JP2001341245A - プラスチック積層体 - Google Patents
プラスチック積層体Info
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- JP2001341245A JP2001341245A JP2000207840A JP2000207840A JP2001341245A JP 2001341245 A JP2001341245 A JP 2001341245A JP 2000207840 A JP2000207840 A JP 2000207840A JP 2000207840 A JP2000207840 A JP 2000207840A JP 2001341245 A JP2001341245 A JP 2001341245A
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Abstract
つつ、機械的強度が改良された光硬化性樹脂層(A)の
少なくとも片面にガスバリア層を設けてなるプラスチッ
ク積層体の提供。 【解決手段】 下記成分A、B及びCを含有してなる光
硬化性組成物(但し、各成分の割合は、成分Aと成分B
との合計を100重量部として表す)の共重合体からな
る光硬化性樹脂層(A)の少なくとも片面にガスバリア
層(B)を設けてなるプラスチック積層体。 成分A:一般式(I)で表される含脂環骨格ビス(メ
タ)アクリレート:70〜99重量部 【化1】 (式中、R1 及びR2 は、それぞれ独立して、水素原子
又はメチル基を示し、mは1又は2を示し、nは0又は
1を示し、p及びqは、それぞれ独立して、0、1又は
2を示す) 成分B:一般式(II)で表される含脂環骨格モノ(メ
タ)アクリレート:1〜30重量部 【化2】 (式中、R3 は水素原子又はメチル基を示し、mは1又
は2を示し、nは0又は1を示し、r及びsは、それぞ
れ独立して、0、1又は2を示す) 成分C:少なくとも二官能性のメルカプト化合物:1〜
10重量部
Description
体に関する。詳しくは、特定の光硬化性樹脂層(A)の
少なくとも片面にガスバリア層(B)を設けてなるプラ
スチック積層体に関する。本発明のプラスチック積層体
は、低複屈折光学部材として多くの光学用途に有用であ
り、特に液晶表示パネルに好適で有る。
ラス板を基板とするもので有るが、このようなパネルで
はガラスの低密度化と機械的強度の向上に関して限界が
有るため、現在要望されている軽量薄型化に対応できな
い。また生産性の向上に関しても成形性、加工性の観点
から問題点が指摘されており、プラスチックを基板とし
て用いたパネルに注目が集まっている。
は、液晶表示に適した低複屈折性、耐熱性、機械的強
度、吸水率、製品歩留まり等についていろいろな問題点
が有る。低複屈折性に関しては、ガラス板の複屈折Δn
・dが1nm以下で有るのに対し、プラスチックでは数
nm以上有るのが現状で有る。また耐熱性に関しては、
ガラス板が200℃以上の液晶表示セル組立工程に耐え
るのに対し、プラスチック基板では150℃程度の低温
組立工程を採用しても、耐熱性不足から反り等の変形が
生じる問題が有る。ガラス板では問題にならない吸水率
に関しても、プラスチック基板ではセル化工程中の水洗
浄の際に寸法変形を引き起こしたり、セル自体が吸湿変
形し表示不能を引き起こすという問題が有る。
えば特開平9−152510号公報等には、ビス(メ
タ)アクリレートと、分子内に二個以上のチオール基を
有する多官能メルカプト化合物とを含んでなる組成物を
光重合硬化させてなる低複屈折基板が提案されている。
しかしながら、1nm以下の低複屈折性と150℃以上
の耐熱性を有してはいるものの、高度に架橋された高分
子構造のため、逆に機械強度が低下しプラスチックが本
来有する柔軟性や割れにくさが低下している。このため
比較的厚みの小さい、例えば0.05〜3mm程度の、
プラスチック基板製造の際にシートが破損したり、表示
製品落下の際にプラスチック製セルが割れたりして、歩
留まりの低下、引いてはコストアップにつながってい
る。
く、前記公報の基板に用いる原料の光硬化性組成物に、
例えば熱可塑性樹脂を添加する方法(特開平10−77
321号公報)や共重合可能な他の成分を添加する方法
(特開平10−25621号、同10−25624号公
報)が提案されている。
の改良方法については、重合しない成分或いは重合速度
の異なる成分を添加しているために、逆に光硬化性組成
物の本来の特性を損い、低複屈折率の増加、耐熱性の低
下、吸水率の悪化を引き起こし、歩留まりやコストにも
悪影響を及ぼすという問題点が有る。
耐熱性等の本来の特性を維持しつつ、機械的強度が改良
された硬化性組成物が得られる光硬化性組成物の共重合
体からなる光硬化性樹脂層(A)の少なくとも片面にガ
スバリア層(B)を設けてなるプラスチック積層体を提
供することを目的とする。
情に鑑み鋭意検討した結果、特開平9−152510号
公報に開示された組成物に更に特定のモノ(メタ)アク
リレートを所定量配合することにより、低複屈折性、耐
熱性等の本来の特性を損なうことなく、機械的強度を改
良し得ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
この高分子と構造、諸特性の似通った非架橋成分を取り
込むことにより、複屈折の増大や耐熱性の低下、吸水率
の悪化を招くことなく、機械強度を改良することがで
き、その結果、比較的厚みの小さい、例えば0.05〜
3mm程度、好ましくは0.1〜1.5mm程度のプラ
スチック基板製造の際のシートの破損を低下できる。
(メタ)アクリレートを、原料であるジオール体と(メ
タ)アクリル酸、或いは(メタ)アクリル酸エステルと
の反応により製造する際に、前駆体として生成するもの
で、分子中の片方の末端に(メタ)アクリロイル基を有
し、他方の末端に水酸基を有する化合物である。従っ
て、反応が100%進行する前段階で反応を停止するこ
とにより、目的とするビス(メタ)アクリレートとモノ
(メタ)アクリレートの混合物を容易に得ることができ
る。このモノ(メタ)アクリレートはその化学構造がビ
ス(メタ)アクリレートと類似であるから、重合速度が
ビス(メタ)アクリレートとほぼ等しく、重合硬化の際
に複屈折の増大をもたらすことは無い。また特定のビス
(メタ)アクリレートと同様の脂環骨格を有しており、
耐熱性や吸水率への影響が少ない。
びCを含有してなる光硬化性組成物(但し、各成分の割
合は、成分Aと成分Bとの合計を100重量部として表
す)の共重合体からなる光硬化性樹脂層(A)の少なく
とも片面にガラスバリア層(B)を設けてなるプラスチ
ック積層体。 成分A:一般式(I)で表される含脂環骨格ビス(メ
タ)アクリレート:70〜99重量部
又はメチル基を示し、mは1又は2を示し、nは0又は
1を示し、p及びqは、それぞれ独立して、0、1又は
2を示す) 成分B:一般式(II)で表される含脂環骨格モノ(メ
タ)アクリレート:1〜30重量部
は2を示し、nは0又は1を示し、r及びsは、それぞ
れ独立して、0、1又は2を示す) 成分C:少なくとも二官能性のメルカプト化合物:1〜
10重量部、にある。
は、成分A、B及びCを含有してなるものである。
A、B及びCの外に、本発明の趣旨を損なわない限り、
少量の補助成分を含有してもよいことを意味する。な
お、「(メタ)アクリル」及び「(メタ)アクリレー
ト」とは、アクリルないしメタクリル及びアクリレート
ないしメタクリレートをそれぞれ総称するものである。
レート>成分Aは、式(I)で表される脂環式炭化水素
骨格を有するビス(メタ)アクリレート(含脂環骨格ビ
ス(メタ)アクリレート又はビス(メタ)アクリレート
と略記することがある)である。
又はメチル基を示し、mは1又は2を示し、nは0又は
1を示し、p及びqは、それぞれ独立して0、1又は2
を示す) 式(I)の含脂環骨格ビス(メタ)アクリレートの具体
例としては、例えばビス(ヒドロキシ)トリシクロ
[5.2.1.02,6 ]デカン=ジアクリレート、ビス
(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ
ン=ジメタクリレート、ビス(ヒドロキシ)トリシクロ
[5.2.1.02,6 ]デカン=アクリレートメタクリ
レート及びこれらの混合物、ビス(ヒドロキシ)ペンタ
シクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタ
デカン=ジアクリレート、ビス(ヒドロキシ)ペンタシ
クロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタデ
カン=ジメタクリレート、ビス(ヒドロキシ)ペンタシ
クロ[6.5.1.13,6 .0 2,7 .09,13]ペンタデ
カン=アクリレートメタクリレート及びこれらの混合
物、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.
1.02,6 ]デカン=ジアクリレート、ビス(ヒドロキ
シメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=
ジメタクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシク
ロ[5.2.1.02, 6 ]デカン=アクリレートメタク
リレート及びこれらの混合物、ビス(ヒドロキシメチ
ル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .0
9,13]ペンタデカン=ジアクリレート、ビス(ヒドロキ
シメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13, 6 .0
2,7 .09,13]ペンタデカン=ジメタクリレート、ビス
(ヒドロキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.1
3,6 .02,7 .09,13]ペンタデカン=アクリレートメ
タクリレート及びこれらの混合物、ビス(ヒドロキシエ
チル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=ジア
クリレート、ビス(ヒドロキシエチル)トリシクロ
[5.2.1.02,6 ]デカン=ジメタクリレート、ビ
ス(ヒドロキシエチル)トリシクロ[5.2.1.0
2,6 ]デカン=アクリレートメタクリレート及びこれら
の混合物、ビス(ヒドロキシエチル)ペンタシクロ
[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタデカン
=ジアクリレート、ビス(ヒドロキシエチル)ペンタシ
クロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタデ
カン=ジメタクリレート、ビス(ヒドロキシエチル)ペ
ンタシクロ[6.5.1.1 3,6 .02,7 .09,13]ペ
ンタデカン=アクリレートメタクリレート及びこれらの
混合物、等が挙げられる。
リシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=ジアクリレー
ト、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.
1.0 2,6 ]デカン=ジメタクリレート、ビス(ヒドロ
キシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン
=アクリレートメタクリレート及びこれらの混合物が好
ましい。
びペンタシクロデカン化合物は、群内及び/又は群間で
二種以上併用してもよい。本発明に用いる光硬化性組成
物中のビス(メタ)アクリレートの割合は、成分Aと成
分Bとの合計(以下、全アクリレート成分ということが
有る)100重量部に対して70〜99重量部、好まし
くは80〜98重量部、より好ましくは88〜97重量
部、特に好ましくは92〜96重量部で有る。
いては、特に限定されるものではなく、一般的なエステ
ル合成法(日本化学全編,新実験化学講座,14,有機
化合物の合成と反応(II)(丸善,1977年刊)等に
準拠して行うことができるが、代表的な製造方法として
は、(i)式(1)で表される含脂環骨格ジオール(以
下、式(1)のジオール又はジオールと略記することが
有る)と(メタ)アクリル酸とのエステル化反応による
方法(特開昭62−225508号公報)、
(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.
02,6 ]デカン、ビス(ヒドロキシメチル)ペンタシク
ロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタデカ
ン等を挙げることができる。これらの中、ビス(ヒドロ
キシメチル)トリシクロデカンは、「TCDアルコール
DM(セラニーズ社商品名)」として市販されている。
テルとのエステル交換反応による方法、 (iii)ジオールと(メタ)アクリル酸ハライドとの反
応による方法、等が挙げられる。 これらの中、(i)及び(ii)の方法が実用的であり、
好ましい。
のエステル化反応は、ジオール1モルに対して、通常
2.0〜2.6モルの(メタ)アクリル酸を用い、触媒
として、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、フッ化硼素、p
−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、カチオン
型イオン交換樹脂等を用い、通常トルエン、ベンゼン、
へプタン、ヘキサン等の溶媒の存在下、反応により生成
する水を留去しながら行う。また、(ii)のジオールと
(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応は、
ジオール1モルに対して、一般的には(メタ)アクリル
酸メチルを通常2.0〜10.0モルを用い、触媒とし
て、例えば、硫酸、P−トルエンスルホン酸、テトラブ
チルチタネート、テトライソプロピルチタネート、カリ
ウムブトキシド等を用い、通常トルエン、ベンゼン、ヘ
プタン、ヘキサン等の溶媒の存在下、反応により生成す
るメタノールを留去しながら行う。
ドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェ
ノチアジン、銅塩等を用いることができる。これらの反
応においては、反応の進行状況を高速液体クロマトグラ
フ、ガスクロマトグラフ等により分析し、反応が100
%完結する前段階で停止して、反応混合物から未反応の
ジオール、(メタ)アクリル酸、触媒、重合禁止剤、溶
媒、等を除去することにより、ビス(メタ)アクリレー
トとモノ(メタ)アクリレートとの混合物を得ることが
できる。
ては、本発明に用いる光硬化性組成物の成分Aと成分B
との混合物原料として、そのまま用いることができるの
で、便利であり、好ましい。 <成分B:含脂環骨格モノ(メタ)アクリレート>成分
Bは、式(II)で表される脂環式炭化水素骨格を有する
モノ(メタ)アクリレート(含脂環骨格モノ(メタ)ア
クリレート又はモノ(メタ)アクリレートと略記するこ
とがある)である。
は2を示し、nは0又は1を示し、r及びsは、それぞ
れ独立して、0、1又は2を示す) 式(II)の含脂環骨格モノ(メタ)アクリレートの具体
例としては、例えばビス(ヒドロキシ)トリシクロ
[5.2.1.02,6 ]デカン=モノアクリレート、ビ
ス(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デ
カン=モノメタクリレート及びこれらの混合物、ビス
(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.1 3,6 .0
2,7 .09,13]ペンタデカン=モノアクリレート、ビス
(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .0
2,7 .09,13]ペンタデカン=モノメタクリレート及び
これらの混合物、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ
[5.2.1.02,6 ]デカン=モノアクリレート、ビ
ス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0
2,6 ]デカン=モノメタクリレート及びこれらの混合
物、ビス(ヒドロキシメチル)ペンタシクロ[6.5.
1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタデカン=モノアク
リレート、ビス(ヒドロキシメチル)ペンタシクロ
[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタデカン
=モノメタクリレート及びこれらの混合物、ビス(ヒド
ロキシエチル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ
ン=モノアクリレート、ビス(ヒドロキシエチル)トリ
シクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=モノメタクリレ
ート及びこれらの混合物、ビス(ヒドロキシエチル)ペ
ンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペ
ンタデカン=モノアクリレート、ビス(ヒドロキシエチ
ル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7 .0
9,13]ペンタデカン=モノメタクリレート及びこれらの
混合物、等が挙げられる。
リシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=モノアクリレ
ート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.
1.02,6 ]デカン=モノメタクリレート及びこれらの
混合物、が好ましい。これらのトリシクロデカン化合物
及びペンタシクロデカン化合物は、群内及び/又は群間
で二種以上併用してもよい。
(メタ)アクリレートの割合は、全アクリレート成分1
00重量部に対して1〜30重量部、好ましくは2〜2
0重量部、より好ましくは3〜12重量部、特に好まし
くは4〜8重量部である。モノ(メタ)アクリレートの
割合が少なすぎると、硬化樹脂の機械強度改良効果が得
られなくなるし、逆に多すぎると硬化樹脂の耐熱性が低
下する。
は、式(I)のビス(メタ)アクリレートの合成法の例
えば(i)又は(iii)の方法において、ジオール1モ
ルに対する(メタ)アクリル酸の量を半分の1〜1.3
モルにするとか、(メタ)アクリル酸ハライドの量を半
分の1モルにするとかにして、半エステルが生成する条
件で反応を行うことにより合成することができる。
タ)アクリレートを例えば(i)の方法により合成する
際に、前述したように、反応を途中で停止することによ
り、モノ(メタ)アクリレートの所望量を含むビス(メ
タ)アクリレートの混合物が得られ、これを本発明に用
いる光硬化性組成物の原料としてそのまま使用すること
ができるので、通常は、モノ(メタ)アクリレートを別
途合成するには及ばない。
ト化合物>本発明に用いる光硬化性組成物に用いられる
メルカプト化合物は、少なくとも二官能性の、好ましく
は三官能性以上のメルカプト化合物(以下、多官能メル
カプト化合物ということがある)である。少なくとも二
官能性のメルカプト化合物の具体例としては、例えば一
般式(III)、(IV)及び(V)でそれぞれ表される化
合物並びに2,2−ビス(2−ヒドロキシ−3−メルカ
プトプロポキシフェニル)プロパン、1,10−デカン
ジチオール、ジメルカプトトリエチレンジスルフィド、
又はポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポ
リプロピレングリコールジグリシジルエーテル、のよう
なジグリシジル化合物と硫化水素との反応により合成さ
れるジメルカプト化合物、等が挙げられる。
はエーテル酸素を含んでいてもよい炭素数2〜15の炭
化水素残基を示し、aは2〜6の整数を示す) 式(III)において、R5 はエーテル酸素を含んでいて
もよい炭素数2〜15の炭化水素残基であるが、その具
体例としては、例えばペンタエリスリトール残基、ジペ
ンタエリスリトール残基、トリメチロールプロパン残
基、エチレングリコール残基、ジエチレングリコール残
基、トリエチレングリコール残基、ブタンジオール残
基、等が挙げられる。
価のチオグリコール酸エステル又はチオプロピオン酸エ
ステルであるが、その具体例としては、例えば、ペンタ
エリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネー
ト)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレ
ート)、トリメチロールプロパントリス(β−チオプロ
ピオネート)、トリメチロールプロパントリス(チオグ
リコレート)、エチレングリコールビス(β−チオプロ
ピオネート)、エチレングリコールビス(チオグリコレ
ート)、ジエチレングリコールビス(β−チオプロピオ
ネート)、ジエチレングリコールビス(チオグリコレー
ト)、トリエチレングリコールビス(β−チオプロピオ
ネート)、トリエチレングリコール(チオグリコレー
ト)、ブタンジオールビス(β−チオプロピオネー
ト)、ブタンジオールビス(チオグリコレート)、ジペ
ンタエリスリトールヘキサキス(β−チオプロピオネー
ト)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(チオグリコ
レート)等が挙げられる。
H2 )d −(CH2 )c−を示す。但し、b及びcは、
それぞれ独立して、1〜8の整数を示し、dは0、1又
は2を示す) 式(IV)の化合物は、ω−チオール基含有イソシアネー
トである。式(IV)の化合物の具体例としては、例え
ば、トリス[2−(β−チオプロピオニルオキシ)エチ
ル]イソシアヌレート、トリス(2−チオグリコニルオ
キシエチル)イソシアヌレート、トリス[2−(β−チ
オグリコニルオキシエトキシ)エチル]イソシアヌレー
ト、トリス(2−チオグリコニルオキシエトキシ)エチ
ル]イソシアヌレート、トリス[3−(β−チオプロピ
オニルオキシ)プロピル]イソシアヌレート、トリス
(3−チオグリコニルオキシプロピル)イソシアヌレー
ト等が挙げられる。
ン基を示し、e及びfは、それぞれ独立して、0又は1
を示し、gは1又は2を示す) 式(V)の化合物はチオール基含有炭化水素である。式
(V)の化合物の具体例としては、例えばベンゼンジメ
ルカプタン、キシリレンジメルカプタン、4,4'−ジ
メルカプトジフェニルスルフィド、等が挙げられる。
化合物の中、式(III)、(IV)及び(V)でそれぞれ
表される化合物が好ましく、これらの化合物の中、三官
能性以上のメルカプト化合物がより好ましく、四官能性
のメルカプト化合物が特に好ましい。本発明に用いる光
硬化性組成物中の少なくとも二官能性のメルカプト化合
物の配合割合は、全アクリレート成分100重量部に対
して1〜10重量部、好ましくは4〜8の重量部であ
る。
硬化樹脂の複屈折が増大するし、逆に多すぎると硬化樹
脂の耐熱性が低下する。本発明に用いる光硬化性組成物
の中から、前記成分Bの含脂環骨格モノ(メタ)アクリ
レートを除いた組成物でも、低複屈折性と高耐熱性の二
つの課題だけであれば解決することが可能である。即
ち、前記成分Aの含脂環骨格ビス(メタ)アクリレート
と前記成分Cの多官能メルカプト化合物よりなる組成物
を光重合硬化させることにより、低複屈折且つ高耐熱性
を有する樹脂が得られる。多官能メルカプト化合物を配
合する理由は、メルカプト化合物中のチオール基が連
鎖移動剤として作用し、重合硬化を緩やかに均一に進行
させることにより、硬化物中の複屈折を大幅に低減す
る。また分子内に二個以上のチオール基を有する多官
能性のメルカプト化合物を用いることにより、前記成分
Aのビス(メタ)アクリレート化合物から形成される三
次元網目構造にメルカプタン化合物が入り込む際、耐熱
性を損なうことなく上記複屈折の問題を解決することが
できる。
であり、得られる硬化物は高度に架橋された高分子構造
を有するため、耐衝撃性等の機械強度に劣る問題があ
る。この問題は前記成分Bの含脂環骨格モノ(メタ)ア
クリレートを特定の割合配合することにより解決され
る。即ち、高度に架橋された高分子の中に、単官能であ
り、架橋には寄与しない成分Bが入り込むことにより、
架橋密度が適度に制御される。その結果、耐衝撃性等の
機械強度が向上すると共に、成形時の製品割れ等生産歩
留まりの問題を解決することができる。
の複屈折を増大させたり、耐熱性の低下や吸水率の悪化
を引き起こさないことであるが、本発明における成分B
は、成分Aと同様な脂環骨格を有する(メタ)アクリレ
ートであるため両者の重合速度はほぼ等しく、また相分
離を起こさないため全く複屈折は変化しない。耐熱性や
吸水率に関しても、成分AとBからそれぞれ得られる硬
化物は同様な特性を持つため、性能悪化を引き起こすこ
となく液晶表示用の低複屈折光学部材として十分な性能
を維持している。
硬化性組成物の共重合に用いられるラジカル重合開始剤
(以下、光重合開始剤又は光開始剤ということがある)
については、紫外線等の活性エネルギー線によりラジカ
ルを発生するものであれば、特に限定されるものではな
い。その具体例としては、例えば一般式(VI)で表され
る化合物、アセトフェノン系光開始剤及びベンゾフェノ
ン系光開始剤を挙げることができる。
し、nは2又は3の数を示し、Rはフェニル基又はメト
キシ基を示す) そして、式(VI)の化合物の具体例としては、例えば
2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキ
シド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホ
スフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイル
フェニルホスフィン酸メチルエステル、2,6−ジクロ
ルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6−
ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等
のアシルホスフィンオキシド及びアシルホスフィン酸エ
ステル類、を挙げることができる。
しては、例えば1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メ
チルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン、4−ジフェノキシジクロロアセトフ
ェノン、ジエトキシジアセトフェノン、1−(4−イソ
プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロ
パン−1−オン、等を挙げることができる。
しては、例えばベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メ
チル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾ
フェノン、3,3'−ジメチル−4−メトキシベンゾフ
ェノン、ジフェノキシベンゾフェノン、等を挙げること
ができる。これらの中、2,4,6−トリメチルベンゾ
イルジフェニルホスフィンオキシド、トリメチルベンゾ
イルフェニルホスフィン酸メチルエステル、1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン及
び、ジフェノキシベンゾフェノンが好ましく、2,4,
6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシ
ド、ベンゾフェノンが特に好ましい。
てもよい。なお、光重合開始剤の添加量は、モノマー1
00重量部に対し0.01〜1重量部、好ましくは0.
02〜0.3重量部で有る。光重合開始剤の添加量が多
すぎると、重合が急激に進行し複屈折の増大をもたらす
だけでなく色相も悪化する。また、少なすぎると組成物
を十分に硬化させることができなくなる。
は成分A、B及びCを含んでなる組成物を重合硬化させ
てなるものであり、この組成物が少量の補助成分を含ん
でもよいことは前記したところである。従って本発明に
用いる低複屈折板用樹脂は、その硬化前の組成物100
重量部に対し30重量部程度までの量でラジカル重合可
能な他の単量体を混合して共重合させて製造することも
可能である。その際に用いる他の単量体としては、例え
ばメチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アク
リレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、メタクリロイルオキシメチルテトラシクロデカン、
メタクリロイルオキシメチルテトラシクロドデセン、エ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキセン
ジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ
アクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、ビ
スフェノールAアクリレートメタクリレート及びこれら
の混合物、ビスフェノールAビス[(オキシエチル)エ
ーテル]=ジアクリレート、ビスフェノールAビス
[(オキシエチル)エーテル]=ジメタクリレート、ビ
スフェノールAビス[(オキシエチル)エーテル]=ア
クリレートメタクリレート及びこれらの混合物、テトラ
ブロモビスフェノールAビス[(オキシエチル)エーテ
ル]=ジアクリレート、テトラブロモビスフェノールA
ビス[(オキシエチル)エーテル]=ジメタクリレー
ト、テトラブロモビスフェノールAビス[(オキシエチ
ル)エーテル]=アクリレートメタクリレート及びこれ
らの混合物、ビスフェノールAビス[(ジオキシエチ
ル)エーテル]=ジアクリレート、ビスフェノールAビ
ス[(ジオキシエチル)エーテル]=ジメタクリレー
ト、ビスフェノールAビス[(ジオキシエチル)エーテ
ル]=アクリレートメタクリレート及びこれらの混合
物、ビスフェノールAビス[(ポリオキシエチル)エー
テル]=ジアクリレート、ビスフェノールAビス[(ポ
リオキシエチル)エーテル]=ジメタクリレート、ビス
フェノールAビス[(ポリオキシエチル)エーテル]=
アクリレートメタクリレート、2,2'−ビス[4−
(β−メタクリロイルオキシエトキシ)シクロヘキシ
ル]プロパン、1,4−ビス(メタクリロイルオキシメ
チル)シクロヘキサン、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合
物、スチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン、α
−メチルスチレン等の核及び/又は側鎖置換及び非置換
スチレン等が挙げられる。
ルオキシメチルシクロドデカン、2,2−ビス[4−
(β−メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]プロ
パン、2,2−ビス[4−(β−メタクリロイルオキシ
エトキシ)シクロヘキシル]プロパン、1,4−ビス
(メタクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、及び
これらの混合物が特に好ましい。
剤、紫外線吸収剤、染顔料、充填剤等がある。なお、所
望により添加してもよい紫外線吸収剤については、特に
限定されるものではないが、ベンゾフェノン系のもの
と、トリアゾール系のものが好ましく、これらは単独で
使用してもよく、また二種以上を併用してもよい。
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾ
フェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメト
キシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、2−
(2'−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジター
シャリーブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2'−ヒドロキシ−3'−ターシャリーブチル−5'−
メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリア
ゾール系化合物を挙げることができる。
ン性不飽和単量体100重量部に対して、0.01〜
0.2重量部、好ましくは0.03〜0.1重量部であ
る。紫外線吸収剤の配合割合が、多すぎると、硬化物が
充分に硬化しないが、もしくは、得られた硬化物の内部
均質性が悪くなる。また、少なすぎると、所望の紫外線
カット性が得られなくなる。
成物については、ラジカル重合開始剤の存在下に活性エ
ネルギー線を照射することにより容易に共重合(光重
合、光重合硬化又は光硬化ということがある)させるこ
とができる。
合開始剤に作用してラジカルを発生させるものであれば
特に限定されるものではなく、例えば電子線、紫外線等
を用いることができる。これらの中、モノマー及び重合
開始剤の種類、量を参酌して、200〜400nmの紫
外線を好ましくは0.1〜200jの範囲で照射するの
が好ましい。
ため硬化物の耐熱性、機械特性が十分に発現されず、逆
に極端に過剰な場合は硬化物の黄変等の光による劣化を
生じるので好ましくない。そして、活性エネルギー線の
照射については、一段で行ってもよいが、表面性状の良
好なシートを得るためには、複数段で、少なくとも二段
で行うことが好ましい。
活性エネルギー線の硬化所要量の15%以下、好ましく
は10%以下、特に好ましくは7%以下を照射して、キ
ャビティ内の光硬化性樹脂を自己保形性を有するよう
に、即ち、スペーサーを取外しても樹脂が漏洩しないよ
うにゲル化させる。なお、本明細書において活性エネル
ギー源の硬化所要量とは、キャビティ内の樹脂組成物の
エチレン性炭素−炭素二重結合の80%を消失させるの
に要する照射量を指すものとする。なお、活性エネルギ
ー線の照射によるエチレン性炭素−炭素二重結合の消失
の割合は、下記式により算出される。
結合のピーク面積 BM :活性エネルギー線照射前の赤外吸収におけるC−
H結合のピーク面積 K=AK /BK AK :活性エネルギー線照射後の赤外吸収における二重
結合のピーク面積 BK :活性エネルギー線照射後の赤外吸収におけるC−
H結合のピーク面積 なお、二重結合のピークは1658.5〜1591cm
-1に出現し、C−H結合のピークは3210〜280
9.8cm-1に出現する。
射量が硬化所要量の15%を超えると、硬化収縮が起
り、キャビティ内の樹脂が面板から剥離して、生成する
樹脂シート表面に欠陥を生じ易い。また、ゲル化した樹
脂がスペーサーに強固に付着して、スペーサーが取外し
難くなるという問題もある。好ましくは照射量が硬化所
要量の10%以下の段階で面板間の間隔を一定に保持す
る手段を解放する。逆に活性エネルギー線照射量が少な
すぎると、ゲル化が不十分で、成形型の面板の緊締を解
放したときに、キャビティ内の樹脂が成形型の隙間から
漏れる事故が起こり易い。また、ゲル化した樹脂と面板
との付着力が弱く、成形型の面板の緊締を解放したとき
の衝撃で樹脂が面板から剥離するという事故が起ること
もある。
5〜100%が反応するように照射を行い、重合を完結
させる。活性エネルギー線を照射する雰囲気は、通常の
大気中、又は不活性ガス雰囲気中のいずれでもよい。ま
た、照射時の温度は、通常、第1段:常温〜100℃、
第2段:常温〜300℃であり、照射時間は、通常、第
1段:1秒〜1分、第2段:10秒〜10分である。
カルランプ、キセノンランプ、低圧水銀ランプ、高圧水
銀ランプ、メタルハライドランプ等が用いられる。硬化
を速やかに完了させる目的で、熱重合を併用してもよ
い。即ち、光照射と同時に組成物並びに型全体を30〜
300℃の範囲で加熱する。この場合は重合をよりよく
完結するためにラジカル重合開始剤を添加してもよい
が、過剰な使用は複屈折の増大と色相の悪化をもたら
す。熱重合開始剤の具体例としてはベンゾイルパーオキ
シド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、t−ブ
チルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)等が挙げ
られ、使用量はモノマー100重量部に対して1重量部
以下が好ましい。
重合を行った後、硬化物を加熱することにより重合反応
の完結及び重合時に発生する内部歪を低減することも可
能である。加熱温度は、硬化物の組成やガラス転移温度
に合わせて適宜選択されるが、過剰な加熱は硬化物の色
相悪化をもたらすため、ガラス転移温度付近かそれ以下
の温度が望ましい。上記により得られる低複屈折光学部
材は、複屈折が10nm以下、好ましくは5nm以下、
更に好ましくは2nm以下、特に好ましくは1nm以下
のものである。
物の表面には、種々の方法により、ガスバリア膜を形成
することができ、ガスバリア付き光学部材として利用す
ることができる。ガスバリア膜としては公知のものが使
用できる。例えば、無機酸化物膜、或いは、ポリビニル
アルコール、エチレンービニルアルコール共重合体、塩
化ビニリデン等のガスバリア性樹脂層が挙げられるが、
好ましくは無機酸化物膜である。無機酸化物とは、金
属、非金属、亜金属の酸化物であり、具体例としては、
酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化イ
ンジウム、酸化カルシウム、酸化カドミウム、酸化銀、
酸化金、酸化クロム、酸化珪素、酸化コバルト、酸化ジ
ルコニウム、酸化錫、酸化チタン、酸化鉄、酸化銅、酸
化ニッケル、酸化白金、酸化パラジウム、酸化ビスマ
ス、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化モリブデ
ン、酸化バナジウム、酸化バリウム等が挙げられるが、
酸化珪素が特に好ましい。なお、無機酸化物には、微量
の金属、非金属、亜金属単体やそれらの水酸化物、ま
た、可撓性を向上させるために適宜炭素又はフッ素が含
まれていてもよい。
脂等をコートする方法、無機酸化物よりなる蒸着膜を形
成する方法が挙げられる。蒸着膜を形成する方法として
は、真空蒸着法、真空スパッタ法、イオンプレーティン
グ法、CVD法等、従来公知の方法が使用できる。以上
のガスバリア膜の厚さは特に制限はなく、ガスバリア膜
の構成成分の種類によっても異なるが、例えば、酸化珪
素の場合には、酸素ガスバリア性及び水蒸気ガスバリア
性、更には経済性を考慮すると、膜の厚さは5〜50n
mが好ましい。更に高度な酸素ガスバリア性や水蒸気バ
リア性を得るためには膜の厚さを厚くすればよいが、5
0nm以上では成膜する際生じる膜応力からクラックが
入りやすくなる。また、膜の厚さが5nm未満ではガス
バリア性が不十分で有る。
硬化性樹脂シート上に導電膜を積層する際に、導電膜と
基板との密着性を向上し、更にガスバリア膜を保護する
ための樹脂膜である。この膜はアクリレート系の光硬化
性モノマーとイソシアネート基含有化合物、好ましくは
イソシアネート基含有アクリレート化合物、更に好まし
くはイソシアネート基含有シランカップリング剤と分子
内に水酸基と3個以上のアクリロイル基を有する水酸基
含有多官能アクリレートとを反応して得られる化合物、
を含んでなる光硬化性組成物を重合硬化して得られる。
ここで、「含んでなる」とは、アクリレート系の光硬化
性モノマーとイソシアネート基含有化合物以外に活性エ
ネルギー線の照射による重合硬化を阻害しないポリマー
等を全組成物100重量部中50重量部以下の範囲で併
用してもよいことを意味する。
ては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、
ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレン
グリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジ
メタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,
3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブ
タンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオール
ジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリ
レート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、
ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、
ジエチレングリコールジアクリレート、ビス(オキシメ
チル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカンジアク
リレート、ビス(オキシメチル)トリシクロ[5.2.
1.02,6 ]デカンジメタクリレート、ビス(オキシメ
チル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7.0
9,13]ペンタデカンジメタクリレート、ビス(オキシメ
チル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .0
9,13]ペンタデカンジメタクリレート、2,2−ビス
(4−(アクリルオキシジエトキシ)フェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−(メタクリルオキシジエトキ
シ)フェニル)プロパン、トリシクロ[5.2.1.0
2,6 ]デカン−3,8−ジイルジメチルジアクリレー
ト、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−3,8
−ジイルジメチルジメタクリレート、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ
メタアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシト
リアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ
メタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレ
ート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テ
トラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチ
ロールメタンテトラメタクリレート、ペンタエリスリト
ールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタ
クリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジト
リメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチ
ロールプロパンテトラメタクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアネートトリアクリレート、トリス(2−ヒ
ドロキシエチル)イソシアヌレートトリメタクリレート
等が挙げられる。
は、アクリルイソシアネート、メチルイソシアネート、
イソプロピルイソシアネート、t−ブチルイソシアネー
ト、シクロヘキシルイソシアネート、m−イソプロペニ
ル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、オクタ
デシルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシア
ネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシ
アネート、3−イソプロペニルイソシアネート、ジメチ
ル(m−イソプロペニル)ベンジルイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、1,2−ジイソシアネート
エタン、1,3−ジイソシアネートプロパン、1,2−
ジイソシアネートプロパン、1,4−ジイソシアネート
ブタン、1,5−ジイソシアネートブタン、1,5−ジ
イソシアネートペンタン、1,6−ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、ビス(3−イソシアネートプロピル)エ
ーテル、ビス(3−イソシアネートプロピル)スルフィ
ド、ビス(6−イソシアネートヘキシル)スルフィド、
1,7−ジイソシアネートヘプタン、1,5−ジイソシ
アネート−2,2−ジメチルペンタン、2,6−ジイソ
シアネート−3−メトキシヘキサン、1,8−ジイソシ
アネートオクタン、1,5−ジイソシアネート−2,
2,4−トリメチルペンタン、1,9−ジイソシアネー
トノナン、1,10−ジイソシアネートデカン、1,1
1−ジイソシアネートウンデカン、1,12−ジイソシ
アネートドデカン、1,4−シクロヘキサンジイソシア
ネート、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート、2,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート、3,3'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート、リジンイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフチレン
ジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、1,3−ビス(α,α−ジメチルイソシア
ネートメチル)ベンゼン、1,3−ビス(イソシアネー
トメチル)シクロヘキサン、トリメチルヘキサメチレン
ジイソシアネート等が挙げられる。
は、公知のジイソシアネートと公知のヒドロキシアクリ
レート、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、
2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシ
ブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルジアクリレ
ート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリ
レート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアク
リレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等を
反応させて得られる化合物等が挙げられるが、好ましく
は、5−イソシアネート−1−(イソシアネートメチ
ル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンと2−ヒ
ドロキシエチルアクリレートの付加体、2−(5−イソ
シアネート−1,3,3−トリメチル−シクロヘキシル
メチルカルバモイルオキシ)−エチルアクリレート、2
−(3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチ
ル−シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−エチルアク
リレート、2−(4'−イソシアネート−4−ジフェニ
ルメタンカルバモイルオキシ)−エチルアクリレート、
2−(5−イソシアネート−1−カルバモイルオキシ)
−エチルアクリレート、4−(5−イソシアネート−
1,3,3−トリメチル−シクロヘキシルメチルカルバ
モイルオキシ)−ブチルアクリレート、4−(3−イソ
シアネートメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘ
キシルカルバモイルオキシ)−ブチルアクリレート、4
−(4'−イソシアネート−4−ジフェニルメタンカル
バモイルオキシ)−ブチルアクリレート、4−(5−イ
ソシアネート−1−カルバモイルオキシ)−ブチルアク
リレート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネ
ート等が挙げられる。イソシアネート基含有シランカッ
プリング剤は、一般式で表わされるものが使用される。
であり、好ましくはR1およびR2はメチル、エチル、プ
ロピル等の低級アルキル基である。R3は炭素数2〜8
の二価炭化水素基である。aは2〜3の整数、bは0〜
1の整数、cは4−a−bに等しい整数である。)
剤の具体例としては、3−イソシアナトプロピルトリメ
トキシシラン、2−イソシアナトエチルトリメトキシシ
ラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、
2−イソシアナトエチルトリエトキシシラン、3−イソ
シアナトプロピルメチルジメトキシシラン、2−イソシ
アナトエチルメチルジメトキシシラン、3−イソシアナ
トプロピルメチルジエトキシシラン、2−イソシアナト
エチルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。次に、
分子内に水酸基と3個以上のアクリロイル基を有する水
酸基含有多官能アクリレートとしては、ペンタエリスリ
トールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールテト
ラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリ
レート、およびこれらの混合物等が挙げられる。イソシ
アネート基含有シランカップリング剤と水酸基含有多官
能アクリレートの反応は、各化合物を−NCO/−OH
基≦1の割合で混合し、60〜110℃で1〜20時間
攪拌することにより得られる。
の光硬化性モノマー50〜99重量部に対して、イソシ
アネート基含有化合物を1〜50重量部、より好ましく
は5〜30重量部、更に好ましくは10〜20重量部配
合することにより、硬化被膜としての物性バランスが得
られる。イソシアネート基含有化合物が無くても光硬化
性樹脂シートと硬化被膜の密着性は得られるが、イソシ
アネート基を添加することにより、更にガスバリア膜及
び透明導電膜との密着性が得られるようになる。即ち、
これらの無機膜上の水酸基とイソシアネート基が反応す
ることにより強固な結合が形成され、導電膜側のアンカ
ー能及びガスバリア膜側の保護層としての両性能が発現
する。イソシアネート基含有化合物の量が少なすぎると
ガスバリア膜側の密着性が低下し、多すぎると耐薬品性
が低下する。
て、幾つかを例示すると次の通りである。ポリメチルア
クリレート、ポリブチルアクリレート、ポリエチレング
リコール、ポリヒドロキシエチルアクリレート。また、
これら活性エネルギー線硬化性組成物には公知の添加
剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング
剤、熱重合禁止剤、シランカップリング剤等が配合され
ていてもよい。上記組成物は通常揮発性溶媒により希釈
して塗布されることが好ましい。溶媒及び希釈度は特に
限定されないが、使用に当って被塗布物の表面性状を損
なわないことが要求される。更には、組成物の安定性、
基材に対する濡れ性、揮発性等も考慮して溶媒は決めら
れるべきである。また、溶媒は一種のみならず、二種以
上の混合物として用いることも可能である。溶媒として
は、アルコール、エステル、エーテル、ケトン、ハロゲ
ン化炭化水素、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水
素、及び、非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。
性エネルギー線によりラジカルを発生する光重合開始剤
を添加する公知のラジカル重合により硬化させる。その
際に用いる重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノ
ン、ベンゾイルメチルエーテル、ベンゾイルイソプロピ
ルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン、2,6−ジメチルベ
ンゾイルフェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。
好ましい開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイ
ル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキ
シド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホス
フィンオキシドである。これら光重合開始剤は二種以上
を併用してもよい。
100重量部に対し、1〜30重量部、好ましくは10
〜20重量部である。光開始剤の添加量が多すぎると、
重合が急激に進行し、複屈折の増大をもたらすだけでな
く、色相も悪化する。また、少なすぎると組成物を十分
に硬化させることができなくなる。後述する積層体構成
を採る場合、片面に硬化被膜を形成するには、通常の方
法が用いられるが、特に積層体図5及び図7の様に両面
に硬化被膜を形成するには、ディップコート法が最適で
ある。即ち、ガスバリア付き光硬化性樹脂シートを硬化
被膜を形成する光硬化性組成物中に浸漬して引き上げた
後、活性エネルギー線を照射して硬化させればよい。こ
の時、塗布してから硬化させる前に予備加熱を行っても
よい。光硬化性組成物が溶剤で希釈されている場合に
は、この予備加熱の工程において溶剤を除去しなければ
ならない。硬化被膜の膜厚は、特に限定されるものでは
ないが、接着強度の保持や硬度等の点から、通常0.1
〜50μm、好ましくは0.3〜10μmである。硬化
被膜の膜厚はディップコート時の引き上げ速度、溶剤の
希釈度でコントロールすることができる。照射する活性
エネルギー線の量は光重合開始剤がラジカルを発生する
範囲であれば任意であるが、200〜400nmの紫外
線を0.1〜100J/cm2 、好ましくは1〜30J
/cm2 の範囲で照射する。使用するランプの具体例と
しては、メタルハライドランプ、高圧水銀灯ランプ等が
挙げられる。
面には種々の手法により各種透明導電膜を好ましく形成
することができ、透明電極付光学部材として利用するこ
とができる。硬化物の表面に形成できる透明導電膜には
特に制限はないが、例えば、この導電膜を形成する導電
物質として、酸化インジウム、酸化スズ、金、銀、銅、
ニッケル等が挙げられ、これらは単独又は二種以上を混
合して使用することができる。このうち、通常は酸化イ
ンジウム99〜90%と酸化スズ1〜10%との混合物
よりなるインジウムスズオキサイド(以下「ITO」と
いう)が透明性と導電性のバランスの面から好ましい。
透明導電膜を形成する方法は、従来から公知の真空蒸着
法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、化学
蒸着法等を用いて行うことができる。このうち、スパッ
タリング法が密着性の点から好ましい。以上の透明導電
膜の厚さは、500〜2000Åの範囲が透明性、導電
性のバランスの面から好ましい。
層体は、光硬化性樹脂層(A)の少なくとも片面にガス
バリア層(B)を設けてなるもの(積層体1)、積層体
1の少なくとも片面に更に硬化被膜(C)を設けてなる
もの(積層体2)及び積層体1又は2の少なくとも片面
に更に導電膜を設けてなるものである。そして、積層体
1の具体例が図1及び図2に示されており、積層体2の
具体例が図3ないし図7に示されている。なお、光硬化
性樹脂層(A)、例えば光硬化性樹脂シート基板の厚み
は、通常、0.05〜3mm、好ましくは0.1〜1.
5mmの範囲内である。
層体は、550nmの光の波長での光線透過率が80%
以上であることが好ましい。光線透過率が80%未満で
あると画面が暗くなるため液晶表示パネルとして使用で
き難い。また、プラスチック積層体の複屈折率として
は、20nm以下が使用できるが、10nm以下である
ことが好ましく、更に5nm以下、特に2nm以下、中
でも1nm以下であることが好ましい。20nmよりも
大きいと表示パネルとした場合、表示画面の色ムラが生
じる傾向がある。また、プラスチック積層体の厚みは、
0.05〜3mmが好ましい。0.05mm未満では、
シートが自重により撓み易く、従来の液晶装置の製造プ
ロセスが使用できない傾向があり、一方、3mmを越え
ると、従来の0.7〜1.5mmのガラス基板と同じ重
量となり、軽量化の目的から外れてしまう。
ては、例えば、液晶表示装置用基板として使用する場
合、通常、二枚のプラスチック積層体によって液晶を挟
んだ構成をとる。即ち、プラスチック積層体の導電膜上
に、必要に応じて絶縁膜、更に、その上に配向膜が設け
られた基板により液晶層を挟持した構造をとる。また、
液晶層を挟持した基板の外側には偏光板が設けられる。
また、エレクトロルミネッセンス表示素子においては、
通常、本発明のプラスチック積層体上に、発光体層、絶
縁層及び背面電極を順次形成し、更に全体をガスバリア
層で被覆した構造の物が例示される。この場合、発光体
層には硫化亜鉛、硫化カドミウム、セレン化亜鉛等が、
絶縁層には酸化イットリウム、酸化タリウム、窒化シリ
コン等が、背面電極にはアルミニウム等が用いられる。
は、透明性はもとより高耐熱性と高機械強度を併せ持
ち、液晶、有機EL、タッチパネル等のディスプレイ基
板、光ディスク基板、太陽電池基板、各種レンズ、プリ
ズム、光学フィルター、光通信材料等の多くの光学用途
に用いることができる。
更に詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実
施例及び比較例に用いた光硬化性組成物の成分は表1に
示す通りであり、得られた硬化物で有る低複屈折板の諸
特性は表2に示す通りである。また、これらの諸特性の
測定法は次の通りである。
線透過率を1mm厚の試験片で測定した。 (2)複屈折 複屈折測定装置(オーク社製)を用いて
25℃で測定した。 (3)耐熱性 3mm×30mm×0.4mmの短冊状
試験片を用いて、引張り法TMAにて加重2gで測定し
た。 (4)曲げ弾性率 幅1cm、厚さ1mmの板について
支点間距離3cmにてオートグラフ試験装置を用いて2
5℃で測定した。
の板をサンプルとし、落球試験機(東京精密社製)を用
いて8gの鋼球を高さ10cmの位置から落下させてサ
ンプルに衝撃を与える。鋼球を落下させる位置を10c
mずつ高くし、破壊するまで落球を繰り返す。落球衝撃
強度=(サンプルが破壊したときの落球高さ)−10c
mとする。 (6)脱型性 脱型する際に硬化物にクラックが入った
ものを×とした。 (7)酸素透過率 ASTM D3985に準じてモダ
ンコントロール社OX−TRAN100を用いて、23
℃−80%RH条件下で測定した。 (8)抵抗値 三菱油化製ロレスタを用いて測定した。
の四端子法抵抗測定器(ロレスタ−MP)を用いて表面
抵抗値を測定した。 <ガスバリア測定>オキシトラン社製酸素モコン測定器
にて23℃湿度80%の条件下で酸素透過率を測定し
た。酸素透過率は、2cc/m2 ・24hour・at
m以下のものが使用でき、好ましくは1cc/m2 ・2
4hour・atm以下、より好ましくは0.7cc/
m2 ・24hour・atm以下、更に好ましくは0.
5cc/m2 ・24hour・atm以下、最も好まし
くは0.2cc/m2 ・24hour・atm以下であ
る。酸素透過率が上記範囲より大きいと、液晶表示パネ
ルとして使用したときに、表示欠点が発生する恐れが大
きくなる。
管及び水分離器を備え付けた1リットルの四ツ口フラス
コに、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.
1.02,6 ]デカン150重量部、メタクリル酸160
重量部、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.25重
量部、銅粉0.07重量部、p−トルエンスルホン酸
2.7重量部、n−ヘプタン200重量部を仕込み、毎
分4ccの空気を系内に流しながら、90〜130℃で
生成する水を抜き出しながら反応させた。反応は、高速
液体クロマトグラフで追跡し、ビス(オキシメチル)ト
リシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=ジメタクリレ
ートと、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.
2.1.02,6 ]デカン=モノメタクリレートの重量比
が、94対6になったところで停止させた。
化ナトリウム水溶液、次いで、水で中性になるまで洗浄
し、その後、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.0
5重量部を加え、60℃で、5Torrの減圧下30分
間n−ヘプタンを留去し、240重量部の反応生成物を
得た。高速液体クロマトグラフによる分析の結果、ビス
(オキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デ
カン=ジメタクリレートと、ビス(ヒドロキシメチル)
トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=モノメタク
リレートの重量比は、94対6であった。
ロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ
ン=ジメタクリレート94部、ビス(ヒドロキシメチ
ル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=モノメ
タクリレート6部のアクリレート組成物に、ペンタエリ
スリトールテトラキス(β−チオプロピオネート)6
部、光開始剤として2,4,6−トリメチルベンゾイル
ジフェニルホスフィンオキシド(BASF社製「ルシリ
ンTPO」)0.05部、ベンゾフェノン0.05部を
均一に撹拌混合した後、脱泡して組成物を得た。この組
成物をスペーサーとして厚さ0.4mmのシリコン板を
用いた光学研磨ガラスの型に注液し、ガラス面より距離
40cmで上下に有る出力80W/cmのメタルハライ
ドランプの間にて、5分間紫外線を照射した。紫外線照
射後脱型し、160℃で1時間加熱して0.4mm厚の
硬化物を得た。
上に、スパッタ装置(徳田製作所;形式CFS−4E
S)にてSiO2 を200Å成膜した。得られたプラス
チック積層体の酸素透過率は0.5cc/m2 ・24h
・atmであった。 (導電膜の成膜)得られたプラスチック積層体のSiO
x面上に、スパッタ装置(徳田製作所;形式CFS−4
ES)にてITOを1500Å成膜し、導電性シートを
得た。得られた導電性シートの表面抵抗値は30Ω/□
であった。又、得られた積層体の複屈折の値は0.4n
mであった。
硬化物上に、実施例1と同様にSiO2 を200Å成膜
した。 (硬化被膜の成膜)得られたガスバリア膜付きプラスチ
ックシートのSiO2面上に、ビス(ヒドロキシメチ
ル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=ジアク
リレート20部と、2,4,6−トリメチルベンゾイル
ジフェニルホスフィンオキシド2部と、溶剤としてプロ
ピレングリコールモノメチルエーテルアセテート78部
よりなる組成物をスピンコートした後、100℃で10
分加熱して溶剤を乾燥し、出力80W/cmのメタルハ
ライドランプにて5分間紫外線を照射した。得られた硬
化被膜の鉛筆硬度は4Hであった。 (導電膜の成膜)得られたプラスチック積層体の硬化被
膜面上に、プラスチック積層体の製造−1で用いたのと
同様のスパッタ装置(徳田製作所;形式CFS−4E
S)にてITOを1500Å成膜した。得られた導電性
シートの表面抵抗値は30Ω/□であった。又、得られ
た積層体の複屈折の値は0.4nmであった。
クロ[5.2.1.02,6 ]デカン=ジメタクリレート
と、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.
1.02,6 ]デカン=モノメタクリレートの重量比が、
92対8になったところで反応を停止させた以外は、実
施例1と同様に行い、ビス(オキシメチル)トリシクロ
[5.2.1.02,6 ]デカン=ジメタクリレートと、
ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0
2,6 ]デカン=モノメタクリレートの重量比が、92対
8の混合物を得た。得られたビス(ヒドロキシメチル)
トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=ジメタクリ
レート92部、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ
[5.2.1.02,6 ]デカン=モノメタクリレート8
部のアクリレート組成物を用いる以外は、実施例1と同
様に行い硬化物を得た。
クロ[5.2.1.02,6 ]デカン=ジメタクリレート
と、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.
1.02,6 ]デカン=モノメタクリレートの重量比が、
96対4になったところで反応を停止させた以外は、実
施例1と同様に行い、ビス(オキシメチル)トリシクロ
[5.2.1.02,6 ]デカン=ジメタクリレートと、
ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0
2,6 ]デカン=モノメタクリレートの重量比が、96対
4の混合物を得た。得られたビス(ヒドロキシメチル)
トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=ジメタクリ
レート96部、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ
[5.2.1.02,6 ]デカン=モノメタクリレート4
部のアクリレート組成物を用いる以外は、実施例1と同
様に行い硬化物を得た。
リシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=ジメタクリレ
ートと、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.
2.1.02,6 ]デカン=モノメタクリレートの重量比
が、99.5対0.5になったところで反応を停止させ
た以外は、実施例1と同様に行い、ビス(オキシメチ
ル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=ジメタ
クリレートと、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ
[5.2.1.02,6 ]デカン=モノメタクリレートの
重量比が、99.5対0.5の混合物を得た。得られた
ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0
2,6 ]デカン=ジメタクリレート99.5部、ビス(ヒ
ドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デ
カン=モノメタクリレート0.5部のアクリレート組成
物を用いる以外は、実施例1と同様に行い硬化物を得
た。
リシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=ジメタクリレ
ートと、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.
2.1.02,6 ]デカン=モノメタクリレートの重量比
が、60対40になったところで反応を停止させた以外
は、実施例1と同様に行い、ビス(オキシメチル)トリ
シクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=ジメタクリレー
トと、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.
1.02,6 ]デカン=モノメタクリレートの重量比が、
60対40の混合物を得た。得られたビス(ヒドロキシ
メチル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=ジ
メタクリレート60部、ビス(ヒドロキシメチル)トリ
シクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=モノメタクリレ
ート40部のアクリレート組成物を用いる以外は、実施
例1と同様に行い硬化物を得た。
[5.2.1.02,6 ]デカン=ジメタクリレートと、
ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0
2,6 ]デカン=モノメタクリレートの重量比が、94対
6の混合物を用いて、ペンタエリスリトールテトラキス
(β−チオプロピオネート)を用いない以外は実施例1
と同様に行い硬化物を得た。
02,6 ]デカン=ジメタクリレート B1 ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.
1.02,6 ]デカン=モノメタクリレート C1 ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロ
ピオネート)
の本来の特性を維持しつつ、機械的強度が改良された光
硬化性樹脂層(A)の少なくとも片面にガスバリア層
(B)を設けてなるプラスチック積層体が提供される。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記成分A、B及びCを含有してなる光
硬化性組成物(但し、各成分の割合は、成分Aと成分B
との合計を100重量部として表す)の共重合体からな
る光硬化性樹脂層(A)の少なくとも片面にガスバリア
層(B)を設けてなるプラスチック積層体。 成分A:一般式(I)で表される含脂環骨格ビス(メ
タ)アクリレート:70〜99重量部 【化1】 (式中、R1 及びR2 は、それぞれ独立して、水素原子
又はメチル基を示し、mは1又は2を示し、nは0又は
1を示し、p及びqは、それぞれ独立して、0、1又は
2を示す) 成分B:一般式(II)で表される含脂環骨格モノ(メ
タ)アクリレート:1〜30重量部 【化2】 (式中、R3 は水素原子又はメチル基を示し、mは1又
は2を示し、nは0又は1を示し、r及びsは、それぞ
れ独立して、0、1又は2を示す) 成分C:少なくとも二官能性のメルカプト化合物:1〜
10重量部 - 【請求項2】 請求項1に記載の積層体の少なくとも片
面に更に硬化被膜(C)を設けてなるプラスチック積層
体。 - 【請求項3】 請求項1又は2に記載の積層体の少なく
とも片面に更に導電膜を設けてなるプラスチック積層
体。 - 【請求項4】 ガスバリア層(B)が無機酸化物からな
る請求項1ないし3のいずれかに記載のプラスチック積
層体。 - 【請求項5】 光硬化性樹脂層(B)の厚みが0.05
〜3mmの範囲内に有る請求項1ないし4のいずれかに
記載のプラスチック積層体。
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JP4776616B2 (ja) * | 2004-03-22 | 2011-09-21 | ハンツマン・アドヴァンスト・マテリアルズ・(スイッツランド)・ゲーエムベーハー | 光硬化性組成物 |
-
2000
- 2000-07-10 JP JP2000207840A patent/JP3536791B2/ja not_active Expired - Fee Related
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