JP2010199063A - 触媒金属担持カーボン - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒金属担持カーボンが高電位にさらされても、カーボンや溶媒が安定で変質し難く、触媒活性が低下し難い触媒金属担持カーボンを提供する。
【解決手段】導電性ダイヤモンドライクカーボン及び/又はグラッシーカーボンの粉体表面に触媒金属が担持されている。触媒金属としては、例えばPt、Ru、Rh、Pd、Ag、Ir、Au、Ni、Cu等が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、これらの合金であっても良い。
【選択図】なし

Description

本発明は、燃料電池やリチウムイオン電池等に使用する触媒金属担持カーボンに関する。
従来より、カーボン粒子の表面にPt等の触媒金属が担持された触媒金属担持カーボンは、電気化学の分野における電極材料として、様々に利用されている。
例えば、燃料電池の触媒層には、カーボン粒子の表面にPt等の触媒金属が担持された触媒金属担持カーボンが用いられており、水素や酸素の電気化学的反応を円滑に進行させるという重要な役割を担っている(例えば特許文献1、2)。
また、本発明者らは、リチウムイオン電池の正極物質に触媒金属担持カーボンを混合することによって、充放電電流を大きくすることができることを見出し、これを利用したリチウムイオン電池について、既に特許出願を行なっている(特願2008−237350)。
特開2006−277992号公報 特開2003−308849号公報
しかし、従来の触媒金属担持カーボンは、高電位において触媒金属を担持しているカーボンが電気化学的酸化反応を起こすおそれがあった。
このため、例えば、電位シフト現象(すなわち、燃料電池の面内で部分的に水素供給が不足したときに、正極電位が、通常の動作電位である1V以下(vs SHE)を大幅に超える電位が観測される。場合によっては1.5V以上にも達する現象)が起こった場合(電位シフト現象は、りん酸型の燃料電池において知られているが、発明者らは固体高分子燃料電池においても同様の現象が発生することを確認している)に、触媒金属担持カーボンが高電位にさらされて、変質し、触媒活性が低下するおそれがあった。
また、このような電位シフト現象は、Liイオン電池やナトリウムイオン電池でも起こることが知られており、正極活物質に入れた導電剤としてのカーボンの酸化が問題となると懸念される。さらには、リチウムイオン電池において、本願出願人が、先に行なった特願2008−237350に記載されているように、正極物質に触媒金属担持カーボンを混合することにより充放電電流を大きくしようとした場合、正極物質が高い電位で充電されるような場合(例えばLiCoPOF等)には、カーボンのグラファイト構造が電気化学的に酸化され、変質するという問題があった。このため、正極における充放電を円滑に行うことができず、正極物質が大きなエネルギー密度を有するにもかかわらず、それを有効に活用することが困難であった。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、触媒金属担持カーボンが高電位にさらされてもカーボンや溶媒が安定で変質し難く、触媒活性が低下し難い触媒金属担持カーボンを提供することを解決すべき課題としている。
本発明の触媒金属担持カーボンは、カーボンに触媒金属が担持された触媒金属担持カーボンにおいて、前記カーボンは導電性ダイヤモンドライクカーボン及び/又はグラッシーカーボンであることを特徴とする。
本発明の触媒金属担持カーボンでは、触媒金属を担持させているカーボンに、導電性ダイヤモンドライクカーボン及び/又はグラッシーカーボンを用いている。導電性ダイヤモンドライクカーボンやグラッシーカーボンは、水系溶媒において、グラファイトよりも広い電位窓を有している。また、リチウムイオン電池の電解液のような非水溶媒系電解液においても、グラファイトよりも広い電位窓を有している。このため、燃料電池の触媒層のように水系で用いた場合や、リチウムイオン電池のように、非水溶液系の電解液で用いた場合においても、カーボンが安定に存在でき、カーボンに担持された触媒金属上で円滑な電気化学的反応を進行させることができる。また、高い電位まで溶媒を分解するおそれも少ない。
カーボンブラック及び熱処理してグラファイト化したカーボンブラックの希硫酸中におけるサイクリックボルタモグラムである。 各種電極の希硫酸中でのサイクリックボルタモグラムである。 実験例1〜3及び比較例1〜3のリチウム電池用正極のLiPFを溶解したリチウムイオン電池用電解液中での電極の電位−電流曲線である。 実験例1、3及び比較例1〜3のリチウム電池用正極のLiBFを溶解したリチウムイオン電池用電解液中での電極の電位−電流曲線である。 実験例1及び比較例1〜3のリチウム電池用正極のLiTFSIを溶解したリチウムイオン電池用電解液中での電極の電位−電流曲線である。 実施例1及び実験例1の電極の電位−電流曲線である。 実施例2の燃料電池の電池特性を示すグラフである。
本発明では触媒金属を担持するカーボンとして、導電性ダイヤモンドライクカーボン及び/又はグラッシーカーボンを用いる。
導電性ダイヤモンドライクカーボンとは、ダイヤモンド結合(炭素同士のSP混成軌道結合)とグラファイト結合(炭素同士のSP混成軌道結合)の両方の結合が混在しているアモルファス構造をとるカーボンのうち、導電性が1000Ωcm以下のものをいう。ただし、アモルファス構造以外に、部分的にグラファイト構造からなる結晶構造(すなわちSP混成軌道結合からなる六方晶系結晶構造)からなる相を有し、これにより導電性が発揮されるものも含まれる。グラファイトとダイヤモンドの中間の性質を有するダイヤモンドライクカーボンは、成膜時にダイヤモンドライクカーボンを構成する炭素原子のSP混成軌道結合とSP混成軌道結合の比率を調整することで、導電性を調節することができる。
また、グラッシーカーボンとは、カーボンが還元性雰囲気下の高温で変性して生じるガラス状のカーボンをいう。
水系電解液中において、導電性ダイヤモンドライクカーボンやグラッシーカーボンは、カーボンブラックやグラファイトよりもはるかに広い電位窓を有している。例えば、Carbon,vol.11,403(1973)では、触媒用カーボン担体としてよく用いられているカーボンブラック(Vulcan XC−72)を電極とし、2規定硫酸中でのサイクリックボルタモグラフを測定した結果が示されており(図1(a)参照)、標準水素電極基準で0.05V〜1.0V程度の狭い電位窓しか有していない。また、このカーボンブラックを2700℃で熱処理してグラファイト構造としたものでは電位窓の範囲は若干広がるが、それでも、0.05〜1.2V程度である。(図1(b)参照)。
これに対し、ダイヤモンドライクカーボンやグラッシーカーボンは、図2に示すように、カーボンブラックやグラファイトよりもはるかに広い電位窓を有している(平成8年度開始 未来開拓学術推進事業研究プロジェクト資料)。このため、ダイヤモンドライクカーボンやグラッシーカーボンに触媒金属を担持させたものは、高い電位においても安定に存在できる。このため、例えば、これを燃料電池の触媒層に用いれば、電位シフト現象という異常現象を起こして高電位となった場合にも、触媒層のカーボンが変質し難くなり、担持された触媒金属上で円滑な電気化学的反応を進行させることができる。
一方、本発明の触媒金属担持カーボンに担持されている触媒金属としては、電気化学反応の触媒としての機能を有する金属であれば特に限定はない。例えばPt、Ru、Rh、Pd、Ag、Ir、Au、Ni、Cu等が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、これらの合金であっても良い。
<実験例>
以下、本発明の触媒金属担持カーボンの発明の効果について立証するため、様々な導電性物質粉体をPTFE粉体と混合してホットプレス法によって円盤状電極を作製し、電位−電流曲線を測定した。
(実験例1)
実験例1では、グラッシーカーボン粉砕品(平均粒径0.5μm)とPTFE粉体とを80:20の重量比で混合し、ホットプレスによって8mmφの円盤状の電極を作製した。
(実験例2)
実験例2では、グラッシーカーボン(平均粒径8μm)とPTFE粉体とを80:20の重量比で混合し、ホットプレスによって8mmφの円盤状の電極を作製した。
(実験例3)
実験例3では、ダイヤモンドライクカーボン粉末(平均粒径0.03μm)とPTFE粉体とを80:20の重量比で混合し、ホットプレスによって8mmφの円盤状の電極を作製した。
(比較例1)
比較例1は、市販のグラッシーカーボン板そのものである
(比較例2)
比較例2では、アセチレンブラック(電気化学工業社製「HS−100」)とPTFE粉体とを80:20の重量比で混合し、ホットプレスによって8mmφの円盤状の電極を作製した。
(比較例3)
実験例3では、アセチレンブラック(電気化学工業社製「HS−100」)を真空中3000℃で3時間熱処理を行なったものとPTFE粉体とを80:20の重量比で混合し、ホットプレスによって8mmφの円盤状の電極を作製した。
<電位−電流曲線の測定>
上記のようにして作製した実験例1〜3及び比較例1〜3の電極について、リチウムイオン電池用電解液中で電位走査し、電位−電流曲線を測定した。電解液は次のように調製した。すなわち、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとセバコニトリルとを容量比で25:25:50となるように混合液を調製し、さらにリチウム電解質(LiPF、LiBF及びLiTFSIのいずれか)を1mol/Lとなるように溶解した溶液を電解液とし、三極式電解セル容器に入れた。
電位−電流曲線の測定は、作用極として上記電極(面積1.0cm)、対極として白金網、参照電極としてLi金属を用いた。掃引速度は5mV/secとした。
結果を図3〜図5に示す。
(LiPFを溶解したリチウムイオン電池用電解液中での測定結果)
その結果、図3に示すように、ダイヤモンドライクカーボンを用いた実験例1の電極及びグラッシーカーボン粉末を用いた実験例2、3では、比較例1のグラッシーカーボン板電極よりも広い電位窓を有していることが分かった。これに対して、カーボンブラックをそのまま電極とした比較例2では、電位窓が狭く、カーボンブラックを熱処理してグラファイト化した比較例3においても、電位窓が多少広がったものの、4Vを超えると酸化電流が流れ出し、実験例1〜3と比較して電位窓が狭いことが分かった。
(LiBFを溶解したリチウムイオン電池用電解液中での測定結果)
また、図4に示すように、LiBFを溶解したリチウムイオン電池用電解液中においても、ダイヤモンドライクカーボン粉末を用いた実験例3の電極及びグラッシーカーボン粉を用いた実験例1の電極は、LiPFを溶解したリチウムイオン電池用電解液中での測定と同様、広い電位窓を有することが分かった。
(LiTFSIを溶解したリチウムイオン電池用電解液中での測定結果)
さらに、図5に示すように、LiTFSIを溶解したリチウムイオン電池用電解液中での測定においても、グラッシーカーボン粉を用いた実験例1の電極は、広い電位窓を有することが分かった。また、LiPF及びLiBFを溶解したリチウムイオン電池用電解液中での測定結果では、グラッシーカーボン、ダイヤモンドライクカーボン共に電位窓が広いことから、TFSIの場合でもダイヤモンドライクカーボンの電位窓が広いと推定される。
以上の結果から、リチウムイオン電池の正極物質に触媒金属担持カーボンを混合することによって、充放電電流を大きくさせようとした場合において、カーボンをグラッシーカーボン粉末やダイヤモンドライクカーボン粉末とすれば、リチウムイオン電池用の充電時に高い電位とされる正極においても、分解されることなく、溶媒を分解するおそれも少ないことが分かる。そして、この結果から、高い電位で充電反応が行われるエネルギー密度の高い正極活物質を有効に活用できることが分かる。
<触媒金属担持カーボンの調製>
本発明の触媒金属担持カーボンは、導電性ダイヤモンドライクカーボン粉末やグラッシーカーボン粉末を、前述の特開2003−308849号公報に記載の方法と同様の金属担持方法を適用することにより、容易に調製することができる。すなわち、まず、市販の導電性ダイヤモンドライクカーボン粉末や、粉砕機で粉砕したグラッシーカーボン粉末を用意し、それらの粉末を白金濃度2.2wt%のジニトロジアンミン白金硝酸溶液に浸漬する。そして、充分攪拌した後、還元剤として100%エタノールを添加する。そして、この溶液を撹拌しながら6時間還流し、濾過し、乾燥させる。こうして、白金担持導電性ダイヤモンドライクカーボン(あるいは白金担持グラッシーカーボン)を容易に得ることができる。また、さらに、この白金担持導電性ダイヤモンドライクカーボン(あるいは白金担持グラッシーカーボン)を塩化ルテニウム溶液100gに浸漬した後、同様の操作を行なうことにより、白金及びルテニウムがダイヤモンドライクカーボン(あるいはグラッシーカーボン)が担持された二元系触媒金属担持カーボンを得ることもできる。
以下、本発明の触媒金属担持カーボンを具体化した実施例1について述べる。
実施例1では、まず粉砕機で粉砕したグラッシーカーボン粉末を用意し、このグラッシーカーボン粉末に対して、上述した方法によって白金を担持させた。こうして得られた白金担持グラッシーカーボン粉末(平均粒径0.5μm)とPTFE粉体とを80:20の重量比で混合し、ホットプレスによって8mmφの円盤状の電極を作製した。
<電位−電流曲線の測定>
上記のようにして作製した実施例1の電極について、リチウムイオン電池用電解液中で電位走査し、電位−電流曲線を測定した。電解液は次のように調製した。すなわち、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとセバコニトリルとを容量比で25:25:50となるように混合液を調製し、さらにLiBFを1mol/Lとなるように溶解した溶液を電解液とし、三極式電解セル容器に入れた。
電位−電流曲線の測定は、上記実験例及び比較例での測定と同様であり、説明を省略する。
その結果、図6に示すように、白金担持グラッシーカーボン粉末を用いた実施例1の電極は、白金を担持していないグラッシーカーボン粉末を用いた実験例1よりも少し電流は大きくなったものの、ほぼ同様の広い電位窓を有していた。
以上の結果から、リチウムイオン電池の正極物質に触媒金属担持カーボンを混合することによって、充放電電流を大きくさせようとした場合において、カーボンをグラッシーカーボン粉末とすれば、リチウムイオン電池用の充電時に高い電位とされる正極においても、分解されることなく、溶媒を分解するおそれも少ないことが分かった。そして、この結果から、高い電位で充電反応が行われるエネルギー密度の高い正極活物質を有効に活用できることが分かった。
実施例2では、ダイヤモンドライクカーボン粉末に白金を担持させ、これを燃料電池用に適用した。
すなわち、ダイヤモンドライクカーボン粉末(平均粒径0.03μm)を用意し、このダイヤモンドライクカーボン粉末に対し特開2003−308849号公報に記載の方法で白金を担持した。すなわち、白金溶液として、白金濃度2.2wt%のジニトロジアンミン白金硝酸溶液を900g(白金含有量:20g)にダイヤモンドライクカーボン粉末を30g浸漬させ攪拌後、還元剤として100%エタノールを100ml添加した。この溶液を沸点(約95℃)で6時間、攪拌、混合し、白金を炭素粉末に担持させた。そして、濾過、乾燥後白金担持ダイヤモンドライクカーボンとした。
こうして得られた白金担持ダイヤモンドライクカーボンとナフィオン溶液を混合し空気極電極とした。また、水素極は通常の白金担持カーボンとナフィオン溶液を混合し水素極電極とした。ガス拡散層/水素極/ナフィオン膜/空気極/ガス拡散層の順で積層し、ホットプレスし、膜−電極複合体(MEA)化した。
<燃料電池の特性評価>
上記水素極に加湿水素、上記空気極に加湿空気を導入したときの電池特性を図7に示す。この図から、ダイヤモンドライクカーボンは燃料電池の触媒担体として使用できることがわかる。ダイヤモンドライクカーボンはカーボンブラックや活性炭よりも遥かに電位窓が広いため、電位シフト現象に対する耐久性に優れている。同様の効果は、ダイヤモンドライクカーボンの替わりにグラッシーカーボン粉末を担体として使用しても、得られることは当業者の技術常識から当然に推測される。
この発明はリチウムイオン電池やナトリウムイオン電池等の二次電池に適用される。ここに、リチウムイオン電池やナトリウムイオン電池等の二次電池は電解液、正極、負極、セパレータ及びケースを備えてなる。
(リチウムイオン電池用電解液)
リチウムイオン電池用電解液は、Li塩(電解質)と有機溶媒とを含んでいる。
Li塩には、Liイオン電池用の一般的なLi塩を用いることができる。例えば、LiPF(六フッ化リン酸リチウム)、LiBF(四フッ化ホウ酸リチウム)、LiTFSI(リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)、LiTFS(トリフルオロメタンスルホン酸リチウム)、LiBETI(リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド)又はこれらの2種以上を用いることができる。
なかでも、正極の酸化還元電位が4.5V以上のものについては、LiPF、及び/又はLiBFを使用することが好ましい。また、LiTFSIやLiTFSやLiBETIを用いる場合、LiPF又はLiBFを添加することが好ましい。
有機溶媒もLiイオン電池に用いられる一般的なものを採用できる。かかる有機溶媒としては環状炭酸エステル、環状カルボン酸エステル及び鎖状炭酸エステルの中から選ばれる1種、又は2種以上が好ましい。更に好ましくは、環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルとを併用する。具体的には、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを併用することが特に好ましい。両者の配合割合は特に限定されない。環状カルボン酸エステルとしてはγ−ブチロラクトンを用いることができる。
更にはニトリル化合物を有機溶媒として用いることができる。ここで、ニトリル化合物としては、鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物、鎖式エーテル化合物の末端の少なくとも一つにニトリル基が結合した鎖式エーテルニトリル化合物及びシアノ酢酸エステルのうち少なくとも一つのニトリル化合物を挙げることができる。
鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物としては、例えば、スクシノニトリルNC(CHCN、グルタロニトリルNC(CHCN、アジポニトリルNC(CHCN、セバコニトリルNC(CHCN、ドデカンジニトリルNC(CH10CNなどのような直鎖状のジニトリル化合物の他、2−メチルグルタロニトリルNCCH(CH)CHCHCN等のように分枝を有していても良い。これらの鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物は、炭素数は特に限定されないが20以下であることが好ましい。更に好ましくは7〜12である。
鎖式エーテル化合物の末端の少なくとも一つにニトリル基が結合した鎖式エーテルニトリル化合物としては、オキシジプロピオニトリルNCCHCH−O−CHCHCNや、3−メトキシプロピオニトリルCH−O−CHCHCN等が挙げられる。これらの鎖式エーテルニトリル化合物は、炭素数は特に限定されないが、20以下であることが好ましい。
シアノ酢酸エステルとしてはシアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチル、シアノ酢酸プロピル、シアノ酢酸ブチル等が挙げられる。これらのシアノ酢酸エステルは、炭素数は特に限定されないが、20以下であることが好ましい。
これらニトリル化合物は電解液において電位窓を特に正方向に広げる作用を奏する。
電位窓を広げる作用の観点からジニトリル化合物が好ましい。中でも、セバコニトリルの採用が更に好ましい。
ただし、ニトリル化合物は粘度が高いので、上述の鎖状炭酸エステル、環状炭酸エステル及び/又は環状カルボン酸エステルと併用することが好ましい。更に好ましくはニトリル化合物と鎖状炭酸エステル及び環状炭酸エステルとを併用する。鎖状炭酸エステルとしてはジメチルカーボネートを採用することができ、環状炭酸エステルとしてはエチレンカーボネートを採用することができる。
この場合、有機溶媒全体に占めるニトリル化合物の配合割合は1〜90容量%とすることが好ましい。更に好ましくは5〜70容量%であり、更に更に好ましくは、10〜50容量%である。
また、各種添加剤(例えば、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、エチレンサルファイト)を0.1−3%程度入れることも好ましい。これにより、負極側で耐食性皮膜が形成され、耐食性が向上する。
Li塩の濃度は0.01mol/L以上であって、飽和状態よりも低い濃度とする。Li塩の濃度が0.01mol/L未満であると、Liイオンによるイオン伝導が小さくなり、電解液の電気抵抗が高くなるので好ましくない。他方、飽和状態を超えると、温度等の環境変化によって溶解しているLi塩が析出するので好ましくない。
(ナトリウムイオン電池用電解液)
ナトリウムイオン電池用電解液はNa塩(電解質)と有機溶媒とを含んでいる。
Na塩には、従来からNaイオン電池用のNa塩として知られているものを用いることができる。例えば、例えば、NaClO、NaPF、NaBF、NaCFSO、NaN(CFSO、NaN(FSO、NaN(CSO、NaC(CFSO等が挙げられる。溶媒及び溶質の混合比は特に限定されず、目的に応じて適宜設定される。
また、各種添加剤(例えば、ビニレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、エチレンサルファイト)を0.1−3%程度入れることも好ましい。これにより、負極側で耐食性皮膜が形成され、耐食性が向上する。
有機溶媒もNaイオン電池に用いられる一般的なものを採用できる。かかる有機溶媒とし環状炭酸エステル、環状カルボン酸エステル及び鎖状炭酸エステルの中から選ばれる1種、又は2種以上が好ましい。更に好ましくは、環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルとを併用する。具体的には、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを併用することが特に好ましい。両者の配合割合は特に限定されない。環状カルボン酸エステルとしはγ−ブチロラクトンやプロピレンカーボネートを用いることができる。
鎖状カーボネートは、ジメチルカーボネートのほかに、ジエチルカーボネートやエチルメチルカーボネートを使用することができる。
更にはニトリル化合物を有機溶媒として用いることができる。ここで、ニトリル化合物としては、鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物、鎖式エーテル化合物の末端の少なくとも一つにニトリル基が結合した鎖式エーテルニトリル化合物及びシアノ酢酸エステルのうち少なくとも一つのニトリル化合物を挙げることができる。
鎖式飽和炭化水素化合物の両末端にニトリル基が結合した鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物としては、例えば、スクシノニトリルNC(CHCN、グルタロニトリルNC(CHCN、アジポニトリルNC(CHCN、セバコニトリルNC(CHCN、ドデカンジニトリルNC(CH10CNなどのような直鎖状のジニトリル化合物の他、2−メチルグルタロニトリルNCCH(CH)CHCHCN等のように分枝を有していても良い。これらの鎖式飽和炭化水素ジニトリル化合物は、炭素数は特に限定されないが、7〜20であることが好ましい。更に好ましくは10〜12である。
鎖式エーテル化合物の末端の少なくとも一つにニトリル基が結合した鎖式エーテルニトリル化合物としては、オキシジプロピオニトリルNCCHCH−O−CHCHCNや、3−メトキシプロピオニトリルCH−O−CHCHCN等が挙げられる。これらの鎖式エーテルニトリル化合物は、炭素数は特に限定されないが、20以下であることが好ましい。
シアノ酢酸エステルとしてはシアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチル、シアノ酢酸プロピル、シアノ酢酸ブチル等が挙げられる。これらのシアノ酢酸エステルは、炭素数は特に限定されないが、20以下であることが好ましい。
これらニトリル化合物は電解液において電位窓を特に正方向に広げる作用を奏する。電位窓を広げる作用の観点からジニトリル化合物が好ましい。中でも、セバコニトリルの採用が更に好ましい。
ただし、ニトリル化合物は粘度が高いので、上述の鎖状炭酸エステル、環状炭酸エステル及び/又は環状カルボン酸エステルと併用することが好ましい。更に好ましくはニトリル化合物と鎖状炭酸エステル及び環状炭酸エステルとを併用する。鎖状炭酸エステルとしてはジメチルカーボネートを採用することができ、環状炭酸エステルとしてはエチレンカーボネートを採用することができる。
この場合、有機溶媒全体に占めるニトリル化合物の配合割合は1〜90容量%とすることが好ましい。更に好ましくは15〜70容量%であり、更に更に好ましくは、30〜50容量%である。
Na塩の濃度は0.01mol/L以上であって、飽和状態よりも低い濃度とする。Na塩の濃度が0.01mol/L未満であると、Naイオンによるイオン伝導が小さくなり、電解液の電気抵抗が高くなるので好ましくない。他方、飽和状態を超えると、温度等の環境変化によって溶解しているNa塩が析出するので好ましくない。
(正極)
正極は正極活物質と集電体とを備える。
(リチウムイオン電池用正極活物質)
リチウムイオン電池用正極活物質とは「負極よりも高い電位で結晶構造内にリチウムが挿入/離脱され、それに伴って酸化/還元が行われる物質」をいう。
正極活物質としては(1)酸化物系、(2)オリビン型結晶構造を有するリン酸塩系、及び(3)オリビンフッ化物系を挙げることができる。
(1)酸化物系
1−1具体的物質
酸化物系としては、Li1−xCoO(x=0〜1:層状構造)、Li1−xNiO(x=0〜1:層状構造)、Li1−xMn(x=0〜1:スピネル構造)、Li2−yMnO(y=0〜2)及びこれらの固溶体(ここで固溶体とは、上記酸化物系の正極活物質において金属原子が自由な割合で混合された物質を指す。)を挙げることができる。また、これらのうちの金属原子を他の金属原子でドープしたものも含まれる。ドーパントとしては酸化還元反応において電気化学的な特性を変化させられるものであれば特に限定されるものではない。例えば、Li、Mg、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb及びMoの1種又はそれ以上を用いることができる。
1−2 特性
この正極活物質の一般的な放電電位は5V (vs Li/Li)未満である。但し、LiMn系でNiに一部置換した、LiNi0.5Mn1.5は、放電電位が4.7Vであり、急速充電をおこなう際には過電圧分を加味し、5Vを超える充電電圧を必要とする場合がある。また、LiCoMnOは放電電圧が5.2V程度から始まるため、これも充電電圧は5Vを超える。このため、これらの高い電圧に耐えることのできる、本発明の触媒金属担持カーボンは、好適に用いることができる。また、酸化物系は一般に300℃未満で分解し、酸素発生とともに比較的大きな発熱反応がある。このため、過充電が起こらないような制御回路が必要とされる。
(2)オリビン型結晶構造を有するリン酸塩系
2−1 具体的物質
オリビン型結晶構造を有するリン酸塩系としては、Li1−xNiPO (x=0〜1)、Li1−xCoPO (x=0〜1)、Li1−xMnPO (x=0〜1)、Li1−xFePO (x=0〜1)及びこれらの固溶体(ここで固溶体とは、上記リン酸塩系の正極活物質において金属原子が自由な割合で混合された物質を指す。)を挙げることができる。また、これらのうちの金属原子を他の金属原子でドープしたものも含まれる。ドーパントとしては酸化還元反応において電気化学的な特性を変化させられるものであれば特に限定されるものではない。例えば、Mg、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb及びMoの1種又は2種以上を用いることができる(特開2008−130525号参照)。
2−2 特性
この正極活物質の酸化還元電位は、上記酸化物系とは異なり300℃未満では発熱反応が小さい上、酸素は発生せず、安全性が高いことから注目されている。また、リン酸塩系のうち、LiCoPO系は放電電位が4.8V程度であり、急速充電に際しては5V以上で耐電圧を有する電解液が必要とされる。LiNiPOの放電電位は5.2V (vs Li/Li)が示唆されている。このため、こうした高い電圧に耐えることのできる、本発明の触媒金属担持カーボンは、好適に用いることができる。
(3)オリビンフッ化物系
3−1 具体的物質
Li2−xNiPOF (x=0〜2)、Li2−xCoPOF (x=0〜2)が知られており、その他Li2−xMnPOF (x=0〜2)、Li2−xFePOF (x=0〜2)が考えられる。
また、これらの固溶体(ここで固溶体とは、上記オリビンフッ化物系の正極活物質において金属原子が自由な割合で混合された物質を指す。)も挙げることができる。さらに、これらのうちの金属原子を他の金属原子でドープしたものも含まれる。ドーパントとしては酸化還元反応において電気化学的な特性を変化させられるものであれば特に限定されるものではない。例えば、Mg、Al、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Zr、Nb及びMoの1種又はそれ以上を用いることができる。
3−2 特性
この正極活物質の酸化還元電位はオリビン系と同様に、上記酸化物系とは異なり、300℃未満の分解では、発熱反応が小さい上、酸素発生がないため、正極活物質由来の電池発火の影響は小さいと考えられ安全性の面で注目されている。また、電池の電気容量密度(mAh/g)を上記リン酸塩系よりも高くできる(特開2003−229126号公報参照)。しかし、例えばLiCoPOF系は、平均放電電位が4.8V程度であり、急速充電に際しては5V以上で耐電圧を有する電解液が必要とされる。また、LiNiPOF系の放電電位は5.2V(vs Li/Li)程度であり、5V以上で耐電圧を有する電解液が必要とされる。このため、こうした高い電圧に耐えることのできる、本発明の触媒金属担持カーボンは、好適に用いることができる。
(4)その他
その他、リチウム非含有のFeF、有機導電性物質を用いた共役系ポリマー、シェブレル相化合物等を用いることもできる。また、遷移金属カルコゲン化物、バナジウム酸化物およびそのリチウム塩、ニオブ酸化物およびそのリチウム塩、さらには、複数の異なった正極活物質を混合して用いることも可能である。
正極活物質粒子の平均粒径は、特に限定はされないが、10nm〜30μmであることが好ましい。
(ナトリウムイオン電池用正極活物質)
ナトリウムイオン電池用正極活物質は、充放電によって可逆的に酸化−還元を繰り返すことのできる物質であって、ナトリウムイオンを可逆的にインターカレート−デインターカレートできる物質であることが要求される。
このような正極活物質としては、特開2009−129741号公報に記載されているNaFeO、NaNiO、NaCoO、NaMnO、NaFe1−x 、NaNi1−x 、NaCo1−x 、NaMn1−x (ただし、Mは3価金属からなる群より選ばれる1種以上の元素であり、0≦x<0.5である。)で示される化合物等が挙げられる。これらのなかでも、主に鉄とナトリウムとを含有する複合酸化物であって、六方晶の結晶構造からなる複合酸化物を正極活物質として用いることにより、高い放電電圧を得ることができ、エネルギー密度の高い二次電池を得ることができる。
上記正極活物質として、さらに好ましくは、主に鉄とナトリウムとを含有する複合酸化物であって、六方晶の結晶構造を有し、かつ該複合酸化物のX線回折分析において、面間隔2.20オングストロームのピークの強度を面間隔5.36オングストロームのピークの強度で除した値が2以下である複合酸化物である。またナトリウム化合物と鉄化合物とを含有する金属化合物混合物を、400℃以上900℃以下の温度範囲で加熱するにあたり、温度上昇中の100℃未満の温度範囲においては雰囲気を不活性雰囲気として加熱することが好ましい。
また、これらの化合物うちの遷移金属原子を他の金属原子でドープしたものでもよい。ドーパントとしては酸化還元反応において電気化学的な特性を変化させられるものであれば特に限定されるものではない。
(正極用集電体)
正極用集電体とは正極活物質を担持する導電性の基体である。
正極の集電体の成形材料は、充電時において安定であることが要求される。特に、酸化還元電位の高いオリビン型結晶構造を有するリン酸塩系及びオリビンフッ化物系の正極活物質を用いるときには、耐食性に優れた素材を使用することが好ましい。
例えば、電解質としてLiPF、LiBFを使用する場合、オーステナイト系ステンレス、Ni、Al、Ti等を用いることができるが、使用する正極活物質の動作電位を考慮し、適宜選択することが好ましい。例えば、電解質としてLiPFを用いる場合は、Li/Li電極に対して6Vでも使用することができるが、電解質としてLiBFを用いる場合、SUS304はLi/Li電極に対し5.8V以下で充放電可能な場合のみ用いることができる。また、電解質としてLiTFSIを使用する場合、正極集電体表面に耐食性皮膜を形成させるべく、LiPFを共存させることが好ましい。LiBETI及びLiTFSもLiTFSIの場合と同様である。
また、Al等の導電金属材料へ導電性DLC(ダイヤモンドライクカーボン)を周知の方法で被覆したものを集電体として用いることもできる。電解質がLiBFやLiPFなど、容易にフッ化物皮膜を形成するようなリチウム塩の場合は、アルミニウム上へ厚いフッ化皮膜が形成し、耐食性は向上するものの、電子伝導性が低下し、ひいてはオーミック過電圧増加に伴う、高出力化が阻害されることとなる。Al等の導電金属材料へ導電性DLCを被覆すれば、フッ化物皮膜は導電性DLCの欠陥部分の極わずかな面積でのみ発生するだけである。このため、高電圧化しても電子伝導性の低下は無視できる程度となり、懸念されている高電圧化による出力低下は防ぐことが可能となる。
ここで、導電性ダイヤモンドライクカーボンとは、ダイヤモンド結合(炭素同士のSP混成軌道結合)とグラファイト結合(炭素同士のSP混成軌道結合)の両方の結合が混在しているアモルファス構造をとるカーボンのうち、導電性が1000Ωcm以下のものをいう。ただし、アモルファス構造以外に、部分的にグラファイト構造からなる結晶構造(すなわちSP混成軌道結合からなる六方晶系結晶構造)からなる相を有し、これにより導電性が発揮されるものも含まれる。グラファイトとダイヤモンドの中間の性質を有するダイヤモンドライクカーボンは、成膜時にダイヤモンドライクカーボンを構成する炭素原子のSP混成軌道結合とSP混成軌道結合の比率を調整することで、導電性を調節することができる。
勿論、上記耐食性導電性金属材料を導電性DLCで被覆してもよい。
集電体の形状及び構造は、正極活物質や電池の構造に応じて、任意に設計可能である。
(正極の前処理)
リチウムイオン電池用正極やナトリウムイオン電池用正極は、リチウムイオン電池に組み込む前に、ニトリル化合物を1容量%以上含む有機溶媒中にリチウム塩(あるいはナトリウム塩)が溶解した前処理用電解液中に正電極を浸漬する浸漬処理工程を行い、さらに電極に正電圧を付与する正電圧処理工程を行なう。こうして前処理された電極は、ニトリル化合物を全く含まない電解液や、ニトリル化合物の添加量の少ない電解液を用いたリチウムイオン電池に用いても、電位窓が広く、高い電位においても電解液を分解し難くなる(特願2009−180007号参照)。このような広い電位窓の電極となる理由は、電極上に窒素を成分として含む耐食性の皮膜が形成されるためであると推測される。
(負極)
負極は負極活物質と集電体とを備える。
(リチウムイオン電池用負極活物質)
リチウムイオン電池用負極活物質とは「正極よりも低い電位で結晶構造内にリチウムが挿入/離脱され、それに伴って酸化/還元が行われる物質」をいう。
リチウムイオン電池用負極活物質としては、例えば、人造黒鉛、天然黒鉛、ハードカーボン等の種々の炭素材料やチタン酸リチウム(LiTi12)、HTi1225、HTi13、Feなどが挙げられる。また、これらを適宜混合した複合体も挙げることができる。さらには、Si微粒子やSi薄膜、これらのSiがSi−Ni、Si−Cu、Si−Nb、Si−Zn、Si−Sn等のSi系合金となった微粒子や薄膜が挙げられる。さらには、SiO酸化物、Si−SiO複合体、Si−SiO−カーボンなどの複合体等を挙げることができる。
(ナトリウムイオン電池用負極活物質)
また、ナトリウムイオン電池用負極活物質とは「二次電池の負極として充放電によってナトリウムイオンが出入りするとともに可逆的に酸化−還元を繰り返すことのできる物質」であり、本発明においてはLiTi12を用いる。
(負極用集電体)
負極用の集電体は汎用的な導電性金属材料、Cu、Al、Ni、Ti、オーステナイト系ステンレス等で形成することができる。
但し、電解液にニトリル化合物を用いたとき(他の有機溶剤との併用を含む)には、電解液中のLi塩に応じて適宜選択する必要がある。すなわち、電解質としてLiPF、LiBFを使用する場合、オーステナイト系ステンレス、Ni、Al、Ti等の使用が可能となる。ただし、使用する負極活物質の動作電位に応じて、適宜選択する必要がある。負極活物質としてカーボン系やSi系を使用する場合において、電解質としてLiBFを使用した場合は、Cu以外のAl、Ni、Ti、オーステナイト系ステンレス等からなる集電体を使用することができる。負極活物質としてチタン酸リチウムやFe系の化合物を用いた場合は、Cuを含む上記材料の全てが適用可能である。一方、電解質としてLiPF使用時はAl、Ni及びTiが好ましく、オーステナイト系ステンレス及びCuは好ましくない。また、電解質としてLiTFSIや、LiBETI、やLiTFSを使用する場合、Ni、Ti、Al、Cu、オーステナイト系ステンレスの何れも使用することができる。
(正極用電子伝導部材)
正極活物質には導電性の小さいものがある。従って、正極活物質と集電体との間に導電性の電子伝導部材を介在させて、両者の間に十分な電子伝導パスを確保することが好ましい。
ここで電子伝導部材は正極活物質と集電体との間に電子伝導パスを形成できればその形態は特に限定されるものではなく、例えばアセチレンブラック等のカーボンブラック、グラファイト粉、ダイヤモンドライクカーボン、グラッシーカーボン等の導電性粉体(導電助剤)を用いることができる。ダイヤモンドライクカーボン及びグラッシーカーボンは、カーボンブラックやグラファイトよりもはるかに広い電位窓を有しており、高電位を付与した場合の耐食性に優れているため、好適に用いることができる。また、これらの導電助剤として、本発明の触媒金属担持カーボンを用いることも好ましい。金属微粒子としては、例えばPt、Au、Ni等が挙げられる。これらは、単独で用いても良いし、これらの合金であっても良い。また、電子伝導材料として、正極活物質を被覆する導電性皮膜(DLC膜等)、正極活物質を埋入させた導電性薄膜(金の薄膜等)を用いることができる。
特に、LiNiPOF系の正極活物質はそれ自身の及び/又はその表面皮膜の導電性が小さいので、これを集電体へ単に担持させてなるものではリチウムイオン電池の正極として機能しない場合がある。LiNiPOF系の正極活物質の性能評価のために、これを金等の導電薄膜へハンマー等で物理的に打ち込み、電池の正極を形成することができる。
ここにLiNiPOF系正極活物質とはLiNiPOF及びこれへ適宜ドーパントをドープしたものを指す。
(負極用電子伝導部材)
正極用電子伝導部材としては、アセチレンブラック等のカーボンブラックを用いることができる。
(セパレータ)
セパレータは電解液中へ浸漬され、正極と負極とを分離し両者の短絡を防ぐとともに、Liイオンの通過を許容する。
かかるセパレータには、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂から成る多孔質フィルムが挙げられる。
(ケース)
ケースは電解液に対する耐食性を有する材質で形成される。その形状は、電池の目的用途に応じて任意に設計できる。
リチウム塩が溶解している電解液を使用する場合には、オーステナイト系ステンレスからなる基材、Ti、Ni及び/又はAlからなるケースを用いることができる。但し使用する正極、負極活物質の動作電位により適宜選択しなければならない場合もある。
ケースが集電体を兼ねる場合や集電体に電気的に結合される場合は、各電極の集電体形成材料と同一若しくは同種の材料で形成される。
この発明は、上記発明の実施形態の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
本発明は燃料電池の触媒層やリチウムイオン電池の正極材料等に利用可能である。

Claims (1)

  1. カーボンに触媒金属が担持された触媒金属担持カーボンにおいて、
    前記カーボンは導電性ダイヤモンドライクカーボン及び/又はグラッシーカーボンであることを特徴とする触媒金属担持カーボン。
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