JP2002520050A - 71個のヒト分泌タンパク質 - Google Patents

71個のヒト分泌タンパク質

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JP2002520050A JP2000560238A JP2000560238A JP2002520050A JP 2002520050 A JP2002520050 A JP 2002520050A JP 2000560238 A JP2000560238 A JP 2000560238A JP 2000560238 A JP2000560238 A JP 2000560238A JP 2002520050 A JP2002520050 A JP 2002520050A
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tissue
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ジョージ コマトソーリス,
ロザンヌ ディー. デュアン,
クレイグ エイ. ローゼン,
ポール エイ. ムーア,
ヤン−グ シ,
デイビッド ダブリュー. ラフルール,
ラインハード エブナー,
ヘンリック エス. オーセン,
ローリー エイ. ブルワー,
キンバリー エイ. フローレンス,
ポール イー. ヤング,
マイケル ムチェンスキー,
グレゴリー エイ. エンドレス,
ダニエル アール. ソペット,
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、新規ヒト分泌タンパク質およびそのようなタンパク質をコードする遺伝子のコード領域を含む単離された核酸に関する。ヒト分泌タンパク質を産生するためのベクター、宿主細胞、抗体、および組換え方法がまた提供される。本発明はさらに、これらの新規ヒト分泌タンパク質に関する障害を診断および処置するために有用な診断方法および治療方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は、新たに同定されたポリヌクレオチドおよびこれらのポリヌクレオチ
ドによってコードされるポリペプチド、このようなポリヌクレオチドおよびポリ
ペプチドの使用、ならびにそれらの産生に関する。
【0002】 (発明の背景) 膜によって取り囲まれる単一コンパートメントとして存在する細菌とは異なり
、ヒト細胞および他の真核生物は、膜によって多くの機能的に異なるコンパート
メントに細分される。それぞれの膜で区切られたコンパートメント、すなわちオ
ルガネラは、そのオルガネラの機能に不可欠な異なるタンパク質を含む。細胞は
、特定の細胞オルガネラにタンパク質を標的化するために、タンパク質内部に位
置するアミノ酸モチーフである「選別シグナル」を使用する。
【0003】 シグナル配列、シグナルペプチド、またはリーダー配列と呼ばれる選別シグナ
ルの1つの型は、小胞体(ER)と呼ばれるオルガネラに1つのクラスのタンパ
ク質を指向する。ERは、膜で区切られたタンパク質をすべての他の型のタンパ
ク質から分離する。一旦、ERに局在すると、両方の群のタンパク質とも、ゴル
ジ装置と呼ばれる別のオルガネラにさらに指向され得る。ここで、ゴルジは、タ
ンパク質を、分泌小胞を含む小胞、細胞膜、リソソーム、および他のオルガネラ
に分布させる。
【0004】 シグナル配列によってERに標的化されたタンパク質は、分泌タンパク質とし
て細胞外間隙に放出され得る。例えば、分泌タンパク質を含む小胞は、細胞膜と
融合し得、そして細胞外間隙にその内容物を放出し得る(エキソサイトーシスと
呼ばれるプロセスである)。エキソサイトーシスは、構成的に、または誘発シグ
ナルの受け取りの後に生じ得る。後者の場合には、タンパク質は、エキソサイト
ーシスが誘発されるまで、分泌小胞(または分泌顆粒)に貯蔵される。同様に、
細胞膜上に存在するタンパク質はまた、タンパク質を膜に保持する「リンカー」
のタンパク質分解切断によって、細胞外間隙に分泌され得る。
【0005】 近年大きく進歩したにもかかわらず、ヒトの分泌タンパク質をコードする遺伝
子は少数しか同定されていない。これらの分泌タンパク質としては、商業的価値
のあるヒトインスリン、インターフェロン、第VIII因子、ヒト成長ホルモン
、組織プラスミノーゲンアクチベーター、およびエリスロポエチンが挙げられる
。したがって、ヒトの生理学における分泌タンパク質の広範な役割を考慮すると
、新規のヒトの分泌タンパク質およびそれらをコードする遺伝子を同定および特
徴付けるための必要性がある。この知見は、分泌タンパク質またはそれらをコー
ドする遺伝子を使用することによって、医学的障害を検出、処置、および予防す
ることを可能にする。
【0006】 (発明の要旨) 本発明は、新規ポリヌクレオチドおよびコードされたポリペプチドに関する。
さらに、本発明は、ポリペプチドおよびポリヌクレオチドを産生するためのベク
ター、宿主細胞、抗体、および組換え方法に関する。このポリペプチドに関連す
る障害を検出するための診断方法、およびこのような障害を処置するための治療
方法もまた提供される。本発明は、さらに、このポリペプチドの結合パートナー
を同定するためのスクリーニング方法に関する。
【0007】 (詳細な説明) (定義) 以下の定義は、本明細書全体を通して使用される特定の用語の理解を容易にす
るために提供される。
【0008】 本発明において、「単離された」とは、その本来の環境(例えば、それが天然
に存在する場合は天然の環境)から取り出された物質をいい、したがって、天然
の状態から「人間の手によって」変更されている。例えば、単離されたポリヌク
レオチドは、ベクターまたは物質の組成物の一部であり得るか、あるいは細胞中
に含まれ得、そしてなお「単離されている」。なぜなら、そのベクター、物質の
組成物、または特定の細胞は、ポリヌクレオチドの本来の環境ではないからであ
る。
【0009】 本発明において、「分泌」タンパク質とは、ER、分泌小胞、または細胞外間
隙にシグナル配列の結果として指向され得るタンパク質、ならびにシグナル配列
を必ずしも含まないが細胞外間隙に放出されるタンパク質をいう。分泌タンパク
質が、細胞外間隙に放出される場合、この分泌タンパク質は、「成熟」タンパク
質を産生するために細胞外プロセシングを受け得る。細胞外間隙への放出は、エ
キソサイトーシスおよびタンパク質分解切断を含む多くの機構によって生じ得る
【0010】 特定の実施態様において、本発明のポリヌクレオチドは、長さが300kb、
200kb、100kb、50kb、15kb、10kb、または7.5kb未
満である。さらなる実施態様において、本発明のポリヌクレオチドは、コード配
列の少なくとも15の連続するヌクレオチドを含むが、任意のイントロンの全て
または一部を含まない。別の実施態様において、コード配列を含む核酸は、ゲノ
ム隣接遺伝子のコード配列(すなわち、ゲノムにおける遺伝子に対して5’また
は3’)を含まない。
【0011】 本明細書で使用される場合、「ポリヌクレオチド」とは、配列番号X(SEQ
ID NO:X)に含まれる核酸配列を有する分子、またはATCCに寄託さ
れたクローン内に含まれるcDNAをいう。例えば、ポリヌクレオチドは、5’
および3’非翻訳配列、シグナル配列を含むかもしくは含まないコード領域、分
泌タンパク質コード領域を含む全長cDNA配列のヌクレオチド配列、ならびに
この核酸配列のフラグメント、エピトープ、ドメイン、および改変体を含み得る
。さらに、本明細書で使用される場合、「ポリペプチド」とは、広く定義される
場合、ポリヌクレオチドから生じた翻訳されたアミノ酸配列を有する分子をいう
【0012】 本発明では、配列番号X(SEQ ID NO:X)として同定された全長配
列は、しばしば、複数のクローンに含まれる配列を重複させることによって生成
された(コンティグ分析)。配列番号Xについての配列のすべてまたはほとんど
を含む代表的クローンを、アメリカンタイプカルチャーコレクション(「ATC
C」)に寄託した。表1に示すように、各クローンは、cDNAクローンID(
識別子)およびATCC受託番号によって同定される。ATCCは、10801
University Boulevard,Manassas,Virgi
nia 20110−2209,USAに位置する。ATCC寄託は、特許手続
上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の条項に拠って行われた
【0013】 本発明の「ポリヌクレオチド」はまた、ストリンジェントなハイブリダイゼー
ション条件下で、配列番号Xに含まれる配列、その相補体、またはATCCに寄
託されたクローン内に含まれるcDNAにハイブリダイズし得るポリヌクレオチ
ドを含む。「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは、50%ホ
ルムアミド、5×SSC(750mM NaCl、75mMクエン酸ナトリウム
)、50mMリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハルト溶液、10%硫
酸デキストラン、および20μg/ml変性剪断サケ精子DNAを含む溶液中で
の42℃での一晩インキュベーション、次いで0.1×SSC中で約65℃にて
フィルターを洗浄することをいう。
【0014】 より低いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件で本発明のポリヌ
クレオチドにハイブリダイズする核酸分子もまた意図される。ハイブリダイゼー
ションのストリンジェンシーおよびシグナル検出の変化は、主として、ホルムア
ミド濃度(より低い百分率のホルムアミドが、低下したストリンジェンシーを生
じる);塩条件、または温度の操作を通じて達成される。例えば、より低いスト
リンジェンシー条件は、6×SSPE(20×SSPE=3M NaCl;0.
2M NaH2PO4;0.02M EDTA、pH7.4)、0.5% SDS
、30%ホルムアミド、100μg/mlサケ精子ブロッキングDNAを含む溶
液中、37℃で一晩のインキュベーション;次いで1×SSPE、0.1% S
DSを用いた50℃での洗浄を含む。さらに、さらにより低いストリンジェンシ
ーを達成するために、ストリンジェントなハイブリダイゼーション後に行われる
洗浄は、より高い塩濃度(例えば、5×SSC)で行われ得る。
【0015】 上記の条件における変化が、ハイブリダイゼーション実験においてバックグラ
ウンドを抑制するために使用される代替的なブロッキング試薬の含有および/ま
たは置換によって達成され得ることに留意すること。代表的なブロッキング試薬
としては、デンハルト試薬、BLOTTO、ヘパリン、変性サケ精子DNA、お
よび市販の製品処方物が挙げられる。特異的ブロッキング試薬の含有は、適合性
の問題に起因して、上記のハイブリダイゼーション条件の改変を必要とし得る。
【0016】 もちろん、ポリA+配列(例えば、配列表に示されるcDNAの任意の3’末
端ポリA+領域(tract))に、またはT(もしくはU)残基の相補的スト
レッチにのみハイブリダイズするポリヌクレオチドは、このようなポリヌクレオ
チドが、ポリ(A)ストレッチまたはその相補体を含む任意の核酸分子(例えば
、事実上任意の二本鎖cDNAクローン)にハイブリダイズするので、「ポリヌ
クレオチド」の定義に包含されない。
【0017】 本発明のポリヌクレオチドは、任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデオキ
シリボヌクレオチドから構成され得、これは、非改変RNAもしくは非改変DN
Aまたは改変RNAもしくは改変DNAであり得る。例えば、ポリヌクレオチド
は、一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖および二本鎖領域の混合物であるDNA
、一本鎖および二本鎖RNA、ならびに一本鎖および二本鎖領域の混合物である
RNA、一本鎖、またはより代表的には二本鎖もしくは一本鎖および二本鎖領域
の混合物であり得るDNAおよびRNAを含むハイブリッド分子から構成され得
る。さらに、ポリヌクレオチドは、RNAもしくはDNAまたはRNAおよびD
NAの両方を含む三本鎖領域から構成され得る。ポリヌクレオチドはまた、安定
性のために、または他の理由のために改変された1つ以上の改変された塩基また
はDNAもしくはRNA骨格を含み得る。「改変された」塩基としては、例えば
、トリチル化された塩基およびイノシンのような普通でない塩基が挙げられる。
種々の改変が、DNAおよびRNAに対して行われ得;したがって、「ポリヌク
レオチド」は、化学的、酵素的、または代謝的に改変された形態を含む。
【0018】 本発明のポリペプチドは、ペプチド結合または改変されたペプチド結合、すな
わち、ペプチドアイソスター(isostere)によって互いに連結したアミ
ノ酸から構成され得、そして遺伝子がコードする20個のアミノ酸以外のアミノ
酸を含み得る。ポリペプチドは、翻訳後プロセシングのような天然のプロセスに
よって、または当該技術分野で周知の化学的改変技術によってのいずれかで、改
変され得る。このような改変は、基本テキスト、およびより詳細な研究論文、な
らびに多くの研究文献に十分記載される。改変は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖
、およびアミノ末端またはカルボキシル末端を含むポリペプチドのどこにでも生
じ得る。同じ型の改変が、所定のポリペプチド中のいくつかの部位で同じまたは
種々の程度で存在し得ることが理解される。また、所定のポリペプチドは多くの
型の改変を含み得る。ポリペプチドは、例えば、ユビキチン化の結果として分枝
状であり得、そしてポリペプチドは、分枝を含むかまたは含まない、環状であり
得る。環状、分枝状および分枝した環状ポリペプチドは、天然の翻訳後プロセス
から生じ得るか、または合成方法によって作製され得る。改変としては、アセチ
ル化、アシル化、ADP−リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部
分の共有結合、ヌクレオチドまたはヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または
脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトール(phosphotidy
linositol)の共有結合、架橋、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチ
ル化、共有結合架橋の形成、システインの形成、ピログルタミン酸の形成、ホル
ミル化、γ−カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、水酸化、ヨ
ウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、ペグ化(pegylation)、
タンパク質分解プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化
、硫酸化、アルギニル化のようなタンパク質へのアミノ酸のトランスファーRN
A媒介付加、およびユビキチン化が挙げられる。(例えば、PROTEINS−
STRUCTURE AND MOLECULAR PROPERTIES,第
2版,T.E.Creighton,W.H.Freeman and Com
pany,New York(1993);POSTTRANSLATIONA
L COVALENT MODIFICATION OF PROTEINS,
B.C.Johnson編,Academic Press,New York
,1−12頁(1983);Seifterら,Meth Enzymol 1
82:626−646(1990);Rattanら,Ann NY Acad
Sci 663:48−62(1992)を参照のこと)。
【0019】 「配列番号X(SEQ ID NO:X)」とは、ポリヌクレオチド配列をい
うが、「配列番号Y」とは、ポリペプチド配列をいい、両方の配列とも、表1に
特定された整数によって同定される。
【0020】 「生物学的活性を有するポリペプチド」とは、特定の生物学的アッセイで測定
した場合、用量依存性を伴なっても伴なわなくても、本発明のポリペプチド(成
熟形態を含む)の活性と類似であるが、必ずしも同一ではない活性を示すポリペ
プチドをいう。用量依存性が存在する場合、ポリペプチドの用量依存性と同一で
ある必要はないが、むしろ本発明のポリペプチドと比較した場合に、所定の活性
における用量依存性に実質的に類似する(すなわち、候補ポリペプチドは、本発
明のポリペプチドと比較して、より大きな活性を示すか、または約1/25以上
、そして好ましくは約1/10以上の活性、そして最も好ましくは約1/3以上
の活性を示す)。
【0021】 (本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチド) (遺伝子番号1によってコードされるタンパク質の特徴) 別の実施態様において、推定シグナルペプチドの上流のオープンリーディング
フレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、本発明によって意図される。詳
細には、本発明のポリペプチドは以下のアミノ酸配列を含む:
【0022】
【化1】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0023】 この遺伝子は主に、膵島細胞腫瘍において発現される。
【0024】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに癌および糖尿病を
含む膵臓の障害を含むがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試
薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対す
る抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提供に有
用である。上記組織または細胞、特に膵臓の多くの障害に関連して、標準の遺伝
子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発
現レベル)に対して有意により高いまたはより低いレベルのこの遺伝子の発現が
、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例え
ば、内分泌組織、癌性組織または創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清
、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプルの中で
、慣用的に検出される。
【0025】 膵島細胞腫瘍の腫瘍における組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオ
チドおよびポリペプチドが、発現が示されている他の内分泌または胃腸の腫瘍に
加えて、そのような腫瘍の診断、処置および介入に有用であることを示す。さら
に、このタンパク質はまた、栄養補給剤としてのその使用に加えて、生物学的活
性を決定するために、抗体を惹起するために、組織マーカーとして、同族のリガ
ンドまたはレセプターを単離するために、それらの相互作用を調節する薬剤を同
定するために使用され得る。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は
、上記に挙げられた組織に対する腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的と
して有用性を示し得る。
【0026】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号11に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号11の1〜1099の任意の整数であり、bは15〜111
3の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号11に示されるヌクレオチ
ド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上
のポリヌクレオチドが除外される。
【0027】 (遺伝子番号2によってコードされるタンパク質の特徴) 別の実施態様において、推定シグナルペプチドの上流のオープンリーディング
フレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドは、本発明によって意図される。詳
細には、本発明のポリペプチドは以下のアミノ酸配列を含む:
【0028】
【化2】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0029】 この遺伝子は、inにおいて等しく発現される。
【0030】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに免疫障害および造
血障害、特に白血病を含むがそれらに限定されない疾患および状態の診断のため
の試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに
対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提供
に有用である。上記組織または細胞、特に血管系および免疫系の多くの障害に関
連して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組
織または体液中の発現レベル)に対して有意により高いまたはより低いレベルの
この遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織も
しくは細胞型(例えば、免疫組織、血液リンパ様組織、癌性組織および創傷組織
)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または
別の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的に検出される。
【0031】 本発明の好ましいエピトープとしては、配列番号104において残基:Gly
−29〜Ser−35、Ser−63〜Cys−68として示される免疫原性エ
ピトープを含む。
【0032】 血管周囲細胞腫、胸部リンパ節、および骨髄における組織分布は、この遺伝子
に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、造血関連障害(例えば、貧
血、汎血球減少症、白血球減少症、血小板減少症または白血病)の処置および診
断に有用であることを示す。なぜならば、間質細胞は、造血系統の細胞の産生に
重要であるからである。代表的な使用は、以下の「免疫活性」の節および「感染
性疾患」の節、実施例11、実施例13、実施例14、実施例16、実施例18
、実施例19、実施例20、および実施例27、ならびに本明細書の他の箇所に
記載される。この用途としては、骨髄細胞エキソビボ培養、骨髄移植、骨髄再形
成、新形成の放射線治療または化学療法が挙げられる。
【0033】 この遺伝子産物はまた、リンパ球産生に関与し得、従って、これは、感染、炎
症、アレルギー、免疫不全などのような免疫障害において用いられ得る。さらに
、この遺伝子産物は、幹細胞の拡大および方向付けられた種々の血液系前駆体、
ならびに種々の細胞型の分化および/または増殖において商業的な有用性を有し
得る。さらに、このタンパク質はまた、栄養補給剤としてのその使用に加えて、
生物学的活性を決定するために、抗体を惹起するために、組織マーカーとして、
同族のリガンドまたはレセプターを単離するために、それらの相互作用を調節す
る薬剤を同定するために、使用され得る。タンパク質、ならびにそのタンパク質
に対して指向される抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび
/または免疫療法標的としての有用性を示し得る。
【0034】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号12に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号12の1〜969の任意の整数であり、bは15〜983
の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号12に示されるヌクレオチド
残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上の
ポリヌクレオチドが除外される。
【0035】 (遺伝子番号3によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子の翻訳産物は、EGFドメインおよびロイシンリッチ反復ドメイン
の両方を含む分泌タンパク質である、キイロショウジョウバエスリットプロテイ
ンと配列相同性を共有する。これは、正中神経膠および交連軸索経路の発達に重
要であると考えられている(例えば、Rothbergら、Gene Dev.
4:2169〜87(1990);これは、本明細書中で参考として援用される
)。
【0036】 この遺伝子は主に、ヒト海馬において等しく発現される。
【0037】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに神経障害および発
達障害を含むがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として
有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は
、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である
。上記組織または細胞、特に神経系の多くの障害に関連して、標準の遺伝子発現
レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベ
ル)に対して有意により高いまたはより低いレベルのこの遺伝子の発現が、この
ような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、神
経組織、癌性組織または創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、
尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的
に検出される。
【0038】 ショウジョウバエスリットプロテインに対する相同性と共にヒト海馬内の組織
分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、神経変
性疾患状態、行動障害、または炎症状態の検出、処置および/または予防に有用
であることを示す。代表的な使用は、以下の「再生」の節および「過剰増殖性障
害」の節、実施例11、実施例15、および実施例18、ならびに本明細書の他
の箇所に記載される。手短に言えば、この使用は、アルツハイマー病、パーキン
ソン病、ハンティングトン病、ツレット症候群、髄膜炎、脳炎、脱髄疾患、末梢
神経障害、新形成、外傷、先天異常、脊髄損傷、虚血および梗塞形成、動脈瘤、
出血、精神分裂病、躁病、痴呆、偏執症、強迫性障害、恐慌性障害、学習障害、
ALS、精神病、自閉、および行動変化(栄養補給、睡眠パターン、平衡、およ
び知覚の障害を含む)の検出、処置および/または予防を含むが、これらに限定
されない。さらに、この遺伝子または遺伝子産物はまた、発生中の胚と関連する
発生障害、伴性障害、または心臓血管系の障害の処置および/または検出におい
てもある役割を果たし得る。さらに、脳の領域におけるこの遺伝子産物の発現の
上昇は、これが正常な神経機能において役割を果たすことを示す。
【0039】 潜在的に、この遺伝子産物は、シナプス形成、神経伝達、学習、認識、恒常性
、あるいはニューロンの分化または生存に関与する。さらに、このタンパク質も
また、その栄養補給剤としての使用に加えて、生物学的活性を決定するために、
抗体を惹起するために、組織マーカーとして、同族のリガンドまたはレセプター
を単離するために、それらの相互作用を調節する薬剤を同定するために使用され
得る。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙された組
織の腫瘍マーカーおよび/または免疫療法標的としての有用性を示し得る。
【0040】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号13に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号13の1〜959の任意の整数であり、bは15〜973の
整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号13に示されるヌクレオチド残
基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポ
リヌクレオチドが除外される。
【0041】 (遺伝子番号4によってコードされるタンパク質の特徴) 別の実施態様において、推定シグナルペプチドの上流のオープンリーディング
フレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、本発明によって意図される。詳
細には、本発明のポリペプチドは以下のアミノ酸配列を含む:
【0042】
【化3】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0043】 開示されたcDNAをコードする遺伝子は、第16染色体上に存在すると考え
られる。従って、本発明に関するポリヌクレオチドは、第16染色体についての
連鎖解析のマーカーとして有用である。
【0044】 この遺伝子は、KMH2細胞、骨芽細胞、胎児脾臓、Jurkat膜結合ポリ
ソーム、胸部および小脳において発現される。
【0045】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに癌、免疫障害およ
び骨格障害を含むがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬と
して有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗
体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提供に有用で
ある。上記組織または細胞、特に免疫系の多くの障害に関連して、標準の遺伝子
発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現
レベル)に対して有意により高いまたはより低いレベルのこの遺伝子の発現が、
このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば
、免疫組織、骨格組織、癌性組織または創傷組織)または体液(例えば、リンパ
、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプル
の中で、慣用的に検出される。
【0046】 KMH2細胞、骨芽細胞および胎児脾臓における組織分布は、この遺伝子に対
応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、種々の免疫系障害の診断および
処置に有用であることを示す。代表的な使用は、以下の「免疫活性」の節および
「感染性疾患」の節、実施例11、実施例13、実施例14、実施例16、実施
例18、実施例19、実施例20、および実施例27、ならびに本明細書の他の
箇所に記載される。胎児脾臓およびT細胞におけるこの遺伝子産物の発現は、血
液幹細胞を含む潜在的に全ての造血細胞系統の増殖;生存;分化;および/また
は活性化の調節における役割を示す。この遺伝子産物は、サイトカインの産生、
抗原提示、またはガンの処置(例えば、免疫応答を追加免疫することによる)に
おいての有用性もまた示唆し得る他のプロセスの調節に関与する。
【0047】 この遺伝子は、リンパ起源の細胞において発現されるので、この天然の遺伝子
産物は、免疫機能に関与する。従って、これをまた、関節炎、喘息、AIDSの
ような免疫不全疾患、白血病、慢性関節リウマチ、慢性肉芽腫症、炎症性腸疾患
、敗血症、挫瘡、好中球減少、好中球増加、乾癬、過敏症(例えば、T細胞媒介
細胞傷害性);移植された器官および組織に対する免疫反応(例えば、宿主対移
植片病および対宿主性移植片病)、または自己免疫性障害(例えば、自己免疫不
妊症)、水晶体組織傷害、脱髄、全身性エリテマトーデス、薬物誘発性溶血性貧
血、慢性関節リウマチ、シェーグレン病、強皮症および組織を含む免疫学的障害
のための薬剤として使用される。さらに、このタンパク質は、他の血球の分化ま
たは活動に影響を及ぼすか、または損傷部位に対して造血細胞を漸増する分泌因
子を提示し得る。さらに、この遺伝子産物は、様々な血液系列の幹細胞および方
向付けられた前駆細胞の拡大において、および様々な細胞型の分化および/また
は増殖において商業的有用性を有し得る。さらに、このタンパク質もまた、その
栄養補給剤としての使用に加えて、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起
するために、組織マーカーとして、同族のリガンドまたはレセプターを単離する
ために、それらの相互作用を調節する薬剤を同定するために使用され得る。タン
パク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙された組織の腫瘍マ
ーカーおよび/または免疫療法標的としての有用性を示し得る。
【0048】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号14に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号14の1〜1444の任意の整数であり、bは15〜14
58の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号14に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0049】 (遺伝子番号5によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子の翻訳産物は、グリセロールの第2炭素から脂肪酸を切断するホス
ホリパーゼA2と配列相同性を共有する(参照、PS2_HISについてのPr
ositeパターンの資料)。多くのヘビ毒液は、ホスホリパーゼA2を含み、
これは、ニューロンからアセチルコリンの放出をブロックすることによって筋肉
への神経バルスの伝達を妨げる。従って、本発明において、好ましいドメインと
して、ホスホリパーゼA2ヒスチジン活性部位ドメインを含み、このドメインは
、ProSite分析ツール(Swiss Institute of Bio
informatics)を用いて同定された。ホスホリパーゼA2は、グリセ
ロールの第2炭素から脂肪酸を切断する酵素である。構造的には、PA2は、4
〜7つのジスルフィド結合を有する120のアミノ酸残基の小さくかつ硬いタン
パク質である。PA2は、活性に必要なカルシウムイオンを結合する。2つの保
存された残基(ヒスチジンおよびアスパラギン酸)の側鎖は、「触媒網」に関与
する。PA2についての2つの異なるサインのパターンが開発された。第1は、
活性部位ヒスチジンに集中し、そしてジスルフィド結合に関与する3つのシステ
インを含む。コンセンサスパターンは、以下のようになる:C−C−x(2)−
H−x(2)−C(Hは、活性部位残基である)。
【0050】 本発明の好ましいポリペプチドは、以下のアミノ酸配列から選択されるホスホ
リパーゼA2ヒスチジン活性部位ドメインを含む:CCNQHDRC(配列番号
199)、SLTKCCNQHDRCYET(配列番号200)、および/また
はLTKCCNQHDRCYETCG(配列番号201)。これらのポリペプチ
ドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。さらに好ましいのは、この
遺伝子について、表1に列挙される配列のホスホリパーゼA2ヒスチジン活性部
位ドメイン、およびこの参照配列の少なくとも5、10、15、20、25、3
0、50、または75のさらなる連続するアミノ酸残基を含むポリペプチドであ
る。さらなる連続するアミノ酸残基は、ホスホリパーゼA2ヒスチジン活性部位
ドメインに対してN末端またはC末端である。あるいは、さらなる連続するアミ
ノ酸残基は、ホスホリパーゼA2ヒスチジン活性部位ドメインに対してN末端お
よびC末端の両方であり、ここで、N末端およびC末端の連続するアミノ酸残基
の合計は、特定の数に等しい。上記の好ましいポリペプチドドメインは、ホスホ
リパーゼA2タンパク質に特異的なサインの特徴を有する。配列類似性に基づい
て、この遺伝子の翻訳産物は、少なくともいくらかの生物学的活性をホスホリパ
ーゼA2タンパク質と共有すると予測される。そのような活性は、当該分野にお
いて公知であり、そのうちのいくらかは本明細書中の他の箇所に記載され、また
は例えば、McIntoshら、J.Biol.Chem.279(8)、35
18〜3526(1995)(これは本明細書中で参考として援用される)を参
照のこと。
【0051】 別の実施態様では、推定のシグナルペプチドの上流にあるオープンリーディン
グフレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、本発明によって意図される。
詳細には、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む: GPAGKEAWIWSWLLPSPGPAPLPSASWGLCGDAPR AAARGPVEPGAARMALLSRPALTLLLLLMAAVVRCQ
EQAQTTDWRATLKTI RNGVHKIDTYLNAALDLLGGEDGLCQYKCSDGSKPF
PRYGYKPSPPNGCGSP LFGXHLNIGIPSLTKCCNQHDRCYETCGKSKNDCDE
EFQYCLSKICRDVQKTL GLTQHVQACETTVELLFDSVIHLGCKPYLDSQRAAC
RCHYEEKTDL(配列番号198)。これらのホリペプチドをコードする
ポリヌクレオチドもまた提供される。
【0052】 開示されたcDNAをコードする遺伝子は、第4染色体上にあると考えられて
いる。従って、本発明に関連するポリヌクレオチドは、第4染色体の連鎖分析に
おけるマーカーとして有用である。
【0053】 この遺伝子は、1つの型の型が優勢でいることなく、種々の細胞型で発現され
る。
【0054】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に
存在する組織または細胞型の差示的同定のため、および神経学的障害、または代
謝障害、特にホスホリパーゼA2欠損を含むがそれらに限定されない疾患および
症状の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれら
のポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学
的プローブを提供することに有用である。上記組織または細胞、特に神経筋系の
多くの障害について、標準的な遺伝子発現レベル、すなわち、障害を有さない個
体からの健常組織または体液中の発現レベルに対して、このような障害を有する
個体から採取された、特定の組織または細胞型(例えば、膵臓、癌性組織および
創傷組織)または体液(例えば、胆汁、リンパ、血清、血漿、尿、滑液および髄
液)または別の組織または細胞試料中で、有意により高いまたはより低いレベル
のこの遺伝子の発現が慣用的に検出される。
【0055】 本発明の好適なポリペプチドは、配列番号107において残基:Gln−23
〜Asp−30、Lys−66〜Cys−87として示される免疫原性エピトー
プを含む。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供され
る。
【0056】 偏在する組織分布、およびホスホリパーゼA2に対する相同性は、この遺伝子
に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、神経筋障害の診断および処
置に有用であることを示す。あるいは、神経−伝達に対するブロックとしてのホ
スホリパーゼA2の活性を考慮することは、この遺伝子に対応するポリヌクレオ
チドおよびポリペプチドが、神経変性疾患状態ならびに行動障害(例えば、アル
ツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、ツレット症候群、精神分裂病
、躁病、痴呆、パラノイア、強迫神経症、恐怖性障害、学習障害、ALS、精神
病、自閉症、および行動変化(栄養補給、睡眠パターン、平衡、および知覚の障
害を含む))の検出/処置に有用であることを示唆し得る。さらに、この遺伝子
または遺伝子産物はまた、発生中の胚または伴性障害と関連する発生上の障害、
または心臓血管系の障害の処置および/または検出において役割を果たし得る。
あるいは、ホスホリパーゼA2タンパク質に対する相同性は、代謝障害、特にホ
スホリパーゼA2における欠損の診断、処置および/または予防におけるこの遺
伝子のタンパク質産物の潜在的な使用を示し得る。さらに、このタンパク質はま
た、栄養補給物としてのその使用に加えて、生物学的活性を測定するため、抗体
を惹起するため、組織マーカーとして、同族リガンドまたはレセプターを単離す
るため、それらの相互作用を調整する薬剤を同定するために用いられ得る。タン
パク質、およびこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙された組織に対する
腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。
【0057】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号15に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号15の1〜1991の任意の整数であり、bは15〜20
05の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号15に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0058】 (遺伝子番号6によりコードされるタンパク質の特徴) 特定の実施態様において、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含
む: GTSSARPRGALPGGSAPSAPHGQLPGRAQPAPVSGP
PPTSGLCHFDPAAPWPLWPGPWQLPPHPQDWPAHPD
IPQDWVSFLRSFGQLTLCPRNGTVTGKWRGSHVVGL
LTTLNFGDGPDRNKTRTFQATVLGSQMGLKGSSAGQ
LVLITARVTTERTAGTCLYFSAVPGILPSSQPPISC
SEEGAGNATLSPRMGEECVSVWSHEGLVLTKLLTSE
ELALCGSRLLVLGSFLLLFCGLLCCVTAMCFHPRRE
SHWSRTRL(配列番号202)。これらのポリペプチドをコードするポリ
ヌクレオチドもまた提供される。
【0059】 別の実施態様では、推定のシグナルペプチドの上流にあるオープンリーディン
グフレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、本発明によって意図される。
詳細には、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む: ARAPPGPEGLSPEAQPPLLPMGNCQAGHNLHLCLAH
HPPLVCATLILLLLGLSGLGLGSFLLTHRTGLRTLT
SPRTGSLF(配列番号203)。これらのポリペプチドをコードするポリ
ヌクレオチドもまた提供される。
【0060】 この遺伝子は、精巣、小脳、樹状細胞、乳癌、臍静脈内皮細胞、副睾丸、脳梁
(corpus colosum)、慢性鼻炎、肝癌(hepatome)、正
常乳房、骨芽細胞、メラノサイト、B細胞リンパ腫を含む広範な種々の組織型で
発現し、そしてより少ない程度でその他の組織で発現する。
【0061】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に
存在する組織または細胞型の差示的同定のため、および癌、特に内皮組織を含む
がそれらに限定されない疾患および症状の診断のための試薬として有用である。
同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または
細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブを提供することに有用である。上
記組織または細胞の多くの障害、特に生殖系の多くの障害について、標準的な遺
伝子発現レベル、すなわち,障害を有さない個体からの健常組織または体液中の
発現レベルに対して、このような障害を有する個体から採取された、特定の組織
または細胞型(例えば、内皮組織、癌性組織および創傷組織)または体液(例え
ば、リンパ、精液、血清、血漿、尿、滑液および髄液)または別の組織または細
胞試料中で、有意により高いまたはより低いレベルのこの遺伝子の発現が慣用的
に検出される。
【0062】 本発明の好適なポリペプチドは、配列番号108において残基:Thr−52
〜Gly−57として示される免疫原性エピトープを含む。これらのポリペプチ
ドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0063】 胚組織および増殖性細胞によって特徴付けられるその他の細胞供給源内での発
現は、この遺伝子のタンパク質産物が細胞分裂の調節において役割を果たし得、
そして発生疾患および発生障害、癌およびその他の増殖状態の診断、処置、およ
び/または予防において有用性を示し得ることを示す。代表的な使用は、本明細
書中、以下、および他の場所において、「過増殖性障害」および「再生」の節に
記載される。さらに、造血細胞および組織中の発現は、このタンパク質が、造血
細胞系統の増殖、分化、および/または生存において役割を果たし得ることを示
す。このような事象では、この遺伝子は、リンパ増殖性障害の処置において、お
よび初期造血幹および方向付けられた前駆細胞由来の種々の造血系統の維持およ
び分化において有用である。同様に、胚発生はまた、パターン形成における細胞
分化および/またはアポトーシスを含む決定に依存する。
【0064】 アポトーシスの調節不全は、いくつかの癌の発生において生じるような、また
は、後天性免疫不全および特定の神経変性障害(例えば、棘筋萎縮症(SMA)
)において生じると考えられるように、細胞死の程度を制御するのに失敗して生
じるような、細胞死の不適切な抑制を生じ得る。増殖および分化における潜在的
役割によって、この遺伝子産物は、成体において、組織再生および癌の処置にお
いて適用を有し得る。これはまた、細胞および組織型の特異化を制御するように
モルフォゲンとして作用し得る。従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリ
ペプチドは、他の型の変性状態に加えて、上記障害および状態を処置、検出、お
よび/または予防する際に有用である。従って、このタンパク質は、アポトーシ
スまたは組織分化を調整し得、そして変性性または増殖性の状態および疾患の検
出、処置、および/または予防において有用である。このタンパク質は、増殖性
および癌性の細胞および組織において存在し得るような、異常なポリペプチドに
対する免疫応答を調節する際に有用である。このタンパク質はまた、細胞の成長
および増殖の調節についての新たな洞察を得るために用いられ得る。さらに、こ
のタンパク質はまた、栄養補給剤としての用途に加えて、生物学的活性を決定す
るために、抗体を惹起するために、組織マーカーとして、同属のリガンドまたは
レセプターを単離するために、それらの相互作用を調節する薬剤を同定するため
に使用され得る。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙
げられた組織に対する腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的として有用性
を示し得る。
【0065】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号16に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号16の1〜929の任意の整数であり、bは15〜943
の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号16に示されるヌクレオチド
残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上の
ポリヌクレオチドが除外される。
【0066】 (遺伝子番号7によりコードされるタンパク質の特徴) 別の実施態様では、推定のシグナルペプチドの上流にあるオープンリーディン
グフレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、本発明によって意図される。
詳細には、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む: RFLSVXPQXEVPFLLHPCVCFXGGHPSLLPDPCRAV
GGGWEAPRCCLHEALCQSLGCKAEEIVSVSESSSAQ
RCWYLLRGRKAGGRGPASPVLFALMRLESLCHLCLA
CLFFRLPATRTVYCMNEAEIVDVALGILIESRKQXK
ACEQPALAGADNPEHSPPCSVSPHTSSGSSSEEEDS
GKQALXPGLSPSQRPGGSSSACSRSPEEEEEEDVLK
YVREIFFS(配列番号204)。これらのポリペプチドをコードするポリ
ヌクレオチドもまた提供される。本発明のポリヌクレオチドは、参考として本明
細書に援用される、GeneSeq受託番号V59595およびV59744と
して示される核酸配列から構成されない。
【0067】 この遺伝子は、支質細胞,樹状細胞、白血球、活性化T細胞、マクロファージ
、単球、好中球を含む、種々の免疫細胞型で主に発現し、そしてより少ない程度
で種々の成人および胎児組織中で発現する。
【0068】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に
存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに癌およびその他の増殖
性障害を含むがそれらに限定されない疾患および症状の診断のために試薬として
有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は
、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブを提供することに有
用である。上記組織または細胞の多くの障害、特に免疫系の多くの障害について
、標準的な遺伝子発現レベル、すなわち,障害を有さない個体からの健常組織ま
たは体液中の発現レベルに対して、このような障害を有する個体から採取された
、特定の組織または細胞型(例えば、免疫組織、癌性組織および創傷組織)また
は体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液および髄液)または別の組織ま
たは細胞試料中で、有意により高いまたはより低いレベルのこの遺伝子の発現が
慣用的に検出される。
【0069】 免疫細胞中の組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリ
ペプチドが、種々の免疫系障害の診断および処置に有用であることを示す。代表
的な使用は、以下の「免疫活性」および「感染性疾患」の節、実施例11、13
、14、16、18、19、20、および27、ならびに本明細書中の他の箇所
に記載される。この遺伝子産物の胎児組織および種々の造血癌における発現は、
血液幹細胞を含む、潜在的にすべての造血細胞系統の増殖;生存;分化;および
/または活性化の調節における役割を示す。この遺伝子産物は、サイトカイン産
生、抗原提示、またはその他のプロセスの調節に関与し、これはまた、(例えば
、免疫応答をブーストすることにより)癌の処置における有用性を示唆し得る。
【0070】 この遺伝子はリンパ起源の細胞中で発現されるので、天然遺伝子産物は免疫機
能に関与する。従って、関節炎、喘息、AIDSのような免疫不全疾患、白血病
、慢性関節リウマチ、肉芽腫性疾患、炎症性腸疾患、敗血症、挫瘡、好中球減少
症、好中球増加症、乾癬、T細胞媒介細胞傷害性のような過敏症;移植された器
官および組織に対する免疫反応(例えば、宿主対移植片病および対宿主性移植片
病)、または自己免疫性障害(例えば、自己免疫不妊症)、水晶体組織傷害、脱
髄、全身性エリテマトーデス、薬物誘発性溶血性貧血、慢性関節リウマチ、シェ
ーグレン病、強皮症および組織を含む免疫学的障害のための薬剤として使用され
得る。さらに、このタンパク質は、他の血液細胞の分化または挙動に影響するか
、または損傷の部位に造血細胞を集める分泌因子を提示し得る。さらに、この遺
伝子産物は、様々な血液系列の幹細胞および方向付けられた前駆細胞の拡大にお
いて、および様々な細胞型の分化および/または増殖において商業的有用性を有
し得る。さらに、このタンパク質はまた、栄養補給物としてのその使用に加えて
、生物学的活性を測定するため、抗体を惹起するため、組織マーカーとして、同
族リガンドまたはレセプターを単離するため、それらの相互作用を調整する薬剤
を同定するために用いられ得る。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗
体は、上記に挙げた組織の腫瘍マーカーとしておよび/または免疫治療の標的と
して有用性を示し得る。
【0071】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号17に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号17の1〜1489の任意の整数であり、bは15〜15
03の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号17に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0072】 (遺伝子番号8によりコードされるタンパク質の特徴) Jurkat T細胞株に対して試験されるとき、この遺伝子を含む細胞から
取り除かれた上清液は、NF−κB(核因子κB)経路を活性化した。従って、
この遺伝子は、NF−κBシグナル伝達経路を通じてT細胞を活性化するようで
ある。NF−κBは、広範な種々の薬剤により活性化され、細胞活性化、分化、
またはアポトーシスを導く転写因子である。NF−κBプロモーターエレメント
を利用するレポーター構築物を用いて、このような活性について上清液をスクリ
ーニングする。本発明の好適なポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:V
PGWPRACSPCQADSPRAHPPKLRGILRWAPVPLXCA
ALCPPLDSGMSMAACPEAPEPSFLREVPSSPASTQW
HRPCNFRQVEANPRKEPKNLVWRDVSLGQXSRTPRG
SGLELVRVCGGGMQRDKTVVEERVGEERERERERES
LGGAGKHGEMRCVYVRESVGAPGRAGGGGNGVNSVG
CVRTVHSGSXPPPSAGVS(配列番号205)。これらのポリペプ
チドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0073】 この遺伝子は、小脳および前頭葉のような脳の部分で主に発現する。
【0074】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に
存在する組織または細胞型の差示的同定のため、および神経変性障害を含むがそ
れらに限定されない疾患および症状の診断のための試薬として有用である。同様
に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞
型の差示的同定のための免疫学的プローブを提供することに有用である。上記組
織または細胞の多くの障害、特に中枢神経系の多くの障害について、標準的な遺
伝子発現レベル、すなわち,障害を有さない個体からの健常組織または体液中の
発現レベルに対して、このような障害を有する個体から採取された、特定の組織
または細胞型(例えば、神経組織、癌性組織および創傷組織)または体液(例え
ば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液および髄液)または別の組織または細胞試料
中で、有意により高いまたはより低いレベルのこの遺伝子の発現が慣用的に検出
される。
【0075】 小脳および前頭葉中の組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドお
よびポリペプチドが、神経変性疾患状態および行動障害、または炎症状態の診断
および処置に有用であることを示す。代表的な使用は、本明細書中の、以下の「
再生」および「過増殖性障害」の節、検出、予防、実施例、11、15および1
8ならびに他の場所に記載される。簡略に言えば、この使用は、アルツハイマー
病、パーキンソン病、ハンチントン病、ツレット症候群、髄膜炎、脳炎、脱髄疾
患、末梢神経障害、新形成、外傷、先天性異常、脊髄傷害、虚血および梗塞形成
、動脈瘤、出血、精神分裂病、躁病、痴呆、偏執症、強迫性障害、鬱病、恐慌性
障害、学習障害、ALS、精神病、自閉、および行動変化(栄養補給、睡眠パタ
ーン、平衡、および知覚の障害を含む)の検出、処置および/または予防を含む
が、これらに限定されない。さらに、脳の領域におけるこの遺伝子産物の発現の
上昇は、これが正常な神経機能において役割を果たすことを示す。
【0076】 可能性として、この遺伝子産物は、シナプス形成、神経伝達、学習、認識、恒
常性、あるいはニューロンの分化または生存に関与する。さらに、このタンパク
質はまた、栄養補給物としてのその使用に加えて、生物学的活性を測定するため
、抗体を惹起するため、組織マーカーとして、同族リガンドまたはレセプターを
単離するため、それらの相互作用を調整する薬剤を同定するために用いられ得る
。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙げた組織の腫瘍
マーカーとしておよび/または免疫治療の標的として有用性を示し得る。
【0077】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号18に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは、配列番号18の1〜1498の任意の整数であり、bは、15〜
1512の整数であり、ここでaおよびbの両方は、配列番号18に示されるヌ
クレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbは、a+14以上である)を含
む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
【0078】 (遺伝子番号9によりコードされるタンパク質の特徴) 特定の実施態様では、推定のシグナルペプチドの上流にあるオープンリーディ
ングフレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、本発明によって意図される
。詳細には、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む: TRPGKELNLVFGLQLSMARIGSTVNMNLMGWLYSKI
EALLGSAGHTTLGITLMIGGITCILSLICALALAYL
DQRAERILHKEQGKTGEVIKLTDVKDFSLPLWLIFI
ICVCYYVAVFPFIGLGKVFFTEKFGFSSQAASAINS
VVYVISAPMSPVFGLLVDKTGKNIIWVLCA(配列番号2
06)。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される
【0079】 開示されたcDNAをコードする遺伝子は第3染色体上にあると考えられる。
従って、本発明に関するポリヌクレオチドは、第3染色体の連鎖分析におけるマ
ーカーとして有用である。
【0080】 この遺伝子は、主に胎児組織中で発現し、そしてより少ない程度で種々の成人
ヒト組織中で発現する。
【0081】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に
存在する組織または細胞型の差示的同定のため、および胎児異常、特に発生障害
を含むがそれらに限定されない疾患および症状の診断のための試薬として有用で
ある。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織
または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブを提供することに有用であ
る。上記組織または細胞の多くの障害、特に生殖系の多くの障害について、標準
的な遺伝子発現レベル、すなわち,障害を有さない個体からの健常組織または体
液中の発現レベルに対して、このような障害を有する個体から採取された、特定
の組織または細胞型(例えば、発生組織、または癌性組織および創傷組織)また
は体液(例えば、羊水、リンパ、血清、血漿、尿、滑液および髄液)または別の
組織または細胞試料中で、有意により高いまたはより低いレベルのこの遺伝子の
発現が慣用的に検出される。
【0082】 本発明の好適なポリペプチドは、配列番号111に、残基:Lys−30〜T
hr−35として示される免疫原性エピトープを含む。このポリペプチドをコー
ドするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0083】 胎児組織中の組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリ
ペプチドが、癌およびその他の増殖性障害の診断および処置に有用であることを
示す。代表的な使用は、本明細書中の、以下、および他の場所の「過増殖性障害
」および「再生」の節に記載される。簡略に言えば、発生組織は、パターン形成
における細胞分化および/またはアポトーシスを含む決定に依存する。
【0084】 アポトーシスの調節不全は、いくつかの癌の発生において生じるような、また
は、後天性免疫不全および特定の神経変性障害(例えば、棘筋萎縮症(SMA)
)において生じると考えられるように、細胞死の程度を制御するのに失敗して生
じるような、細胞死の不適切な抑制を生じ得る。胚組織および増殖性細胞により
特徴付けられるその他の細胞供給源内の発現は、このタンパク質が、細胞分裂の
調節に役割を果たし得ることを示す。増殖および分化における潜在的役割によっ
て、この遺伝子産物は、成体において、組織再生および癌の処置において適用を
有し得る。これはまた、細胞および組織型の特異化を制御するようにモルフォゲ
ンとして作用し得る。従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは
、他の型の変性状態に加えて、上記障害および状態を処置、検出、および/また
は予防する際に有用である。従って、このタンパク質は、アポトーシスまたは組
織分化を調整し得、そして変性性または増殖性の状態および疾患の検出、処置、
および/または予防において有用である。このタンパク質は、増殖性および癌性
の細胞および組織において存在し得るような、異常なポリペプチドに対する免疫
応答を調節する際に有用である。このタンパク質はまた、細胞の成長および増殖
の調節についての新たな洞察を得るために用いられ得る。さらに、造血細胞およ
び組織中の発現は、このタンパク質が、造血細胞系統の増殖、分化、および/ま
たは生存において役割を果たし得ることを示す。このような事象では、この遺伝
子は、リンパ増殖性障害の処置において、および初期造血幹および方向付けられ
た前駆細胞由来の種々の造血系統の維持および分化において有用であり得る。さ
らに、このタンパク質はまた、栄養補給物としての用途に加えて、生物学的活性
を決定するために、抗体を惹起するために、組織マーカーとして、同属のリガン
ドまたはレセプターを単離するために、それらの相互作用を調節する薬剤を同定
するために使用され得る。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、
上記に挙げられた組織に対する腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的とし
て有用性を示し得る。
【0085】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号19に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号19の1〜1641の任意の整数であり、bは15〜16
55の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号19に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0086】 (遺伝子番号10によりコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子の翻訳産物は、腫瘍壊死因子にともなう細胞傷害性なくしてインビ
ボ抗腫瘍活性を示す新規サイトカインであるヒト組織球分泌因子(HSF)と配
列相同性を共有する。さらに、この遺伝子の翻訳産物はまた、ヒト内因性ウイル
スS71gagポリプロテインと配列相同性を共有し、その配列は、いくつかの
癌に対する形質転換遺伝子座を表すと考えられている(Genebank受託番
号pir|A46312|A46312を参照のこと;この受託により利用可能
なすべての参照は、これによって参考として本明細書中に援用される)。同様に
、この遺伝子の翻訳産物はまた、新規のヘモポイエチンレセプターを提示し得る
、非常に初期の造血細胞集団中で少なくとも4つのイソ形態で発現される配列(
例えば、これによって本明細書中に参考として援用される、Cioffiら、N
at.Med.2:585−589(1996)を参照のこと)B219と相同
性を共有する。好適な実施態様において、本発明のポリペプチドは以下のアミノ
酸配列を含む:CKDLCSRVYLLTLSPLLSYDPATSHSPRN
TQ(配列番号207)。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
もまた好適である。
【0087】 この遺伝子は、主に、扁桃、および結腸で発現され、そしてより少ない程度で
、広範な種々のヒト組織において発現される。
【0088】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的試料中に
存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに免疫障害、造血障害、
および胃腸管障害、特に結腸および扁桃の腫瘍を含むがそれらに限定されない疾
患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよ
びこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のため
の免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に造血系、消
化系および免疫系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、
障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に
より高いまたはより低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する
個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織、造血組織、
胃腸管組織、または癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血
清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞試料の中で、
慣用的に検出される。
【0089】 本発明の好適なポリペプチドは、配列番号112に、残基:Met−1〜Cy
s−6として示される免疫原性エピトープを含む。このポリペプチドをコードす
るポリヌクレオチドもまた提供される。
【0090】 ヒト内因性ウイルスタンパク質であるヒト組織球成長因子およびB219に対
する相同性と組み合わせた、扁桃および結腸における組織分布は、この遺伝子に
対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、貧血、汎血球減少、白血球減
少、血小板減少または白血病のような、種々の造血系および免疫系障害の診断、
処置および/または予防に有用であることを強力に示す。代表的な使用は、以下
の「免疫活性」および「感染性疾患」の節において、実施例11、13、14、
16、18、19、20および27において、ならびに本明細書中の他の箇所に
記載される。この遺伝子産物の扁桃における発現は、血液幹細胞を含む、潜在的
にすべての造血細胞系統の増殖:生存;分化;および/または活性化の調節にお
ける役割を示す。この遺伝子産物は、サイトカイン産生、抗原提示、またはその
他のプロセスの調節に関与し、これはまた、(例えば、免疫応答をブーストする
ことにより)癌の処置における有用性を示唆し得る。
【0091】 この遺伝子は、リンパ起源の細胞において発現されるので、天然遺伝子産物は
免疫機能に関与する。従って、それはまた、関節炎、喘息、AIDSのような免
疫不全疾患、白血病、慢性関節リウマチ、肉芽腫性疾患、炎症性腸疾患、敗血症
、挫瘡、好中球減少症、好中球増加症、乾癬、T細胞媒介細胞傷害性のような過
敏症;移植された器官および組織に対する免疫反応(例えば、宿主対移植片病お
よび対宿主性移植片病)、または自己免疫性障害(例えば、自己免疫不妊症)、
水晶体組織傷害、脱髄、全身性エリテマトーデス、薬物誘発性溶血性貧血、慢性
関節リウマチ、シェーグレン病、強皮症および組織を含む免疫学的障害のための
薬剤として使用される。さらに、このタンパク質は、他の血液細胞の分化または
挙動に影響するか、または損傷の部位に造血細胞を集める分泌因子を提示し得る
。さらに、この遺伝子産物は、様々な血液系列の幹細胞および方向付けられた前
駆細胞の拡大において、および様々な細胞型の分化および/または増殖において
商業的有用性を有し得る。さらに、このタンパク質はまた、栄養補給物としての
その使用に加えて、生物学的活性を測定するため、抗体を惹起するため、組織マ
ーカーとして、同族リガンドまたはレセプターを単離するため、それらの相互作
用を調整する薬剤を同定するために用いられ得る。タンパク質ならびにこのタン
パク質に対する抗体は、上記に挙げた組織の腫瘍マーカーとしておよび/または
免疫治療の標的として有用性を示し得る。
【0092】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号20に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号20の1〜2511の任意の整数であり、bは15〜25
25の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号20に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0093】 (遺伝子番号11によりコードされるタンパク質の特徴) 開示されたcDNAをコードする遺伝子は第7染色体上にあると考えられる。
従って、本発明に関するポリヌクレオチドは、第7染色体の連鎖分析におけるマ
ーカーとして有用である。
【0094】 別の実施態様では、推定のシグナルペプチドの上流にあるオープンリーディン
グフレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、本発明によって意図される。
詳細には、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む: IICECWEEECQSCRLKITQPREICRMDFLVLFLFYL
ASVLMGLVLICVCSKTHSLKGLARGGAQIFSCIIPE
CLQRAXHGLLHYLFHTRNHTFIVLHLVLQGMVYTE YTWEVFGYCQELELSLHYLLLPYLLLGVNLFFFTLT
CGTNPGIITKANELLFLHVYEFDEVMFPKNVRCSTC
DLRKPARSKHCSVCNWCVHRFDHHCVWVNNCIGAWN
IRYFLIYVLTLTASAATVAIVSTTFLVHLVVMSDLY
QETYIDDLGHLHVMDTVFLIQYLFLTFPRIVFMLGF
VVVLSFLLGGYLLFVLYLAATNQTTNEWYRGDWAWC
QRCPLVAWPPSAEPQVHRNIHSHGLRSNLQEIFLPA
FPCHERKKQE(配列番号208)。これらのポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチドもまた提供される。
【0095】 この遺伝子は、主に結腸および脳において発現され、そしていくらかの程度で
、すべての組織において発現される。
【0096】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに神経学的障害およ
び消化障害を含むがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬と
して有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗
体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用で
ある。上記組織または細胞、特に中枢神経系および消化系の多くの障害に関して
、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織また
は体液中の発現レベル)に対して有意により高いまたはより低いレベルのこの遺
伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは
細胞型(例えば、神経学的組織、胃腸管組織、または癌性組織および創傷組織)
または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別
の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的に検出される。
【0097】 脳における組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペ
プチドが、神経変性疾患状態、行動障害、または炎症症状の検出、処置および/
または予防に有用であることを示す。代表的な使用は、以下の「再生」および「
過増殖性障害」の節、実施例、11、15および18ならびに本明細書中の他の
場所に記載される。簡略に言えば、この使用は、アルツハイマー病、パーキンソ
ン病、ハンチントン病、ツレット症候群、髄膜炎、脳炎、脱髄疾患、末梢神経障
害、新形成、外傷、先天性異常、脊髄傷害、虚血および梗塞形成、動脈瘤、出血
、精神分裂病、躁病、痴呆、偏執症、強迫性障害、鬱病、恐慌性障害、学習障害
、ALS、精神病、自閉、および行動変化(栄養補給、睡眠パターン、平衡、お
よび知覚の障害を含む)の検出、処置および/または予防を含むが、これらに限
定されない。さらに、脳の領域におけるこの遺伝子産物の発現の上昇は、これが
正常な神経機能において役割を果たすことを示す。
【0098】 可能性として、この遺伝子産物は、シナプス形成、神経伝達、学習、認識、恒
常性、あるいはニューロンの分化または生存に関与する。あるいは、この遺伝子
の結腸における発現は、結腸癌のような結腸障害、クローン病、潰瘍、および消
化管一般の障害の検出、予防および/または処置における役割を示し得る。さら
に、このタンパク質はまた、栄養補給物としてのその使用に加えて、生物学的活
性を測定するため、抗体を惹起するため、組織マーカーとして、同族リガンドま
たはレセプターを単離するため、それらの相互作用を調整する薬剤を同定するた
めに用いられ得る。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に
挙げた組織の腫瘍マーカーとしておよび/または免疫治療の標的として有用性を
示し得る。
【0099】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号21に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは、配列番号21の1〜1382の任意の整数であり、bは、15〜
1396の整数であり、ここでaおよびbの両方は、配列番号21に示されるヌ
クレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbは、a+14以上である)を含
む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
【0100】 (遺伝子番号12によりコードされるタンパク質の特徴) Reh細胞株に対して試験した場合、この遺伝子を含む細胞から得られた上清
は、GAS(γ活性化部位)経路を活性化した。従って、この遺伝子は、Jak
−STATシグナル伝達経路を介して、B細胞を活性化するようである。GAS
は、Jak−STAT経路に関与する多くの遺伝子の上流に見出されるプロモー
ターエレメントである。このJak−STAT経路は、細胞の分化および増殖に
関与する大きなシグナル伝達経路である。従って、Jak−STAT経路の活性
化(GASエレメントの結合により反映される)は、細胞の増殖および分化に関
与するタンパク質を示すために使用され得る。この遺伝子は第7染色体に位置し
、従って、これは第7染色体についての連鎖解析におけるマーカーとして使用さ
れる。
【0101】 この遺伝子は、主に、脳において、そして発生中の胚において発現される。
【0102】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに神経学的障害、行動
障害、免疫障害、および発達障害を含むが、それらに限定されない疾患および状
態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらの
ポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的
プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に、神経系および発生系
の多くの障害に関連して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、このような障害
を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高い
かまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、この障害を有する個体から採取され
た特定の組織もしくは細胞型(例えば、神経組織、発生組織、免疫組織、または
癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、羊水、血清、血漿、尿
、滑液および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプルにおいて、慣用的に
検出され得る。
【0103】 本発明の好ましいポリペプチドとしては、配列番号114中で残基:Lys−
60〜Asn−67として示される免疫原性エピトープが挙げられる。これらの
ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0104】 脳における組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペ
プチドが、神経変性疾患状態、行動障害、または炎症状態の検出、処置および/
または予防に有用であることを示す。代表的な使用は、以下の「再生」および「
過増殖性障害」の節、実施例11、15および18、ならびに本明細書中の他の
場所に記載される。簡略に言えば、この用途は、アルツハイマー病、パーキンソ
ン病、ハンチントン病、ツレット症候群、髄膜炎、脳炎、脱髄疾患、末梢神経障
害、新形成、外傷、先天性異常、脊髄傷害、虚血および梗塞形成、動脈瘤、出血
、精神分裂病、躁病、痴呆、偏執症、強迫性障害、鬱病、恐慌性障害、学習障害
、ALS、精神病、自閉、および行動変化(栄養補給、睡眠パターン、平衡、お
よび知覚の障害を含む)の検出、処置および/または予防を含むが、これらに限
定されない。さらに、発生中の胚における組織分布は、この遺伝子または遺伝子
産物がまた、発生中の胚と関連する発達障害、伴性障害または心血管系の処置お
よび/または検出において役割を果たし得ることを示す。あるいは、B細胞にお
ける生物学的活性は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチ
ドが、種々の免疫系の障害の診断および処置のために有用であることを示す。B
細胞における遺伝子の活性化は、潜在的に全ての造血細胞系列(血液幹細胞を含
む)の増殖;生存;分化;および/または活性化の調節におけるこのタンパク質
の役割を示す。この遺伝子産物は、サイトカイン産生、抗原提示、または(例え
ば、免疫応答をブーストすることによる)癌の処置における有用性もまた示唆し
得る他のプロセスの調節に関与する。
【0105】 この遺伝子は、リンパ様起源の細胞において発現することから、この天然の遺
伝子産物は、免疫応答に関与する。従って、これはまた、関節炎、喘息、AID
Sのような免疫不全疾患、白血病、慢性関節リウマチ、炎症性腸疾患、敗血症、
挫瘡、および乾癬を含む、免疫障害のための試薬として使用される。さらに、こ
のタンパク質はまた、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起するために、
組織マーカーとして、同族のリガンドまたはレセプターを単離するために、それ
らの相互作用を調節する薬剤を同定するために、栄養補給剤としてのその使用に
加えて、使用され得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、
上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的とし
ての有用性を示し得る。
【0106】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号22に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号22の1〜1055の任意の整数であり、bは15〜10
69の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号22に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0107】 (遺伝子番号13によってコードされるタンパク質の特徴) この開示されたcDNAをコードする遺伝子は、第6染色体に存在すると考え
られる。従って、本発明に関連するポリヌクレオチドは、第6染色体の連鎖分析
におけるマーカーとして有用である。
【0108】 別の実施態様において、推定シグナルペプチドの上流のオープンリーディング
フレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、本発明により意図される。詳細
には、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0109】
【化4】 (配列番号209)。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもま
た、提供される。
【0110】 特定の実施態様において、本発明は、以下のアミノ酸配列を含む:
【0111】
【化5】 (配列番号211)。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもま
た、提供される。本発明のポリヌクレオチドは、GeneSeq登録番号X04
377(これは、本明細書中において参考として援用される)として示される核
酸配列からならない。
【0112】 この遺伝子は、主に、脳において発現される。
【0113】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに行動障害および神経
学的障害を含むが、それらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬と
して有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗
体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提供に有用で
ある。上記組織または細胞、特に、中枢神経系の多くの障害に関連して、標準の
遺伝子発現レベル(すなわち、このような障害を有さない個体由来の健常組織ま
たは体液中の発現レベル)に対して有意に高いかまたは低いレベルのこの遺伝子
の発現が、その障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例
えば、神経組織、または癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ
、血清、血漿、尿、滑液および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプルに
おいて、慣用的に検出され得る。
【0114】 本発明の好ましいポリペプチドとしては、配列番号115中で残基:Pro−
2〜Gly−7、Ser−10〜Ser−16、Pro−52〜Val−62、
Arg−64〜Ser−73として示される免疫原性エピトープが挙げられる。
これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0115】 脳における組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペ
プチドが、神経変性疾患状態、行動障害、または炎症状態の検出、処置および/
または予防に有用であることを示す。代表的な使用は、以下の「再生」および「
過増殖性障害」の節、実施例11、15および18、ならびに本明細書中の他の
場所に記載される。簡略に言えば、この用途は、アルツハイマー病、パーキンソ
ン病、ハンチントン病、ツレット症候群、髄膜炎、脳炎、脱髄疾患、末梢神経障
害、新形成、外傷、先天性異常、脊髄傷害、虚血および梗塞形成、動脈瘤、出血
、精神分裂病、躁病、痴呆、偏執症、強迫性障害、鬱病、恐慌性障害、学習障害
、ALS、精神病、自閉、および行動変化(栄養補給、睡眠パターン、平衡、お
よび知覚の障害を含む)の検出、処置および/または予防を含むが、これらに限
定されない。さらに、脳の領域におけるこの遺伝子産物の上昇した発現は、これ
が、正常な神経機能において役割を果たすことを示す。
【0116】 潜在的に、この遺伝子産物は、シナプス形成、神経伝達、学習、認識、恒常性
、あるいはニューロンの分化または生存に関与する。さらに、このタンパク質は
また、栄養補給剤としての用途に加えて、生物学的活性を決定するために、抗体
を惹起するために、組織マーカーとして、同族のリガンドまたはレセプターを単
離するために、それらの相互作用を調節する薬剤を同定するために使用され得る
。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙げられた組織に
対する腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的として有用性を示し得る。
【0117】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号23に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号23の1〜1644の任意の整数であり、bは15〜16
58の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号23に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0118】 (遺伝子番号14によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子の翻訳産物は、タンパク質代謝において重要であると考えられてい
るリソソームマンノシダーゼα―Bタンパク質(Genbank登録番号P34
098を参照のこと)と相同性を有することが示された。この遺伝子の1つの実
施態様は、以下のアミノ酸配列のポリペプチドを含む:
【0119】
【化6】 (配列番号213)。さらなる実施態様は、これらのポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチドである。この遺伝子は、第19染色体上に存在すると考えられ
る。従って、本発明に関するポリヌクレオチドは、第19染色体についての連鎖
解析のマーカーとして有用である。
【0120】 この遺伝子は、主に、脳、胎盤、胎児肝臓において、そしてより少ない程度に
おいて、ほとんどの組織において発現される。
【0121】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに神経学的障害、生殖
障害、および肝障害を含むが、それらに限定されない疾患および状態の診断のた
めの試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチド
に対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提
供に有用である。上記組織または細胞、特に、神経系の多くの障害に関連して、
標準の遺伝子発現レベル(すなわち、このような障害を有さない個体由来の健常
組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いかまたは低いレベルのこの
遺伝子の発現が、その障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞
型(例えば、神経組織、肝組織または癌性組織および創傷組織)または体液(例
えば、胆汁、羊水、血清、血漿、尿、滑液および髄液)、または別の組織もしく
は細胞サンプルにおいて、慣用的に検出され得る。
【0122】 本発明の好ましいポリペプチドとしては、配列番号116中で残基:Asn−
34〜Lys−42、Leu−60〜Trp−70として示される免疫原性エピ
トープが挙げられる。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもま
た提供される。
【0123】 脳における優先的な組織分布は、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチ
ントン病、精神分裂病、躁病、痴呆、偏執症、強迫性障害、および恐慌性障害の
ような神経変性疾患状態および行動障害の検出/処置における役割を示す。ある
いは、肝臓における組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよび
ポリペプチドが、肝障害および癌(例えば、胚芽細胞腫、黄疸、肝炎、肝細胞前
駆体細胞の分化に帰因し得る肝臓の代謝疾患および障害の検出および処置に有用
である。さらに、胎児における発現は、発達異常、胎児欠損、出生前障害ならび
に種々の創傷治癒モデルおよび/または組織外傷における、このタンパク質産物
の有用な役割を示唆する。
【0124】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号24に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号24の1〜1063の任意の整数であり、bは15〜10
77の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号24に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0125】 (遺伝子番号15によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、主に、脊髄、メルケル細胞、および脂肪組織において発現され
る。
【0126】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに神経系および免疫系
の障害、特に、CNSに関連する脂質代謝障害に関連する障害を含むが、それら
に限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、
ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の
示差的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞
、特に、神経系および免疫系および脂肪組織の多くの障害に関連して、標準の遺
伝子発現レベル(すなわち、このような障害を有さない個体由来の健常組織また
は体液中の発現レベル)に対して有意に高いかまたは低いレベルのこの遺伝子の
発現が、その障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例え
ば、神経組織、免疫組織または癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、
リンパ、血清、血漿、尿、滑液および髄液)、または別の組織もしくは細胞サン
プルにおいて、慣用的に検出され得る。
【0127】 脊髄、メルケル細胞および脂肪組織における組織分布は、この遺伝子に対応す
るポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、神経系の疾患(例えば、脊髄損傷、
神経変性疾患、筋ジストロフィーまたは肥満)の検出および/または診断に有用
である。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙された
組織についての組織マーカーおよび/または免疫療法の標的として有用性を示し
得る。
【0128】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号25に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号25の1〜1191の任意の整数であり、bは15〜12
05の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号25に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0129】 (遺伝子番号16によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子の翻訳産物は、エネルギー代謝、肥満、および高インスリン血症の
素因において重要と考えられているヒト脱共役タンパク質−2(Geneban
k登録番号gi|1857278を参照のこと)と配列相同性を共有する。最近
、この遺伝子について別のグループが公開し、それを脳ミトコンドリアキャリア
タンパク質−1(BCMP1)と名付けた(J Biol Chem 1998
Dec.18;273(51):34611−5)。この遺伝子の1つの実施
態様は、以下のアミノ酸配列のポリペプチドを含む:PTDVLKIRMQAQ
(配列番号214)および/またはTYEQLKR(配列番号215)。さらな
る実施態様は、これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドである。こ
の遺伝子は、第X染色体に位置する。従って、この遺伝子は、第X染色体の連鎖
解析のためのマーカーとして使用される。
【0130】 この遺伝子は、主に、躁鬱病の脳組織、てんかんの前頭皮質、ヒト赤白血病細
胞株、Tヘルパー細胞において、そしてより少ない程度で、内皮細胞および扁桃
細胞において発現する。
【0131】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに中枢神経系の障害ま
たは造血/免疫の障害を含むが、それらに限定されない疾患および状態の診断の
ための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチ
ドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの
提供に有用である。上記組織または細胞、特に、中枢神経系または造血/免疫系
の多くの障害に関連して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、このような障害
を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高い
かまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、その障害を有する個体から採取され
た特定の組織もしくは細胞型(例えば、神経組織、血液リンパ系組織、または癌
性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液お
よび髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプルにおいて、慣用的に検出され
得る。
【0132】 本発明の好ましいポリペプチドとしては、配列番号118中で残基:Ser−
34〜Thr−39、Gln−198〜Leu−205として示される免疫原性
エピトープが挙げられる。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
もまた提供される。
【0133】 ヒト脱共役タンパク質に対する相同性と組合せた、神経組織における組織分布
は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、神経変性疾
患状態および行動障害(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチン
トン病、ツレット症候群、精神分裂病、躁病、痴呆、偏執症、強迫性障害、恐慌
性障害、学習障害、ALS、精神病、自閉、および行動変化(栄養補給、睡眠パ
ターン、平衡、および知覚の障害を含む))の検出および/または処置に有用で
あることを示す。さらに、この遺伝子または遺伝子産物はまた、発生中の胚と関
連する発達障害、伴性障害または心血管系の処置および/または検出において役
割を果たし得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に
列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的としての有
用性を示し得る。
【0134】 あるいは、脱共役タンパク質に対する相同性を考慮すると、この遺伝子および
/またはその翻訳産物はまた、熱発生障害(例えば、肥満、悪液質、および高イ
ンスリン血症)の診断、処置、および/または予防に使用され得る。脱共役タン
パク質は、電子伝達鎖による燃料の酸化から生成されたプロトン勾配を消散し、
それにより貯蔵されたエネルギーを熱として放出する。熱発生の機能不全は、肥
満および悪液質のような障害を誘導し得る。肥満は、ヒトにおける熱発生の減少
から生じると考えられている。あるいは、悪液質は、エネルギー消費が食料取り
込みを超える、例えば、神経性食欲不振における、代謝状態である。 脱共役タンパク質は、異常な代謝経路および熱発生経路と関与する疾患および/
または障害の、処置および/または予防に有用である。以下の方法は、本発明の
ポリペプチド(全長タンパク質のフラグメントおよび改変体を含む)の呼吸脱共
役活性の決定を提供する。
【0135】 簡略には、酵母を、Bouillaudら、EMBO.J.13:1990(
1994)(本明細書中で全体が参考として援用される)により以前記載された
ように、本発明のポリペプチドを発現する発現ベクターでトランスフェクトする
。形質転換した酵母の液体培地中での増殖速度を、ガラクトース(発現を誘導す
る)の存在下で、国際公開第WO 98/31396号(本明細書中で全体が参
考として援用される)に記載のように測定する。その世代時間を、本発明のポリ
ペプチドと適切なコントロールとの間で比較する。呼吸の脱共役に関連する膜電
位のインビボでの減少を、潜在的感受性プローブであるDiOC6(3)(3,
3’−ジへキシルオキサカルボシアニンヨウ素、Molecular Prob
es、Eugene、OR)で標識した酵母のフローサイトメトリーにより分析
する。本発明のポリペプチドがミトコンドリア活性に影響し、そして呼吸を脱共
役する能力を、これにより決定する。
【0136】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号26に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号26の1〜1660の任意の整数であり、bは15〜16
74の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号26に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0137】 (遺伝子番号17によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子の翻訳産物は、卵受精において重要であることが公知である55k
D脱グリコシル化透明帯タンパク質(Genebank登録番号R39356を
参照のこと)と配列相同性を共有する。本発明の好ましいポリペプチドは、以下
のアミノ酸配列を含む:
【0138】
【化7】 (配列番号218)。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもま
た提供される。
【0139】 本発明の好ましいポリペプチドフラグメントは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0140】
【化8】 (配列番号219)。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもま
た提供される。
【0141】 本発明の好ましいポリペプチド改変体は、以下のアミノ酸配列を含む:
【0142】
【化9】 (配列番号223)。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもま
た提供される。
【0143】 U937細胞株に対して試験した場合、この遺伝子を含む細胞から得られた上
清は、GAS(γ活性化配列)プロモーターエレメントを活性化した。従って、
この遺伝子は、骨髄性細胞を、そしてより少ない程度で、他の免疫細胞および造
血細胞ならびにJAK−STATシグナル伝達経路を活性化するようである。G
ASは、Jak−STAT経路に関与する多くの遺伝子の上流に見出されるプロ
モーターエレメントである。このJak−STAT経路は、細胞の分化および増
殖に関与する大きなシグナル伝達経路である。従って、Jak−STAT経路の
活性化(GASエレメントの結合により反映される)は、細胞の増殖および分化
に関与するタンパク質を示すために使用され得る。
【0144】 この遺伝子は、主に、成人の腎臓、結腸腺癌、および胎児脳において、そして
より少ない程度で、多くの組織における普遍的発現おいて発現される。
【0145】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに腎臓の障害、結腸癌
、および中枢神経系の障害を含むが、それらに限定されない疾患および状態の診
断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペ
プチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プロー
ブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に、腎臓および神経系の障害、
ならびに癌に関連して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、このような障害を
有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いか
または低いレベルのこの遺伝子の発現が、その障害を有する個体から採取された
特定の組織もしくは細胞型(例えば、腎臓組織、神経組織、尿生殖器組織または
癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液
および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプルにおいて、慣用的に検出さ
れ得る。
【0146】 本発明の好ましいポリペプチドとしては、配列番号119中で残基:Cys−
15〜Gly−36として示される免疫原性エピトープが挙げられる。このポリ
ペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0147】 成人腎臓、結腸腺癌、および胎児脳における組織分布は、この遺伝子に対応す
るポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、腎臓疾患、結腸癌、および中枢神経
系の障害の診断および処置のために有用であることを示唆する。さらに、透明帯
タンパク質に対する相同性は、この遺伝子産物が、男性避妊薬の開発および不妊
症診断などに使用されることを示す。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対
する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治
療の標的としての有用性を示し得る。
【0148】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号27に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号27の1〜1951の任意の整数であり、bは15〜19
65の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号27に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0149】 (遺伝子番号18によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子の翻訳産物は、ニワトリトランスフェリンレセプター、さらにヒト
前立腺特異的タンパク質ホモログ(それぞれ、Genebank登録番号pir
|JH0570|JH0570および同gi|2565338(AF02638
0)を参照のこと)に対する配列相同性を共有する。この遺伝子はまた、マウス
およびラット両方の造血系列スイッチ(switch)2タンパク質(それぞれ
、Genbank登録番号g3169729および同g3851632を参照の
こと)(このタンパク質は、赤血球系列から骨髄性系列へのスイッチの間に誘導
される)と有意な相同性を共有する。
【0150】 本発明の好ましいポリペプチドフラグメントは、以下のアミノ酸配列を含む:
MTVMDPKQMNVAAAVWAVVSYVVADMEEML PRS(配
列番号224)。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提
供される。
【0151】 この遺伝子は主に、胎児組織(例えば、肝臓/脾臓および脳)において発現さ
れる。
【0152】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに出生前の障害、異常
、欠損を含むが、それらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬とし
て有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体
は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提供に有用であ
る。上記組織または細胞、特に、発達中の胎児の多くの障害に関連して、標準の
遺伝子発現レベル(すなわち、このような障害を有さない個体由来の健常組織ま
たは体液中の発現レベル)に対して有意に高いかまたは低いレベルのこの遺伝子
の発現が、その障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例
えば、発生組織、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、羊水、血清、
血漿、尿、滑液および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプルにおいて、
慣用的に検出され得る。
【0153】 本発明の好ましいポリペプチドとしては、配列番号120中で残基:Arg−
31〜Lys−37、Lys−58〜Glu−65、Asp−157〜Gly−
168、Ile−219〜Gly−225、Ala−260〜Ser−268、
Thr−276〜Glu−282として示される免疫原性エピトープが挙げられ
る。このポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0154】 この組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチド
が、出生前の障害、異常、欠損の診断および処置のために有用であることを示す
。 造血系列スイッチ2タンパク質に対する相同性は、この遺伝子の翻訳産物が、免
疫系障害の検出および/または処置に有用であることを示す。さらに、トランス
フェリンレセプターに対する相同性は、本発明の翻訳産物は、生理学的鉄レベル
のストリンジェントな条件下での鉄代謝および多数の遺伝子の調節における有用
性を有し得ることを示す。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は
、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的と
しての有用性を示し得る。
【0155】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号28に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号28の1〜1849の任意の整数であり、bは15〜18
63の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号28に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0156】 (遺伝子番号19によってコードされるタンパク質の特徴) 別の実施態様において、推定シグナルペプチドの上流のオープンリーディング
フレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、本発明により意図される。詳細
には、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0157】
【化10】 (配列番号225)。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもま
た提供される。
【0158】 この遺伝子のポリペプチドは、この遺伝子について表1において示されるアミ
ノ酸配列のアミノ酸約72〜88位に膜貫通ドメインを有することが決定された
。さらに、このタンパク質のアミノ酸89〜167を包含する細胞質テールもま
た決定された。これらの特徴に基いて、この遺伝子のタンパク質は、Ia型膜タ
ンパク質に対して構造的特徴を共有すると考えられる。
【0159】 本発明の好ましいポリペプチド改変体は、以下のアミノ酸配列を含む:
【0160】
【化11】 (配列番号226)。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもま
た提供される。
【0161】 この遺伝子は、主に、脳組織において、そしてより少ない程度で、他の細胞型
および組織において発現される。
【0162】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに脳および神経系の
発生疾患および神経変性性疾患(例えば、うつ病、精神分裂病、アルツハイマー
病、パーキンソン病、ハンチントン病、躁病、痴呆、偏執症、依存性行動、睡眠
障害、てんかん、伝播性海綿状脳障害(TSE)、クロイツフェルトヤコブ病(
CJD))を含むがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬と
して有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗
体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提供に有用で
ある。上記組織または細胞、特に脳の多くの障害に関連して、標準の遺伝子発現
レベル(すなわち、この障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現
レベル)に対して有意により高いまたはより低いレベルのこの遺伝子の発現が、
障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、神経組織
、発生組織、または癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、羊水、リン
パ、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプ
ル中で、慣用的に検出される。
【0163】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号121で残基:Gln−110〜
Pro−120、Val−152〜Val−159として示される免疫原性エピ
トープを含む。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供
される。
【0164】 乳児脳組織におけるこの組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチド
およびポリペプチドが、脳および神経系の発生状態、変性状態および行動状態の
処置および/または診断に有用であることを示す。代表的な用途は、以下の「再
生」および「過剰増殖性障害」の章、実施例11、15、および18中、ならび
に本明細書中の他の箇所に記載される。手短には、この用途としては、精神分裂
病、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、ツレット症候群、伝
播性海綿状脳障害(TSE)、クロイツフェルトヤコブ病(CJD)、躁病、う
つ病、痴呆、偏執症、依存性行動、強迫性障害および睡眠障害の検出、処置およ
び/または予防が挙げられるがこれらに限定されない。さらに、このタンパク質
はまた、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起するために、組織マーカー
として、同族のリガンドまたはレセプターを単離するために、それらの相互作用
を調節する薬剤を同定するために、栄養補給剤としてのその使用に加えて、使用
され得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙し
た組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫療法の標的としての有用性を
示し得る。
【0165】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号29に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号29の1〜1612の任意の整数であり、bは15〜162
6の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号29に示されるヌクレオチ
ド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上
のポリヌクレオチドが除外される。
【0166】 (遺伝子番号20によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子の翻訳産物は、ミヨシミオパシー、肢帯筋ジストロフィーにおいて
変異される骨格筋遺伝子であると考えられる、近年公表された遺伝子Dysfe
rlin(Genebank登録番号g3600028およびNat.Gene
t.20(1)、31〜36(1998)を参照のこと)と配列相同性を共有す
る。
【0167】 この遺伝子は、主に胎児の肝臓、胎児の心組織およびT細胞において発現され
る。
【0168】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに免疫不全、腫瘍壊
死、リンパ腫、自己免疫、癌、炎症、貧血(白血病)および肝臓の障害、血管障
害ならびに癌(例えば、胚芽細胞腫、肝炎、肝代謝性疾患、および肝細胞前駆細
胞の分化による状態)を含むがそれらに限定されない疾患および状態の診断のた
めの試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチド
に対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提
供に有用である。上記組織または細胞、特に肝臓および免疫系の多くの障害に関
連して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、この障害を有さない個体由来の健
常組織または体液中の発現レベル)に対して有意により高いまたはより低いレベ
ルのこの遺伝子の発現が、障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは
細胞型(例えば、肝組織、発生組織、血管組織、または癌性組織および創傷組織
)または体液(例えば、羊水、胆汁、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、および髄
液)、または別の組織もしくは細胞サンプル中で、慣用的に検出される。
【0169】 組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、
以下を含む免疫障害の診断および処置に有用であることを示す:白血病、リンパ
腫、自己免疫、免疫不全(例えば、AIDS)、免疫抑制状態(移植)および造
血障害。さらに、この遺伝子産物は、一般的微生物感染、炎症または癌の状態に
適用可能である。肝臓での発現は、肝臓障害および癌(例えば、胚芽細胞腫、黄
疸、肝炎、肝代謝性疾患および肝細胞前駆細胞の分化による状態)の処置および
検出におけるこの遺伝子産物の役割を示唆し得る。あるいは、胎児心臓組織にお
けるこの組織分布は、この遺伝子のタンパク質産物が心血管系の状態および病理
症状(例えば、心疾患、再狭窄、アテローム性動脈硬化症、発作、狭心症(アン
ギナ)、血栓症、および創傷治癒)の診断および処置に有用であることを示す。
タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙げられた組織に対
する腫瘍マーカーおよび/または免疫療法の標的として有用性を示し得る。さら
に、ディスフェリン(dysferlin)遺伝子に対する相同性は、この遺伝
子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、神経変性のない筋肉の衰
弱および萎縮により特徴付けられる変性性ミオパシー(例えば、デュシェーヌジ
ストロフィーおよびベッカー型筋ジストロフィー)に関する疾患に有用であるこ
とを示す。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙し
た組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫療法の標的としての有用性を
示し得る。
【0170】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号30に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号30の1〜591の任意の整数であり、bは15〜605の
整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号30に示されるヌクレオチド残
基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポ
リヌクレオチドが除外される。
【0171】 (遺伝子番号21によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、主に造血細胞および腫瘍細胞(例えば、膵臓腫瘍組織)で発現
され、そしてより少ない程度に膀胱細胞で発現される。
【0172】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに造血障害、腎臓系
および膵臓系の疾患、および癌を含むがそれらに限定されない疾患および状態の
診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリ
ペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プロ
ーブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に造血系、膵臓系、および腎
臓系の多くの障害に関連して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、この障害を
有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意により高
いまたはより低いレベルのこの遺伝子の発現が、障害を有する個体から採取され
た特定の組織もしくは細胞型(例えば、膵臓組織、腎臓組織、癌性組織および創
傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、
または別の組織もしくは細胞サンプル中で、慣用的に検出される。
【0173】 組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、
腎臓系、膵臓系、および造血系の障害、ならびにそれらの癌の処置および/また
は診断に有用であることを示す。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する
抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫療法の
標的としての有用性を示し得る。
【0174】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号31に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号31の1〜917の任意の整数であり、bは15〜931の
整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号31に示されるヌクレオチド残
基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポ
リヌクレオチドが除外される。
【0175】 (遺伝子番号22によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、主に肝臓組織、癌細胞、および胎児の肺組織において発現され
、そしてより少ない程度で樹状細胞において発現される。
【0176】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに代謝障害および発
生系の疾患および癌を含むがそれらに限定されない疾患および状態の診断のため
の試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに
対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提供
に有用である。上記組織または細胞、特に胎児、代謝系、および癌の多くの障害
に関連して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、この障害を有さない個体由来
の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意により高いまたはより低い
レベルのこの遺伝子の発現が、障害を有する個体から採取された特定の組織もし
くは細胞型(例えば、発生組織、代謝組織、癌性組織および創傷組織)または体
液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液および髄液)、または別の組織もし
くは細胞サンプル中で、慣用的に検出される。
【0177】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号124において、残基:His−
44〜Gly−49として示される免疫原性エピトープを含む。これらのポリペ
プチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0178】 この組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチド
が、胎児の障害、代謝系の障害および癌の処置および/または診断に有用である
ことを示す。この組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポ
リペプチドが、肝障害および肝癌(例えば、胚芽細胞腫、黄疸、肝炎、肝代謝性
疾患、および肝細胞前駆細胞の分化による状態)の検出および処置に有用である
ことを示す。さらに、胎児における発現は、発生異常、胎児欠損、出生前障害お
よび種々の創傷治癒モデルならびに/または組織外傷におけるこのタンパク質産
物の有用な役割を示唆する。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体
は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫療法の標的
としての有用性を示し得る。
【0179】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号32に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号32の1〜1393の任意の整数であり、bは15〜140
7の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号32に示されるヌクレオチ
ド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上
のポリヌクレオチドが除外される。
【0180】 (遺伝子番号23によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、主に、中枢神経系組織および癌(例えば、子宮内膜腫瘍)、お
よびより少ない程度でタンパク質の組織および器官において発現される。
【0181】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびにCNSおよび癌の
障害を含むが、これに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有
用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、
組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。
上記組織または細胞、特に中枢神経系および癌性組織の多くの障害に関して、標
準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体
液中の発現レベル)に対して有意により高いまたはより低いレベルのこの遺伝子
の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞
型(例えば、神経組織、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ
、血清、血漿、尿、滑液、または脳脊髄液)または別の組織もしくは細胞サンプ
ルの中で、慣用的に検出される。
【0182】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号125中で残基:Tyr−16〜
Ser−22、Asp−209〜Leu−215として示される免疫原性エピト
ープを含む。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供さ
れる。
【0183】 中枢神経組織における組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドお
よびポリペプチドが、中枢神経系の疾患ならびにこの遺伝子の発現が観察された
組織の癌(例えば、子宮内膜腫瘍)の処置および/または診断に有用であること
を示す。中枢神経系組織におけるこの組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌ
クレオチドおよびポリペプチドが、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンテ
ィングトン病、ツレット症候群、精神分裂病、躁病、痴呆、偏執症、強迫性障害
、恐慌性障害、学習障害、ALS、精神病、自閉、および行動変化(栄養補給、
睡眠パターン、平衡、および知覚の障害を含む)のような神経変性性疾患状態お
よび行為障害の検出/処置に有用であることを示す。さらに、この遺伝子または
遺伝子産物はまた、発生中の胚または性関連障害に関連する発生障害の処置およ
び/または検出に役割を果たし得る。タンパク質ならびにそのタンパク質に対す
る抗体は、上記に列挙した組織に対する腫瘍マーカーおよび/または免疫療法標
的としての有用性を示し得る。
【0184】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号33に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号33の1〜1512の任意の整数であり、bは15〜15
26の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号33に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0185】 (遺伝子番号24によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子の翻訳産物は、アテローム性動脈硬化症および他の障害の病因に重
要であると考えられる、低密度リポタンパク質レセプター(Genbank登録
番号>dbj|BAA24580.1を参照のこと)と配列相同性を共有する。
【0186】 この遺伝子の翻訳産物はまた、ヒトCD94のラット相同体(Genbank
登録番号 gb|AAC10220.1を参照のこと)と配列相同性を共有する
【0187】 この遺伝子は、主に、マクロファージ、好酸球、好中球ならびに造血系および
免疫系の他の細胞において発現される。
【0188】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに免疫系および造血
系の障害ならびに内皮系および血管系の疾患を含むがそれらに限定されない疾患
および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよび
これらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための
免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に免疫系、造血
系および血管系の多くの障害に関連して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、
障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に
より高いまたはより低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する
個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織、癌性組織お
よび創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、および髄
液)、または別の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的に検出される。
【0189】 本発明の好ましいポリぺプチドは、配列番号126において以下の残基として
示される免疫原性エピトープを含む:Lys−9〜Ala−17、Met−55
〜Leu−61、Tyr−105〜Cys−127、Asp−132〜Lys−
141、Ser−165〜Tyr−172、Pro−178〜Met−186、
His−222〜Gln−227。これらのポリぺプチドをコードするポリヌク
レオチドもまた提供される。
【0190】 LDLレセプターおよびラットCD94相同体に対するこの組織分布および相
同性は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、免疫系
、造血系および血管系の障害の処置および/または診断に有用であることを示す
。この組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチド
が、造血系障害の診断および/または処置に有用であることを示す。この遺伝子
産物は、主に造血細胞および組織において発現される。このことは、この遺伝子
産物が、造血系統の生存、増殖および/または分化において役割を果たすことを
示唆する。好酸球およびマクロファージにおけるこの遺伝子産物の発現はまた、
免疫機能および免疫監視機構におけるこのタンパク質の役割を強力に示す。タン
パク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙げられた組織に対する
腫瘍マーカーおよび/または免疫療法の標的として有用性を示し得る。
【0191】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号34に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号34の1〜1723の任意の整数であり、bは15〜173
7の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号34に示されるヌクレオチ
ド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上
のポリヌクレオチドが除外される。
【0192】 (遺伝子番号25によってコードされるタンパク質の特徴) 本発明の好ましいポリペプチドフラグメントは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0193】
【化12】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0194】 U937細胞株に対して試験した場合、この遺伝子を含む細胞から取り出され
た上清は、GAS(γ活性化配列)プロモーターエレメントを活性化した。従っ
て、この遺伝子は、JAK−STATシグナル伝達経路を介して、骨髄性細胞お
よびより少ない程度で他の免疫細胞および造血細胞ならびに組織細胞型を活性化
するようである。GASは、Jak−STAT経路に関与する多くの遺伝子の上
流に見出されるプロモーターエレメントである。このJak−STAT経路は、
細胞の分化および増殖に関与する大きなシグナル伝達経路である。従って、Ja
k−STAT経路の活性化(GASエレメントの結合により反映される)は、細
胞の増殖および分化に関与するタンパク質を示すために使用され得る。
【0195】 この遺伝子は、主に乳児脳および胎盤の組織において、そしてより低い程度に
、癌を含むいくつかの他の組織において、発現される。
【0196】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに脳障害および発生
系の疾患ならびに癌を含むがこれらに限定されない疾患および状態の診断のため
の試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに
対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提供
に有用である。上記組織または細胞、特に中枢神経系および胎児の系の多くの障
害に関連して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の
健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意により高いまたはより低いレ
ベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の
組織もしくは細胞型(例えば、神経組織、発生組織、癌性組織および創傷組織)
または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別
の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的に検出される。
【0197】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号127で残基:Leu−56〜T
hr−62、Gln−80〜Pro−87、Gly−106〜Gln−113、
Pro−122〜Lys−127、Gln−138〜Asn−146として示さ
れる免疫原性エピトープを含む。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレ
オチドもまた提供される。
【0198】 神経組織および発生組織における組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌク
レオチドおよびポリペプチドが、中枢神経系の障害、発生系の障害、および癌の
処置および/または診断のために有用であることを示す。乳児脳組織におけるこ
の組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、
神経変性疾患状態ならびに行動障害(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン
病、ハンチントン病、ツレット症候群、精神分裂病、躁病、痴呆、パラノイア、
強迫神経症、恐慌性障害、学習障害、ALS、精神病、自閉症および行動変化(
栄養補給、睡眠パターン、平衡、および知覚の障害を含む))の検出/処置に有
用であることを示す。さらに、この遺伝子または遺伝子産物はまた、発生中の胚
と関連する発生上の障害、または性関連障害の処置および/または検出において
役割を果たし得る。
【0199】 この組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチド
が胎盤の障害の診断および/または処置のために有用であることを示す。胎盤内
の特定の発現は、この遺伝子産物が胎盤機能の適切な確立および維持に役割を果
たし得ることを示す。あるいは、この遺伝子産物は胎盤により産生され、次いで
、胚に輸送される。ここで、この遺伝子産物は、発生する胚または胎児の発生お
よび/または生存に重要な役割を果たし得る。血管に富む組織(例えば、胎盤)
におけるこの遺伝子産物の発現はまた、この遺伝子産物が内皮細胞または循環内
でより一般に産生されることを示す。この場合、この遺伝子産物は、血管機能に
おいて(例えば、新脈管形成において)より一般化された役割を果たし得る。こ
の遺伝子産物はまた、血管系において産生され得、そして循環における他の細胞
、例えば造血細胞に効果を有する。この遺伝子産物は、造血細胞および体中の他
の細胞の増殖、生存、活性化および/または分化の促進に作用し得る。タンパク
質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙げられた組織に対する腫瘍
マーカーおよび/または免疫療法の標的として有用性を示し得る。
【0200】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号35に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号35の1〜2228の任意の整数であり、bは15〜22
42の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号35に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0201】 (遺伝子番号26によってコードされるタンパク質の特徴) 本発明の好ましいポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0202】
【化13】 このようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0203】 開示されたcDNAをコードする遺伝子は、第7染色体上に位置すると考えら
れる。従って、本発明に関するポリヌクレオチドは、第7染色体についての連鎖
解析におけるマーカーとして有用である。
【0204】 U937骨髄性細胞株に対して試験した場合、この遺伝子を含む細胞から取り
出された上清は、GASアッセイを活性化した。従って、この遺伝子は、Jak
−STATシグナル伝達経路を介して、骨髄性細胞を活性化するようである。γ
活性配列(GAS)は、Jak−STAT経路に関与する多くの遺伝子の上流に
見出されるプロモーターエレメントである。このJak−STAT経路は、細胞
の分化および増殖に関与する大きなシグナル伝達経路である。従って、Jak−
STAT経路の活性化(GASエレメントの結合により反映される)は、細胞の
増殖および分化に関与するタンパク質を示すために使用され得る。現在、別のグ
ループがこの遺伝子を公表し、これを、WSβトランスデューシン反復タンパク
質(Human Genetics 103(5)、590〜599(1988
)を参照のこと;これは本明細書において参考として援用されている)と名付け
ており、ここで、この遺伝子はウイリアムズ病(William’s病)と関係
するタンパク質であることが示唆されている。
【0205】 この遺伝子のポリペプチドは、この遺伝子について表1において参照されるア
ミノ酸配列の約アミノ酸12〜28位で膜貫通ドメインを有することが決定され
ている。これらの特徴に基いて、この遺伝子のタンパク質産物は、Ib型膜タン
パク質と構造的特徴を共有すると考えられる。
【0206】 別の実施態様において、予想されたシグナルペプチドの上流にオープンリーデ
ィングフレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドは、本発明によって意図され
る。特に、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0207】
【化14】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0208】 この遺伝子は、主に、精巣、滑膜肉腫および胎児組織において、そしてより低
い程度にいくつかの他の組織において、発現される。
【0209】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに生殖系および発生
系の障害および癌を含むがこれらに限定されない疾患および状態の診断のための
試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対
する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に
有用である。上記組織または細胞、特に生殖系および発生系の多くの障害に関し
て、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有していない個体由来の健常組
織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝
子の発現は、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細
胞型(例えば、生殖組織、精巣組織、ならびに癌性組織および創傷組織)または
体液(例えば、リンパ、血清、血漿、精液、尿、滑液および髄液)、または別の
組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的に検出される。
【0210】 精巣組織、滑膜肉腫および胎児組織におけるこの組織分布は、この遺伝子に対
応するポリヌクレオチドおよびポリぺプチドが、生殖系および発生系の障害、な
らびに癌の処置および/または診断に有用であることを示す。この組織分布は、
この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、適切な精巣機能
に関する状態(例えば、内分泌機能、精子成熟)および癌の処置および診断につ
いて有用であることを示す。従って、この遺伝子産物は、男性不妊症および/ま
たは不能症の処置に有用である。この遺伝子産物はまた、このような因子(アン
タゴニスト)が男性避妊薬として有用であるので、結合因子を同定するために設
計されるアッセイにおいて有用である。同様に、このタンパク質は、精巣癌の処
置および/または診断に有用であると考えられる。精巣はまた、身体の他の組織
において特に低レベルで発現される転写物の活性な遺伝子発現部位である。従っ
て、この遺伝子産物は、他の特定の組織または器官において発現され、ここで、
これは、他のプロセス(例えば、いくつかの標的指標の可能性を挙げると、造血
、炎症、骨形成、および腎機能)において、関連した機能的役割を果たし得る。
【0211】 さらに、この組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリ
ペプチドが、癌および他の増殖性障害の診断および処置に有用であることを示す
。増殖細胞により特徴付けられる胚組織および他の細胞性供給源における発現は
、このタンパク質が、細胞分裂の調節において役割を果たし得ることを示す。さ
らに、造血細胞および造血組織における発現はこのタンパク質が造血細胞系統の
増殖、分化および/または生存において役割を果たし得ることを示す。このよう
な事象において、この遺伝子は、リンパ増殖性障害の処置において、ならびに初
期造血幹細胞および方向付けられた前駆細胞由来の種々の造血系統の維持および
分化において有用である。同様に、胚発生はまた、パターン形成における細胞分
化および/またはアポトーシスを含む決定を含む。従って、このタンパク質はま
た、アポトーシスまたは組織分化に関与し得、そして癌治療においてもまた有用
であり得る。このタンパク質は、ウイリアムズ病の処置、検出および/または予
防に有用である。さらに、このタンパク質はまた、栄養補給剤としてのその使用
に加えて、生物学的活性を決定するため、抗体を惹起するため、組織マーカーと
して、同種のリガンドまたはレセプターを単離するために、それらの相互作用を
調節する薬剤を同定するために、使用され得る。タンパク質ならびにこのタンパ
ク質に対する抗体は、上記に挙げられた組織に対する腫瘍マーカーおよび/また
は免疫療法の標的として有用性を示し得る。
【0212】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号36に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号36の1〜2221の任意の整数であり、bは15〜22
35の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号36に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0213】 (遺伝子番号27によってコードされるタンパク質の特徴) 本発明の好ましいポリペプチドは、以下のアミノ酸配列の以下のアミノ酸位置
:1〜363、2〜363、4〜363、5〜363、30〜363、31〜3
63、32〜363、75〜363、76〜363および82〜363を含む:
【0214】
【化15】 このようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0215】 本発明の好ましいポリペプチド改変体は、以下のアミノ酸配列を含む:
【0216】
【化16】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0217】 この遺伝子は主に、卵巣腫瘍および子宮内膜腫瘍、胎児肝臓、脾臓ならびに脳
組織において発現され、そしてより低い程度にいくつかの他の組織および器官に
おいて発現される。
【0218】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに発生系の障害およ
び雌性生殖系の癌を含むがこれらに限定されない疾患および状態の診断のための
試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対
する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に
有用である。上記組織または細胞、特に発生系、雌性生殖系、および胎児系の多
くの障害に関して、標準遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を有していない
個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低い
レベルのこの遺伝子の発現は、このような障害を有する個体から採取された特定
の組織もしくは細胞型(例えば、生殖組織、発生組織、癌性組織および創傷組織
)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液および髄液)、または別
の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的に検出される。
【0219】 本発明の好ましいポリペプチドとしては、配列番号129において、残基:P
ro−44〜Lys−54、Cys−88〜His−95、Val−103〜T
yr−108、Gln−181〜Ser−190、Thr−192〜Ile−2
06、Glu−233〜Ser−245、Ser−252〜Ala−286とし
て示される免疫原性エピトープが挙げられる。これらのポリペプチドをコードす
るポリヌクレオチドもまた提供される。
【0220】 発生系におけるこの組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよ
びポリペプチドが、発生系および胎児系の障害ならびに癌の処置および/または
診断に有用であることを示す。さらに、卵巣および子宮内膜腫瘍組織における組
織分布は、この遺伝子の翻訳産物が雌性生殖系の癌の検出、診断および/または
処置のために有用であることを示す。従って、この遺伝子の翻訳産物の部分に特
異的に結合する抗体が好ましい。これらの腫瘍を検出するためのキットがまた提
供される。このようなキットは、1つの実施態様において、固相支持体に結合し
たこの遺伝子の翻訳産物に特異的な抗体を含む。個体においてこれらの腫瘍を検
出する方法もまた提供され、その方法は、この遺伝子の翻訳産物に特異的な抗体
を、その個体由来の体液(好ましくは、血清)に接触させる工程、および抗体が
その体液に見出される抗原に結合するか否かを確認する工程を包含する。好まし
くは、その抗体は、固相支持体に結合し、そしてその体液は、血清である。上記
の実施態様ならびに他の処置および診断試験(キットおよび方法)は、本明細書
中の他のところでより詳細に記載される。
【0221】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号37に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号37の1〜2957の任意の整数であり、bは15〜297
1の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号37に示されるヌクレオチ
ド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上
のポリヌクレオチドが除外される。
【0222】 (遺伝子番号28によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、主に、正常結腸組織および癌性結腸組織、マクロファージ、内
皮細胞および胎盤組織において発現され、より低い程度にいくつかの他の組織お
よび器官において発現される。
【0223】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに結腸癌および胃腸
障害、免疫障害、血管疾患、ならびに発生系の障害を含むがこれらに限定されな
い疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチド
およびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定の
ための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に免疫系
、血管系および発生系の多くの障害に関して、標準遺伝子発現レベル(すなわち
、その障害を有していない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対
して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現は、このような障害を有す
る個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織、胃腸組織
、発生組織、血管組織、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ
、血清、血漿、尿、滑液および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプルの
中で、慣用的に検出される。
【0224】 本発明の好ましいポリペプチドとしては、配列番号130において、残基:T
hr−27〜Ser−33として示される免疫原性エピトープが挙げられる。こ
れらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0225】 マクロファージ、内皮組織および胎盤組織、ならびに正常結腸組織および癌性
結腸組織におけるこの組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよ
びポリペプチドが、免疫、胃腸、および血管の障害および疾患の処置および/ま
たは診断に有用であることを示す。結腸組織におけるこの遺伝子産物の発現は、
食物の消化、プロセシング、および排泄に関与していること、ならびにこの遺伝
子の結腸癌および一般的な癌の発生における診断マーカーまたは原因因子として
の潜在的な役割を示す。従って、この遺伝子の翻訳産物の部分に特異的に結合す
る抗体が好ましい。結腸癌を検出するためのキットがまた提供される。このよう
なキットは、1つの実施態様において、固相支持体に結合したこの遺伝子の翻訳
産物に特異的な抗体を含む。個体において結腸癌を検出する方法もまた提供され
、その方法は、この遺伝子の翻訳産物に特異的な抗体を、その個体由来の体液(
好ましくは、血清)に接触させる工程、および抗体がその体液に見出される抗原
に結合するか否かを確認する工程を包含する。好ましくは、その抗体は、固相支
持体に結合し、そしてその体液は、血清である。上記の実施態様ならびに他の処
置および診断試験(キットおよび方法)は、本明細書中の他のところでより詳細
に記載される。あるいは、胎盤組織における組織分布は、この遺伝子に対応する
ポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、胎盤の障害の診断および/または処置
に有用であることを示す。胎盤における特異的発現は、この遺伝子産物が、胎盤
機能を適切に確立すること、および維持することにおいて役割を演じ得ることを
示す。あるいは、この遺伝子産物は、胎盤によって産生され、次いで、胚に輸送
され、そこで発生中の胚または胎児の発生および/または生存において重要な役
割を果たし得る。血管の豊富な組織(例えば、胎盤および内皮細胞)におけるこ
の遺伝子産物の発現はまた、この遺伝子産物が、内皮細胞において、または循環
内において、より一般的に産生されることを示す。このような場合、それは、血
管機能(例えば、血管新生)においてより一般化された役割を果たし得る。それ
は、血管においてもまた産生され得、循環内の他の細胞(例えば、造血細胞)に
対して効果を有し得る。それは、造血細胞ならびに身体じゅうの他の細胞の増殖
、生存、活性化、および/または分化を促進するように作用し得る。さらに、マ
クロファージにおけるこの遺伝子産物の発現はまた、このタンパク質の免疫機能
および免疫監視における役割を強力に示す。この遺伝子産物は、サイトカイン産
生、抗原提示、または癌の処置における有用性(例えば、免疫応答をブーストす
ることによって)をまた示唆し得る他のプロセスの調節に関与する。
【0226】 この遺伝子がリンパ球起源の細胞において発現されるので、その遺伝子または
タンパク質ならびにそのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織につい
ての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。従っ
て、それは、関節炎、喘息、免疫不全疾患(例えば、AIDS)、白血病、慢性
関節リウマチ、炎症性腸疾患、敗血症、座瘡、および乾癬を含む免疫学的障害の
ための薬剤としてもまた使用される。さらに、この遺伝子産物は、種々の血液系
統の幹細胞および方向付けられた前駆体細胞の拡大における、ならびに種々の細
胞型の分化および/または増殖における、商業的な有用性を有し得る。タンパク
質ならびにそのタンパク質に対する抗体は、上記の組織についての腫瘍マーカー
および/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。
【0227】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号38に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号38の1〜1149の任意の整数であり、bは15〜116
3の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号38に示されるヌクレオチ
ド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上
のポリヌクレオチドが除外される。
【0228】 (遺伝子番号29によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子の翻訳産物は、グルカン合成を指向させるHNKスルホトランスフ
ェラーゼ(GenBankアクセッション番号AF033827を参照のこと)
と相同性を共有する。
【0229】 この遺伝子は、主に、活性化T細胞、骨巨細胞腫、およびグリア芽細胞腫にお
いて、そしてより低い程度に種々の他の正常細胞型および形質転換細胞型におい
て発現される。
【0230】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに炎症、免疫不全、
癌を含むがこれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用
である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組
織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上
記組織または細胞、特に免疫系および造血系の多くの障害に関して、標準遺伝子
発現レベル(すなわち、その障害を有していない個体由来の健常組織または体液
中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現は、
このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば
、免疫組織、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血
漿、尿、滑液および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用
的に検出される。
【0231】 本発明の好ましいポリペプチドとしては、配列番号131において、残基:P
ro−32〜Gly−48、Gln−63〜Thr−69、Pro−77〜Tr
p−84、Val−88〜Leu−94として示される免疫原性エピトープが挙
げられる。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供され
る。
【0232】 T細胞および種々の型の新生物におけるこの組織分布は、この遺伝子に対応す
るポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、炎症および一般的な免疫不全ならび
に種々の型の新生物の検出、研究および/または処置に有用であることを示す。
T細胞におけるこの遺伝子産物の発現は、免疫機能および免疫監視におけるこの
タンパク質の役割を強力に示す。この遺伝子産物は、サイトカイン産生、抗原提
示、または癌の処置における有用性(例えば、免疫応答をブーストすることによ
って)をまた示唆し得る他のプロセスの調節に関与する。
【0233】 この遺伝子がリンパ球起源の細胞において発現されるので、その遺伝子または
タンパク質ならびにそのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織につい
ての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。従っ
て、それは、関節炎、喘息、免疫不全疾患(例えば、AIDS)、白血病、慢性
関節リウマチ、炎症性腸疾患、敗血症、座瘡、および乾癬を含む免疫学的障害の
ための薬剤としてもまた使用される。さらに、この遺伝子産物は、種々の血液系
統の幹細胞および方向付けられた前駆体細胞の拡大における、ならびに種々の細
胞型の分化および/または増殖における、商業的な有用性を有し得る。あるいは
、種々の癌性組織における組織分布は、この遺伝子の翻訳産物が、これらの癌な
らびに発現が観察されるその他の組織における癌の検出、診断、および/または
処置のために有用であることを示す。タンパク質ならびにそのタンパク質に対す
る抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療
標的としての有用性を示し得る。
【0234】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号39に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号39の1〜1918の任意の整数であり、bは15〜193
2の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号39に示されるヌクレオチ
ド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上
のポリヌクレオチドが除外される。
【0235】 (遺伝子番号30によってコードされるタンパク質の特徴) 本発明の好ましいポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0236】
【化17】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0237】 この遺伝子は、主に、胎児脳、精巣、および活性化T細胞において、そしてよ
り低い程度に種々の他の正常細胞型および形質転換細胞型において発現される。
【0238】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに神経学的状態、生
殖状態、および炎症状態を含むがこれらに限定されない疾患および状態の診断の
ための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチ
ドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの
提供に有用である。上記組織または細胞、特に神経系、免疫系および雄性生殖系
の多くの障害に関して、標準遺伝子発現レベル(すなわち、その障害を有してい
ない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは
低いレベルのこの遺伝子の発現は、このような障害を有する個体から採取された
特定の組織もしくは細胞型(例えば、神経組織、免疫組織、生殖組織、癌性組織
および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液および髄
液)、または別の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的に検出される。
【0239】 本発明の好ましいポリペプチドとしては、配列番号132において、残基:G
ly−41〜Leu−46、Asp−67〜Thr−75、Ile−114〜A
la−123として示される免疫原性エピトープが挙げられる。これらのポリペ
プチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0240】 胎児脳組織、精巣組織、および活性化T細胞におけるこの組織分布は、この遺
伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、神経学的障害、生殖系
障害、および免疫系障害の研究、診断、および/または処置に有用であることを
示す。T細胞におけるこの遺伝子産物の発現は、潜在的に全ての造血細胞系統(
血液幹細胞を含む)の増殖;生存;分化;および/または活性化の調節における
役割を示す。この遺伝子産物は、サイトカイン産生、抗原提示、または癌の処置
における有用性(例えば、免疫応答をブーストすることによって)をまた示唆し
得る他のプロセスの調節に関与する。
【0241】 この遺伝子がリンパ球起源の細胞において発現されるので、その遺伝子または
タンパク質ならびにそのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織につい
ての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。従っ
て、それは、関節炎、喘息、免疫不全疾患(例えば、AIDS)、白血病、慢性
関節リウマチ、炎症性腸疾患、敗血症、座瘡、および乾癬を含む免疫学的障害の
ための薬剤としてもまた使用される。さらに、この遺伝子産物は、種々の血液系
統の幹細胞および方向付けられた前駆体細胞の拡大における、ならびに種々の細
胞型の分化および/または増殖における、商業的な有用性を有し得る。あるいは
、精巣組織における組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよび
ポリペプチドが、適切な精巣機能(例えば、内分泌機能、精子成熟)に関する状
態および癌の処置および診断のために有用であることを示す。従って、この遺伝
子産物は、雄性不妊症および/またはインポテンスの処置において有用である。
この遺伝子産物はまた、結合剤を同定するために設計されたアッセイにおいて有
用である。なぜなら、そのような薬剤(アンタゴニスト)は、雄性避妊剤として
有用であるからである。同様に、そのタンパク質は、精巣癌の処置および/また
は診断において有用であると考えられている。精巣はまた、身体の他の組織で発
現される(特に、低レベルで)転写物の活性な遺伝子発現の部位である。従って
、この遺伝子産物は、他の特定の組織または器官(そこで、他のプロセス(いく
つか可能な標的徴候を挙げれば、例えば、造血、炎症、骨形成、および腎臓機能
)に関連する機能を果たし得る)において発現される。
【0242】 さらに、胎児脳組織における組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオ
チドおよびポリペプチドが、神経変性疾患状態および行動障害(例えば、アルツ
ハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、ツレット症候群、精神分裂病、
躁病、痴呆、偏執狂、強迫性障害、恐怖性障害、学習障害、ALS、精神病、自
閉症、および行動変化(摂食、睡眠パターン、平衡、および認識における障害を
含む)の検出/処置のために有用であることを示す。さらに、その遺伝子または
遺伝子産物はまた、発生中の胚と関連する発達障害、または伴性障害の処置およ
び/または検出において役割を果たし得る。タンパク質ならびにそおタンパク質
に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免
疫治療標的としての有用性を示し得る。
【0243】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号40に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号40の1〜867の任意の整数であり、bは15〜881の
整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号40に示されるヌクレオチド残
基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポ
リヌクレオチドが除外される。
【0244】 (遺伝子番号31によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子の翻訳産物は、いくつかのヒトおよび齧歯類の黒色腫および白血球
特異的抗原と配列相同性を共有する(例えば、GenBankアクセッション番
号:gi|189384、gi|205898およびgi|180926を参照
のこと)。さらに、この遺伝子の翻訳産物は、Tetraspanタンパク質と
配列相同性を共有する(例えば、GenBankアクセッション番号:GI31
52703を参照のこと)。従って、この遺伝子のポリペプチドは、いくつかの
生物学的機能(例えば、細胞間シグナル伝達、接着、増殖、および分化)をTe
traspanと共有するようである。
【0245】 この遺伝子のポリペプチドは、この遺伝子について表1にて参照するアミノ酸
配列の、ほぼアミノ酸位置52〜68および197〜213に、2つの膜貫通ド
メインを有することが決定されている。これらの特徴に基づいて、この遺伝子の
タンパク質産物は、IIIa型膜タンパク質と構造特徴を共有すると考えられる
【0246】 膜貫通4スーパーファミリー(TM4SF)またはTetraspanスーパ
ーファミリーは、少なくとも16のメンバー(CD9、CD20、CD37、C
D53、CD63、CD81、CD82、A15、CO−029、Sm23、R
DS、Uro B、Uro A、SAS、Rom−1、PETA3、およびYK
K8を含む)を有し、CD抗原スーパーファミリーおよびT細胞の活性化抗原の
なかで二番目に大きいサブファミリーである。全てのTM4SFメンバーは、4
つの推定膜貫通ドメイン、2つの細胞外ループ、および2つの短い細胞質テール
を含む。これらは、未成熟、初期、成熟、活性化されたリンパ球、単球、マクロ
ファージ、顆粒球、血小板、好酸球、好塩基球、特定の白血病およびリンパ腫の
細胞、ならびに種々の他の細胞および組織で様々に発現される。CD9細胞表面
タンパク質は、造血細胞および神経細胞の両方によって発現され、そして免疫系
および神経系における細胞内シグナル伝達におけるCD9について役割を果たし
得る。CD63は、血小板および内皮細胞の細胞接着において重要な役割を果た
す血小板活性化分子として同定されている53Kdのリソソームの膜糖タンパク
質である。CD63抗原についての増大したmRNAは、Watanabe遺伝
性高脂血症(heritable hyperlipidemic)ウサギのア
テローム性動脈硬化症の病変において見出された。このことは、アテローム性動
脈硬化症の進行におけるCD63の潜在的役割を示唆する。CD63はまた、肥
満細胞マーカーである。
【0247】 CD82は、元々、ヒトT細胞白血病I型ウイルス(HTLV−I)(成人T
細胞白血病の病因学的因子)によって誘導される合胞体形成に対して阻害性のい
くつかのmAbの標的として同定された。従って、この遺伝子は、この白血病に
ついての薬物の開発のための標的であり得る。CD81は、抗増殖性抗体の標的
である。ヒト細胞株の多様な群(血液リンパ球、神経外胚葉細胞、および間葉細
胞を含む)は、CD81タンパク質を発現する。リンパ球細胞株の多く(特に、
大細胞リンパ腫に由来するもの)は、抗体の抗増殖性効果に感受性であった。従
って、CD81は、リンパ腫細胞増殖の調節において重要な役割を果たす。CD
9、CD20、CD37、CD63、CD81、およびCD82は、Bリンパ球
、Tリンパ球、およびいくつかの他の非リンパ球細胞の細胞増殖、接着、および
シグナル伝達の調節に関係してきた。それらは、CD2、CD21、CD4、C
D8、MHCクラスII分子、インテグリンと会合し、T細胞、B細胞、および
その他のリンパ球細胞の共レセプターとして機能する。いくつかのTM4SFは
、白血球抗原であり、活性化白血球、リンパ球において高度に発現され、リンパ
芽球性白血病、リンパ腫、黒色腫、および神経芽細胞腫についての高度に特異的
な表面マーカーである。CD9は、細胞運動および腫瘍転移に関与することが示
されている。これらの抗原は、癌患者において能動免疫療法および受動免疫療法
を実行するための、貴重な免疫原または標的であり得る。その他は、前立腺癌転
移の阻害に関与することが示されている。この遺伝子は、C33抗原(CD82
)に対して密接な相同性を有し、これは、T細胞の膜貫通4スーパーファミリー
(TMSF)および活性化抗原のメンバーである。C33Ag(CD82)は、
元々、ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV−I)(成人T細胞白血病の病
因学的因子)によって誘導される合胞体形成に対して阻害性であるいくつかのm
Abの標的として同定された。従って、この遺伝子は、白血病のための薬物の開
発のための非常に重要な標的であり得る。このファミリーの他のメンバーは、S
m23、CO−029、R2、TAPA−1、CD9、CD37、CD53、お
よびCD63である。CD63は、血小板活性化分子として同定されている53
Kdのリソソーム膜糖タンパク質である。
【0248】 CD63およびPltgp40(血小板膜糖タンパク質)が同じ分子であるこ
と、およびCD63/Pltgp40が十分に特徴づけられた、段階特異的黒色
腫会合抗原ME491に同一であることを示す強力な証拠が存在する。これらの
抗原は、癌患者において能動免疫療法および受動免疫療法を実行するための貴重
な免疫原または標的であり得る。
【0249】 この遺伝子は、主に、胎児組織(腎臓、心臓、肝臓、脾臓、脳)、マクロファ
ージ、樹状細胞、網膜において発現され、そしてより低い程度に、種々の他の組
織(主に、リンパ球起源の細胞型または上皮細胞型)において発現される。さら
に、この遺伝子は、癌性組織(例えば、乳房)において発現される。
【0250】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに種々の器官および
細胞型における免疫および造血の疾患および/または障害ならびに癌を含むがこ
れらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様
に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞
型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または
細胞、特に免疫系の多くの障害に関して、標準遺伝子発現レベル(すなわち、そ
の障害を有していない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して
有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現は、このような障害を有する個
体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、発生組織、増殖組織、免
疫組織、造血組織、外皮組織、ならびに癌性組織および創傷組織)または体液(
例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、髄液および羊水)、または別の組織も
しくは細胞サンプルの中で、慣用的に検出される。
【0251】 本発明の好ましいポリペプチドとしては、配列番号133において、残基:T
yr−123〜Tyr−131、Cys−134〜Ser−145、Tyr−2
34〜Tyr−244として示される免疫原性エピトープが挙げられる。これら
のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0252】 胎児細胞および組織におけるこの組織分布ならびに腫瘍抗原に対する相同性は
、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、リンパおよび
上皮の障害ならびに新生物の研究、処置および診断に有用であることを示す。さ
らに、免疫細胞およびその他の組織における組織分布は、この遺伝子に対応する
ポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、造血に影響を及ぼす障害(癌を含む)
の診断および処置に有用であることを示す。代表的な用途は、以下の「免疫活性
」および「感染性疾患」の節、実施例11、13、14、16、18、19、2
0および27に、そして本明細書のその他のところに記載される。簡単には、こ
の遺伝子産物の発現は、造血細胞系統(血液幹細胞を含む)の増殖;生存;分化
;および/または活性化の調節における役割を示す。この遺伝子産物は、サイト
カイン産生、抗原提示、または癌の処置における有用性(例えば、免疫応答をブ
ーストすることによって)を示唆する他のプロセスの調節に関与する。
【0253】 この遺伝子がリンパ球起源の細胞において発現されるので、天然の遺伝子産物
は、免疫機能に関与する。従って、免疫学的障害(関節炎、喘息、免疫不全疾患
(例えば、AIDS)、白血病、慢性関節リウマチ、肉芽腫性の疾患、炎症性腸
疾患、敗血症、挫瘡、好中球減少症、好中球増加症、乾癬、過敏症(T細胞媒介
細胞傷害性)を含む);移植された器官および組織に対する免疫反応(例えば、
対移植片性宿主病および対宿主性移植片病)、または自己免疫障害(例えば、自
己免疫不妊症、レンズ組織傷害、脱髄、全身性エリテマトーデス、薬物誘導溶血
性貧血、慢性関節リウマチ、シェーグレン病、および強皮症)についての薬剤と
してもまた有用である。さらに、このタンパク質は、他の血液細胞の分化もしく
は行動に影響を及ぼす分泌された因子、または傷害の部位に造血細胞を集結する
分泌された因子を代表し得る。従って、この遺伝子産物は、種々の血液系統の幹
細胞および方向付けられた前駆体細胞の拡大において、および種々の細胞型の分
化および/または増殖に有用であると考えられる。
【0254】 さらに、増殖性細胞によって特徴づけられる胚組織および他の細胞供給源内で
の発現は、このタンパク質が細胞分裂の調節において役割を果たし得ること、お
よび発生中の疾患および障害(癌および他の増殖性状態を含む)の診断、処置、
および/または予防において有用性を示し得ることを示す。代表的な用途は、以
下の「過剰増殖性障害」および「再生」の節、および本明細書の他のところに記
載される。簡単には、発生中の組織は、パターン形成における細胞分化および/
またはアポトーシスに関与する決定に依存する。
【0255】 アポトーシスの調節不全は、いくつかの癌の発生において生じる細胞死の不適
切な抑制、または後天性免疫不全障害および特定の神経変性障害(例えば、脊髄
筋萎縮症(SMA))において生じると考えられている細胞死の程度の制御不全
を生じ得る。増殖および分化における潜在的な役割のために、この遺伝子産物は
、組織再生および癌の処置のための成体における適用を有し得る。それはまた、
細胞および組織型の詳細を制御するためのモルホゲンとして作用し得る。従って
、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、これらの疾患および状態、
さらに他の型の変性状態の処置、検出、および/または予防において有用である
。従って、このタンパク質は、アポトーシスまたは組織分化を調節し得、そして
変性性または増殖性の状態および疾患の検出、処置、および/または予防におい
て有用である。このタンパク質は、増殖中の細胞および組織ならびに癌性の細胞
および組織に存在し得る異常なポリペプチドに対する免疫応答の調節において有
用である。このタンパク質はまた、細胞成長および細胞増殖の調節に対する新た
な洞察を得るために使用され得る。さらに、そのタンパク質はまた、生物学的活
性を決定するために、抗体を惹起するために、組織マーカーとして、同族のリガ
ンドまたはレセプターを単離するために、それらの相互作用を調節する因子を同
定するために、栄養補充物としてのその用途に加えて、使用され得る。タンパク
質ならびにそのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織に対する腫瘍マ
ーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。
【0256】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号41に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号41の1〜1918の任意の整数であり、bは15〜193
2の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号41に示されるヌクレオチ
ド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上
のポリヌクレオチドが除外される。
【0257】 (遺伝子番号32によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子の翻訳産物は、内皮細胞増殖の調節に重要であると考えられるVE
GFとの限定された配列相同性を共有する。従って、この遺伝子によってコード
されるタンパク質は、いくつかの類似の生物学的機能を共有するようである。
【0258】 U937骨髄球性細胞株に対して試験された場合、この遺伝子を含有する細胞
から取り出された上清は、GASアッセイを活性化した。従って、この遺伝子は
、骨髄球細胞を、そしてより低い程度に、他の免疫および造血の細胞および組織
細胞型を、Jak−STATシグナル伝達経路を通して活性化するようである。
γ活性化配列(GAS)は、Jak−STAT経路に関与する多くの遺伝子の上
流に見出されるプロモーターエレメントである。Jak−STAT経路は、細胞
の分化および増殖に関与する大きなシグナル伝達経路である。従って、GASエ
レメントの結合によって反映されるJak−STAT経路の活性化は、細胞の増
殖および分化に関与するタンパク質を示すために使用され得る。
【0259】 この遺伝子は、脳において発現される。
【0260】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに神経系の疾患およ
び/または障害を含むがこれらに限定されない疾患および状態の診断のための試
薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対す
る抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有
用である。上記組織または細胞、特に中枢神経系の多くの障害に関して、標準遺
伝子発現レベル(すなわち、その障害を有していない個体由来の健常組織または
体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現
は、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例
えば、神経組織、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清
、血漿、尿、滑液、髄液および羊水)、または別の組織もしくは細胞サンプルの
中で、慣用的に検出される。
【0261】 本発明の好ましいポリペプチドとしては、配列番号134において、残基:T
hr−25〜Pro−46として示される免疫原性エピトープが挙げられる。こ
れらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0262】 脳におけるこの組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポ
リペプチドが、神経変性疾患状態、行動障害、または炎症性状態の検出、処置お
よび予防に有用であることを示す。代表的な用途は、以下の「再生」および「過
剰増殖性障害」の節、実施例11、15および18に、そして本明細書のその他
のところに記載される。簡単には、その用途には、アルツハイマー病、パーキン
ソン病、ハンチントン病、ツレット症候群、髄膜炎、脳炎、脱髄性疾患、末梢神
経障害、新生物形成、外傷、先天性奇形、脊髄傷害、虚血および梗塞、動脈瘤、
出血、精神分裂病、躁病、痴呆、パラノイア、強迫性障害、鬱病、恐怖性障害、
学習障害、ALS、精神病、自閉症、および行動変化(摂食、睡眠パターン、平
衡、および認知の障害を含む)の検出、処置、および/または予防が含まれるが
、これらに限定されない。さらに、脳の領域におけるこの遺伝子産物の発現の上
昇は、それが正常な神経機能において役割を果たすことを示す。
【0263】 潜在的に、この遺伝子産物は、シナプス形成、神経伝達、学習、認知、ホメオ
スタシス、または神経分化もしくは生存に関与する。さらに、そのタンパク質は
また、生物学的活性を決定するため、抗体を惹起するため、組織マーカーとして
、同族のリガンドまたはレセプターを単離するため、それらの相互作用を調節す
る因子を同定するために、その栄養補充物としての用途に加えて、使用され得る
。タンパク質ならびにそのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織につ
いての腫瘍マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。
【0264】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号42に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号42の1〜1150の任意の整数であり、bは15〜116
4の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号42に示されるヌクレオチ
ド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上
のポリヌクレオチドが除外される。
【0265】 (遺伝子番号33によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子の翻訳産物は、ニューロン細胞におけるシグナル伝達において重要
であると考えられている、ヒトp150と配列相同性を共有する。従って、この
ポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質は、p150といくつかの類
似の生物学的機能を共有するようである。
【0266】 この遺伝子は主に、胚全体および小脳において発現される。
【0267】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに神経および成長の
欠損/障害を含むがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬と
して有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗
体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提供に有用で
ある。上記組織または細胞、特にCNSの多くの障害に関連して、標準の遺伝子
発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現
レベル)に対して有意により高いまたはより低いレベルのこの遺伝子の発現が、
このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば
、神経組織、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血
漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣
用的に検出される。
【0268】 その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチド
が、中枢神経系障害、神経発生障害、認識障害、および記憶障害の研究および処
置のために有用であることを示す。その組織分布はまた、この遺伝子に対応する
ポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、神経変性疾患状態、行動障害、または
炎症状態の検出、処置および/または予防のために有用であることを示す。代表
的な使用は、以下の「再生」および「過剰増殖性障害」のセクション、実施例1
1、15および18、ならびに本明細書中の他の箇所において記載される。手短
に言えば、この使用としては、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンティン
グトン病、ツレット症候群、髄膜炎、脳炎、脱髄疾患、末梢神経障害、新形成、
外傷、先天性奇形、脊髄傷害、虚血および梗塞形成、動脈瘤、出血、精神分裂病
、躁病、痴呆、偏執症、強迫性障害、鬱病、恐慌性障害、学習障害、ALS、精
神病、自閉、および行動変化(栄養補給、睡眠パターン、平衡、および知覚の障
害を含む)の検出、処置、および/または予防が含まれるがこれらに限定されな
い。さらに、脳の領域におけるこの遺伝子産物の発現の上昇は、これが正常な神
経機能において役割を果たすことを示す。
【0269】 潜在的には、この遺伝子産物は、シナプス形成、神経伝達、学習、認識、ホメ
オスタシス、または神経分化もしくは神経生存に関与する。さらに、このタンパ
ク質はまた、栄養補給剤としてのその使用に加えて、生物学的活性を決定するた
めに、抗体を惹起するために、組織マーカーとして、同属のリガンドまたはレセ
プターを単離するために、それらの相互作用を調節する薬剤を同定するために使
用され得る。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙さ
れた組織に対する腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的として有用性を示
し得る。さらに、胚性組織、および増殖細胞によって特徴付けられる他の細胞供
給源内での発現は、このタンパク質が細胞分裂の調節において役割を果たし得、
そして発生疾患および障害(癌を含む)、および他の増殖性状態の診断、処置、
および/または予防における有用性を示し得ることを示す。代表的な使用は、以
下の「過剰増殖性障害」および「再生」のセクションならびに本明細書中の他の
箇所に記載される。手短に言えば、発生組織は、パターン形成における細胞分化
および/またはアポトーシスに関与する決定に依存する。
【0270】 アポトーシスの調節不全は、いくつかの癌の発生において生じるような、細胞
死の不適切な抑制、または、後天性免疫不全および特定の神経変性障害(例えば
、棘筋萎縮症(SMA))において生じると考えられるような、細胞死の程度の
制御の失敗を生じ得る。増殖および分化における潜在的役割によって、この遺伝
子産物は、成体において、組織再生および癌の処置についての適用を有し得る。
これはまた、細胞および組織型の特異化を制御するようにモルフォゲンとして作
用し得る。従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、他の型の
変性状態に加えて、上記障害および状態を処置、検出、および/または予防する
際に有用である。従って、このタンパク質は、アポトーシスまたは組織分化を調
節し得、そして変性性または増殖性の状態および疾患の検出、処置、および/ま
たは予防において有用である。このタンパク質は、増殖性および癌性の細胞およ
び組織において存在し得るような、異常なポリペプチドに対する免疫応答を調節
する際に有用である。このタンパク質はまた、細胞の成長および増殖の調節につ
いての新たな洞察を得るために用いられ得る。さらに、このタンパク質はまた、
栄養補給剤としての用途に加えて、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起
するために、組織マーカーとして、同属のリガンドまたはレセプターを単離する
ために、それらの相互作用を調節する薬剤を同定するために使用され得る。タン
パク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙げられた組織に対する
腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的として有用性を示し得る。
【0271】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号43に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号43の1〜1091の任意の整数であり、bは15〜11
05の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号43に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0272】 (遺伝子番号34によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は主に、PMAで刺激されたHL−60細胞において発現され、そ
してより低い程度では6週齢胚において発現される。
【0273】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに細胞分化に影響を
与える障害、特に造血の障害および/または欠損を含むがそれらに限定されない
疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドお
よびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のた
めの免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に代謝系の
多くの障害に関連して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個
体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意により高いまたはよ
り低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取され
た特定の組織もしくは細胞型(例えば、癌性組織および創傷組織)または体液(
例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしく
は細胞サンプルの中で、慣用的に検出される。
【0274】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号136において残基:Pro−6
1〜Asp−68として示される免疫原性エピトープを含む。これらのポリペプ
チドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0275】 その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチド
が、細胞分化の研究のために、そして造血関連障害(例えば、貧血、汎血球減少
症、白血球減少症、血小板減少症または白血病)の処置および診断のために有用
であることを示す。その組織分布はまた、この遺伝子に対応するポリヌクレオチ
ドおよびポリペプチドが、種々の免疫系の障害の診断および処置に有用であるこ
とを示す。代表的な使用は、以下の「免疫活性」および「感染性疾患」のセクシ
ョンにおいて、実施例11、13、14、16、18、19、20および27に
おいて、および本明細書中の他の箇所に記載される。手短に言えば、この遺伝子
産物の発現は、造血細胞系列(血液幹細胞を含む)の増殖;生存;分化;および
/または活性化の調節における役割を示す。この遺伝子産物は、サイトカイン産
生、抗原提示、または癌の処置(例えば、免疫応答をブーストすることによる)
における有用性を示唆する他のプロセスの調節に関与する。さらに、このタンパ
ク質は、他の血球の分化またはふるまいに影響を与えるか、または傷害の部位に
造血細胞を補充する、分泌される因子を表し得る。従って、この遺伝子産物は、
種々の血液系列の幹細胞および方向付けられた前駆細胞の増大において、ならび
に種々の細胞型の分化および/または増殖において有用であると考えられている
。さらに、胚性組織、および増殖細胞によって特徴付けられる他の細胞供給源内
での発現は、このタンパク質が細胞分裂の調節において役割を果たし得、そして
発生疾患および障害(癌を含む)、ならびに他の増殖性状態の診断、処置、およ
び/または予防における有用性を示し得ることを示す。代表的な使用は、以下の
「過剰増殖性障害」および「再生」のセクションならびに本明細書中の他の箇所
に記載される。手短に言えば、発生組織は、パターン形成における細胞分化およ
び/またはアポトーシスに関与する決定に依存する。
【0276】 アポトーシスの調節不全は、いくつかの癌の発生において生じるような、細胞
死の不適切な抑制、または、後天性免疫不全および特定の神経変性障害(例えば
、棘筋萎縮症(SMA))において生じると考えられるような、細胞死の程度の
制御の失敗を生じ得る。増殖および分化における潜在的役割によって、この遺伝
子産物は、成体において、組織再生および癌の処置についての適用を有し得る。
これはまた、細胞および組織型の特異化を制御するようにモルフォゲンとして作
用し得る。従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、他の型の
変性状態に加えて、上記障害および状態を処置、検出、および/または予防する
際に有用である。従って、このタンパク質は、アポトーシスまたは組織分化を調
節し得、そして変性性または増殖性の状態および疾患の検出、処置、および/ま
たは予防において有用である。このタンパク質は、増殖性および癌性の細胞およ
び組織において存在し得るような、異常なポリペプチドに対する免疫応答を調節
する際に有用である。このタンパク質はまた、細胞の成長および増殖の調節につ
いての新たな洞察を得るために用いられ得る。さらに、このタンパク質はまた、
栄養補給剤としての用途に加えて、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起
するために、組織マーカーとして、同属のリガンドまたはレセプターを単離する
ために、それらの相互作用を調節する薬剤を同定するために使用され得る。タン
パク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙された組織に対する
腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的として有用性を示し得る。
【0277】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号44に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号44の1〜1248の任意の整数であり、bは15〜12
62の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号44に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0278】 (遺伝子番号35によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は主に、結腸において発現される。
【0279】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに胃腸管の癌を含む
がそれに限定されない消化管の障害および/または欠損を含むがそれに限定され
ない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチ
ドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定
のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に消化
系の多くの障害に関連して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さな
い個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意により高いまた
はより低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取
された特定の組織もしくは細胞型(例えば、胃腸組織、癌性組織および創傷組織
)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または
別の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的に検出される。
【0280】 その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチド
が、消化器系の障害(特に結腸に関与する障害)の処置および診断のために有用
であることを示す。さらに、結腸組織におけるこの遺伝子産物の発現は、食物の
消化、プロセシング、および除去における関与、ならびに、結腸癌および一般の
癌の発症における診断マーカーまたは原因物質としてのこの遺伝子の潜在的な役
割を示す。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、結腸および/ま
たは他の胃腸組織(胃、小腸、大腸、および直腸を含むがこれらに限定されない
)に対する腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的として有用性を示し得る
【0281】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号45に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号45の1〜503の任意の整数であり、bは15〜517
の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号45に示されるヌクレオチド
残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上の
ポリヌクレオチドが除外される。
【0282】 (遺伝子番号36によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は主に、血球において発現される。
【0283】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに免疫疾患および造
血疾患を含むがそれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として
有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は
、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である
。上記組織または細胞、特に免疫および造血系の多くの障害に関連して、標準の
遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中
の発現レベル)に対して有意により高いまたはより低いレベルのこの遺伝子の発
現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(
例えば、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、
尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的
に検出される。
【0284】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号138において残基:Pro−1
9〜Cys−29、Thr−35〜Glu−44、Val−72〜Lys−78
として示される免疫原性エピトープを含む。これらのポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0285】 その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチド
が、免疫および造血系の障害の処置および診断および/または処置に有用である
ことを示す。代表的な使用は、以下の「免疫活性」および「感染性疾患」のセク
ションにおいて、実施例11、13、14、16、18、19、20および27
において、および本明細書中の他の箇所に記載される。手短に言えば、この遺伝
子産物の発現は、造血細胞系列(血液幹細胞を含む)の増殖;生存;分化;およ
び/または活性化の調節における役割を示す。この遺伝子産物は、サイトカイン
産生、抗原提示、または癌の処置(例えば、免疫応答をブーストすることによる
)における有用性を示唆する他のプロセスの調節に関与する。
【0286】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号46に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号46の1〜844の任意の整数であり、bは15〜858
の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号46に示されるヌクレオチド
残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上の
ポリヌクレオチドが除外される。
【0287】 (遺伝子番号37によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は複数の組織系(例えば、脳、免疫細胞、前立腺、子宮、精巣、胎
盤、および胎児心臓)において、ならびに癌性組織(例えば、卵巣腫瘍)におい
て発現される。
【0288】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに免疫系、生殖系、
尿生殖器系、および中枢神経系の障害を含むがそれらに限定されない疾患および
状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれら
のポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学
的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に中枢神経系および免
疫系の多くの障害に関連して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さ
ない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意により高いま
たはより低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採
取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織、生殖組織、尿生殖組織
、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑
液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的に検出
される。
【0289】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号139において残基:Tyr−3
3〜Lys−38として示される免疫原性エピトープを含む。これらのポリペプ
チドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0290】 その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチド
が、免疫障害、尿生殖障害、生殖障害、および中枢神経系障害の処置および診断
のために有用であることを示す。中枢神経系組織におけるその組織分布は、この
遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、中枢神経系ならびに
この遺伝子の発現が観察された組織の癌(例えば、卵巣腫瘍において)の疾患の
処置および/または診断のために有用であることを示す。中枢神経系組織におけ
るその組織分布はまた、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプ
チドが、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンティングトン病、ツレット症
候群、精神分裂病、躁病、痴呆、偏執症、強迫性障害、恐慌性障害、学習障害、
ALS、精神病、自閉、および行動変化(栄養補給、睡眠パターン、平衡、およ
び知覚の障害を含む)のような神経変性疾患状態および行動障害の検出/処置の
ために有用であることを示す。さらに、この遺伝子または遺伝子産物はまた、発
生している胚に関連する発生障害の処置および/または検出において役割を果た
し得る。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙された
組織に対する腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的として有用性を示し得
る。さらに、胚性組織、および増殖細胞によって特徴付けられる他の細胞供給源
内での発現は、このタンパク質が細胞分裂の調節において役割を果たし得、そし
て発生疾患および障害(癌を含む)、および他の増殖性状態の診断、処置、およ
び/または予防における有用性を示し得ることを示す。代表的な使用は、以下の
「過剰増殖性障害」および「再生」のセクションならびに本明細書中の他の箇所
に記載される。手短に言えば、発生組織は、パターン形成における細胞分化およ
び/またはアポトーシスに関与する決定に依存する。
【0291】 アポトーシスの調節不全は、いくつかの癌の発生において生じるような、細胞
死の不適切な抑制、または、後天性免疫不全および特定の神経変性障害(例えば
、棘筋萎縮症(SMA))において生じると考えられるような、細胞死の程度の
制御の失敗を生じ得る。増殖および分化における潜在的役割によって、この遺伝
子産物は、成体において、組織再生および癌の処置についての適用を有し得る。
これはまた、細胞および組織型の特異化を制御するようにモルフォゲンとして作
用し得る。従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、他の型の
変性状態に加えて、上記障害および状態を処置、検出、および/または予防する
際に有用である。従って、このタンパク質は、アポトーシスまたは組織分化を調
節し得、そして変性性または増殖性の状態および疾患の検出、処置、および/ま
たは予防において有用である。このタンパク質は、増殖性および癌性の細胞およ
び組織において存在し得るような、異常なポリペプチドに対する免疫応答を調節
する際に有用である。このタンパク質はまた、細胞の成長および増殖の調節につ
いての新たな洞察を得るために用いられ得る。さらに、このタンパク質はまた、
栄養補給剤としての用途に加えて、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起
するために、組織マーカーとして、同属のリガンドまたはレセプターを単離する
ために、それらの相互作用を調節する薬剤を同定するために使用され得る。タン
パク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙された組織に対する
腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的として有用性を示し得る。子宮にお
けるその組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチ
ドが、女性の不妊を処置するのに有用であることを示す。このタンパク質産物は
、着床についての子宮内膜の準備に関与するようであり、そして局所的または経
口的のいずれかで投与され得る。あるいは、この遺伝子は、子宮内膜の細胞への
遺伝子置換処置においてトランスフェクトされ得、そしてこのタンパク質産物が
産生され得る。同様に、これらの処置は、健常な胚の着床および発生の可能性を
増大させる目的のための人工受精の間に実行され得る。両方の場合において、こ
の遺伝子またはその遺伝子産物は、子宮内膜の健常な発生を促進するために妊娠
の後期段階で投与され得る。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は
、上記に列挙された組織に対する腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的と
して有用性を示し得る。精巣におけるその組織分布は、この遺伝子に対応するポ
リヌクレオチドおよびポリペプチドが、適切な精巣機能(例えば、内分泌機能、
精子成熟)ならびに癌に関する状態の処置および診断のために有用であることを
示す。従って、この遺伝子産物は、雄性不妊症および/またはインポテンスの処
置において有用である。この遺伝子産物はまた、結合因子(アンタゴニスト)は
雄性避妊因子として有用であるので、このような因子を同定するように設計され
たアッセイにおいて有用である。同様に、このタンパク質は、精巣癌の処置およ
び/または診断において有用であると考えられる。精巣はまた、身体の他の組織
において(特に低レベルで)発現される転写産物の、活性な遺伝子発現の部位で
ある。従って、この遺伝子産物は、この遺伝子が他のプロセス(可能な標的の指
標をいくつか挙げてみると、例えば、造血、炎症、骨形成、および腎臓の機能)
において関連の機能的役割を果たし得る、他の特異的組織または器官において発
現される。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙され
た組織に対する腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的として有用性を示し
得る。
【0292】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号47に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号47の1〜6093の任意の整数であり、bは15〜61
07の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号47に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0293】 (遺伝子番号38によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、広範な組織系(例えば、脳、免疫細胞、胎児肝臓、腎臓、精巣
、乳房、および膵臓)、ならびに癌性組織(例えば、卵巣腫瘍)において発現さ
れる。
【0294】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに中枢神経系、免疫
系、尿生殖系、および生殖系の障害を含むがそれらに限定されない疾患および状
態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらの
ポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的
プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に免疫系および中枢神経
系の多くの障害に関連して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さな
い個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意により高いまた
はより低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取
された特定の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織、CNS組織、尿生殖組織
、生殖組織、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血
漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣
用的に検出される。
【0295】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号140において残基:Met−1
〜Ser−7、Asp−32〜Pro−43、Ser−96〜Arg−102と
して示される免疫原性エピトープを含む。これらのポリペプチドをコードするポ
リヌクレオチドもまた、提供される。
【0296】 その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチド
が、免疫障害、生殖障害、尿生殖器障害、および中枢神経系障害の処置および診
断のために有用であることを示す。中枢神経系組織におけるその組織分布は、こ
の遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、中枢神経系ならび
にこの遺伝子の発現が観察された組織の癌(例えば、卵巣腫瘍において)の疾患
の処置および/または診断のために有用であることを示す。中枢神経系組織にお
けるその組織分布はまた、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペ
プチドが、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンティングトン病、ツレット
症候群、精神分裂病、躁病、痴呆、偏執症、強迫性障害、恐慌性障害、学習障害
、ALS、精神病、自閉、および行動変化(栄養補給、睡眠パターン、平衡、お
よび知覚の障害を含む)のような神経変性疾患状態および行動障害の検出/処置
のために有用であることを示す。その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌ
クレオチドおよびポリペプチドが、種々の免疫系障害の診断および処置のために
有用であることを示す。代表的な使用は、以下の「免疫活性」および「感染性疾
患」のセクションにおいて、実施例11、13、14、16、18、19、20
および27において、および本明細書中の他の箇所に記載される。手短に言えば
、この遺伝子産物の発現は、造血細胞系列(血液幹細胞を含む)の増殖;生存;
分化;および/または活性化の調節における役割を示す。この遺伝子産物は、サ
イトカイン産生、抗原提示、または癌の処置(例えば、免疫応答をブーストする
ことによる)における有用性を示唆する他のプロセスの調節に関与する。
【0297】 この遺伝子は、リンパ球起源の細胞で発現されるので、天然の遺伝子産物は、
免疫機能に関与する。従って、この遺伝子はまた、免疫学的障害(関節炎、ぜん
息、免疫不全疾患(例えば、AIDS)、白血病、慢性関節リウマチ、肉芽腫症
、炎症性腸疾患、敗血症、挫瘡、好中球減少症、好中球増加症、乾癬、過敏症(
例えば、T細胞媒介細胞毒性)を含む);移植された器官および組織に対する免
疫反応(例えば、対移植片宿主性病および対宿主性移植片病)、または自己免疫
障害(例えば、自己免疫性不妊、レンズ組織傷害、脱髄、全身性エリテマトーデ
ス、薬物誘導性溶血性貧血、慢性関節リウマチ、シェーグレン病、および強皮症
)のための薬剤として有用である。さらに、このタンパク質は、他の血球の分化
またはふるまいに影響を与えるか、または傷害の部位に造血細胞を補充する、分
泌される因子を表し得る。従って、この遺伝子産物は、種々の血液系列の幹細胞
および方向付けられた前駆細胞の増大において、ならびに種々の細胞型の分化お
よび/または増殖において有用であると考えられている。さらに、このタンパク
質はまた、栄養補給剤としての用途に加えて、生物学的活性を決定するために、
抗体を惹起するために、組織マーカーとして、同属のリガンドまたはレセプター
を単離するために、それらの相互作用を調節する薬剤を同定するために使用され
得る。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙された組
織に対する腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的として有用性を示し得る
。さらに、胚性組織、および増殖細胞によって特徴付けられる他の細胞供給源内
での発現は、このタンパク質が細胞分裂の調節において役割を果たし得、そして
発生疾患および発生障害(癌を含む)、および他の増殖性状態の診断、処置、お
よび/または予防における有用性を示し得ることを示す。代表的な使用は、以下
の「過剰増殖性障害」および「再生」のセクションならびに本明細書中の他の箇
所に記載される。手短に言えば、発生組織は、パターン形成における細胞分化お
よび/またはアポトーシスに関与する決定に依存する。
【0298】 アポトーシスの調節不全は、いくつかの癌の発生において生じるような、細胞
死の不適切な抑制、または、後天性免疫不全および特定の神経変性障害(例えば
、棘筋萎縮症(SMA))において生じると考えられるような、細胞死の程度の
制御の失敗を生じ得る。増殖および分化における潜在的役割によって、この遺伝
子産物は、成体において、組織再生および癌の処置についての適用を有し得る。
これはまた、細胞および組織型の特異化を制御するようにモルフォゲンとして作
用し得る。従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、他の型の
変性状態に加えて、上記障害および状態を処置、検出、および/または予防する
際に有用である。従って、このタンパク質は、アポトーシスまたは組織分化を調
節し得、そして変性性または増殖性の状態および疾患の検出、処置、および/ま
たは予防において有用である。
【0299】 このタンパク質は、増殖性および癌性の細胞および組織において存在し得るよ
うな、異常なポリペプチドに対する免疫応答を調節する際に有用である。このタ
ンパク質はまた、細胞の成長および増殖の調節についての新たな洞察を得るため
に用いられ得る。さらに、このタンパク質はまた、栄養補給剤としての用途に加
えて、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起するために、組織マーカーと
して、同属のリガンドまたはレセプターを単離するために、それらの相互作用を
調節する薬剤を同定するために使用され得る。タンパク質ならびにこのタンパク
質に対する抗体は、上記に列挙された組織に対する腫瘍マーカーおよび/または
免疫治療の標的として有用性を示し得る。
【0300】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号48に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号48の1〜689の任意の整数であり、bは15〜703
の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号48に示されるヌクレオチド
残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上の
ポリヌクレオチドが除外される。
【0301】 (遺伝子番号39によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、主にマクロファージおよび胎児細胞において、およびより低い
程度では、癌性の卵巣組織において発現される。
【0302】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに免疫疾患、発生組
織の障害、および癌を含むがそれらに限定されない疾患および状態の診断のため
の試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに
対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提供
に有用である。上記組織または細胞、特に胎児および免疫系の多くの障害に関連
して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織
または体液中の発現レベル)に対して有意により高いまたはより低いレベルのこ
の遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もし
くは細胞型(例えば、免疫組織、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば
、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞
サンプルの中で、慣用的に検出される。
【0303】 組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、
免疫系の発達異常および障害の処置および診断のために有用であることを示す。
癌の卵巣の組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプ
チドが、これらの腫瘍の診断および介入のために有用であることを示す。タンパ
ク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての
組織特異的マーカーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。マ
クロファージ細胞におけるこの遺伝子産物の発現は、免疫機能および免疫サーベ
イランスにおけるこのタンパク質に関する役割を強く示す。この遺伝子産物は、
サイトカイン産生、抗原提示、または癌の処置(例えば、免疫反応をブーストす
ることによる)に有用性をまた示唆し得る他のプロセスの調節に関与する。この
遺伝子産物は、免疫機能不全の処置;自己免疫の修正;免疫調節;および炎症の
制御における臨床的な有用性を有し得る。
【0304】 この組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチド
が、種々の免疫系の障害の診断および処置に有用であることを示す。代表的な用
途は、以下の「免疫活性」および「感染性疾患」の節において、実施例11、1
3、14,16、18、19、20、および27において、ならびに本明細書中
の他の箇所に記載される。簡単には、この遺伝子産物の発現は、血液幹細胞を含
む造血細胞系統の増殖、生存、分化、および/または活性化の調節における役割
を示す。この遺伝子産物は、サイトカインの産生、抗原提示、または癌の処置(
例えば、免疫応答をブーストすることによる)においての有用性を示唆する他の
プロセスの調節に関与する。
【0305】 この遺伝子は、リンパ起源の細胞において発現されるので、天然の遺伝子産物
は、免疫機能に関与し得る。従って、これらはまた、関節炎、喘息、AIDSの
ような免疫不全疾患、白血病、慢性関節リウマチ、慢性肉芽腫症、炎症性腸疾患
、敗血症、挫瘡、好中球減少、好中球増加、乾癬、過敏症(例えば、T細胞媒介
細胞傷害性);移植された器官および組織に対する免疫反応(例えば、宿主対移
植片病および対宿主性移植片病)、または自己免疫性障害(例えば、自己免疫不
妊症)、水晶体組織傷害、脱髄、全身性エリテマトーデス、薬物誘発性溶血性貧
血、慢性関節リウマチ、シェーグレン病、および強皮症を含む免疫学的障害のた
めの薬剤として有用であり得る。さらに、このタンパク質は、他の血球の分化お
よび活動に影響を及ぼすか、または損傷部位に対して造血細胞を漸増する分泌因
子を提示し得る。従って、この遺伝子産物は、様々な血液系列の幹細胞および方
向付けられた前駆細胞の拡大において、および様々な細胞型の分化および/また
は増殖において有用であると考えられる。
【0306】 さらに、細胞増殖により特徴付けられる胚組織および他の細胞源での発現は、
このタンパク質が細胞分裂の調節において役割を果たし得ること、そして癌およ
び他の増殖状態を含む発生疾患および障害の診断、処置および/または予防に有
用性を示し得ることを示す。代表的な用途は、以下の「過剰増殖性障害」および
「再生」の節ならびに本明細書中の別の部分に記載される。簡単には、発生組織
は、パターン形成における細胞分化および/またはアポトーシスに関与する決定
に依存する。
【0307】 アポトーシスの調節不全は、いくつかの癌の発生において生じるような細胞死
の不適切な抑制を生じ得るか、または、後天性免疫不全および特定の神経変性障
害(例えば、棘筋萎縮症(SMA))において生じると考えられるような、細胞
死の程度を制御できないことになり得る。増殖および分化における潜在的な役割
のために、この遺伝子産物は、組織再生および癌の処置のための成体における適
用を有し得る。それはまた、細胞および組織型特異化を制御するためのモルフォ
ゲンとして作用し得る。従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチド
は、上記障害および状態、ならびに他の型の変性状態の処置、検出および/また
は予防において有用である。従って、このタンパク質は、アポトーシスまたは組
織分化を調節し得、そして変性または増殖性状態および疾患の、検出、処置、お
よび/または予防において有用である。このタンパク質は、増殖性および癌性細
胞ならびに組織において存在し得るような、異常なポリペプチドの免疫応答を調
節する際に有用である。このタンパク質はまた、細胞成長および細胞増殖の調節
に新たな洞察を得るために使用され得る。さらに、このタンパク質はまた、栄養
補給剤としてのその用途に加えて、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起
するために、組織マーカーとして、同属のリガンドまたはレセプターを単離する
ために、それらの相互作用を調節する薬剤を同定するために使用され得る。タン
パク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙げられた組織に対する
腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的として有用性を示し得る。この遺伝
子分布はまた、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、
種々の皮膚障害(例えば、黒色腫)の処置、診断、および/または予防に有用で
あることを示す。
【0308】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号49に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号49の1〜625の任意の整数であり、bは15〜639
の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号49に示されるヌクレオチド
残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上の
ポリヌクレオチドが除外される。
【0309】 (遺伝子番号40によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、主に好中球、骨髄、脳、および胎児細胞において発現される。
【0310】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに造血障害、辺縁系
機能不全/欠損ならびに免疫系および発生系の障害を含むが、それらに限定され
ない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチ
ドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定
のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に免疫
系、辺縁系および発生系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すな
わち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して
有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個
体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織、癌性組織およ
び創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、および髄液
)、または別の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的に検出される。
【0311】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号142における残基:Ala−8
4〜Gln−93として示される免疫原性エピトープを含む。これらのポリペプ
チドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0312】 この組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチド
が、免疫系、辺縁系、CNS系および発生系の障害の処置および検出に有用であ
ることを示す。骨髄、好酸球、および好中球におけるこの遺伝子産物の発現は、
造血および免疫サーベイランスにおけるこのタンパク質についての役割を強く示
す。この遺伝子産物は、サイトカイン産生、抗原提示、または癌の処置(例えば
、免疫反応をブーストすることによる)に有用性をまた示し得る他のプロセスの
調節に関与する。この遺伝子産物は、免疫機能不全の処置;自己免疫の修正;免
疫調節;および炎症の制御における臨床的な有用性を有し得る。タンパク質、な
らびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マー
カーおよび/または免疫治療標的としての有用性を示し得る。この組織分布は、
この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、種々の免疫系の
障害の診断および処置に有用であることを示す。代表的な用途は、以下の「免疫
活性」および「感染性疾患」の節において、実施例11、13、14,16、1
8、19、20、および27において、ならびに本明細書中の他の箇所に記載さ
れる。簡単には、この遺伝子産物の発現は、血液幹細胞を含む造血細胞系統の増
殖、生存、分化、および/または活性化の調節における役割を示唆する。この遺
伝子産物は、サイトカインの産生、抗原提示、または癌の処置(例えば、免疫応
答をブーストすることによる)においての有用性を示唆する他のプロセスの調節
に関与する。
【0313】 この遺伝子は、リンパ起源の細胞において発現されるので、天然の遺伝子産物
は、免疫機能に関与し得る。従って、これらはまた、関節炎、喘息、AIDSの
ような免疫不全疾患、白血病、慢性関節リウマチ、慢性肉芽腫症、炎症性腸疾患
、敗血症、挫瘡、好中球減少、好中球増加、乾癬、過敏症(例えば、T細胞媒介
細胞傷害性);移植された器官および組織に対する免疫反応(例えば、宿主対移
植片病および対宿主性移植片病)、または自己免疫性障害(例えば、自己免疫不
妊症)、水晶体組織傷害、脱髄、全身性エリテマトーデス、薬物誘発性溶血性貧
血、慢性関節リウマチ、シェーグレン病、強皮症および組織を含む免疫学的障害
のための薬剤として有用であり得る。さらに、このタンパク質は、他の血球の分
化および活動に影響を及ぼすか、または損傷部位に対して造血細胞を漸増する分
泌因子を提示し得る。
【0314】 従って、この遺伝子産物は、様々な血液系列の幹細胞および方向付けられた前
駆細胞の拡大において、および様々な細胞型の分化および/または増殖において
有用であると考えられる。さらに、このタンパク質はまた、栄養補給剤としての
その用途に加えて、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起するために、組
織マーカーとして、同属のリガンドまたはレセプターを単離するために、それら
の相互作用を調節する薬剤を同定するために使用され得る。タンパク質ならびに
このタンパク質に対する抗体は、上記に挙げられた組織に対する腫瘍マーカーお
よび/または免疫治療の標的として有用性を示し得る。さらに、細胞増殖により
特徴付けられる胚組織および他の細胞源での発現は、このタンパク質が細胞分裂
の調節において役割を果たし得ること、そして癌および他の増殖状態を含む発生
疾患および障害の診断、処置および/または予防に有用性を示し得ることを示す
。代表的な用途は、以下の「過剰増殖性障害」および「再生」の節ならびに本明
細書中の別の部分に記載される。簡単には、発生組織は、パターン形成における
細胞分化および/またはアポトーシスに関与する決定に依存する。
【0315】 アポトーシスの調節不全は、いくつかの癌の発生において生じるような細胞死
の不適切な抑制を生じ得るか、または、後天性免疫不全および特定の神経変性障
害(例えば、棘筋萎縮症(SMA))において生じると考えられるような、細胞
死の程度を制御できないことになり得る。増殖および分化における潜在的な役割
のために、この遺伝子産物は、組織再生および癌の処置のための成体における適
用を有し得る。それはまた、細胞および組織型特異化を制御するためのモルフォ
ゲンとして作用し得る。従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチド
は、上記疾患および状態、ならびに他の型の変性状態の処置、検出および/また
は予防において有用である。従って、このタンパク質は、アポトーシスまたは組
織分化を調節し得、そして変性または増殖性状態および疾患の、検出、処置、お
よび/または予防において有用である。このタンパク質は、増殖性および癌性細
胞ならびに組織において存在し得るような、異常なポリペプチドの免疫応答を調
節する際に有用である。このタンパク質はまた、細胞成長および細胞増殖の調節
に新たな洞察を得るために使用され得る。さらに、このタンパク質はまた、栄養
補給剤としてのその用途に加えて、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起
するために、組織マーカーとして、同属のリガンドまたはレセプターを単離する
ために、それらの相互作用を調節する薬剤を同定するために使用され得る。タン
パク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙げられた組織に対する
腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的として有用性を示し得る。
【0316】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号50に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号50の1〜853の任意の整数であり、bは15〜867
の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号50に示されるヌクレオチド
残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上の
ポリヌクレオチドが除外される。
【0317】 (遺伝子番号41によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、主に卵巣組織、ならびにより少ない程度では、胎児組織、結腸
組織、および免疫組織において発現される。
【0318】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに卵巣癌、胃腸系お
よび免疫系の障害を含むが、それらに限定されない疾患および状態の診断のため
の試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに
対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供
に有用である。上記組織または細胞、特に女性生殖系の多くの障害に関して、標
準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体
液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が
、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例え
ば、生殖組織、胃腸組織、免疫組織、癌性組織および創傷組織)または体液(例
えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは
細胞サンプルの中で、慣用的に検出される。
【0319】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号143における残基:Ile−2
3〜Ala−29として示される免疫原性エピトープを含む。これらのポリペプ
チドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0320】 組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、
卵巣癌、ならびに関連した転移の診断および/または処置に有用であることを示
す。その組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチ
ドが、女性の不妊症の処置に有用であることを示す。結腸組織における組織分布
は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、胃腸管を含
む障害の診断および/または処置に有用であることを示す。これは、消化および
食物吸収に関連する疾患、ならびに小腸のパイアー斑を含む造血障害、または身
体内の他の造血細胞および組織を含み得る。同様に、結腸組織におけるこの遺伝
子の発現はまた、食物の消化、プロセシング、および排泄における関与、ならび
に結腸癌およびたいていの癌の発達における診断マーカーまたは原因因子として
のこの遺伝子の潜在的な役割を示す。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対
する抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫治
療標的としての有用性を示し得る。さらに、細胞増殖により特徴付けられる胚組
織および他の細胞源での発現は、このタンパク質が細胞分裂の調節において役割
を果たし得ること、そして癌および他の増殖状態を含む発生疾患および障害の診
断、処置および/または予防に有用性を示し得ることを示す。代表的な用途は、
以下の「過剰増殖性障害」および「再生」の節ならびに本明細書中の別の部分に
記載される。簡単には、発生組織は、パターン形成における細胞分化および/ま
たはアポトーシスに関与する決定に依存する。
【0321】 アポトーシスの調節不全は、いくつかの癌の発生において生じるような細胞死
の不適切な抑制を生じ得るか、または、後天性免疫不全および特定の神経変性障
害(例えば、棘筋萎縮症(SMA))において生じると考えられるような、細胞
死の程度を制御できないことになり得る。増殖および分化における潜在的な役割
のために、この遺伝子産物は、組織再生および癌の処置のための成体における適
用を有し得る。それはまた、細胞および組織型特異化を制御するためのモルフォ
ゲンとして作用し得る。従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチド
は、上記障害および状態、ならびに他の型の変性状態の処置、検出および/また
は予防において有用である。従って、このタンパク質は、アポトーシスまたは組
織分化を調節し得、そして変性または増殖性状態および疾患の、検出、処置、お
よび/または予防において有用である。このタンパク質は、増殖性および癌性細
胞ならびに組織において存在し得るような、異常なポリペプチドの免疫応答を調
節する際に有用である。このタンパク質はまた、細胞成長および細胞増殖の調節
に新たな洞察を得るために使用され得る。さらに、このタンパク質はまた、栄養
補給剤としてのその用途に加えて、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起
するために、組織マーカーとして、同属のリガンドまたはレセプターを単離する
ために、それらの相互作用を調節する薬剤を同定するために使用され得る。タン
パク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙げられた組織に対する
腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的として有用性を示し得る。
【0322】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号51に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号51の1〜1555の任意の整数であり、bは15〜15
69の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号51に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0323】 (遺伝子番号42によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子の翻訳産物は、レトロウイルス関連逆転写酵素偽遺伝子と配列相同
性を共有する。さらに、この遺伝子は、ヒトインターフェロンβ(Genseq
登録番号T35524;この登録を通じて利用可能な全ての参考文献は、本明細
書中で参考として援用される)と相同性を共有する。従って、この遺伝子および
この遺伝子によってコードされるタンパク質は、このタンパク質といくつかの類
似の生物学的機能を共有するようである。
【0324】 この遺伝子は、主に前頭皮質において発現される。
【0325】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに神経変性疾患およ
び/または障害を含むが、それらに限定されない疾患および状態の診断のための
試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対
する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に
有用である。上記組織または細胞、特に中枢神経系の多くの障害に関して、標準
の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液
中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、
このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば
、神経組織、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血
漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣
用的に検出される。
【0326】 前頭皮質における組織分布、ならびにレトロウイルス関連逆転写酵素偽遺伝子
およびヒトインターフェロンβに対する相同性は、この遺伝子に対応するポリヌ
クレオチドおよびポリペプチドが、脳(特に、前頭皮質)の神経変性疾患の診断
および処置に有用であることを示す。この組織分布は、この遺伝子に対応するポ
リヌクレオチドおよびポリペプチドが、神経変性疾患状態、行動障害、または炎
症状態の検出、処置、および/または予防に有用である。代表的な用途は、以下
の「再生」および「過剰増殖障害」の節、実施例11、15、および18、なら
びに本明細書中の他の箇所に記載される。簡単には、この用途は、アルツハイマ
ー病、パーキンソン病、多発性硬化症、嚢胞性線維症、ハンチントン舞踏病、ツ
レット症候群、髄膜炎、脳炎、脱髄疾患、末梢神経障害、新形成、外傷、先天性
異常、脊髄傷害、虚血および梗塞形成、動脈瘤、出血、精神分裂病、躁病、痴呆
、偏執症、強迫性障害、鬱病、恐慌性障害、学習障害、ALS、精神病、自閉、
および行動変化(栄養補給、睡眠パターン、平衡、および知覚の障害を含む)の
検出、処置、および/または予防を含むが、これらに限定されない。さらに、脳
の領域におけるこの遺伝子産物の上昇した発現は、通常の神経機能において役割
を果たすことを示す。
【0327】 潜在的に、この遺伝子産物は、シナプス形成、神経伝達、学習、認識、恒常性
、あるいはニューロンの分化または生存に関連する。さらに、このタンパク質は
また、栄養補給剤としてのその用途に加えて、生物学的活性を決定するために、
抗体を惹起するために、組織マーカーとして、同属のリガンドまたはレセプター
を単離するために、それらの相互作用を調節する薬剤を同定するために使用され
得る。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙げられた組
織に対する腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的として有用性を示し得る
【0328】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号52に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号52の1〜1182の任意の整数であり、bは15〜11
96の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号52に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0329】 (遺伝子番号43によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、主に免疫細胞、脳組織、胎児組織、および癌組織(例えば、精
巣、胃、肺、膵臓、卵巣)、ならびにより少ない程度では、精巣および腎臓を含
むが、これらに限定されない他の多数の組織において発現される。
【0330】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに神経変性疾患を含
むが、それらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用であ
る。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織ま
たは細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組
織または細胞、特に中枢神経系および免疫細胞の多くの障害に関して、標準の遺
伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の
発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、この
ような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、癌
性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、
および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的に検出され
得る。
【0331】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号145における残基:Lys−2
3〜Lys−35、Met−46〜Tyr−52として示される免疫原性エピト
ープを含む。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供
される。
【0332】 この組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチド
が、前頭皮質の神経変性障害、ならびに癌または精巣、胃、肺、膵臓、および卵
巣を含むが、これらに限定されない多くの組織の癌の診断および処置に有用であ
ることを示す。この組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよび
ポリペプチドが、神経変性疾患状態、行動障害、または炎症状態の検出、処置、
および/または予防に有用であることを示す。代表的な用途は、以下の「再生」
および「過剰増殖障害」の節、実施例11、15、および18、ならびに本明細
書中の他の箇所に記載される。簡単には、この用途は、アルツハイマー病、パー
キンソン病、多発性硬化症、嚢胞性線維症、ハンチントン舞踏病、ツレット症候
群、髄膜炎、脳炎、脱髄疾患、末梢神経障害、新形成、外傷、先天性異常、脊髄
傷害、虚血および梗塞形成、動脈瘤、出血、精神分裂病、躁病、痴呆、偏執症、
強迫性障害、鬱病、恐慌性障害、学習障害、ALS、精神病、自閉、および行動
変化(栄養補給、睡眠パターン、平衡、および知覚の障害を含む)の検出、処置
、および/または予防を含むが、これらに限定されない。さらに、脳の領域にお
けるこの遺伝子産物の上昇した発現は、通常の神経機能において役割を果たすこ
とを示す。
【0333】 潜在的に、この遺伝子産物は、シナプス形成、神経伝達、学習、認識、恒常性
、あるいはニューロンの分化または生存に関連する。さらに、このタンパク質は
また、栄養補給剤としてのその用途に加えて、生物学的活性を決定するために、
抗体を惹起するために、組織マーカーとして、同属のリガンドまたはレセプター
を単離するために、それらの相互作用を調節する薬剤を同定するために使用され
得る。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙げられた組
織に対する腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的として有用性を示し得る
。この組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチド
が、種々の免疫系の障害の診断および処置に有用であることを示す。代表的な用
途は、以下の「免疫活性」および「感染性疾患」の節において、実施例11、1
3、14,16、18、19、20、および27において、ならびに本明細書中
の他の箇所に記載される。簡単には、この遺伝子産物の発現は、血液幹細胞を含
む造血細胞系統の増殖、生存、分化、および/または活性化の調節における役割
を示す。この遺伝子産物は、サイトカインの産生、抗原提示、または癌の処置(
例えば、免疫応答をブーストすることによる)においての有用性を示唆する他の
プロセスの調節に関与する。
【0334】 この遺伝子は、リンパ起源の細胞において発現されるので、天然の遺伝子産物
は、免疫機能に関与し得る。従って、これらはまた、関節炎、喘息、AIDSの
ような免疫不全疾患、白血病、慢性関節リウマチ、慢性肉芽腫症、炎症性腸疾患
、敗血症、挫瘡、好中球減少、好中球増加、乾癬、過敏症(例えば、T細胞媒介
細胞傷害性);移植された器官および組織に対する免疫反応(例えば、宿主対移
植片病および対宿主性移植片病)、または自己免疫性障害(例えば、自己免疫不
妊症)、水晶体組織傷害、脱髄、全身性エリテマトーデス、薬物誘発性溶血性貧
血、慢性関節リウマチ、シェーグレン病、強皮症および組織を含む免疫学的障害
のための薬剤として有用であり得る。さらに、このタンパク質は、他の血球の分
化および活動に影響を及ぼすか、または損傷部位に対して造血細胞を漸増する分
泌因子を提示し得る。従って、この遺伝子産物は、様々な血液系列の幹細胞およ
び方向付けられた前駆細胞の拡大において、および様々な細胞型の分化および/
または増殖において有用であると考えられる。さらに、このタンパク質はまた、
栄養補給剤としてのその用途に加えて、生物学的活性を決定するために、抗体を
惹起するために、組織マーカーとして、同属のリガンドまたはレセプターを単離
するために、それらの相互作用を調節する薬剤を同定するために使用され得る。
タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙げられた組織に対
する腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的として有用性を示し得る。
【0335】 さらに、細胞増殖により特徴付けられる胚組織および他の細胞源での発現は、
このタンパク質が細胞分裂の調節において役割を果たし得ること、そして癌およ
び他の増殖状態を含む発生疾患および障害の診断、処置および/または予防に有
用性を示し得ることを示す。代表的な用途は、以下の「過剰増殖性障害」および
「再生」の節ならびに本明細書中の別の部分に記載される。簡単には、発生組織
は、パターン形成における細胞分化および/またはアポトーシスに関与する決定
に依存する。
【0336】 アポトーシスの調節不全は、いくつかの癌の発生において生じるような細胞死
の不適切な抑制を生じ得るか、または、後天性免疫不全および特定の神経変性障
害(例えば、棘筋萎縮症(SMA))において生じると考えられるような、細胞
死の程度を制御できないことになり得る。増殖および分化における潜在的な役割
のために、この遺伝子産物は、組織再生および癌の処置のための成体における適
用を有し得る。それはまた、細胞および組織型特異化を制御するためのモルフォ
ゲンとして作用し得る。従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチド
は、上記障害および状態、ならびに他の型の変性状態の処置、検出および/また
は予防において有用である。従って、このタンパク質は、アポトーシスまたは組
織分化を調節し得、そして変性または増殖性状態および疾患の、検出、処置、お
よび/または予防において有用である。このタンパク質は、増殖性および癌性細
胞ならびに組織において存在し得るような、異常なポリペプチドの免疫応答を調
節する際に有用である。このタンパク質はまた、細胞成長および細胞増殖の調節
に新たな洞察を得るために使用され得る。さらに、このタンパク質はまた、栄養
補給剤としてのその用途に加えて、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起
するために、組織マーカーとして、同属のリガンドまたはレセプターを単離する
ために、それらの相互作用を調節する薬剤を同定するために使用され得る。タン
パク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙げられた組織に対する
腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的として有用性を示し得る。
【0337】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号53に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号53の1〜931の任意の整数であり、bは15〜945
の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号53に示されるヌクレオチド
残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上の
ポリヌクレオチドが除外される。
【0338】 (遺伝子番号44によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、主に類上皮肉腫において、ならびにより少ない程度で膵臓癌、
TNFαで誘導される大動脈内皮細胞、およびTNFで誘導される羊膜細胞にお
いて発現される。この遺伝子はまた、より少ない程度で癌性の肺組織および卵巣
組織ならびに胎児組織において発現される。
【0339】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに類上皮肉腫および
関連した癌を含むが、それらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬
として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する
抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用
である。上記組織または細胞、特に免疫系の多くの障害に関して、標準の遺伝子
発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現
レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このよう
な障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、癌性組
織および創傷組織)または体液(例えば、羊水、リンパ、血清、血漿、尿、滑液
、および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的に検出さ
れる。
【0340】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号146における残基:Tyr−3
9〜Arg−51として示される免疫原性エピトープを含む。これらのポリペプ
チドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0341】 この組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチド
が、類上皮肉腫および膵臓癌を含む特定の癌の診断および処置に有用であること
を示す。肺、卵巣、および膵臓起源の腫瘍におけるこの組織分布は、この遺伝子
に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、発現が示されている他の腫
瘍に加えて、これらの癌の診断および処置に有用であることを示す。タンパク質
ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙げられた組織に対する組織特
異的マーカーおよび/または免疫治療の標的として有用性を示し得る。さらに、
細胞増殖により特徴付けられる胚組織および他の細胞源での発現は、このタンパ
ク質が細胞分裂の調節において役割を果たし得ること、そして癌および他の増殖
状態を含む発生疾患および障害の診断、処置および/または予防に有用性を示し
得ることを示す。代表的な用途は、以下の「過剰増殖性障害」および「再生」の
節ならびに本明細書中の別の部分に記載される。簡単には、発生組織は、パター
ン形成における細胞分化および/またはアポトーシスに関与する決定に依存する
【0342】 アポトーシスの調節不全は、いくつかの癌の発生において生じるような細胞死
の不適切な抑制、または後天性免疫不全および特定の神経変性障害(例えば、棘
筋萎縮症(SMA))において生じると考えられるような細胞死の程度の制御の
失敗を生じ得る。増殖および分化における潜在的な役割のために、この遺伝子産
物は、組織再生および癌の処置のための成体における適用を有し得る。それはま
た、細胞および組織型特異化を制御するためのモルフォゲンとして作用し得る。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、上記障害および状態
、ならびに他の型の変性状態の処置、検出および/または予防において有用であ
る。従って、このタンパク質は、アポトーシスまたは組織分化を調節し得、そし
て変性または増殖性状態および疾患の、検出、処置、および/または予防におい
て有用である。このタンパク質は、増殖性および癌性細胞および組織において存
在し得るような、異常なポリペプチドに対する免疫応答を調節する際に有用であ
る。このタンパク質はまた、細胞成長および細胞増殖の調節に対する新たな洞察
を得るために使用され得る。さらに、このタンパク質はまた、栄養補給剤として
のその使用に加えて、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起するために、
組織マーカーとして、同属のリガンドまたはレセプターを単離するために、それ
らの相互作用を調節する薬剤を同定するために使用され得る。タンパク質ならび
にこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙げられた組織に対する腫瘍マーカー
および/または免疫治療の標的として有用性を示し得る。この組織分布は、この
遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、種々の免疫系障害の
診断および処置のために有用であることを示唆する。代表的な用途は、以下の「
免疫活性」の節および「感染性疾患」の節、実施例11、実施例13、実施例1
4、実施例16、実施例18、実施例19、実施例20、および実施例27、な
らびに本明細書の他のところに記載される。簡潔には、この遺伝子産物の発現は
、血液幹細胞を含む造血細胞系統の増殖;生存;分化;および/または活性化の
調節における役割を示す。この遺伝子産物は、サイトカイン産生、抗原提示、ま
たは癌の処置(例えば、免疫応答をブーストすることによる)に有用性をまた示
し得る他のプロセスの調節に関与する。
【0343】 この遺伝子は、リンパ起源の細胞において発現されるので、天然の遺伝子産物
は、免疫機能に関与する。従って、これらはまた、関節炎、喘息、AIDSのよ
うな免疫不全疾患、白血病、慢性関節リウマチ、肉芽腫症、炎症性腸疾患、敗血
症、挫瘡、好中球減少、好中球増加、乾癬、過敏症(例えば、T細胞媒介細胞傷
害性);移植された器官および組織に対する免疫反応(例えば、対移植片性宿主
病および対宿主性移植片病)、または自己免疫性障害(例えば、自己免疫不妊症
)、水晶体組織傷害、脱髄、全身性エリテマトーデス、薬物誘発性溶血性貧血、
慢性関節リウマチ、シェーグレン病、強皮症を含む免疫学的障害のための薬剤と
して有用である。さらに、このタンパク質は、他の血球の分化もしくは活動に影
響を及ぼすか、または損傷部位に対して造血細胞を補充する分泌因子を提示し得
る。従って、この遺伝子産物は、様々な血液系統の幹細胞および方向付けられた
前駆細胞の拡大において、ならびに様々な細胞型の分化および/または増殖にお
いて有用であると考えられる。さらに、このタンパク質はまた、その栄養補給剤
としての使用に加えて、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起するために
、組織マーカーとして、同属のリガンドまたはレセプターを単離するために、そ
れらの相互作用を調節する薬剤を同定するために使用され得る。タンパク質なら
びにこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙げた組織の腫瘍マーカーとしてお
よび/または免疫治療の標的として有用性を示し得る。
【0344】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号54に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号54の1〜474の任意の整数であり、bは15〜488
の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号54に示されるヌクレオチド
残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上の
ポリヌクレオチドが除外される。
【0345】 (遺伝子番号45によってコードされるタンパク質の特徴) 別の実施態様において、推定シグナルペプチドの上流のオープンリーディング
フレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、本発明によって意図される。詳
細には、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0346】
【化18】 (配列番号234)。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもま
た、提供される。
【0347】 この遺伝子は、主に、胎児組織および乳児組織、特に乳児脳および胎児肝臓/
脾臓ライブラリー、ならびにより少ない程度で、乳房、卵巣腫瘍、咽頭癌、子宮
内膜間質部細胞、胸腺、島細胞腫瘍および成体小脳において発現される。
【0348】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに癌および他の増殖
性障害を含むがこれらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として
有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は
、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である
。上記組織または細胞、特に脳および乳房の障害の多くの障害に関して、標準遺
伝子発現レベル(すなわち、障害を有していない個体由来の健常組織または体液
中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現は、
このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば
、免疫組織、発生組織、造血組織、ならびに癌性組織および創傷組織)または体
液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、羊水、滑液および髄液)または別の組織
もしくは細胞のサンプルの中で、慣用的に検出される。
【0349】 発達中の細胞および組織におけるこの組織分布は、この遺伝子に対応するポリ
ヌクレオチドおよびポリペプチドが、癌および他の増殖性障害の診断および処置
に有用であることを示す。増殖細胞により特徴付けられる細胞供給源内での発現
は、このタンパク質が細胞分裂の調節に役割を果たし得、そして癌および他の増
殖状態を含む発生疾患および障害の診断、処置、および/または予防における有
用性を示し得ることを示す。代表的な用途は、以下の「過剰増殖性障害」および
「再生」の節、ならびに本明細書中の他の箇所において記載される。簡潔には、
発生組織は、パターン形成における細胞分化および/またはアポトーシスに関与
する決定に依存する。
【0350】 アポトーシスの調節不全は、いくつかの癌の発生において生じるような細胞死
の不適切な抑制、または後天性免疫不全および特定の神経変性障害(例えば、棘
筋萎縮症(SMA))において生じると考えられるような細胞死の程度の制御の
失敗を生じ得る。増殖および分化における潜在的な役割のために、この遺伝子産
物は、組織再生および癌の処置のための成体における適用を有し得る。それはま
た、細胞および組織型特異化を制御するためのモルフォゲンとして作用し得る。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、上記障害および状態
、ならびに他の型の変性状態の処置、検出および/または予防において有用であ
る。従って、このタンパク質は、アポトーシスまたは組織分化を調節し得、そし
て変性または増殖性状態および疾患の、検出、処置、および/または予防におい
て有用である。このタンパク質は、増殖性および癌性細胞および組織において存
在し得るような、異常なポリペプチドに対する免疫応答を調節する際に有用であ
る。このタンパク質はまた、細胞成長および細胞増殖の調節に対する新たな洞察
を得るために使用され得る。さらに、このタンパク質はまた、栄養補給剤として
のその使用に加えて、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起するために、
組織マーカーとして、同属のリガンドまたはレセプターを単離するために、それ
らの相互作用を調節する薬剤を同定するために使用され得る。タンパク質ならび
にこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙げられた組織に対する腫瘍マーカー
および/または免疫治療の標的として有用性を示し得る。
【0351】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号55に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号55の1〜2846の任意の整数であり、bは15〜286
0の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号55に示されるヌクレオチ
ド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上
のポリヌクレオチドが除外される。
【0352】 (遺伝子番号46によってコードされるタンパク質の特徴) 別の実施態様において、推定シグナルペプチドの上流のオープンリーディング
フレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、本発明によって意図される。詳
細には、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0353】
【化19】 (配列番号235)。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもま
た、提供される。
【0354】 この遺伝子は、主に乳癌、ならびにより少ない程度で、子宮癌、滑膜肉腫およ
び咽頭癌を含む種々の他の癌において発現される。
【0355】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに以下を含むがそれ
らに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である:乳癌;
増殖性疾患および/または障害。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプ
チドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブ
の提供に有用である。上記組織または細胞、特に乳房の障害の多くの障害に関し
て、標準遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有していない個体由来の健常組織
または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子
の発現は、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞
型(例えば、生殖組織、乳房組織、増殖性組織、ならびに癌性組織および創傷組
織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、乳汁、尿、滑液および髄液)ま
たは別の組織もしくは細胞のサンプルの中で、慣用的に検出される。
【0356】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号148において残基:Glu−3
5〜His−41、Ser−62〜Ala−67、Pro−145〜Leu−1
55、Glu−157〜Ser−163、Arg−190〜Val−197、A
sp−208〜Pro−215、Ser−247〜Pro−252として示され
る免疫原性エピトープを含む。このポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
もまた、提供される。
【0357】 乳癌組織におけるこの組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドお
よびポリペプチドが、癌の診断および/または処置のために有用であることを示
す。癌(例えば、乳癌)におけるこの遺伝子産物の発現の上昇は、これが細胞の
異常な増殖、脱分化、血管新生、および癌の発生に付随する他のプロセスにおい
て関与することを示唆する。従って、この遺伝子産物に対して標的化された治療
剤は、それら自体およびそれら単独で有用な治療用生成物である。あるいは、乳
房組織におけるこの遺伝子産物の上昇したレベルでの発現は、乳房リンパ節内の
発現を示し、そしてこのタンパク質についての造血的役割を示唆し得る。代表的
な用途は、以下の「過増殖性疾患」および「再生」の節、ならびに本明細書中の
他の箇所に記載される。簡潔には、発生組織は、パターン形成における細胞分化
および/またはアポトーシスに関与する決定に依存する。
【0358】 アポトーシスの調節不全は、いくつかの癌の発生において生じるような細胞死
の不適切な抑制、または後天性免疫不全および特定の神経変性障害(例えば、棘
筋萎縮症(SMA))において生じると考えられるような細胞死の程度の制御の
失敗を生じ得る。増殖および分化における潜在的な役割のために、この遺伝子産
物は、組織再生および癌の処置のための成体における適用を有し得る。それはま
た、細胞および組織型特異化を制御するためのモルフォゲンとして作用し得る。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、上記障害および状態
、ならびに他の型の変性状態の処置、検出および/または予防において有用であ
る。従って、このタンパク質は、アポトーシスまたは組織分化を調節し得、そし
て変性または増殖性状態および疾患の、検出、処置、および/または予防におい
て有用である。このタンパク質は、増殖性および癌性細胞および組織において存
在し得るような、異常なポリペプチドに対する免疫応答を調節する際に有用であ
る。このタンパク質はまた、細胞成長および細胞増殖の調節に対する新たな洞察
を得るために使用され得る。さらに、このタンパク質はまた、栄養補給剤として
のその使用に加えて、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起するために、
組織マーカーとして、同属のリガンドまたはレセプターを単離するために、それ
らの相互作用を調節する薬剤を同定するために使用され得る。タンパク質ならび
にこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙げられた組織に対する腫瘍マーカー
および/または免疫治療の標的として有用性を示し得る。
【0359】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号56に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは、配列番号56の1〜1545の任意の整数であり、bは、15〜
1559の整数であり、ここでaおよびbの両方は、配列番号56に示されるヌ
クレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbは、a+14以上である)を含
む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
【0360】 (遺伝子番号47によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子の翻訳産物は、シトクロムcオキシダーゼと制限された配列相同性
を共有する。別の実施態様は、以下のアミノ酸配列を含むポリペプチドである:
【0361】
【化20】 (配列番号236)。
【0362】 別の実施態様において、推定シグナルペプチドの上流のオープンリーディング
フレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、本発明によって意図される。詳
細には、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0363】
【化21】 (配列番号237)。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもま
た、提供される。
【0364】 この遺伝子は、主にケラチノサイト、脳および脊髄、ならびにより少ない程度
で造血細胞および組織において発現される。
【0365】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに以下を含むがそれ
らに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である:神経変
性障害;造血障害;外皮障害;免疫不全;学習障害。同様に、ポリペプチドおよ
びこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のため
の免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に免疫系およ
び神経系の障害の多くの障害に関して、標準遺伝子発現レベル(すなわち、障害
を有していない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に
高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現は、このような障害を有する個体から
採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、外皮組織、神経組織、発生組織
、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑
液および髄液)または別の組織もしくは細胞のサンプルの中で、慣用的に検出さ
れる。
【0366】 脳および脊髄の細胞および組織におけるこの組織分布は、この遺伝子に対応す
るポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、種々の神経学的障害および造血障害
の診断および処置に有用であることを示す。例えば、脳および脊髄におけるこの
遺伝子産物の発現レベルの上昇は、これが、神経変性障害に関与することを示す
。代表的な用途は、以下の「再生」および「過剰増殖性障害」の節、実施例11
、15および18、ならびに本明細書中の他の箇所に記載される。要するに、こ
の用途としては、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、ツレッ
ト症候群、髄膜炎、脳炎、脱髄疾患、末梢神経障害、新形成、外傷、先天性異常
、脊髄傷害、虚血および梗塞形成、動脈瘤、出血、精神分裂病、躁病、痴呆、偏
執症、強迫性障害、鬱病、恐慌性障害、学習障害、ALS、精神病、自閉、およ
び行動変化(栄養補給、睡眠パターン、平衡、および知覚の障害を含む)の検出
、処置、および/または予防を含むがこれらに限定されない。さらに、脳の領域
におけるこの遺伝子産物の発現の上昇は、これが正常な神経機能において役割を
果たすことを示す。
【0367】 この遺伝子産物は、潜在的に、シナプス形成、神経伝達、学習、認知、ホメオ
スタシス、またはニューロンの分化もしくは生存に関与する。あるいは、造血細
胞におけるこの遺伝子産物の発現は、これがすべての造血系統(幹細胞および前
駆細胞を含む)の増殖、分化、生存、および活性化に関与することを示す。ケラ
チノサイトにおけるこの遺伝子産物の発現は、これが、正常な皮膚機能に関与し
、そして皮膚障害、皮膚炎および線維症に関与し得ることを示す。このタンパク
質は、以下を検出、処置、および/または予防する際に有用である:先天性の障
害(すなわち、母斑、色素性母斑、そばかす、蒙古斑、血管腫、ブドウ酒様症候
群(port−wine syndrome))、外皮腫瘍(すなわち、角化症
、ボーエン病、基底細胞ガン、扁平上皮ガン、悪性黒色腫、パジェット病、菌状
息肉腫、およびカポージ肉腫)、皮膚の傷害および炎症(すなわち、創傷、発疹
、紅色汗疹障害、乾癬、皮膚炎)、アテローム硬化症、じんま疹(uticar
ia)、湿疹、羞明、自己免疫障害(すなわち、エリテマトーデス、白斑、皮膚
筋炎、限局性強皮症、強皮症、類天疱瘡、および天疱瘡)、ケロイド、線条、紅
斑、点状出血、紫斑病、および眼瞼黄板症。さらに、このような障害は、皮膚の
ウイルス性感染および細菌性感染(すなわち、単純ヘルペス、イボ、水痘、伝染
性軟属腫、帯状ヘルペス、腫脹、蜂巣炎、丹毒、膿痂疹、輪癬、みずむし(al
thletes foot)、および白癬)に対する感受性を増加させ得る。さ
らに、この遺伝子のタンパク質産物はまた、種々の結合組織障害(すなわち、関
節炎、外傷、腱炎、軟骨軟化(chrondomalacia)および炎症など
)、自己免疫障害(すなわち、慢性関節リウマチ、狼瘡、硬皮症、皮膚筋炎など
)、小人症、脊椎変形、関節異常、ならびに軟骨形成不全(すなわち、先天性脊
椎骨端形成異常、家族性変形性関節症、II型骨形成不全(Atelosteo
genesis type II)、シュミット型骨幹端軟骨形成不全))の処
置または診断のために有用であり得る。さらに、このタンパク質はまた、生物学
的活性を決定するために、抗体を惹起するために、組織マーカーとして、同属の
リガンドまたはレセプターを単離するために、それらの相互作用を調節する薬剤
を同定するために、栄養補給剤としてのその使用に加えて、使用され得る。タン
パク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙げられた組織に対する
腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的として有用性を示し得る。
【0368】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号57に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号57の1〜2050の任意の整数であり、bは15〜206
4の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号57に示されるヌクレオチ
ド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上
のポリヌクレオチドが除外される。
【0369】 (遺伝子番号48によってコードされるタンパク質の特徴) 別の実施態様において、推定シグナルペプチドの上流のオープンリーディング
フレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、本発明によって意図される。詳
細には、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0370】
【化22】 (配列番号238)。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもま
た、提供される。
【0371】 この遺伝子は、主に、ヒト下垂体、ならびにより少ない程度で、松果体および
脳の他の領域において発現される。
【0372】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに以下を含むがそれ
らに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である:下垂体
機能不全;異常な増殖;神経学的欠陥;不十分な乳汁分泌;異常な平滑筋収縮。
同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または
細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織ま
たは細胞、特に内分泌系および神経系の障害の多くの障害に関して、標準遺伝子
発現レベル(すなわち、障害を有していない個体由来の健常組織または体液中の
発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現は、この
ような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、内
分泌組織、発生組織、生殖組織、ならびに癌性組織および創傷組織)または体液
(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、羊水、乳汁、滑液および髄液)または別の
組織もしくは細胞のサンプルの中で、慣用的に検出される。
【0373】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号150において残基:Pro−3
6〜Gly−42、Pro−64〜Ala−76、Gly−83〜Ala−90
、Ser−100〜Cys−108、Thr−126〜Ser−135として示
される免疫原性エピトープを含む。このポリペプチドをコードするポリヌクレオ
チドもまた、提供される。
【0374】 主に下垂体の細胞および組織におけるこの組織分布は、この遺伝子に対応する
ポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、種々の障害の診断および/または処置
に有用であることを示す。下垂体におけるこの遺伝子産物の発現の上昇は、おそ
らくこれが、下垂体発達自体、または下垂体によって制御される種々のプロセス
のいずれかを制御するホルモン様物質であることを示す。これらは、増殖、乳汁
分泌、平滑筋収縮、利尿、血圧およびホメオスタシスを含む。従って、この遺伝
子産物は、多くの臨床的応用を有し得る。脳の他の領域におけるこの遺伝子産物
の発現もまた、これが、正常な神経学的機能に関与し、そして種々の神経学的障
害の処置において有用であることを示す。代表的な用途は、以下の「生物学的活
性」、「過剰増殖性障害」および「結合活性」の節において、実施例11、17
、18、19、20および27において、ならびに本明細書中の他の箇所に記載
される。簡単に述べると、このタンパク質は、アディソン病、クッシング症候群
、ならびに膵臓(例えば、糖尿病)、副腎皮質、卵巣、下垂体(例えば、下垂体
機能亢進症、下垂体機能低下症)、甲状腺(例えば、甲状腺機能亢進症、甲状腺
機能低下症)、上皮小体(例えば、上皮小体機能亢進症、上皮小体機能低下症)
、視床下部(hypothallamus)および精巣の障害および/または癌
の検出、処置、および/または予防のために使用され得る。さらに、このタンパ
ク質はまた、生物学的活性を決定するため、抗体を惹起するため、組織マーカー
として、同種のリガンドまたはレセプターを単離するため、それらの相互作用を
調節する因子を同定するために、栄養補充物としてのその使用に加えて使用され
得る。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、有用性を示し得る。
【0375】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号58に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号58の1〜1036の任意の整数であり、bは15〜10
50の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号58に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0376】 (遺伝子番号49によってコードされるタンパク質の特徴) 別の実施態様において、推定シグナルペプチドの上流のオープンリーディング
フレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、本発明によって意図される。詳
細には、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0377】
【化23】 (配列番号239)。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもま
た、提供される。
【0378】 この遺伝子のポリペプチドは、この遺伝子について表1で参照されるアミノ酸
配列のほぼアミノ酸7位〜23位において、膜貫通ドメインを有すると決定され
た。さらに、このタンパク質のアミノ酸24〜390を含む細胞質テイルもまた
決定された。これらの特徴に基づいて、この遺伝子のタンパク質産物は、Ib型
膜タンパク質と構造的特徴を共有すると考えられる。
【0379】 開示されたcDNAをコードする遺伝子は、第12染色体に存在すると考えら
れている。従って、本発明に関連するポリヌクレオチドは、第12染色体につい
ての連鎖分析におけるマーカーとして有用である。
【0380】 この遺伝子は、主に前立腺および胎盤、ならびにより少ない程度で、膵臓腫瘍
および造血細胞において発現される。
【0381】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに以下を含むがこれ
らに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である:前立腺
癌;膵臓癌;前立腺機能不全;造血障害;生殖疾患および/または障害、ならび
に膵臓炎。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、
組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。
上記組織または細胞、特に内分泌系および免疫系の多くの障害に関して、標準遺
伝子発現レベル(すなわち、障害を有していない個体由来の健常組織または体液
中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現は、
このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば
、生殖組織、前立腺組織、膵臓組織、胎盤組織、血管組織、ならびに癌性組織お
よび創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、精液、血漿、尿、滑液およ
び髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的に検出され得る
【0382】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号151において残基:Pro−8
5〜Ser−94、Pro−127〜Thr−136、Glu−154〜Glu
−160、Phe−240〜Ser−250、Leu−255〜Leu−265
、Leu−341〜Lys−351、Thr−372〜Gly−384として示
される免疫原性エピトープを含む。このポリペプチドをコードするポリヌクレオ
チドもまた、提供される。
【0383】 前立腺および胎盤の細胞および組織におけるこの組織分布は、この遺伝子に対
応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、種々の生殖障害の診断および/
または処置のために有用であることを示す。前立腺におけるこの遺伝子産物の発
現の上昇は、これが、正常な前立腺機能に関与し、そして前立腺癌についての診
断マーカーであることを示す。あるいは、胎盤におけるこの遺伝子産物の発現は
、これが、正常な血管機能において役割を果たし得、そして血管新生および内皮
細胞走化性のようなプロセスに関与することを示す。従って、この遺伝子産物は
、心筋梗塞、癌、虚血および糖尿病性網膜症の処置に有用である。胎盤における
この遺伝子産物の発現はまた、胎児の健康および発育を示し得る。
【0384】 同様に、造血細胞におけるこの遺伝子産物の発現は、これが、すべての造血細
胞系統の増殖、分化、生存または活性化に関与することを示す。最終的に、膵臓
癌におけるこの遺伝子産物の発現は、これが一般に癌において、または膵臓機能
において役割を果たし得ることを示す。分泌型タンパク質はまた、生物学的活性
を決定するために、抗体を産生するために、組織マーカーとして、同属のリガン
ドまたはレセプターを単離するために、それらの相互作用を調節する因子を同定
するために、および栄養補充物として使用され得る。これはまた、非常に広範な
範囲の生物学的活性を有し得る。代表的な用途は、以下の「走化性」および「結
合活性」の節、実施例11、12、13、14、15、16、18、19および
20、ならびに本明細書中の他の箇所において記載される。簡潔には、このタン
パク質は、以下の活性を有し得る:サイトカイン、細胞の増殖/分化調節活性、
または他のサイトカインの誘導;免疫刺激/免疫抑制活性(例えば、ヒトの免疫
不全ウイルス感染、癌、自己免疫疾患、およびアレルギーを処置するため);造
血の調節(例えば、貧血を処置するため、または化学療法に対する補助薬として
);骨、軟骨、腱、靭帯、および/または神経の刺激または増殖(例えば、創傷
を処置するため、卵胞刺激ホルモンの刺激のため(受胎能の制御のため);走化
性およびケモキネシス活性(例えば、感染、腫瘍を処置するため);止血または
血栓崩壊活性(例えば、血友病、心筋梗塞などを処置するため);抗炎症活性(
例えば、敗血症性ショック、クローン病を処置するため);抗菌薬として;乾癬
または他の過剰増殖性疾患を処置するため;代謝および挙動の調節のため。遺伝
子治療手順における対応する核酸の使用も意図される。タンパク質ならびにこの
タンパク質に対する抗体は、上記に列挙された組織の腫瘍マーカーおよび/また
は免疫療法標的としての有用性を示し得る。
【0385】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号59に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号59の1〜2519の任意の整数であり、bは15〜25
33の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号59に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0386】 (遺伝子番号50によりコードされるタンパク質の特徴) Jurkat細胞株およびK562細胞株に対して試験した場合、この遺伝子
を含む細胞から得られた上清は、それぞれGAS(γ活性化配列)およびISR
E(インターフェロン感受性応答エレメント)プロモーターエレメントを活性化
した。従って、この遺伝子は、JAK−STATシグナル伝達経路を介して、骨
髄性白血病、およびより少ない程度で他の免疫または造血の細胞および組織細胞
型を活性化するようである。GASは、Jak−STAT経路に関与する多くの
遺伝子の上流に見出されるプロモーターエレメントである。このJak−STA
T経路は、細胞の分化および増殖に関与する大きなシグナル伝達経路である。従
って、Jak−STAT経路の活性化(GASエレメントの結合により反映され
る)は、細胞の増殖および分化に関与するタンパク質を示すために使用され得る
。ISREもまた、Jak−STAT経路に関与する多くの遺伝子の上流に見出
されるプロモーターエレメントである。このJak−STAT経路は、細胞の分
化および増殖に関与する大きなシグナル伝達経路である。従って、Jak−ST
AT経路の活性化(ISREエレメントの結合により反映される)は、細胞の増
殖および分化に関与するタンパク質を示すために使用され得る。
【0387】 別の実施態様において、推定シグナルペプチドの上流のオープンリーディング
フレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、本発明によって意図される。詳
細には、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0388】
【化24】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0389】 この遺伝子は主に、脳および胎盤において発現される。
【0390】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに以下を含むが、こ
れらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である:脈管
疾患;異常新脈管形成;神経学的障害;学習障害;胎盤不全;および胎児仮死。
同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または
細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブを提供する際に有用である。上記
組織または細胞、特に脈管系および神経系(CNS/PNS)の多くの障害に関
して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織
または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子
の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞
型(例えば、神経組織、生殖組織、脈管組織、ならびに癌性組織および創傷組織
)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液および髄液)、または別
の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的に検出される。
【0391】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号152において残基:Met−1
〜Thr−7、Glu−36〜Ser−43、Pro−46〜Gly−63とし
て示される免疫原性エピトープを含む。このポリペプチドをコードするポリヌク
レオチドもまた、提供される。
【0392】 脳および胎盤の細胞および組織における組織分布は、検出されたGASおよび
ISRE生物学的活性と組み合わせて、この遺伝子のタンパク質産物が、種々の
神経疾患および/または神経障害、生殖疾患および/または生殖障害、ならびに
脈管疾患および/または脈管障害、神経変性疾患状態、行動障害、または炎症状
態の診断および/または処置に有用であることを示す。代表的な用途は、以下の
「再生」および「過剰増殖性障害」の節、実施例11、15、および18、なら
びに本明細書中の他の箇所において記載される。簡潔には、この用途としては、
アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、ツレット症候群、髄膜炎
、脳炎、脱髄疾患、末梢神経障害、新形成、外傷、先天性奇形、脊髄損傷、虚血
および梗塞形成、動脈瘤、出血、精神分裂病、躁病、痴呆、偏執症、強迫性障害
、鬱病、恐慌性障害、学習障害、ALS、精神病、自閉、および行動変化(栄養
補給、睡眠パターン、平衡、および知覚の障害を含む)の検出、処置、および/
または予防が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、脳の領域における
この遺伝子産物の発現の上昇は、これが正常な神経機能において役割を果たすこ
とを示す。
【0393】 潜在的に、この遺伝子産物は、シナプス形成、神経伝達、学習、認識、恒常性
、またはニューロンの分化もしくは生存に関与する。胎盤におけるこの遺伝子産
物の発現は、これが血管の発生または機能において役割を果たし得ることを示す
。なぜなら、胎盤は高度に血管化された器官であるからである。従って、この遺
伝子産物は、新脈管形成、内皮細胞の走化性、および脈管索の形成のようなプロ
セスに関与する。従って、心筋梗塞;虚血;および癌のような状態の処置におい
て有用である。あるいは、脳におけるこの遺伝子産物の発現は、これがニューロ
ンの生存、増殖、または機能において役割を果たし得ることを示す。従って、こ
れは、ALS、精神分裂病、およびアルツハイマー病のような神経学的障害の診
断および処置において有用である。これは、同様に学習障害にも関与し得る。さ
らに、このタンパク質はまた、その栄養補給剤としての使用に加えて、生物学的
活性を決定するために、抗体を惹起するために、組織マーカーとして、同属のリ
ガンドまたはレセプターを単離するために、それらの相互作用を調節する薬剤を
同定するために使用され得る。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体
は、上記に列挙された組織の腫瘍マーカーおよび/または免疫療法標的としての
有用性を示し得る。
【0394】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号60に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号60の1〜885の任意の整数であり、bは15〜899
の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号60に示されるヌクレオチド
残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上の
ポリヌクレオチドが除外される。
【0395】 (遺伝子番号51によってコードされるタンパク質の特徴) 別の実施態様において、推定シグナルペプチドの上流のオープンリーディング
フレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、本発明によって意図される。詳
細には、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:LQLASQS
AGIKGMSHCARPTFLTLLLASCFWAAAIPNRNVILS
VSFRPLHMQFTLSILVFILRILILLRSFL(配列番号24
1)。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0396】 この遺伝子のポリペプチドは、この遺伝子について表1で参照されるアミノ酸
配列のほぼアミノ酸40〜56位で膜貫通ドメインを有することが決定された。
さらに、このタンパク質のアミノ酸57〜60を包含する細胞質テイル(cyt
oplasmic tail)もまた決定された。これらの特徴に基づいて、こ
の遺伝子のタンパク質産物は、Ia型膜タンパク質と構造的特徴を共有すると考
えられる。
【0397】 この遺伝子は主に、慢性リンパ性白血病を有する患者由来の脾臓において発現
される。
【0398】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに以下を含むが、こ
れらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である:慢性
リンパ性白血病;造血障害;免疫機能欠損;癌。同様に、ポリペプチドおよびこ
れらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免
疫学的プローブを提供する際に有用である。上記組織または細胞、特に免疫系の
多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体
由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベ
ルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組
織もしくは細胞型(例えば、免疫組織、造血組織、ならびに癌性組織および創傷
組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液および髄液)、また
は別の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的に検出される。
【0399】 脾臓細胞および脾臓組織における組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌク
レオチドおよびポリペプチドが、種々の造血障害の診断および/または処置に有
用であることを示す。代表的な用途は、以下の「免疫活性」および「感染性疾患
」の節、実施例11、13、14、16、18、19、20、および27、なら
びに本明細書中の他の箇所において記載される。簡潔には、この用途としては、
骨髄細胞エキソビボ培養、骨髄移植、骨髄再形成、新形成の放射線治療または化
学療法が挙げられる。
【0400】 この遺伝子産物はまた、リンパ球産生に関与し得る。従って、この遺伝子産物
は免疫障害(例えば、感染、炎症、アレルギー、免疫不全など)において使用さ
れ得る。さらに、この遺伝子産物は、種々の血液系列の幹細胞および方向付けら
れた前駆体の拡大において、および種々の細胞型の分化および/または増殖にお
いて商業的有用性を有し得る。CLLを有する患者の脾臓におけるこのタンパク
質の発現の上昇は、これがこの疾患の有用なマーカーであることを示す。あるい
は、これは、この疾患の発症および/または進行と関連し、そして治療的介入の
ための有用な標的である。さらに、この遺伝子産物は、造血においてより一般的
な役割を果たし得、そしてすべての造血細胞系列の増殖、生存、活性化、および
/または分化に関する細胞の決定を制御するために作用し得る。さらに、このタ
ンパク質はまた、その栄養補給剤としての使用に加えて、生物学的活性を決定す
るために、抗体を惹起するために、組織マーカーとして、同属のリガンドまたは
レセプターを単離するために、それらの相互作用を調節する薬剤を同定するため
に使用され得る。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列
挙された組織の腫瘍マーカーおよび/または免疫療法標的としての有用性を示し
得る。
【0401】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号61に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号61の1〜1065の任意の整数であり、bは15〜10
79の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号61に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0402】 (遺伝子番号52によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子の翻訳産物は、キロイリデッセントウイルス由来の推定チロシンプ
ロテインキナーゼと配列相同性を共有する。例えば、Genbank登録番号g
i|2738451(AF003534)を参照のこと。この配列類似性に基づ
いて、この遺伝子の翻訳産物は、チロシンキナーゼおよびシグナリングタンパク
質と少なくとも幾分かの生物学的活性を共有することが予期される。このような
活性は当該分野において公知であり、この中のいくつかは本明細書中の他の箇所
で記載される。
【0403】 この遺伝子は、種々の組織(微小血管内皮細胞、樹状細胞、および胎児組織を
含む)、ならびにいくつかの腫瘍において発現される。
【0404】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに以下を含むが、こ
れらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である:脈管
疾患および/または脈管障害、免疫疾患および/または免疫障害、ならびに発生
疾患および/または発生障害、特に癌。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポ
リペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プ
ローブを提供する際に有用である。上記組織または細胞、特に免疫系の多くの障
害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健
常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの
遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしく
は細胞型(例えば、脈管組織、免疫組織、発生組織、増殖組織、ならびに癌性組
織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、羊水、尿、滑液
および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的に検出され
る。
【0405】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号154において残基:Ala−2
1〜Lys−31、Arg−41〜Cys−56、Thr−92〜CyS−10
2、Arg−132〜Val−137、Lys−152〜Ile−159、Pr
o−199〜Ser−205、Arg−210〜Asp−219、Ser−22
5〜Lys−230、Tyr−236〜Ala−241、Lys−243〜Le
u−249、Thr−375〜Asp−381として示される免疫原性エピトー
プを含む。このポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される
【0406】 この組織分布およびチロシンキナーゼに対する相同性は、この遺伝子に対応す
るポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、癌の診断および処置に有用であるこ
とを示す。代表的な用途は、以下の「免疫活性」および「感染性疾患」の節、実
施例11、13、14、16、18、19、20、および27、ならびに本明細
書中の他の箇所において記載される。簡潔には、この遺伝子産物の発現は、造血
細胞系列(血液幹細胞を含む)の増殖;生存;分化;および/または活性化の調
節における役割を示す。この遺伝子産物は、サイトカイン産生、抗原提示、また
は癌の処置において有用性を示唆する(例えば、免疫応答をブーストすることに
よる)他のプロセスの調節に関与する。
【0407】 この遺伝子は、リンパ起源の細胞において発現されるので、この天然の遺伝子
産物は、免疫機能に関与する。従って、これはまた、関節炎、喘息、免疫不全疾
患(例えば、AIDS)、白血病、慢性関節リウマチ、肉芽腫症、炎症性腸疾患
、敗血症、挫瘡、好中球減少症、好中球増加症、乾癬、過敏症(例えば、T細胞
媒介細胞障害)、移植器官および組織への免疫反応(例えば、宿主対移植片病お
よび移植片対宿主病)、または自己免疫性障害(例えば、自己免疫不妊症)、水
晶体組織傷害、脱髄、全身性エリテマトーデス、薬物誘引溶血性貧血、慢性関節
リューマチ、シェーグレン病、および強皮症を含む免疫学的障害のための薬剤と
して有用である。さらに、このタンパク質は、他の血球の分化もしくは挙動に影
響する分泌因子、または損傷部位に造血細胞を補充する分泌因子を表し得る。従
って、この遺伝子産物は、種々の血液系列の幹細胞および方向付けられた前駆体
の拡大において、および種々の細胞型の分化および/または増殖において有用で
あると考えられる。あるいは、このタンパク質は、微小血管の疾患、血管漏出症
候群、動脈瘤、発作、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、または塞栓症を含
むがこれらに限定されない脈管状態の検出、処置、および/または予防において
有用である。例えば、この遺伝子産物は、器官の神経支配を調節するか、または
隣接するニューロンの生存を調節する平滑筋によって生成される可溶性因子を表
し得る。同様に、これは、消化プロセス、およびぜん動のような作用を制御する
ことに関与する。同様に、これは、平滑筋が血管内皮を取り囲む領域において脈
管構造を制御することに関与する。さらに、このタンパク質はまた、その栄養補
給剤としての使用に加えて、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起するた
めに、組織マーカーとして、同属のリガンドまたはレセプターを単離するために
、それらの相互作用を調節する薬剤を同定するために使用され得る。タンパク質
ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙された組織の腫瘍マーカー
および/または免疫療法標的としての有用性を示し得る。
【0408】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号62に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bによる記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号62の1〜1914の任意の整数であり、bは15〜19
28の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号62に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0409】 (遺伝子番号53によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子のポリペプチドは、この遺伝子について表1で参照されるアミノ
酸配列のほぼアミノ酸2〜18位で膜貫通ドメインを有することが決定された。
これらの特徴に基づいて、この遺伝子のタンパク質産物は、Ib型膜タンパク質
と構造的特徴を共有すると考えられる。
【0410】 この遺伝子は主に、好中球において発現される。
【0411】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに以下を含むが、こ
れらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である:免疫
疾患および/または免疫障害、ならびに造血疾患および/または造血障害、特に
癌および免疫抑制。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する
抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブを提供する際
に有用である。上記組織または細胞、特に免疫系の多くの障害に関して、標準の
遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中
の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、こ
のような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、
免疫組織、造血組織、ならびに癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、
リンパ、血清、血漿、尿、滑液および髄液)、または別の組織もしくは細胞サン
プルの中で、慣用的に検出される。
【0412】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号155において残基:Gly−6
3〜Ser−72として示される免疫原性エピトープを含む。このポリペプチド
をコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0413】 好中球における組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポ
リペプチドが、癌患者および/または免疫抑制患者における好中球モニタリング
、および/または化学療法もしくは放射線治療の間の好中球モニタリングのため
のマーカーとして有用であることを示す。代表的な用途は、以下の「免疫活性」
および「感染性疾患」の節、実施例11、13、14、16、18、19、20
、および27、ならびに本明細書中の他の箇所において記載される。簡潔には、
この遺伝子産物の発現は、造血細胞系列(血液幹細胞を含む)の増殖;生存;分
化;および/または活性化の調節における役割を示す。この遺伝子産物は、サイ
トカイン産生、抗原提示、または癌の処置において有用性を示唆する(例えば、
免疫応答をブーストすることによる)他のプロセスの調節に関与する。
【0414】 この遺伝子は、リンパ起源の細胞において発現されるので、この天然の遺伝子
産物は、免疫機能に関与する。従って、これはまた、関節炎、喘息、免疫不全疾
患(例えば、AIDS)、白血病、慢性関節リウマチ、肉芽腫症、炎症性腸疾患
、敗血症、挫瘡、好中球減少症、好中球増加症、乾癬、過敏症(例えば、T細胞
媒介細胞障害)、移植器官および組織への免疫反応(例えば、宿主対移植片病お
よび移植片対宿主病)、または自己免疫性障害(例えば、自己免疫不妊症)、水
晶体組織傷害、脱髄、全身性エリテマトーデス、薬物誘引溶血性貧血、慢性関節
リューマチ、シェーグレン病、および強皮症を含む免疫学的障害のための薬剤と
して有用である。さらに、このタンパク質は、他の血球の分化もしくは挙動に影
響する分泌因子、または損傷部位に造血細胞を補充する分泌因子を表し得る。従
って、この遺伝子産物は、種々の血液系列の幹細胞および方向付けられた前駆体
の拡大において、および種々の細胞型の分化および/または増殖において有用で
あると考えられる。さらに、このタンパク質はまた、その栄養補給剤としての使
用に加えて、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起するために、組織マー
カーとして、同属のリガンドまたはレセプターを単離するために、それらの相互
作用を調節する薬剤を同定するために使用され得る。タンパク質ならびにこのタ
ンパク質に対する抗体は、上記に列挙された組織の腫瘍マーカーおよび/または
免疫療法標的としての有用性を示し得る。
【0415】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号63に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号63の1〜767の任意の整数であり、bは15〜781
の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号63に示されるヌクレオチド
残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上の
ポリヌクレオチドが除外される。
【0416】 (遺伝子番号54によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は主に、IL−1およびLPSに誘導される好中球において発現さ
れ、そしてより少ない程度に胎児脳において発現される。
【0417】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに以下を含むが、こ
れらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である:免疫
疾患および/または免疫障害、造血疾患および/または造血障害、ならびに神経
疾患および/または神経障害、特に癌および免疫抑制。同様に、ポリペプチドお
よびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のた
めの免疫学的プローブを提供する際に有用である。上記組織または細胞、特に免
疫系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さな
い個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低
いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特
定の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織、造血組織、神経組織、ならびに癌
性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、羊水、
滑液および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的に検出
される。
【0418】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号156において残基:Ile−2
8〜Trp−37、Ser−68〜Lys−81として示される免疫原性エピト
ープを含む。このポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供され
る。
【0419】 好中球における組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポ
リペプチドが、化学療法または放射線治療の間に免疫抑制されている患者または
癌患者をモニターするための好中球におけるマーカーとして有用であることを示
す。代表的な用途は、以下の「免疫活性」および「感染性疾患」の節、実施例1
1、13、14、16、18、19、20、および27、ならびに本明細書中の
他の箇所において記載される。簡潔には、この遺伝子産物の発現は、造血細胞系
列(血液幹細胞を含む)の増殖;生存;分化;および/または活性化の調節にお
ける役割を示す。この遺伝子産物は、サイトカイン産生、抗原提示、または癌の
処置において有用性を示唆する(例えば、免疫応答をブーストすることによる)
他のプロセスの調節に関与する。
【0420】 この遺伝子は、リンパ起源の細胞において発現されるので、この天然の遺伝子
産物は、免疫機能に関与する。従って、これはまた、関節炎、喘息、免疫不全疾
患(例えば、AIDS)、白血病、慢性関節リウマチ、肉芽腫症、炎症性腸疾患
、敗血症、挫瘡、好中球減少症、好中球増加症、乾癬、過敏症(例えば、T細胞
媒介細胞障害)、移植器官および組織への免疫反応(例えば、宿主対移植片病お
よび移植片対宿主病)、または自己免疫性障害(例えば、自己免疫不妊症)、水
晶体組織傷害、脱髄、全身性エリテマトーデス、薬物誘引溶血性貧血、慢性関節
リューマチ、シェーグレン病、および強皮症を含む免疫学的障害のための薬剤と
して有用である。さらに、このタンパク質は、他の血球の分化もしくは挙動に影
響する分泌因子、または損傷部位に造血細胞を補充する分泌因子を表し得る。従
って、この遺伝子産物は、種々の血液系列の幹細胞および方向付けられた前駆体
の拡大において、および種々の細胞型の分化および/または増殖において有用で
あると考えられる。あるいは、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポ
リペプチドは、神経変性疾患状態、行動障害、または炎症状態の検出、処置、お
よび/または予防に有用である。さらに、このタンパク質はまた、その栄養補給
剤としての使用に加えて、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起するため
に、組織マーカーとして、同属のリガンドまたはレセプターを単離するために、
それらの相互作用を調節する薬剤を同定するために使用され得る。タンパク質な
らびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に列挙された組織の腫瘍マーカーお
よび/または免疫療法標的としての有用性を示し得る。
【0421】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号64に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号64の1〜1180の任意の整数であり、bは15〜11
94の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号64に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0422】 (遺伝子番号55によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は主に、前立腺において発現される。
【0423】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに以下を含むが、こ
れらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である:泌尿
性器疾患および/または泌尿性器障害、特に前立腺癌。同様に、ポリペプチドお
よびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のた
めの免疫学的プローブを提供する際に有用である。上記組織または細胞、特に泌
尿性器系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有
さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまた
は低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取され
た特定の組織もしくは細胞型(例えば、泌尿性器組織、前立腺組織、腎臓組織、
ならびに癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、
尿、滑液および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的に
検出される。
【0424】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号157において残基:Arg−3
0〜Gln−36として示される免疫原性エピトープを含む。このポリペプチド
をコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0425】 前立腺癌細胞における組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドお
よびポリペプチドが、前立腺癌および他の泌尿性器障害の研究、処置および診断
に有用であることを示す。さらに、増殖細胞によって特徴付けられる細胞供給源
内での発現は、このタンパク質が細胞分裂の調節において役割を果たし得、そし
て発生疾患および発生障害(癌を含む)、ならびに他の増殖状態の診断、処置、
および/または予防における有用性を示し得ることを示す。代表的な用途は、以
下の「過剰増殖性障害」および「再生」の節、ならびに本明細書中の他の箇所に
おいて記載される。簡潔には、発生組織は、パターン形成における細胞分化およ
び/またはアポトーシスに関する決定に依る。
【0426】 アポトーシスの調節不全は、いくつかの癌の発生において生じるような細胞死
の不適切な抑制、または後天性免疫不全および特定の神経変性障害(例えば、棘
筋萎縮症(SMA))において生じると考えられるような、細胞死の程度の制御
に対する失敗を生じ得る。増殖および分化における潜在的な役割が理由で、この
遺伝子産物は、組織再生および癌の処置のための、成体における適用を有し得る
。これはまた、細胞型および組織型の特殊化を制御するモルフォゲンとしても作
用し得る。従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、他の型の
変性状態に加えて上記の障害および状態を処置、検出、および/または予防する
際に有用である。従って、このタンパク質は、アポトーシスまたは組織分化を調
節し得、そして変性または増殖の状態および疾患の検出、処置および/または予
防において有用である。このタンパク質は、増殖中および癌性の細胞および組織
において存在し得るような異常なポリペプチドに対する免疫応答を調節する際に
有用である。このタンパク質はまた、細胞成長および細胞増殖の調節についての
新たな病識を獲得するために使用され得る。さらに、このタンパク質はまた、栄
養補給剤としての使用に加えて、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起す
るために、組織マーカーとして、同属のリガンドまたはレセプターを単離するた
めに、それらの相互作用を調節する薬剤を同定するために使用され得る。タンパ
ク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙げられた組織に対する腫
瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的として有用性を示し得る。
【0427】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号65に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号65の1〜1663の任意の整数であり、bは15〜167
7の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号65に示されるヌクレオチ
ド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上
のポリヌクレオチドが除外される。
【0428】 (遺伝子番号56によってコードされるタンパク質の特徴) 本発明の好ましいポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0429】
【化25】 このポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0430】 この遺伝子は主に、拒絶反応を受けた腎臓(rejected kidney
)において発現される。
【0431】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに以下を含むが、こ
れらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である:腎臓
に罹患する疾患および/または障害。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリ
ペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プロ
ーブを提供する際に有用である。上記組織または細胞、特に尿路の多くの障害に
関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組
織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝
子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細
胞型(例えば、泌尿性器組織、腎組織、腎臓組織、ならびに癌性組織および創傷
組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液および髄液)、また
は別の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的に検出される。
【0432】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号158において残基:Ala−3
0〜Gly−36、Asp−45〜Trp−50、Lys−65〜Cys−71
、Pro−80〜Cys−87として示される免疫原性エピトープを含む。この
ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0433】 腎臓におけるこの組織分布は、この遺伝子のタンパク質産物が、腎臓疾患(ウ
ィルムス腫瘍疾患、および先天性腎臓異常(例えば、馬蹄腎、多発性嚢胞腎、お
よびファンコーニ(Falconi)症候群)に加えて、腎不全、腎炎(nep
hritus)、尿細管性アシドーシス、蛋白尿、膿尿、水腫、腎盂腎炎、水腎
(hydronephritis)、ネフローゼ症候群、圧挫症候群、糸球体腎
炎、血尿、腎仙痛および腎臓結石を含む)の処置および/または検出において使
用され得ることを示す。このタンパク質は、増殖中の細胞および組織において存
在し得るような異常タンパク質への免疫応答を調節するために有用である。この
ような免疫応答の調節はまた、移植された組織(特に、腎系)の拒絶を阻害する
際に有用性を示す。さらに、このタンパク質はまた、その栄養補給剤としての使
用に加えて、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起するために、組織マー
カーとして、同属のリガンドまたはレセプターを単離するために、それらの相互
作用を調節する薬剤を同定するために使用され得る。タンパク質ならびにこのタ
ンパク質に対する抗体は、上記に列挙された組織の腫瘍マーカーおよび/または
免疫療法標的としての有用性を示し得る。
【0434】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号66に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号66の1〜1223の任意の整数であり、bは15〜12
37の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号66に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0435】 (遺伝子番号57によりコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子の翻訳産物は、心臓組織において見出された細胞外マトリクスタン
パク質であるヒトフィブリン−2およびマウスフィブリン−2(それぞれ、Ge
nbank登録番号emb|CAA57876.1およびemb|CAA530
40.1を参照のこと:これらの登録番号を介して入手可能な全ての参考文献は
、本明細書中に参考として援用される;例えば、J.Cell Biol.12
3(5)、1269−1277(1993))の両方と相同性を共有する。この
遺伝子によりコードされる好ましいポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む
【0436】
【化26】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0437】 本発明の好ましいポリペプチドフラグメントは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0438】
【化27】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0439】 別の実施態様において、推定シグナルペプチドの上流のオープンリーディング
フレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、本発明により企図される。詳細
には、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0440】
【化28】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0441】 U937細胞株およびジャーカット細胞株に対して試験した場合、この遺伝子
を含む細胞から得られた上清は、GAS(γ活性化配列)プロモーターエレメン
トを繰り返し活性化した。したがって、この遺伝子は、JAK−STATシグナ
ル伝達経路を介して骨髄性細胞、T細胞、およびより低い程度には、他の免疫細
胞および造血細胞ならびに組織細胞型を活性化するようである。GASは、Ja
k−STAT経路に関与する多くの遺伝子の上流にみられるプロモーターエレメ
ントである。このJak−STAT経路は、細胞の分化および増殖に関与する、
広範なシグナル伝達経路である。従って、GASエレメントの結合により反映さ
れる、Jak−STAT経路の活性化は、細胞の増殖および分化に関与するタン
パク質を示すために用いられ得る。
【0442】 この遺伝子は、主に、腎臓において発現される。
【0443】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに腎臓系および腎系
に影響を及ぼす疾患および/または障害を含むがそれらに限定されない疾患およ
び状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれ
らのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫
学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に尿路の多くの障害
に関連して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健
常組織または体液中の発現レベル)に対して有意により高いまたはより低いレベ
ルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組
織もしくは細胞型(例えば、腎(renal)組織、尿生殖組織、腎臓(kid
ney)組織、ならびに癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ
液、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプ
ルの中で、慣用的に検出される。
【0444】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号159において、以下の残基:
【0445】
【化29】 として示される免疫原性エピトープを含む。上記のポリペプチドをコードするポ
リヌクレオチドもまた提供される。
【0446】 検出されたGAS生物学的活性に加えて、拒絶された腎臓における組織分布、
保存されたフィブリン−2タンパク質に対する相同性は、この遺伝子に対応する
ポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、腎臓に影響を及ぼす障害(特に、増殖
性障害)の診断および処置に有用であることを示す。代表的な用途は、この箇所
および本明細書中の他の箇所に記載される。この遺伝子のタンパク質産物は、以
下を含む腎臓疾患の処置および/または検出において使用され得る:ウィルムス
腫瘍疾患、ならびに馬蹄腎のような先天性腎異常、多発性嚢胞腎、およびファン
コーニ症候群(Falconi’s syndrome)に加えて、腎不全、腎
炎(nephritus)、尿細管性アシドーシス、蛋白尿、膿尿、浮腫、腎盂
腎炎、水腎症(hydronephritis)、ネフローゼ症候群、圧挫症候
群、糸球体腎炎、血尿、腎仙痛および腎結石。さらに、その栄養補充剤としての
使用に加えて、このタンパク質を、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起
するために、組織マーカーとして、同起源のリガンドまたはレセプターを単離す
るために、それらの相互作用を調節する薬剤を同定するために、また使用し得る
。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙げられた組織に
対する腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的として有用性を示し得る。
【0447】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号67に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号67の1〜1920の任意の整数であり、bは15〜193
4の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号67に示されるヌクレオチ
ド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上
のポリヌクレオチドが除外される。
【0448】 (遺伝子番号58によりコードされるタンパク質の特徴) 本発明の好ましいポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0449】
【化30】 このようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0450】 本発明の好ましいポリペプチドフラグメントは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0451】
【化31】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0452】 別の実施態様において、推定シグナルペプチドの上流のオープンリーディング
フレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、本発明により企図される。詳細
には、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0453】
【化32】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0454】 この遺伝子のポリペプチドは、この遺伝子について表1に参照されるアミノ酸
配列のほぼアミノ酸144位〜160位および462位〜478位で2つの膜貫
通ドメインを有することが決定された。これらの特徴に基づくと、この遺伝子の
タンパク質産物は、IIIa型膜タンパク質に対する構造的特徴を共有すると考
えられる。本発明において、好ましいドメインとしては、ギ酸または亜硝酸トラ
ンスポータードメインが挙げられる。これは、ProSite分析ツール(Sw
iss Institute of Bioinformatics)を使用し
て同定された。ギ酸または亜硝酸の輸送に関与する多くの細菌タンパク質および
古細菌タンパク質は、以下に関連することが示された[1]:focAおよびf
ocB(Escherichia coli由来であり、ギ酸の二方向性輸送に
関与するトランスポーター);fdhC(Methanobacterium
formicicumおよびthermoformicicum由来であり、有
望な酸トランスポーター);nirC(Escherichia coliおよ
びSalmonella typhimurium由来であり、有望な亜硝酸ト
ランスポーター);Bacillus subtilis仮定タンパク質yrh
G;Bacillus subtilis仮定タンパク質ywcJ(ipa−4
8R)。これらのトランスポーターは、約280残基のタンパク質であり、そし
て6つの膜貫通領域を含むようである。特性パターン(signature p
attern)として、本発明者らは、2つの保存された領域を選択した。第1
のものは、第2の膜貫通ドメインと第3の膜貫通ドメインとの間の細胞質ループ
であるようなものに位置している;第2のものは、第4の膜貫通領域の一部であ
る。70Kdの酵母仮定タンパク質YHL008cは、そのN末端部分において
、このファミリーの原核生物のメンバーと非常に類似している。このコンセンサ
スパターンは、以下のとおりである:[LIVMA]−[LIVMY]−x−G
−[GSTA]−[DES]−L−[FI]−[TN]−[GS]。
【0455】 本発明の好ましいポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:IISGSE
LITG(配列番号249)。これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオ
チドもまた、提供される。この遺伝子について表に参照される配列のギ酸および
亜硝酸トランスポータードメインを含むポリペプチドおよびこの参照される配列
の少なくとも5、10、15、20、25、30、50、または75のさらなる
連続するアミノ酸残基がさらに好ましい。さらなる、連続するアミノ酸残基は、
ギ酸および亜硝酸トランスポータードメインに対してN末端またはC末端である
。あるいは、さらなる連続するアミノ酸残基は、ギ酸および亜硝酸トランスポー
タードメインに対してN末端およびC末端の両方である。ここでN末端およびC
末端の連続するアミノ酸残基の合計が、特定される数字と一致する。上記の好ま
しいポリペプチドドメインは、ギ酸および亜硝酸トランスポータータンパク質に
対して特異的な特性に特徴的である。配列類似性に基づいて、この遺伝子の翻訳
産物は、ギ酸および亜硝酸トランスポータータンパク質と、少なくともいくつか
の生物学的活性を共有することが予測される。このような活性は、当該分野で公
知であり、これらのうちのいくつかは、本明細書中の他の箇所に記載される。こ
の遺伝子は、第2染色体にマッピングされると考えられる。従って、この遺伝子
由来のポリヌクレオチドは、第2染色体についての連鎖分析におけるマーカーと
して有用である。
【0456】 この遺伝子は、主に、免疫系の細胞(特にT細胞)で発現され、より少ない程
度には、脾臓、肝臓、胸腺、扁桃、および精巣において発現される。
【0457】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに免疫ならびに造血の
疾患および/または障害(特に、造血に影響を与える障害)を含むが、それらに
限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポ
リペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示
差的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、
特に、造血細胞の多くの障害に関連して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、
障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に
より高いまたはより低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する
個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織、造血組織、
ならびに癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、
尿、滑液および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプルにおいて、慣用的
に検出される。
【0458】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号160中で残基:
【0459】
【化33】 として示される免疫原性エピトープを含む。上記のポリペプチドをコードするポ
リヌクレオチドもまた提供される。
【0460】 免疫細胞および免疫組織における組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌク
レオチドおよびポリペプチドが、造血に影響を及ぼす障害(癌を含む)の診断お
よび処置に有用であることを示す。代表的な用途は、以下の「免疫活性」の節お
よび「感染性疾患」の節、実施例11、実施例13、実施例14、実施例16、
実施例18、実施例19、実施例20、および実施例27、ならびに本明細書の
他のところに記載される。手短に、この遺伝子産物の発現は、血液幹細胞を含む
造血細胞系統の増殖;生存;分化;および/または活性化の調節における役割を
示す。この遺伝子産物は、サイトカイン産生、抗原提示、または癌の処置(例え
ば、免疫応答をブーストすることによる)に有用性を示す他のプロセスの調節に
関与する。
【0461】 この遺伝子は、リンパ起源の細胞で発現されるので、天然の遺伝子産物は、免
疫機能に関与する。従って、これはまた、関節炎、喘息、免疫不全疾患(例えば
、AIDS)、白血病、慢性関節リウマチ、慢性肉芽腫症、炎症性腸疾患、敗血
症、挫瘡、好中球減少症、好中球増加症、乾癬、過敏症(例えば、T細胞媒介細
胞障害)、移植器官および組織への免疫反応(例えば、宿主対移植片病および移
植片対宿主病)、または自己免疫性障害(例えば、自己免疫不妊症)、水晶体組
織傷害、脱髄、全身性エリテマトーデス、薬物誘引溶血性貧血、慢性関節リウマ
チ、シェーグレン病、強皮症を含む免疫学的障害のための薬剤としても有用であ
る。さらに、このタンパク質は、他の血球の分化もしくは挙動に影響を与えるか
、または傷害部位へ造血細胞を漸増させる分泌因子を示し得る。従って、この遺
伝子産物は、様々な血液系統の幹細胞および方向付けられた前駆体の拡大ならび
に多様な細胞型の分化および/または増殖においてに有用であると考えられる。
さらに、その栄養補充剤としての使用に加えて、このタンパク質を、生物学的活
性を決定するために、抗体を惹起するために、組織マーカーとして、同起源のリ
ガンドまたはレセプターを単離するために、それらの相互作用を調節する薬剤を
同定するために、また使用し得る。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する
抗体は、上記に挙げられた組織に対する腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の
標的として有用性を示し得る。
【0462】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号68に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号68の1〜3286の任意の整数であり、bは15〜33
00の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号68に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0463】 (遺伝子番号59によりコードされるタンパク質の特徴) 別の実施態様において、推定シグナルペプチドの上流のオープンリーディング
フレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、本発明により企図される。詳細
には、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0464】
【化34】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0465】 この遺伝子のポリペプチドは、この遺伝子について表1に参照されるアミノ酸
配列のほぼアミノ酸10位〜26位で膜貫通ドメインを有することが決定された
。これらの特徴に基づいて、この遺伝子のタンパク質産物は、Ib型膜タンパク
質に対する構造的特徴を共有すると考えられる。
【0466】 開示されたcDNAをコードする遺伝子は、第7染色体に存在すると考えられ
ている。従って、本発明に関するポリヌクレオチドは、第7染色体についての連
鎖分析のためのマーカーとして有用である。
【0467】 この遺伝子は、主に骨髄、CD34陽性細胞、および免疫細胞(好中球、T細
胞、B細胞、マクロファージ、単球、および樹状細胞を含む)において発現され
、より少ない程度には、脳および扁桃において発現される。
【0468】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに免疫系および造血
系(特に造血)に影響を及ぼす障害を包含するがそれらに限定されない疾患およ
び状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれ
らのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫
学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に免疫系および造血
系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない
個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低い
レベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定
の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織、造血組織、ならびに癌性組織および
創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)
、または別の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的に検出される。
【0469】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号161において、残基:Ser−
29〜Thr−57、Pro−74〜Lys−79、Pro−85〜Glu−1
07、Tyr−118〜Tyr−136、Gln−144〜Gln−152、A
la−182〜Glu−188として示される免疫原性エピトープを含む。上記
のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0470】 免疫細胞および造血細胞ならびに免疫組織および造血組織における組織分布は
、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、免疫系および
造血に影響を与える障害の診断および処置のために有用であることを示す。代表
的な用途は、以下の「免疫活性」および「感染性疾患」の節、実施例11、13
、14、16、18、19、20、および27、ならびに本明細書中の別の部分
に記載される。簡潔には、この遺伝子産物の発現は、血液幹細胞を含む造血細胞
系統の増殖;生存;分化;および/または活性化の調節における役割を示す。こ
の遺伝子産物は、サイトカイン産生、抗原提示、または癌の処置(例えば、免疫
応答をブーストすることによる)に有用性を示す他のプロセスの調節に関与する
【0471】 この遺伝子は、リンパ起源の細胞で発現されるので、天然の遺伝子産物は、免
疫機能に関与する。従って、これはまた、関節炎、喘息、免疫不全疾患(例えば
、AIDS)、白血病、慢性関節リウマチ、慢性肉芽腫症、炎症性腸疾患、敗血
症、挫瘡、好中球減少症、好中球増加症、乾癬、過敏症(例えば、T細胞媒介細
胞障害)、移植器官および組織への免疫反応(例えば、宿主対移植片病および移
植片対宿主病)、または自己免疫性障害(例えば、自己免疫不妊症)、水晶体組
織傷害、脱髄、全身性エリテマトーデス、薬物誘引溶血性貧血、慢性関節リウマ
チ、シェーグレン病、強皮症を含む免疫学的障害のための薬剤としても有用であ
る。さらに、このタンパク質は、他の血球の分化もしくは挙動に影響を与えるか
、または傷害部位へ造血細胞を漸増させる分泌因子を示し得る。従って、この遺
伝子産物は、様々な血液系統の幹細胞および方向付けられた前駆体の拡大ならび
に多様な細胞型の分化および/または増殖においてに有用であると考えられる。
この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、造血関連傷害(
例えば、貧血、汎血球減少症、白血球減少症、血小板減少症または白血病)の処
置および診断に有用である。なぜなら、間質細胞は、造血系統の細胞の産生に重
要であるからである。この使用には、骨髄細胞エキソビボ培養、骨髄移植、骨髄
再形成、新形成の放射線治療または化学療法を含む。分泌されたタンパク質は、
生物学的活性を決定するために、抗体を惹起するために、組織マーカーとして、
同属のリガンドまたはレセプターを単離するために、それらの相互作用を調節す
る薬剤を同定するためにおよび栄養補給剤として使用され得る。これはまた、非
常に広範な生物学的活性を有し得る。
【0472】 代表的な用途は、本明細書中の、以下の「走化性」および「結合活性」の節、
実施例11、12、13、14、15、16、18、19および20ならびに他
の場所において記載される。簡潔には、このタンパク質は、以下の活性を有し得
る:サイトカイン、細胞増殖/分化調節活性または他のサイトカインの誘導;免
疫刺激/免疫抑制活性(例えば、ヒト免疫不全ウイルス感染、癌、自己免疫疾患
およびアレルギーを処置するため);造血の調節(例えば、貧血を処置するため
、または化学療法の補助として);骨、軟骨、腱、靱帯および/または神経の刺
激または増殖(例えば、創傷を処置するため、卵胞刺激ホルモンの刺激(受胎能
の制御のため);走化性および化学運動活性(例えば、感染、腫瘍を処置するた
め);止血活性または血栓溶解活性(例えば、血友病、心筋梗塞などを処置する
ため);抗炎症活性(例えば、敗血症性ショック、クローン病を処置するため)
;抗菌剤として;乾癬または他の過剰増殖性疾患を処置するため;代謝および行
動を調節するため。遺伝子治療手順における対応する核酸の使用もまた企図され
る。
【0473】 このタンパク質の免疫細胞特異的なメッセージ分布に基づいて、これは免疫応
答の多くの局面(特に、その初期の段階、炎症、同種移植片拒絶、感染疾患応答
など)に関与し得る。このクローンの発現は、頻繁には、造血細胞cDNAライ
ブラリーにおいて見出される。従って、この因子は、造血細胞の分化、増殖、お
よび機能の制御に関与し得る。このことに基づいて、貧血、白血病、好中球減少
症、血小板減少症、自己免疫疾患、血液組織移植、および変形血小板症(poi
kilothromerythromatosis)の管理におけるその使用を
仮定し得る。さらに、このタンパク質はまた、栄養補給剤としてのその使用に加
えて、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起するために、組織マーカーと
して、同属のリガンドまたはレセプターを単離するために、それらの相互作用を
調節する薬剤を同定するために使用され得る。タンパク質ならびにこのタンパク
質に対する抗体は、上記に挙げた組織の腫瘍マーカーとしておよび/または免疫
治療の標的として有用性を示し得る。
【0474】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号69に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号69の1〜1783の任意の整数であり、bは15〜179
7の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号69に示されるヌクレオチ
ド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上
のポリヌクレオチドが除外される。
【0475】 (遺伝子番号60によりコードされるタンパク質の特徴) 別の実施態様において、推定シグナルペプチドの上流のオープンリーディング
フレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、本発明により企図される。詳細
には、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0476】
【化35】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0477】 この遺伝子は、主に、活性化T細胞、マクロファージ、ジャーカット細胞、骨
髄細胞、および骨芽細胞を含む免疫細胞において発現され、そしてより少ない程
度には、腎臓皮質、脳、胎盤および肺において発現される。
【0478】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに免疫および造血の疾
患および/または障害(特に、炎症および炎症活性に関連する疾患)を含むが、
それらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同
様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細
胞型の示差的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織また
は細胞、特に、免疫系の多くの障害に関連して、標準の遺伝子発現レベル(すな
わち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して
有意により高いまたはより低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を
有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織、造血
組織、ならびに癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、
血漿、尿、滑液および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプルにおいて、
慣用的に検出され得る。
【0479】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号162において、残基:Pro−
34〜Met−63として示される免疫原性エピトープを含む。上記のポリペプ
チドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0480】 免疫細胞および免疫組織における組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌク
レオチドおよびポリペプチドが、T細胞の正常もしくは異常な活性化に関連する
疾患の診断または処置に有用であることを示す。代表的な用途は、以下の「免疫
活性」の節および「感染性疾患」の節、実施例11、実施例13、実施例14、
実施例16、実施例18、実施例19、実施例20、および実施例27、ならび
に本明細書の他のところに記載される。手短に、この遺伝子産物の発現は、血液
幹細胞を含む造血細胞系統の増殖;生存;分化;および/または活性化の調節に
おける役割を示す。この遺伝子産物は、サイトカイン産生、抗原提示、または癌
の処置(例えば、免疫応答をブーストすることによる)に有用性を示す他のプロ
セスの調節に関与する。
【0481】 この遺伝子は、リンパ起源の細胞で発現されるので、天然の遺伝子産物は、免
疫機能に関与し得る。従って、これはまた、関節炎、喘息、免疫不全疾患(例え
ば、AIDS)、白血病、慢性関節リウマチ、慢性肉芽腫症、炎症性腸疾患、敗
血症、挫瘡、好中球減少症、好中球増加症、乾癬、過敏症(例えば、T細胞媒介
細胞障害)、移植器官および組織への免疫反応(例えば、宿主対移植片病および
移植片対宿主病)、または自己免疫性障害(例えば、自己免疫不妊症)、水晶体
組織傷害、脱髄、全身性エリテマトーデス、薬物誘引溶血性貧血、慢性関節リウ
マチ、シェーグレン病、強皮症を含む免疫学的障害のための薬剤としても有用で
ある。さらに、このタンパク質は、他の血球の分化もしくは挙動に影響を与える
か、または傷害部位へ造血細胞を漸増させる分泌因子を示し得る。従って、この
遺伝子産物は、様々な血液系統の幹細胞および方向付けられた前駆体の拡大なら
びに多様な細胞型の分化および/または増殖においてに有用であると考えられる
。さらに、その栄養補充剤としての使用に加えて、このタンパク質を、生物学的
活性を決定するために、抗体を惹起するために、組織マーカーとして、同起源の
リガンドまたはレセプターを単離するために、それらの相互作用を調節する薬剤
を同定するために、また使用し得る。タンパク質ならびにこのタンパク質に対す
る抗体は、上記に挙げられた組織に対する腫瘍マーカーおよび/または免疫治療
の標的として有用性を示し得る。
【0482】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号70に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号70の1〜1359の任意の整数であり、bは15〜13
73の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号70に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0483】 (遺伝子番号61によりコードされるタンパク質の特徴) 別の実施態様において、推定シグナルペプチドの上流のオープンリーディング
フレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、本発明により企図される。詳細
には、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0484】
【化36】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0485】 この遺伝子のポリペプチドは、この遺伝子について表1に参照されるアミノ酸
配列のほぼアミノ酸2位〜18位および22位〜38位で2つの膜貫通ドメイン
を有することが決定された。これらの特徴に基づくと、この遺伝子のタンパク質
産物は、IIIa型膜タンパク質に対する構造的特徴を共有すると考えられる。
【0486】 この遺伝子は、脳、肝臓、前立腺、精巣、軟骨、膀胱を含む多くの組織におい
て発現される。結腸癌腫、膵臓腫瘍、骨巨細胞腫、卵巣癌、B細胞リンパ腫およ
び急性リンパ性白血病を含む多くの腫瘍においてもまた発現が見られる。
【0487】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに膵臓、結腸および骨
を含む種々の器官の腫瘍を含むが、それらに限定されない疾患および状態の診断
のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプ
チドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プローブ
の提供に有用である。上記組織または細胞、特に、主要な器官の多くの障害に関
連して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組
織または体液中の発現レベル)に対して有意により高いまたはより低いレベルの
この遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織も
しくは細胞型(例えば、神経組織、肝臓組織、代謝組織、生殖組織、精巣組織、
骨格組織、ならびに癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血
清、羊水、血漿、尿、滑液および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプル
において、慣用的に検出される。
【0488】 腫瘍および増殖組織における組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオ
チドおよびポリペプチドが、膵臓および大腸を含むいくつかの主要な器官の腫瘍
を処置または診断するために有用であることを示す。このタンパク質は、細胞分
裂の調節に役割を果たし得、そして発生上の疾患および障害(癌を含む)ならび
に他の増殖状態の診断、処置、および/または予防において利用性を示し得る。
代表的な用途は、以下の「再生」および「過剰増殖性障害」の節ならびに本明細
書中の他の箇所に記載される。手短に言えば、発生組織は、パターン形成におい
て細胞分化および/またはアポトーシスに関与する決定に依る。
【0489】 アポトーシスの調節不全は、いくつかの癌の発生において生じるような細胞死
の不適切な抑制、または後天性免疫不全および特定の神経変性障害(例えば、棘
筋萎縮症(SMA))において生じると考えられるような、細胞死の程度の制御
の失敗を生じ得る。増殖および分化における潜在的な役割が理由で、この遺伝子
産物は、組織再生および癌の処置のための、成人における適用を有し得る。これ
はまた、細胞型および組織型の特異化を制御するモルフォゲンとしても作用し得
る。従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、他の型の変性状
態に加えて上記の障害および状態を処置、検出、および/または予防する際に有
用である。従って、このタンパク質は、アポトーシスまたは組織分化を調節し得
、そして変性または増殖の状態および疾患の検出、処置および/または予防にお
いて有用である。このタンパク質は、増殖中および癌性の細胞および組織におい
て存在し得るような異常なポリペプチドに対する免疫応答を調節する際に有用で
ある。このタンパク質はまた、細胞成長および増殖の調節についての新たな病識
を獲得するために使用され得る。さらに、このタンパク質はまた、栄養補給剤と
しての使用に加えて、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起するために、
組織マーカーとして、同属のリガンドまたはレセプターを単離するために、それ
らの相互作用を調節する薬剤を同定するために使用され得る。タンパク質ならび
にこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙げられた組織に対する腫瘍マーカー
および/または免疫治療の標的として有用性を示し得る。
【0490】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号71に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号71の1〜1565の任意の整数であり、bは15〜157
9の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号71に示されるヌクレオチ
ド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上
のポリヌクレオチドが除外される。
【0491】 (遺伝子番号62によりコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、主に樹状細胞および胎児肝臓/脾臓において発現され、そして
より少ない程度には、扁桃、胎児肺、間質細胞株、骨髄細胞株、胎盤、ならびに
腫瘍(肝細胞癌、膵臓腫瘍および骨肉腫を含む)を含む多くの組織において発現
される。
【0492】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに免疫系および造血
系の疾患および/または障害を含むがそれらに限定されない疾患および状態の診
断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペ
プチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学的プロー
ブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に免疫系の多くの障害に関連し
て、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織ま
たは体液中の発現レベル)に対して有意により高いまたはより低いレベルのこの
遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしく
は細胞型(例えば、免疫組織、造血組織、ならびに癌性組織および創傷組織)ま
たは体液(例えば、リンパ液、血清、血漿、尿、滑液、および髄液)、または別
の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的に検出される。
【0493】 樹状細胞および胎児肝臓/脾臓におけるこの組織分布は、この遺伝子に対応す
るポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、特に前駆体細胞の制御および産生に
関連する免疫系の障害の診断および処置に有用であることを示す。この遺伝子に
対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、造血関連疾患(例えば、貧血
、汎血球減少症、白血球減少症、血小板病または白血病)の処置および診断に有
用である。なぜなら、間質細胞は、造血系統の細胞の産生に重要であるからであ
る。 代表的な使用は、以下の「免疫活性」および「感染疾患」の節において、実施例
11、13、14、16、18、19、20および27において、ならびに本明
細書中の他の箇所に記載される。簡単に述べると、この使用には、骨髄細胞エキ
ソビボ培養、骨髄移植、骨髄再形成、新形成の放射線治療または化学療法を含む
。 この遺伝子産物はまた、リンパ球産生に関与し得る。従って、この遺伝子産
物は、免疫障害(例えば、感染、炎症、アレルギー、免疫不全など)において使
用され得る。さらに、この遺伝子産物は、種々の血液系統の幹細胞および方向付
けられた前駆体の拡大において、および種々の細胞型の分化および/または増殖
において、商業的な有用性を有し得る。さらに、このタンパク質はまた、栄養補
給剤としてのその使用に加えて、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起す
るために、組織マーカーとして、同属のリガンドまたはレセプターを単離するた
めに、それらの相互作用を調節する薬剤を同定するために使用され得る。タンパ
ク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙げられた組織に対する腫
瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的として有用性を示し得る。
【0494】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号72に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号72の1〜1014の任意の整数であり、bは15〜10
28の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号72に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0495】 (遺伝子番号63によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、主に副腎腫瘍および内皮細胞で発現される。
【0496】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに内分泌腺および血
管の疾患および/または障害、特に血管内皮と関連する疾患を含むがそれらに限
定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリ
ペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差
的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特
に血管系の多くの障害に関連して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を
有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意により高
いまたはより低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体か
ら採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、内分泌組織、血管組織、およ
び癌性組織ならびに創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、
滑液、および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的に検
出される。
【0497】 内皮細胞におけるこの組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドお
よびポリペプチドが、アテローム性動脈硬化症、腫瘍の増殖と関連した新脈管形
成、および炎症と関連した状態のような疾患を含む血管系に関連する障害を診断
および処置する際に有用であることを示す。さらに、このタンパク質は、以下を
含むがそれらに限定されない種々の血管の障害および状態の検出、処置および/
または予防に有用である:微小血管疾患(miscrovascular di
sease)、血管漏出症候群(vascular leak syndrom
e)、動脈瘤、発作、塞栓症、血栓症、冠状動脈疾患、動脈硬化症および/また
はアテローム性動脈硬化症。あるいは、このタンパク質は、代謝障害、特に嗜眠
およびうつ病の処置、検出および/または予防に有用である。さらに、このタン
パク質はまた、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起するために、組織マ
ーカーとして、同属のリガンドまたはレセプターを単離するために、それらの相
互作用を調節する薬剤を同定するために、さらに栄養補給剤としてそれを使用す
るために使用され得る。タンパク質、ならびにそのタンパク質に対して指向され
る抗体は、上記に列挙した組織についての腫瘍マーカーおよび/または免疫療法
標的としての有用性を示し得る。
【0498】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号73に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号73の1〜3660の任意の整数であり、bは15〜36
74の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号73に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0499】 (遺伝子番号64によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子の翻訳産物は、ウシPAM前駆体に関連する。GenBank登録
番号gi|163482を参照のこと(本明細書中に参考として援用される)。
さらに、以下の以下の特許公開はまた、本明細書中に参考として援用される:J
04311386およびWO8902460。多くの生物活性ペプチドは、その
COOH末端でアミノ酸αアミドで終結する。この必須翻訳後修飾をになうこの
酵素は、ペプチジル−グリシンα−アミド化モノオキシゲナーゼまたはPAMと
して知られる。NH2末端シグナル配列および短いプロペプチドは、精製された
PAMのNH2末端に先行する。いくつかのPAM臭化シアンペプチドの配列は
、推定タンパク質のNH2末端半分に局在した。ウシ神経中間体下垂体から精製
されたPAMの形態は、前駆体において、10対の塩基性アミノ酸のサブセット
でエンドタンパク分解性切断により生成される。高レベルのPAM mRNAが
、ウシ下垂体および大脳皮質において見出された。向副腎皮質腫瘍細胞において
、PAM mRNAおよびプロ−ACTH/エンドルフィンmRNAのレベルは
、グルココルチコイドおよびCRFにより平行に調節されることが公知である。
【0500】 この遺伝子は、主に子宮内膜腫瘍、樹状細胞、多発性硬化症ライブラリー、腎
臓、造血細胞、メラノサイト、骨芽細胞、脾臓、結腸、卵巣、間質細胞、胎児お
よび成体の脳、心臓、ならびに創傷修復中の組織において発現される。
【0501】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに子宮内膜症、子宮
内膜癌、多発性硬化症、造血性疾患、骨性疾患、および創傷治癒を含むが、これ
らに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に
、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型
の示差的同定のための免疫学的プローブの提供の提供に有用である。上記組織ま
たは細胞、特に造血系および雌性生殖の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現
レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベ
ル)に対して有意により高いまたはより低いレベルのこの遺伝子の発現が、この
ような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、生
殖組織、免疫組織、造血組織、外皮組織、骨格組織、胃腸組織ならびに癌性組織
および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、羊水、血漿、尿、滑液お
よび髄液)または別の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的に検出される。
【0502】 樹状細胞および組織、ならびに造血細胞および組織におけるこの組織分布は、
この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、この遺伝子の主
な発現パターンに起因して、造血起源のおよび雌性生殖管の疾患の治療薬または
診断薬として有用である。この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペ
プチドは、造血関連障害(例えば、貧血、汎血球減少、白血球減少症、血小板減
少症または白血病)の処置および診断に有用である。なぜなら、間質細胞は、造
血系の細胞の産生において重要だからである。代表的な使用は、以下の節の「免
疫活性」および「感染性疾患」において、実施例11、13、14、16、18
、19、20、および27において、ならびに本明細書中の他の箇所において記
載される。手短に言えば、この使用には、骨髄細胞エキソビボ培養、骨髄移植、
骨髄再形成、新形成の放射線治療または化学療法が挙げられる。
【0503】 この遺伝子産物はまた、リンパ球産生に関与し得る。従って、この遺伝子産物
は、免疫障害(例えば、感染、炎症、アレルギー、免疫不全など)において使用
され得る。さらに、この遺伝子産物は、多様な血液系統の幹細胞および方向付け
られた前駆体の拡大ならびに多様な細胞型の分化および/または増殖において商
業的な有用性を示し得る。このタンパク質はまた、非常に広範な生物学的活性を
有し得る。代表的な用途は、本明細書中の、以下、実施例11、12、13、1
4、15、16、18、19および20ならびに他の場所において、「走化性」
および「結合活性」の節に記載される。手短に言えば、このタンパク質は、以下
の活性を保有し得る:サイトカイン、他のサイトカインの細胞増殖/分化調節活
性または誘導;免疫刺激剤/免疫抑制剤活性(例えば、ヒト免疫不全ウイルス感
染、癌、自己免疫疾患、およびアレルギーの処置のための);造血の調節(例え
ば、貧血の処置のため、または化学療法の補助剤として);骨、軟骨、腱、靭帯
、および/または神経の刺激または増殖(例えば、創傷処置のため、濾胞刺激ホ
ルモンの刺激のため(受胎能の制御のため));走化性およびケモキネシスの活
性(例えば、感染、腫瘍を処置するため);うっ血性または血栓崩壊性活性(例
えば、血友病、心筋梗塞などの処置のため);抗炎症性活性(例えば、敗血症性
ショック、クローン病の処置のため);抗菌剤として;乾癬または他の過増殖性
疾患の処置のため;代謝および行動の調節のため。遺伝子治療手順における対応
する核酸の使用もまた企図される。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する
抗体は、上記に列挙された組織の腫瘍マーカーおよび/または免疫療法標的とし
ての有用性を示し得る。
【0504】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号74に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号74の1〜2783の任意の整数であり、bは15〜27
97の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号74に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0505】 (遺伝子番号65によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子の翻訳産物は、いくつかのGタンパク質結合レセプター(Genb
ank登録番号gb|AAC77910.1|(AF061443)を参照のこ
と;この受託を通して利用可能な全ての参照は本明細書中に参考として援用され
る;例えば、Mol.Endocrinol.12、1830−1845(19
98)と配列類似性を共有する。Gタンパク質結合レセプターは、当該分野で周
知であり、そして種々の機能に影響を与える。特にこの遺伝子の翻訳産物は、F
ollical Stimulating Hormone Receptor
と類似性を共有する。
【0506】 この遺伝子によってコードされる好ましいポリペプチドは、以下のアミノ酸配
列を含む:
【0507】
【化37】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0508】 本発明の好ましいポリペプチドフラグメントは、以下のアミノ酸配列を含む:
MIKHVAWLIFTNCIFFCPVAFFSFAPLITAISISPE
IMKSVTLIFFPCLLA(SEQ ID NO:254)。これらのポ
リペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0509】 別の実施態様において、推定シグナルペプチドの上流のオープンリーディング
フレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、本発明により意図される。特に
、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0510】
【化38】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0511】 この遺伝子のポリペプチドは、この遺伝子について表1において参照されるア
ミノ酸配列の約43〜59位のアミノ酸位置で膜貫通ドメインを有することが決
定された。さらに、このタンパク質のアミノ酸60〜207を包含する細胞質テ
ールがまた決定された。これらの特徴に基づいて、この遺伝子のタンパク質産物
は、Ia型膜タンパク質に対する構造特性を共有すると考えられる。好ましいド
メインとして本発明に含まれるものは、ジンクフィンガー、C2H2型ドメイン
であり、これは、ProSite分析装置(Swiss Institute
of Bioinformatics)を用いて同定された。「ジンクフィンガ
ー」ドメイン[1−5]は、最初にXenopus転写因子TFIIIAにおい
て同定された核酸結合タンパク質構造である。これらのドメインは、以来、多く
の核酸結合タンパク質において見いだされている。ジンクフィンガードメインは
、25〜30のアミノ酸残基からなる。ドメインの両端に二つのシステイン残基
またはヒスチジン残基が存在し、これは、亜鉛原子の4つの面の配位結合に関連
する。そのようなドメインが、約5つのヌクレオチドと相互作用することが提唱
される。ジンクフィンガードメインの模式図を以下に示す:
【0512】
【化39】 ジンクフィンガーの多くのクラスが、亜鉛原子配位結合に関連するヒスチジン
残基およびシステイン残基の数ならびに位置に従って特徴づけられる。C2H2
と呼ばれる、特徴づけられる最初のクラスにおいて、亜鉛に配位結合する残基の
最初の対はシステインであるが、第二の対はヒスチジンである。多くの実験報告
が、このクラスのいくつかのメンバーの亜鉛依存DNAまたはRNA結合特性を
実証した。C2H2型ジンクフィンガーを含む公知のいくつかのタンパク質が、
以下に列挙される。括弧の間に、これらの各タンパク質において見いだされたジ
ンクフィンガー領域の数を示す;「+」の記号は、部分配列データのみが利用可
能であること、およびさらなるフィンガードメインが存在することを示す。保存
されたジンクリガンド残基に加えて、多くの他の位置もまた、C2H2ジンクフ
ィンガーの構造の保全に重要であることが示された。もっともよく保存された位
置は、第二のシステインの後の4つの残基に見いだされる;それは、一般的に、
芳香族および脂肪族残基である。コンセンサスパターンは以下のようである:C
−x(2,4)−C−x(3)−[LIVMFYWC]−x(8)−H−x(3
,5)−H。
【0513】 本発明の好ましいポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:CDCCES
FLLTKPVSCKHLIKSH(SEQ ID NO:256)。これらの
ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。この遺伝子の表
において参照された配列のジンクフィンガー、C2H2型ドメインおよびこの参
照配列の少なくとも5、10、15、20、25、30、50または75のさら
なる連続したアミノ酸残基を含むポリペプチドがさらに好ましい。さらなる連続
したアミノ酸残基は、ジンクフィンガー、C2H2型ドメインに対してN末端ま
たはC末端である。あるいは、さらなる連続したアミノ酸残基は、ジンクフィン
ガー、C2H2型ドメインに対してN末端およびC末端であり、ここで、全ての
N末端およびC末端の連続するアミノ酸残基は、特定の数に等しい。上記の好ま
しいポリペプチドドメインは、ジンクフィンガータンパク質に特異的なサインの
特徴である。配列類似性に基づいて、この遺伝子の翻訳産物は、G結合タンパク
質、それらのレセプター、およびジンクフィンガータンパク質と少なくともいく
らかの生物活性を共有することが予期される。このような活性は当該分野におい
て公知であり、これらのいくつかは、本明細書中のいずれかに記載される。
【0514】 この遺伝子は、主に成体および胎児の肝臓、ヒト胎盤、結腸癌細胞株および線
維芽細胞において発現され、そしてより低い程度で、胎児および成体の脳、発生
中の神経系、肺、膵臓、唾液腺、乳房組織、および樹上細胞において発現される
【0515】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに肝臓疾患、発生異
常、神経学的疾患、肺癌、膵臓癌、および結腸癌を含むが、これらに限定されな
い疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチド
およびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定の
ための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に神経学
的起源および肝臓起源の組織または細胞、ならびに多くの組織型の増殖および/
または分化の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を
有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いま
たは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取さ
れた特定の組織もしくは細胞型(例えば、肝臓組織、免疫組織、造血組織、神経
組織、胃腸管組織、生殖組織、および癌性組織ならびに創傷組織)または体液(
例えば、リンパ、血清、羊水、血漿、尿、滑液および髄液)、または別の組織も
しくは細胞サンプルの中で、慣用的に検出される。
【0516】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号167で残基:Pro−62〜A
sp−67、Arg−74〜Gly−80、Gln−146〜Glu−168と
して示される免疫原性エピトープを含む。これらのポリペプチドをコードするポ
リヌクレオチドもまた提供される。
【0517】 胎児肝臓におけるこの組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドお
よびポリペプチドが、広範な種々の疾患状態の診断マーカーまたは治療薬に有用
であることを示唆する。この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプ
チドは、造血関連疾患(例えば、貧血、汎血球減少症、白血球減少症、血小板減
少症または白血病)の処置および診断に有用である。なぜなら、間質細胞は、造
血系統の細胞の産生に重要であるからである。代表的な使用は、以下の「免疫活
性」および「感染疾患」の節において、実施例11、13、14、16、18、
19、20および27において、ならびに本明細書中の他の箇所に記載される。
簡単に述べると、この使用には、骨髄細胞エキソビボ培養、骨髄移植、骨髄再形
成、新形成の放射線治療または化学療法を含む。
【0518】 この遺伝子産物はまた、リンパ球産生に関与し得る。従って、この遺伝子産物
は、免疫障害(例えば、感染、炎症、アレルギー、免疫不全など)において使用
され得る。さらに、この遺伝子産物は、種々の血液系統の幹細胞および方向付け
られた前駆体の拡大において、および種々の細胞型の分化および/または増殖に
おいて、商業的な有用性を有し得る。あるいは、胎盤組織および脳組織における
このタンパク質の発現は、このタンパク質が、微小血管疾患、血管漏出症候群、
動脈瘤、発作、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、または塞栓症を含むが、
それらに限定されない血管状態の、検出、処置および/または予防に有用である
ことを示す。例えば、この遺伝子産物は、器官の神経支配を調節するか、または
隣接するニューロンの生存を調節する、平滑筋により産生される可溶性因子を示
し得る。同様に、消化過程およびぜん動のような作用の制御に関する。同様に、
血管の内皮を取り巻く平滑筋の領域の脈管構造の制御に関する。このタンパク質
は、細菌感染、真菌感染、原生動物感染、およびウイルス感染、特に以下により
生じる感染の、処置、検出および/または予防に有用である:HIV−1もしく
はHIV−2;痛み;癌;食欲不振;過食症;ぜん息;パーキンソン病;急性心
疾患;低血圧;高血圧;停留尿;骨粗鬆症;狭心症;心筋梗塞;潰瘍;アレルギ
ー;良性前立腺肥大;ならびに精神病性障害および神経学的障害(不安、精神分
裂病、躁うつ病、せん妄、重度の精神遅滞およびジスキネジー(例えば、ハンテ
ィングトン病またはジル・ド・ラ・ツレット症候群)を含む)。さらに、このタ
ンパク質はまた、栄養補給剤としてのその使用に加えて、生物学的活性を決定す
るために、抗体を惹起するために、組織マーカーとして、同属のリガンドまたは
レセプターを単離するために、それらの相互作用を調節する薬剤を同定するため
に使用され得る。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙
げられた組織に対する腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的として有用性
を示し得る。
【0519】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号75に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号75の1〜2689の任意の整数であり、bは15〜270
3の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号75に示されるヌクレオチ
ド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上
のポリヌクレオチドが除外される。
【0520】 (遺伝子番号66によってコードされるタンパク質の特徴) 別の実施態様において、推定シグナルペプチドの上流のオープンリーディング
フレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドは、本発明により意図される。詳細
には、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0521】
【化40】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0522】 この遺伝子は、主に、胎盤細胞および造血細胞(特にT細胞および単球起源の
もの)、ならびにより少ない程度で、脳、内皮細胞、および肺において発現され
る。
【0523】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに造血、血管、およ
び発生の疾患ならびに/または障害を含むがこれらに限定されない疾患および状
態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらの
ポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的
プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に免疫系の多くの障害に
関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組
織または体液中の発現レベル)に対して有意により高いまたはより低いレベルの
この遺伝子の発現が、このような障害を有する個体から採取された特定の組織も
しくは細胞型(例えば、血管組織、免疫組織、造血組織ならびに癌性組織および
創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液および髄液)、
または別の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的に検出される。
【0524】 本発明の好ましいポリペプチドには、配列番号168で残基:Ser−30〜
Trp−37として示される免疫原性エピトープが挙げられる。これらのポリペ
プチドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0525】 造血細胞における組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよび
ポリペプチドが、造血障害および発生障害の治療および/または診断的介入に有
用であることを示す。代表的な用途は、以下の「免疫活性」および「感染性疾患
」の節、実施例11、13、14、16、18、19、20、および27、なら
びに本明細書中のいずこかに記載される。簡単に述べると、この使用には、骨髄
細胞エキソビボ培養、骨髄移植、骨髄再形成、新形成の放射線治療または化学療
法を含む。
【0526】 この遺伝子産物はまた、リンパ球産生に関与し得る。従って、この遺伝子産物
は、免疫障害(例えば、感染、炎症、アレルギー、免疫不全など)において使用
され得る。さらに、この遺伝子産物は、種々の血液系統の幹細胞および方向付け
られた前駆体の拡大において、および種々の細胞型の分化および/または増殖に
おいて、商業的な有用性を有し得る。あるいは、このタンパク質は、微小血管疾
患、血管漏出症候群、動脈瘤、発作、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、ま
たは塞栓症を含むが、それらに限定されない血管状態の、検出、処置および/ま
たは予防に有用である。例えば、この遺伝子産物は、器官の神経支配を調節する
か、または隣接する神経の生存を調節する、平滑筋により産生される可溶性因子
を示し得る。同様に、消化過程およびぜん動のような作用の制御に関する。同様
に、血管の内皮を取り巻く平滑筋の領域の脈管構造の制御に関する。さらに、こ
のタンパク質はまた、栄養補給剤としてのその使用に加えて、生物学的活性を決
定するために、抗体を惹起するために、組織マーカーとして、同属のリガンドま
たはレセプターを単離するために、それらの相互作用を調節する薬剤を同定する
ために使用され得る。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記
に挙げられた組織に対する腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的として有
用性を示し得る。タンパク質、ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に
挙げられた組織に対する腫瘍マーカーおよび/または免疫療法の標的として有用
性を示し得る。
【0527】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号76に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明から、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(こ
こで、aは配列番号76の1〜728の任意の整数であり、bは15〜742の
整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号76に示されるヌクレオチド残
基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以上のポ
リヌクレオチドが除外される。
【0528】 (遺伝子番号67によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子は、主に前立腺において、ならびにより低い程度でヒトB細胞リン
パ腫において発現される。
【0529】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の示差的同定のため、ならびに前立腺癌、および
造血起源の疾患、特にB細胞の疾患を含むが、これらに限定されない疾患および
状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれら
のポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の示差的同定のための免疫学
的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞の多くの障害、特に前立腺
および免疫系に関与する障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち、障
害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意によ
り高いまたはより低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個
体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、前立腺組織、生殖組織、
造血組織ならびに癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清
、血漿、尿、精液、滑液および髄液)または別の組織もしくは細胞サンプルの中
で、慣用的に検出される。
【0530】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号169で残基:Asp−33〜L
ys−42として示される免疫原性エピトープが挙げられる。これらのポリペプ
チドをコードするポリヌクレオチドもまた提供される。
【0531】 前立腺組織におけるこの組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチド
およびポリペプチドが、前立腺癌、ならびに造血細胞、特に、B細胞起源の造血
細胞に関する障害の治療または診断用マーカーとして有用であることを示す。さ
らに増殖細胞によって示される細胞供給源内での発現は、このタンパク質が、細
胞分裂の調節において役割を果たし得ること、および癌および他の増殖状態を含
む発生疾患および障害の診断、処置および予防における有用性を示し得ることを
示す。代表的な用途は、以下の「増殖性障害」および「再生」の節、ならびに本
明細書中のいずこかに記載される。手短には、発生組織は、パターン形成におけ
る細胞分化および/またはアポトーシスを含む決定に依存する。
【0532】 アポトーシスの調節不全は、いくつかの癌の発生において生じるような細胞死
の不適切な抑制、または後天性免疫不全および特定の神経変性障害(例えば、棘
筋萎縮症(SMA))において生じると考えられるような、細胞死の程度の制御
不全を生じ得る。増殖および分化における潜在的役割によって、この遺伝子産物
は、成体において、組織再生および癌の処置において適用を有し得る。これはま
た、細胞および組織型の詳細を制御するためのモルフォゲンとして作用し得る。
従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、他の型の変性状態に
加えて、上記障害および状態を処置、検出、および/または予防する際に有用で
ある。従って、このタンパク質は、アポトーシスまたは組織分化を調節し得、そ
して変性性または増殖性の状態および疾患の検出、処置、および/または予防に
おいて有用である。このタンパク質は、増殖性および癌性の細胞および組織にお
いて存在し得るような、異常なポリペプチドに対する免疫応答を調節する際に有
用である。このタンパク質はまた、細胞の成長および増殖の調節についての新た
な洞察を得るために用いられ得る。このタンパク質は、急速に増殖する細胞およ
び組織において存在し得るような、異常なタンパク質およびポリペプチドに対す
る免疫応答を調節する際に有用である。さらに、このタンパク質はまた、栄養補
給剤としての用途に加えて、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起するた
めに、組織マーカーとして、同属のリガンドまたはレセプターを単離するために
、それらの相互作用を調節する薬剤を同定するために使用され得る。タンパク質
ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙げられた組織に対する腫瘍マ
ーカーおよび/または免疫治療の標的として有用性を示し得る。
【0533】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号77に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは、配列番号77の1〜1811の任意の整数であり、bは、15〜
1825の整数であり、ここでaおよびbの両方は、配列番号77に示されるヌ
クレオチド残基の位置に対応し、そしてここでbは、a+14以上である)を含
む1つ以上のポリヌクレオチドが除外される。
【0534】 (遺伝子番号68によりコードされるタンパク質の特徴) U937骨髄性細胞株に対して試験した場合、この遺伝子を含む細胞から得ら
れた上清は、GAS(γ活性化配列)プロモーターエレメントを活性化した。従
って、この遺伝子は、Jak−STATシグナル伝達経路を介して、骨髄性細胞
を活性化するようである。GASは、Jak−STAT経路に関与する多くの遺
伝子の上流に見出されるプロモーターエレメントである。このJak−STAT
経路は、細胞の分化および増殖に関与する大きなシグナル伝達経路である。従っ
て、Jak−STAT経路の活性化(GASエレメントの結合により反映される
)は、細胞の増殖および分化に関与するタンパク質を示すために使用され得る。
【0535】 別の実施態様において、推定シグナルペプチドの上流のオープンリーディング
フレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、本発明により意図される。詳細
には、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0536】
【化41】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0537】 開示されたcDNAをコードする遺伝子は、第17染色体に存在すると考えら
れる。従って、本発明に関するポリヌクレオチドは、第17染色体についての連
鎖分析におけるマーカーとして有用である。
【0538】 この遺伝子は、主に、脳および発生中の胚、ならびにより少ない程度で、心臓
、結腸、脂肪組織、腎臓、乳房組織、活性化T細胞および樹状細胞において発現
される。
【0539】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに神経学的疾患、発
生状態、結腸癌、および造血疾患(特にT細胞起源)を含むがこれらに限定され
ない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペプチ
ドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定
のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に中枢
神経系の多くの障害に関して、標準遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有して
いない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意に高いまた
は低いレベルのこの遺伝子の発現は、このような障害を有する個体から採取され
た特定の組織もしくは細胞型(例えば、神経組織、発生組織、心臓血管系組織、
脂肪組織、免疫組織、造血組織、ならびに癌性組織および創傷組織)または体液
(例えば、リンパ、血清、血漿、尿、滑液および髄液)、または別の組織もしく
は細胞サンプルの中で、慣用的に検出される。
【0540】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号170で残基:Thr−18〜C
ys−26、Glu−29〜Thr−36、Ser−50〜Thr−55として
示される免疫原性エピトープが挙げられる。これらのポリペプチドをコードする
ポリヌクレオチドもまた提供される。
【0541】 脳における組織分布は、検出されたGAS生物学的活性と組み合わされて、こ
の遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、神経学的な疾患、
発生異常、結腸癌、および造血疾患(特に、T細胞起源の造血疾患)の治療剤お
よび/または診断剤のために有用であることを示す。代表的な用途は、以下の「
再生」および「過剰増殖性障害」の節、実施例11、15、および18、ならび
に本明細書中の他の箇所に記載される。簡潔には、この使用としては、アルツハ
イマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、ツレット症候群、髄膜炎、脳炎、
脱髄疾患、末梢神経障害、新形成、外傷、先天性異常、脊髄傷害、虚血および梗
塞形成、動脈瘤、出血、精神分裂病、躁病、痴呆、偏執症、強迫性障害、鬱病、
恐慌性障害、学習障害、ALS、精神病、自閉、および行動変化(栄養補給、睡
眠パターン、平衡、および知覚の障害を含む)の検出、処置、および/または予
防を含むがこれらに限定されない。さらに、脳の領域におけるこの遺伝子産物の
発現の上昇は、これが正常な神経機能において役割を果たすことを示す。
【0542】 潜在的には、この遺伝子産物は、シナプス形成、神経伝達、学習、認知、ホメ
オスタシス、あるいはニューロンの分化または生存に関与する。さらに、このタ
ンパク質はまた、栄養補給剤としてのその使用に加えて、生物学的活性を決定す
るために、抗体を惹起するために、組織マーカーとして、同属のリガンドまたは
レセプターを単離するために、それらの相互作用を調節する薬剤を同定するため
に使用され得る。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する抗体は、上記に挙
げられた組織に対する腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の標的として有用性
を示し得る。
【0543】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号78に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号78の1〜1660の任意の整数であり、bは15〜16
74の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号78に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0544】 (遺伝子番号69によりコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子のポリペプチドは、この遺伝子について表1に参照されるアミノ酸
配列のアミノ酸のおよそ2〜18位にて膜貫通ドメインを有することが決定され
ている。これらの特徴に基づくと、この遺伝子のタンパク質産物は、II型膜タ
ンパク質に対して構造特性を共有すると考えられる。
【0545】 別の実施態様において、推定シグナルペプチドの上流のオープンリーディング
フレームのアミノ酸配列を含むポリペプチドが、本発明によって意図される。詳
細には、本発明のポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0546】
【化42】 これらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0547】 この遺伝子は、主に、活性化した単球、樹状細胞において、および扁桃におい
て発現される。
【0548】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに免疫疾患および/
または免疫障害ならびに造血疾患および/または造血障害、特に白血病、リンパ
腫、造血起源の腫瘍を含むが、これらに限定されない疾患および状態の診断のた
めの試薬として有用である。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチド
に対する抗体は、組織または細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提
供に有用である。上記組織または細胞、特に造血系の多くの障害に関して、標準
の遺伝子発現レベル(すなわち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液
中の発現レベル)に対して有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、
このような障害を有する個体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば
、免疫組織、造血組織、癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ
、血清、血漿、尿、滑液および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプルの
中で、慣用的に検出され得る。
【0549】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号171において残基:Gln−3
0〜Leu−38、Asn−75〜Thr−86として示される免疫原性エピト
ープを含む。上記のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供さ
れる。
【0550】 活性化された単球、樹状細胞、および扁桃における組織分布は、この遺伝子に
対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチドが、白血病、リンパ腫、および造
血起源の細胞と関連する他の疾患の治療剤および/または診断剤として有用であ
ることを示す。代表的な使用は、以下の「免疫活性」および「感染性疾患」の節
、実施例11、13、14、16、18、19、20、および27、ならびに本
明細書の他の箇所に記載される。簡潔には、この遺伝子産物の発現は、血液幹細
胞を含む造血細胞系統の増殖;生存;分化;および/または活性化の調節におけ
る役割を示す。この遺伝子産物は、サイトカイン産生、抗原提示、または癌の処
置(例えば、免疫応答をブーストすることによる)に有用性を示唆する他のプロ
セスの調節に関与する。
【0551】 この遺伝子は、リンパ起源の細胞で発現されるので、この天然遺伝子産物は、
免疫機能に関与する。従って、これはまた、関節炎、喘息、免疫不全疾患(例え
ば、AIDS)、白血病、慢性関節リウマチ、慢性肉芽腫症、炎症性腸疾患、敗
血症、挫瘡、好中球減少症、好中球増加症、乾癬、過敏症(例えば、T細胞媒介
細胞障害)、移植器官および組織への免疫反応(例えば、対移植片性宿主病およ
び対宿主性移植片病)、または自己免疫性障害(例えば、自己免疫不妊症)、水
晶体組織傷害、脱髄、全身性エリテマトーデス、薬物誘引溶血性貧血、慢性関節
リウマチ、シェーグレン病、および強皮症を含む免疫学的障害のための薬剤とし
て有用である。さらに、このタンパク質は、他の血液細胞の分化または挙動に影
響するか、または傷害部位に造血細胞を補充する分泌性因子を示し得る。従って
、この遺伝子産物は、様々な血液系統の幹細胞および方向付けられた前駆体の増
殖ならびに種々の細胞型の分化および/または増殖において有用であると考えら
れる。さらに、このタンパク質はまた、栄養補給剤としてのその使用に加えて、
生物学的活性を決定するために、抗体を惹起するために、組織マーカーとして、
同属のリガンドまたはレセプターを単離するために、それらの相互作用を調節す
る薬剤を同定するために使用され得る。タンパク質ならびにこのタンパク質に対
する抗体は、上記に挙げられた組織に対する腫瘍マーカーおよび/または免疫治
療の標的として有用性を示し得る。
【0552】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号79に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号79の1〜2177の任意の整数であり、bは15〜21
91の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号79に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0553】 (遺伝子番号70によりコードされるタンパク質の特徴) U937細胞株に対して試験される場合、この遺伝子を含む細胞から得られた
上清は、GAS(γ活性化配列)プロモーターエレメントを活性化した。従って
、この遺伝子は、Jak−STATシグナル伝達経路を介して、骨髄性細胞およ
びより少ない程度には他の免疫細胞および組織細胞型を活性化するようである。
GASは、Jak−STAT経路に関与する多くの遺伝子の上流に見出されるプ
ロモーターエレメントである。このJak−STAT経路は、細胞の分化および
増殖に関与する大きなシグナル伝達経路である。従って、Jak−STAT経路
の活性化(GASエレメントの結合により反映される)は、細胞の増殖および分
化に関与するタンパク質を示すために使用され得る。
【0554】 開示されたcDNAをコードする遺伝子は、第12染色体上に位置すると考え
られる。従って、本発明に関連するポリヌクレオチドは、第12染色体について
の連鎖解析におけるマーカーとして有用である。
【0555】 この遺伝子は、主に、胎盤、脳および肝臓に、ならびにより少ない程度には他
のほとんどの組織において発現される。
【0556】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに造血性、神経学的
、血管性および発生の疾患および/または障害、特に癌を含むが、これらに限定
されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である。同様に、ポリペ
プチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織または細胞型の差示的
同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織または細胞、特に
免疫系および神経系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すなわち
、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して有意
に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個体か
ら採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、造血組織、神経学的組織、血
管組織、発生組織、ならびに癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リ
ンパ、血清、羊水、胆汁、血漿、尿、滑液および髄液)、または別の組織もしく
は細胞サンプルの中で、慣用的に検出され得る。
【0557】 脳組織における組織分布は、この遺伝子に対応するポリヌクレオチドおよびポ
リペプチドが、多くの疾患状態(特に、免疫系および神経系の多くの疾患状態)
における治療剤および/または診断剤のために有用であることを示す。代表的な
使用は、以下の「再生」および「過剰増殖性障害」の節、実施例11、15、お
よび18、ならびに本明細書中の他の箇所に記載される。簡潔には、この使用と
しては、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、ツレット症候群
、髄膜炎、脳炎、脱髄疾患、末梢神経障害、新形成、外傷、先天性異常、脊髄傷
害、虚血および梗塞形成、動脈瘤、出血、精神分裂病、躁病、痴呆、偏執症、強
迫性障害、鬱病、恐慌性障害、学習障害、ALS、精神病、自閉、および行動変
化(栄養補給、睡眠パターン、平衡、および知覚の障害を含む)の検出、処置、
および/または予防を含むがこれらに限定されない。さらに、脳の領域における
この遺伝子産物の発現の上昇は、これが正常な神経機能において役割を果たすこ
とを示す。
【0558】 潜在的には、この遺伝子産物は、シナプス形成、神経伝達、学習、認知、ホメ
オスタシス、あるいはニューロンの分化または生存に関与する。さらに、このタ
ンパク質は、微小血管の疾患、血管漏出症候群、動脈瘤、発作、塞栓症、血栓症
、冠状動脈疾患、動脈硬化症、および/またはアテローム性動脈硬化症を含むが
、これらに限定されな種々の血管障害および状態の検出、処置、および/または
予防において有用である。さらに、このタンパク質はまた、栄養補給剤としての
その使用に加えて、生物学的活性を決定するために、抗体を惹起するために、組
織マーカーとして、同属のリガンドまたはレセプターを単離するために、それら
の相互作用を調節する薬剤を同定するために使用され得る。タンパク質ならびに
このタンパク質に対する抗体は、上記に挙げられた組織に対する腫瘍マーカーお
よび/または免疫治療の標的として有用性を示し得る。
【0559】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号80に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号80の1〜1321の任意の整数であり、bは15〜13
35の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号80に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0560】 (遺伝子番号71によってコードされるタンパク質の特徴) この遺伝子の翻訳産物は、モノアミンオキシダーゼに対して、特に、FAD結
合を担うドメインにおいて相同性を共有するマウス図1(インターロイキン−4
により誘導される遺伝子1)と配列相同性を共有する。この遺伝子によりコード
される好ましいポリペプチドは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0561】
【化43】 および/または
【0562】
【化44】 このようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0563】 本発明の好ましいポリペプチドフラグメントは、以下のアミノ酸配列を含む:
【0564】
【化45】 配列類似性に基づくと、この遺伝子の翻訳産物は、モノアミンオキシダーゼ、ジ
スインテグリン(disintegrin)、メタロプロテイナーゼ、およびア
ポトーシス調節タンパク質と少なくともいくらかの生物学的活性を共有すること
が予測される。このような活性は、当該分野にいて公知であり、これらのうちの
いくつかは、本明細書中の他の箇所に記載される。これらのポリペプチドをコー
ドするポリヌクレオチドもまた、提供される。
【0565】 この遺伝子のポリペプチドは、この遺伝子について表1で参照されるアミノ酸
配列のアミノ酸のおよそ235〜251位にて膜貫通ドメインを有することが決
定されている。さらに、このタンパク質のアミノ酸252〜319を含む細胞質
テイル(tail)もまた、決定されている。これらの特徴に基づいて、この遺
伝子のタンパク質産物は、Ia型膜タンパク質に対する構造特性を共有する。
【0566】 この遺伝子は、主に、造血細胞において、特に樹状細胞において、および活性
化された単球、ならびにより少ない程度には、T細胞、内皮細胞、および潰瘍性
大腸炎と関連する細胞に発現される。
【0567】 従って、本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、生物学的サンプル
中に存在する組織または細胞型の差示的同定のため、ならびに白血病、リンパ腫
、およびアポトーシス依存性事象に加えて、抗原提示細胞と関連した疾患を含む
が、これらに限定されない疾患および状態の診断のための試薬として有用である
。同様に、ポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに対する抗体は、組織また
は細胞型の差示的同定のための免疫学的プローブの提供に有用である。上記組織
または細胞、特に免疫系の多くの障害に関して、標準の遺伝子発現レベル(すな
わち、障害を有さない個体由来の健常組織または体液中の発現レベル)に対して
有意に高いまたは低いレベルのこの遺伝子の発現が、このような障害を有する個
体から採取された特定の組織もしくは細胞型(例えば、免疫組織、造血組織、な
らびに癌性組織および創傷組織)または体液(例えば、リンパ、血清、血漿、尿
、滑液および髄液)、または別の組織もしくは細胞サンプルの中で、慣用的に検
出され得る。
【0568】 本発明の好ましいポリペプチドは、配列番号173において残基:Gln−2
2〜Gln−44、Ala−90〜Gly−95、Lys−137〜Trp−1
46、Arg−171〜Asp−181、Glu−370〜Ser−380、A
sp−447〜Gly−452、Gln−463〜Trp−469、Asn−5
04〜Ala−510、Asp−512〜His−519、Ala−541〜V
al−550、Asn−558〜His−566として示される免疫原性エピト
ープを含む。上記のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドもまた、提供さ
れる。
【0569】 免疫細胞および免疫組織ならびに造血細胞および造血組織における組織分布は
、マウス図1遺伝子に対する相同性と組み合わされて、この遺伝子に対応するポ
リヌクレオチドおよびポリペプチドが、造血疾患、特に抗原提示細胞と関連する
造血疾患の治療剤および/または診断剤として有用であることを示す。代表的な
使用は、以下の「免疫活性」および「感染性疾患」の節、実施例11、13、1
4、16、18、19、20、および27、ならびに本明細書の他の箇所に記載
される。簡潔には、この遺伝子産物の発現は、血液幹細胞を含む造血細胞系統の
増殖;生存;分化;および/または活性化の調節における役割を示す。この遺伝
子産物は、サイトカイン産生、抗原提示、または癌の処置(例えば、免疫応答を
ブーストすることによる)に有用性を示唆する他のプロセスの調節に関与する。
【0570】 この遺伝子は、リンパ起源の細胞で発現されるので、この天然遺伝子産物は、
免疫機能に関与する。従って、これはまた、関節炎、喘息、免疫不全疾患(例え
ば、AIDS)、白血病、慢性関節リウマチ、慢性肉芽腫症、炎症性腸疾患、敗
血症、挫瘡、好中球減少症、好中球増加症、乾癬、過敏症(例えば、T細胞媒介
細胞障害)、移植器官および組織への免疫反応(例えば、対移植片性宿主病およ
び対宿主性移植片病)、または自己免疫性障害(例えば、自己免疫不妊症)、水
晶体組織傷害、脱髄、全身性エリテマトーデス、薬物誘引溶血性貧血、慢性関節
リウマチ、シェーグレン病、および強皮症を含む免疫学的障害のための薬剤とし
て有用である。さらに、このタンパク質は、他の血液細胞の分化または挙動に影
響するか、または傷害部位に造血細胞を補充する分泌性因子を示す。従って、こ
の遺伝子産物は、様々な血液系統の幹細胞および方向付けられた前駆体の増殖な
らびに種々の細胞型の分化および/または増殖において有用であると考えられる
。さらに、このタンパク質はまた、栄養補給剤としてのその使用に加えて、生物
学的活性を決定するために、抗体を惹起するために、組織マーカーとして、同属
のリガンドまたはレセプターを単離するために、それらの相互作用を調節する薬
剤を同定するために使用され得る。タンパク質ならびにこのタンパク質に対する
抗体は、上記に挙げられた組織に対する腫瘍マーカーおよび/または免疫治療の
標的として有用性を示し得る。
【0571】 多くのポリヌクレオチド配列(例えば、EST配列)は、公に利用可能であり
、そして配列データベースを通してアクセス可能である。これらの配列のいくつ
かは、配列番号81に関連し、そして本発明の着想の前に公に利用可能であった
かもしれない。好ましくは、このような関連するポリヌクレオチドは、本発明の
範囲から特に除外される。全ての関連配列を列挙することは煩わしい。従って、
好ましくは、本発明からは、一般式a−bにより記載されるヌクレオチド配列(
ここで、aは配列番号81の1〜1853の任意の整数であり、bは15〜18
67の整数であり、ここでaおよびbの両方は配列番号81に示されるヌクレオ
チド残基の位置に対応し、そしてここでbはa+14以上である)を含む1つ以
上のポリヌクレオチドが除外される。
【0572】
【表1】 表1は、上記の各「遺伝子番号」に対応する情報を要約する。「ヌクレオチド
配列番号X」として同定されるヌクレオチド配列は、表1において同定される「
cDNAクローンID」から、およびいくつかの場合において、さらなる関連の
DNAクローンから得られる部分的に相同な(「重複する」)配列から構築され
た。重複する配列は、高い冗長性の単一の連続した配列に構築され(通常、各ヌ
クレオチド部位で3〜5個の重複する配列)、配列番号Xとして同定される最終
的な配列を得た。
【0573】 cDNAクローンIDは、その日付に寄託され、そして「ATCC寄託番号Z
および日付」において列挙される対応する寄託番号が与えられた。寄託物のいく
つかは、同じ遺伝子に対応する複数の異なるクローンを含む。「ベクター」は、
cDNAクローンIDにおいて含まれるベクターの型をいう。
【0574】 「総ヌクレオチド配列」は、「遺伝子番号」によって同定されるコンティグに
おけるヌクレオチドの総数をいう。寄託されたクローンは、これらの配列の全て
またはほとんどを含み得、これらの配列は、配列番号Xの「クローン配列の5'
ヌクレオチド」および「クローン配列の3'ヌクレオチド」として示されるヌク
レオチドの位置によって反映される。推定開始コドン(メチオニン)の配列番号
Xのヌクレオチドの位置は、「開始コドンの5'ヌクレオチド」として同定され
る。同様に、推定シグナル配列の配列番号Xのヌクレオチドの位置は、「シグナ
ルペプチドの第一のアミノ酸の5'ヌクレオチド」として同定される。
【0575】 翻訳されたアミノ酸配列は、メチオニンで始まり、「アミノ酸配列番号Y」と
して同定されるが、他のリーディングフレームもまた、公知の分子生物学技術を
使用して容易に翻訳され得る。これらの選択的オープンリーディングフレームに
よって生成されるポリペプチドは、本発明によって具体的に意図される。
【0576】 推定シグナルペプチドの配列番号Yの第一および最後のアミノ酸の位置は、「
シグナルペプチドの第一のアミノ酸」および「シグナルペプチドの最後のアミノ
酸」として同定される。分泌部分の配列番号Yの推定される第一アミノ酸の位置
は、「分泌部分の推定される第一のアミノ酸」として同定される。最後には、オ
ープンリーディングフレームにおける最後のアミノ酸の配列番号Yのアミノ酸の
位置は、「ORFの最後のアミノ酸」として同定される。
【0577】 配列番号Xおよび翻訳される配列番号Yは、十分に正確であり、そしてそうで
なければ、当該分野において周知でありかつ以下でさらに記載される種々の使用
に適切である。例えば、配列番号Xは、配列番号Xにおいて含まれる核酸配列ま
たは寄託されたクローンに含まれるcDNAを検出する核酸ハイブリダイゼーシ
ョンプローブを設計するために有用である。これらのプローブはまた、生物学的
サンプル中の核酸分子にハイブリダイズし、それによって本発明の種々の法医学
の方法、および診断の方法を可能にする。同様に、配列番号Yから同定されるポ
リぺプチドは、表1において同定されるcDNAクローンによってコードされる
分泌タンパク質に特異的に結合する抗体を作製するために使用され得る。
【0578】 それにもかかわらず、配列決定反応によって生成されるDNA配列は、配列決
定のエラーを含み得る。エラーは、誤って同定されたヌクレオチドとして、また
は生成されたDNA配列におけるヌクレオチドの挿入または欠失として存在する
。誤って挿入されたか、または欠失されたヌクレオチドは、推定アミノ酸配列の
リーディングフレームにおいてフレームシフトを引き起こす。これらの場合にお
いて、作製されるDNA配列は、実際のDNA配列と99.9%(例えば、10
00塩基を超えるオープンリーディングフレームにおける1塩基の挿入または欠
失)を超えて同一であり得るにもかかわらず、推定アミノ酸配列は、実際のアミ
ノ酸配列とは異なる。
【0579】 従って、ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列における正確さを必要とするこ
れらの適用のために、本発明は、配列番号Xとして同定され、作製されたヌクレ
オチド配列および配列番号Yとして同定され、推定の翻訳されたアミノ酸配列の
みではなく、表1において記載されるような、ATCCに寄託された本発明のヒ
トcDNAを含むプラスミドDNAのサンプルもまた提供する。各々の寄託され
たクローンのヌクレオチド配列は、公知の方法に従って寄託されたクローンの配
列決定によって容易に決定され得る。次いで、推定アミノ酸配列は、このような
寄託物から証明され得る。さらに、特定のクローンによってコードされるタンパ
ク質のアミノ酸配列はまた、ペプチド配列決定によって、または寄託されたヒト
cDNAを含む適切な宿主細胞中でタンパク質を発現し、このタンパク質を収集
し、そしてその配列を決定することによって、直接的に決定され得る。
【0580】 本発明はまた、配列番号X、配列番号Y、または寄託されたクローンに対応す
る遺伝子に関する。対応する遺伝子は、本明細書中に開示される配列情報を使用
して、公知の方法に従って単離され得る。このような方法は、開示された配列か
らプローブまたはプライマーを調製する工程、およびゲノム物質の適切な供給源
から対応する遺伝子を同定または増幅する工程を包含する。
【0581】 本発明においてまた提供されるものは、種相同体である。種相同体は、本明細
書中に提供される配列から適切なプローブまたはプライマーを作製し、そして所
望の相同体について適切な核酸供給源をスクリーニングすることによって単離お
よび同定され得る。
【0582】 本発明のポリぺプチドは、任意の適切な様式で調製され得る。このようなポリ
ぺプチドとしては、単離された天然に存在するポリぺプチド、組換え的に生成さ
れたポリぺプチド、合成的に生成されたポリぺプチド、またはこれらの方法の組
合せによって生成されたポリぺプチドが挙げられる。このようなポリぺプチドを
調製するための手段は、当該分野において十分に理解される。
【0583】 ポリぺプチドは、分泌タンパク質の形態(成熟形態を含む)であり得るか、ま
たはより大きいタンパク質(例えば、融合タンパク質)の部分であり得る(以下
を参照のこと)。分泌配列またはリーダー配列、プロ配列、精製を補助する配列
(例えば、複数のヒスチジン残基)、または組換え生成の間の安定性のためのさ
らなる配列を含むさらなるアミノ酸配列を含むことは、しばしば有利である。
【0584】 本発明のポリぺプチドは、好ましくは、単離された形態で提供され、そして好
ましくは実質的に精製される。ポリぺプチド(分泌されるポリぺプチドを含む)
の組換え的に生成されたバージョン(version)は、SmithおよびJ
ohnson、Gene 67:31−40(1988)に記載される1工程の
方法によって実質的に精製され得る。本発明のポリぺプチドはまた、当該分野に
おいて周知である方法における分泌タンパク質に対して惹起される本発明の抗体
を使用して、天然のまたは組換えの供給源から精製され得る。
【0585】 (シグナル配列) タンパク質が、シグナル配列、ならびにその配列についての切断点を有するか
否かを予測するための方法が、利用可能である。例えば、McGeoch,Vi
rus Res.3:271−286(1985)の方法は、短いN末端荷電領
域およびそれに続く完全な(切断されていない)タンパク質の非荷電領域からの
情報を使用する。von Heinje,Nucleic Acids Res
.14:4683−4690(1986)の方法は、切断部位の周辺の残基(代
表的に−13〜+2残基)からの情報を使用し、ここで、+1は、分泌タンパク
質のアミノ末端を示す。これらの方法のそれぞれについての、公知の哺乳動物分
泌タンパク質の切断点を予測することの正確さは、75〜80%の範囲にある(
von Heinje、前出)。しかし、2つの方法は、所定のタンパク質につ
いて、同じ推定切断点を必ずしも生成するとは限らない。
【0586】 本発明の場合において、分泌されるポリぺプチドの推定アミノ酸配列は、Si
gnalPと呼ばれるコンピュータープログラム(Henrik Nielse
nら、Protein Engineering 10:1−6(1997))
によって分析された。このプログラムは、アミノ酸配列に基づいてタンパク質の
細胞での位置を予測する。この局在化のコンピューター予測の一部として、Mc
Geochおよびvon Heinjeの方法が援用される。このプログラムに
よって、本明細書中に記載される分泌タンパク質のアミノ酸配列の分析は、表1
において示される結果を提供した。
【0587】 しかし、当業者に理解されるように、切断部位は、時折、生物に応じて変化し
、そして絶対的な確実性を伴っては予測され得ない。従って、本発明は、配列番
号Yにおいて示される配列を有する分泌されるポリぺプチドを提供し、これは推
定切断点の5残基(すなわち、+または−5残基)内で始まるN末端を有する。
同様に、ある場合において、分泌タンパク質からのシグナル配列の切断は、必ず
しも均一ではなく、1つより多くの分泌される種を生じることもまた認識される
。これらのポリぺプチド、およびこのようなポリぺプチドをコードするポリヌク
レオチドは、本発明によって意図される。
【0588】 さらに、上述の分析によって同定されるシグナル配列は、天然に存在するシグ
ナル配列を必ずしも予測しないかもしれない。例えば、天然に存在するシグナル
配列は、推定シグナル配列からさらに上流にあり得る。しかし、推定シグナル配
列は、分泌タンパク質をERに指向し得るようである。これらのポリぺプチド、
およびこのようなポリぺプチドをコードするポリヌクレオチドは、本発明によっ
て意図される。
【0589】 (ポリヌクレオチドおよびポリぺプチド改変体) 「改変体」とは、本発明のポリヌクレオチドまたはポリぺプチドとは異なるが
、それらの本質的な特性を保持するポリヌクレオチドまたはポリぺプチドをいう
。一般に、改変体は、全体的に密接に類似し、そして、多くの領域において、本
発明のポリヌクレオチドまたはポリぺプチドに同一である。
【0590】 本発明の参照ヌクレオチド配列に、例えば、少なくとも95%「同一」である
ヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドによって、ポリヌクレオチドのヌク
レオチド配列が、ポリヌクレオチド配列がポリぺプチドをコードする参照ヌクレ
オチド配列の各100ヌクレオチドあたり5つまでの点変異を含み得ることを除
いて、参照配列に対して同一であることを意図する。換言すれば、参照ヌクレオ
チド配列に対して少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を有するポリヌクレ
オチドを得るために、参照配列のヌクレオチドの5%までが、別のヌクレオチド
で欠失または置換され得るか、または参照配列中の総ヌクレオチドの5%までの
多数のヌクレオチドで参照配列中に挿入され得る。問い合わせ(query)配
列は、表1に示される配列全体、ORF(オープンリーディングフレーム)、ま
たは本明細書中で記載されるように特定される任意のフラグメントであり得る。
【0591】 実際問題として、任意の特定の核酸分子またはポリぺプチドが、本発明のヌク
レオチド配列に対して少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、ま
たは99%同一であるか否かは、公知のコンピュータープログラムを使用して従
来的に決定され得る。問い合わせ配列(本発明の配列)と本配列との間の最も良
好な全体的な適合性(全体的な配列整列としてもまた参照される)を決定するた
めの好ましい方法は、Brutlagら(Comp.App. Biosci.
(1990)6:237−245)のアルゴリズムに基づくFASTDBコンピ
ュータープログラムを使用して決定され得る。配列整列において、問い合わせ配
列および本配列は、両方ともにDNA配列である。RNA配列は、UからTに変
換することによって比較され得る。この全体的な配列整列の結果は、同一性パー
セント(%)で示される。同一性パーセントを算定するためにDNA配列のFA
STDB整列において使用される好ましいパラメーターは:Matrix=Un
itary、k−tuple=4、Mismatch Penalty=1、J
oining Penalty=30、Randomization Grou
p Length=0、Cutoff Score=1、Gap Penalt
y=5、Gap Size Penalty 0.05、Window Siz
e=500または本ヌクレオチド配列の長さ(どちらかより短い方)である。
【0592】 本配列が、5’または3’欠失のために(内部欠失のためではなく)問い合わ
せ配列より短い場合、手動の補正が結果に対してなされなけらばならない。これ
は、同一性パーセントを計算する場合に、FASTDBプログラムが本配列の5
’および3’切断を考慮しないからである。5’末端または3’末端で切断され
る本配列について、問い合わせ配列に対して、同一性パーセントは、問い合わせ
配列の総塩基のパーセントとして一致/整列されない本配列の5’および3’で
ある問い合わせ配列の塩基の数を計算することによって補正される。ヌクレオチ
ドが一致/整列されるか否かは、FASTDB配列整列の結果によって決定され
る。次いで、このパーセントは、同一性パーセントから差し引かれ、特定のパラ
メーターを用いて上記のFASTDBプログラムによって算定され、最終的な同
一性パーセントのスコアに到達する。この補正されたスコアが、本発明の目的に
使用されるものである。FASTDB整列によって示されるように、問い合わせ
配列と一致/整列されいていない、本配列の5’および3’塩基の外側の塩基の
みが、同一性パーセントのスコアを手動で調整する目的で算定される。
【0593】 例えば、90塩基の本配列は、同一性パーセントを決定するために100塩基
の問い合わせ配列に整列される。本配列、および従って、FASTDB整列の5
’末端で生じる欠失は、5’末端で最初の10塩基の一致/整列を示さない。1
0個の不対合塩基は、配列の10%(一致していない5’および3’末端での塩
基の数/問い合わせ配列の塩基の総数)を表し、そのため10%は、FASTD
Bプログラムによって算定される同一性パーセントのスコアから差し引かれる。
残りの90塩基が完全に一致する場合は、最終的な同一性パーセントは90%で
ある。別の例では、90塩基の本配列は、100塩基の問い合わせ配列と比較さ
れる。この場合、欠失は、内部欠失であり、その結果、問い合わせ配列と一致/
整列しない本配列の5’または3’に塩基がない。この場合、FASTDBによ
って算定される同一性パーセントは手動で補正されない。再び、問い合わせ配列
と一致/整列しない本配列の5’または3’の塩基のみが手動で補正される。他
の手動の補正は、本発明の目的ではなされない。
【0594】 本発明の問い合わせアミノ酸配列に、例えば、少なくとも95%「同一」であ
るアミノ酸配列を有するポリぺプチドにより、本ポリペプチドのアミノ酸配列は
、本ポリぺプチド配列が、問い合わせアミノ酸配列の各100個のアミノ酸あた
り5つまでのアミノ酸の変更を含み得ることを除いて、問い合わせ配列に同一で
あることが意図される。換言すれば、問い合わせアミノ酸配列に少なくとも95
%同一であるアミノ酸配列を有するポリぺプチドを得るために、本配列における
アミノ酸残基の5%までが、挿入、欠失、(消えない(indels))または
別のアミノ酸で置換され得る。参照配列のこれらの変化は、参照アミノ酸配列の
アミノ末端もしくはカルボキシ末端部位で生じ得るか、またはそれらの末端部位
の間のどこにでも生じ得、参照配列中の残基間で個々に、または参照配列内の1
つ以上のコンティグなグループにおいてのいずれかで、散在される。
【0595】 実際問題として、任意の特定のポリぺプチドが、例えば、表1に示されるアミ
ノ酸配列に対して、または寄託されたDNAクローンによってコードされるアミ
ノ酸配列に対して、少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、また
は99%同一であるか否かは、従来的に、公知のコンピュータープログラムを使
用して決定され得る。問い合わせ配列(本発明の配列)と本配列との間での最良
の全体的な一致(全体的配列整列としても参照される)を決定するための好まし
い方法は、Brutlagら(Comp. App. Biosci. (19
90) 6:237−245)のアルゴリズムに基づくFASTDBコンピュー
タープログラムを使用して決定され得る。配列整列において、問い合わせおよび
本配列は、両方ともヌクレオチド配列であるかまたは両方ともアミノ酸配列であ
るかのいずれかである。上記の全体的配列整列の結果は、同一性パーセントで示
される。FASTDBアミノ酸整列に用いられる好ましいパラメーターは:Ma
trix=PAM 0、k−tuple=2、Mismatch Penalt
y=1、Joining Penalty=20、Randomization
Group Length=0、Cutoff Score=1、Windo
w Size = 配列の長さ、Gap Penalty=5、Gap Siz
e Penalty = 0.05、Window Size=500または本
アミノ酸配列の長さ(どちらかより短い方)である。
【0596】 本配列が、N末端またはC末端欠失により(内部の欠失のためではなく)問い
合わせ配列よりも短い場合、手動の補正が結果に対してなされなけらばならない
。これは、FASTDBプログラムが、全体的な同一性パーセントを算定する場
合に、本配列のN末端切断およびC末端切断を考慮しないからである。N末端お
よびC末端で切断される本配列について、問い合わせ配列に対して、同一性パー
セントは、問い合わせ配列の総塩基のパーセントとして、対応する本残基と一致
/整列しない本配列のN末端およびC末端側である問い合わせ配列の残基の数を
計算することによって補正される。残基が一致/整列されているか否かは、FA
STDB配列整列の結果によって決定される。次いで、このパーセントは、同一
性パーセントから差し引かれ、上記のFASTDBプログラムによって特定のパ
ラメーターを使用して計算され、最終的な同一性パーセントのスコアに到達する
。この最終的な同一性パーセントのスコアは、本発明の目的で使用されるもので
ある。問い合わせ配列と一致/整列していない本配列のN末端およびC末端側の
残基のみが、同一性パーセントのスコアを手動で調整する目的で考慮される。す
なわち、本配列の最も遠いN末端およびC末端残基の外側の問い合わせ残基位置
のみである。
【0597】 例えば、90アミノ酸残基の本配列は、同一性パーセントを決定するために1
00残基の問い合わせ配列と整列される。欠失が本配列のN末端で生じ、そして
それゆえFASTDB整列は、N末端での最初の10残基の一致/整列を示さな
い。10個の不対合残基は、配列の10%(一致していないN末端およびC末端
での残基の数/問い合わせ配列中の残基の総数)を表し、その結果FASTDB
プログラムによって計算される同一性パーセントのスコアから10%が差し引か
れる。残りの90残基が完全に一致した場合、最終的な同一性パーセントは90
%である。別の例において、90残基の本配列が、100残基の問い合わせ配列
と比較される。この場合、欠失は、内部欠失であり、そのため問い合わせ配列と
一致/整列しない本配列のN末端またはC末端の残基は存在しない。この場合、
FASTDBによって算定される同一性パーセントは、手動で補正されない。再
び、FASTDB整列において示される、問い合わせ配列と一致/整列しない本
配列のN末端およびC末端の外の残基位置のみが手動で補正される。他の手動の
補正は、本発明の目的のためにはなされない。
【0598】 改変体は、コード領域、非コード領域、またはその両方における変化を含み得
る。特に好ましいものは、サイレントな置換、付加、または欠失を生成するが、
コードされるポリぺプチドの特性または活性を変化しない変化を含むポリヌクレ
オチド改変体である。遺伝コードの縮重に起因するサイレントな置換によって生
成されるヌクレオチド改変体が、好ましい。さらに、任意の組合せにおいて5〜
10、1〜5、もしくは1〜2アミノ酸が置換、欠失、または付加される改変体
もまた、好ましい。ポリヌクレオチド改変体は、多様な理由(例えば、特定の宿
主についてのコドン発現を至適化する(ヒトmRNAにおけるコドンを、E.c
oliのような細菌宿主によって好ましいコドンに変化する))ために、生成さ
れ得る。
【0599】 天然に存在する改変体は、「対立遺伝子改変体」と呼ばれ、そして生物の染色
体上の所定の遺伝子座を占有する遺伝子のいくつかの代替の形態のうちの1つを
いう。(Genes II、Lewin,B.,編 John Wiley &
Sons,New York(1985))。これらの対立遺伝子改変体は、
ポリヌクレオチドレベルおよび/またはポリぺプチドレベルのいずれかで変化し
得る。あるいは、天然に存在しない改変体は、変異誘発技術によってまたは直接
的な合成によって生成され得る。
【0600】 タンパク質工学および組換えDNA技術の公知の方法を使用して、改変体は、
本発明のポリぺプチドの特性を改善または変化するために作製され得る。例えば
、1つ以上のアミノ酸は、生物学的機能の実質的な欠損を伴わずに、分泌タンパ
ク質のN末端またはC末端から欠失され得る。Ronら、J.Biol.Che
m.268:2984−2988(1993)の著者らは、3、8、または27
個のアミノ末端のアミノ酸残基を欠失した後であってもヘパリン結合活性を有す
る改変体KGFタンパク質を報告している。同様に、インターフェロンγは、こ
のタンパク質のカルボキシ末端から8〜10個のアミノ酸残基を欠失した後、1
0倍までのより高い活性を示している(Dobeliら、J.Biotechn
ology 7:199−216(1988))。
【0601】 さらに、豊富な証拠は、改変体が、天然に存在するタンパク質の生物学的活性
に類似する活性をしばしば保持することを実証する。例えば、Gayleおよび
共同研究者ら(J.Biol.Chem 268:22105−22111(1
993))は、ヒトサイトカインIL−1aの広範囲にわたる変異分析を行った
。彼らは、ランダムな変異誘発を使用して、分子の全長にわたって改変体当たり
平均2.5アミノ酸の変化になる、3,500個を超える個々のIL−1a変異
体を作製した。複数の変異が、全ての潜在的なアミノ酸の位置で試験された。こ
の研究者らは、「分子の大部分は、結合活性または生物学的活性のいずれかに対
してほとんど影響を伴わないで変化され得る」ことを見出した。(要約を参照の
こと)。実際、試験された3,500個を超えるヌクレオチド配列のうち、わず
か23個の独特なアミノ酸配列が、野生型と活性が有意に異なるタンパク質を生
成した。
【0602】 さらに、ポリぺプチドのN末端またはC末端からの1つ以上のアミノ酸の欠失
が、1つ以上の生物学的機能の改変または欠失を生じたとしても、他の生物学的
活性はなお保持され得る。例えば、分泌される形態を認識する抗体を誘導および
/または結合する、欠失改変体の能力は、分泌される形態の残基の過半数未満が
、N末端またはC末端から除去される場合に保持されるようである。タンパク質
のN末端またはC末端残基を欠損する特定のポリぺプチドが、このような免疫原
性活性を保持するか否かは、本明細書中に記載される、およびそうでなければ当
該分野において公知の慣用の方法によって容易に決定され得る。
【0603】 従って、本発明はさらに、実質的な生物学的活性を示すポリぺプチド改変体を
含む。このような改変体としては、活性に対する影響をほとんど有さないように
、当該分野において公知の一般的な法則に従って選択される、欠失、挿入、逆位
、反復、および置換が挙げられる。例えば、表現型的にサイレントなアミノ酸置
換を作製する方法に関する指針は、Bowie,J.U.ら、Science
247:1306−1310(1990)において提供され、ここで、著者らは
変化に対するアミノ酸配列の寛容性を研究するための2つの主要なストラテジー
があることを指摘する。
【0604】 第1のストラテジーは、進化の過程の間の天然の選別によるアミノ酸置換の寛
容を利用する。異なる種におけるアミノ酸配列を比較して、保存されるアミノ酸
が同定され得る。これらの保存されるアミノ酸は、タンパク質の機能について重
要であるようである。対照的に、置換が天然の選別によって寛容されたアミノ酸
の位置は、これらの位置がタンパク質の機能に重要ではないことを示す。従って
、アミノ酸置換を寛容する位置は改変され得るが、タンパク質の生物学的活性を
なおも維持する。
【0605】 第2のストラテジーは、タンパク質機能に重要な領域を同定するために、クロ
ーン化された遺伝子の特定の位置でアミノ酸変化を導入するための遺伝子工学を
使用する。例えば、部位特異的変異誘発またはアラニンスキャニング変異誘発(
分子中の各残基で1つずつのアラニン変異の導入)が、使用され得る。(Cun
ninghamおよびWells,Science 244:1081−108
5(1989))。次いで、得られた変異分子は生物学的活性について試験され
得る。
【0606】 著者らが言及するように、これらの2つのストラテジーは、タンパク質がアミ
ノ酸置換に驚くほど寛容であることを明らかにした。著者らはさらに、どのアミ
ノ酸変化が、タンパク質中の特定のアミノ酸位置で許容されるようであるかを示
す。例えば、最も埋もれている(タンパク質の三次構造内の)アミノ酸残基は、
非極性側鎖を必要とするが、表面側鎖の特徴は、一般にほとんど保存されない。
さらに、寛容される保存的なアミノ酸置換は、脂肪族または疎水性アミノ酸のA
la、Val、Leu、およびIleの置換;ヒドロキシル残基のSerおよび
Thrの置換;酸性残基のAspおよびGluの置換;アミド残基のAsnおよ
びGlnの置換、塩基性残基のLys、Arg、およびHisの置換;芳香族残
基のPhe、Tyr、およびTrpの置換、ならびに小さなサイズのアミノ酸の
Ala、Ser、Thr、Met、およびGlyの置換を含む。
【0607】 保存的なアミノ酸置換以外に、本発明の改変体は、(i)1つ以上の非保存的
なアミノ酸残基の置換、ここでは置換されるアミノ酸残基は、遺伝コードによっ
てコードされるアミノ酸残基であってもよく、もしくはそうでなくてもよい、ま
たは(ii)置換基を有する1つ以上のアミノ酸残基での置換、または(iii
)別の化合物(例えば、ポリぺプチドの安定性および/もしくは可溶性を増加す
るための化合物(例えば、ポリエチレングリコール))との成熟ポリぺプチドの
融合、または(iv)さらなるアミノ酸(例えば、IgG Fc融合領域ペプチ
ド、またはリーダーもしくは分泌配列、または精製を容易にする配列)とのポリ
ぺプチドへの融合を含む。このような改変体ポリぺプチドは、本明細書中の教示
から、当業者の範囲内であることが考えられる。
【0608】 例えば、他の荷電されたアミノ酸または中性のアミノ酸を用いる荷電されたア
ミノ酸のアミノ酸置換を含むポリぺプチド改変体は、改善された特性(例えば、
より少ない凝集性)を伴うタンパク質を生成し得る。薬学的処方物の凝集は、凝
集体の免疫原活性に起因して、活性を減少し、かつクリアランスを増加する。(
Pinckardら、Clin.Exp.Immunol.2:331−340
(1967);Robbinsら、Diabetes 36:838−845(
1987);Clelandら、Crit.Rev.Therapeutic
Drug Carrier Systems 10:307−377(1993
))。
【0609】 本発明のさらなる実施態様は、少なくとも1つのアミノ酸置換を含むが、50
アミノ酸置換を超えず、さらに好ましくは、40アミノ酸置換を超えず、なおよ
り好ましくは、30アミノ酸置換を超えず、そしてなおさらに好ましくは、20
アミノ酸置換を超えないアミノ酸配列を有する本発明のアミノ酸配列を含むポリ
ペプチドに関する。当然、好ましさの増大する順番に、ポリペプチドは、少なく
とも1つのアミノ酸置換を含むが、10、9、8、7、6、5、4、3、2、ま
たは1アミノ酸置換を超えない本発明のアミノ酸配列を含むアミノ酸配列を有す
ることが非常に好ましい。特定の実施態様において、本発明のアミノ酸配列また
はそのフラグメント(例えば、本明細書に記載の成熟形態および/または他のフ
ラグメント)における付加、置換、および/または欠失の数は、1〜5、5〜1
0、5〜25、5〜50、10〜50、または50〜150であり、保存的アミ
ノ酸置換が好ましい。
【0610】 (ポリヌクレオチドおよびポリぺプチドフラグメント) 本発明において、「ポリヌクレオチドフラグメント」とは、寄託されたクロー
ンに含まれるか、または配列番号Xにおいて示される核酸配列を有する短いポリ
ヌクレオチドをいう。短いヌクレオチドフラグメントは、好ましくは、少なくと
も約15ヌクレオチド、およびより好ましくは少なくとも約20ヌクレオチド、
なおより好ましくは少なくとも約30ヌクレオチド、およびさらにより好ましく
は少なくとも約40ヌクレオチドの長さである。「少なくとも20ヌクレオチド
の長さ」のフラグメントは、例えば、寄託されたクローンに含まれるcDNA配
列または配列番号Xにおいて示されるヌクレオチド配列からの20個以上の連続
した塩基を含むことが意図される。これらのヌクレオチドフラグメントは、本明
細書中で考察されるように、診断プローブおよびプライマーとして有用である。
もちろん、より大きなフラグメント(例えば、50、150、500、600、
2000ヌクレオチド)が好ましい。
【0611】 さらに、本発明のポリヌクレオチドフラグメントの代表的な例は、例えば、配
列番号Xまたは寄託されたクローンにおいて含まれるcDNAのヌクレオチド番
号の約1〜50、51〜100、101〜150、151〜200、201〜2
50、251〜300、301〜350、351〜400、401〜450、4
51〜500、501〜550、551〜600、651〜700、701〜7
50、751〜800、800〜850、851〜900、901〜950、9
51〜1000、1001〜1050、1051〜1100、1101〜115
0、1151〜1200、1201〜1250、1251〜1300、1301
〜1350、1351〜1400、1401〜1450、1451〜1500、
1501〜1550、1551〜1600、1601〜1650、1651〜1
700、1701〜1750、1751〜1800、1801〜1850、18
51〜1900、1901〜1950、1951〜2000、および2001〜
最後、からの配列を有するフラグメントを含む。この状況において、「約」は、
具体的に列挙される範囲、いずれかの末端もしくは両方の末端で、いくつか(5
、4、3、2、もしくは1個)のヌクレオチドだけより大きなまたはより小さな
範囲を含む。好ましくは、これらのフラグメントは、生物学的活性を有するポリ
ぺプチドをコードする。より好ましくは、これらのポリヌクレオチドは、本明細
書において考察されるようにプローブまたはプライマーとして使用され得る。
【0612】 本発明において、「ポリぺプチドフラグメント」とは、配列番号Yにおいて含
まれ、または寄託されたクローンに含まれるcDNAによってコードされる、短
いアミノ酸配列をいう。タンパク質フラグメントは、「自立構造(free−s
tanding)」であり得るか、またはフラグメントが部分または領域を形成
するより大きなポリぺプチド内に、最も好ましくは単一の連続した領域として、
含まれ得る。本発明のポリぺプチドフラグメントの代表的な例は、例えばコード
領域のアミノ酸番号の約1〜20、21〜40、41〜60、61〜80、81
〜100、102〜120、121〜140、141〜160、または161〜
最後のフラグメントを含む。さらに、ポリぺプチドフラグメントは、約20、3
0、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、
140、または150アミノ酸の長さであり得る。この状況において、「約」は
、具体的に列挙される範囲、いずれかの末端または両方の末端で、いくつかの(
5、4、3、2、または1個)アミノ酸だけより大きなまたはより小さな範囲を
含む。
【0613】 好ましいポリぺプチドフラグメントは、分泌タンパク質および成熟形態を含む
。さらに好ましいポリぺプチドフラグメントは、アミノ末端もしくはカルボキシ
末端、またはその両方から、連続した一連の欠失された残基を有する、分泌タン
パク質または成熟形態を含む。例えば、1〜60個の範囲の任意の数のアミノ酸
は、分泌ポリペプチドまたは成熟形態のいずれかのアミノ末端から欠失され得る
。同様に、1〜30個の範囲の任意数のアミノ酸は、分泌タンパク質または成熟
形態のカルボキシ末端から欠失され得る。さらに、上述のアミノ末端およびカル
ボキシ末端の欠失の任意の組み合わせが好ましい。同様に、これらのポリぺプチ
ドフラグメントをコードするポリヌクレオチドフラグメントもまた、好ましい。
【0614】 構造ドメインまたは機能ドメイン(例えば、αヘリックスおよびαヘリックス
形成領域、βシートおよびβシート形成領域、ターンおよびターン形成領域、コ
イルおよびコイル形成領域、親水性領域、疎水性領域、α両親媒性領域、β両親
媒性領域、可変領域、表面形成領域、基質結合領域、および抗原性指標の高い領
域を含むフラグメント)によって特徴付けられるポリぺプチドおよびポリヌクレ
オチドのフラグメントもまた、好ましい。保存されるドメイン内にある配列番号
Yのポリぺプチドフラグメントは、本発明によって具体的に意図される。さらに
、これらのドメインをコードするポリヌクレオチドフラグメントもまた、意図さ
れる。
【0615】 他の好ましいフラグメントは、生物学的に活性なフラグメントである。生物学
的に活性なフラグメントは、本発明のポリぺプチドの活性に類似の活性を示すが
、必ずしも同一である必要はないフラグメントである。フラグメントの生物学活
性は、改善された所望の活性、または減少された所望されない活性を含み得る。
【0616】 (エピトープおよび抗体) 本発明において、「エピトープ」とは、動物において、特にヒトにおいて、抗
原性または免疫原性活性を有するポリぺプチドフラグメントをいう。本発明の好
ましい実施態様は、エピトープを含むポリぺプチドフラグメント、およびこのフ
ラグメントをコードするポリヌクレオチドに関する。抗体が結合し得るタンパク
質分子の領域は、「抗原性エピトープ」と定義される。対照的に、「免疫原性エ
ピトープ」は、抗体応答を誘発するタンパク質の一部と定義される。(例えば、
Geysenら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:39
98−4002(1983)を参照のこと)。
【0617】 エピトープとして機能するフラグメントは任意の従来の手段によって産生され
得る(例えば、Houghten.R.A., Proc. Natl. Ac
ad. Sci. USA 82:5131−5135 (1985)、米国特
許第4,631,211号でさらに記載される、を参照のこと)。
【0618】 本発明において、抗原性エピトープは、好ましくは少なくとも7つ、より好ま
しくは少なくとも9つ、そして最も好ましくは約15〜約30アミノ酸の間の配
列を含む。抗原性エピトープは、エピトープに特異的に結合する抗体(モノクロ
ーナル抗体を含む)を惹起するために有用である(例えば、Wilsonら、C
ell 37:767−778 (1984); Sutcliffe, J.
G.ら、Science 219: 660−666 (1983)を参照のこ
と)。
【0619】 同様に、免疫原性エピトープは、当該分野で周知の方法に従って抗体を誘導す
るために使用され得る(例えば、Sutcliffeら、前出; Wilson
ら、前出; Chow, M.ら、Proc. Natl. Acad. Sc
i. USA 82: 910−914;およびBittle, F. J.ら
、J. Gen. Virol. 66:2347−2354 (1985)を
参照のこと)。好ましい免疫原性エピトープは分泌タンパク質を含む。免疫原性
エピトープは、動物系(例えば、ウサギまたはマウス)にアルブミンのようなキ
ャリアタンパク質とともに提示され得るか、または免疫原性エピトープが十分に
長い場合(少なくとも、約25アミノ酸)には、キャリアなしで提示され得る。
しかし、わずか8〜10アミノ酸を含む免疫原性エピトープは、変性ポリペプチ
ドにおいて(例えば、ウエスタンブロッティングにおいて)、少なくとも線状エ
ピトープに結合し得る抗体を惹起するのに十分であることが示されている。
【0620】 本明細書中で使用される用語「抗体」(Ab)または「モノクローナル抗体」
(Mab)は、タンパク質に特異的に結合し得るインタクトな分子および抗体フ
ラグメント(例えば、FabおよびF(ab’)2フラグメント)を含むことを
意味する。FabおよびF(ab’)2フラグメントは、インタクトな抗体のF
cフラグメントを欠損し、循環からより迅速に排除され、そしてインタクトな抗
体よりも少ない非特異的組織結合を有し得る。(Wahlら、 J. Nucl
. Med. 24: 316−325 (1983))。従って、これらのフ
ラグメントは、FABの産物または他の免疫グロブリン発現ライブラリーと同様
に好ましい。さらに、本発明の抗体はキメラ抗体、単鎖抗体、およびヒト化抗体
を含む。
【0621】 (融合タンパク質) 本発明の任意のポリペプチドは、融合タンパク質を産生するために使用され得
る。例えば、本発明のポリペプチドは、第2のタンパク質と融合される場合、抗
原性タグとして使用され得る。本発明のポリペプチドに対して惹起される抗体は
、ポリペプチドに結合することによって、第2のタンパク質を間接的に検出する
ために使用され得る。さらに、分泌されるタンパク質は、細胞位置を輸送シグナ
ルに基づいて標的化するので、本発明のポリペプチドは、他のタンパク質に一旦
融合されると標的化分子として使用され得る。
【0622】 本発明のポリペプチドと融合され得るドメインの例は、異種シグナル配列のみ
ならず、また他の異種機能性領域をも含む。融合は、必ずしも直接的である必要
はないが、リンカー配列を介して起こり得る。
【0623】 さらに、融合タンパク質はまた、本発明のポリペプチドの特徴を改良するため
に操作され得る。例えば、さらなるアミノ酸、特に荷電アミノ酸の領域が、宿主
細胞からの精製または続く取り扱いおよび貯蔵の間の安定性および持続性を改良
するためにポリペプチドのN末端へ付加され得る。また、ペプチド部分は精製を
容易にするためにポリペプチドへ付加され得る。このような領域は、ポリペプチ
ドの最終調製の前に除去され得る。ポリペプチドの取り扱いを容易にするための
ペプチド部分の付加は、当該分野でよく知られる慣用の技術である。
【0624】 さらに、本発明のポリペプチド(フラグメント、そして特にエピトープを含む
)は、免疫グロブリン(IgG)の定常ドメインの一部と組み合わせられ得、キ
メラポリぺプチドを生じる。これらの融合タンパク質は精製を容易にし、そして
インビボにおける増大した半減期を示す。1つの報告された例は、ヒトCD4ポ
リペプチドの最初の2つのドメイン、および哺乳動物の免疫グロブリンの重鎖ま
たは軽鎖の定常領域の種々のドメインからなるキメラタンパク質を記載している
(EP A 394,827; Trauneckerら、Nature 33
1: 84−86(1988))。ジスルフィド連結二量体構造(IgGに起因
する)を有する融合タンパク質もまた、単量体分泌タンパク質またはタンパク質
フラグメント単独よりも、他の分子に結合しそして中和するのにさらに効率的で
あり得る(Fountoulakisら、J.Biochem.270:395
8−3964(1995))。
【0625】 同様に、EP−A−O 464 533(カナダ国対応特許第2045869
号)は、別のヒトタンパク質またはその部分とともに免疫グロブリン分子の定常
領域の種々の部分を含む融合タンパク質を開示する。多くの場合、融合タンパク
質のFc部分は、治療および診断において有益であり、従って、例えば、改良さ
れた薬物動態学的な特性を生じ得る(EP−A 0232 262)。あるいは
、融合タンパク質が発現され、検出され、そして精製された後に、Fc部分を欠
失させることが望ましい。例えば、融合タンパク質が免疫化のための抗原として
使用される場合、Fc部分は、治療および診断を妨害し得る。例えば、薬物の発
見において、hIL−5のようなヒトタンパク質は、hIL−5のアンタゴニス
トを同定するための高処理能力スクリーニングアッセイの目的のためにFc部分
と融合されてきた(D.Bennettら、J.Molecular Reco
gnition 8:52−58(1995);K.Johansonら、J.
Biol.Chem.270:9459−9471(1995)を参照のこと)
【0626】 さらに、本発明のポリペプチドはマーカー配列(例えば、融合されたポリペプ
チドの精製を容易にするペプチド)に融合され得る。好ましい実施態様において
、マーカーアミノ酸配列は、とりわけヘキサ−ヒスチジンペプチド(例えば、p
QEベクター(QIAGEN,Inc.,9259 Eton Avenue,
Chatsworth,CA,91311)において提供されるタグ)であり、
これらの多くのマーカーアミノ酸配列が市販されている。例えば、Gentzら
、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:821−824(1
989)に記載されるように、ヘキサ−ヒスチジンは、融合タンパク質の都合の
良い精製を提供する。精製のために有用な別のペプチドタグである「HA」タグ
は、インフルエンザ赤血球凝集素タンパク質由来のエピトープに対応する(Wi
lsonら、Cell 37:767(1984))。
【0627】 従って、任意のこれら上記の融合物は、本発明のポリヌクレオチドまたはポリ
ペプチドを使用して操作され得る。
【0628】 (ベクター、宿主細胞、およびタンパク質産生) 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドを含むベクター、宿主細胞、および
組換え技術によるポリペプチドの産生に関連する。例えば、ベクターは、ファー
ジベクター、プラスミドベクター、ウイルスベクター、またはレトロウイルスベ
クターであり得る。レトロウイルスベクターは、複製コンピテント、または複製
欠損であり得る。後者の場合、一般的にウイルス増殖は、補完性(comple
menting)宿主細胞にのみ生じる。
【0629】 ポリヌクレオチドは、宿主における増殖のために選択マーカーを含むベクター
に連結され得る。一般に、プラスミドベクターは、リン酸カルシウム沈澱物のよ
うな沈澱物、または荷電脂質との複合体において導入される。ベクターがウイル
スである場合、ウィルスベクターは、適切なパッケージング細胞株を使用してイ
ンビトロでパッケージングされ、次いで宿主細胞に形質導入され得る。
【0630】 ポリヌクレオチド挿入物は、適切なプロモーター(いくつか挙げれば、例えば
、ファージλPLプロモーター、E.coli lacプロモーター、trpプ
ロモーター、phoAプロモーターおよびtacプロモーター、SV40初期プ
ロモーターおよびSV40後期プロモーター、ならびにレトロウイルスLTRの
プロモーター)に作動可能に連結されるべきである。他の適切なプロモーターは
当業者に公知である。発現構築物はさらに、転写開始、転写終結のための部位、
および転写領域において、翻訳のためのリボソーム結合部位を含む。構築物によ
って発現される転写物のコード部分は、好ましくは、始めに翻訳開始コドン、お
よび翻訳されるためのポリペプチドの末端に適切に位置される終結コドン(UA
A、UGAまたはUAG)を含む。
【0631】 示されるように、発現ベクターは、好ましくは少なくとも1つの選択マーカー
を含む。このようなマーカーは、真核細胞培養のためのジヒドロ葉酸レダクター
ゼ、G418、またはネオマイシン耐性遺伝子、ならびにE.coliおよび他
の細菌において培養するためのテトラサイクリン、カナマイシンまたはアンピシ
リン耐性遺伝子を含む。適切な宿主の代表的な例は、細菌細胞(例えば、E.c
oli、StreptomycesおよびSalmonella typhim
urium細胞);酵母細胞のような真菌細胞;Drosophilia S2
およびSpodoptera Sf9細胞のような昆虫細胞;CHO細胞、CO
S細胞、293細胞、およびBowesメラノーマ細胞のような動物細胞;なら
びに植物細胞を含むが、これらに限定されない。上記の宿主細胞のための適切な
培養培地および条件は、当該分野で公知である。
【0632】 細菌における使用のために好ましいベクターの中には、pQE70、pQE6
0およびpQE−9(QIAGEN, Inc.から入手可能);pBlues
criptベクター、Phagescriptベクター、pNH8A、pNH1
6a、pNH18A、pNH46A(Stratagene Cloning
Systems, Inc.から入手可能);およびptrc99a、pKK2
23−3、pKK233−3、pDR540、pRIT5(Pharmacia
Biotech, Inc.から入手可能)を含む。好ましい真核生物ベクタ
ーの中には、pWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1およびpS
G(Stratageneから入手可能);ならびにpSVK3、pBPV、p
MSGおよびpSVL(Pharmaciaから入手可能)がある。他の適切な
ベクターは当業者に容易に明らかである。
【0633】 宿主細胞への構築物の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DE
AE−デキストラン媒介トランスフェクション、カチオン性脂質媒介トランスフ
ェクション、エレクトロポレーション、形質導入、感染、または他の方法によっ
てもたらされ得る。このような方法は、Davisら、Basic Metho
ds In Molecular Biology (1986)のような多く
の標準的研究室マニュアルに記載される。本発明のポリペプチドは、実際、組換
えベクターを欠損する宿主細胞によって発現され得ることが特に意図される。
【0634】 本発明のポリペプチドは、硫酸アンモニウム沈澱またはエタノール沈澱、酸抽
出、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマ
トグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグ
ラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマト
グラフィーを含む周知の方法によって組換え細胞培養物から回収され得、そして
精製され得る。最も好ましくは、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)
が精製のために使用される。
【0635】 本発明のポリペプチド、および好ましくは分泌形態はまた、以下から回収され
得る:直接単離されるかまたは培養されるかにかかわらず、体液、組織および細
胞を含む天然の供給源から精製された産物;化学的合成手順の産物;ならびに、
例えば、細菌細胞、酵母細胞、高等植物細胞、昆虫細胞、および哺乳動物細胞を
含む、原核生物宿主または真核生物宿主から組換え技術によって産生された産物
。組換え産生手順に使用される宿主に依存して、本発明のポリペプチドは、グリ
コシル化されてもまたはグリコシル化されていなくてもよい。さらに、本発明の
ポリペプチドもまた、宿主媒介プロセスの結果として、いくつかの場合において
、最初の改変されたメチオニン残基を含み得る。従って、一般に、翻訳開始コド
ンによってコードされるN末端メチオニンが、すべての真核生物細胞における翻
訳後の任意のタンパク質から高い効率で除去されることは当該分野において周知
である。ほとんどのタンパク質においてN末端メチオニンもまた、ほとんどの原
核生物において効果的に除去されるが、いくつかのタンパク質について、この原
核生物除去プロセスは、N末端メチオニンが共有結合するアミノ酸の性質に依存
しており、非効率的である。
【0636】 本明細書において議論されるベクター構築物を含む宿主細胞を含むことに加え
て、本発明はまた、脊椎動物起源(特に、哺乳動物起源)の一次(primar
y)宿主細胞、二次(secondary)宿主細胞、および不死化宿主細胞を
含む。これらの宿主細胞は、内因性の遺伝物質(例えば、コード配列)を欠失ま
たは置換するように操作されており、そして/または本発明のポリヌクレオチド
と作動可能に連結された遺伝物質(例えば、異種ポリヌクレオチド配列)を含む
ように操作され、そして内因性のポリヌクレオチドを活性化、変更、および/ま
たは増幅する。例えば、当該分野で公知の技術は、相同組換えを介して、異種制
御領域(例えば、プロモーターおよび/またはエンハンサー)および内因性ポリ
ヌクレオチド配列を作動可能に連結するために使用され得る(例えば、1997
年6月24日に発行された米国特許第5,641,670号;1996年9月2
6日に公開された国際公開第WO 96/29411号;1994年8月4日に
公開された国際公開第WO 94/12650;Kollerら,Proc.N
atl.Acad.Sci.USA 86:8932−8935(1989);
およびZijlstraら,Nature 342:435−438(1989
)を参照のこと。これらの開示の各々は、それら全体において参考として援用さ
れる)。
【0637】 (ポリヌクレオチドの使用) 本明細書中で同定された各々のポリヌクレオチドは、試薬として多数の方法に
おいて使用され得る。以下の説明は例示的であるとみなされるべきであり、そし
て公知の技術を利用する。
【0638】 本発明のポリヌクレオチドは、染色体同定のために有用である。実際の配列デ
ータ(反復多型性)に基づく染色体マーキング試薬は現在ほとんど利用可能では
ないため、新しい染色体マーカーを同定する必要性が存在するままである。本発
明の各々のポリヌクレオチドは、染色体マーカーとして使用され得る。
【0639】 簡単に言うと、配列は、配列番号Xで示される配列からPCRプライマー(好
ましくは15〜25bp)を調製することによって染色体にマッピングされ得る
。プライマーが、ゲノムDNA中の1つより多くの予測されたエキソンにまたが
らないように、プライマーは、コンピューター分析を使用して選択され得る。次
いで、これらのプライマーは、個々のヒト染色体を含む体細胞ハイブリッドのP
CRスクリーニングのために使用される。配列番号Xに対応するヒト遺伝子を含
むそれらのハイブリッドのみが、増幅したフラグメントを産生する。
【0640】 同様に、体細胞ハイブリッドは、特定の染色体に対してポリヌクレオチドをP
CRマッピングする迅速な方法を提供する。単一のサーマルサイクラーを使用し
て1日あたり3つ以上のクローンが割り当てられ得る。さらに、ポリヌクレオチ
ドの準局在化(sublocalization)は、特定の染色体フラグメン
トのパネルで達成され得る。使用され得る他の遺伝子マッピング戦略は、インサ
イチュハイブリダイゼーション、標識フローソート(labeled flow
sorted)染色体でのプレスクリーニング、および染色体特異的cDNA
ライブラリーを構築するためのハイブリダイゼーションによる前選択を含む。
【0641】 ポリヌクレオチドの正確な染色体位置はまた、中期染色体スプレッド(spr
ead)の蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)を使用して達
成され得る。この技術は500または600塩基ほどの短さのポリヌクレオチド
を使用する;しかし2,000〜4,000bpのポリヌクレオチドが好ましい
。この技術の総説に関しては、Vermaら、「Human Chromoso
mes: a Manual of Basic Techniques」,
Pergamon Press, New York (1988)を参照のこ
と。
【0642】 染色体マッピングについては、ポリヌクレオチドは、個々に(単一染色体また
はその染色体上の単一部位をマークするために)またはパネルで(複数部位およ
び/または複数染色体をマークするために)使用され得る。好ましいポリヌクレ
オチドは、cDNAの非コード領域に対応する。なぜなら、コード配列は、遺伝
子ファミリー内により保存される傾向があり、これにより、染色体マッピングの
間の交叉ハイブリダイゼーションの機会が増加するからである。
【0643】 一旦、ポリヌクレオチドが正確な染色体位置にマップされると、ポリヌクレオ
チドの物理的位置は、連鎖分析において使用され得る。連鎖分析は、染色体位置
と特定の疾患の提示との間の同時遺伝(coinheritance)を確立す
る。(疾患マッピングデータは、例えば、V.McKusick,Mendel
ian Inheritance in Man(Johns Hopkins
University Welch Medical Libraryを通し
てオンラインで利用可能である)において見い出される)。1メガベースマッピ
ング解像度および20kbあたり1遺伝子と仮定すると、疾患と関連する染色体
領域に正確に配置されるcDNAは、50〜500の潜在的な原因遺伝子の1つ
であり得る。
【0644】 従って、一旦、同時遺伝が確立されると、罹患個体と非罹患個体との間でのポ
リヌクレオチドおよび対応する遺伝子における差異が試験され得る。まず、染色
体中の可視的構造改変(例えば、欠損または転位)は染色体スプレッドにおいて
、またはPCRによって試験される。構造的改変が存在しない場合、点変異の存
在が確認される。何人かのまたは全ての罹患された個体で観察されたが、正常な
個体では観察されなかった変異は、変異が疾患を引き起こし得ることを示す。し
かし、いくつかの正常な個体由来のポリペプチドおよび対応する遺伝子の完全な
配列決定は、変異を多型性と区別するために要求される。新しい多型性が同定さ
れる場合、この多型ポリペプチドはさらなる連鎖分析のために使用され得る。
【0645】 さらに、非罹患個体と比較した罹患個体の遺伝子の増加または減少した発現が
、本発明のポリヌクレオチドを使用して評価され得る。任意のこれらの改変(改
変された発現、染色体再配置、または変異)は、診断マーカーまたは予後マーカ
ーとして使用され得る。
【0646】 前記に加えて、ポリヌクレオチドは、三重らせん形成またはアンチセンスDN
AもしくはRNAによって遺伝子発現を制御するために使用され得る。両方の方
法は、DNAまたはRNAへのポリヌクレオチドの結合に依存する。これらの技
術に関して、好ましいポリヌクレオチドは通常、20〜40塩基長であり、そし
て転写に関与する遺伝子領域(三重らせん−Leeら、Nucl.Acids
Res.6:3073(1979);Cooneyら、Science 241
:456(1988);およびDervanら、Science 251:13
60(1991)を参照のこと)またはmRNA自体(アンチセンス−Okan
o,J.Neurochem.56:560(1991);Oligodeox
y−nucleotides as Antisense Inhibitor
s of Gene Expression,CRC Press,Boca
Raton,FL(1988))のいずれかに相補的である。三重らせん形成は
、最適にはDNAからのRNA転写を遮断を生じるが、アンチセンスRNAハイ
ブリダイゼーションは、ポリペプチドへのmRNA分子の翻訳を阻止する。両 方の技術は、モデル系において効果的であり、そして本明細書に開示される情報
は、疾患を処置するための試みにおいて、アンチセンスまたは三重らせんポリヌ
クレオチドを設計するために使用され得る。
【0647】 本発明のポリヌクレオチドはまた、遺伝子治療において有用である。遺伝子治
療の1つの目標は、遺伝子欠損を修正する試みにおいて、欠損遺伝子を有する生
物へ正常遺伝子を挿入することである。本発明に開示されるポリヌクレオチドは
、高度に正確な様式でこのような遺伝子欠損を標的とする手段を提供する。別の
目標は、宿主ゲノム中には存在しなかった新しい遺伝子を挿入することであり、
それによって宿主細胞中に新しい形質を生成する。
【0648】 ポリヌクレオチドはまた、微小な生物学的サンプルから個体を同定するために
有用である。例えば、米国軍は、その職員を同定するために制限フラグメント長
の多型性(RFLP)の使用を考慮している。この技術において、個体のゲノム
DNAは1つ以上の制限酵素で消化され、そして職員を同定するため固有なバン
ドを生じるためのサザンブロットについてプローブされる。この方法は、「認識
票(Dog tag)」(これは、失われたり、交換されたり、または盗まれた
りすることにより、ポジティブな同定を困難にし得る)の現在の限界を受けない
。本発明のポリヌクレオチドは、RFLPのためのさらなるDNAマーカーとし
て使用され得る。
【0649】 本発明のポリヌクレオチドはまた、個体のゲノムの選択された部分の実際の塩
基ごとのDNA配列を決定することによって、RFLPに対する代替として使用
され得る。これらの配列は、このような選択されたDNAを増幅しそして単離す
るためにPCRプライマーを調製するために使用され得、次いで、この選択され
たDNAは、配列決定され得る。各個体が固有のセットのDNA配列を有するの
で、この技術を使用して、個体が同定され得る。一旦、固有のIDデータベース
が個体について確立されると、個体が生存していようとまたは死亡していようと
にかかわらず、個体のポジティブ同定が、極めて小さな組織サンプルからなされ
得る。
【0650】 法医学生物学もまた、本明細書に開示されるようなDNAに基づく同定技術を
使用して利益を得る。組織(例えば、髪または皮膚)、または体液(例えば、血
液、唾液、精液など)のような非常に小さな生物学的サンプルから得られたDN
A配列は、PCRを使用して増幅され得る。ある先行技術において、DQaクラ
スII HLA遺伝子のような多型性遺伝子座から増幅された遺伝子配列は、個
体を同定するための法医学生物学において使用される。(Erlich, H.
, PCR Technology, Freeman and Co. (1
992))。一旦、これらの特異的多型性遺伝子座が増幅されると、これらは1
つ以上の制限酵素で消化される。これは、DQaクラスII HLA遺伝子に対
応するDNAでプローブされたサザンブロットについてのバンドの同定するセッ
トを生じる。同様に、本発明のポリヌクレオチドは、法医学的目的のための多型
性マーカーとして使用され得る。
【0651】 また、特定の組織の供給源を同定し得る試薬についての必要性が存在する。例
えば、未知の起源の組織が提供される場合、法医学においてこのような必要性が
生じる。適切な試薬は、例えば、本発明の配列から調製される特定の組織に特異
的なDNAプローブまたはプライマーを含み得る。このような試薬のパネルは、
種および/または器官型によって組織を同定し得る。同様の様式で、これらの試
薬は、夾雑物について組織培養物をスクリーニングするために使用され得る。
【0652】 少なくとも、本発明のポリヌクレオチドは、サザンゲルでの分子量マーカーと
して、特定の細胞型における特定のmRNAの存在に関する診断プローブとして
、新規なポリヌクレオチドを発見するプロセスでの公知の配列を「差し引き」す
るためのプローブとして、「遺伝子チップ」または他の支持体に付着させるため
のオリゴマーを選択および作製するため、DNA免疫技術を用いて抗DNA抗体
を惹起させるため、および免疫応答を誘発する抗原として、使用され得る。
【0653】 (ポリペプチドの使用) 本明細書中に同定される各ポリペプチドは、多くの方法に使用され得る。以下
の説明は、例示としてみなされるべきであり、そして公知の技術を使用する。
【0654】 本発明のポリペプチドは、抗体に基づいた技術を使用して生物学的サンプル中
のタンパク質レベルをアッセイするために使用され得る。例えば、組織における
タンパク質発現は、古典的な免疫組織化学法を用いて研究され得る(Jalka
nen,M.ら、J.Cell.Biol.101:976−985(1985
);Jalkanen,M.ら、J.Cell.Biol.105:3087−
3096(1987))。タンパク質遺伝子発現を検出するのに有用である、抗
体に基づいた他の方法には、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)およびラ
ジオイムノアッセイ(RIA)のような免疫アッセイが含まれる。適切な抗体ア
ッセイの標識は、当該技術分野で公知であり、そして例えば、グルコースオキシ
ダーゼのような酵素標識、ならびにヨウ素(125I、121I)、炭素(14
C)、硫黄(35S)、トリチウム(3H)、インジウム(112In)、およ
びテクネチウム(99mTc)のような放射性同位体、ならびにフルオレセイン
およびローダミンのような蛍光標識、ならびにビオチンが挙げられる。
【0655】 生物学的サンプル中の分泌タンパク質レベルをアッセイすることに加えて、タ
ンパク質はまた、画像化によりインビボで検出され得る。タンパク質をインビボ
で画像化するための抗体の標識またはマーカーとしては、X線ラジオグラフィー
、NMRまたはESRにより検出可能なものが挙げられる。X線ラジオグラフィ
ーについては、適切な標識は、検出可能な放射線を発するが、被験体に対して明
白に有害ではないバリウムまたはセシウムのような放射性同位体を含む。NMR
およびESRに適切なマーカーには、例えば重水素のような検出可能な特徴的な
スピンを有するものが含まれ、これは、関連したハイブリドーマのための栄養素
を標識することにより抗体に取り込まれ得る。
【0656】 放射性同位体(例えば、131I、112In、99mTc)、放射線不透過
性物質、または核磁気共鳴により検出可能な材料のような適切な検出可能な画像
化部分で標識された、タンパク質特異的抗体または抗体フラグメントは、哺乳動
物に(例えば、非経口的、皮下、または腹腔内に)導入される。被験体のサイズ
および用いられる画像化システムは、診断画像を生成するために必要な画像化部
分の量を決定することが当該分野で理解される。放射性同位体部分の場合には、
ヒト被験体について、注射される放射能の量は、通常、99mTcの約5〜20
ミリキュリーの範囲である。次いで、標識された抗体または抗体フラグメントは
、特定のタンパク質を含む細胞の位置に優先的に蓄積される。インビボ腫瘍画像
化は、S.W.Burchielら、「Immunopharmacokine
tics of Radiolabeled Antibodies and
Their Fragments」(Tumor Imaging:The R
adiochemical Detection of Cancerの第13
章、S.W.BurchielおよびB.A.Rhodes編、Masson
Publishing Inc.(1982)に記載される。
【0657】 従って、本発明は、障害の診断方法を提供し、この方法は、(a)個体の細胞
または体液中の本発明のポリペプチドの発現をアッセイする工程;(b)この遺
伝子発現レベルを標準の遺伝子発現レベルと比較する工程を包含し、これによっ
て、標準的な発現レベルと比較して、アッセイされたポリペプチドの遺伝子発現
レベルの増加または減少が、障害の指標になる。
【0658】 さらに、本発明のポリペプチドを用いて疾患を処置し得る。例えば、患者は、
ポリペプチド(例えば、インスリン)の非存在またはレベルの減少を元に戻すこ
と、異なるポリペプチド(例えば、ヘモグロビンBに対するヘモグロビンS)の
非存在またはレベルの減少を補充すること、ポリペプチド(例えば、ガン遺伝子
)の活性を阻害すること、ポリペプチドの活性を(例えば、レセプターに結合す
ることによって)活性化すること、遊離リガンド(例えば、炎症を低減させる際
に用いられる可溶性TNFレセプター)と膜結合レセプターと競合させることに
よって膜結合レセプターの活性を減少させること、または所望の応答(例えば、
血管の成長)をもたらすことに取り組む際に、本発明のポリペプチドが投与され
得る。
【0659】 同様に、本発明のポリペプチドに指向される抗体もまた使用されて疾患を処置
し得る。例えば、本発明のポリペプチドに指向される抗体の投与によって、ポリ
ペプチドに結合して、そしてポリペプチドの過剰産生を低減し得る。同様に、抗
体の投与によって、例えば、膜に結合したポリペプチド(レセプター)へ結合す
ることにより、ポリペプチドを活性化し得る。
【0660】 少なくとも本発明のポリペプチドは、当業者に周知の方法を用いるSDS−P
AGEゲルまたは分子ふるいゲル濾過カラムの分子量マーカーとして使用され得
る。ポリペプチドを用いてもまた、抗体を惹起し得、次いで、この抗体を使用し
て、宿主細胞の形質転換を評価する方法として、組換え細胞からのタンパク質発
現を測定する。さらに、本発明のポリペプチドを使用して、以下の生物学的活性
を試験し得る。
【0661】 (生物学的活性) 本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドをアッセイに用いて、1つ以上
の生物学的活性について試験し得る。これらのポリヌクレオチドおよびポリペプ
チドが、特定のアッセイにおいて活性を示すならば、これらの分子は、生物学的
活性に関連した疾患に関与し得る可能性が高い。従って、このポリヌクレオチド
およびポリペプチドを用いて、関連する疾患を処置し得る。
【0662】 (免疫活性) 本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、免疫細胞の増殖、分化、ま
たは移動(走化性)の活性化もしくは阻害によって、免疫系の不全または障害を
処置するのに有用であり得る。免疫細胞は、造血と称されるプロセス、すなわち
、多能性幹細胞から骨髄性細胞(血小板、赤血球、好中球、およびマクロファー
ジ)およびリンパ系細胞(BおよびTリンパ球)を産生するプロセスを介して発
生する。これらの免疫不全または障害の病因は、遺伝性、体細胞性(例えば、癌
もしくはいくつかの自己免疫障害)、後天性(例えば、化学治療もしくは毒素に
よる)、または感染性であり得る。さらに、本発明のポリヌクレオチドまたはポ
リペプチドは、特定の免疫系疾患または障害のマーカーまたは検出因子として使
用され得る。
【0663】 本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、造血細胞の不全または障害
を処置または検出するのに有用であり得る。本発明のポリペプチドまたはポリヌ
クレオチドを使用して、特定の(または多くの)型の造血細胞の減少に関連する
障害を処置するための取り組みにおいて、多能性幹細胞を含む造血細胞の分化お
よび増殖を増加させ得る。免疫学的な不全症候群の例には、以下が挙げられるが
それらに限定されない:血液タンパク質障害(例えば、無ガンマグロブリン血症
、低ガンマグロブリン血症)、毛細血管拡張性運動失調、分類不能型免疫不全、
ディ・ジョージ症候群、HIV感染、HTLV−BLV感染、白血球接着不全症
候群、リンパ球減少、食細胞殺菌機能不全、重症複合型免疫不全(SCID)、
ヴィスコット−オールドリッチ障害、貧血、血小板減少症、または血色素尿。
【0664】 さらに、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドはまた、止血活性(出
血を停止する)または血栓崩壊活性(血餅の形成)を調節するために使用され得
る。例えば、止血または血栓崩壊活性を増加させることによって、本発明のポリ
ヌクレオチドまたはポリペプチドは、血液凝固障害(例えば、無フィブリノーゲ
ン血症、因子欠乏)、血液血小板障害(例えば、血小板減少症)、または外傷、
手術もしくは他の原因から生じる創傷を処置するために使用され得る。あるいは
、止血活性または血栓崩壊活性を減少させ得る、本発明のポリヌクレオチドまた
はポリペプチドを用いて、凝固を阻害または溶解し得る。これらの分子は、心臓
発作(梗塞)、発作、または瘢痕の処置に重要であり得る。
【0665】 本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドはまた、自己免疫障害を処置ま
たは検出するのに有用であり得る。多くの自己免疫障害は、免疫細胞によって、
自己を外来物質として不適切に認識することからもたらされる。この不適切な認
識は、宿主組織の破壊を導く免疫応答を生じる。それゆえ、免疫応答、特にT細
胞の増殖、分化、または走化性を阻害する本発明のポリペプチドまたはポリヌク
レオチドの投与は、自己免疫障害を予防するのに有効な治療であり得る。
【0666】 本発明によって処置または検出され得る自己免疫障害の例としては、以下が挙
げられるが、それらに限定されない:アディソン病、溶血性貧血、抗リン脂質症
候群、慢性関節リウマチ、皮膚炎、アレルギー性脳脊髄炎、糸球体腎炎、グッド
パスチャー症候群、グレーヴズ病、多発性硬化症、重症筋無力症、神経炎、眼結
膜炎、水疱性類天疱瘡、天疱瘡、多発性内分泌腺症、紫斑、ライター病、スティ
ッフマン症候群、自己免疫性甲状腺炎、全身性エリテマトーデス、自己免疫性肺
炎症、ギヤンバレー症候群、インスリン依存性糖尿病、および自己免疫炎症性眼
病。
【0667】 同様に、例えば、喘息(特にアレルギー性喘息)または他の呼吸問題のような
アレルギー性反応および状態はまた、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオ
チドにより処置され得る。さらに、これらの分子を用いて、アナフィラキシー、
抗原性分子に対する過敏症、または血液型不適合性を処置し得る。
【0668】 本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドはまた、器官拒絶または対宿主
性移植片病(GVHD)を処置および/または予防するために用いられ得る。器
官拒絶は、免疫応答を介して移植された組織を宿主免疫細胞によって破壊するこ
とにより生じる。同様に、免疫応答はまた、GVHDに関与しているが、この場
合、外来の移植された免疫細胞は宿主組織を破壊する。免疫応答、特にT細胞の
増殖、分化、または走化性を阻害する本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオ
チドの投与は、器官拒絶またはGVHDを予防するのに有効な治療であり得る。
【0669】 同様に、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドはまた、炎症を調節す
るために用いられ得る。例えば、このポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、
炎症性応答に関与する細胞の増殖および分化を阻害し得る。これらの分子は、以
下を含む炎症状態(慢性および急性の両方の状態)を処置するために使用され得
る:感染に関連した炎症(例えば、敗血症性ショック、敗血症、または全身性炎
症応答症候群(SIRS))、虚血性再灌流障害、内毒素死亡、関節炎、補体媒
介性超急性拒絶、腎炎、サイトカインまたはケモカイン誘導性肺傷害、炎症性腸
疾患、クローン病、またはサイトカイン(例えば、TNFまたはIL−1)の過
剰産生からもたらされる状態。
【0670】 (過剰増殖性障害) ポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、新生物を含む過剰増殖性障害を処置
または検出するために使用され得る。本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオ
チドは、直接的相互作用または間接的相互作用を介して障害の増殖を阻害し得る
。あるいは、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、過剰増殖性障害
を阻害し得る他の細胞を増殖させ得る。
【0671】 例えば、免疫応答を増加させることによって、特に過剰増殖性障害の抗原性の
質を上げることによって、またはT細胞の増殖、分化、もしくは移動によって、
過剰増殖性障害は処置され得る。この免疫応答は、存在する免疫応答を増強させ
るかまたは新たな免疫応答を開始させるかのいずれかによって上昇され得る。あ
るいは、免疫応答の減少はまた、化学療法剤のような過剰増殖性障害を処置する
方法であり得る。
【0672】 本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドにより処置され得るかまたは検
出され得る過剰増殖性障害の例には、以下に見出される新生物が含まれるがこれ
らに限定されない:腹部、骨、乳房、消化器系、肝臓、膵臓、腹膜、内分泌腺(
副腎、上皮小体、下垂体、精巣、卵巣、胸腺、甲状腺)、眼、頭部および頸部、
神経(中枢および末梢)、リンパ系、骨盤、皮膚、軟組織、脾臓、胸部、ならび
に泌尿生殖器。
【0673】 同様に、他の過剰増殖性障害もまた、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペ
プチドにより処置または検出され得る。このような過剰増殖性障害の例には、以
下が挙げられるがこれらに限定されない:高ガンマグロブリン血症、リンパ球増
殖性障害、パラプロテイン血症、紫斑、サルコイドーシス、セザリー症候群、ワ
ルデンシュトレームマクログロブリン血症、ゴシェ病、組織球増殖症、および任
意のその他の過剰増殖性疾患、加えて上記に列挙した器官系に見出される新生物
【0674】 (感染性疾患) 本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、感染因子を処置または検出
するために用いられ得る。例えば、免疫応答を上昇させることによって、特にB
細胞および/またはT細胞の増殖および分化を増加させることによって、感染性
疾患が処置され得る。免疫応答は、既存の免疫応答を上昇させるか、または新た
な免疫応答を開始させるかのいずれかにより上昇され得る。あるいは、本発明の
ポリペプチドまたはポリヌクレオチドはまた、必ずしも免疫応答を誘発すること
なく、感染因子を直接阻害し得る。
【0675】 ウイルスは、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドにより処置または
検出され得る疾患または症状を引き起こし得る感染因子の一例である。ウイルス
の例としては、以下のDNAおよびRNAウイルス科が挙げられるがこれらに限
定されない:アルボウイルス、アデノウイルス科、アレナウイルス科、アルテリ
ウイルス、ビルナウイルス科、ブンヤウイルス科、カルシウイルス科、サルコウ
イルス科(Circoviridae)、コロナウイルス科、フラビウイルス科
、ヘパドナウイルス科(肝炎)、ヘルペスウイルス科(例えば、サイトメガロウ
イルス、単純ヘルペス、ヘルペス帯状疱疹)、モノネガウイルス(Monone
gavirus)(例えば、パラミクソウイルス科、麻疹ウイルス、ラブドウイ
ルス科)、オルソミクソウイルス科(例えば、インフルエンザ)、パポバウイル
ス科、パルボウイルス科、ピコルナウイルス科、ポックスウイルス科(例えば、
痘瘡またはワクシニア)、レオウイルス科(例えば、ロタウイルス)、レトロウ
イルス科(HTLV−I、HTLV−II、レンチウイルス)、およびトガウイ
ルス科(例えば、ルビウイルス属)。これらの科内に入るウイルスは、以下を含
むがこれらに限定されない種々の疾患または症状を引き起こし得る:関節炎、細
気管支炎(bronchiollitis)、脳炎、眼性感染症(例えば、結膜
炎、角膜炎)、慢性疲労症候群、肝炎(A型、B型、C型、E型、慢性活動性、
デルタ)、髄膜炎、日和見感染症(例えば、AIDS)、肺炎、バーキットリン
パ腫、水痘、出血熱、麻疹、流行性耳下腺炎、パラインフルエンザ、狂犬病、感
冒、ポリオ、白血病、風疹、性感染症、皮膚病(例えば、カポージ、いぼ)、お
よびウイルス血症。本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドを用いて、任
意のこれらの症状または疾患が処置または検出され得る。
【0676】 同様に、疾患または症状を引き起こし得、かつ本発明のポリヌクレオチドもし
くはポリペプチドによって処置または検出され得る細菌性因子あるいは真菌性因
子は、以下のグラム陰性およびグラム陽性細菌科および真菌類を含むがこれらに
限定されない:Actinomycetales(例えば、Corynebac
terium、Mycobacterium、Norcardia)、Aspe
rgillosis、Bacillaceae(例えば、Anthrax、Cl
ostridium)、Bacteroidaceae、Blastomyco
sis、Bordetella、Borrelia、Brucellosis、
Candidiasis、Campylobacter、Coccidioid
omycosis、Cryptococcosis、Dermatocycos
es、Enterobacteriaceae(Klebsiella、Sal
monella、Serratia、Yersinia)、Erysipelo
thrix、Helicobacter、Legionellosis、Lep
tospirosis、Listeria、Mycoplasmatales、
Neisseriaceae(例えば、Acinetobacter、Gono
rrhea、Menigococcal)、Pasteurellaceaの感
染症(例えば、Actinobacillus、Heamophilus、Pa
steurella)、Pseudomonas、Rickettsiacea
e、Chlamydiaceae、Syphilis、およびStaphylo
coccal。これらの細菌または真菌の科は、以下を含むがこれらに限定され
ない疾患または症状を引き起こし得る:菌血症、心内膜炎、眼感染症(結膜炎、
結核、ブドウ膜炎)、歯肉炎、日和見感染症(例えば、AIDSに関連した感染
症)、爪周囲炎、プロテーゼ関連感染症、ライター病、気道感染症(例えば、百
日咳または蓄膿症)、敗血症、ライム病、ネコ引っ掻き病、赤痢、パラチフス熱
、食中毒、腸チフス、肺炎、淋病、髄膜炎、クラミジア、梅毒、ジフテリア、ラ
イ病、パラ結核、結核、狼瘡、ボツリヌス中毒、壊疽、破傷風、膿痂疹、リウマ
チ熱、猩紅熱、性感染病、皮膚病(例えば、蜂巣炎、皮膚真菌症(dermat
ocycoses))、毒血症、尿路感染症、創傷感染症。本発明のポリペプチ
ドまたはポリヌクレオチドを用いて、任意のこれらの症状もしくは疾患を処置ま
たは検出し得る。
【0677】 さらに、本発明のポリヌクレオチドもしくはポリペプチドにより処置または検
出され得る疾患あるいは症状を引き起こす寄生生物性因子としては以下のファミ
リーが挙げられるがこれらに限定されない:アメーバ、バベシア、コクシジウム
、クリプトスポリジウム、二核アメーバ(Dientamoebiasis)、
交疫、外部寄生生物、ジアルジア鞭毛虫、蠕虫、リーシュマニア、タイレリア、
トキソプラスマ、トリパノソーマ、およびトリコモナス。これらの寄生生物は、
以下を含むがこれらに限定されない種々の疾患または症状を引き起こし得る:疥
癬、ツツガムシ病、眼性感染症、腸疾患(例えば、赤痢、ジアルジア鞭毛虫症)
、肝臓疾患、肺疾患、日和見感染症(例えば、AIDS関連)、マラリア、妊娠
合併症、およびトキソプラスマ。本発明のポリペプチドもしくはポリヌクレオチ
ドを用いて、任意のこれらの症状または疾患を処置あるいは検出し得る。
【0678】 好ましくは、本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドを用いる処置は、
患者に有効量のポリペプチドを投与するか、または患者から細胞を取り出して、
本発明のポリヌクレオチドをこの細胞に供給し、そして患者に操作した細胞を戻
す(エキソビボ治療)かのいずれかによるものであり得る。さらに、本発明のポ
リペプチドまたはポリヌクレオチドはワクチン中の抗原として用いられて、感染
性疾患に対する免疫応答を惹起し得る。
【0679】 (再生) 本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドを用いて、細胞を分化させ、増
殖させ、そして誘引して、組織の再生を導き得る(Science 276:5
9−87(1997)を参照のこと)。組織の再生を用いて、先天性欠損、外傷
(創傷、熱傷、切開、または潰瘍)、加齢、疾患(例えば、骨粗鬆症、変形性関
節炎(osteocarthritis)、歯周病、肝不全)、美容形成手術を
含む手術、線維症、再灌流傷害、もしくは全身性サイトカイン損傷により損傷を
受けた組織を修復、置換、または保護し得る。
【0680】 本発明を用いて再生し得る組織としては、以下が挙げられる:器官(例えば、
膵臓、肝臓、腸、腎臓、皮膚、内皮)、筋肉(平滑筋、骨格筋、または心筋)、
脈管(脈管およびリンパを含む)、神経、造血、および骨格(骨、軟骨、腱、お
よび靭帯)の組織。好ましくは、再生は、瘢痕なく、または瘢痕が低減されて生
じる。再生はまた、新脈管形成を含み得る。
【0681】 さらに、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、治癒するのが困難
な組織の再生を増加し得る。例えば、腱/靭帯再生を増大させることによって、
損傷後の回復時間が早まる。本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドはま
た、損傷を回避する試みにおいて予防的に使用され得る。処置され得る特定の疾
患は、腱炎、手根管症候群、および他の腱欠損または靭帯欠損を含む。非治癒創
傷の組織再生のさらなる例は、褥瘡性潰瘍、ならびに脈管不全、外科的創傷、お
よび外傷性創傷に関連する潰瘍を含む。
【0682】 同様に、神経および脳組織はまた、神経細胞を増殖および分化させるために本
発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドを使用することによって再生され得
る。本方法を用いて処置され得る疾患は、中枢神経系疾患および末梢神経系疾患
、神経障害、または機械的および外傷性障害(例えば、脊髄障害、頭部外傷、脳
血管疾患、および発作(stoke))を含む。詳細には、末梢神経傷害と関連
する疾患、末梢神経障害(例えば、化学療法または他の医学的療法から生じる)
、局在神経障害、および中枢神経系疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキン
ソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、およびシャイ−ドレーガー症候
群)はすべて、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドを用いて処置され
得る。
【0683】 (走化性) 本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、走化性活性を有し得る。走
化性分子は、細胞(例えば、単球、線維芽細胞、好中球、T細胞、肥満細胞、好
酸球、上皮細胞、および/または内皮細胞)を、身体中の特定の部位(例えば、
炎症、感染、または過剰増殖の部位)に誘引または駆動する。次いで、駆動した
細胞は、特定の外傷または異常性を撃退および/または治癒し得る。
【0684】 本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、特定の細胞の走化性活性を
増大し得る。次いで、これらの走化性分子を使用して、身体中の特定の位置に標
的化した細胞の数を増加させることによって、炎症、感染、過剰増殖性障害、ま
たは任意の免疫系障害を処置し得る。例えば、走化性分子を使用して、傷害を受
けた位置に免疫細胞を誘引することによって、組織に対する創傷および他の外傷
を処置し得る。本発明の走化性分子はまた、線維芽細胞を誘引し得、これは創傷
を処置するために使用され得る。
【0685】 本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドが走化性活性を阻害し得ること
もまた意図される。これらの分子はまた、障害を処置するために使用され得る。
従って、本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、走化性のインヒビタ
ーとして使用され得る。
【0686】 (結合活性) 本発明のポリペプチドは、ポリペプチドに結合する分子、またはポリペプチド
が結合する分子をスクリーニングするために使用され得る。ポリペプチドと分子
との結合は、結合したポリペプチドまたは分子の活性を活性化(アゴニスト)、
増大、阻害(アンタゴニスト)、または減少させ得る。そのような分子の例とし
ては、抗体、オリゴヌクレオチド、タンパク質(例えば、レセプター)、または
低分子が挙げられる。
【0687】 好ましくは、分子は、ポリペプチドの天然のリガンド(例えば、リガンドのフ
ラグメント)、または天然の基質、リガンド、構造的模倣物、もしくは機能的模
倣物に密接に関連する(Coliganら、Current Protocol
s in Immunology 1(2): 第5章(1991)を参照のこ
と)。同様に、分子は、ポリペプチドが結合する天然のレセプター、または少な
くともポリペプチドによって結合され得るレセプターのフラグメント(例えば、
活性部位)に密接に関連し得る。いずれの場合においても、分子は、公知の技術
を用いて合理的に設計され得る。
【0688】 好ましくは、これらの分子についてのスクリーニングは、ポリペプチドを、分
泌タンパク質としてまたは細胞膜上でのいずれかで発現する適切な細胞を産生す
る工程を包含する。好ましい細胞としては、哺乳動物、酵母、Drosophi
la、またはE.coli由来の細胞が挙げられる。次いで、ポリペプチドを発
現する細胞(または、発現されたポリペプチドを含む細胞膜)は、好ましくは、
ポリペプチドまたは分子のいずれかの結合、刺激、または活性の阻害を観察する
ための分子を潜在的に含む試験化合物と接触される。
【0689】 アッセイは、ポリペプチドへの候補化合物の結合を簡単に試験し得、ここで結
合は、標識によって、または標識された競合物との競合に関するアッセイにおい
て検出される。さらに、アッセイは、候補化合物がポリペプチドへの結合によっ
て生成されるシグナルを生じるか否かを試験し得る。
【0690】 あるいは、アッセイは、細胞を含まない調製物、固体支持体に接着されたポリ
ペプチド/分子、化学ライブラリー、または天然産物の混合物を用いて実施され
得る。アッセイはまた、ポリペプチドを含む溶液を候補化合物と混合する工程、
ポリペプチド/分子の活性または結合を測定する工程、およびポリペプチド/分
子の活性または結合を、標準と比較する工程を簡単に包含し得る。
【0691】 好ましくは、ELISAアッセイは、モノクローナル抗体またはポリクローナ
ル抗体を用いて、サンプル(例えば、生物学的サンプル)におけるポリペプチド
のレベルまたは活性を測定し得る。抗体は、ポリペプチドへの直接的もしくは間
接的な結合のいずれか、またはポリペプチドとの基質についての競合によって、
ポリペプチドのレベルまたは活性を測定し得る。
【0692】 これらの上記のアッセイの全ては、診断マーカーまたは予後マーカーとして使
用され得る。これらのアッセイを用いて発見される分子は、ポリペプチド/分子
を活性化または阻害することによって、疾患を処置するか、または患者における
特定の結果(例えば、血管増殖)をもたらすために使用され得る。さらに、アッ
セイは、適切に操作された細胞または組織からのポリペプチドの産生を阻害また
は増強し得る因子を発見し得る。
【0693】 従って、本発明は、以下の工程を含む本発明のポリペプチドに結合する化合物
を同定する方法を包含する:(a)候補結合化合物を本発明のポリペプチドとと
もにインキュベートする工程;および(b)結合が生じたか否かを決定する工程
。さらに、本発明は、以下の工程を含むアゴニスト/アンタゴニストを同定する
方法を包含する:(a)候補化合物を本発明のポリペプチドとともにインキュベ
ートする工程、(b)生物学的活性をアッセイする工程、および(b)ポリペプ
チドの生物学的活性が改変されているか否かを決定する工程。
【0694】 (他の活性) 本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドはまた、先に議論されるように
造血系統に加えて、胚性幹細胞の分化もしくは増殖を増加または減少し得る。
【0695】 本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドはまた、哺乳動物の特徴(例え
ば、身長、体重、毛の色、眼の色、皮膚、脂肪組織の割合、色素沈着、大きさ、
および形(例えば、美容外科))を調節するために使用され得る。同様に、本発
明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、異化作用、同化作用、プロセシン
グ、利用、およびエネルギーの貯蔵に影響を及ぼす哺乳動物の代謝を調節するた
めに使用され得る。
【0696】 本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドは、バイオリズム、カリカディ
ック(caricadic)リズム、うつ病(抑うつ性障害を含む)、暴力の傾
向、痛みへの耐性、生殖能力(好ましくは、アクチビンまたはインヒビン様活性
によって)、ホルモンレベルもしくは内分泌レベル、食欲、性欲、記憶、ストレ
ス、または他の認知の質に影響を及ぼすことによって、哺乳動物の精神状態また
は身体状態を変更するために使用され得る。
【0697】 本発明のポリペプチドまたはポリヌクレオチドはまた、例えば、貯蔵能力、脂
肪含有量、脂質、タンパク質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、補因子、または
他の栄養成分を増加または減少させるような食品添加物または保存剤として使用
され得る。
【0698】 (他の好ましい実施態様) 本願発明の他の好ましい実施態様は、配列番号Xのヌクレオチド配列中の少な
くとも約50の連続したヌクレオチドの配列に、少なくとも95%同一であるヌ
クレオチド配列を含む、単離された核酸分子を含み、ここで、Xは表1に規定さ
れるような任意の整数である。
【0699】 上記連続したヌクレオチドの配列が、表1中の配列番号Xについて規定される
ような、ほぼクローン配列の5’ヌクレオチドの位置のヌクレオチドで始まり、
そしてほぼクローン配列の3’ヌクレオチドの位置のヌクレオチドで終わる位置
の範囲で、配列番号Xのヌクレオチド配列に含まれる、核酸分子もまた好ましい
【0700】 上記連続したヌクレオチドの配列が、表1中の配列番号Xについて規定される
ような、ほぼ開始コドンの5’ヌクレオチドの位置のヌクレオチドで始まり、そ
してほぼクローン配列の3’ヌクレオチドの位置のヌクレオチドで終わる位置の
範囲で、配列番号Xのヌクレオチド配列に含まれる、核酸分子もまた好ましい。
【0701】 上記連続したヌクレオチドの配列が、表1中の配列番号Xについて規定される
ような、ほぼシグナルペプチドの第1のアミノ酸の5’ヌクレオチドの位置のヌ
クレオチドで始まり、そしてほぼクローン配列の3’ヌクレオチドの位置のヌク
レオチドで終わる位置の範囲で、配列番号Xのヌクレオチド配列に含まれる、核
酸分子も同様に好ましい。
【0702】 配列番号Xのヌクレオチド配列中の少なくとも約150の連続したヌクレオチ
ドの配列に、少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む、単離された
核酸分子もまた好ましい。
【0703】 配列番号Xのヌクレオチド配列中の少なくとも約500の連続したヌクレオチ
ドの配列に、少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む、単離された
核酸分子はさらに好ましい。
【0704】 さらに好ましい実施態様は、表1中の配列番号Xについて規定されるような、
ほぼシグナルペプチドの第1のアミノ酸の5’ヌクレオチドの位置のヌクレオチ
ドで始まり、そしてほぼクローン配列の3’ヌクレオチドの位置のヌクレオチド
で終わる配列番号Xのヌクレオチド配列に少なくとも95%同一であるヌクレオ
チド配列を含む核酸分子である。
【0705】 さらに好ましい実施態様は、配列番号Xの完全なヌクレオチド配列に、少なく
とも95%同一であるヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子である。
【0706】 ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で核酸分子にハイブリダイ
ズする単離された核酸分子もまた好ましく、ここで上記のハイブリダイズする核
酸分子は、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、A残基のみま
たはT残基のみからなるヌクレオチド配列を有する核酸分子にハイブリダイズし
ない。
【0707】 表1におけるcDNAクローンIDによって同定されるヒトcDNAクローン
を含むDNA分子を含む物質の組成物もまた好ましく、このDNA分子は、アメ
リカンタイプカルチャーコレクションに寄託された物質中に含まれ、そして上記
のcDNAクローンIDについて表1中に示されるATCC受託番号を与えられ
ている。
【0708】 表1中のcDNAクローンIDによって同定されるヒトcDNAクローンのヌ
クレオチド配列中の少なくとも50の連続したヌクレオチドの配列に少なくとも
95%同一であるヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子もまた好ましく、
このDNA分子は表1において示されるATCC受託番号を付与された寄託物中
に含まれる。
【0709】 上記の少なくとも50の連続したヌクレオチドの配列が、上記ヒトcDNAク
ローンによってコードされる完全なオープンリーディングフレームの配列のヌク
レオチド配列中に含まれる、単離された核酸分子もまた好ましい。
【0710】 上記ヒトcDNAクローンによってコードされるヌクレオチド配列中の少なく
とも150の連続したヌクレオチドの配列に少なくとも95%同一であるヌクレ
オチド配列を含む、単離された核酸分子もまた好ましい。
【0711】 さらに好ましい実施態様は、上記ヒトcDNAクローンによってコードされる
ヌクレオチド配列中の少なくとも500の連続したヌクレオチドの配列に少なく
とも95%同一であるヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子である。
【0712】 さらに好ましい実施態様は、上記ヒトcDNAクローンによってコードされる
完全なヌクレオチド配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む
、単離された核酸分子である。
【0713】 さらに好ましい実施態様は、以下からなる群から選択される配列中の少なくと
も50の連続したヌクレオチドの配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチ
ド配列を含む核酸分子を、生物学的サンプルにおいて検出するための方法である
:配列番号Xのヌクレオチド配列であって、ここでXは表1において規定される
ような任意の整数である;および表1中のcDNAクローンIDによって同定さ
れ、そして表1において上記cDNAクローンについて示されるATCC受託番
号を有する寄託物中に含まれるヒトcDNAクローンによってコードされるヌク
レオチド配列;上記の方法は、上記の群から選択される配列と、上記のサンプル
中の少なくとも1つの核酸分子のヌクレオチド配列とを比較する工程、および上
記サンプル中の上記核酸分子の配列が、上記の選択された配列に対して少なくと
も95%同一であるか否かを決定する工程を包含する。
【0714】 上記の配列を比較する工程が、上記サンプル中の核酸分子と、上記の群から選
択される上記の配列を含む核酸分子との間の核酸ハイブリダイゼーションの程度
を決定する工程を包含する、上記方法もまた好ましい。同様に、上記の配列を比
較する工程が、上記サンプル中の核酸分子から決定されるヌクレオチド配列と、
上記の群から選択される配列とを比較する工程によって実施される、上記方法も
また好ましい。核酸分子は、DNA分子またはRNA分子を含み得る。
【0715】 さらに好ましい実施態様は、生物学的サンプルの種、組織、または細胞型を同
定するための方法であって、この方法は、以下からなる群から選択される配列中
の少なくとも50の連続したヌクレオチドの配列に少なくとも95%同一である
ヌクレオチド配列を含む上記サンプル中の核酸分子を(もしあれば)検出する工
程を包含する:配列番号Xのヌクレオチド配列であって、ここでXは表1におい
て規定されるような任意の整数である;および表1中のcDNAクローンIDに
よって同定され、そして表1において上記cDNAクローンについて示されるA
TCC受託番号を有する寄託物中に含まれるヒトcDNAクローンによってコー
ドされるヌクレオチド配列。
【0716】 生物学的サンプルの種、組織、または細胞型を同定するための方法は、少なく
とも2つのヌクレオチド配列のパネル中のヌクレオチド配列を含む核酸分子を検
出する工程を包含し得、ここで上記パネル中の少なくとも1つの配列は、上記の
群から選択される配列中の少なくとも50の連続したヌクレオチドの配列に少な
くとも95%同一である。
【0717】 表1において同定される分泌タンパク質をコードする遺伝子の異常な構造また
は発現と関連する病理学的状態を、被験体において診断するための方法もまた好
ましく、この方法は、以下からなる群から選択される配列中の少なくとも50の
連続したヌクレオチドの配列に少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を
含む、核酸分子を、(もしあれば)上記被験体から得られる生物学的サンプルに
おいて検出する工程を包含する:配列番号Xのヌクレオチド配列、ここでXは表
1において規定されるような任意の整数である;および表1中のcDNAクロー
ンIDによって同定され、かつ表1中の上記のcDNAクローンについて示され
るATCC受託番号を有する寄託物に含まれるヒトcDNAクローンによってコ
ードされるヌクレオチド配列。
【0718】 病理学的状態を診断するための方法は、少なくとも2つのヌクレオチド配列の
パネル中のヌクレオチド配列を含む核酸分子を検出する工程を包含し得、ここで
、上記パネル中の少なくとも1つの配列は、上記の群から選択される配列中の少
なくとも50の連続したヌクレオチドの配列に少なくとも95%同一である。
【0719】 上記の核酸分子のヌクレオチド配列が、少なくとも2つのヌクレオチド配列の
パネルを含む、単離された核酸分子を含む物質の組成物もまた好ましく、ここで
上記のパネル中の少なくとも1つの配列は、以下からなる群から選択される配列
中の少なくとも50の連続したヌクレオチドの配列に少なくとも95%同一であ
る:配列番号Xのヌクレオチド配列、ここでXは表1において規定されるような
任意の整数である;および表1中のcDNAクローンIDによって同定され、か
つ表1中の上記のcDNAクローンについて示されるATCC受託番号を有する
寄託物に含まれるヒトcDNAクローンによってコードされるヌクレオチド配列
。核酸分子は、DNA分子またはRNA分子を含み得る。
【0720】 配列番号Yのアミノ酸配列中の少なくとも約10の連続したアミノ酸の配列に
、少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドもまた
好ましく、ここでYは、表1において規定されるような任意の整数である。
【0721】 上記連続したアミノ酸の配列が、表1中の配列番号Yについて示されるような
、ほぼ分泌部分の第1のアミノ酸の位置の残基で始まり、そしてほぼオープンリ
ーディングフレームの最後のアミノ酸の残基で終わる位置の範囲で、配列番号Y
のアミノ酸配列中に含まれる、ポリペプチドもまた好ましい。
【0722】 配列番号Yのアミノ酸配列中の少なくとも約30の連続したアミノ酸の配列に
少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドもまた好
ましい。
【0723】 配列番号Yのアミノ酸配列中の少なくとも約100の連続したアミノ酸の配列
に少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドはさら
に好ましい。
【0724】 配列番号Yの完全なアミノ酸配列に少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含
む、単離されたポリペプチドはさらに好ましい。
【0725】 表1中のcDNAクローンIDによって同定され、かつ表1中の上記のcDN
Aクローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物に含まれるヒトc
DNAクローンによってコードされる分泌タンパク質の完全なアミノ酸配列にお
いて、少なくとも約10の連続したアミノ酸の配列に少なくとも90%同一のア
ミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドはさらに好ましい。
【0726】 上記の連続したアミノ酸の配列が、表1中のcDNAクローンIDによって同
定され、かつ表1中の上記のcDNAクローンについて示されるATCC受託番
号を有する寄託物に含まれるヒトcDNAクローンによってコードされる分泌タ
ンパク質の分泌部分のアミノ酸配列に含まれる、ポリペプチドもまた好ましい。
【0727】 表1におけるcDNAクローンIDによって同定され、かつ表1のこのcDN
Aクローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物に含まれる、ヒト
cDNAクローンによってコードされるタンパク質の分泌部分のアミノ酸配列中
の少なくとも約30の連続的なアミノ酸の配列に少なくとも95%同一であるア
ミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドもまた、好ましい。
【0728】 表1におけるcDNAクローンIDによって同定され、かつ表1のこのcDN
Aクローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物に含まれる、ヒト
cDNAクローンによってコードされるタンパク質の分泌部分のアミノ酸配列中
の少なくとも約100の連続的なアミノ酸の配列に少なくとも95%同一である
アミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドもまた、好ましい。
【0729】 表1におけるcDNAクローンIDによって同定され、かつ表1のこのcDN
Aクローンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物に含まれるヒトc
DNAクローンによってコードされるタンパク質の分泌部分のアミノ酸配列に少
なくとも95%同一であるアミノ酸配列を含む、単離されたポリペプチドもまた
、好ましい。
【0730】 以下からなる群から選択される配列中の、少なくとも10個の連続的なアミノ
酸の配列に少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドに対し
て特異的に結合する単離された抗体は、さらに好ましい:配列番号Yのアミノ酸
配列(ここで、Yは表1で規定される任意の整数である);および表1における
cDNAクローンIDによって同定され、かつ表1のこのcDNAクローンにつ
いて示されるATCC受託番号を有する寄託物に含まれる、ヒトcDNAクロー
ンによってコードされるタンパク質の完全アミノ酸配列。
【0731】 以下からなる群から選択される配列中の、少なくとも10個の連続的なアミノ
酸の配列に少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドを、生
物学的サンプルにおいて検出する方法はさらに好ましい:配列番号Yのアミノ酸
配列(ここで、Yは表1で規定される任意の整数である);および表1における
cDNAクローンIDによって同定され、かつ表1においてこのcDNAクロー
ンについて示されるATCC受託番号を有する寄託物に含まれる、ヒトcDNA
クローンによってコードされるタンパク質の完全アミノ酸配列;この方法は、こ
のサンプル中における少なくとも1つのポリペプチド分子のアミノ酸配列をこの
群から選択された配列と比較する工程、およびこのサンプル中におけるこのポリ
ペプチド分子の配列が、少なくとも10個の連続的なアミノ酸のこの配列と少な
くとも90%同一であるかどうかを決定する工程を包含する。
【0732】 このサンプル中における少なくとも1つのポリペプチド分子のアミノ酸配列を
、この群から選択される配列と比較するこの工程は、以下からなる群から選択さ
れる配列中の少なくとも10個の連続的なアミノ酸の配列に対して、少なくとも
90%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドと特異的に結合する抗体に対
する、このサンプル中のポリペプチドの特異的な結合の程度を決定する工程を包
含する、上記の方法もまた、好ましい:配列番号Yのアミノ酸配列(ここで、Y
は表1に規定される任意の整数である);および表1におけるcDNAクローン
IDによって同定されかつ表1のこのcDNAクローンについて示されるATC
C受託番号を有する寄託物に含まれるヒトcDNAクローンによってコードされ
るタンパク質の完全アミノ酸配列。
【0733】 配列を比較する工程が、このサンプル中のポリペプチド分子から決定されるア
ミノ酸配列を、この群から選択される配列と比較することによって行われる、上
記の方法もまた好ましい。
【0734】 生物学的サンプルの種、組織または細胞型を同定する方法もまた好ましく、こ
こでこの方法は、このサンプル中のポリペプチド分子(このポリペプチドは、も
し存在するならば、以下からなる群から選択される配列における少なくとも10
の連続的なアミノ酸の配列と少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含む)
を検出する工程を含む:配列番号Yのアミノ酸配列(ここで、Yは表1に規定さ
れる任意の整数である);および表1におけるcDNAクローンIDによって同
定されかつ表1においてこのcDNAクローンについて示されるATCC受託番
号を有する寄託物に含まれる、ヒトcDNAクローンによってコードされる、分
泌タンパク質の完全アミノ酸配列。
【0735】 生物学的サンプルの種、組織または細胞型を同定する上記の方法もまた好まし
く、ここでこの方法は、少なくとも2つのアミノ酸配列のパネルにおけるアミノ
酸配列を含むポリペプチド分子を検出する工程を含み、ここでこのパネル中の少
なくとも1つの配列は、上記の群から選択された配列における少なくとも10の
連続的なアミノ酸の配列と少なくとも90%同一である。
【0736】 被験体において、表1において同定された分泌タンパク質をコードする遺伝子
の異常な構造または発現に関連する病的状態を診断する方法もまた、好ましい。
ここで、この方法は、この被験体から得られた生物学的サンプルにおいて、少な
くとも2つのアミノ酸配列のパネルにおけるアミノ酸配列を含むポリペプチド分
子を検出する工程を含み、ここでこのパネル中の少なくとも1つの配列は、以下
からなる群から選択される配列における少なくとも10の連続的なアミノ酸の配
列と少なくとも90%同一である:配列番号Yのアミノ酸配列(ここで、Yは表
1に規定される任意の整数である);および表1におけるcDNAクローンID
によって同定されかつ表1のこのcDNAクローンについて示されるATCC受
託番号を有する寄託物に含まれる、ヒトcDNAクローンによってコードされる
分泌タンパク質の完全アミノ酸配列。
【0737】 これらの方法のいずれかにおいて、このポリペプチド分子を検出する工程は、
抗体を使用することを包含する。
【0738】 以下からなる群から選択された配列中の、少なくとも10の連続的なアミノ酸
の配列に少なくとも90%同一であるアミノ酸配列を含むポリペプチドをコード
するヌクレオチド配列と、少なくとも95%同一であるヌクレオチド配列を含む
、単離された核酸分子もまた、好ましい:配列番号Yのアミノ酸配列(ここで、
Yは表1に規定される任意の整数である);および表1におけるcDNAクロー
ンIDによって同定されかつ表1のこのcDNAクローンについて示されるAT
CC受託番号を有する寄託物に含まれる、ヒトcDNAクローンによってコード
される分泌タンパク質の完全アミノ酸配列。
【0739】 ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列が、原核生物宿主でのこのポリペ
プチドの発現について最適化されている、単離された核酸分子もまた、好ましい
【0740】 ポリペプチドが以下からなる群から選択されるアミノ酸配列を含む、単離され
た核酸分子もまた、好ましい:配列番号Yのアミノ酸配列(ここで、Yは表1に
規定される任意の整数である);および表1におけるcDNAクローンIDによ
って同定されかつ表1のこのcDNAクローンについて示されるATCC受託番
号を有する寄託物に含まれる、ヒトcDNAクローンによってコードされる分泌
タンパク質の完全アミノ酸配列。
【0741】 上記の単離された核酸分子のいずれかをベクター中に挿入する工程を含む、組
換えベクターの作製方法はさらに好ましい。この方法によって生成された組換え
ベクターも、好ましい。宿主細胞中にベクターを導入する工程を含む、組換え宿
主細胞を作製する方法、ならびにこの方法によって生成された組換え宿主細胞も
また、好ましい。
【0742】 単離されたポリペプチドを作製する方法であって、このポリペプチドが発現さ
れるような条件下でこの組換え宿主細胞を培養する工程、およびこのポリペプチ
ドを回収する工程を包含する、方法もまた、好ましい。単離されたポリペプチド
を作製するこの方法もまた好ましく、ここでこの組換え宿主細胞は真核生物細胞
であり、そしてこのポリペプチドは、以下からなる群から選択されたアミノ酸配
列を含む、ヒト分泌タンパク質の分泌部分である:配列番号Yの分泌部分の第1
のアミノ酸の位置の残基で始まる、配列番号Yのアミノ酸配列(ここで、Yは表
1に記載される整数であり、そして配列番号Yの分泌部分の第1のアミノ酸のこ
の位置は表1に規定される);および表1におけるcDNAクローンIDによっ
て同定されかつ表1のこのcDNAクローンについて示されるATCC受託番号
を有する寄託物に含まれる、ヒトcDNAクローンによってコードされるタンパ
ク質の分泌部分のアミノ酸配列。この方法によって生成された単離されたポリペ
プチドもまた、好ましい。
【0743】 増加したレベルの分泌タンパク質活性を必要とする個体を処置する方法もまた
、好ましい。ここで、この方法は、このような個体に、この個体においてこのタ
ンパク質の活性のレベルを増加させるのに有効な本願発明の単離されたポリペプ
チド、ポリヌクレオチド、または抗体の量を含む薬学的組成物を投与する工程を
包含する。
【0744】 概して、本発明を記載してきたが、本発明は、例示の目的のために提供され、
そして限定を意図しない、以下の実施例を参照することによってより容易に理解
される。
【0745】 (実施例) (実施例1:選択されたcDNAクローンの寄託されたサンプルからの単離) 引用されるATCC寄託物中の各cDNAクローンは、プラスミドベクター中
に含まれる。表1は、各クローンが単離されたcDNAライブラリーを構築する
ために用いられたベクターを示す。多くの場合において、ライブラリーを構築す
るために使用されたベクターは、プラスミドが切り出されたファージベクターで
ある。直下の表は、cDNAライブラリーを構築する際に使用される各ファージ
ベクターについて関連するプラスミドを相関づける。例えば、特定のクローンが
ベクター「Lambda Zap」中に単離されていると表1に示される場合、
対応する寄託クローンは、「pBluescript」である。
【0746】
【表2】 ベクターLambda Zap(米国特許第5,128,256号および同第
5,286,636号)、Uni−Zap XR(米国特許第5,128,25
6号および同第5,286,636号)、Zap Express(米国特許第
5,128,256号および同第5,286,636号)、pBluescri
pt(pBS)(Short,J.M.ら、Nucleic Acids Re
s. 16:7583−7600(1988);Alting−Mees,M.
A.およびShort,J.M.、Nucleic Acids Res. 1
7:9494(1989))ならびにpBK(Alting−Mees,M.A
.ら、Strategies 5:58−61(1992))は、Strata
gene Cloning Systems,Inc.、11011 N.To
rrey Pines Road、La Jolla,CA,92037から市
販されている。pBSは、アンピシリン耐性遺伝子を含み、そしてpBKはネオ
マイシン耐性遺伝子を含む。両方とも、E.coli株XL−1 Blue(こ
れもまた、Stratageneから入手可能である)に形質転換され得る。p
BSは、SK+、SK−、KS+およびKSの4つで入荷する。SおよびKとは
、ポリリンカー領域(「S」とはSacIであり、そして「K」とは、KpnI
のことであり、これらは、それぞれのリンカーの各末端での最初の部位である)
に隣接するT7およびT3プライマー配列に対するポリリンカーの配向をいう。
「+」または「−」とは 、ある方向においてf1 oriから開始される一本
鎖レスキューがセンス鎖DNAを生成し、そして他方においてアンチセンスであ
るようなf1複製起点(「ori」)の配向をいう。
【0747】 ベクターpSport1、pCMVSport 2.0およびpCMVSpo
rt3.0をLife Technologies、Inc.、P.O.Box
6009、Gaithersburg,MD 20897から入手した。全ての
Sportベクターはアンピシリン耐性遺伝子を含み、そしてE.coli株D
H10B(これもまた、Life Technologiesから入手可能であ
る)に形質転換され得る。(例えば、Gruber,C.E.ら、Focus
15:59(1993)を参照のこと)。ベクターlafmid BA(Ben
to Soares、Columbia University、NY)は、ア
ンピシリン耐性遺伝子を含み、そしてE.coli株XL−1 Blueに形質
転換され得る。ベクターpCR(登録商標)2.1(これはInvitroge
n、1600 Faraday Avenue、Carlsbad、CA 92
008から入手可能である)は、アンピシリン耐性遺伝子を含み、そしてE.c
oli株DH10B(Life Technologiesから入手可能である
)に形質転換され得る(例えば、Clark,J.M.、Nuc.Acids
Res.16:9677−9686(1988)およびMead,D.ら、Bi
o/Technology 9:(1991)を参照のこと)。好ましくは、本
発明のポリヌクレオチドは、表1における特定のクローンについて同定されたフ
ァージベクター配列、ならびに上記に示された対応するプラスミドベクター配列
を含まない。
【0748】 表1に引用される、任意の所定のcDNAクローンについてATCC受託番号
を与えられたサンプルにおける寄託された物質はまた、1つ以上のさらなるプラ
スミド(これは各々、その所定のクローンとは異なるcDNAクローンを含む)
を含み得る。従って、同じATCC受託番号を共有する寄託物は、表1に示され
る各cDNAクローンのためのプラスミドを少なくとも含む。代表的には、表1
に引用される各ATCC寄託物のサンプルは、ほぼ等量(重量で)の約50個の
プラスミドDNA(これは各々、異なるcDNAクローンを含む)の混合物を含
む;しかし、このような寄託サンプルは、50個よりも多いかまたは少ないcD
NAクローン(約500個までのcDNAクローン)のためのプラスミドを含み
得る。
【0749】 表1における特定のクローンについて引用されるプラスミドDNAの寄託サン
プルからそのクローンを単離するために2つのアプローチが使用され得る。第一
に、プラスミドを、配列番号Xに対応するポリヌクレオチドプローブを使用して
、クローンをスクリーニングすることによって直接単離する。
【0750】 特に、30〜40ヌクレオチドを有する特定のポリヌクレオチドを、報告され
ている配列に従って、Applied BiosystemsのDNA合成装置
を使用して合成する。オリゴヌクレオチドを、例えば、32P−γ−ATPで、T
4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて標識し、そして慣用の方法に従って精製す
る。(例えば、Maniatisら、Molecular Cloning:A
Laboratory Manual、Cold Spring Harbo
r Press、Cold Spring、NY(1982))。プラスミド混
合物を、当業者に公知の技術(例えば、ベクター供給者によって提供される技術
または上記で引用された関連の刊行物もしくは特許において提供される技術)を
用いて、上記のような適切な宿主(例えば、XL−1 Blue(Strata
gene))に形質転換する。形質転換体を1.5%寒天プレート(適切な選択
薬剤、例えば、アンピシリンを含む)に、1プレートあたり約150の形質転換
体(コロニー)の密度で播種する。これらのプレートを、細菌コロニースクリー
ニングについての慣用の方法(例えば、Sambrookら、Molecula
r Cloning:A Laboratory Manual、第2版、(1
989)、Cold Spring Harbor Laboratory P
ress、1.93〜1.104頁)または当業者に公知の他の技術に従って、
ナイロンメンブレンを使用してスクリーニングする。
【0751】 あるいは、配列番号Xの両端(すなわち、表1に規定されるクローンの5’N
Tおよび3’NTによって囲まれる配列番号Xの領域内)に由来する、17〜2
0ヌクレオチドの2つのプライマーを合成し、そしてこれらを使用して、寄託さ
れたcDNAプラスミドをテンプレートとして使用して、所望のcDNAを増幅
する。ポリメラーゼ連鎖反応を、慣用の条件下で、例えば、0.5μgの上記c
DNAテンプレートとの反応混合物の25μl中で実施する。便利な反応混合物
は、1.5〜5mM MgCl2、0.01%(w/v)ゼラチン、それぞれ2
0μMのdATP、dCTP、dGTP、dTTP、25pmolの各プライマ
ーおよび0.25ユニットのTaqポリメラーゼである。35サイクルのPCR
(94℃での変性を1分間;55℃でのアニールを1分間;72℃での伸長を1
分間)を、Perkin−Elmer Cetus自動化サーマルサイクラーを
用いて実施する。増幅産物をアガロースゲル電気泳動により分析し、そして予想
される分子量のDNAバンドを切り出し、そして精製する。PCR産物を、DN
A産物をサブクローニングおよび配列決定することによって選択された配列であ
ることを確認する。
【0752】 寄託されたクローンに存在しないかもしれない遺伝子の5’非コード部分また
は3’非コード部分の同定のために、いくつかの方法が利用可能である。これら
の方法は、以下を含むがこれらに限定されない:フィルタープローブ探索、特異
的プローブを使用するクローン富化、および当該分野で周知である5’および3
’「RACE」プロトコルと類似するかまたは同一のプロトコル。例えば、5’
RACEに類似する方法は、所望の全長転写物の失われた5’末端を生成するた
めに利用可能である(Fromont−Racineら、Nucleic Ac
ids Res.21(7):1683−1684(1993))。
【0753】 簡潔には、特定のRNAオリゴヌクレオチドを、全長遺伝子RNA転写物をお
そらく含むRNAの集団の5’末端に連結する。連結されたRNAオリゴヌクレ
オチドに特異的なプライマーおよび目的の遺伝子の公知の配列に特異的なプライ
マーを含むプライマーセットを使用して、所望の全長遺伝子の5’部分をPCR
増幅する。次いで、この増幅した産物を配列決定し得、そしてこれを使用して全
長遺伝子を生成し得る。
【0754】 この上記の方法は、所望の供給源から単離された総RNAを用いて開始するが
、ポリA+RNAをも使用し得る。次いで、RNA調製物を、必要ならばホスフ
ァターゼで処理して、後のRNAリガーゼ工程を妨害し得る分解または損傷RN
Aの5’リン酸基を排除し得る。次いで、ホスファターゼを不活化するべきであ
り、そしてRNAをメッセンジャーRNAの5’末端に存在するキャップ構造を
除去するために、タバコ酸性ピロホスファターゼを用いて処理するべきである。
この反応は、次いでT4 RNAリガーゼを用いてRNAオリゴヌクレオチドに
連結され得る、キャップ切断RNAの5’末端に5’リン酸基を残す。
【0755】 この改変型RNA調製物を、遺伝子特異的なオリゴヌクレオチドを用いる、第
一鎖cDNA合成のためのテンプレートとして使用する。第一鎖合成反応物を連
結されたRNAオリゴヌクレオチドに特異的なプライマーおよび目的の遺伝子の
公知の配列に特異的なプライマーを用いる、所望の5’末端のPCR増幅のため
のテンプレートとして使用する。次いで、得られた生成物を配列決定し、そして
分析して5’末端配列が所望の遺伝子に属するかを確認する。
【0756】 (実施例2:ポリヌクレオチドに対応するゲノムクローンの単離) ヒトゲノムP1ライブラリー(Genomic Systems、Inc.)
を、実施例1に記載される方法に従って、配列番号Xに対応するcDNA配列に
ついて選択されたプライマーを用いるPCRによってスクリーニングする(Sa
mbrookもまた参照のこと)。
【0757】 (実施例3:ポリペプチドの組織分布) 本発明のポリヌクレオチドのmRNA発現の組織分布を、とりわけ、Samb
rookらによって記載されるノーザンブロット分析についてのプロトコルを用
いて決定する。例えば、実施例1に記載される方法によって生成されるcDNA
プローブを、rediprimeTM DNA labeling system
(Amersham Life Science)を用いて、製造者の指示に従
って、P32で標識する。標識後、プローブを、CHROMA SPIN−100 TM カラム(Clontech Laboratories、Inc.)を使用し
て、製造者のプロトコル番号PT1200−1に従って精製する。次いで、精製
した標識プローブを使用して、種々のヒト組織をmRNA発現について試験する
【0758】 種々のヒト組織(H)またはヒト免疫系組織(IM)を含む多重組織ノーザン
(MTN)ブロット(Clontech)を、ExpressHybTMハイブリ
ダイゼーション溶液(Clontech)を用いて、製造者のプロトコル番号P
T1190−1に従って、標識プローブで試験する。ハイブリダイゼーションお
よび洗浄後、ブロットをマウントして、そして−70℃で一晩フィルムに露出し
、そしてフィルムを標準的な手順に従って現像する。
【0759】 (実施例4:ポリヌクレオチドの染色体マッピング) オリゴヌクレオチドプライマーのセットを、配列番号Xの5’末端の配列に従
って設計する。このプライマーは、好ましくは約100ヌクレオチドにわたる。
次いで、このプライマーセットを、以下のセットの条件下でポリメラーゼ連鎖反
応に使用する:95℃で30秒;56℃で1分;70℃で1分。このサイクルを
32回反復し、次いで1回、70℃で5分間のサイクルを行う。個々の染色体ま
たは染色体フラグメントを含む体細胞ハイブリッドパネル(Bios,Inc)
に加えて、ヒト、マウス、およびハムスターのDNAを鋳型として使用する。反
応物を、8%ポリアクリルアミドゲルまたは3.5%アガロースゲルのいずれか
で分析する。染色体マッピングを、特定の体細胞ハイブリッドにおける約100
bpのPCRフラグメントの存在によって決定する。
【0760】 (実施例5:ポリペプチドの細菌性発現) 本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、実施例1に概説する
ように、DNA配列の5’および3’末端に対応するPCRオリゴヌクレオチド
プライマーを使用して増幅して挿入フラグメントを合成する。cDNA挿入物を
増幅するために使用されるプライマーは、発現ベクターに増幅産物をクローニン
グするために、プライマーの5’末端にBamHIおよびXbaIのような制限
部位を好ましくは含むべきである。例えば、BamHIおよびXbaIは、細菌
性発現ベクターpQE−9(Qiagen,Inc.,Chatsworth,
CA)の制限酵素部位に対応する。このプラスミドベクターは、抗生物質耐性(
Ampr)、細菌の複製起点(ori)、IPTGで調節可能なプロモーター/
オペレーター(P/O)、リボソーム結合部位(RBS)、6−ヒスチジンタグ
(6−His)、および制限酵素クローニング部位をコードする。
【0761】 pQE−9ベクターをBamHIおよびXbaIで消化し、そして、増幅され
たフラグメントを細菌性RBSにおいて開始されるリーディングフレームを維持
しながらpQE−9ベクターに連結する。次いで連結混合物を、lacIリプレ
ッサーを発現し、またカナマイシン耐性(Kanr)を与えるプラスミドpRE
P4の多重コピーを含む、E.coli株M15/rep4(Qiagen,I
nc.)を形質転換するために使用する。形質転換体を、それらのLBプレート
上で生育する能力によって同定し、そしてアンピシリン/カナマイシン耐性コロ
ニーを選択する。プラスミドDNAを単離し、そして制限分析によって確認する
【0762】 所望の構築物を含むクローンを、Amp(100μg/ml)およびKan(
25μg/ml)の両方を補充したLB培地における液体培養で一晩(O/N)
増殖させる。O/N培養物を、1:100〜1:250の比で大量培養物に接種
するために使用する。細胞を、0.4と0.6との間の光学密度600(O.D
600)まで増殖させる。次いで、IPTG(イソプロピル−B−D−チオガラ
クトピラノシド)を最終濃度1mMになるように加える。IPTGは、lacI
リプレッサーの不活化によりP/Oの障害物を除去し、遺伝子発現の増加を導く
【0763】 細胞を、さらに3〜4時間増殖させる。次いで、細胞を遠心分離(6000×
gで20分間)によって収集する。細胞ペレットを、カオトロピック剤である6
MグアニジンHCl中に、4℃で3〜4時間攪拌することによって可溶化させる
。細胞細片を遠心分離によって取り除き、そしてポリペプチドを含む上清を、ニ
ッケル−ニトリロ三酢酸(「Ni−NTA」)アフィニティー樹脂カラムにロー
ドする(QIAGEN,Inc.前出より入手可能)。6×Hisタグを有する
タンパク質は、Ni−NTA樹脂に高い親和性で結合し、そして単純な1工程手
順で精製され得る(詳細には、The QIAexpressionist(1
995)QIAGEN,Inc.,前出を参照のこと)。
【0764】 手短に言えば、上清を、6Mグアニジン−HCl、pH8のカラムにロードし
、カラムを、最初に10容量の6Mグアニジン−HCl、pH8で洗浄し、次い
で10容量の6Mグアニジン−HCl、pH6で洗浄し、最後にポリペプチドを
、6Mグアニジン−HCl、pH5で溶出する。
【0765】 次いで、精製したタンパク質を、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)または5
0mM 酢酸ナトリウム、pH6の緩衝液および200mM NaClに対して
透析することにより再生させる。あるいは、タンパク質はNi−NTAカラムに
固定化している間に、首尾よく再折畳みされ得る。推奨条件は以下の通りである
:プロテアーゼインヒビターを含む、500mM NaCl、20%グリセロー
ル、20mM Tris/HCl pH7.4中の6M〜1M尿素の直線勾配を
使用する再生。再生は1.5時間以上の時間をかけて行うべきである。再生後、
タンパク質を250mMイミダゾールの添加によって溶出させる。イミダゾール
を、PBSまたは50mM酢酸ナトリウム pH6の緩衝液および200mM
NaClに対する最終の透析工程によって除去する。精製したタンパク質を、4
℃で保存するか、または−80℃で冷凍する。
【0766】 上記の発現ベクターに加えて、本発明はさらに、本発明のポリヌクレオチドに
作動可能に連結されたファージオペレーターおよびプロモーターエレメントを含
み、pHE4aと呼ばれる発現ベクターを含む(ATCC受託番号209645
、1998年2月25日に寄託)。このベクターは以下を含む:1)選択マーカ
ーとしてのネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子、2)E.coli複
製起点、3)T5ファージプロモーター配列、4)2つのlacオペレーター配
列、5)シャイン−ダルガーノ配列、および6)ラクトースオペロンリプレッサ
ー遺伝子(laqIq)。複製起点(oriC)は、pUC19(LTI,Ga
ithersburg,MD)に由来する。プロモーター配列およびオペレータ
ー配列を合成的に作製する。
【0767】 NdeIおよびXbaI、BamHI、XhoI、またはAsp718によっ
てベクターを制限処理し、制限生成物をゲルで泳動し、そしてより大きな方のフ
ラグメント(スタッファー(stuffer)フラグメントは約310塩基対で
あるべきである)を単離することによって、DNAをpHEaに挿入し得る。D
NA挿入物を、NdeI(5’プライマー)およびXbaI、BamHI、Xh
oI、またはAsp718(3’プライマー)に対する制限部位を有するPCR
プライマーを使用して、実施例1に記載のPCRプロトコルに従って生成する。
PCR挿入物を、ゲル精製し、そして適合する酵素で制限処理する。挿入物およ
びベクターを標準的なプロトコルに従って連結する。
【0768】 操作されたベクターは、上記のプロトコルにおいて、細菌系でタンパク質を発
現させるために容易に置換され得る。
【0769】 (実施例6:封入体からのポリペプチドの精製) 以下の別の方法は、ポリペプチドが封入体の形態で存在する場合に、E.co
li中で発現されたポリペプチドを精製するために使用され得る。他に指定され
ない場合には、以下のすべての工程は4〜10℃で行われる。
【0770】 E.coli発酵の生産期の完了後、細胞培養物を4〜10℃に冷却し、そし
て15,000rpmの連続遠心分離(Heraeus Sepatech)に
よって細胞を採集する。細胞ペーストの単位重量あたりのタンパク質の予想され
る収量および必要とされる精製タンパク質の量に基づいて、細胞ペーストの適切
な量(重量による)を、100mM Tris、50mM EDTA、pH7.
4を含む緩衝溶液に懸濁させる。細胞を、高剪断ミキサーを使用して均質な懸濁
液に分散させる。
【0771】 次いで、細胞をマイクロフルイダイザー(microfluidizer)(
Microfluidics,Corp.またはAPV Gaulin,Inc
.)に2回、4000〜6000psiで溶液を通すことによって溶解させる。
次いでホモジネートを、最終濃度0.5M NaClになるようにNaCl溶液
と混合し、続いて7000×gで15分間遠心分離を行う。得られたペレットを
、0.5M NaCl、100mM Tris、50mM EDTA、pH7.
4を使用して再度洗浄する。
【0772】 得られた洗浄した封入体を、1.5M 塩酸グアニジン(GuHCl)で2〜
4時間可溶化する。7000×gで15分間の遠心分離の後、ペレットを廃棄し
、そしてポリペプチドを含む上清を4℃で一晩インキュベートしてさらなるGu
HCl抽出を可能にする。
【0773】 不溶性粒子を除去するための高速遠心分離(30,000×g)に続き、Gu
HCl可溶化タンパク質を、GuHCl抽出物と、50mM ナトリウム、pH
4.5、150mM NaCl、2mM EDTAを含む20容量の緩衝液とを
、激しい攪拌で迅速に混合することによって、再折畳みさせる。再折畳みした希
釈タンパク質溶液を、さらなる精製工程の前の12時間、混合しないで4℃で保
つ。
【0774】 再折畳みされたポリペプチド溶液を清澄にするために、40mM酢酸ナトリウ
ム、pH6.0で平衡化した、適切な表面積を有する0.16μmメンブレンフ
ィルターを備えるあらかじめ準備した接線濾過ユニット(例えば、Filtro
n)を使用する。濾過したサンプルを、カチオン交換樹脂(例えば、Poros
HS−50,Perseptive Biosystems)上にロードする
。カラムを40mM 酢酸ナトリウム、pH6.0で洗浄し、そして同じ緩衝液
中の250mM、500mM、1000mM、および1500mM NaClで
、段階的な様式で溶出する。溶出液の280nmにおける吸光度を連続的にモニ
ターする。画分を収集し、そしてSDS−PAGEによってさらに分析する。
【0775】 次いでポリペプチドを含む画分をプールし、そして4容量の水と混合する。次
いで希釈されたサンプルを、あらかじめ準備した強アニオン(Poros HQ
−50,Perseptive Biosystems)交換樹脂および弱アニ
オン(Poros CM−20,Perseptive Biosystems
)交換樹脂の直列カラムのセットにロードする。カラムを40mM 酢酸ナトリ
ウム、pH6.0で平衡化する。両方のカラムを、40mM 酢酸ナトリウム、
pH6.0、200mM NaClで洗浄する。次いでCM−20カラムを10
カラム容量の直線勾配(0.2M NaCl、50mM 酢酸ナトリウム、pH
6.0から1.0M NaCl、50mM 酢酸ナトリウム、pH6.5の範囲
)を用いて溶出させる。画分を、溶出液の定常A280モニタリング下で収集する
。次いで、(例えば、16% SDS−PAGEによって判明した)ポリペプチ
ドを含む画分をプールする。
【0776】 得られたポリペプチドは、上記の再折畳みおよび精製工程の後で95%より高
い純度を示すはずである。5μgの精製タンパク質がロードされる場合、いかな
る主たる混在バンドも、クマシーブルー染色した16% SDS−PAGEゲル
から観察されないはずである。精製タンパク質はまた、エンドトキシン/LPS
混在について試験され得、そして代表的には、LPS含量はLALアッセイに従
って、0.1ng/ml未満である。
【0777】 (実施例7:バキュロウイルス発現系におけるポリペプチドのクローニング
および発現) この実施例では、ポリペプチドを発現するために、プラスミドシャトルベクタ
ーpA2を使用してポリヌクレオチドをバキュロウイルスに挿入する。この発現
ベクターは、Autographa californica核多核体ウイルス
(AcMNPV)の強力なポリヘドリンプロモーター、続いてBamHI、Xb
aI、およびAsp718のような便利な制限部位を含む。シミアンウイルス4
0(「SV40」)のポリアデニル化部位を、効率的なポリアデニル化のために
使用する。組換えウイルスの容易な選択のために、プラスミドは、同方向にある
弱いDrosophilaプロモーターの制御下でE.coli由来のβ−ガラ
クトシダーゼ遺伝子、続いてポリヘドリン遺伝子のポリアデニル化シグナルを含
む。挿入された遺伝子は両方の側で、クローン化したポリヌクレオチドを発現す
る生存可能なウイルスを生成する、野生型ウイルスDNAとの細胞媒介性の相同
組換えのためのウイルス配列と隣接する。
【0778】 他の多くのバキュロウイルスベクター(例えば、pAc373、pVL941
、およびpAcIM1)は、当業者が容易に理解するように、必要とされる場合
、構築物が転写、翻訳、分泌など(シグナルペプチドおよびインフレームなAU
Gを含む)のために適切に配置されたシグナルを提供する限りにおいて、上記の
ベクターの代わりに使用され得る。このようなベクターは、例えば、Lucko
wら、Virology 170:31−39(1989)に記載される。
【0779】 具体的には、寄託されたクローンに含まれるcDNA配列(これは、表1に確
認されるAUG開始コドンおよび天然に付随するリーダー配列を含む)を、実施
例1に記載されるPCRプロトコルを使用して増幅させる。天然に存在するシグ
ナル配列を使用して分泌タンパク質を産生する場合、pA2ベクターは第2のシ
グナルペプチドを必要としない。あるいは、ベクターは、Summersら(「
A Manual of Methods for Baculovirus
Vectors and Insect Cell Culture Proc
edures」、Texas Agricultural Experimen
tal Station Bulletin No.1555(1987))に
記載される標準的な方法を用いて改変して、バキュロウイルスリーダー配列を含
ませ得る(pA2 GP)。
【0780】 増幅されたフラグメントを、市販のキット(「Geneclean」,BIO 101 Inc.,La Jolla,Ca)を使用して、1%アガロースゲ
ルから単離する。次いでフラグメントを適切な制限酵素で消化し、そして再び1
%アガロースゲルで精製する。
【0781】 プラスミドを対応する制限酵素で消化し、そして必要に応じて、当該分野で公
知の慣用の手順を用いて、仔ウシ腸ホスファターゼを用いて脱リン酸化し得る。
次いでDNAを、市販のキット(「Geneclean」BIO 101 In
c.,La Jolla,Ca)を使用して、1%アガロースゲルから単離する
【0782】 フラグメントおよび脱リン酸化したプラスミドを、T4 DNAリガーゼを用
いて互いに連結する。E.coli HB101またはXL−1 Blue(S
tratagene Cloning Systems,La Jolla,C
a)細胞のような他の適切なE.coli宿主を、連結混合液で形質転換し、そ
して培養プレート上に拡げる。プラスミドを含む細菌を、個々のコロニー由来の
DNAを消化し、そして消化産物をゲル電気泳動によって分析することにより同
定する。クローニングしたフラグメントの配列をDNA配列決定によって確認す
る。
【0783】 このポリヌクレオチドを含む5μgのプラスミドを、Felgnerら、Pr
oc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7413−7417(19
87)によって記載されたリポフェクション法を使用して、1.0μgの市販の
線状化バキュロウイルスDNA(「BaculoGoldTM baculovi
rus DNA」,Pharmingen,San Diego,CA)ととも
に同時トランスフェクトする。1μgのBaculoGoldTMウイルスDNA
および5μgのプラスミドを、50μlの無血清グレース培地(Life Te
chnologies Inc.,Gaithersburg,MD)を含む、
マイクロタイタープレートの滅菌したウェル中で混合する。その後、10μlの
リポフェクチンおよび90μlグレース培地を加え、混合し、そして室温で15
分間インキュベートする。次いで、トランスフェクション混合液を、無血清グレ
ース培地1mlを加えた35mm組織培養プレートに播種したSf9昆虫細胞(
ATCC CRL 1711)に滴下して加える。次いでプレートを27℃で5
時間インキュベートする。次いで、トランスフェクション溶液をプレートから除
去し、そして10%ウシ胎仔血清を補充した1mlのグレース昆虫培地を添加す
る。次いで培養を27℃で4日間継続する。
【0784】 4日後上清を収集し、SummersおよびSmith、前出によって記載さ
れたようにプラークアッセイを行う。「Blue Gal」(Life Tec
hnologies Inc.,Gaithersburg)を含むアガロース
ゲルを、galが発現しているクローン(青色に着色したプラークを生ずる)の
容易な同定および単離を可能にするために使用する。(この型の「プラークアッ
セイ」の詳細な説明はまた、Life Technologies Inc.,
Gaithersburgによって配布される、昆虫細胞培養およびバキュロ
ウイルス学のための使用者ガイドの中の9−10頁に見出され得る)。適切なイ
ンキュベーションの後、青色に着色したプラークをマイクロピペッター(例えば
、Eppendorf)のチップで拾う。次いで、組換えウイルスを含む寒天を
、200μlのグレース培地を含む微小遠心分離チューブ中で再懸濁させ、そし
て組換えバキュロウイルスを含む懸濁液を、35mmディッシュに播種したSf
9細胞に感染させるために使用する。4日後、これらの培養ディッシュの上清を
採集し、次いで4℃に貯蔵する。
【0785】 ポリペプチドの発現を確認するために、10%熱非働化FBSを補充したグレ
ース培地中でSf9細胞を増殖させる。細胞を、約2の感染多重度(「MOI」
)でポリヌクレオチドを含む組換えバキュロウイルスで感染させる。放射性標識
したタンパク質を所望する場合には、6時間後に培地を除去し、そしてメチオニ
ンおよびシステインを含まないSF900 II培地(Life Techno
logies Inc.,Rockville,MDから入手可能)に置き換え
る。42時間後、5μCiの35S−メチオニンおよび5μCiの35S−システイ
ン(Amershamから入手可能)を添加する。細胞をさらに16時間インキ
ュベートし、次いで遠心分離によって採集する。上清中のタンパク質および細胞
内タンパク質を、SDS−PAGE、次いで(放射性標識した場合)オートラジ
オグラフィーによって分析する。
【0786】 精製タンパク質のアミノ末端のアミノ酸配列の微量配列決定法を使用して、産
生されたタンパク質のアミノ末端配列を決定し得る。
【0787】 (実施例8:哺乳動物細胞におけるポリペプチドの発現) 本発明のポリペプチドを、哺乳動物細胞中で発現させ得る。代表的な哺乳動物
発現ベクターは、mRNAの転写の開始を仲介するプロモーターエレメント、タ
ンパク質コード配列、ならびに転写の終結および転写物のポリアデニル化に必要
なシグナルを含む。さらなるエレメントは、エンハンサー、コザック配列、およ
び、RNAスプライシングのドナー部位およびアクセプター部位に隣接する介在
配列を含む。非常に効率的な転写は、SV40由来の初期および後期プロモータ
ー、レトロウイルス(例えばRSV、HTLVI、HIVI)由来の長末端反復
(LTR)、およびサイトメガロウイルス(CMV)の初期プロモーターを用い
て達成される。しかし、細胞エレメント(例えば、ヒトアクチンプロモーター)
もまた、使用され得る。
【0788】 本発明を実施する際の使用に適切な発現ベクターは、例えば、pSVLおよび
pMSG(Pharmacia,Uppsala,Sweden)、pRSVc
at(ATCC 37152)、pSV2dhfr(ATCC 37146)、
pBC12MI(ATCC 67109)、pCMVSport2.0、ならび
にpCMVSport3.0のようなベクターを含む。使用され得る哺乳動物宿
主細胞は、ヒトHela細胞、293細胞、H9細胞およびJurkat細胞、
マウスNIH3T3細胞およびC127細胞、Cos 1細胞、Cos 7細胞
およびCV1細胞、ウズラQC1−3細胞、マウスL細胞、ならびにチャイニー
ズハムスター卵巣(CHO)細胞を含む。
【0789】 あるいは、ポリペプチドは、染色体に組み込まれたポリヌクレオチドを含む、
安定な細胞株中で発現され得る。dhfr、gpt、ネオマイシン、ハイグロマ
イシンのような選択可能なマーカーを用いる同時トランスフェクションは、トラ
ンスフェクトされた細胞の同定および単離を可能にする。
【0790】 トランスフェクトされた遺伝子はまた、大量のコードされたタンパク質を発現
するために増幅され得る。DHFR(ジヒドロ葉酸還元酵素)マーカーは、目的
の遺伝子の数百または数千さえものコピーを有する細胞株の開発に有用である。
(例えば、Alt,F.W.ら、J.Biol.Chem.253:1357−
1370(1978);Hamlin,J.L.およびMa,C.、Bioch
em.et Biophys.Acta、1097:107−143(1990
):Page,M.J.およびSydenham,M.A.、Biotechn
ology 9:64−68(1991)を参照のこと)。別の有用な選択マー
カーは、酵素グルタミンシンターゼ(GS)である(Murphyら、Bioc
hem J.227:277−279(1991);Bebbingtonら、
Bio/Technology 10:169−175(1992))。これら
のマーカーを使用して、哺乳動物細胞を選択培地中で増殖させ、そしてもっとも
高い耐性を有する細胞を選択する。これらの細胞株は、染色体に組み込まれた、
増幅された遺伝子を含む。チャイニーズハムスター卵巣(CHO)およびNSO
細胞は、タンパク質の産生のためにしばしば使用される。
【0791】 プラスミドpSV2−dhfr(ATCC受託番号37146)の誘導体であ
る、発現ベクターpC4(ATCC受託番号209646)およびpC6(AT
CC受託番号209647)は、ラウス肉腫ウイルス(Cullenら、Mol
ecular and Cellular Biology,438−447(
1985年3月))の強力なプロモーター(LTR)、およびCMVエンハンサ
ー(Boshartら、Cell 41:521−530(1985))のフラ
グメントを含む。例えば、BamHI、XbaI、およびAsp718の制限酵
素切断部位を有するマルチプルクローニングサイトは、目的の遺伝子のクローニ
ングを容易にする。ベクターはまた、3’イントロン、ラットプレプロインスリ
ン遺伝子のポリアデニル化および終結シグナル、ならびに、SV40初期プロモ
ーターの制御下にあるマウスDHFR遺伝子を含む。 具体的には、例えば、プラスミドpC6を、適切な制限酵素によって消化し、次
いで当該分野で公知の手順に従って、仔ウシ腸ホスファターゼ(phospha
te)を使用して脱リン酸化する。次いで、このベクターを1%アガロースゲル
から単離する。
【0792】 本発明のポリヌクレオチドを、実施例1に概説するプロトコルに従って増幅す
る。天然に存在するシグナル配列が、分泌タンパク質を産生するために使用され
る場合、このベクターは、第二のシグナルペプチドを必要としない。あるいは、
天然に存在するシグナル配列が使用されない場合には、このベクターは異種シグ
ナル配列を含むように改変され得る(例えば、WO96/34891を参照のこ
と)。
【0793】 増幅フラグメントを、市販のキット(「Geneclean」、BIO 10
1 Inc.,La Jolla,Ca.)を使用して1%アガロースゲルから
単離する。次いで、フラグメントを、適切な制限酵素で消化し、そして再び1%
アガロースゲル上で精製する。
【0794】 次いで、増幅フラグメントを同じ制限酵素で消化し、そして1%アガロースゲ
ルで精製する。次いで、単離されたフラグメントおよび脱リン酸化したベクター
を、T4 DNAリガーゼで連結する。次いで、E.coli HB101また
はXL−1 Blue細胞を形質転換し、そしてプラスミドpC6に挿入された
フラグメントを含む細菌を、例えば、制限酵素分析を用いて同定する。
【0795】 活性なDHFR遺伝子を欠損するチャイニーズハムスター卵巣細胞を、トラン
スフェクションに使用する。5μgの発現プラスミドpC6を、リポフェクチン
(Felgnerら、前出)を用いて、0.5μgのプラスミドpSVneoと
ともに同時トランスフェクトする。プラスミドpSV2−neoは、優性選択マ
ーカーであるところの、G418を含む抗生物質の群に対する耐性を付与する酵
素をコードするTn5由来のneo遺伝子を含む。細胞を、1mg/mlのG4
18を補充したαマイナスMEMに播種する。2日後、細胞をトリプシン処理し
、そして10、25、または50ng/mlのメトトレキサートおよび1mg/
mlのG418を補充したαマイナスMEM中のハイブリドーマクローニングプ
レート(Greiner,Germany)中に播種する。約10〜14日後、
単一のクローンをトリプシン処理し、次いでメトトレキサートの異なる濃度(5
0nM、100nM、200nM、400nM、800nM)を使用して、6ウ
ェルのペトリ皿または10mlのフラスコに播種する。次いで、メトトレキサー
トの最高濃度で増殖するクローンを、さらに高い濃度(1μM、2μM、5μM
、10μM、20μM)のメトトレキサートを含む新たな6ウェルプレートに移
す。同じ手順を、100〜200μMの濃度で増殖するクローンが得られるまで
繰り返す。所望の遺伝子産物の発現を、例えば、SDS−PAGEおよびウエス
タンブロットによって、または逆相HPLC分析によって分析する。
【0796】 (実施例9:タンパク質融合物) 本発明のポリぺプチドは、好ましくは、他のタンパク質に融合される。これら
の融合タンパク質は、種々の適用について使用され得る。例えば、本発明のポリ
ぺプチドの、Hisタグ、HAタグ、プロテインA、IgGドメイン、およびマ
ルトース結合タンパク質への融合は、精製を容易にする(実施例5を参照のこと
;EP A 394,827もまた参照のこと;Trauneckerら、Na
ture 331:84−86(1988))。同様に、IgG−1、IgG−
3、およびアルブミンへの融合は、インビボでの半減期を増大させる。本発明の
ポリぺプチドに融合した核局在化シグナルは、タンパク質を特定の細胞下局在に
標的化し得る。一方、共有結合ヘテロダイマーまたはホモダイマーは、融合タン
パク質の活性を増大または減少させ得る。融合タンパク質はまた、1つより多い
機能を有するキメラ分子を作製し得る。最後に、融合タンパク質は、非融合タン
パク質と比較して、融合タンパク質の可溶性および/または安定性を増大させ得
る。上記の融合タンパク質の全ての型は、ポリぺプチドのIgG分子への融合を
概説する以下のプロトコル、または実施例5に記載されるプロトコルを改変する
ことによって作製され得る。
【0797】 簡単には、IgG分子のヒトFc部分は、以下に記載の配列の5’および3’
末端にわたるプライマーを使用してPCR増幅され得る。これらのプライマーは
また、発現ベクター(好ましくは、哺乳動物発現ベクター)へのクローニングを
容易にする都合の良い制限酵素部位を有するべきである。
【0798】 例えば、pC4(受託番号第209646号)が使用される場合、ヒトFc部
分は、BamHIクローニング部位に連結され得る。3’BamHI部位が破壊
されるべきであることに注意のこと。次に、ヒトFc部分を含有するベクターが
、BamHIによって再び制限され、ベクターを線状化し、そして実施例1に記
載するPCRプロトコルによって単離された本発明のポリヌクレオチドが、この
BamHI部位に連結される。このポリヌクレオチドは、終止コドンなしにクロ
ーン化され、そうでなければ、融合タンパク質は産生されないことに注意するこ
と。
【0799】 天然に存在するシグナル配列が分泌タンパク質を産生するために使用される場
合、pC4は、第二のシグナルペプチドを必要としない。あるいは、天然に存在
するシグナル配列が使用されない場合、このベクターは、異種シグナル配列を含
むように改変され得る(例えば、WO 96/34891を参照のこと)。
【0800】
【化46】 (実施例10:ポリぺプチドからの抗体の産生) 本発明の抗体は、種々の方法によって調製され得る。(Current Pr
otocols,第2章を参照のこと。)例えば、本発明のポリぺプチドを発現
する細胞は、ポリクローナル抗体を含む血清の産生を誘導するために動物に投与
される。好ましい方法において、分泌タンパク質の調製物が調製され、そして精
製されて、天然の夾雑物を実質的に含まないようにする。次いで、このような調
製物は、動物に導入されて、より大きな比活性のポリクローナル抗血清を生成す
る。
【0801】 最も好ましい方法において、本発明の抗体は、モノクローナル抗体(または、
そのタンパク質結合フラグメント)である。このようなモノクローナル抗体は、
ハイブリドーマ技術を使用して調製され得る(Koehlerら、Nature
256:495(1975);Koehlerら、Eur.J.Immuno
l.6:511(1976);Koehlerら、Eur.J.Immunol
.6:292(1976);Hammerlingら:Monoclonal
Antibodies and T−Cell Hybridomas,Els
evier,N.Y.、563−681頁(1981))。一般に、このような
手順は、動物(好ましくは、マウス)をポリぺプチドで免疫すること、またはよ
り好ましくは、分泌ポリぺプチド発現細胞で免疫することを含む。このような細
胞は、任意の適切な組織培養培地において培養され得る;しかし、10%ウシ胎
仔血清(約56℃で非働化した)を補充し、そして約10g/lの非必須アミノ
酸、約1,000U/mlのペニシリン、および約100μg/mlのストレプ
トマイシンを補充したEarle改変Eagle培地において細胞を培養するこ
とが好ましい。
【0802】 このようなマウスの脾細胞は抽出され、そして適切なミエローマ細胞株と融合
される。任意の適切なミエローマ細胞株は、本発明に従って用いられ得る;しか
し、ATCCから入手可能な親ミエローマ細胞株(SP2O)を用いることが好
ましい。融合後、得られるハイブリドーマ細胞を、HAT培地において選択的に
維持し、次いでWandsら(Gastroenterology 80:22
5−232(1981))に記載されるように限界希釈によってクローニングす
る。このような選択によって得られるハイブリドーマ細胞は、次いでポリぺプチ
ドに結合し得る抗体を分泌するクローンを同定するためにアッセイされる。
【0803】 あるいは、ポリぺプチドに結合し得るさらなる抗体を、抗イディオタイプ抗体
を使用して2段階工程の手順において生成し得る。このような方法は、抗体それ
自体が抗原であり、それゆえ第二の抗体に結合する抗体を得ることが可能である
という事実を利用する。この方法に従って、タンパク質特異的抗体を使用して、
動物(好ましくは、マウス)を免疫する。次いで、このような動物の脾細胞を使
用して、ハイブリドーマ細胞を産生する。そして、ハイブリドーマ細胞は、タン
パク質特異的抗体に結合する能力がこのポリぺプチドによってブロックされ得る
抗体を産生するクローンを同定するためにスクリーニングされる。このような抗
体は、タンパク質特異的抗体に対する抗イディオタイプ抗体を含み、そして動物
を免疫してさらなるタンパク質特異的抗体の形成を誘導するために使用され得る
【0804】 FabおよびF(ab’)2ならびに本発明の抗体の他のフラグメントは、本
明細書中で開示される方法に従って使用され得ることが理解される。このような
フラグメントは、代表的には、パパイン(Fabフラグメントを産生するため)
またはペプシン(F(ab’)2フラグメントを産生するため)のような酵素を
使用して、タンパク質分解性切断によって産生される。あるいは、分泌タンパク
質結合フラグメントは、組換えDNA技術の適用により、または合成化学により
産生され得る。
【0805】 ヒトにおける抗体のインビボ使用のために、「ヒト化」キメラモノクローナル
抗体を使用することが好ましくあり得る。このような抗体は、上記のモノクロー
ナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞に由来する遺伝的構築物を使用すること
によって産生され得る。キメラ抗体を産生するための方法は当該分野で公知であ
る(総説については、Morrison,Science 229:1202(
1985);Oiら、BioTechniques 4:214(1986);
Cabillyら、米国特許第4,816,567号;Taniguchiら、
EP 171496;Morrisonら、EP 173494;Neuber
gerら、WO 8601533;Robinsonら、WO 8702671
;Boulianneら、Nature 312:643(1984);Neu
bergerら、Nature 314:268(1985)を参照のこと)。
【0806】 (実施例11:高処理能力スクリーニングアッセイのための分泌タンパク質の
産生) 以下のプロトコルは、試験されるべきポリぺプチドを含有する上清を産生する
。次いで、この上清は、実施例13〜20に記載されるスクリーニングアッセイ
において使用され得る。
【0807】 第一に、ポリ−D−リジン(644 587 Boehringer−Man
nheim)ストック溶液(PBS中に1mg/ml)を、PBS(カルシウム
もマグネシウムも含まない17−516F Biowhittaker)中で1
:20に希釈して、作業溶液50μg/mlにする。200μlのこの溶液を、
各ウェル(24ウェルプレート)に添加し、そして室温で20分間インキュベー
トする。溶液を各ウェルにわたって分配させることを確実にする(注:12チャ
ンネルピペッターは、1つおきのチャンネルにチップをつけて使用され得る)。
ポリ−D−リジン溶液を吸引除去し、そして1ml PBS(リン酸緩衝化生理
食塩水)でリンスする。PBSは、細胞をプレートする直前までウェル中に残す
べきであり、そしてプレートは2週間前までに予めポリリジンでコーティングし
得る。
【0808】 293T細胞(P+20を過ぎて細胞を保有しない)を、2×105細胞/ウ
ェルで、0.5mlのDMEM(Dulbecco改変Eagle培地)(4.
5G/LのグルコースおよびL−グルタミン(12−604F Biowhit
taker)を含む)/10%熱非働化FBS(14−503F Biowhi
ttaker)/1×Penstrep(17−602E Biowhitta
ker)中にプレートする。細胞を一晩増殖させる。
【0809】 翌日、滅菌溶液容器(basin)中で、300μlリポフェクトアミン(1
8324−012 Gibco/BRL)および5ml Optimem I(
31985070 Gibco/BRL)/96ウェルプレートを、一緒に混合
する。小容量のマルチチャンネルピペッターを用いて、実施例8または9に記載
する方法によって産生されたポリヌクレオチド挿入物を含有する約2μgの発現
ベクターを、適切に標識された96ウェルの丸底プレート中にアリコートする。
マルチチャンネルピペッターを用いて、50μlのリポフェクトアミン/Opt
imem I混合物を各ウェルに添加する。ピペットで緩やかに吸い上げたり下
げたりして混合する。室温で15〜45分間インキュベートする。約20分後、
マルチチャンネルピペッターを使用して150μlのOptimem Iを各ウ
ェルに添加する。コントロールとして、挿入物を欠失するベクターDNAの1つ
のプレートは、トランスフェクションの各セットでトランスフェクトされるべき
である。
【0810】 好ましくは、トランスフェクションは、以下の作業をタッグチームを組んで(
tag−teaming)行うべきである。タッグチームを組むことによって、
時間に関する労力は半減され、そして細胞にはPBS上であまり多くの時間を過
ごさせない。まず、Aさんは、培地を細胞の4つの24ウェルプレートから吸引
除去し、次いでBさんが0.5〜1mlのPBSで各ウェルをリンスする。次い
で、Aさんは、PBSリンスを吸引除去し、そしてBさんは、チャンネル1つお
きにチップのついた12チャンネルピペッターを使用して、200μlのDNA
/リポフェクトアミン/Optimem I複合体を、まず奇数のウェルに、次
いで偶数のウェルにと、24ウェルプレート上の各列に添加する。37℃で6時
間インキュベートする。
【0811】 細胞をインキュベートする間に、1×ペンストレップ(penstrep)を
有するDMEM中の1%BSAか、または2mMグルタミンおよび1×ペンスト
レップを含むCHO−5培地(116.6mg/LのCaCl2(無水物);0
.00130mg/L CuSO4−5H2O;0.050mg/LのFe(NO 33−9H2O;0.417mg/LのFeSO4−7H2O;311.80mg
/LのKCl;28.64mg/LのMgCl2;48.84mg/LのMgS
4;6995.50mg/LのNaCl;2400.0mg/LのNaHCO3 ;62.50mg/LのNaH2PO4−H2O;71.02mg/LのNa2HP
4;0.4320mg/LのZnSO4−7H2O;0.002mg/Lのアラ
キドン酸;1.022mg/Lのコレステロール;0.070mg/LのDL−
α−酢酸トコフェロール;0.0520mg/Lのリノール酸;0.010mg
/Lのリノレン酸;0.010mg/Lのミリスチン酸;0.010mg/Lの
オレイン酸;0.010mg/Lのパルミトオレイン酸(palmitric
acid);0.010mg/Lのパルミチン酸;100mg/LのPluro
nic F−68;0.010mg/Lのステアリン酸;2.20mg/LのT
ween80;4551mg/LのD−グルコース;130.85mg/mlの
L−アラニン;147.50mg/mlのL−アルギニン−HCl;7.50m
g/mlのL−アスパラギン−H2O;6.65mg/mlのL−アスパラギン
酸;29.56mg/mlのL−シスチン2HCl−H2O;31.29mg/
mlのL−シスチン−2HCl;7.35mg/mlのL−グルタミン酸;36
5.0mg/mlのL−グルタミン;18.75mg/mlのグリシン;52.
48mg/mlのL−ヒスチジン−HCl−H2O;106.97mg/mlの
L−イソロイシン;111.45mg/mlのL−ロイシン;163.75mg
/mlのL−リジンHCl;32.34mg/mlのL−メチオニン;68.4
8mg/mlのL−フェニルアラニン;40.0mg/mlのL−プロリン;2
6.25mg/mlのL−セリン;101.05mg/mlのL−スレオニン;
19.22mg/mlのL−トリプトファン;91.79mg/mlのL−チロ
シン(Tryrosine)−2Na−2H2O;99.65mg/mlのL−
バリン;0.0035mg/Lのビオチン;3.24mg/LのD−Caパント
テン酸;11.78mg/Lの塩化コリン;4.65mg/Lの葉酸;15.6
0mg/Lのi−イノシトール;3.02mg/Lのナイアシンアミド;3.0
0mg/LのピリドキサールHCl;0.031mg/LのピリドキシンHCl
;0.319mg/Lのリボフラビン;3.17mg/LのチアミンHCl;0
.365mg/Lのチミジン;および0.680mg/LのビタミンB12;25
mMのHEPES緩衝剤;2.39mg/LのNaヒポキサンチン;0.105
mg/Lのリポ酸;0.081mg/Lのプトレシンナトリウム−2HCl;5
5.0mg/Lのピルビン酸ナトリウム;0.0067mg/Lの亜セレン酸ナ
トリウム;20μMのエタノールアミン;0.122mg/Lのクエン酸第二鉄
;41.70mg/Lのリノール酸と複合体化したメチル−B−シクロデキスト
リン;33.33mg/Lのオレイン酸と複合体化したメチル−B−シクロデキ
ストリン;ならびに10mg/Lのレチナールと複合体化したメチル−B−シク
ロデキストリン)のいずれかの適切な培地を調製する。(10%BSAストック
溶液のために、1L DMEM中にBSA(81−068−3 Bayer)1
00gを溶解した)。培地を濾過し、そして50μlを内毒素アッセイのために
15mlポリスチレンコニカル中に収集する。
【0812】 トランスフェクション反応を、好ましくはタッグチームを組んでインキュベー
ション時間の終わりに終結させる。Aさんは、トランスフェクション培地を吸引
除去し、その間Bさんは、1.5mlの適切な培地を各ウェルに添加する。使用
された培地に依存して45時間または72時間、37℃でインキュベートする:
1%BSAは45時間、またはCHO−5は72時間。
【0813】 4日目に、300μlのマルチチャンネルピペッターを使用して、600μl
を1mlの深底ウェルプレート1枚にアリコートし、そして残りの上清を2ml
の深底ウェルにアリコートする。次いで、各ウェルからの上清を実施例13〜2
0に記載するアッセイにおいて使用し得る。
【0814】 活性が、上清を使用して以下に記載する任意のアッセイにおいて得られる場合
、この活性は、ポリぺプチドから直接に(例えば、分泌タンパク質として)か、
または他のタンパク質の発現を誘導するポリぺプチドによって(このタンパク質
は、次いで上清中に分泌される)のいずれかに由来することが特に理解される。
従って、本発明はさらに、特定のアッセイにおける活性によって特徴づけられる
上清中のタンパク質を同定する方法を提供する。
【0815】 (実施例12:GASレポーター構築物の構築) 細胞の分化および増殖に関与する1つのシグナル伝達経路は、Jak−STA
T経路と呼ばれる。Jak−STAT経路において活性化されたタンパク質は、
多くの遺伝子のプロモーターに位置する、γ活性化部位「GAS」エレメントま
たはインターフェロン感受性応答エレメント(「ISRE」)に結合する。これ
らのエレメントに対するタンパク質の結合は、関連する遺伝子の発現を変化させ
る。
【0816】 GASエレメントおよびISREエレメントは、転写のシグナルトランスデュ
ーサーおよびアクチベーター、すなわち「STAT」と呼ばれるクラスの転写因
子によって認識される。STATファミリーには6つのメンバーが存在する。S
tat1およびStat3は、Stat2と同様に(IFNαに対する応答が広
範であるように)、多くの細胞型において存在する。Stat4は、より限定さ
れており、そして多くの細胞型には存在しないが、IL−12での処理後のTヘ
ルパークラスI細胞に見出されている。Stat5は、元々は乳房成長因子と呼
ばれたが、骨髄細胞を含む他の細胞においてより高い濃度で見出されている。そ
れは、多くのサイトカインによって組織培養細胞において活性化され得る。
【0817】 STATは活性化されて、Janus Kinase(「Jaks」)ファミ
リーとして知られる1セットのキナーゼによるチロシンリン酸化に際して細胞質
から核へ移動する。Jaksは、可溶性のチロシンキナーゼの独特のファミリー
の代表であり、そしてTyk2、Jak1、Jak2、およびJak3を含む。
これらのキナーゼは、有意な配列類似性を示し、そして一般には休止細胞におい
て触媒的に不活性である。
【0818】 Jaksは、以下の表によって要約されるように広範なレセプターによって活
性化される。(SchidlerおよびDarnell,Ann.Rev.Bi
ochem.64:621−51(1995)による総説から改変)。Jaks
を活性化し得るサイトカインレセプターファミリーは、2つの群に分けられる:
(a)クラス1は、IL−2、IL−3、IL−4、IL−6、IL−7、IL
−9、IL−11、IL−12、IL−15、Epo、PRL、GH、G−CS
F、GM−CSF、LIF、CNTF、およびトロンボポエチンに対するレセプ
ターを含み;そして(b)クラス2は、IFN−a(α)、IFN−g(γ)、
およびIL−10を含む。クラス1レセプターは、保存されたシステインモチー
フ(4つの保存されたシステインおよび1つのトリプトファンのセット)、およ
びWSXWSモチーフ(Trp−Ser−Xxx−Trp−Ser(配列番号2
)をコードする膜近接領域)を共有する。
【0819】 従って、リガンドのレセプターへの結合の際に、Jaksは活性化され、これ
は次いでSTATを活性化し、これは、次いで移動し、そしてGASエレメント
に結合する。この全プロセスは、Jaks−STATシグナル伝達経路に包含さ
れる。
【0820】 それゆえ、GASまたはISREエレメントの結合によって反映されるJak
s−STAT経路の活性化は、細胞の増殖および分化に関与するタンパク質を示
すために使用され得る。例えば、増殖因子・成長因子およびサイトカインは、J
aks−STAT経路を活性化することが知られている。(以下の表を参照のこ
と)。従って、レポーター分子に連結したGASエレメントを使用することによ
り、Jaks−STAT経路のアクチベーターが同定され得る。
【0821】
【表3】 実施例13〜14に記載される生物学的アッセイにおいて使用されるプロモー
ターエレメントを含む合成GASを構築するために、PCRに基づいたストラテ
ジーを用いてGAS−SV40プロモーター配列を生成する。5’プライマーは
、IRF1プロモーターにおいて見出され、そして一定の範囲のサイトカインで
の誘導の際にSTATに結合することが以前に実証されたGAS結合部位の4つ
の直列のコピーを含むが(Rothmanら、Immunity 1:457−
468(1994))、他のGASエレメントまたはISREエレメントを代わ
りに使用し得る。5’プライマーはまた、SV40初期プロモーター配列に対し
て相補的な18bpの配列も含み、そしてXhoI部位に隣接する。5’プライ
マーの配列は以下である:
【0822】
【化47】 下流プライマーはSV40プロモーターに対して相補的であり、そしてHin
d III部位に隣接する:5’:GCGGCAAGCTTTTTGCAAAG
CCTAGGC:3’(配列番号4)。
【0823】 PCR増幅を、Clontechから入手したB−gal:プロモータープラ
スミド中に存在するSV40プロモーターのテンプレートを用いて実施する。得
られたPCRフラグメントをXhoI/Hind IIIを用いて消化し、そし
てBLSK2−(Stratagene)にサブクローニングする。正方向およ
び逆方向のプライマーを用いる配列決定により、挿入物が以下の配列を含むこと
を確認する:
【0824】
【化48】 このGASプロモーターエレメントがSV40プロモーターに結合されると、
次に、GAS:SEAP2レポーター構築物を操作する。ここで、レポーター分
子は、分泌アルカリホスファターゼ、すなわち「SEAP」である。しかし、明
らかに、この実施例または他の実施例のいずれにおいても、任意のレポーター分
子が、SEAPの代わりとなり得る。SEAPの代わりに使用され得る周知のレ
ポーター分子としては、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(C
AT)、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、グ
リーン蛍光タンパク質(GFP)、または抗体により検出可能な任意のタンパク
質が挙げられる。
【0825】 上記の配列により確認された合成GAS−SV40プロモーターエレメントを
、GAS−SEAPベクターを作製するために、HindIIIおよびXhoI
を用いて、増幅したGAS:SV40プロモーターエレメントでSV40プロモ
ーターを有効に置換し、Clontechから入手したpSEAP−プロモータ
ーベクターにサブクローニングする。しかし、このベクターはネオマイシン耐性
遺伝子を含まず、それゆえ、哺乳動物の発現系には好ましくない。
【0826】 従って、GAS−SEAPレポーターを発現する哺乳動物の安定な細胞株を作
製するために、GAS−SEAPカセットを、SalIおよびNotIを用いて
GAS−SEAPベクターから取り出し、そしてGAS−SEAP/Neoベク
ターを作製するために、マルチクローニング部位におけるこれらの制限部位を用
いて、ネオマイシン耐性遺伝子を含むバックボーンベクター(例えば、pGFP
−1(Clontech))に挿入する。一旦、このベクターを哺乳動物細胞に
トランスフェクトすれば、次いでこのベクターは、実施例13〜14に記載され
るようにGAS結合についてのレポーター分子として使用され得る。
【0827】 他の構築物を、上記の記載を使用し、そしてGASを異なるプロモーター配列
で置換して、作製し得る。例えば、NFK−BおよびEGRプロモーター配列を
含むレポーター分子の構築を、実施例15および16に記載する。しかし、多く
の他のプロモーターをこれらの実施例に記載のプロトコルを使用して置換し得る
。例えば、SRE、IL−2、NFAT、またはオステオカルシンのプロモータ
ーを単独で、または組み合わせて(例えば、GAS/NF−KB/EGR、GA
S/NF−KB、Il−2/NFAT、またはNF−KB/GAS)置換し得る
。同様に、他の細胞株(例えば、HELA(上皮細胞)、HUVEC(内皮細胞
)、Reh(B細胞)、Saos−2(骨芽細胞)、HUVAC(大動脈細胞)
、または心筋細胞)を、レポーター構築物の活性を試験するために使用し得る。
【0828】 (実施例13:T細胞の活性についての高処理能力スクリーニングアッセイ) 以下のプロトコルを、例えば、T細胞を増殖または分化させ得る、増殖因子お
よびサイトカインのような因子を同定することによりT細胞の活性を評価するた
めに使用する。T細胞の活性を実施例12で作製したGAS/SEAP/Neo
構築物を用いて評価する。従って、SEAP活性を増加させる因子は、Jaks
−STATSシグナル伝達経路を活性化する能力を示す。このアッセイに使用し
たT細胞は、Jurkat T細胞(ATCC受託番号TIB−152)である
が、Molt−3細胞(ATCC受託番号CRL−1552)およびMolt−
4細胞(ATCC受託番号CRL−1582)細胞もまた使用し得る。
【0829】 Jurkat T細胞は、リンパ芽球性CD4+ Th1ヘルパー細胞である
。安定な細胞株を作製するために、およそ200万のJurkat細胞をDMR
IE−C(Life Technologies)を用いて、GAS−SEAP
/neoベクターでトランスフェクト(以下に記載のトランスフェクション手順
)する。トランスフェクトした細胞を、およそ20,000細胞/ウェルの密度
で播種し、そして1mg/mlのジェネティシン(genticin)に対して
耐性であるトランスフェクト体を選択する。耐性コロニーを増殖させ、次いで、
漸増する濃度のインターフェロンγに対するそれらの応答について試験する。選
択したクローンの用量応答を示す。
【0830】 詳細には、以下のプロトコルにより、200μlの細胞を含む75のウェルに
ついて十分な細胞を得る。従って、複数の96ウェルプレートについて十分な細
胞を産生するために、これをスケールアップするか、または複数で実施するかの
いずれかを行う。Jurkat細胞をRPMI+10%血清および1%のPen
−Strep中で維持する。T25フラスコ中で2.5mlのOPTI−MEM
(Life Technologies)と10μgのプラスミドDNAとを組
み合わせる。50μlのDMRIE−Cを含む2.5mlのOPTI−MEMを
添加し、そして、室温で15〜45分間インキュベートする。
【0831】 インキュベート時間の間、細胞濃度をカウントし、必要な細胞数(トランスフ
ェクションあたり107個)をスピンダウンし、そして最終濃度が107細胞/m
lとなるようにOPTI−MEM中で再懸濁する。次いで、OPTI−MEM中
の1×107個の細胞1mlをT25フラスコに加え、そして37℃で6時間イ
ンキュベートする。インキュベーションの後、10mlのRPMI+15%の血
清を添加する。
【0832】 Jurkat:GAS−SEAP安定レポーター株をRPMI+10%血清、
1mg/mlジェネティシン、および1%のPen−Strep中で維持する。
これらの細胞を実施例11に記載されるプロトコルにより産生されるようなポリ
ペプチドを含む上清で処理する。
【0833】 上清での処理日に細胞を洗浄すべきであり、そして1mlあたり500,00
0個の密度となるように新鮮なRPMI+10%血清中に再懸濁するべきである
。必要な細胞の正確な数は、スクリーニングされる上清の数に依存する。1枚の
96ウェルプレートについて、およそ1000万個の細胞(10枚のプレートに
ついて1億個の細胞)を必要とする。
【0834】 細胞を、12チャンネルのピペットを用いて96ウェルのディッシュに分与す
るために、三角のリザーバーボートに細胞を移す。200μlの細胞を、12チ
ャンネルのピペットを用いて、それぞれのウェルに移す(従って、ウェル当たり
100,000個の細胞を添加する)。
【0835】 全てのプレートに播種した後、50μlの上清を、12チャンネルピペットを
用いて、上清を含む96ウェルプレートから各ウェルに直接的に移す。さらに、
外来性のインターフェロンγの用量(0.1、1.0、10ng)を、ウェルH
9、ウェルH10、およびウェルH11に添加し、アッセイについてのさらなる
陽性コントロールとして供する。
【0836】 上清で処理したJurkat細胞を含む96ウェルディッシュをインキュベー
ターに48時間置く(注:この時間は48〜72時間の間で変更可能である)。
次いで、各ウェルから35μlのサンプルを12チャンネルのピペットを用いて
、不透明な96ウェルプレートに移す。不透明なプレートを(セロファンのカバ
ーを用いて)覆うべきであり、そして実施例17に従うSEAPアッセイを行う
まで、−20℃で保存するべきである。残存する処理した細胞を含むプレートを
4℃に置き、そして、所望するならば、特定のウェル上でのアッセイを繰り返す
ための物質の供給源として供する。
【0837】 陽性コントロールとして、100ユニット/mlのインターフェロンγを使用
し得、これは、Jurkat T細胞を活性化することが公知である。代表的に
は、30倍を超える誘導が、陽性コントロールのウェルにおいて観察される。
【0838】 上述のプロトコルは、一過性および安定性の両方のトランスフェクト細胞の作
成に用いられ得、このことは当業者に明らかである。
【0839】 (実施例14:骨髄性の活性を同定する高処理能力スクリーニングアッセイ) 以下のプロトコルを、骨髄性細胞を増殖または分化させ得る増殖因子およびサ
イトカインのような因子を同定することにより骨髄性の活性を評価するために使
用する。骨髄性細胞の活性を実施例12において産生されたGAS/SEAP/
Neo構築物を用いて評価する。従って、SEAP活性を増加させる因子は、J
aks−STATSシグナル伝達経路を活性化させる能力を示す。このアッセイ
に使用した骨髄性細胞は、U937(前単球(pre−monocyte)細胞
株である)が、TF−1、HL60、またはKG1も使用し得る。
【0840】 U937細胞を、実施例12において産生されたGAS/SEAP/Neo構
築物で、一過性にトランスフェクトするために、DEAE−Dextran法(
Kharbandaら、1994,Cell Growth & Differ
entiation,5:259−265)を用いる。最初に、2×10e7
のU937細胞を回収し、そしてPBSで洗浄する。U937細胞を、通常、1
00単位/mlのペニシリンおよび100mg/mlのストレプトマイシンを補
充した10%熱非働化ウシ胎仔血清(FBS)を含むRPMI 1640培地中
で増殖させる。
【0841】 次に、0.5mg/ml DEAE−Dextran、8μgのGAS−SE
AP2プラスミドDNA、140mM NaCl、5mM KCl、375μM
Na2HPO4・7H2O、1mM MgCl2、および675μM CaCl2
を含む1mlの20mM Tris−HCl(pH 7.4)緩衝液に細胞を懸
濁する。37℃で45分間インキュベートする。
【0842】 10% FBSを含むRPMI 1640培地で細胞を洗浄し、次いで、10
mlの完全培地に再懸濁し、そして37℃で36時間インキュベートする。
【0843】 GAS−SEAP/U937安定細胞を、400μg/mlのG418中で細
胞を増殖させることにより得る。G418を含まない培地を使用して、慣用的に
増殖させるが、1〜2ヶ月毎に細胞を二継代の間、400μg/ml G418
中で再増殖させるべきである。
【0844】 これらの細胞を1×108個の細胞(これは10枚の96ウェルプレートアッ
セイのために十分である)を回収することにより試験し、そしてPBSで洗浄す
る。上記の200mlの増殖培地中に、5×105細胞/mlの最終密度で細胞
を懸濁する。96ウェルプレートにおいてウェルあたり200μlの細胞(すな
わち、1×105細胞/ウェル)をプレートする。
【0845】 実施例11に記載されるプロトコルにより調製された上清を50μl添加する
。37℃で48〜72時間インキュベートする。陽性コントロールとして、10
0単位/mlのインターフェロンγを使用し得、これはU937細胞を活性化さ
せることが公知である。代表的には、30倍を超える誘導が、陽性コントロール
ウェルにおいて観察される。実施例17に記載のプロトコルに従って上清をSE
APアッセイする。
【0846】 (実施例15:ニューロン活性を同定する高処理能力スクリーニングアッセイ
) 細胞が分化および増殖を経る場合、一群の遺伝子が多くの異なるシグナル伝達
経路を介して活性化される。これらの遺伝子の1つであるEGR1(初期増殖応
答遺伝子1)は、活性化時に種々の組織および細胞型において誘導される。EG
R1のプロモーターはこのような誘導を担う。レポーター分子に結合したEGR
1プロモーターを使用して、細胞の活性化を評価し得る。
【0847】 詳細には、以下のプロトコルをPC12細胞株におけるニューロン活性を評価
するために使用する。PC12細胞(ラット褐色細胞腫(phenochrom
ocytoma))は、多くのマイトジェン(例えば、TPA(テトラデカノイ
ルホルボールアセテート)、NGF(神経成長因子)、およびEGF(上皮増殖
因子))での活性化により増殖および/または分化することが公知である。この
処理の間にEGR1遺伝子発現を活性化する。従って、SEAPレポーターに結
合したEGRプロモーターを含む構築物でPC12細胞を安定にトランスフェク
トすることにより、PC12細胞の活性化を評価し得る。
【0848】 EGR/SEAPレポーター構築物を以下のプロトコルにより組み立て得る。
EGR−1プロモーター配列(−633〜+1)(Sakamoto Kら、O
ncogene 6:867−871(1991))を以下のプライマーを用い
て、ヒトゲノムDNAからPCR増幅し得る:
【0849】
【化49】 次いで、実施例12において作製したGAS:SEAP/Neoベクターを使
用して、EGR1増幅産物をこのベクターに挿入し得る。制限酵素XhoI/H
indIIIを使用してGAS:SEAP/Neoベクターを直鎖状化し、GA
S/SV40スタッファー(stuffer)を取り除く。これらと同じ酵素を
用いて、EGR1増幅産物を制限処理する。ベクターとEGR1プロモーターと
を連結する。
【0850】 細胞培養のための96ウェルプレートを調製するために、コーティング溶液(
コラーゲンI型(Upstate Biotech Inc.カタログ番号08
−115)の30%エタノール(滅菌濾過)での1:30希釈)を1つの10c
mプレートあたり2ml、または96ウェルプレートのウェルあたり50ml添
加し、そして2時間風乾させる。
【0851】 PC12細胞を、予めコートした10cm組織培養ディッシュ上で、ペニシリ
ン(100単位/ml)およびストレプトマイシン(100μg/ml)を補充
した、10%ウマ血清(JRH BIOSCIENCES、カタログ番号124
49−78P)、5%熱非働化ウシ胎仔血清(FBS)を含むRPMI−164
0培地(Bio Whittaker)中で慣用的に増殖させる。1つから4つ
への分割を3〜4日毎に行う。細胞を掻き取ることによりプレートから取り出し
、そして15回より多く上下にピペッティングして再懸濁する。
【0852】 EGR/SEAP/Neo構築物を、実施例11に記載のLipofecta
mineプロトコルを使用して、PC12にトランスフェクトする。EGR−S
EAP/PC12安定細胞を、300μg/mlのG418中で細胞を増殖させ
ることにより得る。G418を含まない培地を通常の増殖のために使用するが、
1〜2ヶ月毎に、細胞を2〜3継代の間、300μg/mlのG418中で再増
殖させるべきである。
【0853】 ニューロン活性をアッセイするために、およそ70〜80%コンフルエントで
ある細胞を含む10cmプレートを、古い培地を除去することによりスクリーニ
ングする。細胞をPBS(リン酸緩衝化生理食塩水)を用いて1回洗浄する。次
いで、細胞を低血清培地(抗生物質とともに1%ウマ血清および0.5% FB
Sを含むRPMI−1640)中で一晩、飢餓させる。
【0854】 翌朝、培地を除去し、そしてPBSで細胞を洗浄する。プレートから細胞を掻
き取り、細胞を2mlの低血清培地中でよく懸濁する。細胞数をカウントし、そ
してより低血清の培地を添加し、5×105細胞/mlの最終細胞密度に到達さ
せる。
【0855】 200μlの細胞懸濁液を96ウェルプレートの各ウェルに添加する(1×1
5細胞/ウェルに等しい)。実施例11により産生された50μlの上清を、
37℃で48〜72時間加える。陽性コントロールとして、EGRを介してPC
12細胞を活性化することが公知の成長因子(例えば、50ng/μlの神経成
長因子(NGF))を使用し得る。代表的には、50倍を超えるSEAP誘導が
陽性コントロールウェルにおいて見られる。実施例17に従って、上清をSEA
Pアッセイする。
【0856】 (実施例16:T細胞の活性についての高処理能力スクリーニングアッセイ) NF−κB(核因子κB)は、広範な種々の薬剤(炎症性サイトカインである
IL−1およびTNF、CD30およびCD40、リンホトキシン−αおよびリ
ンホトキシン−βを含む)により、LPSまたはトロンビンへの曝露により、な
らびに特定のウイルス遺伝子産物の発現により活性化される転写因子である。転
写因子として、NF−κBは免疫細胞の活性化に関与する遺伝子の発現、アポト
ーシスの制御(NF−κBは、アポトーシスから細胞を保護するようである)、
B細胞およびT細胞の発生、抗ウイルス応答および抗菌応答、ならびに複数のス
トレス応答を調節する。
【0857】 刺激されない条件において、NF−κBは、I−κB(インヒビターκB)を
有する細胞質に保持される。しかし、刺激の際に、I−κBはリン酸化され、そ
して分解され、NF−κBの核への往復(shuttle)を引き起こし、これ
により標的遺伝子の転写を活性化する。NF−κBにより活性化される標的遺伝
子としては、IL−2、IL−6、GM−CSF、ICAM−1およびクラス1
MHCが挙げられる。
【0858】 その中心的な役割および一定の範囲の刺激に応答する能力に起因して、NF−
κBプロモーターエレメントを利用するレポーター構築物を、実施例11におい
て産生された上清をスクリーニングするために使用する。NF−κBのアクチベ
ーターまたはインヒビターは、疾患の処置に有用である。例えば、NF−κBの
インヒビターを、急性または慢性的なNF−κBの活性化に関連する疾患(例え
ば、慢性関節リウマチ)を処置するために使用し得る。
【0859】 NF−κBプロモーターエレメントを含むベクターを構築するために、PCR
に基づいたストラテジーを用いる。上流のプライマーは、NF−κB結合部位(
GGGGACTTTCCC)(配列番号8)の4つの直列のコピー、SV40初
期プロモーター配列の5’末端に対して相補的な18bpの配列を含み、そして
XhoI部位に隣接する:
【0860】
【化50】 下流プライマーは、SV40プロモーターの3’末端に対して相補的であり、
そしてHindIII部位に隣接する: 5’:GCGGCAAGCTTTTTGCAAAGCCTAGGC:3’(配列
番号4)。
【0861】 PCR増幅を、Clontechから入手したpB−gal:プロモータープ
ラスミドに存在するSV40プロモーターのテンプレートを使用して行う。得ら
れたPCRフラグメントをXhoIおよびHindIIIで消化し、そしてBL
SK2−(Stratagene)にサブクローニングする。T7およびT3プ
ライマーを用いる配列決定により、挿入物が以下の配列を含むことを確認する:
【0862】
【化51】 次に、XhoIおよびHindIIIを使用して、pSEAP2−プロモータ
ープラスミド(Clontech)に存在するSV40最小プロモーターエレメ
ントをこのNF−κB/SV40フラグメントで置換する。しかし、このベクタ
ーはネオマイシン耐性遺伝子を含まず、そしてそれゆえ哺乳動物の発現系には好
ましくない。
【0863】 安定な哺乳動物細胞株を作製するために、NF−κB/SV40/SEAPカ
セットを制限酵素SalIおよびNotIを使用して上記のNF−κB/SEA
Pベクターから取り出し、そしてネオマイシン耐性を含むベクターに挿入する。
詳細には、SalIおよびNotIでpGFP−1を制限処理した後に、NF−
κB/SV40/SEAPカセットをpGFP−1(Clontech)に挿入
し、GFP遺伝子を置換した。
【0864】 一旦、NF−κB/SV40/SEAP/Neoベクターを作製した後は、実
施例13に記載のプロトコルに従って、安定なJurkat T細胞を作製し、
そして維持する。同様に、これらの安定なJurkat T細胞を含む上清をア
ッセイするための方法がまた、実施例13に記載される。陽性コントロールとし
て、外因性のTNFα(0.1、1、10ng)をウェルH9、H10、および
H11に添加し、代表的には、5〜10倍の活性化が観察される。
【0865】 (実施例17:SEAP活性についてのアッセイ) 実施例13〜16に記載されるアッセイのためのレポーター分子として、SE
AP活性を、以下の一般的な手順に従ってTropix Phospho−li
ght Kit(カタログ番号BP−400)を用いてアッセイする。Trop
ix Phospho−light Kitは、以下で使用される希釈緩衝液、
アッセイ緩衝液、および反応緩衝液を供給する。
【0866】 ディスペンサーに2.5×希釈緩衝液を満たし、そして15μlの2.5×希
釈緩衝液を35μlの上清を含むオプティプレート(Optiplate)に分
与する。プラスチックシーラーでプレートをシールし、そして65℃で30分間
インキュベートする。一様でない加温を避けるためにオプティプレートを離して
おく。
【0867】 サンプルを室温まで15分間冷却する。ディスペンサーを空にし、そしてアッ
セイ緩衝液を満たす。50μlのアッセイ緩衝液を添加し、そして室温で5分間
インキュベートする。ディスペンサーを空にし、そして反応緩衝液を満たす(以
下の表を参照のこと)。50μlの反応緩衝液を添加し、そして室温で20分間
インキュベートする。化学発光シグナルの強度は時間依存的であり、そしてルミ
ノメーターで5つのプレートを読み取るために約10分間を費やすので、1回に
5つのプレートを処理し、10分後に2つ目のセットを開始するべきである。
【0868】 ルミノメーターにおける相対光単位(light unit)を読み取る。ブ
ランクとしてH12をセットし、そして結果を印字する。化学発光の増加は、レ
ポーター活性を示す。
【0869】
【表4】 (実施例18:低分子の濃度および膜透過性における変化を同定する高処理能
力スクリーニングアッセイ) レセプターへのリガンドの結合は、カルシウム、カリウム、ナトリウムのよう
な低分子およびpHの細胞内レベルを変化させ、ならびに膜電位を変化させるこ
とは公知である。これらの変化を特定細胞のレセプターに結合する上清の同定を
行うアッセイで測定し得る。以下のプロトコルは、カルシウムについてのアッセ
イを記載するが、このプロトコルは、カリウム、ナトリウム、pH、膜電位、ま
たは蛍光プローブにより検出可能な任意の他の低分子における変化を検出するよ
うに容易に改変し得る。
【0870】 以下のアッセイは、蛍光測定画像化プレートリーダー(「FLIPR」)を使
用して低分子と結合する蛍光分子(Molecular Probes)におけ
る変化を測定する。明らかに、低分子を検出する任意の蛍光分子を本明細書で用
いるカルシウム蛍光分子、fluo−4(Molecular Probes,
Inc.;カタログ番号F−14202)の代わりに使用し得る。
【0871】 接着細胞については、細胞を10,000〜20,000細胞/ウェルで、底
が透明なCo−star黒色96ウェルプレートに播種する。プレートをCO2
インキュベーター内で20時間インキュベートする。接着細胞をBiotek洗
浄器内で200μlのHBSS(Hank’s Balanced Salt
Solution)で二回洗浄し、最後の洗浄後、緩衝液100μlを残す。
【0872】 1mg/ml fluo−4のストック溶液を10%プルロン酸(pluro
nic acid)DMSOで作製する。細胞にfluo−4を負荷するため、
12μg/ml fluo−4(50μl)を各ウェルに添加する。このプレー
トをCO2インキュベーター中、37℃で60分間インキュベートする。プレー
トをBiotek洗浄器で、HBSSにより4回洗浄し、緩衝液100μlを残
す。
【0873】 非接着細胞については、細胞を培養培地からスピンダウンする。細胞を、50
mlのコニカルチューブ内でHBSSを用いて2〜5×106細胞/mlに再懸
濁する。細胞懸濁液1mlあたり、1mg/ml fluo−4の10%プルロ
ン酸DMSO溶液4μlを加える。次に、チューブを37℃の水浴中に30〜6
0分間置く。細胞をHBSSで二回洗浄し、1×106細胞/mlに再懸濁し、
そしてマイクロプレートに100μl/ウェルずつ分配する。プレートを100
0rpmで5分間遠心分離する。次に、プレートをDenley CellWa
sh中で200μlで一回洗浄した後、吸引工程により最終容量を100μlに
する。
【0874】 非細胞ベースのアッセイについては、各ウェルは、fluo−4のような蛍光
分子を含有する。上清をウェルに添加し、そして蛍光変化を検出する。
【0875】 細胞内カルシウムの蛍光を測定するため、FLIPRを以下のパラメーターに
ついて設定する:(1)システムゲインは、300〜800mWであり;(2)
曝露時間は、0.4秒間であり;(3)カメラF/ストップは、F/2であり;
(4)励起は488nmであり;(5)発光は530nmであり;そして(6)
サンプル添加は50μlである。530nmにおける発光の増加は、細胞内Ca ++ 濃度の増加を生じる、細胞外シグナル伝達事象を示す。
【0876】 (実施例19:チロシンキナーゼ活性を同定する高処理能力スクリーニングア
ッセイ) プロテインチロシンキナーゼ(PTK)は、多様な群の膜貫通キナーゼおよび
細胞質キナーゼを表す。レセプタープロテインチロシンキナーゼ(RPTK)群
内に、PDGF、FGF、EGF、NGF、HGFおよびインスリンレセプター
サブファミリーを含む、一定の範囲の有糸分裂促進性(mitogenic)お
よび代謝性成長因子のレセプターがある。さらに、対応するリガンドが未知であ
る大きなRPTKファミリーがある。RPTKのリガンドは、主として分泌され
る低分子量タンパク質を含むが、膜結合型および細胞外マトリックスタンパク質
も含む。
【0877】 リガンドによるRPTKの活性化は、リガンド媒介レセプター二量体化を含み
、これはレセプターサブユニットのトランスリン酸化および細胞質チロシンキナ
ーゼの活性化を生じる。細胞質チロシンキナーゼとしては、srcファミリー(
例えば、src、yes、lck、lyn、fyn)のレセプター関連チロシン
キナーゼ、ならびにJakファミリーのような非レセプター結合型および細胞質
ゾルプロテインチロシンキナーゼが挙げられる。これらのメンバーは、サイトカ
インスーパーファミリー(例えば、インターロイキン、インターフェロン、GM
−CSFおよびレプチン)のレセプターによって誘発されるシグナル伝達を媒介
する。
【0878】 チロシンキナーゼ活性を刺激し得る公知の因子は広範であるため、チロシンキ
ナーゼシグナル伝達経路を活性化し得るこれらの新規なヒト分泌タンパク質の同
定は興味深い。従って、以下のプロトコルを設計して、チロシンキナーゼシグナ
ル伝達経路を活性化し得る新規なヒト分泌タンパク質を同定する。
【0879】 標的細胞(例えば、初代ケラチノサイト)を約25,000細胞/ウェルの密
度で、Nalge Nunc(Naperville,IL)から購入した96
ウェルLoprodyne Silent Screen Plateに播種す
る。プレートを100%エタノールで30分間、二回リンスして滅菌し、水でリ
ンスした後、一晩乾燥させる。幾つかのプレートを、100mlの細胞培養グレ
ードI型コラーゲン(50mg/ml)、ゼラチン(2%)またはポリリジン(
50mg/ml)(これらは全て、Sigma Chemicals(St.L
ouis,MO)から購入し得る)で、またはBecton Dickinso
n(Bedford,MA)から購入した10%Matrigel、あるいは仔
ウシ血清で2時間コートし、PBSでリンスした後、4℃で保存する。増殖培地
に5,000細胞/ウェルを播種し、製造業者のAlamar Bioscie
nces,Inc.(Sacramento,CA)が記載するように、ala
marBlueを使用して48時間後に細胞数を間接定量することにより、これ
らのプレート上の細胞増殖をアッセイする。Becton Dickinson
(Bedford,MA)のFalconプレートカバー#3071を使用し、
Loprodyne Silent Screen Plateを覆う。Fal
con Microtest III細胞培養プレートもまた、いくつかの増殖
実験において使用し得る。
【0880】 抽出物を調製するため、A431細胞をLoprodyneプレートのナイロ
ン膜上に播種し(20,000/200ml/ウェル)、そして完全培地中で一
晩培養する。細胞を無血清基本培地中で24時間インキュベートして静止させる
。EGF(60ng/ml)または実施例11で生成した上清50μlで5〜2
0分間処理した後、培地を除去し、100mlの抽出緩衝液(20mM HEP
ES pH7.5、0.15M NaCl、1%TritonX−100,0.
1%SDS、2mM Na3VO4、2mM Na427およびBoeheri
nger Mannheim(Indianapolis,IN)から入手した
プロテアーゼインヒビターの混合物(#1836170))を各ウェルに添加し
、そしてプレートを回転振盪器上、4℃で5分間振盪する。次に、プレートを真
空トランスファーマニホルド(vacuum transfer manifo
ld)に設置し、そしてハウスバキュームを使用して抽出物を各ウェルの底の0
.45mm膜で濾過する。抽出物をバキュームマニホールドの底の96ウェル捕
獲/アッセイプレートに集め、そして直ちに氷上に置く。遠心分離により明澄化
した抽出物を得るため、界面活性剤で5分間可溶化した後、各ウェルの含有物を
取り出し、4℃、16,000×gで15分間遠心分離する。
【0881】 濾過抽出物をチロシンキナーゼ活性のレベルについて試験する。チロシンキナ
ーゼ活性を検出する多数の方法が公知であるが、本明細書においては方法の一つ
を記載する。
【0882】 一般的に、特定の基質(ビオチン化ペプチド)上のチロシン残基をリン酸化す
る能力を決定することにより、上清のチロシンキナーゼ活性を評価する。この目
的に使用し得るビオチン化ペプチドとしては、PSK1(細胞分裂キナーゼcd
c2−p34のアミノ酸6〜20に相当)およびPSK2(ガストリンのアミノ
酸1〜17に相当)が挙げられる。両ペプチドは、一連のチロシンキナーゼの基
質であり、Boehringer Mannheimから入手可能である。
【0883】 以下の成分を順に添加することにより、チロシンキナーゼ反応を設定する。ま
ず、5μMビオチン化ペプチド10μlを添加した後、順に、ATP/Mg2+
5mM ATP/50mM MgCl2)10μl、5×アッセイ緩衝液(40
mM塩酸イミダゾール、pH7.3、40mM β−グリセロリン酸塩、1mM
EGTA、100mM MgCl2、5mM MnCl2、0.5mg/ml
BSA)10μl、バナジン酸ナトリウム(1mM)5μl、最後に水5μlを
加える。成分を穏やかに混合し、反応混合物を30℃で2分間プレインキュベー
トする。コントロール酵素または濾過上清10μlを加えて反応を開始させる。
【0884】 次に、120mM EDTA 10μlを添加することによりチロシンキナー
ゼアッセイ反応を停止し、その反応物を氷上に置く。
【0885】 反応混合物の50μlのアリコートをマイクロタイタープレート(MTP)モ
ジュールに移し、37℃で20分間インキュベートすることにより、チロシンキ
ナーゼ活性を測定する。これにより、ストレプトアビジン(streptava
din)コーティング96ウェルプレートをビオチン化ペプチドと会合させる。
MTPモジュールを300μl/ウェルのPBSで4回洗浄する。次に、西洋ワ
サビペルオキシダーゼに結合体化した抗ホスホチロシン(phospotyro
sine)抗体(抗P−Tyr−POD(0.5u/ml))75μlを、各ウ
ェルに添加した後、37℃で1時間インキュベートする。ウェルを上記のように
洗浄する。
【0886】 次に、ペルオキシダーゼ基質溶液(Boehringer Mannheim
)100μlを加え、室温で少なくとも5分間(最長30分間)インキュベート
する。ELISAリーダーを使用して、405nmにおけるサンプルの吸光度を
測定する。結合したペルオキシダーゼ活性のレベルをELISAリーダーを使用
して定量し、これは、チロシンキナーゼ活性のレベルを反映する。
【0887】 (実施例20:リン酸化活性を同定する高処理能力スクリーニングアッセイ) 実施例19に記載のプロテインチロシンキナーゼ活性アッセイの可能性のある
代替物および/または補完物(compliment)として、主要な細胞内シ
グナル伝達中間体の活性化(リン酸化)を検出するアッセイもまた使用し得る。
例えば、下記のように、一つの特定のアッセイは、Erk−1およびErk−2
キナーゼのチロシンリン酸化を検出し得る。しかし、Raf、JNK、p38M
AP、Mapキナーゼキナーゼ(MEK)、MEKキナーゼ、Src、筋肉特異
的キナーゼ(MuSK)、IRAK、TecおよびJanusのような他の分子
、ならびに他の任意のホスホセリン、ホスホチロシンまたはホスホスレオニン分
子のリン酸化を、以下のアッセイにおいてこれらの分子でErk−1またはEr
k−2を置き換えることにより検出し得る。
【0888】 詳細には、96ウェルELISAプレートのウェルをプロテインG(1μg/
ml)0.1mlにより室温(RT)で2時間コーティングしてアッセイプレー
トを作製する。次に、プレートをPBSでリンスし、3%BSA/PBSにより
RTで1時間ブロックする。次に、プロテインGプレートをErk−1およびE
rk−2に対する二つの市販のモノクローナル抗体(100ng/ウェル)(S
anta Cruz Biotechnology)で処理(RTで1時間)す
る。(他の分子を検出するために、上記の任意の分子を検出するモノクローナル
抗体を交換することにより、この工程を容易に改変し得る)。PBSで3〜5回
リンスした後、使用時まで、プレートを4℃で貯蔵する。
【0889】 A431細胞を20,000/ウェルで96ウェルLoprodyneフィル
タープレートに播種し、増殖培地中で一晩培養する。次に、細胞を基本培地(D
MEM)中で48時間飢餓させた後、EGF(6ng/ウェル)または実施例1
1で得た上清50μlで5〜20分間処理する。次に、細胞を可溶化し、抽出物
を濾過して直接アッセイプレート中に入れる。
【0890】 抽出物を用いてRTで1時間インキュベートした後、ウェルを再度リンスする
。陽性コントロールとして、市販のMAPキナーゼ調製物(10ng/ウェル)
をA431抽出物の代わりに使用する。次に、プレートを、Erk−1およびE
rk−2キナーゼのリン酸化エピトープを特異的に認識する市販のポリクローナ
ル(ウサギ)抗体(1μg/ml)で処理する(RTで1時間)。この抗体を標
準的な手順によりビオチン化する。次に、結合ポリクローナル抗体をユーロピウ
ムストレプトアビジンおよびユーロピウム蛍光増強剤とWallac DELF
IA装置内で連続的にインキュベートする(時間分解性蛍光)ことによって定量
する。バックグラウンドを超える蛍光シグナルの増加は、リン酸化を示す。
【0891】 (実施例21:ポリヌクレオチドに対応する遺伝子における変化の決定方法) 目的の表現型(例えば、疾患)を提示する家族全員または個々の患者から単離
されたRNAを単離する。次に、cDNAをこれらのRNAサンプルから当該分
野で公知のプロトコルを使用して生成する(Sambrookを参照のこと)。
次に、このcDNAを、配列番号Xにおける目的の領域を取り囲むプライマーを
用いるPCRのテンプレートとして使用する。示唆されるPCR条件は、Sid
ransky,D.ら、Science 252:706(1991)に記載の
緩衝溶液を使用し、95℃で30秒間;52〜58℃で60〜120秒間;およ
び70℃で60〜120秒間の35サイクルからなる。
【0892】 次に、PCR産物を、SequiTherm Polymerase(Epi
centre Technologies)を用い、5’末端にT4ポリヌクレ
オチドキナーゼで標識したプライマーを使用して配列決定する。選択したエキソ
ンのイントロン−エキソン境界もまた決定し、ゲノムPCR産物を分析してその
結果を確認する。次に、疑わしい変異を有するPCR産物のクローン化および配
列決定を行い、直接配列決定の結果を確認する。
【0893】 PCR産物を、Holton,T.A.およびGraham,M.W.,Nu
cleic Acids Research,19:1156(1991)に記
載のようにTテールベクターにクローン化し、T7ポリメラーゼ(United
States Biochemical)で配列決定する。罹患個体を、非罹
患個体には存在しない変異により同定する。
【0894】 ゲノム再配置もまた、ポリヌクレオチドに対応する遺伝子における改変を決定
する方法として観察する。実施例2に従って単離したゲノムクローンを、ジゴキ
シゲニンデオキシ−ウリジン5’−三リン酸(Boehringer Manh
eim)を用いてニックトランスレーションし、そしてJohnson, Cg
.ら、Methods Cell Biol. 35: 73−99(1991
)に記載のようにFISHを行う。対応するゲノムの遺伝子座への特異的ハイブ
リダイゼーションのために、大過剰のヒトcot−1 DNAを用いて標識プロ
ーブとのハイブリダイゼーションを行う。
【0895】 染色体を、4,6−ジアミノ−2−フェニリドールおよびヨウ化プロピジウム
で対比染色し、CバンドおよびRバンドの組み合わせを生成する。正確なマッピ
ングのための整列イメージを、三重バンドフィルターセット(Chroma T
echnology,Brattleboro,VT)と冷却電荷結合素子カメ
ラ(Photometrics,Tucson,AZ)および可変励起波長フィ
ルター(Johnson,Cv.ら、Genet.Anal.Tech.App
l.,8:75(1991))とを組み合わせて用いて得る。ISee Gra
phical Program System (Inovision Cor
poration, Durham, NC)を使用して、イメージ収集、分析
および染色体部分長測定を行う。プローブがハイブリダイズしたゲノム領域の染
色体変化を、挿入、欠失および転座として同定する。これらの変化を関連疾患の
診断マーカーとして使用する。
【0896】 (実施例22:生物学的サンプル中のポリペプチドの異常レベルを検出する方
法) 本発明のポリペプチドは生物学的サンプル中で検出され得、そしてポリペプチ
ドレベルの上昇または低下が検出されるなら、このポリペプチドは、特定表現型
のマーカーである。検出方法は数多くあり、そしてそれ故、当業者は以下のアッ
セイをそれらの特定の必要性に適合するように改変し得ることが理解される。
【0897】 例えば、抗体サンドイッチELISAを使用し、サンプル中、好ましくは、生
物学的サンプル中のポリペプチドを検出する。マイクロタイタープレートのウェ
ルを、特異的抗体を最終濃度0.2〜10μg/mlで用いてコーティングする
。この抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルのいずれかであって、実施
例10に記載の方法により産生される。ウェルに対するポリペプチドの非特異的
結合が減少するように、このウェルをブロックする。
【0898】 次に、コーティングしたウェルを、ポリペプチド含有サンプルを用いてRTで
2時間を超えてインキュベートする。好ましくは、サンプルの系列希釈を使用し
て結果を確認すべきである。次に、プレートを脱イオン水または蒸留水で三回洗
浄し、非結合ポリペプチドを除去する。
【0899】 次に、特異的抗体−アルカリホスファターゼ結合体50μlを25〜400n
gの濃度で加え、室温で2時間インキュベートする。プレートを再び脱イオン水
または蒸留水で三回洗浄し、未結合の結合体を除去する。
【0900】 4−メチルウンベリフェリルリン酸(MUP)またはp−ニトロフェニルリン
酸(NPP)基質溶液75μlを各ウェルに添加し、そして室温で1時間インキ
ュベートする。反応物をマイクロタイタープレートリーダーにより測定する。コ
ントロールサンプルの系列希釈を使用して標準曲線を作成し、そしてX軸(対数
スケール)にポリペプチド濃度を、そしてY軸(直線スケール)に蛍光または吸
光度をプロットする。標準曲線を用いてサンプル中のポリペプチド濃度を補間す
る。
【0901】 (実施例23:ポリペプチドの処方) 分泌ポリペプチド組成物を、個々の患者の臨床状態(特に、分泌ポリペプチド
単独処置の副作用)、送達部位、投与方法、投与計画および当業者に公知の他の
因子を考慮に入れ、医療実施基準(good medical practic
e)を遵守する方式で処方および投薬する。従って、本明細書において目的とす
る「有効量」は、このような考慮を行って決定される。
【0902】 一般的提案として、用量当り、非経口的に投与される分泌ポリペプチドの合計
薬学的有効量は、患者体重の、約1μg/kg/日〜10mg/kg/日の範囲
にあるが、上記のようにこれは治療的裁量に委ねられる。さらに好ましくは、こ
のホルモンについて、この用量は、少なくとも0.01mg/kg/日、最も好
ましくはヒトに対して約0.01mg/kg/日と約1mg/kg/日との間で
ある。連続投与する場合、代表的には、分泌ポリペプチドを約1μg/kg/時
間〜約50μg/kg/時間の投薬速度で1日に1〜4回の注射かまたは連続皮
下注入(例えばミニポンプを用いる)のいずれかにより投与する。静脈内用バッ
グ溶液もまた使用し得る。変化を観察するために必要な処置期間および応答が生
じる処置後の間隔は、所望の効果に応じて変化するようである。
【0903】 本発明の分泌タンパク質を含む薬学的組成物を、経口的、直腸内、非経口的、
槽内(intracistemally)、膣内、腹腔内、局所的(粉剤、軟膏
、ゲル、点滴剤、または経皮パッチによるなど)、口内あるいは経口または鼻腔
スプレーとして投与する。「薬学的に受容可能なキャリア」とは、非毒性の固体
、半固体または液体の充填剤、希釈剤、被包材または任意の型の製剤補助剤をい
う。本明細書で用いる用語「非経口的」とは、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内
、皮下および関節内の注射および注入を含む投与の様式をいう。
【0904】 分泌ポリペプチドはまた、徐放性システムにより適切に投与される。徐放性組
成物の適切な例は、例えば、フィルムまたはマイクロカプセルの成形品の形態の
半透過性ポリマーマトリックスを包含する。徐放性マトリックスとしては、ポリ
ラクチド(米国特許第3,773,919号、EP58,481)、L−グルタ
ミン酸およびγ−エチル−L−グルタメートのコポリマー(Sidman, U
.ら、Biopolymers 22:547−556(1983))、ポリ(
2−ヒドロキシエチルメタクリレート)(R.Langerら、J.Biome
d.Mater.Res.15:167−277(1981)、およびR.La
nger,Chem.Tech.12:98−105(1982))、エチレン
ビニルアセテート(R.Langerら)またはポリ−D−(−)−3−ヒドロ
キシ酪酸(EP133,988)が挙げられる。徐放性組成物はまた、リポソー
ムに封入されたポリペプチドを包含する。分泌ポリペプチドを含有するリポソー
ムは、それ自体が公知である方法により調製される:DE3,218,121;
Epsteinら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:3
688−3692(1985);Hwangら、Proc.Natl.Acad
.Sci.USA 77:4030−4034(1980);EP52,322
;EP36,676;EP88,046;EP143,949;EP142,6
41;日本国特許出願第83−118008号;米国特許第4,485,045
号および同第4,544,545号ならびにEP第102,324号。通常、リ
ポソームは、小さな(約200〜800Å)ユニラメラ型であり、そこでは、脂
質含有量は、約30モル%コレステロールよりも多く、選択された割合が、最適
分泌ポリペプチド治療のために調整される。
【0905】 非経口投与のために、1つの実施態様において、一般に、分泌ポリペプチドは
、それを所望の程度の純度で、薬学的に受容可能なキャリア、すなわち用いる投
薬量および濃度でレシピエントに対して毒性がなく、かつ処方物の他の成分と適
合するものと、単位投薬量の注射可能な形態(溶液、懸濁液または乳濁液)で混
合することにより処方される。例えば、この処方物は、好ましくは、酸化剤、お
よびポリペプチドに対して有害であることが知られている他の化合物を含まない
【0906】 一般に、ポリペプチドを液体キャリアまたは微細分割固体キャリアあるいはそ
の両方と均一および緊密に接触させて処方物を調製する。次に、必要であれば、
生成物を所望の処方物に成形する。好ましくは、キャリアは、非経口的キャリア
、より好ましくはレシピエントの血液と等張である溶液である。このようなキャ
リアビヒクルの例としては、水、生理食塩水、リンゲル溶液およびデキストロー
ス溶液が挙げられる。不揮発性油およびオレイン酸エチルのような非水性ビヒク
ルもまた、リポソームと同様に本明細書において有用である。
【0907】 キャリアは、等張性および化学安定性を高める物質のような微量の添加剤を適
切に含有する。このような物質は、用いる投薬量および濃度でレシピエントに対
して毒性がなく、このような物質としては、リン酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩
、酢酸および他の有機酸またはその塩類のような緩衝剤;アスコルビン酸のよう
な抗酸化剤;低分子量(約10残基より少ない)ポリペプチド(例えば、ポリア
ルギニンまたはトリペプチド);血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリ
ンのようなタンパク質;ポリビニルピロリドンのような親水性ポリマー;グリシ
ン、グルタミン酸、アスパラギン酸またはアルギニンのようなアミノ酸;セルロ
ースまたはその誘導体、ブドウ糖、マンノースまたはデキストリンを含む、単糖
類、二糖類、および他の炭水化物;EDTAのようなキレート剤;マンニトール
またはソルビトールのような糖アルコール;ナトリウムのような対イオン;およ
び/またはポリソルベート、ポロキサマーもしくはPEGのような非イオン性界
面活性剤が挙げられる。
【0908】 分泌ポリペプチドは、代表的には約0.1mg/ml〜100mg/ml、好
ましくは1〜10mg/mlの濃度で、約3〜8のpHで、このようなビヒクル
中に処方される。前記の特定の賦形剤、キャリアまたは安定化剤を使用すること
により、ポリペプチド塩が形成されることが理解される。
【0909】 治療的投与に用いられるべき任意のポリペプチドは無菌状態であり得る。滅菌
濾過膜(例えば0.2ミクロンメンブレン)で濾過することにより無菌状態は容
易に達成される。一般に、治療用ポリペプチド組成物は、滅菌アクセスポートを
有する容器、例えば、皮下用注射針で穿刺可能なストッパー付の静脈内用溶液バ
ッグまたはバイアルに配置される。
【0910】 ポリペプチドは、通常、単位用量または複数用量容器、例えば、密封アンプル
またはバイアルに、水溶液または再構成するための凍結乾燥処方物として貯蔵さ
れる。凍結乾燥処方物の例として、10mlのバイアルに、滅菌濾過した1%(
w/v)ポリペプチド水溶液5mlを充填し、そして得られる混合物を凍結乾燥
する。凍結乾燥したポリペプチドを注射用静菌水を用いて再構成して注入溶液を
調製する。
【0911】 本発明はまた、本発明の薬学的組成物の1つ以上の成分を満たした一つ以上の
容器を備える薬学的パックまたはキットを提供する。医薬品または生物学的製品
の製造、使用または販売を規制する政府機関が定めた形式の通知が、このような
容器に付属し得、この通知は、ヒトへの投与に対する製造、使用または販売に関
する政府機関による承認を表す。さらに、本発明のポリペプチドを他の治療用化
合物と組み合わせて使用し得る。
【0912】 (実施例24:ポリペプチドのレベル低下を処置する方法) 個体における分泌タンパク質の標準または正常発現レベルの低下により引き起
こされる状態は、本発明のポリペプチドを、好ましくは分泌形態で投与すること
により処置し得ることが理解される。従って、本発明はまた、ポリペプチドのレ
ベルの増加が必要な個体の処置方法を提供する。この方法は、このような個体に
、このような個体でポリペプチドの活性レベルを増加させる量のポリペプチドを
含む薬学的組成物を投与する工程を包含する。
【0913】 例えば、ポリペプチドのレベルが低下した患者は、ポリペプチドを、1日用量
0.1〜100μg/kgで6日続けて服用する。好ましくは、ポリペプチドは
分泌形態である。投与および処方物に基づく投薬計画の正確な詳細は、実施例2
3に提供されている。
【0914】 (実施例25:ポリペプチドのレベル上昇を処置する方法) アンチセンス技術を使用して本発明のポリペプチドの産生を阻害する。この技
術は、ガンのような様々な病因に起因するポリペプチド、好ましくは分泌形態の
ポリペプチドのレべルを低下させる方法の1つの例である。
【0915】 例えば、ポリペプチドのレベルが異常に上昇したと診断された患者に、アンチ
センスポリヌクレオチドを、0.5、1.0、1.5、2.0および3.0mg
/kg/日で静脈内に21日間投与する。この処置に対して十分な耐性があれば
、7日間の休薬期間後に、この処置を繰り返す。アンチセンスポリヌクレオチド
処方物は、実施例23に提供されている。
【0916】 (実施例26:遺伝子治療を使用する処置方法) 遺伝子治療の1つの方法は、ポリペプチドを発現し得る線維芽細胞を患者に移
植する方法である。一般に、線維芽細胞は、皮膚生検により被験者から得られる
。得られた組織を組織培養培地中に配置し、小片に分割する。小塊の組織を組織
培養フラスコの湿潤表面に置き、ほぼ10片を各フラスコに置く。このフラスコ
を倒置し、しっかりと閉めた後、室温で一晩放置する。室温で24時間後、フラ
スコを反転させ、組織塊をフラスコの底に固定させたままにし、そして新鮮培地
(例えば、10%FBS、ペニシリンおよびストレプトマイシンを含有するHa
mのF12培地)を添加する。次に、フラスコを37℃で約1週間インキュベー
トする。
【0917】 この時点で、新鮮培地を添加し、次いで数日ごとに取り換える。さらに二週間
培養した後に単層の線維芽細胞が出現する。単層をトリプシン処理し、さらに大
きなフラスコにスケールアップする。
【0918】 Moloneyマウス肉腫ウイルスの長末端反復が隣接するpMV−7(Ki
rschmeier,P.T.ら、DNA,7:219−25(1988))を
EcoRIおよびHindIIIで消化した後、仔ウシ腸ホスファターゼで処理
する。線状ベクターをアガロースゲルで分画し、そしてガラスビーズを使用して
精製する。
【0919】 本発明のポリペプチドをコードするcDNAを、実施例1に記載のそれぞれ5
’および3’末端配列に対応するPCRプライマーを使用して増幅し得る。好ま
しくは、5’プライマーはEcoRI部位を含み、そして3’プライマーはHi
ndIII部位を含む。等量の、Moloneyマウス肉腫ウイルス線状骨格お
よび増幅したEcoRIおよびHindIIIフラグメントを、T4 DNAリ
ガーゼの存在下で一緒に加える。得られた混合物を二つのフラグメントを連結す
るのに適した条件下で維持する。次に、連結混合物を使用し、細菌HB101を
形質転換する。次に、それを、カナマイシンを含む寒天上にプレーティングし、
ベクターが正確に挿入された目的の遺伝子を有することを確認する。
【0920】 アンフォトロピックpA317またはGP+am12パッケージング細胞を、
10%仔ウシ血清(CS)、ペニシリンおよびストレプトマイシンを含むDul
becco改変Eagles培地(DMEM)中、組織培養でコンフルエントな
密度まで増殖させる。次に、遺伝子を含むMSVベクターを培地に加え、パッケ
ージング細胞にベクターを形質導入する。このとき、パッケージング細胞は遺伝
子を含む感染性ウイルス粒子を産生する(ここで、パッケージング細胞をプロデ
ューサー細胞という)。
【0921】 形質導入されたプロデューサー細胞に新鮮培地を添加し、次いで培地を10c
mプレートのコンフルエントなプロデューサー細胞から採取する。感染性ウイル
ス粒子を含む使用済み培地をミリポアーフィルターを通して濾過し、はがれたプ
ロデューサー細胞を除去した後、この培地を使用して、線維芽細胞を感染させる
。線維芽細胞のサブコンフルエントなプレートから培地を除去し、そしてプロデ
ューサー細胞からの培地で速やかに置き換える。この培地を除去し、そして新鮮
培地と置き換える。ウイルスの力価が高ければ、実質的にすべての線維芽細胞が
感染され、選択は必要ではない。力価が非常に低ければ、neoまたはhisの
ような選択マーカーを有するレトロウイルスベクターを使用することが必要であ
る。一旦、線維芽細胞が効率的に感染したなら、線維芽細胞を分析し、タンパク
質が産生されているか否かを決定する。
【0922】 次に、操作された線維芽細胞を、単独で、またはサイトデックス3マイクロキ
ャリアビーズ上でコンフルエントに増殖させた後のいずれかで宿主に移植する。
【0923】 (実施例27:遺伝子治療を使用する処置方法−インビボ) 本発明の別の局面は、障害、疾患、および状態を処置するためにインビボ遺伝
子治療方法を使用することである。遺伝子治療法は、本発明のポリペプチドの発
現を増大または減少させるために、裸の核酸(DNA、RNA、およびアンチセ
ンスDNAまたはRNA)配列の動物への導入に関する。本発明のポリヌクレオ
チドは、プロモーターまたは標的組織によるポリペプチドの発現に必要な任意の
他の遺伝子エレメントに作動可能に連結され得る。このような遺伝子治療および
送達の技術および方法は、当該分野で公知であり、例えば、WO90/1109
2、WO98/11779;米国特許第5693622号、第5705151号
、第5580859号;Tabata Hら、(1997) Cardiova
sc. Res. 35(3):470−479, Chao Jら、(199
7) Pharmacol. Res. 35(6):517−522, Wo
lff J.A.(1997) Neuromuscul.Disord.7(
5):314−318, Schwartz B.ら(1996) Gene
Ther. 3(5):405−411, Tsurumi Y.ら、(199
6)Circulation 94(12):3281−3290(本明細書中
に参考として援用される)を参照のこと。
【0924】 ポリヌクレオチド構築物は、注射可能な物質を動物の細胞に送達する任意の方
法(例えば、組織(心臓、筋肉、皮膚、肺、肝臓、腸など)の間隙空間への注射
)によって送達され得る。これらのポリヌクレオチド構築物は、薬学的に受容可
能な液体または水性キャリア中で送達され得る。
【0925】 用語「裸の」ポリヌクレオチド、DNAまたはRNAは、細胞への侵入を補助
、促進または容易にするように作用するいかなる送達ビヒクル(ウイルス配列、
ウイルス粒子、リポソーム処方物、リポフェクチン、または沈澱剤などを含む)
も含まない配列をいう。しかし、本発明のポリヌクレオチドはまた、当業者に周
知の方法によって調製され得るリポソーム処方物(例えば、Felgner P
.L.ら (1995) Ann. NY Acad. Sci. 772:1
26−139およびAbdallah B.ら(1995)Biol. Cel
l 85(1):1−7で教示されたもの)中で送達され得る。
【0926】 遺伝子治療方法において使用されたポリヌクレオチドベクター構築物は、好ま
しくは、宿主ゲノムに組み込まれず、複製を可能にする配列を含まない構築物で
ある。当業者に公知の任意の強力なプロモーターは、DNAの発現を駆動するた
めに用いられ得る。他の遺伝子治療技術とは異なり、裸の核酸配列を標的細胞に
導入する1つの主要な利点は、細胞におけるポリヌクレオチド合成の一過性の性
質である。研究によって、非複製DNA配列が細胞に導入されて、6ヶ月までの
間の期間、所望のポリペプチドの産生を提供し得ることが示された。
【0927】 ポリヌクレオチド構築物は、動物内の組織(筋肉、皮膚、脳、肺、肝臓、脾臓
、骨髄、胸腺、心臓、リンパ、血液、骨、軟骨、膵臓、腎臓、胆嚢、胃、腸、精
巣、卵巣、子宮、直腸、神経系、眼、腺、および結合組織を包含する)の間隙空
間に送達され得る。組織の間隙空間は、細胞間液、器官組織の細網線維間のムコ
多糖基質、血管または室の壁における弾性線維、線維性組織におけるコラーゲン
線維、結合組織鞘性筋肉細胞内または骨の裂孔中の同じ基質を包含する。これは
、同様に、循環の血漿およびリンパチャンネルのリンパ液により占められた空間
である。筋肉組織の間隙空間への送達は、以下に記載の理由のために好ましい。
それらは、これらの細胞を含む組織への注射によって、好都合に送達され得る。
それらは、好ましくは、分化した持続性の非分裂細胞に送達され、その細胞にお
いて発現されるが、送達および発現は、非分化細胞または完全には分化していな
い細胞(例えば、血液の幹細胞または皮膚線維芽細胞)において達成され得る。
インビボ筋肉細胞は、ポリヌクレオチドを取り込み、そして発現する能力におい
て、特に適格である。
【0928】 裸のポリヌクレオチド注射のために、DNAまたはRNAの有効投薬量は、約
0.05g/kg体重から約50mg/kg体重の範囲にある。好ましくは、投
薬量は、約0.005mg/kgから約20mg/kgであり、そしてより好ま
しくは、約0.05mg/kgから約5mg/kgである。もちろん、当業者が
認識するように、この投薬量は、注射の組織部位に従って変化する。核酸配列の
適切かつ有効な投薬量は、当業者によって容易に決定され得、そして処置される
状態および投与経路に依存し得る。好ましい投与経路は、組織の間隙空間への非
経口注射経路によってである。しかし、他の非経口経路もまた用いられ得、これ
には、例えば、特に肺または気管支組織、咽喉または鼻の粘膜への送達のための
エアロゾル処方物の吸入が挙げられる。さらに、裸のポリヌクレオチド構築物が
、血管形成術の間にこの手順において用いられるカテーテルによって動脈に送達
され得る。
【0929】 インビボでの筋肉における注入ポリヌクレオチドの用量応答効果を、以下のよ
うにして決定する。本発明のポリペプチドをコードするmRNAの生成のための
適切な鋳型DNAを、標準的な組換えDNA方法論に従って調製する。鋳型DN
A(これは環状または直鎖状のいずれかであり得る)を裸のDNAとして使用す
るか、またはリポソームと複合体化するかのいずれかである。次いで、マウスの
四頭筋に、多様な量の鋳型DNAを注射する。
【0930】 5〜6週齢の雌および雄のBalb/Cマウスに、0.3mlの2.5%Av
ertinを腹腔内注射することにより麻酔する。1.5cmの切開を大腿前部
で行い、そして四頭筋を直接可視化する。鋳型DNAを、0.1mlのキャリア
に入れて、1cc注射器で27ゲージ針を通して1分間にわたって、筋肉の遠位
挿入部位から膝に約0.5cmで、約0.2cmの深さで注射する。縫合を、将
来的な局在化のための注射部位にわたって行い、そして皮膚をステンレス鋼クリ
ップで閉じる。
【0931】 適切なインキュベーション時間(例えば、7日)後、筋肉抽出物を、四頭全体
を切り出すことによって調製する。個々の四頭筋の5枚毎の15μm切片を、タ
ンパク質発現について組織化学的に染色する。タンパク質発現についての時間経
過は、異なるマウスからの四頭を異なる時間で採取すること以外は、同様な様式
で行い得る。注射後の筋肉中のDNAの持続性を、注射マウスおよびコントロー
ルマウスからの全細胞性DNAおよびHIRT上清を調製した後、サザンブロッ
ト分析によって決定し得る。マウスにおける上記実験の結果は、裸のDNAを用
いて、ヒトおよび他の動物において適切な投薬量および他の処置パラメーターを
推定するために使用され得る。
【0932】 (実施例28:トランスジェニック動物) 本発明のポリペプチドはまた、トランスジェニック動物において発現され得る
。マウス、ラット、ウサギ、ハムスター、モルモット、ブタ、ミニブタ(mic
ro−pig)、ヤギ、ヒツジ、ウシおよびヒト以外の霊長類(例えば、ヒヒ、
サルおよびチンパンジー)を含むがこれらに限定されない任意の種の動物は、ト
ランスジェニック動物を作製するために用いられ得る。特定の実施態様において
、本明細書に記載されるかまたはさもなければ当該分野で公知の技術が、遺伝子
治療プロトコルの一部として、ヒトにおける本発明のポリペプチドの発現のため
に用いられる。
【0933】 当該分野で公知の任意の技術を、導入遺伝子(すなわち、本発明のポリヌクレ
オチド)の動物への導入に用いて、トランスジェニック動物の創始系統(fou
nder line)を生成し得る。このような技術は、前核マイクロインジェ
クション(Patersonら、Appl.Microbiol.Biotec
hnol.40:691−698(1994);Carverら、Biotec
hnology(NY)11:1263−1270(1993);Wright
ら、Biotechnology(NY)9:830−834(1991);お
よびHoppeら、米国特許第4,873,191号(1989));生殖系列
(Van der Puttenら、Proc.Natl.Acad.Sci.
USA 82:6148−6152(1985))、胚盤胞または胚へのレトロ
ウイルス媒介遺伝子移入;胚幹細胞における遺伝子標的化(Thompsonら
、Cell 56:313−321(1989));細胞または胚のエレクトロ
ポレーション(Lo、1983、Mol Cell.Biol.3:1803−
1814(1983));遺伝子銃を用いた本発明のポリヌクレオチドの導入(
例えば、Ulmerら、Science 259:1745(1993)を参照
のこと);胚多能性(pleuripotent)幹細胞への核酸構築物の導入
および胚盤胞へのこの幹細胞の再移入;ならびに精子媒介遺伝子移入(Lavi
tranoら、Cell 57:717−723(1989));などを含むが
これらに限定されない。このような技術の総説については、本明細書中にその全
体が参考として援用される、Gordon、「Transgenic Anim
als」、Intl.Rev.Cytol.115:171−229(1989
)を参照のこと。
【0934】 当該分野で公知の任意の技術を用いて、本発明のポリヌクレオチドを含むトラ
ンスジェニッククローンを生成し得る(例えば、培養された、静止状態に誘導さ
れた胚細胞、胎児細胞または成体の細胞由来の除核した卵母細胞の核への核移入
(Campellら、Nature 380:64−66(1996);Wil
mutら、Nature 385:810−813(1997)))。
【0935】 本発明は、その全ての細胞に導入遺伝子を有するトランスジェニック動物、な
らびにいくつかの細胞(しかしその全ての細胞ではない)に導入遺伝子を有する
動物(すなわち、モザイク動物またはキメラ)を提供する。導入遺伝子は、1つ
の導入遺伝子としてまたはコンカテマー(例えば、頭−頭タンデム型または頭−
尾タンデム型)のような複数のコピーとして組み込まれ得る。この導入遺伝子は
また、例えば、Laskoらの教示(Laskoら、Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA 89:6232−6236(1992))に従って特定
の細胞型に選択的に導入され得、そして活性化され得る。このような細胞型特異
的活性化に必要とされる調節配列は、目的の特定の細胞型に依存し、そしてそれ
らは当業者に明らかである。ポリヌクレオチド導入遺伝子が、内在性遺伝子の染
色体部位に組み込まれることが所望される場合、遺伝子の標的化が好ましい。手
短に言えば、このような技術が、利用されるべきである場合、内在性遺伝子に対
して相同ないくつかのヌクレオチド配列を含むベクターが、染色体配列との相同
な組換えを介して内在性遺伝子のヌクレオチド配列に組み込まれ、そのヌクレオ
チド配列の機能を破壊することを目的として設計される。導入遺伝子はまた、特
定の細胞型に選択的に導入され得、従って、例えば、Guら(Guら、Scie
nce 265:103−106(1994))の教示に従って、導入された細
胞型においてのみ内在性遺伝子が不活化される。そのような細胞型特異的不活化
に必要とされる調節配列は、目的の特定の細胞型に依存し、そしてそれらは当業
者に明らかである。
【0936】 一旦トランスジェニック動物が作製されると、その組換え遺伝子の発現は、標
準的な技術を利用してアッセイされ得る。最初のスクリーニングは、サザンブロ
ット分析またはPCR技術によって達成されて、導入遺伝子の組み込みが起きた
ことを動物組織の分析により確認し得る。トランスジェニック動物の組織におけ
る導入遺伝子のmRNA発現レベルはまた、動物から得た組織サンプルのノーザ
ンブロット分析、インサイチュハイブリダイゼーション分析および逆転写酵素P
CR(rt−PCR)を含むがこれらに限定されない技術を用いて評価され得る
。トランスジェニック遺伝子発現組織のサンプルはまた、導入遺伝子産物に特異
的な抗体を用いて免疫細胞化学的または免疫組織化学的に評価され得る。
【0937】 一旦、創始動物が生成されると、それらは、交配され、同系交配され、異系交
配されるかまたは交雑されて、特定の動物のコロニーを生成し得る。そのような
交配戦略の例は、以下を含むがそれらに限定されない:別の系統を樹立するため
の1つより多くの組み込み部位を有する創始動物の異系交配;各導入遺伝子の相
加的発現効果によって、より高いレベルで導入遺伝子を発現する複合トランスジ
ェニックを生成するための別々の系統の同系交配;増強された発現およびDNA
分析による動物のスクリーニングの必要性の排除の両方のための、所定の組み込
み部位に対してホモ接合性の動物を生成するヘテロ接合性トランスジェニック動
物の交雑;複合ヘテロ接合性またはホモ接合性系統を生成するための別々のホモ
接合系統の交雑;ならびに目的の実験モデルに適切な異なるバックグラウンド上
に導入遺伝子を配置するための交配。
【0938】 本発明のトランスジェニック動物は、本発明のポリペプチドの生物学的機能の
詳述、異常な発現に関連する状態および/または障害の研究、ならびにこのよう
な状態および/または障害の改善に有効な化合物についてのスクリーニングに有
用な動物モデル系を含むがこれらに限定されない用途を有する。
【0939】 (実施例29:ノックアウト動物) 内因性遺伝子発現もまた、標的化された相同組換えを使用して遺伝子および/
またはそのプロモーターを不活性化あるいは「ノックアウトする」ことによって
減少し得る(例えば、Smithiesら、Nature 317:230−2
34(1985);ThomasおよびCapecchi、Cell 51:5
03−512(1987);Thompsonら、Cell 5:313−32
1(1989)を参照のこと;これらの各々は、本明細書中でその全体が参考と
して援用される)。例えば、内因性ポリヌクレオチド配列(この遺伝子のコード
領域または調節領域のいずれか)と相同性のDNAに隣接される、本発明の変異
体、非機能的なポリヌクレオチド(または完全に関連のないDNA配列)を、選
択マーカーおよび/またはネガティブ選択マーカーを用いてまたは用いずに使用
し、インビボで本発明のポリペプチドを発現する細胞をトランスフェクトし得る
。別の実施態様において、当該分野で公知の技術を、目的の遺伝子を含むが、発
現しない細胞中でノックアウトを生じるために使用する。標的化された相同性組
換えを介した、このDNA構築物の挿入は、標的化された遺伝子の不活性化を生
じる。このようなアプローチは、胚性幹細胞に対する改変が不活性な標的化され
た遺伝子を有する動物の子孫を作製するために使用され得る研究および農業分野
に特に適する(例えば、ThomasおよびCapecchi 1987および
Thompson 1989、前出を参照のこと)。しかし、このアプローチは
、当業者に明白な、適切なウイルスベクターを使用して、組換えDNA構築物が
インビボで要求された部位に直接投与され、または標的化される場合、ヒトにお
ける使用に慣用的に適合され得る。
【0940】 本発明のさらなる実施態様において、本発明のポリペプチドを発現するために
遺伝子操作される細胞、あるいは本発明のポリペプチドを発現しないように遺伝
子操作された細胞(例えば、ノックアウト)を、インビボで患者に投与する。こ
のような細胞は、患者(すなわち、ヒトを含む動物)またはMHC適合性ドナー
から入手され得、そして線維芽細胞、骨髄細胞、血球(例えば、リンパ球)、脂
肪細胞、筋細胞、内皮細胞などを含み得るが、それらに限定されない。この細胞
を、例えば、形質導入(ウイルスベクターおよび好ましくは細胞ゲノム中に導入
遺伝子を組み込むベクターを使用する)、またはトランスフェクション手順(プ
ラスミド、コスミド、YAC、裸のDNA、エレクトロポレーション、リポソー
ムなどの使用を含むが、これらに限定されない)によって、細胞中に本発明のポ
リペプチドのコード配列を導入するために、あるいはこのコード配列および/ま
たは本発明のポリペプチドに結合している内因性の調節配列を破壊するために、
組換えDNA技術を使用してインビトロで遺伝子操作する。本発明のポリペプチ
ドのコード配列を強力な構成的プロモーターもしくは誘導性プロモーターまたは
プロモーター/エンハンサーの制御下に配置し、本発明のポリペプチドの発現お
よび好ましくは分泌を達成し得る。本発明のポリペプチドを発現および好ましく
は分泌する操作した細胞を、例えば、循環中において、または腹腔内で患者中へ
全身的に導入し得る。
【0941】 あるいは、この細胞をマトリックスに組み込み得、そして身体に移植し得る(
例えば、遺伝子操作した線維芽細胞を皮膚移植片の一部として移植し得る);遺
伝子操作した内皮細胞をリンパ移植片または脈管移植片の一部として移植し得る
(例えば、Andersonら、米国特許第5,399,349号ならびにMu
lliganおよびWilson、米国特許第5,460,959号を参照のこ
と。これらの各々は、本明細書中でその全体が参考として援用される)。
【0942】 投与される細胞が非自己または非MHC適合性細胞である場合、それらを、こ
の導入細胞に対する宿主免疫応答の発生を妨害する周知の技術を使用して投与し
得る。例えば、この細胞を被包性の形態で導入し得、構成成分と即時の細胞外環
境との交換が可能である間は、導入細胞が宿主免疫系によって認識され得ない。
【0943】 本発明のトランスジェニックおよび「ノックアウト」動物は、本発明のポリペ
プチドの生物学的機能の詳述、異常な発現に関連する状態および/または障害の
研究、ならびにこのような状態および/または障害を寛解させる場合に有効な化
合物のスクリーニングにおいて有用な動物モデル系を含むが、それらに限定され
ない用途を有する。
【0944】 本発明は、前記の説明および実施例において詳細に記載される場合以外に実施
され得ることは明らかである。本発明の多数の改変および変更が、上記の教示を
考慮して可能であり、従って添付の特許請求の範囲内である。
【0945】 発明の背景、詳細な説明および実施例において引用された各文書の全開示(特
許、特許出願、学術文献、要約、実験マニュアル、書籍または他の開示を含む)
は、本明細書中に参考として援用される。さらに、本明細書にとともに提出され
た配列表のハードコピーおよび対応するコンピュ−ター読み出し形態は、両方と
も本明細書中にその全体が参考として援用される。
【0946】
【表5】
【0947】
【表6】
【0948】
【表7】
【0949】
【表8】
【0950】
【表9】
【0951】
【表10】
【0952】
【表11】
【0953】
【表12】
【0954】
【表13】
【0955】
【表14】
【0956】
【表15】
【0957】
【表16】
【0958】
【表17】
【0959】
【表18】
【0960】
【表19】
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/15 C12N 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 G01N 33/50 T C12P 21/02 33/68 G01N 33/50 C12Q 1/68 A 33/68 C12N 15/00 ZNAA // C12Q 1/68 5/00 A (31)優先権主張番号 60/092,956 (32)優先日 平成10年7月15日(1998.7.15) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,GH,G M,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (71)出願人 9410 Key West Avenue, Rockville, Marylan d 20850, United State s of America (72)発明者 コマトソーリス, ジョージ アメリカ合衆国 メリーランド 20901, シルバー スプリング, ガーウッド ストリート 9518 (72)発明者 デュアン, ロザンヌ ディー. アメリカ合衆国 メリーランド 20817, ベセスダ, ノースフィールド ロード 5515 (72)発明者 ローゼン, クレイグ エイ. アメリカ合衆国 メリーランド 20882, レイトンズビル, ローリング ヒル ロード 22400 (72)発明者 ムーア, ポール エイ. アメリカ合衆国 メリーランド 20874, ジャーマンタウン, レザーバーク ド ライブ 19005 (72)発明者 シ, ヤン−グ アメリカ合衆国 メリーランド 20878, ゲイザーズバーグ, ウエスト サイド ドライブ 437, アパートメント 102 (72)発明者 ラフルール, デイビッド ダブリュー. アメリカ合衆国 ワシントン, ディーシ ー 20015, ケサダ ストリート 3142 (72)発明者 エブナー, ラインハード アメリカ合衆国 メリーランド 20878, ゲイザーズバーグ, シェルバーン テ ラス ナンバー 316 9906 (72)発明者 オーセン, ヘンリック エス. アメリカ合衆国 メリーランド 20878, ゲイザーズバーグ, ケンドリック プ レイス ナンバー24 182 (72)発明者 ブルワー, ローリー エイ. アメリカ合衆国 ミネソタ 55119−4321, セント ポール, バン ダイク スト リート 410, アパートメント 115 (72)発明者 フローレンス, キンバリー エイ. アメリカ合衆国 メリーランド 20851, ロックビル, アトランティック アベ ニュー 12805 (72)発明者 ヤング, ポール イー. アメリカ合衆国 メリーランド 20878, ゲイザーズバーグ, ベックウィズ ス トリート 122 (72)発明者 ムチェンスキー, マイケル アメリカ合衆国 メリーランド 20850, ロックビル, キー ウエスト アベニ ュー 9410, ヒューマン ジノーム サ イエンシーズ, インコーポレイテッド内 (72)発明者 エンドレス, グレゴリー エイ. アメリカ合衆国 メリーランド 20854, ポトマック, クラゲット ファーム ドライブ 9729 (72)発明者 ソペット, ダニエル アール. アメリカ合衆国 バージニア 22020, センタービル, スティルフィールド プ レイス 15050

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単離された核酸分子であって、以下: (a)配列番号Xのポリヌクレオチドフラグメント、または配列番号Xにハイ
    ブリダイズし得るATCC寄託番号Zに含まれるcDNA配列のポリヌクレオチ
    ドフラグメント; (b)配列番号Yのポリペプチドフラグメント、または配列番号Xにハイブリ
    ダイズし得るATCC寄託番号Zに含まれるcDNA配列によってコードされる
    ポリペプチドフラグメントをコードする、ポリヌクレオチド; (c)配列番号Yのポリペプチドドメイン、または配列番号Xにハイブリダイ
    ズし得るATCC寄託番号Zに含まれるcDNA配列によってコードされるポリ
    ペプチドドメインをコードする、ポリヌクレオチド; (d)配列番号Yのポリペプチドエピトープ、または配列番号Xにハイブリダ
    イズし得るATCC寄託番号Zに含まれるcDNA配列によってコードされるポ
    リペプチドエピトープをコードする、ポリヌクレオチド; (e)生物学的活性を有する、配列番号Yのポリペプチドをコードするポリヌ
    クレオチド、または配列番号Xにハイブリダイズし得るATCC寄託番号Zに含
    まれるcDNA配列; (f)配列番号Xの改変体であるポリヌクレオチド; (g)配列番号Xの対立遺伝子改変体であるポリヌクレオチド; (h)配列番号Yの種相同体をコードするポリヌクレオチド; (i)(a)〜(h)において特定されるポリヌクレオチドのいずれか1つに
    ストリンジェント条件下でハイブリダイズし得るポリヌクレオチドであって、こ
    こで、該ポリヌクレオチドは、A残基のみまたはT残基のみのヌクレオチド配列
    を有する核酸分子に、ストリンジェント条件下でハイブリダイズしない、ポリヌ
    クレオチド、 からなる群から選択される配列に少なくとも95%同一のヌクレオチド配列を有
    するポリヌクレオチドを含む、単離された核酸分子。
  2. 【請求項2】 前記ポリヌクレオチドフラグメントが、分泌タンパク質をコ
    ードするヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の単離された核酸分子。
  3. 【請求項3】 前記ポリヌクレオチドフラグメントが、配列番号Yとして同
    定される配列、または配列番号Xにハイブリダイズし得るATCC寄託番号Zに
    含まれるcDNA配列によってコードされるポリペプチドをコードするヌクレオ
    チド配列を含む、請求項1に記載の単離された核酸分子。
  4. 【請求項4】 前記ポリヌクレオチドフラグメントが、配列番号Xの全体の
    ヌクレオチド配列、または配列番号Xにハイブリダイズし得るATCC寄託番号
    Zに含まれるcDNA配列を含む、請求項1に記載の単離された核酸分子。
  5. 【請求項5】 前記ヌクレオチド配列が、C末端またはN末端のいずれかか
    らの連続するヌクレオチド欠失を含む、請求項2に記載の単離された核酸分子。
  6. 【請求項6】前記ヌクレオチド配列が、C末端またはN末端のいずれかから
    の連続するヌクレオチド欠失を含む、請求項3に記載の単離された核酸分子。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の単離された核酸分子を含む、組換えベクタ
    ー。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の単離された核酸分子を含む、組換え宿主細
    胞を作製する方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の方法によって産生される、組換え宿主細胞
  10. 【請求項10】 ベクター配列を含む、請求項9に記載の組換え宿主細胞。
  11. 【請求項11】 単離されたポリペプチドであって、以下: (a)配列番号Y、またはATCC寄託番号Zに含まれるコードされた配列の
    、ポリペプチドフラグメント; (b)生物学的活性を有する、配列番号Y、またはATCC寄託番号Zに含ま
    れるコードされた配列の、ポリペプチドフラグメント; (c)配列番号Y、またはATCC寄託番号Zに含まれるコードされた配列の
    、ポリペプチドドメイン; (d)配列番号Y、またはATCC寄託番号Zに含まれるコードされた配列の
    、ポリペプチドエピトープ; (e)配列番号Y、またはATCC寄託番号Zに含まれるコードされた配列の
    、分泌形態; (f)配列番号Y、またはATCC寄託番号Zに含まれるコードされた配列の
    、全長タンパク質; (g)配列番号Yの改変体; (h)配列番号Yの対立遺伝子改変体;あるいは (i)配列番号Yの種相同体、 からなる群から選択される配列に少なくとも95%同一のアミノ酸配列を含む、
    単離されたポリペプチド。
  12. 【請求項12】 前記分泌形態または前記全長タンパク質が、C末端または
    N末端のいずれかからの連続するアミノ酸欠失を含む、請求項11に記載の単離
    されたポリペプチド。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載の単離されたポリペプチドに特異的に結
    合する、単離された抗体。
  14. 【請求項14】 請求項11に記載の単離されたポリペプチドを発現する、
    組換え宿主細胞。
  15. 【請求項15】 単離されたポリペプチドを作製する方法であって、以下: (a)該ポリペプチドが発現されるような条件下で、請求項14に記載の組換
    え宿主細胞を培養する工程;および (b)該ポリペプチドを回収する工程、 を包含する、方法。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の方法によって産生される、ポリペプチ
    ド。
  17. 【請求項17】 医学的状態を予防、処置、または緩和する方法であって、
    請求項11に記載のポリペプチドまたは請求項1に記載のポリヌクレオチドの治
    療有効量を、哺乳動物被験体に投与する工程を包含する、方法。
  18. 【請求項18】 被験体における病理学的状態、または病理学的状態に対す
    る感受性を診断する方法であって、以下: (a)請求項1に記載のポリヌクレオチドにおいて変異の存在または非存在を
    決定する工程;および (b)該変異の存在または非存在に基づいて病理学的状態、または病理学的状
    態に対する感受性を診断する工程、 を包含する、方法。
  19. 【請求項19】 被験体において病理学的状態、または病理学的状態に対す
    る感受性を診断する方法であって、以下: (a)生物学的サンプルにおいて請求項11に記載のポリペプチドの発現の存
    在または量を決定する工程、および (b)該ポリペプチドの発現の存在または量に基づいて病理学的状態、または
    病理学的状態に対する感受性を診断する工程、 を包含する、方法。
  20. 【請求項20】 請求項11に記載のポリペプチドに対する結合パートナー
    を同定する方法であって、以下: (a)請求項11に記載のポリペプチドを結合パートナーと接触させる工程;
    および (b)該結合パートナーが該ポリペプチドの活性をもたらすか否かを決定する
    工程、 を包含する、方法。
  21. 【請求項21】 配列番号YのcDNA配列に対応する、遺伝子。
  22. 【請求項22】 生物学的アッセイにおいて活性を同定する方法であって、
    ここで該方法が、以下: (a)細胞において配列番号Xを発現させる工程; (b)その上清を単離する工程; (c)生物学的アッセイにおいて活性を検出する工程;および (d)該活性を有する該上清においてタンパク質を同定する工程、 を包含する、方法。
  23. 【請求項23】 請求項20に記載の方法によって産生される、産物。
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