JP2020184453A - 電子放出素子及び電子顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子のエネルギー幅が狭く、電子放出効率の優れた電子放出素子、及びこれを用いた電子顕微鏡を提供する。【解決手段】第1の電極と、絶縁膜からなる電子加速層と、第2の電極とが順に積層されてなる積層構造を備える電子放出素子であって、第2の電極は、電子を透過し、表面から電子を放出する電極であり、放出される電子のエネルギー幅が100meV以上で600meV以下である。例えば、第2の電極として、1層以上20層以下のグラフェンを用い、絶縁膜として六方晶系の窒化ホウ素を用いることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、電子を放出するための電子放出素子と、これを用いた電子顕微鏡に関する。
従来、電子を原子から外部に放出させる電子放出素子(「電子源」とも呼ぶ。)として、冷陰極型電子源と熱陰極型電子源が知られている。冷陰極型電子源は、陰極と陽極間に高電圧を印加することにより、電子に陰極から飛び出すエネルギーを与えるものである。冷陰極型電子源に関する技術は、例えば、平面型ディスプレイ装置、照明、水素発生装置等の分野で開発が進められている。
ところで、電子顕微鏡に使われる電子放出素子として、温度を上げて固体中の電子を取り出す熱電子源や、先端を尖らせたタングステン針から電界放出により電子を取り出す電界放出電子源や、タングステン針の先端に酸化ジルコニウムを吸着させた構造のショットキー電子源などが実用化されている。電子顕微鏡の性能の一つである分解能を決定する一つの要素として、色収差がある。色収差は、主に電子源から放出される電子のエネルギー幅ΔEによって決定される。ΔEは、電子源の電子放出メカニズムにより決定されるので、それぞれの方式の電子源で概ね範囲が決まってくる。熱伝電子源の動作温度は1900〜2800Kでエネルギー幅は2〜4eVである。電界放出電子源の動作温度は300K(室温)で電子のエネルギー幅は0.3eVである。ショットキー電子源の動作温度は1800Kで電子のエネルギー幅は0.7〜1eVである。
一方、平面型ディスプレイ装置等に用いる、薄膜の積層構造で構成される薄膜電子源が知られている(特許文献1参照)。薄膜電子源は、上部電極、電子加速層、下部電極を積層した構造を有し、電子加速層中で加速した電子を真空中に放出させる。薄膜電子源には、例えば、MIM(Metal−Insulator−Metal、金属−絶縁体−金属)型電子源、MOS(Metal−Oxide−Semiconductor)型電子源、弾道型面電子源等が含まれる。上部電極は、表面電極又は電子透過電極とも呼ばれ、電子放出面を構成する。薄膜電子源は、針やフィラメント構造ではないので、平面型の電子放出素子とも呼ばれる。平面型の電子放出素子には、必ずしも平板に限らず、針やフィラメント形状ではない曲面を有する薄膜積層構造のものも含む。平面型の電子放出素子は、放出電子の安定性が高いこと、放出電子の直進性が高いこと、10V以下の低電圧で動作可能であること、低真空でも安定動作可能であること、電子を面放出できること、既存の半導体プロセスで作製可能であること等の特徴を有している。
図3は、従来の電子放出素子300の構成を模式的に示す断面図である(特許文献2、非特許文献1参照。)。電子放出素子300は、下部電極基板301、絶縁体層302、および電子透過電極層303より構成される。電子透過電極層303の材料は、酸化などの影響により仕事関数が増加するのを防ぐために、金や白金、イリジウムなどの貴金属が用いられる。絶縁体層302は、その一部分の厚さが5nm〜20nmであり、電子加速層として機能し、電子透過電極層303がその上に積層されて電子放出面を構成する。電子放出面以外の部分の絶縁体層302は、電子放出面よりも厚く数十から数百nm程度の厚さである。電子透過電極層303のうち、電子放出面305と重ならない部分の上には、電圧を印加するためのコンタクト電極層304が設けられる。下部電極基板301とコンタクト電極層304との間に、5Vから20V程度の電圧を印加すると、絶縁体層302に形成されるポテンシャル障壁が薄くなり、下部電極基板301中の電子が量子力学的トンネル効果により、絶縁体層302のコンダクションバンドにトンネリングする。絶縁体層302のコンダクションバンドに出た電子は、格子振動の散乱によってエネルギーの一部を失うが、電子透過電極層303の仕事関数より高いエネルギーを有する電子は、電子透過電極層303を通り抜けて真空中に放出される。
薄膜電子源の動作原理は、エネルギーバンド図を用いて説明できる(特許文献2参照)。図4は、下部半導体電極31、電子加速層32、上部金属電極33が積層された構造において、上部金属電極33に電圧を印加した状態の、エネルギーバンド図である。MIS型電子源の場合、電子加速層32として絶縁体を用いる。上部金属電極−下部半導体電極間に印加された電圧によって電子加速層32内に電界が生じる。この電界によって下部半導体電極31中から電子がトンネル現象によって電子加速層32中に流れ込む。下部半導体電極31中から電子加速層32にトンネルした直後の電子のエネルギー分布41は、トンネル現象により電子の非弾性散乱がないため、下部半導体電極31内での電子のエネルギー分布と同じである。この電子は電子加速層32中の電界によって加速されホットエレクトロンとなる。電子加速層32中で電界によって加速される際に、電子は電子加速層32で非弾性散乱によりエネルギーを失うため、電子のエネルギー分布42のようにエネルギー分布が広がり、ピーク位置も低エネルギー側にシフトする。更に、このホットエレクトロンが上部金属電極33中を通過する際、電子は非弾性散乱により更にエネルギーを失い、電子のエネルギー分布43のように、更にエネルギー分布が広がり、ピーク位置もより低エネルギー側にシフトする。上部金属電極33−真空34界面、すなわち上部金属電極の表面に達した時点で、表面の仕事関数よりも大きなエネルギーを有する一部の電子のみ真空34中に放出される。真空中に放出した電子のエネルギー分布44は、電子のエネルギー分布43のうち上部金属電極33表面の仕事関数以下のエネルギーをカットした分布となる。
ところで、発明者らは、絶縁物の上に触媒金属を成膜することなくグラフェンを成膜する方法を開発し(非特許文献2参照)、電子透過電極層303に1層のグラフェンもしくは数層程度のグラファイトを用いることにより、高効率の電子放出を可能とする電子放出素子(電子源)の構造を提案した(特許文献2、非特許文献1参照)。
特開2009−43440号公報 特開2017−45639号公報
K. Murakami, et al., Applied Physics Letters, Vol. 108, 083506 (2016). K. Murakami, et al., Applied Physics Letter, Vol. 106, 093112 (2015).
従来の、電子透過電極層に1層のグラフェンもしくは数層程度のグラファイトを用いた電子放出素子では、電子透過電極として軽元素である炭素を用いることにより、電子放出の高効率化と大電流化を実現できた。電子透過電極層による散乱もある程度抑えることができると期待されたが、電子のエネルギー幅は1eV程度のままであった。
本発明は、これらの問題を解決しようとするものであり、本発明は、絶縁膜中及び電子透過電極膜中の電子の散乱を極限まで抑え、電子の狭エネルギー幅を実現する電子放出素子を提供することを目的とする。また、本発明は、狭エネルギー幅を有する電子放出素子を用いた電子顕微鏡を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、以下の特徴を有するものである。
(1) 第1の電極と、絶縁膜からなる電子加速層と、第2の電極とが順に積層されてなる積層構造を備え、前記第2の電極は、電子を透過し、表面から電子を放出する電極であり、放出される電子のエネルギー幅が100meV以上で600meV以下であることを特徴とする電子放出素子。
(2) 前記第2の電極は、1層以上20層以下のグラフェンであることを特徴とする前記(1)記載の電子放出素子。
(3) 前記絶縁膜は、六方晶系の窒化ホウ素であることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の電子放出素子。
(4) 前記第1の電極は、半導体であることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれか1項記載の電子放出素子。
(5) 前記第1の電極は、磁性体であることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれか1項記載の電子放出素子。
(6) 前記第1の電極は、量子井戸構造を有することを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれか1項記載の電子放出素子。
(7) 前記(1)乃至(6)のいずれか1項に記載された電子放出素子を備え、該電子放出素子から真空中又は気体中に電子を放出することを特徴とする電子顕微鏡。
本発明の電子放出素子によれば、タングステンなどの金属からの電界放出で得られる電子ビームのエネルギー幅よりも狭いエネルギー幅の電子ビームが得られる。MOS型の電子放出素子の場合、従来技術であれば、下部電極中の電子のエネルギー分布をもったものが、トンネリングしたあと、絶縁膜中で散乱を受けてエネルギーを失う。エネルギーを失うものもあれば、失わないものも確率的に存在するので、結果としてエネルギー幅は広くなってしまった。一方、本発明の電子放出素子によれば、絶縁膜中での電子の散乱は殆どなく、また、電子透過電極での散乱も殆どないので、固体の中の電子分布をそのまま反映したエネルギー分布が得られる。より詳細に説明すると、固体の中の電子分布に、絶縁膜の三角ポテンシャルをトンネリングするときのトンネル確率を掛け合わせたものが、放出されるエネルギー分布となる。例えば、下部電極が半導体であれば、半導体中の電子のエネルギー分布はフェルミディラックの分布関数と半導体中の電子の状態密度との積に従うことが知られており、半導体の導電帯での電子のエネルギー分布にトンネル確率を重畳したものが電子のエネルギー分布となる。
本発明において、絶縁膜からなる加速層に六方晶系の窒化ホウ素(以下、ヘキサゴナル構造のボロンナイトライド、h−BNとも呼ぶ。)薄膜を用い、電子透過電極にグラフェン又はグラファイトを用いる場合、電子放出素子内部での電子散乱による電子のエネルギー分布変化を抑制することができる。この場合、下部電極の電子状態を保持したまま、電子を取り出すことが可能となる。下部電極にn−Siを使用した場合、n−Si導電体のエネルギー分布を反映した70meV程度のエネルギー幅の電子の放出が可能となる。
本発明の電子放出素子において、第2の電極がグラフェン膜又はグラファイト膜での場合、他の電極材料である場合と比較して、電子の散乱を抑えることができ高効率な電子放出が可能なだけではなく、反応性が低く安定な材料であるために、電極そのものが腐食することがなく長寿命であるという効果もある。
また、本発明の電子放出素子を備える電子顕微鏡は、色収差の殆どなく分解能が非常に高い。
第1の実施の形態における電子放出素子の構造を示す模式図である。 第1の実施の形態における電子放出素子の動作を説明するエネルギーバンド図である。 従来技術における電子放出素子の構造を示す模式図である。 従来技術における電子放出素子の動作を説明するエネルギーバンド図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。
本発明者は、電子放出素子及びこれを用いた電子顕微鏡において、薄膜積層構造の材料に着目して研究開発を進め、狭いエネルギー幅の電子が放出される装置を得るに到ったものである。
本発明の実施の形態の電子放出素子は、第1の電極(「下部電極」とも呼ぶ。)と、絶縁膜からなる電子加速層と、第2の電極(「上部電極、表面電極、電子透過電極」とも呼ぶ。)とが順に積層された構造を備える。第2の電極は、電子を透過する電極であり、第2の電極の表面は、電子放出面を構成する。本発明の電子放出素子における電子放出面は、ほぼ平坦面である。
電子加速層として機能する絶縁膜として、窒化ホウ素が好ましい。六方晶系の窒化ホウ素(ヘキサゴナル構造のボロンナイトライド、h−BN)薄膜がより好ましい。h−BNは、グラフェンと同様に2次元構造を有しているので、層数を制御することで、膜厚の制御が可能である。また、原子番号が小さいので、電子の散乱が小さくなるため、従来のシリコン酸化膜と比べると電子放出効率の大幅な向上が期待できる。h−BNを用いることにより、エネルギー幅の狭い電子を放出することができる。放出電子のエネルギー幅を狭くすることは、電子顕微鏡などの用途では特に重要である。電子顕微鏡に使用する電子放出素子の電子放出面は平面であることが好ましい。
電子透過電極として、グラフェン膜又はグラファイト膜を用いることが好ましい。電子透過電極は、炭素1層の表面電極は炭素1層の多結晶グラフェン膜か、炭素20層程度までの多結晶グラファイト膜であることが好ましい。
下部電極は、電極として用いることが可能な導電材料又は半導体材料で、かつ本発明の積層構造を実現可能な材料であれば、特に制限されない。例えば、シリコン電極が挙げられる。シリコンは導電性が高いものが望ましく、伝導帯中に電子が存在するN型がより好ましい。シリコンは、単結晶、多結晶、アモルファス状のいずれでもよい。また、下部電極として、例えば、磁性体金属電極が挙げられる。
(第1の実施の形態)
本実施の形態について図1を参照して以下説明する。電子放出素子10は、導電性基板からなる下部電極1(第1の電極)と、電子放出面5を規定する厚い絶縁膜2と、電子放出面5の電子加速層として機能する薄い絶縁膜6と、電子透過電極3(表面電極、上部電極、第2の電極)と、コンタクト電極4(第3の電極とも呼ぶ。)とを備える。下部電極1として、本実施の形態では、シリコン半導体基板を用いる。
絶縁膜6の材質は、電子の散乱を極限まで抑えるために軽元素からなっていることが望ましい。本実施の形態では、窒化ホウ素(BN)を用いる。絶縁膜6の膜厚は、電子加速層として最適な厚さを適宜選択することが望ましい。4nm以上20nm以下程度の膜厚が、電子放出効率が高くなるので、望ましい。4nmより薄くなってしまうと、電子透過電極の仕事関数以下のバイアスで、絶縁膜を電子がダイレクトトンネルしてしまう。ダイレクトトンネルした電子は電子透過電極の仕事関数を乗り越えるだけのエネルギーを持たないため、電子透過電極で回収されるので、電子放出効率が著しく低下する。また、電子透過電極の仕事関数以上のバイアスを印加した場合、絶縁膜6にかかる電界が非常に高くなるため、絶縁破壊が生じやすく素子寿命が短くなるため好ましくない。20nmよりも厚い場合には、絶縁膜6での電子散乱の寄与が大きく、大部分のトンネル電子のエネルギーが電子透過電極の仕事関数以下にまで低下し、電子透過電極で回収されてしまうため、電子放出効率が著しく低下する。
電子透過電極は、炭素1層のグラフェン膜か、20層程度までのグラファイト膜である。電子透過電極での電子の散乱を極力抑えるためには、単層のグラフェン膜がより好ましい。しかしながら、実験した結果では、20層程度までのグラファイト膜であれば、電子放出効率の大幅な劣化は見られなかった。グラファイト膜7nmは、約20層に対応する。よって、2nm以上7nm以下の膜厚であることがより好ましい。グラフェン膜もしくはグラファイト膜は、単結晶でも、多結晶でもよい。例えば、グラフェン膜として、一つの結晶粒の大きさが50nm以上300nm以下程度の多結晶膜を用いて作製して、良好な電子放出が得られた。1層のグラフェンの場合は、全面から電子放出させるために連続膜である必要がある。
本実施形態の電子放出素子の作製方法について説明する。
(工程1) 単結晶シリコン基板を用意する。
(工程2) 不純物を除去するために、シリコン基板を洗浄する。半導体の分野で用いられる洗浄方法を用いることができる。
(工程3) シリコン基板上にヘキサゴナル構造の窒化ホウ素膜を成膜する。成膜方法には、CuやNi−Fe合金など他の基板上に成膜されたヘキサゴナル窒化ホウ素膜を転写する方法や、アンモニアボラン(HNB)、ボラジン(B)、又はジボラン(B)とアンモニア(NH)を、原料としたCVD法などを用いることができる。成膜方法には特に限定されない。
(工程3)の、シリコン基板上にh−BNを成膜するCVD法の例を以下説明する。横型電気炉に石英管を挿入した加熱装置を用意する。真空ポンプにより石英管内の圧力を5×10−4Pa程度まで下げてから、電気炉の温度を1050℃程度に設定する。石英管の一方からボラジン(B)蒸気を導入し、石英管内の圧力が30Pa程度になるように調整する。30分間ボラジン蒸気を導入することにより、h−BNを成膜する。
(工程4) 続いて、窒化ホウ素膜の表面に、グラフェンもしくはグラファイトの表面電極を成膜する。グラフェンもしくはグラファイトの成膜方法は、特に限定されないが、表面電極の成膜に好適な方法の例として、金属蒸気触媒を用いた熱CVD(thermal chemical vapor deposition)がある。
金属蒸気触媒を用いて、第1の電極へグラファイト膜を成膜する方法を以下説明する。横型電気炉に石英管を挿入した加熱装置を用意する。電気炉の温度は1050℃程度に設定し、石英管の一方からメタンガスとアルゴンガスの混合ガスを導入する。石英管の内部において、金属ガリウムを石英のボート上に設置する。金属ガリウムの風下には、成膜したい表面に絶縁膜を成膜した第1の電極を設置する。第1の電極上の窒化ホウ素膜の表面に、均一に必要な膜厚のグラフェンを成膜する。例えば1インチの石英管の中で、アルゴンガスの流量100sccm,メタンガスの流量を1sccmとして、30分間成膜した場合、窒化ホウ素膜上に均一に、膜厚7nmの多結晶グラファイト膜が形成された。成膜時間を短くすることで単層の多結晶グラフェン膜も成膜可能である。なお、電気炉の設定温度や成膜時間、ガスの流量比などはここで開示した値に限定されるものではなく、必要な膜厚や結晶性に応じて変化させることが可能である。また、導入するガスは、アルゴンとメタンに限らず、キャリアーとなる不活性ガスと、炭素の供給源となるガスの組み合わせは、任意に選ぶことができる。金属蒸気触媒の材料として、ガリウムを例としてあげたが、ガリウムに限定されない。ガリウムの他に、インジウム等の金属が利用可能である。
[電子放出素子の特性の測定]
シリコン半導体基板(n―Si)の下部半導体電極と、h−BNの絶縁膜(例13nm)と、上部グラフェン電極(例1nm)とを備える、本実施の形態の電子放出素子を準備して、得られる電子ビームの電子放出特性評価を超高真空チャンバー中で行った。まず、下部半導体電極(cathode)を接地、上部グラフェン電極(gate)に0Vから+20V程度まで0.1Vステップで電圧を印加し、電子放出素子と対抗させたSUSプレート(anode)に+1000Vを印加して、下部半導体電極、上部グラフェン電極、SUSプレートに流れる電流を計測した。計測結果から、印加電圧13Vから電子放出を開始し、印加電圧の増加とともに放出電流が増加することを確認した。印加電圧55Vで放出電流密度2A/cmに到達し、十分な放出電流が得られることを確認した。次に、電子放出素子から放出した電子のエネルギー幅の測定は、超高真空チャンバーに搭載された電子分光器を使用して行う。電子分光器には例えば静電半球型エネルギーアナライザーを使用する。静電平行平板型を用いてもよい。電子放出素子の動作方法は、電子放出特性評価とは一部異なる。電子放出素子に透明電極に蛍光体を塗布したスクリーンを対向させる。このスクリーンの中央には直径1mm程度のホールを設けておく。スクリーンに+2.5kVの電圧を印加する。下部半導体電極と上部グラフェン電極に−100V印加する。電子放出素子から電子を放出させる際は、上部グラフェン電極に印加している電圧を−100Vから徐々に減少させていく。要は、上部グラフェン電極と下部半導体電極間の電位差が0V〜20Vになるように調整することで、電子放出特性評価と同様に電子放出素子を動作させることができる。放出した電子は蛍光スクリーンに当たり、電子放出パターンが観測できる。この電子放出パターンを観測しながら、放出電子がスクリーン上のホールを通過するように電子放出素子の位置を調整する。スクリーン上のホールを通過した電子は電子線エネルギーアナライザーに取り込まれ、放出電子のエネルギースペクトルが計測される。半導体下部電極に−100Vを印加する理由は2次電子の影響を除くためである。得られたエネルギースペクトルの半値全幅をエネルギー幅と定義する。本実施の形態においては、電子のエネルギーの半値幅は0.275eVであった。
[比較例1] 比較例1として、シリコン半導体基板の下部電極1と、SiOの絶縁膜6と、グラフェンもしくはグラファイトの電子透過電極3と、を備える電子放出素子を作成した。本実施の形態とは絶縁膜の材料が異なる。比較例1において得られる電子ビームのエネルギースペクトルを測定した。比較例1では電子のエネルギーの半値幅は1.6eVであった。絶縁膜がSiOであるので、絶縁膜中を走行する間に電子が散乱を受けて、エネルギーを失う電子が発生する。その結果として電子のエネルギー幅が広がり、半値幅では1.6eV程度の広がりを持つ。SiO膜厚の最適化などを行い、電子透過電極であるグラフェンの膜厚を極限まで薄くし、電子透過電極での散乱を抑えた場合でも、1.0eV以下の半値幅は得られなかった。
[比較例2] 比較例2として、タングステンの電界放出素子から得られる電子ビームのエネルギースペクトルを測定した。比較例2では電子のエネルギーの半値幅は0.37eVであった。タングステンの電界放出素子において、電子のエネルギー幅が狭いのは、電子が真空中をトンネリングするので、途中で散乱を受けることがないからである。このエネルギー幅は、フェルミ分布のフェルミレベル近傍のエネルギー分布にトンネル確率をかけたものになっている。
比較例1、2と比べて、本実施の形態の電子放出素子においては、電子が通過する絶縁膜が窒化ホウ素で、さらに電子透過電極がグラフェンであるので、電子の散乱を極限まで抑えられている。その結果、散乱でのエネルギーの広がりは殆どない。さらに、下部電極がシリコン半導体でフェルミレベルは禁制帯中にあるので、フェルミ分布のうち、フェルミレベルより上の領域の分布関数にトンネル確率を重畳したものになるのであるから、タングステンの電界放出素子よりもエネルギー分布の狭い0.3eV以下の半値幅が得られた。
[動作原理の説明]
本発明の実施の形態の動作原理を、図2を参照して説明する。図2は、下部半導体電極11、h−BN12、上部グラフェン電極13が積層された構造において、上部グラフェン電極13に電圧を印加した状態の、エネルギーバンド図である。上部金属電極(上部グラフェン電極)−下部半導体電極間に印加された電圧によってh−BN12内に電界が生じる。この電界によって下部半導体電極11中から電子がトンネル現象によってh−BN12中に流れ込む。下部半導体電極11中からh−BN12にトンネルした直後の電子のエネルギー分布21は、トンネル現象により電子の非弾性散乱がないため、下部半導体電極11内でのエネルギー分布と同じである。この電子はh−BN12中の電界によって加速されホットエレクトロンとなる。h−BNは、絶縁層を構成する元素がB、Nであり、従来のSiOやAlと比較して、構成元素の原子番号が小さい。電子の非弾性散乱断面積は一般的に原子番号に比例するため、電子加速層の絶縁材料にh−BNを使用することにより、電子加速層での電子の非弾性散乱が抑制される。そのため、h−BNで加速され上部グラフェン電極13に到達した電子のエネルギー分布22は、下部半導体電極11をトンネルした直後の電子のエネルギー分布21と同じになる。さらに、上部グラフェン電極は、電極を構成する元素がCであり、従来用いられてきた上部金属電極材料の元素(Al、Au、Pt等)と比較して、原子番号が小さいため、上部グラフェン電極での電子の非弾性散乱も抑制することができる。上部グラフェン電極13−真空14界面、すなわち上部グラフェン電極の表面に達した時点で、すべての電子は表面の仕事関数よりも大きなエネルギーを有するため、上部グラフェン電極13−真空14界面で後方弾性散乱した電子以外のすべての電子が真空14中に放出される。この一連の過程において、電子の非弾性散乱が発生しないため、真空中に放出した電子のエネルギー分布23は、下部半導体電極11をトンネルした直後の電子のエネルギー分布21を保った状態となる。
[放出電子のエネルギー幅の範囲]
本発明の実施の形態の電子放出素子から放出される電子のエネルギー幅は、100meV以上600meV以下の範囲である。上限として600meVが望ましいのは、次の理由による。下部半導体電極と上部グラフェン電極間に印加する電圧を高くし、電子加速層h−BN中を電子が走行する距離を十分長くし、h−BN中での電子の非弾性散乱の影響を大きくしても、放出される電子のエネルギー幅の増加は600meV程度で飽和することが分かった。また、下限として100meVが望ましいのは、次の理由による。室温での下部半導体電極中での電子のエネルギー幅は約70meVである。電子加速層h−BNの膜厚を4nmまで薄くすると、下部半導体電極とh−BN間の電位障壁をトンネルした電子は、電子加速層h−BNを走行する距離が極めて短く、上部グラフェン電極を透過し真空中に放出される。この場合、下部半導体電極中から真空中に放出される過程で電子散乱はほぼ抑制されるため、下部半導体電極中での電子のエネルギー分布よりわずかに広がった100meV程度のエネルギー幅となる。
従来の[上部金属電極/熱酸化膜/Si半導体基板]の積層構造の電子放出素子では、Si半導体基板と熱酸化膜との界面の電位障壁をトンネルし、電界により熱酸化膜中で加速されて上部金属電極を透過した電子は、熱酸化膜と上部金属電極内での電子散乱により熱平衡状態となり、マックスウェルボルツマン分布となることが知られている。そのため、n型Si基板中での電子のエネルギー幅が70meVと狭くても、従来の電子放出素子を用いて真空中に電子を取り出した場合1eV以上にエネルギー幅が広がってしまう。
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、下部電極として、第1の実施の形態とは異なる磁性体金属材料(Co,Cr,Fe等)を用いる場合について説明する。下部電極として磁化した磁性体金属を用いることにより、磁性体中のスピン状態を保持した電子を取り出すことが可能であり、エネルギー幅が小さいという効果に加えて異なる効果も得ることができる。本実施の形態の電子放出素子は、スピンの状態を観測するためのスピン偏極走査電子顕微鏡や、スピン分解光電子分光装置に使用できる。本実施の形態では、下部電極での電子のエネルギー分布が半導体の場合と異な金属材料であるので、通常のタングステン針からの電界放出電子と同様のエネルギー分布となり、エネルギー幅は最小で300meVで最大で600meV程度である。
(第3の実施の形態)
本実施の形態では、下部電極として量子井戸構造のようなナノ構造を用いる場合について説明する。下部電極の電子状態を制御することにより、人工的に制御した電子状態を反映した電子分布で電子を取り出すことができる。例えば、下部電極として、10nm以下の膜厚の絶縁体−金属(または半導体)−絶縁体の積層体からなる量子井戸構造を用いて、下部電極内での電子のエネルギー分布を量子化することにより、電子加速層を介して上部電極から、特定のエネルギー準位を有する電子のみを取り出す。本発明の実施の形態の電子放出素子から放出される電子のエネルギー幅は、100meV以上600meV以下の範囲である。
なお、上記実施の形態等で示した例は、発明を理解しやすくするために記載したものであり、この形態に限定されるものではない。
本発明の電子放出素子は、放出する電子のエネルギー幅が狭く、電子放出効率が高いので、電子のエネルギー幅の狭いことが望まれる装置、例えば電子顕微鏡等に採用でき、かつ産業上有用である。
1 下部電極
2 厚い絶縁膜
3 電子透過電極
4 コンタクト電極
5、305 電子放出面
6 絶縁膜
10、300 電子放出素子
11、31 下部半導体電極
12 h−BN
13 上部グラフェン電極
14、34 真空
21、22、23、41、42、43、44 電子のエネルギー分布
32 電子加速層
33 上部金属電極
301 下部電極基板
302 絶縁体層
303 電子透過電極層
304 コンタクト電極層

Claims (7)

  1. 第1の電極と、絶縁膜からなる電子加速層と、第2の電極とが順に積層されてなる積層構造を備え、
    前記第2の電極は、電子を透過し、表面から電子を放出する電極であり、
    放出される電子のエネルギー幅が100meV以上で600meV以下であることを特徴とする電子放出素子。
  2. 前記第2の電極は、1層以上20層以下のグラフェンであることを特徴とする請求項1記載の電子放出素子。
  3. 前記絶縁膜は、六方晶系の窒化ホウ素であることを特徴とする請求項1又は2記載の電子放出素子。
  4. 前記第1の電極は、半導体であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の電子放出素子。
  5. 前記第1の電極は、磁性体であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の電子放出素子。
  6. 前記第1の電極は、量子井戸構造を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の電子放出素子。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載された電子放出素子を備え、該電子放出素子から真空中又は気体中に電子を放出することを特徴とする電子顕微鏡。
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