JPH07335728A - 熱処理治具とその製造方法 - Google Patents

熱処理治具とその製造方法

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JPH07335728A
JPH07335728A JP14696494A JP14696494A JPH07335728A JP H07335728 A JPH07335728 A JP H07335728A JP 14696494 A JP14696494 A JP 14696494A JP 14696494 A JP14696494 A JP 14696494A JP H07335728 A JPH07335728 A JP H07335728A
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silicon carbide
heat treatment
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treatment jig
nucleation layer
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JP14696494A
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English (en)
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Takeshi Inaba
毅 稲葉
Shuichi Takeda
修一 武田
Shigeo Kato
茂男 加藤
Yasumi Sasaki
泰実 佐々木
Yukio Ito
幸夫 伊藤
Katsunori Sato
勝憲 佐藤
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Coorstek KK
Original Assignee
Toshiba Ceramics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭化珪素膜における不純物拡散速度を遅くす
る。 【構成】 基材と、CVD法により基材の表面に形成さ
れた炭化珪素膜とを備えた半導体製造用の炭化珪素被覆
熱処理治具において、基材の表面に対してほぼ平行な複
数の層の形に炭化珪素膜を構成し、それらのうち少なく
とも1つの層を核形成層とし、その他の層を通常結晶層
とし、核形成層を挟んだ通常結晶層間の結晶成長が不連
続であり、通常結晶層における炭化珪素の結晶成長を厚
み方向に連続にしたことを特徴とする熱処理治具。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体製造において熱
処理工程に使用される半導体製造用炭化珪素被覆熱処理
治具、例えばサセプタ、ウエハボート等の熱処理治具類
(CVDコート製品)と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、サセプタ、ウエハボート等の熱処
理治具類として、CVDコート製品が使用されている。
CVDコート製品は、化学蒸着法(以下、CVD法とい
う)により基材の表面に炭化珪素の膜(以下、CVD−
SiC膜という)を形成したもの、つまり基材をコーテ
ィングしたものである。
【0003】このような熱処理治具としては、次に順に
説明する第1〜第3の従来例によるものがある。
【0004】まず、図6を参照して、第1の従来例につ
いて説明する。
【0005】図6は、第1の従来例による熱処理治具の
CVD−SiC膜の厚み方向の断面を部分的に示す模式
図である。
【0006】CVD−SiC膜22において、炭化珪素
の結晶が基材1から表面方向に直線状あるいは放射状に
連続成長している。
【0007】次に、第2の従来例について説明する。こ
の熱処理治具は、複数回のコーティングをおこなったも
の、つまり基材の表面に複数のCVD−SiC膜を重ね
て形成したものである。第2の従来例のCVD−SiC
膜の構成は、第1の従来例のものとほぼ同様である。
【0008】図7は、第2の従来例による熱処理治具の
CVD−SiC膜の厚み方向の断面を部分的に示す模式
図である。CVD−SiC膜24において、第2の従来
例の膜間の境界部25を通って厚み方向に炭化珪素の結
晶が連続的に成長している。
【0009】次に、図8を参照して、第3の従来例につ
いて説明する。図8は、第3の従来例による熱処理治具
のCVD−SiC膜の厚み方向の断面を部分的に示す模
式図である。
【0010】この熱処理治具は、CVD−SiC膜26
の厚み方向の連続的な結晶成長を遮断するために、複数
回コーティングの各回において下地膜(CVD−SiC
膜)27の表面を研削し、その研削面28にさらにCV
D−SiC膜29を形成したものである。このように、
結晶成長(面)を強制的に遮断する方法は、特開平5−
87991号公報に記載されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】第1の従来例において
は、基材1からCVD−SiC膜22を通じて熱処理治
具の周囲に不純物が拡散する。
【0012】前述の第1及び2の従来例においては、炭
化珪素の多結晶の粒界がCVD−SiC膜22に厚み方
向に直線的に形成されている。基材1からCVD−Si
C膜22を通じて熱処理治具の周囲に拡散する不純物
は、矢印23で示すように、炭化珪素の多結晶の粒界を
通って最も早く進行する。従って、不純物の拡散は、直
線的な行程をとる。不純物の外部拡散を遅延させるため
には、CVD−SiC膜を厚く被覆する必要がある。
【0013】また、結晶の連続成長を抑えるために下地
膜の研削を実施した第3の従来例においては、下地膜2
7の結晶成長は抑えられるものの、研削面28に不純物
が吸着・残留することなどが考えられ、研削面28自体
が不純物拡散の起点となる問題がある。図8に、基材が
起点となる不純物拡散の行程を矢印30で模式的に示
し、研削面自体が起点となる不純物拡散の工程を矢印3
1で模式的に示す。
【0014】しかも、下地膜の研削は、例えばサセプタ
等の単純形状のものであれば容易に行うことができる
が、ボート等の複雑(平面状でない)形状のものでは、
極めて作業が困難であり、平面状のものでも、研削工程
により、作業時間が多大となる問題がある。
【0015】さらには、研削した場合には、研削面に対
する膜の密着強度が充分でなく、急激な熱履歴により剥
離が生ずるといった問題がある。
【0016】多層コーティングにおける重要な技術要素
の一つとして各層間の密着性が考えられている。そのた
め、無欠陥で密着性の良い多層膜を得るための成膜処理
条件が求められている。
【0017】本願発明の第1目的は、不純物拡散速度を
遅くして、ウエハなどへの汚染を抑えることができる熱
処理治具を提供すること、及び多層炭化珪素膜の各層の
密着性を向上させて、その密着強度を大きくすることが
できる熱処理治具を提供することである。
【0018】本願発明の第2の目的は、複雑な形状の熱
処理治具を容易に製造することができる熱処理治具の製
造方法を提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】前述の第1の目的を達成
するために、本願第1発明は、基材と、CVD法により
基材の表面に形成された炭化珪素膜とを備えた半導体製
造用の炭化珪素被覆熱処理治具において、基材の表面に
対してほぼ平行な複数の層の形に炭化珪素膜を構成し、
それらのうち少なくとも1つの層を核形成層とし、その
他の層を通常結晶層とし、核形成層を挟んだ通常結晶層
間の直線的な結晶成長を不連続にし、通常結晶層におけ
る炭化珪素の結晶成長を厚み方向に連続にしたことを特
徴とする熱処理治具を要旨とする。
【0020】前述の第2の目的を達成するために、本願
の第2発明は、半導体製造用の炭化珪素被覆熱処理治具
の製造方法において、CVD法により基材の表面に炭化
珪素の結晶を連続に成長させて通常結晶層を形成する第
1の工程と、CVD法により通常結晶層の表面に炭化珪
素の多数の核を生成して核形成層を形成する第2の工程
と、CVD法により核形成層の表面に炭化珪素の結晶を
連続に成長させて通常結晶層を形成する第3の工程を含
み、第2の工程および第3の工程を任意の回数だけ繰り
返すことを特徴とする熱処理治具の製造方法を要旨とす
る。
【0021】また、前述の第2の目的を達成するため
に、本願の第3発明は、半導体製造用の炭化珪素被覆熱
処理治具の製造方法において、CVD法により基材の表
面に炭化珪素の多数の核を生成して核形成層を形成する
第1の工程と、CVD法により核形成層の表面に炭化珪
素の結晶を連続に成長させて通常結晶層を形成する第2
の工程を含み、第1の工程および第2の工程を任意の回
数だけ繰り返すことを特徴とする熱処理治具の製造方法
を要旨とする。
【0022】
【実施例】CVD法により炭化珪素膜を形成する段階に
おいて、原料濃度や炉圧を適当に変化させ、連続に成長
する炭化珪素の結晶(CVD−SiC膜)表面に新たな
核発生を促す。膜の成長は新たに発生した核から再度お
こなわれるため、図1に示すように、この境界部(核形
成層)を挟んだ通常結晶層間において、直線的な結晶成
長が不連続となる。本発明の炭化珪素膜は1回の炉によ
るコーティングで連続的な形成が可能である。しかし、
これに限らず、複数回のコーティングによって形成して
も良い。
【0023】本願発明によれば、基材から拡散した不純
物は、核形成層によりトラップされ、更にここからの再
拡散は別の結晶粒界を行程とするため、従来例と比較し
て、同一膜厚の場合、拡散距離が長くなる。すなわち、
見かけ上の不純物拡散速度を遅くすることができる。
【0024】第1実施例 図1を参照して、本発明の第1実施例による半導体製造
用炭化珪素被覆熱処理治具(以下、熱処理治具という)
について説明する。図1は、この熱処理治具の厚み方向
の断面を部分的に示す模式図である。
【0025】熱処理治具は、基材1と、CVD法により
基材1の表面1aに形成された炭化珪素膜2とを備え、
基材1の表面1aに対して平行な複数の層3〜5から炭
化珪素膜2を構成し、少なくとも1つの層を核形成層4
とし、その他の層を通常結晶層とし、核形成層4を挟ん
だ通常結晶層3、5間での直線的な結晶成長を不連続と
し、通常結晶層3、5の炭化珪素の結晶成長を厚み方向
に連続とする。
【0026】基材1は、従来と同様のものを採用でき
る。好ましくは、カーボン(黒鉛も含む)、反応焼結S
iC、自焼結SiCなど、炭化珪素膜2とCTEについ
て整合するものを用いる。CTEとは、熱膨張係数であ
る。反応焼結SiCは、SiC(炭化珪素)にSi(珪
素)含浸を施したものである。自焼結SiCは、B(ホ
ウ素)、C(炭素)等の焼結助剤を添加して焼成したも
のである。
【0027】炭化珪素膜2(CVD−SiC膜)は、複
数の通常結晶層および少なくとも1つの核形成層から構
成されている。第1通常結晶層3、核形成層4、第2通
常結晶層5が基材1の表面1aに順に形成され、さらに
任意の数の核形成層(図示せず)および通常結晶層(図
示せず)が交互に形成されている。
【0028】各通常結晶層内の炭化珪素の結晶成長は、
厚み方向に直線状あるいは放射状に連続している。
【0029】基材1は、たとえ純化処理を施しても、少
なからず不純物を含んでおり、この不純物は、基材1か
ら炭化珪素膜2を介して熱処理治具の周囲に拡散する。
この拡散行程を図1の矢印6a及び6bで模式的に示
す。基材1から拡散した不純物は、その拡散行程におい
て核形成層4の部分でトラップされ、更にここからの再
拡散は第2通常結晶層5の結晶粒界を行程とする。その
ため、前述の各従来例と比較して同一膜厚の場合拡散距
離が長くなる。すなわち、見かけ上の不純物拡散速度を
遅くすることができる。
【0030】また、従来技術のように、下地膜を機械研
削することなく、連続的に多層構造としているため、多
層炭化珪素膜の各層の密着性が極めて高い。
【0031】このため、熱処理治具からウエハへの不純
物の拡散を遅延でき、熱処理治具のライフを向上させる
ことができる。
【0032】次に、図2を参照して、熱処理治具の製造
方法について説明する。図2は、形成後の炭化珪素膜2
の厚み方向の断面を部分的に示す模式図である。
【0033】熱処理治具の製造方法は、CVD法により
基材の表面に炭化珪素の結晶を連続に成長させて通常結
晶層を形成する第1の工程と、CVD法により通常結晶
層の表面に炭化珪素の多数の核を生成して核形成層を形
成する第2の工程と、CVD法により核形成層の表面に
炭化珪素の結晶を連続に成長させて通常結晶層を形成す
る第3の工程と、を備え、第2の工程および第3の工程
を任意の回数だけ繰り返す製造方法である。
【0034】次に、第1工程について詳しく説明する。
【0035】CVD炉を使用して、結晶成長の条件を1
20分間保持して、CVD法により50μmの厚さの第
1通常結晶層3を形成する。CVD炉は、従来と同様の
ものを採用できる。
【0036】第1通常結晶層3は、一般的な連続的に結
晶成長した層であり、形成後の炭化珪素膜2において、
基材1の表面1aから50μmの範囲Aの層を構成す
る。
【0037】上記結晶成長の条件について説明すると、
四塩化珪素(SiCl、テトラクロルシラン)ガスの
流量を0.5SLMとし、メタン(CH)ガスの流量
を0.25SLMとし、水素(H)ガスの流量を2.
00SLMとし、熱処理温度を1400℃とし、炉圧を
20torr(以下、所定の圧力という)とする。Si
ClおよびCHガス及びHガスは、原料ガスであ
る。以下、この条件の原料ガスの流量を、所定の流量と
いう。
【0038】結晶成長の条件は、これに限らず、結晶を
連続に成長させる条件であればよく、従来のCVD法の
条件を採用できる。
【0039】次に、第2工程について詳しく説明する。
【0040】核形成層4を形成する方法は、第1工程と
同一バッチ内で、Hを除いた原料ガス(SiCl
スおよびCHガス)の流量をそれぞれ10分間以内で
所定の流量(結晶成長の条件)の1/4以下に連続的に
減少する。好ましくは、炉圧を10分間以内で所定の圧
力(結晶成長の条件)の1/10以下に減少する。この
状態を約30分間保持して、5μmの厚さの核形成層4
を形成する。核形成層4は、形成後の炭化珪素膜2にお
いて、第1通常結晶層3の表面から5μmの範囲Bの層
を構成する。
【0041】核形成層の形成時の原料ガス流量を通常結
晶層の形成時の原料ガス流量の1/4より多い、すなわ
ち1/3未満で減少させる程度では、1μm以下の粒径
の結晶粒の集合体からなる核形成層が形成しないことを
確認している。
【0042】核発生の条件は、原料ガスの流量あるいは
炉圧を除いて、結晶成長の条件と同様である。核発生の
条件は、これに限らず、核形成層を形成するような条件
であればよい。
【0043】次に、第3工程について詳しく説明する。
【0044】核発生の条件から結晶成長の条件に変え
て、第2工程に連続して第2通常結晶層5を形成する。
すなわち、10分間以内で連続的に原料ガス(SiCl
ガスおよびCHガス)の流量を所定の流量に増加さ
せる。あるいは炉圧を所定の圧力に増加させる。この
後、120分間、結晶成長の条件を保持して、再度、炭
化珪素の結晶を連続成長させて、50μmの厚さの第2
通常結晶層5を形成する。第2通常結晶層5は、層内で
連続的に結晶成長した膜であり、形成後の炭化珪素膜2
において、核形成層4の表面から50μmの範囲Cの層
を構成する。
【0045】第2工程および第3工程を任意の回数だけ
繰り返すことにより、任意の数の核形成層および通常結
晶層を交互に形成することができる。複数の核形成層を
形成した場合、その数に応じて不純物の拡散行程が長く
なるので、不純物の拡散をより遅くするという効果があ
る。
【0046】なお、上記第1実施例では第1工程におい
て通常結晶層を形成した後、第2工程において核形成層
を形成し、これらを順次相互に繰り返したSiC膜及び
その製造方法について記載したが、これを逆にしてもよ
い。すなわち、第1工程で核形成層を形成した後、第2
工程において通常結晶層を形成し、これらを順次、相互
に繰り返したSiC膜及びその製造方法でもよい。例え
ば、半導体製造用の炭化珪素被覆熱処理治具の製造方法
において、CVD法により基材の表面に炭化珪素の多数
の核を生成して核形成層を形成する第1の工程と、CV
D法により核形成層の表面に炭化珪素の結晶を連続に成
長させて通常結晶層を形成する第2の工程を含み、第1
の工程および第2の工程を任意の回数だけ繰り返すこと
を特徴とする熱処理治具の製造方法でも良い。
【0047】本発明は、以上説明した製造方法に限らな
い。例えば、第1〜第3工程を単一のバッチ内で行わず
に、第1工程によって第1通常結晶層3を形成した後、
別のバッチで第2工程および第3工程を行うこともでき
る。この場合も、前述と同様の効果が得られる。
【0048】次に、核形成層についてさらに詳しく説明
する。
【0049】前述のように、範囲A、C間の範囲Bに核
形成層4が形成され、この範囲Bを挾んで炭化珪素の直
線的な結晶成長が不連続になっている。その他の核形成
層についても同様である。
【0050】好ましくは、核形成層の厚みは、1μm〜
30μmである。例えば、核形成層4の厚みが1μm未
満の場合、核発生が不十分となり、第1通常結晶層3と
第2通常結晶層5の間で部分的に結晶が直線的に連続成
長する。そのため、不純物の拡散が早く進行しやすいと
いう問題がある。また、核形成層の厚みが30μmを超
える場合、核形成層の成膜速度は結晶成長の条件による
成膜速度と比較して極端に遅いため、炭化珪素膜2を形
成する効率が悪くなり易い。そのため、製造コストが高
くなりやすいという問題がある。
【0051】前述の第1実施例(基材の表面に通常結晶
層を形成する例)とその逆の例(基材の表面に核形成層
を形成する例)を比較すると、反応時間の長さについて
は、前者の方が有利であるが、炭化珪素膜と基材の密着
性については、後者のほうがよい。その理由は、核形成
層が1μm以下の粒径のβ−SiC結晶の集合体で形成
されており、基材と多点接触するからと考えられる。
【0052】結晶成長の連続あるいは不連続や、核形成
層の有無は、COMPO像や、断面酸化の結果などを解
析することにより容易に確認できる。
【0053】第2〜4実施例、第1従来例 次に、本発明の第2〜4実施例による熱処理治具と、第
1従来例による熱処理治具について説明する。
【0054】これらの熱処理治具は、それぞれカーボン
の基材{鉄(Fe)を約200ppm含む。その寸法
は、10×10×50mmである。}の表面に100μ
mの厚さの炭化珪素膜(CVD−SiC膜)を形成した
ものである。ただし、炭化珪素膜の構成は、次に順に説
明するようにそれぞれ異なる。第2〜4実施例は、その
他の構成について前述の第1実施例と同様である。
【0055】第2実施例の炭化珪素膜は、45μmの厚
さの通常結晶層、10μmの厚さの核形成層、45μm
の厚さの通常結晶層を単一のバッチで順に形成したもの
である。
【0056】第3実施例の炭化珪素膜は、30μmの厚
さの通常結晶層、10μmの厚さの核形成層、20μm
の厚さの通常結晶層、10μmの厚さの核形成層、30
μmの厚さの通常結晶層を単一のバッチで順に形成した
ものである。
【0057】第4実施例の炭化珪素膜は、45μmの厚
さの通常結晶層、10μmの厚さの核形成層、45μm
の厚さの通常結晶層をそれぞれ別のバッチで順に形成し
たものである。
【0058】第1従来例の炭化珪素膜は、100μmの
厚さの通常結晶層を従来と同様にして構成したものであ
る。
【0059】次に、第2〜4実施例、第1従来例の各熱
処理治具における不純物拡散速度を互いに比較する。
【0060】各不純物拡散速度は、次のように測定し
た。
【0061】まず、図3に示すように、熱処理治具7を
石英粉8中に入れ、アルゴン(Ar)雰囲気でヒーター
9によって1350℃の温度で1000時間(Hrs)
熱処理した。その後、熱処理治具7を取り出し、石英粉
8中の鉄の濃度を測定した。同様にして、2000時間
熱処理した場合、3000時間熱処理した場合につい
て、それぞれ鉄の濃度を測定した。
【0062】測定した鉄の濃度から石英粉中のFe増加
量{つまり、(実測値)−(ブランク値)}(μg/c
)を求めて、図4のグラフに示す。ブランク値は、
初期濃度である。ただし、第2〜第4実施例、第1従来
例のFe増加量を、それぞれ記号○、□、△、●で示
す。熱処理時間に対する石英粉中のFe増加量の割合
が、不純物拡散速度である。
【0063】図4のグラフから明らかなように、第2〜
4実施例は、第1従来例と比較して、いずれも不純物拡
散速度が遅い。このように、第2〜4実施例による熱処
理治具は、基材から熱処理治具の周囲への不純物拡散を
遅延させる効果がある。特に、実施例3は、2つの核形
成層を有するため、拡散速度が遅い。
【0064】前述のように基材は、カーボンに限らず、
その他のものを使用できる。例えば、反応焼結SiC
(炭化珪素)、自己焼結SiCなどを基材として使用し
た場合も、第2〜4実施例と同様な結果が得られる。
【0065】次に、XRD(X線回析法)解析により多
層膜の組成を調査した。その結果、いずれの熱処理治具
においても、炭化珪素膜の組成は炭化珪素(β−Si
C)であった。
【0066】次に、第2〜第4実施例(すなわち核形成
層を有する)熱処理治具をEPMA(電子プローブマイ
クロアナリシス)で線分析し、膜境界部付近(つまり、
通常結晶−核形成層−通常結晶を順に形成した部分)を
線分析した。その結果、検出された成分は珪素(Si)
と炭素(C)だけであり、カウント数にも変化が見られ
ず、いずれも核形成層とその前後における組成変動は見
られなかった。
【0067】また、装置の精度及びサンプルの調整精度
の関係上、サブミクロン単位の結晶粒は確認されなかっ
たが、少なくとも1μm以下の粒径の結晶粒の集合体に
より核形成層が形成されていることを確認した。
【0068】図5に、EPMAによるセラミック材料組
織写真を示す。図5の組織写真は、第1実施例の熱処理
治具を1500倍に拡大して示すものである。図5に、
EPMAによる線分析の測定位置を組織写真に対応させ
て示し、測定位置に対応させてSiのカウント数、Cの
カウント数をグラフで示す。図5から明らかなように、
核形成層でもSi及びCのカウント数がほとんど変化し
ない。
【0069】第5実施例 治具CVD炉によって、膜付き不良製品、例えば縦型ボ
ートなどの複雑形状品に対して、前述の第2〜第4実施
例と同様に、多層コーティング処理を行った。その結
果、縦型ボートなどの複雑形状品の表面におけるガスの
回り込みに問題は無かった。第2〜第4実施例と同様
に、炭化珪素膜に基材と平行な核形成層が確認され、核
形成層とその前後における組成変動も見られなかった。
【0070】
【発明の効果】本願の第1発明によれば、少なくとも1
つの層を核形成層とし、核形成層を挟んだ炭化珪素の直
線的な結晶成長を不連続とするので、不純物を核形成層
によってトラップして、不純物の拡散を遅延させるこ
と、及び炭化珪素膜の各層の密着性を向上させることが
できる。
【0071】また、本願の第2発明あるいは第3発明に
よれば、多層炭化珪素膜を形成するにあたり、途中で機
械研磨を行うことなく連続的に多層を形成することがで
き、単純な形状だけでなく複雑な形状に対しても核形成
層を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な第1実施例による熱処理治具を
模式的に示す断面図。
【図2】図1に示す熱処理治具の製造方法を説明するた
めの図。
【図3】不純物拡散速度の測定方法を説明するための
図。
【図4】第2〜第4実施例と、第1従来例の不純物拡散
速度を示すグラフ。
【図5】第1実施例の熱処理治具を1500倍にして示
すEPMAによるセラミック材料組織写真。
【図6】第1従来例の治具を模式的に示す断面図。
【図7】第2従来例の治具を模式的に示す断面図。
【図8】第3従来例の治具を模式的に示す断面図。
【符号の説明】
1 基材 2 炭化珪素膜 3 第1通常結晶層 4 核形成層 5 第2通常結晶層 6a、6b 不純物の拡散行程 7 熱処理治具 8 石英粉 9 ヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 泰実 山形県西置賜郡小国町大字小国町378番地 東芝セラミックス株式会社小国製造所内 (72)発明者 伊藤 幸夫 山形県西置賜郡小国町大字小国町378番地 東芝セラミックス株式会社小国製造所内 (72)発明者 佐藤 勝憲 山形県西置賜郡小国町大字小国町378番地 東芝セラミックス株式会社小国製造所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、CVD法により基材の表面に形
    成された炭化珪素膜とを備えた半導体製造用の炭化珪素
    被覆熱処理治具において、基材の表面に対してほぼ平行
    な複数の層の形に炭化珪素膜を構成し、それらのうち少
    なくとも1つの層を核形成層とし、その他の層を通常結
    晶層とし、核形成層を挟んだ通常結晶層間の結晶成長が
    不連続であり、通常結晶層における炭化珪素の結晶成長
    を厚み方向に連続にしたことを特徴とする熱処理治具。
  2. 【請求項2】 基材の表面に通常結晶層と核形成層を交
    互に形成したことを特徴とする請求項1に記載の熱処理
    治具。
  3. 【請求項3】 核形成層の厚みを1μm〜30μmにし
    たことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱
    処理治具。
  4. 【請求項4】 核形成層が1μm以下の粒径のβ−Si
    C結晶の集合体で形成されていることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の熱処理治具。
  5. 【請求項5】 半導体製造用の炭化珪素被覆熱処理治具
    の製造方法において、CVD法により基材の表面に炭化
    珪素の結晶を連続に成長させて通常結晶層を形成する第
    1の工程と、CVD法により通常結晶層の表面に炭化珪
    素の多数の核を生成して核形成層を形成する第2の工程
    と、CVD法により核形成層の表面に炭化珪素の結晶を
    連続に成長させて通常結晶層を形成する第3の工程を含
    み、第2の工程および第3の工程を任意の回数だけ繰り
    返すことを特徴とする熱処理治具の製造方法。
  6. 【請求項6】 原料ガスの流量を所定の流量に設定し
    て、第1の工程を行ない、原料ガスの流量を所定の流量
    の4分の1以下に減少させて、第2の工程を第1の工程
    から連続して行い、原料ガスの流量を所定の流量に増加
    させて、第3の工程を第2の工程から連続して行うこと
    を特徴とする請求項5に記載の熱処理治具の製造方法。
  7. 【請求項7】 半導体製造用の炭化珪素被覆熱処理治具
    の製造方法において、CVD法により基材の表面に炭化
    珪素の多数の核を生成して核形成層を形成する第1の工
    程と、CVD法により核形成層の表面に炭化珪素の結晶
    を連続に成長させて通常結晶層を形成する第2の工程を
    含み、第1の工程および第2の工程を任意の回数だけ繰
    り返すことを特徴とする熱処理治具の製造方法。
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