JP2001332514A - 配向性金属薄膜の成膜方法及び配向性金属薄膜を有する機能素子 - Google Patents

配向性金属薄膜の成膜方法及び配向性金属薄膜を有する機能素子

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JP2001332514A
JP2001332514A JP2000151632A JP2000151632A JP2001332514A JP 2001332514 A JP2001332514 A JP 2001332514A JP 2000151632 A JP2000151632 A JP 2000151632A JP 2000151632 A JP2000151632 A JP 2000151632A JP 2001332514 A JP2001332514 A JP 2001332514A
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均洋 田中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の方位、例えば(100)方位に優先配
向した配向性金属薄膜を成膜する方法、特に、キャパシ
タの強誘電体薄膜の下地層として好適な配向性Pt薄膜
又はIr薄膜等の配向性金属薄膜を成膜する方法であっ
て、工程数の少ない方法を提供する。 【解決手段】 本配向性金属薄膜の成膜方法は、配向性
を有する酸化物層14を半導体基板12上に成膜する酸
化物成膜工程と、配向性を有する酸化物層を表面に有す
る半導体基板を加熱しつつ、酸素を含有する不活性ガス
に電界を印加して発生させたプラズマを用い、金属ター
ゲットをスパッタすることによりクラスタを生成させ
て、配向性を有する酸化物層上に配向性金属薄膜16を
成膜する金属薄膜成膜工程とを有し、金属薄膜成膜工程
の後に熱処理による還元処理を要することなく、配向性
金属薄膜を成膜する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配向性金属薄膜の
成膜方法及び配向性金属薄膜を有する機能素子に関し、
更に詳細には、熱処理による還元処理を要することな
く、Pt薄膜、Ir薄膜等の優先配向した金属薄膜、即
ち配向性金属薄膜を成膜する方法及びそのような配向性
金属薄膜を有する機能素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】強誘電体薄膜、又は誘電率の大きな高誘
電体薄膜を用いた薄膜素子が、注目されている。例え
ば、FeRAM(強誘電体不揮発性RAM)等の半導体
メモリに設けられるキャパシタは、キャパシタ薄膜とし
て強誘電体薄膜を使用し、金属薄膜からなる電極で強誘
電体薄膜をサンドイッチした薄膜素子であって、従来、
キャパシタ薄膜として、酸化物強誘電体薄膜が用いら
れ、キャパシタ薄膜の下地電極として、Pt又はIrの
(111)配向膜が用いられている。
【0003】下地電極上に成膜された酸化物強誘電体薄
膜は、多結晶薄膜であって、しかも通常、特別な結晶配
向性を有しない。このような酸化物強誘電体多結晶薄膜
を用い、高信頼性のメモリデバイスを作製するために
は、キャパシタの電極面積を結晶粒径に比べて十分に広
くし、反転分極電荷量の均一性を確保することが必要で
ある。一方、半導体メモリの微細化に伴い、キャパシタ
も微細化され、従って電極面積も縮小するので、キャパ
シタの電極面積の縮小に伴う反転分極電荷量の不均一を
補うために、酸化物強誘電体多結晶薄膜の結晶粒径の微
細化が必要になる。
【0004】ところで、酸化物強誘電体多結晶薄膜の結
晶粒径の微細化に伴い、強誘電体薄膜の残留自発分極値
は、種々の要因により減少する。半導体メモリでは、良
好なメモリ動作を持続させるには、残留自発分極値を一
定値以上に維持することが必須であるから、結晶粒径の
微細化に係わって起こる残留自発分極値の減少等の問題
が、酸化物強誘電体多結晶薄膜を用いて、信頼性の高い
高集積半導体メモリを実現する上で、一つの障害となっ
ている。
【0005】そこで、キャパシタを作製するに際し、酸
化物強誘電体多結晶薄膜の結晶粒径の微細化に係わって
起こる問題を解決する方法の一つとして、(111)方
向の優先配向性を有するPt薄膜に代えて、(100)
方向の優先配向性を有するPt又はIr配向膜を下地電
極とするキャパシタが注目されている。ところで、(1
00)方向に優先結晶配向方位を有するPt薄膜の作製
方法として、酸素を含むPt薄膜を形成した後に、Pt
薄膜の加熱処理を行う方法が、特開平10−84086
号公報等によって提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した配向
性金属薄膜の従来の成膜方法には、次のような問題があ
った。第1には、上述した(100)方向に優先結晶配
向方位を有するPt薄膜の作製方法を適用して、(10
0)方向の優先配向性を有するPt薄膜を成膜しようと
しても、必ずしも、満足な結果を得ることができないと
いうことである。第2には、下地層として設けたPt薄
膜上に酸化物強誘電体多結晶薄膜を成膜して、キャパシ
タ等の機能素子を形成する際には、Pt薄膜の表面の平
坦性を確保することが極めて重要であるにもかかわら
ず、Pt薄膜の成膜工程の後に行う熱処理工程での熱処
理温度によっては、熱処理後のPt薄膜表面の平坦性が
良好でないことである。第3には、Pt薄膜の成膜工程
の後に熱処理工程を必要とするので、Pt薄膜の成膜プ
ロセスが複雑になり、工程数が多く、生産性が低いこと
である。
【0007】そこで、本発明の目的は、所定の方位、例
えば(100)方向に優先配向した配向性金属薄膜を成
膜する方法、特に、キャパシタの強誘電体薄膜の下地層
として好適な配向性Pt薄膜又はIr薄膜等の配向性金
属薄膜を成膜する方法であって、しかも工程数の少ない
方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る配向性金属薄膜の成膜方法は、配向性
を有する酸化物層を半導体基板上に成膜する酸化物成膜
工程と、酸化物成膜工程を経た半導体基板を加熱しつ
つ、酸素を含有する不活性ガスに電界を印加して発生さ
せたプラズマを用い、金属ターゲットをスパッタするこ
とによりクラスタを生成させて、配向性を有する酸化物
層上に配向性金属薄膜を成膜する金属薄膜成膜工程とを
有し、金属薄膜成膜工程の後に熱処理を施すことなく、
配向性金属薄膜を成膜することを特徴としている。
【0009】本発明方法で、配向性を有する酸化物層を
成膜する方法には制約はなく、例えば蒸着法、スパッタ
法、CVD法、溶液塗布法等によって成膜する。また、
酸素を含有する不活性ガスに電界を印加して発生させた
プラズマを用い、金属ターゲットをスパッタする装置と
して、例えばDC/RFマグネトロンスパッタリング装
置を使用する。半導体基板の種類には制約はなく、シリ
コン(Si)基板でも、化合物半導体基板でも良い。
【0010】本発明方法では、成膜する配向性金属薄膜
の優先配向性の方位と、配向性を有する酸化物層の配向
方位とが同じである限り、配向性金属薄膜の優先配向性
の方位は、任意の方位で良く、実施形態例で示す(10
0)配向性金属薄膜に限らない。本発明方法では、不活
性ガスとして、Ar、Kr、Xe等を使用することがで
きる。金属ターゲットしてPt、Ir、Os、Ru、R
h等の貴金属のいずれかを選択することにより、これら
の金属の配向性薄膜を、同じ方位の配向性を持つ酸化物
下地層上に成膜することができる。配向性を有する酸化
物層は、配向性金属薄膜の金属結晶の格子定数に近似す
る格子定数を有する酸化物層である。
【0011】本発明方法は、酸化物成膜工程では、配向
性を有する酸化物層として、(100)方向に優先配向
性を有する酸化物層を成膜し、金属薄膜成膜工程では、
配向性金属薄膜として、金属薄膜の結晶の(100)方
向が概ね半導体基板の成膜面に対する法線と一致するよ
うに優先配向し、X線回折法等によって金属薄膜の回折
図形を求めると、金属薄膜の(200)方向のブラッグ
散乱強度が(111)方向のブラッグ散乱強度の2倍を
超え、金属光沢を有する(100)配向性金属薄膜を成
膜する際に好適である。
【0012】本発明方法は、金属ターゲットとして貴金
属からなるターゲットを使い、配向性貴金属薄膜を成膜
する際に、好適であり、特に配向性金属薄膜として、P
t薄膜又はIr薄膜を成膜するのに好適である。配向性
貴金属薄膜として配向性Pt薄膜又は配向性Ir薄膜を
成膜する際には、配向性を有する酸化物層としてMgO
を半導体基板上に成膜する。また、酸素を含有する不活
性ガス中の酸素ガス含有率は0.3容量%以上10容量
%以下、望ましくは0.6容量%以上6容量%以下であ
り、基板温度は300℃以上750℃以下、望ましくは
450℃以上650℃以下であり、成膜速度は0.1n
m/s以上0.5nm/s以下の条件で成膜することが
望ましい。
【0013】本発明に係る配向性金属薄膜を有する機能
素子は、半導体基板上に成膜され、(100)方向に優
先配向性を有する酸化物層と、(100)方向に優先配
向性を有する酸化物層上に成膜され、金属薄膜の結晶の
(100)方向がほぼ半導体基板の成膜面に対する法線
と一致するように優先配向し、X線回折法等によって金
属薄膜の回折図形を求めると、金属薄膜の(200)方
向のブラッグ散乱強度が(111)方向のブラッグ散乱
強度の2倍を超え、かつ金属光沢を有する配向性金属薄
膜と、配向性金属薄膜上に成膜された強誘電体薄膜とを
有することを特徴としている。
【0014】本発明の強誘電体薄膜とは、例えばBT、
PT、PZT、SBT等のペロブスカイト構造、又は層
状構造の強誘電体膜又は高誘電体膜であって、既知の方
法で成膜されている。
【0015】本発明に係る機能素子では、優先結晶配向
を有する金属薄膜が強誘電体膜の下地層になっているの
で、強誘電体膜は、良好な配向性を有する強誘電体薄膜
として形成されている。配向性を有する強誘電体膜を用
いることにより、強誘電特性の面内ばらつきを抑制する
ことができるので、本発明に係る配向性金属薄膜を有す
る機能素子を、例えば強誘電体不揮発メモリのキャパシ
タ素子に適用することにより、従来技術を用いた場合に
起こるような、強誘電体多結晶薄膜の結晶粒径の微細化
に伴う問題を解決し、信頼性の高い、高集積強誘電体不
揮発メモリを実現することできる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、添付図面を参照して、実
施形態例に基づいて本発明をより詳細に説明する。配向性金属薄膜を有する機能素子の実施形態例 本実施形態例は、本発明に係る配向性金属薄膜を有する
機能素子の実施形態の一例であって、図10は本実施形
態例の機能素子の構成を示す断面図である。本実施形態
例の機能素子10は、要部として、図10に示すよう
に、シリコン(Si)基板12上に成膜されたMgO
(100)配向膜14と、MgO(100)配向膜14
上に成膜されたPt(100)薄膜16と、酸化物強誘
電体膜18とを備えている。
【0017】シリコン(Si)基板12は、シリコン基
板上にSiO2 膜を有するものでっても良い。MgO
(100)配向膜14は、MgO膜の結晶の(100)
方向がSi基板12の成膜面に対する法線と一致するよ
うに優先配向したMg0膜であって、蒸着法によって成
膜されている。Pt(100)薄膜16は、金属光沢を
有し、X線回折法等によってPt薄膜の回折図形を求め
ると、Pt薄膜の(200)ブラッグ散乱強度が(11
1)強度の2倍を超え、かつ金属光沢を有するPt薄膜
であって、後述する本発明に係る成膜方法によって成膜
されている。酸化物強誘電体膜18は、BT、PT、P
ZT、SBT等のペロブスカイト構造又は層状構造の強
誘電体膜又は高誘電体膜であって、既知の方法で成膜さ
れている。
【0018】本実施形態例では、(100)結晶配向が
優勢なPt薄膜16が酸化物強誘電体膜18の下地層に
なっているので、酸化物強誘電体膜18は、良好な配向
性を有する強誘電体薄膜として形成されている。配向性
を有する強誘電体膜18を用いることにより、強誘電特
性の面内ばらつきを抑制することができる。そして、本
実施形態例の機能素子10を、例えば強誘電体不揮発メ
モリのキャパシタ素子に適用することにより、従来技術
を用いた場合に起こるような、強誘電体多結晶薄膜の結
晶粒径の微細化に伴う問題が生じない、信頼性の高い、
高集積強誘電体不揮発メモリを実現することができる。
【0019】配向性金属薄膜の成膜方法の実施形態例 本実施形態例は、本発明に係る配向性金属薄膜の成膜方
法の実施形態の一例である。配向性金属薄膜を成膜する
際には、先ず、所望の貴金属薄膜、例えばPt(立方
晶、格子定数3.9237Å)薄膜、あるいはIr(立
方晶、格子定数3.8389Å)薄膜を成膜する際に
は、先ず、Ptの格子定数(3.9237Å)、あるい
はIrの格子定数(3.8389Å)と類似した格子定
数を有するMgO(立方晶、格子定数4.213A)等
の結晶配向性を有する酸化物薄膜をウエハ上に成膜す
る。
【0020】次いで、ウエハを加熱して300℃以上7
50℃以下の温度、好ましくは450℃以上650℃以
下の温度に維持しつつ、不活性ガスと酸素ガスとの混合
ガスをスパッタガスとして用い、例えばDC/RFスパ
ッタリング装置を使って、電界印加により発生するプラ
ズマを用い、所望の貴金属のターゲットをスパッタする
ことにより、貴金属酸化物のクラスタを生成し、基板上
にクラスタを堆積させ、薄膜を作製する。成膜中、基板
を300℃以上750℃以下の温度、好ましくは400
℃以上650℃以下に加熱することにより、基板表面に
堆積した貴金属酸化物のクラスタは貴金属クラスタ(薄
膜)に転移する。
【0021】所定の酸素含有率で酸素ガスを含有した酸
素−Ar混合ガス、例えば、Arガスの30.1に対し
て、酸素ガスを0.7の割合で含む酸素−Ar混合ガス
中でRFスパッタリング法によりスパッタリングを行う
と、貴金属酸化物クラスタが生成する。例えば、比較例
1に示すように、加熱しない基板上に貴金属のクラスタ
を堆積すると、貴金属薄膜は金属光沢を示さず、従っ
て、酸素が何らかの形で含有されていると考えられる貴
金属薄膜が形成される。一方、実施例1に示すように、
基板を加熱して所定の温度に維持しつつ、同じ組成の酸
素−Ar混合気体を使ってRFスパッタリングを行って
堆積した貴金属薄膜は、金属光沢を示す。また、X線回
折図形によっても、成膜された貴金属薄膜が金属である
ことが確かめられる。
【0022】従って、加熱基板の表面か表面近傍におい
て、酸化物クラスタから金属クラスタへの転移が起きて
いると考えるのが自然であり、本発明に係る結晶化のプ
ロセスが実現されていると考えられる。また、このよう
な結晶化のプロセスが進行する上で、下地が決定的な役
割を果たしていることは、実施例1と比較例2との結果
の比較により明確である。また、実施例1、2、及び比
較例3、5との比較から明らかなように、(100)配
向性を持つ貴金属薄膜を成膜する上で、最適なクラスタ
の酸化の程度が存在し、「最適なクラスタの酸化の程
度」は、基板の温度、及び成膜速度に依存している。
尚、成膜速度は、DC/RFスパッタリング装置のRF
出力により主に制御することができる。このことは、ま
た、「基板表面で生じる、貴金属の酸化物クラスタから
金属クラスタへ転移現象に際して下地層の影響が強調さ
れ、下地層の適切な選択により、(100)配向性を持
つ貴金属薄膜が成膜され易くなる」という本発明の技術
的思想を支持している。
【0023】以下に述べる実施例及び比較例を総合し、
成膜条件の実現性の容易さを考慮すると、(100)方
位に優先配向したPt薄膜をスパッタ成膜により得るた
めには、基板温度を400℃以上650℃以下の範囲、
スパッタガス中の酸素含有率を0.6容量%以上6容量
%以下、成膜速度を0.1〜0.2nm/sの条件で成
膜することが望ましい。
【0024】以上の成膜条件下で、結晶配向性を有する
酸化物薄膜を表面に有するウエハ上に貴金属薄膜の成膜
を行うと、下地層の結晶配向性の影響が強調されるの
で、通常の成膜条件で得られる(111)配向性とは異
なる、(100)配向性を有する貴金属薄膜を、成膜後
の熱処理工程を経ずして、形成することができる。ここ
で、(100)配向性を持つ貴金属薄膜とは、貴金属薄
膜の結晶の(100)方向がウエハの成膜面に対する法
線と一致するように優先配向した貴金属薄膜を言う。本
実施形態例の方法に従って成膜した配向性Pt薄膜を、
後工程の強誘電体薄膜の成膜工程で曝される、例えば7
00℃の酸化性高温雰囲気に1時間暴露しても、表面の
金属光沢、結晶配向性を保持することができる。よっ
て、配向性Pt薄膜上にPZT、SBTなどの酸化物強
誘導体を形成するときに、本実施形態例の方法で作製し
たPt薄膜を下地層とすることにより、Pt薄膜は結晶
配向性を有する下地薄膜として機能するので、良好な結
晶配向性を持つPZT、SBTなどの酸化物強誘電体薄
膜の形成を比較的容易に行うことが出来る。
【0025】以下に、実施例及び比較例を挙げ、添付図
面を参照して、本発明の実施の形態を更に具体的かつ詳
細に説明する。実施例1 本実施例では、SiO2 膜を介してシリコン基板に成膜
された膜厚160nmのMgO(100)配向膜上に、
温度及び酸素流量を変えた4種類の異なる以下の成膜条
件下で、RFスパッタリングにより試料aからdのPt
薄膜を成膜した。 成膜条件 成膜基材 :アネルバSP−530H 下地層 :MgO(100)配向膜 RF出力 :40W ターゲット単位面積当たりのRF出力=0.22W/c
2 成膜速度=約0.1nm/s 成膜圧力 :3.0×10-1Pa Ar流量 :30.1sccm 酸素流量 :表1に示す通り、試料aからd毎に、スパ
ッタガスとして用いたAr/酸素混合スパッタガスの酸
素流量を変化させて、成膜雰囲気の酸素含有量を変え
た。
【0026】基板温度 :表1に示すように、試料a〜
dの基板温度を403℃、598℃、601℃、600
℃に変えた。 尚、表1で基板温度と記した温度は、基板加熱用のバル
クヒータの温度である。また、ステンレス製のウエハ支
持金具を用いてウエハをヒータに押し付けた状態で、P
t薄膜を成膜したので、ウエハの実温度は、基板温度と
表示したバルクヒータの温度より5℃から100℃の範
囲で低い可能性がある。 成膜時間 :35分40秒 前処理条件:基板加熱用のバルクヒーターの加熱温度が
所定の温度に達した後、少なくとも1時間その状態に保
持した後成膜を開始した。成膜を行う前に、スパッタガ
スとしてArガスのみを30.1sccm流したこと以
外は成膜条件と同じ条件で、シャッターを閉じた状態で
プレ・スパッタを4分間行い、更に15分以上の排気を
行って、チャンバ内の圧力が2.0×10-4Pa以下の
真空度に達した後、上記成膜条件で成膜を開始した。
【表1】
【0027】表1には、試料aからdを作製した際の基
板温度及び酸素流量と共に、成膜したPt薄膜の配向性
及び表面状態/光沢の観察結果を示す。表1のXRD
で、Pt(111)<(200)は、(200)方位の
ブラッグ散乱強度が、(111)方位のブラッグ散乱強
度より高いものの、2倍を超えないことを意味する。P
t(111)<<(200)は、(200)方位のブラ
ッグ散乱強度が、(111)方位のブラッグ散乱強度の
2倍を超えていることを意味する。Pt(111)<<
<(200)は、Pt(111)<<(200)に比べ
て、(200)方位のブラッグ散乱強度が更に高いこと
を意味する。これは、表2以降についても、同じであ
る。また、図1に試料aを除いた試料b、c、dのPt
薄膜のX線回折図形を示す。図1の横軸は散乱角(2θ
°)、縦軸は回折強度(任意目盛)を示す。以下の図2
から図8も同様である。以上のように、実施例1では、
所望の(100)配向性のPt薄膜を成膜することがで
きた。
【0028】比較例1(非加熱基板上へのPt薄膜の成
膜) 実施例1と比較するために、基板を加熱しない状態でP
t薄膜を成膜する比較例1の実験を行った。比較例1で
は、実施例1と同じように、SiO2 膜を介してシリコ
ン基板上に成膜されたMgO(100)配向膜上に、以
下の成膜条件を除いて実施例1と同じ成膜条件で、試料
aからfのPt薄膜をスパッタ法により成膜した。 実施例1と異なる成膜条件 酸素流量 :表2参照 試料aからf毎に、スパッタガスとして用いたAr/酸
素混合スパッタガスの酸素流量を変化させて、成膜雰囲
気ガス中の酸素ガス含有量を変えた。 基板温度 :表2参照 試料aからfとも成膜中の基板温度を室温(約45℃)
に保持した。表2で基板温度と記した括弧内の温度は、
サーモ・ラベルを用いて測定した成膜中の基板温度であ
る。
【表2】 表2には、試料aからfを作製した際の基板温度及び酸
素流量と共に、成膜したPt薄膜の配向性及び表面状態
/光沢の観察結果を示す。また、図2に試料aからfの
Pt薄膜のX線回折図形を示す。
【0029】比較例1では、ブラッグ散乱強度でピーク
強度のないPt薄膜又は(111)配向性のPt薄膜が
成膜されている。実施例1と比較例1との比較から、基
板温度を400℃、好ましくは600℃に設定すること
により、(200)方向のブラッグ散乱強度の高い、つ
まり(100)配向性の高いPt薄膜を成膜できること
が確認できる。
【0030】比較例2(Si又は無配向SiO2 が最表
面である加熱された基板への成膜) Pt薄膜の配向性の下地依存性を調べるために、実施例
1に対する対照実験を行った。成膜条件は、以下の下地
層条件及び酸素ガス流量条件が異なることを除いて、実
施例1の成膜条件と同様に、Pt薄膜の(200)方向
のブラッグ散乱強度が(111)方向のブラッグ散乱強
度に比べて優勢となる成膜条件下でPt薄膜を成膜し
た。 実施例1と異なる成膜条件 下地層 :表3参照 試料a:下地層としてSiO2 膜を有するSi基板 試料b:自然酸化膜(SiO2 膜)を表面に生成してい
るSi基板 酸素流量:表3参照 スパッタガスは、Ar流量を30.1sccmとして、
酸素流量を0.3sccmとした混合ガスであった。 基板温度:成膜中の基板加熱用バルクヒータの平均温度
が598℃
【表3】 表3には、基板の種類及び酸素流量と共に、成膜したP
t薄膜の配向性及び表面状態/光沢の観察結果を示す。
また、図3に試料a及びbのPt薄膜のX線回折図形を
示す。
【0031】比較例2では(111)配向性のPt薄膜
が成膜されている。実施例1と比較例2の比較から、
(100)配向性を有するPt薄膜の成膜には、実施例
1のように、成膜時の下地層が(100)配向性を有す
ることが重要な要件あることが分かる。
【0032】実施例2(Pt薄膜の配向の成膜速度依存
性) 本実施例では、Pt薄膜の優先配向性と成膜速度との関
係を調べた。実施例1と同じMgO(100)配向膜上
に、以下の成膜条件が実施例1と異なることを除いて、
実施例1と同じ成膜条件で、RFスパッタリングにより
試料a及びbのPt薄膜を成膜した。 実施例1と異なる成膜条件 RF出力 :200W(ターゲット単位面積当たりのR
F出力=1.1W/cm2 、成膜速度=約0.5nm/
s) 酸素流量 :表4に示す通り、スパッタガスとして用い
たAr/酸素混合スパッタガスの酸素流量を変化させ
て、成膜雰囲気中の酸素ガス含有量を変えた。 基板温度 :表4に示すように、601℃、607℃ 尚、表4で基板温度と記した温度は、基板加熱のための
バルクヒータの温度である。また、ステンレス製のウエ
ハ支持金具を用いてウエハをヒータに押し付けた状態
で、Pt薄膜を成膜したので、ウエハの実温度は、基板
温度と表示したバルクヒータの温度より5℃から100
℃の範囲で低い可能性がある。
【表4】
【0033】表4には、基板温度及び酸素流量と共に、
成膜したPt薄膜の配向性及び表面状態/光沢の観察結
果を示す。また、図4に試料a及びbのPt薄膜のX線
回折図形を示す。表4から、Pt薄膜の配向性は、成膜
速度が0.5nm/s以下である限り成膜速度には殆ど
依存しないことが分かる。
【0034】比較例3(酸素を含まない成膜雰囲気中で
のPt薄膜の成膜) 本比較例では、酸素含有成膜雰囲気中でPt薄膜を成膜
した実施例1及び2に対して、酸素を含まない成膜雰囲
気中でPt薄膜を成膜した比較例である。本比較例で
は、実施例1と同じMgO(100)配向膜上に、以下
の成膜条件が実施例1と異なることを除いて、実施例1
と同じ成膜条件で、RFスパッタリングにより試料a及
びbのPt薄膜を成膜した。 実施例1と異なる成膜条件 酸素流量 :スパッタガスはAr/酸素混合スパッタガ
スを使用せず、Arガスのみ 基板温度 :表5参照 593℃、757℃
【表5】
【0035】表5には、試料a及びbの基板温度及び酸
素流量と共に、成膜したPt薄膜の配向性及び表面状態
/光沢の観察結果を示す。また、図5に試料a及びbの
Pt薄膜のX線回折図形を示す。表5から、基板加熱を
行いつつ(100)配向性を有する下地層上にPt薄膜
を成膜したとしても、酸素含有成膜雰囲気中でPt薄膜
を成膜しない限り、下地層の配向性を十分に反映したP
t薄膜を下地層上に結晶成長させることができないこと
が分かる。
【0036】比較例4(Pt酸化物の熱処理による結晶
化) 本比較例は、実施例1及び実施例2に対する比較例であ
って、非加熱成膜したPt薄膜に熱処理を施した例であ
る。Pt薄膜成膜工程 比較例4では、先ず、実施例1と同じように、SiO2
膜を介してシリコン基板上に成膜されたMgO(10
0)配向膜上に、以下の成膜条件を除いて、実施例1と
同じ成膜条件で、試料aからdのPt薄膜をRFスパッ
タリングにより成膜した。 実施例1と異なる成膜条件 酸素流量 :表6参照 試料aからd毎に、スパッタガスとして用いたAr/酸
素混合スパッタガスの酸素流量を変化させて、成膜雰囲
気の酸素含有量を変えた。 基板温度 :表6参照 成膜中の基板温度を室温(約45℃)に保持した。表6
で基板温度と記した括弧内の温度は、サーモ・ラベルを
用いて測定した成膜中の基板温度である。
【表6】 図6に試料aからdのPt薄膜のX線回折図形を示す。
試料aからdのX線回折図形は、図6に示すように、図
2に示す比較例1の試料aからdのPt薄膜のX線回折
図形と同じであった。
【0037】熱処理工程 次いで、Pt薄膜成膜工程を経た試料aからdのPt薄
膜に酸素雰囲気中の熱処理又は窒素雰囲気中の熱処理に
よる還元処理を施して、試料aからdのPt薄膜を作製
した。熱処理では、急速加熱炉(東京エレクトロン社
製、AD−14)を用い、酸素ガス又は窒素ガスをそれ
ぞれ3リットル/分の流量で流しながら、温度850℃
で3分間試料を保持した。
【0038】表6には、試料aからdの基板温度及び酸
素流量と共に、熱処理したPt薄膜の配向性及び表面状
態/光沢の観察結果を示す。また、図7に窒素中、酸素
中で熱処理をした後の試料aからdのPt薄膜のX線回
折図形を示す。X線回折図形で判断する限り、酸素雰囲
気中の還元処理と窒素雰囲気中の還元処理との間で、試
料aからfのPt薄膜の結晶化の程度は同等であった。
また、Pt薄膜の表面性は、窒素雰囲気中の熱処理に比
べて、酸素雰囲気中の熱処理の場合の方が良好であった
が、いずれの場合にも均一な金属光沢を示さず、表面に
は曇りが生じ、Pt薄膜の配向は(111)方位が優勢
であった。
【0039】比較例5(金属的な酸化物の熱処理による
結晶化) 本比較例は、実施例1及び実施例2に対する比較例であ
って、実施例1と比較例1との中間の成膜温度で加熱成
膜したPt薄膜に酸素雰囲気中で熱処理を施した例であ
る。Pt薄膜成膜工程 比較例5では、先ず、実施例1と同じように、SiO2
膜を介してシリコン基板に成膜されたMgO(100)
配向膜上に、以下の成膜条件を除いて、実施例1と同じ
成膜条件で、試料aからcのPt薄膜をRFスパッタリ
ングにより成膜した。 実施例1と異なる成膜条件 酸素流量 :3.3sccm 基板温度 :約387℃
【0040】熱処理工程 次いで、酸素雰囲気中で成膜したPt薄膜に熱処理を施
して、試料b及びcのPt薄膜を作製した。熱処理で
は、急速加熱炉(東京エレクトロン社製、AD−14)
を用い、酸素ガスを3リットル/分の流量で流しなが
ら、温度860℃又は760℃で3分間保持して、熱処
理を施し、試料b及びcのPt薄膜を作製した。図8に
熱処理をした後の試料b、c及び熱処理を施していない
aのPt薄膜のX線回折図形を示す。図8から分かる通
り、試料b、cのいずれのPt薄膜も(111)優先配
向となっていた。
【0041】表1、2及び図1、2、8に示された実施
例1、比較例1、及び比較例5の結果を図9に纏めて表
示した。図9は、Pt(100)配向膜、つまりPt
(200)>>Pt薄膜(111)又はPt(200)
>>>Pt薄膜(111)のPt薄膜を得るためには、
基板温度及び成膜雰囲気の酸素分圧が線I−Iより上の
領域にあることが必要であることを示している。即ち、
基板温度は、300℃以上であって、成膜雰囲気中の酸
素含有率は0.3容量%以上10容量%以下である。例
えば、(100)配向性Pt薄膜を得るためには、RF
出力を40Wとしたとき、基板温度が600℃、酸素ガ
ス含有率が2.3容量%の酸素含有Arガス中で、RF
スパッタリングすることが必要である。
【0042】以上の実施形態例及び実施例では、(10
0)配向性Pt薄膜の成膜を例にして本発明方法を説明
した。実施形態例及び実施例に示した例以外にも、本発
明に係る配向性金属薄膜の成膜方法の要旨をはずれない
範囲で、種々の条件で配向性金属薄膜を作製することが
できる。例えば、スパッタガスに用いる不活性ガスとし
てAr以外に、Kr、Xeを用いても良く、また金属タ
ーゲットしてIr、Os、Ru、Rhを選択し、これら
の金属の配向性薄膜を、同じ方位の配向性を持つ酸化物
下地層上に成膜することができる。また、配向性を持つ
MgOなどの酸化物下地層は、必ずしもウエハ全面を均
一に覆っている必要はなく、ウエハ面に選択的に酸化物
下地層を成膜し、その上に配向性金属薄膜を結晶成長さ
せてもよい。
【0043】
【発明の効果】本発明方法によれば、配向性を有する酸
化物層を表面に有する半導体基板を加熱しつつ、酸素を
含有する不活性ガスに電界を印加して発生させたプラズ
マを用い、金属ターゲットをスパッタすることによりク
ラスタを生成させて、配向性を有する酸化物層上に金属
薄膜を成膜することにより、金属薄膜の成膜工程の後に
熱処理を要することなく、配向性金属薄膜、例えば(1
00)結晶方位を優先的に配向した薄膜を作製すること
ができる。本発明方法では、後熱処理工程がないので、
金属光沢に優れ、表面平坦性の良好な薄膜を作製するこ
とが出来る。本発明に係る(100)配向性の金属薄膜
の成膜方法は、基板として、成膜する金属の格子定数と
類似の格子定数を有する酸化物の配向性膜を準備すれば
良く、エピタキシャル結晶成長の場合の単結晶基板を用
意することの困難さを避けることが出来る。また、結晶
成長の性格が、下地層によるエピタキシャル結晶成長的
な効果を引き出しつつ成膜する方法であるので、接着強
度が強く、後工程で高温下で誘電体薄膜を形成する際に
も、安定な配向性金属薄膜を成膜することできる。
【0044】本発明方法に従って成膜した配向性Pt薄
膜を、後工程の強誘電体薄膜の成膜工程で曝される、例
えば700℃の酸化性高温雰囲気に1時間暴露しても、
表面の金属光沢、結晶配向性を保持することができる。
従って、PZT、SBTなどの酸化物強誘導体を形成す
るときに、本発明による金属薄膜、例えば、本発明方法
で成膜したPt薄膜を下地として用いることにより、配
向性金属薄膜が結晶配向性を有する下地薄膜として機能
するので、結晶配向性を持つPZT、SBTなどの酸化
物強誘電体薄膜を容易に形成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の600℃前後の基板温度で成膜した
試料(b)〜(d)のそれぞれの薄膜の成膜直後のX線
回折図形である。
【図2】比較例1の試料(a)〜(f)のそれぞれの薄
膜の成膜直後のX線回折図形である。
【図3】比較例2の試料(a)及び(b)のそれぞれの
薄膜の成膜直後のX線回折図形である。
【図4】実施例1の600℃前後の基板温度で成膜した
試料(a)及び(b)のそれぞれの薄膜の成膜直後のX
線回折図形である。
【図5】比較例3の試料(a)及び(b)のそれぞれの
薄膜の成膜直後のX線回折図形である。
【図6】比較例4の試料(a)から(d)のそれぞれの
薄膜の成膜後、窒素雰囲気中で熱処理を施した後のX線
回折図形である。
【図7】比較例4の試料(a)から(d)のそれぞれの
薄膜の成膜後、酸素雰囲気中で熱処理を施した後のX線
回折図形である。
【図8】比較例5の試料(a)から(c)のそれぞれの
薄膜のX線回折図形であって、(a)は成膜直後の薄
膜、(b)は860℃熱処理後の薄膜、(c)は760
℃熱処理後の薄膜のX線回折図形である。
【図9】実施例1及び比較例1、5の結果を纏めて表示
したグラフであって、(100)配向Pt薄膜を得るた
めの最適条件を、基板温度とスパッタガス中の含有酸素
量(%)の関係として示したものである。
【図10】実施形態例の配向性金属薄膜の有する機能素
子の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
10……実施形態例の機能素子、12……シリコン(S
i)基板、14……MgO(100)配向膜、16……
Pt(100)薄膜、18……酸化物強誘電体膜。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配向性を有する酸化物層を半導体基板上
    に成膜する酸化物成膜工程と、 酸化物成膜工程を経た半導体基板を加熱しつつ、酸素を
    含有する不活性ガスに電界を印加して発生させたプラズ
    マを用い、金属ターゲットをスパッタすることによりク
    ラスタを生成させて、配向性を有する酸化物層上に配向
    性金属薄膜を成膜する金属薄膜成膜工程とを有し、金属
    薄膜成膜工程の後に熱処理を施すことなく、配向性金属
    薄膜を成膜することを特徴とする配向性金属薄膜の成膜
    方法。
  2. 【請求項2】 配向性を有する酸化物層は、配向性金属
    薄膜の金属結晶の格子定数に近似する格子定数を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の配向性金属薄膜の成
    膜方法。
  3. 【請求項3】 酸化物成膜工程では、配向性を有する酸
    化物層として、(100)方向に優先配向性を有する酸
    化物層を成膜し、 金属薄膜成膜工程では、配向性金属薄膜として、金属薄
    膜の結晶の(100)方向が概ね半導体基板の成膜面に
    対する法線と一致するように優先配向し、X線回折法等
    によって金属薄膜の回折図形を求めると、金属薄膜の
    (200)方向のブラッグ散乱強度が(111)方向の
    ブラッグ散乱強度の2倍を超え、金属光沢を有する(1
    00)配向性金属薄膜を成膜することを特徴とする請求
    項1又は2に記載の配向性金属薄膜の成膜方法。
  4. 【請求項4】 金属ターゲットとして貴金属からなるタ
    ーゲットを使い、配向性貴金属薄膜を成膜することを特
    徴とする請求項1に記載の配向性金属薄膜の成膜方法。
  5. 【請求項5】 配向性貴金属薄膜として配向性Pt薄膜
    又は配向性Ir薄膜を成膜する際には、配向性を有する
    酸化物層としてMgOを半導体基板上に成膜することを
    特徴とする請求項4に記載の配向性金属薄膜の成膜方
    法。
  6. 【請求項6】 酸素を含有する不活性ガス中の酸素ガス
    の含有率が、0.3容量%以上10容量%以下であるこ
    とを特徴とする請求項5に記載の配向性金属薄膜の成膜
    方法。
  7. 【請求項7】 基板温度が300℃以上750℃以下の
    範囲の温度になるように、基板を加熱することを特徴と
    する請求項5に記載の配向性金属薄膜の成膜方法。
  8. 【請求項8】 半導体基板上に成膜され、(100)方
    向に優先配向性を有する酸化物層と、 (100)方向に優先配向性を有する酸化物層上に成膜
    され、金属薄膜の結晶の(100)方向がほぼ半導体基
    板の成膜面に対する法線と一致するように優先配向し、
    X線回折法等によって金属薄膜の回折図形を求めると、
    金属薄膜の(200)方向のブラッグ散乱強度が(11
    1)方向のブラッグ散乱強度の2倍を超え、かつ金属光
    沢を有する配向性金属薄膜と、 配向性金属薄膜上に成膜された強誘電体薄膜とを有する
    ことを特徴とする配向性金属薄膜を有する機能素子。
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