JP3810056B2 - 基板処理方法、現像処理方法および基板処理装置 - Google Patents

基板処理方法、現像処理方法および基板処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)用ガラス基板や半導体ウエハ等の基板に所定の処理液を供給して液処理を行い、液処理後に所定の乾燥処理を行う基板処理方法と基板処理装置、レジスト膜が形成され、露光処理が施された基板の現像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示ディスプレイ(LCD)や半導体デバイスのフォトリソグラフィー工程においては、洗浄処理されたLCD基板や半導体ウエハ等の基板にフォトレジスト液を塗布してレジスト膜を形成し、所定のパターンでレジスト膜を露光し、これを現像処理するという一連の処理が行われている。このうち洗浄処理、レジスト塗布処理、現像処理は、一般的にスピンナ型と呼ばれる液処理装置を用いて、基板を水平に保持し静止させた状態で、または基板を面内で回転させながら、所定の処理液を基板表面に供給して行われている。
【0003】
例えば、LCD基板の現像処理においては、まず、露光処理された基板をスピンチャック等に載置、固定し、現像液を基板に液盛りして現像液パドルを形成し、所定時間現像反応を進行させる。次に、リンス液の供給を開始するとほぼ同時に基板を回転させて現像液を振り切り、さらに十分なリンス液を基板表面に供給して現像液の残渣を除去し、その後にリンス液の供給を停止して基板を高速で回転させてリンス液を振り切るとともに、基板表面が乾燥するようにスピン乾燥を行う。スピン乾燥された基板は、熱処理ユニットに搬送されて、ポストベーク処理される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記工程に従った現像処理を行った場合には、ポストベーク処理後の基板表面にしみのような痕跡(以下「しみ跡」という)跡が発生し、基板品質が低下する問題があった。また、基板の外周部に残渣が発生する場合があり、基板品質の低下を招いていた。さらに、基板表面に形成されたレジスト膜の一部が剥離して、歩留まりが低下するという問題もあった。
【0005】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、一連の液処理と液処理後の乾燥処理を行った後に、基板にしみ跡が発生することを抑制する基板処理方法および基板処理装置を提供することを目的とする。また、本発明は、処理液の残渣発生を抑制する基板処理方法を提供することを目的とする。さらに、レジスト膜が形成され、露光処理された基板に対して行う現像処理において、基板にしみ跡が発生することを防止し、また、現像液残渣の発生をも抑制する現像処理方法を提供することを目的とする。さらにまた、本発明は、レジスト膜の剥離を抑制した現像処理方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明によれば、第1発明として、基板に一連の液処理と液処理後の乾燥処理を行う基板処理方法であって、
略水平に保持された基板に所定の処理液を供給する第1工程と、
前記処理液が供給された基板を所定回転数にて所定時間回転させて基板上の処理液を振り切り、基板の回転により発生した処理液のミストが基板に付着した際にこのミストを吸収して拡散させ得る程度の厚さの処理液の膜を基板上に残存させる第2工程と、
基板を熱処理して基板上に残存させた処理液の膜を蒸発させることにより当該処理液の膜を消失させて基板表面のしみ跡の発生を抑止しつつ基板を乾燥する第3工程と、
を有することを特徴とする基板処理方法、を提供する。
【0007】
本発明は第2発明として、基板に一連の液処理と液処理後の乾燥処理を行う基板処理方法であって、
略水平に保持された基板に第1の処理液を供給する第1工程と、
前記第1の処理液が供給された基板に第2の処理液を供給して第1の処理液を基板から除去する第2工程と、
前記第2の処理液が供給された基板を所定回転数にて所定時間回転させて基板上の第2の処理液を振り切り、基板の回転により発生した第1の処理液および/または第2の処理液のミストが基板に付着した際にこのミストを吸収して拡散させ得る程度の厚さの第2の処理液の膜を基板上に残存させる第3工程と、
前記第2の処理液の膜を残存させた基板を熱処理し、この第2の処理液の膜を蒸発させることにより当該第2の処理液の膜を消失させて基板表面のしみ跡の発生を抑止しつつ基板を乾燥する第4工程と、
を有することを特徴とする基板処理方法、を提供する。
【0008】
本発明は第3発明として、レジスト膜が形成され、露光処理が施された基板の現像処理方法であって、
基板に現像液を塗布して現像を行う第1工程と、
前記現像液が塗布された基板にリンス液を供給して現像液を基板から除去する第2工程と、
前記リンス液が供給された基板を回転させて基板上のリンス液を振り切り、基板の回転により発生した現像液および/またはリンス液のミストが基板に付着した際にこのミストを吸収して拡散させ得る程度の厚さのリンス液の膜を基板上に残存させる第3工程と、
前記リンス液の膜を残存させた基板を熱処理し、このリンス液の膜を蒸発させることにより当該リンス液の膜を消失させて基板表面のしみ跡の発生を抑止しつつ基板を乾燥する第4工程と、
を有することを特徴とする現像処理方法、を提供する。
【0009】
本発明は第4発明として、基板を略水平に保持する回転自在なスピンチャックと、
前記スピンチャックに保持された基板の周縁を囲繞するように昇降可能に設けられた内側カップと、
前記内側カップを囲繞するように昇降可能に設けられた外側カップと、を具備する現像処理装置を用いて、
レジスト膜が形成され、露光処理が施された基板に現像処理を施す現像処理方法であって、
前記スピンチャックに保持された基板に現像液を塗布して現像を行う第1工程と、
前記スピンチャックに保持された基板の周縁に前記内側カップを配置させた状態で、前記スピンチャックを所定の回転数にて回転させながら前記現像液が塗布された基板にリンス液を供給して基板から現像液を流し出しつつ、流れ出た現像液を前記内側カップの内壁にあてさせる第2工程と、
前記現像液を流し出した基板の周縁に前記内側カップに代わって前記外側カップを配置させた状態で、前記スピンチャックを所定の回転数にて回転させながら基板にリンス液を供給して現像液の残渣を除去する第3工程と、
前記現像液の残渣を除去した基板の周縁に前記外側カップに代わって前記内側カップを配置させた状態で、前記スピンチャックを回転させながら基板にリンス液を供給して基板から振り切られるリンス液によって前記内側カップの内壁を洗浄する第4工程と、
基板へのリンス液の供給を停止するとともに、前記スピンチャックの回転により基板上のリンス液を振り切り、前記内側カップの内壁にあたった現像液および/またはリンス液のミストが基板に付着した際にこのミストを吸収して拡散させ得る程度の厚さのリンス液の膜を基板上に残存させる第5工程と、
前記リンス液の膜を残存させた基板を熱処理し、このリンス液の膜を蒸発させることにより当該リンス液の膜を消失させて基板表面のしみ跡の発生を抑止しつつ基板を乾燥する第6工程と、
を有することを特徴とする現像処理方法、を提供する。
【0010】
本発明は第5発明として、基板を略水平に保持する保持手段と、前記保持手段に保持された基板上に所定の処理液を供給する処理液ノズルと、基板を保持した前記保持手段を回転させて、前記処理液ノズルによって供給された処理液を基板から振り切る回転機構と、を有する液処理部と、
前記液処理部での処理後に、表面に処理液が残存した基板を熱処理して、この処理液を蒸発させることにより基板を乾燥させる乾燥処理部と、
を具備する基板処理装置であって、
前記液処理部は、前記回転機構が前記保持手段を回転させて、前記処理液ノズルによって供給された処理液を基板から振り切り、前記保持手段の回転に伴う基板の回転により発生した処理液のミストが基板に付着した際にこのミストを吸収して拡散させ得る程度の厚さの処理液の膜を基板上に残存させ、
前記乾燥処理部は、処理液の膜を残存させた基板を熱処理して、この処理液の膜を蒸発させることにより、当該処理液の膜を消失させて基板表面のしみ跡の発生を抑止しつつ基板を乾燥させることを特徴とする基板処理装置、を提供する。
【0012】
上記第1発明および第5発明によれば、処理液が膜状に残存している基板上に、例えば、基板から振り切られた処理液がミスト化して再付着しても、膜状の処理液と一体化され、その後に熱処理されるために、付着したミストによって基板にしみ跡が発生することを防止または抑制することができる。また、上記第2発明によれば、前記第1発明と同様に基板にしみ跡が発生することを防止または抑制することができるとともに、第1の処理液のミストが第2の処理液を基板から振り切った後に基板に再付着しても、第1の処理液は膜状に形成された第2処理液に拡散するために、第1の処理液に起因するしみ跡やパーティクルの発生、第1の処理液の残渣発生を軽減することが可能となり、こうして、基板の品質が高く保持される。
【0013】
上記第3発明によれば、現像液残渣の発生を抑制することができ、また、基板から振り切られた現像液またはリンス液がミスト化して再付着した場合にも、付着したミストによるしみ跡の発生を防止することができる。また、上記第4発明によれば現像液残渣の発生を抑制することができるとともに、現像液およびリンス液を用いた処理におけるカップの状態を制御することによって、現像液とリンス液のミストの発生が抑制される。さらに、基板の表面にはリンス液が膜状に残存した状態から熱処理を行うことによっても、現像液とリンス液のミストによるしみ跡の発生が抑制される。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の基板処理方法および現像処理方法の実施の形態について、LCD基板に対して洗浄、レジスト塗布、現像処理を行うレジスト塗布・現像処理システムを用いて実施する場合を例として、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、LCD基板のレジスト塗布・現像処理システム100を示す平面図である。
【0015】
レジスト塗布・現像処理システム100は、複数のLCD基板(基板)Gを収容するカセットCを載置するカセットステーション1と、基板Gにレジスト塗布および現像を含む一連の処理を施すための複数の処理ユニットを備えた処理部2と、露光装置(図示せず)との間で基板Gの受け渡しを行うためのインターフェイス部3とを備えており、処理部2の両端にそれぞれカセットステーション1およびインターフェイス部3が配置されている。
【0016】
カセットステーション1は、カセットCと処理部2との間で基板Gの搬送を行うための搬送機構10を備えている。そして、カセットステーション1においてカセットCの搬入出が行われる。また、搬送機構10はカセットの配列方向に沿って設けられた搬送路10a上を移動可能な搬送アーム11を備え、この搬送アーム11によりカセットCと処理部2との間で基板Gの搬送が行われる。
【0017】
処理部2は前段部2aと中段部2bと後段部2cとに分かれており、それぞれ中央に搬送路12・13・14を有し、これら搬送路の両側に各処理ユニットが配設されている。そして、これらの間には中継部15・16が設けられている。
【0018】
前段部2aは、搬送路12に沿って移動可能な主搬送装置17を備えており、搬送路12の一方側には、2つの洗浄処理ユニット(SCR)21a・21bが配置されており、搬送路12の他方側には紫外線照射ユニット(UV)と冷却ユニット(COL)とが2段に重ねられた処理ブロック25、加熱処理ユニット(HP)が2段に重ねられてなる処理ブロック26および冷却ユニット(COL)が2段に重ねられてなる処理ブロック27が配置されている。
【0019】
また、中段部2bは、搬送路13に沿って移動可能な主搬送装置18を備えており、搬送路13の一方側には、レジスト塗布処理ユニット(CT)22および基板Gの周縁部のレジストを除去する周縁レジスト除去ユニット(ER)23が一体的に設けられており、搬送路13の他方側には、加熱処理ユニット(HP)が2段に重ねられてなる処理ブロック28、加熱処理ユニット(HP)と冷却処理ユニット(COL)が上下に重ねられてなる処理ブロック29、およびアドヒージョン処理ユニット(AD)と冷却ユニット(COL)とが上下に重ねられてなる処理ブロック30が配置されている。
【0020】
さらに、後段部2cは、搬送路14に沿って移動可能な主搬送装置19を備えており、搬送路14の一方側には3つの現像処理ユニット(DEV)24a・24b・24cが配置されており、搬送路14の他方側には加熱処理ユニット(HP)が2段に重ねられてなる処理ブロック31、およびともに加熱処理ユニット(HP)と冷却処理ユニット(COL)が上下に重ねられてなる処理ブロック32・33が配置されている。
【0021】
なお、処理部2は、搬送路を挟んで一方の側に洗浄処理ユニット(SCR)21a、レジスト塗布処理ユニット(CT)22、現像処理ユニット(DEV)24aのようなスピンナ系ユニットのみを配置しており、他方の側に加熱処理ユニット(HP)や冷却処理ユニット(COL)等の熱系処理ユニットのみを配置する構造となっている。
【0022】
また、中継部15・16のスピンナ系ユニット配置側の部分には、薬液供給ユニット34が配置されており、さらに主搬送装置17・18・19のメンテナンスを行うためのスペース35が設けられている。
【0023】
主搬送装置17・18・19は、それぞれ水平面内の2方向のX軸駆動機構、Y軸駆動機構、および垂直方向のZ軸駆動機構を備えており、さらにZ軸を中心に回転する回転駆動機構を備えており、それぞれ基板Gを支持するアームを有している。
【0024】
主搬送装置17は搬送アーム17aを有し、搬送機構10の搬送アーム11との間で基板Gの受け渡しを行うとともに、前段部2aの各処理ユニットに対する基板Gの搬入・搬出、さらには中継部15との間で基板Gの受け渡しを行う機能を有している。また、主搬送装置18は搬送アーム18aを有し、中継部15との間で基板Gの受け渡しを行うとともに、中段部2bの各処理ユニットに対する基板Gの搬入・搬出、さらには中継部16との間の基板Gの受け渡しを行う機能を有している。さらに、主搬送装置19は搬送アーム19aを有し、中継部16との間で基板Gの受け渡しを行うとともに、後段部2cの各処理ユニットに対する基板Gの搬入・搬出、さらにはインターフェイス部3との間の基板Gの受け渡しを行う機能を有している。なお、中継部15・16は冷却プレートとしても機能する。
【0025】
インターフェイス部3は、処理部2との間で基板Gを受け渡しする際に一時的に基板Gを保持するエクステンション36と、さらにその両側に設けられた、バッファカセットを配置する2つのバッファステージ37と、これらと露光装置(図示せず)との間の基板Gの搬入出を行う搬送機構38とを備えている。搬送機構38はエクステンション36およびバッファステージ37の配列方向に沿って設けられた搬送路38a上を移動可能な搬送アーム39を備え、この搬送アーム39により処理部2と露光装置との間で基板Gの搬送が行われる。
【0026】
このように各処理ユニットを集約して一体化することにより、省スペース化および処理の効率化を図ることができる。
【0027】
このように構成されたレジスト塗布・現像処理システム100においては、カセットC内の基板Gが処理部2に搬送され、処理部2では、まず前段部2aの処理ブロック25の紫外線照射ユニット(UV)で表面改質・洗浄処理が行われ、冷却処理ユニット(COL)で冷却された後、洗浄処理ユニット(SCR)21a・21bでスクラバ洗浄が施され、処理ブロック26のいずれかの加熱処理ユニット(HP)で加熱乾燥された後、処理ブロック27のいずれかの冷却ユニット(COL)で冷却される。
【0028】
その後、基板Gは中段部2bに搬送され、レジストの定着性を高めるために、処理ブロック30の上段のアドヒージョン処理ユニット(AD)にて疎水化処理(HMDS処理)され、下段の冷却処理ユニット(COL)で冷却後、レジスト塗布処理ユニット(CT)22でレジストが塗布され、周縁レジスト除去ユニット(ER)23で基板Gの周縁の余分なレジストが除去される。その後、基板Gは、中段部2bの中の加熱処理ユニット(HP)の1つでプリベーク処理され、処理ブロック29または30の下段の冷却ユニット(COL)で冷却される。
【0029】
その後、基板Gは中継部16から主搬送装置19にてインターフェイス部3を介して露光装置に搬送されてそこで所定のパターンが露光される。そして、基板Gは再びインターフェイス部3を介して搬入され、必要に応じて後段部2cの処理ブロック31・32・33のいずれかの加熱処理ユニット(HP)でポストエクスポージャーベーク処理を施した後、現像処理ユニット(DEV)24a・24b・24cのいずれかで現像処理され、所定の回路パターンが形成される。現像処理された基板Gは、後段部2cのいずれかの加熱処理ユニット(HP)にてポストベーク処理が施された後、いずれかの冷却ユニット(COL)にて冷却され、主搬送装置19・18・17および搬送機構10によってカセットステーション1上の所定のカセットに収容される。
【0030】
次に、現像処理ユニット(DEV)24a〜24cについて詳細に説明する。図2は現像処理ユニット(DEV)24a〜24cの一実施形態を示す平面図であり、図3は図2記載の現像処理ユニット(DEV)24a〜24cにおけるカップ部分の断面図である。現像処理ユニット(DEV)24a〜24cはシンク48により全体が包囲されており、その内部に基板Gを機械的に保持する保持手段、例えば、スピンチャック41がモータ等の回転駆動機構42により回転されるように設けられ、このスピンチャック41の下側には、回転駆動機構42を包囲するカバー43が配置されている。スピンチャック41は図示しない昇降機構により昇降可能となっており、上昇位置において搬送アーム19aとの間で基板Gの受け渡しを行う。スピンチャック41は真空吸引力等により、基板Gを吸着保持できるようになっている。
【0031】
カバー43の外周囲には2つのアンダーカップ44・45が離間して設けられており、この2つのアンダーカップ44・45の間の上方には、主として現像液を下方に流すためのインナーカップ46が昇降自在に設けられ、アンダーカップ45の外側には、主としてリンス液を下方に流すためのアウターカップ47がインナーカップ46と一体的に昇降自在に設けられている。なお、図3において、左側には現像液の排出時にインナーカップ46およびアウターカップ47が上昇される位置(上段位置)が示され、右側にはリンス液の排出時にこれらが降下される位置(下段位置)が示されている。
【0032】
アンダーカップ44の内周側(カバー43の外周下側)の底部には回転乾燥時にユニット内を排気するための排気ダクト49が配設されており、2つのアンダーカップ44・45間には主に現像液を排出するためのドレイン管50aが、アンダーカップ45の外周側底部には主にリンス液を排出するためにドレイン管50bが、設けられている。ドレイン管50aには、三方切替弁50cが設けられており、濃度の高い現像液は回収して濃度調整を行った後に再び現像処理に用いることができるようになっており(回収ルート)、また、濃度の低い現像液は、例えば、排液タンク等に貯留され、または浄化処理されて放流等されるようになっている(廃棄ルート)。
【0033】
アウターカップ47の一方の側には、図2に示すように、現像液供給用のノズル保持アーム51が設けられ、ノズル保持アーム51には、基板Gに現像液を塗布するために用いられる現像液吐出ノズルの一実施形態であるパドル形成用ノズル80が取り付けられている。パドル形成用ノズル80としては、例えば、現像液を帯状に垂直方向に吐出できるように、全体が一方向に長く、その長さ方向に複数の現像液吐出口が形成されたものや、その長さ方向にスリット状の現像液吐出口80aが形成された形態のものを用いることができる。パドル形成用ノズル80には図示しない現像液供給源から所定のタイミングで現像液が送液される。
【0034】
ノズル保持アーム51は、ガイドレール53に沿ってベルト駆動等の駆動機構52により基板Gを横切って軌道するように構成され、これにより現像液の塗布時には、ノズル保持アーム51はパドル形成用ノズル80から現像液を吐出しながら、静止した基板G上をガイドレール53の延在方向にスキャンするようになっている。なお、パドル形成用ノズル80は、ノズル待機部115に待機されるようになっており、このノズル待機部115にはパドル形成用ノズル80を洗浄するノズル洗浄機構(ノズルバス)120が設けられている。
【0035】
アウターカップ47の他方の側には、純水等のリンス液用のリンスノズルアーム54が設けられ、リンスノズルアーム54の先端部分には、リンス液吐出ノズル60が設けられている。リンスノズルアーム54は、枢軸55を中心として駆動機構56により回転自在に設けられている。これにより、リンス液の吐出時には、リンスノズルアーム54は、リンス液吐出ノズル60からリンス液を吐出しながら、基板G上をスキャンするようになっている。
【0036】
なお、図2および図3に図示しないが、現像処理ユニット(DEV)24a〜24cには、スピンチャック41に保持された基板Gの裏面に付着した現像液を除去、洗浄するバックリンス処理を行うために、基板Gの裏面に向けてリンス液を吐出するバックリンスノズルもまた設けられている。
【0037】
上述した現像処理ユニット(DEV)24a〜24cを用いた現像処理工程について、図4に示したフローチャートを参照しながら説明する。まず、インナーカップ46とアウターカップ47とを下段(図3右側位置)に保持した状態として、基板Gを保持した搬送アーム19aを現像処理ユニット(DEV)24a〜24c内に挿入し、このタイミングに合わせてスピンチャック41を上昇させて、基板Gをスピンチャック41へ受け渡す(ステップ1)。
【0038】
搬送アーム19aを現像処理ユニット(DEV)24a〜24c外に待避させ、基板Gが載置されたスピンチャック41を降下させて所定位置に保持する(ステップ2)。パドル形成用ノズル80がアウターカップ47の上端に接触しないように、待避位置にあるノズル保持アーム51を駆動機構52により動作させ、ノズル保持アーム51をインナーカップ46内の所定位置に移動、配置する(ステップ3)。こうしてパドル形成用ノズル80が配置された位置を、以下、吐出開始位置ということとする。
【0039】
この吐出開始位置は、例えば、パドル形成用ノズル80の現像液吐出口80aの位置が基板Gよりも僅かに外側に位置するようにする場合や、基板Gの外輪上部に位置するようにする場合、または基板Gの外輪よりも所定距離、例えば、1cm〜3cm程度だけ内側に位置するようにする場合等、適宜、好適な位置に定めることができる。この状態において排気ダクト49は動作していない状態として、次工程のステップ4において形成される現像液パドルに、排気ダクト49を動作させることによって生ずる気流の影響が及ばないようにする。
【0040】
次に、吐出開始位置にあるパドル形成用ノズル80からの所定の現像液の吐出を開始して、パドル形成用ノズル80をガイドレール53に沿って所定速度で基板G上をスキャンさせ、現像液パドルを形成する(ステップ4)。ここで、吐出開始位置が基板Gの外輪よりも、例えば、2cm程度内側に入っている場合には、パドル形成用ノズル80の現像液吐出口80aから吐出した現像液が、ノズル保持アーム51をスキャンさせようとする向きと反対の向きである基板Gの外輪にまで拡がるように、吐出開始位置において現像液を吐出した状態で所定時間保持して、その後にノズル保持アーム51のスキャンを開始する。
【0041】
なお、この現像液パドルを形成する際には、インナーカップ46とアウターカップ47は下段位置に保持されたままの状態にある。これは基板Gを回転させないために、基板Gから流れ落ちる現像液は自然にカバー43を伝って、アンダーカップ44・45間に導かれるためである。こうして、基板Gから流れ落ちた現像液はアンダーカップ44・45間の底部に形成されたドレイン50aから排出され、三方切替弁50cを通して回収ルート側へ送液され、濃度調整された後に再利用される。
【0042】
現像液パドルが形成された状態で所定の現像処理時間(現像反応時間)保持し、現像反応を進行させる(ステップ5)。この間に、パドル形成用ノズル80およびノズル保持アーム51をノズル待機部115へ移動させ(ステップ6)、一方、駆動機構56を駆動させてリンスノズルアーム54を枢軸55回りに回動して、リンス液吐出ノズル60を基板Gの略中心位置に待機させる(ステップ7)。さらに、スピンチャック41を回転させたときに基板Gから振り切られる現像液がインナーカップ46の内壁にあたるように、インナーカップ46とアウターカップ47とを上段位置へと上昇させ、保持する(ステップ8)。この上段位置は、基板Gの表面の水平位置がほぼインナーカップ46のテーパー部の位置に合う高さとする。なお、パドル形成用ノズル80は、ノズル待機部115においては洗浄処理され、次の基板Gに対する処理まで待機位置において保持される。
【0043】
続いて、所定の現像処理時間が終了したら、排気ダクト49による排気動作を開始する(ステップ9)。このステップ9の開始とほぼ同時にスピンチャック41の低速回転を開始し、さらに、この動作とほぼ同時に、リンス液吐出ノズル60からリンス液の吐出を開始する(ステップ10)。このステップ10においてはバックリンス処理もまた同時に開始する。
【0044】
このステップ10の開始当初において基板Gから振り切られた現像液とリンス液の混合液については、現像液濃度が極端に低下していないために再生が容易であり、このため、ドレイン50aから排出された後に回収ルートを用いて回収する。しかし、ステップ8の開始から所定時間が経過した後には、現像液濃度が低下するために再利用に適さなくなることから、ドレイン50aから排出される混合液が廃棄ルートへ流れるように三方切替弁50cを切り替える。
【0045】
なお、ステップ10におけるスピンチャック41の回転数は、例えば、10〜100rpmとすることができる。また、スピンチャック41の回転数をステップ10の開始当初は20rpm程度の低速回転を行い、ステップ10の進行中に70rpm程度となるように回転数を上げることも可能である。
【0046】
次に、インナーカップ46とアウターカップ47とを下段位置へと降下させて保持し、また、スピンチャック41の回転数をステップ10のときの回転数よりも大きくして、基板Gから振り切られる現像液濃度が低下したリンス液をアウターカップ47の壁面にあてて下方へ導き、ドレイン50bを通して回収し、廃棄等する(ステップ11)。このステップ11におけるスピンチャック41の回転数は、例えば、100〜200rpm程度とすることができる。ステップ11の処理時間は、基板Gから現像液がほぼ完全に除去される時間に設定することができる。
【0047】
ステップ11の処理が終了した後には、インナーカップ46とアウターカップ47を上昇させて上段位置に保持し、この動作とほぼ同時に、リンス液を吐出した状態でスピンチャック41の回転数を下げる(ステップ12)。基板Gから振り切られるリンス液はインナーカップ46の壁面にあたって下方へ導かれ、ドレイン50aから排出され、さらに廃棄ルートを経て、回収、廃棄等される。
【0048】
このステップ12前においては、インナーカップ46の壁面にはステップ10において基板Gから振り切られた現像液が付着しているが、このステップ12によって基板Gから振り切られるリンス液は殆ど現像液を含んでいない。こうして、ステップ12においては、基板Gからの現像液の除去のみでなく、基板Gから振り切られるリンス液によってインナーカップ46の洗浄処理が行われることとなる。このようにステップ12においてインナーカップ46を洗浄処理することによって、インナーカップ46に付着した現像液の乾燥によるパーティクル等の発生を防止することができ、また、次に処理する別の基板Gに対して、清浄な雰囲気での現像処理の開始が可能となる。
【0049】
ステップ12において、スピンチャック41の回転数を低下させる1つの目的は、インナーカップ46とアウターカップ47を上昇位置に保持した場合には、基板Gの周縁からカップの壁面までの距離が短くなるために、スピンチャック41の回転数が高い状態に放置すると、基板Gから振り切られるリンス液がインナーカップ46の壁面に衝突することによって発生するミストの量が多くなるおそれがあることから、これを防止することである。ステップ12におけるスピンチャック41の回転数は、例えば、50〜100rpmとすることができる。
【0050】
インナーカップ46とアウターカップ47とを上段位置に保持したまま、リンス液吐出ノズル60からのリンス液の吐出を停止して、スピンチャック41の回転数を上げ、基板Gからのリンス液の振り切り処理を行う(ステップ13)。このステップ13においては、以下に記す2つの問題点を、個々に、好ましくは同時に解決することができるように、処理条件を定める。
【0051】
第1の問題点は、従来は、基板Gの熱処理後に、基板Gにしみのような痕跡(しみ跡)が散在して発生し、基板品質を低下させていたという問題である。この基板Gに生ずるしみ跡は、従来はステップ13において完全に基板Gを乾燥させていたことから、浮遊していたリンス液等のミストが乾燥した基板Gの表面に付着することによって発生するものと推測された。そこで、この問題を解決するために、ステップ13においては、基板Gの表面が完全に乾燥しないように、リンス液の薄い膜が基板G上に残る程度に、スピンチャック41の回転数と回転時間を設定する。
【0052】
ステップ13において、基板Gの表面にリンス液の薄い膜が残存する程度にリンス液を振り切り、基板Gを完全に乾燥させないようにすると、リンス液のミストが付着しても、このミストはリンス液の膜に吸収されて拡散するために、しみ跡の発生原因とはならず、また、現像液に起因するミストが付着した場合にも、ミストがリンス液の膜に溶け込んで拡散するためにしみ跡として残り難くなる。こうして基板Gの品質が向上する。
【0053】
この第1の問題点を解決するためのステップ13におけるスピンチャック41の回転数と回転時間の設定は、実験的に求められ、このスピンチャック41の回転数と回転時間は、基板Gの大きさによって異なる。これは、基板Gの大きさが異なると基板Gの端部の周速度が異なるために、これによって基板Gの乾燥状態に差が生ずるからである。一般的に、基板G上から液滴が振り切られて液膜が残存した状態からこの液膜が蒸発して乾燥へ至る過程においては、周速度の速い基板Gの周縁部において乾燥が早く進行することから、ステップ13においては、基板Gの周縁部にリンス液の液膜が形成されている時点で、処理を終了することが好ましい。
【0054】
第2の問題点は、従来は、基板Gに形成されたレジスト膜の一部が剥離する場合があったという問題であり、このレジスト膜の剥離は、従来のように基板Gを完全に乾燥するために高速回転させると、基板Gは矩形形状を有するために側面において大きな力を受け、この力が回転の周速度が大きくなる基板の周縁部で大きくなるために生ずるものと推測された。このため、ステップ13においては、レジスト膜の剥離が生じないように、スピンチャック41の回転数と回転時間を、回転数を低く、かつ、回転時間を短くするように定める。なお、この第2の問題点を解決するための具体的条件もまた実験的に定められ、基板Gの大きさによって異なる。
【0055】
図5は、上記第1の問題点および第2の問題点を解決するために、実験的に求められるステップ13におけるスピンチャック41の回転数と回転時間の範囲を示した模式図である。この模式図は、スピンチャック41の回転数と回転時間を種々に変えた場合に、熱処理後に基板Gにしみ跡がどの程度発生するか、また、レジスト膜の剥離がどの程度起こるかを判断して、作製される。
【0056】
図5中の領域Bは、スピンチャック41の回転数が大きい場合または回転時間が長い場合であって、この場合には、基板Gが完全に乾燥してしまうために上記第1の問題点を解決することができず、また、スピンチャック41の回転数が大きい場合には、レジスト膜の剥離が生ずるおそれがある。また、図5中の領域Cは、スピンチャック41の回転数が大きいためにレジスト膜の剥離が発生するおそれがあり、第2の問題点を解決することができない。
【0057】
さらに、図5中の領域Dでは、基板Gの表面にリンス液の液膜は存在し、また、レジストの剥離も起こらないが、リンス液の振り切りが不十分となって、基板Gを搬送する搬送アーム19a等が汚染されるおそれがある。さらにまた、図5中の領域Eは、基板Gにリンス液の膜が残存する程度の乾燥を行うことが可能ではあるが、領域Bに近い条件を採用すると処理時間が長く、スループットを低下させる問題があり、一方、領域Dに近い条件を採用すると、熱処理において長い時間が必要となり、スループットを低下させる問題が生ずる。
【0058】
これに対して、図5中の領域Aにおいては、基板Gが完全に乾燥することがなく、かつ、リンス液の振り切りが十分であり、レジスト膜の剥離も発生せず、さらに、処理時間が長い条件であってもスループットを大きく低下させることがない。領域A内において、スピンチャック41の回転数が大きく、処理時間が短い場合には、スループットも向上する。
【0059】
なお、図5中の領域Aの条件を採用することによって、従来、基板Gの周縁に発生していた残渣が低減することが明らかとなった。残渣発生の原因やメカニズムについては未だ明らかではないが、従来よりも、スピンチャック41の回転数を低くして、回転時間を短くすることが、残渣発生の抑制に寄与していると考えられ、したがって、上記第1の問題点と第2の問題点を解決する条件は、基板Gにおける残渣発生を抑制して、基板品質を向上させる条件にもなる。このステップ13におけるスピンチャック41の回転数と回転時間は、例えば、300〜1000rpmで5秒〜20秒程度とすることができる。
【0060】
ところで、ステップ12とステップ13においては、インナーカップ46とアウターカップ47とを上段位置に保持している。図3の左側に示されるように、インナーカップ46とアウターカップ47を上段位置に保持した場合には、インナーカップ46とカバー43との間が広く、また、インナーカップ46とアウターカップ47との間から排気ダクト49に至る排気経路が短いために圧損が小さく、排気効率が高められる。
【0061】
これに対して、インナーカップ46とアウターカップ47とを下段位置に保持した場合には、インナーカップ46のテーパー部とカバー43との間隔が狭まり、また、インナーカップ46とアウターカップ47の間から排気ダクト49に至る排気経路は、インナーカップ46の垂直壁によって長くなるため、圧損が大きくなって排気効率が低下する。
【0062】
つまり、インナーカップ46とアウターカップ47とを上段位置に保持することにより、インナーカップ46およびアウターカップ47内で発生したミストを効率よく排気することができ、また、インナーカップ46によって基板Gの回転によって生ずる気流の流れが一定方向に制御され易くなり、こうしてミストの発生を抑制することができるようになる。このようなミスト発生の抑制効果およびミスト発生の低減効果によっても、基板Gにおけるしみ跡の発生が抑制される。
【0063】
ステップ13の終了後には、スピンチャック41の回転を停止してスピンチャック41を上昇させ、また、インナーカップ46とアウターカップ47とを下段位置に降下させ、排気ダクト49の排気動作を停止する(ステップ14)。そして、搬送アーム19aを現像処理ユニット(DEV)24a〜24c内に挿入して、基板Gの受け渡しを行い、搬送アーム19aに移された基板Gは、処理ブロック31〜33のいずれかの加熱処理ユニット(HP)に搬入され、基板Gの表面に残存したリンス液の蒸発除去処理と、現像処理されたレジスト膜のポストベーク処理が行われる(ステップ15)。このステップ15においては、先のステップ13において図5中の領域Aの条件にて処理が行われているために、しみ跡の発生やレジスト膜の剥離、残渣の発生が抑制され、良好な品質の基板Gを得ることができる。
【0064】
なお、ステップ14の終了後には、現像処理ユニット(DEV)24a〜24cにおいては、引き続いて、別の基板Gが搬送アーム19aによって搬入され(ステップ1)その後、前記ステップ2〜ステップ14の工程が繰り返して行われる。
【0065】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記形態に限定されるものではない。例えば、現像処理ユニット(DEV)24a〜24cとしては、インナーカップ46とアウターカップ47からなる二重構造カップを用いたが、インナーカップ46のみからなるカップを用いても、ステップ13におけるスピンチャック41の回転数と回転時間を制御することによって、しみ跡の発生やレジスト膜の剥離、残渣の発生を抑制することが可能である。また、スピンチャック41としては、最も回転数が大きくなるステップ13において従来よりも回転数を低減することができるため、スピンチャック41として、例えば、基板Gよりも大きなスピンプレート上に凸に形成された複数の固定ピン上に基板Gを載置して、基板Gを回転させた際に基板Gの位置がずれないように、基板Gの端面の所定位置、例えば、4隅において基板Gを別のピン等で保持するメカニカルな方法を用いたものを使用することも可能である。
【0066】
また、現像処理工程においては、インナーカップ46とアウターカップ47とを昇降させて現像液の振り切り処理やリンス処理、リンス液の振り切り処理を行ったが、インナーカップ46とアウターカップ47を固定として、スピンチャック41を昇降させて所定位置に保持しながら、現像液の振り切り等の処理を行うことも可能である。上記実施形態では、基板としてLCD基板を例として説明してきたが、本発明の基板処理方法は、半導体ウエハ、CD基板等の他の基板についても用いることが可能であり、また、現像処理に限定されず、これら種々の基板の洗浄処理等にも用いることができる。
【0067】
【発明の効果】
上述の通り、本発明によれば、基板に対して所定の液処理を行い、その後に熱処理を行う場合において、液処理の終了段階において基板を完全に乾燥することなく、基板上に液膜を残存させ、その状態から熱処理を行うことによって、基板の表面にしみ跡が発生することが抑制される。こうして、基板品質を高く保持することが可能となるという顕著な効果を奏する。また、基板における残渣発生も抑制されて、基板品質を高めることが可能となる。さらに、本発明の基板処理方法を現像処理方法に適用した場合には、液処理の終了段階において、基板上に液膜が形成されている状態とすることは、基板の回転数を低減したり、基板の回転時間を短くすることによって行われるために、レジスト膜へのダメージが減少する。このため、レジスト膜の剥離が防止されて基板の品質を高め、製品の信頼性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基板処理方法を適用することが可能な液処理装置の一実施形態であるレジスト塗布・現像処理システムを示す平面図。
【図2】 図1記載のレジスト塗布・現像処理システムに用いられる現像処理ユニットの一実施形態を示す平面図。
【図3】 図2記載の現像処理ユニットの断面図。
【図4】 本発明の基板処理方法の作業工程の一実施形態を示した説明図。
【図5】 本発明の基板処理方法の適用範囲を示す説明図。
【符号の説明】
1;カセットステーション
2;処理部
3;インターフェイス部
24a〜24c;現像処理ユニット(DEV)
41;スピンチャック
44・45;アンダーカップ
46;インナーカップ
47;アウターカップ
49;排気ダクト
50a・50b;ドレイン
50c;三方切替弁
80;パドル形成用ノズル
100;レジスト塗布・現像処理システム
G;基板(被処理基板)

Claims (8)

  1. 基板に一連の液処理と液処理後の乾燥処理を行う基板処理方法であって、
    略水平に保持された基板に所定の処理液を供給する第1工程と、
    前記処理液が供給された基板を所定回転数にて所定時間回転させて基板上の処理液を振り切り、基板の回転により発生した処理液のミストが基板に付着した際にこのミストを吸収して拡散させ得る程度の厚さの処理液の膜を基板上に残存させる第2工程と、
    基板を熱処理して基板上に残存させた処理液の膜を蒸発させることにより当該処理液の膜を消失させて基板表面のしみ跡の発生を抑止しつつ基板を乾燥する第3工程と、
    を有することを特徴とする基板処理方法。
  2. 基板に一連の液処理と液処理後の乾燥処理を行う基板処理方法であって、
    略水平に保持された基板に第1の処理液を供給する第1工程と、
    前記第1の処理液が供給された基板に第2の処理液を供給して第1の処理液を基板から除去する第2工程と、
    前記第2の処理液が供給された基板を所定回転数にて所定時間回転させて基板上の第2の処理液を振り切り、基板の回転により発生した第1の処理液および/または第2の処理液のミストが基板に付着した際にこのミストを吸収して拡散させ得る程度の厚さの第2の処理液の膜を基板上に残存させる第3工程と、
    前記第2の処理液の膜を残存させた基板を熱処理し、この第2の処理液の膜を蒸発させることにより当該第2の処理液の膜を消失させて基板表面のしみ跡の発生を抑止しつつ基板を乾燥する第4工程と、
    を有することを特徴とする基板処理方法。
  3. 前記第3工程において、基板の回転数を小さくし、および/または、基板の回転処理時間を短くすることによって、基板上に第2の処理液の膜を残存させることを特徴とする請求項2に記載の基板処理方法。
  4. レジスト膜が形成され、露光処理が施された基板の現像処理方法であって、
    基板に現像液を塗布して現像を行う第1工程と、
    前記現像液が塗布された基板にリンス液を供給して現像液を基板から除去する第2工程と、
    前記リンス液が供給された基板を回転させて基板上のリンス液を振り切り、基板の回転により発生した現像液および/またはリンス液のミストが基板に付着した際にこのミストを吸収して拡散させ得る程度の厚さのリンス液の膜を基板上に残存させる第3工程と、
    前記リンス液の膜を残存させた基板を熱処理し、このリンス液の膜を蒸発させることにより当該リンス液の膜を消失させて基板表面のしみ跡の発生を抑止しつつ基板を乾燥する第4工程と、
    を有することを特徴とする現像処理方法。
  5. 基板を略水平に保持する回転自在なスピンチャックと、
    前記スピンチャックに保持された基板の周縁を囲繞するように昇降可能に設けられた内側カップと、
    前記内側カップを囲繞するように昇降可能に設けられた外側カップと、を具備する現像処理装置を用いて、
    レジスト膜が形成され、露光処理が施された基板に現像処理を施す現像処理方法であって、
    前記スピンチャックに保持された基板に現像液を塗布して現像を行う第1工程と、
    前記スピンチャックに保持された基板の周縁に前記内側カップを配置させた状態で、前記スピンチャックを所定の回転数にて回転させながら前記現像液が塗布された基板にリンス液を供給して基板から現像液を流し出しつつ、流れ出た現像液を前記内側カップの内壁にあてさせる第2工程と、
    前記現像液を流し出した基板の周縁に前記内側カップに代わって前記外側カップを配置させた状態で、前記スピンチャックを所定の回転数にて回転させながら基板にリンス液を供給して現像液の残渣を除去する第3工程と、
    前記現像液の残渣を除去した基板の周縁に前記外側カップに代わって前記内側カップを配置させた状態で、前記スピンチャックを回転させながら基板にリンス液を供給して基板から振り切られるリンス液によって前記内側カップの内壁を洗浄する第4工程と、
    基板へのリンス液の供給を停止するとともに、前記スピンチャックの回転により基板上のリンス液を振り切り、前記内側カップの内壁にあたった現像液および/またはリンス液のミストが基板に付着した際にこのミストを吸収して拡散させ得る程度の厚さのリンス液の膜を基板上に残存させる第5工程と、
    前記リンス液の膜を残存させた基板を熱処理し、このリンス液の膜を蒸発させることにより当該リンス液の膜を消失させて基板表面のしみ跡の発生を抑止しつつ基板を乾燥する第6工程と、
    を有することを特徴とする現像処理方法。
  6. 基板にリンス液の膜を残存させる方法として、
    スピンチャックの回転数を小さくする方法、および/または、基板の回転時間を短くする方法を用いることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の現像処理方法。
  7. 基板にリンス液の膜を残存させる方法として、
    スピンチャックを回転させたときに前記基板の最外周部にリンス液が残存する状態において前記スピンチャックの回転を停止する方法を用いることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載の現像処理方法。
  8. 基板を略水平に保持する保持手段と、前記保持手段に保持された基板に所定の処理液を供給する処理液ノズルと、基板を保持した前記保持手段を回転させて、前記処理液ノズルによって供給された処理液を基板から振り切る回転機構と、を有する液処理部と、
    前記液処理部での処理後に、表面に処理液が残存した基板を熱処理して、この処理液を蒸発させることにより基板を乾燥させる乾燥処理部と、
    を具備する基板処理装置であって、
    前記液処理部は、前記回転機構が前記保持手段を回転させて、前記処理液ノズルによって供給された処理液を基板から振り切り、前記保持手段の回転に伴う基板の回転により発生した処理液のミストが基板に付着した際にこのミストを吸収して拡散させ得る程度の厚さの処理液の膜を基板上に残存させ、
    前記乾燥処理部は、処理液の膜を残存させた基板を熱処理して、この処理液の膜を蒸発させることにより、当該処理液の膜を消失させて基板表面のしみ跡の発生を抑止しつつ基板を乾燥させることを特徴とする基板処理装置。
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