JP2001354819A - アクリル樹脂組成物および軟質フィルム - Google Patents

アクリル樹脂組成物および軟質フィルム

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JP2001354819A
JP2001354819A JP2000178634A JP2000178634A JP2001354819A JP 2001354819 A JP2001354819 A JP 2001354819A JP 2000178634 A JP2000178634 A JP 2000178634A JP 2000178634 A JP2000178634 A JP 2000178634A JP 2001354819 A JP2001354819 A JP 2001354819A
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polymer
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mass
acrylic resin
resin composition
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JP2000178634A
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Junichi Abe
純一 阿部
Hideyuki Fujii
秀幸 藤井
Hiroki Hatakeyama
宏毅 畠山
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カレンダー法による成形性に優れ、耐候性、
柔軟性に優れた軟質フィルムを成形するのに有用なアク
リル樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 弾性体含有アクリル樹脂100質量部、
平均分子量200〜100000のポリアルキレングリ
コール1〜40質量部、および滑剤0.1〜3質量部を
含んでなるアクリル樹脂組成物、ならびに、これをカレ
ンダー加工することにより得られる軟質フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル樹脂組成
物、および、その樹脂組成物をカレンダー加工すること
により得られる軟質フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル樹脂は、透明性、耐候性に優れ
ている。したがって、アクリル樹脂製のフィルムは、例
えば、ポリカーボネートや塩化ビニル成形品の表面保護
などに使用されている。また、このフィルムは、Tダイ
法、インフレーション法、キャスティング法等によって
製造されている。このうち、特に常温で柔軟性を示す軟
質フィルムは、例えば軟質塩化ビニル樹脂が使用されて
いる用途にも使用することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来より軟質の塩化ビ
ニル樹脂には、耐候性が劣る等の問題がある。そこで、
この軟質の塩化ビニル樹脂の代替として、特公昭62−
19309号公報、特公昭63−20459号公報、特
開昭63−77963号公報等に記載の耐候性の良好な
アクリル樹脂を使用して、耐候性向上を図ることができ
る。しかし、このれらのアクリル樹脂フィルムは柔軟性
に劣るので、柔軟性を必要とする用途には適していな
い。
【0004】一方、軟質のアクリル樹脂の場合は、Tダ
イ法やインフレーション法でのフィルム成形時に、押出
の不安定化、溶融粘度低下等が生じ、成形し難いという
問題がある。また、キャスティング法で軟質フィルムを
成形する場合は、加工の際の剥離不良等の問題があり、
やはり成形が困難である。さらにキャスティング法は、
重合体溶液を平板状にキャストして溶剤を蒸発させる
か、あるいは単量体を平板状で重合させてフィルムにす
る方法なので、製造費用が高く、また溶剤蒸発による環
境汚染の恐れもある。
【0005】本発明の目的は、カレンダー法による成形
性に優れ、耐候性、柔軟性に優れた軟質フィルムを成形
するのに有用なアクリル樹脂組成物、およびこれを用い
て成形した軟質フィルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、ある特定の成分を特定
の組成比で含有するアクリル樹脂組成物が、非常に優れ
た効果を奏することを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0007】すなわち本発明は、弾性体含有アクリル樹
脂100質量部、平均分子量200〜100000のポ
リアルキレングリコール1〜40質量部、および、滑剤
0.1〜3質量部を含んでなるアクリル樹脂組成物であ
る。
【0008】また本発明は、本発明のアクリル樹脂組成
物からなる軟質フィルムである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態に
ついて説明する。
【0010】本発明のアクリル樹脂組成物に用いる弾性
体含有アクリル樹脂としては、例えば、重合体の構成成
分として炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメ
タクリレート成分を20質量%以上含む樹脂を挙げるこ
とができる。炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキ
ルメタクリレートとしては、メチルメタクリレート、ブ
チルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピル
メタクリレート等が挙げられる。これらは、単独でまた
は二種以上を混合して用いることができる。また、別種
の単量体(アルキルアクリレート等)と併用しても良
い。このような弾性体含有アクリル樹脂としては、例え
ば特公昭63−20459号公報記載の樹脂組成物が挙
げられる。
【0011】さらに、弾性体含有アクリル樹脂として
は、得られるフィルムの機械特性とフィルム成形性を考
慮すると、以下に説明する多層構造重合体(E)、また
は、熱可塑性樹脂組成物(I)を使用することが好まし
い。
【0012】以下、多層構造重合体(E)について説明
する。
【0013】多層構造重合体(E)は、最内層重合体
(A)、架橋弾性重合体(B)および最外層重合体
(C)を基本構造体として有し、さらに架橋弾性重合体
(B)層と最外層重合体(C)層の間に、中間層(D)
を少なくとも一層有する多層構造重合体である。
【0014】多層構造重合体(E)を構成する最内層重
合体(A)は、炭素数1〜8のアルキル基を有するアル
キルアクリレートまたは炭素数1〜4のアルキル基を有
するアルキルメタクリレート(A1)と、必要に応じて
用いる共重合可能な二重結合を有する他の単量体(A
2)と、必要に応じて用いる多官能性単量体(A3)
と、グラフト交叉剤(A4)とを構成成分としてなる重
合体であって、多層構造の少なくとも最内層の基本構造
を構成する。
【0015】最内層重合体(A)を構成する成分(A
1)のうち、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキ
ルアクリレートは、直鎖状、分岐状のいずれでもよい。
その具体例としては、メチルアクリレート、エチルアク
リレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルア
クリレート等が挙げられる。これらは単独でまたは二種
以上を混合して使用できる。こららの中では、ガラス転
移温度(以下「Tg」と記す)の低いものがより好まし
い。また、成分(A1)のうち、炭素数1〜4のアルキ
ル基を有するアルキルメタクリレートは、直鎖状、分岐
状のいずれでもよい。その具体例としては、メチルメタ
クリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリ
レート、ブチルメタクリレート等が挙げられる。これら
は単独でまたは二種以上を混合して使用できる。
【0016】アルキル(メタ)アクリレート(A1)
は、成分(A1)〜(A3)合計量100質量部に対
し、80〜100質量部の範囲内で用いることが好まし
い。また、最内層重合体(A)において用いた種類のア
ルキル(メタ)アクリレートを、その後全多段層におい
ても統一して用いるのが最も好ましい。ただし、全多段
層の各々において、二種以上のアルキル(メタ)アクリ
レートを混合したり、別種のアクリレートを用いても構
わない。なお「(メタ)アクリレート」とは、アクリレ
ートおよび/またはメタクリレートを意味するものとす
る。
【0017】最内層重合体(A)を構成する共重合可能
な二重結合を有する他の単量体(A2)は、必要に応じ
て用いればよい。その具体例としては、炭素数9以上の
アルキル基を有する高級アルキルアクリレート、低級ア
ルコキシアクリレート、シアノエチルアクリレート等の
アクリレート単量体、アクリルアミド、アクリル酸、メ
タクリル酸、スチレン、アルキル置換スチレン、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。単量
体(A2)は、成分(A1)〜(A3)合計100質量
部に対し、0〜20質量部の範囲内で用いることが好ま
しい。
【0018】最内層重合体(A)を構成する多官能性単
量体(A3)は、必要に応じて用いればよい。その具体
例としては、エチレングリコールジメタクリレート、
1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−
ブチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリ
コールジメタクリレート等のアルキレングリコールジメ
タクリレートを用いることが好ましい。また、ジビニル
ベンゼン、トリビニルベンゼン等のポリビニルベンゼン
なども使用可能である。また、多官能性単量体(A3)
が全く作用しない場合でも、グラフト交叉剤が存在する
限りかなり安定な多層構造重合体を与える。例えば、熱
間強度等が厳しく要求されたりする場合など、その添加
目的に応じて任意に用いればよい。多官能性単量体(A
3)は、成分(A1)〜(A3)合計100質量部に対
し、0〜10質量部の範囲内で用いることが好ましい。
【0019】最内層重合体(A)を構成するグラフト交
叉剤(A4)としては、共重合性のα、β−不飽和カル
ボン酸またはジカルボン酸のアリル、メタリルまたはク
ロチルエステル等が挙げられる。特に、アクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸またはフマル酸のアクリルエス
テルが好ましい。これらの中では、特にアリルメタクリ
レートが優れた効果を奏する。その他、トリアリルシア
ヌレート、トリアリルイソシアヌレート等も有効であ
る。グラフト交叉剤(A4)は、主としてそのエステル
の共役不飽和結合がアリル基、メタリル基またはクロチ
ル基よりはるかに早く反応し、化学的に結合する。この
間、アリル基、メタリル基またはクロチル基の実質上の
かなりの部分は、次層重合体の重合中に有効に働き、隣
接二層間にグラフト結合を与える。
【0020】グラフト交叉剤(A4)の使用量は極めて
重要であり、成分(A1)〜(A3)の合計量100質
量部に対し0.1〜5質量部が好ましく、0.5〜2質量
部がより好ましい。これら範囲の下限値は、グラフト結
合の有効量の点で意義が有る。また上限値は、二段目に
重合形成される架橋弾性重合体(B)との反応量を適度
に抑え、二層弾性体構造からなる二層架橋ゴム弾性体の
弾性低下を防止する点で意義がある。
【0021】多層構造重合体(E)中の最内層重合体
(A)の含有量は5〜35質量%が好ましく、5〜15
質量%がより好ましい。また、架橋弾性重合体(B)の
含有量よりも少ない方が好ましい。
【0022】多層構造重合体(E)を構成する架橋弾性
重合体(B)は、多層構造重合体(E)にゴム弾性を与
える主要な成分であり、炭素数1〜8のアルキル基を有
するアルキルアクリレート(B1)と、必要に応じて用
いる共重合可能な二重結合を有する他の単量体(B2)
と、必要に応じて用いる多官能性単量体(B3)と、グ
ラフト交叉剤(B4)とを構成成分としてなる架橋弾性
重合体である。
【0023】成分(B1)〜(B4)の好ましい具体例
は、それぞれ最内層重合体(A)の成分(A1)〜(A
4)で挙げたものと同様である。成分(B1)の使用量
は80〜100質量部が好ましい。成分(B2)の使用
量は0〜20質量部が好ましい。成分(B3)の使用量
は0〜10質量部が好ましい。成分(B4)の使用量は
0.1〜5質量部が好ましい。これら使用量の範囲は、
成分(B1)〜(B3)の合計100質量部を基準とす
る。
【0024】架橋弾性重合体(B)単独のTgは、0℃
以下が好ましく、−30℃以下がより好ましい。このT
gが0℃以下の場合、優れた弾性を示す傾向がある。多
層構造重合体(E)中の架橋弾性重合体(B)の含有量
は10〜45質量%が好ましく、また、最内層重合体
(A)の含有量よりも多いことが好ましい。
【0025】多層構造重合体(E)を構成する最外層重
合体(C)は、多層構造重合体(E)の成形性、機械的
性質等に関与する成分であり、炭素数1〜4のアルキル
基を有するアルキルメタクリレート(C1)と、必要に
応じて用いる共重合可能な二重結合を有する他の単量体
(C2)とを構成成分としてなる重合体であって、多層
構造の少なくとも最外層の基本構造を構成する。
【0026】成分(C1)および(C2)の好ましい具
体例は、それぞれ最内層重合体(A)の成分(A1)お
よび(A2)で挙げたものと同様である。成分(C1)
の使用量は51〜100質量部が好ましい。成分(C
2)の使用量は0〜49質量部が好ましい。これら使用
量の範囲は、成分(C1)および(C2)の合計100
質量部を基準とする。
【0027】最外層重合体(C)単独のTgは、60℃
以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。多層構造
重合体(E)中の最外層重合体(C)の含有量は10〜
80質量%が好ましく、40〜60質量%がより好まし
い。
【0028】多層構造重合体(E)は、以上説明した最
内層重合体(A)、架橋弾性重合体(B)および最外層
重合体(C)を基本構造体として有する。そして、さら
に、架橋弾性重合体(B)層と最外層重合体(C)層の
間には、中間層(D)を設ける。
【0029】この中間層(D)は、炭素数1〜8のアル
キル基を有するアルキルアクリレート(D1)と、炭素
数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレート
(D2)と、必要に応じて用いる共重合可能な二重結合
を有する他の単量体(D3)と、必要に応じて用いる多
官能性単量体(D4)と、グラフト交叉剤(D5)とを
重合体の構成成分とし、かつアルキルアクリレート成分
量が架橋弾性重合体(B)層から最外層重合体(C)層
に向かって単調減少する層である。
【0030】ここで単調減少するとは、中間層(D)は
架橋弾性重合体(B)と最外層重合体(C)の中間のあ
る一点の組成を有するもの、架橋弾性重合体(B)から
最外層重合体(C)に組成が徐々に(連続的に)近付く
もの、及び組成が段階的に近付くことをいい、特に、中
間のある1点の組成を有するものが、生産性の点でよ
い。
【0031】成分(D1)〜(D5)の好ましい具体例
は、それぞれ最内層重合体(A)の成分(A1)〜(A
4)で挙げたものと同様である。特に、中間層(D)に
用いるグラフト交叉剤(D5)は、各重合体層を密に結
合させ、優れた諸性質を得る為に必要な成分である。
【0032】成分(D1)の使用量は10〜90質量部
が好ましい。成分(D2)の使用量は10〜90質量部
が好ましい。成分(D3)の使用量は0〜20質量部が
好ましい。成分(D4)の使用量は0〜10質量部が好
ましい。成分(D5)の使用量は0.1〜5質量部が好
ましい。これら使用量の範囲は、成分(D1)〜(D
4)の合計100質量部を基準とする。
【0033】多層構造重合体(E)中の中間層(D)の
含有量は、5〜35質量%が好ましい。含有量が5質量
%以上であれば中間層として良好に機能し、35質量%
以下であれば最終重合体のバランスが良好となる。
【0034】多層構造重合体(E)を製造するに際して
は、最終重合体のエマルジョン粒子の平均粒子径に特に
制限はない。ただし、0.08〜0.2μm程度にすると
最もバランスのとれた構造が得られる。その製造に際し
て使用する界面活性剤、触媒等に特に制限はない。必要
に応じて、酸化防止剤、滑剤等の添加剤を加えて塩析処
理すればよい。この多層構造重合体(E)の製造法とし
ては、乳化重合法による逐次多段重合が最も適してい
る。
【0035】次に、熱可塑性樹脂組成物(I)について
説明する。熱可塑性樹脂組成物(I)は、以下に示すゴ
ム含有重合体(II)5〜100質量部と、熱可塑性重合
体(III)0〜95質量部[成分(II)と成分(III)の
合計100質量部]とを含んでなる樹脂組成物である。
【0036】熱可塑性樹脂組成物(I)に含まれるゴム
含有重合体(II)は、樹脂組成物(I)に優れた耐衝撃
性および伸度を付与する作用を有し、アルキルアクリレ
ートをゴムの主成分として含む多層構造を有するグラフ
ト共重合体である。具体的には、ゴム含有重合体(II)
は、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリ
レートと、必要に応じて用いる共重合可能な二重結合を
有する他の単量体と、架橋性単量体とを重合して得られ
る1層または2層以上の構造を有する架橋弾性重合体
(a)の存在下に、炭素数1〜4のアルキル基を有する
アルキルメタクリレートと必要に応じて用いる共重合可
能な二重結合を有する他の単量体とを重合させることに
より得られるゴム含有重合体である。
【0037】架橋弾性重合体(a)を構成する為の炭素
数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレートと
しては、特に制限はないが、ブチルアクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート等が好ましい。炭素数1〜
8のアルキル基を有するアルキルアクリレートの使用量
は、35質量部以上であることが好ましい。この使用量
は、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリ
レートおよびこれと共重合可能な二重結合を有する他の
単量体との合計100質量部を基準とする。
【0038】架橋弾性重合体(a)を得るに際しては、
二重結合を有する他の単量体を共重合させることができ
る。これを用いる場合、その使用量は、単量体中65質
量部以下であることが好ましい。この使用量は、炭素数
1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレートおよ
びこれと共重合可能な二重結合を有する他の単量体との
合計100質量部を基準とする。この共重合可能な二重
結合を有する他の単量体としては、メチルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレ
ート等のアルキルメタクリレート、スチレン、アクリル
ニトリル等が好ましい。これらは単独でまたは2種以上
を組み合わせて使用できる。
【0039】架橋弾性重合体(a)を構成する為の架橋
性単量体は、特に限定されない。具体的には、ジメタク
リル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸ブタンジオ
ール、アクリル酸アリル、メタクリル酸アリル、フタル
酸ジアリル、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソ
シアヌレート、ジビニルベンゼン、マレイン酸ジアリ
ル、トリメチロールトリアクリレート、アリルシンナメ
ート等が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を
組み合わせて使用できる。
【0040】架橋性単量体は、炭素数1〜8のアルキル
基を有するアルキルアクリレートおよび必要に応じて用
いる共重合可能な二重結合を有する他の単量体の合計1
00質量部に対して、0.1〜10質量部使用すること
が好ましい。この使用量が0.1質量部以上であれば、
架橋弾性重合体(a)にグラフトされる単量体の量が多
くなり、フィルム状にする際の成形性が良好になる。一
方、10質量部を超える場合は特に問題は生じないが、
使用量に見合う効果は発現しない。より好ましい使用量
は、0.3〜7質量部である。
【0041】架橋弾性共重合体(a)は、1層または2
層以上の構造とすることができる。すなわち、架橋弾性
共重合体(a)は、一括して重合することができるが、
必要に応じて2段階以上に分けて重合することにより多
層構造とすることもできる。2層以上の構造とする場
合、架橋弾性共重合体(a)の全体としてのアクリル酸
アルキルエステルの含有量が35質量%以上であること
が好ましい。ただし、硬質重合体芯あるいは半硬質重合
体芯構造にする場合は、1層目のアクリル酸アルキルエ
ステルの含有量を35質量%以下とすることもできる。
【0042】この架橋弾性共重合体(a)の存在下に、
炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレ
ートを少なくとも含む単量体を重合させることにより、
架橋弾性共重合体(a)にアルキルメタクリレートがグ
ラフトし、ゴム含有重合体(II)が得られる。
【0043】ここで用いる炭素数1〜4のアルキル基を
有するアルキルメタクリレートとしては、具体的には、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチル
メタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、
シクロへキシルメタクリレート等が挙げられる。炭素数
1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレートの
使用量は、50質量部以上であることが好ましい。この
使用量は、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキル
メタクリレートおよびこれと共重合可能な二重結合を有
する他の単量体との合計100質量部を基準とする。
【0044】架橋弾性共重合体(a)にアルキルメタク
リレートをグラフトするに際しては、二重結合を有する
他の単量体を共重合させることができる。他の単量体を
用いる場合、その使用量は、グラフトさせる単量体中5
0質量部以下であることが好ましい。この使用量は、炭
素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレー
トおよびこれと共重合可能な二重結合を有する他の単量
体との合計100質量部を基準とする。共重合可能な二
重結合を有する他の単量体は、特に限定されないが、具
体的には、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、
シクロヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレー
ト、スチレン、アクリロニトリルなどが挙げられる。こ
れらは単独でまたは2種以上を組み合わせて使用でき
る。
【0045】グラフトさせる単量体の使用量は、架橋弾
性共重合体(a)100質量部に対して10〜2000
質量部が好ましく、20〜200質量部がより好まし
い。そして、上述した単量体または単量体混合物を用
い、少なくとも1段以上で重合すればよい。
【0046】ゴム含有重合体(II)は、例えば、通常の
乳化重合により得られる。その重合時に連鎖移動剤、そ
の他の重合助剤、触媒等を使用してもよい。連鎖移動剤
は、従来より知られるものが制限無く使用できるが、特
にメルカプタン類が好ましい。この様に製造したゴム含
有重合体(II)は、粉体として回収できる。
【0047】熱可塑性樹脂組成物(I)に必要に応じて
含まれる熱可塑性重合体(III)は、炭素数1〜4のア
ルキル基を有するアルキルメタクリレートと、必要に応
じて用いる共重合可能な二重結合を有する他の単量体を
重合して得られる、還元粘度(重合体0.1gをクロロ
ホルム100mlに溶解し、25℃で測定)が0.1l
/g以下の熱可塑性重合体である。この還元粘度が0.
1l/g以下であることは、良好な流動性を維持する点
で好ましい。
【0048】熱可塑性重合体(III)に用いる炭素数1
〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレートの使
用量は、50質量部以上であることが好ましい。この使
用量は、炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメ
タクリレートおよびこれと共重合可能な二重結合を有す
る他の単量体との合計100質量部を基準とする。これ
が50質量部以上であれば、フィルム・シート成形時の
成形性が良好で、フィルムの透明性も良好になる。アル
キルメタクリレートとしては、メチルメタクリレートが
最も好ましい。
【0049】熱可塑性重合体(III)を得る為にアルキ
ルメタクリレートを重合するに際して、二重結合を有す
る他の単量体を共重合させることができる。他の単量体
を用いる場合、その使用量は、単量体中50質量部以下
であることが好ましい。この使用量は、炭素数1〜4の
アルキル基を有するアルキルメタクリレートおよびこれ
と共重合可能な二重結合を有する他の単量体との合計1
00質量部を基準とする。共重合可能なビニル系単量体
の具体例としては、前述した成分(A1)と同等のも
の、ならびに、芳香族ビニル化合物、ビニルシアン化合
物等が挙げられる。芳香族ビニル化合物としては、スチ
レンや、α−置換スチレン、核置換スチレンおよびその
誘導体(例えばα−メチルスチレン、クロルスチレン、
ビニルトルエン等)などが挙げられる。ビニルシアン化
合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等が挙げられる。
【0050】熱可塑性重合体(III)の重合方法は、特
に限定されない。例えば、従来より知られる懸濁重合、
乳化重合法等の各種方法を適用できる。
【0051】本発明のアクリル樹脂組成物には、さら
に、以下に示す熱可塑性樹脂組成物(IV)を、必要に応
じて含有させることができる。この熱可塑性重合体(I
V)は、メチルメタクリレートと、必要に応じて用いる
共重合可能な二重結合を有する他の単量体を重合して得
られる、還元粘度(重合体0.1gをクロロホルム10
0mlに溶解し、25℃で測定)が0.2〜2l/gの
熱可塑性重合体である。
【0052】この熱可塑性重合体(IV)は、成形性に対
し重要な役割を示す成分(加工助剤)である。この熱可
塑性重合体(IV)の還元粘度は重要である。この還元粘
度が0.2l/g以上であることは、目的に応じて良好
な成形性を得る点で好ましい。特に好ましい還元粘度は
0.2〜1.2l/gである。
【0053】熱可塑性重合体(IV)において、メチルメ
タクリレートの使用量は、50質量部以上であることが
好ましい。この使用量は、メチルメタクリレートおよび
これと共重合可能な二重結合を有する他の単量体との合
計100質量部を基準とする。
【0054】熱可塑性重合体(IV)を得る為にメチルメ
タクリレートを重合するに際して、二重結合を有する他
の単量体を共重合させることができる。他の単量体を用
いる場合、その使用量は、50質量部以下であることが
好ましい。この使用量は、メチルメタクリレートおよび
これと共重合可能な二重結合を有する他の単量体との合
計100質量部を基準とする。共重合可能なビニル系単
量体の具体例としては、前述した成分(A1)と同等の
もの、ならびに、芳香族ビニル化合物、ビニルシアン化
合物等が挙げられる。芳香族ビニル化合物としては、ス
チレンや、α−置換スチレン、核置換スチレンおよびそ
の誘導体(例えばα−メチルスチレン、クロルスチレ
ン、ビニルトルエン等)などが挙げられる。ビニルシア
ン化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル等が挙げられる。
【0055】熱可塑性重合体(IV)は、乳化重合法で得
る事が好ましい。その重合においては、ゴム含有重合体
(II)の重合と同様の連鎖移動剤、触媒、乳化剤等も使
用できる。また、ゴム含有重合体(II)の製造について
説明したと同様に粉体で回収することができる。
【0056】熱可塑性重合体(IV)の使用量は、0.1
質量部以上であると充分な成形性が得られ、また、20
質量部以下では樹脂組成物の粘度が低くなり、成形性が
良好になる傾向を示す。この使用量は、弾性体含有アク
リル樹脂100質量部を基準とする。
【0057】本発明のアクリル樹脂組成物に用いるポリ
アルキレングリコールとしては、従来より知られる各種
のポリアルキレングリコールが使用可能である。例え
ば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリブチレングリコール、およびこれらの分子骨格
にさらに分岐を有するもの等が挙げられる。特に、ポリ
エチレングリコールが好ましい。
【0058】ポリアルキレングリコールの平均分子量
は、200〜100000であり、特に1000〜30
000が好ましい。この平均分子量は、沸点上昇法、凝
固点降下法、浸透圧法等により測定できる。
【0059】ポリアルキレングリコールの含有量は、弾
性体含有アクリル樹脂100質量部に対して0.1〜4
0質量部である。この含有量は、さらに5〜30質量部
であることが好ましい。これら範囲の下限値はフィルム
の軟質化の点で意義が有り、上限値は成形性、外観等の
点で意義が有る。
【0060】本発明のアクリル樹脂組成物に用いる滑剤
としては、従来より知られる各種の滑剤が使用可能であ
る。例えば、金属石けん、ステアリン酸等の脂肪酸系滑
剤、脂肪酸エステル、高級アルコール、パラフィンワッ
クス等の炭酸水素系滑剤、天然ワックス、更にアクリル
重合体を主成分とする高分子系滑剤等が挙げられる。こ
のうち、フィルム成形時の熱安定性およびロール剥離性
を考慮すると、アクリル重合体を主成分とする高分子系
滑剤が好ましい。このような滑剤としては、例えば、三
菱レイヨン(株)より市販されている「メタブレン(登
録商標)L−1000」が挙げられる。
【0061】滑剤の含有量は、弾性体含有アクリル樹脂
100質量部に対して0.1〜3質量部である。この含
有量が0.1質量部以上であれば、カレンダー加工にお
けるロールとの剥離性が良好になる。また、3質量部以
下であれば、カレンダー加工において混練物が均一に回
転し、温度が均一になるので、良好な混練物を得ること
ができる。
【0062】本発明のアクリル樹脂組成物には、上述し
た弾性体含有アクリル樹脂、ポリアルキレングリコール
および滑剤を主成分として含むものであるが、さらに必
要に応じて、従来より知られる配合剤、例えば安定剤、
加工助剤、耐衝撃助剤、発泡剤、充填剤、着色剤、抗菌
剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、艶消し剤等も配合でき
る。
【0063】本発明のアクリル樹脂組成物は、例えば、
Tダイ法、溶液キャスト法、インフレーション法、カレ
ンダー法等、従来より知られる各種のフィルム成形法に
て成形することができる。このうち、フィルム成形性、
成形時の熱安定性を考慮すると、カレンダー法を用いる
ことが好ましい。
【0064】カレンダー法は、例えば、従来より塩化ビ
ニルフィルム等の成形に用いられているような押出機
と、バンバリーミキサー等の混練機を複数本の金属ロー
ルよりなる製膜装置と、フィルムを巻き取る巻取機とか
ら構成される成形ライン等により実施できる。この場
合、混練機での混練状態、ロール製膜装置でのバンク状
態、およびロール面からの剥離性が、成形性の良悪を判
断する上で重要である。
【0065】本発明のアクリル樹脂組成物からなる軟質
フィルムは、他の材質からなる部材(フィルムやその他
の成形物等)の表層として用いることができる。また、
三層以上の積層物(多層フィルム等)の中間層等として
用いることもできる。この軟質フィルムが積層される基
材としては、例えば、従来より知られる各種の熱可塑性
樹脂が挙げられる。特に、アクリル樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂等が好ましい。
ただし、これらに限定されるものではなく、例えば、熱
融着しない樹脂から成る基材、あるいは木材、鋼板等の
基材等に対しても、接着剤を使用して軟質フィルムを貼
り合わせることは可能である。
【0066】軟質フィルムを用いた積層物の製造法とし
ては、特に制限は無く、従来より知られる各種の積層方
法が採用できる。特に、加熱ロールを使用した熱ラミネ
ーション法が好ましい。
【0067】更に、この軟質フィルムは、容易に印刷を
施すことができ、これにより意匠効果を著しく高めるこ
とができる。また、エンボス加工、粘着加工、表面硬化
処理を施すことも可能である。
【0068】本発明の軟質フィルムの工業用途として
は、例えば、農業用ビニルハウス、マーキングフィル
ム、ポスター、壁紙、発泡シート、屋外用塩化ビニルレ
ザー、塩化ビニル鋼板の屋根材および外壁材、自動車内
外装、家具等の塗装代替、エレベーター内装、雨樋、床
材、波板、化粧柱、バインダー、照明の表皮材、断熱フ
ィルム等が挙げられる。
【0069】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定される
ものではない。なお、これ以降の記載における部数はす
べて質量基準である。また用いる略号は、以下の通りで
ある。 SFS :ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート EDTA:エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム MMA :メチルメタクリレート MA :メチルアクリレート BA :n−ブチルアクリレート BD :1,3−ブチレンジメタクリレート AMA :アリルメタクリレート St :スチレン n−OM:n−オクチルメルカプタン t−BH:t−ブチルハイドロパーオキサイド CHP :クメンハイドロパーオキサイド 乳化剤(1):モノ(ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル)リン酸40%とジ(ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル)リン酸60%混合物の水酸化ナ
トリウム部分中和物[商品名フォスファノールLO52
9、東邦化学(株)製] <調製例1:多層構造重合体(E)の調製>冷却器付き
重合容器内にイオン交換水250部を投入し、70℃に
昇温し、さらに、イオン交換水5部にSFS0.48
部、硫酸第一鉄0.4ppm、EDTA1.2ppmを加
えて調製した混合物を一括投入した。次いで、窒素下で
撹拌しながら、MMA1.6部、BA8部、BD0.4
部、AMA0.1部、CHP0.04部および乳化剤
(1)1.3部からなる混合物を仕込み、60分間反応
を継続させ、最内層重合体(A)の重合を完結した。続
いて、MMA1.5部、BA22.5部、BD1.0部、
AMA0.25部からなる架橋弾性重合体(B)を形成
する為の単量体混合物をCHP0.05質量部と共に6
0分間で添加し、これを重合して二層架橋ゴム弾性体を
得た。
【0070】続いて、MMA5部、BA5部、AMA
0.1部、およびCHP0.02部の混合物を反応させ
て、中間層(D)を形成した。最後に、MMA52.2
5部、BA2.75部、n−OM0.19部、およびt−
BH0.08部からなる単量体混合物を反応させ最外層
重合体(C)を形成し、多層構造重合体(E)のラテッ
クスを得た。
【0071】このラテックスを、硫酸マグネシウム水溶
液で凝固させ、ポリマーに対し20倍量の純水で洗浄、
脱水、乾燥を行い、ゴム含有重合体である多層構造重合
体(E)の粉末を得た。
【0072】<調製例2:ゴム含有重合体(II)の調製
>還流冷却器付き反応容器にイオン交換水300部、炭
酸ナトリウム0.05部、乳化剤(1)0.48部を投入
し、70℃に昇温し、さらに、イオン交換水5部にSF
S0.48部、硫酸第一鉄0.4ppmおよびEDTA
1.2ppmを加えて調製した混合物を一括投入した。
次いで、BA84.0部、St16.0部、AMA0.9
部、t−BH0.3部、および乳化剤(1)1.0部から
なる混合物を185分間で滴下した後、120分間保持
して軟質最内層[架橋弾性重合体(a)]の重合を行っ
た。
【0073】続いて、イオン交換水5部にSFS0.1
2部を加えて調製した混合物を一括投入し、その15分
後に、MMA58部、MA2部、n−OM0.25部、
t−BH0.09部、および乳化剤(1)0.4部からな
る混合物を90分間かけて滴下し、その後60分間保持
して硬質最外層の重合を完結させて、ゴム含有重合体
(II)のラテックスを得た。
【0074】このラテックスを、硫酸マグネシウム水溶
液で凝固させ、ポリマーに対し20倍量の純水で洗浄、
脱水、乾燥を行いゴム含有重合体(II)の粉末を得た。
【0075】<実施例1〜10および比較例1〜13>
表1に示す配合比率で、各成分をブレンダーにて混合
し、バンバリーミキサーにて混練してアクリル樹脂組成
物を得た。表1に示す各成分として、具体的には以下の
ものを使用した。 「多層構造重合体(E)」:調製例1で得た多層構造重
合体 「ゴム含有重合体(II)」:調製例2で得たゴム含有重
合体 「熱可塑性重合体(III)」:アクリル系重合体(三菱
レイヨン(株)製、商品名アクリペットMD)(還元粘
度:0.057l/g) 「ポリエチレングリコール」:三洋化成工業(株)製、
商品名PEG20000(平均分子量:18000〜2
5000) 「加工助剤;熱可塑性重合体(IV)」:三菱レイヨン
(株)製、商品名メタブレンP−551A(還元粘度:
0.375l/g) 「滑剤;アクリル系樹脂」:三菱レイヨン(株)製、商
品名メタブレンL−1000 「滑剤;ステアリン酸」:新日本理化(株)製、商品名
S−300。
【0076】さらに、このアクリル樹脂組成物を、逆L
型のカレンダーロールで0.1mmのフィルムに成形し
た(成形温度180℃)。このカレンダー加工における
アクリル樹脂組成物の滑性、バンバリー混練性、および
バンク状態、また得られたフィルムの表面状態および柔
軟性を以下の方法により評価した。結果を表2に示す。
なお、比較例6および比較例12では、樹脂組成物の溶
融粘度が下がり過ぎ、成形不可であったので、評価でき
なかった。
【0077】[滑性]軸位置を水平に保持した同径の温
度180℃の一対の回転ロール間に、樹脂組成物を供給
し、ロールの回転とほぼ同じ速度でフィルムを取り出す
ときのフィルムがロールから離れる位置にて評価した。
フィルムがロール位置と同じ水平面よりも下方で離れる
ときを「○:良好」とし、上方で離れるときを「×:不
良」とした。
【0078】[バンバリー混練性]バンバリーミキサー
にて混練したときに、5分未満で混練できた時を「○:
良好」とし、混練できないかまたは混練に5分以上を必
要としたときを「×:不良」とした。
【0079】[バンク状態]バンクが均一な状態で回転
しているときを「○:良好」とし、そうでないときを
「×:不良」とした。
【0080】「フィルム表面状態」ロールから取り出し
たシートの表面を目視にて観察し、平滑であるときを
「○:良好」とし、そうでないときを「×:不良」とし
た。
【0081】「フィルムの柔軟性」1.5cm幅のフィ
ルムを、チャック間距離5cm、引っ張り速度5cm/
minの条件で引っ張ったときの伸度が100%を越え
たときを「○:良好」とし、100%以下のときを
「×:不良」とした。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のアクリル
樹脂組成物は、カレンダー法等の成形性に優れ、しかも
耐候性、柔軟性に優れた軟質フィルムを提供できるもの
であり、多方面での分野にて利用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 51/06 C08L 51/06 //(C08L 33/00 (C08L 33/00 71:00) 71:00) (72)発明者 畠山 宏毅 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社大竹事業所内 Fターム(参考) 4F071 AA22X AA33 AA33X AA51 AA77X AE11 AF26 AF30 AF53 AF57 BA01 BB04 BC01 4J002 AE034 BG004 BG053 BG063 BN121 CH012 EC066 EG016 FD174 FD176

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾性体含有アクリル樹脂100質量部、
    平均分子量200〜100000のポリアルキレングリ
    コール1〜40質量部、および、滑剤0.1〜3質量部
    を含んでなるアクリル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 弾性体含有アクリル樹脂が、以下に示す
    多層構造重合体(E)である請求項1記載のアクリル樹
    脂組成物。 多層構造重合体(E) 炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレー
    トまたは炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメ
    タクリレートと、グラフト交叉剤とを少なくとも構成成
    分としてなる最内層重合体(A)、炭素数1〜8のアル
    キル基を有するアルキルアクリレートと、グラフト交叉
    剤とを少なくとも構成成分としてなる架橋弾性重合体
    (B)、および、炭素数1〜4のアルキル基を有するア
    ルキルメタクリレートを少なくとも構成成分としてなる
    最外層重合体(C)を基本構造体として有し、 さらに、架橋弾性重合体(B)層と最外層重合体(C)
    層の間に、炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキル
    アクリレートと、炭素数1〜4のアルキル基を有するア
    ルキルメタクリレートと、グラフト交叉剤とを少なくと
    も構成成分としてなり、かつアルキルアクリレート成分
    量が架橋弾性重合体(B)層から最外層重合体(C)層
    に向かって単調減少する中間層(D)を少なくとも一層
    有する多層構造重合体。
  3. 【請求項3】 弾性体含有アクリル樹脂が、以下に示す
    ゴム含有重合体(II)5〜100質量部と、熱可塑性重
    合体(III)0〜95質量部と[成分(II)と成分(II
    I)の合計100質量部]を含んでなる熱可塑性樹脂組
    成物(I)である請求項1記載のアクリル樹脂組成物。 ゴム含有重合体(II) 炭素数1〜8のアルキル基を有するアルキルアクリレー
    トを少なくとも含む単量体および架橋性単量体を重合し
    て得られる1層または2層以上の構造を有する架橋弾性
    重合体(a)の存在下に、炭素数1〜4のアルキル基を
    有するアルキルメタクリレートを少なくとも含む単量体
    を重合させることにより得られるゴム含有重合体。 熱可塑性重合体(III) 炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルメタクリレ
    ートを少なくとも含む単量体を重合して得られる、還元
    粘度(重合体0.1gをクロロホルム100mlに溶解
    し、25℃で測定)が0.1l/g以下である熱可塑性
    重合体。
  4. 【請求項4】 以下に示す熱可塑性重合体(IV)0.1
    〜20質量部を、さらに含有する請求項1〜3の何れか
    一項記載のアクリル樹脂組成物。 熱可塑性重合体(IV) メチルメタクリレートを少なくとも含む単量体を重合し
    て得られる、還元粘度(重合体0.1gをクロロホルム
    100mlに溶解し、25℃で測定)が0.2〜2l/
    gである熱可塑性重合体。
  5. 【請求項5】 カレンダー加工に用いる為のものである
    請求項1〜4の何れか一項記載のアクリル樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4の何れか一項記載のアクリ
    ル樹脂組成物からなる軟質フィルム。
  7. 【請求項7】 アクリル樹脂組成物をカレンダー加工す
    ることにより得た請求項6記載の軟質フィルム。
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