JP2001332474A - レジスト塗布処理装置およびレジスト塗布処理方法 - Google Patents

レジスト塗布処理装置およびレジスト塗布処理方法

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JP2001332474A JP2000151491A JP2000151491A JP2001332474A JP 2001332474 A JP2001332474 A JP 2001332474A JP 2000151491 A JP2000151491 A JP 2000151491A JP 2000151491 A JP2000151491 A JP 2000151491A JP 2001332474 A JP2001332474 A JP 2001332474A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体ウエハ等の基板上にレジスト膜を形成
するに際して、ウエハから振り切られる等された不要な
レジスト液を回収し、再利用を可能としたレジスト塗布
処理装置およびレジスト塗布処理方法を提供する。 【解決手段】 レジスト塗布処理装置70を、基板にレ
ジスト液を塗布する塗布処理部たるレジスト塗布ユニッ
ト(COT)と、レジスト塗布ユニット(COT)から
排出される排レジスト液を回収する回収部80と、回収
部80に貯留された排レジスト液を濃縮する増粘処理部
30と、排レジスト液の増粘処理時に発生する揮発性溶
剤の蒸気を液化させる溶剤回収部(シンナー回収部)3
2と、増粘処理部30において製造された増粘レジスト
液と、溶剤回収部32で製造された揮発性溶剤または新
しい揮発性溶剤とを混合する混合処理部40から構成し
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハ等の
基板上にレジスト膜を形成するためのレジスト塗布処理
装置およびレジスト塗布処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導体デバイスの製造プロセス
におけるフォトリソグラフィー工程のためのレジスト塗
布・現像処理システムにおいては、半導体ウエハ(ウエ
ハ)の表面にレジスト膜を形成するレジスト塗布処理
と、レジスト塗布後のウエハに対して露光処理を行った
後に前記ウエハを現像する現像処理とが行われている。
このうち、レジスト塗布処理は、このシステムに搭載さ
れたレジスト塗布ユニットを用いて行われており、ウエ
ハ表面にレジスト液を均一に塗布するための方法として
は、スピンコーティング法等が多用されている。
【0003】このスピンコーティング法は、例えば、水
平面内で回転可能なスピンチャック上にウエハを真空吸
着して固定保持し、ウエハの上方からレジスト液をウエ
ハの中央部に滴下にして、ウエハをスピンチャックとと
もに回転させることにより、滴下されたレジスト液を遠
心力によってウエハの径方向外側に向かって拡げるもの
である。
【0004】そして、レジスト液の滴下を停止して、ウ
エハを所定速度で回転させることにより、ウエハ上の残
余のレジストを振り切るとともに、形成されたレジスト
膜を乾燥させている。さらに、多くの場合、レジスト液
に含まれる揮発性溶剤を、レジスト膜が形成された基板
の裏面および周縁部に吐出して、不要に付着したレジス
トを除去するバックリンス処理やサイドリンス処理が行
われる。
【0005】従来、このようなレジスト膜の形成処理に
あたって、ウエハ上から振り切られたレジスト液および
バックリンス処理やサイドリンス処理の際に排出される
低粘度のレジスト液は、ともに廃棄されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、均一な
厚みを有するレジスト膜を形成するために、ウエハ上に
滴下されるレジスト液の量は、実際に膜となる量を大き
く上回る。このため、結果的に1枚のウエハあたりのレ
ジスト消費量は増大し、処理コストが割高となる問題を
有していた。
【0007】本発明はこのような従来技術が有する課題
に鑑みてなされたものであって、使用されたレジスト液
の効率的な回収と再利用を可能とするレジスト塗布処理
装置およびレジスト塗布処理方法を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、基板にレジスト液を塗布する塗布処理部と、前記塗
布処理部から排出される排レジスト液を濃縮する増粘処
理部と、前記増粘処理部において製造された増粘レジス
ト液と溶剤とを混合して所定粘度のレジスト液を再生す
る混合処理部と、を具備することを特徴とするレジスト
塗布処理装置、が提供される。
【0009】また、本発明によれば、基板にレジスト液
を塗布する塗布処理部と、前記塗布処理部から排出され
る排レジスト液を回収する回収部と、前記回収部に貯留
された排レジスト液を濃縮する増粘処理部と、前記排レ
ジスト液の増粘処理時に発生する溶剤の蒸気を液化させ
る溶剤回収部と、前記増粘処理部において製造された増
粘レジスト液と、前記溶剤回収部で製造された溶剤また
は新しい溶剤とを混合する混合処理部と、を具備するこ
とを特徴とするレジスト塗布処理装置、が提供される。
【0010】さらに本発明によれば、基板上にレジスト
膜を形成するレジスト塗布処理方法であって、前記基板
にレジスト液を塗布して成膜処理を行うとともに、不要
な基板上のレジスト液を除去する第1工程と、前記第1
工程において排出される排レジスト液を回収する第2工
程と、前記第2工程において回収された排レジスト液を
濃縮して増粘レジスト液を製造する第3工程と、前記増
粘レジスト液とレジスト液の溶剤とを混合して、再生レ
ジスト液を製造する第4工程と、を有することを特徴と
するレジスト塗布処理方法、が提供される。
【0011】このようなレジスト塗布処理装置およびレ
ジスト塗布処理方法によれば、塗布処理部から排出され
る排レジスト液およびレジスト液の溶剤のいずれもが回
収されることから、廃棄される液量が低減され、また、
再生されたレジスト液を用いて基板にレジスト膜を形成
することが可能となることから、基板1枚あたりに使用
されるレジスト液量が低減されて、処理コストの低減が
図られる。また、回収された排レジスト液は、高粘度の
レジスト液とレジスト液に含まれる揮発性溶剤とに分離
されることから、その後の粘度調整が容易である。
【0012】また、レジスト塗布処理装置を、大きくは
塗布処理部、回収部、増粘処理部、混合処理部等にブロ
ック分けすることにより、排レジスト液の回収、保存、
再生といった処理を独立に行うことができるようにな
り、レジスト塗布処理装置の運転シーケンスを、作業内
容に合わせて都度好適なものとして、処理作業性を向上
させることができる。さらに、各部についてのメンテナ
ンスや洗浄処理も容易に行うことが可能であり、保守性
が向上する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明の実施の形態について、半導体ウエハ(ウエハ)へレ
ジスト膜を形成するために用いられるレジスト塗布・現
像処理システムを例として詳細に説明する。図1は本発
明のレジスト塗布処理装置が搭載されたレジスト塗布・
現像処理システムを示す概略平面図、図2はその正面
図、図3はその背面図である。
【0014】このレジスト塗布・現像処理システム1
は、搬送ステーションであるカセットステーション10
と、複数の処理ユニットを有する処理ステーション11
と、処理ステーション11と隣接して設けられる露光装
置(図示せず。)との間でウエハWを受け渡すためのイ
ンターフェイス部12とを具備している。
【0015】カセットステーション10は、被処理体と
してのウエハWを複数枚、例えば25枚単位でウエハカ
セットCRに搭載された状態で他のシステムからこのレ
ジスト塗布・現像処理システム1へ搬入またはこのレジ
スト塗布・現像処理システム1から他のシステムへ搬出
する等、ウエハカセットCRと処理ステーション11と
の間でウエハWの搬送を行うためのものである。
【0016】このカセットステーション10において
は、図1に示すように、載置台20上に図中X方向に沿
って複数(図では4個)の位置決め突起20aが形成さ
れており、この突起20aの位置にウエハカセットCR
がそれぞれのウエハ出入口を処理ステーション11側に
向けて1列に載置可能となっている。ウエハカセットC
RにおいてはウエハWが垂直方向(Z方向)に配列され
ている。また、カセットステーション10は、載置台2
0と処理ステーション11との間に位置するウエハ搬送
機構21を有している。
【0017】ウエハ搬送機構21は、カセット配列方向
(X方向)およびその中のウエハWのウエハ配列方向
(Z方向)に移動可能なウエハ搬送用アーム21aを有
しており、このウエハ搬送用アーム21aによりいずれ
かのウエハカセットCRに対して選択的にアクセス可能
となっている。また、ウエハ搬送用アーム21aは、図
1中に示されるθ方向に回転可能に構成されており、後
述する処理ステーション11の第3の処理部Gに属す
るアライメントユニット(ALIM)およびエクステン
ションユニット(EXT)にもアクセスできるようにな
っている。
【0018】一方、処理ステーション11は、ウエハW
へ対して塗布・現像を行う際の一連の工程を実施するた
めの複数の処理ユニットを備え、これらが所定位置に多
段に配置されており、これらによりウエハWが1枚ずつ
処理される。この処理ステーション11は、図1に示す
ように、中心部にウエハ搬送路22aを有しており、こ
の中に主ウエハ搬送機構22が設けられ、ウエハ搬送路
22aの周りに全ての処理ユニットが配置された構成と
なっている。これら複数の処理ユニットは、複数の処理
部に分かれており、各処理部は複数の処理ユニットが垂
直方向(Z方向)に沿って多段に配置されている。
【0019】主ウエハ搬送機構22は、図3に示すよう
に、筒状支持体49の内側に、ウエハ搬送装置46を上
下方向(Z方向)に昇降自在に装備している。筒状支持
体49はモータ(図示せず。)の回転駆動力によって回
転可能となっており、それに伴ってウエハ搬送装置46
も一体的に回転可能となっている。
【0020】ウエハ搬送装置46は、搬送基台47の前
後方向に移動自在な複数本の保持部材48を備え、これ
らの保持部材48によって各処理ユニット間でのウエハ
Wの受け渡しを実現している。
【0021】また、図1に示すように、この実施の形態
においては、4個の処理部G・G ・G・Gがウ
エハ搬送路22aの周囲に配置されており、第5の処理
部G は必要に応じて配置可能となっている。これらの
うち、第1および第2の処理部G・Gはレジスト塗
布・現像処理システム1の正面(図1において手前)側
に並列に配置され、第3の処理部Gはカセットステー
ション10に隣接して配置され、第4の処理部Gはイ
ンターフェイス部12に隣接して配置されている。ま
た、第5の処理部Gは背面部に配置可能となってい
る。
【0022】第1の処理部Gでは、コータカップ(C
P)内でウエハWをスピンチャック(図示せず。)に乗
せて所定の処理を行う2台のスピナ型処理ユニットであ
るレジスト塗布ユニット(塗布処理部)(COT)およ
びレジストのパターンを現像する現像処理ユニット(D
EV)が下から順に2段に重ねられている。第2の処理
部Gも同様に、2台のスピナ型処理ユニットとしてレ
ジスト塗布ユニット(COT)および現像処理ユニット
(DEV)が下から順に2段に重ねられている。
【0023】第3の処理部Gにおいては、図3に示す
ように、ウエハWを載置台SP(図1)に載せて所定の
処理を行うオーブン型の処理ユニットが多段に重ねられ
ている。すなわち冷却処理を行うクーリングユニット
(COL)、レジストの定着性を高めるためのいわゆる
疎水化処理を行うアドヒージョンユニット(AD)、位
置合わせを行うアライメントユニット(ALIM)、ウ
エハWの搬入出を行うエクステンションユニット(EX
T)、露光処理前や露光処理後、さらには現像処理後に
ウエハWに対して加熱処理を行う4つのホットプレート
ユニット(HP)が下から順に8段に重ねられている。
なお、アライメントユニット(ALIM)の代わりにク
ーリングユニット(COL)を設け、クーリングユニッ
ト(COL)にアライメント機能を持たせてもよい。
【0024】第4の処理部Gも、オーブン型の処理ユ
ニットが多段に重ねられている。すなわち、クーリング
ユニット(COL)、クーリングプレートを備えたウエ
ハ搬入出部であるエクステンション・クーリングユニッ
ト(EXTCOL)、エクステンションユニット(EX
T)、クーリングユニット(COL)、および4つのホ
ットプレートユニット(HP)が下から順に8段に重ね
られている。
【0025】主ウエハ搬送機構22の背部側に第5の処
理部Gを設ける場合に、第5の処理部Gは、案内レ
ール25に沿って主ウエハ搬送機構22から見て側方へ
移動できるようになっている。従って、第5の処理部G
を設けた場合でも、これを案内レール25に沿ってス
ライドすることにより空間部が確保されるので、主ウエ
ハ搬送機構22に対して背後からメンテナンス作業を容
易に行うことができる。
【0026】インターフェイス部12は、奥行方向(X
方向)については、処理ステーション11と同じ長さを
有している。図1、図2に示すように、このインターフ
ェイス部12の正面部には、可搬性のピックアップカセ
ットCRと定置型のバッファカセットBRが2段に配置
され、背面部にはウエハWの周辺部のレジストを露光す
る周辺露光装置23が配設され、中央部には、ウエハ搬
送機構24が配設されている。
【0027】このウエハ搬送機構24は、ウエハ搬送用
アーム24aを有しており、このウエハ搬送用アーム2
4aは、X方向、Z方向に移動して両カセットCR・B
Rおよび周辺露光装置23にアクセス可能となってい
る。なお、このウエハ搬送用アーム24aは、θ方向に
回転可能であり、処理ステーション11の第4の処理部
に属するエクステンションユニット(EXT)や、
さらには隣接する露光装置側のウエハ受け渡し台(図示
せず。)にもアクセス可能となっている。
【0028】上述したレジスト塗布・現像処理システム
1においては、まず、カセットステーション10におい
て、ウエハ搬送機構21のウエハ搬送用アーム21aが
載置台20上の未処理のウエハWを収容しているウエハ
カセットCRにアクセスして、1枚のウエハWを取り出
し、第3の処理部Gのエクステンションユニット(E
XT)に搬送する。
【0029】ウエハWは、このエクステンションユニッ
ト(EXT)から、主ウエハ搬送機構22のウエハ搬送
装置46により、処理ステーション11に搬入される。
そして、第3の処理部Gのアライメントユニット(A
LIM)によりアライメントされた後、アドヒージョン
処理ユニット(AD)に搬送され、そこでレジストの定
着性を高めるための疎水化処理(HMDS処理)が施さ
れる。この処理は加熱を伴うため、その後ウエハWは、
ウエハ搬送装置46により、クーリングユニット(CO
L)に搬送されて冷却される。
【0030】アドヒージョン処理が終了し、クーリング
ユニット(COL)で冷却されたウエハWは、引き続
き、ウエハ搬送装置46によりレジスト塗布ユニット
(COT)に搬送され、そこでウエハWにレジスト液が
塗布され、レジスト膜が形成される。このレジスト塗布
処理終了後、ウエハWは第3または第4の処理部G
のいずれかのホットプレートユニット(HP)内で
プリベーク処理され、その後いずれかのクーリングユニ
ット(COL)にて冷却される。
【0031】冷却されたウエハWは、第3の処理部G
のアライメントユニット(ALIM)に搬送され、そこ
でアライメントされた後、第4の処理部Gのエクステ
ンションユニット(EXT)を介してインターフェイス
部12に搬送される。
【0032】インターフェイス部12では、周辺露光装
置23により周辺露光されて、その後ウエハWはインタ
ーフェイス部12に隣接して設けられた露光装置(図示
せず。)により、所定のパターンに従ってウエハWのレ
ジスト膜に露光処理が施される。
【0033】露光後のウエハWは、再びインターフェイ
ス部12に戻され、ウエハ搬送機構24により、第4の
処理部Gに属するエクステンションユニット(EX
T)に搬送される。そして、ウエハWは、ウエハ搬送装
置46により、いずれかのホットプレートユニット(H
P)に搬送されてポストエクスポージャーベーク処理が
施され、次いで、クーリングユニット(COL)により
冷却される。
【0034】その後、ウエハWは現像処理ユニット(D
EV)に搬送され、そこで露光パターンの現像が行われ
る。現像終了後、ウエハWはいずれかのホットプレート
ユニット(HP)に搬送されてポストベーク処理が施さ
れ、次いで、クーリングユニット(COL)により冷却
される。このような一連の処理が終了した後、第3の処
理部Gのエクステンションユニット(EXT)を介し
てカセットステーション10に戻され、いずれかのウエ
ハカセットCRに収容される。
【0035】次に、上述したレジスト塗布ユニット(塗
布処理部)(COT)について説明する。図4および図
5は、レジスト塗布ユニット(COT)の全体構成を示
す概略断面図および概略平面図である。
【0036】レジスト塗布ユニット(COT)の中央部
には環状のコータカップ(CP)が配置され、コータカ
ップ(CP)の内側にはスピンチャック52が配置され
ている。スピンチャック52は真空吸着によってウエハ
Wを固定保持した状態で駆動モータ54によって回転駆
動される。コータカップ(CP)の底部にはドレイン6
9が設けられており、不要なレジスト液や、レジスト塗
布後のサイドリンス処理および/またはバックリンス処
理に使用された溶剤(シンナー)がここから排出され
る。
【0037】駆動モータ54は、ユニット底板50に設
けられた開口50aに昇降移動可能に配置され、例えば
アルミニウムからなるキャップ状のフランジ部材58を
介して例えばエアシリンダからなる昇降駆動手段60お
よび昇降ガイド手段62と結合されている。駆動モータ
54の側面には、例えばSUSからなる筒状の冷却ジャ
ケット64が取り付けられ、フランジ部材58は、この
冷却ジャケット64の上半部を覆うように取り付けられ
ている。
【0038】レジスト塗布時、フランジ部材58の下端
58aは、開口50aの外周付近でユニット底板50に
密着し、これによってユニット内部が密閉される。スピ
ンチャック52と主ウエハ搬送機構22の保持部材48
との間でウエハWの受け渡しが行われるときは、昇降駆
動手段60が駆動モータ54ないしスピンチャック52
を上方へ持ち上げることでフランジ部材58の下端がユ
ニット底板50から浮くようになっている。
【0039】レジスト液をウエハWの表面に吐出するレ
ジストノズル86は、レジストノズルスキャンアーム9
2の先端部にノズル保持体100を介して着脱可能に取
り付けられ、レジストノズル86には、レジスト液供給
部95からレジスト液が供給されるようになっている。
レジストノズルスキャンアーム92は、ユニット底板5
0の上に一方向(Y方向)に敷設されたガイドレール9
4上で水平移動可能な垂直支持部材96の上端部に取り
付けられており、Y軸駆動機構111によって垂直支持
部材96と一体にY方向に移動するようになっている。
また、レジストノズル86は、Z軸駆動機構112によ
って上下方向(Z方向)に移動可能となっている。
【0040】なお、レジストノズルスキャンアーム92
は、レジストノズル待機部90でレジストノズル86を
選択的に取り付けるためにY方向と直角なX方向にも移
動可能であり、図示しないX方向駆動機構によってX方
向にも移動するようになっている。
【0041】さらに、レジストノズル待機部90でレジ
ストノズル86の吐出口が溶剤雰囲気室の口90aに挿
入され、中で溶剤の雰囲気に晒されることで、ノズル先
端のレジスト液が固化または劣化しないようになってい
る。また、複数本のレジストノズル86が設けられ、例
えばレジスト液の種類に応じてそれらのノズルが使い分
けられるようになっている。
【0042】また、レジストノズルスキャンアーム92
の先端部(ノズル保持体100)には、ウエハ表面への
レジスト液の吐出に先立ってウエハ表面にウエハ表面を
濡らすための溶剤、例えばシンナーを吐出するシンナー
ノズル101が取り付けられている。このシンナーノズ
ル101は図示しない溶剤供給管を介してシンナー供給
部に接続されている。シンナーノズル101とレジスト
ノズル86はレジストノズルスキャンアーム92のY移
動方向に沿う直線上に各々の吐出口が位置するように取
り付けられている。
【0043】さらに、ガイドレール94上には、レジス
トノズルスキャンアーム92を支持する垂直支持部材9
6だけでなく、リンスノズルスキャンアーム120を支
持しY方向に移動可能な垂直支持部材124も設けられ
ている。このリンスノズルスキャンアーム120の先端
部には、ウエハWの表面周辺部や側縁部にリンス液を吐
出してレジストを溶解除去、洗浄するサイドリンス処理
用のリンスノズル122が取り付けられている。
【0044】Y軸駆動機構111によってリンスノズル
スキャンアーム120およびリンスノズル122は、コ
ータカップ(CP)の側方に設定されたリンスノズル待
機位置(実線の位置)とスピンチャック52に設置され
ているウエハWの周辺部の真上に設定されたリンス液
(洗浄液)吐出位置(点線の位置)との間で並進または
直線移動するようになっている。また、スピンチャック
52の下方周辺位置には、バックリンス処理用のリンス
ノズル123が配設されており、ウエハWの裏面に向か
ってリンス液を吐出させ、ウエハWの裏面洗浄が可能と
なるように構成されている。なお、リンス液(洗浄液)
としては、レジスト液に含まれる揮発性溶剤の1つであ
るシンナーが好適に用いられる。
【0045】レジスト塗布ユニット(COT)の駆動系
の動作は、制御部110によって制御される。すなわ
ち、駆動モータ54、Y軸駆動機構111、Z軸駆動機
構112、レジスト液供給部95、図示しないシンナー
供給部等は、制御部110の指令により駆動、制御され
る。
【0046】続いて、このように構成されたレジスト塗
布ユニット(COT)におけるレジスト液の塗布処理動
作について以下に説明する。まず、主ウエハ搬送機構2
2の保持部材48によってレジスト塗布ユニット(CO
T)内のコータカップ(CP)の真上までウエハWが搬
送されると、そのウエハWは、例えばエアシリンダから
なる昇降駆動手段60および昇降ガイド手段62によっ
て上昇してきたスピンチャック52によって真空吸着さ
れる。主ウエハ搬送機構22はウエハWをスピンチャッ
ク52に真空吸着せしめた後、保持部材48をレジスト
塗布ユニット(COT)内から引き戻し、レジスト塗布
ユニット(COT)へのウエハWの受け渡しを終える。
【0047】次いで、スピンチャック52はウエハWが
コータカップ(CP)内の定位置まで下降し、駆動モー
タ54によってスピンチャック52の回転駆動が開始さ
れる。その後、レジストノズル待機部90からのノズル
保持体100の移動が開始される。このノズル保持体1
00の移動はY方向に沿って行われる。
【0048】シンナーノズル101の吐出口がスピンチ
ャック52の中心(ウエハWの中心)上に到達したとこ
ろで、シンナーを回転するウエハWの表面に供給する。
ウエハWの表面に供給されたシンナーは遠心力によって
ウエハW中心からその周囲全域にむらなく拡げられる。
このように、レジスト液の塗布に先立ってシンナー等の
溶剤でウエハWの表面全体を濡らす、いわゆるプリウエ
ット処理を行うことにより、レジスト液がより拡散しや
すくなり、結果としてより少量のレジスト液量で均一な
レジスト膜を形成することができるようになる。
【0049】次いで、ノズル保持体100は、レジスト
ノズル86の吐出口がウエハWの中心上に到達するまで
Y方向に移動され、レジストノズル86の吐出口からレ
ジスト液が回転するウエハWの表面の中心に滴下され、
遠心力によりウエハWの中心から周辺に向けて拡散され
て、ウエハW上にレジスト膜が形成される。なお、この
レジストノズル86からのレジスト液の吐出開始時に
は、ノズルの先端部86aから気泡を巻き込まないよう
に、レジスト液の供給量、吐出圧を調整することが好ま
しい。
【0050】このレジスト液の滴下終了後には、ウエハ
Wを所定の回転速度で回転させて膜厚の調整を行う。ウ
エハWの回転速度が加速されて大きくなると、残余のレ
ジスト液が振り切られるとともに乾燥が進行し、所定厚
みのレジスト膜が形成される。その後、レジストノズル
86をレジストノズル待機部90へ収容するようにY方
向へ移動させ、リンスノズル123からなる洗浄手段に
より、ウエハWの背面にバックリンス処理を施し、また
必要があればリンスノズル122を用いて、ウエハWの
側縁部にサイドリンス処理を施す。これらバックリンス
処理やサイドリンス処理には、レジスト液の溶剤の1つ
であるシンナーが用いられ、またシンナーを使うことに
より、後述するようにレジスト液の再生利用が行われ
る。所定時間の回転処理を行って洗浄液を振り切った
後、ウエハWの回転が停止されて、塗布処理工程が終了
する。
【0051】このようなレジスト塗布処理において、ウ
エハW上から振り切られたレジスト液およびバックリン
ス処理およびサイドリンス処理に用いられたレジスト液
を含むシンナーはドレイン69から排出されるが、本発
明においては、このレジスト塗布ユニット(COT)か
ら排出される排レジスト液を回収し、再利用する。な
お、シンナーはレジスト液を構成する揮発性溶剤である
ことから、レジスト液におけるシンナーの含有量を調整
して、レジスト液の粘度を調整することにより、排レジ
スト液の再生が可能となる。
【0052】図6はレジスト塗布ユニット(COT)を
含むレジスト塗布処理装置70の一実施形態の全体構成
を示す説明図である。レジスト塗布処理装置70は、レ
ジスト塗布ユニット(塗布処理部)(COT)、回収部
80、増粘処理部30、混合処理部40、レジスト液供
給部95の大きく分けて5つの部から構成されている。
ウエハWにレジスト液を塗布するレジスト塗布ユニット
(COT)の構成については、既に詳述した通りであ
る。
【0053】回収部80には回収タンク81が設けられ
ており、回収タンク81にレジスト塗布ユニット(CO
T)のドレイン69から排出される排レジスト液が回収
され、一時的に保管される。この回収部80を設けるこ
となく、排レジスト液が直接に増粘処理部30へ流れ込
むように構成することも可能であるが、その場合には、
レジスト塗布ユニット(COT)におけるウエハWへの
レジスト塗布処理の進行に合わせて増粘処理部30に排
レジスト液が流れ込むこととなる。
【0054】この場合、増粘処理部30に貯留される排
レジスト液の量が一定せず、そのためウエハWへのレジ
スト塗布処理中は所定粘度の増粘レジスト液の製造が困
難となる問題を生ずる。逆に、増粘処理部30で排レジ
スト液の粘度調整を行う際には、新たに増粘処理部30
に排レジスト液を流入させることは好ましくないため、
この場合には、排レジスト液を廃棄する必要が生じ、レ
ジスト液の効率的なリサイクルが行えなくなるという問
題を生ずる。つまり、回収タンク81を設けて排レジス
ト液を一時的に保管し、増粘処理部30での処理を、レ
ジスト塗布ユニット(COT)での処理とは独立して行
うことができるようにすることで、排レジスト液のリサ
イクル効率が向上する。
【0055】なお、1枚のウエハWのレジスト塗布処理
に用いられるレジスト液の量は多いものではないので、
複数枚のウエハWの処理に係る排レジスト液を回収タン
ク81に回収し、所定量ほど貯留された後に増粘処理部
30へ所定量の排レジスト液を送液すると、増粘処理部
30における粘度調整のバッチ処理が容易となる。
【0056】回収タンク81には、オーバーフローを防
止するための排液機構(ドレイン)82が設けられてい
る。回収タンク81は複数配設してもよく、1個の回収
タンクがオーバーフローしたときに、ドレイン82から
流出する排レジスト液を他の回収タンクに送液するよう
に構成してもよい。もちろん、ドレイン82から排レジ
スト液を廃棄処理へ回すこともできる。
【0057】また、レジスト塗布ユニット(COT)と
回収タンク81との間のドレイン配管に、図示しない切
替バルブを設けて、排レジスト液が回収タンク81また
はドレイン82のいずれか一方へ流れ出るように構成す
ることもできる。レジスト塗布ユニット(COT)から
直接にドレイン82へ排レジスト液を流す場合として
は、再生を多数回繰り返した結果、組成変動や化学的特
性の変化が生じて、レジスト液本来の機能が発揮されな
くなった場合や、レジスト液に含まれるゴミ等の不純物
量が増加することによって所定の品質を保持できなくな
った場合等が挙げられる。
【0058】回収部80から増粘処理部30への排レジ
スト液の送液は、回収部80と増粘処理部30との間の
配管に設けられた送液ポンプ35の運転とバルブ36の
開閉により行われる。なお、回収部80と増粘処理部3
0との間の配管途中の任意の位置にフィルタ37を配設
して、排レジスト液中の不純物を除去することも好まし
い。
【0059】増粘処理部30は、排レジスト液の粘度を
高める処理を行う部分である。増粘処理部30に配設さ
れた処理タンク31には、水位センサ39およびドレイ
ン38が設けられており、水位センサ39が処理タンク
31内の処理液量を監視し、一定以上となったときにド
レイン38から排出し、液量を一定にすることができる
ようになっている。また、使用に適さなくなった排レジ
スト液を、バルブ38aを開いてドレイン38から廃棄
することもできる。もちろん、ドレイン38から排レジ
スト液を排出しないように処理条件を設定することが、
排レジスト液の再生率を高める上で好ましいことはいう
までもない。
【0060】処理タンク31の上部には、バルブ29が
配設された排気管28が設けられ、処理タンク31内の
圧力調整が可能となっている。これにより、排レジスト
液の処理タンク31内への流入や増粘レジスト液の処理
タンク31からの送液が容易に行われる。また、処理タ
ンク31には、粘度センサ41が配設されており、処理
タンク31のレジスト液粘度を監視、モニタしている。
この粘度センサ41の測定値を処理タンク31内での増
粘レジスト液の粘度調整方法にフィードバックすること
により、増粘レジスト液の製造制御を自動で行うことも
可能である。
【0061】増粘処理部30において、排レジスト液を
濃縮し、増粘させる方法としては、(1)減圧処理によ
ってシンナーを蒸発させる方法、(2)加熱によってシ
ンナーを蒸発させる方法、(3)超音波を与えることに
よってシンナーを蒸発させる方法、(4)前記排レジス
ト液よりも高粘度に調整されたレジスト液を添加する方
法、等が挙げられる。
【0062】このうち、(1)〜(3)の方法は、結果
として排レジスト液中のシンナーを蒸発させることによ
って、排レジスト液の粘度を大きくする増粘方法であ
り、このような増粘方法を行うために、図6において
は、回収タンク31に、蒸発したシンナーの蒸気を冷却
する冷却凝縮器32aと、液化されたシンナーを貯留す
るシンナー回収タンク32bからなるシンナー回収部3
2が取り付けられている。冷却凝縮器32aの前段(処
理タンク31側)には、開閉バルブ34が設けられてお
り、必要に応じて処理タンク31からシンナーの蒸気を
冷却凝縮器32aに送ることができるようになってい
る。
【0063】前記した(1)の減圧処理によってシンナ
ーを蒸発させる方法を用いる場合には、例えば、冷却凝
縮器32aとシンナー回収タンク32bとの間に排気ポ
ンプを設けて、排気に含まれるシンナーの蒸気が冷却凝
縮器32aを通過する際に液化、凝縮され、回収される
構造とすればよい。また、図6に示されるように、シン
ナー回収タンク32bに、別途、排気管26と排気ポン
プ27を設け、排気ポンプ27による減圧雰囲気が、シ
ンナー回収タンク32bと冷却凝縮器32aを通じて処
理タンク31にまで及ぶ構成としてもよい。排気管26
に設けられたバルブ16は、回収タンク32bからのシ
ンナーの蒸発を防ぐために、排気ポンプ27を動作させ
るとき以外は閉口した状態とすることが好ましい。
【0064】前記した(2)の加熱によってシンナーを
蒸発させる方法を用いる場合には、処理タンク31の底
部や側部に図示しない加熱装置を取り付けて、処理タン
ク31内の排レジスト液を所定温度に温めてシンナーを
蒸発させ、シンナーの蒸気が冷却凝縮器32aを通る際
に液化され、シンナー回収タンク32bに回収される構
造とすればよい。なお、排レジスト液を加熱する場合に
は、レジスト液に、その機能を低下させるような変性等
の化学的な変化が起こらないように注意する必要があ
る。
【0065】さらに、前記した(3)の超音波を与える
ことによってシンナーを蒸発させる方法を用いる場合に
は、処理タンク31の底部や側部に図示しない超音波振
動子を取り付けて、排レジスト液に超音波振動を加え、
内部からシンナーを蒸発させるものであるが、この場合
にも結果的に排レジスト液の温度上昇を伴う場合が殆ど
であることから、過加熱に注意を要する。
【0066】なお、前記した(4)の排レジスト液より
も高粘度に調整されたレジスト液を添加する方法は、シ
ンナーを蒸発させるものでないことから、シンナー回収
部32を設ける必要はない。一方で、添加すべき高粘度
レジスト液を供給する機構を設ける必要がある。この方
法の場合には、結果的に製造されるレジスト液の量が増
大することから、過剰のレジスト液が再生されないよう
に、添加する高粘度レジスト液の量を調整することが好
ましい。
【0067】このような増粘処理部30での増粘処理と
並行して、シンナー回収部32で得られたシンナー(回
収シンナー)は、シンナー回収タンク32bに一時的に
貯留され、その後、所定量に達した時点で、また適宜必
要に応じて、送液ポンプ42を用いてシンナー貯留タン
ク43へ送液される。
【0068】シンナー貯留タンク43には、シンナー供
給部44から新たなシンナーが供給されるようになって
いる。これは、レジスト液中のシンナーは、レジスト液
をウエハWへ塗布する処理中等に蒸発することから、シ
ンナー回収部32で得られるシンナーの量が、後述する
ように、増粘レジスト液に加えるために必要な量に満た
ない場合があるためである。なお、このシンナー貯留タ
ンク43に貯留されたシンナーを、シンナーノズル10
1および/またはリンスノズル122・123へ供給す
るように、シンナー供給管97を設けた構成とすること
も好ましい。このようにシンナーの供給経路をまとめる
ことによって、装置の構造を簡単なものとすることがで
きる。
【0069】シンナー貯留タンク43に貯留されたシン
ナーは、バルブ77を開閉操作し、定量ポンプ76を用
いて混合処理部40へ送られる。後述するように、増粘
処理部30において製造された増粘レジスト液も、定量
ポンプ71を用いて一定量が混合処理部40へ送られる
ことから、混合処理部40でのシンナーと増粘レジスト
液の混合比率は一定とされ、これにより、混合処理部4
0において、所定濃度のレジスト液(再生レジスト液)
を再生、製造することが可能となる。
【0070】増粘処理部30と混合処理部40との間に
は、定量ポンプ71、圧力センサ72、フィルタ73、
バルブ74、回収ライン75が設けられており、定量ポ
ンプ71により一定量の増粘レジスト液が混合処理部4
0へ送液される。
【0071】フィルタ73は、増粘レジスト液中に含ま
れるゴミ等の各種浮遊物を除去する役割を果たし、圧力
センサ72は、フィルタ73の目詰まりを検知する役割
を担う。また、フィルタ73には、一般的に脱泡用ベン
トが設けられており、図6においては、この脱泡用ベン
トから排出される増粘レジスト液を処理タンク31へ循
環回収するように、回収ライン75が設けられている。
こうして、廃棄される増粘レジスト液の量が低減され
る。バルブ74は必要に応じて適宜開閉される。
【0072】混合処理部40では、シンナーと増粘レジ
スト液が均一に混合されて、所定の濃度のレジスト液が
再生される。これらシンナーと増粘レジスト液の混合方
法に限定はないが、内部に邪魔板等の障害物を設けて液
体の流れを変化させ、自然に均一な混合が行われるよう
なインラインミキシング機構が好適に用いられる。この
場合、動的な撹拌子等の手段を設ける必要がなく、装置
自体がコンパクトとなり、また電源等を必要としない点
でも好ましい。
【0073】なお、混合処理部40において製造された
再生レジスト液の粘度を監視するために、混合処理部4
0における再生レジスト液の出口近傍または再生レジス
ト液が送液されるレジスト液貯留タンク89との間に粘
度センサ78が設けられている。この粘度センサ78の
測定結果を、定量ポンプ71・76にフィードバックし
て、流量を制御することによって、再生レジスト液の粘
度の微調整を行うことができる。
【0074】混合処理部40において製造された再生レ
ジスト液は、レジスト液供給部95の構成部分の1つで
あるレジスト液貯留タンク89に貯留され、その後所定
のタイミングでレジスト塗布ユニット(COT)へ送液
される。レジスト液供給部95には、レジスト液補充部
87が設けられており、再生レジスト液の量が必要量に
満たない場合等に、新しいレジスト液をレジスト液貯留
タンク89へ送液する。レジスト液貯留タンク89に
は、水位センサ93が設けられており、新しいレジスト
液の補充量および混合処理部40からの送液量が制御さ
れる。
【0075】なお、レジスト液貯留タンク89を設けず
に、混合処理部40から直接にレジスト塗布ユニット
(COT)へ再生レジスト液を送液することも可能であ
るが、その場合には、混合処理部40での再生レジスト
液の製造量を、レジスト塗布ユニット(COT)での処
理における必要量に合わせるような制御を行うことが必
要とされる。
【0076】レジスト液供給部95は、図6に示される
ように、レジスト液送液経路88に設けられた送液ポン
プ83等の各種の装置を構成部分として含む。レジスト
液送液経路88には、脱気機構99が配設されており、
例えば、減圧作用によりレジスト液中の気泡除去が行わ
れる。このとき、レジスト液中のシンナーが過度に蒸発
しないようにその条件を設定する。また、レジスト液送
液経路88にはレジスト液温度調節機構85が配設さ
れ、レジスト液は、特性が発揮される所定温度に調整が
行われた後に、レジスト塗布ユニット(COT)におい
て、レジストノズル86からウエハWへ供給される。
【0077】レジスト液貯留タンク89とレジスト塗布
ユニット(COT)との間には、レジスト液中のゴミ等
を除去するフィルタ84が配設されており、レジスト液
がフィルタを通過する際に、フィルタ84の脱泡用ベン
トから排出される再生レジスト液をレジスト液貯留タン
ク89に循環回収する回収ライン98も設けられてい
る。この回収ライン98によりレジスト液の廃棄量を低
減することができる。レジスト液送液経路88に設けら
れた送液ポンプ83により、所定量のレジスト液がレジ
ストノズル86へ送られ、こうして、ウエハWにレジス
ト液が塗布される。
【0078】なお、バルブ91を開閉することにより、
レジスト液の送液の開始または停止を制御することがで
きるが、図6には、バルブ91以外にも、各部間にバル
ブが配設されており、各部の運転を独立に行うことがで
きるようになっている。つまり、バルブが開口されて連
通した部間では連動して運転が行われるが、バルブが閉
口された部間では、運転は独立して行うことができる。
こうして特定の部での処理時間を他の部での処理時間と
ずらして行うことや、各部の洗浄処理やメンテナンス等
を独立して効率的に行うことが可能となる。
【0079】次に、上述したレジスト塗布処理装置70
の使用形態について説明する。レジスト塗布ユニット
(COT)において、ウエハWにレジスト膜が形成され
る際に発生する排レジスト液を、ドレイン69を通して
回収タンク81に回収する。そして、例えば、ある一定
の枚数(1ロット)のウエハWの処理を行い、回収され
た排レジスト液が所定量に達した時点で、増粘処理部3
0の処理タンク31へ送液する。
【0080】こうして回収タンク81に貯留される排レ
ジスト液量が低下すれば、引き続いてレジスト塗布ユニ
ット(COT)では、次ロットのウエハWに対するレジ
スト塗布処理を行うことができ、排レジスト液を回収タ
ンク81に貯留することができる。そして、その間に増
粘処理部30では、先に述べた種々の方法を用いて排レ
ジスト液中のシンナーを蒸発させることにより、排レジ
スト液の粘度を高める増粘処理を行うとともに、蒸発し
たシンナーを冷却凝縮器32aを用いて液化し、再生シ
ンナーとして得る処理を行う。
【0081】得られた再生シンナーは、ウエハWへのレ
ジスト液塗布中等に蒸発して消失しているものがあるこ
とから、増粘レジスト液の希釈に必要な量に満たない場
合がある。そのため得られた再生シンナーは、シンナー
貯留タンク43において、シンナー供給部44から供給
される新たなシンナーと混合されて貯留される。なお、
シンナー貯留タンク43に貯留されたシンナーは、レジ
スト塗布ユニット(COT)におけるプリウエット処理
やバックリンス処理、サイドリンス処理のための洗浄液
として用いることもできる。
【0082】シンナー貯留タンク43に貯留されたシン
ナーと、増粘処理部30で予め製造された増粘レジスト
液は、所定量ずつ混合処理部40へ送液され、混合され
て所定粘度のレジスト液が再生される。再生されたレジ
スト液はレジスト液貯留タンク89に一時的に貯留され
る。こうして、増粘処理部30の処理タンク31から増
粘レジスト液が排出された後には、再び回収タンク81
から排レジスト液を処理タンク31へ送液して、増粘処
理を行うことができるようになる。
【0083】ある一定の枚数のウエハWに対して使用さ
れるレジスト液から回収される排レジスト液から同じ枚
数のウエハWを処理するに必要なレジスト液を再生する
ことは、レジスト液が減少しているために不可能である
から、不足分の新しいレジスト液をレジスト液補充部8
7からレジスト液貯留タンク89へ補充する。
【0084】上述のようにして各部での処理を行うこと
により、レジスト液貯留タンク89から所定のタイミン
グでレジスト塗布ユニット(COT)へウエハWに塗布
されるレジスト液が供給される一方、新しいレジスト液
および再生レジスト液がレジスト液貯留タンク89に供
給されることから、予め再生レジスト液が供給可能なよ
うに準備されており、レジスト塗布ユニット(COT)
へのレジスト液の供給が停止することはない。
【0085】ところで、このような再生処理を繰り返す
と、複数の送液経路にフィルタを設けているにもかかわ
らず、レジスト液中のゴミ等の不純物量が増加して、所
定の品質を保つことが困難となる場合がある。この場合
には、再生が不可能となった時点で、例えば、処理タン
ク31や回収タンク81に設けられたドレイン82・3
8から、排レジスト液を廃棄する。また、レジスト塗布
ユニット(COT)から直接廃棄することにより、処理
タンク31や回収タンク81の汚染を少なくして、排レ
ジスト液を廃棄することもできる。
【0086】以上、本発明の実施の形態について説明し
てきたが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の
変形が可能である。例えば、混合処理部では、予め一定
量の増粘レジスト液を貯留しておき、増粘レジスト液を
撹拌しながらシンナーを供給して、粘度を確認しながら
レジスト液を再生し、所定粘度に到達した時点でシンナ
ーの供給を停止して、レジスト液貯留タンクへ送液する
増粘レジスト液の再生方法を用いることも可能である。
【0087】また、レジスト液の再生について、レジス
ト液に含まれる揮発性溶剤がシンナーである場合を例に
説明したが、レジスト液の種類によって使用されている
溶剤が異なっても、上述したレジスト液の再生方法を用
いることができることは明らかである。例えば、溶剤と
してシンナーよりも沸点の高いNMP(ノルマルメチル
ピロリドン)が用いられているポリイミド系レジスト
も、本発明のレジスト塗布処理装置を用いて処理するこ
とができる。また、複数種の揮発性溶剤が用いられてい
る場合には、溶剤の回収手段として蒸留等の分離手段が
必要となる場合があることを除いて、上述したレジスト
液の再生方法を用いることができる。
【0088】さらに、上記説明では、半導体ウエハ用の
レジスト塗布・現像処理システムに組み込まれたレジス
ト塗布処理装置を例に挙げて説明したが、レジスト塗布
処理装置単独で用いるものであってもよく、また半導体
ウエハ以外の他の被処理基板、例えばLCD基板用のレ
ジスト塗布処理装置にも本発明を適用することができ
る。
【0089】
【発明の効果】上述の通り、本発明によれば、従来は廃
棄されていたレジスト液が回収されて再利用されるた
め、結果的に1枚あたりに使用されるレジスト液の使用
量が低減され、レジスト塗布の処理コストを低減するこ
とが可能となる。また、レジスト塗布処理装置をレジス
ト塗布ユニット(COT)、回収部、増粘処理部、混合
処理部、レジスト液供給部等の各部に分割して構成する
ことにより、各部の運転を独立して行うことが可能とな
り、作業効率が向上する。また、各部のメンテナンスも
独立して行うことが可能となり、作業効率が向上する。
そして、混合処理部をインラインミキシング機構を用い
て構成することにより、簡単でコンパクトな装置とする
ことができる。さらに、シンナーの供給経路をまとめる
ことによっても装置の構造を簡単なものとすることが可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るレジスト塗布処理装置
が組み込まれた半導体ウエハのレジスト塗布・現像処理
システムの全体構成を示す平面図。
【図2】本発明の実施形態に係るレジスト塗布処理装置
が組み込まれた半導体ウエハのレジスト塗布・現像処理
システムの全体構成を示す正面図。
【図3】本発明の実施形態に係るレジスト塗布処理装置
が組み込まれた半導体ウエハのレジスト塗布・現像処理
システムの全体構成を示す背面図。
【図4】本発明のレジスト塗布処理装置に用いられるレ
ジスト塗布ユニット(COT)の一実施形態を示す断面
図。
【図5】図4記載のレジスト塗布ユニット(COT)の
平面図。
【図6】本発明のレジスト塗布処理装置の全体構成の一
実施形態を示す説明図。
【符号の説明】
30;増粘処理部 31;処理タンク 32;シンナー回収部 32a;冷却凝縮器 32b;シンナー回収タンク 38;ドレイン 39;水位センサ 40;混合処理部 41;粘度センサ 43;シンナー貯留タンク 44;シンナー供給部 69;ドレイン 70;レジスト塗布処理装置 75;回収ライン 78;粘度センサ 80;回収部 81;回収タンク 82;ドレイン 84;フィルタ 85;レジスト液温調機構 87;レジスト液補充部 88;レジスト液送液経路 89;レジスト液貯留タンク 95;レジスト液供給部 97;シンナー供給管 98;回収ライン W;半導体ウエハ(基板)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/16 502 H01L 21/30 564C Fターム(参考) 2H025 AA00 AB16 EA05 4D075 AC64 AC84 DA06 DC22 EA45 4F042 AA02 AA07 CC04 CC10 DB28 DB48 DF09 DF32 DF34 EB05 EB09 EB13 EB17 EB28 5F046 JA08 JA27

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板にレジスト液を塗布する塗布処理部
    と、 前記塗布処理部から排出される排レジスト液を濃縮する
    増粘処理部と、 前記増粘処理部において製造された増粘レジスト液と溶
    剤とを混合して所定粘度のレジスト液を再生する混合処
    理部と、 を具備することを特徴とするレジスト塗布処理装置。
  2. 【請求項2】 基板にレジスト液を塗布する塗布処理部
    と、 前記塗布処理部から排出される排レジスト液を回収する
    回収部と、 前記回収部に貯留された排レジスト液を濃縮する増粘処
    理部と、 前記排レジスト液の増粘処理時に発生する溶剤の蒸気を
    液化させる溶剤回収部と、 前記増粘処理部において製造された増粘レジスト液と、
    前記溶剤回収部で製造された溶剤または新しい溶剤とを
    混合する混合処理部と、 を具備することを特徴とするレジスト塗布処理装置。
  3. 【請求項3】 前記混合処理部において製造された再生
    レジスト液を貯留し、また、前記塗布処理部に送液する
    ためのレジスト液供給部を備えたことを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載のレジスト塗布処理装置。
  4. 【請求項4】 前記レジスト液供給部が、新しいレジス
    ト液を供給するレジスト液補充部を具備することを特徴
    とする請求項3に記載のレジスト塗布処理装置。
  5. 【請求項5】 前記レジスト液供給部と前記塗布処理部
    との間に設けられた送液経路に脱気機構および温度調節
    機構が配設され、前記再生レジスト液は、脱気および温
    度調整が行われた後に前記塗布処理部へ送液されること
    を特徴とする請求項3または請求項4に記載のレジスト
    塗布処理装置。
  6. 【請求項6】 前記レジスト液供給部と前記塗布処理部
    との間に設けられた送液経路にフィルタが配設され、前
    記フィルタの脱泡用ベントから排出される再生レジスト
    液を、前記レジスト液供給部に循環回収する機構を有す
    ることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1
    項に記載のレジスト塗布処理装置。
  7. 【請求項7】 前記混合処理部と前記レジスト液供給部
    との間に粘度センサが設けられ、前記粘度センサの検出
    値により、前記増粘レジスト液と溶剤の混合量を制御す
    ることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか1
    項に記載のレジスト塗布処理装置。
  8. 【請求項8】 前記回収部は排液機構が設けられた回収
    タンクを有し、前記回収タンクのオーバーフローが前記
    排液機構により防止されることを特徴とする請求項2か
    ら請求項7のいずれか1項に記載のレジスト塗布処理装
    置。
  9. 【請求項9】 前記塗布処理部から排出される排レジス
    ト液が、前記回収部またはドレインのいずれか一方へ送
    られるように、前記塗布処理部と前記回収部との間に切
    替バルブが設けられていることを特徴とする請求項2か
    ら請求項8のいずれか1項に記載のレジスト塗布処理装
    置。
  10. 【請求項10】 前記溶剤回収部で製造された溶剤と新
    しい溶剤とを混合して貯留する溶剤貯留部を有し、前記
    溶剤貯留部から前記混合処理部へ溶剤が供給されること
    を特徴とする請求項2から請求項9のいずれか1項に記
    載のレジスト塗布処理装置。
  11. 【請求項11】 前記溶剤貯留部に貯留された溶剤が、
    前記塗布処理部における基板のバックリンス処理および
    /またはサイドリンス処理に供されるように構成されて
    いることを特徴とする請求項2から請求項10に記載の
    レジスト塗布処理装置。
  12. 【請求項12】 前記増粘処理部は、(1)減圧処理に
    よって溶剤を蒸発させる方法、(2)加熱によって溶剤
    を蒸発させる方法、(3)超音波を与えることによって
    溶剤を蒸発させる方法、(4)前記排レジスト液よりも
    高粘度に調整されたレジスト液を添加する方法、のいず
    れかの増粘方法を用いるものであることを特徴とする請
    求項1から請求項11のいずれか1項に記載のレジスト
    塗布処理装置。
  13. 【請求項13】 前記増粘処理部と前記混合処理部との
    間に設けられた送液経路にフィルタが配設され、前記フ
    ィルタの脱泡用ベントから排出される増粘レジスト液
    を、前記増粘処理部に循環回収する機構を有することを
    特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記
    載のレジスト塗布処理装置。
  14. 【請求項14】 前記混合処理部では、インラインミキ
    シング機構により前記増粘レジスト液と前記溶剤との混
    合が行われることを特徴とする請求項1から請求項13
    のいずれか1項に記載のレジスト塗布処理装置。
  15. 【請求項15】 前記塗布処理部と前記回収部との間、
    前記回収部と前記増粘処理部との間、前記増粘処理部と
    前記混合処理部との間、の各部間の送液経路に開閉バル
    ブが設けられ、 前記各部の運転のタイミングに合わせて前記開閉バルブ
    を開閉させ、所定量の前記排レジスト液または増粘レジ
    スト液の送液が行われることを特徴とする請求項1から
    請求項14のいずれか1項に記載のレジスト塗布処理装
    置。
  16. 【請求項16】 基板上にレジスト膜を形成するレジス
    ト塗布処理方法であって、 前記基板にレジスト液を塗布して成膜処理を行うととも
    に、不要な基板上のレジスト液を除去する第1工程と、 前記第1工程において排出される排レジスト液を回収す
    る第2工程と、 前記第2工程において回収された排レジスト液を濃縮し
    て増粘レジスト液を製造する第3工程と、 前記増粘レジスト液とレジスト液の溶剤とを混合して、
    再生レジスト液を製造する第4工程と、 を有することを特徴とするレジスト塗布処理方法。
  17. 【請求項17】 前記第1工程および第2工程におい
    て、前記成膜処理後にレジスト液に含まれる溶剤を用い
    て基板裏面および/または基板周縁部のレジストを溶解
    除去することにより排出される洗浄液を、前記排レジス
    ト液とともに回収することを特徴とする請求項16に記
    載のレジスト塗布処理方法。
  18. 【請求項18】 前記第3工程が、前記排レジスト液か
    ら溶剤を蒸発させることにより濃縮を行うものであっ
    て、かつ、蒸発した溶剤蒸気を冷却することによって溶
    剤として回収し、 前記第4工程において、前記回収溶剤と前記増粘レジス
    ト液とを混合することにより所定粘度の再生レジスト液
    を製造することを特徴とする請求項16または請求項1
    7に記載のレジスト塗布処理方法。
  19. 【請求項19】 前記第4工程はインラインミキシング
    機構により行われ、前記インラインミキシング機構内ま
    たはインラインミキシング機構外の再生レジスト液排出
    側に設けられた粘度センサの検出値から、前記インライ
    ンミキシング機構に供給される増粘レジスト液と溶剤の
    流量を制御することを特徴とする請求項16から請求項
    18のいずれか1項に記載のレジスト塗布処理方法。
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