(詳細な説明)
(定義)
以下の定義は、本明細書全体を通して使用される特定の用語の理解を容易にするために提供される。
本発明において、「単離された」とは、その元の環境(例えば、それが天然に存在する場合は天然の環境)から取り出された物質をいい、したがって、天然の状態から「人間の手によって」変更されている。例えば、単離されたポリヌクレオチドは、ベクターまたは物質の組成物の一部であり得るか、あるいは細胞内に含まれ得、そしてなお「単離され」ている。なぜなら、ベクター、物質の組成物、または特定の細胞は、ポリヌクレオチドの元の環境ではないからである。
本発明において、「分泌」タンパク質とは、ER、分泌小胞、または細胞外空間にシグナル配列の結果として指向され得るタンパク質、ならびにシグナル配列を必ずしも含まないが細胞外空間に放出されるタンパク質をいう。分泌タンパク質が、細胞外空間に放出される場合、分泌タンパク質は、「成熟」タンパク質を産生するために細胞外プロセシングを受け得る。細胞外空間への放出は、エキソサイトーシスおよびタンパク質分解切断を含む多くの機構によって生じ得る。
本明細書で使用される場合、「ポリヌクレオチド」とは、配列番号Xに含まれる核酸配列を有する分子、またはATCCに寄託されたクローン内に含まれるcDNAをいう。例えば、ポリヌクレオチドは、5’および3’非翻訳配列、シグナル配列を含むかもしくは含まないコード領域、分泌タンパク質コード領域を含む全長cDNA配列のヌクレオチド配列、ならびにこの核酸配列のフラグメント、エピトープ、ドメイン、および改変体を含み得る。さらに、本明細書で使用される場合、「ポリペプチド」とは、広く定義される場合、ポリヌクレオチドから生じた翻訳されたアミノ酸配列を有する分子をいう。
本発明では、配列番号Xとして同定された全長配列は、しばしば、複数のクローンに含まれる配列を重複させることによって生成された(コンティグ分析)。配列番号Xについての配列のすべてまたはほとんどを含む代表的クローンを、アメリカンタイプカルチャーコレクション(「ATCC」)に寄託した。表1に示すように、各クローンは、cDNAクローンID (Identifier)およびATCC寄託番号によって同定される。ATCCは、10801 University Boulevard, Manassas, Virginia 20110−2209, USAに位置する。ATCC寄託は、特許手続の目的のための微生物の寄託の国際承認に係るブダペスト条約によって行われた。
本発明の「ポリヌクレオチド」はまた、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号Xに含まれる配列、その相補体、またはATCCに寄託されたクローン内に含まれるcDNAにハイブリダイズし得るポリヌクレオチドを含む。「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、50%ホルムアミド、5×SSC(750mM NaCl、75mMクエン酸ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハルト溶液、10%硫酸デキストラン、および20μg/ml変性剪断サケ精子DNAを含む溶液中での42℃での一晩インキュベーション、次いで0.1×SSC中で約65℃にてフィルターを洗浄することをいう。
より低いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件で本発明のポリヌクレオチドにハイブリダイズする核酸分子もまた意図される。ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーおよびシグナル検出の変化は、主として、ホルムアミド濃度(より低い百分率のホルムアミドが、低下したストリンジェンシーを生じる);塩濃度、または温度の操作によって行われる。例えば、より低いストリンジェンシー条件は、6×SSPE(20×SSPE=3M NaCl;0.2M NaH2PO4;0.02M EDTA、pH7.4)、0.5% SDS、30%ホルムアミド、100μg/mlサケ精子ブロッキングDNAを含む溶液中での37℃での一晩インキュベーション;次いで1×SSPE、0.1% SDSを用いた50℃での洗浄を含む。さらに、さらにより低いストリンジェンシーを達成するために、ストリンジェントなハイブリダイゼーション後に行われる洗浄は、より高い塩濃度(例えば、5×SSC)で行われ得る。
上記の条件における変化が、ハイブリダイゼーション実験においてバックグラウンドを抑制するために使用される代替的なブロッキング試薬の包含および/または置換によって達成され得ることに留意すること。代表的なブロッキング試薬としては、デンハルト試薬、BLOTTO、ヘパリン、変性サケ精子DNA、および市販の製品処方物が挙げられる。特異的ブロッキング試薬の包含は、適合性の問題に起因して、上記のハイブリダイゼーション条件の改変を必要とし得る。
もちろん、ポリA+配列(例えば、配列表に示されるcDNAの任意の3’末端ポリA+領域(tract))に、またはT(もしくはU)残基の相補的ストレッチにのみハイブリダイズするポリヌクレオチドは、このようなポリヌクレオチドが、ポリ(A)ストレッチまたはその相補体(例えば、事実上任意の二本鎖cDNAクローン)を含む任意の核酸分子にハイブリダイズするので、「ポリヌクレオチド」の定義に包含されない。
本発明のポリヌクレオチドは、任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドから構成され得、これは、非改変RNAもしくは非改変DNAまたは改変RNAもしくは改変DNAであり得る。例えば、ポリヌクレオチドは、一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖および二本鎖領域の混合物であるDNA、一本鎖および二本鎖RNA、ならびに一本鎖および二本鎖領域の混合物であるRNA、一本鎖、またはより代表的には二本鎖もしくは一本鎖および二本鎖領域の混合物であり得るDNAおよびRNAを含むハイブリッド分子から構成され得る。さらに、ポリヌクレオチドは、RNAもしくはDNAまたはRNAおよびDNAの両方を含む三本鎖領域から構成され得る。ポリヌクレオチドはまた、安定性のために、または他の理由のために改変された1つ以上の改変された塩基またはDNAもしくはRNA骨格を含み得る。「改変された」塩基としては、例えば、トリチル化された塩基およびイノシンのような普通でない塩基が挙げられる。種々の改変が、DNAおよびRNAに対して行われ得;したがって、「ポリヌクレオチド」は、化学的、酵素的、または代謝的に改変された形態を含む。
本発明のポリペプチドは、ペプチド結合または改変されたペプチド結合、すなわち、ペプチドアイソスター(isostere)によって互いに連結したアミノ酸から構成され得、そして遺伝子がコードする20個のアミノ酸以外のアミノ酸を含み得る。ポリペプチドは、翻訳後プロセシングのような天然のプロセスによって、または当該技術分野で周知の化学的改変技術によってのいずれかで、改変され得る。このような改変は、基本テキスト、およびより詳細な研究論文、ならびに多くの研究文献に十分記載される。改変は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖、およびアミノ末端またはカルボキシル末端を含むポリペプチドのどこでも生じ得る。同じ型の改変が、所定のポリペプチド中のいくつかの部位で同じまたは種々の程度で存在し得ることが理解される。また、所定のポリペプチドは多くの型の改変を含み得る。ポリペプチドは、例えば、ユビキチン化の結果として分枝状であり得、そしてポリペプチドは、分枝を含むかまたは含まない、環状であり得る。環状、分枝状および分枝した環状ポリペプチドは、天然の翻訳後プロセスから生じ得るか、または合成方法によって作製され得る。改変としては、アセチル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合架橋の形成、システインの形成、ピログルタミン酸の形成、ホルミル化、γ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、水酸化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、ペグ化(pegylation)、タンパク質分解プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化のようなタンパク質へのアミノ酸のトランスファーRNA媒介付加、およびユビキチン化が挙げられる。(例えば、PROTEINS−STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIES, 第2版, T.E. Creighton, W.H. Freeman and Company, New York (1993);POSTTRANSLATIONAL COVALENT MODIFICATION OF PROTEINS, B.C. Johnson編, Academic Press, New York, 1−12頁 (1983);Seifterら, Meth Enzymol 182:626−646 (1990);Rattanら, Ann NY Acad Sci 663:48−62 (1992)を参照のこと)。
「配列番号X」とは、ポリヌクレオチド配列をいうが、「配列番号Y」とは、ポリペプチド配列をいい、両方の配列とも、表1に特定された整数によって同定される。
「生物学的活性を有するポリペプチド」とは、特定の生物学的アッセイで測定した場合、用量依存性を伴うかまたは伴わずに、本発明のポリペプチド(成熟形態を含む)の活性と類似であるが、必ずしも同一ではない活性を示すポリペプチドをいう。用量依存性が存在する場合、ポリペプチドの用量依存性と同一である必要はないが、むしろ本発明のポリペプチドと比較した場合に、所定の活性における用量依存性に実質的に類似する(すなわち、候補ポリペプチドは、本発明のポリペプチドと比較して、より大きな活性を示すか、または約1/25以上、そして好ましくは約1/10以上の活性、そして最も好ましくは約1/3以上の活性を示す)。
(本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチド)
(遺伝子番号1によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、主に好中球において発現する。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに免疫障害、特に感染および炎症性障害を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に免疫系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体から採取された健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織および造血組織、またはガン性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ液、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、慣用的に検出され得る。
好中球における組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、病原体の感染、免疫障害および組織または器官の移植における対宿主性移殖片応答の制御の診断および処置について有用であることを示す。さらに、この遺伝子産物は治療用標的のスクリーニングとして使用され得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号11に関し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号11の1〜1096の任意の整数であり、bは15〜1110の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号11に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号2によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、主に隆起性皮膚線維肉腫において発現し、そしてより低い程度では滑液線維芽細胞、骨巨細胞腫、樹状突起細胞、肺、単球およびヒト胚において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに外皮障害、増殖障害または筋肉障害、特に隆起性皮膚線維肉腫を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に結合組織の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体から採取された健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、外皮組織、発達中の組織、筋組織、骨格組織、免疫組織ならびにガン性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ液、羊水、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、慣用的に検出され得る。
組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、隆起性皮膚線維肉腫の診断および処置について有用であることを示す。同様に、外皮組織における組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、種々の皮膚疾患(先天性障害(すなわち、母斑(nevi)、色素性母斑(mole)、雀斑、蒙古斑、血管腫、ブドウ酒様症候群)、外皮腫瘍(すなわち、角化症、ボーエン病、基底細胞ガン、扁平上皮ガン、悪性黒色腫、パジェット病、菌状息肉腫およびカポージ肉腫を含む)、皮膚の傷害および炎症(すなわち、創傷、発疹、紅色汗疹障害、乾癬、皮膚炎)、粥状硬化症、蕁麻疹(uticaria)、湿疹、羞明、自己免疫障害(すなわち、狼瘡エリテマトーデス、白斑、皮膚筋炎、限局性強皮症、強皮症、類天疱瘡および天疱瘡)、ケロイド、線条、紅斑、点状出血、紫斑および眼瞼黄板症(xanthelasma)の処置、診断および/または予防について有用であることを示す。さらに、このような障害は、皮膚のウイルス感染および細菌感染(すなわち、単純ヘルペス、疣贅、水痘、伝染性軟属腫、帯状疱疹、腫脹、蜂巣炎、丹毒、膿痂疹、輪癬、汗疱状白癬(althletes foot)、および白癬)に対する感受性を増加させる素因であり得る。さらに、このタンパク質はまた、結合組織を罹患する障害(例えば、関節炎、外傷、腱炎、軟骨軟化症(chrondomalacia)、および炎症)の検出および処置、例えば、種々の自己免疫障害(例えば、慢性関節リウマチ、狼瘡、硬皮症および皮膚筋炎、ならびに小人症、脊椎変形および特定の関節異常、ならびに軟骨形成不全、すなわち先天性脊椎骨端形成異常、家族性変形性関節症、II型骨形成不全(Atelosteogenesis type II)、シュミット型骨幹端軟骨形成不全)の診断または処置における有用性を示す。タンパク質、ならびにそのタンパク質に対する抗体は、上に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号12に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号12の1〜922の任意の整数であり、bは15〜936の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号12に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号3によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子の翻訳産物は、ステロール異性化および神経保護因子の結合に重要であると考えられるフェニルアキルアミン結合タンパク質(エモパミル結合タンパク質(EBP)としても公知である)と配列相同性を共有する。EBPは抗虚血剤についての主要なレセプターであることが公知であり、そして従ってこのファミリーの治療剤についての通常の標的として機能する(Genbank登録番号、gi|780263を参照のこと)。相同性の比較により、この遺伝子はまた、同じまたは他の、組織または細胞型のいずれかにおいて同様な役割を果たす。特定の実施態様において、本発明のポリペプチドは以下のアミノ酸配列を含む:MNQIFLFGQNVIHSSLHFVFVLLLLNNLFQIGFKATSFRCIVVQLNGDIGKREQI(配列番号:122)。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、本発明により包含される。
この遺伝子は、シクロヘキサミド処理サプト(supt)細胞、アルツハイマーの海綿状形態、胎児上皮、平滑筋、CD34枯渇バフィーコート臍帯血液で主に発現され、そしてより低い程度では活性化T細胞、内皮細胞、メラノサイト、B細胞リンパ球およびヒト小脳において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに神経障害、免疫障害または発達障害、特に神経変性障害を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に結合組織の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体から採取された健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、神経組織、外皮組織、発達中の組織、胎児組織、免疫組織ならびにガン性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ液、羊水、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、慣用的に検出され得る。好ましいエピトープには、配列番号68中で残基:Gly−33からAla−38、Glu−123からHis−128、Trp−150からAsn−161、His−195からSer−201として示される配列を含むエピトープが含まれる。
様々な神経組織における組織分布は、EBPタンパク質に対する相同性と合わせて、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、神経変性疾患状態、行動障害および炎症性障害(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、ツレット症候群、髄膜炎、脳炎、脱髄疾患、末梢神経障害、新生物、外傷、先天性奇形、脊髄損傷、虚血および梗塞形成、動脈瘤、出血、精神分裂病、躁病、痴呆、パラノイア、強迫性障害、恐慌性障害、学習障害、ALS、精神病、自閉、および行動変化(栄養補給、睡眠パターン、平衡、および認知の障害を含む)の検出/処置のために有用であることを示す。さらに、その遺伝子または遺伝子産物はまた、発生中の胚に関連した発生障害、伴性障害、または心血管系の障害の処置および/または検出において役割を果たし得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫療法標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号13に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは、配列番号13の1〜907の間の任意の整数であり、bは、15〜921の整数であり、ここでaおよびbの両方は、配列番号13に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbは、a+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号4によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、血管周囲細胞腫で主に発現され、そしてより低い程度では視床下部、平滑筋、肝臓、脾臓、脳、骨、脂肪ならびに多くの他の組織および細胞で発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに神経障害、特に血管周囲細胞腫を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に血管の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体から採取された健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、神経組織、肝組織、筋骨格組織ならびにガン性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ液、胆汁、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、慣用的に検出され得る。好ましいエピトープには、配列番号69中で残基:Lys−14からGlu−19、Glu−74からLys−84、Pro−100からThr−105、Gly−119からAla−129、Gln−135からAsn−143、Pro−145からGln−150、Glu−162からGlu−167、Glu−207からPro−215として示される配列を含むエピトープが含まれる。
血管外皮細胞腫ならびに他の高度に血管が新生化された組織および器官における組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、血管の障害、特に血管周囲細胞腫および新脈管形成の診断および処置について有用であることを示す。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫療法標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号14に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは、配列番号14の1〜2527の間の任意の整数であり、bは、15〜2541の整数であり、ここでaおよびbの両方は、配列番号14に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbは、a+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号5によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、正常な卵巣および卵巣癌でおもに発現され、そしてより低い程度にはメルケル細胞および滑膜の線維芽細胞で発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに内分泌障害または生殖障害、特に卵巣癌を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に内分泌系および生殖系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体から採取された健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、生殖組織、内分泌組織ならびにガン性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ液、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、慣用的に検出され得る。
組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、内分泌系または生殖系の障害の診断および処置について有用である。卵巣により分泌されるタンパク質産物は、生殖機能に関連する全身性効果または局所的効果のいずれかを有するホルモンを提示し得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫療法標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号15に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは、配列番号15の1〜1032の間の任意の整数であり、bは、15〜1046の整数であり、ここでaおよびbの両方は、配列番号15に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbは、a+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号6によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、ホジキンリンパ腫および精巣で主に発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに免疫系または生殖系の障害、特にホジキンリンパ腫を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に免疫系、内分泌系および生殖系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体から採取された健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織、生殖組織ならびにガン性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ液、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、慣用的に検出され得る。好ましいエピトープには、配列番号71中で残基:Pro−16からCys−32、Thr−46からSer−51、Gly−59からGly−64として示される配列を含むエピトープが含まれる。
組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、免疫系の障害(免疫不全症、免疫機能不全、アレルギー、自己免疫疾患、器官/組織移殖または内分泌系の障害または不妊症のような生殖の問題を含む)の診断および処置について有用である。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫療法標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号16に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは、配列番号16の1〜968の間の任意の整数であり、bは、15〜982の整数であり、ここでaおよびbの両方は、配列番号16に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbは、a+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号7によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、脳組織、特に脳扁桃の抑制、線条の抑制およびアルツハイマー病の海綿状形態で主に発現され、そしてより少ない程度では膀胱およびメラノサイトで発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに神経性障害および精神障害を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に中枢神経の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体から採取された健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、神経組織ならびにガン性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ液、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、慣用的に検出され得る。好ましいエピトープには、配列番号72中で残基:Pro−29からLys−37として示される配列を含むエピトープが含まれる。
組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、神経変性障害および精神障害(鬱病、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、ツレット症候群、髄膜炎、脳炎、脱髄疾患、末梢壊疽、新生物、外傷、先天性奇形、脊髄障害、虚血および梗塞形成、動脈瘤、出血、精神分裂病、躁病、痴呆、パラノイア、強迫性障害、恐慌性障害、学習障害、ALS、精神病、自閉、および行動変化(栄養補給、睡眠パターン、平衡、および認知の障害を含む)の検出/処置のために有用であることを示す。さらに、その遺伝子または遺伝子産物はまた、発生中の胚に関連した発生障害、伴性障害、または心血管系の障害の処置および/または検出において役割を果たし得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫療法標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号17に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは、配列番号17の1〜3077の間の任意の整数であり、bは、15〜3091の整数であり、ここでaおよびbの両方は、配列番号17に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbは、a+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号8によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子の翻訳産物は、生理学的に重要なリガンドのシグナル伝達において重要であると考えられるGタンパク質共役レセプターと配列相同性を共有する。
この遺伝子は、脳組織(例えば、線条の抑制)において主に発現され、そしてより低い程度では滑膜線維芽細胞、骨巨細胞腫、胎児腎臓、樹状細胞、視床下部および脂肪組織において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに神経系の障害を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に中枢神経系の障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体から採取された健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、ガン性組織および創傷組織)または体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、慣用的に検出され得る。好ましいエピトープには、配列番号73中で残基:Asn−67からAsn−72として示される配列を含むエピトープが含まれる。
組織分布およびGタンパク質共役レセプターに対する相同性は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、治療化合物のスクリーニングについて有用であることを示す。これらの化合物は、多くの身体の系(中枢神経系、結合組織、骨、尿、代謝、免疫に関連する系を含む)における障害について使用され得る。さらに、この遺伝子産物は、例えば、この疾患状態が同じ遺伝子の過剰発現から生じる場合におけるアンタゴニストとして、治療用タンパク質として全てまたは一部が発現され得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫療法標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号18に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは、配列番号18の1〜782の間の任意の整数であり、bは、15〜796の整数であり、ここでaおよびbの両方は、配列番号18に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbは、a+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号9によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、胎児肺のみで発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに肺性障害または発生障害を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に肺系の障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体から採取された健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、肺組織、発生中の組織ならびにガン性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ液、羊水、髄液、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、慣用的に検出され得る。
胎児肺のみにおけるこの遺伝子の組織分布は、肺系の発生において中心となるるような役割を果たすことを示唆する。これは、このタンパク質産物の成人における発現の誤調節が、リンパ腫または肉腫の形成(特に肺における)を誘導し得ることを示唆する。これはまた、特定の肺欠損症(例えば、肺浮腫および塞栓症、気管支炎ならびに嚢胞性線維症)に対する傾向に関与し得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫療法標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号19に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは、配列番号19の1〜808の間の任意の整数であり、bは、15〜822の整数であり、ここでaおよびbの両方は、配列番号19に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbは、a+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号10によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、骨で主に発現され、そしてより低い程度ではT細胞、好中球および内皮細胞において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに骨格障害、免疫障害または造血系障害を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に免疫系の障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体から採取された健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、
骨格組織、免疫組織、造血組織ならびにガン性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ液、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、慣用的に検出され得る。好ましいエピトープには、配列番号75中で残基:Thr−33からGlu−44、Tyr−63からArg−68として示される配列を含むエピトープが含まれる。
造血細胞型におけるこの遺伝子の優性な組織分布は、この遺伝子が、関節炎、喘息および免疫不全疾患を含む免疫障害または造血性障害の処置または検出について重要であり得ることを示す。骨におけるこの遺伝子の発現は、骨発達の欠損、骨修復、骨障害および骨変形の処置および/または検出において潜在的な役割を示す。あるいは、様々な造血組織内部における組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、貧血、汎血球減少症、白血球減少症、血小板減少症、または白血病のような造血関連障害の処置および診断に有用であることを示す。なぜなら、間質細胞は造血性系統の細胞の産生に重要であるからである。この用途には、骨髄細胞エキソビボ培養、骨髄移植、骨髄再構成、新形成の放射線治療または化学療法がある。この遺伝子産物はまた、リンパ球生成に関与し得る。従って、それは、感染、炎症、アレルギー、免疫不全などのような免疫障害に使用され得る。さらに、この遺伝子産物は、種々の血液系統の幹細胞および方向付けられた前駆体の拡大において、および種々の細胞型の分化および/または増殖において商業的有用性を有し得る。タンパク質、ならびにそのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号20に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは、配列番号20の1〜643の間の任意の整数であり、bは、15〜657の整数であり、ここでaおよびbの両方は、配列番号20に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbは、a+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号11によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、胎児の肝臓および脾臓で主に発現され、そしてより低い程度では平滑筋、滑膜肉腫および脳で発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに発生の障害、肝臓障害および造血障害を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に肝系および造血系の障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体から採取された健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織、造血組織ならびにガン性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ液、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、慣用的に検出され得る。好ましいエピトープには、配列番号76中で残基:Pro−61からAla−67として示される配列を含むエピトープが含まれる。
主に胎児肝臓におけるこの遺伝子の組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、肝障害(肝癌および肝炎を含む)、発達障害および造血系障害(関節炎、喘息、免疫欠損障害および白血病を含む)の処置/検出について有用であることを示す。タンパク質、ならびにそのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号21に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは、配列番号21の1〜618の間の任意の整数であり、bは、15〜632の整数であり、ここでaおよびbの両方は、配列番号21に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbは、a+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号12によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、主に臍帯血で発現される。この配列中の任意のフレームシフトは、公知の分生物学技術を使用して容易に明らかにされる。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに造血障害を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に造血系の障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体から採取された健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織ならびにガン性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ液、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、慣用的に検出され得る。 臍帯血におけるこの遺伝子の組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、種々の免疫系障害または造血性障害(関節炎、喘息、免疫機能不全疾患および白血病)の処置または検出のために有用であることを示す。臍帯血におけるこの遺伝子産物の発現は、血液幹細胞を含む潜在的にすべての造血細胞系統の増殖;生存;分化;および/または活性化の調節における役割を示す。この遺伝子産物は、サイトカイン産生、抗原提示、またはガンの処置における有用性もまた示唆し得る他のプロセスの調節(例えば、免疫応答を高めることによって)に関与し得る。この遺伝子は、リンパ球起源の細胞において発現されるので、その天然の遺伝子産物は、免疫機能に関与し得る。それゆえ、関節炎、喘息、免疫不全疾患(例えば、AIDS)、白血病、慢性関節リウマチ、炎症性腸疾患、敗血症、挫瘡、および乾癬および組織を含む免疫学的障害のための薬剤としてもまた使用され得る。さらに、この遺伝子産物は、幹細胞および種々の血液系統の方向付けられた前駆体の増殖において、ならびに種々の細胞型の分化および/または増殖において商業的な有用性を有し得る。タンパク質およびこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、配列データベースを介して公に利用可能であり、そしてアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号22に関連し、そして本発明の着想以前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特別に除かれる。関連する配列を全て列挙することは面倒である。従って、好ましくは本発明の範囲から除外されるのは、一般式a−bによって記載されるヌクレオチド配列を含む1つ以上のポリヌクレオチドであり、ここで、aは、配列番号22の1〜851の任意の整数であり、bは、15〜865の任意の整数であり、ここで、aおよびbの両方は、配列番号22に示すヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてbは、a+14以上である。
(遺伝子番号13によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子のヌクレオチド配列は、活性化T細胞およびNK細胞が疾患細胞を活動的に捕捉し、そして炎症の領域内部に移動させる場合において、免疫応答後期の間の活性化T細胞およびNK細胞の接着性相互作用に関与すると考えられるT細胞表面タンパク質触覚前駆体との相同性を示す。
この遺伝子は、主に臍帯血で発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに造血障害を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に造血系および免疫系の障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体から採取された健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織ならびにガン性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ液、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、慣用的に検出され得る。
臍帯血におけるこの遺伝子の組織分布およびT細胞表面タンパク質前駆体触覚とのその配列相同性は、この遺伝子が、種々の免疫系障害または造血性障害(関節炎、喘息、免疫機能不全疾患および白血病)の診断および処置のために重要であり得るを示す。タンパク質およびこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、配列データベースを介して公に利用可能であり、そしてアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号23に関連し、そして本発明の着想以前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特別に除かれる。関連する配列を全て列挙することは面倒である。従って、好ましくは本発明の範囲から除外されるのは、一般式a−bによって記載されるヌクレオチド配列を含む1つ以上のポリヌクレオチドであり、ここで、aは、配列番号23の1〜1208の任意の整数であり、bは、15〜1222の任意の整数であり、ここで、aおよびbの両方は、配列番号23に示すヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてbは、a+14以上である。
(遺伝子番号14によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、主に脳で発現され、そしてより低い程度で胸腺および脾臓で発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに神経障害および炎症障害を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に神経系および免疫系の障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体から採取された健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織、神経組織、ガン性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ液、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、慣用的に検出され得る。好ましいエピトープには、配列番号79中で残基:Asp−48からSer−54として示される配列を含むエピトープが含まれる。
脳において優性であるこの遺伝子産物の組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、神経変性疾患状態および行動障害(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、精神分裂病、躁病、痴呆、パラノイア、強迫性障害および恐慌性障害)の検出/処置のために有用であることを示す。さらに、胸腺および脾臓におけるこの遺伝子の発現は、免疫障害(例えば、関節炎、喘息、免疫機能不全疾患および白血病)の検出および処置における実行可能な役割を示す。タンパク質およびこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、配列データベースを介して公に利用可能であり、そしてアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号24に関連し、そして本発明の着想以前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特別に除かれる。関連する配列を全て列挙することは面倒である。従って、好ましくは本発明の範囲から除外されるのは、一般式a−bによって記載されるヌクレオチド配列を含む1つ以上のポリヌクレオチドであり、ここで、aは、配列番号24の1〜1407の任意の整数であり、bは、15〜1421の任意の整数であり、ここで、aおよびbの両方は、配列番号24に示すヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてbは、a+14以上である。
(遺伝子番号15によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、主として6週齢胚において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに発達障害を含むがこれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に胎児の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、発達組織、分化組織、ならびに癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、羊水、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、定常的に検出され得る。好ましいエピトープとしては、配列番号80中で残基:Thr−36からMet−43として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、発達障害および変性障害、ならびにガンの処置および診断のために有用であることを示す。同様に、胚組織および増殖細胞によって特徴付けられる他の細胞供給源内における発現は、このタンパク質が細胞分裂の調節において役割を演じ得ることを示唆し、そしてガンおよび他の増殖性障害の診断または処置における有用性を示し得る。同様に、胚発生はまた、パターン形成における細胞分化および/またはアポトーシスに関与する決定を含む。従ってこのタンパク質はまた、アポトーシスまたは組織分化に関与し得、そしてガン治療においてもまた有用であり得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号25に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号25の1〜624の任意の整数であり、bは15〜638の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号25に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号16によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、主として胎児脳において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに脳腫瘍、発達疾患および神経変性性疾患を含むがこれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に脳の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、神経組織、発達組織、ならびに癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、定常的に検出され得る。好ましいエピトープとしては、配列番号81中で残基:His−41からGlu−49として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、脳および神経系の発達疾患および神経変性性疾患の処置および診断に有用であることを示す。例としては;行動および神経系の障害、例えば、抑鬱症、精神分裂病、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、躁病、痴呆、偏執症、および習慣性行動、睡眠障害が挙げられる。あるいは、胎児組織内での発現は、このタンパク質が細胞分裂の調節において役割を演じ得ることを示唆し、そしてガンおよび他の増殖障害の診断および処置において有用性を示し得る。同様に、胚発生はまた、パターン形成における細胞分化および/またはアポトーシスに関与する決定を含む。従ってこのタンパク質はまた、アポトーシスまたは組織分化に関与し得、そしてガン治療においてもまた有用であり得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号26に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号26の1〜735の任意の整数であり、bは15〜749の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号26に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号17によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、主として胎児組織において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに発達障害を含むがこれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に胎児の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、発達組織、分化組織、ならびに癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、羊水、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、定常的に検出され得る。 その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、発達障害および変性障害、ならびにガンの処置および診断のために有用であることを示す。同様に、胎児組織内での発現は、このタンパク質が細胞分裂の調節において役割を演じ得ること、ならびにガンおよび他の増殖障害の診断および処置において有用性を示し得ることを示唆する。同様に、胚発生はまた、パターン形成における細胞分化および/またはアポトーシスに関与する決定を含む。従ってこのタンパク質はまた、アポトーシスまたは組織分化に関与し得、そしてガン治療においてもまた有用であり得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号27に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号27の1〜774の任意の整数であり、bは15〜788の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号27に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号18によってコードされるタンパク質の特徴)
Reh細胞株に対して試験した場合、この遺伝子を含む細胞から除去した上清は、GAS(ガンマ活性化部位)プロモーターエレメントを活性化した。従って、この遺伝子は、B細胞をJaks−STATシグナル伝達経路を介して活性化するようである。GASは、Jaks−STAT経路に関与する多くの遺伝子の上流に見いだされるプロモーターエレメントである。Jaks−STAT経路は、細胞の分化および増殖に関与する広範なシグナル伝達経路である。従って、GASエレメントの結合によって反映されるJaks−STAT経路の活性化は、細胞の増殖および分化に関与するタンパク質を示すために使用され得る。
この遺伝子は、主として脳において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに脳腫瘍、脳の発達疾患および神経変性性疾患を含むがこれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に脳の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、神経組織、ならびに癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、定常的に検出され得る。好ましいエピトープとしては、配列番号83中で残基:Met−1からArg−8として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
脳におけるその組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、脳および神経系の発達疾患および神経変性性疾患の処置および診断に有用であることを示す。例としては;行動または神経系の障害、例えば、抑鬱症、精神分裂病、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、躁病、痴呆、偏執症、および習慣性行動、睡眠障害が挙げられる。あるいは、B細胞内で検出されたGASの生物学的活性は、増殖;生存;分化;および/または血液幹細胞を含む潜在的にすべての造血細胞系列の活性化の調節における役割を示す。この遺伝子産物は、サイトカイン生成、抗原提示、または例えば免疫応答をブーストすることによるガンの処置における有用性をまた示唆し得る他のプロセスの調節に関与し得る。この遺伝子はリンパ起源の細胞において発現されるので、天然の遺伝子産物は、免疫機能に関与し得る。それゆえ、この遺伝子は、関節炎、喘息、免疫不全疾患(例えば、AIDS)、白血病、慢性関節リウマチ、慢性肉芽腫症、炎症性腸疾患、敗血症、挫瘡、好中球減少、好中球増加、乾癬、過敏症(例えば、T細胞媒介細胞傷害)、移植器官および組織に対する免疫反応(例えば、宿主対移植片および移植片体宿主疾患)または自己免疫障害(例えば、自己免疫性不妊症、レンズ組織損傷、脱髄、全身性エリテマトーデス、薬物誘導性溶血性貧血、慢性関節リウマチ、シェーグレン病、強皮症ならびに組織を含む免疫学的障害のための薬剤としてもまた使用され得る。さらに、この遺伝子産物は、幹細胞および種々の血液系列の方向付けられた前駆細胞の拡大、ならびに種々の細胞型の分化および/または増殖において商業的有用性を有し得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号28に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号28の1〜927の任意の整数であり、bは15〜941の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号28に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号19によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、主として胎児心臓において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに心臓障害、骨格障害、または発達障害を含むがこれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に心血管系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、筋肉組織、心臓組織、発達組織、ならびに癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、羊水、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、定常的に検出され得る。好ましいエピトープとしては、配列番号84中で残基:Pro−42からAsn−49、Arg−54からGly−59、Ile−73からGlu−81として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、心血管ならびに障害、特に、心臓およびその発達に関係する障害の処置および診断のために有用であることを示す。心臓病に関する状態(例えば、再狭窄、アテローム性動脈硬化、発作、狭心症、血栓症および創傷治癒)はすべて本遺伝子のタンパク質産物の適用性の潜在的な領域である。同様に、胎児組織および増殖細胞によって特徴付けられる他の細胞供給源は、このタンパク質が細胞分裂の調節において役割を演じ得、そしてガンおよび他の増殖障害の診断および処置における有用性を示し得ることを示唆する。同様に、胚発生はまた、パターン形成における細胞分化および/またはアポトーシスに関与する決定を含む。従ってこのタンパク質はまた、アポトーシスまたは組織分化に関与し得、そしてガン治療においてもまた有用であり得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号29に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号29の1〜821の任意の整数であり、bは15〜835の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号29に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号20によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、主として胎盤において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに胎児欠損および出生前障害を含むがこれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に生殖系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、発達組織、増殖組織、ならびに癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、羊水、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、定常的に検出され得る。好ましいエピトープとしては、配列番号85中で残基:Val−54からAsp−59として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、発達異常、胎児欠損、生殖機能不全、または出生前障害の処置および診断のために有用であることを示す。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号30に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号30の1〜539の任意の整数であり、bは15〜553の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号30に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号21によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子の産物は、細胞外マトリックス構造に重要であると考えられているショウジョウバエのペルオキシダシン(peroxidasin)と配列相同性を共有する。ジャーカットT細胞株に対して試験した場合、この遺伝子を含む細胞から除去した上清は、GAS経路を活性化した。従って、この遺伝子は、T細胞をJaks−STATシグナル伝達経路を介して活性化するようである。GASは、Jaks−STAT経路に関与する多くの遺伝子の上流に見いだされるプロモーターエレメントである。Jaks−STAT経路は、細胞の分化および増殖に関与する大きなシグナル伝達経路である。従って、GASエレメントの結合によって反映されるJaks−STAT経路の活性化は、細胞の増殖および分化に関与するタンパク質を示すために使用され得る。
この遺伝子は、主として臍静脈において発現され、より低い程度では、内皮細胞および脳細胞において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに免疫障害、発達障害および成長障害を含むがこれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に脳の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織、造血組織、神経組織、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、定常的に検出され得る。好ましいエピトープとしては、配列番号86中で残基:Ala−55からThr−62、His−164からGly−175、Ala−197からGlu−202として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
その組織分布およびペルオキシダシンに対する相同性は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、細胞外マトリックスの形成を含む種々の胎児の発達障害および成長障害の研究、処置および診断に有用であることを示す。あるいは、その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、種々の免疫系障害の診断および処置に有用であることを示す。この遺伝子の遺伝子産物によるGAS経路の活性化は、血液幹細胞を含む潜在的にすべての造血細胞系列の増殖;生存;分化;および/または活性化の調節における役割を示す。この遺伝子産物は、サイトカイン生成、抗原提示、または例えば免疫応答をブーストすることによるガンの処置における有用性をまた示唆し得る他のプロセスの調節に関与し得る。この遺伝子産物はGAS経路に関する活性を示すので、天然の遺伝子産物は、免疫機能に関与し得る。それゆえ、これは、関節炎、喘息、免疫不全疾患(例えば、AIDS)、白血病、慢性関節リウマチ、炎症性腸疾患、敗血症、挫瘡、および乾癬、ならびに組織を含む、免疫障害のための薬剤として使用され得る。さらに、この遺伝子産物は、幹細胞および種々の血液系列の方向付けられた前駆細胞の拡大、ならびに種々の細胞型の分化および/または増殖において商業的有用性を有し得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号31に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号31の1〜1332の任意の整数であり、bは15〜1346の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号31に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号22によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子の翻訳産物は、免疫調節に関与すると考えられるヒトM97−2分泌タンパク質(PCT公開番号WO9740151)に対して相同性を有することが示された。類似の構造に基づいて、これらのタンパク質は、類似の生物学的機能を共有すると考えられている。好ましいポリペプチドは,以下のアミノ酸配列を含む:
この遺伝子は、主として腎髄質において発現され、より低い程度では脳(扁桃抑制脳および幼児脳)において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに腎臓障害、内分泌系障害、およびCNS障害を含むがこれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に腎臓系、内分泌系、および中枢神経系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、腎臓組織、脳組織、免疫組織、造血組織、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、定常的に検出され得る。好ましいエピトープとしては、配列番号87中で残基:Pro−5からGln−11、Thr−29からAla−38として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
その組織分布は、この遺伝子のタンパク質産物が、種々の内分泌系障害、腎臓障害、発達障害および中枢神経系障害の研究、処置、および診断のために有用であることを示す。その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが,肝臓障害およびガン(例えば、胚芽細胞腫、黄疸、肝炎、肝臓代謝疾患、および肝細胞前駆体細胞の分化に起因する状態)の検出および処置に有用であることを示す。さらに、胎児におけるその発現は、発達異常、胎児欠損、出生前障害、および種々の創傷治癒モデルならびに/または組織外傷におけるタンパク質産物の有用な役割を示唆する。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号32に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号32の1〜612の任意の整数であり、bは15〜626の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号32に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号23によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、主として髄膜腫において発現され、より低い程度では、乳児脳で発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに脳およびCNSの障害、特に神経変性性障害を含むがこれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特にCNSおよび発達系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織、造血組織、神経組織、発達組織、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、定常的に検出され得る。
その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、CNSおよび発達経路に関与する障害および疾患の処置および診断のために有用であることを示す。その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、神経変性状疾患状態および行動傷害(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、ツレット症候群、精神分裂病、躁病、痴呆、パラノイア、強迫性障害、恐慌性障害、学習障害、ALS、精神病、自閉症、および行動変化(栄養補給、睡眠パターン、平衡、および認知の障害を含む)の検出/処置のために有用であることを示す。さらに、遺伝子または遺伝子産物はまた、発生中の胚に関連した発生障害、伴性障害、または心血管系の障害の処置および/または検出において役割を果たし得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号33に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号33の1〜1004の任意の整数であり、bは15〜1018の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号33に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号24によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、主として胸部リンパ節において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに代謝障害、造血障害、および免疫障害を含むがこれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に代謝系および免疫系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織、造血組織、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、定常的に検出され得る。好ましいエピトープとしては、配列番号89中で残基:Lys−27からSer−33として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、代謝障害および免疫障害の研究、診断ならびに処置に有用であることを示す。その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、種々の免疫系障害の診断および処置に有用であることを示す。胸部リンパ節におけるこの遺伝子産物の発現は、血液幹細胞を含む潜在的にすべての造血細胞系列の増殖;生存;分化;および/または活性化の調節における役割を示す。この遺伝子産物は、サイトカイン生成、抗原提示、または例えば免疫応答をブーストすることによりガンの処置における有用性をまた示唆し得る他のプロセスの調節に関与し得る。この遺伝子はリンパ起源の細胞において発現されるので、天然の遺伝子産物は、免疫機能に関与し得る。それゆえ、これはまた、関節炎、喘息、免疫不全疾患(例えば、AIDS)、白血病、慢性関節リウマチ、炎症性腸疾患、敗血症、挫瘡、および乾癬を含む、免疫学的障害のための試薬として使用され得る。さらに、この遺伝子産物は、幹細胞および種々の血液系列の方向付けられた前駆細胞の拡大、ならびに種々の細胞型の分化および/または増殖において商業的有用性を有し得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号34に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号34の1〜753の任意の整数であり、bは15〜767の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号34に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号25によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、主として胸部リンパ節において発現され、そしてより低い程度では骨髄で発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに代謝障害および免疫障害を含むがこれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に代謝系および免疫系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、定常的に検出され得る。
その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、種々の代謝障害および免疫障害の研究、診断ならびに処置に有用であることを示す。その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、種々の免疫系障害の診断および処置に有用であることを示す。胸部リンパ節および骨髄におけるこの遺伝子産物の発現は、血液幹細胞を含む潜在的にすべての造血細胞系列の増殖;生存;分化;および/または活性化の調節における役割を示す。この遺伝子産物は、サイトカイン生成、抗原提示、または例えば免疫応答をブーストすることによるガンの処置における有用性をまた示唆し得る他のプロセスの調節に関与し得る。この遺伝子はリンパ起源の細胞において発現されるので、天然の遺伝子産物は、免疫機能に関与し得る。それゆえ、これはまた、関節炎、喘息、免疫不全疾患(例えば、AIDS)、白血病、慢性関節リウマチ、炎症性腸疾患、敗血症、挫瘡、および乾癬、ならびに組織を含む、免疫学的障害のための試薬として使用され得る。さらに、この遺伝子産物は、幹細胞および種々の血液系列の方向付けられた前駆細胞の拡大、ならびに種々の細胞型の分化および/または増殖において商業的有用性を有し得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号35に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号35の1〜826の任意の整数であり、bは15〜840の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号35に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号26によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子配列は、ヒト第X染色体の配列と有意な相同性を示す。
この遺伝子は、主として胎盤において発現され、そしてより低い程度では胎児肝臓および脾臓において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに免疫系、代謝系、および発達系の障害を含むがこれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に代謝系および免疫系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、腎臓組織、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、定常的に検出され得る。好ましいエピトープとしては、配列番号91中で残基:Ile−98からPro−106、Pro−118からLeu−124、Ser−136からArg−148として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、免疫系、発達系、および代謝系を含む障害の研究、診断および処置に有用であることを示す。この遺伝子のヌクレオチド配列は、ヒト第10染色体の領域と相同性を示し、そしてその組織分布が与えられる場合、この遺伝子は発達経路またはその調節において機能し得る。さらに、胎児におけるその発現は、発達異常、胎児欠損、および出生前障害におけるそのタンパク質産物の有用な役割を示唆する。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号36に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号36の1〜1134の任意の整数であり、bは15〜1148の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号36に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号27によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子の翻訳産物は、エストロゲンレセプター改変体と配列相同性を有し、これは、生殖疾患、内分泌疾患および代謝疾患において重要であると考えられている。
この遺伝子は主に癌性の髄膜腫組織において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに癌および脳障害を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に脳および脳脊髄液の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、発生組織、癌組織および創傷組織)または体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)または別の組織もしくは細胞試料の中で、定常的に検出され得る。
組織分布およびエストロゲンレセプター改変体に対する相同性は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、脳障害、内分泌障害、生殖障害および代謝障害の研究、診断および処置のために有用であることを示す。あるいは、癌性の髄膜腫組織に対するこの組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドがこれらの腫瘍の診断および介入のために有用であることを示唆し得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての組織特異的マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号37に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号37の1〜1353の任意の整数であり、bは15〜1367の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号37に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号28によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、主にヒト好中球において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに炎症障害、および免疫障害を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に炎症系および免疫系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)または別の組織もしくは細胞試料の中で、定常的に検出され得る。好ましいエピトープとしては、配列番号93中で残基:Asn−20からCys−27までとして示される配列を含むエピトープが挙げられる。
組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、免疫および炎症障害の研究、診断および処置のために有用であることを示す。好中球におけるこの遺伝子産物の発現は、血液幹細胞を含む、潜在的に全ての造血細胞系列の増殖;生存;分化;および/または活性化の調節における役割を示す。この遺伝子産物は、サイトカイン産生、抗原提示、または他のプロセスの調節に関与し得、このことは、(例えば、免疫応答を高めることによって)癌の処置における有用性もまた示唆し得る。この遺伝子は、リンパ起源の細胞において発現されるので、天然の遺伝子産物は、免疫機能に関与し得る。それゆえ、これは、関節炎、喘息、免疫不全疾患(例えば、AIDS)、白血病、慢性関節リウマチ、炎症性腸疾患、敗血症、挫瘡および乾癬を含む免疫障害のための薬剤としてもまた使用され得る。さらに、この遺伝子産物は、幹細胞および種々の血液系統の方向付けられた前駆細胞の拡大において、ならびに種々の細胞型の分化および/または増殖において商業的な有用性を有し得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号38に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号38の1〜907の間の任意の整数であり、bは15〜921の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号38に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号29によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、主にT細胞において発現され、より低い程度には、下垂体組織において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに免疫および内分泌障害を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に内分泌系および免疫系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)または別の組織もしくは細胞試料の中で、定常的に検出され得る。好ましいエピトープとしては、配列番号94中で残基:Lys−23からSer−30まで、Ala−52からLeu−57まで、Pro−96からSer−105として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、種々の免疫障害および内分泌障害の研究、診断および処置に有用であることを示す。T細胞におけるこの遺伝子産物の発現は、血液幹細胞を含む、潜在的に全ての造血細胞系列の増殖;生存;分化;および/または活性化の調節における役割を示す。この遺伝子産物は、サイトカイン生成、抗原提示、または他のプロセスの調節に関与し得、このことは(例えば、免疫応答を高めることにより)ガンの処置における有用性もまた示唆し得る。この遺伝子はリンパ起源の細胞において発現されるので、天然の遺伝子産物は、免疫機能に関与し得る。それゆえ、これは、関節炎、喘息、免疫不全疾患(例えば、AIDS)、白血病、慢性関節リウマチ、炎症性腸疾患、敗血症、挫瘡および乾癬を含む免疫障害のための薬剤としてもまた使用され得る。さらに、この遺伝子産物は、幹細胞および種々の血液系統の方向付けられた前駆細胞の拡大において、ならびに種々の細胞型の分化および/または増殖において商業的な有用性を有し得る。タンパク質およびこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号39に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号39の1〜618の任意の整数であり、bは15〜632の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号39に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号30によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子の翻訳産物は、Mlrqマウスタンパク質と配列相同性を有し、これは、T細胞によるMHC認識において重要であると考えられる。この遺伝子の翻訳産物はまた、ヒト血小板因子と相同性を有し、これは、この遺伝子が免疫細胞(例えば、好中球など)の凝集において重要であることを示唆し得る。
この遺伝子は主に滑膜線維芽細胞において発現され、そしてT細胞およびホジキンリンパ腫においてより少ない程度に発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに免疫/自己免疫障害および癌を含む障害を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に免疫系および代謝系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)または別の組織もしくは細胞試料の中で、定常的に検出され得る。好ましいエピトープとしては、配列番号95中で残基:Asp−43からVal−54まで、Asn−66からGlu−74として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
この組織分布およびMlrqマウスタンパク質は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが免疫疾患および自己免疫疾患ならびに癌の研究、診断および処置のために有用であることを示す。免疫細胞におけるこの遺伝子産物の発現は、血液幹細胞を含む、潜在的に全ての造血細胞系譜の増殖;生存;分化;および/または活性化の調節における役割を示す。この遺伝子産物は、サイトカイン生成、抗原提示、またはその他のプロセスの調節に関与し得、このことはまた、(例えば免疫応答をブーストすることによる)癌の処置における有用性を示唆し得る。この遺伝子はリンパ起源の細胞において発現されるので、天然の遺伝子産物は、免疫機能に関与し得る。それ故、関節炎、喘息、免疫不全疾患(例えば、AIDS)、白血病、慢性関節リウマチ、炎症性腸疾患、敗血症、アクネ、および乾癬を含む、免疫学的障害の薬剤としてもまた使用され得る。さらに、この遺伝子産物は、幹細胞および種々の血液系譜の方向付けられた前駆細胞の拡大、ならびに種々の細胞型の分化および/または増殖において商業的有用性を有し得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号40に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号40の1〜594の任意の整数であり、bは15〜608の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号40に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号31によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、主に好中球において発現され、そしてより少ない程度には、腎臓髄質において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに免疫障害またはおよび炎症性障害を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に免疫系または腎臓系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織、腎臓組織、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)または別の組織もしくは細胞試料の中で、定常的に検出され得る。好ましいエピトープとしては、配列番号96中の残基:Glu−21からGly−30、Glu−33からThr−47として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
この組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが炎症性障害および免疫障害の研究、診断および処置のために有用であることを示す。好中球におけるこの遺伝子産物の発現は、血液幹細胞を含む、潜在的に全ての造血細胞系譜の増殖;生存;分化;および/または活性化の調節における役割を示す。この遺伝子産物は、サイトカイン生成、抗原提示、またはその他のプロセスの調節に関与し得、このことはまた、(例えば免疫応答をブーストすることによる)癌の処置における有用性を示唆し得る。この遺伝子はリンパ起源の細胞において発現されるので、天然の遺伝子産物は、免疫機能に関与し得る。それ故、関節炎、喘息、免疫不全疾患(例えば、AIDS)、白血病、慢性関節リウマチ、炎症性腸疾患、敗血症、アクネ、および乾癬を含む、免疫学的障害の薬剤としてもまた使用され得る。さらに、この遺伝子産物は、幹細胞および種々の血液系譜の方向付けられた前駆細胞の増大、ならびに種々の細胞型の分化および/または増殖において商業的有用性を有し得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。あるいは、腎臓における組織分布は、この遺伝子または遺伝子産物が、以下を含む腎臓疾患の処置および検出において使用され得ることを示す:ウィルムス腫瘍疾患、ならびに馬蹄腎、多発性嚢胞腎、およびファンコーニ症候群のような先天性腎臓機能不全に加えて、腎不全、腎炎、腎性尿細管性アシドーシス、タンパク尿、膿尿、浮腫、腎盂腎炎、水腎症、ネフローゼ症候群、圧挫症候群、糸球体腎炎、血尿、腎仙痛、腎結石。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号41に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号41の1〜863の任意の整数であり、bは15〜877の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号41に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号32によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、主に子宮および精巣上体組織において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに生殖障害およびホルモン障害を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に生殖系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)または別の組織もしくは細胞試料の中で、定常的に検出され得る。
この組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが発生障害、生殖疾患および内分泌障害の研究および処置のために有用であることを示す。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号42に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号42の1〜964の任意の整数であり、bは15〜978の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号42に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号33によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、LPS誘導好中球において発現する。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリぺプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに炎症および免疫欠損を含むがこれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリぺプチドおよびこれらのポリぺプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブを提供するにおいて有用である。上記の組織または細胞、特に免疫系の多くについて、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を有さない個体に由来する健常な組織または体液における発現レベル)と比較して、有意により高いかまたはより低いレベルでのこの遺伝子の発現は、このような障害を有する個体から採取した特定の組織または細胞型(例えば、ガン組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)または別の組織もしくは細胞試料において、定常的に検出され得る。
この組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが炎症性障害および一般的な免疫障害の研究および処置のために有用であることを示す。この遺伝子産物の誘導された好中球における発現は、血液幹細胞を含む、潜在的に全ての造血細胞系譜の増殖;生存;分化;および/または活性化の調節における役割を示す。この遺伝子産物は、サイトカイン生成、抗原提示、またはその他のプロセスの調節に関与し得、このことはまた、(例えば免疫応答をブーストすることによる)癌の処置における有用性を示唆し得る。この遺伝子はリンパ起源の細胞において発現されるので、天然の遺伝子産物は、免疫機能に関与し得る。それ故、関節炎、喘息、免疫不全疾患(例えば、AIDS)、白血病、慢性関節リウマチ、炎症性腸疾患、敗血症、アクネ、および乾癬を含む、免疫学的障害の薬剤としてもまた使用され得る。さらに、この遺伝子産物は、幹細胞および種々の血液系譜の方向付けられた前駆細胞の増大、ならびに種々の細胞型の分化および/または増殖において商業的有用性を有し得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号43に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号43の1〜985の任意の整数であり、bは15〜999の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号43に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号34によりコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、LPS誘導好中球において主に発現される。
したがって、本発明のポリヌクレオチドおよびポリぺプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに炎症および免疫欠損を含むがこれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブを提供するにおいて有用である。上記の組織または細胞、特に免疫系の障害の多くについて、標準的な遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を有さない個体に由来する健常な組織または体液における発現レベル)と比較して、有意により高いかまたはより低いレベルでのこの遺伝子の発現は、このような障害を有する個体から採取した特定の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織、ガン性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ液、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)または別の組織もしくは細胞試料において、定常的に検出され得る。好ましいエピトープは、配列番号99において残基:Pro−9からCys−14として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、炎症および一般的な免疫障害の研究および処置に有用であることを示す。この遺伝子産物の誘導された好中球における発現は、血液幹細胞を含む、潜在的に全ての造血細胞系譜の増殖;生存;分化;および/または活性化の調節における役割を示す。この遺伝子産物は、サイトカイン生成、抗原提示、またはその他のプロセスの調節に関与し得、このことはまた、(例えば免疫応答をブーストすることによる)癌の処置における有用性を示唆し得る。この遺伝子はリンパ起源の細胞において発現されるので、天然の遺伝子産物は、免疫機能に関与し得る。それ故、関節炎、喘息、免疫不全疾患(例えば、AIDS)、白血病、慢性関節リウマチ、炎症性腸疾患、敗血症、アクネ、および乾癬を含む、免疫学的障害の薬剤としてもまた使用され得る。さらに、この遺伝子産物は、幹細胞および種々の血液系譜の方向付けられた前駆細胞の増大、ならびに種々の細胞型の分化および/または増殖において商業的有用性を有し得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号44に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号44の1〜496の任意の整数であり、bは15〜510の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号44に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号35によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、主に乳児脳ならびにいくらか正常および形質転換細胞型において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに神経系障害および癌を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に神経およびリンパ系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、この障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、脳組織、ガン性組織および創傷組織)または体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、定常的に検出され得る。
組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが癌および/または発生障害、神経系障害およびリンパ障害(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンティングトン病、ツーレット症候群、および精神分裂病)の研究および処置のために有用であることを示す。さらに、遺伝子または遺伝子産物はまた、発生胚に関連する発生障害、伴性障害、または心血管系の障害の処置および/または検出において役割を果たし得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号45に関し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号45の1〜972の任意の整数であり、bは15〜986の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号45に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号36によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子の翻訳産物は、II型コラーゲンと配列相同性を有し、これは、マトリクス統合性および組織ホメオスタシスにおいて重要であると考えられる。この遺伝子の1つの実施態様は、以下のアミノ酸配列:PEGECCPVCP(配列番号128)のポリペプチドを含む。さらなる実施態様は、これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
この遺伝子は、主として骨芽細胞おいて発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに骨格疾患および他の間葉性疾患を包含するがそれに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に筋骨格系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、ガン性組織および創傷組織)または体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、定常的に検出され得る。好ましいエピトープとしては、配列番号101において残基Asp−18〜Arg−31、Leu−38〜Leu−53として示される配列を含むものが挙げられる。
組織分布およびコラーゲンに対する相同性は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが骨粗鬆症、関節炎障害および他の骨格障害の研究および処置のために有用であることを示す。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号46に関し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号46の1〜646の任意の整数であり、bは15〜660の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号46に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号37によってコードされるタンパク質の特徴)
この配列は、ヒト第17染色体にマッピングされている配列と相同性を有する。
この遺伝子は主として、松果体および乳児脳において発現する。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに神経内分泌疾患を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に神経系および内分泌系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意により高いまたはより低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織または細胞型(例えば、脳組織、ガン性組織および創傷組織)または体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、定常的に検出され得る。好ましいエピトープとしては、配列番号102において残基Ala−38からLys−62として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
この組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが神経系障害およびホルモン障害(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンティングトン病、ツレット症候群、精神分裂病、躁病、痴呆、偏執症、強迫性障害、恐慌性障害、学習障害、ALS、精神病、自閉、および行動変化(栄養補給、睡眠パターン、平衡、および知覚の障害を含む)の研究および処置に有用であることを示す。さらに、遺伝子または遺伝子産物はまた、発生中の胚に関連した発生障害、伴性障害、または心血管系の障害の処置および/または検出において役割を果たし得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号47に関し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号47の1〜326の間の任意の整数であり、bは15〜340の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号47に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号38によってコードされるタンパク質の特徴)
この配列は、ヒトウロプラキンタンパク質に対して有意な相同性を示し、これは、非対称ユニット膜の成分として有意な役割を果たすと考えられる。これは、最終的に分化した尿路上皮細胞から構成される生体膜を非常に特殊化している。このタンパク質は、非対称ユニット膜のアセンブリの調節において重要な役割を果たし得る。非対称ユニットタンパク質は、哺乳動物の尿路上皮の先端斑(apical plaque)を形成し、そして尿路上皮先端表面を強化することにおいて役割を果たすと考えられているため、細胞が膀胱拡張の間に破裂するのを妨げる。この遺伝子の1つの実施態様は、以下のアミノ酸配列のポリペプチドを含む:
さらなる実施態様は、これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。
この遺伝子は、主に骨髄および滑膜肉腫において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに造血および関節疾患を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に免疫系および骨格系、ならびに膜構造に関与する細胞の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、この障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、ガン性組織および創傷組織)または体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、定常的に検出され得る。好ましいエピトープとしては、配列番号103において残基Gln−29〜Ser−49に示される配列を含むエピトープが挙げられる。
組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが,免疫障害および骨格障害ならびに癌の研究および処置について有用であることを示す。あるいは、組織分布および相同性によれば、この遺伝子およびその対応する翻訳産物は、非対称ユニット膜のアセンブリの調節において重要な役割を果たし得るようであり、非対称ユニット膜は、細胞尿路上皮細胞の先端斑を形成するため、これらの細胞を強化し、そして細胞が膀胱の拡張の間に破裂することを予防する。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号48に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号48の1〜553の任意の整数であり、bは15〜567の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号48に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号39によってコードされるタンパク質の特徴)
このアミノ酸配列は、コラーゲンまたは膜発生および/もしくは構造において機能すると考えられるコラーゲン様タンパク質と弱く相同である。
この遺伝子は、主に肺、脳、および脊髄において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに神経系疾患および呼吸疾患を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特にCNSおよび発生組織の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体から採取された健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、ガン性組織および創傷組織)または体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、定常的に検出され得る。好ましいエピトープとしては、配列番号104において残基Pro−38〜His−47、Ala−59〜Thr−66として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
組織分布およびコラーゲン様タンパク質に対する相同性は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが神経系障害および呼吸障害の研究および処置のために有用であることを示す。この遺伝子の翻訳産物はまた、身体内のコラーゲンまたは膜の発生および/または構造の調節において機能し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号49に関し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号49の1〜1343の任意の整数であり、bは15〜1357の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号49に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号40によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、主に精巣組織、乳房組織、および発達する組織において発現され、そしてより少ない程度には、いくつかのほかの組織および器官において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに内分泌器官の障害、生殖器官の障害、および発達する器官の障害を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に内分泌系および生殖系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)または別の組織もしくは細胞試料の中で、慣用的に検出され得る。好ましいエピトープは、配列番号105において残基Met−1からThr−6、Gly−45からAsn−74として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、内分泌器官、生殖器官、および発達する器官の障害の処置および診断に有用であることを示す。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号50に関連し、そして本発明の概念の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号50の1〜1024の間の任意の整数であり、bは15〜1038の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号50に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号41によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子の翻訳産物は、(相同な遺伝子産物の生理学的役割を挿入のこと)において重要であると考えられる(最も緊密なホモログの名前を挿入のこと)との配列相同性を共有する。
この遺伝子は、主に(最も強力な発現が見られる組織または細胞株を挿入のこと)において発現され、そしてより少ない程度には、(遺伝子が発現されるほかの組織および細胞株を挿入のこと)において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに(疾患状態を挿入のこと)を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に(関連する疾患状態がありそうな(例えば免疫)系を挿入のこと)の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)または別の組織もしくは細胞試料の中で、慣用的に検出され得る。好ましいエピトープは、配列番号106において残基Val−10からLys−17、Ser−24からLys−29として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
その組織分布および(遺伝子または遺伝子ファミリー)に対する相同性は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、(最良の推測を取り入れ、かつ理論的根拠を説明のこと)に有用であることを示す。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号51に関連し、そして本発明の概念の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号51の1〜995の間の任意の整数であり、bは15〜1009の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号51に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号42によってコードされるタンパク質の特徴)
開示されたcDNAをコードする遺伝子は、第11染色体に存在すると考えられる。従って、本発明に関連するポリヌクレオチドは、第11染色体の連鎖解析におけるマーカーとして有用である。
この遺伝子は、主にメラニン形成細胞および胎児肺において発現され、そしてより少ない程度には、他の組織および器官において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに胎児、肺系、および皮膚の疾患を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に発達系、肺系、および皮膚系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)または別の組織もしくは細胞試料の中で、慣用的に検出され得る。
その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、表皮系、肺系、および発達系の疾患の処置または診断に有用であることを示す。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号52に関連し、そして本発明の概念の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号52の1〜894の間の任意の整数であり、bは15〜908の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号52に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号43によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、主に気管腫瘍および網膜において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびにガン、眼および肺系の疾患を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に眼系および肺系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)または別の組織もしくは細胞試料の中で、慣用的に検出され得る。
その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、眼、肺系、およびガンの障害の処置および診断に有用であることを示す。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙された組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号53に関連し、そして本発明の概念の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号53の1〜1241の間の任意の整数であり、bは15〜1255の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号53に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号44によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子の翻訳産物は、その変異体が、ガンの多くの症例に寄与する要因であると考えられる野生型p53遺伝子の制御下にある、細胞増殖調節タンパク質との相同性を共有する。開示されたcDNAをコードする遺伝子は、第11染色体に存在すると考えられる。従って、本発明に関連するポリヌクレオチドは、第11染色体の連鎖解析におけるマーカーとして有用である。
この遺伝子は、主に乳房および乳癌において発現され、そしてより少ない程度には、造血組織および免疫組織ならびにいくつかの他の組織および器官において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに生殖系、内分泌系、および造血系の障害ならびにガンを包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に生殖系、内分泌系、および造血系ならびにガン組織の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)または別の組織もしくは細胞試料の中で、慣用的に検出され得る。好ましいエピトープは、配列番号109において残基Cys−42からGly−48、Gly−52からIle−61として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、生殖器官、内分泌器官、および造血器官の障害(ガンを含む)の処置および診断に有用であることを示す。組織分布および細胞増殖調節タンパク質に対する相同性が与えられると、この遺伝子の翻訳産物は癌性細胞の調節における役割を果たし得るか、または腫瘍性増殖を決定するための診断用ツールとして有用であり得ることもまたありそうである。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙された組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号54に関連し、そして本発明の概念の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号54の1〜1128の間の任意の整数であり、bは15〜1142の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号54に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号45によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子の翻訳産物は、ガン、後天的免疫不全、糖尿病、心血管疾患、および神経系障害を含む種々の疾患において重要であると考えられるG共役型レセプターシグナリングに関与するタンパク質との配列相同性を共有する。
この遺伝子は、主に副腎腫瘍、内皮細胞、および中枢神経系において発現され、そしてより少ない程度には、いくつかの他の組織および器官において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに内皮、CNS、およびガンの障害を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に内皮および中枢神経系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)または別の組織もしくは細胞試料の中で、慣用的に検出され得る。好ましいエピトープは、配列番号110において残基Thr−41からAla−50として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
その組織分布およびG共役型レセプターシグナリングに関与するタンパク質に対する相同性は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、CNS、内皮、およびガンの障害の処置および診断に有用であることを示す。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙された組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号55に関連し、そして本発明の概念の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号55の1〜1909の間の任意の整数であり、bは15〜1923の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号55に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号46によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、主に活性化T細胞および副腎腫瘍において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに免疫系および内分泌系の障害を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に免疫系および内分泌系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ液、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)または別の組織もしくは細胞試料の中で、慣用的に検出され得る。好ましいエピトープは、配列番号111において残基Asn−52からAsn−60、Gly−72からPro−88、Pro−94からIle−99、Gln−127からLys−132、Glu−138からGly−144として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、免疫系および内分泌系の障害の処置および診断に有用であることを示す。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号56に関連し、そして本発明の概念の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号56の1〜1214の間の任意の整数であり、bは15〜1228の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号56に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号47によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、主に前立腺および脳において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに生殖系および中枢神経系の疾患を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特にCNSおよび生殖系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)または別の組織もしくは細胞試料の中で、慣用的に検出され得る。好ましいエピトープは、配列番号112において残基Ser−22からLys−27として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、CNSおよび生殖系の障害の処置および診断に有用であることを示す。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号57に関連し、そして本発明の概念の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号57の1〜1024の間の任意の整数であり、bは15〜1038の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号57に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号48によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、主に骨髄において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに骨髄の疾患を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に免疫系および造血系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ液、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)または別の組織もしくは細胞試料の中で、慣用的に検出され得る。好ましいエピトープは、配列番号113において残基Ser−39からAla−47、Phe−55からLeu−64として示される配列を含むエピトープが挙げられる。
その組織分布および相同性は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、免疫系および造血系の疾患の処置および診断に有用であることを示す。骨髄細胞におけるこの遺伝子産物の発現は、血液幹細胞を含む潜在的に全ての造血性細胞系統の増殖;生存;分化;および/または活性化の調節における役割を示す。この遺伝子産物は、サイトカイン産生、抗原提示、または癌の処置(例えば、免疫応答をブーストすることによって)における有用性をもまた示唆し得る他のプロセスの調節に関与し得る。この遺伝子はリンパ起源の細胞において発現されるので、その天然の遺伝子産物は免疫機能に関与し得る。従って、それはまた、関節炎、喘息、AIDSのような免疫不全疾患、白血病、慢性関節リウマチ、炎症性腸疾患、敗血病、挫瘡(アクネ)、および乾癬を含む免疫学的障害のための薬剤としても使用し得る。さらに、この遺伝子産物は、幹細胞および種々の血液系統の方向付けられた前駆体の拡大において、ならびに種々の細胞型の分化および/または増殖において商業的な有用性を有し得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫療法標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号58に関連し、そして本発明の概念の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号58の1〜976の間の任意の整数であり、bは15〜990の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号58に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号49によってコードされるタンパク質の特徴)
開示されたcDNAをコードする遺伝子は、第X染色体に存在すると考えられる。従って、本発明に関連するポリヌクレオチドは、第X染色体の連鎖解析におけるマーカーとして有用である。
この遺伝子は、主にメラニン形成細胞、胎児組織、および内皮細胞において発現され、そしてより少ない程度には、ガンを含む他の組織および器官において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに皮膚および発達中の器官の疾患を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に内皮系および胎児系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)または別の組織もしくは細胞試料の中で、慣用的に検出され得る。
その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、表皮細胞および発達中の組織の疾患(ガンを含む)の処置または診断に有用であることを示す。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙された組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号59に関連し、そして本発明の概念の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは配列番号59の1〜1753の間の任意の整数であり、bは15〜1767の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号59に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
(遺伝子番号50によってコードされるタンパク質の特徴)
この遺伝子は、主に扁桃において発現され、そしてより少ない程度には、樹状細胞、骨髄、脳、および肺細胞を含むいくつかの他の組織において発現される。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに免疫系障害を包含するがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に免疫系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織または細胞型(例えば、免疫組織、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、慣用的に検出され得る。
その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、免疫系ならびに骨髄系および肺系を含むいくつかの他の系の障害の診断および処置のために有用であることを示す。免疫細胞におけるこの遺伝子産物の発現は、血液幹細胞を含む潜在的に全ての造血性細胞系統の増殖;生存;分化;および/または活性化の調節における役割を示す。この遺伝子産物は、サイトカイン産生、抗原提示、または癌の処置(例えば、免疫応答をブーストすることによって)における有用性をもまた示唆し得る他のプロセスの調節に関与し得る。その遺伝子が、リンパ起源の細胞において発現されるので、その天然の遺伝子産物は、免疫機能に関与し得る。従って、それはまた、関節炎、喘息、AIDSのような免疫不全疾患、白血病、慢性関節リウマチ、炎症性腸疾患、敗血病、挫瘡(アクネ)、および乾癬を含む免疫学的障害のための薬剤としても使用し得る。さらに、この遺伝子産物は、幹細胞および種々の血液系統の方向付けられた前駆体の拡大において、ならびに種々の細胞型の分化および/または増殖において商業的な有用性を有し得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫療法標的としての有用性を示し得る。多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつかは、配列番号60に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であったかもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(ここで、aは、配列番号60の1〜1611の間の任意の整数であり、bは、15〜1625の整数であり、ここでaおよびbの両方は、配列番号60に示されるヌクレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbは、a+14以上である)を含む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
表1は、上記の各「遺伝子番号」に対応する情報を要約する。「ヌクレオチド配列番号X」として同定されるヌクレオチド配列は、表1において同定される「cDNAクローンID」から、およびいくつかの場合において、さらなる関連のDNAクローンから得られる部分的に相同な(「重複する」)配列から構築された。重複する配列は、高い冗長性の単一の連続した配列に構築され(通常、各ヌクレオチド部位で3〜5個の重複する配列)、配列番号Xとして同定される最終的な配列を得た。
cDNAクローンIDは、その日付に寄託され、そして「ATCC寄託番号Zおよび日付」において列挙される対応する寄託番号が与えられた。寄託物のいくつかは、同じ遺伝子に対応する複数の異なるクローンを含む。「ベクター」は、cDNAクローンIDにおいて含まれるベクターの型をいう。
「総ヌクレオチド配列」は、「遺伝子番号」によって同定されるコンティグにおけるヌクレオチドの総数をいう。寄託されたクローンは、これらの配列の全てまたはほとんどを含み得、この配列は、配列番号Xの「クローン配列の5’ヌクレオチド」および「クローン配列の3’ヌクレオチド」として示されるヌクレオチドの位置によって反映される。推定開始コドン(メチオニン)の配列番号Xのヌクレオチドの位置は、「開始コドンの5’ヌクレオチド」として同定される。同様に、推定シグナル配列の配列番号Xのヌクレオチドの位置は、「シグナルペプチドの第一のアミノ酸の5’ヌクレオチド」として同定される。
翻訳されたアミノ酸配列は、メチオニンで始まり、「アミノ酸配列番号Y」として同定されるが、他のリーディングフレームもまた、公知の分子生物学技術を使用して容易に翻訳され得る。これらのオルタナティブオープンリーディングフレームによって生成されるポリペプチドは、本発明によって具体的に意図される。
推定シグナルペプチドの配列番号Yの第一および最後のアミノ酸の位置は、「シグナルペプチドの第一のアミノ酸」および「シグナルペプチドの最後のアミノ酸」として同定される。分泌部分の配列番号Yの推定される第一アミノ酸の位置は、「分泌部分の推定される第一のアミノ酸」として同定される。最後には、オープンリーディングフレームにおける最後のアミノ酸の配列番号Yのアミノ酸の位置は、「ORFの最後のアミノ酸」として同定される。
配列番号Xおよび翻訳される配列番号Yは、十分に正確であり、そしてそうでなければ、当該分野において周知であるおよび以下でさらに記載される種々の使用に適切である。例えば、配列番号Xは、配列番号Xにおいて含まれる核酸配列または寄託されたクローンに含まれるcDNAを検出する核酸ハイブリダイゼーションプローブを設計するために有用である。これらのプローブはまた、生物学的サンプル中の核酸分子にハイブリダイズし、それによって本発明の種々の法医学(forensic)の方法、および診断の方法を可能にする。同様に、配列番号Yから同定されるポリぺプチドは、表1において同定されるcDNAクローンによってコードされる分泌タンパク質に特異的に結合する抗体を作製するために使用され得る。
それにもかかわらず、配列決定反応によって生成されるDNA配列は、配列決定のエラーを含み得る。エラーは、誤って同定されたヌクレオチドとして、または生成されたDNA配列におけるヌクレオチドの挿入または欠失として存在する。誤って挿入されたか、または欠失されたヌクレオチドは、推定アミノ酸配列のリーディングフレームにおいてフレームシフトを引き起こす。これらの場合において、作製されるDNA配列は、実際のDNA配列と99.9%(例えば、1000塩基を超えるオープンリーディングフレームにおける1塩基の挿入または欠失)を超えて同一であり得るにもかかわらず、推定アミノ酸配列は、実際のアミノ酸配列とは異なる。
従って、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列における正確さを必要とするこれらの適用のために、本発明は、配列番号Xとして同定され、作製されたヌクレオチド配列および配列番号Yとして同定され、推定の翻訳されたアミノ酸配列のみではなく、表1において記載されるような、ATCCに寄託された本発明のヒトcDNAを含むプラスミドDNAのサンプルもまた提供する。寄託されたクローンの各ヌクレオチド配列は、公知の方法に従って寄託されたクローンの配列決定によって容易に決定され得る。次いで、推定アミノ酸配列は、このような寄託物から証明され得る。さらに、特定のクローンによってコードされるタンパク質のアミノ酸配列はまた、ペプチド配列決定によって、または寄託されたヒトcDNAを含む適切な宿主細胞中でタンパク質を発現し、このタンパク質を収集し、そしてその配列を決定することによって、直接的に決定され得る。
本発明はまた、配列番号X、配列番号Y、または寄託されたクローンに対応する遺伝子に関する。対応する遺伝子は、本明細書中に開示される配列情報を使用して、公知の方法に従って単離され得る。このような方法は、開示された配列からプローブまたはプライマーを調製する工程、およびゲノム物質の適切な供給源から対応する遺伝子を同定または増幅する工程を包含する。
本発明においてまた提供されるものは、種相同体である。種相同体は、本明細書中に提供される配列から適切なプローブまたはプライマーを作製し、そして所望の相同体について適切な核酸供給源をスクリーニングすることによって単離および同定され得る。
本発明のポリぺプチドは、任意の適切な様式で調製され得る。このようなポリぺプチドとしては、単離された天然に存在するポリぺプチド、組換え的に生成されたポリぺプチド、合成的に生成されたポリぺプチド、またはこれらの方法の組合せによって生成されたポリぺプチドが挙げられる。このようなポリぺプチドを調製するための手段は、当該分野において十分に理解される。
ポリぺプチドは、分泌タンパク質の形態(成熟形態を含む)であり得るか、またはより大きいタンパク質(例えば、融合タンパク質)の部分であり得る(以下を参照のこと)。分泌配列またはリーダー配列、プロ配列、精製を補助する配列(例えば、複数のヒスチジン残基)、または組換え生成の間の安定性のためのさらなる配列を含むさらなるアミノ酸配列を含むことは、しばしば有利である。
本発明のポリぺプチドは、好ましくは、単離された形態で提供され、そして好ましくは実質的に精製される。ポリぺプチド(分泌されるポリぺプチドを含む)の組換え的に生成されたバージョン(version)は、SmithおよびJohnson、Gene 67:31−40(1988)に記載される1工程の方法によって実質的に精製され得る。本発明のポリぺプチドはまた、当該分野において周知である方法における分泌タンパク質に対して惹起される本発明の抗体を使用して、天然のまたは組換えの供給源から精製され得る。
(シグナル配列)
タンパク質が、シグナル配列、ならびにその配列についての切断点を有するか否かを予測するための方法が、利用可能である。例えば、McGeoch,Virus Res. 3:271−286(1985)の方法は、短いN末端荷電領域およびそれに続く完全な(切断されていない)タンパク質の非荷電領域からの情報を使用する。von Heinje,Nucleic Acids Res.14:4683−4690(1986)の方法は、切断部位の周辺の残基(代表的に−13〜+2残基)からの情報を使用し、ここで、+1は、分泌タンパク質のアミノ末端を示す。これらの方法のそれぞれについての、公知の哺乳動物分泌タンパク質の切断点を予測することの正確さは、75〜80%の範囲にある(von Heinje、前出)。しかし、2つの方法は、所定のタンパク質について、同じ推定切断点を必ずしも生成するとは限らない。
本発明の場合において、分泌されるポリぺプチドの推定アミノ酸配列は、SignalPと呼ばれるコンピュータープログラム(Henrik Nielsenら、Protein Engineering 10:1−6(1997))によって分析される。このプログラムは、アミノ酸配列に基づいてタンパク質の細胞での位置を予測する。この局在化のコンピューター予測の一部として、McGeochおよびvon Heinjeの方法が援用される。このプログラムによって、本明細書中に記載される分泌タンパク質のアミノ酸配列の分析は、表1において示される結果を提供した。
しかし、当業者に理解されるように、切断部位は、時折、生物に応じて変化し、そして絶対的な確実性を伴っては予測され得ない。従って、本発明は、配列番号Yにおいて示される配列を有する分泌されるポリぺプチドを提供し、これは推定切断点の5残基(すなわち、+または−5残基)内で始まるN末端を有する。同様に、ある場合において、分泌タンパク質からのシグナル配列の切断は、必ずしも均一ではなく、1つより多くの分泌される種を生じることもまた認識される。これらのポリぺプチド、およびこのようなポリぺプチドをコードするポリヌクレオチドは、本発明によって意図される。
さらに、上述の分析によって同定されるシグナル配列は、天然に存在するシグナル配列を必ずしも予測しないかもしれない。例えば、天然に存在するシグナル配列は、推定シグナル配列からさらに上流にあり得る。しかし、推定シグナル配列は、分泌タンパク質をERに指向し得るようである。これらのポリぺプチド、およびこのようなポリぺプチドをコードするポリヌクレオチドは、本発明によって意図される。
(ポリヌクレオチドおよびポリぺプチド改変体)
「改変体」とは、本発明のポリヌクレオチドまたはポリぺプチドとは異なるが、それらの本質的な特性を保持するポリヌクレオチドまたはポリぺプチドをいう。一般に、改変体は、全体的に密接に類似し、そして、多くの領域において、本発明のポリヌクレオチドまたはポリぺプチドに同一である。
本発明の参照ヌクレオチド配列に、例えば、少なくとも95%「同一」であるヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドによって、ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列が、ポリヌクレオチド配列がポリぺプチドをコードする参照ヌクレオチド配列の各100ヌクレオチドあたり5つまでの点変異を含み得ることを除いて、参照配列に対して同一であることを意図する。換言すれば、参照ヌクレオチド配列に対して少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドを得るために、参照配列のヌクレオチドの5%までが、別のヌクレオチドで欠失または置換され得るか、または参照配列中の総ヌクレオチドの5%までの多数のヌクレオチドで参照配列中に挿入され得る。問い合わせ(query)配列は、表1に示される配列全体、ORF(オープンリーディングフレーム)、または本明細書中で記載されるように特定される任意のフラグメントであり得る。
実際問題として、任意の特定の核酸分子またはポリぺプチドが、本発明のヌクレオチド配列に対して少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるか否かは、公知のコンピュータープログラムを使用して従来的に決定され得る。問い合わせ配列(本発明の配列)と本配列との間の最も良好な全体的な適合性(全体的な配列整列としてもまた参照される)を決定するための好ましい方法はまた、Brutlagら(Comp.App. Biosci.(1990)6:237−245)のアルゴリズムに基づくFASTDBコンピュータープログラムを使用して決定され得る。配列整列において、問い合わせ配列および本配列は、両方ともにDNA配列である。RNA配列は、UからTに変換することによって比較され得る。この全体的な配列整列の結果は、同一性パーセント(%)で示される。同一性パーセントを算定するためにDNA配列のFASTDB整列において使用される好ましいパラメーターは:Matrix=Unitary、k−tuple=4、Mismatch Penalty=1、Joining Penalty=30、Randomization Group Length=0、およびCutoff Score=1、Gap Penalty=5、Gap Size Penalty 0.05、Window Size=500または本ヌクレオチド配列の長さ(どちらかより短い方)である。
本配列が、5’または3’欠失のために(内部欠失のためではなく)問い合わせ配列より短い場合、手動の補正が結果に対してなされなけらばならない。これは、同一性パーセントを計算する場合に、FASTDBプログラムが本配列の5’および3’切断を考慮しないからである。5’末端または3’末端で切断される本配列について、問い合わせ配列に対して、同一性パーセントは、問い合わせ配列の総塩基のパーセントとして一致/整列されない本配列の5’および3’である問い合わせ配列の塩基の数を計算することによって補正される。ヌクレオチドが一致/整列されるか否かは、FASTDB配列整列の結果によって決定される。次いで、このパーセントは、同一性パーセントから差し引かれ、特定のパラメーターを用いて上記のFASTDBプログラムによって算定され、最終的な同一性パーセントのスコアに到達する。この補正されたスコアが、本発明の目的に使用されるものである。FASTDB整列によって示されるように、問い合わせ配列と一致/整列されいていない、本配列の5’および3’塩基の外側の塩基のみが、同一性パーセントのスコアを手動で調整する目的で算定される。
例えば、90塩基の本配列は、同一性パーセントを決定するために100塩基の問い合わせ配列に整列される。本配列、および従って、FASTDB整列の5’末端で生じる欠失は、5’末端で最初の10塩基の一致/整列を示さない。10個の不対合塩基は、配列の10%(一致していない5’および3’末端での塩基の数/問い合わせ配列の塩基の総数)を表し、そのため10%は、FASTDBプログラムによって算定される同一性パーセントのスコアから差し引かれる。残りの90塩基が完全に一致する場合は、最終的な同一性パーセントは90%である。別の例では、90塩基の本配列は、100塩基の問い合わせ配列と比較される。この場合、欠失は、内部欠失であり、その結果、問い合わせ配列と一致/整列しない本配列の5’または3’に塩基がない。この場合、FASTDBによって算定される同一性パーセントは手動で補正される。再び、問い合わせ配列と一致/整列しない本配列の5’または3’の塩基のみが手動で補正される。他の手動の補正は、本発明の目的ではなされない。
本発明の問い合わせアミノ酸配列に、例えば、少なくとも95%「同一」であるアミノ酸配列を有するポリぺプチドにより、本ポリペプチドのアミノ酸配列は、本ポリぺプチド配列が、問い合わせアミノ酸配列の各100個のアミノ酸あたり5つまでのアミノ酸の変更を含み得ることを除いて、問い合わせ配列に同一であることが意図される。換言すれば、問い合わせアミノ酸配列に少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を有するポリぺプチドを得るために、本配列におけるアミノ酸残基の5%までが、挿入、欠失、(消えない(indels))または別のアミノ酸で置換され得る。参照配列のこれらの変化は、参照アミノ酸配列のアミノ末端もしくはカルボキシ末端部位で生じ得るか、またはそれらの末端部位の間のどこにでも生じ得、参照配列中の残基間で個々に、または参照配列内の1つ以上のコンティグなグループにおいてのいずれかで、散在される。
実際問題として、任意の特定のポリぺプチドが、例えば、表1に示されるアミノ酸配列に対して、または寄託されたDNAクローンによってコードされるアミノ酸配列に対して、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるか否かは、従来的に、公知のコンピュータープログラムを使用して決定され得る。問い合わせ配列(本発明の配列)と本配列との間での最良の全体的な一致(全体的配列整列としても参照される)を決定するための好ましい方法は、Brutlagら(Comp. App. Biosci. (1990) 6:237−245)のアルゴリズムに基づくFASTDBコンピュータープログラムを使用して決定され得る。配列整列において、問い合わせおよび本配列は、両方ともヌクレオチド配列であるかまたは両方ともアミノ酸配列であるかのいずれかである。上記の全体的配列整列の結果は、同一性パーセントで示される。FASTDBアミノ酸整列に用いられる好ましいパラメーターは:Matrix=PAM 0、k−tuple=2、Mismatch Penalty=1、Joining Penalty=20、Randomization Group Length=0、Cutoff Score=1、Window Size = 配列の長さ、Gap Penalty=5、Gap Size Penalty = 0.05、Window Size=500または本アミノ酸配列の長さ(どちらかより短い方)である。
本配列が、N末端またはC末端欠失により(内部の欠失のためではなく)問い合わせ配列よりも短い場合、手動の補正が結果に対してなされなけらばならない。これは、FASTDBプログラムが、全体的な同一性パーセントを算定する場合に、本配列のN末端切断およびC末端切断を考慮しないからである。N末端およびC末端で切断される本配列について、問い合わせ配列に対して、同一性パーセントは、問い合わせ配列の総塩基のパーセントとして、対応する本残基と一致/整列しない本配列のN末端およびC末端側である問い合わせ配列の残基の数を計算することによって補正される。残基が一致/整列されているか否かは、FASTDB配列整列の結果によって決定される。次いで、このパーセントは、同一性パーセントから差し引かれ、上記のFASTDBプログラムによって特定のパラメーターを使用して計算され、最終的な同一性パーセントのスコアに到達する。この最終的な同一性パーセントのスコアは、本発明の目的で使用されるものである。問い合わせ配列と一致/整列していない本配列のN末端およびC末端側の残基のみが、同一性パーセントのスコアを手動で調整する目的で考慮される。すなわち、本配列の最も遠いN末端およびC末端残基の外側の問い合わせ残基位置のみである。
例えば、90アミノ酸残基の本配列は、同一性パーセントを決定するために100残基の問い合わせ配列と整列される。欠失が本配列のN末端で生じ、そしてそれゆえFASTDB整列は、N末端での最初の10残基の一致/整列を示さない。10個の不対合残基は、配列の10%(一致していないN末端およびC末端での残基の数/問い合わせ配列中の残基の総数)を表し、その結果FASTDBプログラムによって計算される同一性パーセントのスコアから10%が差し引かれる。残りの90残基が完全に一致した場合、最終的な同一性パーセントは90%である。別の例において、90残基の本配列が、100残基の問い合わせ配列と比較される。この場合、欠失は、内部欠失であり、そのため問い合わせ配列と一致/整列しない本配列のN末端またはC末端の残基は存在しない。この場合、FASTDBによって算定される同一性パーセントは、手動で補正されない。再び、FASTDB整列において示される、問い合わせ配列と一致/整列しない本配列のN末端およびC末端の外の残基位置のみが手動で補正される。他の手動の補正は、本発明の目的のためにはなされない。
改変体は、コード領域、非コード領域、またはその両方における変化を含み得る。特に好ましいものは、サイレントな置換、付加、または欠失を生成するが、コードされるポリぺプチドの特性または活性を変化しない変化を含むポリヌクレオチド改変体である。遺伝コードの縮重に起因するサイレントな置換によって生成されるヌクレオチド改変体が、好ましい。さらに、任意の組合せにおいて5〜10、1〜5、もしくは1〜2アミノ酸が置換、欠失、または付加される改変体もまた、好ましい。ポリヌクレオチド改変体は、多様な理由(例えば、特定の宿主についてのコドン発現を至適化する(ヒトmRNAにおけるコドンを、E.coliのような細菌宿主によって好ましいコドンに変化する))ために、生成され得る。
天然に存在する改変体は、「対立遺伝子改変体」と呼ばれ、そして生物の染色体上の所定の遺伝子座を占有する遺伝子のいくつかの代替の形態のうちの1つをいう。(Genes II、Lewin,B.,編 John Wiley & Sons,New York(1985))。これらの対立遺伝子改変体は、ポリヌクレオチドレベルおよび/またはポリぺプチドレベルのいずれかで変化し得る。あるいは、天然に存在しない改変体は、変異誘発技術によってまたは直接的な合成によって生成され得る。
タンパク質工学および組換えDNA技術の公知の方法を使用して、改変体は、本発明のポリぺプチドの特性を改善または変化するために作製され得る。例えば、1つ以上のアミノ酸は、生物学的機能の実質的な欠損を伴わずに、分泌タンパク質のN末端またはC末端から欠失され得る。Ronら、J.Biol.Chem.268:2984−2988(1993)の著者らは、3、8、または27個のアミノ末端のアミノ酸残基を欠失した後であってもヘパリン結合活性を有する改変体KGFタンパク質を報告している。同様に、インターフェロンγは、このタンパク質のカルボキシ末端から8〜10個のアミノ酸残基を欠失した後、10倍までのより高い活性を示している(Dobeliら、J.Biotechnology 7:199−216(1988))。
さらに、豊富な証拠は、改変体が、天然に存在するタンパク質の生物学的活性に類似する活性をしばしば保持することを実証する。例えば、Gayleおよび共同研究者ら(J.Biol.Chem 268:22105−22111(1993))は、ヒトサイトカインIL−1aの広範囲にわたる変異分析を行った。彼らは、ランダムな変異誘発を使用して、分子の全長にわたって改変体当たり平均2.5アミノ酸の変化になる、3,500個を超える個々のIL−1a変異体を作製した。複数の変異が、全ての潜在的なアミノ酸の位置で試験された。この研究者らは、「分子の大部分は、結合活性または生物学的活性のいずれかに対してほとんど影響を伴わないで変化され得る」ことを見出した。(要約を参照のこと)。実際、試験された3,500個を超えるヌクレオチド配列のうち、わずか23個の独特なアミノ酸配列が、野生型と活性が有意に異なるタンパク質を生成した。
さらに、ポリぺプチドのN末端またはC末端からの1つ以上のアミノ酸の欠失が、1つ以上の生物学的機能の改変または欠失を生じたとしても、他の生物学的活性はなお保持され得る。例えば、分泌される形態を認識する抗体を誘導および/または結合する、欠失改変体の能力は、分泌される形態の残基の過半数未満が、N末端またはC末端から除去される場合に保持されるようである。タンパク質のN末端またはC末端残基を欠損する特定のポリぺプチドが、このような免疫原性活性を保持するか否かは、本明細書中に記載される、およびそうでなければ当該分野において公知の慣用の方法によって容易に決定され得る。
従って、本発明はさらに、実質的な生物学的活性を示すポリぺプチド改変体を含む。このような改変体としては、活性に対する影響をほとんど有さないように、当該分野において公知の一般的な法則に従って選択される、欠失、挿入、逆位、反復、および置換が挙げられる。例えば、表現型的にサイレントなアミノ酸置換を作製する方法に関する指針は、Bowie,J.U.ら、Science 247:1306−1310(1990)において提供され、ここで、著者らは変化に対するアミノ酸配列の寛容性を研究するための2つの主要なストラテジーがあることを指摘する。
第1のストラテジーは、進化の過程の間の天然の選別によるアミノ酸置換の寛容を利用する。異なる種におけるアミノ酸配列を比較して、保存されるアミノ酸が同定され得る。これらの保存されるアミノ酸は、タンパク質の機能について重要であるようである。対照的に、置換が天然の選別によって寛容されたアミノ酸の位置は、これらの位置がタンパク質の機能に重要ではないことを示す。従って、アミノ酸置換を寛容する位置は改変され得るが、タンパク質の生物学的活性をなおも維持する。
第2のストラテジーは、タンパク質機能に重要な領域を同定するために、クローン化された遺伝子の特定の位置でアミノ酸変化を導入するための遺伝子工学を使用する。例えば、部位特異的変異誘発またはアラニンスキャニング変異誘発(分子中の各残基で一づつのアラニン変異の導入)が、使用され得る。(CunninghamおよびWells,Science 244:1081−1085(1989))。次いで、得られた変異分子は生物学的活性について試験され得る。
著者らが言及するように、これらの2つのストラテジーは、タンパク質がアミノ酸置換に驚くほど寛容であることを明らかにした。著者らはさらに、どのアミノ酸変化が、タンパク質中の特定のアミノ酸位置で許容されるようであるかを示す。例えば、最も埋もれている(タンパク質の三次構造内の)アミノ酸残基は、非極性側鎖を必要とするが、表面側鎖の特徴は、一般にほとんど保存されない。さらに、寛容される保存的なアミノ酸置換は、脂肪族または疎水性アミノ酸のAla、Val、Leu、およびIleの置換;水酸基残基のSerおよびThrの置換;酸性残基のAspおよびGluの置換;アミド残基のAsnおよびGlnの置換、塩基性残基のLys、Arg、およびHisの置換;芳香族残基のPhe、Tyr、およびTrpの置換、ならびに小さなサイズのアミノ酸のAla、Ser、Thr、Met、およびGlyの置換を含む。
保存的なアミノ酸置換以外に、本発明の改変体は、(i)1つ以上の非保存的なアミノ酸残基の置換、ここでは置換されるアミノ酸残基は、遺伝コードによってコードされるアミノ酸残基であってもよくもしくはそうでなくてもよい、または(ii)置換基を有する1つ以上のアミノ酸残基での置換、または(iii)別の化合物(例えば、ポリぺプチドの安定性および/もしくは可溶性を増加するための化合物(例えば、ポリエチレングリコール))との成熟ポリぺプチドの融合、または(iv)さらなるアミノ酸(例えば、IgG Fc融合領域ペプチド、またはリーダーもしくは分泌配列、または精製を容易にする配列)とのポリぺプチドへの融合を含む。このような改変体ポリぺプチドは、本明細書中の教示から、当業者の範囲内であることが考えられる。
例えば、他の荷電されたアミノ酸または中性のアミノ酸を用いる荷電されたアミノ酸のアミノ酸置換を含むポリぺプチド改変体は、改善された特性(例えば、より少ない凝集性)を伴うタンパク質を生成し得る。薬学的処方物の凝集は、凝集体の免疫原活性に起因して、活性を減少し、かつクリアランスを増加する。(Pinckardら、Clin.Exp.Immunol.2:331−340(1967);Robbinsら、Diabetes 36:838−845(1987);Clelandら、Crit.Rev.Therapeutic Drug Carrier Systems 10:307−377(1993))。
(ポリヌクレオチドおよびポリぺプチドフラグメント)
本発明において、「ポリヌクレオチドフラグメント」とは、寄託されたクローンに含まれるか、または配列番号Xにおいて示される核酸配列を有する短いポリヌクレオチドをいう。短いヌクレオチドフラグメントは、好ましくは、少なくとも約15ヌクレオチド、およびより好ましくは少なくとも約20ヌクレオチド、なおより好ましくは少なくとも約30ヌクレオチド、およびさらにより好ましくは少なくとも約40ヌクレオチドの長さである。「少なくとも20ヌクレオチドの長さ」のフラグメントは、例えば、寄託されたクローンに含まれるcDNA配列または配列番号Xにおいて示されるヌクレオチド配列からの20個以上の連続した塩基を含むことが意図される。これらのヌクレオチドフラグメントは、本明細書中で考察されるように、診断プローブおよびプライマーとして有用である。もちろん、より大きなフラグメント(およそ50、150、500、600、2000ヌクレオチド)が好ましい。
さらに、本発明のポリヌクレオチドフラグメントの代表的な例は、例えば、配列番号Xまたは寄託されたクローンにおいて含まれるcDNAのヌクレオチド番号のおよそ1〜50、51〜100、101〜150、151〜200、201〜250、251〜300、301〜350、351〜400、401〜450、451〜500、501〜550、551〜600、651〜700、701〜750、751〜800、800〜850、851〜900、901〜950、951〜1000、1001〜1050、1051〜1100、1101〜1150、1151〜1200、1201〜1250、1251〜1300、1301〜1350、1351〜1400、1401〜1450、1451〜1500、1501〜1550、1551〜1600、1601〜1650、1651〜1700、1701〜1750、1751〜1800、1801〜1850、1851〜1900、1901〜1950、1951〜2000、および2001〜最後からの配列を有するフラグメントを含む。この状況において、「およそ」は、具体的に列挙される範囲、いずれかの末端もしくは両方の末端で、いくつか(5、4、3、2、もしくは1個)のヌクレオチドだけより大きなまたはより小さな範囲を含む。好ましくは、これらのフラグメントは、生物学的活性を有するポリぺプチドをコードする。より好ましくは、これらのポリヌクレオチドは、本明細書において考察されるようにプローブまたはプライマーとして使用され得る。
本発明において、「ポリぺプチドフラグメント」とは、配列番号Yにおいて含まれ、または寄託されたクローンに含まれるcDNAによってコードされる、短いアミノ酸配列をいう。タンパク質フラグメントは、「自立構造(free−standing)」であり得るか、またはフラグメントが部分または領域を形成するより大きなポリぺプチド内に、最も好ましくは単一の連続した領域として、含まれ得る。本発明のポリぺプチドフラグメントの代表的な例は、例えばコード領域のアミノ酸番号の約1〜20、21〜40、41〜60、61〜80、81〜100、102〜120、121〜140、141〜160、または161〜最後のフラグメントを含む。さらに、ポリぺプチドフラグメントは、約20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、または150アミノ酸の長さであり得る。この状況において、「約」は、具体的に列挙される範囲、いずれかの末端または両方の末端で、いくつかの(5、4、3、2、または1個)アミノ酸長だけより大きなまたはより小さな範囲を含む。
好ましいポリぺプチドフラグメントは、分泌タンパク質および成熟形態を含む。さらに好ましいポリぺプチドフラグメントは、アミノ末端もしくはカルボキシ末端、またはその両方から、連続した一連の欠失された残基を有する、分泌タンパク質または成熟形態を含む。例えば、1〜60個の範囲の任意の数のアミノ酸は、分泌ポリペプチドまたは成熟形態のいずれかのアミノ末端から欠失され得る。同様に、1〜30個の範囲の任意数のアミノ酸は、分泌タンパク質または成熟形態のカルボキシ末端から欠失され得る。さらに、上述のアミノ末端およびカルボキシ末端の欠失の任意の組み合わせが好ましい。同様に、これらのポリぺプチドフラグメントをコードするポリヌクレオチドフラグメントもまた、好ましい。
構造ドメインまたは機能ドメイン(例えば、αヘリックスおよびαヘリックス形成領域、βシートおよびβシート形成領域、ターンおよびターン形成領域、コイルおよびコイル形成領域、親水性領域、疎水性領域、α両親媒性領域、β両親媒性領域、可変領域、表面形成領域、基質結合領域、および抗原性指標の高い領域を含むフラグメント)によって特徴付けられるポリぺプチドおよびポリヌクレオチドのフラグメントもまた、好ましい。保存されるドメイン内にある配列番号Yのポリぺプチドフラグメントは、本発明によって具体的に意図される。さらに、これらのドメインをコードするポリヌクレオチドフラグメントもまた、意図される。
他の好ましいフラグメントは、生物学的に活性なフラグメントである。生物学的に活性なフラグメントは、本発明のポリぺプチドの活性に類似の活性を示すが、必ずしも同一である必要はないフラグメントである。フラグメントの生物学活性は、改善された所望の活性、または減少された所望されない活性を含み得る。
(エピトープおよび抗体)
本発明において、「エピトープ」とは、動物において、特にヒトにおいて、抗原性または免疫原性活性を有するポリぺプチドフラグメントをいう。本発明の好ましい実施態様は、エピトープを含むポリぺプチドフラグメント、およびこのフラグメントをコードするポリヌクレオチドに関する。抗体が結合し得るタンパク質分子の領域は、「抗原性エピトープ」と定義される。対照的に、「免疫原性エピトープ」は、抗体応答を誘発するタンパク質の一部と定義される。(例えば、Geysenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:3998−4002(1983)を参照のこと)。
エピトープとして機能するフラグメントは任意の従来の手段によって産生され得る(例えば、Houghten.R.A., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:5131−5135 (1985)、米国特許第4,631,211号でさらに記載される、を参照のこと)。
本発明において、抗原性エピトープは、好ましくは少なくとも7つ、より好ましくは少なくとも9つ、そして最も好ましくは約15〜約30アミノ酸の間の配列を含む。抗原性エピトープは、エピトープに特異的に結合する抗体(モノクローナル抗体を含む)を惹起するために有用である(例えば、Wilsonら、Cell 37:767−778 (1984); Sutcliffe, J.G.ら、Science 219: 660−666 (1983)を参照のこと)。
同様に、免疫原性エピトープは、当該分野で周知の方法に従って抗体を誘導するために使用され得る(例えば、Sutcliffeら、前出; Wilsonら、前出; Chow, M.ら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82: 910−914;およびBittle, F. J.ら、J. GenVirol. 66:2347−2354 (1985)を参照のこと)。好ましい免疫原性エピトープは分泌タンパク質を含む。免疫原性エピトープは、動物系(例えば、ウサギまたはマウス)にアルブミンのようなキャリアタンパク質とともに提示され得るか、または免疫原性エピトープが十分に長い場合(少なくとも、約25アミノ酸)には、キャリアなしで提示され得る。しかし、わずか8〜10アミノ酸を含む免疫原性エピトープは、変性ポリペプチドにおいて(例えば、ウエスタンブロッティングにおいて)、少なくとも線状エピトープに結合し得る抗体を惹起するのに十分であることが示されている。
本明細書中で使用される用語「抗体」(Ab)または「モノクローナル抗体」(Mab)は、タンパク質に特異的に結合し得るインタクトな分子および抗体フラグメント(例えば、FabおよびF(ab’)2フラグメント)を含むことを意味する。FabおよびF(ab’)2フラグメントは、インタクトな抗体のFcフラグメントを欠損し、循環からより迅速に排除され、そしてインタクトな抗体よりも少ない非特異的組織結合を有し得る。(Wahlら、 J. Nucl. Med. 24: 316−325 (1983))。従って、これらのフラグメントは、FABの産物または他の免疫グロブリン発現ライブラリーと同様に好ましい。さらに、本発明の抗体はキメラ抗体、単鎖抗体、およびヒト化抗体を含む。
(融合タンパク質)
本発明の任意のポリペプチドは、融合タンパク質を産生するために使用され得る。例えば、本発明のポリペプチドは、第2のタンパク質と融合される場合、抗原性タグとして使用され得る。本発明のポリペプチドに対して惹起される抗体は、ポリペプチドに結合することによって、第2のタンパク質を間接的に検出するために使用され得る。さらに、分泌されるタンパク質は、細胞位置を輸送シグナルに基づいて標的化するので、本発明のポリペプチドは、他のタンパク質に一旦融合されると標的化分子として使用され得る。
本発明のポリペプチドと融合され得るドメインの例は、異種シグナル配列のみならず、また他の異種機能性領域をも含む。融合は、必ずしも直接的である必要はないが、リンカー配列を介して起こり得る。
さらに、融合タンパク質はまた、本発明のポリペプチドの特徴を改良するために操作され得る。例えば、さらなるアミノ酸、特に荷電アミノ酸の領域が、宿主細胞からの精製または続く取り扱いおよび貯蔵の間の安定性および持続性を改良するためにポリペプチドのN末端へ付加され得る。また、ペプチド部分は精製を容易にするためにポリペプチドへ付加され得る。このような領域は、ポリペプチドの最終調製の前に除去され得る。ポリペプチドの取り扱いを容易にするためのペプチド部分の付加は、当該分野でよく知られる慣用の技術である。
さらに、本発明のポリペプチド(フラグメント、そして特にエピトープを含む)は、免疫グロブリン(IgG)の定常ドメインの一部と組み合わせられ得、キメラポリぺプチドを生じる。これらの融合タンパク質は精製を容易にし、そしてインビボにおける増大した半減期を示す。1つの報告された例は、ヒトCD4ポリペプチドの最初の2つのドメイン、および哺乳動物の免疫グロブリンの重鎖または軽鎖の定常領域の種々のドメインからなるキメラタンパク質を記載している(EP A 394,827; Trauneckerら、Nature 331: 84−86(1988))。ジスルフィド連結二量体構造(IgGに起因する)を有する融合タンパク質もまた、単量体分泌タンパク質またはタンパク質フラグメント単独よりも、他の分子に結合しそして中和するのにさらに効率的であり得る(Fountoulakisら、J. Biochem. 270: 3958−3964 (1995))。
同様に、EP−A−O 464 533(カナダ国対応特許第2045869号)は、別のヒトタンパク質またはその部分とともに免疫グロブリン分子の定常領域の種々の部分を含む融合タンパク質を開示する。多くの場合、融合タンパク質のFc部分は、治療および診断において有益であり、従って、例えば、改良された薬物動態学的な特性を生じ得る(EP−A 0232 262)。あるいは、融合タンパク質が発現され、検出され、そして精製された後に、Fc部分を欠失させることが望ましい。例えば、融合タンパク質が免疫化のための抗原として使用される場合、Fc部分は、治療および診断を妨害し得る。例えば、薬物の発見において、hIL−5のようなヒトタンパク質は、hIL−5のアンタゴニストを同定するための高処理能力スクリーニングアッセイの目的のためにFc部分と融合されてきた(D. Bennettら、J. Molecular Recognition 8:52−58 (1995); K. Johansonら、J. Biol. Chem. 270: 9459−9471 (1995)を参照のこと)。
さらに、本発明のポリペプチドはマーカー配列(例えば、融合されたポリペプチドの精製を容易にするペプチド)に融合され得る。好ましい実施態様において、マーカーアミノ酸配列は、とりわけヘキサ−ヒスチジンペプチド(例えば、pQEベクター(QIAGEN, Inc., 9259 Eton Avenue, Chatsworth, CA, 91311)において提供されるタグ)であり、これらの多くのマーカーアミノ酸配列が市販されている。例えば、Gentzら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86: 821−824(1989)に記載されるように、ヘキサ−ヒスチジンは、融合タンパク質の都合の良い精製を提供する。精製のために有用な別のペプチドタグである「HAタグ」は、インフルエンザ赤血球凝集素タンパク質由来のエピトープに対応する(Wilsonら、 Cell 37: 767 (1984))。
従って、任意のこれら上記の融合物は、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドを使用して操作され得る。
(ベクター、宿主細胞、およびタンパク質産生)
本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドを含むベクター、宿主細胞、および組換え技術によるポリペプチドの産生に関連する。例えば、ベクターは、ファージベクター、プラスミドベクター、ウイルスベクター、またはレトロウイルスベクターであり得る。レトロウイルスベクターは、複製コンピテント、または複製欠損であり得る。後者の場合、一般的にウイルス増殖は、補完性(complementing)宿主細胞にのみ生じる。
ポリヌクレオチドは、宿主における増殖のために選択マーカーを含むベクターに連結され得る。一般に、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈澱のような沈澱物、または荷電脂質との複合体において導入される。ベクターがウイルスである場合、ウィルスベクターは、適切なパッケージング細胞株を使用してインビトロでパッケージングされ、次いで宿主細胞に形質導入され得る。
ポリヌクレオチド挿入物は、適切なプロモーター(いくつか挙げれば、例えば、ファージλPLプロモーター、E. coli lacプロモーター、trpプロモーター、phoAプロモーターおよびtacプロモーター、SV40初期プロモーターおよびSV40後期プロモーター、ならびにレトロウイルスLTRのプロモーター)に作動可能に連結されるべきである。他の適切なプロモーターは当業者に公知である。発現構築物はさらに、転写開始、転写終結のための部位、および転写領域において、翻訳のためのリボソーム結合部位を含む。構築物によって発現される転写物のコード部分は、好ましくは、始めに翻訳開始コドン、および翻訳されるためのポリペプチドの末端に適切に位置される終結コドン(UAA、UGAまたはUAG)を含む。
示されるように、発現ベクターは、好ましくは少なくとも1つの選択マーカーを含む。このようなマーカーは、真核細胞培養のためのジヒドロ葉酸レダクターゼ、G418、またはネオマイシン耐性遺伝子、ならびにE.coliおよび他の細菌において培養するためのテトラサイクリン、カナマイシンまたはアンピシリン耐性遺伝子を含む。適切な宿主の代表的な例は、細菌細胞(例えば、E.coli、StreptomycesおよびSalmonella typhimurium細胞);酵母細胞のような真菌細胞;Drosophilia S2およびSpodoptera Sf9細胞のような昆虫細胞;CHO細胞、COS細胞、293細胞、およびBowesメラノーマ細胞のような動物細胞;ならびに植物細胞を含むが、これらに限定されない。上記の宿主細胞のための適切な培養培地および条件は、当該分野で公知である。
細菌における使用のために好ましいベクターの中には、pQE70、pQE60およびpQE−9(QIAGEN, Inc.から入手可能);pBluescriptベクター、Phagescriptベクター、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A(Stratagene Cloning Systems, Inc.から入手可能);およびptrc99a、pKK223−3、pKK233−3、pDR540、pRIT5(Pharmacia Biotech, Inc.から入手可能)を含む。好ましい真核生物ベクターの中には、pWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1およびpSG(Stratageneから入手可能);ならびにpSVK3、pBPV、pMSGおよびpSVL(Pharmaciaから入手可能)がある。他の適切なベクターは当業者に容易に明らかである。
宿主細胞への構築物の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染、または他の方法によってもたらされ得る。このような方法は、Davisら、Basic Methods In Molecular Biology (1986)のような多くの標準的研究室マニュアルに記載される。本発明のポリペプチドは、実際、組換えベクターを欠損する宿主細胞によって発現され得ることが特に意図される。
本発明のポリペプチドは、硫酸アンモニウム沈澱またはエタノール沈澱、酸抽出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含む周知の方法によって組換え細胞培養物から回収され得、そして精製され得る。最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)が精製のために使用される。
本発明のポリペプチド、および好ましくは分泌形態はまた、以下から回収され得る:直接単離されるかまたは培養されるかにかかわらず、体液、組織および細胞を含む天然の供給源から精製された産物;化学的合成手順の産物;ならびに、例えば、細菌細胞、酵母細胞、高等植物細胞、昆虫細胞、および哺乳動物細胞を含む、原核生物宿主または真核生物宿主から組換え技術によって産生された産物。組換え産生手順に使用される宿主に依存して、本発明のポリペプチドは、グリコシル化されてもまたはグリコシル化されていなくてもよい。さらに、本発明のポリペプチドもまた、宿主媒介プロセスの結果として、いくつかの場合において、最初の改変されたメチオニン残基を含み得る。従って、一般に、翻訳開始コドンによってコードされるN末端メチオニンが、すべての真核生物細胞における翻訳後の任意のタンパク質から高い効率で除去されることは当該分野において周知である。ほとんどのタンパク質においてN末端メチオニンもまた、ほとんどの原核生物において効果的に除去されるが、いくつかのタンパク質について、この原核生物除去プロセスは、N末端メチオニンが共有結合するアミノ酸の性質に依存しており、非効率的である。
(ポリヌクレオチドの使用)
本明細書中で同定された各々のポリヌクレオチドは、試薬として多数の方法において使用され得る。以下の説明は例示的であるとみなされるべきであり、そして公知の技術を利用する。
本発明のポリヌクレオチドは、染色体同定のために有用である。実際の配列データ(反復多型性)に基づく染色体マーキング試薬で、現在利用可能であるのはわずかであるため、新しい染色体マーカーを同定する必要性が存在するままである。本発明の各々のポリヌクレオチドは、染色体マーカーとして使用され得る。
簡単に言うと、配列は、配列番号Xで示される配列からPCRプライマー(好ましくは15〜25bp)を調製することによって染色体にマッピングされ得る。プライマーが、ゲノムDNA中の1つより多くの予測されたエキソンにまたがらないように、プライマーは、コンピューター分析を使用して選択され得る。次いで、これらのプライマーは、個々のヒト染色体を含む体細胞ハイブリッドのPCRスクリーニングのために使用される。配列番号Xに対応するヒト遺伝子を含むそれらのハイブリッドのみが、増幅したフラグメントを産生する。
同様に、体細胞ハイブリッドは、特定の染色体に対してポリヌクレオチドをPCRマッピングする迅速な方法を提供する。単一のサーマルサイクラーを使用して1日あたり3つ以上のクローンが割り当てられ得る。さらに、ポリヌクレオチドの準局在化(sublocalization)は、特定の染色体フラグメントのパネルで達成され得る。使用され得る他の遺伝子マッピング戦略は、インサイチュハイブリダイゼーション、標識フローソート(labeled flow sorted)染色体でのプレスクリーニング、および染色体特異的cDNAライブラリーを構築するためのハイブリダイゼーションによる前選択を含む。
ポリヌクレオチドの正確な染色体位置はまた、中期染色体スプレッド(spread)の蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)を使用して達成され得る。この技術は500または600塩基ほどの短さのポリヌクレオチドを使用する;しかし2,000〜4,000bpのポリヌクレオチドが好ましい。この技術の総説に関しては、Vermaら、「Human Chromosomes: a Manual of Basic Techniques」, Pergamon Press, New York (1988)を参照のこと。
染色体マッピングについては、ポリヌクレオチドは、個々に(単一染色体またはその染色体上の単一部位をマークするために)またはパネルで(複数部位および/または複数染色体をマークするために)使用され得る。好ましいポリヌクレオチドは、cDNAの非コード領域に対応する。なぜなら、コード配列は、遺伝子ファミリー内により保存される傾向があり、従って、染色体マッピングの間の交叉ハイブリダイゼーションの機会が増加するからである。
一旦、ポリヌクレオチドが正確な染色体位置にマップされると、ポリヌクレオチドの物理的位置は、連鎖分析において使用され得る。連鎖分析は、染色体位置と特定の疾患の提示との間の同時遺伝(coinheritance)を確立する。(疾患マッピングデータは、例えば、V. McKusick, Mendelian Inheritance in Man(Johns Hopkins University Welch Medical Libraryを通してオンラインで利用可能である)において見い出される)。1メガベースマッピング解像度および20kbあたり1遺伝子と仮定すると、疾患と関連する染色体領域に正確に配置されるcDNAは、50〜500の潜在的な原因遺伝子の1つであり得る。
従って、一旦、同時遺伝が確立されると、罹患個体と非罹患個体との間でのポリヌクレオチドおよび対応する遺伝子における差異が試験され得る。まず、染色体中の可視的構造改変(例えば、欠損または転位)は染色体スプレッドにおいて、またはPCRによって試験される。構造的改変が存在しない場合、点変異の存在が確認される。何人かのまたは全ての罹患された個体で観察されたが、正常な個体では観察されなかった変異は、変異が疾患を引き起こし得ることを示す。しかし、いくつかの正常な個体由来のポリペプチドおよび対応する遺伝子の完全な配列決定は、多型性を変異と区別するために要求される。新しい多型性が同定される場合、この多型ポリペプチドはさらなる連鎖分析のために使用され得る。
さらに、非罹患個体と比較した罹患個体の遺伝子の増加または減少した発現が、本発明のポリヌクレオチドを使用して評価され得る。任意のこれらの改変(改変された発現、染色体再配置、または変異)は、診断マーカーまたは予後マーカーとして使用され得る。
前記に加えて、ポリヌクレオチドは、三重らせん形成またはアンチセンスDNAもしくはRNAによって遺伝子発現を制御するために使用され得る。両方の方法は、DNAまたはRNAへのポリヌクレオチドの結合に依存する。これらの技術に関して、好ましいポリヌクレオチドは通常、20〜40塩基長であり、そして転写に関与する遺伝子領域(三重らせん−Leeら、Nucl. Acids Res.6:3073 (1979); Cooneyら、Science 241: 456 (1988);およびDervanら、Science 251: 1360 (1991)を参照のこと)またはmRNA自体(アンチセンス−Okano, J. Neurochem. 56:560 (1991); Oligodeoxy−nucleotides as Antisense Inhibitors of Gene Expression, CRC Press, Boca Raton, FL (1988))のいずれかに相補的である。三重らせん形成は、最適にはDNAからのRNA転写を遮断するが、アンチセンスRNAハイブリダイゼーションは、ポリペプチドへのmRNA分子の翻訳を阻止する。両方の技術は、モデル系において効果的であり、そして本明細書に開示される情報は、疾患を処置するための試みにおいて、アンチセンスまたは三重らせんポリヌクレオチドを設計するために使用され得る。
本発明のポリヌクレオチドはまた、遺伝子治療において有用である。遺伝子治療の1つの目標は、遺伝子欠損を修正する試みにおいて、欠損遺伝子を有する生物へ正常遺伝子を挿入することである。本発明に開示されるポリヌクレオチドは、高度に正確な様式でこのような遺伝子欠損を標的とする手段を提供する。別の目標は、宿主ゲノム中には存在しなかった新しい遺伝子を挿入することであり、それによって宿主細胞中に新しい形質を生成する。
ポリヌクレオチドはまた、微小な生物学的サンプルから個体を同定するために有用である。例えば、米国軍は、その職員を同定するために制限フラグメント長の多型性(RFLP)の使用を考慮している。この技術において、個体のゲノムDNAは1つ以上の制限酵素で消化され、そして職員を同定するため固有なバンドを生じるためのサザンブロットについてプローブされる。この方法は、「認識票(Dog tag)」(これは、失われたり、交換されたり、または盗まれたりすることにより、ポジティブな同定を困難にし得る)の現在の限界を受けない。本発明のポリヌクレオチドは、RFLPのためのさらなるDNAマーカーとして使用され得る。
本発明のポリヌクレオチドはまた、個体のゲノムの選択された部分の実際の塩基ごとのDNA配列を決定することによって、RFLPのための代替として使用され得る。これらの配列は、このような選択されたDNA(これは、次いで配列決定され得る)を増幅しそして単離するためにPCRプライマーを調製するために使用され得る。各個体が固有のセットのDNA配列を有するので、この技術を使用して、個体が同定され得る。一旦、固有のIDデータベースが個体について確立されると、個体が生存していようとまたは死亡していようとにかかわらず、個体のポジティブ同定が、極めて小さな組織サンプルから作製され得る。
法医学生物学もまた、本明細書に開示されるようなDNAに基づく同定技術を使用して利益を得る。組織(例えば、髪または皮膚)、または体液(例えば、血液、唾液、精液など)のような非常にわずかな生物学的サンプルから得られたDNA配列は、PCRを使用して増幅され得る。ある先行技術において、DQaクラスII HLA遺伝子のような多型性遺伝子座から増幅された遺伝子配列は、個体を同定するための法医学生物学において使用される。(Erlich, H., PCR Technology, Freeman and Co. (1992))。一旦、これらの特異的多型性遺伝子座が増幅されると、これらは1つ以上の制限酵素で消化される。これは、DQaクラスII HLA遺伝子に対応するDNAでプローブされたサザンブロットについてのバンドの同定するセットを生じる。同様に、本発明のポリヌクレオチドは、法医学的目的のための多型性マーカーとして使用され得る。
また、特定の組織の供給源を同定し得る試薬についての必要性が存在する。例えば、未知の起源の組織が提供される場合、法医学においてこのような必要性が生じる。適切な試薬は、例えば、本発明の配列から調製される特定の組織に特異的なDNAプローブまたはプライマーを含み得る。このような試薬のパネルは、種および/または器官型によって組織を同定し得る。同様の様式で、これらの試薬は、夾雑物について組織培養物をスクリーニングするために使用され得る。
少なくとも、本発明のポリヌクレオチドは、サザンゲルでの分子量マーカーとして、特定の細胞型における特定のmRNAの存在に関する診断プローブとして、新規なポリヌクレオチドを発見するプロセスでの公知の配列を「差し引き」するためのプローブとして、「遺伝子チップ」または他の支持体に付着させるためのオリゴマーを選択および作製するため、DNA免疫技術を用いて抗DNA抗体を惹起させるため、および免疫応答を誘発する抗原として、使用され得る。
(ポリペプチドの使用)
本明細書中に同定される各ポリペプチドは、多くの方法に使用され得る。以下の説明は、例示としてみなされるべきであり、そして公知の技術を使用する。
本発明のポリペプチドは、抗体に基づいた技術を使用して生物学的サンプル中のタンパク質レベルをアッセイするために使用され得る。例えば、組織におけるタンパク質発現は、古典的な免疫組織化学法を用いて研究され得る(Jalkanen, M.ら、 J. Cell. Biol. 101:976−985(1985); Jalkanen, M.ら、J. Cell. Biol. 105:3087−3096(1987))。タンパク質遺伝子発現を検出するのに有用である、抗体に基づいた他の方法には、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)およびラジオイムノアッセイ(RIA)のような免疫アッセイが含まれる。適切な抗体アッセイの標識は、当該技術分野で公知であり、そして例えば、グルコースオキシダーゼのような酵素標識、ならびにヨウ素(125I、121I)、炭素(14C)、硫黄(35S)、トリチウム(3H)、インジウム(112In)、およびテクネチウム(99mTc)のような放射性同位体、ならびにフルオレセインおよびローダミンのような蛍光標識、ならびにビオチンが挙げられる。
生物学的サンプル中の分泌タンパク質レベルをアッセイすることに加えて、タンパク質はまた、画像化によりインビボで検出され得る。タンパク質をインビボで画像化するための抗体の標識またはマーカーとしては、X線ラジオグラフィー、NMRまたはESRにより検出可能なものが挙げられる。X線ラジオグラフィーについては、適切な標識は、検出可能な放射線を発するが、被験体に対して明白に有害ではないバリウムまたはセシウムのような放射性同位体を含む。NMRおよびESRに適切なマーカーには、例えば重水素のような検出可能な特徴的なスピンを有するものが含まれ、これは、関連したハイブリドーマのための栄養素を標識することにより抗体に取り込まれ得る。
放射性同位体(例えば、131I、112In、99mTc)、放射線不透過性物質、または核磁気共鳴により検出可能な材料のような適切な検出可能な画像化部分で標識された、タンパク質特異的抗体または抗体フラグメントは、哺乳動物に(例えば、非経口的、皮下、または腹腔内に)導入される。被験体のサイズおよび用いられる画像化システムは、診断画像を生成するために必要な画像化部分の量を決定することが当該分野で理解される。放射性同位体部分の場合には、ヒト被験体について、注射される放射能の量は、通常、99mTcの約5〜20ミリキュリーの範囲である。次いで、標識された抗体または抗体フラグメントは、特定のタンパク質を含む細胞の位置に優先的に蓄積される。インビボ腫瘍画像化は、S.W. Burchielら、「Immunopharmacokinetics of Radiolabeled Antibodies and Their Fragments」(Tumor Imaging:The Radiochemical Detection of Cancerの第13章、S.W. BurchielおよびB.A. Rhodes編、Masson Publishing Inc.(1982)に記載される。
従って、本発明は、障害の診断方法を提供し、この方法は、(a)個体の細胞または体液中の本発明のポリペプチドの発現をアッセイする工程;(b)この遺伝子発現レベルを標準の遺伝子発現レベルと比較する工程を包含し、これによって、標準的な発現レベルと比較して、アッセイされたポリペプチドの遺伝子発現レベルの増加または減少が、障害の指標になる。
さらに、本発明のポリペプチドを用いて疾患を処置し得る。例えば、患者は、ポリペプチド(例えば、インスリン)の非存在またはレベルの減少を元に戻すこと、異なるポリペプチド(例えば、ヘモグロビンBに対するヘモグロビンS)の非存在またはレベルの減少を補充すること、ポリペプチド(例えば、ガン遺伝子)の活性を阻害すること、ポリペプチドの活性を(例えば、レセプターに結合することによって)活性化すること、遊離リガンド(例えば、炎症を低減させる際に用いられる可溶性TNFレセプター)と膜結合レセプターと競合させることによって膜結合レセプターの活性を減少させること、または所望の応答(例えば、血管の増殖)をもたらすことに取り組む際に、本発明のポリペプチドが投与され得る。
同様に、本発明のポリペプチドに指向される抗体もまた使用されて疾患を処置し得る。例えば、本発明のポリペプチドに指向される抗体の投与によって、ポリペプチドに結合して、そしてポリペプチドの過剰産生を低減し得る。同様に、抗体の投与によって、例えば、膜に結合したポリペプチド(レセプター)へ結合することにより、ポリペプチドを活性化し得る。
少なくとも本発明のポリペプチドは、当業者に周知の方法を用いるSDS−PAGEゲルまたは分子ふるいゲル濾過カラムの分子量マーカーとして使用され得る。ポリペプチドを用いてもまた、抗体を惹起し得、次いで、この抗体を使用して、宿主細胞の形質転換を評価する方法として、組換え細胞からのタンパク質発現を測定する。さらに、本発明のポリペプチドを使用して、以下の生物学的活性を試験し得る。
(生物学的活性)
本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドをアッセイに用いて、1つ以上の生物学的活性について試験し得る。これらのポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、特定のアッセイにおいて活性を示すならば、これらの分子は、生物学的活性に関連した疾患に関与し得る可能性が高い。従って、このポリヌクレオチドおよびポリペプチドを用いて、関連する疾患を処置し得る。
(免疫活性)
本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、免疫細胞の増殖、分化、または移動(走化性)の活性化もしくは阻害によって、免疫系の不全または障害を処置するのに有用であり得る。免疫細胞は、造血と称されるプロセス、すなわち、多能性幹細胞から骨髄性細胞(血小板、赤血球、好中球、およびマクロファージ)およびリンパ系(BおよびTリンパ球)細胞を産生するプロセスを介して発生する。これらの免疫不全または障害の病因は、遺伝性、体細胞性(例えば、ガンまたはいくつかの自己免疫障害)、後天性(例えば、化学治療または毒素による)、または感染性であり得る。さらに、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、特定の免疫系疾患または障害のマーカーまたは検出因子として使用され得る。
本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、造血細胞の不全または障害を処置または検出するに有用であり得る。本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドを使用して、特定の(または多くの)型の造血細胞の減少に関連する障害を処置するための取り組みにおいて、多能性幹細胞を含む造血細胞の分化および増殖を増加させ得る。免疫学的な不全症候群の例には、以下が挙げられるがそれらに限定されない:血液タンパク質障害(例えば、無ガンマグロブリン血症、低ガンマグロブリン血症)、毛細血管拡張性運動失調、分類不能型免疫不全、ディ・ジョージ症候群、HIV感染、HTLV−BLV感染、白血球接着不全症候群、リンパ球減少、食細胞殺菌機能不全、重症複合型免疫不全(SCID)、ヴィスコット−オールドリッチ障害、貧血、血小板減少症、または血色素尿。
さらに、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドはまた、止血活性(出血を停止する)または血栓崩壊活性(血餅の形成)を調節するために使用され得る。例えば、止血または血栓崩壊活性を増加させることによって、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、血液凝固障害(例えば、無フィブリノーゲン血症、因子欠乏)、血液血小板障害(例えば、血小板減少症)、または外傷、手術もしくは他の原因から生じる創傷を処置するために使用され得る。あるいは、止血活性または血栓崩壊活性を減少させ得る、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドを用いて、凝固を阻害または溶解し得る。これらの分子は、心臓発作(梗塞)、発作、または瘢痕の処置に重要であり得る。
本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドはまた、自己免疫障害を処置または検出するのに有用であり得る。多くの自己免疫障害は、免疫細胞によって、自己を外来物質として不適切に認識することからもたらされる。この不適切な認識は、宿主組織の破壊を導く免疫応答を生じる。それゆえ、免疫応答、特にT細胞の増殖、分化、または走化性を阻害する本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドの投与は、自己免疫障害を予防するのに有効な治療であり得る。
本発明によって処置または検出され得る自己免疫障害の例としては、以下が挙げられるが、それらに限定されない:アディソン病、溶血性貧血、抗リン脂質症候群、慢性関節リウマチ、皮膚炎、アレルギー性脳脊髄炎、糸球体腎炎、グッドパスチャー症候群、グレーヴズ病、多発性硬化症、重症筋無力症、神経炎、結膜炎、水疱性類天疱瘡、天疱瘡、多発性内分泌腺症、紫斑、ライター病、スティッフマン症候群、自己免疫性甲状腺炎、全身性エリテマトーデス、自己免疫性肺炎症、ギヤンバレー症候群、インスリン依存性糖尿病、および自己免疫炎症性眼病。
同様に、例えば、喘息(特にアレルギー性喘息)または他の呼吸問題のようなアレルギー性反応および状態はまた、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドにより処置され得る。さらに、これらの分子を用いてアナフィラキシー、抗原性分子に対する過敏症、または血液型不適合性を処置し得る。
本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドはまた、器官拒絶または対宿主性移植片拒絶(GVHD)を処置および/または予防するために用いられ得る。器官拒絶は、宿主免疫細胞が免疫応答を介して移植された組織を破壊することにより生じる。同様に、免疫応答はまた、GVHDに関与しているが、この場合、外来の移植された免疫細胞は宿主組織を破壊する。免疫応答、特にT細胞の増殖、分化、または走化性を阻害する本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドの投与は、器官拒絶またはGVHDを予防するのに有効な治療であり得る。
同様に、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドはまた、炎症を調節するために用いられ得る。例えば、このポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、炎症性応答に関与する細胞の増殖および分化を阻害し得る。これらの分子は、以下を含む炎症状態(急性および慢性の両方の状態)を処置するために使用され得る:感染に関連した炎症(例えば、敗血症性ショック、敗血症、または全身性炎症応答症候群(SIRS))、虚血性再灌流傷害、内毒素死亡、関節炎、補体媒介性超急性拒絶、腎炎、サイトカインまたはケモカイン誘導性肺傷害、炎症性腸疾患、クローン病、またはサイトカイン(例えば、TNFまたはIL−1)の過剰産生からもたらされる状態。
(過剰増殖性障害)
ポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、新生物を含む過剰増殖性障害を処置または検出するために使用され得る。本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、直接的相互作用または間接的相互作用を介して障害の増殖を阻害し得る。あるいは、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、過剰増殖性障害を阻害し得る他の細胞を増殖させ得る。
例えば、免疫応答を増加させることによって、特に過剰増殖性障害の抗原性の質を上げることによって、またはT細胞の増殖、分化、もしくは遊走によって、過剰増殖性障害は処置され得る。この免疫応答は、存在する免疫応答を増強させるかまたは新たな免疫応答を開始させるかのいずれかによって上昇され得る。あるいは、免疫応答の減少はまた、化学療法剤のような過剰増殖性障害を処置する方法であり得る。
本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドにより処置されるかまたは検出され得る過剰増殖性障害の例には、以下に見出される新生物が含まれるがこれらに限定されない:腹部、骨、乳房、消化器系、肝臓、膵臓、腹膜、内分泌腺(副腎、副甲状腺、下垂体、精巣、卵巣、胸腺、甲状腺)、眼、頭部および頸部、神経(中枢および末梢)、リンパ系、骨盤、皮膚、軟組織、脾臓、胸部、ならびに泌尿生殖器。
同様に、他の過剰増殖性障害もまた、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドにより処置または検出され得る。このような過剰増殖性障害の例には、以下が挙げられるがこれらに限定されない:高ガンマグロブリン血症、リンパ球増殖性障害、パラプロテイン血症、紫斑病、サルコイドーシス、セザリー症候群、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、ゴシェ病、組織球増殖症、および任意のその他の過剰増殖性疾患、加えて上記に列挙した器官系に見出される新生物。
(感染性疾患)
本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、感染因子を処置または検出するために用いられ得る。例えば、免疫応答を上昇させることによって、特にB細胞および/またはT細胞の増殖および分化を増加させることによって、感染性疾患が処置され得る。免疫応答は、存在する免疫応答を上昇させるか、または新たな免疫応答を開始させるかのいずれかにより上昇され得る。あるいは、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドはまた、必ずしも免疫応答を誘発することなく、感染因子を直接阻害し得る。
ウイルスは、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドにより処置または検出され得る疾患または症状を引き起こし得る感染因子の一例である。ウイルスの例としては、以下のDNAおよびRNAウイルス科が挙げられるがこれらに限定されない:アルボウイルス、アデノウイルス科、アレナウイルス科、アルテリウイルス、ビルナウイルス科、ブニヤウイルス科、カリチウイルス科、サルコウイルス科(Circoviridae)、コロナウイルス科、フラビウイルス科、ヘパドナウイルス科(肝炎)、ヘルペスウイルス科(例えば、サイトメガロウイルス、単純ヘルペス、ヘルペス帯状疱疹)、モノネガウイルス(Mononegavirus)(例えば、パラミクソウイルス科、モルビリウイルス、ラブドウイルス科)、オルソミクソウイルス科(例えば、インフルエンザ)、パポーバウイルス科、パルボウイルス科、ピコルナウイルス科、ポックスウイルス科(例えば、痘瘡またはワクシニア)、レオウイルス科(例えば、ロタウイルス)、レトロウイルス科(HTLV−I、HTLV−II、レンチウイルス)、およびトガウイルス科(例えば、ルビウイルス属)。これらの科内に入るウイルスは、以下を含むがこれらに限定されない種々の疾患または症状を引き起こし得る:関節炎、細気管支炎(bronchiollitis)、脳炎、眼性感染症(例えば、結膜炎、角膜炎)、慢性疲労症候群、肝炎(A型、B型、C型、E型、活動性慢性、デルタ)、髄膜炎、日和見感染症(例えば、AIDS)、肺炎、バーキットリンパ腫、水痘、出血熱、麻疹、流行性耳下腺炎、パラインフルエンザ、狂犬病、感冒、ポリオ、白血病、風疹、性感染症、皮膚病(例えば、カポージ、いぼ)、およびウイルス血症。本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドを用いて、任意のこれらの症状または疾患が処置または検出され得る。
同様に、疾患または症状を引き起こし得、かつ本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドによって処置または検出され得る細菌性因子または真菌性因子は、以下のグラム陰性およびグラム陽性細菌科および真菌類を含むがこれらに限定されない:Actinomycetales(例えば、Corynebacterium、Mycobacterium、Norcardia)、Aspergillosis、Bacillaceae(例えば、Anthrax、Clostridium)、Bacteroidaceae、Blastomycosis、Bordetella、Borrelia、Brucellosis、Candidiasis、Campylobacter、Coccidioidomycosis、Cryptococcosis、Dermatocycoses、Enterobacteriaceae(Klebsiella、Salmonella、Serratia、Yersinia)、Erysipelothrix、Helicobacter、Legionellosis、Leptospirosis、Listeria、Mycoplasmatales、Neisseriaceae(例えば、Acinetobacter、Gonorrhea、Menigococcal)、Pasteurellaceaの感染症(例えば、Actinobacillus、Heamophilus、Pasteurella)、Pseudomonas、Rickettsiaceae、Chlamydiaceae、Syphilis、およびStaphylococcal。これらの細菌または真菌の科は、以下を含むがこれらに限定されない疾患または症状を引き起こし得る:菌血症、心内膜炎、眼感染症(結膜炎、結核、ブドウ膜炎)、歯肉炎、日和見感染症(例えば、AIDSに関連した感染症)、爪周囲炎、プロテーゼ関連感染症、ライター病、気道感染症(例えば、百日咳または蓄膿症)、敗血症、ライム病、ネコ引っ掻き病、赤痢、パラチフス熱、食中毒、腸チフス、肺炎、淋病、髄膜炎、クラミジア、梅毒、ジフテリア、ライ病、パラ結核、結核、狼瘡、ボツリヌス中毒、壊疽、破傷風、膿痂疹、リウマチ熱、猩紅熱、性感染病、皮膚病(例えば、蜂巣炎、皮膚真菌症(dermatocycoses))、毒血症、尿路感染症、創傷感染症。本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドを用いて、任意のこれらの症状または疾患を処置または検出し得る。
さらに、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドにより処置または検出され得る疾患または症状を引き起こす寄生生物性因子としては以下のファミリーが挙げられるがこれらに限定されない:アメーバ、バベシア、コクシジウム、クリプトスポリジウム、二核アメーバ、交疫、外部寄生生物、ジアルジア鞭毛虫、蠕虫、リーシュマニア、タイレリア、トキソプラスマ、トリパノソーマ、およびトリコモナス。これらの寄生生物は、以下を含むがこれらに限定されない種々の疾患または症状を引き起こし得る:疥癬、ツツガムシ病、眼性感染症、腸疾患(例えば、赤痢、ジアルジア鞭毛虫症)、肝臓疾患、肺疾患、日和見感染症(例えば、AIDS関連)、マラリア、妊娠合併症、およびトキソプラスマ。本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドを用いて、任意のこれらの症状または疾患を処置または検出し得る。
好ましくは、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドを用いる処置は、患者に有効量のポリペプチドを投与するか、または患者から細胞を取り出して、本発明のポリヌクレオチドをこの細胞に供給し、そして患者に操作した細胞を戻す(エキソビボ治療)かのいずれかによるものであり得る。さらに、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドはワクチン中の抗原として用いられて、感染性疾患に対する免疫応答を惹起し得る。
(再生)
本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドを用いて、細胞を分化させ、増殖させ、そして誘引して、組織の再生を導き得る(Science 276:59−87(1997)を参照のこと)。組織の再生を用いて、先天性欠損、外傷(創傷、熱傷、切開、または潰瘍)、加齢、疾患(例えば、骨粗鬆症、変形性関節炎(osteocarthritis)、歯周病、肝不全)、美容形成手術を含む手術、線維症、再灌流傷害、または全身性サイトカイン損傷により損傷を受けた組織を修復、置換、または保護し得る。
本発明を用いて再生し得る組織としては、以下が挙げられる:器官(例えば、膵臓、肝臓、腸、腎臓、皮膚、内皮)、筋肉(平滑筋、骨格筋、または心筋)、脈管(脈管内皮を含む)、神経、造血、および骨格(骨、軟骨、腱、および靭帯)の組織。好ましくは、再生は、瘢痕なく、または瘢痕が低減されて生じる。再生はまた、新脈管形成を含み得る。
さらに、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、治癒するのが困難な組織の再生を増加し得る。例えば、腱/靭帯再生を増大させることによって、損傷後の回復時間が早まる。本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドはまた、損傷を回避する試みにおいて予防的に使用され得る。処置され得る特定の疾患は、腱炎、手根管症候群、および他の腱欠損または靭帯欠損を含む。非治癒創傷の組織再生のさらなる例は、褥瘡性潰瘍、脈管不全、外科的創傷、および外傷性創傷に関連する潰瘍を含む。
同様に、神経および脳組織はまた、神経細胞を増殖および分化させるために本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドを使用することによって再生され得る。本方法を用いて処置され得る疾患は、中枢神経系疾患および末梢神経系疾患、神経障害、または機械的および外傷性障害(例えば、脊髄障害、頭部外傷、脳血管疾患、および発作(stoke))を含む。詳細には、末梢神経傷害と関連する疾患、末梢神経障害(例えば、化学療法または他の医学的療法から生じる)、局在神経障害、および中枢神経系疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、およびシャイ−ドレーガー症候群)はすべて、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドを用いて処置され得る。
(走化性)
本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、走化性活性を有し得る。走化性分子は、細胞(例えば、単球、線維芽細胞、好中球、T細胞、肥満細胞、好酸球、上皮細胞、および/または内皮細胞)を、身体中の特定の部位(例えば、炎症、感染、または過剰増殖の部位)に誘引または移動させる。次いで、移動した細胞は、特定の外傷または異常性を撃退および/または治癒し得る。
本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、特定の細胞の走化性活性を増大し得る。次いで、これらの走化性分子を使用して、身体中の特定の位置に標的化した細胞の数を増加させることによって、炎症、感染、過剰増殖性障害、または任意の免疫系障害を処置し得る。例えば、走化性分子を使用して、免疫細胞を傷害を受けた位置に誘引することによって、組織に対する創傷および他の外傷を処置し得る。本発明の走化性分子はまた、線維芽細胞を誘引し得、これは創傷を処置するために使用され得る。
本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドが走化性活性を阻害し得ることもまた意図される。これらの分子はまた、障害を処置するために使用され得る。従って、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、走化性のインヒビターとして使用され得る。
(結合活性)
本発明のポリペプチドは、ポリペプチドに結合する分子、またはポリペプチドが結合する分子をスクリーニングするために使用され得る。ポリペプチドと分子との結合は、結合したポリペプチドまたは分子の活性を活性化(アゴニスト)、増大、阻害(アンタゴニスト)、または減少させ得る。そのような分子の例は、抗体、オリゴヌクレオチド、タンパク質(例えば、レセプター)、または低分子を含む。
好ましくは、分子は、ポリペプチドの天然のリガンド(例えば、リガンドのフラグメント)、または天然の基質、リガンド、構造的模倣物、もしくは機能的模倣物に密接に関連する(Coliganら、Current Protocols in Immunology 1(2): 第5章(1991)を参照のこと)。同様に、分子は、ポリペプチドが結合する天然のレセプター、または少なくともポリペプチドによって結合され得るレセプターのフラグメント(例えば、活性部位)に密接に関連し得る。いずれの場合においても、分子は、公知の技術を用いて合理的に設計され得る。
好ましくは、これらの分子についてのスクリーニングは、ポリペプチドを、分泌タンパク質としてまたは細胞膜上でのいずれかで発現する適切な細胞を産生する工程を包含する。好ましい細胞は、哺乳動物、酵母、Drosophila、またはE. coli由来の細胞を含む。次いで、ポリペプチドを発現する細胞(または、発現されたポリペプチドを含む細胞膜)は、好ましくは、ポリペプチドまたは分子のいずれかの結合、刺激、または活性の阻害を観察するための分子を潜在的に含む試験化合物と接触される。
アッセイは、ポリペプチドへの候補化合物の結合を簡単に試験し得、ここで結合は、標識によって、または標識された競合物との競合に関するアッセイにおいて検出される。さらに、アッセイは、候補化合物がポリペプチドへの結合によって生成されるシグナルを生じるか否かを試験し得る。
あるいは、アッセイは、細胞を含まない調製物、固体支持体に固定されたポリペプチド/分子、化学ライブラリー、または天然産物の混合物を用いて実施され得る。アッセイはまた、ポリペプチドを含む溶液を候補化合物と混合する工程、ポリペプチド/分子の活性または結合を測定する工程、およびポリペプチド/分子の活性または結合を、標準と比較する工程を簡単に包含し得る。
好ましくは、ELISAアッセイは、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体を用いて、サンプル(例えば、生物学的サンプル)におけるポリペプチドのレベルまたは活性を測定し得る。抗体は、ポリペプチドへの直接的もしくは間接的な結合のいずれか、またはポリペプチドとの基質についての競合によって、ポリペプチドのレベルまたは活性を測定し得る。
これらの上記のアッセイのすべては、診断マーカーまたは予後マーカーとして使用され得る。これらのアッセイを用いて発見される分子は、ポリペプチド/分子を活性化または阻害することによって、疾患を処置するか、または患者における特定の結果(例えば、血管増殖)をもたらすために使用され得る。さらに、アッセイは、適切に操作された細胞または組織からのポリペプチドの産生を阻害または増強し得る因子を発見し得る。
従って、本発明は、以下の工程を含む本発明のポリペプチドに結合する化合物を同定する方法を包含する:(a)候補結合化合物を本発明のポリペプチドとともにインキュベートする工程;および(b)結合が生じたか否かを決定する工程。さらに、本発明は、以下の工程を含むアゴニスト/アンタゴニストを同定する方法を包含する:(a)候補化合物を本発明のポリペプチドとともにインキュベートする工程、(b)生物学的活性をアッセイする工程、および(b)ポリペプチドの生物学的活性が改変されているか否かを決定する工程。
(他の活性)
本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドはまた、先に議論されるように造血系統に加えて、胚性幹細胞の分化または増殖を増加または減少し得る。
本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドはまた、哺乳動物の特徴(例えば、身長、体重、毛の色、眼の色、皮膚、脂肪組織の割合、色素沈着、大きさ、および形(例えば、美容外科)、を調整するために使用され得る。同様に、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、異化作用、同化作用、プロセシング、利用、およびエネルギーの貯蔵に影響を及ぼす哺乳動物の代謝を調整するために使用され得る。
本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、バイオリズム、カリカディック(caricadic)リズム、うつ病(抑うつ性障害を含む)、暴力の傾向、痛みへの耐性、生殖能力(好ましくは、アクチビンまたはインヒビン様活性によって)、ホルモンレベルもしくは内分泌レベル、食欲、性欲、記憶、ストレス、または他の認知の質に影響を及ぼすことによって、哺乳動物の精神状態または身体状態を変更するために使用され得る。
本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドはまた、例えば、貯蔵能力、脂肪含有量、脂質、タンパク質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、補因子、または他の栄養成分を増加または減少させるような食品添加物または保存剤として使用され得る。
(他の好ましい実施態様)
本願発明の他の好ましい実施態様は、配列番号Xのヌクレオチド配列中の少なくとも約50の連続したヌクレオチドの配列に、少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子を含み、ここで、Xは表1に規定されるような任意の整数である。
上記連続したヌクレオチドの配列が、表1中の配列番号Xについて規定されるような、ほぼクローン配列の5’ヌクレオチドの位置のヌクレオチドで始まり、そしてほぼクローン配列の3’ヌクレオチドの位置のヌクレオチドで終わる位置の範囲で、配列番号Xのヌクレオチド配列に含まれる、核酸分子もまた好ましい。
上記連続したヌクレオチドの配列が、表1中の配列番号Xについて規定されるような、ほぼ開始コドンの5’ヌクレオチドの位置のヌクレオチドで始まり、そしてほぼクローン配列の3’ヌクレオチドの位置のヌクレオチドで終わる位置の範囲で、配列番号Xのヌクレオチド配列に含まれる、核酸分子もまた好ましい。
上記連続したヌクレオチドの配列が、表1中の配列番号Xについて規定されるような、ほぼシグナルペプチドの第1のアミノ酸の5’ヌクレオチドの位置のヌクレオチドで始まり、そしてほぼクローン配列の3’ヌクレオチドの位置のヌクレオチドで終わる位置の範囲で、配列番号Xのヌクレオチド配列に含まれる、核酸分子も同様に好ましい。
配列番号Xのヌクレオチド配列中の少なくとも約150の連続したヌクレオチドの配列に、少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子もまた好ましい。
配列番号Xのヌクレオチド配列中の少なくとも約500の連続したヌクレオチドの配列に、少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子はさらに好ましい。
さらに好ましい実施態様は、表1中の配列番号Xについて規定されるような、ほぼシグナルペプチドの第1のアミノ酸の5’ヌクレオチドの位置のヌクレオチドで始まり、そしてほぼクローン配列の3’ヌクレオチドの位置のヌクレオチドで終わる配列番号Xのヌクレオチド配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸分子である。
さらに好ましい実施態様は、配列番号Xの完全なヌクレオチド配列に、少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子である。
ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で核酸分子にハイブリダイズする単離された核酸分子もまた好ましく、ここで上記のハイブリダイズする核酸分子は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、A残基のみまたはT残基のみからなるヌクレオチド配列を有する核酸分子にハイブリダイズしない。
表1におけるcDNAクローンIDによって同定されるヒトcDNAクローンを含むDNA分子を含む物質の組成物もまた好ましく、このDNA分子は、アメリカンタイプカルチャーコレクションに寄託された物質中に含まれ、そして上記のcDNAクローンIDについて表1中に示される所定のATCC受託番号を与えられている。
表1中のcDNAクローンIDによって同定されるヒトcDNAクローンのヌクレオチド配列中の少なくとも50の連続したヌクレオチドの配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子もまた好ましく、このDNA分子は表1において示されるATCC受託番号を付与された寄託物中に含まれる。
上記の少なくとも50の連続したヌクレオチドの配列が、上記ヒトcDNAクローンによってコードされる完全なオープンリーディングフレームの配列のヌクレオチド配列中に含まれる、単離された核酸分子もまた好ましい。
上記ヒトcDNAクローンによってコードされるヌクレオチド配列中の少なくとも150の連続したヌクレオチドの配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子もまた好ましい。
さらに好ましい実施態様は、上記ヒトcDNAクローンによってコードされるヌクレオチド配列中の少なくとも500の連続したヌクレオチドの配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子である。
さらに好ましい実施態様は、上記ヒトcDNAクローンによってコードされる完全なヌクレオチド配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子である。
さらに好ましい実施態様は、以下からなる群から選択される配列中の少なくとも50の連続したヌクレオチドの配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む核酸分子を、生物学的サンプルにおいて検出するための方法である:配列番号Xのヌクレオチド配列であって、ここでXは表1において規定されるような任意の整数である;および表1中のcDNAクローンIDによって同定され、そして表1において上記cDNAクローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物中に含まれるヒトcDNAクローンによってコードされるヌクレオチド配列;上記の方法は、上記の群から選択される配列と、上記のサンプル中の少なくとも1つの核酸分子のヌクレオチド配列とを比較する工程、および上記サンプル中の上記核酸分子の配列が、上記の選択された配列に対して少なくとも95%同一であるか否かを決定する工程を包含する。
上記の配列を比較する工程が、上記サンプル中の核酸分子と、上記群から選択された配列を含む核酸分子との間の核酸ハイブリダイゼーションの程度を決定する工程を包含する、上記方法もまた好ましい。同様に、上記の配列を比較する工程が、上記サンプル中の核酸分子から決定されるヌクレオチド配列と、上記群から選択された配列とを比較する工程によって実施される、上記方法もまた好ましい。核酸分子は、DNA分子またはRNA分子を含み得る。
さらに好ましい実施態様は、生物学的サンプルの種、組織、または細胞型を同定するための方法であって、この方法は、以下からなる群から選択される配列中の少なくとも50の連続したヌクレオチドの配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む上記サンプル中の核酸分子を(もしあれば)検出する工程を包含する:配列番号Xのヌクレオチド配列であって、ここでXは表1において規定されるような任意の整数である;および表1中のcDNAクローンIDによって同定され、そして表1において上記cDNAクローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物中に含まれるヒトcDNAクローンによってコードされるヌクレオチド配列。
生物学的サンプルの種、組織、または細胞型を同定するための方法は、少なくとも2つのヌクレオチド配列のパネル中のヌクレオチド配列を含む核酸分子を検出する工程を包含し得、ここで上記パネル中の少なくとも1つの配列は、上記群から選択される配列中の少なくとも50の連続したヌクレオチドの配列に少なくとも95%同一である。
表1において同定される分泌タンパク質をコードする遺伝子の異常な構造または発現と関連する病理学的状態を、被験体において診断するための方法もまた好ましく、この方法は、以下からなる群から選択される配列中の少なくとも50の連続したヌクレオチドの配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む、核酸分子を、(もしあれば)上記被験体から得られる生物学的サンプルにおいて検出する工程を包含する:配列番号Xのヌクレオチド配列、ここでXは表1において規定されるような任意の整数である;および表1中のcDNAクローンIDによって同定され、かつ表1中の上記のcDNAクローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物に含まれるヒトcDNAクローンによってコードされるヌクレオチド配列。
病理学的状態を診断するための方法は、少なくとも2つのヌクレオチド配列のパネル中のヌクレオチド配列を含む核酸分子を検出する工程を包含し得、ここで、上記パネル中の少なくとも1つの配列は、上記群から選択される配列中の少なくとも50の連続したヌクレオチドの配列に少なくとも95%同一である。
上記の核酸分子のヌクレオチド配列が、少なくとも2つのヌクレオチド配列のパネルを含む、単離された核酸分子を含む物質の組成物もまた好ましく、ここで上記のパネル中の少なくとも1つの配列は、以下からなる群から選択される配列中の少なくとも50の連続したヌクレオチドの配列に少なくとも95%同一である:配列番号Xのヌクレオチド配列、ここでXは表1において規定されるような任意の整数である;および表1中のcDNAクローンIDによって同定され、かつ表1中の上記のcDNAクローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物に含まれるヒトcDNAクローンによってコードされるヌクレオチド配列。核酸分子は、DNA分子またはRNA分子を含み得る。
配列番号Yのアミノ酸配列中の少なくとも約10の連続したアミノ酸の配列に、少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドもまた好ましく、ここでYは、表1において規定されるような任意の整数である。
上記連続したアミノ酸の配列が、表1中の配列番号Yについて示されるような、ほぼ分泌部分の第1のアミノ酸の位置の残基で始まり、そしてほぼオープンリーディングフレームの最後のアミノ酸の残基で終わる位置の範囲で、配列番号Yのアミノ酸配列中に含まれる、ポリペプチドもまた好ましい。
配列番号Yのアミノ酸配列中の少なくとも約30の連続したアミノ酸の配列に少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドもまた好ましい。
配列番号Yのアミノ酸配列中の少なくとも約100の連続したアミノ酸の配列に少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドはさらに好ましい。
配列番号Yの完全なアミノ酸配列に少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドはさらに好ましい。
表1中のcDNAクローンIDによって同定され、かつ表1中の上記のcDNAクローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物に含まれるヒトcDNAクローンによってコードされる分泌タンパク質の完全なアミノ酸配列において、少なくとも約10の連続したアミノ酸の配列に少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドはさらに好ましい。
上記の連続したアミノ酸の配列が、表1中のcDNAクローンIDによって同定され、かつ表1中の上記のcDNAクローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物に含まれるヒトcDNAクローンによってコードされる分泌タンパク質の分泌部分のアミノ酸配列に含まれる、ポリペプチドもまた好ましい。
表1におけるcDNAクローンIDによって同定され、かつ表1のこのcDNAクローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物に含まれる、ヒトcDNAクローンによってコードされるタンパク質の分泌部分のアミノ酸配列中の少なくとも約30の連続的なアミノ酸の配列に少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドもまた、好ましい。
表1におけるcDNAクローンIDによって同定され、かつ表1のこのcDNAクローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物に含まれる、ヒトcDNAクローンによってコードされるタンパク質の分泌部分のアミノ酸配列中の少なくとも約100の連続的なアミノ酸の配列に少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドもまた、好ましい。
表1におけるcDNAクローンIDによって同定され、かつ表1のこのcDNAクローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物に含まれるヒトcDNAクローンによってコードされるタンパク質の分泌部分のアミノ酸配列に少なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドもまた、好ましい。
以下からなる群から選択される配列中の、少なくとも10個の連続的なアミノ酸の配列に少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドに対して特異的に結合する単離された抗体は、さらに好ましい:配列番号Yのアミノ酸配列(ここで、Yは表1で規定される任意の整数である);および表1におけるcDNAクローンIDによって同定され、かつ表1のこのcDNAクローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物に含まれる、ヒトcDNAクローンによってコードされるタンパク質の完全アミノ酸配列。
以下からなる群から選択された配列中の、少なくとも10個の連続的なアミノ酸の配列に少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドを、生物学的サンプルにおいて検出する方法はさらに好ましい:配列番号Yのアミノ酸配列(ここで、Yは表1で規定される任意の整数である);および表1におけるcDNAクローンIDによって同定され、かつ表1のこのcDNAクローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物に含まれる、ヒトcDNAクローンによってコードされるタンパク質の完全アミノ酸配列;この方法は、このサンプル中における少なくとも1つのポリペプチド分子のアミノ酸配列をこの群から選択された配列と比較する工程およびこのサンプル中におけるこのポリペプチド分子の配列が、少なくとも10個の連続的なアミノ酸のこの配列と少なくとも90%同一であるかどうかを決定する工程を含む。
このサンプル中における少なくとも1つのポリペプチド分子のアミノ酸配列を、この群から選択された配列と比較するこの工程は、このサンプル中のポリペプチドの、以下からなる群から選択された配列中の少なくとも10個の連続的なアミノ酸の配列に対して、少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドと特異的に結合する抗体に対する特異的な結合の程度を決定する工程を含む、上記の方法もまた、好ましい:配列番号Yのアミノ酸配列(ここで、Yは表1に規定される任意の整数である);および表1におけるcDNAクローンIDによって同定されかつ表1のこのcDNAクローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物に含まれるヒトcDNAクローンによってコードされるタンパク質の完全アミノ酸配列。
配列を比較する工程が、このサンプル中のポリペプチド分子から決定されたアミノ酸配列を、この群から選択された配列と比較することによって行われる、上記の方法もまた好ましい。
生物学的サンプルの種、組織または細胞型を同定する方法もまた好ましく、ここでこの方法は、このサンプル中のポリペプチド分子(このポリペプチドは、もし存在するならば、以下からなる群から選択される配列における少なくとも10の連続的なアミノ酸の配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む)を検出する工程を含む:配列番号Yのアミノ酸配列(ここで、Yは表1に規定される任意の整数である);および表1におけるcDNAクローンIDによって同定されかつ表1のこのcDNAクローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物に含まれる、ヒトcDNAクローンによってコードされる、分泌タンパク質の完全アミノ酸配列。
生物学的サンプルの種、組織または細胞型を同定する上記の方法もまた好ましく、ここでこの方法は、少なくとも2つのアミノ酸配列のパネルにおけるアミノ酸配列を含むポリペプチド分子を検出する工程を含み、ここでこのパネル中の少なくとも1つの配列は、上記の群から選択された配列における少なくとも10の連続的なアミノ酸の配列と少なくとも90%同一である。
被験体において、表1において同定された分泌タンパク質をコードする遺伝子の異常な構造または発現に関連する病的状態を診断する方法もまた、好ましい。ここで、この方法は、この被験体から得られた生物学的サンプルにおいて、少なくとも2つのアミノ酸配列のパネルにおけるアミノ酸配列を含むポリペプチド分子を検出する工程を含み、ここでこのパネル中の少なくとも1つの配列は、以下からなる群から選択される配列における少なくとも10の連続的なアミノ酸の配列と少なくとも90%同一である:配列番号Yのアミノ酸配列(ここで、Yは表1に規定される任意の整数である);および表1におけるcDNAクローンIDによって同定されかつ表1のこのcDNAクローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物に含まれる、ヒトcDNAクローンによってコードされる分泌タンパク質の完全アミノ酸配列。
これらの方法のいずれかにおいて、このポリペプチド分子を検出する工程は、抗体を使用することを包含する。
以下からなる群から選択された配列中の、少なくとも10の連続的なアミノ酸の配列に少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするヌクレオチド配列と、少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子もまた、好ましい:配列番号Yのアミノ酸配列(ここで、Yは表1に規定される任意の整数である);および表1におけるcDNAクローンIDによって同定されかつ表1のこのcDNAクローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物に含まれる、ヒトcDNAクローンによってコードされる分泌タンパク質の完全アミノ酸配列。
ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が、原核生物宿主でのこのポリペプチドの発現について最適化されている、単離された核酸分子もまた、好ましい。
また、ポリペプチドが以下の群から選択されるアミノ酸配列を含む、単離された核酸分子もまた、好ましい:配列番号Yのアミノ酸配列(ここで、Yは表1に規定される任意の整数である);および表1におけるcDNAクローンIDによって同定されかつ表1のこのcDNAクローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物に含まれる、ヒトcDNAクローンによってコードされる分泌タンパク質の完全アミノ酸配列。
上記の単離された核酸分子のいずれかをベクター中に挿入する工程を含む、組換えベクターの作製方法はさらに好ましい。この方法によって生成された組換えベクターも、好ましい。宿主細胞中にベクターを導入する工程を含む、組換え宿主細胞を作製する方法、ならびにこの方法によって生成された組換え宿主細胞もまた、好ましい。
単離されたポリペプチドを作製する方法であって、このポリペプチドが発現されるような条件下でこの組換え宿主細胞を培養する工程、およびこのポリペプチドを回収する工程を包含する、方法もまた、好ましい。単離されたポリペプチドを作製するこの方法もまた好ましく、ここでこの組換え宿主細胞は真核細胞であり、そしてこのポリペプチドは、以下からなる群から選択されたアミノ酸配列を含む、ヒト分泌タンパク質の分泌部分である:配列番号Yの分泌部分の第1のアミノ酸の位置の残基で始まる、配列番号Yのアミノ酸配列(ここで、Yは表1に記載される整数であり、そして配列番号Yの分泌部分の第1のアミノ酸の位置は表1に規定される);および表1におけるcDNAクローンIDによって同定されかつ表1のこのcDNAクローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物に含まれる、ヒトcDNAクローンによってコードされるタンパク質の分泌部分のアミノ酸配列。この方法によって生成された単離されたポリペプチドもまた、好ましい。
増加したレベルの分泌タンパク質活性を必要とする個体を処置する方法もまた、好ましい。ここで、この方法は、このような個体に、この個体においてこのタンパク質の活性のレベルを増加させるのに有効な本願発明の単離されたポリペプチド、ポリヌクレオチド、または抗体の量を含む薬学的組成物を投与する工程を包含する。
概して、本発明を記載してきたが、本発明は、例示の目的のために提供され、そして限定を意図しない、以下の実施例を参照することによってより容易に理解される。
(実施例)
(実施例1:選択されたcDNAクローンの寄託されたサンプルからの単離)
引用されるATCC寄託物中の各cDNAクローンは、プラスミドベクター中に含まれる。表1は、各クローンが単離されたcDNAライブラリーを構築するために用いられたベクターを示す。多くの場合において、ライブラリーを構築するために使用されたベクターは、プラスミドが切り出されたファージベクターである。直下の表は、cDNAライブラリーを構築する際に使用される各ファージベクターについて関連するプラスミドを相関づける。例えば、特定のクローンがベクター「Lambda Zap」中に単離されていると表1に示される場合、対応する寄託クローンは、「pBluescript」である。
ベクターLambda Zap(米国特許第5,128,256号および同第5,286,636号)、Uni−Zap XR(米国特許第5,128,256号および同第5,286,636号)、Zap Express(米国特許第5,128,256号および同第5,286,636号)、pBluescript(pBS)(Short,J.M.ら、Nucleic Acids Res. 16:7583−7600(1988);Alting−Mees,M.A.およびShort,J.M.、Nucleic Acids Res. 17:9494(1989))ならびにpBK(Alting−Mees,M.A.ら、Strategies 5:58−61(1992))は、Stratagene Cloning Systems,Inc.、11011 N.Torrey Pines Road、La Jolla,CA,92037から市販されている。pBSは、アンピシリン耐性遺伝子を含み、そしてpBKはネオマイシン耐性遺伝子を含む。両方とも、E.coli株XL−1 Blue(これもまた、Stratageneから入手可能である)に形質転換され得る。pBSは、SK+、SK−、KS+およびKSの4つで入荷する。SおよびKとは、ポリリンカー領域(「S」とはSacIであり、そして「K」とは、KpnIのことであり、これらは、それぞれのリンカーの各末端での最初の部位である)に隣接するT7およびT3プライマー配列に対するポリリンカーの配向をいう。「+」または「−」とは 、ある方向においてf1 oriから開始される一本鎖レスキューがセンス鎖DNAを生成し、そして他方においてアンチセンスであるようなf1複製起点「ori」の配向をいう。
ベクターpSport1、pCMVSport 2.0およびpCMVSport3.0をLife Technologies、Inc.、P.O.Box6009、Gaithersburg,MD 20897から入手した。全てのSportベクターはアンピシリン耐性遺伝子を含み、そしてE.coli株DH10B(これもまた、Life Technologiesから入手可能である)に形質転換され得る。(例えば、Gruber,C.E.ら、Focus 15:59(1993)を参照のこと)。ベクターlafmid BA(Bento Soares、Columbia University、NY)は、アンピシリン耐性遺伝子を含み、そしてE.coli株XL−1 Blueに形質転換され得る。ベクターpCR(登録商標)2.1(これはInvitrogen、1600 Faraday Avenue、Carlsbad、CA 92008から入手可能である)は、アンピシリン耐性遺伝子を含み、そしてE.coli株DH10B(Life Technologiesから入手可能である)に形質転換され得る(例えば、Clark,J.M.、Nuc.Acids Res.16:9677−9686(1988)およびMead,D.ら、Bio/Technology 9:(1991)を参照のこと)。好ましくは、本発明のポリヌクレオチドは、表1における特定のクローンについて同定されたファージベクター配列、ならびに上記に示された対応するプラスミドベクター配列を含まない。
表1に引用される、任意の所定のcDNAクローンについてATCC受託番号を与えられたサンプルにおける寄託された物質はまた、1つ以上のさらなるプラスミド(これは各々、その所定のクローンとは異なるcDNAクローンを含む)を含み得る。従って、同じATCC受託番号を共有する寄託物は、表1に示される各cDNAクローンのためのプラスミドを少なくとも含む。代表的には、表1に引用される各ATCC寄託物のサンプルは、ほぼ等量(重量で)の約50個のプラスミドDNA(これは各々、異なるcDNAクローンを含む)の混合物を含む;しかし、このような寄託サンプルは、50個よりも多いかまたは少ないcDNAクローン(約500個までのcDNAクローン)のためのプラスミドを含み得る。
表1における特定のクローンについて引用されるプラスミドDNAの寄託サンプルからそのクローンを単離するために2つのアプローチが使用され得る。第一に、プラスミドを、配列番号Xに対応するポリヌクレオチドプローブを使用して、クローンをスクリーニングすることによって直接単離する。
特に、30〜40ヌクレオチドを有する特定のポリヌクレオチドを、報告されている配列に従って、Applied Biosystems のDNA合成装置を使用して合成する。オリゴヌクレオチドを、例えば、32P−γ−ATPで、T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて標識し、そして慣用の方法に従って精製する。(例えば、Maniatisら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Press、Cold Spring、NY(1982))。プラスミド混合物を、当業者に公知の技術(例えば、ベクター供給者によって提供される技術または上記で引用された関連の刊行物もしくは特許において提供される技術)を用いて、上記のような適切な宿主(例えば、XL−1 Blue(Stratagene))に形質転換する。形質転換体を1.5%寒天プレート(適切な選択薬剤、例えば、アンピシリンを含む)に、1プレートあたり約150の形質転換体(コロニー)の密度で播種する。これらのプレートを、細菌コロニースクリーニングについての慣用の方法(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、(1989)、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1.93〜1.104頁)または当業者に公知の他の技術に従って、ナイロンメンブレンを使用してスクリーニングする。
あるいは、配列番号Xの両端(すなわち、表1に規定されるクローンの5’NTおよび3’NTによって囲まれる配列番号Xの領域内)に由来する、17〜20ヌクレオチドの2つのプライマーを合成し、そしてこれらを使用して、寄託されたcDNAプラスミドをテンプレートとして使用して、所望のcDNAを増幅する。ポリメラーゼ連鎖反応を、慣用の条件下で、例えば、0.5μgの上記cDNAテンプレートとの反応混合物の25μl中で実施する。慣用の反応混合物は、1.5〜5mM MgCl2、0.01%(w/v)ゼラチン、それぞれ20μMのdATP、dCTP、dGTP、dTTP、25pmolの各プライマーおよび0.25ユニットのTaqポリメラーゼである。35サイクルのPCR(94℃での変性を1分間;55℃でのアニールを1分間;72℃での伸長を1分間)を、Perkin−Elmer Cetus自動化サーマルサイクラーを用いて実施する。増幅産物をアガロースゲル電気泳動により分析し、そして予想される分子量のDNAバンドを切り出し、そして精製する。PCR産物を、DNA産物をサブクローニングおよび配列決定することによって選択された配列であることを確認する。
寄託されたクローンに存在しないかもしれない遺伝子の5’非コード部分または3’非コード部分の同定のために、いくつかの方法が利用可能である。これらの方法は、以下を含むがこれらに限定されない:フィルタープローブ探索、特異的プローブを使用するクローン富化、および当該分野で周知である5’および3’「RACE」プロトコルと類似するかまたは同一のプロトコル。例えば、5’RACEに類似する方法は、所望の全長転写物の5’末端の欠失を生成するために利用可能である(Fromont−Racineら、Nucleic Acids Res. 21(7):1683−1684(1993))。
簡潔には、特定のRNAオリゴヌクレオチドを、全長遺伝子RNA転写物をおそらく含むRNAの集団の5’末端に連結する。連結されたRNAオリゴヌクレオチドに特異的なプライマーおよび目的の遺伝子の公知の配列に特異的なプライマーを含むプライマーセットを使用して、所望の全長遺伝子の5’部分をPCR増幅する。次いで、この増幅した産物を配列決定し得、そしてこれを使用して全長遺伝子を生成し得る。
この上記の方法は、所望の供給源から単離された総RNAを用いて開始するが、ポリA+RNAをも使用し得る。次いで、RNA調製物を、必要ならばホスファターゼで処理して、後のRNAリガーゼ工程を妨害し得る分解または損傷RNAの5’リン酸基を排除し得る。次いで、ホスファターゼを不活化するべきであり、そしてRNAをメッセンジャーRNAの5’末端に存在するキャップ構造を除去するために、タバコ酸ピロホスファターゼを用いて処理するべきである。この反応は、次いでT4 RNAリガーゼを用いてRNAオリゴヌクレオチドに連結され得る、キャップ切断RNAの5’末端に5’リン酸基を残す。
この改変型RNA調製物を、遺伝子特異的なオリゴヌクレオチドを用いる、第一鎖cDNA合成のためのテンプレートとして使用する。第一鎖合成反応物を連結されたRNAオリゴヌクレオチドに特異的なプライマーおよび目的の遺伝子の公知の配列に特異的なプライマーを用いる、所望の5’末端のPCR増幅のためのテンプレートとして使用する。次いで、得られた生成物を配列決定し、そして分析して5’末端配列が所望の遺伝子に属するかを確認する。
(実施例2:ポリヌクレオチドに対応するゲノムクローンの単離)
ヒトゲノムP1ライブラリー(Genomic Systems、Inc.)を、実施例1に記載される方法に従って、配列番号Xに対応するcDNA配列について選択されたプライマーを用いるPCRによってスクリーニングする(Sambrookもまた参照のこと)。
(実施例3:ポリペプチドの組織分布)
本発明のポリヌクレオチドのmRNA発現の組織分布を、とりわけ、Sambrookらによって記載されるノーザンブロット分析についてのプロトコルを用いて決定する。例えば、実施例1に記載される方法によって生成されるcDNAプローブを、rediprimeTM DNA labeling system(Amersham Life Science)を用いて、製造者の指示に従って、P32で標識する。標識後、プローブを、CHROMA SPIN−100TMカラム(Clontech Laboratories、Inc.)を使用して、製造者のプロトコル番号PT1200−1に従って精製する。次いで、精製した標識プローブを使用して、種々のヒト組織をmRNA発現について試験する。
種々のヒト組織(H)またはヒト免疫系組織(IM)を含む多重組織ノーザン(MTN)ブロット(Clontech)を、ExpressHybTMハイブリダイゼーション溶液(Clontech)を用いて、製造者のプロトコル番号PT1190−1に従って、標識プローブで試験する。ハイブリダイゼーションおよび洗浄後、ブロットをマウントして、そして−70℃で一晩フィルムに曝露し、そしてフィルムを標準的な手順に従って現像する。
(実施例4:ポリヌクレオチドの染色体マッピング)
オリゴヌクレオチドプライマーのセットを、配列番号Xの5’末端の配列に従って設計する。このプライマーは、好ましくは約100ヌクレオチドにわたる。次いで、このプライマーセットを、以下のセットの条件下でポリメラーゼ連鎖反応に使用する:95℃で30秒;56℃で1分;70℃で1分。このサイクルを32回反復し、次いで1回、70℃で5分間のサイクルを行う。個々の染色体または染色体フラグメントを含む体細胞ハイブリッドパネル(Bios, Inc)に加えて、ヒト、マウス、およびハムスターのDNAを鋳型として使用する。反応物を、8%ポリアクリルアミドゲルまたは3.5%アガロースゲルのいずれかで分析する。染色体マッピングを、特定の体細胞ハイブリッドにおける約100bpのPCRフラグメントの存在によって決定する。
(実施例5:ポリペプチドの細菌性発現)
本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、実施例1に概説するように、DNA配列の5’および3’末端に対応するPCRオリゴヌクレオチドプライマーを使用して増幅して挿入フラグメントを合成する。cDNA挿入物を増幅するために使用されるプライマーは、発現ベクターに増幅産物をクローニングするために、好ましくはプライマーの5’末端にBamHIおよびXbaIのような制限部位を含むべきである。例えば、BamHIおよびXbaIは、細菌性発現ベクターpQE−9(Qiagen, Inc., Chatsworth, CA)の制限酵素部位に対応する。このプラスミドベクターは、抗生物質耐性(Ampr)、細菌の複製起点(ori)、IPTGで調節可能なプロモーター/オペレーター(P/O)、リボソーム結合部位(RBS)、6−ヒスチジンタグ(6−His)、および制限酵素クローニング部位をコードする。
pQE−9ベクターをBamHIおよびXbaIで消化し、そして、増幅されたフラグメントを細菌性RBSにおいて開始されるリーディングフレームを維持しながらpQE−9ベクターに連結する。次いで連結混合物を、lacIリプレッサーを発現し、またカナマイシン耐性(Kanr)を与えるプラスミドpREP4の多重コピーを含む、E. coli株M15/rep4(Qiagen, Inc.)を形質転換するために使用する。形質転換体を、それらのLBプレート上で生育できる能力によって同定し、そしてアンピシリン/カナマイシン耐性コロニーを選択する。プラスミドDNAを単離し、そして制限分析によって確認する。
所望の構築物を含むクローンを、Amp(100μg/ml)およびKan(25μg/ml)の両方を補充したLB培地における液体培養で一晩(O/N)増殖させる。O/N培養物を、1:100〜1:250の比で大量培養に接種するために使用する。細胞を、0.4〜0.6の間の吸光度600(O.D.600)まで増殖させる。次いで、IPTG(イソプロピル−B−D−チオガラクトピラノシド)を最終濃度1 mMになるように加える。IPTGは、lacIリプレッサーの不活化によりP/Oの活性化を誘導し、遺伝子発現の増加を導く。
細胞を、さらに3〜4時間増殖させる。次いで、細胞を遠心分離(6000×gで20分間)によって収集する。細胞ペレットを、カオトロピック剤である6MグアニジンHCl中に、4℃で3〜4時間攪拌することによって可溶化させる。細胞細片を遠心分離によって取り除き、そしてポリペプチドを含む上清を、ニッケル−ニトリロ−三酢酸(「Ni−NTA」)アフィニティー樹脂カラムにロードする(QIAGEN, Inc. 前出より入手可能)。6×Hisタグを有するタンパク質は、Ni−NTA樹脂に高い親和性で結合し、そして単純な1工程手順で精製され得る(詳細には、QIAexpressionist (1995) QIAGEN, Inc., 前出を参照のこと)。
手短に言えば、上清を、6Mグアニジン−HCl、pH 8のカラムにロードし、カラムを、最初に10容量の6Mグアニジン−HCl、pH 8で洗浄し、次いで10容量の6Mグアニジン−HCl、pH 6で洗浄し、最後にポリペプチドを、6Mグアニジン−HCl、pH 5で溶出する。
次いで、精製したタンパク質を、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)または50mM 酢酸ナトリウム、pH 6の緩衝液および200mM NaClに対して透析することにより再生させる。あるいは、タンパク質はNi−NTAカラムに固定化している間に、首尾よく再折畳みされ得る。推奨条件は以下の通りである:プロテアーゼインヒビターを含む、500 mM NaCl、20% グリセロール、20 mM Tris/HCl pH 7.4中の6M〜1M尿素の直線勾配を使用する再生。再生は1.5時間以上の時間をかけて行うべきである。再生後、タンパク質を250 mM イミダゾールの添加によって溶出させる。イミダゾールを、PBSまたは50 mM 酢酸ナトリウム pH 6の緩衝液および200mM NaClに対する最終の透析工程によって除去する。精製したタンパク質を、4℃で保存するか、または−80℃で冷凍する。
上記の発現ベクターに加えて、本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたファージオペレーターおよびプロモーターエレメントを含み、pHE4aと呼ばれる発現ベクターを含む(ATCC受託番号209645、1998年2月25日に寄託。)。このベクターは以下を含む:1)選択マーカーとしてのネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子、2)E. coli複製起点、3)T5ファージプロモーター配列、4)2つのlacオペレーター配列、5)シャイン−ダルガーノ配列、および6)ラクトースオペロンリプレッサー遺伝子(laqIq)。複製起点(oriC)は、pUC19(LTI, Gaithersburg, MD)に由来する。プロモーター配列およびオペレーター配列を合成的に作製する。
NdeIおよびXbaI、BamHI、XhoI、またはAsp718によってベクターを制限処理し、制限生成物をゲルで泳動し、そしてより大きなフラグメント(スタッファー(stuffer)フラグメントは約310塩基対であるべきである)を単離することによって、DNAをpHEaに挿入し得る。DNA挿入物を、NdeI(5’プライマー)およびXbaI、BamHI、XhoI、またはAsp718(3’プライマー)に対する制限部位を有するPCRプライマーを使用して、実施例1に記載のPCRプロトコールに従って生成する。PCR挿入物を、ゲル精製し、そして適合する酵素で制限処理する。挿入物およびベクターを標準的なプロトコールに従って連結する。
操作されたベクターは、上記のプロトコールにおいて、細菌系でタンパク質を発現させるために容易に置換され得る。
(実施例6:封入体由来のポリペプチドの精製)
以下の別の方法は、ポリペプチドが封入体の形態で存在する場合に、E. coli中で発現されたポリペプチドを精製するために使用され得る。他に指定されない場合には、以下のすべての工程は4〜10℃で行われる。
E. coli発酵の生産期の完了後、細胞培養物を4〜10℃に冷却し、そして15,000 rpmの連続遠心分離(Heraeus Sepatech)によって細胞を採集する。細胞ペーストの単位重量あたりのタンパク質の予想される収量および必要とされる精製タンパク質の量に基づいて、細胞ペーストの適切な量(重量による)を、100 mM Tris、50 mM EDTA、pH 7.4を含む緩衝溶液に懸濁させる。細胞を、高剪断ミキサーを使用して均質な懸濁液に分散させる。
次いで、細胞をマイクロフルイダイザー(microfluidizer)(Microfluidics, Corp. またはAPV Gaulin, Inc.)に2回、4000〜6000 psiで溶液を通すことによって溶解させる。次いでホモジネートを、最終濃度0.5 M NaClになるようにNaCl溶液と混合し、続いて7000×gで15分間遠心分離を行う。得られたペレットを、0.5 M NaCl、100mM Tris、50 mM EDTA、pH 7.4を使用して再度洗浄する。
得られた洗浄した封入体を、1.5 M 塩酸グアニジン(GuHCl)で2〜4時間可溶化する。7000×gで15分間の遠心分離の後、ペレットを廃棄し、そしてポリペプチドを含む上清を4℃で一晩インキュベートしてさらなるGuHCl抽出を可能にする。
不溶性粒子を除去するための高速遠心分離(30,000×g)に続き、GuHCl可溶化タンパク質を、GuHCl抽出物と、50 mM ナトリウム、pH 4.5、150 mM NaCl、2 mM EDTAを含む20容量の緩衝液とを、激しい攪拌で迅速に混合することによって、再折畳みさせる。再折畳みした希釈タンパク質溶液を、さらなる精製工程の前の12時間、混合しないで4℃で保つ。
再折畳みされたポリペプチド溶液を清澄にするために、あらかじめ準備した40 mM酢酸ナトリウム、pH 6.0で平衡化した、適切な表面積を有する0.16μmメンブレンフィルターを備える接触濾過ユニット(例えば、Filtron)を使用する。濾過したサンプルを、カチオン交換樹脂(例えば、Poros HS−50, Perseptive Biosystems)上にロードする。カラムを40 mM 酢酸ナトリウム、pH 6.0で洗浄し、そして同じ緩衝液中の250 mM 、500 mM、1000 mM、および1500 mM NaClで、段階的な様式で溶出する。溶出液の280 nmにおける吸光度を継続的にモニターする。画分を収集し、そしてSDS−PAGEによってさらに分析する。
次いでポリペプチドを含む画分をプールし、そして4容量の水と混合する。次いで希釈されたサンプルを、あらかじめ準備した強アニオン(Poros HQ−50, Perseptive Biosystems)および弱アニオン(Poros CM−20, Perseptive Biosystems)交換樹脂の直列カラムのセットにロードする。カラムを40 mM 酢酸ナトリウム、pH 6.0で平衡化する。両方のカラムを、40 mM 酢酸ナトリウム、pH 6.0、200 mM NaClで洗浄する。次いでCM−20カラムを10カラム容量の直線的勾配(0.2 M NaCl、50 mM 酢酸ナトリウム、pH 6.0から1.0 M NaCl、50 mM 酢酸ナトリウム、pH 6.5の範囲)を用いて溶出させる。画分を、溶出液の定常A280モニタリング下で収集する。次いで、(例えば、16% SDS−PAGEによって判明した)ポリペプチドを含む画分をプールする。
得られたポリペプチドは、上記の再折畳みおよび精製工程の後で95%より高い純度を示すべきである。5μgの精製タンパク質がロードされる場合、いかなる主たる混在バンドも、クマシーブルー染色した16% SDS−PAGEゲルから観察されないはずである。精製タンパク質はまた、エンドトキシン/LPS混在について試験され得、そして代表的には、LPS含量はLALアッセイに従って、0.1 ng/ml未満である。
(実施例7:バキュロウイルス発現系におけるポリペプチドのクローニングおよび発現)
この実施例では、ポリペプチドを発現するために、プラスミドシャトルベクターpA2を使用してポリヌクレオチドをバキュロウイルスに挿入する。この発現ベクターは、Autographa californica核多核体ウイルス(AcMNPV)の強力なポリヘドリンプロモーター、続いてBamHI、XbaI、およびAsp718のような便利な制限部位を含む。シミアンウイルス40(「SV40」)のポリアデニル化部位を、効率的なポリアデニル化のために使用する。組換えウイルスの容易な選択のために、プラスミドは、同方向にある弱いDrosophilaプロモーターの制御下でE. coli由来のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子、続いてポリヘドリン遺伝子のポリアデニル化シグナルを含む。挿入された遺伝子は両方の側で、クローン化したポリヌクレオチドを発現する生存可能なウイルスを生成する、野生型ウイルスDNAとの細胞媒介性の相同組換えのためのウイルス配列と隣接する。
他の多くのバキュロウイルスベクター(例えば、pAc373、pVL941、およびpAcIM1)は、当業者が容易に理解するように、構築物が転写、翻訳、分泌など(必要とされる場合、シグナルペプチドおよびインフレームなAUGを含む)のために適切に配置されたシグナルを提供する限りにおいて、上記のベクターの代わりに使用され得る。このようなベクターは、例えば、Luckowら、Virology 170:31−39 (1989) に記載される。
具体的には、寄託されたクローンに含まれるcDNA配列(これは、表1に示されるAUG開始コドンおよび天然に付随するリーダー配列を含む)を、実施例1に記載されるPCRプロトコルを使用して増幅させる。天然に存在するシグナル配列を使用して分泌タンパク質を産生する場合、pA2ベクターは第2のシグナルペプチドを必要としない。あるいは、ベクターは、Summersら(「A Manual of Methods for Baculovirus Vectors and Insect Cell Culture Procedures」、Texas Agrecultural Experimental Station Bulletin No. 1555 (1987))に記載される標準的な方法を用いて改変して、バキュロウイルスリーダー配列を含ませ得る(pA2 GP)。
増幅されたフラグメントを、市販のキット(「Geneclean」BIO 101 Inc., La Jolla, CA)を使用して、1%アガロースゲルから単離する。次いでフラグメントを適切な制限酵素で消化し、そして再び1%アガロースゲルで精製する。
プラスミドを対応する制限酵素で消化し、そして必要に応じて、当該分野で公知の慣用の手順を用いて、仔ウシ腸ホスファターゼを用いて脱リン酸化し得る。次いでDNAを、市販のキット(「Geneclean」BIO 101 Inc., La Jolla, Ca)を使用して、1%アガロースゲルから単離する。
フラグメントおよび脱リン酸化したプラスミドを、T4 DNAリガーゼを用いて互いに連結する。E. coli HB101またはXL−1 Blue(Stratagene Cloning Systems, La Jolla, Ca)のような他の適切なE. coli宿主細胞を、連結混合液で形質転換し、そして培養プレート上に拡げる。プラスミドを含む細菌を、個々のコロニー由来のDNAを消化し、そして消化産物をゲル電気泳動によって分析することにより同定する。クローニングしたフラグメントの配列をDNA配列決定によって確認する。
このポリヌクレオチドを含む5μgのプラスミドを、 Felgnerら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84:7413−7417 (1987) によって記載されたリポフェクション法を使用して、1.0μgの市販の線状化バキュロウイルスDNA(「BaculoGoldTM baculovirus DNA」, Pharmingen, San Diego, CA)とともに同時トランスフェクトする。1μgのBaculoGoldTMウイルスDNAおよび5μgのプラスミドを、50μlの無血清グレース培地(Life Technologies Inc., Gaithersburg, MD)を含む、マイクロタイタープレートの滅菌したウェル中で混合する。その後、10 μlのリポフェクチンおよび90μlグレース培地を加え、混合し、そして室温で15分間インキュベートする。次いで、トランスフェクション混合液を、無血清グレース培地1 mlを加えた35 mm組織培養プレートに播種したSf9昆虫細胞(ATCC CRL 1711)に滴下して加える。次いでプレートを27℃で5時間インキュベートする。次いで、トランスフェクション溶液をプレートから除去し、そして10%ウシ胎仔血清を補充した1 mlのグレース昆虫培地を添加する。次いで培養を27℃で4日間継続する。
4日後上清を収集し、SummersおよびSmith、前出によって記載されたようにプラークアッセイを行う。「Blue Gal」(Life Technologies Inc., Gaithersburg)を含むアガロースゲルを、galが発現しているクローン(青色に着色したプラークを生ずる)の容易な同定および単離を可能にするために使用する。(この型の「プラークアッセイ」の詳細な説明はまた、Life Technologies Inc., Gaithersburg, 9−10頁によって記載される、昆虫細胞培養およびバキュロウイルス学のための使用者ガイドの中に見出され得る。)適切なインキュベーションの後、青色に着色したプラークをマイクロピペッター(例えば、Eppendorf)のチップで拾う。次いで、組換えウイルスを含む寒天を、200μlのグレース培地を含む微小遠心分離チューブ中で再懸濁させ、そして組換えバキュロウイルスを含む懸濁液を、35 mmディッシュに播種したSf9細胞に感染させるために使用する。4日後、これらの培養ディッシュの上清を採集し、次いで4℃に貯蔵する。
ポリペプチドの発現を確認するために、10%熱非働化FBSを補充したグレース培地中でSf9細胞を増殖させる。細胞を、約2の感染多重度(「MOI」)でポリヌクレオチドを含む組換えバキュロウイルスで感染させる。放射性標識したタンパク質を所望する場合には、6時間に後培地を除去し、そしてメチオニンおよびシステインを含まないSF900 II培地(Life Technologies Inc., Rockville, MDから入手可能)に置き換える。42時間後、5μCiの35S−メチオニンおよび5μCiの35S−システイン(Amershamから入手可能)を添加する。細胞をさらに16時間インキュベートし、次いで遠心分離によって採集する。上清中のタンパク質および細胞内タンパク質を、SDS−PAGE、次いで(放射性標識した場合)オートラジオグラフィーによって分析する。
精製タンパク質のアミノ末端のアミノ酸配列の微量配列決定法を使用して、産生されたタンパク質のアミノ末端配列を決定し得る。
(実施例8:哺乳動物細胞におけるポリペプチドの発現)
本発明のポリペプチドを、哺乳動物細胞中で発現させ得る。代表的な哺乳動物発現ベクターは、mRNAの転写の開始を仲介するプロモーターエレメント、タンパク質コード配列、および転写の終結および転写物のポリアデニル化に必要なシグナルを含む。さらなるエレメントは、エンハンサー、コザック配列、および、RNAスプライシングのドナーおよびアクセプター部位に隣接する介在配列を含む。非常に効率的な転写は、SV40由来の初期および後期プロモーター、レトロウイルス(例えばRSV、HTLVI、HIVI)由来の長末端反復(LTR)、およびサイトメガロウイルス(CMV)の初期プロモーターを用いて達成される。しかし、細胞内エレメント(例えば、ヒトアクチンプロモーター)もまた、使用され得る。
本発明を実施する際の使用に適切な発現ベクターは、例えば、pSVLおよびpMSG(Pharmacia, Uppsala, Sweden)、pRSVcat(ATCC 37152)、pSV2dhfr(ATCC 37146)、pBC12MI(ATCC 67109)、pCMVSport2.0、ならびにpCMVSport3.0のようなベクターを含む。使用され得る哺乳動物宿主細胞は、ヒトHela細胞、293細胞、H9細胞およびJurkat細胞、マウスNIH3T3細胞およびC127細胞、Cos 1細胞、Cos 7細胞およびCV1細胞、ウズラQC1−3細胞、マウスL細胞、ならびにチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を含む。
あるいは、ポリペプチドは、染色体に組み込まれたポリヌクレオチドを含む、安定な細胞株中で発現され得る。dhfr、gpt、ネオマイシン、ハイグロマイシンのような選択可能なマーカーを用いる同時トランスフェクションは、トランスフェクトされた細胞の同定および単離を可能にする。
トランスフェクトされた遺伝子はまた、大量のコードされたタンパク質を発現するために増幅され得る。DHFR(ジヒドロ葉酸還元酵素)マーカーは、目的の遺伝子の数百または数千さえものコピーを有する細胞株の開発に有用である。(例えば、Alt, F.W.ら、J. Biol. Chem. 253:1357−1370 (1978);Hamlin, J.L.およびMa, C.、Biochem. et Biophys. Acta、1097:107−143 (1990):Page, M.J.およびSyndenham, M.A.、Biotechnology 9:64−68 (1991)を参照のこと。)別の有用な選択マーカーは、酵素グルタミンシンターゼ(GS)である(Murphyら、Biochem J. 227:277−279 (1991);Bebbingtonら、Bio/Technology 10:169−175 (1992))。これらのマーカーを使用して、哺乳動物細胞を選択培地中で増殖させ、そしてもっとも高い耐性を有する細胞を選択する。これらの細胞株は、染色体に組み込まれた、増幅された遺伝子を含む。チャイニーズハムスター卵巣(CHO)およびNSO細胞は、タンパク質の産生のためにしばしば使用される。
プラスミドpSV2−dhfr(ATCC受託番号37146)の誘導体である、発現ベクターpC4(ATCC受託番号209646)およびpC6(ATCC受託番号209647)は、ラウス肉腫ウイルス(Cullenら、Molecular and Cellular Biology, 438−447 (1985年3月))の強力なプロモーター(LTR)、およびCMVエンハンサー(Boshartら、Cell 41:521−530 (1985))のフラグメントを含む。例えば、BamHI、XbaI、およびAsp718の制限酵素切断部位を有するマルチプルクローニングサイトは、目的の遺伝子のクローニングを容易にする。ベクターはまた、3’イントロン、ラットプレプロインシュリン遺伝子のポリアデニル化および終結シグナル、ならびに、SV40初期プロモーターの制御下にあるマウスDHFR遺伝子を含む。
具体的には、例えば、プラスミドpC6は、適切な制限酵素によって消化され、次いで当該分野で公知の手順に従って、仔ウシ腸ホスファターゼ(phosphate)を使用して脱リン酸化する。次いで、ベクターを1%アガロースゲルから単離する。
本発明のポリヌクレオチドは、実施例1に概説するプロトコルに従って増幅される。天然に存在するシグナル配列が、分泌タンパク質を産生するために使用される場合、ベクターは、第二のシグナルペプチドを必要としない。あるいは、天然に存在するシグナル配列が使用されない場合には、ベクターは異種シグナル配列を含むように改変され得る(例えば、WO96/34891を参照のこと)。
増幅フラグメントを、市販のキット(「Geneclean」、BIO 101 Inc., La Jolla, Ca.)を使用して1%アガロースゲルから単離する。次いで、フラグメントを、適切な制限酵素で消化し、そして再び1%アガロースゲル上で精製する。
次いで、増幅フラグメントを同じ制限酵素で消化し、そして1%アガロースゲルで精製する。次いで、単離されたフラグメントおよび脱リン酸化したベクターを、T4 DNAリガーゼで連結する。次いで、E. coli HB101またはXL−1 Blue細胞を形質転換し、そしてプラスミドpC6に挿入されたフラグメントを含む細菌を、例えば、制限酵素分析を用いて同定する。
活性なDHFR遺伝子を欠損するチャイニーズハムスター卵巣細胞を、トランスフェクションに使用する。5μgの発現プラスミドpC6を、リポフェクチンを用いて、0.5μgのプラスミドpSVneoとともに同時トランスフェクトする(Felgnerら、前出)。プラスミドpSV2−neoは、優性選択マーカーであるG418を含む抗生物質の群に対する耐性を付与する酵素をコードするTn5由来のneo遺伝子を含む。細胞を、1mg/mlのG418を補充したαマイナスMEMに播種する。2日後、細胞をトリプシン処理し、そして10、25、または50ng/mlのメトトレキサートおよび1mg/mlのG418を補充したαマイナスMEM中のハイブリドーマクローニングプレート(Greiner, Germany)中に播種する。約10〜14日後、単一のクローンをトリプシン処理し、次いでメトトレキサートの異なる濃度(50nM、100nM、200nM、400nM、800nM)を使用して、6ウェルのペトリ皿または10mlのフラスコに播種する。次いで、メトトレキサートの最高濃度で増殖するクローンを、さらに高い濃度(1μM、2μM、5μM、10μM、20μM)のメトトレキサートを含む新たな6ウェルプレートに移す。同じ手順を、100〜200μMの濃度で増殖するクローンが得られるまで繰り返す。所望の遺伝子産物の発現を、例えば、SDS−PAGEおよびウエスタンブロットによって、または逆相HPLC分析によって分析する。
(実施例9:タンパク質融合物)
本発明のポリぺプチドは、好ましくは、他のタンパク質に融合される。これらの融合タンパク質は、種々の適用について使用され得る。例えば、本発明のポリぺプチドの、Hisタグ、HAタグ、プロテインA、IgGドメイン、およびマルトース結合タンパク質への融合は、精製を容易にする(実施例5を参照のこと;EP A 394,827もまた参照のこと;Trauneckerら、Nature 331:84−86 (1988)) 。同様に、IgG−1、IgG−3、およびアルブミンへの融合は、インビボでの半減期を増大させる。本発明のポリぺプチドに融合した核局在化シグナルは、タンパク質を特定の細胞下局在に標的化し得る。一方、共有結合ヘテロダイマーまたはホモダイマーは、融合タンパク質の活性を増大または減少させ得る。融合タンパク質はまた、1つより多い機能を有するキメラ分子を作製し得る。最後に、融合タンパク質は、非融合タンパク質と比較して、融合タンパク質の可溶性および/または安定性を増大させ得る。上記の融合タンパク質の全ての型は、ポリぺプチドのIgG分子への融合を概説する以下のプロトコル、または実施例5に記載されるプロトコルを改変することによって作製され得る。
簡単には、IgG分子のヒトFc部分は、以下に記載の配列の5’および3’末端にわたるプライマーを使用してPCR増幅され得る。これらのプライマーはまた、発現ベクター(好ましくは、哺乳動物発現ベクター)へのクローニングを容易にする都合の良い制限酵素部位を有するべきである。
例えば、pC4(受託番号第209646号)が使用される場合、ヒトFc部分は、BamHIクローニング部位に連結され得る。3’BamHI部位が破壊されるべきであることに注意のこと。次に、ヒトFc部分を含有するベクターが、このBamHIによって再び制限され、ベクターを線状化し、そして実施例1に記載するPCRプロトコルによって単離された本発明のポリヌクレオチドが、BamHI部位に連結される。ポリヌクレオチドは、終止コドンなしにクローン化され、そうでなければ、融合タンパク質は産生されないことに注意すること。
天然に存在するシグナル配列が分泌タンパク質を産生するために使用される場合、pC4は、第二のシグナルペプチドを必要としない。あるいは、天然に存在するシグナル配列が使用されない場合、ベクターは、異種シグナル配列を含むように改変され得る(例えば、WO 96/34891を参照のこと)。
(実施例10:ポリペプチドからの抗体の産生)
本発明の抗体は、種々の方法によって調製され得る。(Current Protocols, 第2章を参照のこと。)例えば、本発明のポリぺプチドを発現する細胞は、ポリクローナル抗体を含む血清の産生を誘導するために動物に投与される。好ましい方法において、分泌タンパク質の調製物が調製され、そして精製されて、実質的に天然の夾雑物を含まないようにする。次いで、このような調製物は、動物に導入されて、より大きな比活性のポリクローナル抗血清を生成する。
最も好ましい方法において、本発明の抗体は、モノクローナル抗体(または、そのタンパク質結合フラグメント)である。このようなモノクローナル抗体は、ハイブリドーマ技術を使用して調製され得る(Kohlerら、Nature 256:495 (1975); Kohlerら、Eur. J. Immunol. 6:511 (1976); Kohlerら、Eur.J. Immunol. 6:292(1976); Hammerlingら:Monoclonal Antibodies and T−Cell Hybridomas, Elsevier, N.Y.、563−681頁(1981)。) 一般に、このような手順は、動物(好ましくは、マウス)をポリぺプチドで免疫化すること、またはより好ましくは、分泌ポリぺプチド発現細胞での免疫化を含む。このような細胞は、任意の適切な組織培養培地において培養され得る;しかし、10%ウシ胎仔血清(約56℃で非働化した)を補充し、そして約10g/lの非必須アミノ酸、約1,000U/mlのペニシリン、および約100μg/mlのストレプトマイシンを補充したEarle改変Eagle培地において細胞を培養することが好ましい。
このようなマウスの脾細胞は抽出され、そして適切なミエローマ細胞株と融合される。任意の適切なミエローマ細胞株は、本発明に従って利用され得る;しかし、ATCCから入手可能な親ミエローマ細胞株(SP2O)を利用することが好ましい。融合後、得られるハイブリドーマ細胞を、HAT培地において選択的に維持し、次いでWandsら(Gastroenterology 80:225−232 (1981))に記載されるように限定希釈によってクローニングする。このような選択によって得られるハイブリドーマ細胞は、次いでポリぺプチドに結合し得る抗体を分泌するクローンを同定するためにアッセイされる。
あるいは、ポリぺプチドに結合し得るさらなる抗体を、抗イディオタイプ抗体を使用して2段階工程の手順において生成し得る。このような方法は、抗体それ自体が抗原であり、それゆえ二次抗体に結合する抗体を得ることが可能であるという事実を利用する。この方法に従って、タンパク質特異的抗体が使用されて、動物(好ましくは、マウス)を免疫する。次いで、このような動物の脾臓細胞を使用して、ハイブリドーマ細胞を産生する。そして、ハイブリドーマ細胞は、タンパク質特異的抗体に結合する能力がポリぺプチドによってブロックされ得る抗体を産生するクローンを同定するためにスクリーニングされる。このような抗体は、タンパク質特異的抗体に対する抗イディオタイプ抗体を含み、そしてさらなるタンパク質特異的抗体の形成を誘導する動物を免疫するために使用され得る。
FabおよびF(ab’)2ならびに本発明の抗体の他のフラグメントは、本明細書中で開示される方法に従って使用され得ることが理解される。このようなフラグメントは、代表的には、パパイン(Fabフラグメントを産生するために)またはペプシン(F(ab’)2フラグメントを産生するために)のような酵素を使用して、タンパク質分解性切断によって産生される。あるいは、分泌タンパク質結合フラグメントは、組換えDNA技術の適用により、または合成化学により産生され得る。
ヒトにおける抗体のインビボ使用のために、「ヒト化」キメラモノクローナル抗体を使用することが好ましくあり得る。このような抗体は、上記のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞に由来する遺伝子構築物を使用することによって産生され得る。キメラ抗体を産生するための方法は当該分野で公知である。(総説については、Morrison, Science 229: 1202 (1985); Oiら、BioTechniques 4:214 (1986); Cabillyら、米国特許第4,816,567号;Taniguchiら、EP 171496;Morrisonら、EP 173494;Neubergerら、WO 8601533;Robinsonら、WO 8702671;Boulianneら、Nature 312:643 (1984);Neubergerら、Nature 314:268(1985)を参照のこと。)
(実施例11:高処理能力スクリーニングアッセイのための分泌タンパク質の産生)
以下のプロトコルは、試験されるべきポリぺプチドを含有する上清を産生する。次いで、この上清は、実施例13〜20に記載されるスクリーニングアッセイにおいて使用され得る。
第一に、ポリ−D−リジン(644 587 Boehringer−Mannheim)ストック溶液(PBS中に1mg/ml)を、PBS(カルシウムもマグネシウムも含まない17−516F Biowhittaker)中で1:20に希釈して、作業溶液50μg/mlにする。200μlのこの溶液を、各ウェル(24ウェルプレート)に添加し、室温で20分間インキュベートする。溶液を各ウェルにわたって分配させることを確実にする(注:チップをつけた12チャンネルピペッターは、1つおきのチャンネルにおいて使用され得る)。ポリ−D−リジン溶液を吸引除去し、そして1ml PBS(リン酸緩衝化生理食塩水)でリンスする。PBSは、細胞をプレートする直前までウェル中に残るべきであり、そしてプレートは2週間まで予めポリリジンでコーティングされ得る。
293T細胞(これは、P+20を過ぎて細胞を保有しない)を、2×105細胞/ウェルで、0.5mlのDMEM(Dulbecco改変Eagle培地)(4.5G/LのグルコースおよびL−グルタミン(12−604F Biowhittaker)/10%熱非働化FBS(14−503F Biowhittaker)/1×Penstrep(17−602E Biowhittaker)を含む)中にプレートする。細胞を一晩増殖させる。
翌日、滅菌溶液容器(basin)中で、300μlリポフェクトアミン(18324−012 Gibco/BRL)および5ml Optimem I(31985070 Gibco/BRL)/96ウェルプレートを、一緒に混合する。小容量のマルチチャンネルピペッターを用いて、実施例8または9に記載する方法によって産生されたポリヌクレオチド挿入物を含有する約2μgの発現ベクターを、適切に標識された96ウェルの丸底プレート中にアリコートする。マルチチャンネルピペッターを用いて、50μlのリポフェクトアミン/Optimem I混合物を各ウェルに添加する。ピペットで緩やかに吸い上げたり下げたりして混合する。室温で15〜45分間インキュベートする。約20分後、多チャンネルピペッターを使用して150μlのOptimem Iを各ウェルに添加する。コントロールとして、インサートを欠失するベクターDNAの1つのプレートは、トランスフェクションの各セットでトランスフェクトされるべきである。
好ましくは、トランスフェクションは、以下の作業をタグ連結(tag−teaming)することによって行うべきである。タグ連結によって、時間に関する労力は半減され、そして細胞をPBS上であまり多くの時間過ごさせない。まず、Aさんは、培地を細胞の4つの24ウェルプレートから吸引除去し、次いでBさんが0.5〜1mlのPBSで各ウェルをリンスする。次いで、Aさんは、PBSリンスを吸引除去し、そしてBさんは、チップのついた12チャンネルピペッターを使用して、チャンネル1つおきに、200μlのDNA/リポフェクトアミン/Optimem I複合体を、まず奇数のウェルに、次いで偶数のウェルにと、24ウェルプレート上の各列に添加する。37℃で6時間インキュベートする。
細胞をインキュベートする間に、1×ペンストレップ(penstrep)を有するDMEM中の1%BSAか、または2mMグルタミンおよび1×ペンストレップを含むCHO−5培地(116.6mg/LのCaCl2(無水物);0.00130mg/L CuSO4−5H2O;0.050mg/LのFe(NO3)3−9H2O;0.417mg/LのFeSO4−7H2O;311.80mg/LのKCl;28.64mg/LのMgCl2;48.84mg/LのMgSO4;6995.50mg/LのNaCl;2400.0mg/LのNaHCO3;62.50mg/LのNaH2PO4−H2O;71.02mg/LのNa2HPO4;0.4320mg/LのZnSO4−7H2O;0.002mg/Lのアラキドン酸;1.022mg/Lのコレステロール;0.070mg/LのDL−α−酢酸トコフェロール;0.0520mg/Lのリノール酸;0.010mg/Lのリノレン酸;0.010mg/Lのミリスチン酸;0.010mg/Lのオレイン酸;0.010mg/Lのパルミトオレイン酸(palmitric acid);0.010mg/Lのパルミチン酸;100mg/LのPluronic F−68;0.010mg/Lのステアリン酸;2.20mg/LのTween80;4551mg/LのD−グルコース;130.85mg/mlのL−アラニン;147.50mg/mlのL−アルギニン−HCL;7.50mg/mlのL−アスパラギン−H2O;6.65mg/mlのL−アスパラギン酸;29.56mg/mlのL−シスチン2HCl−H2O;31.29mg/mlのL−シスチン−2HCl;7.35mg/mlのL−グルタミン酸;365.0mg/mlのL−グルタミン;18.75mg/mlのグリシン;52.48mg/mlのL−ヒスチジン−HCl−H2O;106.97mg/mlのL−イソロイシン;111.45mg/mlのL−ロイシン;163.75mg/mlのL−リジンHCl;32.34mg/mlのL−メチオニン;68.48mg/mlのL−フェニルアラニン;40.0mg/mlのL−プロリン;26.25mg/mlのL−セリン;101.05mg/mlのL−スレオニン;19.22mg/mlのL−トリプトファン;91.79mg/mlのL−チロシン−2Na−2H2O;99.65mg/LのL−バリン;0.0035mg/Lのビオチン;3.24mg/LのD−Caパントテン酸;11.78mg/Lの塩化コリン;4.65mg/Lの葉酸;15.60mg/Lのi−イノシトール;3.02mg/Lのナイアシンアミド;3.00mg/LのピリドキサールHCl;0.031mg/LのピリドキシンHCl;0.319mg/Lのリボフラビン;3.17mg/LのチアミンHCl;0.365mg/Lのチミジン;および0.680mg/LのビタミンB12;25mMのHEPES緩衝剤;2.39mg/LのNaヒポキサンチン;0.105mg/Lのリポ酸;0.081mg/Lのプトレシンナトリウム−2HCl;55.0mg/Lのピルビン酸;0.0067mg/Lの亜セレン酸ナトリウム;20μMのエタノールアミン;0.122mg/Lのクエン酸第二鉄;41.70mg/Lのリノール酸と複合体化したメチル−B−シクロデキストリン;33.33mg/Lのオレイン酸と複合体化したメチル−B−シクロデキストリン;ならびに10mg/Lのレチナールと複合体化したメチル−B−シクロデキストリン)のいずれかの適切な培地を調製する。(10%BSAストック溶液のために、1L DMEM中にBSA(81−068−3 Bayer) 100gmを溶解する)。培地を濾過し、そして50μlを内毒素アッセイのために15mlポリスチレンコニカル中に収集する。
トランスフェクション反応を、好ましくはタグ結合(tag−team)によってインキュベーション時間の終わりに終結させる。Aさんは、トランスフェクション培地を吸引除去し、その間Bさんは、1.5mlの適切な培地を各ウェルに添加する。使用された培地に依存して45または72時間、37℃でインキュベートする:1%BSAは45時間、またはCHO−5は72時間。
4日目に、300μlのマルチチャンネルピペッターを使用して、600μlを1mlの深底ウェルプレートにアリコートし、そして残りの上清を2mlの深底ウェルにアリコートする。次いで、各ウェルからの上清を実施例13〜20に記載するアッセイにおいて使用し得る。
活性が、上清を使用して以下に記載する任意のアッセイにおいて得られる場合、活性は、ポリぺプチドから直接に(例えば、分泌タンパク質として)か、または他のタンパク質の発現を誘導するポリぺプチドによって(これは、次いで上清中に分泌される)のいずれかに由来することが特に理解される。従って、本発明はさらに、特定のアッセイにおける活性によって特徴づけられる上清中のタンパク質を同定する方法を提供する。
(実施例12:GASレポーター構築物の構築)
細胞の分化および増殖に関与する1つのシグナル伝達経路は、Jak−STAT経路と呼ばれる。Jak−STAT経路の活性化タンパク質は、多くの遺伝子のプロモーターに位置する、γ活性化部位「GAS」エレメントまたはインターフェロン感受性応答エレメント(「ISRE」)に結合する。これらのエレメントに対するタンパク質の結合は、関連する遺伝子の発現を変化させる。
GASおよびISREエレメントは、転写のシグナルトランスデューサーおよびアクチベーターまたは「STAT」と呼ばれる転写因子のクラスによって認識される。STATファミリーには6つのメンバーが存在する。Stat1およびStat3は、Stat2と同様に(IFNαに対する応答が広範であるように)、多くの細胞型において存在する。Stat4は、より限定されており、そして多くの細胞型において存在しないが、IL−12での処理後のTヘルパークラスI細胞に見出されている。Stat5は、元々は哺乳動物成長因子と呼ばれたが、骨髄細胞を含む他の細胞においてより高い濃度で見出されている。それは、多くのサイトカインによって組織培養細胞において活性化され得る。
STATは活性化されて、Janus Kinase(「Jaks」)ファミリーとして知られるキナーゼのセットによってチロシンリン酸化に際して細胞質から核へ移動する。Jaksは、可溶性のチロシンキナーゼの異なるファミリーを代表し、そしてTyk2、Jak1、Jak2、およびJak3を含む。これらのキナーゼは、有意な配列類似性を示し、そして一般には休止細胞において触媒的に不活性である。
Jaksは、以下の表によって要約されるように広範なレセプターによって活性化される。(SchidlerおよびDarnell, Ann. Rev. Biochem. 64:621−51(1995)による総説から改変。)Jaksを活性化し得るサイトカインレセプターファミリーは、2つの群に分けられる:(a)クラスIは、IL−2、IL−3、IL−4、IL−6、IL−7、IL−9、IL−11、IL−12、IL−15、Epo、PRL、GH、G−CSF、GM−CSF、LIF、CNTF、およびトロンボポエチンについてのレセプターを含み;そして、(b)クラス2は、IFN−a、IFN−g、およびIL−10を含む。クラス1レセプターは、保存されたシステインモチーフ(4つの保存されたシステインおよび1つのトリプトファンのセット)、およびWSXWSモチーフ(Trp−Ser−Xxx−Trp−Ser(配列番号2)をコードする膜近接領域)を共有する。
従って、リガンドのレセプターへの結合の際に、Jaksは活性化され、これは次いでSTATを活性化し、これは、次いで移動し、そしてGASエレメントに結合する。この全プロセスは、Jaks−STATシグナル伝達経路に包含される。
それゆえ、GASまたはISREエレメントの結合によって反映されるJaks−STAT経路の活性化は、細胞の増殖および分化に関与するタンパク質を示すために使用され得る。例えば、成長因子およびサイトカインは、Jaks−STAT経路を活性化することが知られている。(以下の表を参照のこと)。従って、レポーター分子に連結したGASエレメントを使用することにより、Jaks−STAT経路のアクチベーターが同定され得る。
実施例13〜14に記載される生物学的アッセイにおいて使用されるプロモーターエレメントを含む合成GASを構築するために、PCRに基づいたストラテジーをGAS−SV40プロモーター配列を産生するために採用する。5’プライマーは、IRF1プロモーターにおいて見出され、そして一定の範囲のサイトカインでの誘導の際にSTATに結合することが以前に証明されたGAS結合部位の4つのタンデムなコピーを含むが(Rothmanら、Immunity 1: 457−468 (1994))、他のGASまたはISREエレメントを代わりに使用し得る。5’プライマーはまた、SV40初期プロモーター配列に対して相補的な18bpの配列も含み、そしてXhoI部位に隣接する。5’プライマーの配列は以下である:
下流プライマーはSV40プロモーターに対して相補的であり、Hind III部位に隣接する:5’:GCGGCAAGCTTTTTGCAAAGCCTAGGC:3’(配列番号4)。
PCR増幅を、Clontechから入手したB−gal:プロモータープラスミド中に存在するSV40プロモーターのテンプレートを用いて実施する。得られたPCRフラグメントをXhoI/Hind IIIを用いて消化し、そしてBLSK2−(Stratagene)にサブクローニングする。正方向および逆方向のプライマーを用いる配列決定により、挿入物が以下の配列を含むことを確認する:
次に、SV40プロモーターに結合したこのGASプロモーターエレメントを用いて、GAS:SEAP2レポーター構築物を操作する。ここで、レポーター分子は、分泌アルカリホスファターゼ、すなわち「SEAP」である。しかしながら、明らかに、この実施例または他の実施例のいずれにおいても、任意のレポーターの分子が、SEAPの代わりとなり得る。SEAPの代わりに使用され得る周知のレポーター分子には、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、グリーン蛍光タンパク質(GFP)、または抗体により検出可能な任意のタンパク質が挙げられる。
合成GAS−SV40プロモーターエレメントと確認された上記の配列を、GAS−SEAPベクターを作製するために、HindIIIおよびXhoIを用いて、SV40プロモーターを、増幅したGAS:SV40プロモーターエレメントで効率的に置換し、Clontechから入手したpSEAP−プロモーターベクターにサブクローニングする。しかしながらこのベクターはネオマイシン耐性遺伝子を含まず、それゆえ、哺乳動物の発現系には好ましくない。
従って、GAS−SEAPレポーターを発現する哺乳動物の安定な細胞株を作製するために、GAS−SEAPカセットをSalIおよびNotIを用いて、GAS−SEAPベクターから取り出し、そしてGAS−SEAP/Neoベクターを作製するために、複数のクローニング部位におけるこれらの制限部位を用いて、ネオマイシン耐性遺伝子を含むバックボーンベクター(例えば、pGFP−1(Clontech))に挿入する。一旦、このベクターを哺乳動物細胞にトランスフェクトすれば、このベクターは、実施例13〜14に記載されるようにGAS結合のためのレポーター分子として使用され得る。
他の構築物を上記の記載を使用し、そしてGASを異なるプロモーター配列で置換して、作製し得る。例えば、NFK−BおよびEGRプロモーター配列を含むレポーター分子の構築を、実施例15および16に記載する。しかし、多くの他のプロモーターをこれらの実施例に記載のプロトコルを使用して置換し得る。例えば、SRE、IL−2、NFAT、またはオステオカルシンのプロモーターを単独または組み合わせて(例えば、GAS/NF−KB/EGR、GAS/NF−KB、Il−2/NFAT、またはNF−KB/GAS)置換し得る。同様に、他の細胞株(例えば、HELA(上皮細胞)、HUVEC(内皮細胞)、Reh(B細胞)、Saos−2(骨芽細胞)、HUVAC(大動脈細胞)、または心筋細胞を、レポーター構築物の活性を試験するために使用し得る。
(実施例13:T細胞の活性についての高処理能力スクリーニングアッセイ)
以下のプロトコルを、例えば、T細胞を増殖または分化させ得る増殖因子およびサイトカインのような因子を同定することによりT細胞の活性を評価するために使用する。T細胞の活性を実施例12で作製したGAS/SEAP/Neo構築物を用いて評価する。従って、SEAP活性を増加させる因子は、Jaks−STATSシグナル伝達経路を活性化する能力を示す。このアッセイに使用したT細胞は、Jurkat T細胞(ATCC受託番号TIB−152)であるが、Molt−3細胞(ATCC受託番号CRL−1552)およびMolt−4細胞(ATCC受託番号CRL−1582)細胞もまた使用し得る。
Jurkat T細胞は、リンパ芽球性CD4+ Th1ヘルパー細胞である。安定な細胞株を作製するために、およそ200万のJurkat細胞をDMRIE−C(Life Technologies)を用いて、GAS−SEAP/neoベクターでトランスフェクト(以下に記載のトランスフェクション手順)する。トランスフェクトした細胞を、およそ20,000細胞/ウェルの密度で播種し、そして1mg/mlのゲンチシン(genticin)に対して耐性であるトランスフェクト体を選択する。耐性コロニーを増殖させ、次いで、インターフェロンγの漸増する濃度に対するそれらの応答について試験する。選択したクローンの用量反応を示す。
詳細には、以下のプロトコールにより、200μlの細胞を含む75のウェルについて十分な細胞を得る。従って、複数の96ウェルプレートについて十分な細胞を産生するために、スケールアップするか、または複数で実施するかのいずれかである。Jurkat細胞を1%のPen−StrepとともにRPMI+10% 血清中で維持する。T25フラスコ中で2.5mlのOPTI−MEM(Life Technologies)と10μgのプラスミドDNAを組み合わせる。50μlのDMRIE−Cを含む2.5mlのOPTI−MEMを添加し、そして、室温で15〜45分間インキュベートする。
インキュベート時間の間、細胞濃度をカウントし、必要な細胞数(トランスフェクションあたり107個)をスピンダウンし、そして最終濃度が107細胞/mlとなるようにOPTI−MEM中で再懸濁する。次いで、1mlのOPTI−MEM中の1×107個の細胞をT25フラスコに加え、そして37℃で6時間インキュベートする。インキュベーションの後、10mlのRPMI+15%の血清を添加する。
Jurkat:GAS−SEAP安定レポーター株をRPMI+10% 血清、1mg/ml ゲンチシン、および1% Pen−Strep中で維持する。これらの細胞を実施例11に記載されるプロトコルにより産生されるようなポリペプチドを含む上清で処理する。
上清の処理日に細胞を洗浄すべきであり、そして1mlあたり500,000個の密度となるまで新鮮なRPMI+10%血清中に再懸濁するべきである。必要な細胞の正確な数は、スクリーニングされる上清の数に依存する。1枚の96ウェルプレートについて、およそ1000万個の細胞(10枚のプレートについて1億個の細胞)を必要とする。
細胞を、12チャンネルのピペットを用いて96ウェルのディッシュに分与するために、三角のリザーバーボートに細胞を移す。200μlの細胞を、12チャンネルのピペットを用いて、それぞれのウェルに移す(従って、ウェル当たり100,000個の細胞を添加する)。
全てのプレートに播種した後、50μlの上清を、12チャンネルピペットを用いて、上清を含む96ウェルプレートから各ウェルに直接的に移す。さらに、外来性のインターフェロンγの用量(0.1、1.0、10ng)を、ウェルH9、ウェルH10、およびウェルH11に添加し、アッセイについてのさらなる陽性コントロールとして供する。
上清で処理したJurkat細胞を含む96ウェルディッシュをインキュベーターに48時間置く(注:この時間は48〜72時間の間で変更可能である)。次いで、各ウェルから35μlのサンプルを12チャンネルのピペットを用いて、不透明な96ウェルプレートに移す。不透明なプレートを(セロファンのカバーを用いて)覆うべきであり、そして実施例17に従うSEAPアッセイを行うまで、20℃で保存する。残存する処理した細胞を含むプレートを4℃に置き、そして、所望するならば、特定のウェル上でのアッセイを繰り返すための物質の供給源として供する。
陽性コントロールとして、100ユニット/mlのインターフェロンγを使用し得、これは、Jurkat T細胞を活性化することが公知である。代表的には、30倍を超える誘導が、陽性コントロールのウェルにおいて観察される。
(実施例14:骨髄性の活性を同定する高処理能力スクリーニングアッセイ)
以下のプロトコルを、骨髄性細胞を増殖または分化させ得る増殖因子およびサイトカインのような因子を同定することにより骨髄性の活性を評価するために使用する。骨髄性細胞活性を実施例12において産生されたGAS/SEAP/Neo構築物を用いて評価する。従って、SEAP活性を増加させる因子は、Jaks−STATSシグナル伝達経路を活性化させる能力を示す。このアッセイに使用した骨髄性細胞は、U937、前単球(pre−monocyte)細胞株であるが、TF−1、HL60、またはKG1も使用し得る。
U937細胞を、実施例12において産生されたGAS/SEAP/Neo構築物で、一過性にトランスフェクトするために、DEAE−Dextran法(Kharbandaら、1994,Cell Growth & Differentiation, 5: 259−265)を用いる。最初に、2×107個のU937細胞を回集し、そしてPBSで洗浄する。U937細胞を、通常、100単位/mlのペニシリンおよび100mg/mlのストレプトマイシンを補充した10% 熱非働化ウシ胎仔血清(FBS)を含むRPMI 1640培地中で増殖させる。
次に、0.5mg/ml DEAE−Dextran、8μgのGAS−SEAP2プラスミドDNA、140mM NaCl、5mM KCl、375μM Na2HPO4.7H2O、1mM MgCl2、および675μM CaCl2を含む1mlの20mM Tris−HCl(pH 7.4)緩衝液に細胞を懸濁する。37℃で45分間インキュベートする。
10% FBSを含むRPMI 1640培地で細胞を洗浄し、次いで、10mlの完全培地に再懸濁し、そして37℃で36時間インキュベートする。
GAS−SEAP/U937安定細胞を、400μg/mlのG418中で細胞を増殖させることにより得る。G418を含まない培地を使用して、慣用的に増殖させるが、1〜2ヶ月毎ではあるが、細胞を二継代の間、400μg/ml G418中で再増殖させるべきである。
これらの細胞を1×108個の細胞を回集すること(これは10枚の96ウェルプレートアッセイのために十分である)により試験し、そしてPBSで洗浄する。上記の200mlの増殖培地中で、5×105細胞/mlの最終密度で細胞を懸濁する。96ウェルプレートにおいてウェルあたり200μlの細胞をプレートする(すなわち、1×105細胞/ウェル)。
実施例11に記載されるプロトコルにより調製された上清を50μl添加する。37℃で48〜72時間インキュベートする。陽性コントロールとして、100 単位/mlのインターフェロンγを使用し得、これはU937細胞を活性化させることが公知である。代表的には、30倍を超える誘導が、陽性コントロールウェルにおいて観察される。SEAPは、実施例17に記載のプロトコルに従って上清をアッセイする。
(実施例15:ニューロン活性を同定する高処理能力スクリーニングアッセイ)
細胞が分化および増殖をうける場合、遺伝子群は多くの異なるシグナル伝達経路を介して活性化される。これらの遺伝子の1つであるEGR1(初期増殖応答遺伝子1)を活性化時に種々の組織および細胞型において誘導する。EGR1のプロモーターはこのような誘導を担う。レポーター分子に結合したEGR1プロモーターを使用して、細胞の活性化を評価し得る。
詳細には、以下のプロトコルをPC12細胞株におけるニューロン活性を評価するために使用する。PC12細胞(ラット褐色細胞腫(phenochromocytoma cell))は、多くのマイトジェン(例えば、TPA(テトラデカノイルホルボールアセテート)、NGF(神経成長因子)、およびEGF(上皮増殖因子))での活性化により増殖および/または分化することが公知である。この処理の間にEGR1遺伝子発現を活性化する。従って、SEAPレポーターに結合したEGRプロモーターを含む構築物でPC12細胞を安定にトランスフェクトすることにより、PC12細胞の活性化を評価し得る。
EGR/SEAPレポーター構築物を以下のプロトコルにより組み立て得る。EGR−1プロモーター配列(−633〜+1)(Sakamoto Kら、Oncogene 6: 867−871(1991))を以下のプライマーを用いて、ヒトゲノムDNAからPCR増幅し得る:
次いで、実施例12において作製したGAS:SEAP/Neoベクターを使用して、EGR1増幅産物をこのベクターに挿入し得る。制限酵素XhoI/HindIIIを使用してGAS:SEAP/Neoベクターを線状化し、GAS/SV40スタッファー(stuffer)を取り除く。これらと同じ酵素を用いて、EGR1増幅産物を制限する。ベクターとEGR1プロモーターとを連結する。
細胞培養のための96ウェルプレートを調製するために、コーティング溶液(コラーゲンI型(Upstate Biotech Inc. カタログ番号08−115)を含む30%エタノール(滅菌濾過)での1:30希釈)を1つの10cmプレートあたり2ml、または96ウェルプレートのウェルあたり50μl添加し、そして2時間風乾させる。
PC12細胞を、予めコートした10cm組織培養ディッシュ上で、ペニシリン(100単位/ml)およびストレプトマイシン(100μg/ml)を補充した、10% ウマ血清(JRH BIOSCIENCES カタログ番号12449−78P)、5% 熱非働化ウシ胎仔血清(FBS)を含むRPMI−1640培地(Bio Whittaker)中で慣用的に増殖させる。1つから4つへの分割を3〜4日毎に行う。細胞を掻き取ることによりプレートから取り出し、そして15回より多く上下にピペッティングして再懸濁する。
EGR/SEAP/Neo構築物を、実施例11に記載のLipofectamineプロトコルを使用して、PC12にトランスフェクトする。EGR−SEAP/PC12安定細胞を、300μg/mlのG418中で細胞を増殖させることにより得る。1〜2ヶ月毎ではあるが、G418を含まない培地を慣用の増殖のために使用する。細胞を2継代の間、300μg/mlのG418中で再増殖させるべきである。
ニューロン活性をアッセイするために、およそ70〜80%コンフルエントである細胞を有する10cmプレートを、古い培地を除去することによりスクリーニングする。細胞をPBS(リン酸緩衝化生理食塩水)を用いて1回洗浄する。次いで、細胞を低血清培地(抗生物質とともに1% ウマ血清および0.5% FBSを含むRPMI−1640)中で一晩、飢餓させる。
翌朝、培地を除去し、そしてPBSで細胞を洗浄する。プレートから細胞を掻き取り、細胞を2mlの低血清培地中でよく懸濁する。細胞数をカウントし、そしてより低血清の培地に添加し、5×105細胞/mlの最終細胞密度に到達させる。
200μlの細胞懸濁液を96ウェルプレートの各ウェルに添加する(1×105細胞/ウェルに等しい)。実施例11により産生された50μlの上清を、37℃で48〜72時間加える。陽性コントロールとして、EGRを介してPC12細胞を活性化することが公知の成長因子(例えば、50ng/μlの神経成長因子(NGF))を使用し得る。代表的には、50倍を超えるSEAP誘導が陽性コントロールウェルにおいて見られる。SEAPは実施例17に従って、上清をアッセイする。
(実施例16:T細胞の活性についての高処理能力スクリーニングアッセイ)
NF−κB(核因子κB)は、広範な種々の薬剤(炎症性サイトカインであるIL−1およびTNF、CD30およびCD40、リンホトキシン−αおよびリンホトキシン−βを含む)により、LPSまたはトロンビンへの曝露により、ならびに特定のウイルス遺伝子産物の発現により活性化される転写因子である。転写因子として、NF−κBは免疫細胞の活性化に関与する遺伝子の発現、アポトーシスの制御(NF−κBは、アポトーシスから細胞を保護すると思われる)、B細胞およびT細胞の発生、抗ウイルス応答および抗菌応答、ならびに複数のストレス応答を調節する。
刺激されない条件において、NF−κBは、I−κB(インヒビターκB)を有する細胞質に保持される。しかしながら、刺激の際に、I−κBはリン酸化され、そして分解(degraded)され、NF−κBの核への往復(shuttle)を引き起こす。これにより標的遺伝子の転写を活性化する。NF−κBにより活性化される標的遺伝子には、IL−2、IL−6、GM−CSF、ICAM−1およびMHCクラスIが挙げられる。
その中心的な役割および一定の範囲の刺激に応答する能力に起因して、NF−κBプロモーターエレメントを利用するレポーター構築物を、実施例11において産生された上清をスクリーニングするために使用する。NF−κBのアクチベーターまたはインヒビターは、疾患の処置に有用である。例えば、NF−κBのインヒビターを、急性または慢性的なNF−κBの活性化に関連するこれらの疾患(例えば、慢性関節リウマチ)を処置するために使用し得る。
NF−κBプロモーターエレメントを含むベクターを構築するために、PCRに基づいたストラテジーを採用する。上流のプライマーは、NF−κB結合部位の4つの直列のコピー(GGGGACTTTCCC)(配列番号8)、SV40初期プロモーター配列の5’末端に対して相補的な18bpの配列を含み、そしてXhoI部位に隣接する:
下流プライマーは、SV40プロモーターの3’末端に対して相補的であり、そしてHindIII部位に隣接する:
5’:GCGGCAAGCTTTTTGCAAAGCCTAGGC:3’(配列番号4)。
PCR増幅を、Clontechから入手したpβ−gal:プロモータープラスミドに存在するSV40プロモーターのテンプレートを使用して行う。得られたPCRフラグメントをXhoIおよびHindIIIで消化し、そしてBLSK2−(Stratagene)にサブクローニングする。T7およびT3プライマーを用いる配列決定により、挿入物が以下の配列を含むことを確認する:
次に、XhoIおよびHindIIIを使用して、pSEAP2−プロモータープラスミド(Clontech)に存在するSV40最小プロモーターエレメントをこのNF−κB/SV40フラグメントと置換する。しかしながら、このベクターはネオマイシン耐性遺伝子を含まず、そしてそれゆえ哺乳動物の発現系には好ましくない。
安定な哺乳動物細胞株を作製するために、NF−κB/SV40/SEAPカセットを制限酵素SalIおよびNotIを使用して上記のNF−κB/SEAPベクターから取り出し、そしてネオマイシン耐性を含むベクターに挿入する。詳細には、SalIおよびNotIでpGFP−Iを制限した後に、NF−κB/SV40/SEAPカセットをpGFP−I(Clontech)に挿入し、GFP遺伝子を置換した。
一旦、NF−κB/SV40/SEAP/Neoベクターを作製した後は、実施例13に記載のプロトコルに従って、安定なJurkat T細胞を作製し、そして維持する。同様に、これらの安定なJurkat T細胞を含む上清をアッセイするための方法がまた、実施例13に記載される。陽性コントロールとして、外因性のTNFα(0.1、1、10ng)をウェルH9、H10、およびH11に添加し、代表的には、5〜10倍の活性化を観察する。
(実施例17:SEAP活性についてのアッセイ)
実施例13〜16に記載されるアッセイのためのレポーター分子として、SEAP活性を、以下の一般的な手順に従ってTropix Phospho−light Kit(カタログ番号BP−400)を用いてアッセイする。Tropix Phospho−light Kitは、以下で使用される希釈緩衝液、アッセイ緩衝液、および反応緩衝液を提供する。
2.5×希釈緩衝液でディスペンサーをプライムし、そして15μlの2.5×希釈緩衝液を35μlの上清を含むオプティプレート(Optiplate)に分与する。プラスチックシーラーでプレートをシールし、そして65℃で30分間インキュベートする。一様でない加温を避けるためにオプティプレートを引き離す。
サンプルを室温まで15分間冷却する。ディスペンサーを空にし、そしてアッセイ緩衝液でプライムする。50μlのアッセイ緩衝液を添加し、そして室温で5分間インキュベートする。ディスペンサーを空にし、そして反応緩衝液でプライムする(以下の表を参照のこと)。50μlの反応緩衝液を添加し、そして室温で20分間インキュベートする。化学発光シグナルの強度は時間依存的であり、そして照度計上で5つのプレートを読むために約10分間を費やすので、5つのプレートをそれぞれの時間で処理し、10分後に2つ目のセットを開始するべきである。
照度計における相対的な光の単位(light unit)を読む。ブランクとしてH12をセットし、そして結果を印字する。化学発光の増加は、レポーター活性を示す。
(実施例18:低分子の濃度および膜透過性における変化を同定する高処理能力スクリーニングアッセイ)
レセプターへのリガンドの結合は、カルシウム、カリウム、ナトリウムのような低分子およびpHの細胞内レベルを変化させ、さらに膜電位を変化させることは公知である。これらの変化を特定細胞のレセプターに結合する上清の同定を行うアッセイで測定し得る。以下のプロトコルは、カルシウムのアッセイを記載するが、このプロトコルは、カリウム、ナトリウム、pH、膜電位、または蛍光プローブにより検出可能な任意の他の低分子における変化を検出するように容易に改変し得る。
以下のアッセイは、蛍光画像化プレートリーダー(「FLIPR」)を使用して低分子と結合する蛍光分子(Molecular Probes)における変化を測定する。明らかに、低分子を検出する任意の蛍光分子を本明細書で用いるカルシウム蛍光分子、fluo−3の代わりに使用し得る。
接着細胞については、細胞を10,000〜20,000細胞/ウェルで、底が透明なCo−star black96−ウェルプレートに播種する。プレートをCO2インキュベーター内で20時間インキュベートする。接着細胞をBiotek洗浄器内で200μlのHBSS(Hank’s Balanced Salt Solution)で二回洗浄し、最後の洗浄後、緩衝液100μlを残す。
1mg/ml fluo−3の貯蔵溶液を10%プルロン酸(pluronic acid)DMSOで作製する。細胞にfluo−3を負荷するため、12μg/ml fluo−3 50μlを各ウェルに添加する。このプレートをCO2インキュベーター中、37℃で60分間インキュベートする。プレートをBiotek洗浄器で、HBSSにより4回洗浄し、緩衝液100μlを残す。
非接着細胞については、細胞を遠心して培養培地から分離する。細胞を2〜5×106細胞/mlに50mlのコニカルチューブ内でHBSSを用いて再懸濁する。1mg/ml fluo−3の10%プルロン酸DMSO溶液 4μlを細胞懸濁液1mlごとに加える。次に、チューブを37℃の水浴中に30〜60分間放置する。細胞をHBSSで二回洗浄し、1×106細胞/mlに再懸濁し、そしてマイクロプレートに100μl/ウェルずつ分配する。プレートを1000rpmで5分間遠心分離する。次に、プレートをDenley CellWash中で200μlで一回洗浄した後、吸引工程により最終容量を100μlにする。
非細胞ベースのアッセイについては、各ウェルは、fluo−3などの蛍光分子を含有する。上清をウェルに添加し、そして蛍光変化を検出する。
細胞内カルシウムの蛍光を測定するため、FLIPRを以下のパラメーターについて設定する:(1)システムゲインは、300〜800mW;(2)曝露時間は、0.4秒間;(3)カメラF/stopは、F/2;(4)励起波長は488nm;(5)発光波長は530nm;および(6)サンプル添加量は50μl。530nmにおける発光の増加は、細胞内Ca++濃度の増加を生じる、細胞外シグナリング事象を示す。
(実施例19:チロシンキナーゼ活性を同定する高処理能力スクリーニングアッセイ)
プロテインチロシンキナーゼ(PTK)は、膜貫通キナーゼおよび細胞質キナーゼの多様な群を表す。レセプタープロテインチロシンキナーゼ(RPTK)群内に、PDGF、FGF、EGF、NGF、HGFおよびインスリンレセプターサブファミリーを含む一定の範囲の有糸分裂促進性(mitogenic)および代謝性成長因子のレセプターがある。さらに、対応するリガンドが未知である大きなRPTKファミリーがある。RPTKのリガンドは、主として分泌小タンパク質を含むが、膜結合型および細胞外マトリックスタンパク質も含有する。
リガンドによるRPTKの活性化は、リガンド媒介レセプター二量体化に関与し、レセプターサブユニットのトランスリン酸化および細胞質チロシンキナーゼの活性化が起こる。細胞質チロシンキナーゼには、srcファミリー(例えば、src、yes、lck、lyn、fyn)のレセプター関連チロシンキナーゼ、ならびにJakファミリーのような非レセプター結合型および細胞質ゾルプロテインチロシンキナーゼが挙げられる。これらのメンバーは、サイトカインスーパーファミリーのレセプター(例えば、インターロイキン、インターフェロン、GM−CSFおよびレプチン)によって誘発されるシグナル伝達を介在する。
チロシンキナーゼ活性を刺激し得る広範な公知の因子のため、チロシンキナーゼシグナル伝達経路を活性化し得る新規なヒト分泌タンパク質の同定は興味深い。従って、以下のプロトコルを設計して、チロシンキナーゼシグナル伝達経路を活性化し得るその新規なヒト分泌タンパク質を同定する。
標的細胞(例えば、初代ケラチノサイト)を約25,000細胞/ウェルの密度で、Nalge Nunc(Naperville,IL)から購入した96ウェルLoprodyne Silent Screen Platesに播種する。プレートを100%エタノールで30分間、二回リンスして滅菌し、水でリンスした後、一晩乾燥させる。幾つかのプレートを、100mlの細胞培養グレードI型コラーゲン(50mg/ml)、ゼラチン(2%)またはポリリジン(50mg/ml)(これらは全て、Sigma Chemicals(St.Louis,MO)から購入し得る)で、またはBecton Dickinson(Bedford,MA)から購入した10%Matrigel、あるいは仔ウシ血清で2時間コートし、PBSでリンスした後、4℃で貯蔵する。増殖培地に5,000細胞/ウェルを播種し、48時間後に製造業者のAlamar Biosciences,Inc.(Sacramento,CA)が記載するように、alamarBlueを使用して細胞数を間接定量することにより、これらのプレート上の細胞増殖をアッセイする。Becton Dickinson(Bedford,MA)のFalconプレートカバー#3071を使用し、Loprodyne Silent Screen Plateを覆う。Falcon Microtest III細胞培養プレートもまた、いくつかの増殖実験において使用し得る。
抽出物を調製するため、A431細胞をLoprodyneプレートのナイロン膜上に播種し(20,000/200ml/ウェル)、そして完全培地内で一晩培養する。細胞を無血清基本培地中で24時間インキュベートして静止させる。EGF(60ng/ml)または実施例11で生成した上清50μlで5〜20分間処理した後、培地を除去し、100mlの抽出緩衝液(20mM HEPES pH7.5,0.15M NaCl,1%TritonX−100,0.1%SDS,2mM Na3VO4,2mM Na4P2O7およびBoeheringer Mannheim(Indianapolis,IN)から入手したプロテアーゼインヒビターの混合物(#1836170))を各ウェルに添加し、そしてプレートを回転振盪器上、4℃で5分間振盪する。次に、プレートを真空トランスファーマニホールド(vacuum transfer manifold)に設置し、そしてハウスバキュームを使用して抽出物を各ウェルの底の0.45mm膜で濾過する。抽出物をバキュームマニホールドの底の96−ウェル捕獲/アッセイプレートに集め、そして直ちに氷上に置く。遠心分離により明澄化した抽出物を得るため、界面活性剤で5分間可溶化した後、各ウェルの含有物を取り出し、4℃、16,000×gで15分間遠心分離する。
濾過抽出物をチロシンキナーゼ活性レベルについて試験する。チロシンキナーゼ活性を検出する多数の方法が公知であるが、本明細書においては方法の一つを記載する。
一般的に、特異的な基質(ビオチン化ペプチド)上のチロシン残基をリン酸化する能力を測定することにより、上清のチロシンキナーゼ活性を評価する。この目的に使用し得るビオチン化ペプチドには、PSK1(細胞分裂キナーゼcdc2−p34のアミノ酸6〜20に対当)およびPSK2(ガストリンのアミノ酸1〜17に対当)が含まれる。両ペプチドは、一連のチロシンキナーゼの基質であり、Boehringer Mannheimから入手される。
以下の成分を順に添加することにより、チロシンキナーゼ反応をセットアップする。まず、5μMビオチン化ペプチド10μlを添加した後、順に、ATP/Mg2+(5mM ATP/50mM MgCl2) 10μl、5×アッセイ緩衝液(40mM塩酸イミダゾール、pH7.3、40mMβ−グリセロリン酸塩、1mM EGTA、100mM MgCl2、5mM MnCl2、0.5mg/ml BSA) 10μl、バナジウム酸ナトリウム(1mM) 5μl、最後に水5μlを加える。成分を穏やかに混合し、反応混合物を30℃で2分間プレインキュベートする。コントロール酵素または濾過上清10μlを加えて反応を開始させる。
次に、120mM EDTA10μlを添加して反応物を氷上に置くことにより、チロシンキナーゼアッセイ反応を停止させる。
反応混合物の50μlのアリコートをマイクロタイタープレート(MTP)モジュールに移し、37℃で20分間インキュベートすることにより、チロシンキナーゼ活性を測定する。これにより、ストレプトアビジン(streptavadin)被覆96ウエルプレートをビオチン化ペプチドと結合させる。MTPモジュールを300μl/ウエルのPBSで4回洗浄する。次に、西洋ワサビペルオキシダーゼに結合した抗ホスホチロシン(phospotyrosine)抗体(抗P−Tyr−POD(0.5u/ml))75μlを、各ウエルに添加した後、37℃で1時間インキュベートする。ウエルを上記のように洗浄する。
次に、ペルオキシダーゼ基質溶液(Boehringer Mannheim)100μlを加え、室温で少なくとも5分間(最長30分間)インキュベートする。ELISAリーダーを使用して、405nmにおけるサンプルの吸光度を測定する。結合ペルオキシダーゼ活性レベルをELISAリーダーを使用して定量し、これは、チロシンキナーゼ活性レベルを反映する。
(実施例20:リン酸化活性を同定する高処理量スクリーニングアッセイ)
実施例19に記載のタンパク質チロシンキナーゼ活性アッセイの可能性のある代替および/または補完(compliment)として、主要な細胞内シグナル伝達中間体の活性化(リン酸化)を検出するアッセイもまた使用し得る。例えば、下記のように、一つの特定のアッセイは、Erk−1およびErk−2キナーゼのチロシンリン酸化を検出し得る。しかし、Raf、JNK、p38MAP、Mapキナーゼキナーゼ(MEK)、MEKキナーゼ、Src、筋肉特異的キナーゼ(MuSK)、IRAK、TecおよびJanusなどの他の分子、ならびに他の任意のホスホセリン、ホスホチロシンまたはホスホスレオニン分子のリン酸化を、以下のアッセイでこれらの分子をErk−1またはErk−2と置き換えることにより検出し得る。
特に、96ウエルELISAプレートのウエルをプロテインG(1μg/ml)0.1mlにより室温(RT)で2時間被覆してアッセイプレートを作製する。次に、プレートをPBSですすぎ、3%BSA/PBSによりRTで1時間ブロックする。次に、プロテインGプレートをErk−1およびErk−2に対する二つの市販のモノクローナル抗体(100ng/ウエル)(Santa Cruz Biotechnology)で処理(RTで1時間)する。(他の分子を検出するために、この工程を、上記の任意の分子を検出するモノクローナル抗体と交換することにより、容易に変更し得る)。PBSで3〜5回すすいだ後、使用時まで、プレートを4℃で貯蔵する。
A431細胞を20,000/ウエルで96ウエルLoprodyneフィルタープレートに播種し、増殖培地中で一晩培養する。次に、細胞を基本培地(DMEM)中で48時間飢餓させた後、EGF(6ng/ウエル)または実施例11で得た上清50μlで5〜20分間処理する。次に、細胞を可溶化し、抽出物を濾過して直接アッセイプレート内へ入れる。
抽出物とRTで1時間インキュベートした後、ウエルを再度すすぐ。陽性コントロールとして、市販のMAPキナーゼ調製物(10ng/ウエル)をA431抽出物の代わりに使用する。次に、プレートを、Erk−1およびErk−2キナーゼのリン酸化エピトープを特異的に認識する市販のポリクローナル(ウサギ)抗体(1μg/ml)で処理する(RTで1時間)。この抗体を標準的な手順によりビオチン化する。次に、結合ポリクローナル抗体をユーロピウムストレプトアビジン(Europium−streptavidin)およびユーロピウム(Europium)蛍光増強剤とWallac DELFIA装置内で連続的にインキュベートする(時間分解性蛍光)ことによって定量する。バックグラウンドを超える蛍光シグナルの増加は、リン酸化を示す。
(実施例21:ポリヌクレオチドに対応する遺伝子における変化の測定方法)
目的の表現型(疾病などの)を提示する家族全員または個々の患者から単離されたRNAを単離する。次に、cDNAをこれらのRNAサンプルから当該分野で公知のプロトコルを使用して生成する(Sambrookを参照)。次に、cDNAを、配列番号Xにおける目的の領域を取り囲むプライマーを使用するPCRの鋳型として使用する。提案されるPCR条件は、Sidransky,Dら、Science 252:706(1991)に記載の緩衝溶液を使用し、95℃で30秒間;52〜58℃で60〜120秒間;および70℃で60〜120秒間の35サイクルからなる。
次に、PCR産物を、SequiTherm Polymerase(Epicentre Technologies)を用いて5’末端に、T4ポリヌクレオチドキナーゼで標識したプライマーを使用して配列決定する。選択したエクソンのイントロン−エクソン境界もまた決定し、ゲノムPCR産物を分析してその結果を確認する。次に、変異を有すると疑われるPCR産物のクローン化および配列決定を行い、直接配列決定の結果を確認する。
PCR産物を、Holton,T.A.およびGraham,M.W.,Nucleic Acids Research,19:1156(1991)に記載のようにTテールベクターにクローン化し、T7ポリメラーゼ(United States Biochemical)で配列決定する。罹患個体を、非罹患個体には存在しない変異により同定する。
ゲノム再配置もまた、ポリヌクレオチドに対応する遺伝子における改変を決定する方法として観察する。実施例2に従って単離したゲノムクローンを、ジゴキシゲニンデオキシ−ウリジン5’−三リン酸(Boehringer Manheim)でニックトランスレーションし、そしてJohnson, Cg.ら、Methods Cell Biol. 35: 73−99(1991)に記載のようにFISHを行う。対応するゲノムの遺伝子座への特異的ハイブリダイゼーションのために、大過剰のヒトcot−1 DNAを用いて標識プローブとのハイブリダイゼーションを行う。
染色体を、4,6−ジアミノ−2−フェニリドールおよびヨウ化プロピジウムで対比染色し、CおよびRバンドの組み合わせを生成する。正確なマッピングのための整列イメージを、三重バンドフィルターセット(Chroma Technology,Brattleboro,VT)と冷却電荷結合素子カメラ(Photometrics,Tucson,AZ)および可変励起波長フィルター(Johnson,Cv.ら、Genet.Anal.Tech.Appl.,8:75(1991))とを組み合わせて用いて得る。ISee Graphical Program System (Inovision Corporation, Durham, NC)を使用して、イメージ収集、分析および染色体部分長測定を行う。プローブがハイブリダイズしたゲノム領域の染色体改変を、挿入、欠失および転座として同定する。これらの改変を関連疾患の診断マーカーとして使用する。
(実施例22:生物学的サンプル中のポリペプチドの異常レベルを検出する方法)
本発明のポリペプチドは生物学的サンプル中で検出し得、そしてポリペプチドレベルの上昇および低下が検出されるなら、このポリペプチドは、特定表現型のマーカーである。検出方法は数多くあり、そしてそれ故、当業者は以下のアッセイをそれらの特定の必要性に適合するように改変し得ることが理解される。
例えば、抗体サンドイッチELISAを使用し、サンプル中、好ましくは、生物学的サンプル中のポリペプチドを検出する。マイクロタイタープレートのウエルを、特異的抗体を用いて最終濃度0.2〜10μg/mlで被覆する。この抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルのいずれかであって、実施例10に記載の方法により産生される。ウエルに対するポリペプチドの非特異的結合が減少するように、このウエルをブロックする。
次に、被覆ウエルを、ポリペプチド含有サンプルと室温で2時間を超えてインキュベートする。好ましくは、サンプルの系列希釈を使用して結果を確認すべきである。次に、プレートを脱イオン水または蒸留水で三回洗浄し、非結合ポリペプチドを除去する。
次に、特異的抗体−アルカリホスファターゼ結合体50μlを25〜400ng濃度で加え、室温で2時間インキュベートする。プレートを再び脱イオン水または蒸留水で三回洗浄し、未結合の結合体を除去する。
4−メチルウンベリフェリルリン酸(MUP)またはp−ニトロフェニルリン酸(NPP)基質溶液75μlを各ウエルに添加し、そして室温で1時間インキュベートする。反応物をマイクロタイタープレートリーダーにより測定する。対照サンプルの系列希釈を使用して標準曲線を作成し、そしてX軸(対数スケール)にポリペプチド濃度を、そしてY軸(直線スケール)に蛍光または吸光度をプロットする。標準曲線を用いてサンプル中のポリペプチド濃度を補間する。
(実施例23:ポリペプチドの処方)
分泌ポリペプチド組成物を、個々の患者の臨床状態(特に、分泌ポリペプチド単独処置の副作用)、送達部位、投与方法、投与計画および担当医に知られた他の因子を考慮に入れ、医療実施基準(good medical practice)を遵守する方式で処方および投薬する。従って、本明細書において目的とする「有効量」は、このような考慮を行って決定される。
一般的提案として、用量当り、非経口的に投与される分泌ポリペプチドの合計薬学的有効量は、患者体重の、約1μg/kg/日〜10mg/kg/日の範囲にあるが、上記のようにこれは治療的判断に委ねられる。さらに好ましくは、このホルモンについて、この用量は、少なくとも0.01mg/kg/日、最も好ましくはヒトに対して約0.01〜1mg/kg/日である。連続投与する場合、代表的には、分泌ポリペプチドを約1μg/kg/時間〜50μg/kg/時間の投薬速度で日に1〜4回の注射かまたは連続皮下注入(例えばミニポンプを用いる)のいずれかにより投与する。静脈内用バッグ溶液もまた使用し得る。変化を観察するために必要な処置期間および応答が生じる処置後の間隔は、所望の効果に応じて変化するようである。
本発明の分泌タンパク質を含む薬学的組成物を、経口的、直腸内、非経口的、槽内(intracistermally)、膣内、腹腔内、局所的(粉末、軟膏、ゲル、滴、または経皮パッチによるなど)、口内あるいは経口または鼻腔スプレーとして投与する。「薬学的に受容可能なキャリア」とは、非毒性固体、半固体または液体充填剤、希釈剤、被包材または任意の型の製剤補助剤をいう。本明細書で用いる用語「非経口的」とは、静脈内、筋肉内、腹腔内、膀胱内、皮下および関節内の注射および注入を含む投与の様式をいう。
分泌ポリペプチドはまた、徐放性システムにより適切に投与される。徐放性組成物の適切な例は、例えば、フィルムまたは、マイクロカプセルの成形品の形態の半透過性ポリマーマトリックスを包含する。徐放性マトリックスには、ポリラクチド類(米国特許第3,773,919号、EP第58,481号)、L−グルタミン酸およびγ−エチル−L−グルタメートのコポリマー(Sidman, Uら、Biopolymers 22:547−556(1983))、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(R.Langerら、J.Biomed.Mater.Res.15:167−277(1981)、およびR.Langer,Chem.Tech.12:98−105(1982))、エチレンビニルアセテート(R.Langerら)またはポリ−D−(−)−3−ヒドロキシ酪酸(EP133,988)が含まれる。徐放性組成物はまた、リポソームに包括されたポリペプチドを包含する。分泌ポリペプチドを含有するリポソームは、それ自体が公知である方法により調製される:DE3,218,121;Epsteinら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:3688−3692(1985);Hwangら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4030−4034(1980);EP52,322;EP36,676;EP88,046;EP143,949;EP142,641;日本特許出願第83−118008号;米国特許第4,485,045号および第4,544,545号ならびにEP第102,324号。通常、リポソームは、小さな(約200〜800Å)ユニラメラ型であり、そこでは、脂質含有量は、約30モル%コレステロールよりも多く、選択された割合が、最適分泌ポリペプチド治療のために調整される。
非経口投与のために、1つの実施態様において、一般に、分泌ポリペプチドは、それを所望の程度の純度で、薬学的に受容可能なキャリア、すなわち用いる投薬量および濃度でレシピエントに対して毒性がなく、かつ製剤の他の成分と適合するものと、単位投薬量の注射可能な形態(溶液、懸濁液または乳化液)で混合することにより製剤化される。例えば、この製剤は、酸化剤、およびポリペプチドに対して有害であることが知られている他の化合物を含まないことが好ましい。
一般に、ポリペプチドを液体キャリアまたは微細分割固体キャリアあるいはその両方と均一および緊密に接触させて製剤を調製する。次に、必要であれば、生成物を所望の製剤に成形する。好ましくは、キャリアは、非経口的キャリア、より好ましくはレシピエントの血液と等張である溶液である。このようなキャリアビヒクルの例には、水、生理食塩水、リンゲル溶液およびデキストロース溶液が挙げられる。不揮発性オイルおよびオレイン酸エチルなどの非水溶性ビヒクルもまた、リポソームと同様に本明細書において有用である。
キャリアは、等張性および化学安定性を高める物質など微量の添加剤を適切に含有する。このような物質は、用いる投薬量および濃度でレシピエントに対して毒性がなく、このような物質には、リン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酢酸および他の有機酸またはその塩類などの緩衝液;アスコルビン酸などの抗酸化剤;低分子量(約10残基より少ない)ポリペプチド、例えば、ポリアルギニンまたはトリペプチド;血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン酸、アスパラギン酸またはアルギニンなどのアミノ酸;セルロースまたはその誘導体、ブドウ糖、マンノースまたはデキストリンを含む、単糖類、二糖類、および他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;マンニトールまたはソルビトールなどの糖アルコール;ナトリウムなどの対イオン;および/またはポリソルベート、ポロキサマーまたはPEGなどの非イオン性界面活性剤がある。
代表的には、分泌ポリペプチドは、約0.1mg/ml〜100mg/ml、好ましくは、1〜10mg/mlの濃度で、約3〜8のpHで、このようなビヒクル中に製剤化される。前記の特定の賦形剤、キャリアまたは安定化剤を使用することにより、ポリペプチド塩が形成されることが理解される。
治療的投与に用いられるべき任意のポリペプチドは滅菌され得る。滅菌濾過膜(例えば0.2ミクロンメンブレン)で濾過することにより滅菌は容易に達成される。一般に、治療用ポリペプチド組成物は、滅菌アクセスポートを有する容器、例えば、皮下用注射針で穿刺可能なストッパー付の静脈内用溶液バッグまたはバイアルに配置される。
ポリペプチドは、通常、単位投薬量または複数投薬量容器、例えば、密封アンプルまたはバイアルに、水溶液または再調製するための凍結乾燥製剤として貯蔵される。凍結乾燥製剤の例として、10mlのバイアルに、滅菌濾過した1%(w/v)ポリペプチド水溶液5mlを充填し、そして得られる混合物を凍結乾燥する。凍結乾燥したポリペプチドを注射用静菌水を用いて再構成して注入溶液を調製する。
本発明はまた、本発明の薬学的組成物の1つ以上の成分を満たした一つ以上の容器を含む薬学的パックまたはキットを提供する。医薬品または生物学的製剤の製造、使用または販売を規制する政府機関が定めた形式の通知が、このような容器に付属し得、この通知は、ヒトへの投与に対する製造、使用または販売に関する政府機関による承認を表す。さらに、本発明のポリペプチドを他の治療用化合物と組み合わせて使用し得る。
(実施例24:ポリペプチドのレベル低下を処置する方法)
個体における分泌タンパク質の標準または正常発現レベルの低下により引き起こされる状態は、本発明のポリペプチドを、好ましくは分泌形態で投与することにより処置し得ることが理解される。従って、本発明はまた、ポリペプチドのレベルの増加が必要な個体の処置方法を提供する。この方法は、このような個体に、このような個体でポリペプチドの活性レベルを増加させる量のポリペプチドを含む薬学的組成物を投与する工程を包含する。
例えば、ポリペプチドのレベルが低下した患者は、ポリペプチドを、1日用量0.1〜100μg/kgで6日続けて服用する。好ましくは、ポリペプチドは分泌形態である。投与および製剤に基づく投薬計画の正確な詳細は、実施例23に提供されている。
(実施例25:ポリペプチドのレベル上昇を処置する方法)
アンチセンス技術を使用して本発明のポリペプチドの産生を阻害する。この技術は、ガンなどの様々な病因に起因するポリペプチド、好ましくは分泌形態のポリペプチドのレべルを低下させる方法の1つの例である。
例えば、ポリペプチドのレベルが異常に上昇したと診断された患者に、アンチセンスポリヌクレオチドを、0.5、1.0、1.5、2.0および3.0mg/kg/日で静脈内に21日間投与する。この処置に対して十分な耐性があれば、7日間の休薬後に、この処置を繰り返す。アンチセンスポリヌクレオチド製剤は、実施例23に提供されている。
(実施例26:遺伝子治療を使用する処置方法)
遺伝子治療の1つの方法は、ポリペプチドを発現し得る線維芽細胞を患者に移植する。一般に、線維芽細胞は、皮膚生検により被験者から得られる。得られた組織を組織培養培地中に配置し、小片に分割する。小塊の組織を組織培養フラスコの湿潤面に置き、ほぼ10片を各フラスコに置く。このフラスコを倒置し、しっかりと閉めた後、室温で一晩放置する。室温で24時間後、フラスコを反転させ、組織塊をフラスコの底に固定させたままにし、そして新鮮培地(例えば、10%FBS、ペニシリンおよびストレプトマイシンを含有するHam’s F12培地)を添加する。次に、フラスコを37℃で約1週間インキュベートする。
この時点で、新鮮培地を添加し、次いで数日ごとに取り換える。さらに二週間培養した後に単層の線維芽細胞が出現する。単層をトリプシン処理し、さらに大きなフラスコにスケールアップする。
Moloneyマウス肉腫ウイルスの長末端反復が隣接するpMV−7(Kirschmeier,P.T.ら、DNA,7:219−25(1988))をEcoRIおよびHindIIIで消化した後、子ウシ腸ホスファターゼで処理する。線状ベクターをアガロースゲルで分画し、そしてガラスビーズを使用して精製する。
本発明のポリペプチドをコードするcDNAを、実施例1に記載のそれぞれ5’および3’末端配列に対応するPCRプライマーを使用して増幅し得る。好ましくは、5’プライマーはEcoRI部位を含み、そして3’プライマーはHindIII部位を含む。等量の、Moloneyマウス肉腫ウイルス線状骨格および増幅したEcoRIおよびHindIIIフラグメントを、T4DNAリガーゼの存在下で一緒に加える。得られた混合物を二つのフラグメントを連結するのに適した条件下で維持する。次に、連結混合物を使用し、細菌HB101を形質転換する。次に、それを、カナマイシンを含む寒天上に塗沫し、ベクターが正確に挿入された目的の遺伝子を有することを確認する。
アンフォトロピックpA317またはGP+am12パッケージング細胞を、10%子ウシ血清(CS)、ペニシリンおよびストレプトマイシンを含む Dulbecco’s改変Eagles培地(DMEM)中の組織培養で集密密度まで増殖させる。次に、遺伝子を含むMSVベクターを培地に加え、パッケージング細胞をベクターで形質導入する。このとき、パッケージング細胞は遺伝子を含む感染性ウイルス粒子を産生する(ここで、パッケージング細胞をプロデューサー細胞と呼ぶ)。
形質導入されたプロデューサー細胞に新鮮培地を添加し、次いで培地を10cmプレートの集密のプロデューサー細胞から採取する。感染性ウイルス粒子を含む消費培地をミリポアーフィルターで濾過し、はがれたプロデューサー細胞を除去した後、この培地を使用して、線維芽細胞を感染させる。線維芽細胞の準集密プレートから培地を除去し、かつプロデューサー細胞から培地を速やかに置き換える。この培地を除去し、そして新鮮培地と置き換える。ウイルスの力価が高ければ、実質的にすべての線維芽細胞が感染され、選択は必要ではない。力価が非常に低ければ、neoまたはhisなどの選択マーカーを有するレトロウイルスベクターを使用することが必要である。線維芽細胞が効率的に感染したなら、線維芽細胞を分析し、タンパク質が産生されているか否かを測定する。
次に、操作された線維芽細胞を、単独で、またはサイトデックス3マイクロキャリアビーズ上で集密に増殖させた後のいずれかで宿主に移植する。
本発明は、前記の説明および実施例で詳細に記載した通り以外にも、実施し得ることは明らかである。本発明の数多くの改変および変更は、上記の教示を考慮すれば可能であり、そしてそれ故、添付の請求項の範囲内にある。
発明の背景、詳細な説明および実施例において引用した各文書(特許、特許出願、雑誌論文、抄録、実験室マニュアル、本または他の開示)の全開示は、本明細書中に参考として援用される。さらに、同封して提出した配列表のハードコピーおよび対応するコンピューター読み込み可能な形態の両方は、本明細書中にそれらの全体が参考として援用される。
(配列表)