JP2002060506A - 寸法安定性の高いプラスチック基板 - Google Patents

寸法安定性の高いプラスチック基板

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JP2002060506A
JP2002060506A JP2000249143A JP2000249143A JP2002060506A JP 2002060506 A JP2002060506 A JP 2002060506A JP 2000249143 A JP2000249143 A JP 2000249143A JP 2000249143 A JP2000249143 A JP 2000249143A JP 2002060506 A JP2002060506 A JP 2002060506A
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plastic sheet
bis
acrylate
test
plastic
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Application number
JP2000249143A
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English (en)
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Satoshi Ezaki
聡 江崎
Seiichiro Hayakawa
誠一郎 早川
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パネル製造時における加熱や温水洗浄工程後
における寸法変化の小さい基板の提供。 【解決手段】 プラスチックシートを空気中で150
℃、3時間加熱した後、50%RHの空気中で23℃、
1週間放置する加熱試験において、試験後の寸法変化量
が±0.01%以内である及び/又はプラスチックシー
トを40℃の温水中に1時間浸漬した後、50%RHの
空気中で23℃、1週間放置する温水試験において、試
験後の寸法変化量が±0.01%以内であることを特徴
とするプラスチックシート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、寸法安定性の良好
なプラスチック基板に関する。詳しくは、パネル製造時
の、加熱や温水洗浄工程後の寸法変化の小さいプラスチ
ック基板に関する。本発明の基板は、有機EL表示パネ
ル用、タッチパネル用等の表示用、光ディスク等の記
憶、記録用、太陽電池パネル用、等の光学部材、特に低
複屈折光学部材、殊に液晶表示パネル用に好適である。
【0002】
【従来の技術】従来使用されている液晶表示パネル(セ
ルと呼ばれることがある)は、ガラス板を基板として使
用するものであるが、このようなパネルでは、ガラスの
低密度化と機械的強度の向上に関して限界があるため、
現在要望されている軽量薄型化に対応できない。また、
生産性の向上に関しても成形性、加工性の観点から問題
点が指摘されており、プラスチックを基板として用いた
パネルに注目が集まっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガラス
の代りにプラスチック基板を使用した場合、従来用いら
れているプラスチック基板については、パネルを製造す
る際の、加熱や温水洗浄工程の工程後において、基板の
脱ガスや脱水、吸湿等に伴う寸法変化が大きく、パネル
が完全に設計通りに製造された場合であっても、製造後
に表示不良を来たす。
【0004】特にカラー表示を行うパネルを作製する際
には、この寸法変化が大きな問題となる。通常カラー表
示には、カラーフィルターと呼ばれるR(赤)、G
(緑)、B(青)及びブラックマトリックス(黒)が形
成された基板と、対向基板と呼ばれるこれらの画素のな
い基板が必要となる。このカラーフィルター上に透明電
極をパターニングしたものと、対向基板上に透明電極を
パターニングしたものを、共に配向膜処理した後シール
材を介して貼り合わせ、基板間に液晶を注入することに
より表示用パネルが完成する。このパネル化工程後に基
板が寸法変化を起こすと、下記のような問題が発生す
る。 (1)パネル全体又は一部に応力歪みが生じ耐久性が低
下する。 (2)貼り合わせ後の基板がたわみ、セルギャップが変
化し、表示品質が低下する。 従って液晶表示パネルを作製する場合には、上記問題を
改良する寸法安定性の高いプラスチック基板が不可欠と
なっている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる事
情に鑑み、パネル化工程後における基板の寸法変化につ
いて詳細に検討を行った。パネル化工程においては、主
として、下記の二つの処理がある。 (1)画素を形成する際のインキ乾燥時や透明電極成膜
時、配向膜焼結時等に行われる加熱処理。 (2)画素形成後や透明電極パターニング後、或いは配
向膜処理後に行われる温水洗浄処理。 これらの処理の結果、基板は一旦、内部ガスの揮発や吸
水により、寸法収縮或いは寸法膨張を起こす。その後基
板を常温常湿条件下で保管(例えば23℃、50%R
H、1週間)しておくと、生じた寸法収縮或いは寸法膨
張によって変化した寸法は、初期の値に漸近する。とこ
ろが、延伸操作等により基板面内に何らかのストレスや
構造上の不均一性がある場合や、基板の厚み精度が低い
場合には、上記の加熱処理や温水洗浄処理における不均
一な内部ガス揮発や吸水脱水が原因となって、生じた寸
法収縮或いは寸法膨張によって変化した寸法が、処理後
一定時間を経過しても初期の値に戻らなかったり、或い
は継続的に不規則な寸法変化を起こしたりすることが判
明した。そして本発明者らは、かかる基板の寸法変化挙
動の解析結果、液晶表示パネル用のプラスチックシート
としては、特定の加熱試験後における寸法変化及び特定
の温水試験後における寸法変化がそれぞれ或る範囲内に
あるものを用いることが必要であること、更に、かかる
プラスチックシートが特定の重合性組成物を重合硬化さ
せることにより得られることを見出し、本発明を完成す
るに至った。
【0006】即ち、本発明の要旨は、プラスチックシー
トを空気中で150℃、3時間加熱した後、50%RH
の空気中で23℃、1週間放置する加熱試験において、
試験後の寸法変化量が±0.01%以内であることを特
徴とするプラスチックシート及び/又はプラスチックシ
ートを40℃の温水中に1時間浸漬した後、50%RH
の空気中で23℃、1週間放置する温水試験において、
試験後の寸法変化量が±0.01%以内であることを特
徴とするプラスチックシート、にある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のプラスチックシートは、(1)空気中で150
℃、3時間加熱した後、50%RHの空気中で23℃、
1週間放置する加熱試験において、試験後の寸法変化量
が±0.01%以内、好ましくは±0.005%以内及
び/又は(2)40℃の温水中に1時間浸漬した後、5
0%RHの空気中で23℃、1週間放置する温水試験に
おいて、試験後の寸法変化量が±0.01%以内、好ま
しくは±0.005%以内のものである。
【0008】(加熱試験) (1)の加熱試験は、プラスチックシートからパネルを
製造する際の加熱処理条件を参酌して設定したものであ
る。即ち、プラスチックシートは、パネル製造の際、画
素形成時、透明電極形成時及び配向膜形成時において、
複数回の加熱工程を経るが、この条件は、空気中で15
0℃近辺で数時間加熱されるものである。そして、空気
中で23℃、1週間放置する条件については、これらの
加熱工程内におけるプラスチックシートの保管条件の代
表例として、またJIS K−7100記載の恒温恒湿
条件に準ずるものとして設定した。
【0009】(温水試験)また(2)の温水試験は、
(1)と同様にプラスチックシートからパネルを製造す
る際の温水処理条件を参酌して設定したものである。即
ち、プラスチックシートは、パネル製造の際、画素形成
前、透明電極形成前、配向膜形成後にそれぞれ複数回温
水洗浄されるが、この洗浄は通常、40℃の温水で数時
間行われている。そして、空気中で23℃、1週間放置
する条件については、これらの洗浄工程内におけるプラ
スチックシートの保管条件の代表例として、また、JI
S K−7100に準ずるものとして設定した。なお、
試験条件の許容範囲は、±2℃、±5%RH、±5分で
ある。
【0010】加熱試験又は温水試験後の寸法変化は、好
ましくは±0.005%以内である。これよりも大きい
と、パネルの全体又は一部に応力歪みが生じてセルの耐
久性が著しく低下する可能性や、セル貼り合わせ後のセ
ルギャップが変化して表示品質が低下する可能性が著し
く増大するため好ましくない。加熱試験において、試験
後の寸法変化量が±0.01%以内であるプラスチック
シートを得るためには、150℃以上の耐熱性を有して
いることは必須条件である。即ち、ガラス転移温度が1
50℃未満の場合には、加熱試験後、即ち、製造工程後
においてシート全体が変形を起こしたり、熱による構造
変化のために一定時間の恒温恒湿条件を経ても寸法が安
定せず、その後の寸法が維持されないため、上記のごと
き耐久性低下や表示品質低下の可能性が増大し好ましく
ない。また温水試験後、即ち、製造工程後の寸法変化量
が±0.01%以内であるプラスチックシートを得るた
めには、シートの樹脂成分が水分と反応して組成変化を
起こさないことが必須条件である。組成変化を起こす
と、一定時間の恒温恒湿条件を経ても寸法が安定せず、
初期の寸法が維持されないため、上記のごとき耐久性低
下や表示品質低下の可能性が増大し好ましくない。
【0011】シート内に水分以外の揮発ガス(加熱によ
る分解ガスを含む)が無いことも重要な因子である。即
ち、シート内に残存溶剤等の揮発成分があると、加熱試
験において揮発していく結果、えてして寸法が試験前よ
り収縮する傾向にあり、寸法が安定しにくいため、上記
のごとき耐久性低下や表示品質低下の可能性が増大し好
ましくない。本発明のプラスチックシートとしては、高
い面内厚み精度を有しているものが好ましく用いられ
る。その好ましい面内厚み精度の範囲は、そのプラスチ
ックシートの平均厚みを100%とした場合、5%以内
である。それよりも精度が悪くなると、加熱試験や温水
試験後の寸法安定性が低下し、上記のごとき耐久性低下
や表示品質低下の可能性が増大し好ましくない。
【0012】かかるプラスチックシートについては、特
に限定されるものではなく、その材料としては種々のプ
ラスチックが使用できるが、エポキシ系樹脂、アクリル
系樹脂、等の熱硬化性又は光硬化性プラスチックが好ま
しく、後述する特定の重合性組成物を重合硬化させて得
られるものが特に好ましい。以下、光硬化性組成物、こ
れを重合硬化させて得られるプラスチックシート(以
下、光硬化性樹脂層又は光硬化性樹脂シートということ
がある)及びそのシートを用いるプラスチック積層体に
ついて述べる。
【0013】(光硬化性組成物)本発明に用いられる光
硬化性組成物とは、成分A、B及びCを含有してなるも
のである。ここで、「含有してなる」とは、挙示成分
A、B及びCの外に、本発明の趣旨を損なわない限り、
少量の補助成分を含有してもよいことを意味する。
【0014】なお、「(メタ)アクリル」及び「(メ
タ)アクリレート」とは、アクリルないしメタクリル及
びアクリレートないしメタクリレートをそれぞれ総称す
るものである。 <成分A:含脂環骨格ビス(メタ)アクリレート>成分
Aは、式(I)で表される脂環式炭化水素骨格を有する
ビス(メタ)アクリレート(含脂環骨格ビス(メタ)ア
クリレート又はビス(メタ)アクリレートと略記するこ
とがある)である。
【0015】
【化3】
【0016】(式中、R1 及びR2 は、それぞれ独立し
て、水素原子又はメチル基を示し、mは1又は2を示
し、nは0又は1を示し、p及びqは、それぞれ独立し
て0、1又は2を示す) 式(I)の含脂環骨格ビス(メタ)アクリレートの具体
例としては、例えばビス(ヒドロキシ)トリシクロ
[5.2.1.02,6 ]デカン=ジアクリレート、ビス
(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ
ン=ジメタクリレート、ビス(ヒドロキシ)トリシクロ
[5.2.1.02,6]デカン=アクリレートメタクリ
レート及びこれらの混合物、ビス(ヒドロキシ)ペンタ
シクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタ
デカン=ジアクリレート、ビス(ヒドロキシ)ペンタシ
クロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタデ
カン=ジメタクリレート、ビス(ヒドロキシ)ペンタシ
クロ[6.5.1.13,6 .0 2,7 .09,13]ペンタデ
カン=アクリレートメタクリレート及びこれらの混合
物、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.
1.02,6 ]デカン=ジアクリレート、ビス(ヒドロキ
シメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=
ジメタクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシク
ロ[5.2.1.02, 6 ]デカン=アクリレートメタク
リレート及びこれらの混合物、ビス(ヒドロキシメチ
ル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .0
9,13]ペンタデカン=ジアクリレート、ビス(ヒドロキ
シメチル)ペンタシクロ[6.5.1.13, 6
2,7 .09,13]ペンタデカン=ジメタクリレート、ビ
ス(ヒドロキシメチル)ペンタシクロ[6.5.1.1
3,6 .02,7 .09,13]ペンタデカン=アクリレートメ
タクリレート及びこれらの混合物、ビス(ヒドロキシエ
チル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=ジア
クリレート、ビス(ヒドロキシエチル)トリシクロ
[5.2.1.02,6 ]デカン=ジメタクリレート、ビ
ス(ヒドロキシエチル)トリシクロ[5.2.1.0
2,6 ]デカン=アクリレートメタクリレート及びこれら
の混合物、ビス(ヒドロキシエチル)ペンタシクロ
[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタデカン
=ジアクリレート、ビス(ヒドロキシエチル)ペンタシ
クロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタデ
カン=ジメタクリレート、ビス(ヒドロキシエチル)ペ
ンタシクロ[6.5.1.1 3,6 .02,7 .09,13]ペ
ンタデカン=アクリレートメタクリレート及びこれらの
混合物、等が挙げられる。
【0017】これらの中、ビス(ヒドロキシメチル)ト
リシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=ジアクリレー
ト、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.
1.0 2,6 ]デカン=ジメタクリレート、ビス(ヒドロ
キシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン
=アクリレートメタクリレート及びこれらの混合物が好
ましい。
【0018】なお、これらのトリシクロデカン化合物及
びペンタシクロデカン化合物は、群内及び/又は群間で
二種以上併用してもよい。本発明に用いる光硬化性組成
物中のビス(メタ)アクリレートの割合は、成分Aと成
分Bとの合計(以下、全アクリレート成分ということが
ある)100重量部に対して70〜99重量部、好まし
くは80〜98重量部、より好ましくは88〜97重量
部、特に好ましくは92〜96重量部である。
【0019】ビス(メタ)アクリレートの製造方法につ
いては、特に限定されるものではなく、一般的なエステ
ル合成法(日本化学会編,新実験化学講座,14,有機
化合物の合成と反応(II)(丸善,1977年刊)等に
準拠して行うことができるが、代表的な製造方法として
は、(i)式(1)で表される含脂環骨格ジオール(以
下、式(1)のジオール又はジオールと略記することが
ある)と(メタ)アクリル酸とのエステル化反応による
方法(特開昭62−225508号公報)、
【0020】
【化4】
【0021】(式中、mは1又は2であり、nは0又は
1である) なお、式(1)の化合物の具体例としては、例えばビス
(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.
2,6 ]デカン、ビス(ヒドロキシメチル)ペンタシク
ロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタデカ
ン等を挙げることができる。これらの中、ビス(ヒドロ
キシメチル)トリシクロデカンは、「TCDアルコール
DM(ヘキスト社商品名)」として市販されている。
【0022】(ii)ジオールと(メタ)アクリル酸エス
テルとのエステル交換反応による方法、(iii)ジオー
ルと(メタ)アクリル酸ハライドとの反応による方法、
等が挙げられる。これらの中、(i)及び(ii)の方法
が実用的であり、好ましい。
【0023】(i)のジオールと(メタ)アクリル酸と
のエステル化反応は、ジオール1モルに対して、通常
2.0〜2.6モルの(メタ)アクリル酸を用い、触媒
として、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、フッ化硼素、p
−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、カチオン
型イオン交換樹脂等を用い、通常トルエン、ベンゼン、
へプタン、ヘキサン等の溶媒の存在下、反応により生成
する水を留去しながら行う。また、(ii)のジオールと
(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応は、
ジオール1モルに対して、一般的には(メタ)アクリル
酸メチルを通常2.0〜10.0モルを用い、触媒とし
て、例えば、硫酸、P−トルエンスルホン酸、テトラブ
チルチタネート、テトライソプロピルチタネート、カリ
ウムブトキシド等を用い、通常トルエン、ベンゼン、ヘ
プタン、ヘキサン等の溶媒の存在下、反応により生成す
るメタノールを留去しながら行う。
【0024】反応は、重合禁止剤として、例えば、ハイ
ドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェ
ノチアジン、銅塩等を用いることができる。これらの反
応においては、反応の進行状況を高速液体クロマトグラ
フ、ガスクロマトグラフ等により分析し、反応が100
%完結する前段階で停止して、反応混合物から未反応の
ジオール、(メタ)アクリル酸、触媒、重合禁止剤、溶
媒、等を除去することにより、ビス(メタ)アクリレー
トとモノ(メタ)アクリレートとの混合物を得ることが
できる。
【0025】そして、その混合割合が適当なものについ
ては、本発明に用いる光硬化性組成物の成分Aと成分B
との混合物原料として、そのまま用いることができるの
で、便利であり、好ましい。 <成分B:含脂環骨格モノ(メタ)アクリレート>成分
Bは、式(II)で表される脂環式炭化水素骨格を有する
モノ(メタ)アクリレート(含脂環骨格モノ(メタ)ア
クリレート又はモノ(メタ)アクリレートと略記するこ
とがある)である。
【0026】
【化5】
【0027】(式中、R3 は水素原子又はメチル基を示
し、mは1又は2を示し、nは0又は1を示し、r及び
sは、それぞれ独立して、0、1又は2を示す) 式(II)の含脂環骨格モノ(メタ)アクリレートの具体
例としては、例えばビス(ヒドロキシ)トリシクロ
[5.2.1.02,6 ]デカン=モノアクリレート、ビ
ス(ヒドロキシ)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デ
カン=モノメタクリレート及びこれらの混合物、ビス
(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.1 3,6 .0
2,7 .09,13]ペンタデカン=モノアクリレート、ビス
(ヒドロキシ)ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .0
2,7 .09,13]ペンタデカン=モノメタクリレート及び
これらの混合物、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ
[5.2.1.02,6 ]デカン=モノアクリレート、ビ
ス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.0
2,6 ]デカン=モノメタクリレート及びこれらの混合
物、ビス(ヒドロキシメチル)ペンタシクロ[6.5.
1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタデカン=モノアク
リレート、ビス(ヒドロキシメチル)ペンタシクロ
[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペンタデカン
=モノメタクリレート及びこれらの混合物、ビス(ヒド
ロキシエチル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ
ン=モノアクリレート、ビス(ヒドロキシエチル)トリ
シクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=モノメタクリレ
ート及びこれらの混合物、ビス(ヒドロキシエチル)ペ
ンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .09,13]ペ
ンタデカン=モノアクリレート、ビス(ヒドロキシエチ
ル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7 .0
9,13]ペンタデカン=モノメタクリレート及びこれらの
混合物、等が挙げられる。
【0028】これらの中、ビス(ヒドロキシメチル)ト
リシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=モノアクリレ
ート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[5.2.
1.02,6 ]デカン=モノメタクリレート及びこれらの
混合物、が好ましい。これらのトリシクロデカン化合物
及びペンタシクロデカン化合物は、群内及び/又は群間
で二種以上併用してもよい。
【0029】本発明に用いる光硬化性組成物中のモノ
(メタ)アクリレートの割合は、全アクリレート成分1
00重量部に対して1〜30重量部、好ましくは2〜2
0重量部、より好ましくは3〜12重量部、特に好まし
くは4〜8重量部である。モノ(メタ)アクリレートの
割合が少なすぎると、硬化樹脂の機械強度改良効果が得
られなくなるし、逆に多すぎると硬化樹脂の耐熱性が低
下する。
【0030】かかるモノ(メタ)アクリレートについて
は、式(I)のビス(メタ)アクリレートの合成法の例
えば(i)又は(iii)の方法において、ジオール1モ
ルに対する(メタ)アクリル酸の量を半分の1〜1.3
モルにするとか、(メタ)アクリル酸ハライドの量を半
分の1モルにするとかにして、半エステルが生成する条
件で反応を行うことにより合成することができる。
【0031】しかしながら、前記の式(I)のビス(メ
タ)アクリレートを例えば(i)の方法により合成する
際に、前述したように、反応を途中で停止することによ
り、モノ(メタ)アクリレートの所望量を含むビス(メ
タ)アクリレートの混合物が得られ、これを本発明に用
いる光硬化性組成物の原料としてそのまま使用すること
ができるので、通常は、モノ(メタ)アクリレートを別
途合成するには及ばない。
【0032】<成分C:少なくとも二官能性のメルカプ
ト化合物>本発明に用いる光硬化性組成物に用いられる
メルカプト化合物は、少なくとも二官能性の、好ましく
は三官能性以上のメルカプト化合物(以下、多官能メル
カプト化合物ということがある)である。少なくとも二
官能性のメルカプト化合物の具体例としては、例えば一
般式(III)、(IV)及び(V)でそれぞれ表される化
合物並びに2,2−ビス(2−ヒドロキシ−3−メルカ
プトプロポキシフェニル)プロパン、1,10−デカン
ジチオール、ジメルカプトトリエチレンジスルフィド、
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプ
ロピレングリコールジグリシジルエーテル、のようなジ
グリシジル化合物と硫化水素との反応により合成される
ジメルカプト化合物、等が挙げられる。
【0033】
【化6】
【0034】(式中、R4 はメチレン基又はエチレン基
を示し、R5 はエーテル酸素を含んでいてもよい炭素数
2〜15の炭化水素残基を示し、aは2〜6の整数を示
す) 式(III)において、R5 はエーテル酸素を含んでいて
もよい炭素数2〜15の炭化水素残基であるが、その具
体例としては、例えばペンタエリスリトール残基、ジペ
ンタエリスリトール残基、トリメチロールプロパン残
基、エチレングリコール残基、ジエチレングリコール残
基、トリエチレングリコール残基、ブタンジオール残
基、等が挙げられる。
【0035】式(III)のメルカプト化合物は、2〜6
価のチオグリコール酸エステル又はチオプロピオン酸エ
ステルであるが、その具体例としては、例えば、ペンタ
エリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネー
ト)、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレ
ート)、トリメチロールプロパントリス(β−チオプロ
ピオネート)、トリメチロールプロパントリス(チオグ
リコレート)、エチレングリコールビス(β−チオプロ
ピオネート)、エチレングリコールビス(チオグリコレ
ート)、ジエチレングリコールビス(β−チオプロピオ
ネート)、ジエチレングリコールビス(チオグリコレー
ト)、トリエチレングリコールビス(β−チオプロピオ
ネート)、トリエチレングリコール(チオグリコレー
ト)、ブタンジオールビス(β−チオプロピオネー
ト)、ブタンジオールビス(チオグリコレート)、ジペ
ンタエリスリトールヘキサキス(β−チオプロピオネー
ト)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(チオグリコ
レート)等が挙げられる。
【0036】
【化7】
【0037】(式中、XはHS−(CH2 b −CO−
(OCH2 CH2 d −(CH2 c−を示す。但し、
b及びcは、それぞれ独立して、1〜8の整数を示し、
dは0、1又は2を示す) 式(IV)の化合物は、ω−チオール基含有イソシアネー
トである。式(IV)の化合物の具体例としては、例え
ば、トリス[2−(β−チオプロピオニルオキシ)エチ
ル]イソシアヌレート、トリス(2−チオグリコニルオ
キシエチル)イソシアヌレート、トリス[2−(β−チ
オグリコニルオキシエトキシ)エチル]イソシアヌレー
ト、トリス(2−チオグリコニルオキシエトキシ)エチ
ル]イソシアヌレート、トリス[3−(β−チオプロピ
オニルオキシ)プロピル]イソシアヌレート、トリス
(3−チオグリコニルオキシプロピル)イソシアヌレー
ト等が挙げられる。
【0038】
【化8】
【0039】(式中、R6 及びR7 は、それぞれ独立し
て、アルキレン基を示し、e及びfは、それぞれ独立し
て、0又は1を示し、gは1又は2を示す) 式(V)の化合物はチオール基含有炭化水素である。式
(V)の化合物の具体例としては、例えばベンゼンジメ
ルカプタン、キシリレンジメルカプタン、4,4′−ジ
メルカプトジフェニルスルフィド、等が挙げられる。
【0040】これらの少なくとも二官能性のメルカプト
化合物の中、式(III)、(IV)及び(V)でそれぞれ
表される化合物が好ましく、これらの化合物の中、三官
能性以上のメルカプト化合物がより好ましく、四官能性
のメルカプト化合物が特に好ましい。本発明に用いる光
硬化性組成物中の少なくとも二官能性のメルカプト化合
物の配合割合は、全アクリレート成分100重量部に対
して1〜10重量部、好ましくは4〜8の重量部であ
る。
【0041】メルカプト化合物の割合が少なすぎると、
硬化樹脂の複屈折が増大するし、逆に多すぎると硬化樹
脂の耐熱性が低下する。本発明に用いる光硬化性組成物
の中から、前記成分Bの含脂環骨格モノ(メタ)アクリ
レートを除いた組成物でも、低複屈折性と高耐熱性の二
つの課題だけであれば解決することが可能である。即
ち、前記成分Aの含脂環骨格ビス(メタ)アクリレート
と前記成分Cの多官能メルカプト化合物よりなる組成物
を光重合硬化させることにより、低複屈折且つ高耐熱性
を有する樹脂が得られる。多官能メルカプト化合物を配
合する理由は、メルカプト化合物中のチオール基が連
鎖移動剤として作用し、重合硬化を緩やかに均一に進行
させることにより、硬化物中の複屈折を大幅に低減す
る。また分子内に二個以上のチオール基を有する多官
能性のメルカプト化合物を用いることにより、前記成分
Aのビス(メタ)アクリレート化合物から形成される三
次元網目構造にメルカプタン化合物が入り込む際、耐熱
性を損なうことなく上記複屈折の問題を解決することが
できる。
【0042】しかしながら、成分Aも成分Cも多官能性
であり、得られる硬化物は高度に架橋された高分子構造
を有するため、耐衝撃性等の機械強度に劣る問題があ
る。この問題は前記成分Bの含脂環骨格モノ(メタ)ア
クリレートを特定の割合配合することにより解決され
る。即ち、高度に架橋された高分子の中に、単官能であ
り、架橋には寄与しない成分Bが入り込むことにより、
架橋密度が適度に制御される。その結果、耐衝撃性等の
機械強度が向上すると共に、成形時の製品割れ等生産歩
留まりの問題を解決することができる。
【0043】重要なのは成分Bを配合した際に、硬化物
の複屈折を増大させたり、耐熱性の低下や吸水率の悪化
を引き起こさないことであるが、本発明における成分B
は、成分Aと同様な脂環骨格を有する(メタ)アクリレ
ートであるため両者の重合速度はほぼ等しく、また相分
離を起こさないため全く複屈折は変化しない。耐熱性や
吸水率に関しても、成分AとBからそれぞれ得られる硬
化物は同様な特性を持つため、性能悪化を引き起こすこ
となく液晶表示用の低複屈折光学部材として十分な性能
を維持している。
【0044】<ラジカル重合開始剤>本発明に用いる光
硬化性組成物の共重合に用いられるラジカル重合開始剤
(以下、光重合開始剤又は光開始剤ということがある)
については、紫外線等の活性エネルギー線によりラジカ
ルを発生するものであれば、特に限定されるものではな
い。その具体例としては、例えば一般式(VI)で表され
る化合物、アセトフェノン系光開始剤及びベンゾフェノ
ン系光開始剤を挙げることができる。
【0045】
【化9】
【0046】(式中、R8 はメチル基、メトキシ基又は
塩素原子を示し、nは2又は3の数を示し、Rはフェニ
ル基又はメトキシ基を示す) そして、式(VI)の化合物の具体例としては、例えば
2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキ
シド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホ
スフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイル
フェニルホスフィン酸メチルエステル、2,6−ジクロ
ルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6−
ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等
のアシルホスフィンオキシド及びアシルホスフィン酸エ
ステル類、を挙げることができる。
【0047】また、アセトフェノン系化合物の具体例と
しては、例えば1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メ
チルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン、4−ジフェノキシジクロロアセトフ
ェノン、ジエトキシジアセトフェノン、1−(4−イソ
プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロ
パン−1−オン、等を挙げることができる。
【0048】また、ベンゾフェノン系化合物の具体例と
しては、例えばベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸メ
チル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾ
フェノン、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフ
ェノン、ジフェノキシベンゾフェノン、等を挙げること
ができる。これらの中、2,4,6−トリメチルベンゾ
イルジフェニルホスフィンオキシド、トリメチルベンゾ
イルフェニルホスフィン酸メチルエステル、1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾフェノン及
び、ジフェノキシベンゾフェノンが好ましく、2,4,
6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシ
ド、ベンゾフェノンが特に好ましい。
【0049】これらの光重合開始剤は二種以上を併用し
てもよい。なお、光重合開始剤の添加量は、モノマー1
00重量部に対し0.01〜1重量部、好ましくは0.
02〜0.3重量部である。光重合開始剤の添加量が多
すぎると、重合が急激に進行し複屈折の増大をもたらす
だけでなく色相も悪化する。また、少なすぎると組成物
を十分に硬化させることができなくなる。
【0050】<補助成分>本発明に用いる低複屈折材料
は成分A、B及びCを含んでなる組成物を重合硬化させ
てなるものであり、この組成物が少量の補助成分を含ん
でもよいことは前記したところである。従って本発明に
用いるプラスチックシート用樹脂は、その硬化前の組成
物100重量部に対し30重量部程度までの量でラジカ
ル重合可能な他の単量体を混合して共重合させて製造す
ることも可能である。その際に用いる他の単量体として
は、例えばメチル(メタ)アクリレート、フェニル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、メタクリロイルオキシメチルテトラシクロデ
カン、メタクリロイルオキシメチルテトラシクロドデセ
ン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘ
キセンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノー
ルAジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレー
ト、ビスフェノールAアクリレートメタクリレート及び
これらの混合物、ビスフェノールAビス[(オキシエチ
ル)エーテル]=ジアクリレート、ビスフェノールAビ
ス[(オキシエチル)エーテル]=ジメタクリレート、
ビスフェノールAビス[(オキシエチル)エーテル]=
アクリレートメタクリレート及びこれらの混合物、テト
ラブロモビスフェノールAビス[(オキシエチル)エー
テル]=ジアクリレート、テトラブロモビスフェノール
Aビス[(オキシエチル)エーテル]=ジメタクリレー
ト、テトラブロモビスフェノールAビス[(オキシエチ
ル)エーテル]=アクリレートメタクリレート及びこれ
らの混合物、ビスフェノールAビス[(ジオキシエチ
ル)エーテル]=ジアクリレート、ビスフェノールAビ
ス[(ジオキシエチル)エーテル]=ジメタクリレー
ト、ビスフェノールAビス[(ジオキシエチル)エーテ
ル]=アクリレートメタクリレート及びこれらの混合
物、ビスフェノールAビス[(ポリオキシエチル)エー
テル]=ジアクリレート、ビスフェノールAビス[(ポ
リオキシエチル)エーテル]=ジメタクリレート、ビス
フェノールAビス[(ポリオキシエチル)エーテル]=
アクリレートメタクリレート、2,2′−ビス[4−
(β−メタクリロイルオキシエトキシ)シクロヘキシ
ル]プロパン、1,4−ビス(メタクリロイルオキシメ
チル)シクロヘキサン、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合
物、スチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン、α
−メチルスチレン等の核及び/又は側鎖置換及び非置換
スチレン等が挙げられる。
【0051】これらの他の単量体の中でもメタクリロイ
ルオキシメチルシクロドデカン、2,2−ビス[4−
(β−メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]プロ
パン、2,2−ビス[4−(β−メタクリロイルオキシ
エトキシ)シクロヘキシル]プロパン、1,4−ビス
(メタクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、及び
これらの混合物が特に好ましい。
【0052】補助成分としては、その他にも、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、染顔料、充填剤等がある。なお、所
望により添加してもよい紫外線吸収剤については、特に
限定されるものではないが、ベンゾフェノン系のもの
と、トリアゾール系のものが好ましく、これらは単独で
使用してもよく、また二種以上を併用してもよい。
【0053】その具体例としては、2,4−ジヒドロキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフ
ェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシロキシベンゾ
フェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベン
ゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジメ
トキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、2
−(2′−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ
ターシャリーブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2′−ヒドロキシ−3′−ターシャリーブチル−
5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾ
トリアゾール系化合物を挙げることができる。
【0054】これらの紫外線吸収剤の割合は、ジエチレ
ン性不飽和単量体100重量部に対して、0.01〜
0.2重量部、好ましくは0.03〜0.1重量部であ
る。紫外線吸収剤の配合割合が、多すぎると、硬化物が
充分に硬化しないが、もしくは、得られた硬化物の内部
均質性が悪くなる。また、少なすぎると、所望の紫外線
カット性が得られなくなる。
【0055】(プラスチックシートの製造) <光硬化性組成物の共重合>本発明に用いる光硬化性組
成物については、ラジカル重合開始剤の存在下に活性エ
ネルギー線を照射することにより容易に共重合(光重
合、光重合硬化又は光硬化ということがある)させるこ
とができる。光硬化性組成物を硬化させるときに使用す
るキャビティを構成する平板は、活性エネルギー線を効
果的に透過させることができる透明な材料である必要が
あり、ガラス等が好ましく用いられる。本発明における
プラスチックシートは、高い面内厚み精度を有している
ことが好ましく、その成形のためのキャビティ用ガラス
板及びスペーサーも同様の厚み精度を有していることが
必要である。
【0056】即ち、厚さammのプラスチックシートを
製造する場合、シートの好ましい厚み精度は±5a×1
-2mmであるが、その場合の必要条件は、 (1)ガラス板の厚みのバラツキの許容範囲が±5a×
10-2mmであること (2)スペーサーの厚みのバラツキの許容範囲が±5a
×10-2mmであること、である。 また、高い面内厚み精度を有するプラスチックシートを
得るために、キャビティを構成する平板間の距離を一定
に保つための措置を施すことができる。例えば比較的厚
いガラス(5mm以上)を用いる方法、治具を用いてガ
ラスの中央部を外側から固定する方法、スペーサーを用
いる方法等の方法が好ましく用いられる。
【0057】活性エネルギー線については、ラジカル重
合開始剤に作用してラジカルを発生させるものであれば
特に限定されるものではなく、例えば電子線、紫外線等
を用いることができる。これらの中、モノマー及び重合
開始剤の種類、量を参酌して、200〜400nmの紫
外線を好ましくは0.1〜200jの範囲で照射するの
が好ましい。
【0058】照射が極端に少ない場合は重合が不完全な
ため硬化物の耐熱性、機械特性が十分に発現されず、逆
に極端に過剰な場合は硬化物の黄変等の光による劣化を
生じるので好ましくない。そして、活性エネルギー線の
照射については、一段で行ってもよいが、表面性状の良
好なシートを得るためには、複数段で、少なくとも二段
で行うことが好ましい。
【0059】照射を二段で行う場合、その第一段階では
活性エネルギー線の硬化所要量の15%以下、好ましく
は10%以下、特に好ましくは7%以下を照射して、キ
ャビティ内の光硬化性樹脂を自己保形性を有するよう
に、即ち、スペーサーを取外しても樹脂が漏洩しないよ
うにゲル化させる。なお、本明細書において活性エネル
ギー源の硬化所要量とは、キャビティ内の樹脂組成物の
エチレン性炭素−炭素二重結合の80%を消失させるの
に要する照射量を指すものとする。なお、活性エネルギ
ー線の照射によるエチレン性炭素−炭素二重結合の消失
の割合は、下記式により算出される。
【0060】消失量=(1−K/M)×100(%) M=AM /BMM :活性エネルギー線照射前の赤外吸収における二重
結合のピーク面積 BM :活性エネルギー線照射前の赤外吸収におけるC−
H結合のピーク面積 K=AK /BKK :活性エネルギー線照射後の赤外吸収における二重
結合のピーク面積 BK :活性エネルギー線照射後の赤外吸収におけるC−
H結合のピーク面積 なお、二重結合のピークは1658.5〜1591cm
-1に出現し、C−H結合のピークは3210〜280
9.8cm-1に出現する。
【0061】この第一段階における活性エネルギー線照
射量が硬化所要量の15%を超えると、硬化収縮が起
り、キャビティ内の樹脂が面板から剥離して、生成する
樹脂シート表面に欠陥を生じ易い。また、ゲル化した樹
脂がスペーサーに強固に付着して、スペーサーが取外し
難くなるという問題もある。好ましくは照射量が硬化所
要量の10%以下の段階で面板間の間隔を一定に保持す
る手段を解放する。逆に活性エネルギー線照射量が少な
すぎると、ゲル化が不十分で、成形型の面板の緊締を解
放したときに、キャビティ内の樹脂が成形型の隙間から
漏れる事故が起こり易い。また、ゲル化した樹脂と面板
との付着力が弱く、成形型の面板の緊締を解放したとき
の衝撃で樹脂が面板から剥離するという事故が起ること
もある。
【0062】そして、第二段階において、モノマーの9
5〜100%が反応するように照射を行い、重合を完結
させる。活性エネルギー線を照射する雰囲気は、通常の
大気中、又は不活性ガス雰囲気中のいずれでもよい。ま
た、照射時の温度は、通常、第1段:常温〜100℃、
第2段:常温〜300℃であり、照射時間は、通常、第
1段:1秒〜1分、第2段:10秒〜10分である。
【0063】活性エネルギー線用の光源としては、ケミ
カルランプ、キセノンランプ、低圧水銀ランプ、高圧水
銀ランプ、メタルハライドランプ等が用いられる。硬化
を速やかに完了させる目的で、熱重合を併用してもよ
い。即ち、光照射と同時に組成物並びに型全体を30〜
300℃の範囲で加熱する。この場合は重合をよりよく
完結するためにラジカル重合開始剤を添加してもよい
が、過剰な使用は複屈折の増大と色相の悪化をもたら
す。熱重合開始剤の具体例としてはベンゾイルパーオキ
シド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、t−ブ
チルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)等が挙げ
られ、使用量はモノマー100重量部に対して1重量部
以下が好ましい。
【0064】更に本発明において光照射によるラジカル
重合を行った後、硬化物を加熱することにより重合反応
の完結及び重合時に発生する内部歪を低減することも可
能である。加熱温度は、硬化物の組成やガラス転移温度
に合わせて適宜選択されるが、過剰な加熱は硬化物の色
相悪化をもたらすため、ガラス転移温度付近かそれ以下
の温度が望ましい。
【0065】上記により得られるプラスチックシート
は、低複屈折性を有する光学部材である。本発明のプラ
スチックシートは、複屈折の値が、10nm以下、好ま
しくは5nm以下、更に好ましくは2nm以下、特に好
ましくは1nm以下のものである。 <ガスバリア膜>本発明に用いられる硬化物の表面に
は、種々の方法により、ガスバリア膜を形成することが
でき、ガスバリア付き光学部材として利用することがで
きる。
【0066】ガスバリア膜としては公知のものが使用で
きる。例えば、無機酸化物膜、或いは、ポリビニルアル
コール、エチレンービニルアルコール共重合体、塩化ビ
ニリデン等のガスバリア性樹脂層が挙げられるが、好ま
しくは無機酸化物膜である。無機酸化物とは、金属、非
金属、亜金属の酸化物であり、具体例としては、酸化ア
ルミニウム、酸化亜鉛、酸化アンチモン、酸化インジウ
ム、酸化カルシウム、酸化カドミウム、酸化銀、酸化
金、酸化クロム、酸化珪素、酸化コバルト、酸化ジルコ
ニウム、酸化錫、酸化チタン、酸化鉄、酸化銅、酸化ニ
ッケル、酸化白金、酸化パラジウム、酸化ビスマス、酸
化マグネシウム、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化
バナジウム、酸化バリウム等が挙げられるが、酸化珪素
が特に好ましい。なお、無機酸化物には、微量の金属、
非金属、亜金属単体やそれらの水酸化物、また、可撓性
を向上させるために適宜炭素又はフッ素が含まれていて
もよい。
【0067】ガスバリア膜を形成する方法としては、樹
脂等をコートする方法、無機酸化物よりなる蒸着膜を形
成する方法が挙げられる。蒸着膜を形成する方法として
は、真空蒸着法、真空スパッタ法、イオンプレーティン
グ法、CVD法等、従来公知の方法が使用できる。以上
のガスバリア膜の厚さは特に制限はなく、ガスバリア膜
の構成成分の種類によっても異なるが、例えば、酸化珪
素の場合には、酸素ガスバリア性及び水蒸気ガスバリア
性、更には経済性を考慮すると、膜の厚さは5〜50n
mが好ましい。更に高度な酸素ガスバリア性や水蒸気バ
リア性を得るためには膜の厚さを厚くすればよいが、5
0nm以上では成膜する際生じる膜応力からクラックが
入りやすくなる。また、膜の厚さが5nm未満ではガス
バリア性が不十分である。
【0068】<硬化被膜>本発明における硬化被膜はプ
ラスチックシート上に導電膜を積層する際に、導電膜と
基板との密着性を向上し、更にガスバリア膜を保護する
ための樹脂膜である。この膜はアクリレート系の光硬化
性モノマーとイソシアネート基含有化合物、好ましくは
イソシアネート基含有アクリレート化合物、更に好まし
くはイソシアネート基含有シランカップリング剤と分子
内に水酸基と3個以上のアクリロイル基を有する水酸基
含有多官能アクリレートとを反応して得られる化合物、
を含んでなる光硬化性組成物を重合硬化して得られる。
ここで、「含んでなる」とは、アクリレート系の光硬化
性モノマーとイソシアネート基含有化合物以外に活性エ
ネルギー線の照射による重合硬化を阻害しないポリマー
等を全組成物100重量部中50重量部以下の範囲で併
用してもよいことを意味する。
【0069】アクリレート系の光硬化性のモノマーとし
ては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、
ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレン
グリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジ
メタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,
3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブ
タンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオール
ジメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリ
レート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、
ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアク
リレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、
ジエチレングリコールジアクリレート、ビス(オキシメ
チル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカンジアク
リレート、ビス(オキシメチル)トリシクロ[5.2.
1.02,6 ]デカンジメタクリレート、ビス(オキシメ
チル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7.0
9,13]ペンタデカンジメタクリレート、ビス(オキシメ
チル)ペンタシクロ[6.5.1.13,6 .02,7 .0
9,13]ペンタデカンジメタクリレート、2,2−ビス
(4−(アクリルオキシジエトキシ)フェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−(メタクリルオキシジエトキ
シ)フェニル)プロパン、トリシクロ[5.2.1.0
2,6 ]デカン−3,8−ジイルジメチルジアクリレー
ト、トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン−3,8
−ジイルジメチルジメタクリレート、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ
メタアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシト
リアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ
メタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレ
ート、テトラメチロールメタントリメタクリレート、テ
トラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラメチ
ロールメタンテトラメタクリレート、ペンタエリスリト
ールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタ
クリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジト
リメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチ
ロールプロパンテトラメタクリレート、ジペンタエリス
リトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソシアネートトリアクリレート、トリス(2−ヒ
ドロキシエチル)イソシアヌレートトリメタクリレート
等が挙げられる。
【0070】イソシアネート基含有化合物の例として
は、アクリルイソシアネート、メチルイソシアネート、
イソプロピルイソシアネート、t−ブチルイソシアネー
ト、シクロヘキシルイソシアネート、m−イソプロペニ
ル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、オクタ
デシルイソシアネート、(メタ)アクリロイルイソシア
ネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシ
アネート、3−イソプロペニルイソシアネート、ジメチ
ル(m−イソプロペニル)ベンジルイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、1,2−ジイソシアネート
エタン、1,3−ジイソシアネートプロパン、1,2−
ジイソシアネートプロパン、1,4−ジイソシアネート
ブタン、1,5−ジイソシアネートブタン、1,5−ジ
イソシアネートペンタン、1,6−ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、ビス(3−イソシアネートプロピル)エ
ーテル、ビス(3−イソシアネートプロピル)スルフィ
ド、ビス(6−イソシアネートヘキシル)スルフィド、
1,7−ジイソシアネートヘプタン、1,5−ジイソシ
アネート−2,2−ジメチルペンタン、2,6−ジイソ
シアネート−3−メトキシヘキサン、1,8−ジイソシ
アネートオクタン、1,5−ジイソシアネート−2,
2,4−トリメチルペンタン、1,9−ジイソシアネー
トノナン、1,10−ジイソシアネートデカン、1,1
1−ジイソシアネートウンデカン、1,12−ジイソシ
アネートドデカン、1,4−シクロヘキサンジイソシア
ネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート、2,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート、3,3′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ
ート、リジンイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフチレン
ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソ
シアネート、1,3−ビス(α,α−ジメチルイソシア
ネートメチル)ベンゼン、1,3−ビス(イソシアネー
トメチル)シクロヘキサン、トリメチルヘキサメチレン
ジイソシアネート等が挙げられる。
【0071】イソシアネート基含有アクリレートとして
は、公知のジイソシアネートと公知のヒドロキシアクリ
レート、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、
2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシ
ブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルジアクリレ
ート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリ
レート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアク
リレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等を
反応させて得られる化合物等が挙げられるが、好ましく
は、5−イソシアネート−1−(イソシアネートメチ
ル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサンと2−ヒ
ドロキシエチルアクリレートの付加体、2−(5−イソ
シアネート−1,3,3−トリメチル−シクロヘキシル
メチルカルバモイルオキシ)−エチルアクリレート、2
−(3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチ
ル−シクロヘキシルカルバモイルオキシ)−エチルアク
リレート、2−(4′−イソシアネート−4−ジフェニ
ルメタンカルバモイルオキシ)−エチルアクリレート、
2−(5−イソシアネート−1−カルバモイルオキシ)
−エチルアクリレート、4−(5−イソシアネート−
1,3,3−トリメチル−シクロヘキシルメチルカルバ
モイルオキシ)−ブチルアクリレート、4−(3−イソ
シアネートメチル−3,5,5−トリメチル−シクロヘ
キシルカルバモイルオキシ)−ブチルアクリレート、4
−(4′−イソシアネート−4−ジフェニルメタンカル
バモイルオキシ)−ブチルアクリレート、4−(5−イ
ソシアネート−1−カルバモイルオキシ)−ブチルアク
リレート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネ
ート等が挙げられる。イソシアネート基含有シランカッ
プリング剤は、一般式で表わされるものが使用される。
【0072】
【化10】
【0073】(式中、R1 及びR2 は同じ又は異なる一
価炭化水素基であり、好ましくはR1及びR2 はメチ
ル、エチル、プロピル等の低級アルキル基である。R3
は炭素数2〜8の二価炭化水素基である。aは2〜3の
整数、bは0〜1の整数、cは4−a−bに等しい整数
である) イソシアネート基含有シランカップリング剤の具体例と
しては、3−イソシアナトプロピルトリメトキシシラ
ン、2−イソシアナトエチルトリメトキシシラン、3−
イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、2−イソシ
アナトエチルトリエトキシシラン、3−イソシアナトプ
ロピルメチルジメトキシシラン、2−イソシアナトエチ
ルメチルジメトキシシラン、3−イソシアナトプロピル
メチルジエトキシシラン、2−イソシアナトエチルメチ
ルジエトキシシラン等が挙げられる。次に、分子内に水
酸基と3個以上のアクリロイル基を有する水酸基含有多
官能アクリレートとしては、ペンタエリスリトールトリ
アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレ
ート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、及
びこれらの混合物等が挙げられる。
【0074】イソシアネート基含有シランカップリング
剤と水酸基含有多官能アクリレートの反応は、各化合物
を−NCO/−OH基≦1の割合で混合し、60〜11
0℃で1〜20時間攪拌することにより得られる。これ
らの光硬化性組成物はアクリレート系の光硬化性モノマ
ー50〜99重量部に対して、イソシアネート基含有化
合物を1〜50重量部、より好ましくは5〜30重量
部、更に好ましくは10〜20重量部配合することによ
り、硬化被膜としての物性バランスが得られる。イソシ
アネート基含有化合物が無くても光硬化性樹脂シートと
硬化被膜の密着性は得られるが、イソシアネート基を添
加することにより、更にガスバリア膜及び透明導電膜と
の密着性が得られるようになる。即ち、これらの無機膜
上の水酸基とイソシアネート基が反応することにより強
固な結合が形成され、導電膜側のアンカー能及びガスバ
リア膜側の保護層としての両性能が発現する。イソシア
ネート基含有化合物の量が少なすぎるとガスバリア膜側
の密着性が低下し、多すぎると耐薬品性が低下する。
【0075】また、その他併用できるポリマー等とし
て、幾つかを例示すると次の通りである。ポリメチルア
クリレート、ポリブチルアクリレート、ポリエチレング
リコール、ポリヒドロキシエチルアクリレート。また、
これら活性エネルギー線硬化性組成物には公知の添加
剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング
剤、熱重合禁止剤、シランカップリング剤等が配合され
ていてもよい。上記組成物は通常揮発性溶媒により希釈
して塗布されることが好ましい。溶媒及び希釈度は特に
限定されないが、使用に当って被塗布物の表面性状を損
なわないことが要求される。更には、組成物の安定性、
基材に対する濡れ性、揮発性等も考慮して溶媒は決めら
れるべきである。また、溶媒は一種のみならず、二種以
上の混合物として用いることも可能である。溶媒として
は、アルコール、エステル、エーテル、ケトン、ハロゲ
ン化炭化水素、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水
素、及び、非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。
【0076】これらの光硬化性組成物は、紫外線等の活
性エネルギー線によりラジカルを発生する光重合開始剤
を添加する公知のラジカル重合により硬化させる。その
際に用いる重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノ
ン、ベンゾイルメチルエーテル、ベンゾイルイソプロピ
ルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン、2,6−ジメチルベ
ンゾイルフェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。
好ましい開始剤としては、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイ
ル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキ
シド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホス
フィンオキシドである。これら光重合開始剤は二種以上
を併用してもよい。
【0077】光重合開始剤の添加量は、光硬化性組成物
100重量部に対し、1〜30重量部、好ましくは10
〜20重量部である。光開始剤の添加量が多すぎると、
重合が急激に進行し、複屈折の増大をもたらすだけでな
く、色相も悪化する。また、少なすぎると組成物を十分
に硬化させることができなくなる。硬化被膜を形成する
には、ディップコート法が最適である。即ち、ガスバリ
ア付き光硬化性樹脂シートを硬化被膜を形成する光硬化
性組成物中に浸漬して引き上げた後、活性エネルギー線
を照射して硬化させればよい。この時、塗布してから硬
化させる前に予備加熱を行ってもよい。光硬化性組成物
が溶剤で希釈されている場合には、この予備加熱の工程
において溶剤を除去しなければならない。硬化被膜の膜
厚は、特に限定されるものではないが、接着強度の保持
や硬度等の点から、通常0.1〜50μm、好ましくは
0.3〜10μmである。硬化被膜の膜厚はディップコ
ート時の引き上げ速度、溶剤の希釈度でコントロールす
ることができる。
【0078】照射する活性エネルギー線の量は光重合開
始剤がラジカルを発生する範囲であれば任意であるが、
200〜400nmの紫外線を0.1〜100J/cm
2 、好ましくは1〜30J/cm2 の範囲で照射する。
使用するランプの具体例としては、メタルハライドラン
プ、高圧水銀灯ランプ等が挙げられる。 <導電膜>本発明に用いられる硬化物の表面には種々の
手法により各種透明導電膜を好ましく形成することがで
き、透明電極付光学部材として利用することができる。
硬化物の表面に形成できる透明導電膜には特に制限はな
いが、例えば、この導電膜を形成する導電物質として、
酸化インジウム、酸化スズ、金、銀、銅、ニッケル等が
挙げられ、これらは単独又は二種以上を混合して使用す
ることができる。このうち、通常は酸化インジウム99
〜90%と酸化スズ1〜10%との混合物よりなるイン
ジウムスズオキサイド(以下「ITO」という)が透明
性と導電性のバランスの面から好ましい。透明導電膜を
形成する方法は、従来から公知の真空蒸着法、スパッタ
リング法、イオンプレーティング法、化学蒸着法等を用
いて行うことができる。このうち、スパッタリング法が
密着性の点から好ましい。以上の透明導電膜の厚さは、
500〜2000Åの範囲が透明性、導電性のバランス
の面から好ましい。
【0079】(積層体の構成)本発明のプラスチック積
層体は、光硬化性樹脂層(A)の少なくとも片面にガス
バリア層(B)を設けてなるもの(積層体1)、積層体
1の少なくとも片面に更に硬化被膜(C)を設けてなる
もの(積層体2)及び積層体1又は2の少なくとも片面
に更に導電膜を設けてなるものである。
【0080】そして、積層体1の具体例が図1及び図2
に示されており、積層体2の具体例が図3ないし図7に
示されている。なお、光硬化性樹脂層(A)、例えばプ
ラスチックシート基板の厚みは、通常、0.05〜3m
m、好ましくは0.1〜1.5mmの範囲内である。 (積層体の性質)本発明のプラスチック積層体は、55
0nmの光の波長での光線透過率が80%以上であるこ
とが好ましい。光線透過率が80%未満であると画面が
暗くなるため液晶表示パネルとして使用でき難い。ま
た、プラスチック積層体の複屈折率としては、通常10
nm以下であるが、好ましくは5nm以下、更に好まし
くは2nm以下、特には1nm以下であることが好まし
い。20nmよりも大きいと表示パネルとした場合、表
示画面の色ムラが生じる傾向がある。
【0081】また、プラスチック積層体の厚みは、0.
05〜3mmが好ましい。0.05mm未満では、シー
トが自重により撓み易く、従来の液晶装置の製造プロセ
スが使用できない傾向があり、一方、3mmを越える
と、従来の0.7〜1.5mmのガラス基板と同じ重量
となり、軽量化の目的から外れてしまう。本発明のプラ
スチック積層体の応用例としては、例えば、液晶表示装
置用基板として使用する場合、通常、二枚のプラスチッ
ク積層体によって液晶を挟んだ構成をとる。即ち、プラ
スチック積層体の導電膜上に、必要に応じて絶縁膜、更
に、その上に配向膜が設けられた基板により液晶層を挟
持した構造をとる。また、液晶層を挟持した基板の外側
には偏光板が設けられる。また、エレクトロルミネッセ
ンス表示素子においては、通常、本発明のプラスチック
積層体上に、発光体層、絶縁層及び背面電極を順次形成
し、更に全体をガスバリア層で被覆した構造の物が例示
される。この場合、発光体層には硫化亜鉛、硫化カドミ
ウム、セレン化亜鉛等が、絶縁層には酸化イットリウ
ム、酸化タリウム、窒化シリコン等が、背面電極にはア
ルミニウム等が用いられる。
【0082】本発明により得られるプラスチックシート
は、透明性はもとより高耐熱性と高機械強度を併せ持
ち、液晶や有機EL等のディスプレイ基板、光ディスク
基板、太陽電池基板、各種レンズ、プリズム、光学フィ
ルター、光通信材料等の多くの光学用途に用いることが
できる。
【0083】
【実施例】以下に本発明の内容及び効果を実施例により
更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない
限り、以下の実施例に限定されるものではない。また実
施例及び比較例で得られたプラスチックシート及びプラ
スチック積層体は以下の方法で評価した。 (1)光線透過率:500nmにおける光線透過率を
0.5mm厚の試験片で測定した。 (2)複屈折:0.5mm厚の試験片で複屈折測定装置
(オーク社製)を用いて25℃で測定した。 (3)耐熱性:3mm×30mm×0.5mmの短冊状
試験片を用いて、ガラス転移温度Tgを引っ張り法TM
Aにて加重2gで測定した。
【0084】(4)加熱後放置試験後の寸法変化:10
0mm×100mm×0.5mm厚の試験片の四隅に、
隣り合うマーキング間の距離が約80mmになるように
微細な十字型のマーキングを施す。この試験片をオーブ
ン中で150℃、3時間加熱し、再び23℃、50%R
Hの恒温恒湿室に1週間放置して冷却した後、正確に
(精度±1μm)各マーキング間の距離を測長する。そ
の後再び23℃、50%RHの恒温恒湿に4週間放置す
る放置試験後、同様に各マーキング間の距離を測長す
る。下式に基づき寸法変化量を算出した。 加熱後放置試験前のマーキング間の距離:a(μm) 加熱後放置試験後のマーキング間の距離:b(μm) 寸法変化量c(%)=(a−b)×100/a
【0085】(5)温水浸漬後放置試験後の寸法変化:
100mm×100mm×0.5mm厚の試験片の四隅
に、隣り合うマーキング間の距離が約80mmになるよ
うに微細な十字型のマーキングを施す。この試験片を4
0℃の温水中に1時間浸漬し、表面の水分を吸湿紙で除
去して、23℃、50%RHの恒温恒湿室に1週間放置
した後、正確に(精度±1μm)各マーキング間の距離
を測長する。その後再び23℃、50%RHの恒温恒湿
室に4週間放置する放置試験後、同様に各マーキング間
の距離を測長する。下式に基づき寸法変化量を算出し
た。 温水浸漬後放置試験前のマーキング間の距離:d(μ
m) 温水浸漬後放置試験後のマーキング間の距離:e(μ
m) 寸法変化量f(%)=(d−e)×100/d
【0086】(6)ガスバリア測定:0.5mm厚の試
験片でオキシトラン社製酸素モコン測定器にて23℃、
湿度80%の条件下で酸素透過率を測定した。 (7)硬化皮膜の硬度:JIS K5400に準拠し
て、硬化皮膜の鉛筆硬度を測定した。
【0087】実施例1 (プラスチックシートの製造)ビス(ヒドロキシメチ
ル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカン=ジメタ
クリレート94部、ビス(ヒドロキシメチル)トリシク
ロ[5.2.1.02,6]デカン=モノメタクリレート
6部のアクリレート組成物に、ペンタエリスリトールテ
トラキス(β−チオプロピオネート)6部、光開始剤と
して2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホス
フィンオキシド(BASF社製「ルシリンTPO」)
0.1部、ベンゾフェノン0.1部を均一に撹拌混合し
た後、脱泡して組成物を得た。この組成物をスペーサー
として厚さ0.5mm(厚み精度±15μm;シート厚
の3%)のシリコン板を用いた光学研磨ガラスの型(厚
み精度±5μm;シート厚の1%)に注液し、ガラス面
より距離40cmで上下にある出力80W/cmのメタ
ルハライドランプの間にて、5分間紫外線を照射した。
紫外線照射後脱型し、160℃で1時間加熱して硬化物
を得た。硬化物の厚み精度は±4%、光線透過率は92
%、複屈折は1nm、耐熱性は195℃であった。
【0088】(ガスバリア膜の成膜)得られた0.5m
m厚の硬化物の片面に、スパッタ装置(徳田製作所;形
式CFS−4ES)にてSiOx を300Å成膜し
た。得られたプラスチック積層体の酸素透過率は0.4
cc/m2 ・24h・atmであった。
【0089】(硬化皮膜の成膜)得られたガスバリア膜
付きプラスチックシステムのSiOx面上に、ビス(ヒ
ドロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デ
カン=ジアクリレート20部と2,4,6−トリメチル
ベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド2部と溶剤と
してプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト78部よりなる組成物をスピンコートした後、100
℃で5分加熱して溶剤を乾燥し、出力80W/cmのメ
タルハライドランプにて5分間紫外線を照射した。得ら
れた硬化皮膜の鉛筆硬度は4H、膜厚は2μmであっ
た。また、加熱後放置試験後及び温水浸漬後放置試験後
の寸法変化は表1に示す通りであった。
【0090】実施例2 ビス(オキシメチル)トリシクロ[5.2.1.
2,6 ]デカン=ジメタクリレート92部、ビス(ヒド
ロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ
ン=モノメタクリレート8部のアクリレート組成物を用
いる以外は、実施例1と同様に行い硬化物を得た。硬化
物の厚み精度は±4%、光線透過率は92%、複屈折は
1nm、耐熱性は195℃、加熱後放置試験後及び温水
浸漬後放置試験後の寸法変化は表1に示す通りであっ
た。
【0091】実施例3 ビス(オキシメチル)トリシクロ[5.2.1.
2,6 ]デカン=ジメタクリレート92部、ビス(ヒド
ロキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6 ]デカ
ン=モノメタクリレート8部のアクリレート組成物を用
いる以外は、実施例2と同様に行い硬化物を得た。硬化
物の厚み精度は±4%、光線透過率は92%、複屈折は
1nm、耐熱性は190℃、加熱後放置試験後及び温水
浸漬後放置試験後の寸法変化は表1に示す通りであっ
た。
【0092】比較例1 市販の0.5mm厚のポリカーボネート製プラスチック
シート(厚み精度±4%)の加熱後放置試験後及び温水
浸漬後放置試験後の寸法変化は表1に示す通りであっ
た。このシートの光線透過率は90%、複屈折は10n
m、耐熱性は140℃であった。
【0093】比較例2 厚み精度±35μm(シート厚の7%)のスペーサーを
用いる以外は、実施例1と同様に行い硬化物を得た。硬
化物の厚み精度は±8%、光線透過率は92%、複屈折
は1nm、耐熱性は190℃、加熱後放置試験後及び温
水浸漬後放置試験後の寸法変化は表1に示す通りであっ
た。
【0094】
【表1】
【0095】
【発明の効果】本発明によれば、パネル製造時の加熱や
温水洗浄工程後における寸法変化の小さい基板が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラスチック積層体の一態様を示す。
【図2】本発明のプラスチック積層体の一態様を示す。
【図3】本発明のプラスチック積層体の一態様を示す。
【図4】本発明のプラスチック積層体の一態様を示す。
【図5】本発明のプラスチック積層体の一態様を示す。
【図6】本発明のプラスチック積層体の一態様を示す。
【図7】本発明のプラスチック積層体の一態様を示す。
【符号の説明】
A 低複屈折板 B ガスバリア膜 C 硬化被膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 7/04 C08J 7/04 F 4J002 D 4J011 C08K 5/37 C08K 5/37 4J100 C08L 33/06 C08L 33/06 G02B 1/10 G02F 1/1333 500 G02F 1/1333 500 (C08F 220/20 //(C08F 220/20 220:28) 220:28) G02B 1/10 Z Fターム(参考) 2H090 JB03 JD15 LA01 LA15 2K009 AA15 BB14 CC03 CC24 DD02 DD04 DD05 DD06 EE00 EE03 4F006 AA22 AB24 AB76 BA01 BA05 BA07 CA05 DA01 DA04 EA03 4F071 AA33 AA86 AC07 AC13 AC15 AE06 AF31Y AF54Y AG12 AG15 AH16 AH19 BC01 BC12 4F100 AA20B AH04A AK01A AK25A AK25C AK25J AL01A AR00B AR00C BA02 BA03 BA07 CC02C EH66B EJ08A EJ54 EJ54A EJ54C GB41 JA05A JD02 JD02B JJ03 JK12C JL04 JL04A JN01 JN01A JN18A YY00A 4J002 BG041 BG051 EE037 EV026 EV046 EW137 EW147 FD157 GP00 GP01 GQ00 4J011 AA05 NA25 NB03 QA03 QA12 SA01 SA21 UA01 UA06 VA02 WA07 WA10 4J100 AL08Q AL66P BA03P BA03Q BC12P BC12Q CA04 FA04 JA32 JA33

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックシートを空気中で150
    ℃、3時間加熱した後、50%RHの空気中で23℃、
    1週間放置する加熱試験において、試験後の寸法変化量
    が±0.01%以内であることを特徴とするプラスチッ
    クシート。
  2. 【請求項2】 プラスチックシートを40℃の温水中に
    1時間浸漬した後、50%RHの空気中で23℃、1週
    間放置する温水試験において、試験後の寸法変化量が±
    0.01%以内であることを特徴とするプラスチックシ
    ート。
  3. 【請求項3】 プラスチックシートを40℃の温水中に
    1時間浸漬した後、50%RHの空気中で23℃、1週
    間放置する温水試験において、試験後の寸法変化量が±
    0.01%以内である請求項1に記載のプラスチックシ
    ート。
  4. 【請求項4】 プラスチックシートの面内厚み精度が5
    %以内である請求項1ないし3のいずれかに記載のプラ
    スチックシート。
  5. 【請求項5】 プラスチックシートのガラス転移温度が
    150℃以上である請求項1ないし4のいずれかに記載
    のプラスチックシート。
  6. 【請求項6】 プラスチックシートの複屈折が5nm以
    下である請求項1ないし5のいずれかに記載のプラスチ
    ックシート。
  7. 【請求項7】 プラスチックシートの厚みが0.05〜
    3mmの範囲にある請求項1ないし6のいずれかに記載
    のプラスチックシート。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載のプ
    ラスチックシートの少なくとも片面にガスバリア層を設
    けてなるプラスチック積層体。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし7のいずれかに記載のプ
    ラスチックシート又は請求項8に記載の積層体の少なく
    とも片面に更に硬化被膜を設けてなるプラスチック積層
    体。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし7のいずれかに記載の
    プラスチックシート又は請求項8又は9に記載の積層体
    の少なくとも片面に導電膜を設けてなるプラスチック積
    層体。
  11. 【請求項11】 分子内に二個以上の重合性官能基を有
    する重合性単量体を含む重合性組成物を重合硬化させて
    得られる請求項1ないし7のいずれかに記載のプラスチ
    ックシート。
  12. 【請求項12】 重合性組成物が下記成分A、B及びC
    を含有してなるもの(但し、各成分の割合は成分Aと成
    分Bとの合計を100重量部として表す)である請求項
    11に記載のプラスチックシート。 成分A:一般式(I)で表される含脂環骨格ビス(メ
    タ)アクリレート:70〜99重量部 【化1】 (式中、R1 及びR2 は、それぞれ独立して、水素原子
    又はメチル基を示し、mは1又は2を示し、nは0又は
    1を示し、p及びqは、それぞれ独立して、0、1又は
    2を示す) 成分B:一般式(II)で表される含脂環骨格モノ(メ
    タ)アクリレート:1〜30重量部 【化2】 (式中、R3 は水素原子又はメチル基を示し、mは1又
    は2を示し、nは0又は1を示し、r及びsは、それぞ
    れ独立して、0、1又は2を示す) 成分C:少なくとも二官能性のメルカプト化合物:1〜
    10重量部
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の重合性組成物を賦
    形し、これをラジカル重合開始剤の存在下に活性エネル
    ギー線を照射して光重合硬化させて得られるプラスチッ
    クシート。
  14. 【請求項14】 液晶表示パネル用の請求項1〜13の
    いずれかに記載のプラスチックシート。
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