JP2001520039A - ヒト腫瘍壊死因子レセプター様タンパク質、tr11,tr11sv1およびtr11sv2 - Google Patents

ヒト腫瘍壊死因子レセプター様タンパク質、tr11,tr11sv1およびtr11sv2

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、腫瘍壊死因子レセプターのファミリーの新規なメンバーに関する。本発明は、ヒトTR11レセプター、TR11SV1レセプターおよびTR11SV2レセプターをコードする単離された核酸分子を提供する。TR11、TR11SV1、およびTR11SV2のポリペプチドもまた、それらを産生するためのベクターとして、宿主細胞として、および組換え方法として同様に提供される。本発明はさらに、TR11レセプター、TR11SV1レセプター、およびTR11SV2レセプターの活性のアゴニストおよびアンタゴニストを同定するためのスクリーニング方法に関する。TR11レセプター、TR11SV1レセプター、およびTR11SV2レセプターの異常な発現に関連する疾患状態を検出するための診断方法もまた、提供する。さらに、TR11、TR11SV1、およびTR11SV2のレセプターを発現する細胞の異常な増殖および分化に関連する疾患状態を処置するための治療方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、腫瘍壊死因子(TNF)レセプターファミリーの新規なメンバーに
関する。より詳細には、ヒトTNFレセプター関連タンパク質(本明細書におい
て、図1Aおよび1BのTR11レセプターという)、ならびにその2つのスプ
ライス改変体(本明細書において、それぞれ図2Aおよび2Bならびに3Aおよ
び3Bの、TR11SV1レセプターおよびTR11SV2レセプターといい、
それぞれがマウス糖質コルチコイド誘導腫瘍壊死因子レセプターファミリー関連
遺伝子(GITR)と相当な相同性を有する)をコードする、単離された核酸分
子が提供される。TR11、TR11SV1およびTR11SV2ポリペプチド
もまた提供される。さらに、これらを産生するためのベクター、宿主細胞、およ
び組換え法が提供される。本発明はまた、TR11、TR11SV1およびTR
11SV2のレセプターポリペプチドの活性の阻害および増強の両方、ならびに
TR11レセプター遺伝子発現の検出のための診断方法に関する。
【0002】 (発明の背景) ヒト腫瘍壊死因子α(TNF−α)およびβ(TNF−βまたはリンホトキシ
ン)は、ポリぺプチドメディエーターの広範なクラスの関連するメンバーである
。ポリぺプチドメディエーターには、インターフェロン、インターロイキン、お
よび成長(増殖)因子(総称してサイトカインと呼ばれる)が含まれる(Beu
tler, B.およびCerami, A., Annu. Rev. Im
munol., 7:625−655 (1989))。
【0003】 腫瘍壊死因子(TNF−αおよびTNF−β)は、元来、その抗腫瘍活性の結
果として発見されたが、現在は、宿主において生物学的なプロセスおよび病理学
の重要な役割を演じる多面的なサイトカインとして認識される。現在までに、T
NF関連サイトカインファミリー、TNF−α、TNF−β(リンホトキシン−
α)、LT−β、TRAIL、ならびにFasレセプター、CD30、CD27
、CD40(CDW40としても知られる)、OX40、および4−1BBレセ
プターのリガンドの10個という公知のメンバーが存在する。これらのタンパク
質は、TNF−βを除き、膜アンカーとしてしばしば使用される保存C末端配列
および可変N末端配列を有する。TNF−αおよびTNF−βの両方が、TNF
レセプターに結合した場合、ホモトリマーとして機能する。
【0004】 TNFは、多くの細胞型(単球、線維芽細胞、T細胞、ナチュラルキラー(N
K)細胞を含む)によって、そして主に、活性化されたマクロファージによって
産生される。TNF−αは、腫瘍の迅速な壊死、免疫刺激、自己免疫疾患、移植
片拒絶、抗ウイルス応答の生成、敗血症性ショック、大脳マラリア、細胞傷害性
、化学治療の間に生成される電離放射線の有害な効果(例えば、酵素の変性、脂
質の過酸化、およびDNA損傷)に対する防禦(Nataら、J. Immun
ol. 136(7):2483(1987))、成長(増殖)調節、脈管内皮
効果、および代謝効果における役割を有することが報告されている。TNF−α
はまた、内皮細胞による種々の因子(PAI−1、IL−1、GM−CSF、I
L−6を含む)の分泌を誘発して、細胞増殖を促進する。さらに、TNF−αは
、Eセレクチン、ICAM−1、およびVCAM−1のような種々の細胞接着分
子をアップレギュレートする。TNF−αおよびFasリガンドはまた、プログ
ラムされた細胞死を誘導することが示されている。
【0005】 TNF−βは、抗ウイルス状態および腫瘍壊死の誘導、多形核白血球の活性化
、クラスI主要組織適合性複合体抗原の内皮細胞上への誘導、接着分子の内皮上
への誘導、ならびに成長ホルモン刺激を含む多くの活性を有する(Ruddle
, N.およびHomer, R., Prog. Allergy, 40:
162−182(1988))。
【0006】 TNF−αおよびTNF−βの両方は、成長(増殖)調節に関与し、そしてい
くつかの分化段階での造血細胞と相互作用し、種々のタイプの前駆細胞の増殖阻
害し、そして未成熟骨髄性単球の増殖を誘導する(Porter,A.,Tib
tech 9:158−162(1991))。
【0007】 「ノックアウト」マウスを用いた最近の研究は、TNF−β産生に欠損がある
マウスが、末梢リンパ器官の異常な発達および脾臓の構造における形態学的な変
化を示すことを示した(Aggarwalら、Eur Cytokine Ne
tw, 7(2): 93−124(1996)で概説)。リンパ器官に関して
、膝窩の、鼠径部の、大動脈傍の、腸間膜の、腋窩の、および子宮頸部のリンパ
節は、TNF−β −/−マウスにおいて発達しなかった。さらに、TNF−β
−/−マウスからの末梢血は、正常マウスに比較して白血球の3倍の減少を含
んだ。しかし、TNF−β −/−マウス由来の末梢血は、その正常の対応物に
比較して4倍多いB細胞を含んでいた。さらに、TNF−βは、TNF−αとは
対照的に、EBV感染B細胞の増殖を誘導することが示された。これらの結果は
、TNF−βが、リンパ球の発達に関与することを示す。
【0008】 TNF−αまたはTNF−βによって媒介される種々の細胞性応答の誘導にお
ける最初の工程は、特定の細胞表面または可溶性レセプターへの結合である。約
55kDa(TNF−RI)および約75kDa(TNF−RII)の2つの異
なるTNFレセプターが同定されており(Hohmanら、J. Biol.
Chem., 264:14927−14934(1989))、そして両方の
レセプター型に対応するヒトcDNAおよびマウスcDNAが、単離され、そし
て特徴づけられている(Loetscherら、Cell, 61:351(1
990))。両方のTNF−Rは、細胞外領域、膜貫通領域、および細胞内領域
を含む細胞表面レセプターの代表的な構造を共有する。
【0009】 これらの分子は、細胞に結合した形態においてだけでなく、インタクトなレセ
プターの切断された細胞外ドメイン(Nopharら、EMBO Journa
l, 9(10):3269−76(1990))、およびさもなくば膜貫通ド
メインが欠失したインタクトなレセプターからなる可溶性形態においても存在す
る。TNF−RIおよびTNF−RIIの細胞外ドメインは、28%の同一性を
共有し、そして有意なサブユニット間配列相同性を有する4つの反復システイン
リッチモチーフによって特徴づけられる。大部分の細胞型および組織は、両方の
TNFレセプターを発現するようであり、そして両方のレセプターが、シグナル
伝達において活性であるが、それらは異なる細胞性応答を媒介し得る。さらに、
TNF−RIIは、PCT WO 94/09137に示されるように、TNF
によるヒトT細胞増殖のみを媒介することが示された。
【0010】 TNF−RI依存性応答には、C−FOS、IL−6、およびマンガンスーパ
ーオキシドジスムターゼmRNAの蓄積、プロスタグランジンE2合成、IL−
2レセプターならびにMHCクラスIおよびII細胞表面抗原の発現、成長(増
殖)阻害、ならびに細胞傷害性が含まれる。TNF−RIはまた、ホスホリパー
ゼA2、プロテインキナーゼC,ホスファチジルコリン特異的ホスホリパーゼC 、およびスフィンゴミエリナーゼのようなセカンドメッセンジャー系を誘発する
(Pfefferkら、Cell, 73:457−467(1993))。
【0011】 いくつかのインターフェロンおよび他の因子が、TNF−Rの発現を調節する
ことが示されている。例えば、レチノイン酸は、いくつかの細胞型においてTN
Fレセプターの産生を誘導する一方、他の細胞において産生をダウンレギュレー
トすることが示されている。さらに、TNF−αは、両方の型のレセプターの局
在化をもたらすことが示されている。TNF−αは、TNF−RIの内部移行お
よびTNF−RIIの分泌を誘導する(Aggarwalら、前出、において総
説される)。従って、両方のTNF−Rの産生および内部移行は、種々の因子に
よって調節される。
【0012】 酵母ツーハイブリッド系ならびに同時沈降および精製の両方は、両方の型のT
NF−Rに会合するリガンドを同定するために使用されてきた(Aggarwa
lら、前出;Vandenabeeleら、Trends in Cell B
iol.5:392−399(1995)において概説される)。いくつかのタ
ンパク質が同定されており、それらは、マウスTNF−Rの細胞質ドメインと相
互作用する。これらのタンパク質のうち2つは、アポトーシスのバキュロウイル
スインヒビターに関連するようであり、これはプログラムされた細胞死の調節に
おけるTNF−Rの直接的役割を示唆する。
【0013】 従って、細胞増殖および分化のような細胞の過程の調節に関与するサイトカイ
ンおよびサイトカイン様分子についてのレセプターとして機能するポリペプチド
についての必要性が存在する。なぜならば、このような調節の妨害は、ホメオス
タシス、血管形成、腫瘍転移、細胞遊走および神経形成の関連する障害に関与し
得るからである。従って、このような障害の検出、予防、寛解、調節または修正
において役割を果たし得る、このようなヒトポリペプチドの同定および特徴づけ
の必要性が存在する。
【0014】 (発明の要旨) 本発明は、図1Aおよび図1B(配列番号2)、図2Aおよび図2B(配列番
号4)、ならびに図3Aおよび図3B(配列番号6)で示されたアミノ酸配列を
それぞれ有するTR11、TR11SV1、およびTR11SV2レセプターを
コードするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子、あるいは、1997年
10月7日に、ATCC寄託番号209340、209341、および2093
42としてそれぞれ寄託された、TR11、TR11SV1、およびTR11S
V2レセプターをコードするcDNAクローンによってコードされるアミノ酸配
列を提供する。アメリカンタイプカルチャーコレクションは、10801 Bo
ulevard大学、Manassas、VA 20110−2209に位置す
る。本発明はまた、本発明の単離された核酸分子を含む組換えベクター、および
この組換えベクターを含む宿主細胞、ならびにこのようなベクターおよび宿主細
胞を作製する方法、ならびに組換え技術によって、TR11、TR11SV1、
およびTR11SV2ポリペプチドあるいはペプチドの産生のためにそれらを使
用する方法に関する。
【0015】 本発明はさらに、本明細書中で記載されるポリヌクレオチドによってコードさ
れるアミノ酸配列を有する、単離されたTR11、TR11SV1、およびTR
11SV2ポリペプチドを提供する。
【0016】 本発明はまた、TR11、TR11SV1、およびTR11SV2レセプター
によって誘導される細胞応答を増強または阻害し得る化合物を同定するためのス
クリーニング方法を提供する。この方法は、TR11、TR11SV1またはT
R11SV2レセプターを発現する細胞を、候補化合物と接触させる工程、細胞
応答をアッセイする工程、および標準細胞応答(この標準は候補化合物の非存在
下で接触がなされた場合にアッセイされる)に対してこの細胞応答を比較する工
程であって、それによってこの標準に対して増加した細胞応答が、この化合物が
アゴニストであることを示し、そしてこの標準に対して減少した細胞応答は、こ
の化合物がアンタゴニストであることを示す工程を包含する。
【0017】 別の局面では、アゴニストおよびアンタゴニストのためのスクリーニングアッ
セイが提供される。これはTR11、TR11SV1、およびTR11SV2レ
セプターに対する細胞リガンドの結合において候補化合物が有する効果を決定す
る工程を包含する。特に、この方法は、リガンドポリペプチドおよび候補化合物
とTR11、TR11SV1、およびTR11SV2レセプターを接触させる工
程、および候補化合物の存在に起因して、TR11、TR11SV1、およびT
R11SV2レセプターへのリガンドの結合が増強するかまたは減少するかを決
定する工程を包含する。
【0018】 本発明はさらに、TR11、TR11SV1、およびTR11SV2レセプタ
ー発現における変化に起因する異常な細胞増殖から生じる疾患状態の診断または
予後の間に、有用な診断方法を提供する。
【0019】 本発明におけるさらなる局面は、体の中でTR11、TR11SV1、および
TR11SV2レセプター活性の増強レベルを必要とする個体を処置するための
方法に関する。この方法は、そのような個体に、治療的に有効な量の、本発明の
単離されたTR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリペプチドあるい
はそのアゴニストを含む組成物を投与する工程を包含する。
【0020】 本発明のなおさらなる局面は、体の中でTR11、TR11SV1またはTR
11SV2レセプター活性の減少レベルを必要とする個体を処置するための方法
に関与し、この方法は、このような個体に治療的に有効な量の、本発明の単離さ
れたTR11、TR11SV1、およびTR11SV2レセプターアンタゴニス
トを含む組成物を投与する工程を包含する。
【0021】 本発明はさらに、本発明のポリペプチドの可溶性型を提供する。可溶性ペプチ
ドは、アミノ酸配列によって規定され、ここでその配列は膜貫通ドメインを欠損
するポリペプチド配列を含む。TR11、TR11SV1、およびTR11SV
2レセプターのような可溶性型は、このレセプターの膜結合形態のアンタゴニス
トとして有用である。
【0022】 (好ましい実施態様の詳細な説明) 本発明は、TR11、TR11SV1、およびTR11SV2ポリペプチドを
コードするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子を提供する(図1Aおよ
び図1B、図2Aおよび図2B、ならびに図3Aおよび図3B(それぞれ、配列
番号2、配列番号4、および配列番号6))。それらのアミノ酸配列は、クロー
ン化されたcDNAを配列決定することによって決定された。図1Aおよび図1
B、図2Aおよび図2B、ならびに図3Aおよび図3Bにそれぞれ示される、こ
のTR11、TR11SV1、およびTR11SV2タンパク質は、ヒトmGI
TRレセプター様タンパク質(図2(配列番号7))と配列相同性を共有する。
1997年の10月7日、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC
)、10801 Boulevard大学、Manassas、Virgini
a 20110−2209において、TR11、TR11SV1、およびTR1
1SV2をコードするプラスミドDNAの寄託がなされ、与えられた受託番号は
それぞれ、209340、209341、および209342である。図1Aお
よび図1B、図2Aおよび図2B、ならびに図3Aおよび図3B(それぞれ、配
列番号1、配列番号3、および配列番号5)に示されるヌクレオチド配列は、そ
れぞれATCC受託番号209340、209341、および209342にお
けるクローンと同じアミノ酸コード配列を含むcDNAクローン(それぞれ、C
lone ID HHEAC71、HCFAZ22、およびHT5EA78)を
配列決定することにより得られた。TR11をコードする寄託されたクローンは
、pCMVSport3.0プラスミド(Life Technologies
、Rockville、MD)に含まれる。TR11SV1をコードする寄託さ
れたクローンは、pBluescript SK(−)プラスミド(Strat
agene、La Jolla、CA)に含まれる。TR11SV2をコードす
る寄託されたクローンは、pSport1プラスミド(Life Techno
logies、Rockville、MD)に含まれる。
【0023】 本明細書中で使用されるように、「TR11タンパク質」、「TR11SV1
タンパク質」、「TR11SV2タンパク質」、「TR11レセプター」、「T
R11SV1レセプター」、「TR11SV2レセプター」、「TR11レセプ
タータンパク質」、「TR11SV1レセプタータンパク質」、「TR11SV
2レセプタータンパク質」、「TR11ポリペプチド」、「TR11SV1ポリ
ペプチド」、および「TR11SV2ポリペプチド」は、アミノ酸配列同一性の
領域、および図1Aおよび図1B、図2Aおよび図2B、ならびに図3Aおよび
図3B(それぞれ、配列番号2、配列番号4、および配列番号6)に示されるタ
ンパク質に対応するレセプター活性を有するタンパク質をコードするゲノムDN
A配列の選択的スプライシングから生じる全てのタンパク質をいう。図1Aおよ
び図1B、図2Aおよび図2B、ならびに図3Aおよび図3Bに示されるTR1
1、TR11SV1、およびTR11SV2タンパク質は、そのようなレセプタ
ータンパク質の例である。
【0024】 (核酸分子) 他に示されない場合、本明細書においてDNA分子を配列決定することによっ
て決定される全てのヌクレオチド配列は、自動化されたDNAシークエンサー(
例えば、Applied Biosystems、Inc.のModel 37
3)を使用することで決定された。そして本明細書中で決定されたDNA分子に
よりコードされるポリペプチドの全てのアミノ酸配列は、上記の決定されたDN
A配列の翻訳によって推定された。従って、当該分野で公知のように、この自動
化されたアプローチによって決定された任意のDNA配列に関して、本明細書中
で決定された任意のヌクレオチド配列は、いくつかのエラーを含み得る。自動化
により決定されたヌクレオチド配列は、配列決定されたDNA分子の実際のヌク
レオチド配列に対して、代表的には少なくとも約90%の同一性、さらに代表的
には少なくとも約95%から少なくとも約99.9%の同一性である。この実際
の配列は、当該分野において周知である手動のDNA配列決定方法を含む他の手
段によって、さらに正確に決定され得る。また当該分野で公知であるように、決
定されたヌクレオチド配列における1つの挿入または欠失(実際の配列と比較し
た場合)は、ヌクレオチド配列の翻訳においてフレームシフトを生じる。それは
、決定されたヌクレオチド配列によってコードされる推定のアミノ酸配列が、配
列決定されたDNA分子によって実際にコードされるアミノ酸配列と全く異なり
、これはそのような挿入または欠失の部位から開始する。
【0025】 本明細書中で提供される情報(例えば、図1Aおよび図1B、図2Aおよび図
2B、ならびに図3Aおよび図3Bにおけるヌクレオチド配列)を使用して、T
R11、TR11SV1、およびTR11SV2ポリペプチドをコードする本発
明の核酸分子は、標準的なクローニングおよびスクリーニング手順(例えば、開
始物質としてmRNAを使用するcDNAのクローニングに使用される手順)を
使用することで入手され得る。本発明の例示では、図1Aおよび1B(配列番号
1)に記載される核酸分子は、Tヘルパー細胞に由来するcDNAライブラリー
で発見された。図1Aに示されるTR11ポリペプチドをコードするcDNAク
ローンは、試験したその他のcDNAライブラリーのいずれにおいても見出され
なかった。図2Aおよび2B(配列番号3)に記載される核酸分子は、PHAを
用いて16時間刺激したT細胞に由来するcDNAライブラリーで発見された。
図2Aおよび図2Bに示されるTR11SV1ポリペプチドをコードするcDN
Aクローンは、試験したその他のcDNAライブラリーのいずれにおいても見出
されなかった。最後に、図3Aおよび3B(配列番号5)に記載される核酸分子
は、活性化されたT細胞に由来するcDNAライブラリーで発見された。図3A
および図3Bに示されるTR11SV2ポリペプチドをコードするcDNAクロ
ーンは、試験したその他のcDNAライブラリーのいずれにおいても見出されな
かった。
【0026】 図1Aおよび図1B(配列番号1)のTR11cDNAの配列決定されたヌク
レオチド配列は、約241個のアミノ酸残基のタンパク質(約25個のアミノ酸
残基の潜在的に予測される1つのリーダー配列を伴い、そして約25,113D
aの推定分子量である)をコードするオープンリーディングフレームを含む。潜
在的に予測される成熟TR11レセプターのアミノ酸配列は、図1Aおよび図1
Bにアミノ酸残基約26から残基約234に示される(配列番号2においてアミ
ノ酸残基1から209)。図1Aおよび図1B(配列番号2)に示されるTR1
1タンパク質は、コンピュータープログラム「Bestfit」を使用すると、
配列番号7(図4Aおよび図4Bを参照)に示されるマウスmGITRレセプタ
ータンパク質と約58.6%の同一性および約74.1%の類似性である。
【0027】 図2Aおよび図2B(配列番号3)のTR11SV1cDNAの配列決定され
たヌクレオチド配列は、約26,029Daの推定分子量である約241個のア
ミノ酸残基のタンパク質をコードするオープンリーディングフレームを含む。図
2Aおよび図2B(配列番号4)に示されるTR11タンパク質は、コンピュー
タープログラム「Bestfit」を使用すると、配列番号7(図4Aおよび図
4Bを参照)に示されるマウスmGITRレセプタータンパク質と約53.1%
の同一性および約67.5%の類似性である。
【0028】 図3Aおよび図3B(配列番号5)のTR11SV2cDNAの配列決定され
たヌクレオチド配列は、約240個のアミノ酸残基のタンパク質(約19個のア
ミノ酸残基の潜在的に予測される1つのリーダー配列を伴い、そして約25,7
27Daの推定分子量である)をコードするオープンリーディングフレームを含
む。潜在的に予測される成熟TR11SV2レセプターのアミノ酸配列は、図3
Aおよび図3Bにアミノ酸残基約20から残基約240に示される(配列番号6
ではアミノ酸残基1から221)。図3Aおよび図3B(配列番号6)に示され
るTR11SV2タンパク質は、コンピュータープログラム「Bestfit」
を使用すると、配列番号7(図4Aおよび図4Bを参照)に示されるマウスGI
TRレセプタータンパク質と約58.6%の同一性および約74.1%の類似性
である。
【0029】 GITRは、細胞外ドメインにおける3つのシステイン偽性リピートによって
特徴付けられる228個のアミノ酸のタイプI膜貫通タンパク質であり、そして
細胞内ドメイン中のCD27および4−1BBと類似する。GITRは、T細胞
誘導性アポトーシスを特異的に防禦するが、Fas誘発性、デキサメタゾン処置
、またはUV照射を含む他のアポトーシスシグナルは防禦しない。従って、GI
TRは腫瘍壊死因子/神経成長因子レセプターファミリーの新しいメンバーであ
り、そしてT細胞レセプター媒介性細胞死の調節に関与するようである(Noc
entini GらProc.Natl.Acad.Sci.USA 94:6
216-6221(1997))。マウスGITRとのアミノ酸レベルでの高度 な保存性に基づくと、TR11、TR11SV1、およびTR11SV2はまた
、細胞型特異的レセプター媒介性の細胞成長、分化、および究極的には細胞死の
調節に関与し得るようである。
【0030】 示されるように、本発明はまた、本発明のTR11レセプターおよびTR11
SV2レセプターの成熟形態を提供する。シグナル仮説に従うと、哺乳動物細胞
によって分泌されるタンパク質は、粗小胞体を横切って成長するタンパク質鎖の
輸送が一旦開始されると、成熟タンパク質から切断されるシグナルまたは分泌リ
ーダー配列を有する。ほとんどの哺乳動物細胞、および昆虫細胞でさえも、同様
の特異性で以って分泌されたタンパク質を切断する。しかし、いくつかの場合、
分泌されたタンパク質の切断は、完全に均一でなく、これはこのタンパク質の2
つ以上の成熟型を生じる。さらに、分泌されたタンパク質の切断特異性は、究極
的には、完全なタンパク質の一次構造(すなわち、ポリペプチドのアミノ酸配列
に固有である)によって決定される。従って、本発明は、ATCC寄託番号20
9340および209342に含まれるcDNAクローンによってコードされ、
ならびにそれぞれ、図1Aおよび図1Bならびに図3Aおよび図3B(それぞれ
、配列番号2および配列番号6)に示されるアミノ酸配列を有する成熟TR11
およびTR11SV2ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を提供する。
「ATCC寄託番号209340および209342に含まれるcDNAクロー
ン」によってコードされるアミノ酸配列を有する成熟TR11およびTR11S
V2ポリペプチドは、寄託されたクローンのヒトDNA配列によりコードされる
完全オープンリーディングフレームの哺乳動物細胞(例えば、以下に述べるCO
S細胞)で発現することによって産生されるTR11およびTR11SV2レセ
プターの成熟形態を意味する。
【0031】 タンパク質が分泌リーダーならびにこのリーダー配列のための切断点を有する
か否かを予測する方法が利用可能である。例えば、McGeoch(Virus
Res. 3:271−286(1985))およびvon Heinje(
Nucleic Acids Res. 14:4683−4690(1986
))の方法が使用し得る。これらの各方法についての既知の哺乳動物分泌タンパ
ク質の切断点を予測することの正確さは、75〜80%の範囲である(von
Heinje、前出)。しかし、2つの方法は、所定のタンパク質について同じ
予測される切断点を常に生じるわけではない。
【0032】 現在の場合では、図1Aおよび図1B、図2Aおよび図2B、ならびに図3A
および図3B(配列番号2、配列番号4、および配列番号6)に示される完全な
TR11、TR11SV1、およびTR11SV2ポリペプチドの予測されるア
ミノ酸配列は、コンピュータープログラム(「PSORT」)(K.Nakai
およびM.Kanehisa, Genomics 14:897−911(1
992))によって分析された。これは、アミノ酸配列に基づくタンパク質の細
胞内位置を予測するための専門システムである。このコンピュータの局在化予測
の一部として、McGeochおよびvon Heinjeの方法が組み込まれ
ている。PSORTプログラムによる分析は、図1Aおよび図1B(配列番号2
における−1および+1)のアミノ酸25と26との間の切断部位を予測した。
従って、配列番号2で示されるTR11タンパク質についての潜在的なリーダー
配列は、配列番号2のアミノ酸残基−25〜−1からなることが予測されるが、
予測される成熟TR11タンパク質は、配列番号2で示されるTR11タンパク
質についてアミノ酸残基1〜209からなる。さらに、PSORTプログラムに
よる分析は、配列番号4で示されるTR11SV1タンパク質についてシグナル
ペプチド切断部位を予測しなかった。最後に、PSORTプログラムによる分析
は、図3Aおよび図3Bで示されるアミノ酸19と20との間に(配列番号6に
おいて−1および+1)1つのシグナルペプチド切断部位を予測した。従って、
配列番号6で示されるTR11SV2タンパク質についての潜在的なリーダー配
列は、配列番号6のアミノ酸残基−19〜−1からなることが予測される。その
一方、予測される成熟TR11SV2タンパク質は、配列番号6で示されるTR
11SV2タンパク質についてアミノ酸残基1〜221からなる。
【0033】 しかし、当業者が理解するように、配列決定のエラーの可能性、ならびに異な
る既知のタンパク質(ATCC寄託番号209340、209341、および2
09342のcDNAによってそれぞれコードされるTR11、TR11SV1
、およびTR11SV2レセプターポリペプチド)におけるリーダーについての
切断部位の変動性は、約241個のアミノ酸(しかし、224〜251の範囲の
任意のアミノ酸)、約241個のアミノ酸(しかし、231〜251の範囲の任
意のアミノ酸)、および約240個のアミノ酸(しかし、230〜250の範囲
の任意のアミノ酸)を含む。さらに、これらのタンパク質の予測されるリーダー
配列は、約25、0、および19であるが、実際のリーダーはそれぞれ、約15
〜約35、約20〜約40、約9〜約29の範囲の任意のアミノ酸であり得る。
【0034】 示されるように、本発明の核酸分子は、RNAの形態(例えば、mRNA)、
またはDNAの形態(例えば、クローニングまたは合成的に生産されるcDNA
ならびにゲノムDNAを含む)であり得る。このDNAは、二本鎖または一本鎖
であり得る。一本鎖DNAまたはRNAはコード鎖(また、センス鎖として知ら
れる)であり得、あるいは非コード鎖(また、アンチセンス鎖と呼ばれる)であ
り得る。
【0035】 「単離された」核酸分子は、その天然の環境から取り出されたDNAまたはR
NAである核酸分子を意図する。例えば、ベクターに含まれる組換えDNA分子
は、本発明の目的に単離された考えられる。単離されたDNA分子のさらなる例
は、異種宿主細胞中に維持された組換えDNA分子または溶液中の(部分的にま
たは実質的に)精製されたDNA分子を含む。単離されたRNA分子は、本発明
のDNA分子のインビトロまたはインビボのRNA転写物を含む。本発明に従っ
て単離された核酸分子はさらに、合成的に生産されたそのような分子を含む。
【0036】 本発明の単離された核酸分子は、図1Aおよび図1B(配列番号1)に示され
るオープンリーディングフレーム(ORF)を含むDNA分子;図1Aおよび図
1B(配列番号2;最後の約209のアミノ酸)に示される成熟TR11レセプ
ターのコード配列を含むDNA分子;ならびに遺伝コードの縮重に起因して上記
の配列とは実質的に異なるが、なお図1A(配列番号2)に示されるTR11レ
セプタータンパク質をコードする配列を含むDNA分子を包含する。本発明の単
離された核酸分子は、図2Aおよび図2B(配列番号3)に示されるオープンリ
ーディングフレーム(ORF)を含むDNA分子;図2Aおよび図2B(配列番
号4;最後の約241のアミノ酸)に示される成熟TR11SV1レセプターの
コード配列を含むDNA分子;ならびに遺伝コードの縮重に起因して上記の配列
とは実質的に異なるが、なお図2Aおよび図2B(配列番号4)に示されるTR
11SV1レセプタータンパク質をコードする配列を含むDNA分子を包含する
。本発明の単離された核酸分子は、図3Aおよび図3B(配列番号5)に示され
るオープンリーディングフレーム(ORF)を含むDNA分子;図3Aおよび図
3B(配列番号6;最後の約221のアミノ酸)に示される成熟TR11SV2
レセプターのコード配列を含むDNA分子;ならびに遺伝コードの縮重に起因し
て上記の配列とは実質的に異なるが、なお図3Aおよび図3B(配列番号6)に
示されるTR11SV2レセプタータンパク質をコードする配列を含むDNA分
子を包含する。もちろん、遺伝コードは、当該分野で周知である。従って、この
ような縮重した改変体を生成することは当業者にとって慣用的である。
【0037】 別の局面において、本発明は、1997年10月7日にそれぞれ、ATCC受
託番号209340、209341、および209342として寄託されたプラ
スミド中に含まれるcDNAクローンによってコードされるアミノ酸配列を有す
るTR11、TR11SV1、およびTR11SV2ポリペプチドをコードする
単離された核酸分子を提供する。さらなる実施態様において、これらの核酸分子
は、N末端メチオニンを欠いた成熟ポリペプチドまたは全長ポリペプチドをコー
ドする。本発明はさらに、図1Aおよび図1B(配列番号1)、図2Aおよび図
2B(配列番号3)、ならびに図3Aおよび図3B(配列番号5)に示されるヌ
クレオチド配列、上記の寄託クローンに含まれるcDNAのヌクレオチド配列を
有する単離された核酸分子、あるいは上記の配列の1つに相補的な配列を有する
核酸分子を提供する。このような単離された分子(特にDNA分子)は、染色体
とのインサイチュハイブリダイゼーションによる遺伝子マッピングのための、お
よび例えば、ノーザンブロット分析によるヒト組織における本発明のTR11、
TR11SV1、およびTR11SV2レセプター遺伝子の発現を検出するため
のプローブとして有用である。
【0038】 さらに、本発明は、以下の関連cDNAクローン:HHEAC71RA(配列
番号8)およびHCFAZ22R(配列番号9)から決定された配列番号1、配
列番号3ならびに配列番号5の広範な部分に関連するヌクレオチド配列を有する
核酸分子を提供する。
【0039】 本発明はさらに、本明細書中に記載の単離された核酸分子のフラグメントに関
する。寄託されたcDNAのヌクレオチド配列、または図1Aおよび1B、2A
および2B、ならびに3Aおよび3B(それぞれ、配列番号1、配列番号3、お
よび配列番号5)に示されるヌクレオチド配列を有する単離された核酸分子のフ
ラグメントとは、少なくとも約15nt長、そしてより好ましくは少なくとも約
20nt長、なおより好ましくは少なくとも約30nt長、そしてさらにより好
ましくは、少なくとも約40nt長のフラグメントを意図し、これらは本明細書
中に議論される診断プローブおよびプライマーとして有用である。当然のことな
がら、50〜400nt長のより長いフラグメントもまた、寄託cDNAのヌク
レオチド配列、または図1Aおよび1B、2Aおよび2B、ならびに3Aおよび
3B(それぞれ、配列番号1、配列番号3、および配列番号5)に示されるヌク
レオチド配列の全てではないにしろほとんどに対応するフラグメントと同様に、
本発明に従えば有用である。例えば、少なくとも20nt長のフラグメントとは
、寄託されたcDNAのヌクレオチド配列または図1Aおよび1B、2Aおよび
2B、ならびに3Aおよび3B(それぞれ、配列番号1、配列番号3、および配
列番号5)に示されるヌクレオチド配列由来の20以上の連続した塩基を含むフ
ラグメントを意図する。さらに、本発明はまた、図1Aおよび1B、2Aおよび
2B、ならびに3Aおよび3B(それぞれ、配列番号1、配列番号3、および配
列番号5)に示される配列、または図1Aおよび1B、2Aおよび2B、ならび
に3Aおよび3B(それぞれ、配列番号1、配列番号3、および配列番号5)に
示される配列に相補的な任意の配列を有するポリヌクレオチドを含有する、核酸
分子の単離されたフラグメントに関し、ここで該フラグメントは、配列番号1、
配列番号3、または配列番号5由来の少なくとも30〜50の連続したヌクレオ
チドを含有するが、ただし該単離された核酸分子は、配列番号8、配列番号9ま
たはそれらの任意のサブフラグメントではない。
【0040】 本発明の好ましい核酸フラグメントは、以下をコードする核酸分子を含む:図
1Aおよび1B(配列番号2)のTR11レセプタータンパク質細胞外ドメイン
(図1Aおよび1Bにおいて26付近〜162付近のアミノ酸残基(配列番号2
におけるアミノ酸残基1〜137)を構成すると予期される)を含むポリペプチ
ド;図2Aおよび2B(配列番号4)のTR11SV1レセプタータンパク質細
胞外ドメイン(図2Aおよび2Bにおいて1付近〜162付近のアミノ酸残基(
配列番号4におけるアミノ酸残基1〜162)を構成すると予期される)を含む
ポリペプチド;図3Aおよび3B(配列番号6)のTR11SV2レセプタータ
ンパク質細胞外ドメイン(図3Aおよび3Bにおいて20付近〜168付近のア
ミノ酸残基(配列番号6におけるアミノ酸残基1〜149)を構成すると予期さ
れる)を含むポリペプチド;TR11レセプター膜貫通ドメイン(図1Aおよび
1Bにおけるアミノ酸残基163〜179(配列番号2におけるアミノ酸残基1
38〜154))を含むポリペプチド;TR11SV1レセプター膜貫通ドメイ
ン(図2Aおよび2Bにおけるアミノ酸残基163〜179(配列番号4におけ
るアミノ酸残基163〜179))を含むポリペプチド;TR11SV2レセプ
ター膜貫通ドメイン(図3Aおよび3Bにおけるアミノ酸残基169〜185(
配列番号6におけるアミノ酸残基150〜166))を含むポリペプチド;TR
11レセプター細胞内ドメイン(図1Aおよび1Bにおいて180付近〜234
付近のアミノ酸残基(配列番号2におけるアミノ酸残基155〜209)を構成
すると予期される)を含むポリペプチド;TR11SV1レセプター細胞内ドメ
イン(図2Aおよび2Bにおいて180付近〜241付近のアミノ酸残基(配列
番号4におけるアミノ酸残基180〜241)を構成すると予期される)を含む
ポリペプチド;TR11SV2レセプター細胞内ドメイン(図3Aおよび3Bに
おいて186付近〜240付近のアミノ酸残基(配列番号6におけるアミノ酸残
基167〜221)を構成すると予期される)を含むポリペプチド;図1Aおよ
び1B(配列番号2)のTR11レセプタータンパク質細胞外および細胞内ドメ
インを含み、膜貫通ドメインの全てまたは一部を欠いた、ポリペプチド;図2A
および2B(配列番号4)のTR11SV1レセプタータンパク質細胞外および
細胞内ドメインを含み、膜貫通ドメインの全てまたは一部を欠いた、ポリペプチ
ド;ならびに図3Aおよび3B(配列番号6)のTR11SV2レセプタータン
パク質細胞外および細胞内ドメインを含み、膜貫通ドメインの全てまたは一部を
欠いた、ポリペプチド。
【0041】 リーダー配列に関する上記のように、細胞外、膜貫通および細胞内ドメインを
構成するアミノ酸残基は、コンピューター分析によって予測された。従って、当
業者が理解するように、これらドメインを構成するアミノ酸残基は、各ドメイン
を規定するため使用される判断基準に依存して、わずかに(例えば、1付近〜1
5付近のアミノ酸残基だけ)変化し得る。
【0042】 本発明の好ましい核酸フラグメントはまた、TR11レセプタータンパク質の
エピトープを有する部分をコードする核酸分子を含有する。詳細には、本発明の
このような核酸フラグメントは、以下をコードする核酸分子を含む:配列番号2
のArg−2付近〜Gly−11付近のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列
番号2のThr−18付近〜Arg−26付近のアミノ酸残基を含むポリペプチ
ド;配列番号2のArg−34付近〜Cys−42付近のアミノ酸残基を含むポ
リペプチド;配列番号2のArg−31付近〜Glu−39付近のアミノ酸残基
を含むポリペプチド;配列番号2のGly−38付近〜Asp−46付近のアミ
ノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号2のGly−74付近〜Ser−82付
近のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号2のGlu−100付近〜As
p−108付近のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号2のPhe−11
8付近〜Ala−126付近のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号2の
Gly−131付近〜Gly−139付近のアミノ酸残基を含むポリペプチド;
配列番号2のPro−178付近〜Cys−186付近のアミノ酸残基を含むポ
リペプチド;配列番号2のSer−197付近〜Gly−205付近のアミノ酸
残基を含むポリペプチド。 本発明者らは、上記ポリペプチドフラグメントがT R11レセプターの抗原領域であることを決定した。TR11タンパク質のその
ようなエピトープを有する他の部分を決定する方法は、以下に詳細に記載される
【0043】 本発明の好ましい核酸フラグメントは、TR11SV1レセプタータンパク質
のエピトープを有する部分をコードする核酸分子をさらに含有する。詳細には、
本発明のこのような核酸フラグメントは、以下をコードする核酸分子を含む:配
列番号4のAla−2付近〜Ile−10付近のアミノ酸残基を含むポリペプチ
ド;配列番号4のAsn−11付近〜Gly−19付近のアミノ酸残基を含むポ
リペプチド;配列番号4のThr−27付近〜Ser−35付近のアミノ酸残基
を含むポリペプチド;配列番号4のTrp−38付近〜Glu−46付近のアミ
ノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号4のGly−42付近〜Ser−50付
近のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号4のGlu−31付近〜Glu
−46付近のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号4のCys−61付近
〜Glu−69付近のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号4のGly−
99付近〜Ser−107付近のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号4
のGlu−125付近〜Asp−133付近のアミノ酸残基を含むポリペプチド
;配列番号4のPhe−143付近〜Ala−151付近のアミノ酸残基を含む
ポリペプチド;配列番号4のGly−156付近〜Gly−164付近のアミノ
酸残基を含むポリペプチド;配列番号4のCys−196付近〜Leu−204
付近のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号4のPro−209付近〜S
er−217付近のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号4のSer−2
29付近〜Gly−237付近のアミノ酸残基を含むポリペプチド。本発明者ら
は、上記ポリペプチドフラグメントがTR11SV1レセプターの抗原領域であ
ることを決定した。TR11SV1タンパク質のそのようなエピトープを有する
他の部分を決定する方法は、以下に詳細に記載される。
【0044】 本発明の好ましい核酸フラグメントはまた、TR11SV2レセプタータンパ
ク質のエピトープを有する部分をコードする核酸分子を含有する。詳細には、本
発明のこのような核酸フラグメントは、以下をコードする核酸分子を含む:配列
番号6のGln−1付近〜Cys−9付近のアミノ酸残基を含むポリペプチド;
配列番号6のGly−5付近〜Arg−13付近のアミノ酸残基を含むポリペプ
チド;配列番号6のThr−18付近〜Arg−26付近のアミノ酸残基を含む
ポリペプチド;配列番号6のThr−29付近〜Pro−37付近のアミノ酸残
基を含むポリペプチド;配列番号6のCys−48付近〜Glu−56付近のア
ミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号6のVal−87付近〜Phe−95
付近のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号6のHis−111付近〜T
hr−119付近のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号6のPhe−1
30付近〜Ala−138付近のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号6
のGly−143付近〜Gly−151付近のアミノ酸残基を含むポリペプチド
;配列番号6のPro−190付近〜Cys−198付近のアミノ酸残基を含む
ポリペプチド;配列番号6のSer−209付近〜Gly−217付近のアミノ
酸残基を含むポリペプチド。本発明者らは、上記ポリペプチドフラグメントがT
R11SV2レセプターの抗原領域であることを決定した。TR11SV2タン
パク質のそのようなエピトープを有する他の部分を決定する方法は、以下に詳細
に記載される。
【0045】 別の局面において、本発明は、上記の本発明の核酸分子(例えば、それぞれA
TCC受託番号209340、209341、および209342に含まれるc
DNAクローン)のうちの一つのポリヌクレオチドの一部分とストリンジェント
な条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドを含有する単離された核酸分子
を提供する。「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、以下を
含む溶液における42℃での一晩のインキュベーション、その後約65℃にて0
.1×SSCにおけるフィルターの洗浄を意図する:50%ホルムアミド、5×
SSC(750mM NaCl、75mM クエン酸三ナトリウム)、50mM
リン酸ナトリウム(pH7.6)、5×Denhardt溶液、10%硫酸デ
キストラン、および20g/mlの変性剪断サケ精子DNA。
【0046】 ポリヌクレオチドの「一部分」にハイブリダイズするポリヌクレオチドとは、
参照ポリヌクレオチドの少なくとも約15ヌクレオチド(nt)、そして好まし
くは少なくとも約20nt、なおより好ましくは少なくとも約30nt、そして
さらに好ましくは約30〜70ntにハイブリダイズするポリヌクレオチド(D
NAまたはRNAのいずれか)を意図する。これらは、上記し、そして以下に詳
細に議論される診断プローブおよびプライマーとして有用である。
【0047】 例えば、「長さが少なくとも20nt」のポリヌクレオチドの部分とは、参照
ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列(例えば、寄託されたcDNA、または図
1Aおよび1B、図2Aおよび2B、図3Aおよび3B(それぞれ、配列番号1
、配列番号3、および配列番号5)に示されるヌクレオチド配列)からの20以
上の連続したヌクレオチドを意図する。
【0048】 当然のことながら、ポリA配列(例えば、cDNA配列の3’末端ポリ(A)
域)にのみ、またはT(またはU)残基の相補的な部分(stretch)にの
みハイブリダイズするポリヌクレオチドは、本発明の核酸の一部分にハイブリダ
イズするために使用される本発明のポリヌクレオチドに含まれない。なぜなら、
そのようなポリヌクレオチドは、ポリ(A)伸長部またはその相補体を含む任意
の核酸分子(例えば、特に任意の二本鎖cDNAクローン)にハイブリダイズす
るからである。
【0049】 示されるように、TR11、TR11SV1、またはTR11SV2ポリペプ
チドをコードする本発明の核酸分子は、成熟ポリペプチドのアミノ酸配列自体を
コードする核酸分子;成熟ポリペプチドおよびさらなる配列をコードする配列(
例えば、可能性のあるリーダーまたはシグナルペプチド配列(例えばプレ、また
はプロ、またはプレプロタンパク配列)をコードする配列);上記のさらなるコ
ード配列を伴ってまたは伴わずに、さらなる非コード配列(例えば、イントロン
および非コード5’および3’配列(例えば、転写、mRNAプロセシング(例
えば、スプライシングおよびポリアデニル化シグナルを含む)、リボソーム結合
およびmRNAの安定性において役割を演じる転写非翻訳配列を含むがこれらに
限定されない)を伴う、成熟ポリペプチドのコード配列;さらなるアミノ酸(例
えば、さらなる機能性を提供するもの)をコードするさらなるコード配列を含み
得るが、これらに限定されない。従って、ポリペプチドをコードする配列は、マ
ーカー配列(例えば、融合ポリペプチドの精製を容易にするペプチドをコードす
る配列)と融合され得る。本発明のこの局面の特定の好ましい実施態様において
、マーカーアミノ酸配列は、とりわけ、ヘキサヒスチジンペプチド、例えば、p
QEベクター(Qiagen,Inc.)中に提供されるタグであり、これらの
うちの多くのものは市販されている。Gentzら(Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA 86:821−824(1989))に記載されるよう
に、例えば、ヘキサヒスチジンは、融合タンパク質の簡便な精製のために提供さ
れる。「HA」タグは、インフルエンザ血球凝集素タンパク質(これは、Wil
sonら(Cell 37:767(1984))により記載されている)に由
来するエピトープに対応する、精製に有用な別のペプチドである。以下に議論す
るように、他のこのような融合タンパク質は、NまたはC末端でIgG−Fcと
融合したTR11レセプターを含む。
【0050】 本発明はさらに、本発明の核酸分子の改変体に関し、これはTR11、TR1
1SV1およびTR11SV2レセプターの部分、アナログまたは誘導体をコー
ドする。改変体(例えば、天然の対立遺伝子改変体)は天然に生じ得る。「対立
遺伝子改変体」とは、生物の染色体上の所定の遺伝子座を占める遺伝子のいくつ
かの別の形態のひとつを意図する。Genes II,Lewin,B.編、J
ohn Wiley & Sons,New York(1985)。天然には
生じない改変体は、当該分野に公知の変異誘発技術を使用して生成され得る。
【0051】 このような改変体は、ヌクレオチドの置換、欠失または付加(これらは1つ以
上のヌクレオチドを含み得る)により生成した改変体を含む。この改変体は、コ
ード領域、非コード領域または両方で変化され得る。コード領域での変化は、保
存的または非保存的なアミノ酸の置換、欠失または付加を生成し得る。これらの
中で特に好ましいものは、サイレントな置換、付加および欠失であり、これらは
TR11、TR11SV1およびTR11SV2レセプターまたはその部分の特
性および活性を変化させない。保存的置換は、このことに関してもまた特に好ま
しい。
【0052】 本発明のさらなる実施態様には、以下のヌクレオチド配列に少なくとも90%
同一、そしてより好ましくは少なくとも95%、96%、97%、98%または
99%同一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む単離された
核酸分子を含む:(a)図1Aおよび1Bに示される完全なアミノ酸配列(配列
番号2のアミノ酸残基−25〜209)を有するTR11ポリペプチドをコード
するヌクレオチド配列;(b)図2Aおよび2Bに示される完全なアミノ酸配列
(配列番号4のアミノ酸残基1〜241)を有するTR11SV1ポリペプチド
をコードするヌクレオチド配列;(c)図3Aおよび3Bに示される完全なアミ
ノ酸配列(配列番号6のアミノ酸残基6の−19〜221)を有するTR11S
V2ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(d)図1Aおよび1Bに示
される完全なアミノ酸配列であるが、N−末端メチオニンを欠失するアミノ酸配
列をコードするヌクレオチド(すなわち、配列番号2のアミノ酸−24〜209
);(e)図2Aおよび2Bに示される完全なアミノ酸配列であるが、N−末端
メチオニンを欠失するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド(すなわち、配列
番号4のアミノ酸2〜241);(f)図3Aおよび3Bに示される完全なアミ
ノ酸配列であるが、N−末端メチオニンを欠失するアミノ酸配列をコードするヌ
クレオチド(すなわち、配列番号6のアミノ酸−18〜221);(g)図1A
および1Bの26〜234位のアミノ酸配列(配列番号2のアミノ酸残基1〜2
09)を含む、推定成熟TR11レセプターをコードするヌクレオチド配列;(
h)図2Aおよび2Bの1〜241位にあるアミノ酸配列(配列番号4のアミノ
酸残基1〜241)を含む、推定成熟TR11SV1レセプターをコードするヌ
クレオチド配列;(i)図3Aおよび3Bの20〜240位のアミノ酸配列(配
列番号6のアミノ酸残基1〜221)を含む、推定成熟TR11SV2レセプタ
ーをコードするヌクレオチド配列;(j)ATCC受託番号209340に含ま
れるcDNAクローンによりコードされる、リーダー配列を含む完全なアミノ酸
配列を有するTR11ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(k)AT
CC受託番号209341に含まれるcDNAクローンによりコードされる、リ
ーダー配列を含む完全なアミノ酸配列を有するTR11SV1ポリペプチドをコ
ードするヌクレオチド配列;(l)ATCC受託番号209342に含まれるc
DNAクローンによりコードされる、リーダー配列を含む完全なアミノ酸配列を
有するTR11SV2ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列;(m)AT
CC受託番号209340に含まれるcDNAクローンによりコードされるアミ
ノ酸配列を有する成熟TR11レセプターをコードするヌクレオチド配列;(n
)ATCC受託番号209341に含まれるcDNAクローンによりコードされ
るアミノ酸配列を有する成熟TR11SV1レセプターをコードするヌクレオチ
ド配列;(o)ATCC受託番号209342に含まれるcDNAクローンによ
りコードされるアミノ酸配列を有する成熟TR11SV2レセプターをコードす
るヌクレオチド配列;(p)TR11レセプター細胞外ドメインをコードするヌ
クレオチド配列;(q)TR11SV1レセプター細胞外ドメインをコードする
ヌクレオチド配列;(r)TR11SV2レセプター細胞外ドメインをコードす
るヌクレオチド配列;(s)TR11レセプター膜貫通ドメインをコードするヌ
クレオチド配列;(t)TR11SV1レセプター膜貫通ドメインをコードする
ヌクレオチド配列;(u)TR11SV2レセプター膜貫通ドメインをコードす
るヌクレオチド配列;(v)TR11レセプター細胞内ドメインをコードするヌ
クレオチド配列;(w)TR11SV1レセプター細胞内ドメインをコードする
ヌクレオチド配列;(x)TR11SV2レセプター細胞内ドメインをコードす
るヌクレオチド配列;(y)TR11レセプターの、膜貫通ドメインの全てまた
は一部を欠失した細胞外および細胞内ドメインをコードするヌクレオチド配列;
(z)TR11SV1レセプターの、膜貫通ドメインの全てまたは一部を欠失し
た細胞外および細胞内ドメインをコードするヌクレオチド配列;(aa)TR1
1SV2レセプターの、膜貫通ドメインの全てまたは一部を欠失した細胞外およ
び細胞内ドメインをコードするヌクレオチド配列;および(bb) (a)、(
b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)、(j)、(
k)、(l)、(m)、(n)、(o)、(p)、(q)、(r)、(s)、(
t)、(u)、(v)、(w)、(x)、(y)、(z)または(aa)の任意
のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列 本発明のさらなる核酸の実施態様は、少なくとも1つの保存的アミノ酸置換で
あるが、50を超えない保存的アミノ酸置換、さらにより好ましくは、40を超
えない保存的アミノ酸置換、なおより好ましくは30を超えない保存的アミノ酸
置換、そしてなおさらにより好ましくは、20を超えない保存的アミノ酸置換、
を含有するアミノ酸配列を有する、TR11、TR11SV1および/またはT
R11SV2ポリペプチドのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含む
単離された核酸分子に関する。当然ながら、なおますます好ましくなる順に、T
R11、TR11SV1またはTR11SV2ポリペプチドのアミノ酸配列をコ
ードするポリヌクレオチドが、7〜10、5〜10、3〜7、3〜5、2〜5、
1〜5、1〜3、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1を超えない保
存的アミノ酸置換を含むアミノ酸配列を有することが、非常に好ましい。
【0053】 本発明はまた、本発明の単離された核酸分子を含む組換えベクター、および該
組換えベクターを含有する宿主細胞、ならびにそのようなベクターおよび宿主細
胞を作成する方法、そしてそれらを使用して組換え技術によりTR11、TR1
1SV1もしくはTR11SV2ポリペプチドまたはペプチドを生産するための
方法に関する。
【0054】 TR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリペプチドをコードする参
照ヌクレオチド配列に、例えば、少なくとも95%「同一の」ヌクレオチド配列
を有するポリヌクレオチドとは、そのポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が、
このポリヌクレオチド配列がTR11、TR11SV1またはTR11SV2レ
セプターをコードする参照ヌクレオチド配列の各100ヌクレオチドあたり5つ
までの点変異を含み得ることを除いて、参照配列に同一であることを意図する。
換言すれば、参照ヌクレオチド配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド
配列を有するポリヌクレオチドを得るために、参照配列における5%までのヌク
レオチドが欠失され得るか、もしくは別のヌクレオチドで置換され得るか、また
は参照配列において全ヌクレオチドの5%までの多くのヌクレオチドが、参照配
列中に挿入され得る。参照配列のこれらの変異は、参照ヌクレオチド配列の5’
もしくは3’末端位置において、または参照配列中のヌクレオチドの間に個々に
、もしくは参照配列内の1つ以上の連続した群のいずれかで散在して、これらの
末端位置の間の任意の位置で生じ得る。
【0055】 実際問題として、任意の特定の核酸分子が、例えば、図1Aおよび1B、図2
Aおよび2B、ならびに/もしくは図3Aおよび3Bに示されるヌクレオチド配
列または寄託されたcDNAクローンのヌクレオチド配列に少なくとも90%、
95%、96%、97%、98%、または99%同一であるかどうかは、例えば
、Bestfitプログラム(Wisconsin Sequence Ana
lysis Package,Version 8 for Unix,Gen
etics Computer Group,University Rese
arch Park,575 Science Drive, Madison
,WI 53711)のような公知のコンピュータープログラムを用いて従来通
りに決定され得る。Bestfitは、SmithおよびWatermanの局
所的相同性アルゴリズムを用いて、2つの配列間の最も相同性の高いセグメント
を見出す( Advances in Applied Mathematic
s 2:482−489 (1981))。Bestfitまたは任意の他の配
列整列プログラムを使用して、特定の配列が本発明による参照配列に、例えば9
5%同一であるか否かを決定する場合、当然のことながらパラメーターは、同一
性パーセントが、参照ヌクレオチド配列の全長にわたって計算されるように、そ
して参照配列のヌクレオチドの総数の5%までの相同性におけるギャップが許容
されるように設定される。問い合わせ配列(本発明の配列)と対象配列との間で
の最良の全体的な一致(全体的配列整列とも言及される)を決定するための好ま
しい方法は、Brutlagら(Comp. App. Biosci. 6:
237−245(1990))のアルゴリズムに基づくFASTDBコンピュー
タープログラムを使用して決定され得る。配列整列において、問い合わせ配列お
よび対象配列は、両方ともDNA配列である。RNA配列は、UをTに変換する
ことによって変換され得る。上記の配列全体の整列の結果は同一性パーセントで
示す。DNA配列のFASTDB整列に用いられる好ましいパラメーターは:M
atrix=Unitary、k−tuple=4、Mismatch Pen
alty=1、Joining Penalty=30、Randomizat
ion Group Length=0、Cutoff Score=1、Ga
p Penalty=5、Gap Size Penalty = 0.05、
Window Size=500または対象ヌクレオチド配列の長さ(どちらか
より短い方)である。
【0056】 対象配列が、5’または3’欠失のために(内部欠失のためではなく)問い合
わせ配列より短い場合、手動の補正が結果に対してなされなけらばならない。こ
れは、同一性パーセントを計算する場合に、FASTDBプログラムが対象配列
の5’短縮および3’短縮を考慮しないからである。5’末端または3’末端で
短縮される対象配列について、問い合わせ配列に対して、同一性パーセントは、
問い合わせ配列の総塩基のパーセントとして一致/整列されない対象配列の5’
および3’である問い合わせ配列の塩基の数を計算することによって補正される
。ヌクレオチドが一致/整列されるか否かは、FASTDB配列整列の結果によ
って決定される。次いで、このパーセントは、同一性パーセントから差し引かれ
、特定のパラメーターを用いて上記のFASTDBプログラムによって算定され
、最終的な同一性パーセントのスコアに到達する。この補正されたスコアが、本
発明の目的に使用されるものである。FASTDB整列によって示されるように
、問い合わせ配列と一致/整列されていない、対象配列の5’および3’塩基の
外側の塩基のみが、同一性パーセントのスコアを手動で調整する目的で算定され
る。
【0057】 例えば、90塩基の対象配列は、同一性パーセントを決定するために100塩
基の問い合わせ配列に対して整列される。対象配列の5’末端で欠失が生じ、そ
してそのために、FASTDB整列は5’末端で最初の10塩基の一致/整列を
示さない。10個の不対合塩基は、配列の10%(一致していない5’および3
’末端での塩基の数/問い合わせ配列の塩基の総数)を表し、そのため10%は
、FASTDBプログラムによって算定される同一性パーセントのスコアから差
し引かれる。残りの90塩基が完全に一致する場合は、最終的な同一性パーセン
トは90%である。別の例では、90塩基の対象配列は、100塩基の問い合わ
せ配列と比較される。この場合、欠失は、内部欠失であり、その結果、問い合わ
せ配列と一致/整列しない対象配列の5’または3’に塩基がない。この場合、
FASTDBによって算定される同一性パーセントは手動で補正されない。再び
、問い合わせ配列と一致/整列しない対象配列の5’または3’の塩基のみが手
動で補正される。他の手動の補正は、本発明の目的ではなされない。
【0058】 本出願は、TR11、TR11SV1またはTR11SV2レセプター活性を
有するポリペプチドをコードするか否かに関係なく、図1Aおよび1B(配列番
号1)、図2Aおよび2B(配列番号3)、ならびに図3Aおよび3B(配列番
号5)に示される核酸配列または寄託されたcDNAの核酸配列と少なくとも9
0%、95%、96%、97%、98%、または99%同一である核酸分子に言
及する。これは、特定の核酸分子がTR11、TR11SV1またはTR11S
V2レセプター活性を有するポリペプチドをコードしない場合でさえ、当業者は
、核酸分子をどのようにして、例えば、ハイブリダイゼーションプローブ、また
はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のプライマーとして使用するかをなお知って
いるからである。TR11、TR11SV1またはTR11SV2レセプター活
性を有するポリペプチドをコードしない本発明の核酸分子の使用としては、とり
わけ(1)TR11、TR11SV1またはTR11SV2レセプター遺伝子ま
たはその対立遺伝子またはそのスプライスバリアント(splice vari
ants)をcDNAライブラリーから単離すること;(2)Vermaおよび
共同研究者(Human Chromosomes:A Manual of
Basic Techniques、Pergamon Press、New
York(1988))に記載の、TR11、TR11SV1またはTR11S
V2レセプター遺伝子の正確な染色体位置を提供するための分裂中期染色体展開
物に対するインサイチュハイブリダイゼーション(例えば、「FISH」);お
よび、(3)特定の組織におけるTR11、TR11SV1またはTR11SV
2レセプターmRNA発現を検出するためのノーザンブロット分析、が挙げられ
る。
【0059】 しかし、実際に、それぞれTR11、TR11SV1およびTR11SV2レ
セプター活性を有するポリペプチドをコードする図1Aおよび1B(配列番号1
)、図2Aおよび2B(配列番号3)、ならびに図3Aおよび3B(配列番号5
)に示されるヌクレオチド配列あるいは寄託されたcDNAの核酸配列に少なく
とも90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一である配列を
有する核酸分子が好ましい。「TR11、TR11SV1およびTR11SV2
レセプター活性を有するポリペプチド」によって、特定の生物学的アッセイにお
いて測定される場合に、本発明のTR11、TR11SV1およびTR11SV
2レセプター(全長タンパク質、スプライスバリアント(splice var
iants)または好ましくは成熟タンパク質のいずれか)の活性と類似する(
しかし、必ずしも同一ではない)活性を示すポリペプチドが意図される。例えば
、TR11、TR11SV1およびTR11SV2レセプター活性は、TR11
、TR11SV1またはTR11SV2 ポリペプチド−Fc融合タンパク質が
リンパ球増殖を阻害する能力を決定することによって測定され得る。TR11、
TR11SV1およびTR11SV2レセプター活性はまた、ポリペプチド(例
えば、遊離であるかまたは細胞表面上に発現された同族のリガンド)を1つ以上
のレセプターを発現する無傷の細胞における増殖活性を与える能力を決定するこ
とによって測定され得る。
【0060】 当然のことながら、遺伝子コードの縮重のために、当業者は、寄託されたcD
NAの核酸配列あるいは図1Aおよび1B(配列番号1)、図2Aおよび2B(
配列番号3)ならびに図3Aおよび3B(配列番号5)に示される核酸配列に少
なくとも90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一である配
列を有する核酸分子の多くが「TR11、TR11SV1またはTR11SV2
レセプター活性を有する」ポリペプチドをコードすることを直ちに認識する。実
際に、これらのヌクレオチド配列のいずれかの縮重改変体は全て同じポリペプチ
ドをコードするので、これは上記の比較アッセイを実施することなしでさえ当業
者に明らかである。縮重改変体でないそのような核酸分子について、合理的な数
がまたTR11、TR11SV1またはTR11SV2タンパク質活性を有する
ポリペプチドをコードすることが、当該分野でさらに認識される。これは、当業
者が、タンパク質の機能に有意に影響する可能性が低いか、または有意には影響
しそうにないかのいずれかのアミノ酸置換(例えば、1つの脂肪族アミノ酸の第
二の脂肪族アミノ酸への置換)を完全に知っているからである。
【0061】 例えば、表現型的にサイレントなアミノ酸置換をどのように作製するかに関す
るガイダンスは、Bowieおよび共同研究者「Deciphering th
e Message in Protein Sequences:Toler
ance to Amino Acid Subsutitutions」、S
cience 247:1306−1310(1990)に提供される。ここで
著者らは、タンパク質が、アミノ酸置換に驚くほど寛容であることを示す。
【0062】 (ベクターおよび宿主細胞) 本発明はまた、本発明の単離されたDNA分子を含むベクター、組換えベクタ
ーで遺伝子操作される宿主細胞、ならびに組換え技術によるTR11、TR11
SV1およびTR11SV2ポリペプチドまたはそれらのフラグメントの産生に
関する。
【0063】 ポリヌクレオチドは、宿主中における増殖のために選択マーカーを含むベクタ
ーと連結され得る。一般に、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈澱物の
ような沈澱物、または荷電脂質との複合体において導入される。ベクターがウイ
ルスである場合、ウィルスベクターは、適切なパッケージング細胞株を使用して
インビトロでパッケージングされ、次いで宿主細胞に形質導入され得る。
【0064】 DNA挿入物は、適切なプロモーター(いくつか挙げれば、例えば、ファージ
λPLプロモーター、E. coli lacプロモーター、trpプロモータ
ー、およびtacプロモーター、SV40初期プロモーターおよびSV40後期
プロモーター、ならびにレトロウイルスLTRのプロモーター)に作動可能に連
結されるべきである。他の適切なプロモーターは当業者に公知である。発現構築
物はさらに、転写開始、転写終結のための部位、および転写領域において、翻訳
のためのリボソーム結合部位を含む。構築物によって発現される成熟転写物のコ
ード部分は、好ましくは、始めに翻訳開始コドン、および翻訳されるためのポリ
ペプチドの末端に適切に位置される終結コドン(UAA、UGAまたはUAG)
を含む。
【0065】 示されるように、発現ベクターは、好ましくは少なくとも1つの選択マーカー
を含む。このようなマーカーは、真核細胞培養のためのジヒドロ葉酸レダクター
ゼ、またはネオマイシン耐性遺伝子、ならびにE.coliおよび他の細菌にお
いて培養するためのテトラサイクリン、またはアンピシリン耐性遺伝子を含む。
適切な異種宿主の代表的な例は、細菌細胞(例えば、E.coli、Strep
tomycesおよびSalmonella typhimurium細胞);
酵母細胞のような真菌細胞;Drosophilia S2およびSpodop
tera Sf9細胞のような昆虫細胞;CHO細胞、COS細胞、およびBo
wesメラノーマ細胞のような動物細胞;ならびに植物細胞を含むが、これらに
限定されない。上記の宿主細胞のための適切な培養培地および条件は、当該分野
で公知である。
【0066】 細菌における使用のために好ましいベクターの中には、pHE4、pQE70
、pQE60およびpQE−9(Qiagenから入手可能);pBSベクター
、Phagescriptベクター、Bluescriptベクター、pNH8
A、pNH16a、pNH18A、pNH46A(Stratageneから入
手可能);およびptrc99a、pKK223−3、pKK233−3、pD
R540、pRIT5(Pharmaciaから入手可能)を含む。好ましい真
核生物ベクターの中には、pWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT
1およびpSG(Stratageneから入手可能);ならびにpSVK3、
pBPV、pMSGおよびpSVL(Pharmaciaから入手可能)がある
。他の適切なベクターは当業者に容易に明らかである。
【0067】 宿主細胞への構築物の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DE
AE−デキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフ
ェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染、または他の方法によっ
てもたらされ得る。このような方法は、Davisら、Basic Metho
ds In Molecular Biology (1986)のような多く
の標準的研究室マニュアルに記載される。
【0068】 ポリペプチドは、融合タンパク質のような改変された形態で発現され得、そし
て分泌シグナルだけでなく、さらなる異種の機能的領域も含み得る。例えば、さ
らなるアミノ酸、特に荷電アミノ酸の領域が、宿主細胞における、精製の間の、
またはそれに続く取り扱いおよび保存の間の、安定性および持続性を改善するた
めに、ポリペプチドのN末端に付加され得る。また、ペプチド部分が、精製を容
易にするためにポリペプチドへ付加され得る。このような領域は、ポリペプチド
の最終調製の前に除去され得る。とりわけ、分泌または排出を生じるため、安定
性を改善するため、および精製を容易にするために、ペプチド部分をポリペプチ
ドへ付加することは、当該分野でよく知られており、そして慣用技術である。好
ましい融合タンパク質は、タンパク質の可溶化のために有用な免疫グロブリン由
来の異種領域を含む。例えば、EP−A−O 464 533(カナダ対応出願
第2045869号)は、別のヒトタンパク質またはその一部とともに、免疫グ
ロブリン分子の定常領域の種々の部分を含む融合タンパク質を開示する。多くの
場合、融合タンパク質中のFc部分は、治療および診断における使用に十分に有
利であり、したがって、例えば、改善された薬物動態学的特性を生じる(EP−
A 0232 262)。他方、いくつかの使用について、融合タンパク質が、
記載される有利な様式で、発現され、検出され、そして精製された後に、Fc部
分を欠失させ得ることが望ましい。これは、Fc部分が、治療および診断におけ
る使用に対して障害となると判明する場合(例えば、融合タンパク質が免疫のた
めの抗原として使用される場合)である。薬物探索において、例えばhIL5レ
セプターのようなヒトタンパク質は、hIL−5のアンタゴニストを同定するた
めの高処理能力スクリーニングアッセイの目的で、Fc部分と融合されている。
D.Bennettら、Journal of Molecular Reco
gnition 第8巻:52−58(1995)、およびK.Johanso
nら、The Journal of Biological Chemist
ry 第270巻:第16号;9459−9471(1995)を参照のこと。
【0069】 TR11、TR11SV1およびTR11SV2レセプターは、硫酸アンモニ
ウム沈澱またはエタノール沈澱、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマト
グラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグ
ラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマ
トグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含む周知の方法によって組換
え細胞培養物から回収され得、そして精製され得る。最も好ましくは、高速液体
クロマトグラフィー(「HPLC」)が精製のために使用される。本発明のポリ
ペプチドは、天然に精製された産物、化学的合成手順の産物、および原核生物宿
主または真核生物宿主から組換え技術によって産生された産物(例えば、細菌細
胞、酵母細胞、高等植物細胞、昆虫細胞、および哺乳動物細胞を含む)を包含す
る。組換え産生手順に使用される宿主に依存して、本発明のポリペプチドは、グ
リコシル化されてもよく、またはグリコシル化されなくてもよい。さらに、本発
明のポリペプチドはまた、宿主媒介プロセスの結果として、いくつかの場合にお
いて、最初の改変されたメチオニン残基を含み得る。
【0070】 (TR11、TR11SV1およびTR11SV2ポリペプチドならびにフ
ラグメント) TR11ポリヌクレオチドフラグメントの代表的な例は、例えば、配列番号1
または寄託されたクローンにおいて含まれるcDNAのヌクレオチド番号の約1
〜50、51〜100、101〜150、151〜200、201〜250、2
51〜300、301〜350、351〜400、401〜450、451〜5
00、501〜550、551〜600、651〜700、701〜750、7
51〜800、800〜850、851〜900、901〜950、または95
1〜最後、からの配列を有するフラグメントを含む。TR11SV1ポリヌクレ
オチドフラグメントの代表的な例は、例えば、配列番号3または寄託されたクロ
ーンにおいて含まれるcDNAのヌクレオチド番号の約1〜50、51〜100
、101〜150、151〜200、201〜250、251〜300、301
〜350、351〜400、401〜450、451〜500、501〜550
、551〜600、651〜700、701〜750、751〜800、800
〜850、851〜900、901〜950、951〜1007、または951
〜最後、からの配列を有するフラグメントを含む。TR11SV2ポリヌクレオ
チドフラグメントの代表的な例は、例えば、配列番号5または寄託されたクロー
ンにおいて含まれるcDNAのヌクレオチド番号の約1〜50、51〜100、
101〜150、151〜200、201〜250、251〜300、301〜
350、351〜400、401〜450、451〜500、501〜550、
551〜600、651〜700、701〜750、751〜800、800〜
850、851〜900、901〜950、951〜1000、1001〜10
50、1051〜最後、からの配列を有するフラグメントを含む。この状況にお
いて、「約」は、特に列挙される範囲を、いずれかの末端もしくは両方の末端で
、いくつか(5、4、3、2、もしくは1個)のヌクレオチドだけより大きなま
たはより小さな範囲を含む。好ましくは、これらのフラグメントは、生物学的活
性を有するポリぺプチドをコードする。より好ましくは、これらのポリヌクレオ
チドは、本明細書において考察されるようにプローブまたはプライマーとして使
用され得る。
【0071】 本発明において、「ポリペプチドフラグメント」とは、配列番号2、配列番号
4、配列番号6の中に含まれる、あるいは寄託されたクローンに含まれるcDN
Aによってコードされる短いアミノ酸配列をいう。タンパク質フラグメントは、
「独立している」ものであり得るか、あるいはより大きなポリペプチド内に含ま
れ得、そのフラグメントは、そのポリペプチドの一部または一領域、最も好まし
くは、単一の連続的な領域を形成している。本発明の代表的なポリペプチドフラ
グメントの例としては、例えば、配列番号2のおよそのアミノ酸番号1〜20、
21〜40、41〜60、61〜80、81〜100、102〜120、121
〜140、141〜160、161〜180、181〜200、201〜220
、221からコード領域の末端;配列番号4のおよそのアミノ酸番号1〜20、
21〜40、41〜60、61〜80、81〜100、102〜120、121
〜140、141〜160、161〜180、181〜200、201〜220
、221〜コード領域の末端;あるいは、配列番号6のおよそのアミノ酸番号1
〜20、21〜40、41〜60、61〜80、81〜100、102〜120
、121〜140、141〜160、161〜180、181〜200、201
〜220、221からコード領域の末端が挙げられる。さらに、ポリペプチドフ
ラグメントは、長さがおよそ20、30、40、50、60、70、80、90
、100、110、120、130、140、または150アミノ酸であり得る
。この文脈の「およそ」とは、一端または両端のいずれかで、いくつかの(5、
4、3、2、または1)アミノ酸だけより大きいあるいはより小さい、特に引用
された範囲を含む。
【0072】 しかし、EST配列のような多くのポリヌクレオチド配列は公に利用可能であ
り、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいく
らかは、配列番号1、配列番号3、および/または配列番号5に関連し、本発明
の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連
するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連する配
列を列挙することは煩わしい。同様に、好ましくは、本発明からは、一般式a1 −b1により記載されるヌクレオチド配列(ここで、a1は配列番号1の1〜96
9の任意の整数であり、b1は15〜983の整数であり、ここでa1およびb1 の両方は配列番号1に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここで
1はa1+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
同様に、好ましくは、本発明からは、一般式a2−b2により記載されるヌクレオ
チド配列(ここで、a2は配列番号3の1〜993の任意の整数であり、b2は1
5〜1007の整数であり、ここでa2およびb2の両方は配列番号3に示される
ヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでb2はa2+14以上である)を
含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。従って、好ましくは、本発明か
らは、一般式a3−b3により記載されるヌクレオチド配列(ここで、a3は配列 番号5の1〜1060の任意の整数であり、b3は15〜1074の整数であり 、ここでa3およびb3の両方は配列番号5に示されるヌクレオチド残基の位置に
対応し、そしてここでb3はa3+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレ
オチドが除外される。
【0073】 特定の実施態様において、本発明のポリヌクレオチドの長さは、300kb、
200kb、100kb、50kb、15kb、10kb、または7.5kbよ
りも小さい。さらなる実施態様においては、本発明のポリヌクレオチドは、TR
11、TR11SV1、またはTR11SV2のコード配列の少なくとも15の
連続したヌクレオチドを含むが、しかし任意のTR11、TR11SV1、また
はTR11SV2のイントロンの全て、あるいは一部分を含まない。別の実施態
様において、TR11、TR11SV1、またはTR11SV2のコード配列を
含む核酸は、ゲノム上の隣接遺伝子(すなわち、ゲノム内のTR11、TR11
SV1、またはTR11SV2遺伝子の5’または3’側)のコード配列を含ま
ない。
【0074】 本発明はさらに、寄託されたcDNAによってコードされるアミノ酸配列、あ
るいは図1Aおよび1B、2Aおよび2B、ならびに3Aおよび3B(それぞれ
、配列番号2、配列番号4および配列番号6)のアミノ酸配列を有する単離され
たTR11、TR11SV1、およびTR11SV2のポリペプチド、あるいは
前述のポリペプチドの一部を包含するペプチドまたはポリペプチドを提供する。
【0075】 TR11、TR11SV1、および/またはTR11SV2ポリペプチドの特
徴を改良あるいは変質させるためには、タンパク質工学を用い得る。当業者に公
知の組換えDNA技術を使用して、単一の、または複数のアミノ酸置換、欠失、
付加、あるいは融合タンパク質を含む新規な変異タンパク質またはムテインを創
製し得る。そのような改変されたポリペプチドは、例えば、活性の増強、または
安定性の増加を示し得る。さらに、それらはより高い収率で精製され得、そして
少なくとも特定の精製および保存条件下では、それに対応する天然ポリペプチド
よりさらなる溶解性を示し得る。
【0076】 例えば、膜結合タンパク質の細胞外ドメインまたは分泌タンパクの成熟形態を
含む多くのタンパク質に対して、1つ以上のアミノ酸を、そのN末端またはC末
端から実質的な生物学的機能の損失なく欠失し得ることは、当該分野で公知であ
る。例えば、Ronおよび共同研究者(J.Biol.Chem.,268:2
984−2988(1993))は、3、8、あるいは27のN末端アミノ酸残
基を失った場合でさえも、ヘパリン結合活性を有する改変されたKGFタンパク
質を報告した。同様に、生物学的に機能的なC末端欠失ムラインの多くの例が公
知である。例えば、インターフェロンγは、そのタンパク質のカルボキシ末端か
ら8〜10アミノ酸残基の欠失により10倍までのより高い活性を示した。(D
obeliら、J.Biotechnology 7:199−216(198
8))。
【0077】 このように、タンパク質のN末端から1つ以上のアミノ酸の欠失が、そのタン
パク質の1つ以上の生物学的機能の損失する改変を生じるとしても、他の生物学
的活性はまだ保持され得る。このように、短縮されたTR11、TR11SV1
、および/またはTR11SV2ムテインの、抗体(そのタンパク質の完全な、
または成熟した形態を認識する)を誘導および/またはそれに結合する能力は、
一般には、完全、または成熟タンパク質の大部分の残基を、そのN末端から除去
しない場合は、保持される。完全なタンパク質のN末端残基を欠いた特定のポリ
ペプチドが、そのような免疫学的活性を保持しているかどうかは、本明細書およ
び当業者に公知の他に記載されている慣用的方法で容易に決定し得る。多くのN
末端アミノ酸残基が欠失されたTR11、TR11SV1、および/またはTR
11SV2ムテインは、いくらかの生物学的あるいは免疫原性活性を残し得るよ
うである。実際に、6つほどのTR11、TR11SV1、またはTR11SV
2のアミノ酸残基から構成されたペプチドは、頻繁に、免疫応答を引き起こし得
る。
【0078】 従って、本発明はさらに、図1Aおよび1B(配列番号2)に示されるTR1
1アミノ酸配列のアミノ末端から位置番号229のロイシン残基までの1つ以上
の残基を欠失したポリペプチド、ならびにそのようなポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチドを提供する。特に、本発明は、図1Aおよび1B(配列番号1
2)のn1〜234残基のアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、ここで、 n1は2〜229の範囲の整数であり、そして230は、TR11タンパク質の 少なくとも免疫原性活性に必要と思われる完全TR11ポリペプチドのN末端か
ら最初の残基の位置である。
【0079】 より詳細には、本発明は、図1Aおよび1Bに示されるTR11アミノ酸配列
(配列番号2として示される配列と同一のもので、例外として、配列番号2のア
ミノ酸残基は、推定シグナルペプチドの位置に対応して、−25から209まで
連続的に番号を付けているが、図1Aおよび1Bのアミノ酸残基は、そのN末端
からC末端までを1から234と連続的に番号を付けている)の以下の残基のア
ミノ酸配列を含む、あるいは、以下の残基のアミノ酸配列からなるポリペプチド
をコードするポリヌクレオチドを提供する。
【0080】
【化1】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドはまた、本発明に含まれる
【0081】 さらに、タンパク質のC末端から1つ以上のアミノ酸の欠失が、そのタンパク
質の1つ以上の生物学的機能の損失する改変を生じるとしても、他の生物学的活
性はまだ保持され得る。このように、短縮されたTR11ムテインの、抗体(そ
のタンパク質の完全な、または成熟した型を認識する)を誘導および/またはそ
れに結合する能力は、一般には、完全、または成熟タンパク質の大部分の残基を
、そのN末端から除去しない場合は、保持される。完全なタンパク質のC末端残
基を欠いた特定のポリペプチドが、そのような免疫学的活性を保持するかどうか
は、本明細書および当業者に公知の他に記載されている慣用方法で容易に決定さ
れ得る。多くのC末端アミノ酸残基が欠失されたTR11ムテインは、いくらか
の生物学的あるいは免疫原性活性を保持し得るようである。実際に、6つほどの
TR11のアミノ酸残基から構成されたペプチドは、頻繁に、免疫応答を引き起
こし得る。
【0082】 従って、本発明はさらに、図1Aおよび1B(配列番号2)に示されるTR1
1アミノ酸配列のカルボキシ末端から位置番号6のアラニン残基までの1つ以上
のポリペプチドを欠失したポリペプチド、ならびにそのようなポリペプチドをコ
ードするポリヌクレオチドを提供する。特に、本発明は、図1Aおよび1B(配
列番号2)の1〜m1残基のアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、ここで 、m1は6〜234の範囲の整数であり、そして6は、TR11タンパク質の少 なくとも免疫原性活性に必要と思われる完全TR11ポリペプチドのC末端から
最初の残基の位置である。
【0083】 より詳細には、本発明は、図1Aおよび1Bに示されるTR11配列(配列番
号2として示される配列と同一のものであるが、例外として、配列番号2のアミ
ノ酸残基は、推定シグナルペプチドの位置に対応して、−25から209まで連
続的に番号を付けているが、図1Aおよび1Bのアミノ酸残基は、そのN末端か
らC末端までを1から234と連続的に番号を付けている)の以下の残基のアミ
ノ酸配列を含む、あるいは、以下の残基のアミノ酸配列からなるポリペプチドを
コードするポリヌクレオチドを提供する。
【0084】
【化2】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0085】 本発明はまた、可溶性のTR11ポリペプチドのアミノ末端およびカルボキシ
ル末端の両方から1つ以上のアミノ酸を欠失したポリペプチドを提供し、これは
、図1Aおよび1B(配列番号2)のn1〜m1残基を有するものとして通常記載
され得、ここで、n1およびm1は前述の整数である。
【0086】 本発明はさらに、配列番号4に示されるTR11SV1アミノ酸配列のアミノ
末端から位置番号236のロイシン残基までの、1つ以上の残基を欠失したポリ
ペプチド、ならびにそのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提
供する。特に、本発明は、図2Aおよび2B(配列番号4)のn2〜241残基 のアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、ここで、n2は2〜236の範囲 の整数であり、そして237は、TR11SV1タンパク質の少なくとも免疫原
性活性に必要と思われる完全TR11SV1ポリペプチドのN末端から最初の残
基の位置である。
【0087】 より詳細には、本発明は、図2Aおよび2Bに示されるTR11SV1アミノ
酸配列(配列番号4として示される配列と同一のものである)の以下の残基のア
ミノ酸配列を含む、あるいは、以下の残基のアミノ酸配列からなるポリペプチド
をコードするポリヌクレオチドを提供する。
【0088】
【化3】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドはまた、本発明に含まれる
【0089】 前述のように、タンパク質のC末端から1つ以上のアミノ酸の欠失が、そのタ
ンパク質の1つ以上の生物学的機能を損失する改変を生じるとしても、他の生物
学的活性はまだ保持され得る。このように、短縮されたTR11SV11ムテイ
ンの、抗体(そのタンパク質の完全な、または成熟した型を認識する)を誘導お
よび/またはそれに結合する能力は、一般には、完全、または成熟タンパク質の
大部分の残基を、そのC末端から除去しない場合は、保持される。完全なタンパ
ク質のC末端残基を欠いた特定のポリペプチドが、そのような免疫学的活性を保
持するかどうかは、本明細書および当業者に公知の他に記載されている慣用的方
法で容易に決定され得る。多くのC末端アミノ酸残基が欠失されたTR11SV
1ムテインは、いくらかの生物学的あるいは免疫原性活性を保持し得るようであ
る。実際に、6つほどのTR11SV1のアミノ酸残基から構成されたペプチド
は、頻繁に、免疫応答を引き起こし得る。
【0090】 従って、本発明はさらに、配列番号4に示されるTR11SV1アミノ酸配列
のカルボキシ末端から位置番号6のアルギニン残基までの1つ以上の残基を欠失
したポリペプチド、ならびにそのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオ
チドを提供する。特に、本発明は、図2Aおよび2B(配列番号4)の1〜m2 残基のアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、ここで、m2は6〜241の 範囲の整数であり、そして6は、TR11SV1タンパク質の少なくとも免疫原
性活性に必要と思われる完全TR11ポリペプチドのC末端から最初の残基の位
置である。
【0091】 より詳細には、本発明は、図2Aおよび2Bに示されるTR11SV1配列(
配列番号4として示される配列と同一のものである)の以下の残基のアミノ酸配
列を含む、あるいは、以下の残基のアミノ酸配列からなるポリペプチドをコード
するポリヌクレオチドを提供する。
【0092】
【化4】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0093】 本発明はまた、TR11SV1ポリペプチドのアミノ末端およびカルボキシル
末端の両方から1つ以上のアミノ酸を欠失したポリペプチドを提供し、これは、
図2Aおよび2B(配列番号4)のn2〜m2残基を有するものとして通常記載さ
れ得、ここで、n2およびm2は前述の整数である。
【0094】 さらに本発明は、図3Aおよび3B(配列番号6)に示されるTR11SV2
アミノ酸配列のアミノ末端から位置番号235のロイシン残基までの1つ以上の
残基を欠失したポリペプチド、ならびにそのようなポリペプチドをコードするポ
リヌクレオチドをさらに提供する。特に、本発明は、図3Aおよび3B(配列番
号6)のn3〜240残基のアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、ここで 、n3は2〜235の範囲の整数であり、そして236は、TR11SV2タン パク質の少なくとも免疫原性活性に必要と思われる完全TR11SV2ポリペプ
チドのN末端から最初の残基の位置である。
【0095】 より詳細には、本発明は、図3Aおよび3Bに示されるTR11SV2アミノ
酸配列(配列番号6として示される配列と同一のものであるが、例外として、配
列番号6のアミノ酸残基は、推定シグナルペプチドの位置に対応して、−19か
ら221まで連続的に番号を付けているが、図3Aおよび3Bのアミノ酸残基は
、そのN末端からC末端までを1から240と連続的に番号を付けている)の以
下の残基のアミノ酸配列を含む、あるいは、以下の残基のアミノ酸配列からなる
ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを提供する。
【0096】
【化5】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドはまた、本発明に含まれる
【0097】 また前述のように、タンパク質のC末端から1つ以上のアミノ酸の欠失が、そ
のタンパク質の1つ以上の生物学的機能を損失する改変を生じるとしても、他の
生物学的活性はまだ保持され得る。このように、短縮されたTR11SV2ムテ
インの、抗体(そのタンパク質の完全な、または成熟した型を認識する)を誘導
および/またはそれに結合する能力は、一般には、完全または成熟タンパク質の
大部分の残基をそのC末端から除去しない場合は、保持される。完全タンパク質
のC末端残基を欠いた特定のポリペプチドが、そのような免疫学的活性を保持す
るかどうかは、本明細書および当業者に公知の他に記載されている慣用的方法で
容易に決定され得る。多くのC末端アミノ酸残基が欠失されたTR11SV2ム
テインは、いくらかの生物学的あるいは免疫原生活性を保持し得るようである。
実際に、6つほどのTR11SV2のアミノ酸残基から構成されたペプチドは、
頻繁に、免疫応答を引き起こし得る。
【0098】 従って、本発明はさらに、図3Aおよび3B(配列番号6)に示されるTR1
1SV2アミノ酸配列のカルボキシ末端から、位置番号6のアラニン残基までの
1つ以上の残基を欠失したポリペプチド、ならびにそのようなポリペプチドをコ
ードするポリヌクレオチドを提供する。特に、本発明は、図3Aおよび3B(配
列番号6)の1〜m3残基のアミノ酸配列を含むポリペプチドを提供し、ここで 、m3は6〜240の範囲の整数であり、そして6は、TR11SV2タンパク 質の少なくとも免疫原性活性に必要と思われる完全TR11SV2ポリペプチド
のC末端から最初の残基の位置である。
【0099】 より詳細には、本発明は、図3Aおよび図3Bに示した、TR11SV2配列
(これは、配列番号6と示した配列と同一である。図3Aおよび図3Bのアミノ
酸残基が、N末端からC末端へ向かって1から240まで連続して番号付けされ
ていることを除いては、配列番号6のアミノ酸残基は、予想されたシグナルペプ
チドの位置を反映して、−19から221まで連続して番号付けられる)の配列
の、以下の残基のアミノ酸配列を含有、あるいはそれらからなるポリペプチドを
コードするポリヌクレオチドを提供する。
【0100】
【化6】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが提供される。
【0101】 本発明はまた、TR11SV2ポリペプチドのアミノおよびカルボキシルの両
方の末端から、1つ以上のアミノ酸を欠失したポリペプチドを提供する。これは
、図3Aおよび図3B(配列番号6)のn3−m3残基を持つように一般的に記載
され得る。ここで、n3およびm3は、整数である。
【0102】 さらに、本発明は、図1Aおよび1B(配列番号2)に示したTR11アミノ
酸配列の予想されている細胞外ドメインのアミノ末端から、1つ以上のアミノ酸
残基が欠失されたポリペプチド(156位のグリシン残基まで)、およびそのよ
うなポリペプチドをコードしたポリヌクレオチドを、さらに提供し得る。特に、
本発明は、図1Aおよび1B(配列番号2)の残基n4−162のアミノ酸配列 を含むポリペプチドを提供する(n4は、25〜156の範囲の整数であり、そ して157位は、TR11タンパク質の、予想される細胞外ドメインの免疫原性
の活性に少なくとも必要とされると考えられているTR11ポリペプチドの、予
想される細胞外ドメインのN末端からの1位の残基である。
【0103】 より詳細には、本発明は、図1Aおよび1Bに示した、TR11のアミノ酸配
列(これは、配列番号2に示した配列と同一であり、図1Aおよび1Bのアミノ
酸残基が、N末端からC末端へ向かって、1〜234まで連続して番号付けられ
ることを除いては、配列番号2のアミノ酸残基は予想されるシグナルペプチドの
位置を反映て、−25〜209まで連続して番号付けられる)以下の残基のアミ
ノ酸配列を含むか、あるいはそれらからなるポリペプチドをコードしたポリヌク
レオチドを提供する。
【0104】
【化7】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、本発明に含まれる
【0105】 本発明は、図1Aおよび1B(配列番号2)に示した、TR11のアミノ酸配
列の予想されている細胞外ドメインのカルボキシ末端から、1つ以上の残基が欠
失されたポリペプチド(31位のグリシン残基まで)およびそのようなポリペプ
チドをコードしたポリヌクレオチドを、さらに提供する。特に、本発明は、図1
Aおよび1B(配列番号2)の残基25−m4のアミノ酸配列を含むポリペプチ ドを提供する(m4は、31〜162の範囲の整数であり、そして30は、TR 11タンパク質の、免疫原性の活性に少なくとも必要とされると考えられている
TR11ポリペプチドの、予想される細胞外ドメインのC末端からの1位の残基
である。
【0106】 より詳細には、本発明は、図1Aおよび1Bに示した、TR11配列(配列番
号2に示した配列と同一であり、図1Aおよび1Bのアミノ酸残基が、N末端か
らC末端へ向かって、1〜234まで連続して番号付けられることを除いては、
配列番号2のアミノ酸残基は予想されるシグナルペプチドの位置を反映して、−
25〜209に連続的に番号付けられる)の以下の残基のアミノ酸配列を含むか
、あるいはそれらからなるポリペプチドをコードしたポリヌクレオチドを提供す
る。
【0107】
【化8】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0108】 本発明はまた、可溶性TR11ポリペプチドのアミノおよびカルボキシルの両
方の末端から、1つ以上のアミノ酸を欠失したポリペプチドを提供する。これは
、図1Aおよび図1B(配列番号2)のn4−m4残基を持つように一般的に記載
され得る。ここで、n4およびm4は、上記のように整数である。
【0109】 さらに、本発明は、図2Aおよび2B(配列番号4)に示した、TR11SV
1アミノ酸配列の予想されている細胞外ドメインのアミノ末端から、1つ以上の
アミノ酸残基が欠失されたポリペプチド(156位のグリシン残基まで)および
そのようなポリペプチドをコードしたポリヌクレオチドを、さらに提供し得る。
特に、本発明は、図2Aおよび2B(配列番号4)の残基n5−162のアミノ 酸配列を含むポリペプチドを提供する(n5は、1〜156の範囲の整数であり 、そして157は、TR11SV1タンパク質の、予想される細胞外ドメインの
免疫原性の活性に少なくとも必要とされると考えられているTR11SV1ポリ
ペプチドの、予想される細胞外ドメインのN末端からの1位の残基である。
【0110】 より詳細には、本発明は、図2Aおよび図2B(配列番号4)に示した、TR
11SV1アミノ酸配列の以下の残基のアミノ酸配列を含むか、あるいはそれか
らなるポリペプチドをコードした、ポリヌクレオチドを提供する。
【0111】
【化9】 これらのポリペプチドをコードしたポリヌクレオチドはまた、本発明に含まれる
【0112】 本発明は、図2Aおよび2B(配列番号4)に示した、TR11SV1アミノ
酸配列の予想されている細胞外ドメインのカルボキシ末端から、1つ以上の残基
が欠失されたポリペプチド(6位のアルギニン残基まで)およびそのようなポリ
ペプチドをコードしたポリヌクレオチドを、さらに提供する。特に、本発明は、
図2Aおよび2B(配列番号4)の残基1−m5のアミノ酸配列を含むポリペプ チドを提供する(m5は、6〜162の範囲の整数であり、そして6は、TR1 1SV1タンパク質の、免疫原性の活性に少なくとも必要とされると考えられて
いるTR11SV1ポリペプチドの、予想される細胞外ドメインのC末端からの
1位置の残基である。
【0113】 より詳細には、本発明は、図2Aおよび図2B(配列番号4)に示したTR1
1SV1配列の配列の以下の残基のアミノ酸配列を含むかあるいはこれらからな
るポリペプチドをコードした、ポリヌクレオチドを提供する。
【0114】
【化10】 これらのポリヌクレオチドをコードした、ポリペプチドが提供される。
【0115】 本発明はまた、可溶性TR11SV1ポリペプチドのアミノおよびカルボキシ
ルの両方の末端から、1つ以上のアミノ酸を欠失したポリペプチドを提供する。
これは、図2Aおよび図2B(配列番号4)のn5−m5残基を持つように一般的
に記載され得る。ここで、n5およびm5は上記のように整数である。
【0116】 さらに、本発明は、図3Aおよび図3B(配列番号6)に示した、TR11S
V2アミノ酸配列の予想されている細胞外ドメインのアミノ末端から、1つ以上
のアミノ酸残基が欠失されたポリペプチド(162位のグリシン残基まで)およ
びそのようなポリペプチドをコードしたポリヌクレオチドを、さらに提供する。
特に、本発明は、図3Aおよび図3B(配列番号6)の残基n5−168のアミ ノ酸配列を含むポリペプチドを提供する(n6は、20〜162の範囲の整数で あり、そして163は、TR11SV2タンパク質の、予想される細胞外ドメイ
ンの免疫原性の活性に少なくとも必要とされると考えられているTR11SV2
ポリペプチドの、予想される細胞外ドメインのN末端からの1位の残基である。
【0117】 より詳細には、本発明は、図3Aおよび図3Bに示した、TR11SV2アミ
ノ酸配列(配列番号6と示した配列と同一である。図3Aおよび図3Bのアミノ
酸残基がN末端からC末端へ向かって1から240まで連続して番号付けられる
ことを除いては、配列番号6のアミノ酸残基は、予想されたシグナルペプチドの
位置を反映して、−19から221まで連続して番号付けられる)の配列の以下
の残基のアミノ酸配列を含むか、あるいはこれらからなるポリペプチドをコード
した、ポリヌクレオチドを提供する。
【0118】
【化11】 これらのポリヌクレオチドをコードした、ポリペプチドが、本発明に含まれる。
【0119】 本発明は、図3Aおよび図3B(配列番号6)に示した、TR11SV2のア
ミノ酸配列の予想されている細胞外ドメインのカルボキシ末端から、1つ以上の
アミノ酸残基が欠失されたポリペプチド(26位のプロリン残基まで)およびそ
のようなポリペプチドをコードしたポリヌクレオチドを、さらに提供し得る。特
に、本発明は、図3Aおよび3B(配列番号6)の残基20−m6のアミノ酸配 列を含むポリペプチドを提供する(m6は、26〜168の範囲の整数であり、 そして26は、TR11SV2タンパク質の免疫原性の活性に少なくとも必要と
されると考えられているTR11SV2ポリペプチドの、予想される細胞外ドメ
インのC末端からの1位の残基である。
【0120】 より詳細には、本発明は、図3Aおよび図3Bに示した、TR11SV2配列
(これは、配列番号6と示した配列と同一である。図3Aおよび図3Bのアミノ
酸残基がN末端からC末端へ向かって1から240まで連続して番号付けられる
ことを除いては、配列番号6のアミノ酸残基は、予想されたシグナルペプチドの
位置を反映して、−19から221まで連続して番号付けられる)配列の以下の
残基のアミノ酸配列を含むか、あるいはこれらからなるポリペプチドをコードし
た、ポリヌクレオチドを提供する。
【0121】
【化12】 これらのポリペプチドをコードした、ポリヌクレオチドがまた提供される。
【0122】 本発明はまた、TR11SV2ポリペプチドのアミノおよびカルボキシルの両
方の末端から、1つ以上のアミノ酸を欠失したポリペプチドを提供する。これは
、図3Aおよび図3B(配列番号6)のn6−m6残基を持つように一般的に記載
され得る。ここで、n6およびm6は、上記のように整数である。
【0123】 本発明のポリペプチドは、膜の結合であってもよいし、可溶性の循環形態であ
ってもよい。可溶性ペプチドは、ここでは、膜貫通ドメインを欠いたポリペプチ
ド配列を含むアミノ酸配列により定義される。
【0124】 本発明のポリペプチドは、膜貫通領域、ならびに細胞内および細胞外領域を有
する膜結合レセプターとして存在し得るか、またはそれらは、ここでは膜貫通ド
メインを欠いている可溶性の形態で存在し得る。TR11,TR11SV1、お
よびTR11SV2レセプターのそのような形態の1つの例は、膜貫通、細胞内
および細胞外のドメインを含む、図1Aおよび図1B、図2Aおよび図2B、そ
して図3Aおよび図3B(各々、配列番号2、配列番号4および配列番号6)に
示されるTR11、TR11SV1、およびTR11SV2レセプターである。
従って、これらのTR11、TR11SV1、およびTR11SV2レセプター
の形態は、これらのタンパク質が発現される、細胞の細胞質膜に局在するようで
ある。
【0125】 当該分野において、TR11、TR11SV1、およびTR11SV2レセプ
ターのいくつかのアミノ酸配列は、タンパク質の構造または機能に重要な変化を
与えずに変化し得ることが認識されている。もし、そのような配列の違いが考え
られるなら、それらは、活性を決定するタンパク質の重要な部位であるというこ
とを、意味する。従って、本発明は、実質的なTR11、TR11SV1、およ
びTR11SV2レセプター活性を示すか、または以下で論じられるタンパク質
部位のようなTR11、TR11SV1、およびTR11SV2タンパク質の領
域を含む、種々のTR11、TR11SV1、およびTR11SV2レセプター
をさらに含む。そのような変異体は、欠失、挿入、反転、反復および型の置換を
含む。上記に示されるように、どのアミノ酸の変化が表現型的にサイレントであ
りそうかに関するガイダンスは、Bowieら(「Deciphering t
he Message in Protein Sequences: Tol
erance to Amino Acid Substitutions」,
Science 247:1306−1310 (1990))によって執筆さ
れた刊行物に見出され得る。
【0126】 従って、図1Aおよび図1B、図2Aおよび図2B、そして図3Aおよび図3
B(それぞれ、配列番号2、配列番号4および配列番号6)のポリペプチドコピ
ーのフラグメント、誘導体またはアナログあるいは寄託したcDNAによりコー
ドされるポリペプチドは、(i)1つ以上のアミノ酸残基が保存アミノ酸残基ま
たは非保存アミノ酸残基(好ましくは保存アミノ酸残基)で置換され、そしてこ
のような置換されるアミノ酸残基は遺伝コードによりコードされるアミノ酸残基
であってもよく、またはそうでなくてもよいもの、あるいは(ii)1つ以上の
アミノ酸残基が置換基を含有するもの、あるいは(iii)成熟ポリペプチドが
、ポリペプチドの半減期を増加させる化合物(例えば、ポリエチレングリコール
)のような別の化合物と融合されているもの、あるいは(iv)IgG Fc融
合領域ペプチドもしくはリーダー、または分泌配列もしくは成熟ポリペプチドの
精製のために使用される配列またはプロタンパク質といった、さらなるアミノ酸
が成熟ポリペプチドに融合されているもの。このようなフラグメント、誘導体お
よびアナログは、本明細書中の教示から、当業者の範囲内にあると考えられる。
【0127】 特に興味深いものは、別の荷電したアミノ酸での、および中性または負電荷の
アミノ酸での荷電したアミノ酸の置換である。後者は減少した正電荷を有するタ
ンパク質を生じ、TR11、TR11SV1、またはTR11SV2タンパク質
の特徴を改良する。凝集の防止が高度に所望される。タンパク質の凝集は、活性
の損失を生じるだけでなく、それらは免疫原性であり得るので、薬学的処方物を
調製する場合にも問題であり得る(Pinckardら、Clin Exp.I
mmunol. 2:331−340(1967);Robbinsら、Dia
betes 36:838−845(1987);Clelandら、Crit
.Rev.Therapeutic Drug Carrier System
s 10:307−377(1993))。
【0128】 アミノ酸の置換はまた、細胞表面レセプターへの結合の選択性を変化し得る。
Ostadeら(Nature 361:266−268(1993))は、す
でに記載された2つの型のTNFレセプターの1つのみへのTNF−αの選択的
な結合を生じる特定の変異を記載する。従って、本発明のTR11、TR11S
V1、およびTR11SV2レセプターは、天然の変異または人工操作のいずれ
かに由来する1つ以上のアミノ酸置換、欠失、または付加を含み得る。
【0129】 記載されるように、タンパク質の折り畳みまたは活性に有意に影響しない保存
的アミノ酸置換のような、小さな性質の変化が好ましい(表1を参照のこと)。
【0130】
【表1】 本発明の実施態様は、本明細書に記載されたTR11、TR11SV1、およ
び/またはTR11SV2ポリヌクレオチド配列と比較した場合、本明細書に記
載されたTR11、TR11SV1、および/またはTR11SV2ポリペプチ
ドのアミノ酸配列を含むが、しかし、少なくとも1つの保存的アミノ酸置換を含
むアミノ酸配列を持つ、しかし50以下の保存的アミノ酸置換、より好ましくは
、40を超えない保存的アミノ酸置換、さらにより好ましくは、30を超えない
保存的アミノ酸置換、そしてまださらに好ましくは、20を超えない保存的アミ
ノ酸置換をもつアミノ酸配列を含むポリペプチドに関する。
【0131】 機能に必須である本発明のTR11、TR11SV1およびTR11SV2タ
ンパク質におけるアミノ酸は、部位特異的変異誘発またはアラニンスキャニング
変異誘発のような当該分野に公知の方法により同定され得る(Cunningh
amおよびWells,Science 244:1081−1085(198
9))。後者の手順は、分子内の全ての残基に1つのアラニン変異を導入する。
次いで得られる変異分子は、インビトロでのレセプター結合のような生物学的活
性またはインビトロ増殖活性について試験される。リガンド-レセプター結合に 重要な部位はまた、結晶構造解析、核磁気共鳴、または光親和性標識のような構
造分析により決定され得る(Smithら、J.Mol.Biol.224:8
99−904(1992)およびde Vosら、Science255:30 6−312(1992))。
【0132】 本発明のポリペプチドは、好ましくは単離された形態で提供される。「単離さ
れたポリペプチド」は、その自然な環境から除去したポリペプチドと解釈される
。従って、組換え宿主細胞中に産生されかつ含まれるポリペプチドは、本発明の
目的において「単離された」とみなされる。また、単離されたポリペプチド」と
して解釈されるのは、組換え宿主から、部分的または実質的に、精製されている
ポリペプチドである。例えば、TR11、TR11SV1およびTR11SV2
レセプターの組換え生成したバージョンは、SmithおよびJohnson,
Gene67:31−40(1988)において記載される1工程の方法によっ
て、実質的に精製され得る。
【0133】 本発明のポリペプチドはまた:(a)リーダーを含む、寄託されたcDNAに
よりコードされるTR11ポリペプチド;(b)リーダーを含む、寄託されたc
DNAによりコードされるTR11SV1ポリペプチド;(c)リーダーを含む
、寄託されたcDNAによりコードされるTR11SV2ポリペプチド;(d)
リーダーを含まない、寄託されたcDNAによりコードされるTR11ポリペプ
チド(すなわち、成熟タンパク質);(e)リーダーを含まない、寄託されたc
DNAによりコードされるTR11SV1ポリペプチド(すなわち、成熟タンパ
ク質);(f)リーダーを含まない、寄託されたcDNAによりコードされるT
R11SV2ポリペプチド(すなわち、成熟タンパク質);(g)リーダーを含
む、図1Aおよび1B(配列番号2)のTR11ポリペプチド;(h)リーダー
を含む、図2Aおよび2B(配列番号4)のTR11SV1ポリペプチド;(i
)リーダーを含む、図3Aおよび3B(配列番号6)のTR11SV2ポリペプ
チド;(j)リーダーを含むがN末端のメチオニンを含まない、図1Aおよび1
B(配列番号2)のTR11ポリペプチド;(k)リーダーを含むがN末端のメ
チオニンを含まない、図2Aおよび2B(配列番号4)のTR11SV1ポリペ
プチド;(l)リーダーを含むがN末端のメチオニンを含まない、図3Aおよび
3B(配列番号6)のTR11SV2ポリペプチド;(m)リーダーを含まない
、図1Aおよび1B(配列番号2)のポリペプチド;(n)リーダーを含まない
、図2Aおよび2B(配列番号4)のポリペプチド;(o)リーダーを含まない
、図3Aおよび3B(配列番号6)のポリペプチド;(p)図1Aおよび1B(
配列番号2)で示される、TR11レセプターの細胞外ドメイン、膜貫通ドメイ
ン、および細胞内ドメイン;(q)図2Aおよび2B(配列番号4)で示される
、TR11SV1レセプターの細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞内
ドメイン;(r)図3Aおよび3B(配列番号6)で示される、TR11SV2
レセプターの細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞内ドメイン;ならび
に、上記のポリペプチドと、少なくとも80%同一の、より好ましくは少なくと
も90%または95%同一の、さらにより好ましくは少なくとも96%、97%
、98%または99%同一のポリペプチドを含み、そしてまた、少なくとも30
のアミノ酸、およびより好ましくは少なくとも50のアミノ酸とともにこのよう
なポリペプチドの一部を含む。
【0134】 少なくとも例えば、TR11、TR11SV1、またはTR11SV2ポリペ
プチドの参照のアミノ酸配列と95%「同一の」アミノ酸配列を有するポリペプ
チドとは、ポリペプチドのアミノ酸配列が、ポリペプチド配列がTR11、TR
11SV1、またはTR11SV2レセプターの参照のアミノ酸配列の各100
アミノ酸あたり5アミノ酸までの改変を含み得る場合を除いて、参照の配列と同
一である、と解釈される。換言すれば、参照のアミノ酸配列と少なくとも95%
同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドを得るために、参照配列中のアミノ酸
残基の5%まで、欠失または他のアミノ酸に置換され得る、あるいは参照配列中
の全アミノ酸残基の5%までの多数のアミノ酸が、参照配列の中に挿入され得る
。参照配列の配列のこれらの改変は、参照のアミノ酸配列のアミノもしくはカル
ボキシ末端部位、または参照の配列の残基の中で個々、もしくは参照の配列の中
で1つ以上の連続した群、のいずれかに分散したこれらの末端部位の間のどこか
で生じ得る。
【0135】 実際に、任意の特定のポリペプチドが、例えば、図1Aおよび1B(配列番号
2)、図2Aおよび2B(配列番号4)、および/または図3Aおよび3B(配
列番号6)に示されるアミノ酸配列、それぞれ寄託されたcDNAクローンHH
EAC71、HT5EA78、およびHCFAZ22によりコードされるアミノ
酸配列、あるいはそのフラグメントと少なくとも90%、95%、96%、97
%、98%または99%同一であるかどうかは、Bestfitプログラム(W
isconsin Sequence Analysis Package,V
ersion8 for Unix,Genetics Computer G
roup,University Resarch Park,575 Sci
ence Drive,Madison,WI 53711)のような公知のコ
ンピュータープログラムを用いて慣習的に決定され得る。Bestfitまたは
任意の他の配列整列プログラムを使用して、特定の配列が、例えば本発明による
参照配列に95%同一であるか否かを決定する場合、パラメーターは、もちろん
、同一性の割合が、参照アミノ酸配列の全長にわたって計算されるように、そし
て参照配列のアミノ酸残基の数の5%までの相同性におけるギャップが許容され
るように、設定される。
【0136】 特定の実施態様において、参照(問い合わせ)配列(本発明の配列)と対象配
列との間の同一性(全体的配列整列としても参照される)は、Brutlagお
よび共同研究者ら(Comp. App. Biosci. 6:237−24
5(1990))のアルゴリズムに基づくFASTDBコンピュータープログラ
ムを使用して決定される。FASTDBアミノ酸整列に用いられる好ましいパラ
メーターは:Matrix=PAM 0、k−tuple=2、Mismatc
h Penalty=1、Joining Penalty=20、Rando
mization Group Length=0、Cutoff Score
=1、Window Size = 配列の長さ、Gap Penalty=5
、Gap Size Penalty = 0.05、Window Size
=500または対象アミノ酸配列の長さ(どちらかより短い方)である。本実施
態様に従って、対象配列が、N末端またはC末端欠失により(内部の欠失のため
ではなく)問い合わせ配列よりも短い場合、手動の補正が結果に対してなされな
けらばならない。これは、FASTDBプログラムが、全体的な同一性パーセン
トを算定する場合に、対象配列のN末端切断およびC末端切断を考慮しないとい
う事実を考慮する。N末端およびC末端で切断される対象配列について、問い合
わせ配列に対して、同一性パーセントは、問い合わせ配列の総塩基のパーセント
として、対応する対象残基と一致/整列しない対象配列のN末端およびC末端側
である問い合わせ配列の残基の数を計算することによって補正される。残基が一
致/整列されているか否かの決定は、FASTDB配列整列の結果によって決定
される。次いで、このパーセントは、同一性パーセントから差し引かれ、上記の
FASTDBプログラムによって特定のパラメーターを使用して計算され、最終
的な同一性パーセントのスコアに到達する。この最終的な同一性パーセントのス
コアは、本実施態様の目的で使用されるものである。問い合わせ配列と一致/整
列していない対象配列のN末端およびC末端側の残基のみが、同一性パーセント
のスコアを手動で調整する目的で考慮される。すなわち、対象配列の最も遠いN
末端およびC末端残基の外側の問い合わせ残基位置のみである。例えば、90ア
ミノ酸残基の対象配列は、同一性パーセントを決定するために100残基の問い
合わせ配列と整列される。欠失が対象配列のN末端で生じ、そしてそれゆえFA
STDB整列は、N末端での最初の10残基の一致/整列を示さない。10個の
不対合残基は、配列の10%(一致していないN末端およびC末端での残基の数
/問い合わせ配列中の残基の総数)を表し、その結果FASTDBプログラムに
よって計算される同一性パーセントのスコアから10%が差し引かれる。残りの
90残基が完全に一致した場合、最終的な同一性パーセントは90%である。別
の例において、90残基の対象配列が、100残基の問い合わせ配列と比較され
る。この時点で、欠失は、内部欠失であり、そのため問い合わせ配列と一致/整
列しない対象配列のN末端またはC末端の残基は存在しない。この場合、FAS
TDBによって算定される同一性パーセントは、手動で補正されない。再び、F
ASTDB整列において示される、問い合わせ配列と一致/整列しない対象配列
のN末端およびC末端の外側の残基位置のみが手動で補正される。他の手動の補
正は、本実施態様の目的のためにはなされない。
【0137】 本発明のポリペプチドは、当業者に周知の方法を用いるSDS−PAGEゲル
または分子篩いゲル濾過カラムでの分子量マーカーとして使用され得る。
【0138】 別の局面において、本発明は、本発明のポリペプチドのエピトープ保有部分を
含む、ペプチドまたはポリペプチドを提供する。このポリペプチドのエピトープ
部分は、本明細書中に記載されるポリペプチドの免疫原性または抗原性エピトー
プである。「免疫原性エピトープ」は、タンパク質全体が免疫原である場合、抗
体応答を誘発するタンパク質の一部として定義される。一方では、抗体が結合し
得るタンパク質分子の領域は、「抗原性エピトープ」と定義され得る。タンパク
質の免疫原性エピトープの数は、一般には、抗原性エピトープの数よりも少ない
。例えば、Geysenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA
81:3998−4002(1983)を参照のこと。
【0139】 抗原性エピトープを保有する(すなわち、抗体が結合し得るタンパク質分子の
領域を含む)ペプチドまたはポリペプチドの選択に関して、タンパク質配列の一
部を模倣する比較的短い合成ペプチドが、部分的に模倣されたタンパク質と反応
する抗血清を慣用的に誘発し得ることが当該分野で周知である。例えば、Sut
cliffe,J.G.,Shinnick,T.M.,Green,N.およ
びLearner,R.A.(1983)Antibodies that r
eact with predetermined sites on pro
teins.Science 219:660−666を参照のこと。タンパク
質反応性血清を誘発し得るペプチドは、タンパク質の一次配列で頻繁に示され、
単純な化学的法則のセットにより特徴付けられ得、そしてインタクトなタンパク
質の免疫優性領域(すなわち、免疫原性エピトープ)にも、アミノ末端またはカ
ルボキシル末端にも、制限されない。
【0140】 本発明の抗原性エピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは、それゆえ、本
発明のポリペプチドに特異的に結合するモノクローナル抗体を含む抗体を惹起す
るのに有用である。例えば、Wilsonら、Cell、37:767−778
(1984)の777を参照のこと。本発明の抗原性エピトープ保有ペプチドお
よびポリペプチドは、好ましくは本発明のポリペプチドのアミノ酸配列内に含ま
れる少なくとも7、より好ましくは少なくとも9、そして最も好ましくは約15
〜約30アミノ酸の間の配列を含む。
【0141】 TR11レセプター特異抗体を産生するために用いられ得る、抗原性ポリペプ
チドまたはペプチドの非限定的例は:配列番号2における約Arg−2〜約Pr
o−11由来のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号2における約Thr
−18〜約Arg−26由来のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号2に
おける約Arg−34〜約Cys−42由来のアミノ酸残基を含むポリペプチド
;配列番号2における約Arg−31〜約Glu−39由来のアミノ酸残基を含
むポリペプチド;配列番号2における約Gly−38〜約Asp−46由来のア
ミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号2における約Gly−74〜約Ser
−82由来のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号2における約Glu−
100〜約Asp−108由来のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号2
における約Phe−118〜約Ala−126由来のアミノ酸残基を含むポリペ
プチド;配列番号2における約Gly−131〜約Gly−139由来のアミノ
酸残基を含むポリペプチド;配列番号2における約Pro−178〜約Cys−
186由来のアミノ酸残基を含むポリペプチド;および配列番号2における約S
er−197〜約Gly−205由来のアミノ酸残基を含むポリペプチド、を含
む。上記に示されるように、本発明者らは、上記ポリペプチドフラグメントがT
R11レセプタータンパク質の抗原性領域であることを決定した。
【0142】 TR11SV1レセプター特異抗体を産生するために用いられ得る、抗原性ポ
リペプチドまたはペプチドの非限定的例は:配列番号4における約Ala−2〜
約Ile−10由来のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号4における約
Asn−11〜約Gly−19由来のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番
号4における約Thr−27〜約Ser−35由来のアミノ酸残基を含むポリペ
プチド;配列番号4における約Trp−38〜約Glu−46由来のアミノ酸残
基を含むポリペプチド;配列番号4における約Gly−42〜約Ser−50由
来のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号4における約Glu−31〜約
Glu−46由来のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号4における約C
ys−61〜約Glu−69由来のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号
4における約Gly−99〜約Ser−107由来のアミノ酸残基を含むポリペ
プチド;配列番号4における約Glu−125〜約Asp−133由来のアミノ
酸残基を含むポリペプチド;配列番号4における約Phe−143〜約Ala−
151由来のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号4における約Gly−
156〜約Gly−164由来のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号4
における約Cys−196〜約Leu−204由来のアミノ酸残基を含むポリペ
プチド;配列番号4における約Pro−209〜約Ser−217由来のアミノ
酸残基を含むポリペプチド;および配列番号4における約Ser−229〜約G
ly−237由来のアミノ酸残基を含むポリペプチド、を含む。上記に示される
ように、本発明者らは、上記ポリペプチドフラグメントがTR11SV1レセプ
タータンパク質の抗原性領域であることを決定した。
【0143】 TR11SV2レセプター特異抗体を産生するために用いられ得る、抗原性ポ
リペプチドまたはペプチドの非限定的例は:配列番号6における約Gln−1〜
約Cys−9由来のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号6における約G
ly−5〜約Arg−13由来のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号6
における約Thr−18〜約Arg−26由来のアミノ酸残基を含むポリペプチ
ド;配列番号6における約Thr−29〜約Pro−37由来のアミノ酸残基を
含むポリペプチド;配列番号6における約Cys−48〜約Glu−56由来の
アミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号6における約Val−87〜約Ph
e−95由来のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号6における約His
−111〜約Thr−119由来のアミノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号
6における約Phe−130〜約Ala−138由来のアミノ酸残基を含むポリ
ペプチド;配列番号6における約Gly−143〜約Gly−151由来のアミ
ノ酸残基を含むポリペプチド;配列番号6における約Pro−190〜約Cys
−198由来のアミノ酸残基を含むポリペプチド;および配列番号6における約
Ser−209〜約Gly−217由来のアミノ酸残基を含むポリペプチド、を
含む。上記に示されるように、本発明者らは、上記ポリペプチドフラグメントが
TR11SV2レセプタータンパク質の抗原性領域であることを決定した。
【0144】 本発明のエピトープ保有ペプチドおよびポリペプチドは任意の従来の手段によ
って産生され得る。Houghten.R.A.(1985)、General
Method for the rapid solid−phase sy
nthesis of large numbers of peptides
:specificity of antigen−antibody int
eraction at the level of individual
amino acids. Proc.Natl.Acad.Sci.USA8
2:5131−5135。この「同時多重ペプチド合成(Simultaneo
us Multiple Peptide Synthesis)(SMPS)
」プロセスは、さらにHoughtenら(1986)の米国特許第4,631
,211号に記載される。
【0145】 当業者に理解されるように、本発明のTR11、TR11SV1、およびTR
11SV2ポリペプチド、ならびに上記のエピトープを保有するフラグメントは
、免疫グロブリン(IgG)の定常ドメインの一部と組み合わせられ得、キメラ
ポリぺプチドを生じる。これらの融合タンパク質は、精製を容易にし、そしてイ
ンビボにおける増大した半減期を示す。このことは、例えばヒトCD4ポリペプ
チドの最初の2つのドメイン、および哺乳動物の免疫グロブリンの重鎖または軽
鎖の定常領域の種々のドメインからなるキメラタンパク質について示されている
(EPA 394,827; Trauneckerら、Nature 331
: 84−86(1988))。ジスルフィド連結二量体構造(IgGに起因す
る)を有する融合タンパク質もまた、単量体TR11、TR11SV1、および
TR11SV2レセプタータンパク質またはタンパク質フラグメント単独よりも
、他の分子に結合しそして中和するのにさらに効率的であり得る(Founto
ulakisら、J.Biochem.270:3958−3964(1995
))。
【0146】 (疾患状態の検出) TNFファミリーリガンドは、本発明のTR11、TR11SV1およびTR
11SV2レセプターを含む、TNFファミリーレセプターへの結合によって種
々の細胞応答を誘導する。TNF−β(TNFレセプタータンパク質の有力なリ
ガンド)は、リンパ球発達、腫瘍壊死、抗ウイルス状態の誘導、多形核白血球の
活性化、クラスI主要組織適合性複合体抗原の内皮細胞上への誘導、接着分子の
内皮上への誘導、ならびに成長ホルモン刺激を含む多くの生物学的プロセスに関
与することが公知である(RuddleおよびHomer,Prog.Alle
rgy,40:162−182(1988))。TNF−α(これもまた、TN
Fレセプタータンパク質のリガンド)は、腫瘍の迅速な壊死、免疫刺激、自己免
疫疾患、移植片拒絶、抗ウイルス応答の生成、敗血症性ショック、大脳マラリア
、細胞傷害性、化学治療経過の間に生成されるイオン化放射線の有害な効果(例
えば、酵素の変性、脂質の過酸化、およびDNA損傷)に対する防禦(Nata
ら、J.Immunol.136(7):2483( 1987);Porte r,Tibtech 9:158−162(1991))、成長調節、脈管内皮
効果、および代謝効果における役割を有することが報告されている。TNF−α
はまた、内皮細胞による種々の因子(PAI−1、IL−1、GM−CSFおよ
びIL−6を含む)の分泌を誘発して、細胞増殖を促進する。加えて、TNF−
αは、Eセレクチン、ICAM−1、およびVCAM−1のような種々の細胞接
着分子をアップレギュレートする。TNF−αおよびFasリガンドはまた、プ
ログラムされた細胞死を誘導することが示されている。TRAIL(Apo−2
Lとしてまた知られる)は、種々の形質変換細胞株においてアポトーシスを迅速
に誘導する、腫瘍壊死因子(TNF)リガンドファミリーのメンバーである。T
RAILに対するヒトのレセプターは、TNFレセプターファミリーの記載され
ていないメンバーであることが見出され、死レセプター(DR)−4と命名され
た(Pan,G.ら、Science 276:111−113(1997)) 。
【0147】 TR11、TR11SV1、またはTR11SV2のポリペプチドを発現して
いる細胞、およびTR11、TR11SV1、またはTR11SV2のレセプタ
ーリガンドに対して強力な細胞応答を有すると考えられる細胞としては、活性化
T細胞が挙げられる。「TNF−ファミリーリガンドに対する細胞応答」は、T
NFファミリーリガンドによって誘導される、細胞、細胞株、組織、組織培養、
または患者の、任意の遺伝子型の変化、表現形の変化、および/または形態的な
変化を意図する。示されるように、このような細胞応答としては、TNFファミ
リーリガンドに対する正常な生理学的応答だけではなく、増加した細胞増殖また
は増加した細胞増殖の阻害に関連する疾患(例えば、アポトーシスの阻害による
)もまた挙げられる。アポトーシスすなわち、プログラムされた細胞死は、免疫
系の末梢Tリンパ球の欠損に関与する生理学的機構であって、その調節不全は多
くの異なる病原性過程の原因となり得る。(Ameisen,J.C.,AID
S 8:1197−1213(1994);Krammer,P.H.ら,Cu
rr.Opin.Immunol.6:279−289(1994))。
【0148】 異常な細胞の生存に関連する特定の疾患状態を有する哺乳動物中の特定の組織
は、対応する「標準的」哺乳動物(すなわち、疾患状態を有さない同種の哺乳動
物)と比較した場合、有意に変化したレベルのTR11、TR11SV1、およ
びTR11SV2のレセプタータンパク質、ならびにTR11、TR11SV1
、およびTR11SV2のレセプタータンパク質をコードするmRNAを発現す
ると考えられる。さらに、これらのタンパク質のいくつかの形態は分泌されるの
で、上昇したレベルのTR11、TR11SV1、またはTR11SV2のレセ
プタータンパク質が、疾患状態を有さない同種の哺乳動物由来の血清と比較した
場合、疾患状態を有する哺乳動物由来の特定の体液(例えば、血清、血漿、尿、
および髄液)において検出され得ると考えられる。従って、本発明は、疾患状態
の診断の間に有用な診断方法を提供する。これは、哺乳動物細胞または体液中の
TR11、TR11SV1、およびTR11SV2のレセプタータンパク質をコ
ードする遺伝子の発現レベルをアッセイする工程、および遺伝子発現レベルを標
準的なTR11、TR11SV1、およびTR11SV2のレセプター遺伝子発
現レベルと比較する工程を含み、この方法によって標準に対する遺伝子発現レベ
ルにおける増大または減少が異常な細胞の生存に関連する特定の疾患状態の指標
である。
【0149】 本発明のTR11、TR11SV1、またはTR11SV2のレセプターが関
与する疾患状態の診断が、従来方法に従って既に作製されているので、本発明は
予後指標として有用である。予後において、有意に異常であるTR11、TR1
1SV1、またはTR11SV2のレセプター遺伝子発現を示す患者は、より低
いレベルで遺伝子を発現する患者と比較してより悪い臨床結果を経験する。
【0150】 「TR11、TR11SV1、またはTR11SV2のレセプタータンパク質
をコードする遺伝子の発現レベルをアッセイすること」により、最初の生物学的
サンプルにおけるTR11、TR11SV1、またはTR11SV2のレセプタ
ータンパク質のレベル、またはTR11、TR11SV1、またはTR11SV
2のレセプタータンパク質をコードするmRNAレベルを、直接的(例えば、絶
対的タンパク質レベルまたは絶対的mRNAレベルを測定また推定することによ
り)または相対的(例えば、第二の生物学的サンプルにおけるTR11、TR1
1SV1、またはTR11SV2のレセプタータンパク質レベルまたはmRNA
レベルと比較することにより)のいずれかで、定性的または定量的に測定および
推定することが意図される。
【0151】 好ましくは、第一の生物学的試料におけるTR11、TR11SV1、または
TR11SV2のレセプタータンパク質レベル、またはmRNAレベルは、標準
のTR11、TR11SV1、またはTR11SV2のレセプタータンパク質レ
ベル、またはmRNAレベルと比較して測定または推定される。その標準は、疾
患状態を有さない個体から得られた第二の生物学的サンプルから採取される。当
該分野において理解されるように、一旦、標準のTR11、TR11SV1、ま
たはTR11SV2のレセプタータンパク質レベル、またはmRNAレベルが既
知となると、それは比較のための標準として繰り返し使用され得る。
【0152】 「生物学的サンプル」により、個体、細胞株、組織培養物、あるいはTR11
、TR11SV1、またはTR11SV2のレセプタータンパク質またはmRN
Aを含む他の供給源から得られる任意の生物学的サンプルが意図される。生物学
的サンプルとしては、分泌された成熟TR11、TR11SV1、またはTR1
1SV2のレセプタータンパク質を含む哺乳動物の体液(例えば、血清、血漿、
尿、滑液、および髄液)、ならびに胸腺、前立腺、心臓、胎盤、筋肉、肝臓、脾
臓、肺、腎臓、および他の組織が挙げられる。哺乳動物から組織生検および体液
を得るための方法は当該分野で周知である。生物学的サンプルがmRNAを含む
場合、組織生検が好ましい供給源である。
【0153】 増殖した細胞の生存またはアポトーシスの阻害に関連する疾患としては、ガン
(例えば、濾胞性リンパ腫、p53変異のガン、およびホルモン依存性腫瘍);
自己免疫障害(例えば、全身性エリテマトーデスおよび免疫関連糸球体腎炎慢性
関節リウマチ、およびウイルス感染(例えば、ヘルペスウイルス、ポックスウイ
ルス、およびアデノウイルス)、情報(information)対宿主性移植
片病、急性移植片拒絶反応、および慢性移植片拒絶が挙げられる。減少した細胞
の生存またはアポトーシスの増加に関連する疾患としては、AIDS;神経変性
疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、網膜
色素変性症、小脳性変性);脊髄形成異常性症候群(例えば、再生不良性貧血)
、虚血性損傷(例えば、心筋梗塞、発作、および再灌流障害により生じる)、毒
誘導肝臓疾患(例えば、アルコールによる)、敗血症性ショック、悪液質、およ
び食欲不振が挙げられる。
【0154】 可溶性レセプターのレベルを検出するために利用可能なアッセイは当業者に周
知である。例えば、放射免疫アッセイ、競合結合アッセイ、ウェスタンブロット
分析、そして好ましくはELISAアッセイが使用され得る。
【0155】 TR11、TR11SV1、およびTR11SV2のレセプタータンパク質に
特異的抗体は、インタクトなTR11、TR11SV1、およびTR11SV2
のレセプタータンパク質またはその抗原性ポリペプチドフラグメントに対して惹
起され得る。これらタンパク質またはフラグメントは、アルブミンのようなキャ
リアタンパク質と共に、またはそれが充分に長い(少なくとも約25アミノ酸)
場合はキャリアを伴わずに、動物系(例えば、ウサギまたはマウス)に対して提
示され得る。
【0156】 本明細書中で使用される場合、用語「抗体」(Ab)または「モノクローナル
抗体」(mAb)は、TR11、TR11SV1、またはTR11SV2のレセ
プタータンパク質に特異的に結合し得るインタクトな分子および抗体フラグメン
ト(例えば、FabおよびF(ab’)フラグメント)を含むことを意味する。
FabおよびF(ab’)フラグメントはインタクトな抗体のFcフラグメント
を欠いており、循環によってより迅速に除去され、そしてインタクトな抗体より
少ない非特異的組織結合をほとんど有し得る(Wahlら、J.Nucl.Me
d. 24:316−325(1983))。従って、これらのフラグメントが 好ましい。
【0157】 本発明の抗体は、任意の種々の方法によって調製され得る。例えば、TR11
、TR11SV1、またはTR11SV2のレセプタータンパク質またはその抗
原性フラグメントを発現する細胞は、ポリクローナル抗体を含む血清の産生を誘
導するために動物に投与され得る。好ましい方法において、TR11、TR11
SV1、またはTR11SV2のレセプタータンパク質の調製物は、それが天然
の混入物を実質的に含まないように調製され、そして精製される。次いで、この
ような調製物は、より大きな特異的活性のポリクローナル抗血清を産生するため
に動物に導入される。
【0158】 最も好ましい方法において、本発明の抗体はモノクローナル抗体(あるいはそ
のTR11、TR11SV1、またはTR11SV2のレセプタータンパク質結
合フラグメント)である。このようなモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ技
術(Kohlerら、Nature 256:495(1975);Kohle
rら、Eur.J.Immunol.6:511(1976);Kohlerら
、Eur.J.Immunol.6:292(1976);Hammerlin
gら:Monoclonal Antibodies and T−Cell
Hybridomas,Elsevier,N.Y.,(1981)563−6
81頁)を用いて調製され得る。一般に、このような手順は、TR11、TR1
1SV1、またはTR11SV2のレセプタータンパク質抗原、またはより好ま
しくはTR11、TR11SV1、またはTR11SV2レセプタータンパク質
発現細胞を用いて動物(好ましくは、マウス)を免疫する工程を包含する。適切
な細胞は、抗TR11、TR11SV1、またはTR11SV2のレセプタータ
ンパク質抗体に結合するそれらの能力によって認識され得る。このような細胞は
、任意の適切な組織培養培地中で培養され得る;しかし、10%ウシ胎児血清(
約56℃で非働化した)を補充し、約10g/lの非必須アミノ酸、約1,00
0U/mlのペニシリン、および約100μg/mlのストレプトマイシンを補
充したEarle改変イーグル培地中で細胞を培養することが好ましい。このよ
うなマウスの脾細胞が抽出され、そして適切な骨髄腫細胞株と融合される。任意
の適切な骨髄腫細胞株が、本発明に従って使用され得る;しかし、アメリカンタ
イプカルチャーコレクション,Rockville,Marylandから入手
可能な親骨髄腫細胞株(SPO)を使用することが好ましい。融合後、得られた
ハイブリドーマ細胞はHAT培地中で選択的に維持され、次いでWandsら(
Gastroenterology 80:225−232(1981))に記
載されているような限界希釈によってクローニングされる。次いで、このような
選択によって得られたハイブリドーマ細胞は、TR11、TR11SV1、およ
びTR11SV2のレセプタータンパク質抗原に結合し得る抗体を分泌するクロ
ーンを同定するためにアッセイされる。
【0159】 (TR11、TR11SV11、およびTR11SV2レセプターの機能のア
ゴニストおよびアンタゴニスト) ひとつの局面において、本発明は、TNFファミリーリガンドによって誘導さ
れるTR11、TR11SV1、またはTR11SV2の活性(例えば、細胞増
殖、造血性発生)を阻害する方法に関し、この方法は、TR11、TR11SV
1、またはTR11SV2のポリペプチドを発現する細胞に、TR11、TR1
1SV1、またはTR11SV2のレセプター媒介シグナル伝達を減少し得る有
効量のTR11、TR11SV1、またはTR11SV2のレセプターリガンド
、アナログ、またはアゴニストを投与する工程を含む。好ましくは、TR11、
TR11SV1、またはTR11SV2のレセプター媒介シグナル伝達を、増加
された細胞増殖を提示する疾患を処置するために増加させる。アンタゴニストは
、可溶性形態のTR11、TR11SV1、またはTR11SV2のレセプター
、およびTR11、TR11SV1、またはTR11SV2のポリペプチドを指
向する抗体を含み得、これは、TR11、TR11SV1、またはTR11SV
2のレセプター媒介シグナル伝達を阻害する。好ましくは、TR11、TR11
SV1、またはTR11SV2のレセプター媒介シグナル伝達を減少させて、疾
患を処置する。
【0160】 さらなる局面において、本発明は、TNFファミリーリガンドによって誘導さ
れる細胞増殖を増加するための方法に関し、この方法は、TR11、TR11S
V1、またはTR11SV2のポリペプチドを発現する細胞に、TR11、TR
11SV1、またはTR11SV2のレセプター媒介シグナル伝達を増加し得る
有効量のアゴニストを投与する工程を含む。好ましくは、TR11、TR11S
V1、またはTR11SV2のレセプター媒介シグナル伝達を、減少された細胞
増殖が提示される疾患を処置するために増加させる。本発明のアゴニストは、T
R11、TR11SV1、またはTR11SV2のレセプター媒介シグナル伝達
を刺激し、TR11、TR11SV1、またはTR11SV2のポリペプチドを
指向するモノクローナル抗体を含む。好ましくは、TR11、TR11SV1、
またはTR11SV2のレセプター媒介シグナル伝達を増加させて、疾患を処置
する。
【0161】 「アゴニスト」により、TR11、TR11SV1、またはTR11SV2の
ポリペプチドによって媒介される細胞の増殖および分化を増強し得る、天然に存
在する化合物および合成化合物が意図される。このようなアゴニストは、TR1
1、TR11SV1、またはTR11SV2レセプターの発現を増加するか、ま
たは発現されたレセプターの感受性を増加する薬剤を含む。「アンタゴニスト」
によって、TR11、TR11SV1、またはTR11SV2媒介細胞増殖およ
び分化を阻害し得る、天然に存在する化合物および合成化合物が意図される。こ
のようなアンタゴニストは、TR11、TR11SV1、またはTR11SV2
のレセプターの発現を減少するか、または発現されたレセプターの感受性を減少
する薬剤を含む。本発明の任意の候補の「アゴニスト」または「アンタゴニスト
」が細胞の増殖および分化を増強または阻害し得るか否かは、当該分野で公知の
TNFファミリーリガンド/レセプター細胞応答アッセイ(以下でより詳細に記
載されるものを含む)を用いて決定され得る。
【0162】 1つのそのようなスクリーニング技術は、レセプターの活性化によって生じる
細胞外のpH変化を測定する系において、レセプターを発現する細胞(例えば、
トランスフェクトされたCHO細胞)の使用を含む(例えば、Science
246:181−296(1989年10月)において記載される)。例えば、
化合物が本発明のレセプターポリペプチドを発現している細胞と接触され得、第
2次メッセンジャー応答(例えば、シグナル伝達またはpH変化)を測定し、潜
在的化合物がレセプターを活性化または阻害するか否かを決定し得る。
【0163】 別のそのようなスクリーニング技術は、レセプターをコードするRNAをXe
nopus卵母細胞に導入し、一過性にそのレセプターを発現させる工程を含む
。次いで、レセプターの活性化を阻害すると考えられる化合物をスクリーニング
する場合において、レセプターと卵母細胞をレセプターリガンドおよびスクリー
ニングされる化合物と接触し、次に、カルシウムシグナルの阻害または活性化を
検出し得る。
【0164】 他の方法は、本発明のアンタゴニストによるレセプターポリペプチドの活性化
を阻害する化合物を、細胞の表面上にレセプターを有する細胞への標識したリガ
ンドの結合の阻害を測定することによって、スクリーニングする工程を包含する
。そのような方法は、細胞がその表面上でレセプターを発現するように、真核生
物細胞を、レセプターをコードするDNAでトランスフェクトする工程、および
標識形態の公知のリガンドの存在下で細胞を化合物と接触させる工程を含む。リ
ガンドは、例えば放射能によって標識され得る。レセプターに結合した標識リガ
ンドの量を、例えば、レセプターの放射活性を測定することによって測定する。
レセプターに結合する標識したリガンドの減少によって決定されるように化合物
がレセプターに結合する場合、標識したリガンドのレセプターへの結合は、阻害
される。
【0165】 本発明の可溶性形態のポリペプチドは、上記に記載されるリガンド結合アッセ
イにおいて利用され得る。これらの形態のTR11、TR11SV1、およびT
R11SV2のレセプターは、分泌された後、細胞外の培地においてリガンドと
接触する。次いで、分泌されたタンパク質がTR11、TR11SV1、または
TR11SV2のレセプターリガンドに結合するかどうかについて測定される。
【0166】 本発明のアゴニストおよびアンタゴニストについてのさらなるスクリーニング
アッセイは,Tartaglia,L.A.およびGoeddel,D.V.,
J.Biol.Chem.267(7):4304−4307(1992)にお
いて記載される。
【0167】 従って、さらなる局面において、候補アゴニストまたはアンタゴニストがTN
Fファミリーリガンドに対する細胞応答を増強または阻害し得るか否かを決定す
るためのスクリーニング方法が提供される。本方法は、TR11、TR11SV
1、またはTR11SV2のポリペプチドを発現する細胞を、候補化合物および
TNFファミリーリガンドと接触させる工程、細胞応答をアッセイする工程、な
らびに細胞応答を標準的な細胞応答(標準は、候補化合物の非存在下でリガンド
との接触がなされる場合にアッセイされる)と比較する工程を含み、それによっ
て標準を越えて増加した細胞応答は、候補化合物がリガンド/レセプターシグナ
ル伝達経路のアゴニストであることを示し、そして標準と比較して減少した細胞
応答は、候補化合物がリガンド/レセプターシグナル伝達経路のアンタゴニスト
であることを示す。「細胞応答をアッセイする工程」によって、候補化合物およ
び/またはTNFファミリーリガンドに対する細胞応答を定性的または定量的に
測定すること(例えば、T細胞増殖における増加もしくは減少、またはトリチウ
ム化チミジン標識を測定あるいは推定すること)が意図される。本発明によって
、TR11、TR11SV1、またはTR11SV2ポリペプチドを発現する細
胞は、内在性に、または外来性に投与されたTNFファミリーリガンドのいずれ
かと接触され得る。
【0168】 さらなる局面において、胸腺細胞増殖アッセイを、リガンドならびに可能性の
ある薬物の候補の両方を同定するために利用し得る。例えば、胸腺細胞を、組織
から分離し、そして培養培地において増殖させる。DNA前駆体(例えば、[3 H]−チミジンまたは5−ブロモ−2'−デオキシウリジン(BrdU))の取 り込みを、DNA合成および細胞増殖についてのパラメーターとしてモニターす
る。DNA中にBrdUを取り込んだ細胞を、BrdUに対するモノクローナル
抗体を用いて検出し、そして酵素または蛍光色素結合二次抗体によって測定し得
る。反応を、蛍光比色法によってか、または分光光度法によって定量する。2つ
のコントロールウェルおよび実験ウェルを上記のようにセットする。TNF−β
または同属のリガンドをすべてのウェルに添加し、一方で本発明の可溶性レセプ
ターポリペプチドを第2のコントロールウェルに個々に添加する。実験ウェルは
スクリーニングするべき化合物を含む。スクリーニングするべき化合物が上記の
相互作用を刺激または阻害する能力を定量し得る。
【0169】 本発明によるアゴニストは、例えばTNFファミリーリガンドペプチドフラグ
メント、トランスフォーミング増殖因子、神経伝達物質(例えば、グルタミン酸
、ドーパミン、N−メチルーD−アスパラギン酸)のような化合物を含む。好ま
しいアゴニストとして、TR11、TR11SV1、またはTR11SV2のポ
リペプチドまたはそのフラグメントに対して惹起されるポリクローナル抗体およ
びモノクローナル抗体を含む。TNFファミリーレセプターに対して惹起される
そのようなアゴニスト抗体は、Tartaglia,L.A.ら、Proc.N
atl.Acad.Sci.USA 88:9292−9296(1991);
Tartaglia,L.A.およびGoeddel,D.V.,J.Biol
.Chem.267(7):4304−4307(1992)に開示される。P
CT出願WO 94/09137もまた参照のこと。さらに好ましいアゴニスト
は、例えばシスプラチン、ドキソルビシン、ブレオマイシン、シトシンアラビノ
シド、ナイトロジェンマスタード、メトトレキサート、およびビンクリスチンの
ような化学療法剤を含む。他のものは、エタノールおよびアミロイドペプチドを
含む(Science 267:1457−1458(1995))。
【0170】 本発明によるアンタゴニストは、可溶形状のTR11、TR11SV1、およ
びTR11SV2レセプターを含む(例えば、それぞれ図1Aおよび1B、2A
および2B、ならびに3Aおよび3Bに示され、全長レセプターの細胞外領域の
リガンド結合ドメインを含むTR11、TR11SV1、およびTR11SV2
レセプターのフラグメント)。レセプターのそのような可溶性形態は、天然に存
在するか、または合成であり得、TNFファミリーリガンドへの結合についてレ
セプターの細胞表面結合形態と競合することによって、TR11、TR11SV
1、およびTR11SV2媒介シグナル伝達と拮抗する。本発明のアンタゴニス
トはまた、TNFファミリーリガンドおよびTR11−、TR11SV1−、お
よびTR11SV2−Fc融合タンパク質に特異的な抗体を含む。
【0171】 「TNFファミリーリガンド」によって、TNFレセプターファミリーのメン
バーに結合し得、そしてリガンド/レセプターシグナル伝達経路を誘導し得る、
天然に存在するリガンド、組換えリガンド、および合成リガンドを意図する。T
NFリガンドファミリーのメンバーは、TNF−α、リンホトキシン−α(LT
−α、TNF−βとしても知られる)、LT−β(LT−α2−βヘテロ三量体
複合体で見出される)、FasL、CD40L、CD27L、CD30L、4−
lBBL、OX40L、および神経成長因子(NGF)を含むがこれらに限定さ
れない。
【0172】 TNF−αは、単純ヘルペスウイルス1型(HSV−1)による感染からマウ
スを保護することが示されている。Rossol−Voth,Rら、J.Gen
.Virol.72:143−147(1991)。TNF−αの保護効果の機
構は、知られていないが、インターフェロンもNK細胞殺傷もいずれも関与しな
いようである。TNFRファミリーの1つのメンバーは、HSV−1の細胞への
侵入を媒介することが知られている。Montgomery,Rら、Eur.C
ytokine Newt.7:159(1996)。さらに、このTNFRの
細胞外ドメインに特異的な抗体が、HSV−1の細胞への侵入を阻止する。従っ
て、本発明のTR11、TR11SV1、およびTR11SV2アンタゴニスト
は、TNFRが媒介するウイルスの細胞への侵入を妨げる能力がある、TR11
、TR11SV1、およびTR11SV2のアミノ酸配列および抗体を含む。こ
のような配列および抗体は、ウイルスとの結合に関する、細胞表面に局在化する
TNFRとの競合、あるいは細胞表面レセプターとのウイルスの結合の直接的阻
止のいずれかによって、機能し得る。
【0173】 本発明による抗体は、本発明のTR11、TR11SV1、およびTR11S
V2レセプター免疫原を使用する任意の種々の方法によって、調製され得る。こ
のようなTR11、TR11SV1、およびTR11SV2レセプター免疫原は
、以下が挙げられる。図1Aおよび1B、2Aおよび2B、および3Aおよび3
Bに示されるTR11、TR11SV1、およびTR11SV2レセプタータン
パク質(それぞれ、配列番号2、配列番号4、および配列番号6であり、これら
はリーダー配列を含み得るか、あるいは含み得ない)、およびレセプター(TR
11、TR11SV1、およびTR11SV2レセプターのリガンド結合ドメイ
ン、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、細胞内ドメインを含む)のポリペプチド
フラグメント、あるいはその任意の組合せ。
【0174】 本発明によるポリクローナルおよびモノクローナル抗体のアゴニストまたはア
ンタゴニストは、TartagliaおよびGoeddel、J.Biol.C
hem.267(7):4340〜4307(1992);Tartaglia
ら、Cell、73:213〜216(1993)、およびPCT出願WO94
/09137において開示される方法に従って惹起され得る。本明細書中で使用
されるように用語「抗体」(Ab)または「モノクローナル抗体」(mAb)は、抗
原に結合し得るインタクトな分子ならびにそのフラグメント(例えば、Fabお
よびF(ab’)フラグメント)を含むことが意味される。FabおよびF(a
b’)フラグメントは、インタクトな抗体のFcフラグメントを欠き、循環から
より迅速にクリアランスされ、そしてインタクトな抗体のより少ない非特異的組
織結合を有し得る(Wahlら、J.Nucl.Med.24:316〜325
(1983))。
【0175】 好ましい方法において、本発明による抗体はmAbである。そのようなmAb
は、ハイブリドーマ技術を用いて調製され得る(KohlerおよびMills
tein,Nature 256:495−497(1975)および米国特許
第4,376,110号;Harlowら、Antibodies:A Lab
oratory Manual,Cold Spring Harbor La
boratory Press,Cold Spring Harbor,NY
,1988;Monoclonal Antibodies and Hybr
idomas:A New Dimension in Biological
Analyses,Plenum Press,New York,NY,1
980;Campbell,「Monoclonal Antibody Te
chnology」,Laboratory Techniques in B
iochemistry and Molecular Biology,第1
3巻(Burdonら編)、Elsevier,Amsterdam(1984
))。
【0176】 TR11、TR11SV1、およびTR11SV2レセプタードメインを結合
するタンパク質および他の化合物もまた、本発明による候補アゴニストおよびア
ンタゴニストである。そのような結合化合物を、酵母ツーハイブリッドシステム
を用いて「捕獲」し得る(FieldsおよびSong、Nature 340
:245−246(1989))。改変型の酵母ツーハイブリッドシステムは、
Roger Brentおよび共同研究者によって記載されている(Gyuri
sら、Cell 75:791−803(1993);Zervos A.S.
ら、Cell 72:223−232(1993))。好ましくは、本発明に従
って、酵母ツーハイブリッドシステムを用いて、TR11、TR11SV1、お
よびTR11SV2レセプターのリガンド結合ドメイン、細胞外ドメイン、細胞
内ドメイン、および膜貫通ドメインのいずれかに結合する化合物を捕獲する。そ
のような化合物は、本発明の良好な候補アゴニストおよびアンタゴニストである
【0177】 上記のツーハイブリッドアッセイを使用して、TR11、TR11SV1、お
よびTR11SV2レセプターの細胞内ドメイン、またはその部分は、インビボ
でレセプターと相互作用する細胞タンパク質を同定するために使用され得る。こ
のようなアッセイはまた、TR11、TR11SV1、およびTR11SV2レ
セプター機能の潜在的アゴニスト活性または潜在的アンタゴニスト活性を有する
リガンドを同定するために使用され得る。このスクリーニングアッセイは、以前
に、ネズミのTNF−RIIの細胞質ドメインと相互作用するタンパク質を同定
するために使用され、そして関連タンパク質2つの関連タンパク質レセプターの
同定を導いてきた(Rothe,M.ら、Cell 78:681(1994)
。TR11、TR11SV1、およびTR11SV2レセプターの細胞質ドメイ
ンと結合する、このようなタンパク質およびアミノ酸配列は、本発明の良い候補
アゴニストおよび候補アンタゴニストである。
【0178】 他のスクリーニング技術は、本発明のポリペプチドを発現する細胞(例えば、
トランスフェクトしたCHO細胞)の、レセプター活性化によって引き起こされ
る細胞外pH変化を測定するシステム(例えば、Science,246:18
1−296(1989)に記載されるような)における使用を含む。別の例にお
いて、可能性のあるアゴニストまたはアンタゴニストを、本発明のポリペプチド
を発現する細胞と接触させ得、そして第2メッセンジャー応答(例えば、シグナ
ル伝達)を測定して、可能性のあるアンタゴニストまたはアゴニストが有効であ
るか否かを決定し得る。
【0179】 TR11、TR11SV1、およびTR11SV2レセプターアゴニストを用
いて、リガンド活性(例えば、腫瘍増殖の阻害、および特定の移植可能な腫瘍の
壊死)を刺激し得る。また、アゴニストを用いて、細胞分化(例えば、T細胞、
線維芽細胞、および造血細胞の分化)を刺激し得る。TR11、TR11SV1
、およびTR11SV2レセプターに対するアゴニストはまた、微生物に対する
宿主の防禦におけるTR11、TR11SV1、およびTR11SV2の役割を
増大し得、そして関連する疾患(Listeria monocytogene
sからの感染のような感染)およびChlamidiaeを予防し得る。また、
アゴニストを用いて、放射線治療の過程で生成される電離放射線の有害な効果(
例えば、酵素の変性、脂質の過酸化、およびDNA損傷)に対して保護し得る。
【0180】 本発明のレセプターポリペプチドに対するアゴニストを用いて、微生物に対す
る宿主の防禦におけるTNFの役割を増大し得、そして関連する疾患を予防し得
る。また、アゴニストを用いて、放射線治療の過程で生成される電離放射線の有
害な効果(例えば、酵素の変性、脂質の過酸化、およびDNA損傷)に対して保
護し得る。
【0181】 また、アゴニストを用いて、抗ウイルス応答を媒介し、増殖を調節し、免疫応
答を媒介し、そしてリンパ球の増殖および分化の速度を増大させることによって
、HIVのような疾患に関連する免疫不全症を処置し得る。
【0182】 本発明のポリペプチドに対するアンタゴニストを用いて、リガンド活性(例え
ば、腫瘍増殖の刺激、および特定の移植可能な腫瘍の壊死)を阻害し得る。また
、アンタゴニストを用いて、細胞分化(例えば、T細胞、線維芽細胞、および造
血細胞の分化)を阻害し得る。アンタゴニストを用いて、AIDSのような自己
免疫疾患(例えば、対宿主性移植片拒絶、および同種異系移植拒絶、およびT細
胞媒介自己免疫疾患)を処置し得る。T細胞増殖は2型TNFレセプターを介し
て刺激されることが示されている。従って、レセプターを拮抗することは、T細
胞の増殖を妨げ、そしてT細胞媒介自己免疫疾患を処置し得る。
【0183】 AIDSを定義する免疫不全の状態は、CD4+Tリンパ球の数および機能に おける減少の対して2次的である。最近の報告は、CD4+T細胞の日々の損失 を、3.5×107細胞と2×109細胞の間である(Wei X.ら、Natu
re373:117〜122(1995))と評価している。HIV感染の環境
におけるCD4+T細胞の消耗の1つの原因は、HIV誘導アポトーシスである と考えられる。実際、HIV誘導アポトーシス細胞死は、インビトロだけではな
く、より重要なことに、感染した個体においても(Ameisen,J.C.、
AIDS 8:1197〜1213(1994);Finkel,T.H.、お
よびBanda,N.K.、Curr.Opin.Immunol.6:605
〜615(1995);Muro−Cacho,C.A.ら、J.Immuno
l.154:5555〜5566(1995))証明されている。さらに、アポ
トーシスおよびCD4+Tリンパ球枯渇は、AIDSの異なる動物モデル(Br unner,T.ら、Nature 373:441〜444(1995);G
ougeon,M.L.ら、AIDS Res.Hum.Retrovirus
es 9:553〜563(1993))において、密接な相互関係があり、そ
して、アポトーシスは、ウイルス複製がAIDSを生じないこれらの動物モデル
中で観察されない(Gougeon,M.L.ら、AIDS Res.Hum.
Retroviruses 9:553〜563(1993))。さらなるデー
タは、HIVに感染した個体からの、感染していないが、プライムされた、ある
いは活性化されたTリンパ球が、TNFファミリーリガンドFasLと遭遇した
後、アポトーシスを経験することを示す。HIV感染後に死を生じる単核細胞株
を使用して、U937細胞のHIVとの感染が、FasLのデノボ発現を生じる
こと、およびFasLが、HIV誘導アポトーシスを媒介する(Badley,
A.D.ら、J.Virol.70:199〜206(1996))ことが例証
されている。さらに、TNFファミリーリガンドは、感染していないマクロファ
ージにおいて検出され、そしてその発現は、HIV感染後に調節されておらず、
感染していないCD4+Tリンパ球の選択的殺傷を生じる(Badley,A. D.ら、J.Virol.70:199〜206(1996))。
【0184】 同種異系移植拒絶において、レシピエント動物の免疫系は、あらかじめ応答す
るようにプライムされていない。なぜなら、ほとんどの部分に対する免疫系は、
環境抗原によってのみプライムされるからである。同一種の他のメンバーからの
組織は、例えば、ウイルスおよび細菌が提示されているのと同じ様式では、提示
されない。同種異系移植片拒絶の場合、免疫抑制的なレジメンが設計されて、免
疫系がエフェクター段階に到達するのを防ぐ。しかし、異種移植片拒絶の免疫プ
ロフィールは、同種異系移植片拒絶よりも疾患反復に類似し得る。疾患反復の場
合、天然の島細胞の破壊によって証明されるように、その免疫系はすでに活性化
されている。従って、疾患反復において免疫系は、すでにエフェクター段階にあ
る。本発明のアンタゴニストは、TR11、TR11SV1、およびTR11S
V2が媒介するリンパ球増殖および分化の速度を減少させることによって、同種
異系移植片および異種移植片の両方に対する免疫応答を抑制し得る。このような
アンタゴニストは、実施態様5に記載されるTR11−Fc、TR11SV1−
Fc、およびTR11SV2−Fc融合タンパク質を含む。従って、本発明はさ
らに、免疫応答の抑制の方法を提供する。
【0185】 さらに、TNF−αは、自己免疫から生じる糖尿病になる傾向がある動物系に
おいて、糖尿病を予防することが示されている。Porter,A.、Tibt
ech 9:158〜162(1991)を参照のこと。従って、本発明のアゴ
ニストおよびアンタゴニストは、1型糖尿病のような自己免疫疾患の処置におい
て有用であり得る。
【0186】 さらに、細胞増殖および細胞分化において、TR11、TR11SV1、およ
びTR11SV2レセプターによって果たされる役割は、本発明のアゴニストお
よびアンタゴニストが、これらのレセプターの異常型細胞発現に関する疾患状態
の処置のために有用であり得ることを示す。TR11、TR11SV1、および
TR11SV2レセプターは、ある環境において炎症応答を誘導し得、そしてア
ンタゴニストは、この応答を阻止するための有用な試薬であり得る。従って、T
R11、TR11SV1、およびTR11SV2レセプターアンタゴニスト(例
えば、TR11、TR11SV1、およびTR11SV2レセプターの可溶形態
;中和抗体)は、慢性関節リウマチ、変形性関節症、乾癬、敗血症、および炎症
性腸疾患のような、炎症性疾患の処置にとって有用であり得る。
【0187】 また、TR11、TR11SV1、およびTR11SV2レセプターに対する
アンタゴニストを使用して、深刻な臨床状態のままである敗血症性ショックを処
置および/または予防し得る。敗血症性ショックは、病原体から直接生じるより
も、TNFおよびIL−1のようなタンパク質因子によって媒介される過度の宿
主応答から生じる。例えば、リポ多糖類は、その血清濃度の強力かつ一過性の増
大を導くTNFの放出を引き出すことが示されている。TNFは、過剰量に投与
されると、ショックおよび組織損傷を引き起こす。従って、TR11、TR11
SV1、およびTR11SV2レセプターのアンタゴニストは、TNFの作用を
阻止し、そして敗血症ショックを処置/予防すると考えられている。これらのア
ンタゴニストはまた、TNFの高い血清レベルと相互関係がある子供の髄膜炎菌
血症を処置するために使用され得る。
【0188】 TR11、TR11SV1、およびTR11SV2レセプターに対するアンタ
ゴニストによって処置され得る他の障害には、TNFレセプターリガンドによっ
て媒介される炎症、および細菌感染悪液質および大脳マラリアが含まれる。TR
11、TR11SV1、およびTR11SV2レセプターアンタゴニストはまた
、TNFのようなレセプターに対するリガンドによって媒介される炎症を処置す
るために使用され得る。
【0189】 (TR11、TR11SV1、およびTR11SV2の生物学的活性) TR11、TR11SV1、およびTR11SV2ポリヌクレオチドおよびポ
リペプチドをアッセイに用いて、1つ以上の生物学的活性について試験し得る。
TR11、TR11SV1、およびTR11SV2ポリヌクレオチドおよびポリ
ペプチドが、特定のアッセイにおいて活性を示すならば、TR11、TR11S
V1、または、TR11SV2は、生物学的活性に関連した疾患に関与し得る可
能性が高い。従って、TR11、TR11SV1、およびTR11SV2を用い
て、関連する疾患を処置し得る。
【0190】 (免疫活性) TR11、TR11SV1、または、TR11SV2ポリペプチドまたはポリ
ヌクレオチドは、免疫細胞の増殖、分化、または移動(走化性)の活性化もしく
は阻害によって、免疫系の不全または障害を処置するのに有用であり得る。免疫
細胞は、造血と称されるプロセスを介して発生し、多能性幹細胞から骨髄性細胞
(血小板、赤血球、好中球、およびマクロファージ)およびリンパ系(Bおよび
Tリンパ球)細胞を産生する。これらの免疫不全または障害の病因は、遺伝性、
体細胞性(例えば、ガンまたはいくつかの自己免疫障害)、後天性(例えば、化
学治療または毒素による)、または感染性であり得る。さらに、TR11、TR
11SV1、または、TR11SV2ポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、
特定の免疫系疾患または障害のマーカーまたは検出因子として使用され得る。
【0191】 TR11、TR11SV1、または、TR11SV2ポリヌクレオチドおよび
ポリペプチドは、造血細胞の不全または障害を処置または検出するに有用であり
得る。TR11、TR11SV1、または、TR11SV2ポリペプチドまたは
ポリヌクレオチドを使用して、特定の(または多くの)型の造血細胞の減少に関
連する障害を処置するための取り組みにおいて、多能性幹細胞を含む造血細胞の
分化および増殖を増加させ得る。免疫学的な不全症候群の例には、以下が挙げら
れるがそれらに限定されない:血液タンパク質障害(例えば、無ガンマグロブリ
ン血症、低ガンマグロブリン血症)、毛細血管拡張性運動失調、分類不能型免疫
不全、ディ・ジョージ症候群、HIV感染、HTLV−BLV感染、白血球接着
不全症候群、リンパ球減少、食細胞殺菌機能不全、重症複合型免疫不全(SCI
D)、ヴィスコット−オールドリッチ障害、貧血、血小板減少症、または血色素
尿。
【0192】 さらに、TR11、TR11SV1、または、TR11SV2ポリペプチドま
たはポリヌクレオチドはまた、止血活性(出血を停止する)または血栓崩壊活性
(血餅の形成)を調節するために使用され得る。例えば、止血または血栓崩壊活
性を増加させることによって、TR11、TR11SV1、または、TR11S
V2ポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、血液凝固障害(例えば、無フィブ
リノーゲン血症、因子欠乏)、血液血小板障害(例えば、血小板減少症)、また
は外傷、手術もしくは他の原因から生じる創傷を処置するために使用され得る。
あるいは、止血活性または血栓崩壊活性を減少させ得る、TR11、TR11S
V1、または、TR11SV2ポリヌクレオチドまたはポリペプチドを用いて、
凝固を阻害または溶解し得、これは、心臓発作(梗塞)、発作、または瘢痕の処
置に重要であり得る。
【0193】 TR11、TR11SV1、または、TR11SV2ポリヌクレオチドおよび
ポリペプチドはまた、自己免疫障害を処置または検出するのに有用であり得る。
多くの自己免疫障害は、免疫細胞によって、自己を外来物質として不適切に認識
することからもたらされる。この不適切な認識は、宿主組織の破壊を導く免疫応
答を生じる。それゆえ、免疫応答、特にT細胞の増殖、分化、または走化性を阻
害し得るTR11、TR11SV1、または、TR11SV2ポリペプチドまた
はポリヌクレオチドの投与は、自己免疫障害を予防するのに有効な治療であり得
る。
【0194】 TR11、TR11SV1、または、TR11SV2によって処置または検出
され得る自己免疫障害の例としては、以下が挙げられるが、それらに限定されな
い:アディソン病、溶血性貧血、抗リン脂質症候群、慢性関節リウマチ、皮膚炎
、アレルギー性脳脊髄炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、グレーヴズ病
、多発性硬化症、重症筋無力症、神経炎、結膜炎、水疱性類天疱瘡、天疱瘡、多
発性内分泌腺症、紫斑、ライター病、スティッフマン症候群、自己免疫性甲状腺
炎、全身性エリテマトーデス、自己免疫性肺炎症、ギヤンバレー症候群、インス
リン依存性糖尿病、および自己免疫炎症性眼病。
【0195】 同様に、例えば、喘息(特にアレルギー性喘息)または他の呼吸問題のような
アレルギー性反応および状態はまた、TR11、TR11SV1、または、TR
11SV2ポリペプチドまたはポリヌクレオチドにより処置され得る。さらに、
TR11、TR11SV1、または、TR11SV2を用いてアナフィラキシー
、抗原性分子に対する過敏症、または血液型不適合性を処置し得る。
【0196】 TR11、TR11SV1、または、TR11SV2ポリヌクレオチドまたは
ポリペプチドはまた、器官拒絶または対宿主性移植片病(GVHD)を処置およ
び/または予防するために用いられ得る。器官拒絶は、宿主免疫細胞が免疫応答
を介して移植された組織を破壊することにより生じる。同様に、免疫応答はまた
、GVHDに関与しているが、この場合、外来の移植された免疫細胞は宿主組織
を破壊する。免疫応答、特にT細胞の増殖、分化、または走化性を阻害するTR
11、TR11SV1、または、TR11SV2ポリペプチドまたはポリヌクレ
オチドの投与は、器官拒絶またはGVHDを予防するのに有効な治療であり得る
【0197】 同様に、TR11、TR11SV1、または、TR11SV2ポリペプチドま
たはポリヌクレオチドはまた、炎症を調節するために用いられ得る。例えば、T
R11、TR11SV1、または、TR11SV2ポリペプチドまたはポリヌク
レオチドは、炎症性応答に関与する細胞の増殖および分化を阻害し得る。これら
の分子は、以下を含む炎症状態(慢性および急性の両方の状態)を処置するため
に使用され得る:感染に関連した炎症(例えば、敗血症性ショック、敗血症、ま
たは全身性炎症応答症候群(SIRS))、虚血性再灌流傷害、内毒素死亡、関
節炎、補体媒介性超急性拒絶、腎炎、サイトカインまたはケモカイン誘導性肺傷
害、炎症性腸疾患、クローン病、またはサイトカイン(例えば、TNFまたはI
L−1)の過剰産生からもたらされる状態。
【0198】 (過剰増殖障害) TR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリペプチドまたはポリヌク
レオチドは、新生物を含む過剰増殖障害を処置または検出するのに使用され得る
。TR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリペプチドまたはポリヌク
レオチドは直接的または間接的相互作用を通じて障害の増殖を阻害し得る。ある
いは、TR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリペプチドまたはポリ
ヌクレオチドは過剰増殖障害を阻害し得る他の細胞を増殖し得る。
【0199】 例えば、免疫応答の増加、特に過剰障害の抗原性性質を増加させることにより
、またはT細胞を増殖、分化、もしくは動員することにより、過剰増殖障害は処
置され得る。この免疫応答は既存の免疫応答の増強または新しい免疫応答の開始
のいずれかにより、増加し得る。あるいは、免疫応答の減少はまた、化学療法剤
のような、過剰増殖障害を処置する方法であり得る。
【0200】 TR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリヌクレオチドまたはポリ
ペプチドによって処置または検出され得る過剰増殖障害の例は、以下に位置する
新生物を含むが、これらに限定されない:腹部、骨、胸部、消化系、肝臓、膵臓
、腹膜、内分泌腺(副腎、上皮小体、下垂体、精巣、卵巣、胸腺、甲状腺)、眼
、頭および首、神経(中枢および末梢)、リンパ系、骨盤、皮膚、軟組織、脾臓
、胸郭および尿生殖器。
【0201】 同様に、他の過剰増殖障害はまた、TR11、TR11SV1またはTR11
SV2ポリヌクレオチドまたはポリペプチドによって処置または検出され得る。
このような過剰増殖障害の例は、高ガンマグロブリン血症、リンパ増殖障害、パ
ラプロテイン血症、紫斑、サルコードシス、セザリー症候群、ヴァルデンストレ
ームマクログロブリン血症、ゴーシェ病、組織球増殖症および上記に列挙される
器官系に位置する新生物以外の他の任意の過剰増殖疾患を含むが、これらに限定
されない。
【0202】 (感染疾患) TR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリペプチドまたはポリヌク
レオチドは感染性因子の処置または検出に使用され得る。例えば、免疫応答の増
加により、特にB細胞および/またはT細胞の増殖および分化の増加により、感
染性疾患は処置され得る。この免疫応答は既存の免疫応答の増強または新しい免
疫応答の開始のいずれかによって、増加し得る。あるいは、TR11、TR11
SV1またはTR11SV2ポリペプチドまたはポリヌクレオチドはまた、免疫
応答を必ずしも惹起せずに、感染性因子を直接阻害し得る。
【0203】 ウイルスは、TR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリヌクレオチ
ドまたはポリペプチドにより処置または検出され得る疾患または症状を生じ得る
感染性因子の1例である。ウイルスの例は以下のDNAウイルスおよびRNAウ
イルスの科を含むが、これらに限定されない:アルボウイルス、アデノウイルス
科、アレナウイルス科、アルテリウイルス、ビルナウイルス科、ブンヤウイルス
科、カリチウイルス科、シルコウイルス科(Circoviridae)、コロ
ナウイルス科、フラビウイルス科、ヘパドナウイルス科(肝炎ウイルス)、ヘル
ペスウイルス科(例えば、サイトメガロウイルス、単純疱疹ウイルス、帯状疱疹
ウイルス)、モノネガウイルス(Mononegavirus)(例えば、パラ
ミクソウイルス科、麻疹ウイルス属、ラブドウイルス科)、オルソミクソウイル
ス科(例えば、インフルエンザウイルス)、パポバウイルス科、パルボウイルス
科、ピコルナウイルス科、ポックスウイルス科(例えば、痘瘡ウイルスまたはワ
クシニアウイルス)、レオウイルス科(例えば、ロタウイルス)、レトロウイル
ス科(HTLV−I、HTLV−II、レンチウイルス)、およびトガウイルス
科(例えば、ルビウイルス)。これらの科の範囲内にあるウイルスは、以下を含
むが、これらに限定されない種々の疾患または症状を引き起こし得る:関節炎、
細気管支炎、脳炎、眼の感染(例えば、結膜炎、角膜炎)、慢性疲労症候群、肝
炎(A型、B型、C型、E型、慢性、急性、デルタ型)、髄膜炎、日和見感染(
例えば、AIDS)、肺炎、バーキットリンパ腫、水痘、出血熱、麻疹、おたふ
く風邪、パラインフルエンザ、狂犬病、感冒、ポリオ、白血病、風疹、性感染症
、皮膚病(例えば、カポージ、疣)、およびウイルス血症。TR11、TR11
SV1またはTR11SV2ポリペプチドまたはポリヌクレオチドは任意のこれ
らの症状または疾患の処置または検出に使用され得る。
【0204】 同様に、疾患または症状を引き起こし得、そしてTR11、TR11SV1ま
たはTR11SV2ポリヌクレオチドまたはポリペプチドにより処置または検出
され得る、細菌性または真菌性の因子は、以下のグラム陰性およびグラム陽性の
細菌の科および真菌を含むが、これらに限定されない:放線菌目(例えば、コリ
ネバクテリウム属、マイコバクテリウム属、ノルカジア属(Norcardia
))、アスペルギルス症、バチルス科(例えば、炭疽、クロストリジウム属)、
バクテロイデス科、ブラストミセス症、ボルデテラ症、ボレリア症、ブルセラ症
、カンジダ症、カンピロバクター(Campylobacter)、コクジジオ
イデス真菌症、クリプトコックス症、皮膚真菌症(Dermatocycose
s)、腸内細菌科(クレブシエラ属、サルモネラ属、セラチア属、エルジニア属
)、エルジペロスリックス属、ヘリコバクター属、レジオネラ症(Legion
ellosis)、レプトスピラ症、リステリア属、マイコプラスマ目、ナイセ
リア科(Neisseriaceae)(例えば、アシネトバクター属、淋病、
髄膜炎菌(Menigococcal))、パスツレラ科(Pasteurel
lacea)感染(例えば、アクチノバチルス属、ヘモフィルス属、パスツレラ
属)、シュードモナス属、リケッリア科(Rickettsiaceae)、ク
ラミジア科、梅毒(Syphilis)、ブドウ球菌。これらの細菌または真菌
の科は以下を含むが、これらに限定されない疾患または症状を引き起こし得る:
菌血症、心内膜炎、眼の感染(結膜炎、結核、ブドウ膜炎)、歯肉炎、日和見感
染(例えば、AIDSに関係した感染)、爪郭炎、プロテーゼ関連感染、ライタ
ー病、気道感染(例えば、百日咳または蓄膿症、敗血症、ライム病、ネコ引っ掻
き病、赤痢、パラチフス熱、食中毒、腸チフス、肺炎、淋病、髄膜炎、クラミジ
ア、梅毒、ジフテリア、らい病、パラ結核、結核、狼瘡、ボツリヌス中毒、壊疽
、破傷風、膿痂疹、リウマチ熱、猩紅熱、性感染症、皮膚の疾患(例えば、小胞
炎、皮膚真菌性(Dermatocycoses)、毒血症、尿路感染症、創傷
感染。TR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリペプチドまたはポリ
ヌクレオチドは任意のこれらの症状または疾患の処置または検出に使用され得る
【0205】 さらに、TR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリヌクレオチドま
たはポリペプチドにより処置または検出され得る疾患または症状を生じる寄生因
子は以下の科を含むが、これらに限定されない:アメーバ症、バベシア症、コク
シジウム症、クリプトスポリジウム症、二核アメーバ症、交疫、外部寄生(Ec
toparasitic)、ジアルジア鞭毛虫症、蠕虫病、リーシュマニア症、
タイレリア症、トキソプラスマ症、トリパノソーマ症、およびトリコモナス症。
これらの寄生生物は種々の疾患または症状を引き起こし得る。このような疾患ま
たは症状には、疥癬、ツツガムシ病、眼感染、腸疾患(例えば、赤痢、ジアルジ
ア鞭毛虫症)、肝臓疾患、肺疾患、日和見感染(例えば、AIDS関連)、マラ
リア、妊娠合併症、およびトキソプラスマ症が含まれるが、これらに限定されな
い。TR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリペプチドまたはポリヌ
クレオチドは任意のこれらの症状または疾患の処置または検出に使用され得る。
【0206】 好ましくは、TR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリペプチドま
たはポリヌクレオチドを使用した処置は、有効量のTR11、TR11SV1ま
たはTR11SV2ポリペプチドを患者に投与すること、または患者から細胞を
取り出し、その細胞に、TR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリヌ
クレオチドを供給し、そして操作した細胞を患者へ戻すこと(エキソビボ治療)
のいずれかによって可能である。さらに、TR11、TR11SV1またはTR
11SV2ポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、感染性疾患に対する免疫応
答を誘発するワクチンにおける抗原として使用され得る。
【0207】 (再生) TR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリヌクレオチドまたはポリ
ペプチドは組織の再生へと導く細胞の分化、増殖、および誘引に使用され得る(
Science 276:59−87(1997)を参照のこと)。組織の再生 は、先天性欠損、外傷(創傷、熱傷、切開、または潰瘍)、加齢、疾患(例えば
、骨粗鬆症、変形性関節症(osteocarthritis)、歯周疾患、肝
不全)、美容形成外科手術を含む手術、線維症、再灌流障害、または全身性サイ
トカイン損傷により損傷した組織の修復、置換または保護に使用され得る。
【0208】 本発明を使用して再生され得る組織は、器官(例えば、膵臓、肝臓、腸、腎臓
、皮膚、内皮)、筋肉組織(平滑筋、骨格筋、または心筋)、血管組織(血管内
皮を含む)、神経組織、造血組織および骨格組織(骨、軟骨、腱、および靭帯)
を含む。好ましくは、再生は、瘢痕なしで、または瘢痕が減少して起こる。再生
はまた新脈管形成を含み得る。
【0209】 さらに、TR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリヌクレオチドま
たはポリペプチドは、治癒が困難な組織の再生を増加させ得る。例えば、増加し
た腱/靭帯の再生は、損傷後の回復時間を速める。本発明のTR11、TR11
SV1またはTR11SV2ポリヌクレオチドまたはポリペプチドはまた、損傷
を避ける試みにおいて予防的に使用され得る。処置され得る特異的疾患は、腱炎
、 手根管症候群、および他の腱または靭帯の欠損を含む。非治癒性創傷の組織の再
生のさらなる例は、褥瘡性潰瘍、血管不全に伴う潰瘍、手術創傷および外傷損傷
を含む。
【0210】 同様に、神経組織および脳組織はまた、神経細胞を増殖および分化させるため
に、TR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリヌクレオチドまたはポ
リペプチドを使用して再生され得る。この方法を使用して処置し得る疾患は、中
枢および末梢神経系の疾患、神経障害、または機械的および外傷性障害(例えば
、脊髄障害、頭部外傷、脳血管性疾患および発作)を含む。詳細には、末梢神経
の損傷に関係する疾患、末梢神経障害(例えば、化学療法または他の医学療法か
ら生ずる)、局在的神経障害、および中枢神経系疾患(例えば、アルツハイマー
病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、およびシャイ−ド
レーガー症候群)は全て、TR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリ
ヌクレオチドまたはポリペプチドを使用して処置され得る。
【0211】 (走化性) TR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリヌクレオチドまたはポリ
ペプチドは、走化性活性を有し得る。走化性分子は、細胞(例えば、単球、線維
芽細胞、好中球、T細胞、肥満細胞、好酸球、上皮細胞および/または内皮細胞
)を炎症、感染、または過剰増殖部位のような体内の特定部位へ誘引または動員
する。次いで、動員される細胞は特定の外傷または異常を退治および/または治
癒し得る。
【0212】 TR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリヌクレオチドまたはポリ
ペプチドは、特定の細胞の走化性活性を増強し得る。次いで、これらの走化性分
子は、体内の特定の位置へと標的化される細胞の数を増加させることによって、
炎症、感染、過剰増殖障害、または任意の免疫系障害を処置するために使用され
得る。例えば、走化性分子は、免疫細胞を損傷した位置へと誘引することによっ
て、創傷および組織の他の外傷処置に使用され得る。走化性分子として、TR1
1、TR11SV1またはTR11SV2はまた、線維芽細胞を誘引し得た。こ
のことは、創傷の処置に使用され得る。
【0213】 TR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリヌクレオチドまたはポリ
ペプチドが走化性活性を阻害し得ることがまた、意図される。これらの分子はま
た、障害の処置に使用され得る。従って、TR11、TR11SV1またはTR
11SV2ポリヌクレオチドまたはポリペプチドは走化性のインヒビターとして
使用され得る。
【0214】 (投与の態様) 本明細書中で記載されたアゴニストまたはアンタゴニストは、インビトロ、エ
キソビボ、またはインビボで、本発明のレセプターを発現する細胞へ投与され得
る。「有効量」のアゴニストまたはアンタゴニストの投与によって、TNFファ
ミリーのリガンドに対する細胞の応答を増強または阻害するのに十分な量である
化合物の量が意図され、そしてポリペプチドを含む。特に、「有効量」のアゴニ
ストまたはアンタゴニストの投与によって、TR11、TR11SV1およびT
R11SV2レセプター媒介活性を増強または阻害するために有効な量が、意図
される。もちろん、細胞の増殖および/または分化が増強される場合、本発明に
よる、アゴニストは、TNFファミリーリガンドと共に同時投与され得る。当業
者は、アゴニストまたはアンタゴニストの有効量は、経験的に決定され得、そし
て純粋な形態または薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラッグの形態
で使用され得ることを認識する。アゴニストまたはアンタゴニストは、1つ以上
の薬学的に受容可能な賦形剤と組み合わせて組成物中で投与され得る。
【0215】 ヒトの患者に投与した場合、本発明の化合物および組成物の1日の全使用量は
堅実な医学的判断の範囲内で主治医により決定されることは、理解される。任意
の特定の患者に対する特異的な治療有効用量のレベルは、医療分野における周知
の要因に依存する。
【0216】 一般的提案として、一用量あたりの経口的に投与されるTR11、TR11S
V1またはTR11SV2ポリペプチドの全薬学的有効量は、上記に記したよう
に、これは治療的裁量がなされるが、患者の体重の約1μg/kg/日〜10m
g/kg/日の範囲である。より好ましくは、この用量は、少なくとも0.01
mg/kg/日、およびヒトに対して最も好ましくは、ホルモンについて約0.
01mg/kg/日と1mg/kg/日との間である。続けて与える場合、代表
的には、TR11、TR11SV1およびTR11SV2ポリペプチドは約1μ
g/kg/時間〜約50μg/kg/時間の用量速度で、1日あたり1から4回
の注入または継続的皮下注入(例えばミニポンプを用いる)により、投与される
。 静脈内用バッグ溶液もまた、使用され得る。
【0217】 本発明のTR11、TR11SV1およびTR11SV2レセプターポリペプ
チドを含む薬学的組成物は、経口的、直腸的、非経口的、槽内に(intrac
istemally)、膣内に、腹腔内に、局所的(散剤、軟膏、点滴剤、また
は経皮パッチによるような)、口腔または経口または鼻内スプレーとして、投与
され得る。「薬学的に受容可能なキャリア」により、任意の型の非毒性の固体、
半固体、または液体の充填剤、希釈剤、被包物質または処方補助剤が意味される
。本明細書で使用した用語「非経口」は、静脈内、筋肉内、腹腔内、槽内(in
trasternal)、皮下および関節内注射および注入を含む投与態様をい
う。
【0218】 本発明を一般に記載してきたが、本発明は、以下の実施例を参照すればより容
易に理解される。実施例は、例示として提供され、そして限定することは意図さ
れない。
【0219】 (実施例) (実施例1:E.coliにおけるTR8の発現および精製) 細菌性発現ベクターpQE60は、この実施例において、細菌性発現のために
使用される(QIAGEN,Inc.,9259 Eton Avenue,C
hatsworth,CA,91311)。pQE60はアンピシリン抗生物質
耐性(「Ampr」)をコードし、そして細菌性複製起点(「ori」)、IP TG誘導性プロモーター、リボソーム結合部位(RBS)、ニッケル−ニトリロ
−三酢酸(「Ni−NTA」)親和性樹脂固体(QIAGEN,Inc.,前出
による)を使用する親和性精製を可能にするヒスチジン残基をコードする6コド
ン、および適切な単一制限酵素切断部位を含む。これらのエレメントは、ポリペ
プチドをコードするDNAフラグメントが、ポリペプチドのカルボキシル基末端
に共有結合した6His残基(すなわち、「6× His タグ」)を有するポ
リペプチドを生成するといった方法で挿入され得るように、配置される。しかし
、この実施例において、ポリペプチドコード配列は6Hisコドンの翻訳が妨げ
られて、それ故、このポリペプチドが6× His タグなしで生産されるよう
に挿入される。
【0220】 あるいは、新しいpHE4シリーズの細菌性発現ベクター、特に、pHE4−
5ベクターはこの実施例において細菌性発現に対して使用され得る。別のORF
をコードする挿入物を含むpHE4−5/MPIFD23ベクタープラスミドD
NA(NdeIおよびAsp718隣接制限部位を用いて、当業者は、pHE4
−5ベクター内の無関係なORFを本発明のORFと置換するための現在の分子
生物技術を容易に使用できた)を1997年9月30日にアメリカンタイプカル
チャーコレクション,10801 University Boulevard
,Manassas,Virginia 20110−2209に寄託し、そし
て、ATCC受託番号209311が与えられた。この細菌性発現ベクターpH
E4−5は、選択のためのネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子、E.
coliの複製起点、T5ファージプロモーター配列、2つのlacオペレータ
ー配列、シャイン−ダルガーノ配列、およびラクトンオペロンリプレッサー遺伝
子(lacIq)を含む。pHE4−5ベクターのプロモーター配列およびオペ
レーター配列は合成によって作製した。核酸配列の合成生産は当該分野において
周知である(CLONETECH 95/96 Catalog,215−21
6頁、CLONETECH,1020 East Meadow Circle
,Palo Alto,CA 94303) 疎水性リーダー配列を欠損しているTR11タンパク質の所望される部分をコ
ードするDNA配列を、PCRオリゴヌクレオチドプライマーを使用して寄託し
たcDNAクローンから増幅する。このPCRオリゴヌクレオチドプライマーは
、TR11タンパク質の所望される部分のアミノ末端配列、およびcDNAをコ
ードする配列の3’側の寄託した構築物3’における配列にアニールする。pQ
E60ベクターにおけるクローニングを容易にするための制限部位を含むさらな
るヌクレオチドを、それぞれ5’配列および3’配列に付加する。
【0221】 TR1タンパク質の可溶性細胞外ドメインのクローニングにおいて、5’プラ
イマーは配列:5’−CGC CCA TGG CAG CGC CCC AC
C G−3’(配列番号10)を有する(下線部のNco I制限部位に続いて
図1Aおよび1B中のTR11配列の細胞外ドメインのアミノ末端コード配列と
相補的な13ヌクレオチド(配列番号1のヌクレオチド184〜195)を含む
)。当業者は、もちろん、タンパク質コード配列における5’プライマーが始ま
る点は、成熟型より短いかまたは長い完全なタンパク質の所望される部分を増幅
するために変更され得ることを認識する。可溶性細胞外ドメインに対する3’プ
ライマーは配列:5’CGC AAG CTT GGC TCT GCC GG
C G3’(配列番号11)を有する(下線部のHind III制限部位に続
いて、TR11レセプターの細胞外ドメインをコードする図1Aおよび1Bに示
されるヌクレオチド配列の細胞外ドメイン部分の3’末端と相補的な13ヌクレ
オチド(配列番号1におけるヌクレオチド590−602)を含む)。
【0222】 増幅されたTR11 DNAフラグメントおよびベクターpQE60を、Nc
oIおよびHindIIIを用いて消化し、次いで、消化されたDNAを共に連
結する。制限処理されたpQE60ベクター内へのTR11 DNAの挿入は、
TR11タンパク質コード領域を、IPTG誘導可能なプロモーターより下流に
、そして開始AUGを有するインフレームで配置する。
【0223】 連結混合液を、Sambrookら、Molecular Cloning:
a Laboratory Manual、第2版;Cold Spring
Harbor Laboratory Press、Cold Spring
Harbor、NY(1989)に記載されているような標準的な方法を用いコ
ンピテントなE.coli細胞に形質転換する。lacリプレッサーを発現し、
そしてカナマイシン耐性(「Kanr」)を与えるプラスミドpREP4の多コ ピーを含むE.coli M15/rep4株を、本明細書に記載した例示的な
実施例を実行するために用いる。TR11タンパク質を発現するために適切であ
る多くの株のうちの1つであるこの株は、QIAGEN,Inc.、前出から市
販されている。形質転換体を、アンピシリンおよびカナマイシンの存在下で、L
Bプレート上で増殖する能力により同定する。プラスミドDNAを、耐性コロニ
ーから単離し、そしてクローニングされたDNAの同一性を、制限分析、PCR
およびDNA配列決定により確認した。
【0224】 所望の構築物を含むクローンを、アンピシリン(100μg/ml)およびカ
ナマイシン(25μg/ml)の両方を補充したLB培地中で、液体培養で1晩
(「O/N」)増殖させる。O/N培養物を、約1:25〜1:250の希釈で
、大規模培養に播種するために用いる。細胞を、光学濃度600nm(「OD6
00」)で0.4と0.6との間まで増殖する。次いで、イソプロピル−b−D
−チオガラクトピラノシド(「IPTG」)を、lacIリプレッサーを不活性
化することにより、lacリプレッサー感受性プロモーターから転写を誘導する
ために、最終濃度1mMに加える。引き続き細胞を、さらに3〜4時間インキュ
ベートする。次いで、細胞を、遠心分離により収集する。
【0225】 次に、6Mグアニジン−HCl(pH8)中で、4℃で3〜4時間、細胞を攪
拌する。遠心分離により、細胞破片を除去し、そしてTR11細胞外ドメインポ
リペプチドを含む上清を200mM NaClを補充した50mM酢酸ナトリウ
ム緩衝液(pH6)に対して透析する。あるいは、プロテアーゼインヒビターを
含む500mM NaCl、20%グリセロール、25mM Tris/HCl
(pH7.4)に対して透析することにより、タンパク質を首尾よく再び折り畳
み得る。再生後、イオン交換、疎水性相互作用およびサイズ排除クロマトグラフ
ィーにより、タンパク質を精製し得る。あるいは、純粋なTR11細胞外ドメイ
ンポリペプチドを得るために、抗体カラムのような親和性クロマトグラフィーの
工程を使用し得る。精製タンパク質を4℃で貯蔵するか、または−80℃で冷凍
する。
【0226】 類似のアプローチが、E.coliでTR11SV1およびTR11SV2を
発現するためのpQE60を基にした細菌発現構築物を産生するために容易に設
計され得、そして利用され得ることを、当業者は理解する。これは、TR11S
V1およびTR11SV2に対する特異的遺伝子配列と組み合わせた類似の制限
エンドヌクレアーゼ認識配列を含むPCRプライマーを設計すること、および上
記のように進行することにより行なわれる。
【0227】 (実施例2(a):バキュロウイルス発現系におけるTR11タンパク質の可
溶性フラグメントのクローニングおよび発現) 本実施例において、プラスミドシャトルベクターpA2GPを用いて、天然に
結合した分泌シグナル(リーダー)配列を欠損している、図1Aおよび1Bに示
したTR11レセプタータンパク質の成熟細胞外ドメインをコードするクローニ
ングされたDNAをバキュロウイルス内に挿入した。バキュロウイルスリーダー
およびSummersら、A Manual of Methods for
Baculovirus Vectors and Insect Cell
Culture Procedures、Texas Agricultura
l Experimental Station Bulletin No.1
555(1987)に記載のような標準的な方法を用いて、このタンパク質を発
現した。この発現ベクターは、Autographa californica
核多角体病(nuclear polyhedrosis)ウイルス(AcMN
PV)の強力なポリヘドリン(polyhedrin)プロモーターに続いて、
バキュロウイルスgp67タンパク質の分泌シグナルペプチド(リーダー)およ
びBamHI、XbaIおよびAsp718のような簡便な制限部位を含む。効
率的なポリアデニル化のために、シミアンウイルス40(「SV40」)のポリ
アデニル化部位を用いる。組換えウイルスの容易な選択のために、プラスミドは
、同じ方向で弱いDrosophilaプロモーターの制御下で、E.coli
由来のβガラクトシダーゼ遺伝子、続いて、ポリヘドリン遺伝子のポリアデニル
化シグナルを含む。クローニングされたポリヌクレオチドを発現する生存能力の
あるウイルスを産生するために、挿入遺伝子を、野生型ウイルスDNAを有する
細胞媒介相同組換えのためのウイルス配列に両側で隣接させた。
【0228】 当業者が容易に理解するように、構築物が必要とされるシグナルペプチドおよ
びインフレームAUGを含む転写、翻訳、分泌などのための適切に配置されたシ
グナルを提供する限りは、多くの他のバキュロウイルスベクターが、上記のベク
ター(例えば、pAc373、pVL941、およびpAcIM1)の代わりに
用いられ得る。このようなベクターは、例えば、Luckowら、Virolo
gy 170:31〜39に記載される。
【0229】 寄託されたクローン(ATCC受託番号209340)におけるTR11レセ
プタータンパク質のリーダー(図1Aおよび1Bに示されるアミノ酸1〜162
)を有する本質的に細胞外のドメインをコードするcDNA配列を、この遺伝子
の関連のある5’および3’配列に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマ
ーを用いて増幅する。上記の5’プライマーは、下線部のBamHI制限酵素部
位、Kozak,M、J.Mol.Biol.196:947〜950(198
7)により記載された、真核細胞における翻訳の開始のために効率的なシグナル
を含む配列:5−CGC GGA TCC CAG CGC CCC ACC
G−3’(配列番号12)に続いて、図1Aおよび1Bにおいて示されるTR1
1タンパク質の配列をコードする13塩基(配列番号1におけるヌクレオチド1
93〜205)を有する。3’プライマーは、下線部のAsp718制限部位を
含む配列:5’CGC GGT ACC GGC TCT GCC GGC G
−3’(配列番号13)に続き、図1Aおよび1Bにおける配列(配列番号1に
おけるヌクレオチド590〜602)をコードしている配列に相補的な13ヌク
レオチドを有する。
【0230】 市販のキット(「Geneclean」BIO 101 Inc.,La J
olla,Ca)を用いて増幅したフラグメントを1%アガロースゲルから単離
した。次いで、BamHIおよびAsp718で、このフラグメントを消化し、
そして1%アガロース上で精製した。このフラグメントを、本明細書において「
F1」と命名する。
【0231】 プラスミドを、制限酵素BamHIおよびAsp718で消化し,そして子牛
腸ホスファターゼを用いて脱リン酸化する。次いで、市販のキット(「Gene
clean」BIO 101 Inc.,La Jolla,CA)を用いて、
1%アガロースゲルからDNAを単離する。このベクターDNAを、本明細書中
で「V1」と命名する。
【0232】 フラグメントF1および脱リン酸化プラスミドV1を、T4 DNAリガーゼ
と共に連結する。E.coli HB101細胞を、連結混合液で形質転換し、
そして培養プレート上に広げる。XL−1 Blue(Stratagene
Cloning Systems,La Jolla,CA)のような別の適切
なE.coli宿主もまた使用し得る。PCR方法を用いてヒトTR11配列を
有するプラスミドを含む細菌を同定する、ここで、上記のプライマーの1つを用
いて、遺伝子を増幅し、そして第2のプライマーはベクター内のウェルに由来し
、その結果、TR11遺伝子フラグメントを含む細菌コロニーだけがDNA増幅
を示す。DNA配列決定によりクローニングされたフラグメントの配列を確認す
る。このプラスミドを、本明細書中でpBacTR11−Tと命名する。
【0233】 Felgnerら、Proc.Natl.Acad.USA 84:7413
〜7417(1987)に記載されたリポフェクチン法を用いて、1.0μgの
市販されている直鎖状バキュロウイルスDNA(「BaculoGold ba
culovirus DNA」、Pharmingen,San Diego,
CA.)で、5μgのpBaqTR11−Tを同時トランスフェクトする。1μ
gのBaculoGoldウイルスDNAおよび5μgのプラスミドpBacT
R11−Tを、50μlの無血清グレース培地(Life Technolog
ies Inc.,Gaithersburg,MD)を含むマイクロタイター
プレートの滅菌ウェルで混合する。後で、10μlのリポフェクチンおよび90
μlのグレース培地を添加し,混合し,そして室温で15分間インキュベートす
る。次いで、トランスフェクション混合物を、Sf9昆虫細胞(ATCC CR
L 1711)を播種した1mlの無血清グレース培地を含む35mm組織培養
プレートに滴下により添加する。プレートを新たな添加溶液を混合するために後
ろに傾ける。次いで、プレートを27℃で5時間インキュベートする。5時間後
、トランスフェクション溶液をプレートから除去し、そして10%ウシ胎児血清
で補充された1mlのグレース昆虫培地を添加する。プレートを、インキュベー
ターに戻し、そして培養を27℃で4日間続ける。
【0234】 4日後、上清を収集し、そしてSummersおよびSmith(前出)によ
る記載と同様にプラークアッセイを行った。青色染色されたプラークを産生する
ゲル発現クローンの容易な同定および単離を可能にするために、「Blue G
al」(Life Technologies Inc.,Gaithersb
urg)を有するアガロースゲルを用いた。(この型の「プラークアッセイ」の
詳細な説明はまた、Life Technologies Inc.、Gait
hersburg、で配布される昆虫細胞培養およびバキュロウイルス学の使用
者ガイド(9〜10頁)においても見い出され得る)。適切なインキュベーショ
ン後,青色染色されたプラークを、マイクロピペッター(例えば,エッペンドル
フ)のチップで突く。次いで、組換えウイルスを含む寒天を、200μlのグレ
ース培地を含む微量遠心管中に再懸濁し、そして組換えバキュロウイルスを含む
上清を用いて、35mmディッシュに播種されたSf9細胞に感染させる。4日
後、これらの培養ディッシュの上清を収集し、次いでそれらを4℃で保存する。
組換えウイルスを、V−TR11−Tと呼ぶ。
【0235】 使用した遺伝子の発現を確認するために、Sf9細胞を、10%熱不活化FB
Sを補充したグレース培地中で増殖させる。細胞を、約2の感染多重度(「MO
I」)で組換えバキュロウイルスV−TR11Tで感染させる。6時間後、その
培地を除去し、そしてメチオニンおよびシステインを除いたSF900 II培
地(Life Technologies Inc.,Rockville,M
Dから市販されている)に置き換える。42時間後、5Ciの35S−メチオニン
および5Ciの35S−システイン(Amershamから市販されている)を、
タンパク質を放射性標識するために添加する。細胞をさらに16時間インキュベ
ートし、次いで細胞を遠心分離により収集する。上清中のタンパク質ならびに細
胞内タンパク質を、SDS−PAGEにより分析し、続いてオートラジオグラフ
ィーを行なう。精製タンパク質のアミノ末端のアミノ酸配列の微量配列決定を、
成熟タンパク質のアミノ末端配列ならびに、次いで分泌シグナルペプチド切断点
および長さを決定するために使用する。
【0236】 (実施例2(b) バキュロウイルス発現系におけるTR11タンパク質の
全長遺伝子のクローニングおよび発現) 実施例2(a)に記載のTR11レセプターの短縮型のクローニングおよび発
現と同様に、図1Aおよび1B(配列番号2)に記載の全長TR11レセプター
を発現する組換えバキュロウイルスを作製した。
【0237】 この実施例において、プラスミドシャトルベクターpA2を使用して、天然に
結合した分泌シグナル(リーダー)配列を含む完全なタンパク質をコードする、
クローニングされたDNAを、成熟TR11タンパク質を発現するためにバキュ
ロウイルス内に挿入する。pA2ベクターの他の特質は、実施例2(a)で使用
されたpA2GPベクターに関して記載する。
【0238】 図1Aおよび1B(配列番号2)に示したAUG開始コドンおよび天然に結合
したリーダー配列を含む蓄積されたクローンにおける全長TR11タンパク質を
コードするcDNA配列を、遺伝子の5’および3’配列に対応するPCRオリ
ゴヌクレオチドプライマーを用いて増幅する。上記の5’プライマーは、下線部
のBamHI制限酵素部位、Kozak,M.,J.Mol.Biol.196
:947〜950に記載されるように真核細胞(イタリック体で)において転写
の開始のための効率的なシグナルを含む配列:5−CGC GGA TCC
CG CCA TCA TGG CAC AGC ACG GGG CG−3’
(配列番号14)に続いて、図1Aおよび1Bに示したTR11タンパク質をコ
ードする配列の16塩基(配列番号1におけるヌクレオチド118〜135)を
有する。本目的のための適切な3’プライマーは、下線部のAsp718制限部
位を含む配列:5’CGC GGT ACC CAC CCA CAG GTC
TCC C−3’(配列番号15)に続いて、図1Aおよび1Bにおいてコー
ドする配列に相補的な16ヌクレオチド(配列番号1におけるヌクレオチド80
4〜819)を有する。
【0239】 増幅されたフラグメントを単離し、プラスミドpBacTR11を作製するた
めに実施例2(a)に記載するように制限酵素で消化する。
【0240】 5μgのpBacTR11を、全量200μlの無血清培地中で、1μgのB
aculoGold(Pharmingen)ウイルスDNAおよび10μlの
リポフェクチン(Life Technologies,Inc.)と共に同時
トランスフェクトする。感染後(pi)4〜5日で、初代のウイルスを収集し、
そしてプラークアッセイに用いる。プラーク精製されたウイルスを、実施例2(
a)に記載のように、引き続き増幅し、そして凍結する。
【0241】 発現タンパク質を放射性標識するために、Sf9細胞を、0.5×106細胞 /mlを含む2.0mlの細胞懸濁液を用い、12ウェルディッシュに播種し、
そして4時間付着させる。細胞を感染するために1〜2のMOIで、組換えバキ
ュロウイルスを用いる。4時間後、培地を、メチオニンおよびシステインを欠い
た1.0mlの無血清培地(−Met/−Cys)で置換する。pi3日で、培
養培地を、2μCiの各[35S]−Metおよび[35S]−Cysを含む0.5
mlの−Met/−Cysで置換する。16時間細胞を標識し、その後、培養培
地を取り除き、そして遠心分離により明澄化する(上清)。0.2mlの溶解緩
衝液(20mM HEPES pH7.9;130mM NaCl;0.2mM
EDTA;0.5mM DTTおよび0.5% vol/vol NP−40
)の添加により、ディッシュ中で細胞を溶解し、次いで、dH2Oで1.0ml まで希釈する(細胞抽出物)。それぞれ30μlの上清および細胞抽出物を、1
5%SDS−PAGEにより分離する。タンパク質ゲルを染色し、脱色し、増幅
し、乾燥し、そしてオートラジオグラフィーを行なう。組換えタンパク質に一致
する標識化バンドは、16〜72時間の露光後に現れる。
【0242】 当業者は、類似のアプローチが、pA2GP−およびpA2−に基づくバキュ
ロウイルス発現構築物を、昆虫細胞でのTR11SV1およびTR11SV2の
発現のために作製するために容易に設計され得、そして利用され得ることを理解
する。これは、TR11SV1およびTR11SV2の遺伝子特異的配列と結合
した類似の制限エンドヌクレアーゼ認識配列を含むPCRプライマーを設計する
こと、および上記のように進行することにより行なわれる。
【0243】 (実施例3:哺乳動物細胞におけるTR11のクローニングおよび発現) 代表的な哺乳動物発現ベクターは、mRNAの転写の開始を媒介するプロモー
ターエレメント、タンパク質コード配列、ならびに転写の終結および転写物のポ
リアデニル化のために必要とされるシグナルを含む。さらなるエレメントは、エ
ンハンサー、Kozak配列およびRNAスプライシングのためのドナーおよび
アクセプター部位に隣接した介在配列を含む。高度に効率的な転写は、SV40
由来の初期および後期プロモーター、レトロウイルス由来の長末端配列(LTR
S)(例えば、RSV、HTLVI、HIVI)、およびサイトメガロウイルス
(CMV)の初期プロモーターを用いて、達成される。しかし、細胞性エレメン
トもまた、使用され得る(例えば、ヒトアクチンプロモーター)。本発明を実行
するために使用するための適切な発現ベクターは、例えば、PSVLおよびPM
SG(Pharmacia,Uppsala,Sweden)、pRSVcat
(ATCC 37152)、pSV2dhfr(ATCC 37146)および
pBC12MI(ATCC 67109)のようなベクターを含む。使用され得
る哺乳動物宿主細胞は、ヒトHeLa293、H9およびJurkat細胞、マ
ウスNIH3T3およびC127細胞、Cos1、Cos7およびCV1、ウズ
ラQC1−3細胞、マウスL細胞およびチャイニーズハムスター卵巣(CHO)
細胞を含む。
【0244】 あるいは、遺伝子は、染色体内に組み込まれた遺伝子を含む安定細胞株におい
て発現され得る。dhfr、gpt、ネオマイシン、またはハイグロマイシンの
ような選択マーカーとの同時トランスフェクションは、トランスフェクトされた
細胞の同定および単離を可能にする。
【0245】 トランスフェクトされた遺伝子はまた、大量のコードされたタンパク質を発現
するために増幅され得る。DHFR(ジヒドロ葉酸レダクターゼ)マーカーは、
目的の遺伝子の数百またはさらに数千のコピーを保持する細胞株を開発するため
に有用である。他の有用な選択マーカーは、酵素グルタミンシンテース(GS;
Murphyら、Biochem J.227:277〜279(1991);
Bebbingtonら、Bio/Technology 10:169〜17
5(1992))である。これらのマーカーを用いて、哺乳動物細胞を、選択的
な培地中で増殖し、そして最高の耐性を有する細胞を選択する。これらの細胞株
は、染色体内に組み込まれた増幅された遺伝子を含む。チャイニーズハムスター
卵巣(CHO)およびNSO細胞を、しばしばタンパク質の産生のために使用す
る。
【0246】 発現ベクターpC1およびpC4は、ラウス肉腫ウイルスの強力なプロモータ
ー(LTR)(Cullenら、Molecular and Cellula
r Biology、438447(1995年3月)およびCMVエンハンサ
ーのフラグメント(Boshartら、Cell 41:521〜530(19
85))を含む。多重クローニング部位(例えば、制限酵素切断部位BamHI
、XbaIおよびAsp718を有する)は、目的の遺伝子のクローニングを容
易にする。ベクターは、さらに3’イントロン、ラットプレプロインシュリン遺
伝子のポリアデニル化および終結シグナルを含む。
【0247】 (実施例3(a) COS細胞におけるクローニングおよび発現) 発現ベクターpcDNAI/AmpまたはpcDNAIII(Invitro
gen,Inc.より得られ得る)内にTR11タンパク質の可溶性細胞外部分
をコードするcDNAをクローニングすることにより、発現プラスミドであるp
TR11HAを作製する。
【0248】 発現ベクターpcDNAI/ampは、以下を含む:(1)E.coliおよ
び他の原核細胞における増殖に効率的なE.coli複製起点;(2)プラスミ
ドを含む原核細胞の選択のためのアンピシリン耐性遺伝子;(3)真核細胞にお
ける増殖のためのSV40複製起点;(4)CMVプロモーター、ポリリンカー
、SV40イントロン;(5)ヘマグルチニンフラグメントをコードするいくつ
かのコドン(すなわち、精製を容易にするための「HA」タグ)、続いて、cD
NAがCMVプロモーターの発現制御の下に都合よく配置され得、そしてポリリ
ンカーにおける制限部位によりSV40イントロンおよびポリアデニル化シグナ
ルに作動可能に連結され得るように配置された終結コドンおよびポリアデニル化
シグナル。HAタグは、Wilsonら、Cell 37:767(1984)
により記載されたインフルエンザヘマグルチニンタンパク質由来のエピトープに
一致する。標的タンパク質へのHAタグの融合は、HAエピトープを認識する抗
体を用いて組換えタンパク質の容易な検出および回収を可能にする。pcDNA
IIIは、さらにネオマイシン選択マーカーを含む。
【0249】 TR11タンパク質をコードするDNAフラグメントを、組換えタンパク質の
発現が、CMVプロモーターにより支配されるように、ベクターのポリリンカー
領域内にクローニングする。プラスミド構築ストラテジーは、以下である。寄託
されたクローンのTR11cDNAを、上記のE.coliにおけるTR11の
発現のためのベクターの構築とほとんど同じに、都合のよい制限部位を含むプラ
イマーを用いて増幅する。本実施例で使用される適切なプライマーは、以下であ
る。下線部のBamHI部位、Kozak配列(イタリック体で)、AUG開始
コドンおよび完全なTR11の5’コード領域の13のさらなるコドンを含む5
’プライマーは、以下の配列を有する:5’−CGC GGA TCC GCC
ATC ATG CAG CGC CCC ACC G−3’(配列番号16
)。3’プライマーは、下線部のXbaI制限部位に続く、停止コドン、6×ヒ
スチジンタグをコードしている配列、および図1Aおよび1Bにおけるコード配
列(配列番号1におけるヌクレオチド590〜602)に相補的な15ヌクレオ
チドを含む配列:5’CGC TCT AGA TCA AGC GTA GT
C TGG GAC GTC GTA TGG GTA TTA GGC TC
T GCC GGC G−3’(配列番号17)を有する。
【0250】 PCR増幅されたDNAフラグメントおよびベクターであるpcDNAI/A
mpを、BamHIおよびXbaIで消化し、次いで連結する。連結混合液を、
E.coli SURE株(Stratagene Cloning Syst
ems,11099 North Torrey Pines Road,La
Jolla,CA 92037)に形質転換し、そして形質転換された培養物
を、アンピシリン培地プレート上に広げ、次いで、それをアンピシリン耐性コロ
ニーの増殖を可能にするためにインキュベートする。プラスミドDNAを、耐性
コロニーから単離し、そして制限分析または他の手段により、TR11コードフ
ラグメントの存在について調べる。
【0251】 組換えTR11の発現のために、COS細胞を、上記のように、例えば、Sa
mbrookら,Molecular Cloning:a Laborato
ry Manual,Cold Spring Laboratory Pre
ss,Cold Spring Harbor,New York(1989)
に記載のようにDEAE−DEXTRANを用いて、発現ベクターを用いてトラ
ンスフェクトする。細胞を、ベクターによるTR11の発現のための条件下でイ
ンキュベートする。
【0252】 TR11−HA融合タンパク質の発現を、放射標識化および免疫沈降法によっ
て、例えば、Harlowら,Antibodies:A Laborator
y Manual,第2版;Cold Spring Harbor Labo
ratory Press,Cold Spring Harbor,New
York(1988)に記載される方法を用いて検出する。このために、トラン
スフェクション2日後に、細胞を、35[S]−システインを含有する培地中で8
時間インキュベーションすることにより標識する。細胞および培地を回収し、そ
して細胞を、界面活性剤含有RIPA緩衝液(150mM NaCl、1% N
P−40、0.1% SDS、0.5% DOC、50mM TRIS(pH
7.5))で、Wilsonら、前出に記載の通りに洗浄および溶解する。タン
パク質を、細胞溶解物および培養培地から、HA特異的モノクローナル抗体を用
いて沈降させる。次いで、沈降したタンパク質を、SDS−PAGEおよびオー
トラジオグラフィーにより分析する。予測されたサイズの発現産物が細胞溶解物
中に見られ、これはネガティブコントロールには見られない。
【0253】 (実施例3(b):CHO細胞におけるクローニングおよび発現) ベクターpC4を、TR11タンパク質の発現のために使用する。プラスミド
pC4は、プラスミドpSV2−dhfr(ATCC受託番号37146)の誘
導体である。このプラスミドは、SV40初期プロモーターの制御下のマウスD
HFR遺伝子を含む。これらのプラスミドでトランスフェクトされるジヒドロ葉
酸活性を欠如するチャイニーズハムスター卵巣細胞または他の細胞は、化学治療
剤メトトレキサートを補充した選択培地(αマイナスMEM、Life Tec
hnologies)中で細胞を増殖させることによって選択され得る。メトト
レキサート(MTX)に耐性である細胞におけるDHFR遺伝子の増幅は、よく
考証されている(例えば、Alt,F.W.,Kellems,R.M.,Be
rtino,J.R.およびSchimke,R.T.,1978,J.Bio
l.Chem.253:1357−1370、Hamlin,J.L.およびM
a,C.1990,Biochem.et Biophys.Acta,109
7:107−143、Page,M.J.およびSydenham,M.A.,
1991,Biotechnology 9:64−68を参照のこと)。漸増
濃度のMTXにおける細胞増殖は、DHFR遺伝子の増幅の結果として、標的酵
素DHFRを過剰産生することによってこの薬物への耐性を発達させる。第二の
遺伝子がDHFR遺伝子に連結される場合、これは、通常、同時増幅され、そし
て過剰発現される。このアプローチが、1,000を越えるコピーの増幅遺伝子
を有する細胞株を開発するために用いられ得ることは当該分野で公知である。続
いて、メトトレキサートが取り除かれる場合、宿主細胞の1以上の染色体に組み
込まれた増幅遺伝子を含む細胞株が得られる。
【0254】 プラスミドpC4は、目的の遺伝子の発現のために、ラウス肉腫ウイルスの長
末端反復(LTR)の強力なプロモーター(Cullenら、Molecula
r and Cellular Biology,1985年3月:438−4
47)、およびヒトサイトメガロウイルス(CMV)の前初期遺伝子のエンハン
サー(Boshartら、Cell 41:521−530(1985))から
単離されたフラグメントを含む。プロモーターの下流は、遺伝子の組み込みを可
能にするBamHI、XbaIおよびAsp718の制限酵素切断部位である。
これらのクローニング部位の後ろに、プラスミドは、ラットプレプロインシュリ
ン遺伝子の3’イントロンおよびポリアデニル化部位を含む。他の高効率プロモ
ーターもまた、発現のために使用され得る(例えば、ヒトアクチンプロモーター
、SV40初期もしくは後期プロモーター、または他のレトロウイルス(例えば
、HIVおよびHTLVI)からの長末端反復)。ClontechのTet−
OffおよびTet−On遺伝子発現系および類似の系を用いて、哺乳動物細胞
において調節された方法でTR8タンパク質を発現し得る(Gossen,M.
およびBujard,H.1992,Proc.Natl.Acad.Sci.
USA 89:5547−5551)。mRNAのポリアデニル化のために、他
のシグナル(例えば、ヒト成長ホルモンまたはグロビン遺伝子由来)も同様に使
用され得る。染色体に組み込まれた目的の遺伝子を有する安定な細胞株もまた、
選択マーカー(例えば、gpt、G418、またはハイグロマイシン)との同時
トランスフェクトに基づいて選択され得る。最初は1より多くの選択マーカー(
例えば、G418およびメトトレキサート)を使用することが有利である。
【0255】 プラスミドpC4を制限酵素BamHIおよびAsp718で消化し、次いで
仔ウシ腸ホスファターゼを用いて、当該分野で公知の手順によって脱リン酸化す
る。次いで、ベクターを、1%アガロースゲルから単離する。
【0256】 そのリーダー配列を含む完全TR11タンパク質をコードするDNA配列を、
例えば、上記の実施例2に示したバキュロウイルスpAベクターにおけるクロー
ニングのために用いた5’プライマーおよび3’プライマーと同じ配列を有する
遺伝子の5’配列および3’配列に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマ
ーを用いて増幅する。
【0257】 増幅したフラグメントを、エンドヌクレアーゼBamHIおよびAsp718
で消化し、次いで1%アガロースゲルで再び精製する。次いで、単離したフラグ
メントおよび脱リン酸化ベクターをT4 DNAリガーゼを用いて連結する。次
いで、E.coli HB101細胞またはXL−1 Blue細胞を形質転換
し、そして例えば、制限酵素分析を用いてプラスミドpC4に挿入されたフラグ
メントを含む細菌を同定する。
【0258】 活性なDHFR遺伝子を欠如するチャイニーズハムスター卵巣細胞を、トラン
スフェクションのために使用する。5μgの発現プラスミドpC4を、リポフェ
クチン法(Felgnerら、前出)を用いて、0.5μgのプラスミドpSV
2−neoとともに同時トランスフェクトする。プラスミドpSV2neoは、
優性選択マーカー(G418を含む一群の抗生物質への耐性を与える酵素をコー
ドするTn5由来のneo遺伝子)を含む。細胞を、1mg/mlのG418を
補充したαマイナスMEMに播種する。2日後、細胞をトリプシン処理し、ハイ
ブリドーマクローニングプレート(Greiner,Germany)中の、1
0、25または50ng/mlのメトトレキサートおよび1mg/mlのG41
8を補充したαマイナスMEM中に播種する。約10〜14日後、単一のクロー
ンをトリプシン処理し、次いで種々の濃度のメトトレキサート(50nM、10
0nM、200nM、400nM、800nM)を用いて、6ウェルペトリ皿ま
たは10mlフラスコに播種する。次いで、最高濃度のメトトレキサートで増殖
するクローンを、さらに高濃度のメトトレキサート(1μM、2μM、5μM、
10mM、20mM)を含む新たな6ウェルプレートに移す。同じ手順を、10
0〜200μMの濃度で増殖するクローンが得られるまで繰り返す。所望の遺伝
子産物の発現を、例えば、SDS−PAGEおよびウエスタンブロット分析、ま
たは逆相HPLC分析によって分析する。
【0259】 当業者は、類似のアプローチが容易に設計および利用されて、哺乳動物細胞に
おけるTR11SV1およびTR11SV2の発現のためにpcDNAIIIベ
ースのおよびpC4ベースの細菌性発現構築物を生成し得ることを認識する。こ
れは、TR11SV1およびTR11SV2についての遺伝子特異的配列と組み
合わせた、類似の制限エンドヌクレアーゼ認識配列を含有するPCRプライマー
を設計し、そして上記のように手続きすることによりなされる。
【0260】 (実施例4:TR11、TR11SV1、およびTR11SV2 mRNA発
現の組織分布) ノーザンブロット分析を、ヒト組織におけるTR11、TR11SV1、およ
びTR11SV2遺伝子発現を調べるために、特に、上記のSambrookら
により記載される方法を用いて行う。TR11、TR11SV1、およびTR1
1SV2タンパク質のヌクレオチド配列全体を含有するcDNAプローブ(それ
ぞれ、配列番号1、配列番号3、および配列番号5)を、32Pを用いて、red
iprime DNA標識システム(Amersham Life Scien
ce)を用いて製造者の説明書に従って標識する。標識後、プローブを、CHR
OMA SPIN−100カラム(Clontech Laboratorie
s,Inc.)を用いて、製造者のプロトコル番号PT1200−1に従って精
製する。次いで、精製した標識プローブを用いて、種々のヒト組織を、TR11
、TR11SV1、およびTR11SV2 mRNAについて調べる。
【0261】 種々のヒト組織(H)またはヒト免疫系組織(IM)を含有する複数組織ノー
ザン(MTN)ブロットを、Clontechから入手し、そして標識プローブ
を用い、ExpressHybハイブリダイゼーション溶液(Clontech
)を用いて製造者のプロトコル番号PT1190−1に従って調べる。ハイブリ
ダイゼーションおよび洗浄の後、ブロットをフィルムに取り付け、そして−70
℃で一晩露光し、そしてフィルムを標準的手順に従って現像する。
【0262】 (実施例5(a):TR11−Fc(TR11−Ig融合タンパク質)の発現
および精製、ならびに切断されたTR11) 翻訳されたTR11レセプターの推定膜貫通ドメインを、非極性二重層貫通(
transbilayer)へリックスを同定するためにGoldmanら(A
nn.Rev.of Biophys.Biochys.Chem.15:32
1−353(1986))の方法を用いて、疎水性により決定する。推定リーダ
ーペプチドおよび細胞外ドメインをコードする、この膜貫通ドメインの上流領域
を、Fc融合タンパク質の生成のために選択する。プライマーを、寄託したクロ
ーンから対応するコード領域を、PCRによって増幅するように、Bgl II
部位、第Xa因子プロテアーゼ部位、およびAsp718部位を3’末端に付加
して設計する。これを、COSFclinkにクローン化してTR11−Fcl
inkプラスミドを得る。PCR産物を、EcoRIおよびAsp718で消化
し、そしてCOSFclinkプラスミド(Johansenら,J.Biol
.Chem.270:9459−9471(1995))に連結してTR11−
Fclinkを生成する。
【0263】 COS細胞を、TR11−Fclinkで一過性にトランスフェクトし、そし
て得られる上清を、プロテインAアガロースで免疫沈降する。ヤギ抗ヒトFc抗
体を用いての免疫沈降物のウェスタンブロット分析は、グリコシル化TR11−
Fcについて予測されたサイズ(65,940kDよりも大きい)と強力なバン
ドの一貫性を示す。15Lの一過性のCOSトランスフェクションを行い、得ら
れる上清を精製する。精製されたタンパク質を用いて、マウスを免疫し、続いて
mAbの生成のためにDNAを注射する。
【0264】 CHO細胞を、TR11−Fclinkでトランスフェクトして安定な細胞株
を生成する。5つの株を拡大のためにドットブロット分析により選択し、そして
シェーカーフラスコに適応させる。最大レベルのTR11−Fcタンパク質発現
を有する株を、ウェスタンブロット分析により同定する。この株の上清から精製
したTR11−Fcタンパク質を、フローサイトメトリーによる細胞結合研究の
ために、インタクトなタンパク質として、または第Xa因子切断およびビオチン
化後いずれかで用いる。
【0265】 当業者は、類似のアプローチが、Fc融合タンパク質としてTR11SV1お
よびTR11SV2の発現のための発現構築物を生成するために容易に設計およ
び利用され得ることを認識する。これは、TR11SV1およびTR11SV2
についての遺伝子特異的配列と組み合わせた、類似の制限エンドヌクレアーゼ認
識配列を含有するPCRプライマーを設計し、そして上記のように手続きするこ
とによりなされる。
【0266】 (実施例5(b):CHO E1A馴化培地からのTR11−Fcの精製、続
いてTR11の切断およびビオチン化) (アッセイ) 精製を通じての産物の純度を、還元条件下および非還元条件下で泳動した15
% Laemmli SDS−PAGEゲル上でモニタリングする。タンパク質
濃度を、配列から算出されたレセプターおよびキメラについてのA280推定消衰 係数によりモニタリングする。
【0267】 (TR11−Fc融合タンパク質のプロテインGクロマトグラフィー) 以下に記載する全ての工程を、4℃にて行う。15LのCHO馴化培地(CM
;細胞培養物中での採取後0.2μ濾過)を、199cm/時間の線形流速でプ
ロテインGの5×10cmカラムにアプライする。このカラムを、100mMグ
リシン(pH2.5)で予め洗浄し、そして20mMリン酸ナトリウム、150
mM塩化ナトリウム(pH7)で平衡化した後、サンプルを適用する。CMをロ
ードした後、カラムを5カラム容量の20mMリン酸ナトリウム、150mM塩
化ナトリウム(pH7)で洗浄し、そして100mMグリシン(pH2.5)で
溶出させる。溶出物を、3M Tris(pH8.5)で直ちに中和し、そして
0.2μで濾過する。
【0268】 (濃縮/透析) プロテインG溶出物を、30Kメンブレンを取り付けたAmicon攪拌セル
において約10倍に濃縮する。濃縮物を、緩衝液に対して透析する。
【0269】 (遊離のレセプターを生じるための第Xa因子切断および精製) TR11−Fcを、1:200のe:s比で50μgの第Xa因子に添加する
。この混合物を、4℃にて一晩インキュベートする。
【0270】 (遊離TR11レセプターのプロテインGクロマトグラフィー) プロテインGの1mlカラムを、重力流を用いる使い捨てカラムにおいて、2
0mMリン酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム(pH6.5)で平衡化す
る。切断されたレセプターを、このカラムに3回通し、その後、カラムを、A28 0 吸光度が見られなくなるまで20mMリン酸ナトリウム、150mM塩化ナト リウム(pH6.5)で洗浄する。このカラムを、2.5mlの100mMグリ
シン(pH2.5)で溶出させ、83μlの3M Tris(pH8.5)で中
和する。TR8は、非結合画分に溶出する。
【0271】 (濃縮) プロテインGカラムからの非結合画分を、Centricon 10Kセル(
Amicon)において、0.7のA280消衰係数により評価される約3.5m g/mlの最終濃度まで濃縮する。
【0272】 (Mono Sクロマトグラフィー) 濃縮サンプルを、20mMリン酸ナトリウム(pH6)を用いて5mlまで希
釈し、そして20mMリン酸ナトリウム(pH6)で平衡化した0.5×5cm
Mono Sカラムに、300cm/時の線形流速でアプライする。このカラ
ムを20mMリン酸ナトリウム(pH6)で洗浄し、そして20mMリン酸ナト
リウム(pH6)から20mMリン酸ナトリウム、1M塩化ナトリウム(pH6
)までの20カラム容量の線形勾配を用いて溶出させる。TR11タンパク質は
、非結合画分に溶出する。
【0273】 (濃縮/透析) Mono Sカラムからの非結合画分を、上記のようにCentricon
10Kセルを用いて1mlに濃縮し、そして20mMリン酸ナトリウム、150
mM塩化ナトリウム(pH7)に対して透析する。
【0274】 (ビオチン化) 約1〜2mg/mlの0.5mgのTR11を、100mMホウ酸塩(pH8
.5)に対して透析する。20倍モル過剰のNHS−LC Biotinを添加
し、そしてこの混合物をローテータで4℃にて一晩置く。ビオチン化TR11を
、20mMリン酸ナトリウム、150mM塩化ナトリウム(pH7)に対して透
析し、滅菌濾過し、そして−70℃にて保存する。ビオチン化を、ストレプトア
ビジンHRPでプローブしたウェスタンブロットにおいて行い、続いてECL試
薬で発色させる。
【0275】 (実施例6:TR11、TR11SV1、またはTR11SV2の染色体マッ
ピング) オリゴヌクレオチドプライマーセットを、配列番号1、配列番号3、または配
列番号5の5’末端の配列に従って設計する。このプライマーは、好ましくは、
約100ヌクレオチドにまたがる。次いで、このプライマーセットを、以下の設
定条件下でのポリメラーゼ連鎖反応において用いる:95℃にて30秒間;56
℃にて1分間;70℃にて1分間。このサイクルを32回繰り返し、その後、7
0℃にて5分間の1回のサイクルを行った。ヒト、マウス、およびハムスターの
DNAを、個々の染色体または染色体フラグメントを含有する体細胞ハイブリッ
ドパネル(Bios,Inc.)に加えて、テンプレートとして用いる。反応物
を、8%ポリアクリルアミドゲルまたは3.5%アガロースゲルのいずれかで分
析する。染色体マッピングは、特定の体細胞ハイブリッドにおける約100bp
のPCRフラグメントの存在により決定される。
【0276】 (実施例7:N末端および/またはC末端欠失変異体の構築) 以下の一般的アプローチを用いて、N末端またはC末端が欠失したTR11、
TR11SV1、TR11SV2欠失変異体をクローニングし得る。一般に、約
15〜25ヌクレオチドの2つのオリゴヌクレオチドプライマーは、配列番号1
(または、TR11SV1またはTR11SV2のN末端またはC末端欠失を構
築する場合はそれぞれ、配列番号3および5から)の所望の5’位置および3’
位置のポリヌクレオチドに由来する。当業者は、本実施例で概説した手順がまた
、TR11欠失の代わりにTR11SV1およびTR11SV2のN末端および
C末端欠失を生成するために容易に用いられ得ることを認識する。5’位置のプ
ライマーおよび3’位置のプライマーを、所望のTR11ポリヌクレオチドフラ
グメントに基づいて決定する。必要な場合は、開始コドンおよび停止コドンを、
それぞれ、5’プライマーおよび3’プライマーに付加して、ポリヌクレオチド
フラグメントによりコードされるTR11ポリペプチドフラグメントを発現する
。好ましいTR11ポリヌクレオチドフラグメントは、明細書の「ポリヌクレオ
チドおよびポリペプチドフラグメント」の節において上記で開示されたN末端お
よびC末端の欠失変異体をコードするポリヌクレオチドフラグメントである。
【0277】 所望のベクターにおいてTR11ポリヌクレオチドフラグメントのクローニン
グを促進する制限部位を含有するさらなるヌクレオチドもまた、5’プライマー
および3’プライマーの配列に付加され得る。TR11ポリヌクレオチドフラグ
メントを、ゲノムDNAから、または寄託されたcDNAクローンから、適切な
PCRオリゴヌクレオチドプライマーおよび本明細書中で考察したかまたは当該
分野で公知の条件を用いて増幅する。本発明のTR11ポリヌクレオチドフラグ
メントによりコードされるTR11ポリペプチドフラグメントは、全長ポリペプ
チドと同じ一般的な様式で発現および精製され得るが、特定のフラグメントと全
長ポリペプチドとの間の化学的および物理的特性の相違に起因して慣用的な改変
が必要であり得る。
【0278】 本発明を例示するための限定しない手段として、TR11ポリペプチドフラグ
メントR−59からP−162をコードするポリヌクレオチドを、以下の通りに
増幅およびクローニングする:制限酵素部位、続いてR−59で始まるポリペプ
チドフラグメントのN末端部分をコードするポリヌクレオチド配列とインフレー
ムな開始コドンを含有する5’プライマーを作製する。制限酵素部位、続いてP
−162で終わるTR11ポリペプチドフラグメントのC末端部分をコードする
ポリヌクレオチド配列とインフレームな停止コドンを含有する相補的な3’プラ
イマーを作製する。
【0279】 増幅したポリヌクレオチドフラグメントおよび発現ベクターを、プライマーに
おける部位を認識する制限酵素で消化する。次いで、消化したポリヌクレオチド
を、一緒に連結する。TR11ポリヌクレオチドフラグメントを、制限処理され
た発現ベクターに、好ましくはTR11ポリペプチドフラグメントコード領域を
プロモーターの下流に配置する様式で挿入する。連結混合物を、コンピテントE
.coli細胞に、標準的手順を用いて、および本明細書中の実施例に記載した
通りに形質転換する。プラスミドDNAを、耐性コロニーから単離し、そしてク
ローニングしたDNAの正体を、制限分析、PCR、およびDNA配列決定によ
り確認する。
【0280】 (実施例8:TR11、TR11SV1、またはTR11SV2のタンパク質
融合物) TR11、TR11SV1、またはTR11SV2ポリぺプチドを、好ましく
は、他のタンパク質に融合する。これらの融合タンパク質を、種々の適用につい
て使用し得る。例えば、TR11、TR11SV1、またはTR11SV2ポリ
ぺプチドの、Hisタグ、HAタグ、プロテインA、IgGドメイン、およびマ
ルトース結合タンパク質への融合は、精製を容易にする(実施例1を参照のこと
;EP A 394,827もまた参照のこと;Trauneckerら、Na
ture 331:84−86(1988))。同様に、IgG−1、IgG−
3、およびアルブミンへの融合は、インビボでの半減期を増大させる。TR11
、TR11SV1、またはTR11SV2ポリぺプチドに融合した核局在化シグ
ナルは、タンパク質を特定の細胞下局在に標的化し得る。一方、共有結合ヘテロ
ダイマーまたはホモダイマーは、融合タンパク質の活性を増大または減少させ得
る。融合タンパク質はまた、1つより多い機能を有するキメラ分子を作製し得る
。最後に、融合タンパク質は、非融合タンパク質と比較して、融合タンパク質の
可溶性および/または安定性を増大させ得る。上記の融合タンパク質の全ての型
は、ポリぺプチドのIgG分子への融合を概説する以下のプロトコル、または実
施例1に記載されるプロトコルを改変することによって作製され得る。
【0281】 手短には、IgG分子のヒトFc部分は、以下に記載の配列の5’末端および
3’末端にわたるプライマーを使用してPCR増幅され得る。これらのプライマ
ーはまた、発現ベクター(好ましくは、哺乳動物発現ベクター)へのクローニン
グを容易にする都合の良い制限酵素部位を有するべきである。
【0282】 例えば、pC4(受託番号第209646号)が使用される場合、ヒトFc部
分は、BamHIクローニング部位に連結され得る。3’BamHI部位が破壊
されるべきであることに注意のこと。次に、ヒトFc部分を含有するベクターが
、BamHIによって再び制限処理され、ベクターを線状化し、そしてTR11
、TR11SV1、またはTR11SV2ポリヌクレオチドが、このBamHI
部位に連結される。ポリヌクレオチドは、停止コドンなしにクローン化され、そ
うでなければ、融合タンパク質は産生されないことに注意すること。
【0283】 天然に存在するシグナル配列が分泌タンパク質を産生するために使用される場
合、pC4は、第二のシグナルペプチドを必要としない。あるいは、天然に存在
するシグナル配列が使用されない場合、ベクターは、異種シグナル配列を含むよ
うに改変され得る(例えば、WO96/34891を参照のこと)。
【0284】
【化13】 (実施例9:抗体の産生) 本発明の抗体は、種々の方法によって調製され得る。(Current Pr
otocols,第2章を参照のこと。)例えば、TR11、TR11SV1、
またはTR11SV2を発現する細胞は、ポリクローナル抗体を含む血清の産生
を誘導するために動物に投与される。好ましい方法において、TR11、TR1
1SV1、またはTR11SV2タンパク質の調製物が調製され、そして精製さ
れて、天然の夾雑物を実質的に含まないようにする。次いで、このような調製物
は、動物に導入されて、より大きな比活性のポリクローナル抗血清を生成する。
【0285】 最も好ましい方法において、本発明の抗体は、モノクローナル抗体(または、
そのタンパク質結合フラグメント)である。このようなモノクローナル抗体は、
ハイブリドーマ技術を使用して調製され得る(Koehlerら、Nature
256:495(1975);Koehlerら、Eur.J.Immuno
l.6:511(1976);Koehlerら、Eur.J.Immunol
.6:292(1976);Hammerlingら:Monoclonal
Antibodies and T−Cell Hybridomas,Els
evier,N.Y.、563−681頁(1981))。一般に、このような
手順は、動物(好ましくは、マウス)をTR11、TR11SV1、またはTR
11SV2ポリぺプチドで免疫すること、またはより好ましくは、分泌TR11
、TR11SV1、またはTR11SV2ポリぺプチド発現細胞での免疫を含む
。このような細胞は、任意の適切な組織培養培地において培養され得る;しかし
、10%ウシ胎仔血清(約56℃で非働化した)を補充し、そして約10g/l
の非必須アミノ酸、約1,000U/mlのペニシリン、および約100μg/
mlのストレプトマイシンを補充したEarle改変Eagle培地において細
胞を培養することが好ましい。
【0286】 このようなマウスの脾細胞は抽出され、そして適切なミエローマ細胞株と融合
される。任意の適切なミエローマ細胞株は、本発明に従って用いられ得る;しか
し、ATCCから入手可能な親ミエローマ細胞株(SP2O)を用いることが好
ましい。融合後、得られるハイブリドーマ細胞を、HAT培地において選択的に
維持し、次いでWandsら(Gastroenterology 80:22
5−232(1981))に記載されるように限界希釈によってクローニングす
る。このような選択によって得られるハイブリドーマ細胞は、次いでTR11、
TR11SV1、またはTR11SV2ポリぺプチドに結合し得る抗体を分泌す
るクローンを同定するためにアッセイされる。
【0287】 あるいは、TR11、TR11SV1、またはTR11SV2ポリぺプチドに
結合し得るさらなる抗体を、抗イディオタイプ抗体を使用して2段階工程の手順
において生成し得る。このような方法は、抗体それ自体が抗原であり、それゆえ
第二の抗体に結合する抗体を得ることが可能であるという事実を利用する。この
方法に従って、タンパク質特異的抗体が、動物(好ましくは、マウス)を免疫す
るために使用される。次いで、このような動物の脾細胞を使用して、ハイブリド
ーマ細胞を産生する。そして、ハイブリドーマ細胞をスクリーニングして、TR
11、TR11SV1、またはTR11SV2タンパク質特異的抗体に結合する
能力がTR11、TR11SV1、またはTR11SV2によってブロックされ
得る抗体を産生するクローンを同定する。このような抗体は、TR11、TR1
1SV1、またはTR11SV2タンパク質特異的抗体に対する抗イディオタイ
プ抗体を含み、そして動物を免疫してさらなるTR11、TR11SV1、また
はTR11SV2タンパク質特異的抗体の形成を誘導するために使用され得る。
【0288】 FabおよびF(ab’)2ならびに本発明の抗体の他のフラグメントは、本
明細書中で開示される方法に従って使用され得ることが理解される。このような
フラグメントは、代表的には、パパイン(Fabフラグメントを産生するため)
またはペプシン(F(ab’)2フラグメントを産生するため)のような酵素を
使用して、タンパク質分解性切断によって産生される。あるいは、分泌TR11
、TR11SV1、またはTR11SV2タンパク質結合フラグメントは、組換
えDNA技術の適用により、または合成化学により産生され得る。
【0289】 ヒトにおける抗体のインビボ使用のために、「ヒト化」キメラモノクローナル
抗体を使用することが好適であり得る。このような抗体は、上記のモノクローナ
ル抗体を産生するハイブリドーマ細胞に由来する遺伝的構築物を使用することに
よって産生され得る。キメラ抗体を産生するための方法は当該分野で公知である
。(総説については、Morrison,Science 229:1202(
1985);Oiら、BioTechniques 4:214(1986);
Cabillyら、米国特許第4,816,567号;Taniguchiら、
EP 171496;Morrisonら、EP 173494;Neuber
gerら、WO 8601533;Robinsonら、WO 8702671
;Boulianneら、Nature 312:643(1984);Neu
bergerら、Nature 314:268(1985)を参照のこと。) (実施例10:高処理能力スクリーニングアッセイのためのTR11、TR1
1SV1、またはTR11SV2タンパク質の産生) 以下のプロトコルは、実施例1および7で構築したTR11、TR11SV1
、またはTR11SV2ポリぺプチドの可溶性または細胞外部分を含有する、試
験されるべき上清を産生する。次いで、この上清は、以下の実施例に記載される
スクリーニングアッセイにおいて使用され得る。
【0290】 第一に、ポリ−D−リジン(644 587 Boehringer−Man
nheim)ストック溶液(PBS中に1mg/ml)を、PBS(カルシウム
もマグネシウムも含まない17−516F Biowhittaker)中で1
:20に希釈して、作業溶液50μg/mlにする。200μlのこの溶液を、
各ウェル(24ウェルプレート)に添加し、室温で20分間インキュベートする
。溶液を各ウェルにわたって分配させることを確実にする(注:12チャンネル
ピペッターは、1つおきのチャンネルにチップをつけて使用され得る)。ポリ−
D−リジン溶液を吸引除去し、そして1ml PBS(リン酸緩衝化生理食塩水
)でリンスする。PBSは、細胞をプレートする直前までウェル中に残すべきで
あり、そしてプレートは2週間前までに予めポリリジンでコーティングし得る。
【0291】 293T細胞(P+20を過ぎて細胞を保有しない)を、2×105細胞/ウ ェルで、0.5mlのDMEM(Dulbecco改変Eagle培地)(4.
5G/LのグルコースおよびL−グルタミン(12−604F Biowhit
taker)を含む)/10%熱非働化FBS(14−503F Biowhi
ttaker)/1×Penstrep(17−602E Biowhitta
ker)中にプレートする。細胞を一晩増殖させる。
【0292】 翌日、滅菌溶液容器(basin)中で、300μlリポフェクトアミン(1
8324−012 Gibco/BRL)および5ml Optimem I(
31985070 Gibco/BRL)/96ウェルプレートを、一緒に混合
する。小容量のマルチチャンネルピペッターを用いて、実施例8〜10に記載す
る方法によって産生されたポリヌクレオチド挿入物を含有する約2μgの発現ベ
クターを、適切に標識された96ウェルの丸底プレート中にアリコートする。マ
ルチチャンネルピペッターを用いて、50μlのリポフェクトアミン/Opti
mem I混合物を各ウェルに添加する。ピペットで緩やかに吸い上げたり下げ
たりして混合する。室温で15〜45分間インキュベートする。約20分後、マ
ルチチャンネルピペッターを使用して150μlのOptimem Iを各ウェ
ルに添加する。コントロールとして、挿入物を欠失するベクターDNAの1つの
プレートは、トランスフェクションの各セットでトランスフェクトされるべきで
ある。
【0293】 好ましくは、トランスフェクションは、以下の作業をタッグチームを組んで(
tag−teaming)行うべきである。タッグチームを組むことによって、
時間に関する労力は半減され、そして細胞にはPBS上であまり多くの時間を過
ごさせない。まず、Aさんは、培地を細胞の4つの24ウェルプレートから吸引
除去し、次いでBさんが0.5〜1mlのPBSで各ウェルをリンスする。次い
で、Aさんは、PBSリンスを吸引除去し、そしてBさんは、チャンネル1つお
きにチップのついた12チャンネルピペッターを使用して、200μlのDNA
/リポフェクトアミン/Optimem I複合体を、まず奇数のウェルに、次
いで偶数のウェルにと、24ウェルプレート上の各列に添加する。37℃で6時
間インキュベートする。
【0294】 細胞をインキュベートする間に、1×ペンストレップ(penstrep)を
有するDMEM中の1%BSAか、またはHGS CHO−5培地(116.6
mg/LのCaCl2(無水物);0.00130mg/L CuSO4−5H2 O;0.050mg/LのFe(NO33−9H2O;0.417mg/LのF eSO4−7H2O;311.80mg/LのKCl;28.64mg/LのMg
Cl2;48.84mg/LのMgSO4;6995.50mg/LのNaCl;
2400.0mg/LのNaHCO3;62.50mg/LのNaH2PO4−H2 O;71.02mg/LのNa2HPO4;0.4320mg/LのZnSO4− 7H2O;0.002mg/Lのアラキドン酸;1.022mg/Lのコレステ ロール;0.070mg/LのDL−α−酢酸トコフェロール;0.0520m
g/Lのリノール酸;0.010mg/Lのリノレン酸;0.010mg/Lの
ミリスチン酸;0.010mg/Lのオレイン酸;0.010mg/Lのパルミ
トオレイン酸(palmitric acid);0.010mg/Lのパルミ
チン酸;100mg/LのPluronic F−68;0.010mg/Lの
ステアリン酸;2.20mg/LのTween80;4551mg/LのD−グ
ルコース;130.85mg/mlのL−アラニン;147.50mg/mlの
L−アルギニン−HCl;7.50mg/mlのL−アスパラギン−H2O;6 .65mg/mlのL−アスパラギン酸;29.56mg/mlのL−シスチン
2HCl−H2O;31.29mg/mlのL−シスチン−2HCl;7.35 mg/mlのL−グルタミン酸;365.0mg/mlのL−グルタミン;18
.75mg/mlのグリシン;52.48mg/mlのL−ヒスチジン−HCl
−H2O;106.97mg/mlのL−イソロイシン;111.45mg/m lのL−ロイシン;163.75mg/mlのL−リジンHCl;32.34m
g/mlのL−メチオニン;68.48mg/mlのL−フェニルアラニン;4
0.0mg/mlのL−プロリン;26.25mg/mlのL−セリン;101
.05mg/mlのL−スレオニン;19.22mg/mlのL−トリプトファ
ン;91.79mg/mlのL−チロシン(Tryrosine)−2Na−2
2O;99.65mg/LのL−バリン;0.0035mg/Lのビオチン; 3.24mg/LのD−Caパントテン酸;11.78mg/Lの塩化コリン;
4.65mg/Lの葉酸;15.60mg/Lのi−イノシトール;3.02m
g/Lのナイアシンアミド;3.00mg/LのピリドキサールHCl;0.0
31mg/LのピリドキシンHCl;0.319mg/Lのリボフラビン;3.
17mg/LのチアミンHCl;0.365mg/Lのチミジン;0.680m
g/LのビタミンB12;25mMのHEPES緩衝剤;2.39mg/LのNa
ヒポキサンチン;0.105mg/Lのリポ酸;0.081mg/Lのプトレシ
ンナトリウム−2HCl;55.0mg/Lのピルビン酸ナトリウム;0.00
67mg/Lの亜セレン酸ナトリウム;20μMのエタノールアミン;0.12
2mg/Lのクエン酸第二鉄;41.70mg/Lのリノール酸と複合体化した
メチル−B−シクロデキストリン;33.33mg/Lのオレイン酸と複合体化
したメチル−B−シクロデキストリン;ならびに10mg/Lの酢酸レチナール
と複合体化したメチル−B−シクロデキストリン)のいずれかの適切な培地を調
製する。モル浸透圧濃度327mOsm)に2mmグルタミンおよび1×ペンス
トレップで調整する。(10%BSAストック溶液のために、1L DMEM中
にBSA(81−068−3 Bayer) 100gを溶解する)。培地を濾
過し、そして50μlを内毒素アッセイのために15mlポリスチレンコニカル
中に収集する。
【0295】 トランスフェクション反応を、好ましくはタッグチームを組んでインキュベー
ション時間の終わりに終結させる。Aさんは、トランスフェクション培地を吸引
除去し、その間Bさんは、1.5mlの適切な培地を各ウェルに添加する。使用
された培地に依存して45または72時間、37℃でインキュベートする:1%
BSAは45時間、またはCHO−5は72時間。
【0296】 4日目に、300μlのマルチチャンネルピペッターを使用して、600μl
を1mlの深底ウェルプレート1枚にアリコートし、そして残りの上清を2ml
の深底ウェルにアリコートする。次いで、各ウェルからの上清を以下の実施例に
記載するアッセイにおいて使用し得る。
【0297】 活性が、上清を使用して以下に記載する任意のアッセイにおいて得られる場合
、この活性は、TR11、TR11SV1、またはTR11SV2ポリぺプチド
から直接に(例えば、可溶性タンパク質として)か、またはTR11、TR11
SV1、またはTR11SV2によって誘導される他のタンパク質の発現(これ
は、次いで上清中に分泌される)のいずれかに由来することが特に理解される。
従って、本発明はさらに、特定のアッセイにおける活性によって特徴づけられる
上清中のタンパク質を同定する方法を提供する。
【0298】 (実施例11:GASレポーター構築物の構築) 細胞の分化および増殖に関与する1つのシグナル伝達経路は、Jak−STA
T経路と呼ばれる。Jak−STAT経路の活性化タンパク質は、多くの遺伝子
のプロモーターに位置する、γ活性化部位「GAS」エレメントまたはインター
フェロン感受性応答エレメント(「ISRE」)に結合する。これらのエレメン
トに対するタンパク質の結合は、関連する遺伝子の発現を変化させる。
【0299】 GASおよびISREエレメントは、転写のシグナルトランスデューサーおよ
びアクチベーター、すなわち「STAT」と呼ばれる転写因子のクラスによって
認識される。STATファミリーには6つのメンバーが存在する。Stat1お
よびStat3は、Stat2と同様に(IFNαに対する応答が広範であるよ
うに)、多くの細胞型において存在する。Stat4は、より限定されており、
そして多くの細胞型には存在しないが、IL−12での処理後のTヘルパークラ
スI細胞に見出されている。Stat5は、元々は乳房成長因子と呼ばれたが、
骨髄細胞を含む他の細胞においてより高い濃度で見出されている。それは、多く
のサイトカインによって組織培養細胞において活性化され得る。
【0300】 STATは活性化されて、Janus Kinase(「Jaks」)ファミ
リーとして知られる1セットのキナーゼによるチロシンリン酸化に際して細胞質
から核へ移動する。Jaksは、可溶性のチロシンキナーゼの独特のファミリー
を表わし、そしてTyk2、Jak1、Jak2、およびJak3を含む。これ
らのキナーゼは、有意な配列類似性を示し、そして一般には休止細胞において触
媒的に不活性である。
【0301】 Jaksは、以下の表によって要約されるように広範なレセプターによって活
性化される。(SchidlerおよびDarnell, Ann. Rev.
Biochem. 64:621−51(1995)による総説から改変。)
Jaksを活性化し得るサイトカインレセプターファミリーは、2つの群に分け
られる:(a)クラス1は、IL−2、IL−3、IL−4、IL−6、IL−
7、IL−9、IL−11、IL−12、IL−15、Epo、PRL、GH、
G−CSF、GM−CSF、LIF、CNTF、およびトロンボポエチンについ
てのレセプターを含み;そして(b)クラス2は、IFN−a、IFN−g、お
よびIL−10を含む。クラス1レセプターは、保存されたシステインモチーフ
(4つの保存されたシステインおよび1つのトリプトファンのセット)、および
WSXWSモチーフ(Trp−Ser−Xxx−Trp−Ser(配列番号5)
をコードする膜近接領域)を共有する。
【0302】 従って、リガンドのレセプターへの結合の際に、Jaksは活性化され、これ
は次いでSTATを活性化し、これは、次いで移動し、そしてGASエレメント
に結合する。この全プロセスは、Jaks−STATシグナル伝達経路に包含さ
れる。
【0303】 それゆえ、GASまたはISREエレメントの結合によって反映されるJak
s−STAT経路の活性化は、細胞の増殖および分化に関与するタンパク質を示
すために使用され得る。例えば、成長因子およびサイトカインは、Jaks−S
TAT経路を活性化することが知られている。(以下の表を参照のこと)。従っ
て、レポーター分子に連結したGASエレメントを使用することにより、Jak
s−STAT経路のアクチベーターが同定され得る。
【0304】
【表2】 実施例14〜15に記載される生物学的アッセイにおいて使用されるプロモー
ターエレメントを含む合成GASを構築するために、PCRに基づいたストラテ
ジーを用いてGAS−SV40プロモーター配列を産生する。5’プライマーは
、IRF1プロモーターにおいて見出され、そして一定の範囲のサイトカインで
の誘導の際にSTATに結合することが以前に証明されたGAS結合部位の4つ
の直列のコピーを含むが(Rothmanら、Immunity 1: 457
−468 (1994))、他のGASまたはISREエレメントを代わりに使
用し得る。5’プライマーはまた、SV40初期プロモーター配列に対して相補
的な18bpの配列も含み、そしてXhoI部位に隣接する。5’プライマーの
配列は以下である:
【0305】
【化14】 下流プライマーはSV40プロモーターに対して相補的であり、Hind I
II部位に隣接する:5’:GCGGCAAGCTTTTTGCAAAGCCT
AGGC:3’(配列番号20)。
【0306】 PCR増幅を、Clontechから入手したB−gal:プロモータープラ
スミド中に存在するSV40プロモーターのテンプレートを用いて実施する。得
られたPCRフラグメントをXhoI/Hind IIIを用いて消化し、そし
てBLSK2−(Stratagene)にサブクローニングする。正方向およ
び逆方向のプライマーを用いる配列決定により、挿入物が以下の配列を含むこと
を確認する:
【0307】
【化15】 次に、SV40プロモーターに連結したこのGASプロモーターエレメントを
用いて、GAS:SEAP2レポーター構築物を操作する。ここで、レポーター
分子は、分泌アルカリホスファターゼ、すなわち「SEAP」である。しかし、
明らかに、この実施例または他の実施例のいずれにおいても、任意のレポーター
分子が、SEAPの代わりとなり得る。SEAPの代わりに使用され得る周知の
レポーター分子としては、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(
CAT)、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、
グリーン蛍光タンパク質(GFP)、または抗体により検出可能な任意のタンパ
ク質が挙げられる。
【0308】 合成GAS−SV40プロモーターエレメントと確認された上記の配列を、G
AS−SEAPベクターを作製するために、HindIIIおよびXhoIを用
いて、SV40プロモーターを、増幅したGAS:SV40プロモーターエレメ
ントで効率的に置換し、Clontechから入手したpSEAP−プロモータ
ーベクターにサブクローニングする。しかし、このベクターはネオマイシン耐性
遺伝子を含まず、それゆえ、哺乳動物の発現系には好ましくない。
【0309】 従って、GAS−SEAPレポーターを発現する哺乳動物の安定な細胞株を作
製するために、GAS−SEAPカセットを、SalIおよびNotIを用いて
GAS−SEAPベクターから取り出し、そしてGAS−SEAP/Neoベク
ターを作製するために、マルチクローニング部位におけるこれらの制限部位を用
いて、ネオマイシン耐性遺伝子を含むバックボーンベクター(例えば、pGFP
−1(Clontech))に挿入する。一旦、このベクターを哺乳動物細胞に
トランスフェクトすれば、このベクターは、以下の実施例に記載されるようにG
AS結合についてのレポーター分子として使用され得る。
【0310】 他の構築物を、上記の記載を使用し、そしてGASを異なるプロモーター配列
で置換して作製し得る。例えば、NFK−BおよびEGRプロモーター配列を含
むレポーター分子の構築を、以下の実施例に記載する。しかし、多くの他のプロ
モーターをこれらの実施例に記載のプロトコルを使用して置換し得る。例えば、
SRE、IL−2、NFAT、またはオステオカルシンのプロモーターを単独で
、または組み合わせて(例えば、GAS/NF−KB/EGR、GAS/NF−
KB、Il−2/NFAT、またはNF−KB/GAS)置換し得る。同様に、
他の細胞株(例えば、HELA(上皮細胞)、HUVEC(内皮細胞)、Reh
(B細胞)、Saos−2(骨芽細胞)、HUVAC(大動脈細胞)、または心
筋細胞)を、レポーター構築物の活性を試験するために使用し得る。
【0311】 (実施例12:T細胞の活性についての高処理能力スクリーニングアッセイ) 以下のプロトコルを、例えば、TR11、TR11SV1、またはTR11S
V2上清がT細胞を増殖または分化させるか否かを決定することにより、TR1
1、TR11SV1、またはTR11SV2のT細胞活性を評価するために使用
する。T細胞の活性を上記の実施例で作製したGAS/SEAP/Neo構築物
を用いて評価する。従って、SEAP活性を増加させる因子は、Jaks−ST
ATSシグナル伝達経路を活性化する能力を示す。このアッセイに使用したT細
胞は、Jurkat T細胞(ATCC受託番号TIB−152)であるが、M
olt−3細胞(ATCC受託番号CRL−1552)およびMolt−4細胞
(ATCC受託番号CRL−1582)細胞もまた使用し得る。
【0312】 Jurkat T細胞は、リンパ芽球性CD4+ Th1ヘルパー細胞である
。安定な細胞株を作製するために、およそ200万のJurkat細胞をDMR
IE−C(Life Technologies)を用いて、GAS−SEAP
/neoベクターでトランスフェクト(以下に記載のトランスフェクション手順
)する。トランスフェクトした細胞を、およそ20,000細胞/ウェルの密度
で播種し、そして1mg/mlのジェネティシン(genticin)に対して
耐性であるトランスフェクト体を選択する。耐性コロニーを増殖させ、次いで、
漸増する濃度のインターフェロンγに対するそれらの応答について試験する。選
択したクローンの用量応答を示す。
【0313】 具体的には、以下のプロトコルにより、200μlの細胞を含む75のウェル
について十分な細胞を得る。従って、複数の96ウェルプレートについて十分な
細胞を産生するために、スケールアップするか、または複数で実施するかのいず
れかである。Jurkat細胞をRPMI+10%血清および1%のPen−S
trep中で維持する。T25フラスコ中で2.5mlのOPTI−MEM(L
ife Technologies)と10μgのプラスミドDNAとを組み合
わせる。50μlのDMRIE−Cを含む2.5mlのOPTI−MEMを添加
し、そして、室温で15〜45分間インキュベートする。
【0314】 インキュベート時間の間、細胞濃度をカウントし、必要な細胞数(トランスフ
ェクションあたり107個)をスピンダウンし、そして最終濃度が107細胞/m
lとなるようにOPTI−MEM中で再懸濁する。次いで、1mlのOPTI−
MEM中の1×107個の細胞をT25フラスコに加え、そして37℃で6時間 インキュベートする。インキュベーションの後、10mlのRPMI+15%の
血清を添加する。
【0315】 Jurkat:GAS−SEAP安定レポーター株をRPMI+10% 血清
、1mg/mlジェンティシン、および1%のPen−Strep中で維持する
。これらの細胞を上記の実施例に記載されるプロトコルにより産生されるような
TR11、TR11SV1、もしくはTR11SV2ポリペプチド、またはTR
1、TR11SV1、もしくはTR11SV2で誘導されたポリペプチドを含む
上清で処理する。
【0316】 上清での処理日に細胞を洗浄すべきであり、そして1mlあたり500,00
0個の密度となるように新鮮なRPMI+10%血清中に再懸濁するべきである
。必要な細胞の正確な数は、スクリーニングされる上清の数に依存する。1枚の
96ウェルプレートについて、およそ1000万個の細胞(10枚のプレートに
ついて1億個の細胞)を必要とする。
【0317】 細胞を、12チャンネルのピペットを用いて96ウェルのディッシュに分与す
るために、三角のリザーバーボートに細胞を移す。12チャンネルのピペットを
用いて、200μlの細胞をそれぞれのウェルに移す(従って、ウェル当たり1
00,000個の細胞を添加する)。
【0318】 全てのプレートに播種した後、50μlの上清を、12チャンネルピペットを
用いて、上清を含む96ウェルプレートから各ウェルに直接的に移す。さらに、
外来性のインターフェロンγの用量(0.1、1.0、10ng)を、ウェルH
9、ウェルH10、およびウェルH11に添加し、アッセイについてのさらなる
陽性コントロールとして供する。
【0319】 上清で処理したJurkat細胞を含む96ウェルディッシュをインキュベー
ターに48時間置く(注:この時間は48〜72時間の間で変更可能である)。
次いで、各ウェルから35μlのサンプルを12チャンネルのピペットを用いて
、不透明な96ウェルプレートに移す。不透明なプレートを(セロファンのカバ
ーを用いて)覆うべきであり、そして以下の実施例に従ってSEAPアッセイを
行うまで、−20℃で保存する。残存する処理した細胞を含むプレートを4℃に
置き、そして、所望するならば、特定のウェル上でのアッセイを繰り返すための
物質の供給源として供する。
【0320】 陽性コントロールとして、100ユニット/mlのインターフェロンγを使用
し得、これは、Jurkat T細胞を活性化することが公知である。代表的に
は、30倍を超える誘導が、陽性コントロールのウェルにおいて観察される。
【0321】 (実施例13:骨髄活性を同定する高処理能力スクリーニングアッセイ) 以下のプロトコルを、TR11、TR11SV1、またはTR11SV2が骨
髄細胞を増殖または分化させるか否かを決定することによりTR11、TR11
SV1、またはTR11SV2の骨髄活性を評価するために使用する。骨髄細胞
の活性を実施例において産生されたGAS/SEAP/Neo構築物を用いて評
価する。従って、SEAP活性を増加させる因子は、Jaks−STATSシグ
ナル伝達経路を活性化させる能力を示す。このアッセイに使用した骨髄細胞は、
U937、前単球(pre−monocyte)細胞株であるが、TF−1、H
L60、またはKG1も使用し得る。
【0322】 U937細胞を、実施例13において産生されたGAS/SEAP/Neo構
築物で、一過性にトランスフェクトするために、DEAE−Dextran法(
Kharbandaら、1994,Cell Growth & Differ
entiation, 5: 259−265)を用いる。最初に、2×10e 7 個のU937細胞を回収し、そしてPBSで洗浄する。U937細胞を、通常 、100単位/mlのペニシリンおよび100mg/mlのストレプトマイシン
を補充した10%熱非働化ウシ胎仔血清(FBS)を含むRPMI 1640培
地中で増殖させる。
【0323】 次に、0.5mg/ml DEAE−Dextran、8μgのGAS−SE
AP2プラスミドDNA、140mM NaCl、5mM KCl、375μM
Na2HPO4・7H2O、1mM MgCl2、および675μM CaCl2 を含む1mlの20mM Tris−HCl(pH 7.4)緩衝液に細胞を懸
濁する。37℃で45分間インキュベートする。
【0324】 10% FBSを含むRPMI 1640培地で細胞を洗浄し、次いで、10
mlの完全培地に再懸濁し、そして37℃で36時間インキュベートする。
【0325】 GAS−SEAP/U937安定細胞を、400μg/mlのG418中で細
胞を増殖させることにより得る。G418を含まない培地を使用して、慣用的に
増殖させるが、1〜2ヶ月毎に細胞を二継代の間、400μg/ml G418
中で再増殖させるべきである。
【0326】 これらの細胞を1×108個の細胞を回収すること(これは10枚の96ウェ ルプレートアッセイのために十分である)により試験し、そしてPBSで洗浄す
る。上記の200mlの増殖培地中に、5×105細胞/mlの最終密度で細胞 を懸濁する。96ウェルプレートにおいてウェルあたり200μlの細胞をプレ
ートする(すなわち、1×105細胞/ウェル)。
【0327】 実施例12に記載されるプロトコルにより調製された上清を50μl添加する
。37℃で48〜72時間インキュベートする。陽性コントロールとして、10
0単位/mlのインターフェロンγを使用し得、これはU937細胞を活性化さ
せることが公知である。代表的には、30倍を超える誘導が、陽性コントロール
ウェルにおいて観察される。SEAPは、実施例に記載のプロトコルに従って上
清をアッセイする。
【0328】 (実施例14:ニューロン活性を同定する高処理能力スクリーニングアッセイ
) 細胞が分化および増殖を経る場合、一群の遺伝子が多くの異なるシグナル伝達
経路を介して活性化される。これらの遺伝子の1つであるEGR1(初期増殖応
答遺伝子1)は、活性化時に種々の組織および細胞型において誘導される。EG
R1のプロモーターはこのような誘導を担う。レポーター分子に結合したEGR
1プロモーターを使用して、TR11、TR11SV1、またはTR11SV2
による細胞の活性化を評価し得る。
【0329】 詳細には、以下のプロトコルをPC12細胞株におけるニューロン活性を評価
するために使用する。PC12細胞(ラット褐色細胞腫(phenochrom
ocytoma cell))は、多くのマイトジェン(例えば、TPA(テト
ラデカノイルホルボールアセテート)、NGF(神経成長因子)、およびEGF
(上皮増殖因子))での活性化により増殖および/または分化することが公知で
ある。この処理の間にEGR1遺伝子発現を活性化する。従って、SEAPレポ
ーターに結合したEGRプロモーターを含む構築物でPC12細胞を安定にトラ
ンスフェクトすることにより、TR11、TR11SV1、またはTR11SV
2によるPC12細胞の活性化を評価し得る。
【0330】 EGR/SEAPレポーター構築物を以下のプロトコルにより組み立て得る。
EGR−1プロモーター配列(−633〜+1)(Sakamoto Kら、O
ncogene 6: 867−871(1991))を以下のプライマーを用
いて、ヒトゲノムDNAからPCR増幅し得る:
【0331】
【化16】 次いで、実施例13において作製したGAS:SEAP/Neoベクターを使
用して、EGR1増幅産物をこのベクターに挿入し得る。制限酵素XhoI/H
indIIIを使用してGAS:SEAP/Neoベクターを線状化し、GAS
/SV40スタッファー(stuffer)を取り除く。これらと同じ酵素を用
いて、EGR1増幅産物を制限処理する。ベクターとEGR1プロモーターとを
連結する。
【0332】 細胞培養のための96ウェルプレートを調製するために、コーティング溶液(
コラーゲンI型(Upstate Biotech Inc. カタログ番号0
8−115)の30%エタノール(滅菌濾過)での1:30希釈)を1つの10
cmプレートあたり2ml、または96ウェルプレートのウェルあたり50μl
添加し、そして2時間風乾させる。
【0333】 PC12細胞を、予めコートした10cm組織培養ディッシュ上で、ペニシリ
ン(100単位/ml)およびストレプトマイシン(100μg/ml)を補充
した、10%ウマ血清(JRH BIOSCIENCES、カタログ番号124
49−78P)、5%熱非働化ウシ胎仔血清(FBS)を含むRPMI−164
0培地(Bio Whittaker)中で慣用的に増殖させる。1つから4つ
への分割を3〜4日毎に行う。細胞を掻き取ることによりプレートから取り出し
、そして15回より多く上下にピペッティングして再懸濁する。
【0334】 EGR/SEAP/Neo構築物を、実施例12に記載のLipofecta
mineプロトコルを使用して、PC12にトランスフェクトする。EGR−S
EAP/PC12安定細胞を、300μg/mlのG418中で細胞を増殖させ
ることにより得る。G418を含まない培地を慣用的増殖のために使用するが、
1〜2ヶ月毎に、細胞を2継代の間、300μg/mlのG418中で再増殖さ
せるべきである。
【0335】 ニューロン活性をアッセイするために、およそ70〜80%コンフルエントで
ある細胞を有する10cmプレートを、古い培地を除去することによりスクリー
ニングする。細胞をPBS(リン酸緩衝化生理食塩水)を用いて1回洗浄する。
次いで、細胞を低血清培地(抗生物質とともに1%ウマ血清および0.5% F
BSを含むRPMI−1640)中で一晩、飢餓させる。
【0336】 翌朝、培地を除去し、そしてPBSで細胞を洗浄する。プレートから細胞を掻
き取り、細胞を2mlの低血清培地中でよく懸濁する。細胞数をカウントし、そ
してより低血清の培地に添加し、5×105細胞/mlの最終細胞密度に到達さ せる。
【0337】 200μlの細胞懸濁液を96ウェルプレートの各ウェルに添加する(1×1
5細胞/ウェルに等しい)。実施例10により産生された50μlの上清を、 37℃で48〜72時間加える。陽性コントロールとして、EGRを介してPC
12細胞を活性化することが公知の成長因子(例えば、50ng/μlの神経成
長因子(NGF))を使用し得る。代表的には、50倍を超えるSEAP誘導が
陽性コントロールウェルにおいて見られる。SEAPは実施例に従って、上清を
アッセイする。
【0338】 (実施例15:T細胞の活性についての高処理能力スクリーニングアッセイ) NF−κB(核因子κB)は、広範な種々の薬剤(炎症性サイトカインである
IL−1およびTNF、CD30およびCD40、リンホトキシン−αおよびリ
ンホトキシン−βを含む)により、LPSまたはトロンビンへの曝露により、な
らびに特定のウイルス遺伝子産物の発現により活性化される転写因子である。転
写因子として、NF−κBは免疫細胞の活性化に関与する遺伝子の発現、アポト
ーシスの制御(NF−κBは、アポトーシスから細胞を保護すると思われる)、
B細胞およびT細胞の発達、抗ウイルス応答および抗菌応答、ならびに複数のス
トレス応答を調節する。
【0339】 刺激されない条件において、NF−κBは、I−κB(インヒビターκB)を
有する細胞質に保持される。しかし、刺激の際に、I−κBはリン酸化され、そ
して分解(degraded)され、NF−κBの核への往復(shuttle
)を引き起こし、これにより標的遺伝子の転写を活性化する。NF−κBにより
活性化される標的遺伝子としては、IL−2、IL−6、GM−CSF、ICA
M−1およびクラス1MHCが挙げられる。
【0340】 その中心的な役割および一定の範囲の刺激に応答する能力に起因して、NF−
κBプロモーターエレメントを利用するレポーター構築物を、実施例12におい
て産生された上清をスクリーニングするために使用する。NF−κBのアクチベ
ーターまたはインヒビターは、疾患の処置に有用である。例えば、NF−κBの
インヒビターを、急性または慢性的なNF−κBの活性化に関連するこれらの疾
患(例えば、慢性関節リウマチ)を処置するために使用し得る。
【0341】 NF−κBプロモーターエレメントを含むベクターを構築するために、PCR
に基づいたストラテジーを用いる。上流のプライマーは、NF−κB結合部位(
GGGGACTTTCCC)(配列番号24)の4つの直列のコピー、SV40
初期プロモーター配列の5’末端に対して相補的な18bpの配列を含み、そし
てXhoI部位に隣接する:
【0342】
【化17】 下流プライマーは、SV40プロモーターの3’末端に対して相補的であり、
そしてHindIII部位に隣接する: 5’:GCGGCAAGCTTTTTGCAAAGCCTAGGC:3’(配列
番号26)。
【0343】 PCR増幅を、Clontechから入手したpβ−gal:プロモータープ
ラスミドに存在するSV40プロモーターのテンプレートを使用して行う。得ら
れたPCRフラグメントをXhoIおよびHindIIIで消化し、そしてBL
SK2−(Stratagene)にサブクローニングする。T7プライマーお
よびT3プライマーを用いる配列決定により、挿入物が以下の配列を含むことを
確認する:
【0344】
【化18】 次に、XhoIおよびHindIIIを使用して、pSEAP2−プロモータ
ープラスミド(Clontech)に存在するSV40最小プロモーターエレメ
ントをこのNF−κB/SV40フラグメントと置換する。しかし、このベクタ
ーはネオマイシン耐性遺伝子を含まず、そしてそれゆえ哺乳動物の発現系には好
ましくない。
【0345】 安定な哺乳動物細胞株を作製するために、NF−κB/SV40/SEAPカ
セットを制限酵素SalIおよびNotIを使用して上記のNF−κB/SEA
Pベクターから取り出し、そしてネオマイシン耐性を含むベクターに挿入する。
詳細には、SalIおよびNotIでpGFP−1を制限した後に、NF−κB
/SV40/SEAPカセットをpGFP−1(Clontech)に挿入し、
GFP遺伝子を置換した。
【0346】 一旦、NF−κB/SV40/SEAP/Neoベクターを作製した後は、実
施例に記載のプロトコルに従って、安定なJurkat T細胞を作製し、そし
て維持する。同様に、これらの安定なJurkat T細胞を含む上清をアッセ
イするための方法がまた、実施例に記載される。陽性コントロールとして、外因
性のTNFα(0.1、1、10ng)をウェルH9、H10、およびH11に
添加し、代表的には、5〜10倍の活性化が観察される。
【0347】 (実施例16:SEAP活性についてのアッセイ) これらの実施例に記載されるアッセイのためのレポーター分子として、SEA
P活性を、以下の一般的な手順に従ってTropix Phospho−lig
ht Kit(カタログ番号BP−400)を用いてアッセイする。Tropi
x Phospho−light Kitは、以下で使用される希釈緩衝液、ア
ッセイ緩衝液、および反応緩衝液を供給する。
【0348】 ディスペンサーに2.5×希釈緩衝液を満たし、そして15μlの2.5×希
釈緩衝液を35μlの上清を含むオプティプレート(Optiplate)に分
与する。プラスチックシーラーでプレートをシールし、そして65℃で30分間
インキュベートする。一様でない加温を避けるためにオプティプレートを離して
おく。
【0349】 サンプルを室温まで15分間冷却する。ディスペンサーを空にし、そしてアッ
セイ緩衝液を満たす。50mlのアッセイ緩衝液を添加し、そして室温で5分間
インキュベートする。ディスペンサーを空にし、そして反応緩衝液を満たす(以
下の表を参照のこと)。50μlの反応緩衝液を添加し、そして室温で20分間
インキュベートする。化学発光シグナルの強度は時間依存的であり、そしてルミ
ノメーターで5つのプレートを読み取るために約10分間を費やすので、1回に
5つのプレートを処理し、10分後に2つ目のセットを開始するべきである。
【0350】 ルミノメーターにおける相対的な光の単位(light unit)を読み取
る。ブランクとしてH12をセットし、そして結果を印字する。化学発光の増加
は、レポーター活性を示す。
【0351】
【表3】 (実施例17:低分子の濃度および膜透過性における変化を同定する高処理能
力スクリーニングアッセイ) レセプターへのリガンドの結合は、カルシウム、カリウム、ナトリウムのよう
な低分子およびpHの細胞内レベルを変化させ、さらに膜電位を変化させること
は公知である。これらの変化を特定細胞のレセプターに結合する上清の同定を行
うアッセイで測定し得る。以下のプロトコルは、カルシウムについてのアッセイ
を記載するが、このプロトコルは、カリウム、ナトリウム、pH、膜電位、また
は蛍光プローブにより検出可能な任意の他の低分子における変化を検出するよう
に容易に改変し得る。
【0352】 以下のアッセイは、蛍光測定画像化プレートリーダー(「FLIPR」)を使
用して低分子と結合する蛍光分子(Molecular Probes)におけ
る変化を測定する。明らかに、低分子を検出する任意の蛍光分子を本明細書で用
いるカルシウム蛍光分子、fluo−3の代わりに使用し得る。
【0353】 接着細胞については、細胞を10,000〜20,000細胞/ウェルで、底
が透明なCo−star黒色96ウェルプレートに播種する。プレートをCO2 インキュベーター内で20時間インキュベートする。接着細胞をBiotek洗
浄器内で200μlのHBSS(Hank’s Balanced Salt
Solution)で二回洗浄し、最後の洗浄後、緩衝液100μlを残す。
【0354】 1mg/ml fluo−3のストック溶液を10%プルロン酸(pluro
nic acid)DMSOで作製する。細胞にfluo−3を負荷するため、
12μg/ml fluo−3(50μl)を各ウェルに添加する。このプレー
トをCO2インキュベーター中、37℃で60分間インキュベートする。プレー トをBiotek洗浄器で、HBSSにより4回洗浄し、緩衝液100μlを残
す。
【0355】 非接着細胞については、細胞を培養培地から遠心沈澱する。細胞を、50ml
のコニカルチューブ内でHBSSを用いて2〜5×106細胞/mlに再懸濁す る。細胞懸濁液各1mlあたり、10%プルロン酸DMSO溶液中の4μlの1
mg/ml fluo−3を加える。次いで、チューブを37℃の水浴中に30
〜60分間置く。細胞をHBSSで二回洗浄し、1×106細胞/mlに再懸濁 し、そしてマイクロプレートに100μl/ウェルずつ分注する。プレートを1
000rpmで5分間遠心分離する。次に、プレートをDenley Cell
Wash中で200μlで1回洗浄した後、最終容量を100μlにする吸引工
程を行う。
【0356】 細胞に基づかないアッセイについては、各ウェルは、fluo−3のような蛍
光分子を含有する。上清をウェルに添加し、そして蛍光変化を検出する。
【0357】 細胞内カルシウムの蛍光を測定するため、FLIPRを以下のパラメーターに
ついて設定する:(1)システムゲインは、300〜800mWであり;(2)
曝露時間は、0.4秒間であり;(3)カメラF/ストップは、F/2であり;
(4)励起は488nmであり;(5)発光は530nmであり;そして(6)
サンプル添加は50μlである。530nmにおける発光の増加は、TR11、
TR11SV1、もしくはTR11SV2のいずれかの分子、または、TR11
、TR11SV1、もしくはTR11SV2によって誘導される分子によって引
き起こされる細胞外シグナル伝達事象(これは細胞内Ca++濃度の増加を生じる
)を示す。
【0358】 (実施例18:チロシンキナーゼ活性を同定する高処理能力スクリーニングア
ッセイ) タンパク質チロシンキナーゼ(PTK)は、膜貫通キナーゼおよび細胞質キナ
ーゼの多様な群を表す。レセプタータンパク質チロシンキナーゼ(RPTK)群
には、PDGF、FGF、EGF、NGF、HGFおよびインスリンレセプター
サブファミリーを含む、一定の範囲のマイトジェン性および代謝性成長因子のレ
セプターがある。さらに、対応するリガンドが未知である大きなRPTKファミ
リーがある。RPTKのリガンドは、主として分泌される低分子量タンパク質を
含むが、膜結合型および細胞外マトリックスタンパク質も含む。
【0359】 リガンドによるRPTKの活性化には、リガンド媒介レセプター二量体化が含
まれ、このリガンド媒介レセプター二量体化は、レセプターサブユニットのリン
酸基転移および細胞質チロシンキナーゼの活性化を生じる。細胞質チロシンキナ
ーゼとしては、srcファミリー(例えば、src、yes、lck、lyn、
fyn)のレセプター関連チロシンキナーゼ、ならびにJakファミリーのよう
な非レセプター結合型および細胞質ゾルタンパク質チロシンキナーゼが挙げられ
る。これらのメンバーは、サイトカインスーパーファミリー(例えば、インター
ロイキン、インターフェロン、GM−CSFおよびレプチン)のレセプターによ
ってトリガーされるシグナル伝達を媒介する。
【0360】 広範な公知因子がチロシンキナーゼ活性を刺激し得るため、TR11、TR1
1SV1もしくはTR11SV2、またはTR11、TR11SV1もしくはT
R11SV2により誘導される分子がチロシンキナーゼシグナル伝達経路を活性
化し得るかどうかを同定することは、興味深い。従って、チロシンキナーゼシグ
ナル伝達経路を活性化し得る分子を同定するために、以下のプロトコルが設計さ
れる。
【0361】 標的細胞(例えば、初代ケラチノサイト)を約25,000細胞/ウェルの密
度で、Nalge Nunc(Naperville,IL)から購入した96
ウェルLoprodyne Silent Screen Plateに播種す
る。このプレートを100%エタノールで30分間、二回リンスして滅菌し、水
でリンスし、そして一晩乾燥させる。いくつかのプレートを、100mlの細胞
培養グレードのI型コラーゲン(50mg/ml)、ゼラチン(2%)またはポ
リリジン(50mg/ml)(これらは全て、Sigma Chemicals
(St.Louis,MO)から購入し得る)、またはBecton Dick
inson(Bedford,MA)から購入した10%Matrigel、あ
るいは仔ウシ血清で2時間コートし、PBSでリンスし、そして4℃で貯蔵する
。増殖培地に5,000細胞/ウェルを播種し、製造業者のAlamar Bi
osciences,Inc.(Sacramento,CA)が記載するよう
に、alamarBlueを使用して48時間後に細胞数を間接定量することに
より、これらのプレート上での細胞増殖をアッセイする。Becton Dic
kinson(Bedford,MA)のFalconプレートカバー#307
1を使用してLoprodyne Silent Screen Plateを
覆う。Falcon Microtest III細胞培養プレートもまた、い
くつかの増殖実験において使用し得る。
【0362】 抽出物を調製するため、A431細胞をLoprodyneプレートのナイロ
ン膜上に播種し(20,000/200ml/ウェル)、そして完全培地中で一
晩培養する。無血清基本培地中で24時間インキュベートして細胞を静止させる
。EGF(60ng/ml)または実施例10で生成した上清50μlで5〜2
0分間処理した後、培地を除去し、100mlの抽出緩衝液(20mM HEP
ES pH7.5,0.15M NaCl,1%Triton X−100,0
.1%SDS,2mM Na3VO4、2mM Na427およびBoeher inger Mannheim(Indianapolis,IN)から入手し
たプロテアーゼインヒビターのカクテル(#1836170))を各ウェルに添
加し、そしてプレートを回転振盪器上、4℃で5分間振盪させる。次に、プレー
トを真空トランスファーマニホールド(vacuum transfer ma
nifold)に配置し、そしてハウスバキュームを使用して各ウェル底の0.
45mm膜を通じて抽出物を濾過する。抽出物をバキュームマニホールドの底の
96ウェル捕獲/アッセイプレートに集め、そして直ちに氷上に置く。遠心分離
により明澄化した抽出物を得るため、界面活性剤で5分間可溶化した後、各ウェ
ルの内容物を取り出し、4℃、16,000×gで15分間遠心分離する。
【0363】 濾過抽出物をチロシンキナーゼ活性のレベルについて試験する。チロシンキナ
ーゼ活性を検出する多数の方法が公知であるが、本明細書においては方法の一つ
を記載する。
【0364】 一般に、特定の基質(ビオチン化ペプチド)上のチロシン残基をリン酸化する
能力を決定することにより、上清のチロシンキナーゼ活性を評価する。この目的
に使用し得るビオチン化ペプチドとしては、PSK1(細胞分裂キナーゼcdc
2−p34のアミノ酸6〜20に相当)およびPSK2(ガストリンのアミノ酸
1〜17に相当)が挙げられる。両ペプチドは、一定の範囲のチロシンキナーゼ
の基質であり、Boehringer Mannheimから入手可能である。
【0365】 以下の成分を順に添加することにより、チロシンキナーゼ反応を設定する。ま
ず、5μMビオチン化ペプチド10μlを加え、次いで順に、ATP/Mg2+
5mM ATP/50mM MgCl2)10μl、5×アッセイ緩衝液(40 mM塩酸イミダゾール、pH7.3、40mM β−グリセロリン酸、1mM
EGTA、100mM MgCl2、5mM MnCl2、0.5mg/ml B
SA)10μl、バナジン酸ナトリウム(1mM)5μl、そして水5μlを加
える。これら成分を穏やかに混合し、この反応混合物を30℃で2分間プレイン
キュベートする。コントロール酵素または濾過上清10μlを加えて反応を開始
させる。
【0366】 次に、120mM EDTA10μlを添加して反応物を氷上に置くことによ
り、チロシンキナーゼアッセイ反応を終了させる。
【0367】 反応混合物の50μlアリコートをマイクロタイタープレート(MTP)モジ
ュールに移し、37℃で20分間インキュベートすることにより、チロシンキナ
ーゼ活性を測定する。これにより、ストレプトアビジンコートした96ウェルプ
レートとビオチン化ペプチドとを結合させる。MTPモジュールを300μl/
ウェルのPBSで4回洗浄する。次に、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合抗ホス
ホチロシン抗体(抗P−Tyr−POD(0.5u/ml))75μlを、各ウ
ェルに添加し、37℃で1時間インキュベートする。ウェルを上記のように洗浄
する。
【0368】 次に、ペルオキシダーゼ基質溶液(Boehringer Mannheim
)100μlを加え、室温で少なくとも5分間(30分間まで)インキュベート
する。ELISAリーダーを使用して、405nmにおけるサンプルの吸光度を
測定する。結合したペルオキシダーゼの活性レベルをELISAリーダーを使用
して定量する。これは、チロシンキナーゼ活性のレベルを反映する。
【0369】 (実施例19:リン酸化活性を同定する高処理能力スクリーニングアッセイ) 実施例に記載のタンパク質チロシンキナーゼ活性アッセイに対して可能な代替
法および/または補完法として、主要な細胞内シグナル伝達中間体の活性化(リ
ン酸化)を検出するアッセイもまた使用し得る。例えば、下記のように、一つの
特定のアッセイは、Erk−1およびErk−2キナーゼのチロシンリン酸化を
検出し得る。しかし、Raf、JNK、p38 MAP、Mapキナーゼキナー
ゼ(MEK)、MEKキナーゼ、Src、筋肉特異的キナーゼ(MuSK)、I
RAK、TecおよびJanusのような他の分子のリン酸化、ならびに他の任
意のホスホセリン、ホスホチロシンまたはホスホスレオニン分子を、以下のアッ
セイにおいてこれらの分子でErk−1またはErk−2を置き換えることによ
り検出し得る。
【0370】 詳細には、96ウェルELISAプレートのウェルをプロテインG(1μg/
ml)0.1mlにより室温(RT)で2時間コーティングしてアッセイプレー
トを作製する。次に、このプレートをPBSでリンスし、3%BSA/PBSで
RTにて1時間ブロックする。次に、プロテインGプレートをErk−1および
Erk−2に対する2つの市販のモノクローナル抗体(100ng/ウェル)(
Santa Cruz Biotechnology)で処理する(RTにて1
時間)。(他の分子を検出するため、上記の任意の分子を検出するモノクローナ
ル抗体と交換することにより、この工程を容易に改変し得る。)PBSで3〜5
回リンスした後、使用時まで、プレートを4℃で貯蔵する。
【0371】 A431細胞を20,000/ウェルで96ウェルLoprodyneフィル
タープレートに播種し、増殖培地中で一晩培養する。次に、細胞を基本培地(D
MEM)中で48時間飢餓させた後、EGF(6ng/ウェル)または実施例1
2で得た上清50μlで5〜20分間処理する。次に、細胞を可溶化し、抽出物
を直接アッセイプレート中に濾過する。
【0372】 抽出物を用いてRTにて1時間インキュベートした後、ウェルを再度リンスす
る。陽性コントロールとして、市販のMAPキナーゼ調製物(10ng/ウェル
)をA431抽出物の代わりに使用する。次に、プレートを、Erk−1および
Erk−2キナーゼのリン酸化エピトープを特異的に認識する市販のポリクロー
ナル(ウサギ)抗体(1μg/ml)で処理する(RTにて1時間)。この抗体
を標準的な手順によりビオチン化する。次に、結合したポリクローナル抗体を、
Wallac DELFIA装置において、ユーロピウム−ストレプトアビジン
およびユーロピウム蛍光増強試薬と連続してインキュベートすることによって定
量する(時間分解性蛍光)。バックグラウンドを超える蛍光シグナルの増加は、
TR11、TR11SV1、もしくはTR11SV2、またはTR11、TR1
1SV1、もしくはTR11SV2により誘導された分子によるリン酸化を示す
【0373】 (実施例20:TR11、TR11SV1、もしくはTR11SV2遺伝子に
おける変化の決定方法) 目的の表現型(例えば、疾患)を提示する家族全員または個々の患者由来のR
NAを単離する。次に、cDNAをこれらのRNAサンプルから当該分野で公知
のプロトコルを使用して生成する(Sambrookを参照のこと)。次に、こ
のcDNAを、配列番号1、配列番号2、または配列番号5における目的の領域
を取り囲むプライマーを用いるPCRのテンプレートとして使用する。示唆され
るPCR条件は、Sidransky,D.ら、Science 252:70
6(1991)に記載の緩衝溶液を使用し、95℃で30秒間;52〜58℃で
60〜120秒間;および70℃で60〜120秒間の35サイクルからなる。
【0374】 次に、PCR産物を、SequiTherm Polymerase(Epi
centre Technologies)を用い、5’末端においてT4ポリ
ヌクレオチドキナーゼで標識したプライマーを使用して配列決定する。TR11
、TR11SV1、もしくはTR11SV2の選択したエキソンのイントロン−
エキソン境界もまた決定し、ゲノムPCR産物を分析してその結果を確認する。
次に、TR11、TR11SV1、もしくはTR11SV2に変異を疑われるP
CR産物のクローン化および配列決定を行い、直接配列決定の結果を確認する。
【0375】 TR11、TR11SV1、もしくはTR11SV2のPCR産物を、Hol
ton,T.A.およびGraham,M.W.,Nucleic Acids Research,19:1156(1991)に記載のようにTテール化ベ
クターにクローン化し、T7ポリメラーゼ(United States Bi
ochemical)で配列決定する。罹患個体を、非罹患個体には存在しない
、TR11、TR11SV1、もしくはTR11SV2中の変異により同定する
【0376】 ゲノム再配置もまた、TR11遺伝子における変化を決定する方法として観察
する。実施例2に従って単離したゲノムクローンを、ジゴキシゲニンデオキシ−
ウリジン5’−三リン酸(Boehringer Manheim)を用いてニ
ックトランスレーションし、そしてJohnson,Cg.ら、Methods
Cell Biol.35:73−99(1991)に記載のようにFISH
を行う。TR11ゲノム遺伝子座への特異的ハイブリダイゼーションのために、
大過剰のヒトcot−1 DNAを用いて標識プローブとのハイブリダイゼーシ
ョンを行う。
【0377】 染色体を、4,6−ジアミノ−2−フェニリドールおよびヨウ化プロピジウム
で対比染色し、CおよびRバンドの組み合わせを生成する。正確なマッピングの
ための整列イメージを、三重バンドフィルターセット(Chroma Tech
nology,Brattleboro,VT)と冷却した電荷結合素子カメラ
(Photometrics,Tucson,AZ)および多様な励起波長フィ
ルター(Johnson,Cv.ら、Genet.Anal.Tech.App
l.,8:75(1991))とを組み合わせて用いて得る。ISee Gra
phical Program System(Inovision Corp
oration,Durham,NC)を使用して、イメージ収集、分析および
染色体部分長測定を行う。(プローブがハイブリダイズした)TR11、TR1
1SV1、もしくはTR11SV2のゲノム領域の染色体変化を、挿入、欠失お
よび転座として同定する。これらTR11、TR11SV1、もしくはTR11
SV2の変化を関連疾患の診断マーカーとして使用する。
【0378】 (実施例21:生物学的サンプル中のTR11、TR11SV1、もしくはT
R11SV2の異常レベルを検出する方法) TR11、TR11SV1、もしくはTR11SV2ポリペプチドは、生物学
的サンプル中で検出され得、そしてTR11、TR11SV1、もしくはTR1
1SV2レベルの上昇または低下が検出されるなら、このポリペプチドは、特定
表現型のマーカーである。検出方法は数多くあり、そしてそれ故、当業者は以下
のアッセイをそれらの特定の必要性に適合するように改変し得ることが理解され
る。
【0379】 例えば、抗体サンドイッチELISAを使用して、サンプル中、好ましくは、
生物学的サンプル中のTR11、TR11SV1、もしくはTR11SV2を検
出する。マイクロタイタープレートのウェルを、TR11、TR11SV1、も
しくはTR11SV2に対する特異的抗体を最終濃度0.2〜10μg/mlで
用いてコーティングする。この抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルの
いずれかであって、実施例に記載の方法により産生される。ウェルに対するTR
11、TR11SV1、もしくはTR11SV2の非特異的結合が減少するよう
に、このウェルをブロックする。
【0380】 次に、コーティングしたウェルを、TR11、TR11SV1、もしくはTR
11SV2を含有するサンプルを用いてRTで2時間を超えてインキュベートす
る。好ましくは、サンプルの系列希釈物を使用して結果を確認すべきである。次
に、プレートを脱イオン水または蒸留水で三回洗浄して、結合していないTR1
1、TR11SV1、もしくはTR11SV2を除去する。
【0381】 次に、特異的抗体−アルカリホスファターゼ結合体50μlを25〜400n
gの濃度で加え、室温で2時間インキュベートする。プレートを再び脱イオン水
または蒸留水で三回洗浄して、結合していない結合体を除去する。
【0382】 4−メチルウンベリフェリルリン酸(MUP)またはp−ニトロフェニルリン
酸(NPP)基質溶液75μlを各ウェルに添加し、そして室温で1時間インキ
ュベートする。この反応をマイクロタイタープレートリーダーにより測定する。
コントロールサンプルの系列希釈物を使用して標準曲線を作成し、そしてX軸(
対数目盛)にTR11、TR11SV1、もしくはTR11SV2ポリペプチド
濃度を、そしてY軸(線形目盛)に蛍光または吸光度をプロットする。標準曲線
を用いてサンプル中のTR11、TR11SV1、もしくはTR11SV2の濃
度を内挿する。
【0383】 (実施例22:ポリペプチドの処方) TR11、TR11SV1、もしくはTR11SV2組成物を、個々の患者の
臨床状態(特に、TR11、TR11SV1、もしくはTR11SV2ポリペプ
チド単独処置の副作用)、送達部位、投与方法、投与計画および実務者に公知の
他の因子を考慮に入れ、適正医療基準(good medical pract
ice)に一致する様式で処方および投薬する。従って、本明細書における目的
のための「有効量」は、このような考慮により決定される。
【0384】 一般的提案として、非経口的に投与されるTR11、TR11SV1、もしく
はTR11SV2の、用量当りの総薬学的有効量は、患者体重につき約1μg/
kg/日〜10mg/kg/日の範囲であるが、上記のように、これは治療的裁
量に属する。さらに好ましくは、このホルモンに関しては、この用量は、少なく
とも0.01mg/kg/日、ヒトについて最も好ましくは約0.01mg/k
g/日と約1mg/kg/日との間である。連続投与する場合、代表的には、T
R11、TR11SV1、もしくはTR11SV2を約1μg/kg/時間〜約
50μg/kg/時間の投薬速度で、1日に1〜4回の注射かまたは連続皮下注
入(例えばミニポンプを用いて)のいずれかにより投与する。静脈内バッグ溶液
もまた使用し得る。変化を観察するために必要な処置期間および処置後に応答が
生じる間隔は、所望の効果に応じて変化するようである。
【0385】 TR11、TR11SV1、もしくはTR11SV2を含む薬学的組成物を、
経口的、直腸内、非経口的、槽内、膣内、腹腔内、局所的(粉剤、軟膏、ゲル、
点滴剤、または経皮パッチによるような)、口腔内に、あるいは経口または鼻腔
スプレーとして投与する。「薬学的に受容可能なキャリア」とは、非毒性の固体
、半固体または液体の充填剤、希釈剤、被包材、または任意の型の製剤補助剤を
いう。本明細書で用いる用語「非経口的」とは、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨
内、皮下および関節内の注射および注入を含む投与の様式をいう。
【0386】 TR11、TR11SV1、もしくはTR11SV2はまた、徐放性システム
により適切に投与される。徐放性組成物の適切な例は、成形品(例えば、フィル
ム)またはマイクロカプセルの形態の半透過性ポリマーマトリックスを包含する
。徐放性マトリックスとしては、ポリラクチド(米国特許第3,773,919
号、EP58,481)、L−グルタミン酸とγ−エチル−L−グルタメートと
のコポリマー(Sidman,U.ら、Biopolymers 22:547
−556(1983))、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(R.
Langerら、J.Biomed.Mater.Res.15:167−27
7(1981)、およびR.Langer,Chem.Tech.12:98−
105(1982))、エチレンビニルアセテート(R.Langerら)、ま
たはポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸(EP133,988)が挙げられ
る。徐放性組成物はまた、リポソームに封入されたTR11、TR11SV1、
もしくはTR11SV2ポリペプチドを包含する。TR11、TR11SV1、
もしくはTR11SV2を含有するリポソームは、それ自体公知である方法によ
り調製される:DE3,218,121;Epsteinら、Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 82:3688−3692(1985);Hw
angら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4030−
4034(1980);EP52,322;EP36,676;EP88,04
6;EP143,949;EP142,641;日本国特許出願第83−118
008号;米国特許第4,485,045号および第4,544,545号;な
らびにEP102,324。通常、リポソームは、小さな(約200〜800Å
)ユニラメラ型であり、そこでは、脂質含有量は、約30モル%コレステロール
よりも多く、選択された比率は、最適分泌ポリペプチド治療のために調整される
【0387】 非経口投与のために、1つの実施態様において、TR11、TR11SV1、
もしくはTR11SV2は、一般に、それを所望の純度で、薬学的に受容可能な
キャリア(すなわち、用いる投薬量および濃度でレシピエントに対して毒性がな
く、かつ処方物の他の成分と適合するもの)と、単位投薬量の注射可能な形態(
溶液、懸濁液、または乳濁液)で混合することにより処方される。例えば、この
処方物は、好ましくは、酸化剤、およびポリペプチドに対して有害であることが
知られている他の化合物を含まない。
【0388】 一般に、TR11、TR11SV1、もしくはTR11SV2を液体キャリア
または微細に分割した固体キャリアあるいはその両方と均一かつ緊密に接触させ
て処方物を調製する。次に、必要であれば、生成物を所望の処方物に成形する。
好ましくは、キャリアは、非経口的キャリアであり、より好ましくはレシピエン
トの血液と等張な溶液である。このようなキャリアビヒクルの例としては、水、
生理食塩水、リンゲル溶液、およびデキストロース溶液が挙げられる。不揮発性
油およびオレイン酸エチルのような非水性ビヒクルもまた、リポソームと同様に
本明細書において有用である。
【0389】 キャリアは、微量の添加剤(等張性および化学的安定性を高める物質)を適切
に含有する。このような物質は、用いる投薬量および濃度でレシピエントに対し
て毒性がなく、このような物質としては、リン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、
酢酸および他の有機酸またはその塩のような緩衝剤;アスコルビン酸のような抗
酸化剤;低分子量(約10残基より少ない)ポリペプチド(例えば、ポリアルギ
ニンまたはトリペプチド);血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリンの
ようなタンパク質;ポリビニルピロリドンのような親水性ポリマー;グリシン、
グルタミン酸、アスパラギン酸またはアルギニンのようなアミノ酸;セルロース
またはその誘導体、ブドウ糖、マンノースまたはデキストリンを含む、単糖類、
二糖類、および他の炭水化物;EDTAのようなキレート剤;マンニトールまた
はソルビトールのような糖アルコール;ナトリウムのような対イオン;および/
またはポリソルベート、ポロキサマーもしくはPEGのような非イオン性界面活
性剤が挙げられる。
【0390】 TR11、TR11SV1、もしくはTR11SV2は、代表的には、約0.
1mg/ml〜100mg/ml、好ましくは1〜10mg/mlの濃度で、約
3〜8のpHで、このようなビヒクル中に処方される。前記のいくつかの賦形剤
、キャリアまたは安定化剤を使用することにより、ポリペプチド塩が形成される
ことは理解される。
【0391】 治療的投与に用いられるべきTR11、TR11SV1、もしくはTR11S
V2は無菌状態であり得る。滅菌濾過膜(例えば0.2ミクロンメンブレン)で
濾過することにより無菌状態は容易に達成される。一般に、治療用ポリペプチド
組成物は、滅菌アクセスポートを有する容器、例えば、皮下注射針で穿刺可能な
ストッパー付の静脈内用溶液バッグまたはバイアル内に置かれる。
【0392】 TR11、TR11SV1、もしくはTR11SV2は、通常、単位用量また
は複数用量容器、例えば、密封アンプルまたはバイアルに、水溶液または再構成
用凍結乾燥処方物として貯蔵される。凍結乾燥処方物の例として、10mlバイ
アルに、滅菌濾過した1%(w/v)のTR11、TR11SV1、もしくはT
R11SV2ポリペプチド水溶液5mlを充填し、そして得られる混合物を凍結
乾燥する。凍結乾燥したTR11、TR11SV1、もしくはTR11SV2ポ
リペプチドを、静菌注射水を用いて再構成することにより、注入溶液を調製する
【0393】 本発明はまた、本発明の薬学的組成物の1つ以上の成分を満たした1つ以上の
容器を備える薬学的パックまたはキットを提供する。医薬品または生物製剤の製
造、使用または販売を規制する政府当局が定めた形式の告知が、このような容器
に添付され得、この告知は、政府当局による、ヒトへの投与のための製造、使用
または販売の認可を表示する。さらに、TR11、TR11SV1、もしくはT
R11SV2は、他の治療用化合物と組み合わせて使用し得る。
【0394】 (実施例23:TR11、TR11SV1またはTR11SV2のレベルの減
少を処置する方法) 本発明は、体内のTR11、TR11SV1またはTR11SV2の活性のレ
ベルの減少の必要がある個体を処置するための方法に関する。この方法は、治療
有効量のTR11、TR11SV1またはTR11SV2アンタゴニストを含む
組成物をそのような個体に投与する工程を包含する。本発明における使用のため
の好ましいアンタゴニストは、TR11、TR11SV1またはTR11SV2
特異的抗体である。
【0395】 さらに、個体におけるTR11、TR11SV1またはTR11SV2の標準
的または正常な発現レベルにおける減少によって生じる条件は、TR11、TR
11SV1またはTR11SV2を、好ましくは分泌形態で投与することによっ
て処置され得ることが理解される。従って、本発明はまた、TR11、TR11
SV1またはTR11SV2ポリペプチドのレベルの増加を必要とする個体の処
置の方法を提供する。この方法は、このような個体におけるTR11、TR11
SV1またはTR11SV2の活性レベルを増加する量のTR11、TR11S
V1またはTR11SV2を含む薬学的組成物をそのような個体に投与する工程
を包含する。
【0396】 例えば、TR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリペプチドのレベ
ルが減少した患者は、6連続日にわたって一日用量0.1〜100μg/kgの
ポリペプチドを受ける。好ましくは、このポリペプチドは分泌形態である。投与
および処方に基づく投与スキームの正確な詳細は、実施例22に提供される。
【0397】 (実施例24:TR11、TR11SV1またはTR11SV2のレベルの増
加を処置する方法) 本発明はまた、体内のTR11、TR11SV1またはTR11SV2の活性
のレベルの増加を必要とする個体を処置するための方法に関する。この方法は、
TR11、TR11SV1もしくはTR11SV2またはそのアゴニストの治療
有効量を含む組成物をそのような個体に投与する工程を包含する。
【0398】 アンチセンス技術を使用して,TR11、TR11SV1またはTR11SV
2の産生を阻害する。この技術は、種々の病因(例えば、ガン)に起因する、T
R11、TR11SV1またはTR11SV2ポリペプチド(好ましくは分泌形
態)のレベルを減少する方法の一例である。
【0399】 例えば、TR11、TR11SV1またはTR11SV2のレベルの異常増加
と診断された患者にアンチセンスポリヌクレオチドが、0.5、1.0、1.5
、2.0および3.0mg/kg日で21日間にわたって静脈投与される。この
処置は、その処置が充分に寛容された場合、7日間の休養期間の後に反復される
。アンチセンスポリヌクレオチドの処方物は、実施例22に提供される。
【0400】 (実施例25:エキソビボで遺伝子治療を使用する処置方法) 遺伝子治療の1つの方法は、TR11、TR11SV1またはTR11SV2
ポリペプチドを発現し得る線維芽細胞を患者に移植する方法である。一般に、線
維芽細胞を、皮膚生検により被験者から得る。得られた組織を組織培養培地中に
配置し、小片に分割する。小塊の組織を組織培養フラスコの湿潤表面に置き、ほ
ぼ10片を各フラスコに置く。このフラスコを倒置し、しっかりと閉めた後、室
温で一晩放置する。室温で24時間後、フラスコを反転させ、組織塊をフラスコ
の底に固定させたままにし、そして新鮮培地(例えば、10%FBS、ペニシリ
ンおよびストレプトマイシンを含有するHamのF12培地)を添加する。次に
、フラスコを37℃で約1週間インキュベートする。
【0401】 この時点で、新鮮培地を添加し、次いで数日ごとに取り換える。さらに二週間
培養した後に単層の線維芽細胞が出現する。単層をトリプシン処理し、さらに大
きなフラスコにスケールアップする。
【0402】 Moloneyマウス肉腫ウイルスの長末端反復が隣接するpMV−7(Ki
rschmeier,P.T.ら、DNA,7:219−25(1988))を
EcoRIおよびHindIIIで消化した後、仔ウシ腸ホスファターゼで処理
する。線状ベクターをアガロースゲルで分画し、そしてガラスビーズを使用して
精製する。
【0403】 TR11、TR11SV1またはTR11SV2をコードするcDNAを、上
記の実施例に記載のそれぞれ5’および3’末端配列に対応するPCRプライマ
ーを使用して増幅し得る。好ましくは、5’プライマーはEcoRI部位を含み
、そして3’プライマーはHindIII部位を含む。等量の、Moloney
マウス肉腫ウイルス線状骨格および増幅したEcoRIおよびHindIIIフ
ラグメントを、T4 DNAリガーゼの存在下で一緒に加える。得られた混合物
を二つのフラグメントを連結するのに適した条件下で維持する。次に、連結混合
物を使用し、細菌HB101を形質転換する。次に、それを、カナマイシンを含
む寒天上にプレーティングし、ベクターが正確に挿入されたTR11、TR11
SV1またはTR11SV2を有することを確認する。
【0404】 両種向性pA317またはGP+am12パッケージング細胞を、10%仔ウ
シ血清(CS)、ペニシリンおよびストレプトマイシンを含むDulbecco
改変Eagles培地(DMEM)中の組織培養でコンフルエントな密度まで増
殖させる。次に、TR11、TR11SV1またはTR11SV2遺伝子を含む
MSVベクターを培地に加え、パッケージング細胞にベクターを形質導入する。
このとき、パッケージング細胞はTR11、TR11SV1またはTR11SV
2遺伝子を含む感染性ウイルス粒子を産生する(ここで、このパッケージング細
胞をプロデューサー細胞という)。
【0405】 形質導入されたプロデューサー細胞に新鮮培地を添加し、次いで培地を10c
mプレートのコンフルエントなプロデューサー細胞から採取する。感染性ウイル
ス粒子を含む使用済み培地をミリポアーフィルターを通して濾過し、はがれたプ
ロデューサー細胞を除去した後、この培地を使用して、線維芽細胞に感染させる
。線維芽細胞のサブコンフルエントなプレートから培地を除去し、そしてプロデ
ューサー細胞からの培地で速やかに置き換える。この培地を除去し、そして新鮮
培地と置き換える。ウイルスの力価が高い場合、実質的にすべての線維芽細胞が
感染され、選択は必要ではない。力価が非常に低い場合、neoまたはhisの
ような選択マーカーを有するレトロウイルスベクターを使用することが必要であ
る。一旦、線維芽細胞が効率的に感染したなら、線維芽細胞を分析し、TR11
、TR11SV1またはTR11SV2タンパク質が産生されているか否かを決
定する。
【0406】 次に、操作された線維芽細胞を、単独で、またはサイトデックス3マイクロキ
ャリアビーズ上でコンフルエントに増殖させた後のいずれかで宿主に移植する。
【0407】 (実施例26:インビボでの遺伝子治療を用いる処置の方法) 本発明の別の局面は、インビボ遺伝子治療方法を用いて障害、疾患、および状
態を処置することである。この遺伝子治療方法は、裸の核酸(DNA、RNAお
よびアンチセンスDNAまたはRNA)TR11、TR11SV1またはTR1
1SV2配列を動物に導入してTR11、TR11SV1またはTR11SV2
ポリペプチドの発現を増加または減少させることに関する。このTR11、TR
11SV1またはTR11SV2ポリヌクレオチドを、標的組織によるTR11
、TR11SV1またはTR11SV2ポリペプチドの発現に必要なプロモータ
ーまたは任意のほかの遺伝的エレメントに作動可能に連結し得る。このような遺
伝子治療および送達技術および方法は、当該分野で公知であり、例えば、WO9
0/11092、WO98/11779;米国特許第5,693,622号、同
5,705,151号、同5,580,859号;Tabata H.ら(19
97)Cardiovasc.Res.35(3):470−479、Chao
Jら(1997)Pharmacol.Res.35(6):517−522
、Wolff J.A.(1997)Neuromuscul.Disord.
7(5):314−318、Schwartz B.ら、(1996)Gene
Ther.3(5):405−411、Tsurumi Y.ら、(1996
)Circulation 94(12):3281−3290(本明細書にお
いて参考として援用される)を参照のこと。
【0408】 TR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリヌクレオチド構築物を、
動物の細胞へ注射可能な物質を送達する任意の方法、例えば、組織(例えば、心
臓、筋肉、皮膚、肺、肝臓、腸など)の間質空間への注射によって送達し得る。
TR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリヌクレオチド構築物を、薬
学的に受容可能な液体または水性キャリア中で送達し得る。
【0409】 用語「裸の」ポリヌクレオチド、DNAまたはRNAとは、ウイルス配列、ウ
イルス粒子、リポソーム処方物、リポフェクチンまたは沈澱剤などを含む、細胞
への進入を補助、促進または容易にする作用をする送達ビヒクルをいずれも含ま
ない配列をいう。しかし、TR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリ
ヌクレオチドはまた、リポソーム処方物において送達され得る(例えば、Fel
gner P.L.ら(1995)Ann.NY Acad.Sci.772:
126−139およびAbdallah B.ら、(1995)Biol.Ce
ll 85(1):1−7に教示されるもの)。これは、当業者に周知の方法に
よって調製され得る。
【0410】 この遺伝子治療方法において使用されるTR11、TR11SV1またはTR
11SV2ポリヌクレオチドベクター構築物は、好ましくは、宿主ゲノムに組み
込まれないか、または複製を可能にする配列を含まない構築物である。当業者に
公知の任意の強力なプロモーターを、DNAの発現の駆動のために使用し得る。
他の遺伝子治療技術とは異なり、裸の核酸配列を標的細胞に導入する1つの主要
な利点は、その細胞におけるポリヌクレオチド合成の一過性の性質である。研究
によって、非複製性のDNA配列が細胞に導入されて6ヶ月までの期間の間所望
のポリペプチドの産生を提供し得ることを示した。
【0411】 TR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリヌクレオチド構築物は、
動物内の組織の間質空間に送達され得、これには、筋肉、皮膚、脳、肺、肝臓、
脾臓、骨髄、胸腺、心臓、リンパ、血液、骨、軟骨、膵臓、腎臓、胆嚢、胃、腸
、精巣、卵巣、子宮、直腸、神経系、眼、腺、および結合組織のものが含まれる
。この組織の間質空間は、細胞間液、器官組織の細網線維の間のムコ多糖類マト
リクス、管または室(房)の壁における弾性線維、線維性組織のコラーゲン線維
、あるいは筋肉を覆う結合組織内または骨小窩内の同じマトリクスを含む。これ
は同様に循環中の血漿およびリンパチャネルのリンパ液によって占められる空間
である。筋肉組織の間質空間への送達が以下に記載する理由のために好ましい。
これらは、これらの細胞を含む組織への注入によって簡便に送達され得る。これ
らは、好ましくは、分化した持続的で非分裂性の細胞へと送達し、そして発現さ
せるが、送達および発現は、分化していないかまたはあまり完全には分化してい
ない細胞(例えば、血液幹細胞または皮膚線維芽細胞)において達成し得る。イ
ンビボ筋肉細胞は、それらがポリヌクレオチドを取り込みそして発現する能力に
おいて特に適合している。
【0412】 裸のTR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリヌクレオチド注入に
ついて、有効投薬用量のDNAまたはRNAは、約0.05g/kg体重〜約5
0mg/kg体重の範囲である。好ましくは、この投薬量は、約0.005mg
/kg〜約20mg/kgであり、そしてより好ましくは、約0.05mg/k
g〜約5mg/kgである。当然、当業者が理解するように、この投薬量は、注
入の組織部位に従って変動する。適切かつ有効な投薬量の核酸配列は、当業者に
よって容易に決定され得、そして処置される状態および投与経路に依存し得る。
好ましい投与経路は、組織の間質空間への注入という非経口経路による。しかし
、他の非経口経路もまた使用し得る(例えば、特に肺または気道組織、咽頭また
は鼻粘膜への送達のためのエアロゾル処方物の吸入)。さらに、裸のTR11、
TR11SV1またはTR11SV2ポリヌクレオチド構築物を、この手順にお
いて使用されるカテーテルによる血管形成の間に動脈へと送達し得る。
【0413】 筋肉へインビボで注入されたTR11、TR11SV1またはTR11SV2
ポリヌクレオチドの用量応答効果を以下のように決定する。TR11、TR11
SV1またはTR11SV2ポリペプチドをコードする、mRNAの産生のため
に適切なTR11、TR11SV1またはTR11SV2テンプレートDNAを
、標準的な組換えDNA方法論に従って調製する。このテンプレートDNAは、
環状または線状でありうるが、裸のDNAまたはリポソームと複合体化されたD
NAとしてのいずれかで使用され得る。次いで、マウスの四肢筋肉にこのテンプ
レートDNAの種々の量を注入する。
【0414】 5〜6週齢の雌性および雄性Balb/Cマウスを、0.3mlの2.5%A
vertinを腹腔内注射することによって麻酔する。前大腿に1.5cmの切
込みを入れ、そして四頭筋を直接可視化する。TR11、TR11SV1または
TR11SV2テンプレートDNAを、1分間かけて、膝に向って筋肉の遠位挿
入部位から約0.5cmで、そして約0.2cmの深さに、27ゲージの針を通
して1ccシリンジ中の0.1mlのキャリア中で注入する。さらなる局在化の
ために、その注入部位にわたって縫合糸を施し、そしてその皮膚をステンレス鋼
クリップで閉じる。
【0415】 適切なインキュベーション時間(例えば、7日)後、筋肉抽出物を四頭筋全体
を切除することによって調製する。個々の四頭筋の5つの15μmの切片ごとに
TR11、TR11SV1またはTR11SV2タンパク質発現について組織化
学的に染色する。TR11、TR11SV1またはTR11SV2タンパク質発
現についての時間経過を、異なるマウスからの四頭筋を異なる時点で採取したこ
とを除いて類似の様式で行い得る。注入後のTR11、TR11SV1またはT
R11SV2 DNAの筋肉での持続を、注入したマウスおよびコントロールマ
ウスからの総細胞DNAおよびHIRT上清を調製した後のサザンブロット分析
によって決定し得る。マウスにおける上記の実験の結果を使用して、TR11、
TR11SV1またはTR11SV2の裸のDNAを用いたヒトおよび他の動物
における適切な投薬量および他の処置パラメータを推定し得る。
【0416】 本発明は、上記の説明および実施例で詳細に記載した通り以外にも、実施し得
ることは明らかである。
【0417】 本発明の数多くの改変および変更は、上記の教示を考慮すれば可能であり、そ
してそれ故、添付の特許請求の範囲の範囲内にある。
【0418】 本明細書において引用した全ての文献(特許、特許出願、雑誌論文、抄録、実
験マニュアル、書籍または他の開示を含む)の全開示は、本明細書中で参考とし
て援用される。
【0419】 さらに、本明細書とともに提出した配列表、ならびに米国仮特許出願第60/
063,212号(1997年10月21日出願)(この出願に対して、本願は
、米国特許法第119条(e)に基づく出願日の利益を主張する)とともに提出
した配列表および図4Aは、コンピューターおよび紙の形態の両方の形態で、各
々がその全体が参考として本明細書において援用される。
【0420】
【表4】
【0421】
【表5】
【0422】
【表6】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1Aおよび1Bは、TR11レセプターの、ヌクレオチド配列(配列番号1
)および推定のアミノ酸配列(配列番号2)を示す。完全なポリペプチドについ
て、約25アミノ酸残基の潜在的な分泌リーダー配列が予想された。この予想分
泌リーダー配列には、図1Aおよび1Bにおいて下線を引いている(配列番号2
におけるアミノ酸残基−25〜−1)。推定の全アミノ酸配列は、234アミノ
酸残基を含み、そして約25,113Daの推定分子量を有する。さらに、図1
Aおよび1Bにおいて約26〜約162のアミノ酸残基(配列番号2のアミノ酸
残基1〜137)は、細胞外ドメインを構成すること;約163〜約179のア
ミノ酸残基(配列番号2のアミノ酸残基138〜154)は、膜貫通ドメインを
構成すること;および約180〜約234のアミノ酸残基(配列番号2のアミノ
酸残基155〜209)は、細胞内ドメインを構成することが予想される。
【図2】 図2Aおよび2Bは、TR11SV1レセプターの、ヌクレオチド配列(配列
番号3)および推定のアミノ酸配列(配列番号4)を示す。推定の全アミノ酸配
列は、241アミノ酸残基を含み、そして約26,029Daの推定分子量を有
する。さらに、図2Aおよび2Bにおいて約1〜約162のアミノ酸残基(配列
番号4のアミノ酸残基1〜162)は、細胞外ドメインを構成すること;約16
3〜約179のアミノ酸残基(配列番号4のアミノ酸残基163〜179)は、
膜貫通ドメインを構成すること;および約180〜約241のアミノ酸残基(配
列番号4のアミノ酸残基180〜241)は、細胞内ドメインを構成することが
予想される。
【図3】 図3Aおよび3Bは、TR11SV2レセプターの、ヌクレオチド配列(配列
番号5)および推定のアミノ酸配列(配列番号6)を示す。完全なポリペプチド
について、約19アミノ酸残基の潜在的な分泌リーダー配列が予想された。この
予想分泌リーダー配列には、図3Aおよび3Bにおいて下線を引いている(配列
番号6におけるアミノ酸残基−19〜−1)。推定の全アミノ酸配列は、240
アミノ酸残基を含み、そして約25,727Daの推定分子量を有する。さらに
、図1Aおよび1Bにおいて約20〜約168のアミノ酸残基(配列番号6のア
ミノ酸残基1〜149)は、細胞外ドメインを構成すること;約163〜約18
5のアミノ酸残基(配列番号6のアミノ酸残基150〜166)は、膜貫通ドメ
インを構成すること;および約186〜約240のアミノ酸残基(配列番号6の
アミノ酸残基167〜221)は、細胞内ドメインを構成することが予想される
。 単独の潜在的なアスパラギン結合型グリコシル化部位を、TR11、TR11
SV1、およびTR11SV2のアミノ酸配列中に印をつけている。グリコシル
化の潜在的部位は、図1Aおよび1B中のアスパラギン−146(配列番号2、
中のアスパラギン−121)であり、図2Aおよび2B中のアスパラギン−14
6(配列番号4、中のアスパラギン−146)であり、そして、図3Aおよび3
B中のアスパラギン−152(配列番号6、中のアスパラギン−133)である
。潜在的なグリコシル化部位は、図1Aおよび1B、2Bおよび2Bならびに3
Aおよび3Bにおいて、アミノ酸配列中にアスパラギン(N)の太字の1文字略
語と対になったヌクレオチド配列上の太字枠記号(#)を用いてマークしている
。 TR11、TR11SV1、およびTR11SV2と密接に関係したマウスG
ITR(これらの配列のアラインメントは図4Aおよび4Bに示す)との間の高
い同一性の領域には、図1Aおよび1B、2Bおよび2Bならびに3Aおよび3
Bにおいて、二重下線で線引きしている。これらの領域は、制限するものではな
く、そして図1Aおよび1B、2Bおよび2Bならびに3Aおよび3Bにおいて
、保存ドメイン((CD)−II、CD−III、CD−IV、CD−V、CD
−VI、CD−VII、CD−IXおよびCD−X)として標識される。保存ド
メイン(CD)−Iは、TR11SV1およびTR11SV2でのみ見出され(
すなわち図2Bおよび2Bならびに3Aおよび3B)、そしてCD−VIIIは
TR11SV1でのみ見出される(すなわち、図2Aおよび2B)。
【図4】 図4Aおよび4Bは、マウスの糖質コルチコイド誘導腫瘍壊死因子レセプター
ファミリー関連遺伝子(GITR)レセプター様分子、TR11、TR11SV
1、およびTR11SV2(それぞれ、配列番号7、配列番号2、配列番号4お
よび配列番号6)のアミノ酸配列のアラインメントを示す。この図で示されるT
R11アミノ酸配列のナンバリングは、それぞれ図1Aおよび1B、2Bおよび
2Bならびに3Aおよび3Bにおいて、示されたナンバリングに対応する。この
アラインメントは、DNA*Star Sequence Analysisコ
ンピュータープログラム(DNASTAR,Inc.)の「MegAlign」
モジュールを用いて生み出された。TR11のアミノ酸残基と同一性を有さない
mGITR、TR11SV1およびTR11SV2のアミノ酸残基は、アライン
メント中で黒でハイライトしている。mGITRのGenBank登録番号は、
U82534である(Nocentini,Gら、Circ.Proc.Nat
l.Acad.Sci.USA 94:6216−6221(1997))。
【図5】 図5,6、および7は、それぞれ図1Aおよび1B、2Bおよび2Bならびに
3Aおよび3BのTR11、TR11SV1、およびTR11SV2レセプター
アミノ酸配列の構造分析を示す。α領域、β領域、ターン領域、およびコイル領
域;親水性および疎水性;両親媒性領域;可橈性領域;抗原性指数ならびに表面
確率が示される。 DNA*STARコンピュータープログラムはまた、表の様式で、図5,6お
よび7において示された同一のデータを示す。このような表の様式は、本発明の
1つ以上の局面の実施を補助し得る。ここでは、本発明の特定の構造または他の
特徴が本明細書の図5,6および7に示されたデータに従って描写されている。
図5,6および/もしくは7に示されたデータから同定され得る、またはデフォ
ルト設定にセットされたDNA*STARコンピュータープログラムを用いた同
一のデータから慣用的に生成した表の表示から同定され得る、本発明のポリペプ
チドのこのような構造もしくは他の特徴、またはこのようなポリペプチドをコー
ドするポリヌクレオチドのこのような構造もしくは他の特徴は、以下を含むがこ
れに限定されない:α領域−Garnier−Robson;α領域−Chou
−Fasman;β領域−Garnier−Robson;β領域−Chou−
Fasman;ターン領域−Garnier−Robson;ターン領域−Ch
ou−Fasman;コイル領域−Garnier−Robson;コイル領域
−Chou−Fasman;親水性プロット−Kyte−Doolittle;
α両親媒性領域−Eisenberg;β両親媒性領域−Eisenberg;
可撓性領域−Karplus−Schulz;抗原性指数−Jameson−W
olf;および表面確率プロット−Emini。これらの構造をコードするポリ
ヌクレオチドまたは他の特徴は、本発明の好ましい実施態様である。
【図6】 図5,6、および7は、それぞれ図1Aおよび1B、2Bおよび2Bならびに
3Aおよび3BのTR11、TR11SV1、およびTR11SV2レセプター
アミノ酸配列の構造分析を示す。α領域、β領域、ターン領域、およびコイル領
域;親水性および疎水性;両親媒性領域;可橈性領域;抗原性指数ならびに表面
確率が示される。 DNA*STARコンピュータープログラムはまた、表の様式で、図5,6お
よび7において示された同一のデータを示す。このような表の様式は、本発明の
1つ以上の局面の実施を補助し得る。ここでは、本発明の特定の構造または他の
特徴が本明細書の図5,6および7に示されたデータに従って描写されている。
図5,6および/もしくは7に示されたデータから同定され得る、またはデフォ
ルト設定にセットされたDNA*STARコンピュータープログラムを用いた同
一のデータから慣用的に生成した表の表示から同定され得る、本発明のポリペプ
チドのこのような構造もしくは他の特徴、またはこのようなポリペプチドをコー
ドするポリヌクレオチドのこのような構造もしくは他の特徴は、以下を含むがこ
れに限定されない:α領域−Garnier−Robson;α領域−Chou
−Fasman;β領域−Garnier−Robson;β領域−Chou−
Fasman;ターン領域−Garnier−Robson;ターン領域−Ch
ou−Fasman;コイル領域−Garnier−Robson;コイル領域
−Chou−Fasman;親水性プロット−Kyte−Doolittle;
α両親媒性領域−Eisenberg;β両親媒性領域−Eisenberg;
可撓性領域−Karplus−Schulz;抗原性指数−Jameson−W
olf;および表面確率プロット−Emini。これらの構造をコードするポリ
ヌクレオチドまたは他の特徴は、本発明の好ましい実施態様である。
【図7】 図5,6、および7は、それぞれ図1Aおよび1B、2Bおよび2Bならびに
3Aおよび3BのTR11、TR11SV1、およびTR11SV2レセプター
アミノ酸配列の構造分析を示す。α領域、β領域、ターン領域、およびコイル領
域;親水性および疎水性;両親媒性領域;可橈性領域;抗原性指数ならびに表面
確率が示される。 DNA*STARコンピュータープログラムはまた、表の様式で、図5,6お
よび7において示された同一のデータを示す。このような表の様式は、本発明の
1つ以上の局面の実施を補助し得る。ここでは、本発明の特定の構造または他の
特徴が本明細書の図5,6および7に示されたデータに従って描写されている。
図5,6および/もしくは7に示されたデータから同定され得る、またはデフォ
ルト設定にセットされたDNA*STARコンピュータープログラムを用いた同
一のデータから慣用的に生成した表の表示から同定され得る、本発明のポリペプ
チドのこのような構造もしくは他の特徴、またはこのようなポリペプチドをコー
ドするポリヌクレオチドのこのような構造もしくは他の特徴は、以下を含むがこ
れに限定されない:α領域−Garnier−Robson;α領域−Chou
−Fasman;β領域−Garnier−Robson;β領域−Chou−
Fasman;ターン領域−Garnier−Robson;ターン領域−Ch
ou−Fasman;コイル領域−Garnier−Robson;コイル領域
−Chou−Fasman;親水性プロット−Kyte−Doolittle;
α両親媒性領域−Eisenberg;β両親媒性領域−Eisenberg;
可撓性領域−Karplus−Schulz;抗原性指数−Jameson−W
olf;および表面確率プロット−Emini。これらの構造をコードするポリ
ヌクレオチドまたは他の特徴は、本発明の好ましい実施態様である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07K 16/00 G01N 33/15 Z C12P 21/02 33/50 Z G01N 33/15 33/53 D 33/50 C12N 15/00 ZNAA 33/53 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW (71)出願人 9410 Key West Avenue, Rockville, Marylan d 20850, United State s of America (72)発明者 ルーベン, スティーブン エム. アメリカ合衆国 メリーランド 20832, オルニー, ヘリテッジ ヒルズ ドラ イブ 18528

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下からなる群より選択される配列に少なくとも95%の同
    一であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分
    子: (a)図1Aおよび1Bに示される全アミノ酸配列(配列番号2のアミノ酸残
    基−25〜209)を有するTR11ポリぺプチドをコードするヌクレオチド配
    列; (b)図2Aおよび2Bに示される全アミノ酸配列(配列番号4のアミノ酸残
    基1〜241)を有するTR11SV1ポリぺプチドをコードするヌクレオチド
    配列; (c)図3Aおよび3Bに示される全アミノ酸配列(配列番号6のアミノ酸残
    基−19〜221)を有するTR11SV2ポリぺプチドをコードする、ヌクレ
    オチド配列; (d)図1Aおよび1Bに示される全アミノ配列をコードするが、N末端メチ
    オニンを欠く、ヌクレオチド(すなわち配列番号2のアミノ酸残基−24〜20
    9); (e)図2Aおよび2Bに示される全アミノ配列をコードするが、N末端メチ
    オニンを欠く、ヌクレオチド(すなわち配列番号4のアミノ酸残基2〜240)
    ; (f)図3Aおよび3Bに示される全アミノ配列をコードするが、N末端メチ
    オニンを欠く、ヌクレオチド(すなわち配列番号6のアミノ酸残基−18〜22
    1); (g)図1Aおよび1Bのアミノ酸配列26位から234位まで(配列番号2
    のアミノ酸残基1〜209)を含む推定成熟TR11レセプターをコードする、
    ヌクレオチド配列; (h)図3Aおよび3Bのアミノ酸配列20位から240位まで(配列番号6
    のアミノ酸残基1〜221)を含む推定成熟TR11SV2レセプターをコード
    する、ヌクレオチド配列; (i)ATCC受託番号209340に含まれるcDNAクローンによってコ
    ードされる全アミノ酸配列を有するTR11ポリぺプチドをコードする、ヌクレ
    オチド配列; (j)ATCC受託番号209341に含まれるcDNAクローンによってコ
    ードされる全アミノ酸配列を有するTR11SV1ポリぺプチドをコードする、
    ヌクレオチド配列; (k)ATCC受託番号209342に含まれるcDNAクローンによってコ
    ードされる全アミノ酸配列を有するTR11SV2ポリぺプチドをコードする、
    ヌクレオチド配列; (l)ATCC受託番号209340に含まれるcDNAクローンによってコ
    ードされるアミノ酸配列を有する成熟TR11レセプターをコードする、ヌクレ
    オチド配列; (m)ATCC受託番号209341に含まれるcDNAクローンによってコ
    ードされるアミノ酸配列を有する成熟TR11SV1レセプターをコードする、
    ヌクレオチド配列; (n)ATCC受託番号209342に含まれるcDNAクローンによってコ
    ードされるアミノ酸配列を有する成熟TR11SV2レセプターをコードする、
    ヌクレオチド配列; (o)TR11レセプター細胞外ドメインをコードする、ヌクレオチド配列; (p)TR11SV1レセプター細胞外ドメインをコードする、ヌクレオチド
    配列; (q)TR11SV2レセプター細胞外ドメインをコードする、ヌクレオチド
    配列; (r)TR11レセプター膜貫通ドメインをコードする、ヌクレオチド配列; (s)TR11SV1レセプター膜貫通ドメインをコードする、ヌクレオチド
    配列; (t)TR11SV2レセプター膜貫通ドメインをコードする、ヌクレオチド
    配列; (u)TR11レセプター細胞内ドメインをコードする、ヌクレオチド配列; (v)TR11SV1レセプター細胞内ドメインをコードする、ヌクレオチド
    配列; (w)TR11SV2レセプター細胞内ドメインをコードする、ヌクレオチド
    配列; (x)膜貫通ドメインのすべてまたは一部を欠失し、TR11レセプター細胞
    外ドメインおよび細胞内ドメインをコードする、ヌクレオチド配列; (y)膜貫通ドメインのすべてまたは一部を欠失し、TR11SV1レセプタ
    ー細胞外ドメインおよび細胞内ドメインをコードする、ヌクレオチド配列; (z)膜貫通ドメインのすべてまたは一部を欠失し、TR11SV2レセプタ
    ー細胞外ドメインおよび細胞内ドメインをコードする、ヌクレオチド配列;およ
    び (aa)(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、
    (i)、(j)、(k)、(l)、(m)、(n)、(o)、(p)、(q)、
    (r)、(s)、(t)、(u)、(v)、(w)、(x)、(y)または(z)
    のいずれか1つのヌクレオチド配列に相補的な、ヌクレオチド配列。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の核酸分子であって、ここで前記ポリヌクレオ
    チドは、ATCC受託番号209342に含まれるcDNAクローンによってコ
    ードされるアミノ酸配列を有する成熟TR11SV2レセプターポリペプチドを
    コードする、ヌクレオチド配列を有する、核酸分子。
  3. 【請求項3】 請求項1の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)
    、(g)、(h)、(i)、(j)、(k)、(l)、(m)、(n)、(o)
    、(p)、(q)、(r)、(s)、(t)、(u)、(v)、(w)、(x)、
    (y)、(z)または(aa)に記載のヌクレオチド配列に同一のヌクレオチド
    配列を有するポリヌクレオチドに、ストリンジェントなハイブリダイゼーション
    条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドを含む単離された核酸分子であっ
    て、ここで該ハイブリダイズするポリヌクレオチドが、A残基のみ、またはT残
    基のみからなるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドに、ストリンジェン
    トなハイブリダイゼーション条件下ではハイブリダイズしない、単離された核酸
    分子。
  4. 【請求項4】 請求項1の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)
    、(g)、(h)、(i)、(j)、(k)、(l)、(m)、(n)、(o)
    、(p)、(q)、(r)、(s)、(t)、(u)、(v)、(w)、(x)、
    (y)、(z)または(aa)に記載のアミノ酸配列を有するTR11、TR1
    1SV1、またはTR11SV2レセプターのエピトープ保有部分のアミノ酸配
    列をコードするポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の単離された核酸分子であって、以下: 配列番号2の約Arg−2位からGly−11位までのアミノ酸残基を含むポ
    リぺプチド;配列番号2の約Thr−18位から約Arg−26位までのアミノ
    酸残基を含むポリぺプチド;配列番号2の約Arg−34位から約Cys−42
    位までのアミノ酸残基を含むポリぺプチド;配列番号2の約Arg−31位から
    約Glu−39位までのアミノ酸残基を含むポリぺプチド;配列番号2の約Gl
    y−38位からAsp−46位までのアミノ酸残基を含むポリぺプチド;配列番
    号2の約Gly−74位から約Ser−82位までのアミノ酸残基を含むポリぺ
    プチド;配列番号2の約Glu−100位から約Asp−108位までのアミノ
    酸残基を含むポリぺプチド;配列番号2の約Phe−118位から約Ala−1
    26位までのアミノ酸残基を含むポリぺプチド;配列番号2の約Gly−131
    位からGly−139位までのアミノ酸残基を含むポリぺプチド;配列番号2の
    約Pro−178位から約Cys−186位までのアミノ酸残基を含むポリぺプ
    チド;および配列番号2の約Ser−197位から約Gly−205位までのア
    ミノ酸残基、を含むポリぺプチドからなる群より選択されるTR11レセプター
    ポリぺプチドのエピトープ保有部分をコードする、単離された核酸分子。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の単離された核酸分子であって、以下: 配列番号4の約Ala−2位からIle−10位までのアミノ酸残基を含むポ
    リぺプチド;配列番号4の約Asn−11位から約Gly−19位までのアミノ
    酸残基を含むポリぺプチド;配列番号4の約Thr−27位から約Ser−35
    位までのアミノ酸残基を含むポリぺプチド;配列番号4の約Trp−38位から
    約Glu−46位までのアミノ酸残基を含むポリぺプチド;配列番号4の約Gl
    y−42位からSer−50位までのアミノ酸残基を含むポリぺプチド;配列番
    号4の約Glu−31位から約Glu−46位までのアミノ酸残基を含むポリぺ
    プチド;配列番号4の約Cys−61位から約Glu−69位までのアミノ酸残
    基を含むポリぺプチド;配列番号4の約Gly−99位から約Ser−107位
    までのアミノ酸残基を含むポリぺプチド;配列番号4の約Glu−125位から
    Asp−133位までのアミノ酸残基を含むポリぺプチド;配列番号4の約Ph
    e−143位から約Ala−151位までのアミノ酸残基を含むポリぺプチド;
    配列番号4の約Gly−156位から約Gly−164位までのアミノ酸残基を
    含むポリぺプチド;配列番号4の約Cys−196位から約Leu−204位ま
    でのアミノ酸残基を含むポリぺプチド;配列番号4の約Pro−209位から約
    Ser−217位までのアミノ酸残基を含むポリぺプチド;および配列番号4の
    約Ser−229位からGly−237位までのアミノ酸残基、を含むポリぺプ
    チドからなる群より選択されるTR11SV1レセプターポリぺプチドのエピト
    ープ保有部分をコードする、単離された核酸分子。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の単離された核酸分子であって、以下: 配列番号6の約Gln−1位からCys−9位までのアミノ酸残基を含むポリ
    ぺプチド;配列番号6の約Gly−5位から約Arg−13位までのアミノ酸残
    基を含むポリぺプチド;配列番号6の約Thr−18位から約Arg−26位ま
    でのアミノ酸残基を含むポリぺプチド;配列番号6の約Thr−29位から約P
    ro−37位までのアミノ酸残基を含むポリぺプチド;配列番号6の約Cys−
    48位からGlu−56位までのアミノ酸残基を含むポリぺプチド;配列番号6
    の約Val−87位から約Phe−95位までのアミノ酸残基を含むポリぺプチ
    ド;配列番号6の約His−111位から約Thr−119位までのアミノ酸残
    基を含むポリぺプチド;配列番号6の約Phe−130位から約Ala−138
    位までのアミノ酸残基を含むポリぺプチド;配列番号6の約Gly−143位か
    らGly−151位までのアミノ酸残基を含むポリぺプチド;配列番号6の約P
    ro−190位から約Cys−198位までのアミノ酸残基を含むポリぺプチド
    ;および配列番号6の約Ser−209位から約Gly−217位までのアミノ
    酸残基、を含むポリぺプチドを含むポリぺプチドからなる群より選択されるTR
    11SV2レセプターポリぺプチドのエピトープ保有部分をコードする、単離さ
    れた核酸分子。
  8. 【請求項8】 以下からなる群より選択される配列を有するポリヌクレオチ
    ドを含む、単離された核酸分子: (a)配列番号1に示された配列のフラグメントのヌクレオチド配列であって
    、ここで、該フラグメントは、配列番号1から、少なくとも30〜50の連続す
    るヌクレオチドを含む、ヌクレオチド配列であって、ただし該単離された核酸分
    子は、配列番号8、配列番号9またはそれらの任意のサブフラグメントでない; (b)配列番号3に示された配列のフラグメントのヌクレオチド配列であって
    、ここで、該フラグメントは、配列番号3から、少なくとも30〜50の連続す
    るヌクレオチドを含む、ヌクレオチド配列であって、ただし該単離された核酸分
    子は、配列番号8、配列番号9またはそれらの任意のサブフラグメントでない; (c)配列番号5に示された配列のフラグメントのヌクレオチド配列であって
    、ここで、該フラグメントは、配列番号5から、少なくとも30〜50の近接す
    るヌクレオチドを含む、ヌクレオチド配列であって、ただし該単離された核酸分
    子は、配列番号8、配列番号9またはそれらの任意のサブフラグメントでない; (d)上記、(a)、(b)または(c)のヌクレオチド配列に相補的なヌク
    レオチド配列。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の単離された核酸分子をベクターに挿入する
    工程を包含する、組換えベクターを作製するための方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の方法によって産生された、組換えベクタ
    ー。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の組換えベクターを宿主細胞に導入する
    工程を包含する、組換え宿主細胞を作製するための方法。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の方法によって産生された、組換え宿主
    細胞。
  13. 【請求項13】 TR11、TR11SV1またはTR11SV2ポリぺプ
    チドを産生するための組換えをする方法であって、請求項12に記載の組換え宿
    主細胞を、該ポリぺプチドが発現されるような条件下で培養する工程、および該
    ポリぺプチドを回収する工程、を包含する、方法。
  14. 【請求項14】 以下からなる群より選択される配列に少なくとも95%同
    一であるアミノ配列を有する、単離されたポリぺプチド: (a)リーダーを含む、寄託されたcDNAによってコードされるTR11ポ
    リペプチド; (b)リーダーを含まない、寄託されたcDNAによってコードされるTR1
    1ポリペプチド(すなわち、成熟タンパク質); (c)リーダーを含む、図1Aおよび1B(配列番号2)のTR11ポリペプ
    チド; (d)リーダーを含むがN末端メチオニンを欠く、図1Aおよび1B(配列番
    号2)のTR11ポリペプチド; (e)リーダーを含まない、図1Aおよび1B(配列番号2)のポリペプチド
    ; (f)図1Aおよび1B(配列番号2)に示されるTR11レセプターの細胞
    外ドメイン、膜貫通ドメイン、および細胞内ドメイン; (g)寄託されたcDNAによりコードされるTR11SV1の全ポリペプチ
    ド; (h)寄託されたcDNAによりコードされる成熟TR11SV1のポリペプ
    チド; (i)図2Aおよび2B(配列番号4)のTR11SV1ポリペプチド; (j)リーダーを含むがN末端メチオニンを含まない、図2Aおよび2B(配
    列番号4)のTR11SV1ポリペプチド; (k)図2Aおよび2B(配列番号4)に示す、TR11SV1レセプターの
    細胞外ドメイン; (l)リーダーを含む、寄託されたcDNAによりコードされるTR11SV
    2ポリペプチド; (m)リーダーを含まない、寄託されたcDNAによりコードされるTR11
    SV2ポリペプチド(すなわち、成熟タンパク質); (n)リーダーを含む、図3Aおよび3B(配列番号6)のTR11SV2ポ
    リペプチド; (o)リーダーを含むがN末端メチオニンを含まない、図3Aおよび3B(配
    列番号6)のTR11SV2ポリペプチド; (p)リーダーを含まない、図3Aおよび3B(配列番号6)のポリペプチド
    ;および (q)図3Aおよび3B(配列番号6)に示す、TR11SV2レセプターの
    細胞外ドメイン;
  15. 【請求項15】 請求項14に記載のポリぺプチドに特異的に結合する、抗
    体。
  16. 【請求項16】 請求項14に記載のポリペプチド、またはそのアゴニスト
    もしくはアンタゴニストの有効量を、薬学的に許容されるキャリアとの混合中で
    、処置される個体に導入する工程を包含する、異常な細胞生存と関連する疾患状
    態を処置する方法。
  17. 【請求項17】 請求項14に記載のポリペプチド、またはそのアゴニスト
    もしくはアンタゴニストの有効量を、薬学的に許容されるキャリアとの混和物中
    で、処置される個体に導入する工程を包含する、異常な細胞生存と関連する疾患
    状態を処置する方法。
  18. 【請求項18】 以下の工程を含む、請求項14に記載のポリペプチドのア
    ゴニストおよびアンタゴニストについてスクリーニングする方法: (a)TR11レセプターを発現する細胞に候補化合物を接触させる工程、 (b)細胞応答をアッセイする工程、および (c)該候補化合物の非存在下で形成される標準的な細胞応答に対して該細胞
    応答を比較する工程;ここで、該標準を上回った細胞応答は、該化合物がアゴニ
    ストであることを示し、そして該標準を下回った細胞応答は、該化合物がアンタ
    ゴニストであることを示す。
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