JP3520599B2 - 高分子重合体の製造方法 - Google Patents

高分子重合体の製造方法

Info

Publication number
JP3520599B2
JP3520599B2 JP09982295A JP9982295A JP3520599B2 JP 3520599 B2 JP3520599 B2 JP 3520599B2 JP 09982295 A JP09982295 A JP 09982295A JP 9982295 A JP9982295 A JP 9982295A JP 3520599 B2 JP3520599 B2 JP 3520599B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymerization
polymer
compound
radical
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP09982295A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08269117A (ja
Inventor
次朗 水家
潤二 椎木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Arakawa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Arakawa Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Arakawa Chemical Industries Ltd filed Critical Arakawa Chemical Industries Ltd
Priority to JP09982295A priority Critical patent/JP3520599B2/ja
Publication of JPH08269117A publication Critical patent/JPH08269117A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3520599B2 publication Critical patent/JP3520599B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F4/00Polymerisation catalysts

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高分子重合体の製造方法
に関する。詳しくは、ビニルモノマーのラジカル重合に
おいて、重合を制御しながら高分子重合体を製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】従来より、ビニルモノマ
ーをラジカル重合することにより各種の高分子重合体が
生産されており、塗料用樹脂、接着剤用樹脂、各種改質
剤など広範囲の用途で使用されている。しかし、ラジカ
ル重合では成長ラジカルの反応性が高いため、停止反応
や移動反応が起こり易く、リビングイオン重合のように
重合を厳密に制御することは困難である。一般には、重
合開始剤とビニルモノマー比や連鎖移動剤量を変えるこ
とによって大まかに重合体の分子量を調整している程度
であり、分子量分布や共重合構造の制御は特殊な場合を
除いては不可能であった。一方、リビングイオン重合法
では分子量や構造の制御が可能になってきているが、ビ
ニルモノマー、溶媒および試薬の純度、反応装置や反応
条件に厳しい制約を受けている。
【0003】かかる現状から、ラジカル重合においても
リビングイオン重合と同様に重合を制御して、共重合組
成、分子量、分子量分布等を調整する方法が活発に研究
されてきている。例えば、ジチオカーバメート誘導体を
重合開始剤として用いる方法や、金属錯体を再度重合を
開始させる能力をもつ連鎖移動剤として用いる方法など
がある。しかし、これらの重合方法でも光による活性化
など特殊な条件が求められており、汎用的であるとはい
えない。
【0004】また、最近嵩高い置換基を持つアルコキシ
アミンを重合開始剤として用いたラジカル重合の制御方
法が報告されている(特公平5−6537号公報)。こ
の方法では、重合末端のアルコキシアミンの熱分解によ
って再生したラジカルによる成長と、ニトロキシラジカ
ル構造を有する化合物(なお、当該化合物はニトロキシ
ル化合物、Nーオキシル、ニトロキサイドともいう)と
の反応による停止を繰り返すことにより重合が進行し
て、重合度、共重合構造などの制御を可能にしている。
また、同じ重合機構でも1−オキシ−2,2,6,6−
テトラメチルピペリジンとベンゾイルパーオキサイドと
を用いるラジカル重合によれば、分子量分布を狭く制御
した構造の重合体を得ることできる(例えば、ポリマー
ジャーナル サイエンス エンジニアリング(Polyme
r Journal Science Enginering),68巻、6頁、19
93年)。しかし、これらの処方ではラジカル重合を制
御することは可能になっているものの、重合速度が非常
に遅いため、工業的規模で実施することは現実的ではな
い状況にある。従って、ニトロキシラジカル構造を有す
る化合物を用いた重合制御の特長を活かして、重合速度
を実用的な範囲まで上げることが大きな課題となってい
る。
【0005】こうしたニトロキシラジカル構造を有する
化合物およびその前駆体である嵩高い置換基をもつアミ
ンはポリオレフィン類の酸化防止剤として有用であり、
非常に広範囲の研究が行われている。そのなかでアルコ
キシアミンからのニトロキシラジカルを有する化合物と
炭素ラジカルへの解離速度への立体的影響が検討されて
おり(例えば、カナディアン ジャーナル オブ ケミ
ストリィ(Canadian Journal of Chemistry )誌, 57
巻、2840頁、1979年記載)、置換基間の立体的
反発が大きくなると解離速度が大幅に上昇することが報
告されている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記従来
技術の課題を解決すべく、ニトロキシラジカル構造を有
する化合物を用いた場合のラジカル重合における成長末
端構造の影響に着目して鋭意検討を重ねた。その結果、
1分子中に1個のニトロキシラジカル構造をもつ化合物
を使用した場合に比較して、1分子中に2個以上のニト
ロキシラジカル構造を有する化合物を使用する場合が、
成長末端での立体的反発が生じて大幅に重合速度を向上
させることができることを見出した。
【0007】すなわち本発明は、ビニルモノマーをラジ
カル重合して高分子重合体を製造する方法において、反
応系中に、一般式(1):
【0008】
【化3】
【0009】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 は同一も
しくは異なる直鎖または分岐鎖の炭素数1〜3のアルキ
ル基を表す。)で表されるニトロキシラジカル構造を、
1分子中に2個以上有する化合物を存在させることを特
徴とする高分子重合体の製造方法に関する。
【0010】本発明では、ラジカル重合体の製造にあた
り、前記一般式(1)で表されるニトロキシラジカル構
造を1分子中に2個以上有する化合物を必須成分として
使用する。
【0011】かかる一般式(1)で表されるニトロキシ
ラジカル構造は、ビニルモノマーの重合中に、ラジカル
重合の成長末端と効率良く結合し、熱的に均一解離を起
こすものであれば特に制限はされない。具体例として
は、例えば、ビス(tert−ブチル)ニトロキサイド
構造、2,2,4,4−テトラメチルアゼチジンー1ー
オキシル構造、2,2,4,4−テトラメチルオキサゾ
リジン−3−オキシル構造、2,2,5,5−テトラメ
チルピロリジン−1−オキシル構造、2,2,6,6−
テトラメチルピペリジン−1−オキシル構造等があげら
れる。これらニトロキシラジカル構造のなかでも、入手
の容易さ、合成の容易さ、安定性、反応性を考慮する
と、一般式(2):
【0012】
【化4】
【0013】で表される2,2,6,6−テトラメチル
ピペリジン−1−オキシル構造が好ましい。
【0014】また、反応系中に存在させる化合物は、前
記一般式(1)で表されるニトロキシラジカル構造を、
1分子中に2個以上有する必要である。好ましくは、ニ
トロキシルラジカル構造は2個以上50個以下である。
1分子中のニトロキシラジカル構造の個数が50個を越
える場合には、重合速度の面からは50個以下の場合と
比べて大差はないが、当該化合物自体が非常に高分子量
になるため重合溶媒、ビニルモノマーへの溶解性が低下
して重合操作の面から好ましくない。なお、ニトロキシ
ラジカル構造を1分子中に1個のみ有する化合物では重
合速度が遅くなり実用的でない。
【0015】前記一般式(1)で表されるニトロキシラ
ジカル構造を1分子中に2個以上有する化合物は、当該
化合物に対応するアミノ基含有化合物(2個の四置換炭
素と直接結合した2級窒素原子を有するアミノ基含有化
合物をいう)の酸化体であり、通常、該アミノ基含有化
合物を酸化することによって合成する。酸化する方法は
特に制限されず、例えば、オゾン、m−クロロ安息香酸
などの過酸、第三ブチルハイドロパーオキサイドのよう
な有機過酸化物、過酸化水素などの酸化剤を単独で用い
て、もしくはモリブテン系やチタン系等の触媒を併用し
て行われる。なお、一般式(1)で表されるニトロキシ
ラジカル構造を1分子中に2個以上有する化合物の合成
は、該化合物を反応系内に添加する前に前記アミノ基含
有化合物を酸化して合成できる他に、前記アミノ基含有
化合物を反応系内に添加しラジカル重合開始剤として用
いられる前記酸化剤の作用により反応系内で合成するこ
ともできる。
【0016】前駆体となる前記アミノ基含有化合物は、
酸化した場合に一般式(1)で表されるニトロキシラジ
カル構造になりうる2級窒素原子を1分子中に2個以上
有していれば特に限定されないが、その酸化体であるニ
トロキシラジカル構造の成長末端での立体反発の効果を
考慮すれば、ニトロキシラジカル構造に対応する2級窒
素原子ができるだけ分子中で接近しているものが望まし
い。さらには、化合物の選択にはビニルモノマーおよび
溶媒への溶解性や、最終製品の性能などが考慮される。
こうしたアミノ基含有化合物およびその酸化体としては
ポリオレフィンの光酸化防止剤として使用されている化
合物などがあげられる。かかるアミノ基含有化合物のな
かで、前記一般式(2)で表される2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジン−1−オキシル構造に対応する
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン構造を2個以
上有する化合物の具体例としては、例えば、ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−セバシ
ン酸エステル、テトラキス(2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラ
カルボキシレート、1,2,3,4−ブタンテトラカル
ボン酸と2,2,6,6−テトラメチルー4−ピペリリ
ジノールと3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒド
ロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピ
ロ[5.5]ウンデカンとの縮合物や2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジルメタクリレート重合体な
どがあげられる。
【0017】本発明の高分子重合体の製造方法において
使用するビニルモノマーとしては、ラジカル重合可能な
ビニルモノマーであれば特に制限を受けない。例えば、
スチレン類、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル
(アルキル基の炭素数1〜8)、酢酸ビニル、アクリロ
ニトリル等があげられる。これらビニルモノマーは1種
を単独で重合することもでき、また2種以上を使用して
共重合することもできる。
【0018】2種以上を使用する場合には、ビニルモノ
マーの添加時期によって共重合体の構造を制御すること
もできる。すなわち、全ビニルモノマーを同時に反応系
に添加する場合には得られる高分子重合体がランダムな
共重合構造となり、一方複数種のビニルモノマーを1種
のビニルモノマーが消費され次第、段階的に別のビニル
モノマーを添加する方法をとる場合には添加順序に対応
するブロック共重合体構造となる。また、一般式(1)
で表されるニトロキシラジカル構造を1分子中に2個以
上有する化合物として、2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジルメタクリレート重合体の酸化体などの
重合体型の化合物を用いた場合には、グラフト共重合体
構造となる。
【0019】前記ビニルモノマーをラジカル重合する方
法は、重合時に反応系内に、一般式(1)で表されるニ
トロキシラジカル構造を1分子中に2個以上有する化合
物を添加することを除けば従来公知の各種のラジカル重
合方法と同様の方法を採用できる。
【0020】例えば、所定の反応容器に、ビニルモノマ
ー、一般式(1)で表されるニトロキシラジカル構造を
1分子中に2個以上有する化合物、溶媒、および通常の
ラジカル重合開始剤を加え、撹拌下、加温する方法を採
用できる。溶媒としては通常、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド
等を溶解性や重合温度を考慮して使用することができ
る。また、一般の分散剤や乳化剤を使用することにより
水中での分散重合、乳化重合を行なうことも可能であ
る。
【0021】ラジカル重合開始剤は通常使用されている
アゾ系または過酸化物系等のものを重合温度などを考慮
して選択して使用することができ、例えば、2,2' −
アゾビス(イソブチロニトリル)、ベンゾイルパーオキ
サイド等をあげることができる。尚、過酸化物はニトロ
キシル化合物との間で酸化還元反応を起こして、有効な
開始剤由来のラジカル数およびニトロキシラジカル数の
減少につながるため、これらを考慮の上でその使用量等
を設定する必要がある。ラジカル重合開始剤の使用量
は、ビニルモノマーの総モル和に対して、通常0.01
モル%〜10モル%、好ましくは0.1モル%〜3モル
%である。
【0022】一般式(1)で表されるニトロキシラジカ
ル構造を1分子中に2個以上有する化合物の添加量は、
開始剤効率を考慮してラジカル重合開始剤1モルに由来
のラジカル数の当量に対して0.1倍モル当量〜2倍モ
ル当量、好ましくは0.2倍モル当量〜1倍モル当量使
用される。0.1倍モル当量より少ない場合は重合を制
御できなくなり、2倍モル当量を越える場合には、重合
速度が非常に遅くなるため実用的ではなくなる。
【0023】重合温度は、重合時間や使用する溶媒など
を考慮して選択される。重合速度は温度が高いほど速く
なるため80℃以上であり、好ましくは100℃以上に
設定される。80℃より重合温度が低い場合、重合速度
が非常に遅くなり実用的でなくなる。また、重合温度に
よってはラジカル重合開始剤の分解速度が遅く、ニトロ
キシラジカル構造の個数に対する重合ラジカルの相対量
が小さくなるため重合速度が遅くなる場合がある。従っ
て、より分解温度の低い重合開始剤を選択するか、重合
温度を高く設定するか、先に述べたような酸化還元反応
によって分解を促進させることが望ましい。
【0024】重合濃度は、他の重合条件や最終製品の形
態などを考慮して選択される。重合速度は重合濃度が高
いほど速くなるため、モノマー濃度が10重量%以上に
なるように設定され、好ましくは25重量%以上に設定
される。10重量%未満では重合速度が非常に遅くな
り、実用的ではなくなる。
【0025】本発明の方法によって得られるポリマー
は、一般式(1)で表されるニトロキシラジカル構造を
1分子中に2個以上持つ化合物を中心にしてビニルモノ
マーが成長して重合体が形成されるため、前記ニトロキ
シラジカル構造を有する化合物の構造により星型あるい
は櫛型の構造をとっている。従って、必要によっては、
例えば酢酸中での亜鉛処理などの方法により末端のアミ
ノエーテル基を切断することが可能であり、制御された
構造を持つ重合体を得ることもできる。
【0026】
【実施例】以下に、実施例によって本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
尚、重量平均分子量はGPC(ゲルパーミネーションク
ロマトグラフィー)を用いて測定し、ポリスチレン換算
値として算出した。
【0027】参考例1 テトラキス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート5
0.0g、エタノール75ml、イオン交換水10m
l、エチレンジアミンテトラカルボン酸739mgおよ
びタングステン酸ナトリウム2水和物752mgを、撹
拌器、窒素導入管、温度計、還流冷却管および滴下漏斗
を取り付けた300ml反応容器に入れ、30℃以下に
温度を保ちながら、過酸化水素水(30重量%)を90
分で滴下した。更に、室温で24時間反応を行なった
後、ジエチルエーテル100mlで抽出し、無水の硫酸
マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去し、残渣をヘキサ
ンから再結晶することにより黄色の結晶25.9g(収
率48モル%)としてテトラキス(1−オキシル−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジル)1,2,3,4
−ブタンテトラカルボキシレート(1分子中に4個のニ
トロキシラジカルを持つ化合物)を得た。紫外線吸収ス
ペクトル(溶媒:ジクロロメタン)は、λmax :463
nm(吸光度:0.00513/mg)であった。
【0028】参考例2 1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、2,2,
6,6−テトラメチルー4−ピペリリジノールと3,9
−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウン
デカンとの縮合物(製品名:アデカスタブLA−68
(旭電化工業株式会社))100.0g、ジクロロエタ
ン420mlおよびモリブテンヘキサカルボニル2.7
4gを、撹拌器、窒素導入管、温度計、還流冷却管およ
び滴下漏斗を取り付けた1000ml反応容器に入れ、
還流した。ここに4モル/1000mlのtert−ブ
チルハイドロキシオキサイド/ジクロロエタン溶液14
9mlを1時間で滴下し、更に、2時間反応させた。反
応混合物を冷却した後、硫酸ナトリウムの5%水溶液で
洗浄した。水層をクロロホルムで抽出し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥して赤色オイル90.35gを得た。こ
れを酢酸エチルに溶解し、メタノール中に投入して重合
体を分離した後、乾燥した。この重合体中にはテトラキ
ス(1−オキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキ
シレート(17.6モル%)とそれ以上の縮合度の縮合
物の酸化体(82.4モル%)が含まれている事をGP
Cで確認した(1分子中の平均ニトロキシラジカル数は
5.6(GPC面積比に基づいた計算値))。紫外線吸
収スペクトル(溶媒:ジクロロエタン)は、λmax :4
60nm(吸光度:0.00249/mg)であった。
【0029】参考例3 2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメタク
リレート100gおよびイソプロピルアルコール400
gを、撹拌器、窒素導入管、温度計および還流冷却器を
取り付けた1000ml反応容器に入れ、20℃に保ち
ながら窒素ガスを通じて液中の溶存酸素を除き、アゾイ
ソブチロニトリル3.64gを加えて撹拌下80℃で4
時間重合することにより重合体を得た。得られた重合溶
液をメタノール3000ml中に投入して重合体を分離
し、減圧乾燥した。この重合体10g、ジクロロエタン
52mlおよびモリブテンヘキサカルボニル820mg
を、撹拌器、窒素導入管、温度計、還流冷却管および滴
下漏斗を取り付けた100ml反応容器に入れ、還流し
た。ここに4モル/1000mlのtert−ブチルハ
イドロキシオキサイド/ジクロロエタン溶液22.2m
lを1時間で滴下し、更に、2時間反応させた。反応混
合物を冷却した後、硫酸ナトリウムの5%水溶液で洗浄
した。水層をクロロホルムで抽出し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥し、溶媒を減圧除去することで赤色オイル
6.54gを得た。重合体の重量平均分子量5000
(GPCによる値(ポリスチレン換算)、1分子中の平
均ニトロキシラジカル数:20.7であった。紫外線吸
収スペクトル(溶媒:ジクロロエタン)は、λmax :4
61nm(吸光度:0.00442/mg)であった。
【0030】実験例1 スチレン5g、実施例1で得られたテトラキス(1−オ
キシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)
1,2,3,4−ブタンテタラカルボキシレート133
mg(スチレン/ニトロキシルラジカル=100/1.
2(モル当量))およびベンゾイルパーオキサイド11
7mgを撹拌子とともに重合用アンプルに入れ、脱気し
た後、封管した。このアンプルを95℃で3時間加熱
し、更に、130℃で6時間加熱した。重合終了後にア
ンプルを開封して内容物をベンゼンに溶解し、大量のメ
タノール中に投入することによって重合体を分離した。
収率、重合体の重量平均分子量は表1に示す結果であっ
た。
【0031】実施例2 スチレン5g、参考例2で得られた1,2,3,4−ブ
タンテトラカルボン酸と2,2,6,6−テトラメチル
ー4−ピペリリジノールと3、9−ビス(1,1−ジメ
チル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テ
トラオキサスピロ[ 5、5] ウンデカンとの縮合物の酸
化物0.139g(スチレン/ニトロキシラジカル=1
00/1.2(モル当量))およびベンゾイルパーオキ
サイド0.117gを撹拌子とともに重合用のアンプル
に入れ、脱気した後、封管した。この混合液を95℃で
3時間加熱し、更に、130℃で6時間加熱した。重合
終了後にアンプルを開封して内容物をベンゼンに溶解
し、大量のメタノール中に投入することによって重合体
を分離した。収率、重合体の重量平均分子量は表1に示
す結果であった。
【0032】実施例3 スチレン5g、参考例3で得られた2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジルメタクリレート重合体の酸
化物0.108g(スチレン/ニトロキシラジカル=1
00/1.2(モル当量))、ベンゼン5gおよびベン
ゾイルパーオキサイド0.095gを撹拌子とともに重
合用のアンプルに入れ、脱気した後、封管した。この混
合液を95℃で3時間加熱し、更に、130℃で12時
間加熱した。重合終了後にアンプルを開封して内容物を
大量のメタノール中に投入することによって重合体を分
離した。収率、重合体の重量平均分子量は表1に示す結
果であった。
【0033】実施例4 スチレン5g、参考例3で得られた2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジルメタクリレート重合体の酸
化物0.583g(スチレン/ニトロキシラジカル=1
00/0.2(モル当量))およびアゾビスイソブチロ
ニトリル0.983gを撹拌子とともに重合用のアンプ
ルに入れ、脱気した後、封管した。この混合液を130
℃で3時間加熱した。重合終了後にアンプルを開封して
内容物をベンゼンに溶解し、大量のメタノール中に投入
することによって重合体を分離した。収率、重合体の重
量平均分子量は表1に示す結果であった。
【0034】実施例5 パラメトキシスチレン5g、実施例2で得られた1,
2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6
−テトラメチルー4−ピペリリジノールと3,9−ビス
(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカ
ンとの縮合物の酸化物を末端とするポリスチレン(重量
平均分子量61200)1.7gを撹拌子とともに重合
用のアンプルに入れ、脱気した後、封管した。この混合
液を130℃で5時間加熱した。重合終了後にアンプル
を開封して内容物をクロロホルムに溶解し、大量のメタ
ノール中に投入することによって重合体を分離した。収
率、重合体の重量平均分子量は表1に示す結果であっ
た。尚、得られた共重合体中には、スチレンおよびパラ
メトキシスチレンの単独重合体は含まれていなかった。
【0035】比較例1 スチレン5g、1−オキシル−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン0.108g(スチレン/ニトロキシ
ルラジカル=100/1.2(モル当量))、ベンゾイ
ルパーオキサイド0.118gおよびベンゼン5gを撹
拌子とともに重合用のアンプルに入れ、脱気した後、封
管した。このアンプルを95℃で3時間加熱し、更に、
130℃で6時間加熱した。重合終了後にアンプルを開
封して内容物をベンゼンに溶解し、大量のメタノール中
に投入することによって重合体を分離した。収率、重合
体の重量平均分子量は表1に示す結果であった。
【0036】比較例2 スチレン5g、1−オキシル−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン0.108g(スチレン/ニトロキシ
ルラジカル=100/1.2(モル当量))、ベンゾイ
ルパーオキサイド0.118gおよびベンゼン5gを撹
拌子とともに重合用のアンプルに入れ、脱気した後、封
管した。このアンプルを95℃で3時間加熱し、更に、
130℃で24時間加熱した。重合終了後にアンプルを
開封して内容物の 1NMRの積分値から収率を算出し
た。収率は表1に示す結果であった。なお、得られた重
合体は分子量が小さいためにメタノールに溶解して分離
できなかった。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、ラジカル重合を抑制し
ながら、高分子重合体を製造できる。しかも、重合速度
を大幅に速くでき、重合速度が実用レベルまで向上して
いるため、重合時間を短縮したり、重合温度を低くする
ことが可能となり工業的見地からの実用範囲が広くな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/00 - 4/82 C08F 2/00 - 2/60

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニルモノマーをラジカル重合して高分
    子重合体を製造する方法において、反応系中に、一般式
    (1): 【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、R4 は同一もしくは異なる
    直鎖または分岐鎖の炭素数1〜3のアルキル基を表
    す。)で表されるニトロキシラジカル構造を、1分子中
    に2個以上有する化合物を存在させることを特徴とする
    高分子重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表されるニトロキシラジ
    カル構造として、一般式(2): 【化2】 で表される2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−
    1−オキシル構造を有する請求項1記載の製造方法。
JP09982295A 1995-03-31 1995-03-31 高分子重合体の製造方法 Expired - Fee Related JP3520599B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09982295A JP3520599B2 (ja) 1995-03-31 1995-03-31 高分子重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP09982295A JP3520599B2 (ja) 1995-03-31 1995-03-31 高分子重合体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08269117A JPH08269117A (ja) 1996-10-15
JP3520599B2 true JP3520599B2 (ja) 2004-04-19

Family

ID=14257530

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09982295A Expired - Fee Related JP3520599B2 (ja) 1995-03-31 1995-03-31 高分子重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3520599B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19939328A1 (de) * 1999-08-19 2001-02-22 Basf Ag Polymerisationsverfahren
JP2005112809A (ja) * 2003-10-09 2005-04-28 Asahi Denka Kogyo Kk 光学材料に適した多価ヒンダードアミン化合物、その製造方法、ノルボルネン系樹脂組成物及び導光板

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08269117A (ja) 1996-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0135280B1 (en) New polymerization process and polymers produced thereby
US4581429A (en) Polymerization process and polymers produced thereby
JP3542580B2 (ja) ハロゲン化されたキサントゲン酸エステルにより制御された遊離ラジカル重合によって重合体を合成するための方法
US5677388A (en) Difunctional living free radical polymerization initiators
EP0869137B1 (en) Controlled free radical polymerization process
US5910549A (en) Method for preparation of alkoxyamines from nitroxyl radicals
EP1071681B1 (en) Nitroxyl derivatives with glycidyl or alkylcarbonyl groups as initiators for radical polymerisation
US5854364A (en) Process for the controlled radical polymerization or copolymerization of (meth)acrylic, vinyl, vinylidene and diene monomers, and (co)polymers obtained
EP0853634B1 (en) Control of molecular weight and end-group functionality in polymers
US6420502B1 (en) Living free radical initiators based on alkylperoxydiarylborane derivatives and living free radical polymerization process
JP2001500914A (ja) 擬似リビングラジカル重合のためのno化合物
JP4975904B2 (ja) β亜燐酸ニトロキシドから得られるアルコキシアミン
JPH11322714A (ja) 1―アルコキシ―ポリアルキル―ピペリジン誘導体および重合調節剤としてのその使用
JP3520599B2 (ja) 高分子重合体の製造方法
JP4138024B2 (ja) マクロモノマーの合成方法
US20030236368A1 (en) Preparation of functionalized alkoxyamine initiator and its use
KR100239582B1 (ko) (메트)아크릴 및 비닐 단량체의 조절 중합화 또는 공중합화 방법 및 그의 수득된 생성물
US20020103320A1 (en) Process for the production of telechelic substances, telechelic substances produced in this manner and use thereof
KR20010071375A (ko) 비닐기 함유 알콕시아민, 그 용도 및 제조방법
US6258905B1 (en) Stabilized, unimolecular initiators for hydrocarbon polymerization
US20040002606A1 (en) Process for the synthesis for alkoxy amines and their use in controlled radical polymerization
JP4665270B2 (ja) 高分子ラジカル重合開始剤、その製造方法およびそれを用いて得られるグラフトポリマー
CN110437387B (zh) 一种含二硫代羧酸酯基团的聚(甲基)丙烯酸聚醚酯的共聚物及其制备方法和应用
EP1288236A2 (fr) Procédé de fabrication de copolymères à architecture contrôlée à l'aide d'amorceurs radicalaires fonctionnels en polymérisation radicalaire vivante
EP1431316B1 (en) The in situ polymerization of monoethylenically unsaturated monomers with oligomeric or polymeric secondary amines

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040126

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees