JP5020441B2 - 有機開始剤及び該有機開始剤の不飽和モノマーの重合における使用 - Google Patents
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Description
本発明は、不飽和ビニルモノマー及び/又はビニリデンモノマーのラジカル重合用の一連の新規な開始剤群に関するものである。
【0002】
より詳細には、本発明は、ビニル芳香族モノマー用の新規な開始剤群、及び該開始剤のビニル芳香族モノマーのラジカル重合における使用に関するものである。
【0003】
本発明の対象とする開始剤は、上記重合に、「リビング」重合の特性を付与し、したがって、ブロックコポリマーの製造を可能とする。ニトロキシルラジカル及びペルオキシドラジカルに基づく従来系と比較して、本発明の開始剤は、はるかに低い温度(約100℃)でスチレンの重合を活性化する。
【0004】
不飽和モノマーの重合は、好適な開始剤、通常典型的には過酸化物(例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ジクミル等)又はアゾビス(イソブチロニトリル)等のアゾ化合物の存在下でラジカル的に進行する。場合によっては、例えば、スチレンの場合のように、重合は、モノマーを一定温度以上(100〜110℃)に加熱して、それによって重合を開始する不対電子含有の特定の付加物を生成させることにより、自発的に行うことができる。これらの全ての場合において、重合は、「非リビング」である。すなわち、高分子マクロラジカルが、極めて短時間にその分子量を増加し、末端反応又は連鎖移動反応を生じて、鎖が中断する。また、自体の半減期によって特徴付けられ、したがって一定時間にわたって重合を生じさせるラジカル種を連続的に発生する開始剤との反応により他の鎖が同時に形成し始める。
【0005】
従って、このプロセスでは、分子量を制御することが不可能であるどころか、末端反応及び連鎖移動反応の結果、アニオン重合の場合のようなブロックポリマーを製造できない。「リビング」と称されるこの後者の種類の重合では、連鎖移動反応や末端反応が実質的になく、したがって、高分子上に第二モノマーのブロックを成長させることができる。さらに、ポリマー鎖は、全て同時に発生し且つ同じ速度で成長するので、末端ポリマーは極めて狭い分子量分布を有し、分子量は予め所望のように定めることのできるモノマー/開始剤比のみによって決まる。
【0006】
一連の開始剤系が最近見いだされた。これらの開始剤系は、「リビング」プロセスに特徴的なラジカル重合を生じさせることもできる。イニファターを使用することが、「Macromolecular Chemistry、RapidCommunication」3、127、1982に記載されている。これらの物質は、熱及び/又は光化学開始剤並びに連鎖移動剤及び可逆連鎖停止剤として作用する。これらが可逆的でない場合には、従来のラジカル重合の範疇に分類される。イニファターとして、ジアルキルチオウラムジスルフィド、ジアリールジスルフィド等が明記されている。メチルメタクリレート、スチレン、メチルアクリレート及びビニルアセテートから選択されるモノマーを、重合する。
【0007】
この方法の欠点は、開始剤の分解により生成されるラジカルの両方はモノマーを付加することができること、及びこのプロセスを開始するのにほとんどの場合紫外線を使用するので、工業的利用可能性が限定されていることにある。これに加えて、「Polymer Bulletin」(Berlin)、7、197、1982に記載されているように、顕著な連鎖停止反応が生じ、その結果重合寿命が失われる。
【0008】
開始剤の他の例として、熱分解してジフェニルアルキルラジカルを生じるテトラアリールエタン類(Macromolecular Chemistry、184、745、1983)及びシリル化ピナコール類(Journal of Polymer Science、Polymer Chemistry Ed、24、1251、1986)が挙げられるが、これらの系は、あまり効率的でなく、したがって、開発されることはなかった。
【0009】
米国特許第4,581,429号明細書では、まず、R1R2N−O−X(式中、R1及びR2は、窒素原子に隣接する炭素に水素を有しない置換基であり、一方、Xは、NO−X結合の熱切断の結果形成される対応のXラジカルがラジカル機構により不飽和モノマーを重合できる性質を有する置換基である)型開始剤(アルコキシアミン類)を使用することによるホモポリマー及びコポリマーの合成に言及している。連鎖成長反応の抑制は、結合の切断反応が平衡反応であり、形成したニトロキシラジカルはモノマーのラジカル重合を開始することができないことによるものである。また、種々に置換されたアルコキシアミン類の使用及びそれらの合成については、Macromolecules、28、2993(1995)及びPolymer Preprints、40、2、315(1999)に記載されている。
【0010】
米国特許第5,322,912号明細書では、アルコキシアミンは、安定なニトロキシラジカル、ペルオキシド及びモノマーを混合し、好適な温度に加熱することにより、反応環境において直接発生される。
【0011】
米国特許第5,627,248号及び第5,677,388号各明細書には、ラジカル重合プロセスにおいて、一般式R4R5N−O−C(R2R3)−R1−C(R2R3)−O−NR4R5で表される二官能アルコキシアミン類を使用することが記載されている。
【0012】
米国特許第5,910,549号明細書には、ニトロキシラジカルを出発点としてアルコキシアミン類を製造する方法が記載されているが、全ての従来例と同様に、可能なニトロキシラジカルや可能なアルコキシアミン類に関する請求項において、窒素及び酸素は、環の一部分を構成していない。
【0013】
国際特許出願WO96/30421明細書において、Cu(I)/2ビピリジル等の遷移金属により触媒される可逆的レドックス反応によりハロゲン化アルキルが発生する成長しているラジカルにモノマーを添加することからなる新規なプロセスが提案されている。極性モノマーをこのようにして重合でき、この場合、ブロックコポリマー及びグラフトコポリマーも得られる可能性がある。この技術の欠点の一つは、合成物質中の金属性残留物に関連するものであり、連鎖の崩壊を生じて転位を受け、また、低分子量物が生成することがある。
【0014】
Polym. Prep.、35(1)、704(1994)は、メタクリレートの重合における制御剤としてコバルトポルフィリンを使用することを記載している。これらの系は高分子量及び低多分散度を有するポリマーを生成するが、コストが高く、担持されていない、したがって濾過しない場合には、ポリマーが望ましくない着色を生じた状態となる。
【0015】
国際特許出願WO98/01478明細書には、RAFT(Reversible Addition−Fragmentation Transfer)と称される新規なリビングラジカル重合方法が記載されている。この方法では、一般式S=C(Z)SRで表されるチオエステルを連鎖移動剤として使用している。アクリルモノマーもこの方法で重合されるが、これらが放出されると、悪臭や、硫化された化合物が低分子量であるために望ましくないポリマーの着色の問題が生じることがある。
【0016】
本発明者らは、今般、不飽和モノマー、特にビニル芳香族モノマーの重合において活性である新規な種類の開始剤を見いだした。これらの開始剤は、ブロック構造を形成できるというさらなる利点を有している。これらの開始剤は、100℃ですでに活性であり、特定の放射線源を使用しなくても熱的に活性化され、従来公知の系とは異なるものである。さらに、ペルオキシド又はアゾ化合物とニトロキシルラジカルとの組み合わせに基づく系とは異なり、”一成分”であるので、反応相での投入が非常に容易である。
【0017】
したがって、本発明によれば、不飽和ビニル及び/又はビニリデンモノマーの重合用有機開始剤であって、同一環において酸素原子に結合した窒素原子を有する複素環構造を有するとともに、以下に示す構造(I)〜(X)から選択される一般式を有することを特徴とする、有機開始剤が提供される。
【化2】
(式中、
R1、R2、R3、R4、R5のうちの一つだけが水素であり、残りが直鎖または分岐鎖のC1〜C6アルキルラジカル又はC6〜C12アリールラジカルであり、R4とR5のうちの一つが水素である場合には残りのR4又はR5がアリールラジカルであり、R1とR2とR3のうちの一つが水素である場合には残りのR1とR2とR3のうちの一つだけがアリールラジカルであり、
R6は、水素原子又は直鎖または分岐鎖のC1〜C6アルキルラジカル又は−CH2−R14基(式中、R14は、C1〜C6アルキルラジカル、C6〜C12アリール又はC7〜C15アルキルアリールラジカルを表す)を表し、
Arは、芳香族環上に、置換基、典型的にはハロゲン、直鎖または分岐鎖のC1〜C6アルキル基又はカルボキシル基、を有することができるフェニルであり、
R7〜R13は、各々独立的に塩素等のハロゲン若しくは水素原子を表すか、C1〜C6アルキル基、任意にハロゲン化されたC6〜C12アリール基、炭素数1〜15のカルボキシル基、アルコキシル基若しくはアシル基、炭素数15以下のスルホン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、アミン基、アミド基若しくは硝酸基から選択されたものである)。
【0018】
一般式(I)で表される構造としては、例えば、下記のものがある。
2−(1,1−ジメチルエチル)−3−エチル−4−フェニル−1,2−オキサゼチジン、
2−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチル−4−フェニル−1,2−オキサゼチジン、
2−(1,1−ジメチルエチル)−3,3−ジメチル−4−フェニル−1,2−オキサゼチジン、
2−(1,1−ジメチルエチル)−3,4−ジフェニル−1,2−オキサゼチジン。
【0019】
一般式(II)で表される構造としては、例えば、下記のものがある。
2−(1,1−ジメチルエチル)−3,3−ジメチル−5−フェニル−イソオキサゾリジン、
2−(1,1−ジメチルエチル)−3,5−ジフェニル−イソオキサゾリジン、
2−(1−メチルエチル)−3,3−ジメチル−5−フェニル−イソオキサゾリジン、
2−(1,1−ジメチルエチル)−3,3−ジメチル−5−(4−メトキシフェニル)−イソオキサゾリジン、
2−(1,1−ジメチルエチル)−3,3−ジメチル−5−(4−クロロフェニル)−イソオキサゾリジン、
2−(1,1−ジメチルエチル)−3,3−ジメチル−5−(2,4−ジメトキシフェニル)−イソオキサゾリジン。
【0020】
一般式(III)で表される構造としては、例えば、下記のものがある。
2−(1,1−ジメチルエチル)−3,3−ジメチル−6−フェニル−2H−3,4−ジヒドロ−5,6−ジヒドロ−1,2−オキサジン、
2−(1,1−ジメチルエチル)−3,6−ジフェニル−2H−3,4−ジヒドロ−5,6−ジヒドロ−1,2−オキサジン、
2−(1−メチルエチル)−3,3−ジメチル−6−フェニル−2H−3,4−ジヒドロ−5,6−ジヒドロ−1,2−オキサジン、
2−(1,1−ジメチルエチル)−3,3−ジメチル−6−(4−メトキシフェニル)−2H−3,4−ジヒドロ−5,6−ジヒドロ−1,2−オキサジン、
2−(1,1−ジメチルエチル)−3,3−ジメチル−6−(2,4−ジメトキシフェニル)−2H−3,4−ジヒドロ−5,6−ジヒドロ−1,2−オキサジン、
2−(1,1−ジメチルエチル)−3,3−ジメチル−6−(4−クロロフェニル)−2H−3,4−ジヒドロ−5,6−ジヒドロ−1,2−オキサジン。
【0021】
一般式(IV)で表される構造としては、例えば、下記のものがある。
1−(1,1−ジメチルエチル)−3−フェニル−1H−3,4−ジヒドロ−2,1−ベンゾオキサジン、
1−(1,1−ジメチルエチル)−3−フェニル−5−メチル−1H−3,4−ジヒドロ−2,1−ベンゾオキサジン、
1−(1,1−ジメチルエチル)−3−フェニル−5,8−ジメトキシ−1H−3,4−ジヒドロ−2,1−ベンゾオキサジン、
1−(1,1−ジメチルエチル)−3−フェニル−6,7−ジメトキシ−1H−3,4−ジヒドロ−2,1−ベンゾオキサジン、
1−(1,1−ジメチルエチル)−3−フェニル−5,8−ジクロロ−1H−3,4−ジヒドロ−2,1−ベンゾオキサジン。
【0022】
一般式(V)で表される構造としては、例えば、下記のものがある。
1,2,3,4−テトラヒドロ−7H−11bH−ピリド[2,1−d][2,3]ベンゾオキサジン。
【0023】
一般式(VI)で表される構造としては、例えば、下記のものがある。
1−(1,1−ジメチルエチル)−3−エチル−1H−3H−2,1−ベンゾオキサゾール、
1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチル−5−メトキシ−1H−3H−2,1−ベンゾオキサゾール、
1−(1,1−ジメチルエチル)−3−プロピル−4,7−ジメチル−1H−3H−2,1−ベンゾオキサゾール、
1−(1−メチルエチル)−3−エチル−1H−3H−2,1−ベンゾオキサゾール。
【0024】
一般式(VII)で表される構造としては、例えば、下記のものがある。
1,4,4−トリメチル−3−(1,1−ジメチルエチル)−1H−3,4−ジヒドロ−2,3−ベンゾオキサジン、
1,4,4−トリメチル−3−(1−メチルエチル)−1H−3,4−ジヒドロ−2,3−ベンゾオキサジン、
1,4,4−トリメチル−3−(1,1−ジメチルエチル)−5−メトキシ−1H−3,4−ジヒドロ−2,3−ベンゾオキサジン、
1,4,4−トリメチル−3−(1,1−ジメチルエチル)−5,8−ジクロロ−1H−3,4−ジヒドロ−2,3−ベンゾオキサジン。
【0025】
一般式(VIII)で表される構造としては、例えば、下記のものがある。
1−(1,1−ジメチルエチル)−1−アザ−2−オキサ−3H−フェンタレン。
【0026】
一般式(IX)で表される構造としては、例えば、下記のものがある。
3−フェニル−2−オキサ−6,6−ジメチル−1−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、
3−(4−メトキシフェニル)−2−オキサ−6,6−ジメチル−1−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、
3,6−ジフェニル−2−オキサ−6,6−ジメチル−1−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、
3−フェニル−2−オキサ−6,6−ジエチル−1−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン。
【0027】
一般式(X)で表される構造としては、例えば、下記のものがある。
3−フェニル−2−オキサ−6,6−ジメチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン、
3−(4−メトキシフェニル)−2−オキサ−6,6−ジメチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン、
3,6−ジフェニル−2−オキサ−6,6−ジメチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン、
3−フェニル−2−オキサ−6,6−ジエチル−1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン。
【0028】
さらに、本発明によれば、少なくとも一種のビニル芳香族モノマーを、一般式(I)〜(X)で表される一種以上の開始剤の存在下で反応させることを含む、ビニル芳香族モノマーの重合方法が提供される。
【0029】
本明細書及び特許請求の範囲で使用されている用語「ビニル芳香族モノマー」とは、主にスチレンを意味するが、また、C1〜C4アルキルラジカル、C1〜C4アリールラジカル、ハロゲンラジカル又はニトロラジカルで置換された一つ以上の水素原子を有する他のスチレン系モノマー、例えば、メチルスチレン、ビニルナフタレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレン、テトラクロロスチレン、ペンタクロロスチレン、核アルキル化スチレン、例えば、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン及びp−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン及びp−エチルスチレン等をも意味する。これらのスチレン系モノマーは、単独又は互いに混合したもの及び/又はスチレンとの混合物であってもよい。
【0030】
前記ビニル芳香族モノマーは、例えば、全モノマーに対して0.1〜50重量%の量のエチレン性不飽和ニトリル(例えば、アクリロニトリル又はメタクリロニトリル)との混合物として使用するか、あるいは、前記エチレン性不飽和ニトリルの代わりか、前記エチレン性不飽和ニトリルに加えて、前記ビニル芳香族モノマーが40重量%を超える濃度で存在するような量の他のエチレン性不飽和モノマーとの混合物として使用することができる。
【0031】
エチレン性不飽和モノマーの例には、アクリル酸又はメタクリル酸のアルキル又はシクロアルキルエステル(アルキル基は炭素数1〜4であり、シクロアルキル基は炭素数4〜10である)、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、シクロへキシルメタクリレート等がある。別のエチレン性不飽和モノマーは、無水マレイン酸であることができる。
【0032】
また、ブロックコポリマーを、第一モノマー又はモノマー混合物を転化率が5〜99%の範囲となるまで重合させた後、第二モノマー又はモノマー混合物を供給することにより製造することもできる。第一コポリマーブロックを非溶媒で沈殿させて分離後、前記モノマー又はモノマー混合物中に溶解することにより再共重合して第二コポリマーブロックを形成できる。
【0033】
希釈剤として作用する不活性溶媒を、重合すべき混合物に、前記混合物自体に対して20重量%以下(好ましくは、1〜15重量%)の量を添加する。好適な不活性溶媒として、例えば、重合温度で液状の、芳香族炭化水素類、例えば、エチルベンゼン、ケトン類、エステル類及びニトリル類が挙げられる。上記したエチルベンゼンに加えて、トルエン、キシレン類又はそれらの混合物を、芳香族炭化水素類として使用できる。ケトン類としては、例えば、2−ブタノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等がある。本方法に特に好適な溶媒の他の例として、酢酸エチル及びアセトニトリルが挙げられる。
【0034】
重合反応は、反応温度が100〜130℃、好ましくは120℃未満の範囲である以外は従来のペルオキシド重合と同様な条件下で実質的に実施する。この重合は、水の存在下で実施することができる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明及びその実施態様の理解を深めるために、説明に役立ついくつかの非限定的実施例を記載する。
【0036】
例1:1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチル−1H−3H−2,1−ベンゾオキサゾールの合成
【化3】
【0037】
a)中間体Aの合成
【化4】
o−ニトロアセトフェノン=10g(60.6ミリモル)
塩化錫=41g(216.9ミリモル)
濃塩酸=105cc
塩化錫と濃塩酸とを仕込んだ。塊状物を10℃に冷却し、ニトロアセトフェノンをゆっくりと滴下した。
【0038】
滴下の最後に、混合物を、室温で2時間撹拌した。この撹拌時間後、反応が完了したことを、TLCで確認した。
【0039】
水と氷とを反応粗生成物に添加した後、有機相を、エチルエーテルで抽出した。エーテル抽出物を合わせて、重炭酸ナトリウムの希薄水溶液で洗浄後水で洗浄して中性とし、硫酸ナトリウムで脱水し、溶媒を減圧下で留去して、中間体A7.4g(TLCにて単一物であることを確認、収率82%)を得た。
【0040】
b)中間体Bの合成
【化5】
中間体A=7.4g(50ミリモル)
ニトロメタン=150cc
t−ブタノール=5.8cc(55ミリモル)
過塩素酸(70%)=4.9cc(78.4ミリモル)
試薬を記載の順番で仕込み、混合物を20℃で24時間撹拌した。TLCにより、出発物質が消失したことを確認した。
【0041】
エチルエーテルを反応粗生成物に添加したところ、所望の過塩素酸塩が沈殿した。この沈殿を濾取後、アセトンに溶解し、エチルエーテルで再沈した。中間体B(白色固体)14g(収率92%)が得られた。
【0042】
c)以下のスキームによる1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチル−1H−3H−2,1−ベンゾオキサゾールの合成
【化6】
中間体B=14g(46ミリモル)
ホウ水素化ナトリウム=2g(52.6ミリモル)
エタノール=100cc
上記過塩素酸塩とエタノールとを仕込んだ後、ホウ水素化ナトリウムを少しずつ添加した。添加終了後、混合物を、室温で30分間撹拌した。
【0043】
水を反応粗生成物に慎重に添加したところ、油状物が分離した。
【0044】
エタノールを蒸発させ、残査をエチルエーテルで抽出して、生成物7.4gを得た。生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィ(溶離剤:ヘキサン/酢酸エチル=99:1)により精製した。得られた精製物を、1H−NMRで特性付けした。
(200MHz、CDCl3)δ(ppm):1.3(9H,s)、1.5(3H,d)、5.58(1H,q)、6.9−7.2(4H)。
【0045】
例2
窒素をバブリングすることにより脱気したスチレン20ml(175ミリモル)と、エチルベンゼン1.5mlに溶解した1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチル−1H−3H−2,1−ベンゾオキサゾール(11.5mg、0.0603ミリモル)とを、50ml試験管に仕込んだ。
【0046】
反応混合物を、125℃で5時間加熱した。反応混合物の試料を、一時間間隔で採取して転化率と分子量とを測定した。
【0047】
過剰のエタノールによる沈殿、濾過及び60℃での乾燥により、ポリマーを単離した。以下の表1に、転化率の測定値とMn値とを示す。
【0048】
【0049】
例2(比較例)
1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチル−1H−3H−2,1−ベンゾオキサゾールの代わりに2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシル(9.4mg、0.0603ミリモル)及び75%過酸化ベンゾイル(15mg、0.046ミリモル)を用いた以外は、例2の操作を反復した。反応混合物の試料を、1.5時間間隔で採取して転化率と分子量とを測定した。
【0050】
過剰のエタノールによる沈殿、濾過及び60℃での乾燥により、ポリマーを単離した。表2に、得られた転化率とMnのデータを示す。
【0051】
【0052】
例3
窒素をバブリングすることにより脱気したスチレン30ml(262ミリモル)と、エチルベンゼン2.25mlに溶解した1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチル−1H−3H−2,1−ベンゾオキサゾール17.3mgとを、100ml試験管に仕込んだ。
【0053】
反応混合物を、110℃で6時間加熱した。
【0054】
過剰のエタノールによる沈殿、濾過及び60℃での乾燥により、ポリマーを単離した。その結果、ポリスチレン7.75g(転化率28%相当)が得られた。
【0055】
例3(比較例)
1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチル−1H−3H−2,1−ベンゾオキサゾールの代わりに2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシル(14.1mg、0.0945ミリモル)及び75%過酸化ベンゾイル(22.5mg、0.069ミリモル)を用いた以外は、例3の操作を反復した。6時間加熱しても、ポリマー生成物が得られなかった。
【0056】
例4
窒素をバブリングすることにより脱気したスチレン20ml(175ミリモル)と、エチルベンゼン1.5mlに溶解した1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチル−1H−3H−2,1−ベンゾオキサゾール(11.5mg、0.0603ミリモル)とを、50ml試験管に仕込んだ。
【0057】
反応混合物を、100℃で4時間加熱した。反応混合物の試料を、一時間間隔で採取して転化率と分子量とを測定した。
【0058】
過剰のエタノールによる沈殿、濾過及び60℃での乾燥により、ポリマーを単離した。転化率のデータを、表3に示す。
【0059】
【0060】
例4(比較例)
1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチル−1H−3H−2,1−ベンゾオキサゾールの代わりに2,2,6,6−テトラメチルピペリジニルオキシル(9.4mg、0.0603ミリモル)及び75%過酸化ベンゾイル(15mg、0.046ミリモル)を用いた以外は、例4の操作を反復した。4時間加熱しても、ポリマー生成物が得られなかった。反応をさらに2時間継続したが、何ら生成物が得られなかった。
【0061】
例5
反応時間を4.5時間とした以外は例2と同様にして調製したポリスチレン1.505gと、スチレン13.4ml(117ミリモル)及びアクリロニトリル4.7ml(71ミリモル)(両方とも長時間窒素バブリングすることにより脱気)とを、50mlガラス反応器に仕込んだ。混合物を、125℃で1時間反応させた。
【0062】
大過剰のエタノールでの沈殿、濾過及びオーブン中60℃での乾燥により、最終生成物を回収した。このようにして、ポリマー生成物5.52gが得られた。このポリマー生成物をクロマトグラフィーにより分析したところ、ポリスチレンブロックコポリマー/スチレン−アクリロニトリルコポリマーの存在に起因するピークを有することが分かった。
【0063】
例6
例3で調製したポリスチレン1.502gと、スチレン13.4ml(117ミリモル)及びアクリロニトリル4.7ml(71ミリモル)(両方とも長時間窒素バブリングすることにより脱気)とを、50mlガラス反応器に仕込んだ。混合物を、110℃で1時間反応させた。大過剰のエタノールでの沈殿、濾過及びオーブン中60℃での乾燥により、最終生成物を回収した。
【0064】
このようにして、ポリマー生成物2.74gが得られた。このポリマー生成物をクロマトグラフィーにより分析したところ、ポリスチレンブロックコポリマー/スチレン−アクリロニトリルコポリマーの存在に起因するピークを有することが分かった。
【0065】
例7:2−(1,1−ジメチルエチル)−3,3−ジメチル−5−フェニル−イソキサゾリジンの合成
【化7】
【0066】
a)中間体Cの合成
【化8】
N−(1,1−ジメチルエチル)イソプロピルアミン=1.1g(19.98ミリモル)
タングステン酸ナトリウム二水和物=264mg(0.8ミリモル)
過酸化水素(35%)=5cc(60ミリモル)
メタノール=20cc
過酸化水素を除く全ての試薬を仕込み、反応物を0℃に冷却後過酸化水素をゆっくりと滴下した。滴下が終了したら、混合物を放置して室温まで温度を自然上昇させた。3時間後、反応が完了した。TLCにより、所望の単一生成物が得られたことが確認された。
【0067】
エチルエーテルを、反応粗生成物に添加し、反応器を0℃に冷却し、亜硫酸ナトリウムの飽和溶液をゆっくりと滴下した。
【0068】
相分離し、有機相を、NaClの飽和溶液で中性となるまで洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、溶媒を減圧下で留去した。その結果、所望の中間体Cが、定量的収量で得られた(1.2g)。
【0069】
b)2−(1,1−ジメチルエチル)−3,3−ジメチル−5−フェニル−イソオキサゾリジンの合成
【化9】
中間体C=1g(7.75ミリモル)
スチレン=3.3cc
試薬をオートクレーブに仕込み、温度を125℃とした。混合物を、8時間撹拌した。
【0070】
ガスクロマトグラフィー(GC)及びTLCにより、出発物質が消失し、所望物質が生成したことが確認された。残留スチレンを、完全に減圧留去した。得られた粗生成物を、シリカゲルカラム(溶離剤はヘキサン/酢酸エチル=9:1)にて精製した。
【0071】
この生成物を、1H−NMRにて特性付けした。
(200MHz、CDCl3)δ(ppm):7.3(5H,m)、4.9(1H,t)、2.45(1H,dd)、2.1(1H,dd)、1.39(3H,s)、1.35(3H,s)、1.3(9H,s)。
【0072】
例8
窒素をバブリングすることにより脱気したスチレン12.8ml(112ミリモル)と、エチルベンゼン1mlに溶解した2−(1,1−ジメチルエチル)−3,3−ジメチル−5−フェニル−オキサゾリジン(9mg、0.0386ミリモル)とを、50ml試験管に仕込んだ。反応混合物を、125℃で6時間加熱した。
【0073】
反応混合物の試料を、1.5時間間隔で採取して転化率と分子量とを測定した。過剰のエタノールによる沈殿、濾過及び60℃での乾燥により、ポリマーを単離した。
【0074】
表4に、転化率とMnのデータを示す。
【0075】
【0076】
例9
窒素をバブリングすることにより脱気したスチレン12.8ml(112ミリモル)と、エチルベンゼン1mlに溶解した2−(1,1−ジメチルエチル)−3,3−ジメチル−5−フェニル−オキサゾリジン(9mg、0.0386ミリモル)とを、50ml試験管に仕込んだ。反応混合物を、110℃で4.5時間加熱した。
【0077】
反応混合物の試料を、1.5時間間隔で採取して転化率と分子量とを測定した。過剰のエタノールによる沈殿、濾過及び60℃での乾燥により、ポリマーを単離した。
【0078】
表5に、転化率とMnのデータを示す。
【0079】
【0080】
例10
例9と同様にして調製したポリスチレン1.002gを、スチレン8.9ml(78ミリモル)及びアクリロニトリル3.1ml(47ミリモル)(両方とも長時間窒素バブリングすることにより脱気)といっしょに、50mlガラス反応器に仕込んだ。混合物を、110℃で1時間反応させた。
【0081】
大過剰のエタノールでの沈殿、濾過及びオーブン中60℃での乾燥により、最終生成物を回収した。
【0082】
このようにして、ポリマー生成物1.513gが得られた。このポリマー生成物をクロマトグラフィーにより分析したところ、ポリスチレンブロックコポリマー/スチレン−アクリロニトリルコポリマーの存在に起因するピークを有することが分かった。
【0083】
例11:1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチル−4,7−ジメトキシ−1H−3H−2,1−ベンゾオキサゾールの合成
【化10】
【0084】
中間体Dの合成
【化11】
2,5−ジメトキシアセトフェノン:8.0g(44.4ミリモル)
硝酸(65%):40ml
2,5−ジメトキシアセトフェノンを、硝酸に−20℃でゆっくりと滴下した。滴下終了5分後、反応物を氷に注いだ。生じた沈殿物を、濾取し、水洗した。この沈殿物を、エチルエーテルに溶解し、中性となるまで水洗した。有機相を硫酸ナトリウムで脱水した後、溶媒を、真空下留去した。
【0085】
カラムクロマトグラフィ(SiO2、溶離剤はヘキサン/酢酸エチル=1/1)により精製したところ、中間体D6.0g(収率=60%)が得られた。
【0086】
中間体Eの合成
【化12】
中間体D:1.0g(4.44ミリモル)
塩化錫(II):3.0g(15.8ミリモル)
塩酸(37%):10ml
中間体Dを、10℃で少しづつ、濃塩酸に塩化錫(II)を添加した混合物に添加した。温度を、20℃とした。3時間後、反応混合物に氷を添加し、生成物をエチルエーテルで抽出した。有機抽出物を、まず重炭酸ナトリウムの飽和水溶液で中性となるまで洗浄し、最後に水洗した。有機抽出物を脱水後、溶媒を減圧下で留去した。このようにして、生成物0.7gが得られた(収率=75%)。
【0087】
中間体Fの合成
【化13】
中間体E:0.7g(3.34ミリモル)
t−ブタノール:0.389ml(3.67ミリモル)
過塩素酸:0.329ml(3.67ミリモル)
ニトロメタン:14ml
t−ブタノールと過塩素酸とを、順に、ニトロメタンに中間体Eを添加して調製した溶液に添加した。20時間後、エチルエーテルを添加することにより生成物が沈殿した。沈殿物を、濾過により分離した。この生成物を、アセトンに溶解し、エチルエーテルで沈殿させることにより精製した。これを、濾取し、エチルエーテルで数回洗浄した。このようにして、生成物600mgが得られた(収率=49%)。
【0088】
1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチル−4,7−ジメトキシ−1H−3H−2,1−ベンゾオキサゾールの合成
【化14】
中間体F:600mg(1.6ミリモル)
ホウ水素化ナトリウム:75mg(1.9ミリモル)
エタノール:10ml
ホウ水素化ナトリウムを、エチルアルコールに中間体Fを添加して調製した懸濁液に少しづつ添加した。2時間後、水を添加し、エタノールを真空下留去したところ所望の生成物が沈殿した。これを、濾過により分離した。沈殿物を、中性となるまで数回水洗した。このようにして、生成物328mg(収率=82%)が得られた。
【0089】
例12
窒素をバブリングすることにより脱気したスチレン20ml(175ミリモル)と、エチルベンゼン1.5mlに溶解した1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチル−4,7−ジメトキシ−1H−3H−2,1−ベンゾオキサゾール(15.0mg)とを、50ml試験管に仕込んだ。
反応混合物を、110℃で6時間加熱した。
過剰のエタノールによる沈殿、濾過及び60℃での乾燥により、ポリマーを単離した。
【0090】
表6に、転化率とMnのデータを示す。
【0091】
【0092】
例13
窒素をバブリングすることにより脱気したスチレン20ml(175ミリモル)と、エチルベンゼン1.5mlに溶解した1−(1,1−ジメチルエチル)−3−メチル−4,7−ジメトキシ−1H−3H−2,1−ベンゾオキサゾール(15.0mg)とを、50ml試験管に仕込んだ。
【0093】
反応混合物を、125℃で4時間加熱した。
【0094】
過剰のエタノールによる沈殿、濾過及び60℃での乾燥により、ポリマーを単離した。
【0095】
表7に、転化率とMnのデータを示す。
【0096】
【0097】
例14
例12と同様にして調製したポリスチレン0.5gを、スチレン4ml(34ミリモル)及びアクリロニトリル1.5ml(22.6ミリモル)(両方とも長時間窒素バブリングすることにより脱気)といっしょに、50mlガラス反応器に仕込んだ。混合物を、125℃で1時間反応させた。
【0098】
大過剰のエタノールでの沈殿、濾過及びオーブン中60℃での乾燥により、最終生成物を回収した。
【0099】
このようにして、ポリマー生成物2.12gが得られた。このポリマー生成物をクロマトグラフィーにより分析したところ、ポリスチレンブロックコポリマー/スチレン−アクリロニトリルコポリマーの存在に起因するピークを有することが分かった。
Claims (6)
- 有機開始剤であって、同一環において酸素原子に結合した窒素原子を有する複素環構造を有するとともに、以下に示す構造(II)および(VI)から選択される一般式を有することを特徴とする、有機開始剤。
R1、R2、R3、R4、R5のうちの一つだけが水素であり、残りが直鎖または分岐鎖のC1〜C6アルキルラジカル又はC6〜C12アリールラジカルであり、R4とR5のうちの一つが水素である場合には残りのR4又はR5がアリールラジカルであり、R1とR2とR3のうちの一つが水素である場合には残りのR1とR2とR3のうちの一つだけがアリールラジカルであり
R6は、水素原子又は直鎖または分岐鎖のC1〜C6アルキルラジカル又は−CH2−R14基(式中、R14は、C1〜C6アルキルラジカル、C6〜C12アリール又はC7〜C15アルキルアリールラジカルを表す)を表し、
Arは、芳香族環上に、置換基、典型的にはハロゲン、直鎖または分岐鎖のC1〜C6アルキル基又はカルボキシル基、を有することができるフェニルであり、
R7〜R10は、各々独立的に塩素等のハロゲン若しくは水素原子を表すか、C1〜C6アルキル基、任意にハロゲン化されたC6〜C12アリール基、炭素数1〜15のカルボキシル基、アルコキシル基若しくはアシル基、炭素数15以下のスルホン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、アミン基、アミド基若しくは硝酸基から選択されたものである)。 - 少なくとも一種のビニル芳香族モノマーを、請求項1に記載の一般式(II)または(VI)を有する一種以上の有機開始剤の存在下で反応させることを含む、ビニル芳香族モノマーの重合方法。
- 前記ビニル芳香族モノマーを、全モノマーに対して0.1〜50重量%の量のエチレン性不飽和ニトリルとの混合物として使用するか、あるいは、前記エチレン性不飽和ニトリルの代わりか、前記エチレン性不飽和ニトリルに加えて、前記ビニル芳香族モノマーが40重量%を超える濃度で存在するような量の他のエチレン性不飽和モノマーとの混合物として使用する、請求項2に記載の方法。
- 第一モノマー又はモノマー混合物を転化率が5〜99%の範囲となるまで重合させた後、第二モノマー又はモノマー混合物を供給することによりブロックコポリマーを調製する、請求項2または3に記載の方法。
- 重合すべき混合物に、前記混合物自体に対して20重量%以下の量の不活性溶媒を添加する、請求項2〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記重合を、100〜130℃の温度範囲で実質的に実施する、請求項2〜5のいずれか一項に記載の方法。
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