JP2001220676A - 強誘電体材料薄膜の成膜方法とその用途 - Google Patents
強誘電体材料薄膜の成膜方法とその用途Info
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Abstract
質、特性を生産性を低下させずに改良すること。 【解決手段】 MOCVD法において原料有機金属化合
物ガスを間欠的に基板上に供給する。
Description
成膜方法およびその用途に係り、より詳しくは有機金属
化合物化学的気相堆積法(MOCVD法)によるPb
(Zr,Ti)O3〔PZT〕などの強誘電体材料薄膜
の成膜方法と、この方法を用いて強誘電体メモリ、アク
チュエータ、マイクロマシンを製造する方法に関する。
メモリやアクチュエータなどの多くの応用がある。特
に、最近、メモリーの不揮発化のニーズが高まっている
結果、強誘電体薄膜材料およびその成膜方法の研究開発
が盛んに進められるようになっている。
スパッタリング法やゾルゲル法が多く用いられていた
が、最近、レーザーアブレーション法、有機金属化合物
堆積法(MOD)、MOCVD法なども用いられるよう
になってきた。現状では、組成制御の容易性とその結果
としての強誘電体特性の安定性の面から溶液塗布法が最
も実用的な成膜方法であるが、高集積誘電体メモリーの
実用化に向けては、物性制御性の高さ、段差被覆性の高
さ、広い面積への膜厚や組成の均一合成、高い生産性な
どからMOCVD法が最も有望と考えられる。
した系では、Pb(C11H19O2 ) 2 −Zr(O・t−
C4 H9 )4 −Ti(O・i−C3 H7 )4 −O2 を原
料とし、(111)Pt基板上に620℃でPZTが成
膜される。しかし、MOCVD法により成膜したPZT
などの強誘電体薄膜を不揮発メモリーなどに実用化する
ためには、一般に、リーク特性、組成再現性、表面平滑
化、低温化などが課題とされている。
て、高温アニール、添加物の検討のほか、CVDプロセ
ス自身を改善するものとして、PZTについて、(Zr
+Ti)の原子層と、Pbの原子層を交互に規則的に積
層する方法が提案されている。この成膜法は、組成制御
性、結晶制御性の点では理想的なものであるが、プロセ
スが複雑で、成膜速度が遅いので、大型ウェーハーを用
いた商業的生産には向かないものである。また、同様
に、(Pb+Ti)の原子層と(Pb+Zr)の原子層
を交互に規則的に積層する方法も提案されているが、上
記の方法と同様の問題があるほか、複合酸化物中の固相
拡散による不均一性という問題もある。
な従来のMOCVDプロセスの問題点を解決し、PZT
などの強誘電体薄膜の特性を向上させることが可能な、
簡便で商業的生産に適した方法を提供することを目的と
する。また、その方法を用いて強誘電体メモリ、アクチ
ュエータ、マイクロマシンなどを製造する方法を提供す
ることも目的とする。
成するために下記を提供する。 (1)有機金属化合物化学的気相堆積法による強誘電体
材料膜の成膜方法であって、基材上に原料有機金属化合
物ガスを間欠的に供給して強誘電体材料膜を堆積するこ
とを特徴とする強誘電体材料膜の成膜方法。
供給の間に、基材上に原料有機金属化合物ガスのパージ
ガスを流すか、又は真空排気することを特徴とする上記
(1)記載の強誘電体材料膜の成膜方法。 (3)強誘電体材料がPb(Zr,Ti)O3 であるこ
とを特徴とする上記(1),(2)に記載の強誘電体材
料膜の成膜方法。
基板上に堆積される強誘電体材料の結晶の均一性、配向
性などが向上し、また堆積膜の表面平滑性も向上するな
どの効果が見られた。しかも、CVDプロセス自体は従
来のCVD法を基本的にそのまま利用できるので制御
性、大規模向けにも好適である。また、得られる強誘電
体材料のリーク特性、組成再現性などにも優れることが
できるものである。
材料膜のMOCVD法による成膜方法を利用して強誘電
体メモリ、アクチュエータ、マイクロマシンなどを製造
する方法も提供される。
のは、強誘電体材料である。強誘電体材料としては、酸
化物系、非酸化物系があり、本発明の方法はどちらにも
適用可能であるが、主として酸化物系に向けられてい
る。酸化物系強誘電体材料としては、Pb(Zr,T
i)O3 〔PZT〕,(Pb,La)(Zr,Ti)O
3 〔PLZT〕,SrBi2 Ta2 O9 ,Bi4 Ti3
O12,YMnO3 ,Sr2 (Ta,Nb)2 O7 ,(B
a,Sr)TiO3 ,Pb5 Ge3 O11などを挙げるこ
とができる。PZTは好適な強誘電体材料である。
ような強誘電体材料を成膜するための出発原料は、その
強誘電体材料をMOCVD法で成膜するために利用でき
ることが公知の出発原料をそのまま用いることができ、
特に限定されない。すなわち、強誘電体材料を構成する
金属を含む気化可能な有機金属化合物であればよい。一
般的には、アルキル金属化合物、アルコキシ金属化合
物、アルキルアルコキシ金属化合物、β−ジケトン化合
物、シクロペンタジエニル化合物、ハロゲン化物などが
用いられる。
CO)2 CH−をthdで表わすと、Pb原料としてP
b(C2 H5 )4 ,Pb(thd)2 ,(C2 H5 )3
PbOCH2 C(CH3 )3 ,Pb(C2 H5 )3 (t
−OC4 H9 ),Pb(C11H19O2 )2 ,Pb(CH
3 )4 ,PbCl4 ,Pb(n−C3 H7 )4 ,Pb
(i−C3 H7 )4 ,Pb(C6 H5 )4 ,PbCl2
など、Zr原料としてZr(t−OC4 H9 )4 ,Zr
(i−C3 H7 )4 ,Zr(thd)4 ,ZrCl4 ,
Zr(C5 H5 )2 Cl2 ,Zr(OCH3 )4 ,Zr
(OC2 H5 )4,Zr(n−OC5 H11)4 ,Zr
(C2 H6 O2 )4 ,など、Ti原料としてTi(i−
OC3 H7 )4 ,Ti(thd)2 (i−OC3 H7 )
2 ,Ti(OC2 H5 )4 ,TiCl4 ,Ti(OCH
3 )4 ,Ti(OCH9 )4 ,Ti(OC5 H11)4 な
どを挙げることができる。また、PZTではPbの一部
をLaで置換することが行なわれるが、その場合のLa
原料としてはLa(thd)3,La(C2 H6 O2 )
4 ,LaCl3 などを用いることができる。これらの原
料の多くは、毒性の問題のほか、室温で固体や液体であ
り、蒸気圧も低いので、加熱して蒸気圧を高くする必要
がある。
の場合、Sr原料としてSrCl2,Sr(C5 H5 )
2 ,Sr(C5 (CH3 )5 )2 ,Sr(thd)2 ,
Sr(thd)2 (C8 H23N5 )x ,Bi原料として
BH3 ,BiCl3 ,BiBr3 ,Bi(CH3 )3 ,
Bi(C2 H5 )3 ,Bi(C3 H7 )3 ,Bi(C 4
H9 )3 ,Bi(C5 H11)3 ,Bi(C5 H5 )3 ,
Bi(CH3 C6 H4)3 ,Bi(OCH2 CH2 N
(CH3 )2 )3 ,BiI3 ,Ta原料としてTaCl
5 ,TaC5 H5 Cl,Ta(OCH3 )5 ,Ta(O
C2 H5 )5 ,Ta(OC3 H7 )5 ,Ta(OC4 H
9 )5 などを用いることができる。
d)2 ,Ba(thd)2 (C8 H 23N5 )x なども使
用できる。必要に応じてキャリヤガスとしては不活性ガ
ス、Ar,N2 などを用いることができる。また、
H2 ,O2 などをキャリヤガスとして用いる場合もあ
る。本発明の方法では、上記の如きMOCVD原料ガス
を基板上に間欠的に供給することを特徴とする。従っ
て、本発明の方法はパルス成膜法と呼ぶことができる。
原料ガスの間欠的供給時間は、原料ガスの種類、流量、
基板温度などにも依存するが、一般的には、1〜50秒
間程度、好ましくは5〜10秒間程度である。供給時間
が短かすぎると結晶の成長が不十分になり、所望の強誘
電特性が得られないおそれがある。また、供給時間が長
すぎると、間欠的供給の利点が得られなくなる。
定するわけではないが、パージガスを流すかあるいは真
空排気することが好ましい。それによって原料ガスの間
欠的供給の効果がより明瞭にされるからである。パージ
する場合、パージ時間は原料が確実に一旦パージされれ
ば十分であり、あまり長い時間パージする必要はない。
一般的には、60秒以下であるが、20秒以下が好まし
い。
Arが好適であるが、原料ガス成分のうち特定のガスで
あっても反応性がなければパージガスとして利用でき
る。本発明の方法において、原料ガスを間欠的に供給す
る点以外は基本的に、一般的なMOCVD法の条件(反
応器、原料、原料組成、基板、基板温度など)をそのま
ま採用することができる。
について述べると、以下の如くである。PZTは、一般
式Pb(Zr,TiO)3 で表わされるが、さらにPb
の一部がLa,Nb,Caなどで置換されたもの(PL
ZT)は広くPZT系と呼ばれる。PbTiO3 とPb
ZrO3 は全率固溶し、PbTiO3 に近い領域を除い
た広いZr/Ti比の範囲において強誘電体となる。Z
r/Ti=55/45付近において組成的相境界があ
り、これよりZrリッチ側では菱面体晶、Tiリッチ側
では正方晶の結晶構造をとる。キュリー温度TC は、P
bZrO3 の230℃とPbTiO3 の490℃の間で
Zr/Ti比に応じて連続的に変化する。
が、作表例として、Pb(C7 H19O2 )2 ,Zr(O
・t−C4 H9 )4 ,Ti(O・i−C3 H7 )4 ,O
2 を用いる例について、図1を参照して本発明の方法を
さらに説明する。図1は実施例で用いたPZT成膜用M
OCVD装置の模式図である。この装置では、コールド
ウェール型反応器1に予備加熱手段2を設け、その反応
器1内の加熱用サセプタ3上に基板4を載置している。
Pb原料6であるPb(C11H19O2 )2 は室温で固体
であるのでオーブル5で加熱し、その上方にキャリヤガ
スとしてArを吹き付けて気化させる。Zr原料7であ
るZr(O・t−C4 H9 )4 、Ti原料であるTi
(O・i−C3 H7 )4 は室温で液体であり、それぞれ
加熱された液体原料にキャリヤガスArをバブリングし
て気化させる。9がアルゴンボンベ、10は酸素ボンベ
である。キャリヤガスはN2 やHeでもよい。反応器1
は、フィルター11を介して、メカニカルブースターポ
ンプ12、ロータリーポンプ13で排気し、除害装置1
4を介して外部へ排出されるようになっている。各原料
源から発生させた原料ガスは混合され、混合ガスとして
反応器1に供給される。原料混合ガスは加熱された基板
4上で反応してPZTが堆積される。
iのモル比及びO2 /Pbのモル比を所望のPZT組成
に応じて所定に調整する。例えば、正方晶PZTではZ
r(Zr+Ti)=0.42、菱面体晶PZTではZr
/(Zr+Ti)=0.68、かついずれもPb/(P
b+Zr+Ti)=0.5とする。ただし、O2 /Pb
のモル比はあまり限格ではなく必要量以上であればよ
い。
して(111)Pt/Ti/SiO 2 /Si,Ir/T
iO2 /SiO2 /Si,IrO2 、単結晶PZTの成
長基板として(100)SrRuO3 /(100)Sr
TiO3 ,(111)SrRuO3 /(111)SrT
iO3 ,(110)SrRuO3 /(110)SrTi
O3 などが好適なものとして知られているが、PZT結
晶を所望に成長させうるものであればよい。この例では
(111)Pt/Ti/SiO2 /Siを基板4として
用いるものとする。Siウェーハ上に電極を兼ねかつP
ZTの結晶成長に適しているPt層を形成すると、Si
とPtが反応するので、SiO2 層を介在させ、かつバ
インダ層としてTi層を挿入したものである。Ptはス
パッタにより(111)配向したfcc結晶が成長する
ことができる。
内に導入し、基板4上にPZTを堆積させるが、本発明
の方法では、図2に示す如く、原料ガスの供給を間欠的
(パルス状)に行なう。例えば原料ガス供給時間を5〜
10秒、間隔を0〜20秒とする。原料ガスの供給及び
停止はバルブ15によって行ない、同時にバルブ16を
開閉して原料ガスの供給を停止している間にパージガス
を反応器1に導入する。パージガスを導入することによ
り、PZTの間欠的な堆積をより確実なものとすること
ができる。
MOCVD装置の構成はこれに限定されない。例えば縦
型の反応室でもよい。基板上に堆積させるPZTなどの
強誘電体材料薄膜の膜厚は、特に限定されず、用途に応
じて決められるが、一般的には、メモリ用には50〜2
50nm、アクチュエータ用には1〜10μm、マイクロ
マシン用には約10μm以下の厚さである。誘電率は膜
厚が約250nmで飽和するので、メモリ用途では250
nm以下の厚さが一般的である。
を用いて強誘電体メモリ、アクチュエータ、マイクロマ
シンなどを作成する場合、その構成と、製造方法は従来
法と同様であることができる。
−Ti(O・i−C3H7 )4 −O2 系原料を用いて、
PZTを成膜した。実験装置は図1に模式的に示した構
成を有する横型フローのコールドウォール型反応室を用
いた。Zr(Ot−C4 H9 )4 とTi(Oi−C3 H
7 )4 の原料は液体で、Arガスを用いてバブリングす
ることで気体を得た。一方Pb(C11H19O2 )2 はA
rガスを上方から吹き付けて気体を得た。基板には(1
11)Pt/Ti/SiO2 /Siを用いた。
2(正方晶)又は0.68(菱面体晶)かつPb/(P
b+Zr+Ti)=0.5とし、基板温度620℃とし
た。パルスでの原料ガス導入法は、図2に示した如く、
通常の連続成膜にガスを送らない時間、パージ時間をも
うけ、ガスを送るときとArパージを交互にバルブを切
り替えることによって行った。
変化させて、PZTを成膜し、得られたPZT薄膜の化
学組成、結晶性、強誘電特性その他を評価した。以下に
その結果を示す。PZT薄膜の強誘電特性、電気的特性
はPZT薄膜上にさらにPt薄膜をスパッタして測定し
た。上記のパルス成膜法(間欠的成膜法)との比較のた
めに、原料ガスを連続的に供給する以外は上記のパルス
法と同様にして従来の連続成膜法によるPZTの成膜を
行なった。 (パージ時間依存性)原料ガス供給時間を10秒及び5
秒とし、それぞれについてArパージ時間を1秒、2
秒、3秒、5秒、10秒、20秒と変えたが、原料ガス
供給時間中の成膜速度は2.1nm/分で一定であり、ま
た得られたPZTの組成(正方晶、菱面体晶とも)、も
パージ時間に依存せず一定であった。
きな蒸発もなく、組成制御性は連続成膜法と変わりなか
った。 (結晶構造)連続成膜法とパルス成膜法で得られた正方
晶、菱面体晶のPZTのそれぞれについて行ったX線回
析分析のチャートを図3、図4に示す。
膜法では(110)、(111)配向が混在している
が、パルス成膜法によれば(110)配向が大幅に減少
し、(111)配向が増大している。菱面体晶では、連
続法、パルス成膜法ともに(111)配向しており、
(110)配向は見られない。また、PZT(111)
の特性ピークであるZr/(Zr+Ti)=0.42で
2θ=38.5°、Zr/(Zr+Ti)=0.68で
2θ=37.7°のピークのロッキングカーブの半価幅
(FWHM)を測定したところ、下記表1に示すよう
に、パルス法の方が半値幅が減少し、結晶性(の均一
性)が向上していることを示している。
たところ、連続成膜法では結晶性の大きさは不均一で角
張った形をしており、表面の凹凸は大きかった。それに
対し、パルス法では結晶性の大きさが比較的均一な球状
で、緻密になると共に表面の平坦性が大きく向上してい
た。
も大きく向上しており、原料ガスのパルス導入によれば
連続導入よりも核生成が頻繁に起こるために、結晶構造
がより緻密になり、その結果としてリーク特性も向上し
たものと考えられる。 (I−V特性)得られたPZT薄膜(厚さ250nm)の
電流−電圧特性(I−V特性)を測定した結果を図5、
図6に示す。連続法と比べてパルス法により、リーク特
性が向上している。
異なるが、より単一配向することによりリークが抑えら
れている。即ち、正方晶では(110)、(111)配
向から(111)配向に配向性が向上したことにより、
リーク特性もより向上しているものと考えられる。 (P−E特性)得られたPZT薄膜(厚さ250nm)の
分極電荷−電界特性(P−E特性)を測定した結果を図
7、図8に示す。正方晶PZTでは残留分極電荷Pr=
40μC/cm2 、抗電界Ec=80kV/cmであり、菱面
体晶ではPr=20μC/cm2、Ec=50kV/cmであ
り、いずれも非常に良好な値であった。 (EcとPr)上記のPZT薄膜のEcとPrの印加電
圧との関係を、正方晶と菱面体晶のそれぞれについて図
9、図10に示す。
共に大きい。これは膜の結晶性がより高いことに起因し
ていると考えられる。また、正方晶の方が菱面体晶より
低電圧でPrが飽和している。これはパルス成膜法によ
る効果が正方晶の方が大きいことを示している。 (まとめ/効果) 結晶構造:組成によらずパルス成膜することにより膜の
結晶性が大幅に増加する。また配向性は、正方晶PZT
では無配向の膜がより(111)への高配向膜へ変化
し、菱面体晶PZTでは(111)配向性が強くなって
ることから、両組成とも(111)配向膜が得られた。
そしてその(111)面のロッキングカーブによる半価
幅から結晶配向完全性を見積もると、正方晶PZTでは
連続供給で4.10°がパルス成膜法で3.39°に、
菱面体晶PZTで連続成膜法で5.40°が5.07°
と、どちらも結晶配向性の向上も確認できた。
とによりリーク特性が改善される。10-6A/cm2 乗台
から10-7A/cm2 乗台に改善。またそれらの耐圧も2
倍以上になった。特に正方晶PZTでは連続成膜法とパ
ルス成膜法の差が大きく出ることがわかった。 表面構造:連続成膜法では粒径が不均一であるのに対
し、パルス成膜することによって粒径が均一化し、より
密な構造となっている。
表面が滑らかになっている。平均表面粗さRaでみると
菱面体晶PZTが約1割、正方晶PZTで約5割小さく
なっており、パルス成膜法の方がより滑らかな表面とな
っていた。したがって、パルス成膜法は粒径がそろうだ
けでなく、表面平滑性も大きく改善した。 強誘電特性:どちらの組成でも良好な強誘電特性を得る
ことができた。正方晶PZTではPr=40μC/c
m2 、Ec=80kV/cm、菱面体晶PZTではPr=2
0μC/cm2 、Ec=50kV/cmと非常に大きな強誘電
性を得た。また低い電圧から飽和する特性が得られた。
このようにパルス成膜法では高い強誘電性を持つ膜を得
ることができた。
るほど結晶性も強誘電特性その他の特性を改良される
が、飽和状態に達する。パージ時間はアニール効果を奏
していると考えられる。実施例2 実施例1と同様にして、ただし基板として(111)S
rRuO3 /(111)SrTiO3 を用いて、PZT
をエピタキシャル成長させた。
トを図11に示す。パルス成膜法により(111)エピ
タキシャル膜が得られ、菱面体晶PZTの2θ=37.
7°における半値幅は0.771°であり、多結晶の
5.071°と比べるとその差が明瞭である。同様にし
て、得られたPZTエピタキシャル結晶薄膜の表面特
性、I−V特性、P−E特性、EcとPrなどを実施例
1と同様に評価した。PZT多結晶薄膜と比べてPZT
単結晶薄膜の方が、優れた特性を示した。
ス成膜法によりリーク電流が低下している。P−E特性
を図14、図15に示す。正方晶PZTでPr=40μ
C/cm2 、Ec=80kV/cm、菱面体晶PZTでPr=
40μC/cm2 、Ec=70kV/cmの優れた特性が得ら
れた。多結晶よりもエピタキシャル結晶の方がEc,P
r共により大きく、分極がより大きいので、実用化に有
効であることを示している。
エピタキシャルPZTにおいても有効であることが示さ
れた。実施例3 実施例1と同様の方法で、図1に示したと類似の装置
で、基板として(111)Pt/Ti/SiO2 /Si
を用い、原料有機化合物としてBi(CH3 )3〔トリ
ケミカル研究所製〕、Sr{Ta0.7 Nb0.3 (OC2
H5 )5 (OC2H4 OCH3 )}2 〔高純度化学研究
所製〕を用い、キャリヤガスとしてArを用い、基板温
度650℃とし、原料ガス供給時間10秒、パージ時間
5秒で繰り返してSrBi2 (Ta,Nb)2 O9 を成
膜した。
この膜についてP−Eヒステリシス曲線を測定した結果
を図16に示す。650℃という低温で優れた角形ヒス
テリシス曲線が得られている。比較のため、上記と同様
であるが、パージなしで連続成膜して作成したSrBi
2 (Ta,Nb)2 O9 は平坦性がパルス成膜した膜よ
り劣り、そのP−Eヒステリシス曲線は図17に示す如
く劣ったものであった。
ば、結晶性が向上し、また表面平坦性にも優れる結果、
強誘電特性、リーク特性などが改良される効果が奏され
る。
チャート。
特性。
流特性。
特性。
界特性。
のP−Eヒステリシス曲線。
のP−Eヒステリシス曲線。
Claims (7)
- 【請求項1】 有機金属化合物化学的気相堆積法による
強誘電体材料膜の成膜方法であって、基材上に原料有機
金属化合物ガスを間欠的に供給して強誘電体材料膜を堆
積することを特徴とする強誘電体材料膜の成膜方法。 - 【請求項2】 間欠的な原料有機金属化合物ガスの供給
の間に、基材上に原料有機金属化合物ガスのパージガス
を流すか、又は真空排気することを特徴とする請求項1
に記載の強誘電体材料膜の成膜方法。 - 【請求項3】 強誘電体材料がPb(Zr,Ti)O3
であることを特徴とする請求項1又は2に記載の強誘電
体材料膜の成膜方法。 - 【請求項4】 強誘電体材料がSrBi2 Ta2 O9 で
あることを特徴とする請求項1又は2に記載の強誘電体
材料膜の成膜方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の強誘電
体材料膜の成膜方法を用いて、強誘電体メモリを作成す
ることを特徴とする強誘電体メモリの製造方法。 - 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の強誘電
体材料膜の成膜方法を用いて、アクチュエータを作成す
ることを特徴とするアクチュエータの製造方法。 - 【請求項7】 請求項1〜4のいずれかに記載の強誘電
体材料膜の成膜方法を用いて、マイクロマシンを作成す
ることを特徴とするマイクロマシンの製造方法。
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