JP2001344729A - 磁気記録媒体用ポリウレタンバインダー及びこれを用いた磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体用ポリウレタンバインダー及びこれを用いた磁気記録媒体

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JP2001344729A
JP2001344729A JP2000107520A JP2000107520A JP2001344729A JP 2001344729 A JP2001344729 A JP 2001344729A JP 2000107520 A JP2000107520 A JP 2000107520A JP 2000107520 A JP2000107520 A JP 2000107520A JP 2001344729 A JP2001344729 A JP 2001344729A
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JP2000107520A
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English (en)
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Shinichi Matsushita
伸一 松下
Noboru Kunishige
登 國重
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Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 強磁性粉末の分散性及び分散安定性に優れ、
耐久性、耐熱性、非磁性支持体との密着性に優れ、作業
性及び生産性に優れた磁気記録媒体用ポリウレタンバイ
ンダーを提供する。 【解決手段】 (A)炭素数1〜5の側鎖アルキル基を
有する脂肪族ジオール含有低分子ジオールと脂肪族ジカ
ルボン酸含有ジカルボン酸から得られるポリエステルジ
オール、(B)炭素数1〜5の側鎖アルキル基を有する
脂肪族ジオール含有低分子ジオールと芳香族ジカルボン
酸含有ジカルボン酸から得られるポリエステルジオー
ル、(C)炭素数2〜5の側鎖アルキル基を2個有し、
炭素数20以下の脂肪族ジオール含有鎖延長剤、(D)
有機ジイソシアネート、を反応させて得られる、スルホ
ン酸塩を0.01〜0.3mmol/g、全ての側鎖を
0.1〜10mmol/g、全ての芳香族環を0.1〜
5mmol/g含有することを特徴とする、磁気記録媒
体用ポリウレタンバインダー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体用ポ
リウレタンバインダー及びこれを用いた磁気記録媒体に
関するものである。更に詳しくは、強磁性粉末の分散性
能が優れ、分散速度が速く、磁性塗料の低粘度化が可能
な磁気記録媒体用ポリウレタンバインダー及びこれを用
いた磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、オーディオ機器、ビデオ機器、
コンピューター、磁気カード、磁気切符等に使用される
磁気記録媒体(具体的にはオーディオテープ、ビデオテ
ープ、プロッピーディスク、コンピューター用データテ
ープ、プリペイドカード、JR・大手私鉄各社の切符
等)は、ポリエステルフィルム等の非磁性支持体上に強
磁性粉末とバインダー等を有する磁性塗料を塗布、乾燥
させ、磁性層を形成することによって得られている。こ
のような磁気記録媒体を形成するためのバインダーとし
ては、長鎖ポリオール、鎖延長剤等の活性水素基含有化
合物、及び有機ポリイソシアネートを反応させて得られ
るポリウレタン樹脂は、高耐久性、高耐摩耗性等の性能
を有するため、磁気記録媒体用バインダーに広く用いら
れている。
【0003】近年、磁気記録媒体用ポリウレタンバイン
ダーに対する要求性能のレベルが高くなり、それに対し
て様々な検討が行われている。例えば、バインダーの機
械的強度や耐久性の向上という要望には、鎖延長剤導入
量の増加によるウレタン基濃度の増加や、ポリウレタン
骨格に剛直な構造である芳香族環を導入すること等の検
討が行われている。また、強磁性粉末の分散性の向上に
は、スルホン酸系金属塩、カルボン酸(塩)、第三級ア
ミノ基や第四級アンモニウム塩等の親水性極性基の導入
が検討されている。磁気記録媒体の生産性の向上には、
ポリウレタン樹脂の溶解性の向上や磁性塗料の低粘度化
という手段があるが、このためには親水性極性基やいわ
ゆる親油性の側鎖の導入が検討されている。
【0004】特開平1−251416号公報には、ビス
フェノールA骨格を導入することにより、側鎖を導入し
たポリウレタン樹脂を用いた磁気記録媒体が記載されて
いる。特開平7−182647号公報では、アルキル基
を側鎖に有する低分子ジオールと脂肪族系ジカルボン酸
からなるポリエステルジオールと、ガラス転移点が−3
℃以上の芳香族系ポリエステルジオールと、トリオール
を含有させた鎖延長剤、及び有機ジイソシアネートから
なるポリウレタン樹脂を用いた磁気記録媒体が示されて
いる。特開平11−39639号公報には、側鎖を有す
るジオールを用いたポリエステルポリオールを用い、か
つ、ウレタン基濃度が3.0〜4.0mmol/gであ
るポリウレタン樹脂を用いた磁気記録媒体が示されてい
る。
【0005】しかしながら、特開平1−251416号
公報では、ビスフェノールA骨格の導入に伴い芳香環の
導入量が増加するが、これに伴いウレタン基濃度も増加
するため、磁性塗料の粘度も増加し生産性が損なわれや
すい。特開平7−182647号公報では、磁性塗料の
低粘度化に関する考慮がなされていない。特開平11−
39639号公報では、柔軟なポリエステルポリオール
を用い、かつ、ウレタン基濃度を3.0〜4.0mmo
l/gに限定しているため、耐久性が不十分である。
【0006】また、これらの公報では分散速度の向上と
いう課題を解決する手段を示唆する記載はなく、磁気記
録媒体の高耐久性、強磁性粉末の高分散性、磁性塗料の
低粘度化、分散速度の向上、等を同時に解決する磁気記
録媒体用ポリウレタンバインダーは得られていなかっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、強磁性粉末
の分散性及び分散安定性に優れ、磁性層の耐久性、耐熱
性、非磁性支持体との密着性に優れ、磁性塗料粘度が低
く、分散速度が速く、作業性及び生産性に優れた磁気記
録媒体用ポリウレタンバインダーを提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は鋭意検討を
重ねた結果、特定のポリエステル、特定の鎖延長剤を用
いたポリウレタン樹脂を用いた磁気記録媒体用バインダ
ーが、前記目的を達成しうることを見い出し、本発明を
完成するに至った。
【0009】すなわち本発明は、(A)炭素数1〜5の
側鎖アルキル基を有する脂肪族ジオールを含有する低分
子ジオールと脂肪族ジカルボン酸を含有するジカルボン
酸から得られ、数平均分子量500〜1,500である
ポリエステルジオール、(B)炭素数1〜5の側鎖アル
キル基を有する脂肪族ジオールを含有する低分子ジオー
ルと芳香族ジカルボン酸を含有するジカルボン酸から得
られ、数平均分子量500〜1,500であるポリエス
テルジオール、(C)炭素数2〜5の側鎖アルキル基を
2個有し、炭素数20以下の脂肪族ジオールを含有する
鎖延長剤、(D)有機ジイソシアネート、を反応させて
得られるポリウレタン樹脂を用いた磁気記録媒体用バイ
ンダーであって、該ポリウレタン樹脂が、スルホン酸塩
を0.01〜0.3mmol/g、全ての側鎖を0.1
〜10mmol/g、全ての芳香族環を0.1〜5mm
ol/g含有することを特徴とする、磁気記録媒体用ポ
リウレタンバインダーである。
【0010】また本発明は、前記(1)のポリウレタン
バインダーと強磁性粉末を主体とする磁性塗料、及びポ
リイソシアネート硬化剤からなる磁性層を非磁性支持体
上に有する磁気記録媒体である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に使用される(A)成分は、炭素数1〜5の側鎖
アルキル基を有する脂肪族ジオールを含有する低分子ジ
オールと脂肪族ジカルボン酸を含有するジカルボン酸か
ら得られ、数平均分子量500〜1,500であるポリ
エステルジオールである。
【0012】また、(B)成分は、炭素数1〜5の側鎖
アルキル基を有する脂肪族ジオールを含有する低分子ジ
オールと芳香族ジカルボン酸を含有するジカルボン酸か
ら得られ、数平均分子量500〜1,500であるポリ
エステルジオールである。
【0013】(A)成分、(B)成分のポリエステルジ
オールの数平均分子量が500未満の場合は、ポリウレ
タン樹脂のウレタン基含有量が多くなり、ウレタン基に
よる凝集力が大きくなるため、磁性塗料の粘度が高くな
りやすい。1,500を越える場合は、磁性層の機械的
強度や耐久性が低下しやすくなる。
【0014】(A)成分、(B)成分における「低分子
ジオール」とは、(数平均)分子量500未満のジオー
ルのことである。
【0015】炭素数1〜5の側鎖アルキル基を有する脂
肪族ジオールとしては、1,2−プロパンジオール、
1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2
−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、
2−メチル−1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−
1,3−ヘキサンジオール、2−エチル−2−ブチル−
1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3
−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,5−ペン
タンジオール、2−メチル−2−エチル−1,3−プロ
パンジオール、3−メチル−3−エチル−1,5−ペン
タンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プ
ロパンジオール、3−メチル−3−プロピル−1,5−
ペンタンジオール、2−メチル−2−ブチル−1,3−
プロパンジオール、3−メチル−3−ブチル−1,5−
ペンタンジオール、3,3−ジエチル−1,5−ペンタ
ンジオール、3−エチル−3−ブチル−1,5−ペンタ
ンジオール、2−エチル−2−プロピル−1,3−プロ
パンジオール、3−エチル−3−プロピル−1,5−ペ
ンタンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパン
ジオール、3,3−ジブチル−1,5−ペンタンジオー
ル、2,2−ジプロピル−1,3−プロパンジオール、
3,3−ジプロピル−1,5−ペンタンジオール、2−
ブチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3
−ブチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、
2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−プロピル
−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−1,3−プ
ロパンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオー
ル、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、3−ブ
チル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,6
−ヘキサンジオール、2−プロピル−1,6−ヘキサン
ジオール、2−ブチル−1,6−ヘキサンジオール、5
−エチル−1,9−ノナンジオール、5−プロピル−
1,9−ノナンジオール、5−ブチル−1,9−ノナン
ジオール等が挙げられる。これらは、単独あるいは2種
類以上の混合物として用いることができる。
【0016】脂肪族ジカルボン酸としては、シュウ酸、
マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリ
ン酸、スペリン酸、セバチン酸、アゼライン酸、ドデカ
ン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、酒石酸等が挙
げられる。また、これらの酸無水物、ジアルキルエステ
ル、酸ハライドもこれらの均等物として使用できる。こ
れらは、単独あるいは2種類以上の混合物として用いる
ことができる。
【0017】芳香族ジカルボン酸としては、オルソフタ
ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5−カリウムスル
ホイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、
ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。また、これら
の酸無水物、ジアルキルエステル、酸ハライドもこれら
の均等物として使用できる。これらは、単独あるいは2
種類以上の混合物として用いることができる。
【0018】本発明において好ましい(A)成分は、低
分子ジオールの80モル%以上が炭素数1〜5の側鎖ア
ルキル基を有する脂肪族ジオールであり、ジカルボン酸
の80モル%以上が脂肪族ジカルボン酸である、ポリエ
ステルジオールである。特に好ましいのは、炭素数1〜
5の側鎖アルキル基を有する脂肪族ジオールが3−メチ
ル−1,5−ペンタンジオールであり、脂肪族ジカルボ
ン酸がアジピン酸であるポリエステルジオールである。
【0019】なお(A)成分において、低分子ジオール
のうち20モル%未満は、炭素数1〜5の側鎖アルキル
基を有する脂肪族ジオール以外の低分子ジオール化合物
であってもよい。このような低分子ジオール化合物とし
ては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール等の直鎖脂肪族ジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ジプロピレングリコール等のエーテル基含有低分子ジオ
ール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキ
サン−1,4−ジメタノール、水素添加ビスフェノール
A、水素添加ビスフェノールF等の脂環族低分子ジオー
ル、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン等の芳香族
低分子ジオール等が挙げられる。
【0020】また、(A)成分において、ジカルボン酸
のうち20モル%未満は、脂肪族ジカルボン酸以外のジ
カルボン酸であってもよい。このようなジカルボン酸と
しては、前述の芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒドロフタ
ル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等のような脂環族ジ
カルボン酸等が挙げられる。
【0021】本発明において好ましい(B)成分は、低
分子ジオールの30〜70モル%が炭素数1〜5の側鎖
アルキル基を有する脂肪族ジオールであり、ジカルボン
酸の80モル%以上が芳香族ジカルボン酸である、ポリ
エステルジオールである。より好ましいのは、低分子ジ
オールの30〜70モル%が炭素数1〜5の側鎖アルキ
ル基を有する脂肪族ジオールであり、残りの低分子ジオ
ールが直鎖脂肪族ジオールであり、ジカルボン酸が全て
芳香族ジカルボン酸である。特に好ましいのは、ネオペ
ンチルグリコール、2−エチル2−ブチル−1,3−プ
ロパンジオールから選択される側鎖アルキル基含有脂肪
族ジオールと、エチレングリコール、1,4−ブタンジ
オール選択される直鎖脂肪族ジオールであり、芳香族ジ
カルボン酸がイソフタル酸、テレフタル酸、5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸から選択されるポリエステルジ
オールである。
【0022】(A)成分と(B)成分の好ましい質量比
は1:9〜5:5であり、より好ましくは2:8〜4:
6である。(B)成分が多い場合は、得られるポリウレ
タン樹脂の粘着力が下がるため接着力が低下する。ま
た、少ない場合は、得られるポリウレタン樹脂の機械的
強度や耐久性が低下しやすい。
【0023】本発明に使用される(C)成分は、炭素数
2〜5の側鎖アルキル基を2個有し、炭素数20以下の
脂肪族ジオールを含有する鎖延長剤である。
【0024】(C)成分に用いられる脂肪族ジオールの
側鎖アルキル基が2個未満の場合やこのアルキル基の炭
素数が1個の場合は、磁性塗料の粘度が高くなったり、
強磁性粉末の分散速度や分散安定性が低下しやすくな
る。
【0025】炭素数2〜5の側鎖アルキル基を有し、炭
素数以下の脂肪族ジオールとしては、2−エチル−1,
3−ヘキサンジオール、2−エチル−2−ブチル−1,
3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プ
ロパンジオール、3,3−ジエチル−1,5−ペンタン
ジオール、3−エチル−3−ブチル−1,5−ペンタン
ジオール、2−エチル−2−プロピル−1,3−プロパ
ンジオール、3−エチル−3−プロピル−1,5−ペン
タンジオール、2,2−ジブチル−1,3−プロパンジ
オール、3,3−ジブチル−1,5−ペンタンジオー
ル、2,2−ジプロピル−1,3−プロパンジオール、
3,3−ジプロピル−1,5−ペンタンジオール、2−
ブチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、3
−ブチル−3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、
2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられ
る。これらは、単独あるいは2種類以上の混合物として
用いることができる。
【0026】本発明で好ましい(C)成分は、80モル
%以上が、炭素数2〜5の側鎖アルキル基を2個有し、
炭素数20以下である脂肪族ジオールである。特に好ま
しいのは、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパン
ジオールである。
【0027】なお(C)成分において、20モル%未満
は、炭素数2〜5の側鎖アルキル基を2個有し、炭素数
20以下である脂肪族ジオール以外の低分子ジオール化
合物であってもよい。このような低分子ジオール化合物
としては、前述の直鎖脂肪族ジオール、エーテル基含有
低分子ジオール、脂環族低分子ジオール、芳香族低分子
ジオール、側鎖メチル基を有する低分子ジオール、炭素
数2以上の側鎖アルキル基を1個有する低分子ジオール
等が挙げられる。
【0028】本発明に使用される(D)成分としての有
機ジイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソ
シアンート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシ
レン−1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−
ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルイソシアネー
ト、2,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−
ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフ
ェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフ
ェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,
3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシ
アネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネ
ート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレ
ンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシア
ネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,
3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネ
ート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレ
ンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、テト
ラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフ
ェニルメタンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネ
ートが挙げられるが、特に好ましい有機ジイソシアネー
トは、ジフェニルメタンジイソシアネートである。
【0029】本発明におけるポリウレタン樹脂は、公知
の方法により、溶剤中又は無溶剤中で反応させることに
より得られるが、その際のイソシアネート基と活性水素
基の当量比は好ましくは0.5〜1.2である。このよ
うにして得られるポリウレタン樹脂の数平均分子量は、
好ましくは5,000〜80,000、より好ましくは
8,000〜50,000である。数平均分子量がこれ
以下の場合、耐久性が悪くなり、これ以上の場合は磁性
塗料の粘度が高くなるため、塗料化及び塗布工程が困難
となる。
【0030】更に前記ポリウレタン樹脂の製造におい
て、溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素系溶剤、ペンタン、ヘキサン、オクタン等
の脂肪族炭化水素系溶剤、シクロペンタン、シクロヘキ
サン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶
剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等のケトン系
溶剤、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン等のエーテル系溶剤、エチレングリコール
ジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエー
テルアセテート、プロピレングリコールジメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト等のセロソルブ系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等の
一塩基酸エステル系溶剤、アジピン酸ジメチル、コハク
酸ジメチル、フタル酸ジオクチル等の二塩基酸エステル
類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N
−メチルピロリドン等のイソシアネート基に不活性なも
のであれば特に制限はない。また、条件によっては、イ
ソプロパノールのようなアルコール系溶剤も用いること
ができる。
【0031】また、ウレタン化反応時には、公知のいわ
ゆるウレタン化触媒を用いることができる。具体的に
は、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウ
レート等の有機金属化合物や、トリエチレンジアミンや
トリエチルアミン等の有機アミンやその塩等が挙げられ
る。
【0032】このようにして得られたポリウレタン樹脂
のスルホン酸塩含有量は、0.05〜0.3mmol/
gの範囲である。0.05mmol/gより少ないと強
磁性粉末の分散性が不十分であり、0.3mmol/g
を越えると磁性塗料の粘度が高くなり、塗料化及び塗布
工程が困難となる。
【0033】また、本発明におけるポリウレタン樹脂中
の全側鎖含有量は、0.1〜10mmol/gの範囲で
ある。0.1mmol/gより少ないと分散速度が遅く
なり、更には磁性塗料の粘度が高くなり、塗料化及び塗
布工程が困難となる。10mmol/gを越えると接着
性や分散安定性が低下し、十分な接着力が得られない。
なお「全側鎖」とは、(A)〜(D)成分に存在する側
鎖アルキル基を示す。
【0034】また、本発明におけるポリウレタン樹脂中
の全芳香族環含有量は0.1〜5mmol/gの範囲が
好ましい。0.1mmol/gより少ないと十分な接着
力が得られない。また、5mmol/gを越えると粘着
力が下がるため接着力が低下する。なお「全芳香族環」
とは、(A)〜(D)成分に存在する芳香環を示す。
【0035】本発明では、更に前記ポリウレタン樹脂以
外に、磁気記録媒体の結合剤として通常用いられる、他
のポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール系共重
合体、ポリビニルブチラール系樹脂、繊維素系樹脂、ポ
リエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、更
に、これらの樹脂に−SO3 M基、−COOM′基、−
O=P(OM″)2 基(但し、M、M′はそれぞれ水素
原子又はアルカリ金属原子を示し、M″は水素原子、ア
ルカリ金属原子又は炭化水素基を表す)等の親水性極性
基を導入したタイプ等の1種又は2種以上の混合物を併
用することができる。
【0036】本発明の磁気記録媒体は、前述のポリウレ
タンバインダーと強磁性粉末を主成分とする磁性層を非
磁性支持体上に形成させることで得られる。磁性層は、
ポリウレタン樹脂、強磁性粉末、ポリイソシアネート硬
化剤、有機溶剤を主成分とする磁性塗料を塗布すること
で形成される。
【0037】磁性塗料は、ポリウレタン樹脂を有機溶剤
に溶解させ、又はポリウレタン樹脂溶液を希釈して、こ
れに強磁性粉末を配合、分散させ、更にポリイソシアネ
ート硬化剤を添加することで得られる。
【0038】強磁性粉末の分散方法としては、公知の方
法を用いることができ、分散機としては、ボールミル、
サンドグラインドミル、シェイカー、三本ロール、等が
挙げられる。
【0039】強磁性粉末としては、γ−Fe23、Co
−γ−Fe23、Co−FeO・Fe23等の酸化鉄、
CrO2 、六方晶系バリウムフェライト微粒子、又はF
e、Ni、Co、Fe−Ni−Co合金、Fe−Mn−
Zn合金等のFe、Ni、Coを主成分とするメタル磁
性粉等が挙げられる。この強磁性粉末は、長軸長が0.
05〜0.25μmの針状の形状が好ましく、比表面積
は30〜80m2 /gが好ましい。
【0040】ポリイソシアネート硬化剤としては、前述
の有機ジイソシアネート、これら有機ジイソシアネート
のビウレット体、環状トリマー体、ウレトンイミン変性
体、ポリメリック体、トリメチロールプロパン等とのア
ダクト体等が挙げられる。具体的には、日本ポリウレタ
ン工業(株)の商品で、コロネート(登録商標)L、コ
ロネート3041、コロネートHL等が挙げられる。
【0041】本発明の磁気記録媒体には、必要に応じ
て、帯電防止剤としてカーボン微粒子を、研磨剤として
非極性の金属酸化物微粒子を、摩擦係数低下のため潤滑
剤として高級脂肪酸、脂肪酸エステル、流動パラフィ
ン、シクロヘキサン類及びフルオロカーボン類を、分散
剤としてレシチン等を添加することができる。
【0042】本発明の磁気記録媒体に使用される非磁性
支持体の素材としてはポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリイミ
ド類、ポリアミドイミド類等が挙げられ、用途によりテ
ープ、フィルム、シートの形態で用いられる。特に好ま
しい非磁性支持体の素材としては、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル
類である。
【0043】本発明の磁気記録媒体の製造方法は例え
ば、走行下にある非磁性支持体の表面に磁性層塗布液を
好ましくは磁性層の乾燥後の層厚が0.05〜3.0μ
mの範囲内、より好ましくは0.07〜1.0μmにな
るように塗布する。ここで複数の磁性塗料を逐次あるい
は同時に重層塗布してもよい。上記磁性塗料を塗布する
塗布機としては、エアードクターコート、ブレードコー
ト、ロッドコート、押出しコート、エアナイフコート、
スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、
トランスファーロールコート、グラビヤコート、キスコ
ート、キャストコート、スプレイコート、スピンコート
等が利用できる。
【0044】本発明を二層以上の構成の磁気記録媒体に
適用する場合、塗布する装置、方法の例として以下のも
のが挙げられる。 (1)磁性塗料の塗布で一般的に適用されるグラビア、
ロール、ブレード、エクストルージョン等の塗布装置に
より、まず下層を塗布し、下層が未乾燥の状態のうちに
支持体加圧型エクストルージョン塗布装置により、上層
を塗布する。 (2)塗布液通液スリットを2個有する一つの塗布ヘッ
ドにより上下層をほぼ同時に塗布する。 (3)バックアップロール付きのエクストルージョン塗
布装置により、上下層をほぼ同時に塗布する。
【0045】本発明で用いる非磁性支持体の磁性塗料が
塗布されていない面にバック層(バッキング層)が設け
られていてもよい。通常バック層は、非磁性支持体の磁
性塗料が塗布されていない面に、研磨材、帯電防止剤等
の粒状成分と結合剤とを有機溶剤に分散したバック層形
成塗料を塗布して設けられた層である。なお、非磁性支
持体の磁性塗料及びバックコート層形成塗料の塗布面に
接着剤層が設けられいてもよい。
【0046】塗布された磁性塗料の塗布層は、磁性塗料
の塗布層中に含まれる強磁性粉末を磁場配向処理を施し
た後に乾燥される。このようにして乾燥された後、塗布
層に表面平滑化処理を施す。表面平滑化処理には、たと
えばスーパーカレンダーロール等が利用される。表面平
滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によっ
て生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が
向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得る
ことができる。カレンダー処理ロールとしてはエポキ
シ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐
熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロールで
処理することもできる。
【0047】本発明の磁気記録媒体は、表面の中心線平
均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて0.1〜
4nm、好ましくは1〜3nmの範囲という極めて優れ
た平滑性を有する表面であることが好ましい。その方法
として、例えば上述したように特定の強磁性粉末と結合
剤を選んで形成した磁性層を上記カレンダー処理を施す
ことにより行われる。カレンダー処理条件としては、カ
レンダーロールの温度を60〜120℃の範囲、好まし
くは70〜110℃の範囲、特に好ましくは80〜10
0℃の範囲であり、圧力は10〜50MPaの範囲であ
り、好ましくは20〜45MPaの範囲であり、特に好
ましくは30〜40MPaの範囲の条件で作動させるこ
とによって行われることが好ましい。このようにして硬
化処理された積層体を次に所望の形状に裁断を行う。
【0048】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。なお、合成例、実施例及び比較例における「%」は
質量%を示す。
【0049】<脂肪族系ポリエステルポリオールの合成
> 合成例1 温度計、攪拌機、還流式冷却管を備えた容量:2,00
0mlの反応容器に、アジピン酸と3−メチル−1,5
−ペンタンジオールの各所定量(表1参照)を仕込ん
だ。攪拌しながら温度を160℃まで加熱してエステル
化反応を開始した。水の流出速度が低下したところで、
テトラブチルチタネートを0.01g仕込み、温度を徐
々に200℃まで加熱し、かつ同時に内圧を徐々に2.
5kPaまで減圧して、エステル化反応を進行させて、
脂肪族系ポリエステルポリオールPES−Aを得た。
【0050】合成例2、3、5 合成例1と同様にして脂肪族系ポリエステルポリオール
PES−B、C、Eを得た。
【0051】合成例4 温度計、攪拌機、還流式冷却管を備えた容量:2,00
0mlの反応容器に、5−ナトリウムスルホイソフタル
酸ジメチル、3−メチル−1,5−ペンタンジオールの
各所定量(表1参照)を仕込んだ。攪拌しながら温度を
180℃まで加熱してエステル交換反応を開始した。メ
タノールの流出が止まったところで、アジピン酸の各所
定量(表1参照)を仕込み、180℃でエステル化反応
を開始した。水の流出速度が低下したところで、テトラ
ブチルチタネートを0.01g仕込み、温度を徐々に2
00℃まで加熱し、かつ同時に内圧を徐々に2.5kP
aまで減圧して、エステル化反応を進行させて、脂肪族
系ポリエステルポリオールPES−Dを得た。
【0052】合成例6 合成例4と同様にして脂肪族系ポリエステルポリオール
PES−Fを得た。
【0053】<芳香族系ポリエステルポリオールの合成
> 合成例7 温度計、攪拌機、還流式冷却管を備えた容量:2,00
0mlの反応容器に、ジメチルテレフタレート、5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸ジメチル、エチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコールの各所定量(表2参照)
を仕込んだ。攪拌しながら温度を200℃まで加熱して
エステル交換反応を開始した。メタノールの流出が止ま
ったところで、イソフタル酸の所定量(表2参照)を仕
込み、200℃でエステル化反応を開始した。水の流出
速度が低下したところで、テトラブチルチタネートを
0.01g仕込み、温度を徐々に220℃まで加熱し、
かつ同時に内圧を徐々に1.3kPaまで減圧して、エ
ステル化反応を進行させて、芳香族系ポリエステルポリ
オールPES−Gを得た。
【0054】合成例8、10、12 合成例7と同様にして芳香族系ポリエステルポリオール
PES−H、J、Lを得た。
【0055】合成例9 温度計、攪拌機、還流式冷却管を備えた容量:2,00
0mlの反応容器に、ジメチルテレフタレート、エチレ
ングリコール、ネオペンチルグリコールの各所定量(表
2参照)を仕込んだ。攪拌しながら温度を200℃まで
加熱してエステル交換反応を開始した。メタノールの流
出が止まったところで、イソフタル酸の所定量(表2参
照)を仕込み、200℃でエステル化反応を開始した。
水の流出速度が低下したところで、テトラブチルチタネ
ートを0.01g仕込み、温度を徐々に220℃まで加
熱し、かつ同時に内圧を徐々に1.3kPaまで減圧し
て、エステル化反応を進行させて、芳香族系ポリエステ
ルポリオールPES−Iを得た。
【0056】合成例11 合成例9と同様にして芳香族系ポリエステルポリオール
PES−Kを得た。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】表1、2において AA :アジピン酸 DMIS:5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル DMT :ジメチルテレフタレート i−PA:イソフタル酸 MPD :3−メチル−1,5−ペンタンジオール DMH :2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパン
ジオール HD :1,6−ヘキサンジオール EG :エチレングリコール NPG :ネオペンチルグリコール TBT :テトラブチルチタネート
【0060】<ポリウレタンバインダーの合成> 実施例1 温度計、攪拌機、還流式冷却管を備えた容量:1,00
0mlの反応容器に、PES−Aを137.7g、PE
S−Gを206.6g、2−エチル−2−ブチル−1,
3−プロパンジオールを9.4g、メチルエチルケトン
333gを仕込み、50℃で混合した後、ジオクチルチ
ンジラウレート0.08gと4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート146.2gを加え、75℃にて反
応させた。反応が進行するにつれて、粘度が上昇するの
で、適時、メチルエチルケトン及びトルエンにて希釈
し、赤外スペクトルでイソシアネート基の吸収ピークが
消滅したのを確認して、淡黄色透明なポリウレタンバイ
ンダーPU−1を得た。PU−1は、固形分50.1
%、25℃の粘度6,000mPa・sであった。
【0061】実施例2〜10、比較例1〜10 上記実施例1と同様な方法で、表3〜5に示す原料に
て、各ポリウレタンバインダー(PU−2〜20)を合
成した。
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】表3〜5において DMH :2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパ
ンジオール NPG :ネオペンチルグリコール BD :1,4−ブタンジオール DOTDL:ジオクチルチンジラウレート MDI :4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート TDI :2,4−トリレンジイソシアネート IPDI :イソホロンジイソシアネート MEK :メチルエチルケトン
【0066】<耐久性の評価> 実施例11〜20、比較例11〜20 得られたポリウレタンバインダーに、コロネート304
1(下記参照)を各固形分換算でポリウレタン樹脂に対
して10%の量を添加して均一に混合した後、離型紙上
に、ドライで100μmになるようにしてキャストし
た。その後、60℃で30分、更に120℃で2時間、
更に室温で24時間の条件で硬化させて、ポリウレタン
樹脂のキャストフィルムを得た。その後、JIS K6
300に規定する2号タンベル形状に1枚のフィルムか
ら6点打ち抜き、このうち3点を49kPaの荷重をか
け、昇温速度:10℃/分にて、軟化点を測定した。軟
化点は、サンプルが急激に伸びた温度とした。また、残
りの3点は、60℃、95%RHの条件下に1週間置い
た後、同様に軟化点を測定した。結果を表6〜8に示
す。 ※コロネート3041:トリレンジイソシアネートのト
リメチロールプロパンアダクト体のポリイソシアネート
溶液(日本ポリウレタン工業製) 固形分=50% 溶剤組成:メチルエチルケトン/トルエン=1/1(質
量比)
【0067】
【表6】
【0068】
【表7】
【0069】
【表8】
【0070】表6、7から示されるように、本発明のポ
リウレタンバインダーの耐久性は良好なものであった。
しかし、PU−12の湿熱をかけた後の軟化点は、大き
く低下した。これは、樹脂骨格に芳香族系ポリエステル
ポリオールを用いていないためと思われる。また、PU
−11は、他のバインダーと比較して、軟化点が低いも
のとなった。これは、樹脂骨格に鎖延長剤を用いていな
いためと思われる。
【0071】<磁性塗料及び磁性塗膜の評価> 実施例21〜30、比較例21〜30 評価結果は表9〜11に示す。 ・初期分散性 下記の割合で磁性塗料原料を配合した後、ペイントシェ
ーカー(浅田鉄工製)で30分間分散させ、磁性塗料を
得た。得られた磁性塗料をただちに厚さ15μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルム(PET)に乾燥膜厚
4μmになるように塗布し、直ちに磁場をかけ、80℃
で3分間乾燥しカレンダー処理後、60℃で24時間キ
ュアーし、磁気フィルムを得た。得られた磁気テープの
光沢度を評価した。 ・最終分散性 下記の割合で磁性塗料原料を配合した後、ペイントシェ
ーカー(浅田鉄工製)で5時間分散させた後、潤滑剤と
してミリスチン酸を1.8g、リン酸エステルを0.2
7g、硬化剤としてコロネート3041を8g加え、3
0分間混合して磁性塗料を得た。その後、この時点での
磁性塗料の粘度を測定した。同時に、得られた磁性塗料
を、厚さ15μmのPETに乾燥膜厚4μmになるよう
に塗布し、直ちに磁場をかけ、80℃で3分間乾燥しカ
レンダー処理後、60℃で24時間キュアーし、磁気フ
ィルムを得て、光沢度を測定した。 ・分散安定性 下記の割合で磁性塗料原料を配合した後、ペイントシェ
ーカー(浅田鉄工製)で5時間分散させた後、潤滑剤と
してミリスチン酸を1.8g、リン酸エステルを0.2
7g、硬化剤としてコロネート3041を8g加え、3
0分間混合し、更に25℃で24時間静置して磁性塗料
を得た。この時点での磁性塗料の粘度を測定した。同時
に、得られた磁性塗料を、厚さ15μmのPETに乾燥
膜厚4μmになるように塗布し、直ちに磁場をかけ、8
0℃で3分間乾燥しカレンダー処理後、60℃で24時
間キュアーし、磁気フィルムを得て、光沢度及び磁性塗
膜の密着性を測定した。
【0072】 磁性塗料の配合 酸化鉄磁性粉 90g カーボン(帯電防止用) 10g ポリウレタン樹脂(固形分換算) 10g ※MR−110 10g メチルエチルケトン 105g トルエン 105g シクロヘキサノン 70g ※MR−110:日本ゼオン製ポリ塩化ビニル樹脂
【0073】評価方法 (1)塗料粘度:得られた磁気塗料をE型粘度計(東京
計器製)を用いて、25℃における塗料粘度を1rpm
で1分間測定した。 (2)光沢度:得られた磁気フィルムの磁性面を光沢計
(スガ試験機製)を用いて、入射角60度、反射角60
度における反射率を測定した。 (3)密着性:得られた磁気フィルムの磁性面に18m
m幅のセロハンテープを貼り付け、引張試験機にて、引
張速度:200m/分にてT型剥離試験を行い、剥離強
度を測定した。
【0074】
【表9】
【0075】
【表10】
【0076】
【表11】
【0077】実施例のポリウレタンバインダーを用いた
磁性塗料は、以下に示す性能を有するものであった。 ・初期分散性における光沢度の値が大きいので、分散速
度が速い。 ・最終分散時の光沢度が大きいので、分散性が良好であ
る。 ・最終分散時の塗料粘度が2,500mPa・s以下と
低いので、作業性が良好である。 ・分散後、経時後の光沢変化及び経時前後の塗料粘度の
変化が小さいので、分散安定性が良好である。
【0078】一方、比較例のポリウレタンバインダーを
用いた磁性塗料は、どれも磁性塗料の粘度が2,500
mPa・s以下となったものはなかった。PU−11〜
17は、原料成分の全てに側鎖を有するものでないた
め、ポリウレタン樹脂の溶解性が小さくなったためと思
われる。PU−18は、スルホン酸塩含有量が多すぎ
て、ポリウレタン樹脂間のイオン性結合が強すぎるため
に塗料粘度が大きくなったと思われる。PU−19は、
側鎖含有量が少ないため、ポリウレタン樹脂の溶解性が
小さくなったためと思われる。PU−13は樹脂骨格的
に硬すぎるため、密着性が小さいものとなった。
【0079】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明により得られ
る磁気記録媒体は、強磁性粉末の分散性、分散安定性が
良好で、しかも樹脂粘度、磁性塗料粘度が低く、分散速
度の速いポリウレタンバインダーを使用しているので、
電磁変換特性、耐久性、作業性、生産性に優れている。
そのため、高密度記録、更には作業性、生産性を重視す
るビデオテープ、オーディオテープ等として効果的に使
用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 67:02 C08L 67:02 Fターム(参考) 4F006 AA37 AB73 BA06 CA02 DA01 4J034 BA08 CA01 CA03 CB02 CC03 DF01 DF20 DF21 DF33 HA01 HA07 HC03 HC12 HC22 JA02 KC17 KD12 RA16 4J038 DG052 DG111 DG271 DG281 DG291 GA13 GA16 HA066 HA216 KA07 KA20 MA14 MA15 NA03 NA12 NA14 NA22 NA23 NA25 PB11 5D006 BA15

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)炭素数1〜5の側鎖アルキル基を
    有する脂肪族ジオールを含有する低分子ジオールと、脂
    肪族ジカルボン酸を含有するジカルボン酸から得られ、
    数平均分子量500〜1,500であるポリエステルジ
    オール、(B)炭素数1〜5の側鎖アルキル基を有する
    脂肪族ジオールを含有する低分子ジオールと、芳香族ジ
    カルボン酸を含有するジカルボン酸から得られ、数平均
    分子量500〜1,500であるポリエステルジオー
    ル、(C)炭素数2〜5の側鎖アルキル基を2個有し、
    炭素数20以下の脂肪族ジオールを含有する鎖延長剤、
    (D)有機ジイソシアネート、を反応させて得られるポ
    リウレタン樹脂を用いた磁気記録媒体用バインダーであ
    って、該ポリウレタン樹脂が、スルホン酸塩を0.01
    〜0.3mmol/g、全ての側鎖を0.1〜10mm
    ol/g、全ての芳香族環を0.1〜5mmol/g含
    有することを特徴とする、磁気記録媒体用ポリウレタン
    バインダー。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリウレタンバインダー
    と強磁性粉末を主体とする磁性塗料、及びポリイソシア
    ネート硬化剤からなる磁性層を非磁性支持体上に有する
    磁気記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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