JP2001348296A - 針状表面を有するダイヤモンド、繊毛状表面を有する炭素系材料、その製造方法、それを使用した電極及び電子デバイス - Google Patents

針状表面を有するダイヤモンド、繊毛状表面を有する炭素系材料、その製造方法、それを使用した電極及び電子デバイス

Info

Publication number
JP2001348296A
JP2001348296A JP2000205935A JP2000205935A JP2001348296A JP 2001348296 A JP2001348296 A JP 2001348296A JP 2000205935 A JP2000205935 A JP 2000205935A JP 2000205935 A JP2000205935 A JP 2000205935A JP 2001348296 A JP2001348296 A JP 2001348296A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diamond
gas
needle
carbon
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000205935A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3971090B2 (ja
Inventor
Koji Kobashi
宏司 小橋
Takeshi Tachibana
武史 橘
Yoshihiro Yokota
嘉宏 横田
Kazuyuki Hayashi
和志 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP2000205935A priority Critical patent/JP3971090B2/ja
Publication of JP2001348296A publication Critical patent/JP2001348296A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3971090B2 publication Critical patent/JP3971090B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】 より簡易な方式でマイクロ波プラズマにより
表面を処理することにより針状構造又は繊毛状構造の表
面を有するダイヤモンド又は炭素系材料、その製造方
法、それを使用した電極及び電子デバイスを提供する。 【解決手段】 針状表面を有するダイヤモンドは、負の
電圧を印加し、基板の温度を−50乃至800℃に維持
し、圧力が66.5乃至665Paの水素ガスによるマ
イクロ波プラズマにより表面処理されて表面に針状構造
が形成されたものである。又は、繊毛状表面を有する炭
素系材料は、炭素系素材に負電圧を印加しつつ、基板の
温度を−50乃至1000℃に維持し、圧力が1330
Pa以下の水素又は水素を主成分とする混合ガスのプラ
ズマにより表面処理されて表面に繊毛状構造が形成され
たものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、針状表面を有する
ダイヤモンド又は繊毛状表面を有する炭素系材料、その
製造方法、それを使用した電極及び電子デバイスに関
し、特に、電子放出材料として好適な針状表面を有する
ダイヤモンド又は繊毛状表面を有する炭素系材料に関す
る。なお、本発明において、「炭素系材料」とは、従前
からよく使用されているグラファイト、非晶質炭素(a
−C)、及び水素化非晶質炭素(a−C:H)に加え、
最近研究が進められているダイヤモンド、B−C−N化
合物及び炭素にSi又は金属等を含んだ複合材料等を含
むものとして定義する。炭素系材料の形態としては、バ
ルク、粉末、焼結体及び物理的、化学的蒸着により合成
された炭素系材料粒子又は炭素系材料薄膜がある。
【0002】
【従来の技術】炭素系材料は、化学電極、電子デバイス
用電極、電子放出用素子等の高機能・高付加価値を有す
る素子又は装置への応用が期待されているが、このため
には表面積の大きい繊毛状構造又は針状構造にすること
が必要である。この炭素系材料の中で最も実用性が高い
ものがダイヤモンドである。
【0003】不純物元素を含まないダイヤモンドは電気
絶縁体であるが、B、P又はS等の元素をドーピングす
ることにより、p型又はn型に半導体化することができ
る。半導体ダイヤモンドは、Si、GaAs又はSiC
等と比べて優れた電気的特性を有することが知られてお
り、半導体センサ・デバイスの研究開発が進められてい
る。
【0004】近時、水素終端されたダイヤモンド表面が
負の電子親和力(Negative Electron Affinity(NE
A))を有すること等に起因して、ダイヤモンドからの
電子放出電圧のしきい値が低く、電流密度が高い電子放
出が生じること、即ち、高効率で電子放出が生じること
が見出され、電子放出を利用した平面パネルディスプレ
イ等への応用が考えられている。
【0005】更に、半導体ダイヤモンドが高過電圧、低
ノイズ、及び耐薬品性等の優れた特性を有するため、化
学電極として利用可能であることも示されている。
【0006】ダイヤモンドの種類としては、天然及び人
工の単結晶、粉末並びに焼結体がある。また、炭化水素
ガスを原料として気相合成することにより、ダイヤモン
ド粒子又はダイヤモンド薄膜を合成することができる。
このダイヤモンド薄膜の気相合成法としては、マイクロ
波化学気相蒸着(CVD)法(例えば、特公昭59−2
7754号公報及び特公昭61−3320号公報等)が
知られている。このような気相合成法により、膜状のダ
イヤモンドを低コストで且つ大面積で製造することがで
きる。
【0007】通常、ダイヤモンド膜は、粒子がランダム
に凝集した多結晶膜である。しかし、合成条件を調整す
ることにより、表面の殆どの領域がダイヤモンド(11
1)結晶面又は(100)結晶面から構成され、一軸性
配向したダイヤモンド膜を合成することができる。ま
た、基板に(100)方位の単結晶Si又はSiC等を
使用すると、ダイヤモンド(100)結晶面が面内配向
したダイヤモンド膜(以下、高配向膜という。)を合成
することができる。更に、基板に単結晶Pt(111)
又はIr(100)を使用すると、夫々ダイヤモンドの
(111)又は(100)結晶面が面内配向し、更に隣
接する結晶面が融合(コアレッセンス)したダイヤモン
ド膜(以下、融合膜という。)を合成することができ
る。
【0008】ダイヤモンド膜のエッチングには、通常、
酸素及びAr混合ガス、又はH2Oガス等の酸素を含む
ガスが使用され、これらのガスのプラズマによりダイヤ
モンド膜表面を処理する。このように、従来、炭素系材
料のエッチングは、酸素を使用した高温処理及びプラズ
マにより実施されている。しかし、この方法であると、
炭素系材料の表面が一様にエッチングされるか、又は多
少の凹凸が生じるだけである。従って、繊毛状構造又は
針状構造の大きな表面積を得ることができない。
【0009】また、表面積が大きな炭素の繊毛状構造と
しては、最近発見されたカーボンナノチューブがよく知
られているが、製造時の収率が低くコストが高いという
問題点がある。
【0010】そこで、2.45GHzのマイクロ波で励
起した水素プラズマを使用して、多結晶ダイヤモンド膜
に負のバイアス電圧を印加しつつダイヤモンド膜表面を
処理することにより、ダイヤモンド膜を一様にエッチン
グする方法が提案されている(B. R. Stoner, G. J. Te
ssmer, and D. L. Dreifus, Applied Physics Letters,
Vol.62, No.15, pp1803-1805, 12 April 1993:従来例
1)。この場合、水素ガスのガス圧を1.33×103
乃至1.995×103Paとし、基板温度は約500
℃に維持されている。
【0011】一方、水素(ガス圧5.3乃至9.3×1
-2Pa)を使用して、2.45GHzのマイクロ波で
発生するECR(電子サイクロトロン共鳴(electron c
yclotron resonance))プラズマで多結晶ダイヤモンド
薄膜又は単結晶ダイヤモンドを処理することにより、ダ
イヤモンド膜の表面を針状化した技術も開示されている
(山本等、第13回ダイヤモンドフォーラムシンポジウ
ム講演要旨集、p.220(ニューダイヤモンドフォー
ラム、1999年11月発行):従来例2)。この従来
例2の方法においては、水素プラズマを使用したときの
みダイヤモンド膜表面を針状化することができ、また、
電子の電界放出を評価した結果、針状構造を形成するこ
とにより、低い電界で高い電子放出密度を得ている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
1の方法ではガス圧が高いために、均一に拡大したプラ
ズマを発生させることが困難であり、大面積のダイヤモ
ンド膜を均一にエッチング処理できない。また、ガス圧
が高いため、このような条件で処理すると、ダイヤモン
ド膜は一様にエッチングされてしまう。
【0013】また、従来例2の技術においては、反応室
に均一な磁場を発生させるための大型の磁界コイルを有
するECRプラズマ発生装置が必要であるという問題点
がある。
【0014】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、より簡易な方式でマイクロ波プラズマによ
り表面を処理することにより針状構造又は繊毛状構造の
表面を有するダイヤモンド又は炭素系材料、その製造方
法、それを使用した電極及び電子デバイスを提供するこ
とを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明に係る針状表面を
有するダイヤモンドは、負の電圧を印加し、基板の温度
を−50乃至800℃に維持し、圧力が66.5乃至6
65Paの水素ガスによるマイクロ波プラズマにより表
面処理されて表面に針状構造が形成されたものであるこ
と特徴とする。
【0016】本発明においては、表面に針状の構造が形
成されているため、表面積が通常のダイヤモンドと比較
して10倍以上広く、従って、優れた電極特性を有す
る。また、先端が尖鋭であるので、優れた電子放出特性
を有する。
【0017】本発明に係る針状表面を有するダイヤモン
ドの製造方法は、基板上に第1のダイヤモンドを合成す
る工程と、前記第1のダイヤモンドに負の電圧を印加
し、前記基板の温度を−50乃至800℃に維持し、圧
力が66.5乃至665Paの水素ガスによるマイクロ
波プラズマを発生させて前記第1のダイヤモンドの表面
を処理することにより、前記第1のダイヤモンド表面に
針状構造を形成する工程と、を有することを特徴とす
る。
【0018】本発明においては、大型のコイルなしにマ
イクロ波プラズマ発生装置で発生させた低ガス圧のプラ
ズマ中で処理することにより、第1のダイヤモンド表面
に針状の構造を形成することができるため、大面積の処
理が可能であると共に、極めて低コストで電子放出特性
が優れたダイヤモンドを得ることができる。
【0019】また、前記水素ガス中に、窒素ガス、He
ガス、Arガス、酸素ガス、CO2ガス、H2Oガス、及
び炭化水素ガスからなる群から選択された1種以上のガ
スを混合比が10体積%以下で混合してもよい。水素ガ
スにこれらのガスを混合することにより、ダイヤモンド
の処理速度、表面形状を制御することができる。
【0020】更に、前記針状構造を形成する工程の後
に、ダイヤモンドを合成して前記第1のダイヤモンド上
に第2のダイヤモンドを形成する工程を有してもよい。
第2のダイヤモンドを形成することにより、プラズマ処
理によって第1のダイヤモンド表面が受けたダメージを
修復し、更に結晶性が高い針状表面を有するダイヤモン
ドを得ることができる。
【0021】更にまた、前記第1のダイヤモンド及び/
又は第2のダイヤモンドは、不純物がドープされた半導
体ダイヤモンドであってもよい。ダイヤモンドに不純物
をドープすることにより、半導体化することができる。
【0022】また、前記第1のダイヤモンドの形成工程
と前記プラズマ処理工程とは、同一チャンバ内で連続し
て行うことができる。これにより、合成したダイヤモン
ドをそのままプラズマ処理することができるため、ダイ
ヤモンド表面が、大気等に曝されて汚染されることを防
止できると共に、ダイヤモンドの合成及びプラズマ処理
を連続して行うことにより、更に低コストで製造するこ
とができ、製造時間が短縮される。
【0023】また、本発明に係る繊毛状表面を有する炭
素系材料は、炭素系素材に負電圧を印加しつつ、基板の
温度を−50乃至1000℃に維持し、圧力が1330
Pa以下の水素又は水素を主成分とする混合ガスのプラ
ズマにより表面処理されて表面に繊毛状構造が形成され
たものであること特徴とする。
【0024】本発明においては、機能性が必要とされる
炭素系材料の表面にのみ繊毛状構造を形成することがで
きるため、大面積の処理が可能であると共に、極めて低
コストで特性が優れた繊毛状構造の炭素系材料を得るこ
とができる。本発明の水素及び水素を主成分とする混合
ガスのプラズマは高周波、マイクロ波、直流放電、アー
ク放電等で発生することができる。また、本発明におけ
る繊毛状構造の定義は特に限定されたものではないが、
炭素系材料の繊毛状構造については、典型的には先端の
直径が数乃至数十nmで、長さが数百乃至数μmであ
る。
【0025】更に、本発明に係る繊毛状表面を有する炭
素系材料の製造方法は、基板上に炭素系材料を蒸着して
薄膜を形成する工程と、前記薄膜に負電圧を印加し、前
記基板の温度を−50乃至1000℃に維持し、圧力が
1330Pa以下の水素又は水素を主成分とする混合ガ
スのプラズマを発生させて前記薄膜の表面を処理するこ
とにより、前記薄膜の表面に繊毛状構造を形成する工程
と、を有することを特徴とする。
【0026】この繊毛状表面を有する炭素系材料の製造
方法において、前記繊毛状構造を形成する工程の後に、
ダイヤモンドを気相合成して前記薄膜上にダイヤモンド
を形成する工程を設けることができる。
【0027】本発明に係る電極は、前述の針状表面を有
するダイヤモンド又は繊毛状表面を有する炭素系材料に
より形成されている。
【0028】本発明の電極は、表面がプラズマ処理され
て、針状又は繊毛状の表面を有するダイヤモンド又は炭
素系材料により形成されているので、電極表面積は、通
常の気相合成等により得られるダイヤモンド又は炭素系
材料より10倍程度広く、物質吸着力も高いため、電気
分解、化学センサ、燃料電池、バイオセンサ、又はキャ
リア注入用の電極として好適に使用することができる。
【0029】本発明に係る電子デバイスは、前述の針状
表面を有するダイヤモンド又は繊毛状表面を有する炭素
系材料を構成要素とすることを特徴とする。
【0030】本発明においては、表面の針状の構造によ
り、優れた電子放出特性を有するため、電子デバイスに
使用することにより、その性能を飛躍的に向上させるこ
とができる。本発明の電子デバイスは、その形状を利用
して性能が優れた有機発光素子、電子放出素子、紫外線
発光素子、可視光発光素子、平面パネルディスプレイ、
ガスセンサ、短波調光センサ、又は光電子放出板とする
ことができる。繊毛状表面を有する炭素系材料を構成要
素とする電子デバイスも同様である。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について更
に詳細に説明する。先ず、本発明の第1の実施例に係る
針状表面を有するダイヤモンドについて説明する。本願
発明者等は、上述の課題を解決すべく鋭意実験研究した
結果、マイクロ波を使用したダイヤモンド気相合成用の
マイクロ波プラズマ装置を使用し、ダイヤモンドに負の
バイアス電圧を印加し、基板の温度を−50乃至800
℃の範囲に維持し、エッチング処理ガスとしてガス圧6
6.5乃至665Paとし、水素ガス又は水素ガスを主
成分とする混合ガスによるプラズマを発生させ、ダイヤ
モンドを処理することにより、ダイヤモンド表面に高密
度の針状構造を形成することができることを見出した。
【0032】また、本願発明者等は、表面を針状化した
ダイヤモンド上に、更にダイヤモンド膜を合成して積層
すると、表面の針状構造を維持したままダイヤモンド膜
を形成することができることを見出した。プラズマ処理
して表面を針状化した後に、新たにダイヤモンド膜を積
層することにより、プラズマ処理により受けたダイヤモ
ンド表面のダメージを修復し、結晶性がより優れた針状
構造のダイヤモンドを得ることができる。更に、積層す
るダイヤモンド膜の気相合成条件を制御することによ
り、針状構造の形状を制御することができことを知見し
た。即ち、気相合成の際の基板の温度、圧力等を制御す
ることにより、ダイヤモンドの表面に形成された針状構
造の針の縦方向にダイヤモンド膜を優先的に成長させる
か、又は横方向に優先的にダイヤモンド膜を成長させる
か等して針形状を制御することが可能である。更にま
た、積層するダイヤモンド膜に不純物を添加することに
より、p型又はn型の半導体ダイヤモンド膜とすること
ができる。
【0033】また、本願発明者等は、ダイヤモンド(1
00)結晶面が面内配向した高配向膜、又はダイヤモン
ドの(111)又は(100)結晶面が面内配向し、更
に隣接する結晶面が融合した融合膜を使用して本発明の
プラズマ処理をすることにより、形成された針状等の構
造の結晶方位を揃えることができることを知見した。針
状構造の結晶方位を揃えることにより、例えば電子放出
特性及び発光素子の輝度分布を均一化することができ
る。
【0034】図1は、本発明の針状構造を形成するため
のプラズマ処理条件と、従来例1及び従来例2のプラズ
マ条件との比較を示すグラフ図である。
【0035】本発明は、図1に示すように、従来例1の
ガス圧と比較して、低いガス圧で発生させたプラズマ中
でダイヤモンドを処理することにより、ダイヤモンド表
面に針状構造を形成することを特徴としている。しか
し、ダイヤモンドをエッチングして針状構造を形成する
際、ガス圧が66.5Pa未満であるとプラズマを安定
に発生させることができないと共にエッチング速度が遅
くなり、処理に長時間を要する。一方、ガス圧が665
Paを超えると、プラズマが均一に広がらなくなり、し
かも、ダイヤモンド膜の表面に均一な針状構造を形成す
ることができない。こうして、本願発明者等は、大型の
コイルのないマイクロ波プラズマ発生装置を使用し、従
来例1より低い圧力で発生させたプラズマでダイヤモン
ドを処理することにより、針状構造を形成することがで
きることを見出した。従って、針状構造を形成するため
の水素ガス又は水素を主成分とする混合ガスの圧力は6
6.5乃至665Paとする。
【0036】また、本願発明者等はプラズマ処理する際
の基板の温度は、−50乃至800℃と広い範囲で針状
構造が形成されることを知見した。しかし、800℃を
超えると熱歪が生じやすくなる。一方、基板の温度を−
50℃より低くするためには基板温度制御のために装置
構造が複雑化すると共に、エッチング速度が低下するの
で処理時間が長くなる。従って、基板の温度は−50乃
至800℃とする。
【0037】また、エッチング処理ガスは、水素ガスに
加えて、窒素ガス、Heガス、Arガス、酸素ガス、C
2ガス、H2Oガス及び炭化水素ガス(アルコール及び
アセトン等のガスも含む)からなる群から選択された1
種以上のガスを、水素ガス中に、混合比10体積%以下
で添加することができる。
【0038】水素に混合するガスとして、不活性な窒素
ガス、Heガス、又はArガス等の添加すると、ダイヤ
モンド表面のグラファイト化が進むため、エッチング速
度を速くすることができる。
【0039】また、酸素ガス、CO2ガス及びH2Oガス
等の添加すると、ダイヤモンドの酸化が進むため、エッ
チング速度が速くなる。この場合には、針状構造の尖鋭
性が低下する。
【0040】これに対し、炭化水素ガスを添加すると、
炭素の蒸着が進行するため、エッチング速度が遅くな
る。
【0041】なお、周波数の実用範囲は2.45GHz
又は915MHzであるが、周波数はこれに限らない。
【0042】図2は、プラズマ処理前のダイヤモンド薄
膜の表面の走査型電子顕微鏡(Scanning electron micr
oscope(SEM))写真である。このダイヤモンド膜
は、下記表1に示すダイヤモンド気相合成条件で、周波
数2.45GHzのマイクロ波を使用してプラズマを発
生させ、気相合成により形成したものである。図2に示
すように、通常、気相合成されたダイヤモンド薄膜は、
明確な自形面を有したダイヤモンド粒子の凝集体(多結
晶膜)であることがわかる。
【0043】図3は、図2に示すダイヤモンド薄膜にプ
ラズマ処理をし、夫々表面に針状構造を形成したダイヤ
モンド薄膜の表面のSEM写真である。図2に示すダイ
ヤモンド薄膜に対して、同一のマイクロ波プラズマ発生
装置(周波数2.45GHz)を使用し、下記表1に示
す条件2で、プラズマ処理を行うことにより、図3に示
すように、ダイヤモンド薄膜の表面がエッチングされて
夫々高密度の針状構造が形成されている。
【0044】
【表1】
【0045】また、水素ガス又は水素ガス中に、窒素ガ
ス、Heガス、Arガス、酸素ガス、CO2ガス、H2
ガス、及び炭化水素ガスからなる群から選択された1種
以上のガスを混合比が10体積%以下で混合した混合ガ
スを使用し、ガス圧及び基板の温度を本発明範囲内にあ
る条件、即ち、圧力66.5乃至665Pa、基板の温
度−50乃至800℃の範囲でバイアス電圧を−100
乃至−500V、エッチング時間を0.2乃至10時間
の範囲で適当に選択してダイヤモンド膜をプラズマ処理
しても、図4に示すような針状構造が表面に形成された
ダイヤモンドが得られる。なお、プラズマ処理するダイ
ヤモンドが天然及び人工の単結晶、粉末並びに焼結体の
いずれのダイヤモンドであっても、表面に針状構造を形
成することができる。
【0046】また、図4は、図3に示す針状ダイヤモン
ド膜上に、更に気相合成によりダイヤモンド膜を積層し
たダイヤモンド膜表面のSEM写真である。図3に示す
針状ダイヤモンド膜を形成した後、同一のマイクロ波プ
ラズマ発生装置により、形成した針状ダイヤモンド膜上
に、0.3体積%CH4+99.7体積%H2の混合ガス
を使用し、ガス圧6650Pa、基板の温度を800
℃、処理時間1時間で、周波数2.45GHzのマイク
ロ波を使用してプラズマを発生させ、気相合成によりダ
イヤモンド膜を成長させた。図4に示すように、針状ダ
イヤモンド膜上に更にダイヤモンド膜を成長させても、
表面の針状の構造を維持したままダイヤモンド膜が成長
しているのがわかる。
【0047】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。第2の実施例においては、針状表面を有するダイ
ヤモンド膜を電気分解用の電極として使用する。電気分
解用の電極としては、例えば金属又は低抵抗シリコン基
板にマイクロ波CVD装置により、p型半導体ダイヤモ
ンド膜を形成後、所定の条件でプラズマ処理を行って、
p型半導体ダイヤモンド膜表面に、針状構造を形成した
ものを使用することができる。
【0048】本実施例においては、プラズマ処理して表
面に針状構造が形成されているため、ダイヤモンド膜表
面の面積が広く、且つエッチングによりダイヤモンド膜
が薄くなるため、発熱及び界面抵抗等によるエネルギ損
失を低減することができる。従って、表面に針状構造を
形成したダイヤモンド膜を使用した電気分解用電極は、
電気抵抗が低減され、接触面積が広くなるため、電気分
解効率を著しく向上させることができ、電気分解に必要
とする時間を極めて短時間にすることができる。
【0049】なお、本実施例では、p型ダイヤモンド膜
を形成した後プラズマ処理したものを使用したが、n型
ダイヤモンド膜としても同様の効果が得られる。
【0050】また、電気分解用電極と同様に、針状表面
を有するダイヤモンド膜を化学センサ用の電極に使用す
ることもできる。針状表面を有するダイヤモンド膜を使
用することにより、表面積が増大するので、感度を著し
く向上させることができる。
【0051】更に、燃料電池用電極に使用することもで
きる。針状表面を有するダイヤモンド膜を使用すること
により、金属触媒量が増加するので、燃料分解効率が飛
躍的に高くなり、従って高効率の燃料電池を得ることが
できる。
【0052】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。第3の実施例は、針状ダイヤモンド膜をグルコー
スセンサ等のバイオセンサのトランスデューサ部(信号
変換回路)の電極として使用したものである。図5は、
本実施例の針状ダイヤモンド膜を使用したバイオセンサ
のトランスジューサ部を示す断面図である。図5に示す
ように、本実施例のバイオセンサにおいては、基板30
の上に下地層としてアンドープダイヤモンド膜31が形
成されている。そして、このアンドープダイヤモンド膜
31上に半導体ダイヤモンドからなる作用電極34が形
成され、この作用電極34の両側のアンドープダイヤモ
ンド膜31上には白金対向電極33及び白金参照電極3
2が形成されている。作用電極34は、生体識別物質3
5により被覆され、更にこの生体識別物質35は生体膜
36により被覆されている。例えばグルコースセンサの
場合は生体識別物質35としてグルコースオキシダーゼ
等を使用することができる。これらの作用電極34、対
向電極33及び参照電極32は、半導体ダイヤモンドヒ
ータ37により取り囲まれており、このヒータ37はア
ンドープダイヤモンド膜38により被覆されている。
【0053】バイオセンサが、例えばグルコースセンサ
の場合においては、試料中のグルコースがグルコースオ
キシダーゼと触媒反応してグルコノラクトンに変化する
ときの電子移動を電極で検出してグルコース濃度を測定
することができる。バイオセンサの長寿命化には、繰り
返し測定又は長時間測定に対して識別物質の流出を防ぐ
ことが必要である。本実施例においては、ダイヤモンド
作用電極34の表面に針状構造が形成されているため、
生体識別物質35の固定期間が極めて長く、その活性も
極めて長時間失われない。
【0054】次に、本発明の第4の実施例について説明
する。本実施例においては、針状ダイヤモンド膜をキャ
リア(電子又は正孔)輸送層に使用した有機発光素子で
ある。
【0055】本実施例においては、正孔注入電極と、電
子注入電極との間に電圧を印加すると、正孔輸送層とし
て形成したダイヤモンド膜の表面には針状構造が形成さ
れているため、針状構造からの正孔注入効率が高くな
り、極めて発光強度が高い有機発光素子を得ることがで
きる。従って、微細加工技術を使用して、この素子を平
面パネル上に規則的に配列することにより本実施例の有
機発光素子を平面パネルに適用すると、高効率の平面パ
ネルディスプレイを得ることができる。
【0056】次に、本発明の第5の実施例について説明
する。本実施例においては、針状構造を有するダイヤモ
ンド膜を使用した電子放出素子である。
【0057】図6は、本実施例の電子放出素子を示す模
式的断面図である。図6に示すように、本実施例の電子
放出素子は、基体40上に下部電極41が形成され、そ
の上に表面に針状構造が形成されたダイヤモンド層42
が形成されている。更に、この針状ダイヤモンド層42
がら離隔して、下部電極41に対向する透明な上部電極
44が形成され、これらが真空中に配置されている。そ
して、上部電極44及び下部電極41は電源48に接続
されている。
【0058】本実施例においては、上部電極44に正、
下部電極41に負の電圧を印加するが、ダイヤモンド層
42の表面に針状構造が形成されているため、ダイヤモ
ンド層42からの電子45の放出量が大きい。従って、
電子放出電圧のしきい値が低下し、電流値を著しく増大
させることができる。このような電子放出素子は、光電
管、平面パネルディスプレイ、マイクロ波発振源、及び
高耐圧スイッチング素子等へ適用することができ、これ
らのデバイス特性を飛躍的に向上させることができる。
【0059】次に、本発明の第6の実施例について説明
する。本実施例においては、表面に針状構造を有するダ
イヤモンド膜を使用した紫外線発光素子である。本実施
例の紫外線発光素子においては、低抵抗シリコン等から
なる基板上に例えば表面に針状構造が形成されたp型ダ
イヤモンド膜形成されている。更に、この針状表面を有
するダイヤモンド膜上にアンドープダイヤモンド薄膜が
積層され、更にこの上に金等を蒸着した極薄膜からなる
上部電極が形成されている。
【0060】本実施例においては、基板側に正、上部電
極に負の電圧を印加すると、上部電極中のフェルミレベ
ルにある電子がトンネリング等の機構を経てアンドープ
ダイヤモンド薄膜を通過し、針状ダイヤモンド膜へ注入
される。そして、この電子が価電子帯に存在する正孔と
再結合して光を放出する。このとき、本実施例の紫外線
発光素子は表面に針状構造を有しているため、針状構造
の先端付近で電界が強まると共に電流密度が増大する。
従って、発光強度が極めて高い。
【0061】次に、本発明の第7の実施例について説明
する。図7は、本実施例の可視光発光素子を示す断面図
である。図7に示すように、本実施例の可視光発光素子
においては、シリコン等の基体40上に下部電極41が
形成され、その上にダイヤモンド層42が形成されてい
る。このダイヤモンド層42は、所定の条件でプラズマ
処理され表面に針状構造が形成されている。更に、その
上面にアンドープダイヤモンド薄膜43が積層されてい
る。更に、このアンドープダイヤモンド薄膜43上には
蛍光薄膜46及び透明な上部電極44が順次積層されて
いる。そして、上部電極44の表面には、選択的に配線
用電極47が形成されている。更に、配線用電極47及
び下部電極41は電源48に接続されている。
【0062】本実施例においては、配線用電極47に
正、下部電極41に負の電圧を印加すると、下部電極4
1からダイヤモンド膜42にキャリアとしての電子45
が注入される。そして、この電子45はダイヤモンド膜
42及びアンドープダイヤモンド薄膜43中において加
速され、蛍光薄膜46を励起して蛍光を発し、更に、上
部電極(透明電極)44から配線用電極47に移動す
る。この際、高濃度のボロンを含有した針状ダイヤモン
ド薄膜42により、針状構造の先端付近で電界が強まる
と共に、電子45の放出密度が高いため、電流密度が増
大し、極めて高い発光強度を得ることができる。また、
本実施例の可視光発光素子を使用することにより、高輝
度の平面パネルディスプレイを得ることができる。
【0063】次に、本発明の第8の実施例について説明
する。図8は本実施例のガスセンサを示す模式的断面図
である。本実施例のガスセンサにおいては、針状表面を
有するダイヤモンド膜を使用したガスセンサである。
【0064】図8に示すように、本実施例のガスセンサ
においては、母材52上にシリコン等からなる基板53
が接着され、この上に、アンドープダイヤモンド層54
と、表面に針状構造が形成された半導体ダイヤモンド層
55が順次積層されている。このダイヤモンド2層膜は
センサ部となっており、マイクロ波プラズマCVD装置
によりダイヤモンドの連続膜として形成することができ
る。針状表面構造を有するp型半導体ダイヤモンド層5
5上には、1対の例えば白金からなる電極56が、微細
加工により適長間隔をおいて形成されている。これらの
電極56には夫々白金等からなる配線57が金等からな
るペースト(図示せず)により被覆されて接着されてい
る。また、母材52の裏面には、白金等の抵抗材料を薄
膜でパターン形成することにより、ヒータ51が設けら
れている。
【0065】母材52は、シリコン、窒化シリコン、酸
化珪素、アルミナ、炭化珪素、チタン酸ストロンチウム
及び酸化マグネシウムからなる群から選択された材料の
単結晶、多結晶、非晶質、焼結体又は薄膜であることが
好ましい。特に、母材52の材料としては、シリコン、
窒化シリコン、酸化珪素、アルミナ又は炭化珪素が好ま
しい。これは、ダイヤモンド気相合成の最適な基板の温
度が700〜1000℃であり、しかも気相合成が化学
的に活性な水素プラズマ雰囲気中で行われるので、基板
材料としてはこのような条件に耐える必要があるからで
ある。また、基板裏面には白金ヒータを形成するので、
基板材料は電気絶縁性でなければならない。上述の材料
はこれらの条件を満たしている。これらの材料はバルク
材料を加工することにより基板に成形してもよいが、母
材上に薄膜をコーティングしたものであってもよい。
【0066】本実施例においては、ヒータ51によりセ
ンサ部を所定温度に加熱しておき、センサ部が動作状態
にあるときに、センサ部表面にガス種が吸着すると、p
型半導体ダイヤモンド層55に空乏層が拡がり、電気抵
抗が変化する。この電気抵抗の変化を電極56間に電圧
を印加することにより検知する。これにより、ガスの存
在がp型半導体ダイヤモンド層55における電気抵抗値
の変化として検出されるが、p型半導体ダイヤモンド層
55の表面には針状構造が形成されているため、ガス種
の吸着率が高く、従って、ガスセンサの検出感度が極め
て高くなる。また、この電気抵抗値と、ガス濃度との関
係を予め求めておけば、その関係をもとに、検出電気抵
抗値からガス濃度を検知することができる。
【0067】次に、本発明の第9の実施例について説明
する。本実施例においては、針状表面を有するダイヤモ
ンド膜を使用した短波長センサである。
【0068】シリコン、窒化シリコン、酸化珪素、アル
ミナ、炭化珪素又は金属等からなる基板上に表面に針状
構造が形成されたアンドープダイヤモンド膜が形成され
ている。そして、針状アンドープダイヤモンド膜上に微
細加工技術により、白金等からなる一対の電極が形成さ
れている。
【0069】本実施例においては、電極間に数乃至数十
ボルトの電圧を印加しつつ、紫外線を照射すると、ダイ
ヤモンド膜内で電子及びホールの対が生成し、電流が流
れ、紫外線を検知することができるが、本実施例の短波
長センサのダイヤモンド膜は表面に針状構造が形成され
ているため、紫外線の吸収率が高く、極めて感度が高
い。
【0070】次に、本発明の第10の実施例について説
明する。図9は、本実施例の光増倍管用電子放出板を示
す模式的断面図である。本実施例の光増倍管用電子放出
板においては、図9に示すように、導電性の低抵抗シリ
コン基板61上に、マイクロ波CVD法により、表面に
針状構造が形成された電子放出板であるBドープ多結晶
ダイヤモンド膜62が形成され、反射型光電面63が形
成されている。反射型光電面63のBドープ多結晶ダイ
ヤモンド膜62は、その表面が水素プラズマ処理されて
針状構造が形成され、また、シリコン基板61の裏面は
インジウム等(図示せず)を介して、金属電極(金属
板)64が接着されている。更に、この金属電極64の
裏面は、導電性の支持部材67aに接続され、これによ
り、反射光電面63が支えられている。そして、光電面
63の上方には、光電面63と対向して配置されるメッ
シュ状の金属受電面65を有し、その一端は導電性の支
持部材67bに接続され、これにより受電面65が支え
られている。そして、これらの光電面63及び金属受電
面65は、夫々支持部材67a、67bを介して、リー
ドピン68及び69に接続され、光電面63及びこの光
電面63の上方にて対向して配置された金属受電面65
が内部を真空にした石英ガラス等からなる封着ガラス管
70内に封入されている。この封着ガラス管70の金属
受電面65と対向する位置には、例えばフッ化カルシウ
ム等からなる窓72が形成されている。
【0071】本実施例においては、受電面65に対して
光電面63に負電圧を印加しつつ、波長が例えば200
nm程度の紫外線を窓72から金属受電面65を透過し
て光電面63に照射すると、光電面63のBドープ多結
晶ダイヤモンド膜62から電子が放出される。この際、
電子放出板であるBドープ多結晶ダイヤモンド膜62の
表面には針状構造が形成されているため、表面の凹凸が
大きいので紫外線吸収量が大きくなり、光電面63から
の電子放出が極めて多くなり、従って極めて大きい電流
を得ることができる。
【0072】次に、本発明の第11の実施例について説
明する。図10は、本実施例の放電電極を示す側面図で
ある。図10に示すように、本実施例の放電電極におい
ては、放電電極(陰極)80は細長い棒状の支持部81
の先端に円柱部82を有し、更にこの円柱部82の先端
には、電子放出を効率的に行うべく円錐状の円錐部83
が形成され電極基材84が構成されている。この電極基
材84は、例えば緻密な構造を有するタングステン等か
らなる電極母材からなる。電極基材84の円錐部83上
には、例えば0.1乃至10μm厚のダイヤモンド薄膜
85がコーティングされている。このダイヤモンド薄膜
85は、不純物としてIII族の元素である例えばボロ
ン(B)等がドープされたp型の不純物半導体であり、
このダイヤモンド薄膜85の表面は、所定の条件で水素
プラズマで処理され、針状構造が形成されている。
【0073】本実施例においては、電極基材84表面が
針状表面を有する半導体ダイヤモンド薄膜85によりコ
ーティングされているので、陰極80と陽極(図示せ
ず)との間に適当な電圧を印加した状態でダイヤモンド
薄膜85中から電子が放出されやすく、充填してあるX
e等のガスによりアーク放電が生成されやすくなる。こ
の結果、出力安定性の改善は高い再現性が要求される装
置等の応用分野において特に有効である。
【0074】なお、本発明の放電管は、例えばパルス点
灯型のフラッシュランプ又は直流点灯型の放電管に適用
することが可能である。
【0075】次に、本発明に係る繊毛状表面を有する炭
素系材料の実施例について説明する。本願発明者等は、
炭素系材料において、表面積が大きい繊毛状構造を低コ
ストで形成するため、鋭意実験研究した結果、プラズマ
発生装置を使用し、炭素系材料に負電圧を印加し、基板
の温度を−50乃至1000℃の範囲に維持し、プラズ
マ処理ガスとしてガス圧を1330Pa以下とし、水素
ガス又は水素ガスを主成分とする混合ガスによるプラズ
マを発生させ、炭素系材料を処理することにより、炭素
系材料表面に高密度の繊毛状構造を形成することができ
ることを見出した。
【0076】また、本願発明者等は、表面を繊毛状化し
た炭素系材料上に、更にダイヤモンド薄膜を気相合成し
て積層すると、表面の繊毛状構造を維持したままダイヤ
モンド薄膜が均一にコーティングことができることを見
出した。ダイヤモンドは不純物をドープすることにより
半導体化が可能であり、機能性の高い繊毛状構造の炭素
系材料を得ることができる。
【0077】本発明は、水素又は水素を主成分とする混
合ガスのプラズマ中で炭素系材料を処理することによ
り、炭素系材料表面に繊毛状構造を形成することを特徴
としている。しかし、ガス圧が1330Paを超える
と、プラズマが均一に広がらなくなり、しかも、炭素系
材料の表面に均一な繊毛状構造を形成することができな
いことが本願発明者らの研究で判明した。従って、繊毛
状構造を形成するための水素ガス又は水素を主成分とす
る混合ガスの圧力は1330Pa以下とする。
【0078】また、本願発明者等はプラズマ処理する際
の基板の温度は、−50乃至1000℃と広い範囲で繊
毛状構造が形成されることを知見した。しかし、100
0℃を超えると基板に熱歪が生じやすくなる。一方、基
板の温度を−50℃より低くするためには基板温度制御
のために装置構造が複雑化すると共に、プラズマ処理速
度が低下するので処理時間が長くなる。従って、基板の
温度は−50乃至1000℃とする。
【0079】基板に印加する負電圧については、特に制
限があるわけではないが、高周波及びマイクロ波により
プラズマを発生させる場合では、電圧が0乃至−100
Vでは繊毛状構造の形成速度が遅く、−500V以下で
は異常放電が生じるので、−100乃至−500Vが適
当である。
【0080】また、プラズマ処理に用いるガスは、水素
ガスに加えて、窒素ガス、Heガス、Arガス、酸素ガ
ス、CO2ガス、H2Oガス及び炭化水素ガス(アルコー
ル及びアセトン等のガスも含む)からなる群から選択さ
れた1種以上のガスを、水素ガス中に、混合比10体積
%以下で添加することができる。
【0081】水素に混合するガスとして、不活性な窒素
ガス、Heガス、又はArガス等の添加すると、炭素系
材料表面の繊毛状構造の形成速度を抑制することができ
る。また、酸素ガス、CO2ガス及びH2Oガス等の添加
すると、酸化効果により繊毛状構造の尖鋭性が低下する
が、機械強度がより優れた円錐状の繊毛状構造が形成で
きる。
【0082】これに対し、炭化水素ガスを添加すると、
炭素の均一な蒸着が進行するため、繊毛状構造の形成速
度が遅くなるが、表面欠陥の抑制、含有水素量の制御等
が可能になり、望ましい電気的特性が得られる。
【0083】図11は、上述のごとくして製造した本発
明の第12実施例に係る繊毛状表面を有する炭素系材料
(グラファイト)を示す図である。即ち、図11は、鏡
面研磨したグラファイトの表面をプラズマ処理し、その
表面に繊毛状構造を形成したグラファイトの表面を示す
走査型電子顕微鏡(Scanning electron microscope(S
EM))写真である。図11に示すように、プラズマ処
理には、水素ガスを用いてマイクロ波プラズマ発生装置
(周波数2.45GHz)でプラズマを発生させ、ガス
圧1.5Torr、基板温度400 ℃、処理時間1時
間とした結果、グラファイトの表面に高密度の繊毛状構
造が形成されている。そして、上述した如く、本発明の
繊毛状構造は、典型的には先端の直径が数乃至数十nm
でその長さが数百乃至数μmとなっている。
【0084】図12は、図11に示す繊毛状炭素系材料
上に、更に気相合成によりダイヤモンド膜を積層した炭
素系材料表面のSEM写真である。図11に示す繊毛状
構造を有する炭素系材料を形成した後、同一のマイクロ
波プラズマ発生装置により、形成した繊毛状炭素系材料
上に、0.3体積%CH4+99.7体積%H2の混合ガ
スを使用し、ガス圧6650Pa、基板の温度を100
0℃、処理時間30分で、周波数2.45GHzのマイ
クロ波を使用してプラズマを発生させ、気相合成により
ダイヤモンド薄膜を成長させたものである。図12に示
すように、繊毛状炭素系材料上に更にダイヤモンド薄膜
を成長させても、表面の繊毛状の構造を維持したまま炭
素系材料が成長しているのがわかる。このように、ダイ
ヤモンド薄膜がコーティングされた繊毛状構造では、先
端の直径が数十nm乃至数μmとなる。
【0085】従来、ダイヤモンドを除く炭素系材料上に
ダイヤモンド薄膜を成長させることは困難であったが、
本発明によれば、どのような炭素系材料にもダイヤモン
ド薄膜を成長させることができるという極めて優れた効
果が得られる。
【0086】本第12実施例によれば、水素ガス又は水
素ガス中に、窒素ガス、Heガス、Arガス、酸素ガ
ス、CO2ガス、H2Oガス、及び炭化水素ガスからなる
群から選択された1種以上のガスを混合比が10体積%
以下で混合した混合ガスを使用し、ガス圧及び基板の温
度を本発明範囲内にある条件、即ち、圧力1330Pa
以下、基板の温度−50乃至1000℃の範囲で印加電
圧を−100乃至−500V、プラズマ処理時間を0.
2乃至10時間の範囲で適当に選択して炭素系材料をプ
ラズマ処理することにより、図11に示すような繊毛状
構造が表面に形成された炭素系材料が得られ、またプラ
ズマ処理する炭素系材料がバルク、薄膜、粉末及びに焼
結体のいずれの形態であっても、その表面に繊毛状構造
を形成することができる。
【0087】次に、本発明の第13実施例について説明
する。この第13実施例においては、第12実施例の繊
毛状表面を有する炭素系材料を電気分解用の電極として
使用する。
【0088】本実施例においては、プラズマ処理して表
面に繊毛状構造が形成されているため、炭素系材料表面
の面積が広くなるため、電気分解効率を著しく向上させ
ることができ、電気分解に必要とする時間を極めて短時
間にすることができる。
【0089】また、電気分解用電極と同様に、繊毛状表
面を有する炭素系材料を化学センサ用の電極に使用する
こともできる。繊毛状表面を有する炭素系材料を使用す
ることにより、表面積が増大するので、感度を著しく向
上させることができる。
【0090】更に、この繊毛状表面を有する炭素系材料
は、燃料電池用電極に使用することもできる。繊毛状表
面を有する炭素系材料を使用することにより、金属触媒
量が増加するので、燃料分解効率が飛躍的に高くなり、
従って高効率の燃料電池を得ることができる。
【0091】次に、本発明の第14実施例について説明
する。この第14実施例は、繊毛状構造を有する炭素系
材料の薄膜を電子放出素子に使用したものである。
【0092】図13は、この第14実施例の電子放出素
子を示す模式的断面図である。図13に示すように、本
実施例の電子放出素子は、基体90上に下部電極91が
形成され、その上に表面に繊毛状構造が形成された炭素
系材料層92が形成されている。更に、この繊毛状炭素
系材料層92から離隔した位置に下部電極91に対向す
る透明な上部電極94が形成され、これらが真空中に配
置されている。そして、上部電極94及び下部電極91
は電源98に接続されている。
【0093】本実施例においては、上部電極94に正、
下部電極91に負電圧を印加するが、炭素系材料層92
の表面に繊毛状構造が形成されているため、炭素系材料
層92からの電子95の放出量が大きい。従って、電子
放出電圧のしきい値が低下し、電流値を著しく増大させ
ることができる。このような電子放出素子は、光電管、
平面パネルディスプレイ、マイクロ波発振源、及び高耐
圧スイッチング素子等へ適用することができ、これらの
デバイス特性を飛躍的に向上させることができる。
【0094】
【実施例】次に、本発明のダイヤモンド膜の製造方法に
より作製したダイヤモンド膜、並びにこれを使用した化
学電極及び電子デバイスを実際に製造した実施例につい
て、その特性を比較例と比較した結果について説明す
る。
【0095】実施例1 先ず、シリコン基板上に、基板の温度を800℃、ガス
圧が6650Paとし、0.5体積%CH4+99.5
体積%H2の混合ガスにより、周波数2.45GHzの
マイクロ波プラズマを発生させ、14時間の気相合成に
よりダイヤモンド膜を形成した。その後、このダイヤモ
ンド膜を下記表2に示す条件で、ダイヤモンド膜表面を
プラズマ処理した。なお、表2のRTは室温(room tem
perature)を示す。プラズマ処理については、工業用周
波数として認可されている2.45GHz又は915M
Hzのマイクロ波でプラズマを発生させた。処理後のダ
イヤモンド表面を観察し、針状構造が形成されているも
のについては、走査型電子顕微鏡(Scanning electron
microscope(SEM))により、その針密度を測定し
た。その結果も下記表2に示す。
【0096】
【表2】
【0097】実施例1乃至11では、ダイヤモンド膜の
表面には、針密度が109乃至101 0と高い針状構造が
形成された。
【0098】比較例13及び14は、ガス圧が本発明範
囲から外れるため、また、比較例15及び16は基板温
度が本発明範囲から外れるため、ダイヤモンド表面に針
状構造が形成されなかった。
【0099】実施例2(電気分解用電極) 電気分解用電極を作製し、その特性を評価するため、塩
化ナトリウム水溶液の電気分解を行った。なお、比較の
ため、プラズマ処理を行わず、表面に針状構造を形成し
ていないダイヤモンド膜(以下、未処理のダイヤモンド
膜という。)を使用したものについても同様に電気分解
を行った。電気分解用電極としては、先ず、1辺が10
mmの正方形の低抵抗シリコン基板を2枚用意し、マイ
クロ波CVD装置により、メタン1体積%及び水素希釈
したジボラン(B2H6)(原料ガス中のジボラン濃度
は100体積ppm)を原料ガスとして、20時間の合
成を行い、膜厚が5μmのp型半導体ダイヤモンド膜を
前記シリコン基板上に形成した。
【0100】ダイヤモンド膜を合成後、一方のダイヤモ
ンド膜には、表1の針状ダイヤモンド膜のプラズマ処理
条件と同一の処理条件にて、水素プラズマ処理をして、
ダイヤモンド膜表面に針状構造を形成した(以下、処理
試料という。)。また、他方のダイヤモンド膜は、参照
試料とするため、未処理のダイヤモンド膜とした。これ
らの処理試料及び参照試料について、シリコン基板の裏
面に銀ペーストで銅配線を接着し、ダイヤモンド膜表面
に、1辺が8mmの正方形の領域を残し、その他全体を
エポキシ樹脂によりシールして、電気分解用電極を得
た。
【0101】測定には、ビーカに0.1M%の塩化ナト
リウム水溶液を入れ、アノードに本実施例の電気分解用
電極である処理試料を、カソードに白金電極を使用した
場合と、アノードに参照試料、カソードに白金電極を使
用した場合とを、夫々同一電圧で、同一の電気料を通電
し、発生する水素量及び塩素量を測定して比較した。
【0102】測定した結果は、未処理のダイヤモンド膜
を使用した参照試料に対して、本実施例の電気分解用電
極である処理試料の方が電気抵抗が約60%小さく、電
気分解効率が約40%優れていた。このため、電気分解
が参照試料より処理試料の方が短時間に完了した。これ
は、処理試料の表面積が参照試料よりも大きく、また処
理試料の膜厚が参照試料よりも薄いため、発熱及び界面
抵抗等によるエネルギ損失が小さくなったためである。
【0103】実施例3(化学センサ用電極) 実施例2で作製した電極を化学センサ用電極として使用
した場合の特性について評価した。実施例2の処理試料
及び参照試料を電極として使用して、1mMFe(C
N)6/1MKClの溶液中においてサイクリック・ボ
ルタンメトリー測定を行った。図14は、サイクリック
・ボルトメトリー測定の結果を示すグラフ図である。図
14において、破線10は処理試料、実線15は参照試
料の測定結果を示している。対向電極には白金、参照電
極として、Ag/AgCl電極を使用した。参照試料と
比べると、処理試料を使用した電極は、表面に針状構造
が形成されているため、極めて感度が高く、バックグラ
ウンド電流が小さくなり、化学センサ用電極として使用
すれば化学センサの感度が10倍以上向上する。
【0104】実施例4(燃料電池用電極) 燃料電池用電極を作製し、その特性を評価するため、メ
タノール中のサイクック・ボルタンメトリー測定を行っ
た。燃料電池用電極は、先ず、高濃度にBをドーピング
した導電性の膜厚2μmのダイヤモンド膜を表1の条件
2に示す針状ダイヤモンド膜形成条件でプラズマ処理し
て針状表面を有するダイヤモンド膜を得た。次いで、こ
の表面にスパッタ法により、白金微粒子を分散蒸着し、
更に1時間ダイヤモンド気相合成を行って白金微粒子を
固定し燃料電池用電極を得た。また、比較のためプラズ
マ処理を行わず、ダイヤモンド膜表面が針状化されてい
ない未処理のダイヤモンド膜及び白金を電極として使用
した燃料電池用電極も夫々作製した。そしてこれらの燃
料電池用電極のサイクリック・ボルタンメトリー測定を
行った。測定は、参照電極にAg/AgClを使用し
た。
【0105】図15は、サイクリック・ボルタンメトリ
ー測定の結果を示すグラフ図である。図15において、
本実施例の燃料電池用電極を破線11で、未処理のダイ
ヤモンド膜を電極として使用したものを実線16aで、
白金を電極としたものを一点鎖線16bで示す。図15
に示すように、本実施例の燃料電池用電極は、メタノー
ル分解効率が極めて高いことがわかる。
【0106】実施例5(グルコースセンサ) 図5と同様の構造を有するグルコースセンサを作製し
た。針状構造が形成されたダイヤモンド作用電極34を
有する本実施例のグルコースセンサと、針状構造を形成
していない未処理のダイヤモンド膜を作用電極34とし
て有するグルコースセンサと比較した結果、生体識別物
質35が約5倍長い期間固定され、活性が約5倍長い期
間失われなかった。
【0107】実施例6(有機発光素子) 有機発光素子を作製し、その発光強度を測定した。先
ず、2個の窒化シリコン基板を用意し、このシリコン基
板上に正孔注入電極として白金膜を蒸着し、マイクロ波
プラズマCVD法により、正孔注入用電極上に正孔輸送
層として高濃度にBをドーピングしたダイヤモンド膜を
約1μmの厚さで形成した。そして、一方のダイヤモン
ド膜には、表1の条件2に示す針状ダイヤモンド膜形成
条件で水素プラズマ処理をして、針状表面を有するダイ
ヤモンド膜を形成した。他方は未処理のダイヤモンド膜
とした。次いで、これらの2種類のダイヤモンド膜上
に、有機発光層として、MDDO−PPV(Poly(2-met
hoxy5-dodecyloxy-1,4-phenylene vinylene))膜をスピ
ンコートした。更に、有機発光層上に電子注入用電極と
して、アルミニウム薄膜を真空蒸着した。
【0108】このようにして作製した本実施例の有機発
光素子及び未処理のダイヤモンド膜を使用した有機発光
素子の正孔注入電極と、電子注入電極との間に電圧を印
加して各素子の発光強度を測定した。図16は縦軸に発
光強度をとり、横軸に波長をとって、実施例6の有機発
光素子の発光強度を示すグラフ図である。図16におい
て、破線12及び実線17で示すのは夫々本実施例の有
機発光素子及び未処理のダイヤモンド膜を使用した有機
発光素子に夫々25Vの電圧を印加した場合の発光スペ
クトルを示す。図16に示すように、本実施例の有機発
光素子の方が、針状構造からの正孔注入効率が高いた
め、発光強度が約20%増大した。
【0109】実施例7(電子放出素子) 図6に示した構造を有する電子放出素子を作製し、その
電流電圧特性を測定した。電流電圧素子は、図6に示す
電子放出素子のダイヤモンド層42に実施例2と同様の
処理試料を使用したものと、表面に針状構造を形成して
いない未処理のダイヤモンド膜をダイヤモンド層42に
使用したものとを用意し、夫々真空中で200μm離し
て上部電極を配置した。作製したこれらの電子放出素子
の電流電圧測定を行った。
【0110】図17は、縦軸に電流密度とり、横軸に印
加電圧をとって、実施例7の電子放出素子の電流電圧測
定の結果を示すグラフ図である。図17において、破線
13は本実施例の電子放出素子、実線18は未処理のダ
イヤモンド膜を使用した電子放出素子の測定結果を示
す。図17に示すように、本実施例の電子放出素子の立
ち上がり電圧が、未処理のダイヤモンド膜を使用した電
子放出素子と比較すると、1/300に低下し、電流値
が大幅に増大することがわかった。
【0111】実施例8(紫外線発光素子) 実施例2の処理試料及び参照試料を使用し、紫外線素子
を作製して、その発光強度を測定した。実施例2の処理
試料及び参照試料上に、膜厚が0.4μmのアンドープ
ダイヤモンド膜を形成した後、金の極薄膜を蒸着して上
部電極を形成し、本実施例の紫外線発光素子及び未処理
のダイヤモンド膜を使用した紫外線発光素子を得た。い
ずれの紫外線発光素子についても、ダイヤモンド膜に正
電圧、金極薄膜に負の電圧を印加したところ、5.0e
Vの発光が観察されたが、針状構造を形成した本実施例
の紫外線発光素子の発光強度は参照試料を使用した紫外
線発光素子の約2.6倍大きかった。
【0112】実施例9(可視光発光素子) 図7に示した構造を有する可視光発光素子を作製し、そ
の発光強度を測定した。実施例2と同様の試料、即ち、
下部電極となる低抵抗シリコン基板上にp型ダイヤモン
ド膜を5μm形成したダイヤモンド膜に対して、表1の
条件2に示す針状ダイヤモンド膜形成条件でプラズマ処
理し、針状表面を有するダイヤモンド膜としたものと、
未処理のダイヤモンド膜とを基板とし、これらのダイヤ
モンド膜上にマイクロ波CVD法により膜厚が約2μm
のアンドープダイヤモンド薄膜を積層することにより、
ほぼ平坦な表面を形成した。次いで、この上に、蛍光薄
膜及びITOからなる透明な上部電極を順次積層し、微
細加工により可視光発光素子を作製した。そして、下部
電極と上部電極との間に電圧500Vを印加したとこ
ろ、蛍光薄膜から発光が生じた。本実施例の針状表面を
有するダイヤモンド膜を使用した可視光発光素子の発光
強度は、未処理のダイヤモンド膜を使用した可視光発光
素子の発光強度より約5倍程度大きかった。
【0113】実施例10(ガスセンサ) 図8に示した構造を有するガスセンサを作製し、その感
度応答特性について評価した。先ず、縦が2mm、横が
1mmのピッチで溝を形成した2.54cm径の窒化珪
素焼結体を基板として熱フィラメント気相合成装置を使
用して膜厚5μmの多結晶アンドープダイヤモンド薄膜
を成膜した。続いて、マイクロ波プラズマ装置を使用し
てプラズマ処理を行って表面に針状構造を形成し、更
に、感ガス層であるBドープした半導体ダイヤモンド層
(膜厚1000Å)をアンドープダイヤモンド層上に積
層した。半導体ダイヤモンド層内のBの原子密度は2×
10 18/cm3であった。次に、試料を200℃のクロ
ム酸及び硫酸の混合液で20分間、次いで100℃の王
水で10分間洗浄した。この後、スパッタ蒸着法により
ダイヤモンド薄膜表面には1対の白金電極を形成した。
白金電極の膜厚は3000Åとし、白金電極の面積は、
1mm×0.5mm、電極間隔は0.5mmとした。電
極形成後、2mm×1mmのセンサユニットに分割し
た。また、アルミナからなる母材裏面に、スパッタ蒸着
法により白金ヒータを形成した。白金ヒータの膜厚は3
000Åとした。そして、アルミナ母材の白金ヒータが
形成されていない側に、分割したセンサユニットを接着
した。続いて、100μm径の白金リード線を使用して
スポット溶接により、白金ヒータ及び白金電極と、セン
サ・マウントユニットの端子とを夫々接続した。最後に
白金電極と白金リード線との接続部を金ペーストで被覆
し、大気中600乃至700℃で30分間の熱処理を行
いガスセンサを作製した。
【0114】作製したガスセンサのホスフィンガスに対
する応答を評価するため、ホスフィンガスに対するガス
センサの電気抵抗値を測定した。図18は、縦軸にガス
センサの出力(電気抵抗)をとり、横軸に時間をとっ
て、実施例10のガスセンサのホスフィンに対する感度
測定結果を示すグラフ図である。測定は、大気中で、白
金ヒータにより、温度を300乃至450℃に保ち、
0.1、0.2、0.5体積ppmのホスフィン(PH
3)ガスを順次曝露させ、ガスセンサの出力(抵抗値)
変化を観測した。図18に示すように、0.1体積pp
mのホスフィンガスに対して80乃至100%の出力変
化が観測できた。この値は、未処理のダイヤモンド薄膜
を使用したガスセンサより、感度が20乃至200%程
度大きいことを示し、本実施例のガスセンサのように、
針状構造を形成したダイヤモンド膜をセンサ部に使用す
ることにより、センサ感度が大幅に向上することが分か
った。
【0115】実施例11(短波長センサ) 短波長センサを作製し、その特性について評価した。基
板上に形成したアンドープダイヤモンド膜を表1の条件
2に示す針状ダイヤモンド膜形成条件で水素プラズマ処
理し、表面に針状構造を形成した試料と、これと比較す
るためにプラズマ処理しない参照試料とを形成し、これ
らのダイヤモンド膜上に微細加工技術を使用して、白金
により、電極が相互に噛み合った1対の櫛形電極を形成
した。そして、この電極間に数ボルトの電圧を印加し、
これらの素子に紫外線を照射すると、電極間に流れる電
流を測定した。測定の結果、本実施例の短波長センサ
は、表面に針状構造を形成していない未処理のダイヤモ
ンド膜を使用した短波長センサと比較すると、同一の印
加電圧、紫外線照射量において、電極間に流れる電流が
約1桁大きくなり、本実施例の短波長センサは、極めて
紫外線吸収が大きい、即ち高感度であることが分かっ
た。
【0116】実施例12(光増倍管) 図9に示した構造を有する光増倍管を作製し、受電面と
光電面との間に流れる電流を測定した。
【0117】先ず、導電性の低抵抗のシリコン基板上
に、マイクロ波CVD法により、Bドープ多結晶ダイヤ
モンド膜を合成し、表1の条件2に示す条件で水素プラ
ズマ処理を行って針状表面を有するダイヤモンド膜を形
成した反射型光電面を作製した。次に、高温に熱した金
属板上でインジウム溶解し、この上にBドープ多結晶ダ
イヤモンド膜を形成したシリコン基板を配置することに
より、シリコン基板裏面に金属板を接着した。この光電
面に対向してメッシュ状の金属受電面を配置し、これら
を石英ガラス管に挿入した後、管内を10-7Torr以
下の真空にして封止し、光増倍管を作製した。
【0118】作製した光増倍管の受電面に対して光電面
に10乃至200Vの負電圧を印加しつつ、波長が20
0nmの紫外線を光電面に照射したところ、光電面から
電子放出を確認した。本実施例の針状表面を有するダイ
ヤモンド膜を光電面の電子放出板に使用した光増倍管
と、表面に針状構造を形成していない未処理のダイヤモ
ンド膜を使用した光増倍管とを同様の電圧を印加しつ
つ、紫外線を照射して比較したところ、針状表面を有す
るダイヤモンド膜を使用した光増倍管の方が電流量が約
1桁大きかった。
【0119】実施例13(放電電極) 図10に示した構造を有するフラッシュランプ用の放電
電極を作製して安定性の評価を行った。先ず、電極基材
84の円錐部83上に形成した針状のダイヤモンド薄膜
85は、膜厚を0.1乃至10μmとし、Bをドープし
たp型の半導体ダイヤモンドとした。この放電電極を陰
極とし、陽極との間に適当な電圧を印加したところ、充
填したXeガスから生じたアーク放電の光出力の安定性
は、ダイヤモンド薄膜をコーティングいていないフラッ
シュランプが約1.5%、また、ダイヤモンド薄膜をコ
ーティングしているがプラズマ処理をせず、表面に針状
構造を形成していない未処理のダイヤモンド膜を形成し
た放電電極を使用したフラッシュランプでは、約0.7
5%となったのに対し、本実施例の放電電極では、光出
力の安定性が0.5%以下となった。
【0120】次に、繊毛状表面を有する炭素系材料を製
造してその特性を評価した結果について説明する。
【0121】実施例14(電気分解用電極) 電気分解用電極を作製し、その特性を評価するため、塩
化ナトリウム水溶液の電気分解を行った。なお、比較の
ため、プラズマ処理を行わず、表面に繊毛状構造を形成
していない炭素系材料を使用したものについても同様に
電気分解を行った。
【0122】電気分解用電極として、シリコン基板上に
形成した1辺が20mmの正方形のグラファイトを使用
した。そして、実施例14のグラファイト電極として、
図11に示す繊毛状炭素系材料の製造条件と同一の条件
で処理したものを使用した。即ち、プラズマ処理条件
は、水素ガスを用いてマイクロ波プラズマ発生装置(周
波数2.45GHz)によりプラズマを発生させ、ガス
圧1.5Torr、基板温度400 ℃、処理時間1時
間として、グラファイトの表面に高密度の繊毛状構造を
形成したものである(実施例14)。比較例のグラファ
イトとして、プラズマ処理を行わなかったものも用意し
た(比較例14)。なお、実施例14及び比較例14の
電気分解用電極について、シリコン基板の裏面に銀ペー
ストで銅配線を接着し、炭素系材料表面に、1辺が12
mmの正方形の表面領域を残し、その他全体をエポキシ
樹脂によりシールして、電気分解に供した。
【0123】ビーカに0.1M%の塩化ナトリウム水溶
液を入れ、アノードに本実施例14の電気分解用電極を
使用し、カソードに白金電極を使用した場合と、アノー
ドに比較例14の電気分解用電極を使用し、カソードに
白金電極を使用した場合とについて、夫々同一電圧及び
同一の電気量で通電し、発生する水素量及び塩素量を測
定して、実施例14と比較例14における電気分解効率
を比較した。
【0124】その結果、未処理のグラファイトを使用し
た比較例14に比して、本発明の範囲に入る実施例14
の電気分解用電極の方が、電気分解効率が約35%優れ
ていた。このため、電気分解が比較例14より実施例1
4の方が短時間に完了した。これは、実施例14の表面
積が比較例14よりも大きいためである。
【0125】実施例15(電子放出素子) 図13に示した構造を有する電子放出素子(第14実施
例)を作製し、その電流電圧特性を測定した。電子放出
素子は、図13に示す電子放出素子の炭素系材料層92
にプラズマ処理して繊毛状構造を形成した試料(実施例
15)を使用したものと、表面に繊毛状構造を形成して
いない未処理の炭素系材料を炭素系材料層92に使用し
たもの(比較例15)とを用意し、夫々真空中で170
μm離して上部電極を配置した。作製したこれらの電子
放出素子の電流電圧測定を行った。なお、炭素系材料層
として、グラファイト層を使用した。
【0126】図19は、縦軸に電流密度をとり、横軸に
印加電圧をとって、実施例15の電子放出素子の電流−
電圧特性の測定結果を示すグラフ図である。図19にお
いて、破線14は実施例15の電子放出素子、実線19
は未処理の炭素系材料である比較例15を使用した電子
放出素子の測定結果を示す。図19に示すように、実施
例15の電子放出素子の立ち上がり電圧が、比較例15
の電子放出素子に比して、1/300に低下し、電流値
が大幅に増大することがわかる。
【0127】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
ダイヤモンド又は炭素系材料に負のバイアス電圧を印加
し、適切な基板温度で、低いガス圧の水素ガス又は水素
を主成分とする混合ガスによるマイクロ波プラズマを発
生させてダイヤモンド又は炭素系材料の表面を処理する
ことにより、ダイヤモンドの表面に針状構造を形成し、
又は炭素系材料の表面に繊毛状構造を形成することがで
きる。この針状構造又は繊毛状構造は、ダイヤモンド又
は炭素系材料の表面の面積を10倍以上増大させ、物質
の吸着量を増加させ、電子放出量が増大するため、電気
分解用電極、化学センサ用電極、燃料電池用電極及びバ
イオセンサ用電極等の化学電極、電子放出素子、紫外線
発光素子、可視光発光素子、ガスセンサ、短波長セン
サ、光電子放出板及び放電電極等の電子デバイス全般の
性能を飛躍的に向上させることができる。
【0128】また、ダイヤモンド膜をマイクロ波プラズ
マCVD装置により製造すると、ダイヤモンド膜の合成
及び表面処理をいずれも同一チャンバ内で行うことが可
能となり、製造が更に容易になると共に製造コストを極
めて低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマ処理条件と、従来例1及び従
来例2のプラズマ条件との比較を示すグラフ図である。
【図2】プラズマ処理前のダイヤモンド薄膜の表面の図
面代用写真である(走査型電子顕微鏡(Scanning elect
ron microscope(SEM))、倍率:10000倍)。
【図3】図2に示すダイヤモンド薄膜にプラズマ処理を
し、表面に針状構造を形成したダイヤモンド薄膜の表面
の図面代用写真である(SEM写真、倍率60000
倍)。
【図4】図3に示す針状ダイヤモンド膜上に更に気相合
成によりダイヤモンド膜を積層したダイヤモンド膜表面
の図面代用写真である(SEM写真、倍率60000
倍)。
【図5】本発明の第2実施例の針状ダイヤモンド膜を使
用したバイオセンサ(グルコースセンサ等)のトランス
ジューサ部を示す断面図である。
【図6】本発明の第4実施例の電子放出素子を示す模式
的断面図である。
【図7】本発明の第6実施例の可視光発光素子を示す断
面図である。
【図8】本発明の第7実施例のガスセンサを示す模式的
断面図である。
【図9】本発明の第9実施例の光増倍管用電子放出板を
示す模式的断面図である。
【図10】本発明の第10実施例の放電電極を示す側面
図である。
【図11】鏡面研磨したグラファイトに水素プラズマ処
理をし、その表面に繊毛状構造を形成したグラファイト
の表面の図面代用写真である(SEM写真、倍率600
00倍)。
【図12】図11に示す繊毛状炭素系材料上に更に気相
合成によりダイヤモンド薄膜を積層した炭素系材料表面
の図面代用写真である(SEM写真、倍率60000
倍)。
【図13】本発明の第14実施例の電子放出素子を示す
模式的断面図である。
【図14】実施例3のサイクリック・ボルトメトリー測
定の結果を示すグラフ図である。
【図15】実施例4のサイクリック・ボルタンメトリー
測定の結果を示すグラフ図である。
【図16】縦軸に発光強度をとり、横軸に波長をとっ
て、実施例6の有機発光素子の発光強度を示すグラフ図
である。
【図17】縦軸に電流密度、横軸に印加電圧をとって、
実施例7の電子放出素子の電流電圧素子の測定結果を示
すグラフ図である。
【図18】縦軸にガスセンサの出力(電気抵抗)、横軸
に時間をとって、実施例10のガスセンサのホスフィン
に対する感度測定結果を示すグラフ図である。
【図19】縦軸に電流密度をとり、横軸に印加電圧をと
って、実施例15の電子放出素子の電流−電圧特性の測
定結果を示すグラフ図である。
【符号の説明】
30、40、53、61;基板 31、38、54;アンドープダイヤモンド膜 32;白金参照電極 33;白金対向電極 34;作用電極 35;生体識別物質 36;生体膜 37;ヒータ 41;下部電極 42;ダイヤモンド層 43;アンドープダイヤモンド薄膜 46;蛍光薄膜 44;上部電極 47;配線用電極 45;電子 52;母材 55;p型半導体ダイヤモンド層 56;電極 51;ヒータ 62;Bドープ多結晶ダイヤモンド膜 63;光電面 64、67;金属電極 65受電面 68、69;リードピン 70;管 71;封着ガラス 72;窓 80;放電電極(陰極) 81;支持部 82;円柱部 83;円錐部 84;電極基材 85;ダイヤモンド薄膜 92;炭素系材料層 93;炭素系材料薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C23C 16/27 C23C 16/27 16/511 16/511 G01N 27/30 G01N 27/30 B H01M 4/88 H01M 4/88 C // C25D 11/04 C25D 11/04 Z (72)発明者 横田 嘉宏 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 林 和志 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 Fターム(参考) 4G046 CA01 CA02 CB01 CB09 CC06 EA05 EB13 EC01 EC06 GA01 GB01 GB07 4G077 AA04 BA03 DB07 DB19 EB01 HA05 4K030 AA10 AA17 AA20 BA28 BB12 CA04 CA12 DA04 DA08 FA01 JA06 JA09 JA10 JA17 5H018 AA02 AS01 BB07 EE05 HH05 HH08 HH09

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負の電圧を印加し、基板の温度を−50
    乃至800℃に維持し、圧力が66.5乃至665Pa
    の水素ガスによるマイクロ波プラズマにより表面処理さ
    れて表面に針状構造が形成されたものであること特徴と
    する針状表面を有するダイヤモンド。
  2. 【請求項2】 基板上に第1のダイヤモンドを合成する
    工程と、前記第1のダイヤモンドに負の電圧を印加し、
    前記基板の温度を−50乃至800℃に維持し、圧力が
    66.5乃至665Paの水素ガスによるマイクロ波プ
    ラズマを発生させて前記第1のダイヤモンドの表面を処
    理することにより、前記第1のダイヤモンド表面に針状
    構造を形成する工程と、を有することを特徴とする針状
    表面を有するダイヤモンドの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記水素ガス中に、窒素ガス、Heガ
    ス、Arガス、酸素ガス、CO2ガス、H2Oガス、及び
    炭化水素ガスからなる群から選択された1種以上のガス
    を混合比が10体積%以下で混合することを特徴とする
    請求項2に記載の針状表面を有するダイヤモンドの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記針状構造を形成する工程の後に、ダ
    イヤモンドを合成して前記第1のダイヤモンド上に第2
    のダイヤモンドを形成する工程を有することを特徴とす
    る請求項2又は3に記載の針状表面を有するダイヤモン
    ドの製造方法。
  5. 【請求項5】 第1のダイヤモンド及び/又は第2のダ
    イヤモンドは、不純物が添加された半導体ダイヤモンド
    であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項
    に記載の針状表面を有するダイヤモンドの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第1のダイヤモンドの形成工程と前
    記プラズマ処理工程とは、同一チャンバ内で連続して行
    うことを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記
    載の針状表面を有するダイヤモンドの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の針状表面を有するダイ
    ヤモンド又は請求項2乃至6のいずれか1項に記載の針
    状表面を有するダイヤモンドの製造方法により製造され
    た針状表面を有するダイヤモンドからなることを特徴と
    する電極。
  8. 【請求項8】 電気分解、化学センサ、燃料電池、バイ
    オセンサ、又はキャリア注入に使用されることを特徴と
    する請求項7に記載の電極。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の針状表面を有するダイ
    ヤモンド又は請求項2乃至6のいずれか1項に記載の針
    状表面を有するダイヤモンドの製造方法により製造され
    た針状表面を有するダイヤモンドを構成要素とすること
    を特徴とする電子デバイス。
  10. 【請求項10】 有機発光素子、電子放出素子、紫外線
    発光素子、可視光発光素子、平面パネルディスプレイ、
    ガスセンサ、短波調光センサ、又は光電子放出板である
    ことを特徴とする請求項9に記載の電子デバイス。
  11. 【請求項11】 炭素系素材に負電圧を印加しつつ、基
    板の温度を−50乃至1000℃に維持し、圧力が13
    30Pa以下の水素又は水素を主成分とする混合ガスの
    プラズマにより表面処理されて表面に繊毛状構造が形成
    されたものであること特徴とする繊毛状表面を有する炭
    素系材料。
  12. 【請求項12】 基板上に炭素系材料を蒸着して薄膜を
    形成する工程と、前記薄膜に負電圧を印加し、前記基板
    の温度を−50乃至1000℃に維持し、圧力が133
    0Pa以下の水素又は水素を主成分とする混合ガスのプ
    ラズマを発生させて前記薄膜の表面を処理することによ
    り、前記薄膜の表面に繊毛状構造を形成する工程と、を
    有することを特徴とする繊毛状表面を有する炭素系材料
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記繊毛状構造を形成する工程の後
    に、ダイヤモンドを気相合成して前記薄膜上にダイヤモ
    ンドを形成する工程を有することを特徴とする請求項1
    2に記載の繊毛状表面を有する炭素系材料の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項11に記載の繊毛状表面を有す
    る炭素系材料又は請求項12又は13に記載の繊毛状表
    面を有する炭素系材料の製造方法により製造された繊毛
    状表面を有する炭素系材料からなることを特徴とする電
    極。
  15. 【請求項15】 電気分解、化学センサ、燃料電池、バ
    イオセンサ、又はキャリア注入に使用されることを特徴
    とする請求項14に記載の電極。
  16. 【請求項16】 請求項11に記載の繊毛状表面を有す
    る炭素系材料又は請求項12又は13に記載の繊毛状表
    面を有する炭素系材料の製造方法により製造された繊毛
    状表面を有する炭素系材料を構成要素とすることを特徴
    とする電子デバイス。
  17. 【請求項17】 有機発光素子、電子放出素子、紫外線
    発光素子、可視光発光素子、平面パネルディスプレイ、
    ガスセンサ、短波調光センサ、又は光電子放出板である
    ことを特徴とする請求項16に記載の電子デバイス。
JP2000205935A 2000-04-05 2000-07-06 針状表面を有するダイヤモンドの製造方法及び繊毛状表面を有する炭素系材料の製造方法 Expired - Fee Related JP3971090B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000205935A JP3971090B2 (ja) 2000-04-05 2000-07-06 針状表面を有するダイヤモンドの製造方法及び繊毛状表面を有する炭素系材料の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-104052 2000-04-05
JP2000104052 2000-04-05
JP2000205935A JP3971090B2 (ja) 2000-04-05 2000-07-06 針状表面を有するダイヤモンドの製造方法及び繊毛状表面を有する炭素系材料の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001348296A true JP2001348296A (ja) 2001-12-18
JP3971090B2 JP3971090B2 (ja) 2007-09-05

Family

ID=26589536

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000205935A Expired - Fee Related JP3971090B2 (ja) 2000-04-05 2000-07-06 針状表面を有するダイヤモンドの製造方法及び繊毛状表面を有する炭素系材料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3971090B2 (ja)

Cited By (33)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005031781A1 (ja) * 2003-09-30 2005-04-07 Sumitomo Electric Industries, Ltd. ダイヤモンド電子放出素子の製造方法ならびに電子放出素子
JP2005320208A (ja) * 2004-05-10 2005-11-17 Ibiden Co Ltd 炭素複合部材
WO2005116306A1 (ja) * 2004-05-27 2005-12-08 Toppan Printing Co., Ltd. ナノクリスタルダイヤモンド膜、その製造方法、及びナノクリスタルダイヤモンド膜を用いた装置
JP2006010357A (ja) * 2004-06-22 2006-01-12 Keio Gijuku マイクロダイヤモンド電極製造方法
JP2006009147A (ja) * 2004-05-21 2006-01-12 National Institute For Materials Science 超電導性を有するホウ素ドープダイヤモンド薄膜
JP2006210162A (ja) * 2005-01-28 2006-08-10 Stanley Electric Co Ltd 電子線源
JP2006331846A (ja) * 2005-05-26 2006-12-07 Asahi Kasei Corp 燃料電池用電極触媒
WO2007001031A1 (ja) * 2005-06-29 2007-01-04 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha 微細ダイヤモンドの製造方法及び微細ダイヤモンド
WO2007046165A1 (ja) * 2005-10-19 2007-04-26 Central Japan Railway Company 針状突起配列構造を表面に有するダイヤモンドの製造方法、ダイヤモンド材料、電極、及び電子デバイス
JP2008230905A (ja) * 2007-03-20 2008-10-02 Central Japan Railway Co ダイヤモンド電極、触媒担持電極、及び電子デバイス
JPWO2006132250A1 (ja) * 2005-06-06 2009-01-08 日機装株式会社 バイオセンサ及びバイオセンサセル
JP2009126758A (ja) * 2007-11-26 2009-06-11 Institute Of National Colleges Of Technology Japan 表面改質炭素材料およびその製造方法
JP2009150658A (ja) * 2007-12-18 2009-07-09 Tdk Corp 電気化学センサ及び電気化学センサシステム
US7605527B2 (en) 2004-05-31 2009-10-20 Kabushiki Kaisha Toshiba Discharge lamp and discharge electrode having an electron-emitting layer including a plurality of protrusions separated by grooves
JP2010096623A (ja) * 2008-10-16 2010-04-30 Central Japan Railway Co ダイヤモンド電極、化学センサ、及び、化学センサの製造方法
US7768031B2 (en) 2006-03-20 2010-08-03 Canon Kabushiki Kaisha Light emitting device and method of producing a light emitting device
JP2010199063A (ja) * 2009-01-30 2010-09-09 Equos Research Co Ltd 触媒金属担持カーボン
JP2010265123A (ja) * 2009-05-12 2010-11-25 Nagasaki Univ 親水性炭素質膜の製造方法及び製造装置
JP2011064616A (ja) * 2009-09-18 2011-03-31 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 電極表面に多数のナノサイズの針状凸部を有するカーボン酵素電極、及び、その作製方法
DE102009048108B3 (de) * 2009-10-01 2011-05-05 Condias Gmbh Verfahren zur Behandlung einer Diamantschicht und Substrat mit einer Diamantschicht
JP2011154980A (ja) * 2010-01-28 2011-08-11 Stanley Electric Co Ltd 電界放出型電子源及びその製造方法
US9831503B2 (en) 2014-12-03 2017-11-28 Coulombic, Inc. Electrodes and electrochemical devices and methods of making electrodes and electrochemical devices
JP2018058743A (ja) * 2016-10-07 2018-04-12 アダマンド並木精密宝石株式会社 ランダムマイクロニードル
CN107964669A (zh) * 2017-12-26 2018-04-27 深圳先进技术研究院 一种硼氮共掺杂金刚石电极及其制备方法与应用
KR101950465B1 (ko) * 2017-08-11 2019-05-02 주식회사 엘지화학 전해용 전극 및 이의 제조방법
WO2022014925A1 (ko) * 2020-07-13 2022-01-20 덕산네오룩스 주식회사 유기전기소자용 유기재료, 유기전기소자용 유기재료의 제조 방법 및 이를 이용한 유기전기소자
US11590568B2 (en) 2019-12-19 2023-02-28 6K Inc. Process for producing spheroidized powder from feedstock materials
US11633785B2 (en) 2019-04-30 2023-04-25 6K Inc. Mechanically alloyed powder feedstock
US11717886B2 (en) 2019-11-18 2023-08-08 6K Inc. Unique feedstocks for spherical powders and methods of manufacturing
US11839919B2 (en) 2015-12-16 2023-12-12 6K Inc. Spheroidal dehydrogenated metals and metal alloy particles
US11855278B2 (en) 2020-06-25 2023-12-26 6K, Inc. Microcomposite alloy structure
US11919071B2 (en) 2020-10-30 2024-03-05 6K Inc. Systems and methods for synthesis of spheroidized metal powders
US11963287B2 (en) 2020-09-24 2024-04-16 6K Inc. Systems, devices, and methods for starting plasma

Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6415240A (en) * 1987-07-07 1989-01-19 Idemitsu Petrochemical Co Diamond-like carbon covered wire rod and its production
JPH01246116A (ja) * 1988-03-29 1989-10-02 Natl Inst For Res In Inorg Mater 針状,繊維状,多孔質状ダイヤモンドまたはそれらの集合体の製造法
JPH02239191A (ja) * 1989-03-10 1990-09-21 Idemitsu Petrochem Co Ltd ダイヤモンド多層膜およびその製造方法
JPH04244000A (ja) * 1991-01-28 1992-09-01 Nec Corp ダイヤモンド針の研磨方法
JPH0729483A (ja) * 1993-07-16 1995-01-31 Kobe Steel Ltd 電子エミッタ素子
JPH08301692A (ja) * 1995-05-05 1996-11-19 Saint Gobain Norton Ind Ceramics Corp 合成ダイヤモンドのアブレーション法と得られたダイヤモンド
JPH0945215A (ja) * 1995-07-27 1997-02-14 Sumitomo Electric Ind Ltd フィールドエミッターを有するデバイス及びその製造方法
JP2000001392A (ja) * 1998-06-12 2000-01-07 Univ Tokyo 針状ダイヤモンド配列構造体の作製方法
JP2000150489A (ja) * 1995-08-24 2000-05-30 Univ Nagoya ラジカル制御による微細加工方法および装置
JP2000215788A (ja) * 1998-11-19 2000-08-04 Nec Corp カ―ボン材料とその製造方法、及びそれを用いた電界放出型冷陰極
JP2001229807A (ja) * 2000-02-18 2001-08-24 Nec Corp 炭素膜とそれを用いた電界放出型冷陰極及びその製造方法

Patent Citations (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6415240A (en) * 1987-07-07 1989-01-19 Idemitsu Petrochemical Co Diamond-like carbon covered wire rod and its production
JPH01246116A (ja) * 1988-03-29 1989-10-02 Natl Inst For Res In Inorg Mater 針状,繊維状,多孔質状ダイヤモンドまたはそれらの集合体の製造法
JPH02239191A (ja) * 1989-03-10 1990-09-21 Idemitsu Petrochem Co Ltd ダイヤモンド多層膜およびその製造方法
JPH04244000A (ja) * 1991-01-28 1992-09-01 Nec Corp ダイヤモンド針の研磨方法
JPH0729483A (ja) * 1993-07-16 1995-01-31 Kobe Steel Ltd 電子エミッタ素子
JPH08301692A (ja) * 1995-05-05 1996-11-19 Saint Gobain Norton Ind Ceramics Corp 合成ダイヤモンドのアブレーション法と得られたダイヤモンド
JPH0945215A (ja) * 1995-07-27 1997-02-14 Sumitomo Electric Ind Ltd フィールドエミッターを有するデバイス及びその製造方法
JP2000150489A (ja) * 1995-08-24 2000-05-30 Univ Nagoya ラジカル制御による微細加工方法および装置
JP2000001392A (ja) * 1998-06-12 2000-01-07 Univ Tokyo 針状ダイヤモンド配列構造体の作製方法
JP2000215788A (ja) * 1998-11-19 2000-08-04 Nec Corp カ―ボン材料とその製造方法、及びそれを用いた電界放出型冷陰極
JP2001229807A (ja) * 2000-02-18 2001-08-24 Nec Corp 炭素膜とそれを用いた電界放出型冷陰極及びその製造方法

Cited By (47)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2005031781A1 (ja) * 2003-09-30 2006-12-07 住友電気工業株式会社 ダイヤモンド電子放出素子の製造方法ならびに電子放出素子
US7323812B2 (en) 2003-09-30 2008-01-29 Sumitomo Electric Industries, Ltd. Process for producing diamond electron emission element and electron emission element
WO2005031781A1 (ja) * 2003-09-30 2005-04-07 Sumitomo Electric Industries, Ltd. ダイヤモンド電子放出素子の製造方法ならびに電子放出素子
JP2005320208A (ja) * 2004-05-10 2005-11-17 Ibiden Co Ltd 炭素複合部材
JP4619036B2 (ja) * 2004-05-10 2011-01-26 イビデン株式会社 炭素複合部材
JP2006009147A (ja) * 2004-05-21 2006-01-12 National Institute For Materials Science 超電導性を有するホウ素ドープダイヤモンド薄膜
JP4719909B2 (ja) * 2004-05-27 2011-07-06 凸版印刷株式会社 ナノクリスタルダイヤモンド膜の製造方法
US8420043B2 (en) 2004-05-27 2013-04-16 Toppan Printing Co., Ltd. Nano-crystal diamond film, manufacturing method thereof, and device using nano-crystal diamond film
WO2005116306A1 (ja) * 2004-05-27 2005-12-08 Toppan Printing Co., Ltd. ナノクリスタルダイヤモンド膜、その製造方法、及びナノクリスタルダイヤモンド膜を用いた装置
JPWO2005116306A1 (ja) * 2004-05-27 2008-04-03 凸版印刷株式会社 ナノクリスタルダイヤモンド膜、その製造方法、及びナノクリスタルダイヤモンド膜を用いた装置
US7605527B2 (en) 2004-05-31 2009-10-20 Kabushiki Kaisha Toshiba Discharge lamp and discharge electrode having an electron-emitting layer including a plurality of protrusions separated by grooves
JP2006010357A (ja) * 2004-06-22 2006-01-12 Keio Gijuku マイクロダイヤモンド電極製造方法
JP4547548B2 (ja) * 2004-06-22 2010-09-22 学校法人慶應義塾 マイクロダイヤモンド電極製造方法
JP2006210162A (ja) * 2005-01-28 2006-08-10 Stanley Electric Co Ltd 電子線源
JP2006331846A (ja) * 2005-05-26 2006-12-07 Asahi Kasei Corp 燃料電池用電極触媒
JPWO2006132250A1 (ja) * 2005-06-06 2009-01-08 日機装株式会社 バイオセンサ及びバイオセンサセル
JP5221953B2 (ja) * 2005-06-29 2013-06-26 日本化薬株式会社 微細ダイヤモンドの製造方法及び爆薬組成物
WO2007001031A1 (ja) * 2005-06-29 2007-01-04 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha 微細ダイヤモンドの製造方法及び微細ダイヤモンド
JP2012193106A (ja) * 2005-06-29 2012-10-11 Nippon Kayaku Co Ltd 微細ダイヤモンドの製造方法及び微細ダイヤモンド
JP2007112653A (ja) * 2005-10-19 2007-05-10 Central Japan Railway Co 針状突起配列構造を表面に有するダイヤモンドの製造方法、ダイヤモンド材料、電極、及び電子デバイス
WO2007046165A1 (ja) * 2005-10-19 2007-04-26 Central Japan Railway Company 針状突起配列構造を表面に有するダイヤモンドの製造方法、ダイヤモンド材料、電極、及び電子デバイス
US7768031B2 (en) 2006-03-20 2010-08-03 Canon Kabushiki Kaisha Light emitting device and method of producing a light emitting device
JP2008230905A (ja) * 2007-03-20 2008-10-02 Central Japan Railway Co ダイヤモンド電極、触媒担持電極、及び電子デバイス
JP2009126758A (ja) * 2007-11-26 2009-06-11 Institute Of National Colleges Of Technology Japan 表面改質炭素材料およびその製造方法
JP2009150658A (ja) * 2007-12-18 2009-07-09 Tdk Corp 電気化学センサ及び電気化学センサシステム
JP2010096623A (ja) * 2008-10-16 2010-04-30 Central Japan Railway Co ダイヤモンド電極、化学センサ、及び、化学センサの製造方法
JP2010199063A (ja) * 2009-01-30 2010-09-09 Equos Research Co Ltd 触媒金属担持カーボン
JP2010265123A (ja) * 2009-05-12 2010-11-25 Nagasaki Univ 親水性炭素質膜の製造方法及び製造装置
JP2011064616A (ja) * 2009-09-18 2011-03-31 National Institute Of Advanced Industrial Science & Technology 電極表面に多数のナノサイズの針状凸部を有するカーボン酵素電極、及び、その作製方法
DE102009048108B3 (de) * 2009-10-01 2011-05-05 Condias Gmbh Verfahren zur Behandlung einer Diamantschicht und Substrat mit einer Diamantschicht
JP2011154980A (ja) * 2010-01-28 2011-08-11 Stanley Electric Co Ltd 電界放出型電子源及びその製造方法
US9831503B2 (en) 2014-12-03 2017-11-28 Coulombic, Inc. Electrodes and electrochemical devices and methods of making electrodes and electrochemical devices
US11839919B2 (en) 2015-12-16 2023-12-12 6K Inc. Spheroidal dehydrogenated metals and metal alloy particles
JP2018058743A (ja) * 2016-10-07 2018-04-12 アダマンド並木精密宝石株式会社 ランダムマイクロニードル
US11396709B2 (en) 2017-08-11 2022-07-26 Lg Chem, Ltd. Electrode for electrolysis and preparation method thereof
KR101950465B1 (ko) * 2017-08-11 2019-05-02 주식회사 엘지화학 전해용 전극 및 이의 제조방법
CN107964669A (zh) * 2017-12-26 2018-04-27 深圳先进技术研究院 一种硼氮共掺杂金刚石电极及其制备方法与应用
CN107964669B (zh) * 2017-12-26 2024-03-19 深圳先进技术研究院 一种硼氮共掺杂金刚石电极及其制备方法与应用
US11633785B2 (en) 2019-04-30 2023-04-25 6K Inc. Mechanically alloyed powder feedstock
US11717886B2 (en) 2019-11-18 2023-08-08 6K Inc. Unique feedstocks for spherical powders and methods of manufacturing
US11590568B2 (en) 2019-12-19 2023-02-28 6K Inc. Process for producing spheroidized powder from feedstock materials
US11855278B2 (en) 2020-06-25 2023-12-26 6K, Inc. Microcomposite alloy structure
KR102399461B1 (ko) * 2020-07-13 2022-05-20 덕산네오룩스 주식회사 유기전기소자용 유기재료, 유기전기소자용 유기재료의 제조 방법 및 이를 이용한 유기전기소자
KR20220008435A (ko) * 2020-07-13 2022-01-21 덕산네오룩스 주식회사 유기전기소자용 유기재료, 유기전기소자용 유기재료의 제조 방법 및 이를 이용한 유기전기소자
WO2022014925A1 (ko) * 2020-07-13 2022-01-20 덕산네오룩스 주식회사 유기전기소자용 유기재료, 유기전기소자용 유기재료의 제조 방법 및 이를 이용한 유기전기소자
US11963287B2 (en) 2020-09-24 2024-04-16 6K Inc. Systems, devices, and methods for starting plasma
US11919071B2 (en) 2020-10-30 2024-03-05 6K Inc. Systems and methods for synthesis of spheroidized metal powders

Also Published As

Publication number Publication date
JP3971090B2 (ja) 2007-09-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3971090B2 (ja) 針状表面を有するダイヤモンドの製造方法及び繊毛状表面を有する炭素系材料の製造方法
Xu et al. Nanostructural zinc oxide and its electrical and optical properties
Shen et al. Fabrication, characterization and field emission properties of large-scale uniform ZnO nanotube arrays
JP3502082B2 (ja) 電子源およびその製造方法、並びに、表示装置
US7811149B2 (en) Method for fabricating carbon nanotube-based field emission device
KR101376163B1 (ko) 카본 나노튜브, 이를 구비한 기판 및 전자 방출 소자, 카본나노튜브 합성용 기판, 및 이들의 제조 방법 및 제조 장치
US20090258255A1 (en) Method for Producing Diamond Having Acicular Projection Array Structure on Surface thereof, Diamond Material, Electrode and Electronic Device
Lim et al. Effect of gas exposure on field emission properties of carbon nanotube arrays
US20110097631A1 (en) Organic/inorganic composite comprising three-dimensional carbon nanotube networks, method for preparing the organic/inorganic composite and electronic device using the organic/inorganic composite
RU2309480C2 (ru) Материал и способ изготовления многоострийного автоэмиссионного катода
KR20080064612A (ko) 전계 방출 전극, 이의 제조 방법 및 이를 구비한 전계 방출소자
CN1434480A (zh) 电子器件
JP2007123280A (ja) ZnOの突起物を有するカーボンナノチューブ
Chen et al. High field emission enhancement of ZnO-nanorods via hydrothermal synthesis
KR100896109B1 (ko) 전계 방출 전극과 그 제조 방법 및 전자 장치
WO2010123007A1 (ja) 希土類六ホウ化物冷陰極電界放出型電子源
JP2007504607A (ja) 電界放出装置
JP5245072B2 (ja) カーボンナノチューブの合成方法及びその合成装置
US6447851B1 (en) Field emission from bias-grown diamond thin films in a microwave plasma
TW201900547A (zh) 光電探測元件以及光電探測器
JP2004006205A (ja) 電極およびそれを用いた装置
EP0959148A2 (en) Method for producing diamond films using a vapour-phase synthesis system
JP2020184453A (ja) 電子放出素子及び電子顕微鏡
JP2010006670A (ja) ナノワイヤ構造体およびその製造方法
JP2005053709A (ja) カーボンナノチューブの製造方法およびその装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061212

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070306

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070507

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070605

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070607

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3971090

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100615

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110615

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120615

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130615

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees