JPH0150699B2 - - Google Patents

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JPH0150699B2
JPH0150699B2 JP18162485A JP18162485A JPH0150699B2 JP H0150699 B2 JPH0150699 B2 JP H0150699B2 JP 18162485 A JP18162485 A JP 18162485A JP 18162485 A JP18162485 A JP 18162485A JP H0150699 B2 JPH0150699 B2 JP H0150699B2
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JP
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polymerization
group
carbonate
organic peroxide
polymer
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JP18162485A
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JPS6242963A (ja
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Takeshi Komai
Kazuo Matsuyama
Isao Pponma
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Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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Priority to EP86306322A priority patent/EP0214778B2/en
Priority to DE8686306322T priority patent/DE3671015D1/de
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、不飽和単量体のラジカル重合または
共重合に使用できるペルオキシアリールカーボネ
ートの、重合調整能を有する有機過酸化物に関す
るものである。 (従来の技術) 不飽和単量体のラジカル重合または共重合にお
いては、重合速度、ポリマーの重合度および分子
量分布などの重合調整に絡む諸因子は、重合熱な
らびにポリマーの流動性、加工性および機械的性
質と密接な関係にある。このため、重合の調整は
高分子化学分野、特にその工業における最も重要
な課題となつている。 ラジカル重合の初期に生成する不飽和単量体の
ポリマーの数平均重合度(Po)の逆数および重
合速度は、日本化学会編「新実験化学講座19、高
分子化学〔I〕」(丸善)第387頁ないし第388頁
(1975年)に記載されているように、一般には次
の(1)および(2)式によつて表わされる。 1/Po=ktrM/kp+ktrI〔I〕/kp〔M〕+ktrA〔A〕
/kp〔M〕 +(1+X)k/―tRp/kp 2〔M〕2 (1) Rp=(2fkdKp 2/kt1/2〔M〕〔I〕1/2 (2) (ただし、KtrMKtrIおよびKtrAはそれぞれ不飽和
単量体、重合開始剤および重合調整剤へのポリマ
ーラジカルの連鎖移動の速度定数であり、t
よびkpはそれぞれ停止および成長反応の速度定数
である。また、kdおよびfはそれぞれ重合開始剤
の分解速度定数および開始剤効率である。さらに
また、〔I〕、 〔M〕および〔A〕はそれぞれ重合開始剤、不
飽和単量体および重合調整剤の濃度、Rpは重合
速度、Xは不均化停止反応の割合を示す。) (1)式において、右辺第1項、第2項および第3
項は、それぞれ不飽和単量体、重合開始剤および
重合調整剤へのポリマーラジカルの連鎖移動反応
による項であり、第4項はポリマーラジカル同士
による停止反応の項である。 (1)式に従えば、ポリマーの重合度は、重合速度
が大になると低下するが、重合調整剤の濃度が増
加しても低下することになる。従つて、通常は重
合速度を変えるか、ktrA/kpで表わされる連鎖動
定数の既知の重合調整剤を加えることによつて生
成ポリマーの重合度の調整が行なわれている。 例えば、前記文献には、アゾイソブチロニトリ
ルおよびジベンゾイルペルキオキシドを用いるス
チレンの重合において(1)式の成立することが示さ
れているし、また特公昭34−10046号公報には、
ジベンゾイルペルキオキシドの濃度を変え、重合
速度を大にすることによつて各種重合度のポリマ
ーの得られることが示されている。 また例えば、特開昭48−52886号公報には、ア
ルキルメルカプタンおよび四臭化炭素を用いる
と、ポリマーの重合度の低下に基づき、ポリマー
溶液の相対粘度の著しく低下することが開示され
ている。 またペルオキシカーボネートに関しては、ベル
ギー国特許第660383号公報には次の一般式() (ただし、Rは第三級アルキル基および第三級ア
ラルキル基を、R′はアルキル基、アラルキル基、
アリール基およびアルコキシアルキル基を示す。)
で表されるものが、不飽和単量体の重合開始剤と
して利用できることが開示され、またテトラヘド
ロン レター(Tetrahedron Letter)、36巻、
3355頁(1987年)には、一般式()において、
Rが第三級ブチル基で、R′がフエニル基である
t−ブチルペルオキシフエニルカーボネートの合
成方法について記載されている。 さらにまた、ブルチン・オブ・アカデミー・オ
ブ・サイエンス・ユー・エス・エス・アール
(Bulletin of Academy of Science USSR)、3
巻、400頁(1963年)には、一般式()におい
て、Rがベンゾイル基でR′がフエニル基である
ベンゾイルペルオキシフエニルカーボネートと、
R′がシクロヘキシル基であるベンゾイルペルオ
キシシクロヘキシルカーボネートとの重合特性の
相違にいいて記載されている。 (発明が解決しようとする問題点) 従来の重合開始剤および重合調整剤を用いる重
合調整技術には限界があり、次に述べるいくつか
の欠点が指摘されている。 すなわち、重合速度が大になると、重合熱の増
大や重合系の粘度の急激な上昇により重合反応の
制御が著しく困難となる。例えば、メチルメタク
リレート系樹脂板の製造においては、重合による
発熱や重合体の収縮を小さくする目的でシロツプ
が使用されているが、これは適当な粘度を有し、
かつポリマー含有量の大きなものが望まれてい
る。ところが、通常用いられている重合開始剤で
は重合反応の制御が困難でシロツプの粘度がはな
はだしく大きくなる場合がある。 また、近年のスチレン系樹脂の製造において
は、射出成形機の高速・精密化により成形加工性
の優れた樹脂が求められている。しかし、通常は
重合後期のゲル効果による非常に高分子量なポリ
マーの生成により、成形加工性の優れたポリマー
を得ることは困難となつているし、分子量を低下
させるために重合開始剤の量を増加させると、低
分子量ポリマーの生成により機械的性質が悪化す
る。このようにポリマー分子量の均一性の問題は
重要な課題である。 また、四臭化炭素を用いる方法ではポリマーの
熱安定性が悪化し、そのため加工温度での着色分
解が激しくなり、その成形品の実用的価値は低下
する。さらにまた、アルキルメルカプタンの場合
には、不快な臭気のため使用上大きな障害となる
だけでなく、ポリマー中に残存する未反応メルカ
プタンも悪影響を及ぼすことが知られている。さ
らに、前記一般式()で表されるペルオキシカ
ーボネートの場合には、R′としてイソプロピル
基やベンジル基、シクロヘキシル基などを使用し
ているが、これらは重合調整能の効果が極めて小
さい。また、Rがベンゾイル基であるベンゾイル
ペルオキシカーボネートの場合には、R′によつ
て著しく異なる重合特性を有し、R′がシクロヘ
キシル基の場合には塩化ビニルの重合を開始する
が、R′がフエニル基になると塩化ビニルの重合
を全く開始しないため、重合開始剤として利用で
きないことが示されている。 (問題点を解決するための手段) 本発明は、前述の欠点を解決するために、鋭意
研究を重ねた結果、次式 (ただし、式中のR1およびR2は、水素原子、炭
素数2ないし10のアルキル基、塩素原子からなる
群から選ばれた1種または2種の置換基ならびに
R3およびR4は炭素数1ないし4の低級アルキル
基を示し、R5はlが1のとき炭素数2ないし12
のアルキル基を、lが2のときmが2ないし4の
整数である(−CH2)−n基を示す。)で表される有機
過酸化物、すなわちペルオキシアリールカーボネ
ートが、ペルオキシアルキルカーボネートとは全
く異なる特異な重合特性を有し、重合開始剤とし
て利用できることを見い出し、本発明を完成する
に至つた。 この有機過酸化物は従来法で製造でき、かつ不
飽和単量体を重合する際の重合開始剤として用い
る場合、従来の重合開始剤を用いたときと、同一
の重合速度にしたとき、著しく低下した重合度の
ポリマーが得られ、このことが重合の調整に有効
に作用することを見い出した。 本発明の有機過酸化物を具体的に示すと、t−
アミルペルオキシフエニルカーボネート、t−ヘ
キシルペルオキシフエニルカーボネート、1,
1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシフエ
ニルカーボネート、t−ブチルペルオキシ2−イ
ソプロピルフエニルカーボネート、t−ブチルペ
ルオキシ2−sec−ブチルフエニルカーボネート、
t−ブチルペルオキシ3−メチルフエニルカーボ
ネート、t−アミルペルオキシ2,4−ジメチル
フエニルカーボネート、t−ブチルペルオキシ4
−クロルフエニルカーボネート、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(フエノキシカルボニルペルオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(4−メチルフエノキシカルボニルペルオキシ)
ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(4−
クロルフエノキシカルボニルペルオキシ)ヘキサ
ンなどがある。これらのペルオキシアリールカー
ボネートは、通常は無色の液体または白色の結晶
で、かつ無臭であり、具体的には実施例に示す。 本発明の有機過酸化物は、従来の方法、すなわ
ち、アルカリまたは第三級アミンの存在下に、一
般式() (式中、R1およびR2は前記一般式(I)の場合
と同じである。) で示されるアリールクロロホルメートと一般式
() (式中、R3、R4、R5およびlは前記一般式(I)
の場合と同じである。) で示される第三級アルキルヒドロペルオキシドと
を−30℃ないし40℃で反応させることによつて得
られる。しかし、前記ベルギー国特許第660383号
公報において一般式()に含まれている第三級
アラルキルペルオキシアリールカーボネート(式
中のRは第三級アラルキル基、R′はアリール基
を示す。)は特異な反応性を示すため前記方法に
よつては製造できない。 本発明の有機過酸化物は、赤外線吸収スペクト
ルおよび核磁気共鳴スペクトルにより化学構造が
決定され、その純度はガスリキドクロマトグラフ
イー(GLC)および活性酸素量によつて求めら
れ、また熱分解挙動は分解速度定数および半減期
によつて求められる。本発明の有機過酸化物の半
減期は、1ないし20時間の範囲内にあり、従来の
重合開始剤であるt−ブチルペルオキシイソプロ
ピルカーボネートとほぼ同程度の分解活性を示す
中高温活性なペルオキシドである。安全性につい
ては、他のペルオキシドと同様に、爆発的に分解
するものが多いため、有機溶媒に希釈した状態、
水を含んだ含水物にした状態、水エマルジヨンの
状態または水サスペンシヨンの状態にし安全な形
にして使用することができる。 本発明の有機過酸化物は、重合調整能を有する
不飽和単量体のラジカル重合開始剤として有用で
ある。具体的な不飽和単量体としては、エチレ
ン、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリ
ル、塩化ビニリデン、アクリル酸エステル、メタ
クリル酸エステル、フマル酸エステル、スチレン
などのラジカル重合または共重合可能なビニル型
不飽和単量体およびエチレン型不飽和単量体を挙
げることができる。 本発明の有機過酸化物の使用量は、不飽和単量
体1モルに対して0.00005モルないし0.2モルであ
り、オリゴマーといわれる低分子量ポリマーから
プラスチツクといわれる高分子量ポリマーに至る
広範囲なポリマーの製造に利用できる。使用量
は、前記範囲より少ないと使用上の効果が小さ
く、また多すぎても効果があまり変わらず経済的
でない。 本発明の有機過酸化物を用いる重合および共重
合は、現在知られているラジカル活性種によるビ
ニル重合法、すなわち塊状重合、溶液重合または
水性媒体重合法のいずれによつても行なうことが
でき、その際、他の重合開始剤、重合調整剤およ
び/または他の重合添加剤を併用することもでき
る。 (作 用) 本発明の有機過酸化物を含有する重合開始剤
は、前述の重合速度式(2)を満足するような従来の
重合開始剤とはかなり異なる挙動を示す。 すなわち、従来の重合開始剤を用いたときと同
一の重合速度において、著しく重度の低下したポ
リマーが得られ、この作用機構は次の通りである
と考えられる。すなわち、本発明の有機過酸化物
であるペルオキシアリールカーボネートを熱分解
すると、まず(3)式に従つて、−0−0−結合の開
裂が起こり、不飽和単量体の重合を開始する2種
類の活性なラジカル種がまず生成する。 (式中、R1、R2、R3、R4、R5およびlは前記の
一般式(I)の場合と同じである。) 引き続いて、(4)式に従う脱炭酸反応が起こり、
重合を開始できないほど安定な不活性ラジカル種
が生成する。従来の重合開始剤では、このような
不活性なラジカル種は生成しないため、ポリマー
ラジカル同士の停止反応による連鎖反応の停止が
起こる。しかし、重合系内に前述のような不活性
なラジカル種が存在すると、これは(5)式に示され
るようにポリマーラジカルと反応し、連鎖反応の
停止を行なう。このため、従来のポリマーラジカ
ル同士の反応とは異なり、重合調整能が発現して
くるものと考えられる。 (発明の効果) 本発明の有機過酸化物は、前述の特殊な作用機
構に基づく重合調整能を有するため、次に示すい
くつかの利点がある。 第1は、従来の重合開始剤と同一の重合速度に
したとき、より分子量の低下したポリマーが得ら
れることである。第2は、重合系が高粘度になつ
ても急激な重合速度の上昇は起こらず、ゲル効果
が防止できることである。第3は、第2の効果の
結果として、最終ポリマーの分子量分布は均一な
ものとなり、分散指数が小さくなることである。
第4は、重合開始能を有しているため、従来の重
合調整剤に比較した場合には重合完結時間を短縮
できることである。第5としては無臭で取り扱い
が容易であることが挙げられる。 これらについて、さらに具体的に例示すれば、
スチレン系樹脂の製造においては、重合後期での
ゲル効果が起きないので重合の温度制御が容易で
あり、かつ分子量分布が均一であるため成形加工
性が良好となること、さらに他の重合開始剤との
併用によつて重合完結時間を短縮できることなど
が挙げられる。 また、メチルメタクリレート・シロツプの製造
においては、適度な粘度を有し、かつポリマー含
有量の大きなシロツプを安定して製造でき、しか
も後工程におけるゲル化の原因となる開始剤残存
量を少なくできることなどが挙げられる。本発明
の有機過酸化物は、前述のような優れた性質を有
しているため、高分子化学工業における重要な重
合改質剤となる。 (実施例) 次に本発明の実施例、比較例および比較参考例
を示すが本発明はこれによつて限定されるもので
はない。 (有機過酸化物の製造) 実施例 1 〔t−アミルペルオキシフエニルカーボネート
の製造〕 t−アミルヒドロペルオキシド24.1g(0.22モ
ル)に石油エーテル200gを加え、温度計とかく
はん装置を備えた500mlの四ツ口フラスコに入れ、
5℃においてかくはん下にピリジン15.8g(0.20モ
ル)を加え、次いでフエニルクロロホルメート
31.7g(0.2モル)を30分間を要して滴下した。滴
下後、反応を2時間継続し完結させた。 反応液を5%塩酸水溶液150mlで1回(5℃、
5分)、10%水酸化ナトリウム水溶液100mlで1回
(5℃、5分)および水150mlで2回(10℃、5
分)洗浄し、少量の硫酸ナトリウムで乾燥した。
それから減圧下に溶媒を除去し、収量47.5g(収率
54%)で粗製物を得た。この粗成物をメタノール
を用いて再結晶により精製し、活性酸素量6.79%
(理論値7.13%)およびGLC純度95%のものを得
たが、このものは室温において無色の液体であつ
た。 この化合物の赤外線吸収スペクトルにおける特
性吸収(液膜)は1800cm-1(νc=o)、1775cm-1
(νc=o)、1595cm1(ベンゼン核)および1495cm-1
(ベンゼン核)であり、また核磁気共鳴スペクト
ル(重水素化クロロホルム溶液)におけるプロト
ンの化学シフトをδ値で表わすと、−CH2CH3
のプロトンは1.1ppm(3H)、−C(CH3 2−基のプ
ロトンは1.3ppm(6H)、−CH2 CH3基のプロトン
は1.7ppm(2H)およびベンゼン核プロトンは
7.3ppm(5H)にシグナルが現われることから、
この化合物はt−アミルペルオキシフエニルカー
ボネートであることが確認された。 実施例 2 〔t−ヘキシルペルオキシフエニルカーボネー
トの製造〕 温度計およびかくはん装置を備えた500mlの四
ツ口フラスコにt−ヘキシルヒドロペルオキシド
24.3g(0.20モル)、ピリジン15.8g(0.20モル)およ
び石油エーテル200gを入れ、かくはん下18℃に
おいてフエニルクロロホルメート27.0g(0.17モ
ル)および石油エーテル30gの混合物を30分間を
要して滴下した。さらに5時間反応を継続し、析
出したピリジン塩酸塩をろ別した。 反応生成液にさらにピリジン1.0g(0.013モル)
およびフエニルクロロホルメート7.0g(0.058モ
ル)を追加し、反応を1時間継続して完結させ
た。20℃において、反応生成液を水300mlで1回、
2%水酸化ナトリウム水溶液300mlで1回、次い
で水300mlで3回洗浄し少量の硫酸ナトリウムで
乾燥した。溶媒を減圧除去して収量32.0g(収率55
%)で、GLC純度94%の室温おいて無色の液体
である化合物を得た。 この化合物の赤外線吸収スペクトルにおける特
性吸収(四塩化炭素溶液)は1802cm-1(νc=o)、
1760cm-1(νc=o)、1600cm-1(ベンゼン核)およ
び1500cm-1(ベンゼン核)であり、また核磁気共
鳴スペクトル(重水素化クロロホルム溶液)にお
けるプロトンの化学シフトをδ値で表わすと、−
H2 H3 基のプロトンは0.9ppm(5H)、−C(C
H32−基のプロトンは1.4ppm(6H)、−C
(CH32CH2 −基のプロトンは1.7ppm(2H)およ
びベンゼン核プロトン7.3ppm(5H)にシグナル
が現れることから、この化合物はt−ヘキシルペ
ルオキシフエニルカーボネートであることが確認
された。 実施例 3 〔t−ブチルペルオキシ2−イソプロピルフエ
ニルカーボネートの製造〕 実施例1において、フエニルクロロホルメート
の代わりに2−イソプロピルフエニルクロロホル
メートを使用して、実施例1に準じて反応を行な
つた結果、収量30・9g(収率54%)で、GLC純度
88%の粗製物を得た。この粗製物をメタノールを
用いて再結晶し、GLC純度95%の化合物を得た
が、これは室温で無色の液体であつた。 この化合物の赤外線吸収スペクトルにおける特
性吸収(四塩化炭素溶液)は、1810cm-1(νc=
o)、1780cm-1(νc=o)、1580cm-1(ベンゼン核)
および1500cm-1(ベンゼン核)であり、また核磁
気共鳴スペクトル(四塩化炭素溶液)におけるプ
ロトンの化学シフトをδ値で表わすと、−CH(C
H32基のプロトンは1.2ppm(6H)、−C(CH3 3
のプロトンは1.4ppm(9H)、−C(CH32基のプ
ロトンは3.2ppm(1H)およびベンゼン核プロト
ンは7.3ppm(4H)にシグナルが現われることか
ら、この化合物はt−ブチルペルオキシ2−イソ
プロピルフエニルカーボネートであることが確認
された。 実施例 4 〔t−ブチルペルオキシ2−第2級ブチルフエ
ニルカーボネートの製造〕 実施例1において、フエニルクロロホルメート
の代わりに2−第2級ブチルフエニルクロロホル
メートを使用して、実施例1に準じて反応を行な
つた結果、収量43.9g(収率72%)で、GLC純度88
%の化合物を得、このものは室温で無色の液体で
あつた。 この化合物の赤外線吸収スペクトルにおける特
性吸収(四塩化炭素溶液)は1807cm-1(νc=o)、
1772cm-1(νc=o)、1580cm-1(ベンゼン核)およ
び1495cm-1(ベンゼン核)であり、また核磁気共
鳴スペクトル(四塩化炭素溶液)におけるプロト
ンの化学シフトをδ値で表わすと、−CH2CH3
のプロトンは0.9ppm(3H)、【式】基の プロトンは1.2ppm(3H)、−C(CH3 3基のプロト
ンは1.4ppm(9H)、−CH2 CH3基のプロトンは
1.7ppm(2H)、−C(CH3)(CH2CH3)基のプ
ロトンは2.9ppm(1H)およびベンゼン核プロト
ンは7.2ppm(4H)にシグナルが現われることか
ら、この化合物はt−ブチルペルオキシ2−第2
級ブチルフエニルカーボネートであることが確認
された。 実施例 5 〔t−ブチルペルオキシ3−メチルフエニルカ
ーボネートの製造〕 実施例1において、フエニルクロロホルメート
の代わりに3−メチルクロロホルメートを使用し
て、実施例1に準じて反応を行なつた結果、収量
35.2g(収率73%)でGLC純度93%の化合物を得
た。このものは室温で無色の液体であつた。 この化合物の赤外線吸収スペクトルにおける特
性吸収(四塩化炭素溶液)は1808cm-1(νc=o)、
1780cm-1(νc=o)、1600cm-1(ベンゼン核)およ
び1500cm-1(ベンゼン核)であり、また核磁気共
鳴スペクトル(四塩化炭素溶液)におけるプロト
ン化学シフトをδ値で表わすと、−C(CH3 3
のプロトンは1.4ppm(9H)、−CH3 基のプロトン
は2.2ppm(3H)およびベンゼン核プロトンは
7.2ppm(4H)にシグナルが現われることから、
この化合物はt−ブチルペルオキシ3−メチルフ
エニルカーボネートであることが確認された。 実施例 6 〔t−アミルペルオキシ2,4−ジメチルフエ
ニルカーボネートの製造〕 実施例1において、t−ブチルヒドロペルオキ
シドおよびフエニルクロロホルメートの代わり
に、t−アミルヒドロペルオキシドおよび2,4
−ジメチルフエニルクロロホルメートを使用し
て、実施例1に準じて反応を行なつた結果、収量
35.7g(収率65%)でGLC純度92%の化合物を得
た。このものは、室温で無色の液体であつた。 この化合物の赤外線吸収スペクトルにおける特
性吸収(四塩化炭素溶液)は1808cm-1(νc=o)、
1780cm-1(νc=o)、1600cm-1(ベンゼン核)およ
び1500cm-1(ベンゼン核)であり、また核磁気共
鳴スペクトル(重水素化クロロホルム溶液))に
おけるプロトンの化学シフトをδ値で表わすと、
−CH2CH3 基のプロトンは1.1ppm(3H)、−C(C
H32−基のプロトンは1.3ppm(6H)、−CH2 CH3
基のプロトンは1.7ppm(2H)、−CH3 基のプロト
ンは2.2ppm(6H)およびベンゼン核プロトンは
7.2ppm(3H)にシグナルが現われることから、
この化合物はt−アミルペルオキシ2,4−ジメ
チルフエニルカーボネートであることが確認され
た。 実施例 7 〔t−ブチルペルオキシ4−クロロフエニルカ
ーボネートの製造〕 実施例1において、フエニルクロロホルメート
の代わりに、4−クロルフエニルクロロホルメー
トを使用して、実施例1に準じて反応を行なつた
結果、収量30.9g(収率58%)で活性酸素量5.99%
(理論値6.54%)の化合物を得た。この化合物は
白色の結晶で融点は39〜41℃であつた。 この化合物の赤外線吸収スペクトルにおける特
性吸収(四塩化炭素溶液)は1805cm-1(νc=o)、
1780cm-1(νc=o)、1595cm-1(ベンゼン核)およ
び1490cm-1(ベンゼン核)であり、また核磁気共
鳴スペクトル(四塩化炭素溶液)におけるプロト
ンの化学シフトをδ値で表わすと、−C(CH3 3
基のプロトンは1.4ppm(9H)およびベンゼン核
のプロトンは7.2ppm(4H,4−位置換クロル基
による対称的な四重線)にシグナルが現れること
から、この化合物はt−ブチルペルオキシ4−ク
ロルフエニルカーボネートであることが確認され
た。 実施例 8 〔2,5−ジメチル−2,5−ジ(フエノキシ
カルボニルペルオキシ)ヘキサンの製造〕 温度計とかくはん装置を備えた1lの四ツ口フラ
スコに2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒ
ドロペルオキシド44.6g(0.25モル)、ピリジン
39.6g(0.50モル)および石油エーテル500gを入
れ、かくはん下5℃において、フエニルクロロホ
ルメート60.6g(0.38モル)および石油エーテル
20gの混合物を30分間を要して滴下した。滴下
後、2時間反応を継続して完結させ、反応生成液
を5%塩酸水溶液500mlで1回(5℃、3分)、10
%水酸化ナトリウム水溶液300mlで1回(5℃、
5分)水500mlで2回(5℃、10分)洗浄し少量
の硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を除去した粗
製物45.0gをメタノールを用いて再結晶すると、
融点が53℃の白色結晶として10.0gの化合物が得
られた。活性酸素量は7.57%(理論値7.65%)で
あつた。 この化合物の赤外線吸収スペクトルにおける特
性吸収(四塩化炭素溶液)は1800cm-1(νc=o)、
1780cm-1(νc=o)、1595cm-1(ベンゼン核)およ
び1495cm-1(ベンゼン核)であり、核磁気共鳴ス
ペクトル(四塩化炭素溶液)におけるプロトンの
化学シフトをδ値で表わすと、−CH3 基のプロト
ンは1.3ppm(6H)、−CH2 H2 −基のプロトンは
1.7ppm(4H)およびベンゼン核プロトンは
5.2ppm(10H)にシグナルが現われることから、
この化合物は2,5−ジメチル−2,5−ジ(フ
エノキシカルボニルペルオキシ)ヘキサンである
ことが確認された。 実施例 9 〔t−アミルペルオキシフエニルカーボネート
の製造〕 フエニルクロロホルメート48.0g(0.30モル)、
t−アミルヒドロペルオキシド32.9g(0.30モル)、
塩化ナトリウム5.0gおよび水106.0gからなる混合
物を、温度計とかくはん装置を備えた500mlの四
ツ口フラスコに入れ、2℃の温度においてかくは
ん下に50%水酸化ナトリウム水溶液24g(0.30モ
ル)を25分間を要して少量づつ滴下した。滴下
後、反応液を10℃に保ち、さらに1時間反応を継
続し完結させた。 反応生成液より水を分離して得られた有機層
を、20℃において10%水酸化ナトリウム水溶液
30gで1回、次いで10%硫酸ナトリウム水溶液
30gで2回洗浄し、それから少量の硫酸マグネシ
ウムで乾燥して、収量40.3g(収率58%)でGLC純
度79%のt−アミルペルオキシフエニルカーボネ
ートを得た。 比較例 1および2 〔クミルペルオキシフエニルカーボネートの製
造〕 実施例1において、t−アミルヒドロペルオキ
シドの代わりに、クミルヒドロペルオキシシドを
使用して、実施例1に準じて反応を行なつた結
果、急激な発熱はみられるが反応生成物としてク
ミルペルオキシフエニルカーボネートを単離確認
することはできなかつた(比較例1)。 実施例9において、t−アミルヒドロペルオキ
シドの代わりに、クミルヒドロペルオキシドを使
用して、実施例9に準じて反応を行なつた結果、
急激な発熱は見られるが反応生成物としてクミル
ペルオキシフエニルカーボネートを単離確認する
ことはできなかつた(比較例2)。 比較例1および2によつて、アルカリまたは第
三級アミンを用いる公知の方法では、前記ベルギ
ー国特許第660383号公報に前記一般式()とし
て含まれているRが第三級アラルキル基で、
R′がアリール基である第三級アラルキルペルオ
キシアリールカーボネートは容易に合成できない
ことがわかる。これに反して、Rが第三級アルキ
ル基である場合には、実施例1ないし9から明ら
かなように比較的容易に合成できることがわかつ
た。 実施例10ないし17、参考例1および3 〔ペルオキシアリールカーボネートの分解速度
定数および半減期〕 実施例1ないし9で得られた有機過酸化物のク
メン中0.02モル/での100℃における熱分解を
追跡し、分解速度定数および半減期を求めた。そ
して、得られた結果を、通常の重合開始剤である
t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート
およびt−ブチルペルオキシベンゾエートと共に
第1表に示し、それぞれを実施例10ないし17、な
らびに参考例1および2とした。第1表から、ペ
ルオキシアリールカーボネートは、通常の重合剤
であるペルオキシイソプロピルカーボネートと同
程度の分解特性を示すことがわかる。また、比較
のために、t−ブチルペルオキシフエニルカーボ
ネートの分解速度定数および半減期を参考例3と
して第1表に示した。この結果から、分解速度は
イソプロピル基とフエニル基とではほとんど差の
ないことがわかる。 【表】 (ペルオキシカーボネートによる重合) 参考例4ないし8、比較例3ないし5 〔スチレンの重合特性におけるt−ブチルペル
オキシフエニルカーボネートとt−ブチルペル
オキシイソプロピルカーボネートの比較〕 第2表に示した濃度になるように、t−ブチル
ペルオキシフエニルカーボネートおよびスチレン
を秤量し、スチレン溶液またはスチレン・ベンゼ
ン混合溶液を作成した。この溶液5mlを各ガラス
アンプルに入れ、凍結−溶解法により脱気して真
空下に溶封した。各ガラスアンプルを100℃の恒
温槽中に入れて重合を行ない、所定時間ごとにサ
ンプリングし、東洋曹達工業株式会社製高速液体
クロマトグラフHLC−802A型を用いて重合率お
よび数平均重合度を求めた。重合率および数平均
重合度は、予め標品を用いた検量線により求め、
重合速度および数平均重合度は重合率10%以下で
求めた。得られた結果を第2表に示し、これらを
参考例4ないし8とした。 同様にして、通常の重合開始剤であるt−ブチ
ルペルオキシイソプロピルカーボネートおよびス
チレンを第3表に示した濃度になるように秤量
し、スチレン溶液またはスチレン.ベンゼン混合
溶液を作成した。それから、参考例4に準じてガ
ラスアンプルを作成し重合を行ない、重合速度お
よび数平均重合度を求めた。得られた結果を第3
表に示し、これらを比較例3ないし5とした。 【表】 度をそれぞれ示す。
2) ベンゼン溶液重合である。
【表】 ト濃度をそれぞれ示す。
2) ベンゼン溶液重合である。
参考例4および5と比較例3および4との比較
により明らかなように、t−ブチルペルオキシフ
エニルカーボネートを用いると、同一重合速度で
比較すれば、約20%程度ポリマーの重合度が低下
していることがわかる。 また、t−ブチルペルオキシイソプロピルカー
ボネートの場合には、Rp2/〔C〕〔M〕2の値は
約2×10-7となりほぼ一定の値であり、前記重合
速度式(2)を満足するが、t−ブチルペルオキシフ
エニルカーボネートは前記(2)式を満足せず、
Rp2/〔C〕〔M〕2の値は〔C〕/〔M〕の値の
増加と共に低下することがわかる。このことは、
ペルオキシアリールカーボネートは、従来の重合
開始剤とは異なつた特異な重合挙動をとり、前述
の反応式(3)ないし(5)に従つて重合反応に関与する
ことを示している。 参考例9ないし17、比較参考例1および2 〔スチレンの重合(重合速度および重合度)〕 参考例3において、0.013モル/濃度のt−
ブチルペルオキシフエニルカーボネートの代わり
に、第4表に示した0.05モル/濃度の各ペルオ
キシドを用い、参考例3に準じて100℃のスチレ
ンの塊状重合を120分間行なつた。その結果得ら
れた重合率、数平均重合度および重合速度を第4
表に示し、それぞれを参考例9ないし17とした。 通常の重合開始剤であるt−ブチルペルオキシ
イソプロピルカーボネートおよびt−ブチルペル
オキシベンゾエートを用いて、参考例8に準じて
重合を行ない、その結果を同様に第4表に示し、
それぞれを比較参考例1および2とした。 第4表の結果から、ペルオキシアリールカーボ
ネートが、通常の重合開始剤に比較して、同一重
合速度では著しく数平均重合度の低下したポリマ
ーを与えることが明らかである。 【表】 参考例18および19、比較参考例3および4 〔スチレン樹脂の製造(他のペルオキシドとの
比較)〕 参考例3において、0.013モル/濃度のt−
ブチルペルオキシフエニルカーボネートの代わり
に、t−ブチルペルオキシフエニルカーボネー
ト、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネ
ートおよびt−ブチルペルオキシベンゾエートを
それぞれ0.05モル/を用い、参考例4に準じて
重合を行ない、それぞれを参考例18および19なら
びに比較参考例3および4とした。その結果得ら
れた重合率曲線を第1図に、また最終ポリマーの
GPC(ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフイ)
曲線を第2図に示した。 第1図の重合率曲線より、比較参考例3および
4で示される通常の重合開始剤を用いた場合に
は、重合後期にゲル効果に基づく急激な速度の上
昇が見られるが、参考例18および19で示した有機
過酸化物ではゲル効果が見られず、重合の制御が
より容易になつていることがわかる。 また第2図のGPC曲線より得られる数平均分
子量および分散指数(数平均分子量と重量平均分
子量の比で表わされる。)は、参考例17では90000
および2.4、比較参考例3では120000および2.8、
ならびに比較参考例4では140000および3.0とな
つた。これらの結果は、t−ブチルペルオキシフ
エニルカーボネートを使用した場合には、非常に
高分子量であるポリマーを含まないで分子量分布
が均一であるため、成形加工性の優れたポリマー
が得られることを示している。 参考例20、比較参考例5および6 〔スチレン樹脂の製造(他の重合調整剤との比
較)〕 比較参考例4において、0.05モル/濃度のt
−ブチルペルオキシフエニルカーボネート、n−
ドデシルメルカプタンまたはα−メチルスチレン
ダイマーを追加添加して、比較参考例4に準じて
重合を行ない、それぞれを参考例20ならびに比較
参考例5および6とした。その結果得られた重合
率曲線を第3図に、また最終ポリマーのGPC曲
線を第4図に示した。 第3図の重合率曲線から、通常用いられている
重合調整剤であるn−ドデシルルカプタンまたは
α−メチルスチレンダイマーを用いた比較例10お
よび11に比較して、t−ブチルペルオキシフエニ
ルカーボネートを用いた参考例20のほうが重合完
結時間が短く、かつ直線性が良好であることか
ら、効率的でかつ重合制御が容易であることがわ
かる。 また第4図のGPC曲線から得られる数平均分
子量および分散指数は、参考例18では74000およ
び2.4、比較参考例5では60000および4.8、なら
びに比較参考例6では44000および2.5である。t
−ブチルペルオキシフエニルカーボネートを用い
て得られたポリマーの分子量分布の均一性は、従
来の重合調整剤と同等かまたはそれ以上であるこ
とがわかる。連鎖移動定数が13と大きなn−ドデ
シルメルカプタンの場合には、分子量分布の不均
一性が著しく、0.3と小さなα−メチルスチレン
ダイマーの場合には、ポリマー中への残存量の多
いことが問題となる。 参考例21ないし24、比較参考例7ないし9 〔メチルメタクリレート・シロツプの製造〕 参考例4において、0.013モル/濃度のt−
ブチルペルオキシフエニルカーボネートおよびス
チレン代わりに、0.01モル/濃度のt−ブチル
ペルオキシフエニルカーボネートおよびメチルメ
タクリレートを用いて、参考例4に準じて、90、
120、140および160分間重合を行ない、重合率、
数平均重合度、分散指数および開始剤残存率を求
め、得られた結果を第5表に示し、それぞれを参
考例21ないし24とした。 また同様に、参考例4において、0.013モル/
濃度のt−ブチルペルオキシフエニルカーボネ
ートおよびスチレンの代わりに、0.01モル/濃
度のt−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネ
ートおよびメチルメタクリレートを用いて、参考
例4に準じて、30、45および60分間重合を行な
い、重合率、数平均重合度、分散指数および開始
剤残存率を求め、得られた結果を第6表に示し、
それぞれを比較参考例7ないし9とした。 【表】 【表】 第5表および第6表において、初期重合速度を
求めると、それぞれ0.32%/分および0.87%/分
となる。このことから、ペルオキシアリールカー
ボネートを用いれば、同一重合速度のとき、通常
の重合開始剤よりも重合度の低下したポリマーの
得られることは明らかである。また第6表におい
て、通常の重合開始剤でメチルメタクリレートの
塊状重合を行なうと、たつた15分で重合率が39ら
96%に、数平均重合度が2900から6700へと急激に
変化することがわかる。これに反して、第5表に
示されるように、ペルオキシアリールカーボネー
トを用いると、40分を経過しても重合率は38から
61%しか、また数平均重合度も2500から3500しか
変化せず、かつ開始剤残存率もより少なくなるこ
とから、微妙な重合の制御を必要とするメチルメ
タクリレート・シロツプの製造に適していること
がわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第3図は、本発明の参考例および
比較参考例による重合率と重合時間の関係を示す
グラフであり、第2図および第4図は、本発明の
参考例および比較参考例により得られたポリマー
のGPC曲線である。いずれの図においても実線
は参考例、破線は比較参考例である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 (ただし、式中のR1およびR2は、水素原子、炭
    素数1ないし10のアルキル基、塩素原子からなる
    群から選ばれた1種または2種の置換基ならびに
    R3およびR4は炭素数1ないし4の低級アルキル
    基を示し、R5はlが1のとき炭素数2ないし12
    のアルキル基を、lが2のときmが2ないし4の
    整数である(−CH2)−n基を示す。)で表される、不
    飽和単量体の重合調整能を有する有機過酸化物。 2 lが1、R1およびR2が水素原子、R3および
    R4がメチル基、そしてR5がエチル基で示される
    特許請求の範囲第1項記載の有機過酸化物。 3 lが1、R1およびR2が水素原子、R3および
    R4がメチル基、そしてR5がプロピル基で示され
    る特許請求の範囲第1項記載の有機過酸化物。 4 lが1、R1が水素原子、R2が2−位置換イ
    ソプロピル基、そしてR3、R4およびR5がメチル
    基で示される特許請求の範囲第1項記載の有機過
    酸化物。 5 lが1、R1が水素原子、R2が2−位置換第
    2級ブチル基、そしてR3、R4およびR5がメチル
    基で示される特許請求の範囲第1項または第2項
    記載の有機過酸化物。 6 lが1、R1が水素原子、R2が3−位置換メ
    チル基、そしてR3、R4およびR5がメチル基で示
    される特許請求の範囲第1項記載の有機過酸化
    物。 7 lが1、R1およびR2がそれぞれ2−および
    3−位置換メチル基、R3およびR4がメチル基、
    そしてR5がエチル基で示される特許請求の範囲
    第1項記載の有機過酸化物。 8 lが1、R1が水素原子、R2が4−位置換ク
    ロル基、そしてR3、R4およびR5がメチル基で示
    される特許請求の範囲第1項記載の有機過酸化
    物。 9 lが2、R1およびR2が水素原子、R3および
    R4がメチル基、そしてR5がエチレン基で示され
    る特許請求の範囲第1項記載の有機過酸化物。
JP18162485A 1985-08-21 1985-08-21 有機過酸化物 Granted JPS6242963A (ja)

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JP18162485A JPS6242963A (ja) 1985-08-21 1985-08-21 有機過酸化物
US06/895,995 US4929747A (en) 1985-08-21 1986-08-13 Organic peroxide having a polymerization-regulating ability
EP86306322A EP0214778B2 (en) 1985-08-21 1986-08-15 Organic peroxide having a polymerization-regulating ability
DE8686306322T DE3671015D1 (de) 1985-08-21 1986-08-15 Organische peroxyde, tauglich zur polymerisationsregulierung.
US07/270,214 US5008353A (en) 1985-08-21 1988-11-14 Organic peroxide having a polymerization-regulating ability
US07/401,244 US5210164A (en) 1985-08-21 1989-09-27 Organic peroxide having a polymerization-regulating ability

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