JP4619036B2 - 炭素複合部材 - Google Patents

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本発明は、炭素基材表面に熱分解炭素層が形成された炭素複合材料に関する。
従来、シリコンや炭化珪素等からなる単結晶ウエハ等に対して成膜を行う際には、MOCVD(有機金属化学気相成長)、MOVPE(有機金属化学気相エピタキシャル成長)等に使用されるCVD装置、MBE(分子線エピタキシャル成長)装置、昇華法に使用される単結晶成長装置等が用いられており、これらの装置内を構成する部材や、これらの装置で使用される治具には、炭素基材の表面をCVD−炭化珪素等により被覆してなる炭素複合材料が利用されていた。
これらのCVD装置等の装置では、ウエハ上に成膜を行ったり、装置部材のクリーニングを行ったりする際に、通常、原料ガスや水素ガス、窒素ガス、アンモニアガス、塩化水素ガス等の反応性ガスを含む1000℃以上の高温ガス雰囲気が形成され、炭素基材の表面をCVD−炭化珪素等により被覆してなる炭素複合材料からなる装置部材や治具も、この高温ガス雰囲気に晒されることとなる。
しかしながら、CVD−炭化珪素等からなる表面処理膜は、この高温ガス雰囲気において、還元性ガスや反応性ガスと反応して消耗したり、ピンホールを発生したりするため、炭素基材の表面をCVD−炭化珪素等により被覆してなる炭素複合材料からなる装置部材や治具は、炭素基材が露出したり、ピンホールから浸入した還元性ガスや反応性ガスにより炭素基材が消耗し、被覆された膜が浮き上がったり、剥離したりし、この状態でウエハの成膜に使用されると、結晶の成長過程に悪影響を与えてしまうので、頻繁に交換する必要があった。
特許文献1には、黒鉛基材の表面にアンモニアに対する耐食性に優れたCVD−炭化珪素被膜が形成されたCVD−炭化珪素被覆材が開示されている。
このCVD−炭化珪素被覆材では、黒鉛基材の表面にアンモニアに対する耐食性に優れたCVD−炭化珪素被膜が形成されているため、黒鉛基材が直接高温ガス雰囲気に晒されることがなく、その結果、黒鉛基材の露出防止に対して効果がある。しかしながら、このCVD−炭化珪素被覆材は、使用可能温度が1250℃程度と充分でなかった。
また、CVD−炭化珪素により表面被覆された炭素複合材料は、炭化珪素ウエハ上に炭化珪素をエピタキシャル成長させる処理に用いられる装置の構成部材や治具として用いられると、CVD−炭化珪素被膜の結晶構造に起因して、炭化珪素ウエハのCVD−炭化珪素被膜と接触している側において、結晶構造の異なる炭化珪素が成長してしまい、結晶の成長過程に悪影響を与えるという問題があった。
特開2002−47570号公報
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、高温、かつ、還元性ガスや反応性ガス雰囲気下で、長時間使用された場合であっても、炭素基材が露出することがなく、信頼性に優れた炭素複合材料を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の炭素複合部材は、炭素基材と上記炭素基材の表面に形成された熱分解炭素層とからなる炭素複合部材であって、
上記熱分解炭素層は、上記炭素基材の表面に直接形成され、表面に直線状に重なり合わせながら形成されたV溝もしくは格子状に形成されたV溝を有する第一の熱分解炭素層と、上記V溝を有する上記第一の熱分解炭素層上に積層形成された第二の熱分解炭素層とからなることを特徴とする。
また、本発明の炭素複合部材の製造方法は、炭素基材と上記炭素基材の表面に形成された熱分解炭素層とからなる炭素複合部材の製造方法であって、炭素基材の表面に第一の熱分解炭素層を形成する工程と、上記第一の熱分解炭素層の表面に直線状に重なり合わせながらV溝を形成する工程もしくは格子状のV溝を形成する工程と、上記V溝を有する上記第一の熱分解炭素層上に第二の熱分解炭素層を積層形成する工程とを備えることを特徴とする。
本発明の炭素複合部材は、炭素基材の表面に形成された熱分解炭素層とからなる炭素複合部材のため、炭素以外の元素を含まず2000℃以上の高温下でも長時間使用することが可能である。また、上記熱分解炭素層は、炭素の基材の表面に積層形成された第一の熱分解炭素層と第二の熱分解炭素層とからなるため、還元性ガスや反応性ガス雰囲気下で、長時間使用した場合であっても、炭素基材が露出することがなく、信頼性に優れることとなる。
本発明の炭素複合部材は、炭素基材と上記炭素基材の表面に形成された熱分解炭素層とからなる炭素複合部材であって、
上記熱分解炭素層は、上記炭素基材の表面に直接形成され、表面に直線状に重なり合わせながら形成されたV溝もしくは格子状に形成されたV溝を有する第一の熱分解炭素層と、上記V溝を有する上記第一の熱分解炭素層上に積層形成された第二の熱分解炭素層とからなることを特徴とする。
炭素基材の表面に一層の熱分解炭素層が形成された炭素複合部材を、CVD装置、MBE装置、単結晶成長装置等に使用する場合、原料ガスや水素ガス、窒素ガス、アンモニアガス、塩化水素ガス等の反応性ガス等により、熱分解炭素層にピンホール等が形成され、その結果、ピンホールから浸入したガスにより熱分解炭素層の下の炭素基材が消耗し、熱分解炭素層が浮き上がったり、剥離したり、更には熱分解炭素層が消耗し炭素基材が露出することが懸念される。また、熱分解炭素層が反応性ガスにより侵食される場合、ピンホール等は、熱分解炭素層を構成する結晶同士の界面部分を起点に形成される傾向にある。
一方、本発明の炭素複合部材では、炭素基材の表面に直接形成された第一の熱分解炭素層と、上記第一の熱分解炭素層上に積層形成された第二の熱分解炭素層からなる熱分解炭素層が形成されている。
ここで、熱分解炭素層は、上記第一の熱分解炭素層を形成する結晶粒と、上記第二の熱分解炭素層を形成する結晶粒とが上下方向に重ならないように位置していることが望ましい。
一般に、熱分解炭素層は、柱状の結晶粒が集合したような構成をとっている。従って、本発明の炭素複合部材では、上述したように第一の熱分解炭素層を形成する結晶粒と、上記第二の熱分解炭素層を形成する結晶粒とが、上下方向に重ならないようにすることが可能になる。
このような構成を有する熱分解炭素層が形成されている場合、反応性ガス等により第二の熱分解炭素層が侵食され、この第二の熱分解炭素層を構成する結晶の界面にピンホールが形成されても、そのピンホールは、炭素基材にまで成長することがなく、炭素基材が露出することはない。
なぜなら、上述したように、第一の熱分解炭素層を構成する結晶の界面と、上記第二の熱分解炭素層を構成する結晶の界面とは、上下方向に重ならないように位置しているため、第二の熱分解炭素層を構成する結晶の界面に形成されたピンホールの直下には、第一の熱分解炭素層を構成する結晶の界面は位置しておらず、ピンホールが炭素基材に向って成長することがないからである。
従って、本発明の炭素複合部材は、反応性ガス等の雰囲気下での使用においても、ピンホールから浸入したガスにより熱分解炭素層の下の炭素基材が消耗し、熱分解炭素層が浮き上がったり、剥離したり、更には熱分解炭素層が消耗し、炭素基材が露出することがなく、信頼性に優れることとなる。
なお、第一の熱分解炭素層を構成する結晶の界面と上記第二の熱分解炭素層を構成する結晶の界面とは上下方向に重ならないように位置しているとは、第一の熱分解炭素層を形成する結晶粒と上記第二の熱分解炭素層を形成する結晶粒とが上下方向に重ならないように位置していると、同じことを意味する。
図1(a)は、本発明の炭素複合部材を用いたサセプタの一例を模式的に示す断面図であり、(b)は、(a)の部分拡大図である。なお、(b)は、(a)中、破線で囲まれた部分の拡大図である。
このサセプタ10は、上面に凹部13を有する平板形状の炭素基材11の表面全体に熱分解炭素層12が形成されている。
また、(b)に示すように、熱分解炭素層12は、第一の熱分解炭素層22と第二の熱分解炭素層32とから構成されており、第一の熱分解炭素層を構成する結晶の界面22aと、第二の熱分解炭素層を構成する結晶の界面32aとが、上下方向に重ならないように位置している。
なお、本発明の炭素複合部材の用途は、図1に示したサセプタに限定されるわけではなく、ヒータやその他の半導体製造装置用の炉部材等として広範囲の用途に用いられる。
次に、本発明の炭素複合部材の構成部材について説明する。
本発明の炭素複合材料を構成する炭素基材は、耐熱性に優れたものであれば、その材質は特に限定されるものではなく、種々の炭素を使用することができるが、それらのなかでは、黒鉛材料が好ましく、例えば、熱分解炭素層との親和性に優れるC/Cコンポジットや高純度等方性黒鉛製のものがより好ましい。
上記炭素基材の20℃から400℃における平均熱膨張係数は、1.3〜6.0×10−6/℃であることが好ましい。その理由は、炭素基材の平均熱膨張係数が上記範囲外のものであると、加熱・冷却の繰り返しによって、熱分解炭素層が炭素基材表面から頻繁に剥離したり、クラックが発生したりすることがあるからである。一方、上記範囲にあれば、表面に形成された熱分解炭素層と炭素基材の熱膨張係数のミスマッチもなく熱分解炭素層へのクラックの発生も防止されることとなる。
上記炭素基材の平均気孔半径は、0.5〜5μmであることが好ましい。ここで「平均気孔半径」とは、水銀ポロシメーターにより、最大圧力98MPa、試料と水銀の接触角141.3°の条件で気孔容積を求めたときに、累積気孔容積の半分値となる気孔容積に対応する気孔半径の値である。
上記平均気孔半径が0.5μm未満では、いわゆるアンカー効果が充分に発揮されず、熱分解炭素層が剥離しやすくなり、一方、5μmを超えると、基材表面に形成された熱分解炭素層の凹凸が大きくなり、微小な部位で応力が集中し、熱分解炭素層が剥離しやすくなるからである。
上記炭素基材の大きさ、形態は、特に限定されず、用途に応じて種々の大きさ、形態をとってよい。
また、上記炭素基材の表面は、粗面であることが好ましい。アンカー効果により、熱分解炭素層との密着性を向上させるためである。
上記炭素基材における不純物の含有量は、全灰分が10ppm以下、更に好ましくは、5ppm以下であることが好ましい。不純物含有量が上記以上であると化学蒸着(CVD)法により熱分解炭素層を形成する際に炭素基材中の不純物が熱分解炭素層の中に混入し、熱分解炭素層の純度を悪化したり、不純物と化学反応を起こし、これを起点とした消耗やクラックが生じてしまうおそれがあるからである。
上記炭素基材の表面に形成される熱分解炭素層の厚さは、その下限が10μmで、その上限が200μmであることが望ましい。また、上記熱分解炭素層のより望ましい下限は30μmであり、より望ましい上限は100μmである。
熱分解炭素層の厚さが10μm未満であると、第一の熱分解炭素層とその上に積層形成された第二の熱分解炭素層の各々厚さが薄すぎるため不完全な熱分解炭素層となり、還元性ガスや反応性ガスとの反応が進行することがあり、一方、200μmを超えると、炭素基材と熱分解炭素層の熱膨張係数の違い等に起因して、熱分解炭素層の層間剥離や炭素基材との剥離が生じやすくなり、また、製品コストの上昇を招くこととなる。
上記熱分解炭素層は、第一の熱分解炭素層を構成する結晶の界面と、第二の熱分解炭素層を構成する結晶の界面とが、上下方向に重ならないように位置していれば、その他の構成は特に限定されず、例えば、第一及び第二の熱分解炭素層は、一方又は双方が複数の熱分解炭素層が積層されたものであってもよい。
また、第一及び/又は第二の熱分解炭素層が複数の熱分解炭素層が積層されたものである場合、それぞれの層を構成する結晶の界面は、上下方向に重なるように位置していてもよいし、重ならないように位置していてもよい。
また、第一の熱分解炭素層と第二の熱分解炭素層との間には、アモルファス状のカーボン層が形成されていてもよい。
また、第一及び第二の熱分解炭素層のそれぞれは、結晶配向が同一であってもよいし、異なっていてもよい。
次に、本発明の炭素複合部材の製造方法について説明する。
ここでは、第一の熱分解炭素層を形成する結晶粒と、第二の熱分解炭素層を形成する結晶粒とが上下方向に重ならないように位置している熱分解炭素層が形成された炭素複合部材を例に、炭素複合部材の製造方法を説明する。
第一の本発明の炭素複合材料を製造する際には、まず、炭素基材を製造する。
炭素基材を製造する際には、最初に、原料である原料コークス等の粉砕、整粒を行い、粉砕粒子を様々な粒度に分けた後、複数の粒度の粉末を組み合わせて原料粉末を調整する。
次に、この原料粉末に結合材であるピッチ等を添加して混捏し、必要により再粉砕した後、CIP成形、型込め成形、押し出し成形等の成形方法を用いて所定形状の成形体を作製する。
この後、成形体は、熱処理中の変形と酸化を防ぐため、コークス粉等のパッキング材中に埋め込まれ、還元雰囲気下に1000℃前後で加熱焼成処理を行い、さらに、高温に上げて黒鉛化工程を行うことにより黒鉛からなる炭素基材を製造する。なお、本発明における炭素基材の製造方法は、上記方法に限られず、他の方法を用いてもよい。
上述したように、上記炭素基材を構成する炭素としては、等方性黒鉛等が好ましく、例えば、CIP法等により成形を行うことにより、等方性黒鉛を製造することができる。
上記炭素基材を加工する方法としては、切削液による汚染を防止するために、乾式による切削加工や研削加工が望ましい。
上述のようにして製造した炭素基材には、ハロゲンガス等により高純度化処理を施すことが望ましい。
この際、必要に応じて、炭素基材の表面に粗面化処理を行ってもよい。
次に、炭素基材の表面に化学蒸着(CVD)法等により熱分解炭素層を形成する。
CVD法としては、例えば、常圧または減圧下で炭素基材を800〜2600℃に加熱しておき、水素ガスやアルゴンガスをキャリアとして、炭素の原料であるメタン(CH)等の炭化水素を供給し、熱分解炭素を炭素基材に堆積させる方法等が挙げられる。
このような方法により熱分解炭素層を形成するに際して、炭素基材上には、まず、第一の熱分解炭素層を形成する。
その後、第一の熱分解炭素層の表面に所定の結晶面が形成されるように凹凸を形成し、次いで、上述したCVD法等により第二の熱分解炭素層を積層形成する。
このような方法を用いて、第一及び第二の熱分解炭素層を形成することにより、第一の熱分解炭素層を構成する結晶の界面と、第二の熱分解炭素層を構成する結晶の界面とが、上下方向に重ならない位置に両者を形成することができる。
上記第一の熱分解炭素層の表面に所定の結晶面が形成されるように凹凸を形成する方法としては特に限定されず、例えば、切削加工、ブラスト加工、レーザ加工、電子ビーム加工等の方法を用いることができる。
具体的には、例えば、レーザ加工により第一の熱分解炭素層の表面に深さ0.1〜50μm程度の階段状を含むV溝を直線状もしくは格子状に形成することで熱分解炭素層に対して垂直方向の結晶面を熱分解炭素層の表面に形成する。次いで、上述したCVD法等により第二の熱分解炭素層を積層形成する。
このような工程を経ることにより、本発明の炭素複合部材を製造することができる。
以下に実施例を掲げて、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
炭素材料として上述した方法で製造した等方性黒鉛材料(イビデン社製、商品名 ET−10)を用い、これを切削することにより、直径350mm、厚さ20mmの円盤状で黒鉛製の炭素基材11を作製した。
その後、炭素基材11の上部を切削し、炭化硅素ウエハ等の半導体ウエハを載置するための直径50mm、深さ0.5mmの凹部13を設けた。この炭素基材を真空中2000℃の雰囲気で、ハロゲンガスを用いて高純度化処理を行った。
次に、上記高純度化処理後の炭素基材を真空加熱炉内に設置し、減圧下1400℃に加熱するとともに、水素ガスをキャリアとしてメタンを供給し、炭素基材の表面に厚さ40μmの第一の熱分解炭素層を形成した。
次に、下記の条件でレーザ加工を施し、第一の熱分解炭素層の表面に、深さ5μmの階段状のV溝を直線状に重なり合わせながら形成することで熱分解炭素層に凹凸を形成した。
上記レーザ加工は、QスイッチYAGレーザ加工装置を用いて、繰り返し周波数f=5kHz、平均出力0.1W、送り速度100mm/s、アシストガスはArとし、ガス圧力68.6×10−4Paの条件にて重なり幅3μmの条件で行った。
次に、第一の熱分解炭素層を形成した条件と同様の条件でCVDを行い、第一の熱分解炭素層の表面に、厚さ40μmの第二の熱分解炭素層を積層形成し、炭素複合部材からなるサセプタを製造した。
(比較例1)
第一の熱分解炭素層を形成した後、レーザ処理及び第二の熱分解炭素層の形成を行わなかった以外は、実施例1と同様にしてサセプタを製造した。
従って、本比較例に係る炭素複合部材では、炭素基材上に一層の熱分解炭素層が形成されていることとなる。
実施例及び比較例で製造したサセプタについて、切断後、その断面を偏光顕微鏡により観察した。観察結果を図2、3に示す。
図2に示すように、実施例1に係る炭素複合部材では、第一の熱分解炭素層を構成する結晶の界面と、第二の熱分解炭素層を構成する結晶の界面とが、上下方向に重ならないように位置しているのに対し、図3に示すように、比較例1に係る炭素複合部材では、一層の熱分解炭素層のみが形成されていることが明らかとなった。
また、実施例及び比較例に係るサセプタをMOCVD装置内に設置し、水素及びアンモニアガスの雰囲気下で、装置内を1500℃の高温にし、20時間の耐腐食性試験を行った。試験後、熱分解炭素層の表面状態を電子顕微鏡により観察した結果、実施例に係るサセプタでは、ピンホールが発見されたものの、炭素基材は露出していなかった。これに対して、比較例に係るサセプタでは、熱分解炭素層を構成する結晶の界面にピンホールが多数発見され、ピンホール内には、炭素基材が露出していた。図4は、実施例1に係るサセプタの表面を示す走査型顕微鏡(SEM)写真である。図5は、比較例1に係るサセプタの表面を示す走査型顕微鏡(SEM)写真である。
(a)は、本発明の炭素複合部材を用いたサセプタの一例を模式的に示す断面図であり、(b)は、(a)の部分拡大図である。 実施例1に係るサセプタの断面の偏光顕微鏡による観察結果を示す図面である。 比較例1に係るサセプタの断面の偏光顕微鏡による観察結果を示す図面である。 実施例1に係るサセプタの表面を示す走査型顕微鏡(SEM)写真である。 比較例1に係るサセプタの表面を示す走査型顕微鏡(SEM)写真である。
符号の説明
10 サセプタ
11 炭素基材
12 熱分解炭素層
13 凹部
22 第一の熱分解炭素層
32 第二の熱分解炭素層

Claims (2)

  1. 炭素基材と前記炭素基材の表面に形成された熱分解炭素層とからなる炭素複合部材であって、
    前記熱分解炭素層は、前記炭素基材の表面に直接形成され、表面に直線状に重なり合わせながら形成されたV溝もしくは格子状に形成されたV溝を有する第一の熱分解炭素層と、前記V溝を有する前記第一の熱分解炭素層上に積層形成された第二の熱分解炭素層とからなることを特徴とする炭素複合部材。
  2. 炭素基材と前記炭素基材の表面に形成された熱分解炭素層とからなる炭素複合部材の製造方法であって、
    炭素基材の表面に第一の熱分解炭素層を形成する工程と、
    前記第一の熱分解炭素層の表面に直線状に重なり合わせながらV溝を形成する工程もしくは格子状のV溝を形成する工程と、
    前記V溝を有する前記第一の熱分解炭素層上に第二の熱分解炭素層を積層形成する工程とを備えることを特徴とする炭素複合部材の製造方法。
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