JP2021017391A - 炭素複合部材 - Google Patents

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智也 小林
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Abstract

【課題】温度差の大きいヒートサイクルが加わっても、熱分解炭素層が剥離しにくい、黒鉛基材上に熱分解炭素層が形成された炭素複合部材を提供する。【解決手段】黒鉛基材2上に熱分解炭素層3が形成された炭素複合部材1であって、熱分解炭素層3は、熱分解炭素層3と黒鉛基材2との界面近傍に、気孔4が存在する領域を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、炭素複合部材に関する。
黒鉛等の炭素材料は、化学的安定性、耐熱性、機械特性に優れていることから、半導体製造、化学工業、機械、原子力等、多くの分野にわたって使用されている。また、黒鉛自体は多孔体であるため、細孔の内部にガス、水分、不純物等を吸着しやすいため、細孔内部が汚染されやすい。そのため、これら汚染物質が細孔から再放出しないように熱分解炭素のコーティングを施すことで、黒鉛の悪影響を軽減する技術が知られている。
しかしながら、コーティング層である熱分解炭素と、黒鉛とは熱膨張係数が異なるため、熱を受けた際に両者の界面で熱による歪や応力が生じやすい。そこで、特許文献1では、20℃〜400℃における平均熱膨張係数が1.3×10−6/℃〜6.0×10−6/℃である黒鉛基材を用い、その表面に熱分解炭素の被膜を形成した黒鉛製電解加工用電極が提案されている。
特開平5−285735号公報
ここで、特許文献1に記載された黒鉛製電解加工用電極は、ほぼ一定の温度環境下で使用されることを前提としている。一方、上記した半導体製造等の用途においては、加熱及び冷却が繰り返し行われるため、黒鉛基材と熱分解炭素層との間に激しいヒートサイクルが加わる。このため、剥離に対しては更に厳しい環境下にさらされている。
本発明では、上記課題を鑑み、温度差の大きいヒートサイクルが加わっても、熱分解炭素層が剥離しにくい、黒鉛基材上に熱分解炭素層が形成された炭素複合部材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る炭素複合部材は、以下の通りである。
(1)黒鉛基材上に熱分解炭素層が形成された炭素複合部材であって、
前記熱分解炭素層は、前記熱分解炭素層と前記黒鉛基材との界面近傍に、気孔が存在する領域を有することを特徴とする炭素複合部材。
本発明に係る炭素複合部材によれば、熱分解炭素層が、熱分解炭素層と黒鉛基材との界面近傍に、気孔が存在する領域を有することにより、気孔の周囲で熱分解炭素の結晶方向が乱される。その結果、熱分解炭素層の面方向において、熱分解炭素層のc軸方向の熱膨張係数の影響を受け、熱膨張係数が大きくなるように作用することで、熱分解炭素層と黒鉛基材との界面近傍における熱膨張係数差が小さくなる。以上より、温度差の大きいヒートサイクルが加わっても、黒鉛基材からの熱分解炭素層の剥離を抑制できる。
また、本発明に係る炭素複合部材は、下記(2)〜(6)の態様であることが好ましい。
(2)前記気孔は、前記界面近傍に偏在している。
気孔が熱分解炭素層と黒鉛基材との界面近傍に偏在していることにより、当該界面近傍における熱膨張係数差を緩和しつつも、熱分解炭素層における黒鉛基材から離れた部分は、熱分解炭素の持つ気体不浸透性を十分に確保することができ、炭素複合部材の汚染防止を図ることができる。
(3)前記気孔は、最大気孔径が0.5〜3.0μmである。
気孔の最大気孔径が0.5μm以上であることにより、気孔の周囲にできる配向の方向性の異なる熱分解炭素の成分を十分に確保することができ、気孔の生成によって黒鉛基材と熱分解炭素層の熱膨張係数差を緩和する効果を十分に発揮することができる。また、気孔の最大気孔径が3.0μm以下であることにより、気孔の周囲への応力集中を低減し、気孔が存在することにより強度が低下することを防止することができる。
(4)前記黒鉛基材及び前記熱分解炭素層の積層方向に沿った断面視において、
前記最大気孔径が、50μmの区間における、前記黒鉛基材の頂部及び底部との最大高低差の30%以下である。
熱分解炭素層における気孔が一列に並ぶと、熱分解炭素層が黒鉛基材から剥がれやすくなるが、最大気孔径が上記条件を満足することにより、黒鉛基材の表面に適度な起伏が設けられ、黒鉛基材の表面における起伏に沿って一列に並ばないように気孔が形成されるため、剥がれにくい熱分解炭素層を得ることができる。
(5)前記熱分解炭素層の厚さが5〜200μmである。
熱分解炭素層の厚さが5μm以上であることにより、多孔体である黒鉛基材の凹凸を十分に覆うことができ、気体の不浸透性を確保することができる。また、熱分解炭素層の厚さが200μm以下であることにより、黒鉛基材と熱分解炭素層の熱歪みによる反りや剥がれを防止することができる。
(6)前記黒鉛基材が等方性黒鉛材である。
等方性黒鉛は、特性の異方性が小さく均一性が高いため、熱分解炭素層との熱膨張係数差が場所、方向による差異が小さく剥がれにくくすることができる。
本発明に係る炭素複合部材によれば、熱分解炭素層が、熱分解炭素層と黒鉛基材との界面近傍に気孔が存在する領域を有することにより、気孔の周囲で熱分解炭素の結晶方向が乱される。その結果、熱分解炭素層の面方向において、熱分解炭素層のc軸方向の熱膨張係数の影響を受け、熱膨張係数が大きくなるように作用することで、熱分解炭素層と黒鉛基材との界面近傍における熱膨張係数差が小さくなる。以上より、温度差の大きいヒートサイクルが加わっても、黒鉛基材からの熱分解炭素層の剥離を抑制できる。
図1は、本発明の実施の形態に係る炭素複合部材の断面模式図である。 図2は、黒鉛基材及び熱分解炭素層の積層方向に沿った断面視における、黒鉛基材の頂部及び底部との最大高低差と、気孔の最大気孔径との関係を説明するための説明図である。 図3は、本発明の実施の形態に係る炭素複合部材の製造方法を説明するための模式図である。 図4は、実施例1で得られた炭素複合部材の断面を撮影した偏光顕微鏡写真である。 図5は、図4を図案化した模式図である。 図6は、比較例1で得られた炭素複合部材の断面を撮影した偏光顕微鏡写真である。
(発明の詳細な説明)
本実施形態に係る炭素複合部材1は、図1に模式的に示すように、黒鉛基材2上に熱分解炭素層3が形成され、更に、熱分解炭素層3は、熱分解炭素層3と黒鉛基材2との界面近傍に、気孔4が存在する領域を有する。なお、気孔4が存在する領域には、気孔径が一定ではない複数の気孔4がランダムに存在している。
熱分解炭素は、面方向に六角網面が広がった極めて異方性の高い特徴を有している。また、熱分解炭素は、面方向では黒鉛構造の六方晶のa軸方向、厚さ方向ではc軸方向となるよう配向し、強度及び熱膨張とも異方性の高い材料である。熱膨張張係数は、面方向では1.7×10−6/℃、厚さ方向では2.7×10−5/℃であり(いずれも平均値)、極めて大きな異方性がある。また、強度においても面方向は六角網面が強く結合し、厚さ方向はVan Der Waals結合でつながっているのみであり、強度は面方向よりも大きく劣る。
一方、黒鉛基材2となる黒鉛は、熱膨張係数が3〜6×10−6/℃であり、その上に形成される熱分解炭素層3の面方向における熱膨張係数よりも大きい。このため、黒鉛基材2と熱分解炭素層3とは熱歪みが生じやすく、熱膨張差によって層間剥離が生じやすくなる。
そこで、本実施形態に係る炭素複合部材1においては、熱分解炭素層3における黒鉛基材2との界面近傍に、気孔4が存在する領域を設けるようにすることで、気孔4の周囲で熱分解炭素の結晶方向が乱され、熱膨張係数や強度の異方性を緩和するように働く。それに伴い、熱分解炭素層3の面方向においては、c軸方向の熱膨張係数の影響を受け、熱膨張係数が大きくなるように作用し、熱分解炭素層3の厚さ方向においては、黒鉛構造の六方晶のa軸方向の強度の影響を受け、強度が大きくなるように作用する。このため、熱膨張率係数の大きい黒鉛基材2の上に、本来は面方向の熱膨張係数が小さくなるような熱分解炭素層3を形成しても、層間剥離を生じにくくすることができる。
気孔4は、上記界面近傍に偏在していることが好ましい。気孔4が熱分解炭素層3と黒鉛基材2との界面近傍に偏在していることにより、当該界面近傍における熱膨張係数差を緩和しつつも、熱分解炭素層3における黒鉛基材2から離れた部分は、熱分解炭素の持つ気体不浸透性を十分に確保することができ、炭素複合部材1からの汚染防止を図ることができる。
なお、本実施形態において「界面近傍」とは、熱分解炭素層3と黒鉛基材2との界面から、熱分解炭素層の厚さの25%までの領域を指す。
気孔4の最大気孔径は、0.5〜3.0μmであることが好ましい。気孔4の最大気孔径が3.0μm以下であると、気孔4の周囲への応力集中を低減し、気孔4が存在することにより強度が低下することを防止することができる。一方、気孔4の最大径が0.5μm以上であると、気孔4の周囲にできる方向性の異なる熱分解炭素の成分を十分に確保することができ、気孔4の生成による黒鉛基材2と熱分解炭素層3の熱膨張係数差を緩和する効果を十分に発揮することができる。
このため、気孔4の最大径が0.5〜3.0μmであることにより、気孔4の存在による、熱分解炭素層3と黒鉛基材2の熱膨張係数差を小さくするとともに、気孔4の周囲における応力集中を低減させ、気孔4の存在による強度低下を防止することができる。なお、これらの効果をより良好に発揮するためには、気孔4の最大気孔径は0.8〜2.5μmがより好ましく、1.0〜2.0μmが更に好ましい。また、気孔4の大きさは、電子顕微鏡で観察して求めることができ、観察視野の中で最大の気孔4について、その断面の寸法を測定する。なお、不定形の気孔はもっとも長い方向で確認する。
また、図2を参照して、最大気孔径は、黒鉛基材2及び熱分解炭素層3の積層方向に沿った断面視において、50μmの区間における、黒鉛基材2の頂部及び底部との最大高低差ΔHの30%以下であることが好ましい。熱分解炭素層3における気孔4が一列に並ぶと、熱分解炭素層3が黒鉛基材2から剥がれやすくなるが、最大気孔径が上記条件を満足することにより、黒鉛基材2の表面に適度な起伏が設けられ、黒鉛基材2の表面における起伏に沿って一列に並ばないように気孔4が形成されるため、剥がれにくい熱分解炭素層3を得ることができる。
上記ΔHに対する最大気孔径が30%を超えると、気孔4が大きすぎて、熱分解炭素層3が剥離しやすくなる。上記ΔHに対する最大気孔径は、25%以下であることがより好ましく、20%以下であることが更に好ましい。なお、黒鉛基材2の表面に所定の高低差を設けるためには、例えば、黒鉛基材2を所定粗さとなるよう適宜粗面化することが考えられる。
熱分解炭素層3の厚さは、5〜200μmであることが好ましい。熱分解炭素層3の厚さが5μm以上であると、多孔体である黒鉛基材2の凹凸を十分に覆うことができ、ガス、水分、不純物等を細孔内部に吸着しにくくなり、これら気体や不純物の不浸透性を確保することができる。一方、熱分解炭素層3の厚さが200μm以下であると、熱分解炭素層3の熱歪みよる反り、剥がれを防止することができる。
これらの効果をより良好に発揮させるためには、熱分解炭素層3の厚さは10〜100μmがより好ましく、20〜50μmが更に好ましい。
なお、熱分解炭素層3の厚さは、偏光顕微鏡、走査電子顕微鏡等を用いて、標準スケールとの比較から測定することができる。走査電子顕微鏡などで既に標準スケールが表示されている場合、それを用いて厚さを算出することができる。
なお、本実施形態に係る炭素複合部材1における黒鉛基材2としては、等方性黒鉛材であることが好ましい。等方性黒鉛は、特性の異方性が小さく均一性が高いため、熱分解炭素層3との熱膨張係数差が場所、方向による差異が小さく剥がれにくくすることができる。
続いて、本実施形態に係る炭素複合部材1は、例えば次のようにして得ることができる。図3は、その工程を説明するための模式図である。
まず、目的の形状の黒鉛基材2を準備する(図3(a))。黒鉛基材2に熱分解炭素層3を形成すると、厚さ分だけ大きくなるので、炭素複合部材1としてのサイズや、形成する熱分解炭素層3の厚さに応じて薄めに加工することが好ましい。また、熱分解炭素層3との密着性を高めるためや、上記ΔHに対する最大気孔径が30%以下となるようにするために、黒鉛基材2の表面を粗面に加工してもよい。
そして、黒鉛基材2をCVD炉の中に置き、成膜温度まで上昇させたのち、原料ガスを導入する。成膜温度は特に限定されないが、例えば800〜2000℃とすることができる。熱分解炭素層3を得るための原料ガスは、炭化水素であれば特に限定されない。例えばメタン、エタン、プロパン、ブタン等のアルカン、エチレン、プロピレンなどのアルケン、アセチレン等のアルキンの他、ベンゼン、トルエン等の芳香族系の原料ガスを用いてもよい。
そして、成膜温度を保持し、一定時間原料ガスを導入することで、ごく薄い熱分解炭素層3を黒鉛基材2の表面に成膜する(図3(b))。なお、キャリアガスとしては、Ar等の不活性ガスを用いることができる。なお、このごく薄い熱分解炭素層は、任意であり形成しなくてもよい。
続いて、熱分解炭素層3がごく薄い所定の厚さになった段階で、該熱分解炭素層3の表面に熱分解炭素のクラスターを生成させる。熱分解炭素のクラスターは、空中で生成された熱分解炭素のパーティクル(細塊)が、ごく薄い熱分解炭素層3の表面に沈降して堆積すること(すなわち、沈積)で生成される。
このクラスターを生成させる方法は、特に限定されないが、例えば、CVD炉内の圧力を上昇させたり、温度を上昇させたり、炭化水素の分圧を高めたりすることで、一時的に熱分解反応のバランスを崩し、熱分解を促進させ、空中で熱分解炭素のパーティクルを生成させ、それらを沈積させることにより、ごく薄い熱分解炭素層3の表面に熱分解炭素のクラスターを複数形成させることができる。
また、熱分解炭素のパーティクルは、熱分解炭素層3の上部空間で生じるだけでなく、熱分解炭素層3の表面に落下した後も成長するため、熱分解炭素のパーティクルは熱分解炭素層3の表面に沈積するとともに熱分解炭素層3と一体化する。すなわち、熱分解炭素層3と、その表面に形成された熱分解炭素のクラスターとは一体化される。
こうして得られたパーティクルが付着した熱分解炭素層3は、クラスターの隙間に気孔4を形成することとなり、気孔4の周囲で熱分解炭素の結晶方向が乱される(図3(c))。図3(c)において、気孔4の周囲に示されるランダムに配向した短い直線は、熱分解炭素の結晶方向が乱された状態を模式的に示したものである。なお、得られる気孔4のサイズは、パーティクルのサイズと同程度となる。
この熱分解炭素のパーティクルを生成し、沈積させるための条件の一例としては、CVD炉内の圧力を10〜10000Pa、温度を800〜2000℃とすることが挙げられる。
また、より多くの熱分解炭素のパーティクルを熱分解炭素層3の表面に沈積させ、気孔4をより多く形成させるためには、CVD炉において、熱分解炭素層3の上部空間が広くなるようにする。上部空間が広いと、生成する熱分解炭素のパーティクルの量が多くなり、より多くの熱分解炭素のパーティクルを熱分解炭素層3の表面に沈積させ、一体化させることができる。
なお、黒鉛基材2に電荷をかけたり、CVD炉内で黒鉛基材2を反転させたりすることにより、熱分解炭素層3の上面だけでなく、黒鉛基材2の側面や下面にも熱分解炭素層3に気孔を形成することもできる。
続いて、熱分解炭素のパーティクルがある程度の沈積量となった後、熱分解炭素を成膜のCVD条件で一定にして、気孔4が形成された熱分解炭素層3の上に連続して、更に熱分解炭素層3を形成する(図3(d))。
なお、熱分解炭素のパーティクルを生成して気孔4を形成する熱分解炭素層3と、熱分解炭素のパーティクルを生成せず気孔4を形成しない熱分解炭素層3を連続して成膜するため、層間の剥離が生じにくい熱分解炭素層3を形成することができる。なお、パーティクルと気孔4を同時に形成した後の熱分解炭素層3は、パーティクルが生じないように、CVD炉内の圧力や温度を変えることなく一定の条件下で成膜することが好ましい。このようにパーティクルが生じないようにして成膜し、所定の厚さの熱分解炭素層3を形成させ、所望の炭素複合部材1を得る。
(発明を実施するための形態)
以下、本発明に係る炭素複合部材の特徴が明確になるように、実施例及び比較例を挙げて更に説明する。
(実施例1)
等方性黒鉛材料を、50×50×5mmのサイズとなるように加工し、黒鉛基材とした。得られた黒鉛基材をCVD炉内に置き、真空ポンプで減圧しながら1200℃以上に加熱し、炭化水素からなる原料ガスを、CVD炉内のガス圧が1kPa以下になるように最初から一定のガス分圧で原料ガスを供給して、熱分解炭素層の形成を開始させた。なお、成膜時は、継続して炭化水素ガスが消費されるので、定常状態では供給するガスと炉内のガスを比較すると、炉内のガスの方が炭化水素のガス分圧が低くなっている。
このため、成膜から一定の炭化水素ガスの分圧を維持して供給すると、成膜の初期において炭化水素ガスのガス分圧が高い状態ができ、黒鉛基材の表面に気孔を形成するクラスターができやすくなると考えられる。
続いて、熱分解炭素層の厚さが20μmに成長する時間に達した時点で、原料ガスの供給を停止した。
こうして得られた炭素複合部材の断面を、偏光顕微鏡により確認した。撮影した偏光顕微鏡写真を図4に示し、図4の偏光顕微鏡写真を図案化した模式図を図5に示す。図5において熱分解炭素層の黒鉛基材との界面近傍に気孔が形成されている。実施例1の図4、図5の中で確認された最大気孔径は1.05μmであった。
また、黒鉛基材及び熱分解炭素層の積層方向に沿った断面視において、上記最大気孔径が、50μmの区間における、前記黒鉛基材の頂部及び底部との最大高低差の19%であった。なお、黒鉛基材の頂部及び底部との最大高低差は5.5μmであった(図5の破線部分)。
この炭素複合部材は、熱分解炭素層における気孔の存在によって、上記界面近傍では黒鉛基材との界面から表面に向かって結晶の方向性が揃っていく傾斜機能材となっていることが確認された。
(比較例1)
実施例1と同様に炭素複合部材を形成した。ただし、最初は炭化水素ガスの比率を少なくし、徐々に炭化水素ガスの流量を増やした後、実施例1と同様に一定の原料ガスの分圧比で製膜を行った。
こうして得られた炭素複合部材の断面を、偏光顕微鏡により観察したところ、熱分解炭素層の黒鉛基材との界面近傍には、気孔が形成されておらず、熱分解炭素層は黒鉛基材の界面近傍から表面まで方向性の揃った被膜が得られていた(図6を参照)。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
本発明に係る炭素複合部材は、熱分解炭素層が、熱分解炭素層と黒鉛基材との界面近傍に、気孔が存在する領域を有することにより、熱分解炭素層と黒鉛基材との界面近傍における熱膨張係数差が小さくなり、温度差の大きいヒートサイクルが加わっても、熱分解炭素層が剥離しにくいため、半導体製造、化学工業、機械、原子力等、多くの分野にわたって有効である。
1 炭素複合部材
2 黒鉛基材
3 熱分解炭素層
4 気孔

Claims (6)

  1. 黒鉛基材上に熱分解炭素層が形成された炭素複合部材であって、
    前記熱分解炭素層は、前記熱分解炭素層と前記黒鉛基材との界面近傍に、気孔が存在する領域を有することを特徴とする炭素複合部材。
  2. 前記気孔は、前記界面近傍に偏在していることを特徴とする請求項1に記載の炭素複合部材。
  3. 前記気孔は、最大気孔径が0.5〜3.0μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の炭素複合部材。
  4. 前記黒鉛基材及び前記熱分解炭素層の積層方向に沿った断面視において、
    前記最大気孔径が、50μmの区間における、前記黒鉛基材の頂部及び底部との最大高低差の30%以下であることを特徴とする請求項3に記載の炭素複合部材。
  5. 前記熱分解炭素層の厚さが5〜200μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭素複合部材。
  6. 前記黒鉛基材が等方性黒鉛材であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の炭素複合部材。
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