JP2001343068A - ロックアップ制御装置 - Google Patents
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Abstract
ダンパーショック等を確実に低減させ、ロックアップ解
放制御の安定化を図る。 【解決手段】 コントロールユニット64は、変速判断
時から実変速が開始されるまでの間、ロックアップデュ
ーティ比をロックアップクラッチ18がすべらない範囲
で最低の第1デューティ比で保持するように制御する。
その後、ロックアップデューティ比を、補正(学習)さ
れた第2デューティ比まで下げてから一定の変化割合で
徐々に減少させ、変速終了時のスリップ回転数が目標ス
リップ回転数になるように制御する。あるいは、第2デ
ューティ比を一定にして変化割合を補正し、変速終了時
のスリップ回転数が目標スリップ回転数になるように制
御する。また、変速判断時のロックアップデューティ比
が最大値でないときには、補正を禁止して誤学習を防止
する。
Description
部にロックアップクラッチを備えて、所定の運転領域で
ロックアップクラッチを締結するようにした自動変速機
のロックアップ制御装置に関する。
変速段においてロックアップクラッチを締結させた状態
から変速を行う際には、ショックを緩和すべく、ロック
アップクラッチを解放するように構成されている。しか
し、変速判断時(すなわち、変速指令を検知した時)に
ロックアップの制御量を急減させてロックアップクラッ
チを解放すると、エンジンの空吹きや変速ショックを生
じることがあり、何らかの対策が必要である。
クラッチがすべらない範囲で最低の油圧(中間油圧)に
保持するように制御し、その後徐々に油圧を低下させて
滑らかにロックアップクラッチを解放して、変速時のシ
ョックを防止する技術がある(特開平5−17223
9)。
は、変速を伴わないロックアップクラッチの締結・解放
の際に、スリップ回転数(=エンジン回転数−トルクコ
ンバータのタービン回転数)が緩やかにゼロになると
き、あるいはゼロから緩やかに変化し始めるときのロッ
クアップの制御量をトルクコンバータの入力トルク別に
学習して、これに基づいて次回の変速時における中間油
圧を補正している。
了時のスリップ回転数が常に一定とはならず、変速時の
ショックの低減が図れないことがある。すなわち、ロッ
クアップクラッチがすべらない最低の油圧から一定の勾
配で油圧を減じるため、変速用クラッチのばらつきや経
時変化などにより変速時間が変化すると、変速終了時の
スリップ状態が変化してしまい、変速時のショックが悪
化する恐れがある。
締結時または解放時にタービン回転数がエンジン回転数
に等しくなる油圧から求めているが、実際にはこの油圧
は所定変化割合で増圧中(解放時は減圧中)の油圧から
求めることになり、実際の油圧と検出された油圧との誤
差が大きく、正確に設定することは困難である。仮に正
確に中間油圧を設定できたとしても、中間油圧に下げる
際に実際の油圧がオーバーシュートしてしまい、エンジ
ンが空吹く恐れがある。
ンの空吹きやショックをより確実に抑止するロックアッ
プ制御装置を提供することを目的とする。
の発明は、制御油圧をロックアップデューティ比で制御
するロックアップクラッチを備える自動変速機において
変速時にロックアップクラッチを解放するロックアップ
制御装置であって、変速判断時にロックアップデューテ
ィ比をロックアップクラッチがすべらない範囲で最低の
制御油圧となる第1デューティ比に設定し、実変速開始
までロックアップデューティ比を第1デューティ比に保
持する第1のロックアップデューティ比設定保持手段
と、実変速開始時にロックアップデューティ比を第2デ
ューティ比に設定し、第2デューティ比に対応する油圧
から所定変化割合で変速終了時まで油圧が低下するよう
ロックアップデューティ比を制御する第2のロックアッ
プデューティ比制御手段とを設け、前記第2のロックア
ップデューティ比制御手段は、変速終了時のスリップ回
転数が目標スリップ回転数になるように学習制御するも
のとした。これにより、変速時間の短い変速などにおい
ても安定的に変速終了時のスリップ回転数を目標スリッ
プとすることができ、その結果、変速ショックの悪化を
抑止することができる。
アップデューティ比制御手段は、前回の変速終了時のス
リップ回転数と目標スリップ回転数との差に基づいて第
2デューティ比を学習補正して、変速終了時のスリップ
回転数を目標スリップ回転数に近づけるように制御する
ものとした。これにより、精度よく変速終了時のスリッ
プ回転数を目標スリップ回転数に近づけることができ
る。
アップデューティ比制御手段は、前回の変速終了時のス
リップ回転数と目標スリップ回転数との差に基づいて前
記所定変化割合を学習補正して、変速終了時のスリップ
回転数を目標スリップ回転数に近づけるように制御する
ものとした。これによっても、精度よく変速終了時のス
リップ回転数を目標スリップ回転数に近づけることがで
きる。
アップデューティ比設定保持手段は、前記第1デューテ
ィ比で保持している間にロックアップクラッチのすべり
状態を検出した場合は、前記第1デューティ比を補正し
て、次回の変速時には補正された第1デューティ比で保
持するものとした。これにより、エンジンの空吹きやシ
ョックを低減することができる。
クアップデューティ比が最大値でない場合には、前記第
1デューティ比、第2デューティ比または所定変化割合
の補正を禁止するものとした。これにより、誤学習によ
るエンジンの空吹きやショックを防止することができ
る。
例により説明する。第1の実施例として本発明が適用さ
れるシステムを図1に示す。トルクコンバータ10内に
は、カバー28の縦壁に形成される摩擦面と接触するフ
ェ−シング30を備えるロックアップクラッチ18を有
している。カバー28の縦壁とロックアップクラッチ1
8との間にはレリ−ズ室22が形成され、ロックアップ
クラッチ18を隔てて反対側にはアプライ室20が形成
されている。ロックアップクラッチ18は、アプライ室
20の油圧とレリ−ズ室22の油圧との差圧(以下、ロ
ックアップ差圧と言う)が変化することにより、締結さ
れたり解放されたりするようになっている。
またレリーズ室22には油路26が接続されている。油
路24及び油路26への油圧の供給状態はロックアップ
コントロールバルブ32によって制御される。ロックア
ップコントロールバルブ32はスプール34、スリーブ
36、プラグ38及びスプリング40を有している。ロ
ックアップコントロールバルブ32にはさらに油路4
2、油路44、油路46、油路48及び油路50が接続
されている。
ルブ52から一定圧が供給される。なお、トルクコンバ
ータリリーフバルブ52は図示していないプレッシャレ
ギュレータバルブでエンジントルクに対応する油圧に調
圧された油圧が供給される油路54の油圧を用いて調圧
作用を行う。油路44はオイルクーラ56と接続され、
更にオイルクーラ56を出た油は潤滑に使用される。油
路50には図示していない調圧バルブによって調圧され
た一定圧が供給されている。油路50とオリフィス56
を介して分岐された油路46はロックアップソレノイド
58と接続されている。
で油路46の開口60を閉状態とするプランジャ62を
備えており、ロックアップソレノイド58の通電状態は
コントロールユニット64からの信号によりロックアッ
プデューティ比で制御される。すなわち、ロックアップ
ソレノイド58は所定周期でオン・オフが繰り返され、
オン時間の比率に応じて開口60を開き、これにより油
路46の油圧をオン時間に反比例するように調圧する。
転数Neを検出するエンジン回転速度センサ66、変速
機の出力軸回転数Noを検出する出力軸回転速度センサ
68、スロットル開度センサ70、及びタービン回転数
Ntを検出するタービン回転速度センサ71からの信号
が入力されており、コントロールユニット64はこれら
の信号に基づいてロックアップソレノイド58の作動を
制御するようになっている。なお、コントロールユニッ
ト64は、エンジン回転数Neなどからトルクコンバー
タ11の入力トルクTQを算出することができる。
のようにして実現される。すなわち、ロックアップデュ
ーティ比のオン時間割合の制御により、開口60がプラ
ンジャ62によって完全に閉鎖される。このため、油路
46には油路50と同一の油圧が発生し、これがロック
アップコントロールバルブ32のスプール34の図中左
端部に作用することになる。このため、スプール34は
図示の状態となって、油路42と油路26が連通し、油
路44と油路24が連通する。油路42の油圧が油路2
6を介してレリーズ室22に供給され、更にこのレリー
ズ室22の油圧はカバー28の摩擦面とフェーシング3
0との間のすきまを通りアプライ室20側へ流入し、次
いで油路24を通りロックアップコントロールバルブ3
2に戻り、次いで油路44へ排出される。すなわち、油
圧は油路26からレリーズ室22へ供給され、次いでア
プライ室20から油路24へ排出される。このため、レ
リーズ室22の油圧とアプライ室20の油圧とは同一と
なり、これによりロックアップクラッチ18は解放状態
となる。すなわち、トルクコンバータ10は流体を介し
てのみ回転力を伝達するトルクコンバータ状態となる。
徐々に締結させる際には次のような動作が行なわれる。
すなわち、コントロールユニット64からロックアップ
ソレノイド58に与えられるロックアップデューティ比
(オン時間割合)が次第に増大すると、これに応じて開
口60から油が排出され油路46の油圧が低下してい
く。このため、ロックアップコントロールバルブ32の
スプール34の左端部に作用する油圧が低下し、スプー
ル34及びプラグ38は図中左向きに移動していく。ス
プール34及びプラグ38が所定量左向きに移動する
と、油路26がわずかにドレーンポート72に連通する
状態となり、同時に油路42が油路24と連通する状態
となる。
38の右端部にフィードバックされているため、ロック
アップコントロールバルブ32は調圧状態となり、油路
26の油圧は油路46からスプール34の左端部に作用
する油圧に応じて調圧されることになる。すなわち、こ
の状態ではトルクコンバータ10には油路24からアプ
ライ室20へ油圧が供給され、アプライ室20の油圧は
ロックアップクラッチ18とカバー28との間のすきま
を通ってレリーズ室22に入り、油路26から排出され
ることになる。この油路26の油圧が油路46の油圧、
すなわちロックアップデューティ比に反比例して調整さ
れる油圧、により制御されることになる。アプライ室2
0側の油圧よりもレリーズ室22側の油圧が低くなるた
め、ロックアップクラッチ18のフェーシング30はカ
バー28の摩擦面に対して押圧されることになる。この
ロックアップクラッチ18を押圧する力(ロックアップ
差圧)は上述のようにロックアップソレノイド58によ
って制御されることになる。
図を図2に示す。変速判断時には、ロックアップデュー
ティ比は、ロックアップクラッチ18がすべらない範囲
でロックアップ差圧が最小値となるように第1デューテ
ィ比DTYMIDに下げられ、そのデューティ比で保持
される。これは、変速中ではない通常の走行状態におい
てロックアップクラッチ18が締結されている場合、ロ
ックアップクラッチ18がすべらないようロックアップ
デューティ比は最大値に設定されているため、その状態
から実変速の開始以降にロックアップデュ−ティ比を減
少させていくと、応答が遅れてスリップ開始のタイミン
グがずれてしまいショックを生じたり、変速終了までに
ロックアップクラッチ18が解放されない恐れがあるか
らである。
いために、ロックアップ差圧が小さ過ぎてロックアップ
クラッチ18がすべりエンジンが吹き上がるような場合
は、次回の変速時において吹き上がりを防止すべく、第
1デューティ比DTYMIDは補正(学習)される。エ
ンジンが吹き上がっているかどうかは、スリップ回転数
ΔNiにより判断する。スリップ回転数ΔNiは、変速
判断時から実際にギヤ比が変化し始める時までの間にお
けるロックアップクラッチ18のすべり、すなわちエン
ジン回転数とタービン回転数の差(Ne−Nt)であ
る。なお、ギヤ比(タービン回転数Nt/出力軸回転数
No)は、常に検出している。ここで、第1デューティ
比DTYMIDで保持される時間(Ti)は、変速判断
があった時に始まり、ギヤ比が変化し始める時に終わ
る。すなわち、ギヤ比が変化し始めて実際に変速が開始
されるまで、ロックアップ差圧をロックアップクラッチ
18がすべらない範囲での最小値で保持しているのであ
る。
始されると、ロックアップデューティ比を第2デューテ
ィ比DTYSTAまで下げ、さらに変速終了時まで、ロ
ックアップ差圧が所定勾配で減少するように、ロックア
ップデューティ比を第2デューティ比DTYSTAから
所定変化割合で下げていく。このようにロックアップデ
ューティ比を制御することにより、変速終了時(ギヤ比
が変速終了ギヤ比Gfになった時)のスリップ回転数Δ
Nf(=Ne−Nt)が目標スリップ回転数となるよう
にする。なお、第2デューティ比DTYSTAは、変速
終了時のスリップ回転数ΔNfが目標スリップ回転数の
最上限値Nfhと最下限値Nflの間に入らない場合
は、次回の変速終了時のスリップ回転数ΔNfが目標ス
リップ回転数に近づくように補正(学習)される。な
お、本実施例においては、ロックアップデューティ比の
所定変化割合は固定値である。
ット64による変速時の制御の流れを表わすフローチャ
ートを図3および図4に示す。コントロールユニット6
4は、本制御を所定時間毎に実行する。なお、コントロ
ールユニット64においては、常に、入力トルクTQ、
ギヤ比を演算し、変速機の油温TMPを検知している。
ステップ101では、変速判断時のロックアップデュー
ティ比を記憶する。
ら、入力トルクTQと基本デューティ比DTYiとの関
係を定めたマップを用いて、基本デューティ比DTYi
を算出する。ステップ103では、入力トルクTQ、油
温TMP等から、入力トルクTQ、油温TMP等毎に準
備されたマップを用いて、基本デューティ比DTYiの
補正値diを算出する。ステップ104では、ロックア
ップデューティ比の第1デューティ比DTYMIDをD
TYi+diとして、ロックアップデューティ比を第1
デューティ比DTYMIDまで下げる。
か(すなわち、ギヤ比が変化し始めたか)チェックす
る。そして、実変速が開始された場合はステップ108
へ進み、実変速が開始されていない場合はステップ10
6へ進む。ステップ106では、変速判断時のロックア
ップデューティ比のオン時間割合が最大値(ロックアッ
プ差圧を最大とした状態)であるかチェックする。ロッ
クアップソレノイド58の作動状態をチェックして、誤
学習を防止するためである。すなわち、変速判断時にロ
ックアップデューティ比が最大値でないのに補正を行な
うと、第1デューティ比DTYMIDを誤ったデューテ
ィ比に補正してしまう恐れがあるからである。そして、
ロックアップデューティ比のオン時間割合が最大値であ
るときはステップ107へ進み、ロックアップデューテ
ィ比のオン時間割合が最大値でないときはステップ10
5へ戻る。
ティ比を第1デューティ比DTYMIDで保持している
(Ti)間、スリップ回転数ΔNiがNi(設定値)よ
り大きくなったかチェックする。なお、Niはエンジン
の空吹きを検出する基準値である。そして、スリップ回
転数ΔNiがNiより大きくなったときはステップ11
7へ進み、スリップ回転数ΔNiがNiより大きくなら
なかったときはステップ105へ戻る。ステップ117
では、補正値diにΔdi(設定値)を加えて補正値d
iの値を書き換え、ステップ105へ戻る。次回の変速
において、第1デューティ比DTYMIDの比を大きく
してエンジンの空吹きを防止する。
ティ比を第1デューティ比DTYMIDで保持した後の
入力トルクTQ、変速種から、入力トルクTQおよび変
速種と基本デューティ比DTYfとの関係を定めたマッ
プを用いて、基本デューティ比DTYfを算出する。ス
テップ109では、入力トルクTQ、油温TMPから、
入力トルクTQ、油温TMP毎に準備されたマップを用
いて基本デューティ比DTYfの補正値dfを算出す
る。ステップ110では、ロックアップデューティ比の
第2デューティ比DTYSTAをDTYf+dfとし
て、ロックアップデューティ比を第2デューティ比DT
YSTAまで下げる。
速種から、入力トルクTQ、変速種毎に準備されたマッ
プを用いて変化割合を算出する。ステップ112では、
ロックアップデューティ比を、第2デューティ比DTY
STAから所定変化割合θで減少させる。ステップ11
3では、ギヤ比が変速判断終了ギヤ比Gfに到達したか
どうかで変速終了したかをチェックする。変速終了する
と、ステップ114で、ロックアップ差圧を最大とした
状態すなわち変速判断時のロックアップデューティ比が
最大値であるかチェックする。ステップ106と同様
に、ロックアップソレノイド58の作動状態をチェック
して、誤学習を防止するためである。そして、ロックア
ップデューティ比が最大値であるときはステップ115
へ進み、ロックアップデューティ比が最大値でないとき
は本制御を終了する。
プ回転数ΔNfがNfhより大きいかどうかチェックす
る。そして、スリップ回転数ΔNfがNfhより大きい
ときはステップ118へ進み、スリップ回転数ΔNfが
Nfhより大きくないときはステップ116へ進む。ス
テップ118では、補正値dfにΔdfを加えてdfの
値を書き換え、本制御を終了する。次回の変速における
スリップ回転数ΔNfをNfhより小さくするためであ
る。
ップ回転数ΔNfがNflより小さいかどうかチェック
する。そして、スリップ回転数ΔNfがNflより小さ
いときはステップ119へ進み、スリップ回転数ΔNf
がNflより小さくないときは本制御を終了する。ステ
ップ119では、補正値dfからΔdfを減じてdfの
値を書き換え、本制御を終了する。次回の変速における
スリップ回転数ΔNfをNflより大きくするためであ
る。ここで、上記のステップ101〜107およびステ
ップ117が、第1のロックアップデューティ比設定保
持手段を構成し、ステップ108〜116、ステップ1
18および119が、第2のロックアップデューティ比
制御手段を構成している。
速が判断されると、ロックアップデューティ比を第1デ
ューティ比まで減少させるため、変速時間が短いような
変速であっても実変速開始以降にロックアップクラッチ
をスリップ状態とすることが可能となる。更に、第1デ
ューティ比は、前回変速時における変速判断から実変速
開始までのスリップ回転差に応じて補正されるため、ロ
ックアップクラッチが滑らない範囲で最低の油圧を確実
に設定することができ、実変速の開始までロックアップ
クラッチがスリップ状態になるのを防止することができ
る。また、実変速が開始されると、第1デューティ比と
は別に設定されている、前回の変速終了時のスリップ回
転数に応じて補正される第2デューティ比からロックア
ップデューティ比を減少させているので、変速時間の短
い変速や、変速用クラッチ等のばらつきや経時変化など
によって変速時間が変わってしまうような場合でも安定
的に変速終了時のスリップ回転数を目標スリップ回転数
とすることができ、その結果、変速ショックの悪化を抑
止することができるという効果がある。また、変速判断
時のロックアップデューティ比が最大値でないときに
は、次回の変速のための第1デューティ比および第2デ
ューティ比の補正、すなわち学習を禁止するので、誤学
習を防止することができる。
実施例が第1の実施例と異なる点は、第1の実施例で
は、コントロールユニット64により、変速終了時のス
リップ回転数が目標スリップ回転数の上限値と下限値と
の間に入るように、ロックアップデューティ比の第2デ
ューティ比の学習制御を行なっているのに対して、本実
施例では、コントロールユニット64’(図1参照)に
より、変速終了時のスリップ回転数を目標スリップ回転
数にするため、第2デューティ比は一定にして第2デュ
ーティ比から下げる変化割合θ’の制御を行なっている
点である。
ユニット64’による制御の流れを表わすフローチャー
トを図5および図6に示す。ステップ201〜205、
ステップ206、207、217、およびステップ20
8までは、第1の実施例の図3におけるステップ101
〜105、ステップ106、107、117、およびス
テップ108と同じである。
fを算出した後、ステップ209では、ロックアップデ
ューティ比の第2デューティ比DTYSTAをDTYf
として、ロックアップデューティ比を第2デューティ比
DTYSTAまで下げる。本実施例においては、第2デ
ューティ比DTYSTAの値は補正されずに一定であ
る。ステップ210では、保持時間Ti後の入力トルク
TQ、変速種から、入力トルクTQ、変速種毎に準備さ
れたマップを用いて初期変化割合θを算出する。
力トルクTQ、油温TMPから初期変化割合θの補正値
dθを算出する。ステップ212では、変化割合θ’を
θ+dθとして、ロックアップデューティ比を、第2デ
ューティ比DTYSTAから変化割合θ’で減少させ
る。ステップ213では、ギヤ比が変速判断終了ギヤ比
Gfに到達したかどうかで変速終了したかをチェックす
る。変速終了すると、ステップ214で、変速判断時の
ロックアップデューティ比が最大値であるかチェックす
る。そして、ロックアップデューティ比が最大値である
ときはステップ215へ進み、ロックアップデューティ
比が最大値でないときは本制御を終了する。
プ回転数ΔNfがNfhより大きいかどうかチェックす
る。そして、スリップ回転数ΔNfがNfhより大きい
ときはステップ218へ進み、スリップ回転数ΔNfが
Nfhより大きくないときはステップ216へ進む。ス
テップ218では、補正値dθからΔdθを減じてdθ
の値を書き換え、本制御を終了する。次回の変速におけ
るスリップ回転数ΔNfをNfhより小さくするためで
ある。
ップ回転数ΔNfがNflより小さいかどうかチェック
する。そして、スリップ回転数ΔNfがNflより小さ
いときはステップ219へ進み、スリップ回転数ΔNf
がNflより小さくないときは本制御を終了する。ステ
ップ219では、補正値dθにΔdθを加えてdθの値
を書き換え、本制御を終了する。次回の変速におけるス
リップ回転数ΔNfをNflより大きくするためであ
る。ここで、上記のステップ201〜207およびステ
ップ217が、第1のロックアップデューティ比設定保
持手段を構成し、ステップ208〜216、ステップ2
18および219が、第2のロックアップデューティ比
制御手段を構成している。
速が判断されると、ロックアップデューティ比を第1デ
ューティ比まで減少させるため、変速時間が短いような
変速であっても実変速開始以降にロックアップクラッチ
をスリップ状態とすることが可能となる。更に、第1デ
ューティ比は、前回変速時における変速判断から実変速
開始までのスリップ回転差に応じて補正されるため、ロ
ックアップクラッチが滑らない範囲で最低の油圧を設定
することができ、実変速の開始までロックアップクラッ
チがスリップ状態になるのを防止することができる。ま
た、実変速が開始されると、第1デューティ比とは別に
設定されている第2デューティ比から、前回の変速終了
時のスリップ回転数に応じて補正される変化割合でロッ
クアップデューティ比を減少させているので、変速時間
の短い変速や、変速用クラッチ等のばらつきや経時変化
などによって変速時間が変わってしまうような場合でも
安定的に変速終了時のスリップ回転数を目標スリップ回
転数とすることができ、その結果、変速ショックの悪化
を抑止することができるという効果がある。また、変速
判断時のロックアップデューティ比が最大値でないとき
には、次回の変速のための第1デューティ比および変化
割合θ’の補正、すなわち学習を禁止するので、誤学習
を防止することができる。
れると、ロックアップデューティ比を第1デューティ比
に設定するため、変速時間が短いような変速であっても
実変速開始以降にロックアップクラッチをスリップ状態
とすることが可能となる。更に、第1デューティ比は、
制御油圧がすべらない範囲で最低の油圧となるため、実
変速の開始までロックアップクラッチがスリップ状態に
なるのを防止することができる。また、実変速が開始さ
れると、第1デューティ比とは別に設定されている第2
デューティ比から所定変化割合で変速終了時のスリップ
回転数が目標スリップ回転数となるようロックアップデ
ューティ比を低下させているので、変速時間の短い変速
や、変速用クラッチ等のばらつきや経時変化などによっ
て変速時間が変わってしまうような場合でも安定的に変
速終了時のスリップ回転数を目標スリップ回転数とする
ことができ、その結果、変速ショックの悪化を抑止する
ことができるという効果がある。
ューティ比の第2デューティ比を前回の変速終了時のス
リップ回転数と目標スリップ回転数との差に基づいて学
習補正することにより、精度よく変速終了時のスリップ
回転数を目標スリップ回転数に近づけることができる。
比から減少させるロックアップデューティ比の変化割合
を前回の変速終了時のスリップ回転数と目標スリップ回
転数との差に基づいて学習補正することにより、精度よ
く変速終了時のスリップ回転数を目標スリップ回転数に
近づけることができる。
れるまでの間に、ロックアップクラッチがすべっている
状態、すなわちエンジンの空吹き状態を検出した場合に
は、第1デューティ比を補正するので、次回の変速時に
おけるエンジンの空吹きやショックを低減することがで
きる。
項3または請求項4の発明の効果に加え、変速判断時の
ロックアップデューティ比が最大値でない場合には、ロ
ックアップデューティ比の第1デューティ比、第2デュ
ーティ比または変化割合の補正、すなわち学習を禁止す
るので、誤学習による変速時におけるエンジンの空吹き
やショックを防止することができる。
る。
わすフローチャートである。
わすフローチャートである。
わすフローチャートである。
わすフローチャートである。
Claims (5)
- 【請求項1】 制御油圧をロックアップデューティ比で
制御するロックアップクラッチを備える自動変速機にお
いて変速時にロックアップクラッチを解放するロックア
ップ制御装置であって、変速判断時にロックアップデュ
ーティ比をロックアップクラッチがすべらない範囲で最
低の制御油圧となる第1デューティ比に設定し、実変速
開始までロックアップデューティ比を第1デューティ比
に保持する第1のロックアップデューティ比設定保持手
段と、実変速開始時にロックアップデューティ比を第2
デューティ比に設定し、第2デューティ比に対応する油
圧から所定変化割合で変速終了時まで油圧が低下するよ
うロックアップデューティ比を制御する第2のロックア
ップデューティ比制御手段とを設け、前記第2のロック
アップデューティ比制御手段は、変速終了時のスリップ
回転数が目標スリップ回転数になるように学習制御する
ことを特徴とするロックアップ制御装置。 - 【請求項2】 前記第2のロックアップデューティ比制
御手段は、前回の変速終了時のスリップ回転数と目標ス
リップ回転数との差に基づいて第2デューティ比を学習
補正して、変速終了時のスリップ回転数を目標スリップ
回転数に近づけるように制御することを特徴とする請求
項1記載のロックアップ制御装置。 - 【請求項3】 前記第2のロックアップデューティ比制
御手段は、前回の変速終了時のスリップ回転数と目標ス
リップ回転数との差に基づいて前記所定変化割合を学習
補正して、変速終了時のスリップ回転数を目標スリップ
回転数に近づけるように制御することを特徴とする請求
項1記載のロックアップ制御装置。 - 【請求項4】 前記第1のロックアップデューティ比設
定保持手段は、前記第1デューティ比で保持している間
にロックアップクラッチのすべり状態を検出した場合
は、前記第1デューティ比を補正して、次回の変速時に
は補正された第1デューティ比で保持することを特徴と
する請求項1記載のロックアップ制御装置。 - 【請求項5】 変速判断時のロックアップデューティ比
が最大値でない場合には、前記第1デューティ比、第2
デューティ比または所定変化割合の補正を禁止すること
を特徴とする請求項2、3または4記載のロックアップ
制御装置。
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