JPH08188468A - 化学蒸着法による炭化ケイ素成形体及びその製造方法 - Google Patents

化学蒸着法による炭化ケイ素成形体及びその製造方法

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JPH08188468A
JPH08188468A JP6340994A JP34099494A JPH08188468A JP H08188468 A JPH08188468 A JP H08188468A JP 6340994 A JP6340994 A JP 6340994A JP 34099494 A JP34099494 A JP 34099494A JP H08188468 A JPH08188468 A JP H08188468A
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sic
layer
substrate
silicon carbide
cvd
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JP6340994A
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Hiroyuki Hirano
博之 平野
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Toyo Tanso Co Ltd
Original Assignee
Toyo Tanso Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/009After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/50Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials
    • C04B41/5053Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials non-oxide ceramics
    • C04B41/5057Carbides
    • C04B41/5059Silicon carbide

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、き裂や反りを抑えた、均質なCV
D−SiC成形体及びその製造方法を提供することを目
的とする。 【構成】 本発明は、3層以上の炭化ケイ素層の積層体
から成り、且つ各炭化ケイ素層の厚みが100μm以下
である、化学蒸着法による炭化ケイ素成形体である。ま
た、その製造方法は、CVD法によりSiC層を形成
し、次いで該SiC層の表面を平坦化する工程を複数回
繰り返すことにより、各層の厚みが100μm以下のS
iC層を所望厚み以上に積層した後、基体を除去するこ
とを特徴とする、CVD法によるSiC成形体の製造方
法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化学蒸着(CVD)法
による炭化ケイ素成形体及びその製造方法に係り、特に
高純度、ち密性、耐熱性、耐薬品性などの特性が要求さ
れる各種部材として好適に使用できる炭化ケイ素成形体
及びその製造方法に関する。更に詳言すれば、シリコン
等のウェハーを搬送する部材、エピタキシャル成長用や
プラズマCVD用等のダミーウェハやモニターウェハ、
サセプター、スパッタリングターゲットなどの半導体製
造時に使用される各種部材、CVD炉、PVD炉、セラ
ミック焼結炉、熱処理炉、高純度炉等に使用される各種
炉内部材、耐薬品性用治具、分析用容器などに好適な炭
化ケイ素成形体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭化ケイ素は耐熱性や化学的安定性に優
れており、主に半導体を製造する際に用いる各種の部材
として、頻繁に使用されている。このような炭化ケイ素
を主体とした材料は、炭素材に一酸化ケイ素ガスを反応
させて炭化ケイ素化する方法、炭素材に金属ケイ素を含
浸して加熱することにより炭化ケイ素化する方法、ある
いは炭化ケイ素粉と焼結助剤とを混合して焼結させる方
法などにより製造することができる。しかしながら、こ
れらの方法により製造された炭化ケイ素質材料は、ち密
性に乏しいため表面から微粉が発生し易い。それゆえ、
半導体等の製品を汚染する原因になり易い。一方、CV
D法で形成した炭化ケイ素膜はち密で高純度のものにな
ることから、炭素材やセラミック等を基体とし、その表
面にCVD法により炭化ケイ素膜を形成した後、基体を
除去して、炭化ケイ素成形体を製造する方法がある(特
開平5−124863号、特開平5−124864号、
特開平5−90184号など)。
【0003】このCVD法による炭化ケイ素成形体(以
下、CVD−SiC成形体ともいう)を得るためには、
必ず基体を除去しなければならないが、このCVD−S
iC成形体は主に半導体を製造する際に用いられるた
め、反りや不純物量が少なくなるように基体を除去する
必要がある。通常は、炭素材を基体とし、これを燃焼し
て除去する方法、熱膨張係数がSiCと大きく異なる材
料を基体とし、熱膨張係数差を利用して除去する方法、
研削や切削等の機械加工により除去する方法などで基体
を除去している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、CVD
法により基体表面にSiCを蒸着して膜を形成させ、次
いで基体を除去してSiC成形体を製造する場合、Si
C層を構成する結晶粒の成長に伴って膜に引張応力や圧
縮応力等の内部応力が発生するため、膜が厚くなると、
各種方法により基体を除去しても、得られるSiC成形
体にき裂が生じたり、表面が凸状に反ったSiC成形体
しか得られなかった。このことを示すため、CVD法に
よりSiC膜を基体表面に形成し、基体を除去したとき
の模式概念図を図2に表す。CVD法により基体Aの表
面にSiC膜21を形成させる場合、まず基体A表面に
SiC核(図示せず)が生成し、基体A表面に対して垂
直な方向にほぼ柱状のSiC結晶粒21aが成長する
[同図(i)]。そして、このまま膜形成を続けていく
と柱状SiC結晶粒21aは徐々に柱が太くなるように
成長し、コーン状21cを呈するようになる[同図(i
i)]。この時に、隣接する他のコーン状SiC結晶粒
21cに押されてしまうため、SiC膜21には膜表面
を押し広げようとする内部応力が蓄積されてしまう。こ
の結果、各種の方法により基体Aを除去しても、得られ
るSiC成形体にき裂が生じたり、表面が凸状に反った
SiC成形体Bしか得ることができなかった[同図(i
ii)]。また、この種のSiC成形体に要求される厚
みは、通常500〜3000μmであり、この程度の厚
みでもき裂が発生したり、反り量が大きくなったりして
しまう。
【0005】そこで本発明は、き裂や反りを抑えた、均
質なCVD−SiC成形体及びその製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、3層以上のSiC層の積層体から成り、
且つ各SiC層の厚みが100μm以下である、CVD
−SiC成形体である。また、その製造方法は、基体の
表面にCVD法によりSiC膜を形成し、前記基体を除
去することにより、炭化ケイ素成形体を製造する方法に
おいて、CVD法によりSiC層を形成し、次いで該S
iC層の表面を平坦化する工程を複数回繰り返すことに
より、各層の厚みが100μm以下のSiC層を所望厚
み以上に積層した後、基体を除去することを特徴とする
ものである。
【0007】本発明に係るCVD−SiC成形体をその
製造方法の一例に従って説明する。図1はCVD−Si
C成形体の製造方法の一例を模式的に表現した概念図で
ある。炭素材等から成る基体Aの表面にCVD法でSi
C層11を形成させる。このときのSiC層11は、基
体A表面に垂直方向にほぼ柱状に成長したSiC結晶粒
11aから構成されている[同図(i)]。次いで、こ
のSiC膜11の表面に研磨等を施し、層表面を平坦化
する。ここで、11bは平坦化後のSiC結晶粒である
[同図(ii)]。以下同様に、この層表面上に二層目
のSiC膜12を形成し[同図(iii)]、次いで平
坦化する工程を繰り返して、所望厚み以上に積層したS
iC積層体を形成させる[同図(iv)]。その後、基
体Aを除去してCVD−SiC成形体Bを製造する[同
図(v)]。なお、本図ではSiC積層体は、便宜上、
4層11,12,13,14で構成されているが、これ
に限らず何層で構成されていても良い。通常は3層以上
のSiC膜の積層体から成るものである。
【0008】以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0009】
【発明の構成】SiC層を形成するための基体は、セラ
ミックなどでも良いが、SiC膜との密着性、純度、基
体除去の容易性の点から炭素材が適している。以下、炭
素材を基体として説明する。基体となる炭素材としては
制限はなく、いわゆる等方性黒鉛や異方性黒鉛などの炭
素材などであれば良い。基体の厚みはSiC層の形成に
よって炭素基体が反らない厚みであれば良い。通常5m
m以上の厚みのものを使用すれば十分であるが、あまり
厚過ぎると基体を除去する際に手間がかかるため、5〜
20mmの厚みの炭素材を基体として用いるのが良い。
【0010】SiC層を形成する際においては、炭素基
体から不純物が揮散・拡散して層を汚染しないようにす
るため、炭素基体の純度は灰分値(JIS R7223
に準拠して測定した灰分値)で20質量ppm以下のも
のが特に好ましく、最も好ましくは5質量ppm以下の
炭素材を基体とするのが良い。炭素基体のかさ密度も制
限はなく、通常は1.6〜1.9g/cmのものを用
いるのが良い。また、累積気孔容積(水銀圧入法で測定
された気孔半径0.01〜10μmでの累積気孔容積)
及び平均気孔半径(前記累積気孔容積の1/2に相当す
る気孔半径)も制約を受けないが、SiC層に対して密
着性を有する基体であるためには、それぞれ5.0×1
−2〜10.0×10−2cm/g及び1.0〜
5.0μmの炭素材を基体とした方が好ましい。
【0011】また、CVD法で形成されたSiC層の熱
膨張係数は3.5×10−6/K(室温〜673K)な
ので、この値に近似した熱膨張係数を有する炭素材を基
体に用いるのが好ましい。特に熱膨張係数が3.5×1
−6〜4.5×10−6/K(室温〜673K)の炭
素材が最適である。その理由は、炭素基体の熱膨張係数
が4.5×10−6/K(室温〜673K、蒸着する表
面に平行方向)を超える炭素材にSiC層を形成した場
合、両者の熱膨張係数差が大きくなるため、冷却すると
SiC層に圧縮応力がかかり、基体を除去する際にき裂
が生じたり、得られたSiC成形体の反りが大きくなっ
たりして、本発明では適さなくなることがある。また同
様に、基体の熱膨張係数が3.5×10−6/K(室温
〜673K、蒸着する表面に平行方向)未満の炭素材を
用いる場合、SiC層には引張り応力がかかり、き裂や
反りが生じ、SiC基体として適さなくなることがあ
る。このような理由により、熱膨張係数が3.5×10
−6〜4.5×10−6/K(室温〜673K)の炭素
材を基体として用いた方が良い。
【0012】基体は、なるべく所望形状になり易いよう
に加工したものを使用する。例えばオリフラ(オリエン
テーションフラット)を有するダミーウェハ用CVD−
SiC成形体を製造する場合は、基体の外観形状をその
ダミーウェハ形状に合わせて加工したものを使用した方
が好ましい。また、凹状又は凸状部を有するCVD−S
iC成形体を製造する場合は、基体の外観形状をその形
状に合わせると共に蒸着する面にはその部材の凹凸とは
反対に凹凸を設けるなどして、基体除去後の機械加工等
の手間を省き、なるべく所望製品形状になり易いように
する。
【0013】このような炭素基体の表面にCVD法でS
iCを蒸着し、一層目のSiC層を形成させる。この層
の形成は常法で行えば良く、通常は減圧下1000〜1
800℃の温度条件にて、Si源とC源となるガス(原
料ガス)、必要に応じてH、Ar(キャリアガス)等
を用いることによりSiC膜を形成することができる。
原料ガスとしては、CHSiCl、(CH
iCl等の有機シラン化合物、あるいはSi源としてS
iCl、SiHCl、SiHCl、SiH
等、及びC源としてCCl、CH、C、C
14等の中から適宜組み合わせることにより使用す
ることができる。蒸着の際においては、1300℃を超
えるような拡散律速的な温度条件で層形成を行うと、拡
散に有利な凸部に付着したSiC核の方が成長が早くな
るため、均一な大きさのSiC結晶粒が成長しにくくな
り、均質な層が得られにくい。そのうえ、その反りが大
きくなり、本発明ではあまり適していない。そのため、
蒸着時の温度は1300℃以下で層形成を行うのが最適
である。この温度以下であれば、ほぼ表面反応律速的な
湿度条件になる。この際、灰分20質量ppm以下の炭
素基体を用いると、SiC層は純度99.99%以上の
高純度のものになり、半導体製造用治具等に好適であ
る。なお、形成するSiC層はち密で高純度のものにな
り易いβ−SiCから成るものである。
【0014】層の形成は、成形体を構成する各層の厚み
が100μm以下になるように行う。なぜならば、層の
厚みが100μmを超えると、柱状に成長した結晶粒で
はなくなり始めるため、層に蓄積される内部応力が大き
くなり、さらには結晶粒の大きさも不均一になり始める
ため、SiC成形体の反りが大きくなったり、不均質な
SiC成形体になったりするからである。一方、各層厚
みの下限は特に制限はないが、30μm未満の膜厚では
層形成及び平坦化の工程回数が多くなるため、作業能率
が極めて悪くなる。そのため、各層の厚みが100μm
以下、好ましくは30〜100μmになるように層形成
する。
【0015】次に、平坦化について詳述する。CVD法
により形成されたSiC層表面には、多少なりとも凹凸
が生じてしまうので、この表面状態のまま再度層形成を
行うと、この凹凸がはっきり現れてしまう。さらには、
SiC核は凸部に優先的に生成されるで、平坦化されて
いない層表面に更にSiC層を形成すると、内部応力の
発生原因や不均一な層が形成されてしまう。そこで、本
発明では、層表面を平坦化する必要がある。平坦化する
方法は特に制約を受けず、通常は層表面に切削、研削、
研磨などを施せば良い。例えば研削により平坦化する場
合には、各種の研削工具を用い平面研削、外面研削、内
面研削、心無研削などにより、また研磨により平坦化す
る場合には、研磨布、研磨紙、研磨ジスク、研磨ベル
ト、研磨スリーブ等の各種の研磨布紙により行えば良
い。この際、SiC層を汚染しないようにするため、研
磨材として高純度ダイヤモンドや高純度炭化ケイ素から
成るものを用いて層表面を平坦化したり、共擦りにより
平坦化するのが好ましい。さらに、平坦化した層表面に
再度層形成するSiC層が均質になるようにするため、
また蓄積される内部応力を最小限に抑えるために、表面
粗さRmax(JISB0601で定義され、同B06
51に準拠して測定される最大高さ)及びRa(同JI
Sに準拠して測定される中心線平均粗さ)がそれぞれ1
5μm以下及び1.5μm以下になるようにSiC層表
面を平坦化するのが最適である。通常、層表面から5〜
15μmの厚みのSiCを除去すれば、このような表面
粗さの層表面にすることができる。
【0016】次いで、炭素基体を除去してSiC成形体
を製造する。
【0017】基体の除去は、従来から行われている方法
で行えば良く、平面研削、外面研削、内面研削、心無研
削等の研削加工や切削加工などの機械加工により基体を
除去したり、基体を例えば500〜900℃にて燃焼し
て除去(灰化法)したりする方法を例示できる。研削加
工や切削加工などの機械加工によるときには、SiC成
形体を汚染しないようにするため、高純度ダイヤモンド
や高純度炭化ケイ素から成る工具等を用い、研削部や切
削部が局部的に高温になることによる膜表面の変質やき
裂を防止するため、研削液を用いた湿式研削加工機で行
うのが好ましい。なお、基体を除去すると、基体と接触
していた側(膜裏面側)の表層部は、非晶質SiCを主
体とした層となっていることがあるため、基体除去の際
にこの部分も一緒に除去した方が好ましい。
【0018】基体から除去されたSiC成形体は、必要
に応じて機械加工等により所望製品形状及び厚みにす
る。もちろん、この製品形状加工と同時に基体除去を行
っても良い。
【0019】以上の工程を経て得られたSiC成形体
は、そのままウェハー搬送用部材、ダミーウェハやモニ
ターウェハ、サセプター、スパッタリングターゲットな
どに代表される半導体製造時に使用される各種部材、各
種炉内部材、耐薬品性用治具、分析用容器等として十分
に使用できるが、基体除去の際や所望製品形状等にする
際の機械加工等により、SiC成形体が汚染されてしま
い、その表面に若干量の不純物が残っている場合があ
る。そのため、高純度が要求される部材には適してしな
いときがある。そこで、この不純物を除去するため、得
られたSiC成形体を純化する方が好ましい。この純化
処理は、フッ酸、硝酸、フッ硝酸などに浸漬して洗浄し
た後乾燥する方法(ウェット方法)や、1000〜15
00℃、圧力0.1〜100Torrの条件で塩素ガス
(Cl)により純化処理を行う方法(ドライ方法)な
どにより行えば良い。このうち、ドライ方法によると部
材を乾燥する必要がなく、また特に良く純化できる方法
である。
【0020】さらに高純度のSiC成形体を得るために
は、SiC成形体の両面にCVD法によりSiC膜を更
に被覆して、SiC成形体表面に残った不純物をマスク
すれば良い。通常は、30乃至50μmの厚みで形成し
て、表面に残った不純物をマスクする。このマスキング
SiC膜の厚みが30〜50μmである理由は、10μ
m未満では十分にその効果を発揮することができず、ま
た50μmを超えると、製品寸法精度が悪くなることが
あるからである。マスキングSiC膜の形成方法は、前
述したような常法でSiC膜を形成すれば足りる。
【0021】
【作用】以上に説明したように、本発明の主な作用は次
の通りである。
【0022】CVD法によりSiCを蒸着すると、表面
に吸着したSi原子及びC原子は、安定な格子点に向か
って拡散し、他の原子との結合により結晶核が発生して
結晶粒に成長するが、蒸着初期段階ではSiC結晶粒は
ほぼ柱状に成長し、この状態ではほとんど内部応力は蓄
積されていない。しかし、成長が進むにつれて徐々に柱
が太くなるコーン状の結晶粒になり内部応力が発生する
ため、形成するSiC層が厚くなるにつれて、層に内部
応力がより多く蓄積されてしまう。また、このように成
長が進んだ結晶粒は、各結晶粒の成長速度の違いにより
大小様々の大きさになり、層表面は凹凸になってしま
う。したがって、従来の製造方法では、き裂の発生や反
りを抑えることができず、また均質なSiC成形体を製
造することができなかった。そこで本発明は、SiC層
を所望厚みまで一気に形成させずに途中で止め、ほとん
ど内部応力が蓄積されていないSiC層を形成し、これ
を何層も積層する。また、層形成を初期段階で止めるこ
とにより、結晶粒の大きさもそろえることができる。さ
らに本発明では、層表面を平坦化することにより、二層
目以降のSiC層の内部応力を低減し、且つ均質な層を
形成することができる。特に、Rmax15μm以下及
びRaが1.5μm以下に平坦化すれば、SiC核が均
一に生成し易く成るため、より一層の作用を奏する。以
上のような作用により、内部応力の小さいSiC積層体
を形成することができる。この結果、基体を除去しても
反りの小さいSiC成形体を得ることができる。
【0023】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。
【0024】実施例1 基体として等方性黒鉛(寸法:直径φ120×厚み10
mm、かさ密度1.85g/cm、表面粗さRmax
20μm、熱膨張係数4.0×10−6/K(室温〜6
73K)、累積気孔容積6.6×10−2cm/g、
平均気孔半径1.8μm、灰分10質量ppm)を用
い、CVD炉に入れ、常法により1000〜1300℃
にて膜厚約60μmのSiC層を基体に形成した。次い
でこれをCVD炉から取り出し、ダイヤモンド研磨材で
このSiC層表面をRa1.0μm、Rmax10μm
に平坦化して、厚み50μmのSiC層にした。さら
に、これをCVD炉に入れ、以下同様に、SiC層を形
成し、次いで層表面を平坦化する工程を繰り返すことに
より、厚み50μmのSiC層を積層して、厚み120
0μmのSiC積層体を形成した。その後、湿式研削加
工により基体を除去して、厚み800μmのCVD−S
iC成形体を製造した。これをφ100×800μmの
形状に加工して、φ4インチダミーウェハ用CVD−S
iC成形体を製造した。
【0025】実施例2 積層するSiC層の厚みを30μmにし、基体除去を大
気中800℃で24時間保持(灰化法)により行って、
厚み800μmのCVD−SiC成形体を製造した以外
は、実施例1記載と同様の方法でφ4インチダミーウェ
ハ用CVD−SiC成形体を製造した。
【0026】実施例3 積層するSiC層の厚みを100μmで行って、厚み8
00μmのCVD−SiC成形体を製造した以外は、実
施例1記載と同様な方法でφ4インチダミーウェハ用C
VD−SiC成形体を製造した。
【0027】比較例1 積層するSiC層の厚みを200μmで行い、厚み80
0μmのCVD−SiC成形体を製造した以外は、実施
例1記載と同様な方法でφ4インチダミーウェハ用CV
D−SiC成形体を製造した。
【0028】比較例2 基体として実施例1記載と同様の等方性黒鉛を用い、C
VD炉に入れ、常法により1000〜1300℃で厚み
1200μmのSiC膜を基体に形成した。次いでこれ
をCVD炉から取り出し、湿式研削加工により基体を除
去して、厚み800μmのCVD−SiC成形体を製造
した。
【0029】実施例1〜3及び比較例1、2で得られた
CVD−SiC成形体を、外観観察及び三次元形状測定
機を用いて反り量を測定した。この結果を表1に示す。
この表から分かるように、実施例1〜3で得られたCV
D−SiC成形体にはき裂が発生せず、且つ反り量0.
1mm以下という極めて小さなものになり、最適なCV
D−SiC成形体を得ることができた。これに対して、
比較例1で得られたCVD−SiC成形体では微小き裂
が発生し、比較例2で得られたCVD−SiC成形体
は、反り量が大き過ぎたため、き裂が発生していた。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明のようにCVD−SiC成形体を
構成すると、反り量が極めて小さいものになる。このた
め、例えば接触する相手部材との密着性が増し、熱等が
均等に伝わるようになる。また、本発明の係る製造方法
によると、SiC層に蓄積される内部応力を最小限に抑
えることができ、基体を除去してもき裂や反り量を著し
く低減したCVD−SiC成形体を提供できる。また、
得られたCVD−SiC成形体は結晶粒の形状がほぼ均
一にそろっており、熱伝導率等の物性値のばらつきが小
さい、均質なCVD−SiC成形体になる。本発明によ
り、厚み500μm以上という厚いCVD−SiC成形
体を、き裂を生じさせないで且つ反り量も極めて小さく
することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るCVD−SiC成形体及びその製
造方法の模式概念図である。
【図2】従来のCVD−SiC成形体及びその製造方法
の模式概念図である。
【符号の説明】
11 一層目のSiC層 11a 一層目のSiC結晶粒 11b 平坦化された一層目のSiC結晶粒 12 二層目のSiC層 12a 二層目のSiC層の結晶粒 12b 平坦化された二層目のSiC結晶粒 13 三層目のSiC層 13b 平坦化された三層目のSiC結晶粒 14 四層目のSiC層 14b 平坦化された四層目のSiC結晶粒 21 SiC膜 21a SiC結晶粒 21c SiC膜のコーン状結晶粒 A 基体 B CVD−SiC成形体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/205 21/22 501 M

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3層以上の炭化ケイ素層の積層体から成
    り、且つ各炭化ケイ素層の厚みが100μm以下であ
    る、化学蒸着法による炭化ケイ素成形体。
  2. 【請求項2】 基体の表面に化学蒸着法により炭化ケイ
    素膜を形成し、前記基体を除去することにより、炭化ケ
    イ素成形体を製造する方法において、 化学蒸着法により炭化ケイ素層を形成し、次いで該炭化
    ケイ素層の表面を平坦化する工程を複数回繰り返すこと
    により、各層の厚みが100μm以下の炭化ケイ素層を
    所望厚み以上に積層した後、基体を除去することを特徴
    とする、化学蒸着法による炭化ケイ素成形体の製造方
    法。
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