビニルモノマー(M)の混合物を、一段階で加熱する。温度範囲は、約0℃〜約220℃、好ましくは約50℃〜約180℃、より好ましくは約70℃〜約150℃であってよい。重合は、一般的に、窒素もしくはアルゴン等の不活性ガスの雰囲気中で行われる。反応時間は、約10分間〜約72時間、好ましくは約30分間〜約32時間、より好ましくは約1時間〜約24時間の範囲であってよい。
本発明の方法では、可能な限り、溶媒は、少量で用いることが好ましい。有機溶媒が必要な場合、適当な溶媒又は溶媒の混合物は、典型的には、ヘキサン、ヘプタン、シクロアルカン等の純粋なアルカン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の炭化水素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ヘキシル等のエステル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル、メタノール、エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール、ケトン、アミド、スルホキシド及びそれらの混合物である。本発明の方法に、水を用いてもよい。
用いられる重合のタイプは、バルク重合(もしくは塊状重合)、溶液重合、乳化重合、分散重合又は懸濁重合であってよく、バッチ式で、半バッチ式(semi-batchwise)で、また、連続式で行ってよい。
場合により、重合を促進するために、重合の前に、又は重合工程の間に重合媒体(又は重合混合物)に添加剤を加えてよい。そのような添加剤は、当業者に既知であり、例えば、しょうのうスルホン酸、2−フルオロ−1−メチルピリジニウム p−トルエンスルホネート、無水酢酸等のアシル化剤(Tetrahedron 1997, 53(45), 15225)、グルコース、デキストロース(Macromolecules 1998, 31, 7559)、アスコルビン酸(Macromolecules 2001, 34, 6531)、米国特許明細書 US-A 6,288,186(第4欄、第8行〜第24行)に記載されたような長寿命ラジカル開始剤である。
本発明に基づいて製造されるポリマーは、低い多分散性(Mw/Mn)を示し、通常それは、2より低く、好ましくは1.5より低い。
本発明の(コ)ポリマーは、500〜2×10、好ましくは2000〜5×10、より好ましくは2000〜2.5×10の数平均分子量を有し得る。
ポリマー鎖の数平均分子量は、モノマーの転化率と伴に線形に増加し、これが入手すべき目的にぴったりのポリマーの分子量を可能とする。更に、ポリマーの分子量を、モノマーの量に対して、二級アミン及び/もしくは酸化剤の量を種々変えることで、制御することができる。高分子量のポリマーも生成できる。
本発明の更なる長所は、(コ)ポリマーから重合していないモノマーを除去した後又は転化率がほぼ100%に達した後、第一段階で合成されたポリマーに、第一重合段階で使用されたビニルモノマーもしくはモノマー混合物と異なってよい新たなビニルモノマーもしくはモノマー混合物の一部分を、単に加えることで、第二の重合段階を開始してよいことである。その後、第一重合段階で重合されたポリマー鎖によって、第二段階で加えられたビニルモノマー又はモノマー混合物の重合が開始され、もし第一重合段階で合成されたポリマー鎖が、一つの単一の成長する鎖末端を有する直鎖状の鎖から成る場合、例えばジ−ブロックコポリマーが生成しえる。各ブロックの分子量と多分散性は、独立に、各重合段階の間、制御することができる。この段階は、数回繰り返してよく、その後、各ブロックについて制御された分子量及び分子量分布を有するマルチブロックコポリマーを提供することができる。
得られたポリマーは、通常無色であり、多くの場合、更に精製することなく、コーティング、エラストマー、接着剤、プラスチック及び熱可塑性混合物(もしくはブレンド)の相溶剤(compatibilizer)の製造に使用され得る。
以下の実施例によって、本発明を、より詳細に説明する。
分子量は、ショーデックス(Shodex)RI74示差屈折計を用い、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)を使用して測定した。1ml/分の流速を用い、試料は、THFで作成した。ポリスチレン標準を、校正するために用いた。
実施例1
2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと過酢酸の存在下、追加のフリーラジカル開始剤を存在させない、スチレン/アクリロニトリルの重合
メカニカルスタラー、還流冷却器、温度計及びロートを備えた250mlの四つ口丸底フラスコに、1.455gの過酢酸(アルドリッチ、35重量%;0.67×10−2モル)を加えた。その後、0.955gの2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(アルドリッチ、99%;6.75×10−3モル)、112.5gのスチレン(1.08モル)と37.5gのアクリロニトリル(0.707モル)を、ロートを介して素早く加えた。混合物を撹拌し、10分間アルゴンをバブルして脱気した。反応媒体(もしくは反応混合物)は、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(2,2,6,6-tetramethylpiperidine-1-oxyl:TEMPO)が生成したために、ピンク色になった。室温で30分後、混合物を加熱して33時間還流した。反応フラスコから試料を、24時間後と33時間後に取り出し、70℃で24時間減圧乾燥した。モノマーの転化率は重量分析により測定し、ポリマーの分子量はGPCを用いて測定した、GPCにより得られた結果を、第1表に示した。
Figure 2004197092
モノマーの転化に伴いポリマーの分子量が増加することと多分散性が狭いことは、制御された方法を満足する(又は制御された方法に該当する)。
比較例A
2,2,6,6−テトラメチルピペリジンと過酢酸の存在下、フリーラジカル開始剤(過酸化ベンゾイル、BPO)を存在させる、スチレン/アクリロニトリルの重合
メカニカルスタラー、還流冷却器、温度計及びロートを備えた250mlの四つ口丸底フラスコに1.455gの過酢酸(アルドリッチ、35重量%;0.67×10−2モル)を加えた。その後、0.955gの2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(アルドリッチ、99%;6.75×10−3モル)、1.367gのBPO(5.68×10−3モル)、112.5gのスチレン(1.08モル)と37.5gのアクリロニトリル(0.707モル)を、ロートを介して素早く加えた。混合物を撹拌し、10分間アルゴンをバブルして脱気した。反応媒体は、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)が生成したために、ピンク色になった。室温で30分後、混合物を加熱して1時間還流した。室温に冷却後、ポリマーをクロロホルムに溶解し、アルミニウムの袋に移し、空中で一夜乾燥し、その後70℃で24時間減圧乾燥した。モノマーの転化率は重量分析により測定し、ポリマーの分子量はGPCを用いて測定した、GPCにより得られた結果を、第2表に示した。
Figure 2004197092
BPOが存在する場合、常套の制御されていない重合方法で予想されるように、重合は極めて迅速に進み(1時間後にモノマーの転化率は77%である)、多分散性は極めて幅広い(Mw/Mn=1.91)。更に、重合は、発熱を伴い、大規模な製造では、危険になり得る。
実施例2
2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとm−クロロ過安息香酸(mCPBA)の存在下、追加の開始剤を存在させない、本発明に基づくワン−ポットプロセスによるスチレンの重合
メカニカルスタラー、還流冷却器、温度計及びロートを備えた250mlの四つ口丸底フラスコに、4.684gのmCPBA(Acros Organics、70〜75重量%;1.9×10−2モル)を加えた。その後、1.342gの2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(アルドリッチ、99%;9.5×10−3モル)と93.6gのスチレン(0.899モル)を、ロートを用いて素早く加えた。混合物を撹拌し、10分間アルゴンをバブルして脱気した。反応は、わずかに発熱を伴い(5〜8℃)、反応混合物は、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)が生成したために、オレンジ−ピンク色になった。室温で5時間後、混合物を123℃で44時間加熱した。反応フラスコから試料を、10時間後、20時間後、44時間後に取り出し、70℃で24時間減圧乾燥した。モノマーの転化率は重量分析により測定し、ポリマーの分子量はGPCを用いて測定した、GPCにより得られた結果を、第4表に示した。
Figure 2004197092
モノマーの転化に伴い分子量が増加することと多分散性が狭いことは、制御された方法を満足する。
比較例B
2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとm−クロロ過安息香酸(mCPBA)の存在下、スチレンの重合
a)2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、m−クロロ過安息香酸(mCPBA)と過酸化ベンゾイル(BPO)の存在下、スチレンの重合
米国特許明細書 US-A 6,320,007 の実施例1は、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、m−クロロ過安息香酸(mCPBA)と過酸化ベンゾイル(BPO)の存在下、三段階のプロセスの、スチレンの重合を開示する:
2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとmCPBAとの5時間の反応で、対応するニトロキシルラジカル(TEMPO)を生成し;
スチレン、BPOとTEMPO(第一段階で生成)の混合物を95℃で3.5時間反応させる。この間、ポリマーは生成しない;
重合温度を123℃に上げることで、制御された重合を生じさせる。
モノマーの転化率に伴い分子量が線形に増加することと多分散性が狭いことによって示されるように、重合は制御された。
b)2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、m−クロロ過安息香酸(mCPBA)と過酸化ベンゾイル(BPO)の存在下、ワン−ポットプロセスによるスチレンの重合
メカニカルスタラー、還流冷却器、温度計及びロートを備えた250mlの四つ口丸底フラスコに4.684gのmCPBA(Acros Organics、70〜75重量%;1.9×10−2モル)を加えた。その後、1.342gの2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(アルドリッチ、99%;9.5×10−3モル)、1.925gのBPO(8×10−3モル)と93.6gのスチレン(0.899モル)を、ロートを用いて素早く加えた。混合物を撹拌し、10分間アルゴンをバブルして脱気した。反応は、わずかに発熱を伴い(5〜8℃)、反応混合物は、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)が生成したために、素早くオレンジ−ピンク色になった。室温で5時間後、混合物を95℃で3.5時間加熱した。この間、分析(GPC及びモノマーの転化率)するために、試料を反応フラスコから取り出した。重合媒体は、123℃に加熱し、重合を10時間後に終了した。ポリマーは、70℃で24時間減圧乾燥した。モノマーの転化率は重量分析により測定し、ポリマーの分子量はGPCを用いて測定した、GPCにより得られた結果を、第3表に示した。
Figure 2004197092
米国特許明細書 US-A 6,320,007 の例1を、ワン−ポットプロセスに変換した(全ての試薬をプロセスの最初に加えた)場合、モノマーの転化に伴う分子量と多分散性の向上は認められなかった。更に、反応混合物を95℃に加熱した時に、制御されていない重合が既に生じていた。
実施例3
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンと過酢酸の存在下、スチレンとn−ブチルアクリレートとの共重合
メカニカルスタラー、還流冷却器、温度計及びロートを備えた250mlの四つ口丸底フラスコに、0.7275gの過酢酸(アルドリッチ、35重量%;3.35×10−3モル)を加えた。その後、0.5239gの2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドン(アルドリッチ、95%;3.37×10−3モル)、75gのスチレン(0.72モル)と75gのn−ブチルアクリレートの混合物を、ロートを用いて素早く加えた。混合物を、水浴を用いて室温で撹拌し、10分間アルゴンをバブルして脱気した。室温で30分後、混合物を110℃で1時間、更に、140℃で加熱した。反応フラスコから試料を、4時間後、6時間後に取り出して分析した。残留モノマーを除去した後、ポリマーを70℃で24時間減圧乾燥した。
2時間後:Mn=29300;Mw/Mn=1.80;収率=18%
6時間後:Mn=42000;Mw/Mn=1.97;収率=48%
モノマーの転化に伴うポリマーの分子量の増加は、制御されたプロセスであることを示している。
本発明を説明することを目的として、詳細に本発明を説明したが、そのような詳細な説明は、単にその目的のためであり、特許請求の範囲によって制限され得ることを除いて、本発明の精神と範囲から離れることなく、当業者であれば変更することができることが理解されるべきである。

Claims (10)

  1. (I)
    a)少なくとも一種の一般式(M)のモノエチレン性不飽和モノマー:
    HRC=CR (M)
    [ここで、
    、R及びRは、独立して、水素、C〜C20のアルキル、C〜C20のシクロアルキル、C〜C24のアリール、ハロゲン、シアノ、C〜C20のアルキルエステル、C〜C20のシクロアルキルエステル、C〜C20のアルキルアミド、C〜C20のシクロアルキルアミド、C〜C24のアリールエステル及びC〜C24のアリールアミドから選択される基を示す。]
    b)少なくとも一種の酸化剤(A)及び
    c)少なくとも一種の一般式(I)の二級アミン:
    Figure 2004197092
    [ここで、
    及びRは、独立して、C〜C18のアルキル、C〜C18のアルケニル、C〜C18のアルキニル、C〜C12のシクロアルキル、C〜C12のヘテロシクロアルキル、C〜C24のアリール及びC〜C12のアルカノールから成る群から選択される基であり、又は
    及びRは、両者を結合している窒素原子と一体となって、酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子を含有するC〜C13のヘテロシクロアルキル残基を形成し;又は
    及びRは、一体となって、多環式環状系の残基又は酸素原子、硫黄原子もしくは窒素原子を含有する多環式ヘテロ脂環式環状系の残基を形成し;
    窒素原子に直接隣接する残基の炭素原子は、各々の場合、更に2もしくは3の有機置換基によって置換されている。]、
    から本質的に成る混合物を形成すること、並びに
    (II)
    0℃〜220℃の範囲の重合温度に混合物を加熱すること
    を含んで成るオリゴマー、コオリゴマー、ポリマー及びコポリマーから成る群から選択される重合した化合物の製造方法。
  2. 及びRの各々は、独立して、C〜C18のアルキル、C〜C18のアルケニル、C〜C18のアルキニル、C〜C12のシクロアルキル、C〜C12のヘテロシクロアルキル、C〜C24のアリールから成る第一群から選択される第一の基を示し、その第一の基は、NO基、ハロゲン基、アミノ基、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、エステル基、ケトン基、C〜Cアルコキシ基、C〜Cアルキルチオ基、C〜Cアルキルアミノ基から成る第二群から選択される第二の基によって置換されている請求項1記載の製造方法。
  3. 残基の少なくとも一種は、コーティングの分野で既知の官能基と更に反応する又は架橋することができる官能基を含む請求項1記載の製造方法。
  4. 混合物は、水、アルコール、エステル、エーテル、ケトン、アミド、スルホキシド、炭化水素及びハロゲン化炭化水素から成る群から選択される溶媒を更に含む請求項1記載の製造方法。
  5. モノマー(M)がスチレン、置換されたスチレン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート及び無水マレイン酸から成る群から選択される少なくとも一種のモノマーである請求項1記載の製造方法。
  6. 酸化剤(A)は、過酢酸、過プロピオン酸、過酸化水素、過酸化水素/チタン含有触媒、過酸化ジベンゾイル、過酸化一硫酸カリウム(2KHSO・KHSO・KSO)、酸化銀及び酸化鉛(IV)から成る群から選択される酸化剤である請求項1記載の製造方法。
  7. 重合温度は、50〜180℃の間である請求項1記載の製造方法。
  8. 重合温度は、70〜150℃の間である請求項1記載の製造方法。
  9. 工程(I)の温度は、0〜100℃の間である請求項1記載の製造方法。
  10. 工程(I)の温度は、0〜50℃の間である請求項1記載の製造方法。

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