JP7227914B2 - エモパミル結合タンパク質結合剤およびその利用 - Google Patents

エモパミル結合タンパク質結合剤およびその利用 Download PDF

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Description

本発明は、エモパミル結合タンパク質(Emopamil binding protein;以下、「EBP」ともいう。)結合剤として有用なアルキルエーテル誘導体またはその塩に関する。また、アルキルエーテル誘導体またはその塩を用いたEBPを活性化または阻害する方法に関する。
EBPは、主に小胞体に存在する膜タンパクであり、D8-D7ステロールイソメラーゼ活性を示す(非特許文献1)。EBPは、中枢神経の神経核、複数の中枢神経細胞型(アストロサイト、ミクログリアおよびオリゴデンドロサイト)に存在しており、ステロールイソメラーゼ以外の役割も保有すると考えられている。
EBPの変異がX染色体優性Conradi-Hunermann型点状軟骨異形成症(CDPX2)の要因の一つであると報告されている(非特許文献2)。CDPX2は、軟骨の異常な斑状石灰化に加え、前肢の非対称性奇形、白内障、脱毛症、先天性魚鱗癬および皮膚委縮症などを併発することがある。その為、EBPが骨成長などにおいて重要な役割を担うことが示唆されている。
EBPリガンドとして、エモパミル(α-(1-メチルエチル)-α-[3-[メチル(2-フェニルエチル)アミノ]プロピル]ベンゼンアセトニトリル)が知られている。EBPと結合する化合物は、カルシウムチャネルおよびシグマ1受容体など他のタンパク質とも高い親和性を有することが報告されているが、各化合物のEBPを介した薬理作用については明らかにされていない。
これまでに、1-(3-(2-(1-ベンゾチオフェン-5-イル)エトキシ)プロピル)アゼチジン-3-オールなどのアルキルエーテル誘導体は、神経保護作用、神経再生作用、神経突起伸展促進作用および神経細胞新生誘導作用を有することが知られている(特許文献1および2)。また、シグマ受容体に高い親和性を示すことも知られている(特許文献3)。
国際公開第03/035647号パンフレット 国際公開第2007/125913号パンフレット 国際公開第2016/199878号パンフレット
ジャーナル・オブ・バイオコロジカル・ケミストリー(Journal of Biological Chemistry)、第271巻、第22434-22440頁(1996年) ネイチャー・ジェネティクス(Nature Genetics)、第22巻、第286-290項(1999年)
EBPに高い親和性を有する化合物、および、そのような化合物を用いてEBPを活性化または阻害する方法が求められている。
このような状況下、本発明者は鋭意研究を行った結果、以下の一般式[1]
Figure 0007227914000001
「式中、RおよびRは、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいC1-6アルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルC1-6アルキル基、置換されていてもよいC1-6アルコキシ基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいC1-6アルキルチオ基、置換されていてもよいアリールチオ基、置換されていてもよいC2-6アルケニル基、置換されていてもよいC2-6アルケニルオキシ基、置換されていてもよいC1-6アルキルアミノ基、置換されていてもよいC1-6アルキルスルホニル基、置換されていてもよいアリールスルホニル基、置換されていてもよいカルバモイル基、置換されていてもよい複素環式基、保護されていてもよいアミノ基、保護されていてもよいヒドロキシル基、保護されていてもよいカルボキシル基、ニトロ基およびオキソ基から選ばれる一つ以上の基を;Rは、置換されていてもよいC1-6アルキルアミノ基、保護されていてもよいアミノ基または保護されていてもよいヒドロキシル基を;mおよびnは、同一または異なって、1~6の整数をそれぞれ示す。」で表されるアルキルエーテル誘導体またはその塩が、EBPに高い親和性を示すことからEBP結合剤として有用であることを見出し、本発明を完成した。
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1) 一般式[1]で表されるアルキルエーテル誘導体またはその塩を含有することを特徴とする、EBP結合剤。
(2) RおよびRが、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子またはC1-6アルコキシ基である、(1)に記載のEBP結合剤。
(3) mが2、かつnが2または3である、(1)または(2)に記載のEBP結合剤。
(4) Rが、保護されていてもよいヒドロキシル基である、(1)~(3)のいずれか一に記載のEBP結合剤。
(5) アルキルエーテル誘導体が、1-(3-(2-(1-ベンゾチオフェン-5-イル)エトキシ)プロピル)アゼチジン-3-オールである、(1)に記載のEBP結合剤。
(6) 一般式[1]で表されるアルキルエーテル誘導体またはその塩を、EBPを活性化または阻害するために使用する方法。
(7) RおよびRが、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子またはC1-6アルコキシ基である、(6)に記載の方法。
(8) mが2、かつnが2または3である、(6)または(7)に記載の方法。
(9) Rが、保護されていてもよいヒドロキシル基である、(6)~(8)のいずれか一に記載の方法。
(10) アルキルエーテル誘導体が、1-(3-(2-(1-ベンゾチオフェン-5-イル)エトキシ)プロピル)アゼチジン-3-オールである、(6)に記載の方法。
また、本発明によれば、以下の発明も提供される。
(a)EBP結合剤の製造のための、一般式[1]で表されるアルキルエーテル誘導体またはその塩の使用。
(b)EBPの生理的役割および/または生理活性を調べるための、一般式[1]で表されるアルキルエーテル誘導体またはその塩を含有することを特徴とする、実験用試薬。
(c)試料のEBP活性を調べるための、一般式[1]で表されるアルキルエーテル誘導体またはその塩を含有することを特徴とする、標準物質。
(d)EBPの生理的役割および/または生理活性を調べるために、一般式[1]で表されるアルキルエーテル誘導体またはその塩を使用する方法。
(e)試料のEBP活性を調べるために、一般式[1]で表されるアルキルエーテル誘導体またはその塩を使用する方法。
本発明の一般式[1]で表されるアルキルエーテル誘導体またはその塩は、EBPに高い親和性を示し、EBP結合剤として有用である。
本発明の一般式[1]で表されるアルキルエーテル誘導体またはその塩を使用する方法は、EBPを活性化または阻害する方法として有用である。
シグマ1受容体欠損細胞とシグマ1受容体欠損かつEBP欠損細胞におけるトリチウム標識化合物Aの放射線量の比較を示す。 シグマ1受容体欠損細胞とシグマ1受容体欠損かつEBP過剰発現細胞におけるトリチウム標識化合物Aの放射線量の比較を示す。
以下に本発明について詳細に説明する。
本明細書において、特に断らない限り、各用語は、次の意味を有する。
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を意味する。
1-6アルキル基とは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチルおよびヘキシル基などの直鎖状または分岐鎖状のC1-6アルキル基を意味する。
2-6アルケニル基とは、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニルおよびヘキセニルなどのC2-6アルケニル基を意味する。
アシルC1-6アルキル基とは、たとえば、アセチルメチル、ベンゾイルメチル、p-ニトロベンゾイルメチル、p-ブロモベンゾイルメチル、p-メトキシベンゾイルメチルおよび1-ベンゾイルエチルなどのアシルC1-6アルキル基を意味する。
アシルオキシC1-6アルキル基とは、たとえば、アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチルおよびピバロイルオキシメチルなどのアシルオキシC1-6アルキル基を意味する。
アリールチオC1-6アルキル基とは、たとえば、フェニルスルフェニルメチルおよび2-(p-ニトロフェニルスルフェニル)エチルなどの基を意味する。
アリールスルホニルC1-6アルキル基とは、たとえば、p-トルエンスルホニルエチルなどのアリールスルホニルC1-6アルキル基を意味する。
含窒素複素環式C1-6アルキル基とは、たとえば、フタルイミドメチルおよびスクシンイミドメチルなどの含窒素複素環式C1-6アルキル基を意味する。
3-8シクロアルキル基とは、たとえば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルなどのC3-8シクロアルキル基を意味する。
1-6アルキルチオC1-6アルキル基とは、たとえば、メチルチオメチル、エチルチオメチルおよびプロピルチオメチルなどのC1-6アルキルチオC1-6アルキル基を意味する。
1-6アルコキシC1-6アルキル基とは、たとえば、メトキシメチルおよび1-エトキシエチルなどのC1-6アルキルオキシC1-6アルキル基を意味する。
アルC1-6アルキルオキシC1-6アルキル基とは、たとえば、ベンジルオキシメチルおよびフェネチルオキシメチルなどのアルC1-6アルキルオキシC1-6アルキル基を意味する。
1-6アルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシおよびヘキシルオキシ基などの直鎖状または分岐鎖状のC1-6アルキルオキシ基を意味する。
2-6アルケニルオキシ基とは、ビニルオキシ、プロペニルオキシ、ブテニルオキシ、ペンテニルオキシおよびヘキセニルオキシ基などのC2-6アルケニルオキシ基を意味する。
1-6アルキルチオ基とは、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、tert-ブチルチオ、ペンチルチオおよびヘキシルチオなどのC1-6アルキルチオ基を意味する。
アリール基とは、フェニル、ナフチル、インダニルまたはインデニル基を意味する。
アリールオキシ基とは、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、インダニルオキシまたはインデニルオキシ基を意味する。
アルC1-6アルキル基とは、ベンジル、ジフェニルメチル、トリチルおよびフェネチル基などのアルC1-6アルキル基を意味する。
アリールチオ基とは、フェニルチオ、ナフチルチオ、インダニルチオまたはインデニルチオ基を意味する。
アシル基とは、ホルミル基、アセチル、イソバレイル、プロピオニルおよびピバロイルなどのC2-6アルカノイル基、ベンジルカルボニルなどのアルC1-6アルキルカルボニル基またはベンゾイルおよびナフトイルなどのアロイル基を意味する。
1-6アルキルオキシカルボニル基とは、たとえば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、1,1-ジメチルプロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、2-エチルヘキシルオキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニルおよびtert-ペンチルオキシカルボニルなどの直鎖状または分枝鎖状のC1-6アルキルオキシカルボニル基を意味する。
アルC1-6アルキルオキシカルボニル基とは、たとえば、ベンジルオキシカルボニルおよびフェネチルオキシカルボニル基などのアルC1-6アルキルオキシカルボニル基を意味する。
アリールオキシカルボニル基とは、たとえば、フェニルオキシカルボニルなどの基を意味する。
複素環オキシカルボニル基とは、たとえば、2-フルフリルオキシカルボニルおよび8-キノリルオキシカルボニルなどの基を意味する。
1-6アルキルスルホニル基とは、たとえば、メチルスルホニル、エチルスルホニルおよびプロピルスルホニルなどのC1-6アルキルスルホニル基を意味する。
アリールスルホニル基とは、フェニルスルホニル、p-トルエンスルホニルまたはナフチルスルホニル基などを意味する。
1-6アルキルアミノ基とは、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジイソプロピルアミノおよびジブチルアミノなどのモノ-またはジ-C1-6アルキルアミノ基を意味する。
複素環式基とは、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジニル、モルホリル、チオモルホリル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリル、キヌクリジニル、イミダゾリニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジル、キノリル、キノリジニル、チアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピロリニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、プリニル、フリル、チエニル、ベンゾチエニル、ピラニル、イソベンゾフラニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ベンゾフラニル、インドリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、キノキサリル、ジヒドロキノキサリル、2,3-ジヒドロベンゾチエニル、2,3-ジヒドロベンゾピロリル、2,3-4H-1-チアナフチル、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、ベンゾ[b]ジオキサニル、イミダゾ[2,3-a]ピリジル、ベンゾ[b]ピペラジニル、クロメニル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、ピリダジニル、イソインドリル、イソキノリル、1,3-ベンゾジオキソニルおよび1,4-ベンゾジオキサニル基などの窒素、酸素もしくは硫黄原子から選ばれる少なくとも一つ以上の異項原子を含む5員もしくは6員環、縮合環または架橋環の複素環式基を意味する。
含酸素複素環式基とは、たとえば、2-テトラヒドロピラニルおよび2-テトラヒドロフラニルなどの基を意味する。
含硫黄複素環式基とは、たとえば、テトラヒドロチオピラニルなどの基を意味する。
置換シリル基とは、たとえば、トリメチルシリル、トリエチルシリルおよびトリブチルシリルなどの基を意味する。
1-6アルキルシリルC1-6アルキル基とは、たとえば、2-(トリメチルシリル)エチルなどの基を意味する。
アミノ保護基としては、通常のアミノ基の保護基として使用し得るすべての基を含み、たとえば、W.グリーン(W. Greene)ら、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第4版、第696~868頁、2007年、ジョン・ウィリイ・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons, INC.)に記載されている基が挙げられる。具体的には、たとえば、アシル基、C1-6アルキルオキシカルボニル基、アルC1-6アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルC1-6アルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、アルC1-6アルキルオキシC1-6アルキル基、アリールチオ基、C1-6アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基および置換シリル基などが挙げられる。
ヒドロキシル保護基としては、通常のヒドロキシル基の保護基として使用し得るすべての基を含み、たとえば、W.グリーン(W. Greene)ら、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第4版、第16~299頁、2007年、ジョン・ウィリイ・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons, INC.)に記載されている基が挙げられる。具体的には、たとえば、アシル基、C1-6アルキルオキシカルボニル基、アルC1-6アルキルオキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、アルC1-6アルキル基、含酸素複素環式基、含硫黄複素環式基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、アルC1-6アルキルオキシC1-6アルキル基、C1-6アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基および置換シリル基などが挙げられる。
カルボキシル保護基としては、通常のカルボキシル基の保護基として使用し得るすべての基を含み、たとえば、W.グリーン(W. Greene)ら、プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)第4版、第533~643頁、2007年、ジョン・ウィリイ・アンド・サンズ社(John Wiley & Sons, INC.)に記載されている基が挙げられる。具体的には、たとえば、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、アリール基、アルC1-6アルキル基、アシルC1-6アルキル基、アリールチオC1-6アルキル基、アリールスルホニルC1-6アルキル基、含酸素複素環式基、C1-6アルキルシリルC1-6アルキル基、アシルオキシC1-6アルキル基、含窒素複素環式C1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、アルC1-6アルキルオキシC1-6アルキル基、C1-6アルキルチオC1-6アルキル基および置換シリル基などが挙げられる。
およびRにおけるC1-6アルキル基、アリール基、アルC1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、アリールオキシ基、C1-6アルキルチオ基、アリールチオ基、C2-6アルケニル基、C2-6アルケニルオキシ基、C1-6アルキルアミノ基、C1-6アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、カルバモイル基および複素環式基ならびにRにおけるC1-6アルキルアミノ基の置換基としては、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C3-8シクロアルキル基、アリール基、C1-6アルコキシ基、アリールオキシ基、C1-6アルキルチオ基、アリールチオ基、C2-6アルケニル基、C1-6アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、C1-6アルキルアミノ基、保護されていてもよいアミノ基、保護されていてもよいヒドロキシル基、保護されていてもよいカルボキシル基、アシル基および複素環式基などから選ばれる基が挙げられる。
一般式[1]で表される化合物の塩としては、通常知られているアミノ基などの塩基性基またはヒドロキシルもしくはカルボキシル基などの酸性基における塩を挙げることができる。
塩基性基における塩としては、たとえば、塩酸、臭化水素酸、硝酸および硫酸などの鉱酸との塩;ギ酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、アスパラギン酸、トリクロロ酢酸およびトリフルオロ酢酸などの有機カルボン酸との塩;ならびにメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸などのスルホン酸との塩が挙げられる。
酸性基における塩としては、たとえば、ナトリウムおよびカリウムなどのアルカリ金属との塩;カルシウムおよびマグネシウムなどのアルカリ土類金属との塩;アンモニウム塩;ならびにトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N-ジメチルアニリン、N-メチルピペリジン、N-メチルモルホリン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、プロカイン、ジベンジルアミン、N-ベンジル-β-フェネチルアミン、1-エフェナミンおよびN,N'-ジベンジルエチレンジアミンなどの含窒素有機塩基との塩などが挙げられる。
上記した塩の中で、好ましい塩としては、薬理学的に許容される塩が挙げられ、より好ましい塩としては、マレイン酸が挙げられる。
一般式[1]で表されるアルキルエーテル誘導体またはその塩において、異性体(たとえば、光学異性体、幾何異性体および互変異性体など)が存在する場合、本発明は、それらすべての異性体を包含し、また、水和物、溶媒和物およびすべての結晶形を包含するものである。
本発明に使用される一般式[1]で表されるアルキルエーテル誘導体またはその塩として、好ましいものは、以下の化合物が挙げられる。
が、水素原子、ハロゲン原子またはC1-6アルコキシ基である化合物が好ましく、Rが、水素原子である化合物がより好ましい。
が、水素原子、ハロゲン原子またはC1-6アルコキシ基である化合物が好ましく、Rが、水素原子である化合物がより好ましい。
が、保護されていてもよいヒドロキシル基である化合物が好ましく、Rが、ヒドロキシル基である化合物がより好ましい。
mが2、かつnが2または3である化合物が好ましく、mが2、かつnが3である化合物がより好ましい。
一般式[1]で表されるアルキルエーテル誘導体が、1-(3-(2-(1-ベンゾチオフェン-5-イル)エトキシ)プロピル)アゼチジン-3-オールであることが特に好ましく、その塩としてはマレイン酸塩が特に好ましい。
本発明は、様々な生理的および病理的経路におけるEBPの役割を解明する研究に使用されることが期待できる。
本発明の一般式[1]のアルキルエーテル誘導体またはその塩は、EBP活性に関連する実験の実験用試薬または標準物質として使用することができる。例えば、EBP画分の精製、新たなEBP結合剤、活性化剤または阻害剤のスクリーニング、EBPのイメージング等に使用することができる。
本発明の一般式[1]のアルキルエーテル誘導体またはその塩を実験に使用するときには、溶媒(例えば、ジメチルスルホキシドなど)に溶解させて使用することもできる。また、補助剤(例えば、安定剤、pH調整剤など)または他の薬理成分とともに使用することもできる。
本発明は、EBPが関与する疾患の予防および/または治療に使用されることが期待できる。
本発明の一般式[1]で表されるアルキルエーテル誘導体またはその塩を含有することを特徴とする薬剤は、EBPが関与する疾患の予防および/または治療剤として使用することができる。
本発明の一般式[1]で表されるアルキルエーテル誘導体またはその塩を、対象者に投与することを含む方法は、EBPが関与する疾患の予防および/または治療する方法として使用することができる。
EBPが関与する疾患の予防および/または治療する方法としては、対象者におけるEBP活性を測定し、EBPを活性化または阻害することが必要な対象者に、本発明の一般式[1]で表されるアルキルエーテル誘導体またはその塩を投与することを含むことができる。
本発明の一般式[1]で表されるアルキルエーテル誘導体またはその塩を、EBPが関与する疾患の予防および/または治療剤の製造のために使用することができる。
EBPが関与する疾患としては、例えば、X染色体優性Conradi-Hunermann型点状軟骨異形成症神経学的異常を伴う男性EBP異常症およびコレステロール生合成経路が関与する疾患などが挙げられる。コレステロール生合成経路が関与する疾患としては、神経変性疾患(アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病、筋委縮性側索硬化症(ALS)およびダウン症など)、多発性硬化症および統合失調症、Smith-Lemli-Opitz Syndrome、Lathosterolosis、Desmosterolosis、などが挙げられる。
本発明に使用される一般式[1]で表されるアルキルエーテル誘導体またはその塩は、自体公知の方法またはそれらを適宜組み合わせることにより、また、特許文献1に記載の方法により製造することができる。
本発明に使用される一般式[1]で表されるアルキルエーテル誘導体またはその塩は、賦形剤、結合剤、崩壊剤、崩壊抑制剤、固結・付着防止剤、滑沢剤、吸収・吸着担体、溶剤、増量剤、等張化剤、溶解補助剤、乳化剤、懸濁化剤、増粘剤、被覆剤、吸収促進剤、ゲル化・凝固促進剤、光安定化剤、保存剤、防湿剤、乳化・懸濁・分散安定化剤、着色防止剤、脱酸素・酸化防止剤、矯味・矯臭剤、着色剤、起泡剤、消泡剤、無痛化剤、帯電防止剤、緩衝・pH調節剤などの各種医薬品添加物を配合して、経口剤(錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤など)、注射剤、点眼剤などの医薬品製剤とすることができる。
上記各種薬剤は、通常の方法により製剤化される。
錠剤、散剤、顆粒剤などの経口用固形製剤は、たとえば、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、無水第二リン酸カルシウム、部分アルファ化デンプン、コーンスターチおよびアルギン酸などの賦形剤;単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、エチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、水およびエタノールなどの結合剤;乾燥デンプン、アルギン酸、かんてん末、デンプン、架橋ポリビニルピロリドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウムおよびデンプングリコール酸ナトリウムなどの崩壊剤;ステアリルアルコール、ステアリン酸、カカオバターおよび水素添加油などの崩壊抑制剤;ケイ酸アルミニウム、リン酸水素カルシウム、酸化マグネシウム、タルク、無水ケイ酸などの固結防止・付着防止剤;カルナバロウ、軽質無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、硬化油、硬化植物油誘導体、胡麻油、サラシミツロウ、酸化チタン、乾燥水酸化アルミニウムゲル、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、リン酸水素カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリエチレングリコールなどの滑沢剤;第4級アンモニウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム、尿素および酵素などの吸収促進剤;デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムおよびコロイド状ケイ酸などの吸収・吸着担体などの固形製剤化用医薬用添加物を用い、常法に従い調製すればよい。
さらに錠剤は、必要に応じ、通常の剤皮を施した錠剤、たとえば、糖衣錠、ゼラチン被包錠、胃溶性被覆錠、腸溶性被覆錠および水溶性フィルムコーティング錠とすることができる。
カプセル剤は、上記で例示した各種の医薬品と混合し、硬質ゼラチンカプセルおよび軟質カプセルなどに充填して調製される。
また、溶剤、増量剤、等張化剤、溶解補助剤、乳化剤、懸濁化剤、増粘剤などの上記した各種の液体製剤化用添加物を用い、常法に従い調製して、水性または油性の懸濁液、溶液、シロップおよびエリキシル剤とすることもできる。
注射剤は、たとえば、水、エチルアルコール、マクロゴール、プロピレングリコール、クエン酸、酢酸、リン酸、乳酸、乳酸ナトリウム、硫酸および水酸化ナトリウムなどの希釈剤;クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウムおよびリン酸ナトリウムなどのpH調整剤および緩衝剤;ピロ亜硫酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸、チオグリコール酸およびチオ乳酸などの安定化剤;食塩、ブドウ糖、マンニトールまたはグリセリンなどの等張化剤;カルボキシメチルセルロースナトリウム、プロピレングリコール、安息香酸ナトリウム、安息香酸ベンジル、ウレタン、エタノールアミン、グリセリンなどの溶解補助剤;グルコン酸カルシウム、クロロブタノール、ブドウ糖、ベンジルアルコールなどの無痛化剤;ならびに、局所麻酔剤などの液体製剤化用の医薬品添加物を用い、常法に従い調製すればよい。
点眼剤は、たとえば、クロロブタノール、デヒドロ酢酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリジウム、フェネチルアルコール、パラオキシ安息香酸メチルおよび塩化ベンゼトニウムなどの保存剤;ホウ砂、ホウ酸およびリン酸二水素カリウムなどの緩衝剤;メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびコンドロイチン硫酸などの増粘剤;ポリソルベート80およびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60などの溶解補助剤;エデト酸ナトリウムおよび亜硫酸水素ナトリウムなどの安定化剤;ならびに、塩化ナトリウム、塩化カリウムおよびグリセリンなどの等張化剤を適宜配合し、常法に従い調製すればよい。
上記製剤の投与方法は、特に限定されないが、製剤の形態、患者の年齢、性別その他の条件、患者の症状の程度に応じて適宜決定される。
上記製剤の有効成分(一般式[1]で表されるアルキルエーテル誘導体またはその塩)の投与量は、用法、患者の年齢、性別、疾患の形態、その他の条件などに応じて適宜選択されるが、通常成人に対して1日0.1~1000mgを1回から数回に分割して投与すればよく、好ましくは、1日40~500mgを1回から数回に分割して投与すればよい。
次に、本発明について試験例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
被験物質として、1-(3-(2-(1-ベンゾチオフェン-5-イル)エトキシ)プロピル)アゼチジン-3-オール(以下、化合物Aとする)を用いた。
化合物Aは、放射性同位体で標識した化合物Aと、非標識の化合物Aを用いた。放射性同位体で標識した化合物Aとして、以下の式[2]
Figure 0007227914000002
で表されるトリチウム標識化合物Aを用いた。
トリチウム標識化合物Aは、以下の式[3]
Figure 0007227914000003
で表わされる化合物に、トリチウム標識試薬であるトリチウム化トリエチルホウ素リチウムを用いて、常法により作成した。
試験例1(EBP結合試験)
EBPに対する化合物Aの結合能を試験した。試験は、Receptor Signal Transduction Protocols 第135項-第164項(ISBN 978-1-61779-125-3)に準拠して行った。
膜画分は、シグマ1受容体を欠損させたヒト神経芽細胞腫(SH-SY5Y)を用いて、EBPを欠損または過剰発現させた細胞から採取した。SH-SY5Y細胞は、DMEM(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium)液体培地に非働化牛胎児血清を最終濃度10%、Penicillin-Streptomycin溶液(10000 U/mL Penicillin - 10000μg/mL Streptmycin)を最終濃度100 U/mL Penicillin - 100μg/mL Streptmycinとなるように加えた培地で培養した。
膜画分調製方法を以下に示す。サブコンフルエントまで培養した細胞をセルスクレイパーで回収後、50mM Tris-HCl(pH=7.4)バッファーで細胞を懸濁、超音波破砕機で細胞を破砕した。破砕液を遠心分離(1000g、10分)し、その上清を超遠心(28000rpm、30分)後、得られた沈殿を50mM Tris-HCl(pH=7.4)バッファーで再懸濁し、膜画分を取得した。調製した膜画分は、BCA法を用いてタンパク濃度を測定後、約1mg/mLに調整し、必要に応じて50mM Tris-HCl(pH=7.4)バッファーで希釈してから試験に使用した。
受容体結合試験方法を以下に示す。96ウェルプレートに各細胞の膜画分(21.7~120μg/ウェル)およびトリチウム標識化合物A(0.05、0.1、0.2、0.4、0.8、1.6、3.1、6.3、12.5、25.0、50.0または100.0nM)を添加し、37℃で2時間インキュベーションした(Total binding)。対照として、各細胞の膜画分にトリチウム標識化合物A(0.05、0.1、0.2、0.4、0.8、1.6、3.1、6.3、12.5、25.0、50.0または100.0nM)および100μMの非標識化合物Aを添加し、同様にインキュベーションした(Non-specific binding)。インキュベーション後、96ウェルガラスフィルターに反応液を吸引濾過し、ガラスフィルターを乾燥後、液体シンチレーションカクテルを加えて、シンチレーションカウンターで各ウェルの放射線量(CPM)を測定した。
EBPに対する特異的結合能は、各濃度のトリチウム標識化合物A由来放射線量(Total binding)から対照の放射線量(Non-specific binding)を減算することによって決定した。細胞膜によって使用したタンパク量が異なるため、反応に用いた膜画分タンパク質1μgあたりのCPMを算出した(CPM/タンパク質量)。
シグマ1受容体欠損細胞とシグマ1受容体欠損かつEBP欠損細胞における放射線量の比較を図1に示す。
シグマ1受容体欠損細胞とシグマ1受容体欠損かつEBP過剰発現細胞における放射線量の比較を図2に示す。
シグマ1受容体欠損かつEBP欠損細胞における放射線量は、シグマ1受容体欠損細胞における放射線量に比べて低下した。一方、シグマ1受容体欠損かつEBP過剰発現細胞における放射線量は、シグマ1受容体欠損細胞における放射線量に比べて増加した。
これらの結果から、化合物Aは、EBPに高い親和性を有することが明らかとなった。
本発明の一般式[1]で表されるアルキルエーテル誘導体またはその塩は、EBPに高い親和性を示し、EBP結合剤として有用である。
本発明の一般式[1]で表されるアルキルエーテル誘導体またはその塩を使用する方法は、EBPを活性化または阻害する方法として有用である。

Claims (2)

  1. 1-(3-(2-(1-ベンゾチオフェン-5-イル)エトキシ)プロピル)アゼチジン-3-オールまたはその塩を含有することを特徴とする、エモパミル結合タンパク質結合剤。
  2. 1-(3-(2-(1-ベンゾチオフェン-5-イル)エトキシ)プロピル)アゼチジン-3-オールまたはその塩を、試料のエモパミル結合タンパク質を活性化または阻害することにより、生理的および病理的経路におけるEBPの役割を調べるために使用する方法。
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