JP2002060507A - 寸法安定性及び形状安定性を有するプラスチック基板 - Google Patents

寸法安定性及び形状安定性を有するプラスチック基板

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JP2002060507A
JP2002060507A JP2000253456A JP2000253456A JP2002060507A JP 2002060507 A JP2002060507 A JP 2002060507A JP 2000253456 A JP2000253456 A JP 2000253456A JP 2000253456 A JP2000253456 A JP 2000253456A JP 2002060507 A JP2002060507 A JP 2002060507A
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JP
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plastic sheet
bis
acrylate
test
plastic
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JP2000253456A
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Satoshi Ezaki
聡 江崎
Seiichiro Hayakawa
誠一郎 早川
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶カラー表示用のパネル作製に十分な寸法
安定性及び形状安定性を有する基板の提供。 【解決手段】 1.プラスチックシートを空気中で15
0℃、3時間加熱した後、50%RHの空気中で23
℃、1週間放置する試験を三回繰り返す加熱サイクル試
験において、各回の試験前後の寸法変化量及び反り量が
それぞれ−0.02%以内及び±1%以内であることを
特徴とするプラスチックシート。 2.プラスチックシートを40℃の温水中に1時間浸漬
した後、50%RHの空気中で23℃、1週間放置する
試験を三回繰り返す温水サイクル試験において、各回の
試験前後の寸法変化量及び反り量がそれぞれ+0.02
%以内及び±1%以内であることを特徴とするプラスチ
ックシート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、寸法安定性及び形
状安定性を有するプラスチック基板に関する。詳しく
は、パネル製造時の、加熱や温水洗浄工程における寸法
変化及び形状変化の小さいプラスチック基板に関する。
本発明の基板は、有機EL表示パネル用、タッチパネル
用等の表示用、光ディスク等の記憶、記録用、太陽電池
パネル用、等の光学用部材、特に低複屈折光学部材、殊
に液晶表示パネル用に好適である。
【0002】
【従来の技術】従来使用されている液晶用表示パネル
(セルと呼ばれることがある)は、ガラス板を基板とし
て使用するものであるが、このようなパネルではガラス
の低密度化と機械的強度の向上に関して限界があるた
め、現在要望されている軽量薄型化に対応できない。ま
た生産性の向上に関しても成形性、加工性の観点から問
題点が指摘されており、プラスチックを基板として用い
たパネルに注目が集まっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガラス
に代えてプラスチック基板を使用した場合、従来用いら
れているプラスチック基板については、パネルを製造す
る際の、加熱や温水洗浄工程において、基板の脱水や吸
湿に伴う寸法変化が大きく、また反り等の形状変化を生
じるため、設計通りの表示機能が得られないという問題
点がある。特にカラー表示を行うパネルを作製する際に
は、この寸法変化が大きな問題となる。通常カラー表示
には、カラーフィルターと呼ばれるR(赤)、G
(緑)、B(青)及びブラックマトリックス(黒)が形
成された基板と、対向基板と呼ばれるこれら画素の無い
基板が必要となる。このカラーフィルター上に透明電極
をパターニングしたものと、対向基板上に透明電極をパ
ターニングしたものを、共に配向膜処理した後シール剤
を介して貼り合わせ、基板間に液晶を注入することによ
り表示用パネルが完成する。
【0004】このパネル化工程中に基板が寸法変化や形
状変化を起こすと、下記のような問題が発生する。 (1)画素が設計図面通りに基板上に形成されない。 (2)透明電極のパターニングラインが設計図面通りに
基板上に形成されない。 (3)両基板の貼り合わせ位置が設計からずれる。 (4)両基板の張り合わせ工程が複雑になる。 (5)パネル全体に応力歪みが生じ耐久性が低下する。 従って液晶表示パネルを作製する場合には、上記問題を
改良する寸法安定性及び形状安定性に優れたプラスチッ
ク基板が不可欠となっている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる事
情に鑑み、先ずパネル化の各工程における寸法変化及び
形状変化(反り変形)について詳細に解析を行った。そ
の結果、主に下記工程において従来のプラスチック基板
は寸法変形及び反り変形を生じ、その結果、カラー表示
パネルに必要な寸法精度が得られていないことが判明し
た。 画素を形成する際のインキ乾燥工程において、加熱
により基板から水分や残存溶剤等のガスが揮発すること
により寸法収縮を起こす。 透明電極成膜時の加熱や、パターニングの際の露光
や、配向膜焼結の際の加熱により、上記同様に揮発ガス
のため寸法収縮を起こす。 シール剤の加熱硬化の際に上記同様に揮発ガスのた
め寸法収縮を起こす。 画素形成や透明電極パターニング、或いは配向膜処
理等のパネル化工程中に基板は何度も温水洗浄されるの
で、吸水による寸法膨張を起こす。 基板が保管される温湿度条件に従って、水分の出入
りによる寸法変化が生じる。 延伸操作等により基板面内になんらかのストレスや
構造上の不均一性が有る場合には、以上のような工程中
で吸水脱水に伴う基板の寸法変化の挙動が、縦横で異な
る等一様でない。また、その寸法変形の異方性が原因で
反り変形を生じる。
【0006】これらの繰り返し行われる加熱及び温水工
程において、プラスチック基板は寸法収縮と寸法膨張を
繰り返すことになる。また、基板に残存応力が存在する
場合や、基板が積層構成を有する場合は、加熱及び温水
の各工程においてしばしば反り変形を生じる。その収
縮、膨張及び反り変形の大きさは、勿論セル化工程に重
大な悪影響を与えるものであるが、より設計図面通りの
セル化を困難にしているのは、寸法及び形状の可逆性
(温湿度条件を初期状態に戻したときの寸法・形状の戻
り具合)が低いことに由来するものである。即ち、初期
温湿度条件下(A条件とする)における基板の寸法をa
とすると、加熱及び温水工程後に基板をこの初期のA条
件下に放置すると、基板の組成変化や構造変化が無い限
り、寸法は初期の寸法aに戻り、また形状も初期の形状
に戻る筈である。言い換えると基板の寸法・形状は、温
度及び平衡水分率に依存している筈である。ところがプ
ラスチック基板の場合には、基板の構成成分と水との反
応による組成変化、基板と水との相互作用による物理的
変化、耐熱性不足による構造変化、或いは基板中の水分
以外の揮発ガス(加熱による分解ガスを含む)の除去に
よる影響等のために、初期の寸法・形状に戻らないケー
スが多い。
【0007】そして、本発明者らは、この解析結果に基
づき、特定の加熱サイクル試験における寸法変化量及び
反り量及び/又は特定の温水サイクル試験における寸法
変化量及び反り量がそれぞれ特定の範囲内にあるプラス
チックシートを基材として用いることにより、液晶カラ
ー表示用パネル作製用に十分な寸法・形状可逆性を有す
る基板が得られることを見出し、本発明を完成するに至
った。
【0008】即ち、本発明の要旨は、 1.プラスチックシートを空気中で150℃、3時間加
熱した後、50%RHの空気中で23℃、1週間放置す
る試験を三回繰り返す加熱サイクル試験において、各回
の試験前後の寸法変化量及び反り量がそれぞれ−0.0
2%以内及び±1%以内であることを特徴とするプラス
チックシート 2.プラスチックシートを40℃の温水中に1時間浸漬
した後、50%RHの空気中で23℃、1週間放置する
試験を三回繰り返す温水サイクル試験において、各回の
試験前後の寸法変化量及び反り量がそれぞれ+0.02
%以内及び±1%以内であることを特徴とするプラスチ
ックシート、にある。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のプラスチックシートは、(1)空気中で150
℃、3時間加熱した後、50%RH(相対湿度)の空気
中で23℃、1週間静置する工程を三回繰り返す加熱サ
イクル試験において、各回のサイクル試験前後の寸法変
化量及び反り量がそれぞれ−0.02%以内及び±1%
以内、及び/又は(2)40℃温水中に1時間浸漬した
後、50%RHの空気中で23℃、1週間静置する工程
を三回繰り返す温水サイクル試験において、各回のサイ
クル前後の寸法変形量及び反り量がそれぞれ+0.02
%以内及び±1%以内のものである。
【0010】(加熱サイクル試験) (1)の加熱サイクル試験は、プラスチックシートから
パネルを製造する際に繰り返し行われる加熱処理の処理
条件及び温水洗浄処理の処理条件を参酌して設定したも
のである。即ち、プラスチックシートは、パネル製造の
際、画素形成時、透明電極形成時及び配向膜形成時にお
いて、複数回の加熱工程を経るが、この条件は、空気中
で150℃近辺で数分ないし数時間加熱されるものであ
る。そして、空気中で23℃、1週間静置する条件につ
いては、これらの加熱工程内におけるプラスチックシー
トの保管条件の代表例として、またJIS K−710
0記載の恒温恒湿条件に準ずるものとして設定した。な
お試験条件の許容範囲は、±2℃、±5%RH、±5分
である。
【0011】この加熱サイクル試験において、一回の試
験前後の寸法変化量が−0.03%であると、例えば3
00mm角のシートであればその一辺が90μm縮むこ
とを意味する。現在カラー表示を行う際に使用される1
画素の幅は100μm程度であり、90μmの縮みはこ
の1画素の幅分近く色ずれを起こすことになる。即ち、
R(赤)、G(緑)、B(青)の画素がそれぞれ100
μm幅でこの順でストライプ状に形成される設計におい
て、シート端部ではR画素の位置にG画素が、またG画
素の位置にB画素が配置されることになってしまうた
め、設計通りの色表示ができない。色ずれの度合いはシ
ート長に依存するが、寸法変化量が−0.02%以内の
場合には、300mm角シート中央に設計の中心を置く
ことにより設計通りの位置で各色の表示が可能となる。
即ち、300mm角シートの中央から各辺中央までの位
置ずれを(本来150mm長)−30μm以内に抑える
ことができるため、シート端部においても70%以上は
本来の画素色を表示することができる。
【0012】寸法変化量は、好ましくは−0.01%以
内である。例えば−0.01%の場合には、300mm
角シートの中央から各辺中央までの位置ずれは−15μ
mとなる。実際のパネル化工程においては、各色がスト
ライプ状に形成されたカラーフィルター上に、やはりス
トライプ状に透明電極をパターニングする。この際、透
明電極のパターニング幅を70μmに設計すれば、仮に
100μm幅のストライプ状画素が最大−15μmの位
置ずれを起こしていても、位置ずれのマージンが15μ
m有るため、100%設計通り本来の画素色を表示する
パネルを作製することが可能である。
【0013】(温水サイクル試験)また(2)の温水サ
イクル試験は、(1)と同様にプラスチックシートから
パネルを製造する際の温水処理条件を参酌して設定した
ものである。即ち、プラスチックシートは、パネル製造
の際、画素形成前、透明電極形成前、配向膜形成後にそ
れぞれ複数回温水洗浄されるが、この洗浄は通常、40
℃の温水で数分ないし数時間行われている。そして、空
気中で23℃、1週間静置する条件については、これら
の洗浄工程内におけるプラスチックシートの保管条件の
代表例として、また、JIS K−7100に準ずるも
のとして設定した。なお、試験条件の許容範囲は、±2
℃、±5%RH、±5分である。この温水サイクル試験
の場合は基板が膨張することになるので、加熱サイクル
試験とは逆に寸法変化量が+0.02%以内の場合に設
計通りの色表示が可能となる。即ち、加熱サイクル試験
とはプラスマイナスの符号が逆になる。
【0014】温水サイクル試験において、一回の試験前
後の寸法変化量が+0.03%であると、例えば300
mm角のシートであればその一辺が90μm伸びること
を意味する。現在カラー表示を行う際に使用される1画
素の幅は100μm程度であり、90μmの伸びはこの
1画素の幅分近く色ずれを起こすことになる。即ちR
(赤)、G(緑)、B(青)の画素がそれぞれ100μ
m幅でこの順でストライプ状に形成される設計におい
て、シート端部ではR画素の位置にG画素が、またG画
素の位置にB画素が配置されることになってしまうた
め、設計通りの色表示ができない。色ずれの度合いはシ
ート長に依存するが、寸法変化量が+0.02%以内の
場合には、300mm角シート中央に設計の中心を置く
ことにより設計通りの位置で各色の表示が可能となる。
即ち、300mm角シートの中央から各辺中央までの位
置ずれを(本来150mm長)+30μm以内に抑える
ことができるため、シート端部においても70%以上は
本来の画素色を表示することができる。
【0015】寸法変化量は、好ましくは+0.01%以
内である。例えば+0.01%の場合には、300mm
角シートの中央から各辺中央までの位置ずれは+15μ
mとなる。実際のパネル化工程においては、各色がスト
ライプ状に形成されたカラーフィルター上に、やはりス
トライプ状に透明電極をパターニングする。この際、透
明電極のパターニング幅を70μmに設計すれば、仮に
100μm幅のストライプ状画素が最大−15μmの位
置ずれを起こしていても、位置ずれのマージンが15μ
m有るため、100%設計通り本来の画素色を表示する
パネルを作製することが可能である。
【0016】前述したように、加熱サイクル試験におい
て試験前後の寸法変化量が−0.02%以内であるプラ
スチックシートを得るためには、150℃以上の耐熱性
を有していることは必須条件である。即ち、ガラス転移
温度が150℃未満の場合には、加熱サイクル試験中、
即ち、製造工程においてシート全体が変形を起こした
り、熱による構造変化のために試験前の寸法に戻らな
い。また、シート内に発生すると考えられる微小の内部
応力等の原因によって、シートに反り変形を生じる。特
にシートが積層構成を有する場合は、この反り変形が非
常に大きくなることが多い。
【0017】また温水サイクル試験中、即ち、製造工程
において試験前後の寸法変形量が+0.02%以内であ
るプラスチックシートを得るためには、シートの樹脂成
分が水分と反応して組成変化を起こさないことが必須条
件である。特に水分との反応が不可逆な場合には反応に
よる構造変化のために試験前の寸法に戻らないし、可逆
の場合でも試験前の寸法に戻るまで多大な日数を要す
る。特にシートが積層構成を有する場合は、積層部分と
の寸法変化に差異を生じるため、大きな反り変形を来す
場合が少なくない。シート中に水分以外の揮発ガス(加
熱による分解ガスを含む)が無いことも重要な因子であ
る。即ち、シート中に残存溶剤等の揮発成分があると、
加熱サイクル試験において揮発していく結果、えてして
寸法が試験前よりも収縮する傾向にある。
【0018】かかるプラスチックシートについては、本
発明により規定される特性を有するものであれば特に限
定されるものではなく、種々のプラスチックが使用でき
るが、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、等の熱硬化性
又未硬化性プラスチックが好ましく、後述する特定の重
合性組成物の重合硬化させて得られるものが特に好まし
い。以下、光硬化性組成物、これを重合硬化させて得ら
れるプラスチックシート(以下、光硬化性樹脂層又は光
硬化性樹脂シートということがある)及びそのシートを
用いるプラスチック積層体について述べる。
【0019】(光硬化性組成物)本発明に用いられる光
硬化性組成物とは、成分A、B及びCを含有してなるも
のである。ここで、「含有してなる」とは、挙示成分
A、B及びCの外に、本発明の趣旨を損なわない限り、
少量の補助成分を含有してもよいことを意味する。
【0020】なお、「(メタ)アクリル」及び「(メ
タ)アクリレート」とは、アクリルないしメタクリル及
びアクリレートないしメタクリレートをそれぞれ総称す
るものである。 <成分A:含脂環骨格ビス(メタ)アクリレート>成分
Aは、式(I)で表される脂環式炭化水素骨格を有する
ビス(メタ)アクリレート(含脂環骨格ビス(メタ)ア
クリレート又はビス(メタ)アクリレートと略記するこ
とがある)である。
【0021】
【化3】
【0022】(式中、R1 及びR2 は、それぞれ独立し
て、水素原子又はメチル基を示し、mは1又は2を示
し、nは0又は1を示し、p及びqは、それぞれ独立し
て0、1又は2を示す) 式(I)の含脂環骨格ビス(メタ)アクリレートの具体
例としては、例えばビス(ヒドロキシ)トリシクロ
[5.2.1.02,6 ]デカン=ジアクリレート、ビス
(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ
ン=ジメタクリレート、ビス(ヒドロキシ)トリシクロ
[5.2.1.02,6]デカン=アクリレートメタクリ
レート及びこれらの混合物、ビス(ヒドロキシ)ペンタ
シクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタ
デカン=ジアクリレート、ビス(ヒドロキシ)ペンタシ
クロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタデ
カン=ジメタクリレート、ビス(ヒドロキシ)ペンタシ
クロ[6.5.1.13,6 .0 2,7 .09,13]ペンタデ
カン=アクリレートメタクリレート及びこれらの混合
物、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.
1.02,6 ]デカン=ジアクリレート、ビス(ヒドロキ
シメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=
ジメタクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシク
ロ[5.2.1.02, 6 ]デカン=アクリレートメタク
リレート及びこれらの混合物、ビス(ヒドロキシメチ
ル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .0
9,13]ペンタデカン=ジアクリレート、ビス(ヒドロキ
シメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13, 6
2,7 .09,13]ペンタデカン=ジメタクリレート、ビ
ス(ヒドロキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.1
3,6 .02,7 .09,13]ペンタデカン=アクリレートメ
タクリレート及びこれらの混合物、ビス(ヒドロキシエ
チル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=ジア
クリレート、ビス(ヒドロキシエチル)トリシクロ
[5.2.1.02,6 ]デカン=ジメタクリレート、ビ
ス(ヒドロキシエチル)トリシクロ[5.2.1.0
2,6 ]デカン=アクリレートメタクリレート及びこれら
の混合物、ビス(ヒドロキシエチル)ペンタシクロ
[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタデカン
=ジアクリレート、ビス(ヒドロキシエチル)ペンタシ
クロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタデ
カン=ジメタクリレート、ビス(ヒドロキシエチル)ペ
ンタシクロ[6.5.1.1 3,6 .02,7 .09,13]ペ
ンタデカン=アクリレートメタクリレート及びこれらの
混合物、等が挙げられる。
【0023】これらの中、ビス(ヒドロキシメチル)ト
リシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=ジアクリレー
ト、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.
1.0 2,6 ]デカン=ジメタクリレート、ビス(ヒドロ
キシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン
=アクリレートメタクリレート及びこれらの混合物が好
ましい。
【0024】なお、これらのトリシクロデカン化合物及
びペンタシクロデカン化合物は、群内及び/又は群間で
二種以上併用してもよい。本発明に用いる光硬化性組成
物中のビス(メタ)アクリレートの割合は、成分Aと成
分Bとの合計(以下、全アクリレート成分ということが
ある)100重量部に対して70〜99重量部、好まし
くは80〜98重量部、より好ましくは88〜97重量
部、特に好ましくは92〜96重量部である。
【0025】ビス(メタ)アクリレートの製造方法につ
いては、特に限定されるものではなく、一般的なエステ
ル合成法(日本化学会編,新実験化学講座,14,有機
化合物の合成と反応(II)(丸善,1977年刊)等に
準拠して行うことができるが、代表的な製造方法として
は、(i)式(1)で表される含脂環骨格ジオール(以
下、式(1)のジオール又はジオールと略記することが
ある)と(メタ)アクリル酸とのエステル化反応による
方法(特開昭62−225508号公報)、
【0026】
【化4】
【0027】(式中、mは1又は2であり、nは0又は
1である) なお、式(1)の化合物の具体例としては、例えばビス
(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.
2,6 ]デカン、ビス(ヒドロキシメチル)ペンタシク
ロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタデカ
ン等を挙げることができる。これらの中、ビス(ヒドロ
キシメチル)トリシクロデカンは、「TCDアルコール
DM(ヘキスト社商品名)」として市販されている。
【0028】(ii)ジオールと(メタ)アクリル酸エス
テルとのエステル交換反応による方法、(iii)ジオー
ルと(メタ)アクリル酸ハライドとの反応による方法、
等が挙げられる。これらの中、(i)及び(ii)の方法
が実用的であり、好ましい。
【0029】(i)のジオールと(メタ)アクリル酸と
のエステル化反応は、ジオール1モルに対して、通常
2.0〜2.6モルの(メタ)アクリル酸を用い、触媒
として、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、フッ化硼素、p
−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、カチオン
型イオン交換樹脂等を用い、通常トルエン、ベンゼン、
へプタン、ヘキサン等の溶媒の存在下、反応により生成
する水を留去しながら行う。また、(ii)のジオールと
(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応は、
ジオール1モルに対して、一般的には(メタ)アクリル
酸メチルを通常2.0〜10.0モルを用い、触媒とし
て、例えば、硫酸、P−トルエンスルホン酸、テトラブ
チルチタネート、テトライソプロピルチタネート、カリ
ウムブトキシド等を用い、通常トルエン、ベンゼン、ヘ
プタン、ヘキサン等の溶媒の存在下、反応により生成す
るメタノールを留去しながら行う。
【0030】反応は、重合禁止剤として、例えば、ハイ
ドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェ
ノチアジン、銅塩等を用いることができる。これらの反
応においては、反応の進行状況を高速液体クロマトグラ
フ、ガスクロマトグラフ等により分析し、反応が100
%完結する前段階で停止して、反応混合物から未反応の
ジオール、(メタ)アクリル酸、触媒、重合禁止剤、溶
媒、等を除去することにより、ビス(メタ)アクリレー
トとモノ(メタ)アクリレートとの混合物を得ることが
できる。
【0031】そして、その混合割合が適当なものについ
ては、本発明に用いる光硬化性組成物の成分Aと成分B
との混合物原料として、そのまま用いることができるの
で、便利であり、好ましい。 <成分B:含脂環骨格モノ(メタ)アクリレート>成分
Bは、式(II)で表される脂環式炭化水素骨格を有する
モノ(メタ)アクリレート(含脂環骨格モノ(メタ)ア
クリレート又はモノ(メタ)アクリレートと略記するこ
とがある)である。
【0032】
【化5】
【0033】(式中、R3 は水素原子又はメチル基を示
し、mは1又は2を示し、nは0又は1を示し、r及び
sは、それぞれ独立して、0、1又は2を示す) 式(II)の含脂環骨格モノ(メタ)アクリレートの具体
例としては、例えばビス(ヒドロキシ)トリシクロ
[5.2.1.02,6 ]デカン=モノアクリレート、ビ
ス(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デ
カン=モノメタクリレート及びこれらの混合物、ビス
(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.1 3,6 .0
2,7 .09,13]ペンタデカン=モノアクリレート、ビス
(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .0
2,7 .09,13]ペンタデカン=モノメタクリレート及び
これらの混合物、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ
[5.2.1.02,6 ]デカン=モノアクリレート、ビ
ス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0
2,6 ]デカン=モノメタクリレート及びこれらの混合
物、ビス(ヒドロキシメチル)ペンタシクロ[6.5.
1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタデカン=モノアク
リレート、ビス(ヒドロキシメチル)ペンタシクロ
[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタデカン
=モノメタクリレート及びこれらの混合物、ビス(ヒド
ロキシエチル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ
ン=モノアクリレート、ビス(ヒドロキシエチル)トリ
シクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=モノメタクリレ
ート及びこれらの混合物、ビス(ヒドロキシエチル)ペ
ンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペ
ンタデカン=モノアクリレート、ビス(ヒドロキシエチ
ル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7 .0
9,13]ペンタデカン=モノメタクリレート及びこれらの
混合物、等が挙げられる。
【0034】これらの中、ビス(ヒドロキシメチル)ト
リシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=モノアクリレ
ート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.
1.02,6 ]デカン=モノメタクリレート及びこれらの
混合物、が好ましい。これらのトリシクロデカン化合物
及びペンタシクロデカン化合物は、群内及び/又は群間
で二種以上併用してもよい。
【0035】本発明に用いる光硬化性組成物中のモノ
(メタ)アクリレートの割合は、全アクリレート成分1
00重量部に対して1〜30重量部、好ましくは2〜2
0重量部、より好ましくは3〜12重量部、特に好まし
くは4〜8重量部である。モノ(メタ)アクリレートの
割合が少なすぎると、硬化樹脂の機械強度改良効果が得
られなくなるし、逆に多すぎると硬化樹脂の耐熱性が低
下する。
【0036】かかるモノ(メタ)アクリレートについて
は、式(I)のビス(メタ)アクリレートの合成法の例
えば(i)又は(iii)の方法において、ジオール1モ
ルに対する(メタ)アクリル酸の量を半分の1〜1.3
モルにするとか、(メタ)アクリル酸ハライドの量を半
分の1モルにするとかにして、半エステルが生成する条
件で反応を行うことにより合成することができる。
【0037】しかしながら、前記の式(I)のビス(メ
タ)アクリレートを例えば(i)の方法により合成する
際に、前述したように、反応を途中で停止することによ
り、モノ(メタ)アクリレートの所望量を含むビス(メ
タ)アクリレートの混合物が得られ、これを本発明に用
いる光硬化性組成物の原料としてそのまま使用すること
ができるので、通常は、モノ(メタ)アクリレートを別
途合成するには及ばない。
【0038】<成分C:少なくとも二官能性のメルカプ
ト化合物>本発明に用いる光硬化性組成物に用いられる
メルカプト化合物は、少なくとも二官能性の、好ましく
は三官能性以上のメルカプト化合物(以下、多官能メル
カプト化合物ということがある)である。少なくとも二
官能性のメルカプト化合物の具体例としては、例えば一
般式(III)、(IV)及び(V)でそれぞれ表される化
合物並びに2,2−ビス(2−ヒドロキシ−3−メルカ
プトプロポキシフェニル)プロパン、1,10−デカン
ジチオール、ジメルカプトトリエチレンジスルフィド、
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプ
ロピレングリコールジグリシジルエーテル、のようなジ
グリシジル化合物と硫化水素との反応により合成される
ジメルカプト化合物、等が挙げられる。
【0039】
【化6】
【0040】(式中、R4 はメチレン基又はエチレン基
を示し、R5 はエーテル酸素を含んでいてもよい炭素数
2〜15の炭化水素残基を示し、aは2〜6の整数を示
す) 式(III)において、R5 はエーテル酸素を含んでいて
もよい炭素数2〜15の炭化水素残基であるが、その具
体例としては、例えばペンタエリスリトール残基、ジペ
ンタエリスリトール残基、トリメチロールプロパン残
基、エチレングリコール残基、ジエチレングリコール残
基、トリエチレングリコール残基、ブタンジオール残
基、等が挙げられる。
【0041】式(III)のメルカプト化合物は、2〜6
価のチオグリコール酸エステル又はチオプロピオン酸エ
ステルであるが、その具体例としては、例えば、ペンタ
エリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネー
ト)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレ
ート)、トリメチロールプロパントリス(β−チオプロ
ピオネート)、トリメチロールプロパントリス(チオグ
リコレート)、エチレングリコールビス(β−チオプロ
ピオネート)、エチレングリコールビス(チオグリコレ
ート)、ジエチレングリコールビス(β−チオプロピオ
ネート)、ジエチレングリコールビス(チオグリコレー
ト)、トリエチレングリコールビス(β−チオプロピオ
ネート)、トリエチレングリコール(チオグリコレー
ト)、ブタンジオールビス(β−チオプロピオネー
ト)、ブタンジオールビス(チオグリコレート)、ジペ
ンタエリスリトールヘキサキス(β−チオプロピオネー
ト)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(チオグリコ
レート)等が挙げられる。
【0042】
【化7】
【0043】(式中、XはHS−(CH2 b −CO−
(OCH2 CH2 d −(CH2 c−を示す。但し、
b及びcは、それぞれ独立して、1〜8の整数を示し、
dは0、1又は2を示す) 式(IV)の化合物は、ω−チオール基含有イソシアネー
トである。式(IV)の化合物の具体例としては、例え
ば、トリス[2−(β−チオプロピオニルオキシ)エチ
ル]イソシアヌレート、トリス(2−チオグリコニルオ
キシエチル)イソシアヌレート、トリス[2−(β−チ
オグリコニルオキシエトキシ)エチル]イソシアヌレー
ト、トリス(2−チオグリコニルオキシエトキシ)エチ
ル]イソシアヌレート、トリス[3−(β−チオプロピ
オニルオキシ)プロピル]イソシアヌレート、トリス
(3−チオグリコニルオキシプロピル)イソシアヌレー
ト等が挙げられる。
【0044】
【化8】
【0045】(式中、R6 及びR7 は、それぞれ独立し
て、アルキレン基を示し、e及びfは、それぞれ独立し
て、0又は1を示し、gは1又は2を示す) 式(V)の化合物はチオール基含有炭化水素である。式
(V)の化合物の具体例としては、例えばベンゼンジメ
ルカプタン、キシリレンジメルカプタン、4,4′−ジ
メルカプトジフェニルスルフィド、等が挙げられる。
【0046】これらの少なくとも二官能性のメルカプト
化合物の中、式(III)、(IV)及び(V)でそれぞれ
表される化合物が好ましく、これらの化合物の中、三官
能性以上のメルカプト化合物がより好ましく、四官能性
のメルカプト化合物が特に好ましい。本発明に用いる光
硬化性組成物中の少なくとも二官能性のメルカプト化合
物の配合割合は、全アクリレート成分100重量部に対
して1〜10重量部、好ましくは4〜8の重量部であ
る。
【0047】メルカプト化合物の割合が少なすぎると、
硬化樹脂の複屈折が増大するし、逆に多すぎると硬化樹
脂の耐熱性が低下する。本発明に用いる光硬化性組成物
の中から、前記成分Bの含脂環骨格モノ(メタ)アクリ
レートを除いた組成物でも、低複屈折性と高耐熱性の二
つの課題だけであれば解決することが可能である。即
ち、前記成分Aの含脂環骨格ビス(メタ)アクリレート
と前記成分Cの多官能メルカプト化合物よりなる組成物
を光重合硬化させることにより、低複屈折且つ高耐熱性
を有する樹脂が得られる。多官能メルカプト化合物を配
合する理由は、メルカプト化合物中のチオール基が連
鎖移動剤として作用し、重合硬化を緩やかに均一に進行
させることにより、硬化物中の複屈折を大幅に低減す
る。また分子内に二個以上のチオール基を有する多官
能性のメルカプト化合物を用いることにより、前記成分
Aのビス(メタ)アクリレート化合物から形成される三
次元網目構造にメルカプタン化合物が入り込む際、耐熱
性を損なうことなく上記複屈折の問題を解決することが
できる。
【0048】しかしながら、成分Aも成分Cも多官能性
であり、得られる硬化物は高度に架橋された高分子構造
を有するため、耐衝撃性等の機械強度に劣る問題があ
る。この問題は前記成分Bの含脂環骨格モノ(メタ)ア
クリレートを特定の割合配合することにより解決され
る。即ち、高度に架橋された高分子の中に、単官能であ
り、架橋には寄与しない成分Bが入り込むことにより、
架橋密度が適度に制御される。その結果、耐衝撃性等の
機械強度が向上すると共に、成形時の製品割れ等生産歩
留まりの問題を解決することができる。
【0049】重要なのは成分Bを配合した際に、硬化物
の複屈折を増大させたり、耐熱性の低下や吸水率の悪化
を引き起こさないことであるが、本発明における成分B
は、成分Aと同様な脂環骨格を有する(メタ)アクリレ
ートであるため両者の重合速度はほぼ等しく、また相分
離を起こさないため全く複屈折は変化しない。耐熱性や
吸水率に関しても、成分AとBからそれぞれ得られる硬
化物は同様な特性を持つため、性能悪化を引き起こすこ
となく液晶表示用の低複屈折光学部材として十分な性能
を維持している。
【0050】<ラジカル重合開始剤>本発明に用いる光
硬化性組成物の共重合に用いられるラジカル重合開始剤
(以下、光重合開始剤又は光開始剤ということがある)
については、紫外線等の活性エネルギー線によりラジカ
ルを発生するものであれば、特に限定されるものではな
い。その具体例としては、例えば一般式(VI)で表され
る化合物、アセトフェノン系光開始剤及びベンゾフェノ
ン系光開始剤を挙げることができる。
【0051】
【化9】
【0052】(式中、R8 はメチル基、メトキシ基又は
塩素原子を示し、nは2又は3の数を示し、Rはフェニ
ル基又はメトキシ基を示す) そして、式(VI)の化合物の具体例としては、例えば
2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキ
シド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホ
スフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイル
フェニルホスフィン酸メチルエステル、2,6−ジクロ
ルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6−
ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等
のアシルホスフィンオキシド及びアシルホスフィン酸エ
ステル類、を挙げることができる。
【0053】また、アセトフェノン系化合物の具体例と
しては、例えば1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メ
チルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン、4−ジフェノキシジクロロアセトフ
ェノン、ジエトキシジアセトフェノン、1−(4−イソ
プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロ
パン−1−オン、等を挙げることができる。
【0054】また、ベンゾフェノン系化合物の具体例と
しては、例えばベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メ
チル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾ
フェノン、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフ
ェノン、ジフェノキシベンゾフェノン、等を挙げること
ができる。これらの中、2,4,6−トリメチルベンゾ
イルジフェニルホスフィンオキシド、トリメチルベンゾ
イルフェニルホスフィン酸メチルエステル、1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン及
び、ジフェノキシベンゾフェノンが好ましく、2,4,
6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシ
ド、ベンゾフェノンが特に好ましい。
【0055】これらの光重合開始剤は二種以上を併用し
てもよい。なお、光重合開始剤の添加量は、モノマー1
00重量部に対し0.01〜1重量部、好ましくは0.
02〜0.3重量部である。光重合開始剤の添加量が多
すぎると、重合が急激に進行し複屈折の増大をもたらす
だけでなく色相も悪化する。また、少なすぎると組成物
を十分に硬化させることができなくなる。
【0056】<補助成分>本発明に用いる低複屈折材料
は成分A、B及びCを含んでなる組成物を重合硬化させ
てなるものであり、この組成物が少量の補助成分を含ん
でもよいことは前記したところである。従って本発明に
用いるプラスチックシート用樹脂は、その硬化前の組成
物100重量部に対し30重量部程度までの量でラジカ
ル重合可能な他の単量体を混合して共重合させて製造す
ることも可能である。その際に用いる他の単量体として
は、例えばメチル(メタ)アクリレート、フェニル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、メタクリロイルオキシメチルテトラシクロデ
カン、メタクリロイルオキシメチルテトラシクロドデセ
ン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘ
キセンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノー
ルAジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレー
ト、ビスフェノールAアクリレートメタクリレート及び
これらの混合物、ビスフェノールAビス[(オキシエチ
ル)エーテル]=ジアクリレート、ビスフェノールAビ
ス[(オキシエチル)エーテル]=ジメタクリレート、
ビスフェノールAビス[(オキシエチル)エーテル]=
アクリレートメタクリレート及びこれらの混合物、テト
ラブロモビスフェノールAビス[(オキシエチル)エー
テル]=ジアクリレート、テトラブロモビスフェノール
Aビス[(オキシエチル)エーテル]=ジメタクリレー
ト、テトラブロモビスフェノールAビス[(オキシエチ
ル)エーテル]=アクリレートメタクリレート及びこれ
らの混合物、ビスフェノールAビス[(ジオキシエチ
ル)エーテル]=ジアクリレート、ビスフェノールAビ
ス[(ジオキシエチル)エーテル]=ジメタクリレー
ト、ビスフェノールAビス[(ジオキシエチル)エーテ
ル]=アクリレートメタクリレート及びこれらの混合
物、ビスフェノールAビス[(ポリオキシエチル)エー
テル]=ジアクリレート、ビスフェノールAビス[(ポ
リオキシエチル)エーテル]=ジメタクリレート、ビス
フェノールAビス[(ポリオキシエチル)エーテル]=
アクリレートメタクリレート、2,2′−ビス[4−
(β−メタクリロイルオキシエトキシ)シクロヘキシ
ル]プロパン、1,4−ビス(メタクリロイルオキシメ
チル)シクロヘキサン、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合
物、スチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン、α
−メチルスチレン等の核及び/又は側鎖置換及び非置換
スチレン等が挙げられる。
【0057】これらの他の単量体の中でもメタクリロイ
ルオキシメチルシクロドデカン、2,2−ビス[4−
(β−メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]プロ
パン、2,2−ビス[4−(β−メタクリロイルオキシ
エトキシ)シクロヘキシル]プロパン、1,4−ビス
(メタクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、及び
これらの混合物が特に好ましい。
【0058】補助成分としては、その他にも、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、染顔料、充填剤等がある。なお、所
望により添加してもよい紫外線吸収剤については、特に
限定されるものではないが、ベンゾフェノン系のもの
と、トリアゾール系のものが好ましく、これらは単独で
使用してもよく、また二種以上を併用してもよい。
【0059】その具体例としては、2,4−ジヒドロキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾ
フェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメ
トキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、2
−(2′−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ
ターシャリーブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2′−ヒドロキシ−3′−ターシャリーブチル−
5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾ
トリアゾール系化合物を挙げることができる。
【0060】これらの紫外線吸収剤の割合は、ジエチレ
ン性不飽和単量体100重量部に対して、0.01〜
0.2重量部、好ましくは0.03〜0.1重量部であ
る。紫外線吸収剤の配合割合が、多すぎると、硬化物が
充分に硬化しないが、もしくは、得られた硬化物の内部
均質性が悪くなる。また、少なすぎると、所望の紫外線
カット性が得られなくなる。
【0061】(プラスチックシートの製造) <光硬化性組成物の共重合>本発明に用いる光硬化性組
成物については、ラジカル重合開始剤の存在下に活性エ
ネルギー線を照射することにより容易に共重合(光重
合、光重合硬化又は光硬化ということがある)させるこ
とができる。
【0062】活性エネルギー線については、ラジカル重
合開始剤に作用してラジカルを発生させるものであれば
特に限定されるものではなく、例えば電子線、紫外線等
を用いることができる。これらの中、モノマー及び重合
開始剤の種類、量を参酌して、200〜400nmの紫
外線を好ましくは0.1〜200jの範囲で照射するの
が好ましい。
【0063】照射が極端に少ない場合は重合が不完全な
ため硬化物の耐熱性、機械特性が十分に発現されず、逆
に極端に過剰な場合は硬化物の黄変等の光による劣化を
生じるので好ましくない。そして、活性エネルギー線の
照射については、一段で行ってもよいが、表面性状の良
好なシートを得るためには、複数段で、少なくとも二段
で行うことが好ましい。
【0064】照射を二段で行う場合、その第一段階では
活性エネルギー線の硬化所要量の15%以下、好ましく
は10%以下、特に好ましくは7%以下を照射して、キ
ャビティ内の光硬化性樹脂を自己保形性を有するよう
に、即ち、スペーサーを取外しても樹脂が漏洩しないよ
うにゲル化させる。なお、本明細書において活性エネル
ギー源の硬化所要量とは、キャビティ内の樹脂組成物の
エチレン性炭素−炭素二重結合の80%を消失させるの
に要する照射量を指すものとする。なお、活性エネルギ
ー線の照射によるエチレン性炭素−炭素二重結合の消失
の割合は、下記式により算出される。
【0065】消失量=(1−K/M)×100(%) M=AM /BMM :活性エネルギー線照射前の赤外吸収における二重
結合のピーク面積 BM :活性エネルギー線照射前の赤外吸収におけるC−
H結合のピーク面積 K=AK /BKK :活性エネルギー線照射後の赤外吸収における二重
結合のピーク面積 BK :活性エネルギー線照射後の赤外吸収におけるC−
H結合のピーク面積 なお、二重結合のピークは1658.5〜1591cm
-1に出現し、C−H結合のピークは3210〜280
9.8cm-1に出現する。
【0066】この第一段階における活性エネルギー線照
射量が硬化所要量の15%を超えると、硬化収縮が起
り、キャビティ内の樹脂が面板から剥離して、生成する
樹脂シート表面に欠陥を生じ易い。また、ゲル化した樹
脂がスペーサーに強固に付着して、スペーサーが取外し
難くなるという問題もある。好ましくは照射量が硬化所
要量の10%以下の段階で面板間の間隔を一定に保持す
る手段を解放する。逆に活性エネルギー線照射量が少な
すぎると、ゲル化が不十分で、成形型の面板の緊締を解
放したときに、キャビティ内の樹脂が成形型の隙間から
漏れる事故が起こり易い。また、ゲル化した樹脂と面板
との付着力が弱く、成形型の面板の緊締を解放したとき
の衝撃で樹脂が面板から剥離するという事故が起ること
もある。
【0067】そして、第二段階において、モノマーの9
5〜100%が反応するように照射を行い、重合を完結
させる。活性エネルギー線を照射する雰囲気は、通常の
大気中、又は不活性ガス雰囲気中のいずれでもよい。ま
た、照射時の温度は、通常、第1段:常温〜100℃、
第2段:常温〜300℃であり、照射時間は、通常、第
1段:1秒〜1分、第2段:10秒〜10分である。
【0068】活性エネルギー線用の光源としては、ケミ
カルランプ、キセノンランプ、低圧水銀ランプ、高圧水
銀ランプ、メタルハライドランプ等が用いられる。硬化
を速やかに完了させる目的で、熱重合を併用してもよ
い。即ち、光照射と同時に組成物並びに型全体を30〜
300℃の範囲で加熱する。この場合は重合をよりよく
完結するためにラジカル重合開始剤を添加してもよい
が、過剰な使用は複屈折の増大と色相の悪化をもたら
す。熱重合開始剤の具体例としてはベンゾイルパーオキ
シド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、t−ブ
チルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)等が挙げ
られ、使用量はモノマー100重量部に対して1重量部
以下が好ましい。
【0069】更に本発明において光照射によるラジカル
重合を行った後、硬化物を加熱することにより重合反応
の完結及び重合時に発生する内部歪を低減することも可
能である。加熱温度は、硬化物の組成やガラス転移温度
に合わせて適宜選択されるが、過剰な加熱は硬化物の色
相悪化をもたらすため、ガラス転移温度付近かそれ以下
の温度が望ましい。
【0070】上記により得られるプラスチックシート
は、低複屈折性を有する光学部材である。本発明のプラ
スチックシートは、複屈折の値が、10nm以下、好ま
しくは5nm以下、更に好ましくは2nm以下、特に好
ましくは1nm以下のものである。 <ガスバリア膜>本発明に用いられる硬化物の表面に
は、種々の方法により、ガスバリア膜を形成することが
でき、ガスバリア付き光学部材として利用することがで
きる。
【0071】ガスバリア膜としては公知のものが使用で
きる。例えば、無機酸化物膜、或いは、ポリビニルアル
コール、エチレンービニルアルコール共重合体、塩化ビ
ニリデン等のガスバリア性樹脂層が挙げられるが、好ま
しくは無機酸化物膜である。無機酸化物とは、金属、非
金属、亜金属の酸化物であり、具体例としては、酸化ア
ルミニウム、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化インジウ
ム、酸化カルシウム、酸化カドミウム、酸化銀、酸化
金、酸化クロム、酸化珪素、酸化コバルト、酸化ジルコ
ニウム、酸化錫、酸化チタン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニ
ッケル、酸化白金、酸化パラジウム、酸化ビスマス、酸
化マグネシウム、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化
バナジウム、酸化バリウム等が挙げられるが、酸化珪素
が特に好ましい。なお、無機酸化物には、微量の金属、
非金属、亜金属単体やそれらの水酸化物、また、可撓性
を向上させるために適宜炭素又はフッ素が含まれていて
もよい。
【0072】ガスバリア膜を形成する方法としては、樹
脂等をコートする方法、無機酸化物よりなる蒸着膜を形
成する方法が挙げられる。蒸着膜を形成する方法として
は、真空蒸着法、真空スパッタ法、イオンプレーティン
グ法、CVD法等、従来公知の方法が使用できる。以上
のガスバリア膜の厚さは特に制限はなく、ガスバリア膜
の構成成分の種類によっても異なるが、例えば、酸化珪
素の場合には、酸素ガスバリア性及び水蒸気ガスバリア
性、更には経済性を考慮すると、膜の厚さは5〜50n
mが好ましい。更に高度な酸素ガスバリア性や水蒸気バ
リア性を得るためには膜の厚さを厚くすればよいが、5
0nm以上では成膜する際生じる膜応力からクラックが
入りやすくなり、また反り変形を増大させるので好まし
くない。また、膜の厚さが5nm未満ではガスバリア性
が不十分である。ガスバリア膜は、プラスチックシート
の片面にのみ形成することができる。ガスバリア膜をプ
ラスチックシートの両面に形成すると、加熱サイクル試
験又は温水サイクル試験の過程でプラスチックシートの
内部と下界との間の分子(水分子、空気分子等)の移動
が妨げられるため、各回のサイクル試験前後で生じた寸
法変形及び/又は形状変形が初期状態に戻りにくくな
り、好ましくない。
【0073】<硬化被膜>本発明における硬化被膜はプ
ラスチックシート上に導電膜を積層する際に、導電膜と
基板との密着性を向上し、更にガスバリア膜を保護する
ための樹脂膜である。この膜はアクリレート系の光硬化
性モノマーとイソシアネート基含有化合物、好ましくは
イソシアネート基含有アクリレート化合物、更に好まし
くはイソシアネート基含有シランカップリング剤と分子
内に水酸基と3個以上のアクリロイル基を有する水酸基
含有多官能アクリレートとを反応して得られる化合物、
を含んでなる光硬化性組成物を重合硬化して得られる。
ここで、「含んでなる」とは、アクリレート系の光硬化
性モノマーとイソシアネート基含有化合物以外に活性エ
ネルギー線の照射による重合硬化を阻害しないポリマー
等を全組成物100重量部中50重量部以下の範囲で併
用してもよいことを意味する。
【0074】アクリレート系の光硬化性のモノマーとし
ては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、
ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレン
グリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジ
メタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,
3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブ
タンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオール
ジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリ
レート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、
ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、
ジエチレングリコールジアクリレート、ビス(オキシメ
チル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカンジアク
リレート、ビス(オキシメチル)トリシクロ[5.2.
1.02,6 ]デカンジメタクリレート、ビス(オキシメ
チル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7.0
9,13]ペンタデカンジメタクリレート、ビス(オキシメ
チル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .0
9,13]ペンタデカンジメタクリレート、2,2−ビス
(4−(アクリルオキシジエトキシ)フェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−(メタクリルオキシジエトキ
シ)フェニル)プロパン、トリシクロ[5.2.1.0
2,6 ]デカン−3,8−ジイルジメチルジアクリレー
ト、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−3,8
−ジイルジメチルジメタクリレート、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ
メタアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシト
リアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ
メタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレ
ート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テ
トラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチ
ロールメタンテトラメタクリレート、ペンタエリスリト
ールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタ
クリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジト
リメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチ
ロールプロパンテトラメタクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアネートトリアクリレート、トリス(2−ヒ
ドロキシエチル)イソシアヌレートトリメタクリレート
等が挙げられる。
【0075】イソシアネート基含有化合物の例として
は、アクリルイソシアネート、メチルイソシアネート、
イソプロピルイソシアネート、t−ブチルイソシアネー
ト、シクロヘキシルイソシアネート、m−イソプロペニ
ル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、オクタ
デシルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシア
ネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシ
アネート、3−イソプロペニルイソシアネート、ジメチ
ル(m−イソプロペニル)ベンジルイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、1,2−ジイソシアネート
エタン、1,3−ジイソシアネートプロパン、1,2−
ジイソシアネートプロパン、1,4−ジイソシアネート
ブタン、1,5−ジイソシアネートブタン、1,5−ジ
イソシアネートペンタン、1,6−ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、ビス(3−イソシアネートプロピル)エ
ーテル、ビス(3−イソシアネートプロピル)スルフィ
ド、ビス(6−イソシアネートヘキシル)スルフィド、
1,7−ジイソシアネートヘプタン、1,5−ジイソシ
アネート−2,2−ジメチルペンタン、2,6−ジイソ
シアネート−3−メトキシヘキサン、1,8−ジイソシ
アネートオクタン、1,5−ジイソシアネート−2,
2,4−トリメチルペンタン、1,9−ジイソシアネー
トノナン、1,10−ジイソシアネートデカン、1,1
1−ジイソシアネートウンデカン、1,12−ジイソシ
アネートドデカン、1,4−シクロヘキサンジイソシア
ネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート、2,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート、3,3′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート、リジンイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフチレン
ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、1,3−ビス(α,α−ジメチルイソシア
ネートメチル)ベンゼン、1,3−ビス(イソシアネー
トメチル)シクロヘキサン、トリメチルヘキサメチレン
ジイソシアネート等が挙げられる。
【0076】イソシアネート基含有アクリレートとして
は、公知のジイソシアネートと公知のヒドロキシアクリ
レート、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、
2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシ
ブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルジアクリレ
ート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリ
レート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアク
リレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等を
反応させて得られる化合物等が挙げられるが、好ましく
は、5−イソシアネート−1−(イソシアネートメチ
ル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンと2−ヒ
ドロキシエチルアクリレートの付加体、2−(5−イソ
シアネート−1,3,3−トリメチル−シクロヘキシル
メチルカルバモイルオキシ)−エチルアクリレート、2
−(3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチ
ル−シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−エチルアク
リレート、2−(4′−イソシアネート−4−ジフェニ
ルメタンカルバモイルオキシ)−エチルアクリレート、
2−(5−イソシアネート−1−カルバモイルオキシ)
−エチルアクリレート、4−(5−イソシアネート−
1,3,3−トリメチル−シクロヘキシルメチルカルバ
モイルオキシ)−ブチルアクリレート、4−(3−イソ
シアネートメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘ
キシルカルバモイルオキシ)−ブチルアクリレート、4
−(4′−イソシアネート−4−ジフェニルメタンカル
バモイルオキシ)−ブチルアクリレート、4−(5−イ
ソシアネート−1−カルバモイルオキシ)−ブチルアク
リレート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネ
ート等が挙げられる。イソシアネート基含有シランカッ
プリング剤は、一般式で表わされるものが使用される。
【0077】
【化10】
【0078】(式中、R1 及びR2 は同じ又は異なる一
価炭化水素基であり、好ましくはR1及びR2 はメチ
ル、エチル、プロピル等の低級アルキル基である。R3
は炭素数2〜8の二価炭化水素基である。aは2〜3の
整数、bは0〜1の整数、cは4−a−bに等しい整数
である) イソシアネート基含有シランカップリング剤の具体例と
しては、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラ
ン、2−イソシアナトエチルトリメトキシシラン、3−
イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、2−イソシ
アナトエチルトリエトキシシラン、3−イソシアナトプ
ロピルメチルジメトキシシラン、2−イソシアナトエチ
ルメチルジメトキシシラン、3−イソシアナトプロピル
メチルジエトキシシラン、2−イソシアナトエチルメチ
ルジエトキシシラン等が挙げられる。次に、分子内に水
酸基と3個以上のアクリロイル基を有する水酸基含有多
官能アクリレートとしては、ペンタエリスリトールトリ
アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、及
びこれらの混合物等が挙げられる。
【0079】イソシアネート基含有シランカップリング
剤と水酸基含有多官能アクリレートの反応は、各化合物
を−NCO/−OH基≦1の割合で混合し、60〜11
0℃で1〜20時間攪拌することにより得られる。これ
らの光硬化性組成物はアクリレート系の光硬化性モノマ
ー50〜99重量部に対して、イソシアネート基含有化
合物を1〜50重量部、より好ましくは5〜30重量
部、更に好ましくは10〜20重量部配合することによ
り、硬化被膜としての物性バランスが得られる。イソシ
アネート基含有化合物が無くても光硬化性樹脂シートと
硬化被膜の密着性は得られるが、イソシアネート基を添
加することにより、更にガスバリア膜及び透明導電膜と
の密着性が得られるようになる。即ち、これらの無機膜
上の水酸基とイソシアネート基が反応することにより強
固な結合が形成され、導電膜側のアンカー能及びガスバ
リア膜側の保護層としての両性能が発現する。イソシア
ネート基含有化合物の量が少なすぎるとガスバリア膜側
の密着性が低下し、多すぎると耐薬品性が低下する。
【0080】また、その他併用できるポリマー等とし
て、幾つかを例示すると次の通りである。ポリメチルア
クリレート、ポリブチルアクリレート、ポリエチレング
リコール、ポリヒドロキシエチルアクリレート。また、
これら活性エネルギー線硬化性組成物には公知の添加
剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング
剤、熱重合禁止剤、シランカップリング剤等が配合され
ていてもよい。上記組成物は通常揮発性溶媒により希釈
して塗布されることが好ましい。溶媒及び希釈度は特に
限定されないが、使用に当って被塗布物の表面性状を損
なわないことが要求される。更には、組成物の安定性、
基材に対する濡れ性、揮発性等も考慮して溶媒は決めら
れるべきである。また、溶媒は一種のみならず、二種以
上の混合物として用いることも可能である。溶媒として
は、アルコール、エステル、エーテル、ケトン、ハロゲ
ン化炭化水素、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水
素、及び、非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。
【0081】これらの光硬化性組成物は、紫外線等の活
性エネルギー線によりラジカルを発生する光重合開始剤
を添加する公知のラジカル重合により硬化させる。その
際に用いる重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノ
ン、ベンゾイルメチルエーテル、ベンゾイルイソプロピ
ルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン、2,6−ジメチルベ
ンゾイルフェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。
好ましい開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイ
ル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキ
シド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホス
フィンオキシドである。これら光重合開始剤は二種以上
を併用してもよい。
【0082】光重合開始剤の添加量は、光硬化性組成物
100重量部に対し、1〜30重量部、好ましくは10
〜20重量部である。光開始剤の添加量が多すぎると、
重合が急激に進行し、複屈折の増大をもたらすだけでな
く、色相も悪化する。また、少なすぎると組成物を十分
に硬化させることができなくなる。硬化被膜を形成する
には、ディップコート法が最適である。即ち、ガスバリ
ア付き光硬化性樹脂シートを硬化被膜を形成する光硬化
性組成物中に浸漬して引き上げた後、活性エネルギー線
を照射して硬化させればよい。この時、塗布してから硬
化させる前に予備加熱を行ってもよい。光硬化性組成物
が溶剤で希釈されている場合には、この予備加熱の工程
において溶剤を除去しなければならない。硬化被膜の膜
厚は、10μm以下になるようにする。膜厚がこれより
大きい場合は、反り変形を著しく増大するため好ましく
ない。硬化被膜の膜厚はディップコート時の引き上げ速
度、溶剤の希釈度でコントロールすることができる。硬
化被膜は、プラスチックシートの片面にのみ形成するこ
とができる。また、硬化被膜以外にガスバリア膜を形成
する場合は、プラスチックシートに対して、ガスバリア
膜を形成した面と同じ面にのみ硬化被膜を形成すること
ができる。硬化被膜をプラスチックシートの両面に形成
したり、ガスバリア膜を形成した面以外の面に形成する
と、加熱サイクル試験又は温水サイクル試験の過程でプ
ラスチックシートの内部と外界との間の分子(水分子、
空気分子等)の移動が妨げられるため、各回のサイクル
試験前後で生じた寸法変形及び/又は形状変形が初期状
態に戻りにくくなり、好ましくない。
【0083】照射する活性エネルギー線の量は光重合開
始剤がラジカルを発生する範囲であれば任意であるが、
200〜400nmの紫外線を0.1〜100J/cm
2 、好ましくは1〜30J/cm2 の範囲で照射する。
使用するランプの具体例としては、メタルハライドラン
プ、高圧水銀灯ランプ等が挙げられる。 <導電膜>本発明に用いられる硬化物の表面には種々の
手法により各種透明導電膜を好ましく形成することがで
き、透明電極付光学部材として利用することができる。
硬化物の表面に形成できる透明導電膜には特に制限はな
いが、例えば、この導電膜を形成する導電物質として、
酸化インジウム、酸化スズ、金、銀、銅、ニッケル等が
挙げられ、これらは単独又は二種以上を混合して使用す
ることができる。このうち、通常は酸化インジウム99
〜90%と酸化スズ1〜10%との混合物よりなるイン
ジウムスズオキサイド(以下「ITO」という)が透明
性と導電性のバランスの面から好ましい。透明導電膜を
形成する方法は、従来から公知の真空蒸着法、スパッタ
リング法、イオンプレーティング法、化学蒸着法等を用
いて行うことができる。このうち、スパッタリング法が
密着性の点から好ましい。以上の透明導電膜の厚さは、
500〜2000Åの範囲が透明性、導電性のバランス
の面から好ましい。
【0084】(積層体の構成)本発明のプラスチック積
層体は、光硬化性樹脂層(A)の少なくとも片面にガス
バリア層(B)を設けてなるもの(積層体1)、積層体
1の少なくとも片面に更に硬化被膜(C)を設けてなる
もの(積層体2)及び積層体1又は2の少なくとも片面
に更に導電膜を設けてなるものである。
【0085】そして、積層体1の具体例が図1及び図2
に示されており、積層体2の具体例が図3ないし図7に
示されている。なお、光硬化性樹脂層(A)、例えばプ
ラスチックシート基板の厚みは、通常、0.05〜3m
m、好ましくは0.1〜1.5mmの範囲内である。 (積層体の性質)本発明のプラスチック積層体は、55
0nmの光の波長での光線透過率が80%以上であるこ
とが好ましい。光線透過率が80%未満であると画面が
暗くなるため液晶表示パネルとして使用でき難い。ま
た、プラスチック積層体の複屈折率としては、通常10
nm以下であるが、好ましくは5nm以下、更に好まし
くは2nm以下、特には1nm以下であることが好まし
い。20nmよりも大きいと表示パネルとした場合、表
示画面の色ムラが生じる傾向がある。
【0086】また、プラスチック積層体の厚みは、0.
05〜3mmが好ましい。0.05mm未満では、シー
トが自重により撓み易く、従来の液晶装置の製造プロセ
スが使用できない傾向があり、一方、3mmを越える
と、従来の0.7〜1.5mmのガラス基板と同じ重量
となり、軽量化の目的から外れてしまう。本発明のプラ
スチック積層体の応用例としては、例えば、液晶表示装
置用基板として使用する場合、通常、二枚のプラスチッ
ク積層体によって液晶を挟んだ構成をとる。即ち、プラ
スチック積層体の導電膜上に、必要に応じて絶縁膜、更
に、その上に配向膜が設けられた基板により液晶層を挟
持した構造をとる。また、液晶層を挟持した基板の外側
には偏光板が設けられる。また、エレクトロルミネッセ
ンス表示素子においては、通常、本発明のプラスチック
積層体上に、発光体層、絶縁層及び背面電極を順次形成
し、更に全体をガスバリア層で被覆した構造の物が例示
される。この場合、発光体層には硫化亜鉛、硫化カドミ
ウム、セレン化亜鉛等が、絶縁層には酸化イットリウ
ム、酸化タリウム、窒化シリコン等が、背面電極にはア
ルミニウム等が用いられる。
【0087】本発明により得られるプラスチックシート
は、透明性はもとより高耐熱性と高機械強度を併せ持
ち、液晶や有機EL等のディスプレイ基板、光ディスク
基板、太陽電池基板、各種レンズ、プリズム、光学フィ
ルター、光通信材料等の多くの光学用途に用いることが
できる。
【0088】
【実施例】以下に本発明の内容及び効果を例により更に
具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限
り、以下の実施例に限定されるものではない。また実施
例及び比較例で得られたプラスチックシート及びプラス
チック積層体は以下の方法で評価した。 (1)光線透過率:500nmにおける光線透過率を
0.5mm厚の試験片で測定した。 (2)複屈折:0.5mm厚の試験片で複屈折測定装置
(オーク社製)を用いて25℃で測定した。 (3)耐熱性:3mm×30mm×0.5mmの短冊状
試験片を用いて、ガラス転移温度Tgを引っ張り法TM
Aにて加重2gで測定した。
【0089】(4)加熱による寸法変化:100mm×
100mm×0.5mm厚の試験片の四隅に、隣り合う
マーキング間の距離が約80mmになるように微細な十
字型のマーキングを施し、23℃、50%RHの恒温恒
湿室に1週間静置した後、正確に(精度±1μm)各マ
ーキング間の距離を測長する。この試験片をオーブン
中で150℃、3時間加熱し、再び23℃、50%R
Hの恒温恒湿室に1週間静置して冷却した後、加熱前
と同様に各マーキング間の距離を測長する。更に上記
、、の操作を二回繰り返し、下式に基づき1回目
の寸法変化量C1、2回目の寸法変化量C2、3回目の寸
法変化量C3を算出した。 加熱前のマーキング間の距離:a(μm) 加熱後のマーキング間の距離:b(μm) 寸法変化量c(%)=(a−b)×100/a
【0090】(5)温水浸漬にする寸法変化:100m
m×100mm×0.5mm厚の試験片の四隅に、隣り
合うマーキング間の距離が約80mmになるように微細
な十字型のマーキングを施し、23℃、50%RHの恒
温恒湿室に1週間静置した後、正確に(精度±1μm)
各マーキング間の距離を測長する。この試験片を、4
0℃の温水中に1時間浸漬し、表面の水分を吸湿紙で除
去して、再び23℃、50%RHの恒温恒湿室に1週
間静置した後に、温水浸漬前と同様に各マーキング間
の距離を測長する。更に、、の操作を二回繰り返
し、下式に基づき1回目の寸法変化量F1、2回目の寸
法変化量F2、3回目の寸法変化量F3を算出した。 温水浸漬前のマーキング間の距離:d(μm) 温水浸漬後のマーキング間の距離:e(μm) 寸法変化量f(%)=(d−e)×100/d
【0091】(6)反り量:長さ100mm×100m
m×0.5mm厚の試験片を、上に凸の状態になる向き
に、水平な定盤上に置き、定盤面と、定盤面から最も遠
い部分の下側までの距離g(mm)をノギスで測定し、
その距離のサンプル長さに対する割合を反り量(%)と
した。即ち、g/100×100=g(%)となる。そ
の際、硬化被膜側に凸の反りの場合、反り量をプラス値
とし、硬化被膜側に凹の反りの場合、反り量をマイナス
値として表した。測定は、寸法変化量と同様に加熱サイ
クル試験及び温水サイクル試験の各サイクル終了毎に行
った。
【0092】(7)ガスバリア測定:0.5mm厚の試
験片でオキシトラン社製酸素モコン測定器にて23℃、
湿度80%の条件下で酸素透過率を測定した。 (8)硬化被膜の硬度:JIS K5400に準拠し
て、硬化皮膜の鉛筆硬度を測定した。 (9)硬化被膜:断面をSEM観察することによって評
価した。
【0093】実施例1 (プラスチックシートの製造)ビス(ヒドロキシメチ
ル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=ジメタ
クリレート94部、ビス(ヒドロキシメチル)トリシク
ロ[5.2.1.02,6]デカン=モノメタクリレート
6部のアクリレート組成物に、ペンタエリスリトールテ
トラキス(β−チオプロピオネート)6部、光開始剤と
して2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホス
フィンオキシド(BASF社製「ルシリンTPO」)
0.1部、ベンゾフェノン0.1部を均一に撹拌混合し
た後、脱泡して組成物を得た。この組成物をスペーサー
として厚さ0.5mmのシリコン板を用いた光学研磨ガ
ラスの型に注液し、ガラス面より距離40cmで上下に
ある出力80W/cmのメタルハライドランプの間に
て、5分間紫外線を照射した。紫外線照射後脱型し、1
60℃で1時間加熱して硬化物を得た。硬化物の光線透
過率は92%、複屈折は1nm、耐熱性は190℃であ
った。
【0094】(ガスバリア膜の成膜)得られた0.5m
m厚の硬化物の片面に、スパッタ装置(徳田製作所;形
式CFS−4ES)にてSiOx を300Å成膜し
た。得られたプラスチック積層体の酸素透過率は0.4
cc/m2 ・24h・atmであった。
【0095】(硬化皮膜の成膜)得られたガスバリア膜
付きプラスチックシステムのSiOx面上に、ビス(ヒ
ドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デ
カン=ジアクリレート20部と2,4,6−トリメチル
ベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド2部と溶剤と
してプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト78部よりなる組成物をスピンコートした後、100
℃で5分加熱して溶剤を乾燥し、出力80W/cmのメ
タルハライドランプにて5分間紫外線を照射した。得ら
れた硬化被膜の鉛筆硬度は4H、膜厚は2μmであっ
た。また、加熱後及び温水浸漬による寸法変化は表1
に、反り量は表2に示す通りであった。
【0096】実施例2 ビス(オキシメチル)トリシクロ[5.2.1.
2,6 ]デカン=ジメタクリレート92部、ビス(ヒド
ロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ
ン=モノメタクリレート8部のアクリレート組成物を用
いる以外は、実施例1と同様に行い硬化物を得た。硬化
物の光線透過率は92%、複屈折は1nm、耐熱性は1
90℃、加熱及び温水浸漬による寸法変化は表1に、反
り量は表2に示す通りであった。
【0097】実施例3 ビス(オキシメチル)トリシクロ[5.2.1.
2,6 ]デカン=ジメタクリレート92部、ビス(ヒド
ロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ
ン=モノメタクリレート4部のアクリレート組成物を用
いる以外は、実施例1と同様に行い硬化物を得た。硬化
物の光線透過率は92%、複屈折は1nm、耐熱性は1
90℃、加熱及び温水浸漬による寸法変化は表1に、反
り量は表2に示す通りであった。
【0098】比較例1 市販の0.5mm厚のポリカーボネート製プラスチック
シートの加熱及び温水浸漬による寸法変化は表1に、反
り量は表2に示す通りであった。このシートの光線透過
率は90%、複屈折は10nm、耐熱性は140℃であ
った。
【0099】比較例2 実施例1で得られた0.5mm厚の硬化物の両面に、ス
パッタ装置(徳田製作所;形式CFS−4ES)にてS
iOxを300Å成膜した以外は、実施例1と同様に行
いプラスチック積層体を得た。プラスチック積層体の酸
素透過率は0.1cc/m2・24h・atmであっ
た。加熱及び温水浸漬による寸法変化は表1に、反り量
は表2に示す通りであった。
【0100】比較例3 実施例1で得られた片面にガスバリア膜付きプラスチッ
クシートのSiOx面とは反対側の面に、ビス(ヒドロ
キシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン
=ジアクリレート20部と2,4,6−トリメチルベン
ゾイルジフェニルホスフィンオキシド2部と溶剤として
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート7
8部よりなる組成物をスピンコートした後、100℃で
10分加熱して溶剤を乾燥し、出力80W/cmのメタ
ルハライドランプにて5分間紫外線を照射した以外は、
実施例1と同様に行い硬化被膜付きプラスチック積層体
を得た硬化被膜の鉛筆硬度は4Hであった。加熱及び温
水浸漬による寸法変化は表1に、反り量は表2に示す通
りであった。
【0101】比較例4 実施例1で得られたガスバリア膜付きプラスチックシー
トのSiOx面上に、ビス(ヒドロキシメチル)トリシ
クロ[5.2.1.02,6 ]デカン=ジアクリレート4
0部と2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホ
スフィンオキシド4部と溶剤としてプロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート56部よりなる組成物
をスピンコートした後、100℃で5分加熱して溶剤を
乾燥し、出力80W/cmのメタルハライドランプにて
5分間紫外線を照射した。得られた硬化被膜の鉛筆硬度
は4H、膜厚は15μmであった。また、加熱及び温水
浸漬による寸法変化は表1に、反り量は表2に示す通り
であった。
【0102】
【表1】
【0103】
【表2】
【0104】
【発明の効果】本発明によれば、液晶カラー表示用のパ
ネル作製に十分な寸法安定性及び形状安定性を有する基
板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスチック積層体の一態様を示す。
【図2】本発明のプラスチック積層体の一態様を示す。
【図3】本発明のプラスチック積層体の一態様を示す。
【図4】本発明のプラスチック積層体の一態様を示す。
【図5】本発明のプラスチック積層体の一態様を示す。
【図6】本発明のプラスチック積層体の一態様を示す。
【図7】本発明のプラスチック積層体の一態様を示す。
【符号の説明】
A 低複屈折板 B ガスバリア膜 C 硬化被膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 7/04 C08J 7/04 F 4J011 D 4J100 C08K 5/37 C08K 5/37 5C094 C08L 33/06 C08L 33/06 5G435 G02F 1/1333 500 G02F 1/1333 500 G09F 9/00 304 G09F 9/00 304Z 346 346A 9/30 310 9/30 310 //(C08F 220/20 (C08F 220/20 220:28) 220:28) Fターム(参考) 2H090 JB03 JD12 JD15 LA15 4F006 AA22 AB24 AB76 BA01 BA05 BA07 CA05 DA01 DA04 EA03 4F071 AA33 AA86 AC07 AC13 AC15 AE06 AF31Y AF54Y AG12 AG15 AH16 AH19 BC01 BC12 4F100 AA20B AH04A AK01A AK25A AK25C AK25J AL01A AR00B AR00C BA02 BA03 BA07 BA26 CC02C EH66B EJ08A EJ54 EJ54A EJ54C GB41 JA05A JD02 JD02B JJ03 JK12C JL04 JL04A JN01 JN01A JN18A YY00A 4J002 BG041 BG051 EE037 EV026 EV046 EW137 EW147 FD157 GP00 GP01 GQ00 4J011 AA05 NA25 NB03 QA03 QA12 SA01 SA21 UA01 UA06 VA02 WA07 WA10 4J100 AL08Q AL66P BA03P BA03Q BC12P BC12Q CA04 FA04 JA32 JA33 5C094 AA33 AA36 BA43 DA13 DA14 EB02 FB12 FB15 5G435 AA09 AA12 BB12 EE33 HH12 HH14

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックシートを空気中で150
    ℃、3時間加熱した後、50%RHの空気中で23℃、
    1週間放置する試験を三回繰り返す加熱サイクル試験に
    おいて、各回の試験前後の寸法変化量及び反り量がそれ
    ぞれ−0.02%以内及び±1%以内であることを特徴
    とするプラスチックシート。
  2. 【請求項2】 プラスチックシートを40℃の温水中に
    1時間浸漬した後、50%RHの空気中で23℃、1週
    間放置する試験を三回繰り返す温水サイクル試験におい
    て、各回の試験前後の寸法変化量及び反り量がそれぞれ
    +0.02%以内及び±1%以内であることを特徴とす
    るプラスチックシート。
  3. 【請求項3】 プラスチックシートを40℃の温水中に
    1時間浸漬した後、50%RHの空気中で23℃、1週
    間放置する試験を三回繰り返す温水サイクル試験におい
    て、各回の試験前後の寸法変化量及び反り量がそれぞれ
    +0.02%以内及び±1%以内である請求項1に記載
    のプラスチックシート。
  4. 【請求項4】 プラスチックシートのガラス転移温度が
    150℃以上である請求項1ないし3のいずれかに記載
    のプラスチックシート。
  5. 【請求項5】 プラスチックシートの複屈折が5nm以
    下である請求項1ないし4のいずれかに記載のプラスチ
    ックシート。
  6. 【請求項6】 プラスチックシートの厚みが0.05〜
    3mmの範囲である請求項1ないし5のいずれかに記載
    のプラスチックシート。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載のプ
    ラスチックシートの片面にのみガスバリア層を設けてな
    るプラスチック積層体。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし6のいずれかに記載のプ
    ラスチックシート又は請求項7に記載の積層体のガスバ
    リア層側の面に更に厚さ10μm以下の硬化被膜を設け
    てなるプラスチック積層体。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし6のいずれかに記載のプ
    ラスチックシート又は請求項7又は8に記載の積層体の
    少なくとも片面に導電膜を設けてなるプラスチックシー
    ト積層体。
  10. 【請求項10】 分子内に二個以上の重合性官能基を有
    する重合性単量体を含む重合性組成物を重合硬化させて
    得られる請求項1ないし6のいずれかに記載のプラスチ
    ックシート。
  11. 【請求項11】 重合性組成物が下記成分A、B及びC
    を含有してなるもの(但し、各成分の割合は成分Aと成
    分Bとの合計を100重量部として表す)である請求項
    10に記載のプラスチックシート。 成分A:一般式(I)で表される含脂環骨格ビス(メ
    タ)アクリレート:70〜99重量部 【化1】 (式中、R1 及びR2 は、それぞれ独立して、水素原子
    又はメチル基を示し、mは1又は2を示し、nは0又は
    1を示し、p及びqは、それぞれ独立して、0、1又は
    2を示す) 成分B:一般式(II)で表される含脂環骨格モノ(メ
    タ)アクリレート:1〜30重量部 【化2】 (式中、R3 は水素原子又はメチル基を示し、mは1又
    は2を示し、nは0又は1を示し、r及びsは、それぞ
    れ独立して、0、1又は2を示す) 成分C:少なくとも二官能性のメルカプト化合物:1〜
    10重量部
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の重合性組成物を賦
    形し、これをラジカル重合開始剤の存在下に活性エネル
    ギー線を照射して光重合硬化させて得られるプラスチッ
    クシート。
  13. 【請求項13】 液晶表示パネル用である請求項1〜1
    2のいずれかに記載のプラスチックシート。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002121229A (ja) * 2000-10-17 2002-04-23 Mitsubishi Chemicals Corp 光硬化性組成物、低複屈折光学部材及びその製造方法
JP2010228412A (ja) * 2009-03-30 2010-10-14 Fujifilm Corp ガスバリアフィルムおよびバリア性積層体の製造方法
WO2017058699A1 (en) * 2015-09-30 2017-04-06 3M Innovative Properties Company Multilayer barrier stack

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