JP2001511190A - 毛髪の先端をカールさせるための箔 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 調髪を行う際に、毛髪の先端をカールさせるための箔であって、この箔は、ａ）２０〜７０重量％の親油性物質、ｂ）１〜２５重量％の乳化剤、及びｃ）０．５〜１５重量％の有機酸を含む水性調合物で含浸されているものである。

Description

【発明の詳細な説明】 毛髪の先端をカールさせるための箔 本発明は、調髪を行う際のパーマネントウェーブ処理の前に用いられる、毛髪 Folie)に関するものである。 人間の毛髪についてのパーマネントヘア変形を作り出すためには、還元‐及び は、毛髪の先端から、頭皮に近い延長部(Ansatzbereich)までその縦軸方向に巻 き上げられる。カーラーの周囲に毛髪を数回巻き付けることによって、毛髪の先 端は、延長部における毛髪よりも必然的にカールが少なくなる。しかしながら、 このようにカールの少ない先端の変形は、カールを作り上げる際に障害となり、 しかも、好ましいものではない。更に、延長部の損傷を受けていない（自然のま まの）状態の毛髪が、隙間のないクチクラ(Cuticula)を有していることをも阻害 することがある。これによって、延長部は、約１ヵ月間近くの耐久性を示すが、 クシ、洗浄剤、漂白剤、染色剤又はウェーブ剤の影響や、外界の影響によって、 毛髪の先端に関する前述の欠点は、その構造及びカール性能を悪くする。 パーマネントウェーブ前処理剤（例えばＷＯ‐Ａ９７／０９０２８号）を、あ るいは、酸類（例えばＤＥ‐Ａ３３１１２９２号及びＤＥ‐Ａ１４９２００７号 ）又は油類（例えばＤＥ‐Ａ４２３６７２６号）を含浸させた先端紙(Spitzenpa pier)を用いることにより、一様なウェーブ結果と先端保護／構造均質性を得よ うとする実験が何度も行われてきている。パーマネントウェーブ前処理剤は、液 体として、又はゲルとして提供されている。両者の粘性の場合には、塗布‐並び に調合時の問題を回避することができないことが実際に示されている。酸類だけ を、あるいは油だけを含浸させた先端紙は、ウェーブ‐及び構造均等性に関して その作用効果が弱い。 を回避して改良し、その結果、特別な方法でウェーブ調合物を作用させている間 に、通常の方法に比べて伸長部と先端部を保護し、しかもこれまでに知られてい る欠点を回避することを課題とする。それと同時に、毛髪構造がほとんど損傷を 受けず、伸長部と先端部は、より一層カールが制限されるにもかかわらず、頭皮 に近い延長部分に匹敵するようなウェーブ半径を維持する。 今ここに、驚くべきことに、 ａ）２０〜７０重量％の親油性物質、 ｂ）１〜２５重量％の乳化剤、及び ｃ）０．５〜１５重量％の有機酸 を含む水性調合物で含浸されている、毛髪の先端をカールさせるための箔を用い ることで、毛髪の先端における好ましくない、巻きの少ないウェーブ結果が非常 に効果的に回避されることが見い出された。同時に、天然油類によって、毛髪の 傷付き易い部分が保護され、酸類によって過度の膨潤が防止される。 パーマネントウェーブ用の先端紙のような箔は、通常は耐湿性の紙、例えば長 繊維(Langfaser)‐、薄葉(Seiden)‐又は日本紙(Japanpapier)から成るものが知 られている。しかしながら、このような箔は、他の酸を包含した物質、例えば羊 の毛皮(Vliesstoff)、木綿織物又は、天然繊維を含むプラスチック繊維の混合織 物から成るものであっても良い。 上記の親油性物質は、上記の水性調合物中に、好ましくは４０〜６０重量％の 量で含まれている。これらは、天然の油又はワックスであることが好ましく、生 理学的に温和な、特に不飽和の、天然の疎水性油類又はワックス類から選ばれた ものが好ましい。特に好ましいものは植物性の油であり、例えばジョジョバ油、 ヒマシ油、ゴマ油、落花生油、ナタネ油、綿実油または大豆油である。又、例え ばモンタンワックス、地蝋(Erdwachs)、ワセリン及びパラフィンなどの、生理学 的に温和な天然の油類又はワックス類、又は例えばシリコーン油などの合成油も 好ましい。 上記の乳化剤は、上記の水性調合物中に、好ましくは２〜１５重量％の量で含 まれていることが好ましく、３〜１０重量％が特に好ましい。このような乳化剤 としては、それぞれ６〜３０個の炭素原子を有する脂肪酸類、脂肪酸アミド類、 脂肪酸アミン類又は脂肪アルコール類、並びに脂肪酸残基中にそれぞれ６〜３０ 個の炭素原子を有する脂肪酸エステルから成るグループからの化合物を、２〜２ ００個のエチレンオキシド基でエトキシル化したものから選ばれたものが好まし い。特に好ましい乳化剤は、例えば７個のエチレンオキシド基でオキシエチル化 された水素添加ヒマシ油（例えばＩＣＩ社のアルラセル（登録商標）９８９）及 び、４０個のエチレンオキシド基でオキシエチル化された水素添加ヒマシ油（例 えばＢＡＳＦ社のクレモフォール（登録商標）ＲＨ４０）である。 上記の有機酸は、上記の水性調合物中に１〜７重量％の量で含まれていること が好ましく、２〜６重量％が特に好ましい。このような酸としては、ヒドロキシ カルボン酸又は、アルデヒド‐又はケトカルボン酸が好ましい。好ましい酸類の 具体例としては、グリオキシル酸、クエン酸、アスコルビン酸、乳酸、酒石酸、 ボン酸、エチレンマレイン酸、α‐エチルクロトン酸、ｉ‐アミルマレイン酸、 イン酸、シトラコン酸、クロトン酸、フマル酸、トランス‐グルタコン酸、イソ プロピルマレイン酸、イタコン酸、マレイン酸、メサコン酸、α‐メチルイタコ ン酸、シス‐ｐ‐メチルグルタコン酸、トランス‐α‐メチルグルタコン酸、プ ロピオル酸及び桂皮酸が挙げられる。 上記の水性組成物は、３０〜６０重量％の水を含有していることが好ましく、 その他に必要に応じて、更に別の添加物、例えば安定化剤、緩衝剤、香油、染料 並びに、ヘアコンディショニング及びヘアケア成分、例えばカチオン性ポリマー 類、ラノリン誘導体、コレステリン、パントテン酸及びベタインなどを含有して も良い。 上述の成分は、このような目的において通常の量で使用され、例えば香油及び 染料はそれぞれ０．０１〜１重量％の量であり、緩衝剤は総量で０．１〜１０重 量％の量であり、安定化剤並びに、ヘアコンディショニング及びヘアケア成分は それぞれ０．１〜５重量％の量である。 油類だけを、あるいは酸類だけを、上記の先端紙に含浸させた場合の証明につ いての比較実験から、明らかに弱くて、しかも不充分な結果が得られている。従 って、先に示されている作用効果が非常に印象深いものであることがわかる。 実施例 実施例１ ジョジョバ油８４重量％と、４０個のエチレンオキシド基を有する水素添加さ れたポリオキシエチル化されたヒマシ油（BASF社のクレモフォール（Cremophor ）（登録商標）ＲＨ４０）１６重量％とから成る混合物１重量部と、５重量％の グリオキシル酸水溶液１重量部を充分混合して、エマルジョンとする。 これにより、以下の組成のエマルジョンが得られる。 グリオキシル酸 ２．５重量％ ジョジョバ油 ４４．０重量％ 40個のエチレンオキシド基を有する水素添加された ポリオキシエチル化されたヒマシ油（BASF社の クレモフォール（Cremophor）(登録商標)ＲＨ４０） ８．０重量％ 水 ４５．５重量％ １００．０重量％ このエマルジョンを、一般的なパーマネントウェーブ先端紙に強く含浸させ、 過剰のエマルジョンを取り除いて、これをそのまま乾燥させる。このようにして 得られ、ある程度「湿った」パーマネントウェーブ先端紙を使用することにより 、毛髪先端の非常に優れた保護が達成され、その結果、長期間の持続性を有した 柔らかいウェーブ弧の毛髪が得られる。 実施例２ アボカド油９０重量％と、４０個のエチレンオキシド基を有する水素添加され たポリオキシエチル化されたヒマシ油（BASF社のクレモフォール（Cremophor）( 登録商標)ＲＨ４０）１０重量％とから成る混合物１重量部と、５重量％の乳酸 水溶液１重量部を充分混合して、エマルジョンとする。 これにより、以下の組成のエマルジョンが得られる。 乳酸 ２．５重量％ アボカド油 ４５．０重量％ 40個のエチレンオキシド基を有する水素添加された ポリオキシエチル化されたヒマシ油（BASF社の クレモフォール（Cremophor）(登録商標)ＲＨ４０） ５．０重量％ 水 ４７．５重量％ １００．０重量％ このエマルジョンを、一般的なパーマネントウェーブ先端紙に強く含浸させ、 過剰のエマルジョンを取り除いて、これをそのまま乾燥させる。このようにして 得られ、ある程度「湿った」パーマネントウェーブ先端紙を使用することにより 、毛髪先端の非常に優れた保護が達成され、その結果、長期間の持続性を有した 柔らかいウェーブ弧の毛髪が得られる。 実施例３ ブクス キネンシス(buxus chinensis，ジョジョバ油) 33.0重量％ ヘリアントス アンヌス(helianthus annuus，ヒマワリ油) 32.0重量％ ペルセア グラチシマ(persea gratissima，アボカド油) 31.0重量％ 40個のエチレンオキシド基を有するオキシエチル化された 水素添加ヒマシ油（BASF社のクレモフォール（Cremophor） （登録商標）ＲＨ４０） 2.0重量％ ７個のエチレンオキシド基を有するオキシエチル化された 水素添加ヒマシ油（ICI社のアルラセル（Arlacel） （登録商標）９８９） 1.0重量％ 酸化防止剤 0.1重量％ 水 0.9重量％ 100.0重量％ から成る混合物１重量部と、３重量％のクエン酸水溶液１重量部を混合して、エ マルジョンとする。 これにより、以下の組成のエマルジョンが得られる。 ブクス キネンシス(buxus chinensis，ジョジョバ油) 16.50重量％ ヘリアントス アンヌス(helianthus annuus，ヒマワリ油) 16.00重量％ ペルセア グラチシマ(persea gratissima，アボカド油) 15.50重量％ 40個のエチレンオキシド基を有するオキシエチル化された 水素添加ヒマシ油（BASF社のクレモフォール（Cremophor） （登録商標）ＲＨ４０） 1.00重量％ ７個のエチレンオキシド基を有するオキシエチル化された 水素添加ヒマシ油（ICI社のアルラセル（Arlacel） （登録商標）９８９） 0.50重量％ クエン酸 1.50重量％ 酸化防止剤 0.05重量％ 水 48.95重量％ 100.00重量％ このエマルジョンを、一般的なパーマネントウェーブ先端紙に強く含浸させ、 過剰のエマルジョンを取り除いて、これをそのまま乾燥させる。このようにして 得られ、ある程度「湿った」パーマネントウェーブ先端紙を使用することにより 、毛髪先端の非常に優れた保護が達成され、その結果、長期間の持続性を有した 柔らかいウェーブ弧の毛髪が得られる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 メックス，ゲルノート ドイツ連邦共和国、デー―64739 ヘーヒ スト／オーデーヴェー． ドクトル コル ンメッセル シュトラーセ 43

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ａ）２０〜７０重量％の親油性物質、 ｂ）１〜２５重量％の乳化剤、及び ｃ）０．５〜１５重量％の有機酸 を含む水性調合物で含浸されていることを特徴とする、毛髪の先端をカールさ せるための箔。 ２．前記の親油性物質が、４０〜６０重量％の量にて含まれていることを特徴と する請求項１に記載の箔。 ３．前記の親油性物質が、生理学的に温和な不飽和の天然の疎水性油又はワック スであることを特徴とする請求項１又は２のいずれか１項に記載の箔。 ４．前記の親油性物質が、生理学的に温和な天然の疎水性油類及びワックス類で ある、ジョジョバ油、アボカド油、ヒマワリ油、小麦胚芽油、桃の核油、ミン ク油、大豆油、ヒマシ油、ゴマ油、落花生油、ナタネ油、綿実油、モンタンワ ックス、地蝋、ワセリン及びパラフィン、並びに、生理学的に温和な合成油で あるシリコーン油から選ばれた油又はワックスであることを特徴とする請求項 １〜３のいずれか１項に記載の箔。 ５．前記乳化剤が、前記の水性調合物中に、好ましくは２〜１５重量％の量にて 含まれていることを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載の箔。 ６．前記乳化剤が、それぞれ６〜３０個の炭素原子を有する脂肪酸類、脂肪酸ア ミド類、脂肪酸アミン類又は脂肪アルコール類、並びに脂肪酸残基中にそれぞ れ６〜３０個の炭素原子を有する脂肪酸エステルからの化合物を、２〜２００ 個のエチレンオキシド基でエトキシル化したものから選ばれたものであること を特徴とする請求項１〜５のいずれか１項に記載の箔。 ７．前記乳化剤が、７個のエチレンオキシド基でオキシエチル化された水素添加 ヒマシ油及び、４０個のエチレンオキシド基でオキシエチル化された水素添加 ヒマシ油から選ばれたものであることを特徴とする請求項６に記載の箔。 ８．前記有機酸が、前記の水性調合物中に１〜７重量％の量にて含まれているこ とを特徴とする請求項１〜７のいずれか１項に記載の箔。 ９．前記有機酸が、グリオキシル酸、クエン酸、アスコルビン酸、乳酸、酒石酸 、酢酸、アコニット酸、アセチレンジカルボン酸、エチレンジカルボン酸、エ チレンマレイン酸、α‐エチルクロトン酸、ｉ‐アミルマレイン酸、アンゲリ カ酸、ｎ‐ブチルフマル酸、ｎ‐又はｉ‐ブチルマレイン酸、シトラコン酸、 クロトン酸、フマル酸、トランス‐グルタコン酸、イソプロピルマレイン酸、 イタコン酸、マレイン酸、メサコン酸、α‐メチルイタコン酸、シス‐ｐ‐メ チルグルタコン酸、トランス‐α‐メチルグルタコン酸、プロピオル酸及び桂 皮酸から選ばれたものであることを特徴とする請求項８に記載の箔。 10．毛髪をパーマネントウェーブするための方法への、前記請求項１〜９のいず れか１項に記載の箔の使用。