JP3686822B2 - 現像処理装置および現像処理方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光処理された半導体ウエハ等の基板に現像処理を施す現像処理装置および現像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造プロセスにおけるフォトリソグラフィー工程のためのレジスト塗布・現像処理システムにおいては、半導体ウエハの表面にレジスト膜を形成するレジスト塗布処理と、レジスト塗布後のウエハに対して露光処理を行った後に前記ウエハを現像する現像処理とが行われており、これらレジスト塗布処理および現像処理は、それぞれこのシステムに搭載されたレジスト塗布ユニットおよび現像処理ユニットにより行われる。
【0003】
現像処理ユニットは、例えば、露光処理がされた半導体ウエハを吸着保持して回転させるスピンチャックと、スピンチャック上の半導体ウエハに現像液を供給する現像液供給ノズル、および現像処理後に半導体ウエハ上の現像液を洗浄除去するためのリンス液、例えば、純水を塗布するためのリンスノズルとを備えている。
【0004】
従来、現像液供給ノズルから半導体ウエハ上に現像液を塗布する際に、現像液供給ノズルから吐出される現像液の一部は、直接にまたは半導体ウエハから流れ落ちてドレインへ誘導され、廃棄されていた。また、半導体ウエハ上に液盛りされた現像液は、所定時間の現像処理の後に、半導体ウエハを回転等させることにより振り切られ、ドレインを通して廃棄されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、半導体ウエハ上に供給された現像液のうち、実際に現像処理に寄与するものの割合は少なく、一方で、所定量の現像液を半導体ウエハ上に液盛りすることは現像処理を均一に行う上で必要不可欠であることから、これまで、結果的に多くの現像液が無駄に使用されており、現像処理コストの高騰を招いていた。
【0006】
また、従来は、現像液を回収する場合には、その後に塗布されるリンス液をも全て回収していた。この場合、回収される現像液が大量のリンス液で希釈されており、廃棄処理にかかる輸送コストが嵩むという問題があった。しかも、再生される現像液の汚れを除去するためのコスト、例えば、フィルタ等の設置コストが割高となる問題があった。
【0007】
本発明はこのような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであって、使用された現像液の効率的な再利用を可能とする現像処理装置および現像処理方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、露光処理された基板の保持手段および前記基板に現像液を塗布する現像液塗布手段ならびに現像液が塗布された基板にリンス液を塗布するリンス液塗布手段を有する現像処理部と、
前記現像処理部から排出された使用済み現像液を回収する回収部と、
前記回収部に貯留された使用済み現像液と前記基板に塗布される現像液よりも高濃度に調整された濃度調整用現像液とを混合して所定濃度の現像液を製造する現像液再生部と、
前記現像液再生部において製造された再生現像液を貯留するタンクを備え、前記タンクから再生現像液を前記現像液塗布手段に送液する現像液供給部と、
前記回収部と前記現像液再生部との間と、前記現像液再生部と前記現像液供給部との間に、それぞれ設けられた開閉バルブと、
を具備し、
前記回収部と前記現像液再生部と前記現像液供給部はそれぞれ独立して可動可能に構成され
前記現像液再生部は濃度調整用タンクを有し、前記濃度調整用タンク内に多孔質体からなる容器または複数の孔部が形成された容器が配設されて内室および外室が形成され、
前記内室へ供給される前記濃度調整用現像液が、前記回収部から前記外室へ供給された前記使用済み現像液に対して、前記多孔質体または孔部を通過する際に前記濃度調整用現像液の流出圧により対流を発生させて攪拌し、前記再生現像液が製造されることを特徴とする現像処理装置、が提供される。
【0010】
また本発明によれば、露光処理された基板の現像処理方法であって、
前記基板に現像液を塗布し、所定時間経過後にリンス液を塗布しつつ基板上の現像液を除去し、排出する工程と、
前記現像液塗布開始後、リンス液塗布開始から所定時間を経過するまでの間に排出される現像液濃度の高い使用済み現像液を回収タンクに回収する工程と、
前記回収タンクに回収された使用済み現像液と、基板に塗布される現像液よりも高濃度に調整された濃度調整用現像液とを、任意の時間に混合して再生現像液を製造する工程と、
を有し、
前記再生現像液を製造する工程では、多孔質体または複数の孔部が形成された壁面により区切られた内室と外室へそれぞれ前記濃度調整用現像液と前記使用済み現像液を供給し、前記内室に供給された濃度調整用現像液が、前記多孔質体または孔部を通過する際の流出圧により、前記外室に供給された前記使用済み現像液に対して対流を発生させて攪拌し、前記再生現像液が製造されることを特徴とする現像処理方法、が提供される。
【0011】
このような本発明に係る現像処理装置および現像処理方法によれば、リンス液含有量の少ない使用済み現像液が効率よく回収されることから、基板に塗布される現像液よりも若干濃く調整された濃度調整用現像液を所定量加えることにより、容易に基板への塗布に用いられる所定濃度の現像液を再生することが可能となる。こうして再生される現像液は、溶媒として使用済みのリンス液を多くは含まないことから、ゴミ等の不純物の含有量も少ないものとすることができ、フィルタ等の設備設置負担が軽減される。
【0012】
また、現像処理装置を、大きくは現像処理部、回収部、現像液再生部、現像液供給部とにブロック分けすることにより、使用済み現像液の回収、保存、再生、再生現像液の保存、再利用は、それぞれ独立して行うことができることから、現像処理装置の運転シーケンスを、作業内容に合わせて都度好適なものとすることが可能であり、処理作業性の向上が図られる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の現像処理装置が搭載されたレジスト塗布・現像処理システムを示す概略平面図、図2はその正面図、図3はその背面図である。
【0014】
このレジスト塗布・現像処理システム1は、搬送ステーションであるカセットステーション10と、複数の処理ユニットを有する処理ステーション11と、処理ステーション11と隣接して設けられる露光装置(図示せず。)との間で半導体ウエハ(ウエハ)Wを受け渡すためのインターフェイス部12とを具備している。
【0015】
カセットステーション10は、被処理体としてのウエハWを複数枚、例えば25枚単位でウエハカセットCRに搭載された状態で他のシステムからこのレジスト塗布・現像処理システム1へ搬入またはこのレジスト塗布・現像処理システム1から他のシステムへ搬出する等、ウエハカセットCRと処理ステーション11との間でウエハWの搬送を行うためのものである。
【0016】
このカセットステーション10においては、図1に示すように、カセット載置台20上に図中X方向に沿って複数(図では4個)の位置決め突起20aが形成されており、この突起20aの位置にウエハカセットCRがそれぞれのウエハ出入口を処理ステーション11側に向けて1列に載置可能となっている。ウエハカセットCRにおいてはウエハWが垂直方向(Z方向)に配列されている。また、カセットステーション10は、ウエハカセット載置台20と処理ステーション11との間に位置するウエハ搬送機構21を有している。
【0017】
ウエハ搬送機構21は、カセット配列方向(X方向)およびその中のウエハWのウエハ配列方向(Z方向)に移動可能なウエハ搬送用アーム21aを有しており、この搬送アーム21aによりいずれかのウエハカセットCRに対して選択的にアクセス可能となっている。また、ウエハ搬送用アーム21aは、図1中に示されるθ方向に回転可能に構成されており、後述する処理ステーション11側の第3の処理部Gに属するアライメントユニット(ALIM)およびエクステンションユニット(EXT)にもアクセスできるようになっている。
【0018】
一方、処理ステーション11は、半導体ウエハWへ対して塗布・現像を行う際の一連の工程を実施するための複数の処理ユニットを備え、これらが所定位置に多段に配置されており、これらにより半導体ウエハWが1枚ずつ処理される。この処理ステーション11は、図1に示すように、中心部にウエハ搬送路22aを有しており、この中に主ウエハ搬送機構22が設けられ、ウエハ搬送路22aの周りに全ての処理ユニットが配置された構成となっている。これら複数の処理ユニットは、複数の処理部に分かれており、各処理部は複数の処理ユニットが垂直方向(Z方向)に沿って多段に配置されている。
【0019】
主ウエハ搬送機構22は、図3に示すように、筒状支持体49の内側に、ウエハ搬送装置46を上下方向(Z方向)に昇降自在に装備している。筒状支持体49はモータ(図示せず。)の回転駆動力によって回転可能となっており、それに伴ってウエハ搬送装置46も一体的に回転可能となっている。
【0020】
ウエハ搬送装置46は、搬送基台47の前後方向に移動自在な複数本の保持部材48を備え、これらの保持部材48によって各処理ユニット間でのウエハWの受け渡しを実現している。
【0021】
また、図1に示すように、この実施の形態においては、4個の処理部G・G・G・Gがウエハ搬送路22aの周囲に実際に配置されており、第5の処理部Gは必要に応じて配置可能となっている。これらのうち、第1および第2の処理部G・Gはレジスト塗布・現像処理システム1の正面(図1において手前)側に並列に配置され、第3の処理部Gはカセットステーション10に隣接して配置され、第4の処理部Gはインターフェイス部12に隣接して配置されている。また、第5の処理部Gは背面部に配置可能となっている。
【0022】
第1の処理部Gでは、コータカップ(CP)内でウエハWをスピンチャック(図示せず。)に乗せて所定の処理を行う2台のスピナ型処理ユニットであるレジスト塗布ユニット(COT)およびレジストのパターンを現像する現像処理ユニット(現像処理部、DEV)が下から順に2段に重ねられている。第2の処理部Gも同様に、2台のスピナ型処理ユニットとしてレジスト塗布ユニット(COT)および現像処理ユニット(DEV)が下から順に2段に重ねられている。
【0023】
第3の処理部Gにおいては、図3に示すように、ウエハWを載置台SP(図1)に載せて所定の処理を行うオーブン型の処理ユニットが多段に重ねられている。すなわち冷却処理を行うクーリングユニット(COL)、レジストの定着性を高めるためのいわゆる疎水化処理を行うアドヒージョンユニット(AD)、位置合わせを行うアライメントユニット(ALIM)、ウエハWの搬入出を行うエクステンションユニット(EXT)、露光処理前や露光処理後、さらには現像処理後にウエハWに対して加熱処理を行う4つのホットプレートユニット(HP)が下から順に8段に重ねられている。なお、アライメントユニット(ALIM)の代わりにクーリングユニット(COL)を設け、クーリングユニット(COL)にアライメント機能を持たせてもよい。
【0024】
第4の処理部Gも、オーブン型の処理ユニットが多段に重ねられている。すなわち、クーリングユニット(COL)、クーリングプレートを備えたウエハ搬入出部であるエクステンション・クーリングユニット(EXTCOL)、エクステンションユニット(EXT)、クーリングユニット(COL)、および4つのホットプレートユニット(HP)が下から順に8段に重ねられている。
【0025】
主ウエハ搬送機構22の背部側に第5の処理部Gを設ける場合に、第5の処理部Gは、案内レール25に沿って主ウエハ搬送機構22から見て側方へ移動できるようになっている。従って、第5の処理部Gを設けた場合でも、これを案内レール25に沿ってスライドすることにより空間部が確保されるので、主ウエハ搬送機構22に対して背後からメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0026】
インターフェイス部12は、奥行方向(X方向)については、処理ステーション11と同じ長さを有している。図1、図2に示すように、このインターフェイス部12の正面部には、可搬性のピックアップカセットCRと定置型のバッファカセットBRが2段に配置され、背面部には周辺露光装置23が配設され、中央部には、ウエハ搬送機構24が配設されている。
【0027】
このウエハ搬送機構24は、ウエハ搬送用アーム24aを有しており、このウエハ搬送用アーム24aは、X方向、Z方向に移動して両カセットCR・BRおよび周辺露光装置23にアクセス可能となっている。なお、このウエハ搬送用アーム24aは、θ方向に回転可能であり、処理ステーション11の第4の処理部Gに属するエクステンションユニット(EXT)や、さらには隣接する露光装置側のウエハ受け渡し台(図示せず。)にもアクセス可能となっている。
【0028】
上述したレジスト塗布・現像処理システム1においては、まず、カセットステーション10において、ウエハ搬送機構21のウエハ搬送用アーム21aがカセット載置台20上の未処理のウエハWを収容しているウエハカセットCRにアクセスして、1枚のウエハWを取り出し、第3の処理部Gのエクステンションユニット(EXT)に搬送する。
【0029】
ウエハWは、このエクステンションユニット(EXT)から、主ウエハ搬送機構22のウエハ搬送装置46により、処理ステーション11に搬入される。そして、第3の処理部Gのアライメントユニット(ALIM)によりアライメントされた後、アドヒージョン処理ユニット(AD)に搬送され、そこでレジストの定着性を高めるための疎水化処理(HMDS処理)が施される。この処理は加熱を伴うため、その後ウエハWは、ウエハ搬送装置46により、クーリングユニット(COL)に搬送されて冷却される。
【0030】
アドヒージョン処理が終了し、クーリングユニット(COL)で冷却されたウエハWは、引き続き、ウエハ搬送装置46によりレジスト塗布ユニット(COT)に搬送され、そこで塗布膜が形成される。塗布処理終了後、ウエハWは第3または第4の処理部G・Gのいずれかのホットプレートユニット(HP)内でプリベーク処理され、その後いずれかのクーリングユニット(COL)にて冷却される。
【0031】
冷却されたウエハWは、第3の処理部Gのアライメントユニット(ALIM)に搬送され、そこでアライメントされた後、第4の処理部Gのエクステンションユニット(EXT)を介してインターフェイス部12に搬送される。
【0032】
インターフェイス部12では、周辺露光装置23により周辺露光されて余分なレジストが除去され、その後ウエハWはインターフェイス部12に隣接して設けられた露光装置(図示せず。)により、所定のパターンに従ってウエハWのレジスト膜に露光処理が施される。
【0033】
露光後のウエハWは、再びインターフェイス部12に戻され、ウエハ搬送機構24により、第4の処理部Gに属するエクステンションユニット(EXT)に搬送される。そして、ウエハWは、ウエハ搬送装置46により、いずれかのホットプレートユニット(HP)に搬送されてポストエクスポージャーベーク処理が施され、次いで、クーリングユニット(COL)により冷却される。
【0034】
その後、ウエハWは現像処理ユニット(DEV)に搬送され、そこで露光パターンの現像が行われる。現像終了後、ウエハWはいずれかのホットプレートユニット(HP)に搬送されてポストベーク処理が施され、次いで、クーリングユニット(COL)により冷却される。このような一連の処理が終了した後、第3の処理部Gのエクステンションユニット(EXT)を介してカセットステーション10に戻され、いずれかのウエハカセットCRに収容される。
【0035】
次に、上述した現像処理ユニット(DEV)について詳細に説明する。図4および図5は、現像処理ユニット(DEV)の構成を示す略断面図および略平面図である。
【0036】
この現像処理ユニット(DEV)の中央部には環状のカップCPが配置され、カップCPの内側にはスピンチャック52が配置されている。スピンチャック52は真空吸着によってウエハWを固定保持した状態で、駆動モータ54によって回転駆動される。駆動モータ54は、ユニット底板50の開口に昇降移動可能に配置され、例えばアルミニウムからなるキャップ状のフランジ部材58を介して、例えばエアシリンダからなる昇降駆動手段60および昇降ガイド手段62と結合されている。駆動モータ54の側面には、例えばステンレス鋼(SUS)からなる筒状の冷却ジャケット64が取り付けられ、フランジ部材58は冷却ジャケット64の上半部を覆うように取り付けられている。
【0037】
現像液塗布時、フランジ部材58の下端は、ユニット底板50の開口の外周付近でユニット底板50に密着し、これによりユニット内部が密閉される。スピンチャック52と主ウエハ搬送機構22との間でウエハWの受け渡しが行われるときは、昇降駆動機構60が駆動モータ54またはスピンチャック52を上方へ持ち上げることでフランジ部材58の下端がユニット底板50から浮くようになっている。なお、現像処理ユニット(DEV)のケーシングには、保持部材48が侵入するための窓70が形成されている。
【0038】
ウエハWの表面に現像液を供給するための現像液供給ノズル86は、長尺状をなしその長手方向を水平にして配置され、現像液供給管88を介して現像液供給部89に接続されている。この現像液供給ノズル86はノズルスキャンアーム92の先端部に着脱可能に取り付けられている。ノズルスキャンアーム92は、ユニット底板50の上に一方向(Y方向)に敷設されたガイドレール94上で水平移動可能な垂直支持部材96の上端部に取り付けられており、Y軸駆動機構111によって垂直支持部材96と一体的にY方向に移動するようになっている。また、現像液供給ノズル86は、Z軸駆動機構112によって上下方向(Z方向)に移動可能となっている。
【0039】
現像液の塗布方法としては、現像液供給ノズル86から現像液をウエハW上に帯状に吐出させながら、Y軸駆動機構111によって現像液供給ノズル86をガイドレール94に沿って、ウエハW上をスキャンするように移動させる方法、または、ウエハWの上方のウエハWの直径に重なる位置、例えば、図5に示される位置まで移動させ、その状態で、現像液をウエハWに吐出させつつ、ウエハWを少なくとも1/2回転させる方法等を挙げることができる。
【0040】
現像液供給ノズル86は、現像液を塗布後に、ノズル待機部115(図5)に待機されるようになっており、このノズル待機部115にはノズル86を洗浄するノズル洗浄機構(ノズルバス)120が設けられている。
【0041】
また、現像処理ユニット(DEV)は、リンス液(洗浄液)を吐出し、塗布するためのリンスノズル102を有しており、リンス液供給部100からリンス液がリンスノズル102に供給される。リンス液としては現像液の溶媒が好適に用いられ、以下の実施形態においては、現像液として溶媒に純水を用いたものを用い、リンス液として純水を用いることを前提とする。
【0042】
リンスノズル102は、ガイドレール94上をY方向に移動自在に設けられたノズルスキャンアーム104の先端に取り付けられており、現像液による現像処理の終了後、ウエハW上に移動され、洗浄液をウエハWに吐出するように用いられる。なお、リンスノズル102の形状に制限はなく、例えばパイプ状のストレートノズル等を用いることができる。また、不要な現像液および使用されたリンス液は、ドレイン69から排出される。
【0043】
現像処理ユニット(DEV)の駆動系の動作は、制御部110によって制御される。すなわち、駆動モータ54、ならびにY軸駆動機構111およびZ軸駆動機構112、現像液供給部89、リンス液供給部100等は、制御部110の指令により駆動、制御される。
【0044】
次に、このように構成された現像処理ユニット(DEV)における現像処理の動作について説明する。所定のパターンが露光され、ポストエクスポージャーベーク処理および冷却処理されたウエハWは、主ウエハ搬送機構22の保持部材48によってカップCPの真上まで搬送され、昇降駆動機構60によって上昇されたスピンチャック52に真空吸着される。
【0045】
次いで、現像液供給ノズル86がウエハWの一方のY方向端部の上方に位置するようにし、現像液供給ノズル86から現像液を帯状に吐出させながらY軸駆動機構111により現像液供給ノズル86をウエハWのY方向の他方の端部の上方位置まで移動させる。続いて、現像液供給ノズル86から現像液を帯状に吐出させながらY軸駆動機構111により現像液供給ノズル86を最初のY方向端部の上方位置まで移動させる。現像液の塗布が終了した後には、現像液供給ノズル86をノズル待機部115へ移動させ、収容する。
【0046】
なお、前述したように現像液供給ノズル86を、ウエハWの直径方向に一致するように配置して、ウエハWを所定回数ほど回転させることによって現像液をウエハW上に塗布しても構わない。
【0047】
このようにして、現像液供給ノズル86の往復動を所定回数行うことで現像液の塗布が行われるが、現像液供給ノズル86を水平方向(Y方向)に移動させた場合には、現像液供給ノズル86の移動軌跡が四角形を描くのに対し、ウエハWは円形であるから、現像液供給ノズル86から吐出される帯状の現像液の一部は、ウエハWに液盛りされることなく、直接に廃液となり、ドレイン69から排出されることとなる。また、どのような現像液の供給方法を採っても、ウエハW上から液垂れすることなく、現像液をウエハWに均一にしかも短時間で供給することは困難である。こうして、ウエハWからの液垂れした現像液も廃液となり、ドレイン69から排出される。
【0048】
こうしてウエハW上に現像液が液盛りされ、現像液パドルが形成された状態で所定時間、静止保持されると、この間に現像液の自然対流によって現像処理が進行する。そして、この所定時間経過後にリンスノズル102をウエハWの上方に移動して、リンスノズル102からリンス液(洗浄液)を吐出しつつ、スピンチャック52を回転させて所定時間保持し、ウエハW上の現像液をリンス液とともに振り切る。こうして振り切られた現像液およびリンス液も廃液としてドレイン69から排出される。
【0049】
このような一連の現像処理において、本発明においては、現像処理ユニット(DEV)から排出される廃液(使用済み現像液)を回収し、再利用する。図6は現像処理ユニット(DEV)を含む現像処理装置90の一実施形態の全体構成を示す説明図である。現像処理装置90は、現像処理ユニット(DEV)、回収部80、現像液再生部30、現像液供給部40の大きく分けて4つの部から構成されている。
【0050】
回収部80には回収タンク81が設けられており、回収タンク81に現像処理ユニット(DEV)のドレイン69から排出される使用済み現像液が回収され、一時的に保管される。この回収部80を設けることなく、現像処理ユニット(DEV)から排出される使用済み現像液が直接に現像液再生部30へ流れ込むように構成することも可能であるが、その場合には、現像処理ユニット(DEV)におけるウエハWの現像処理の進行に合わせて現像液再生部30に使用済み現像液が流れ込むこととなる。
【0051】
この場合、現像液再生部30に貯留される使用済み現像液の量が一定せず、そのためウエハWの現像処理中は再生現像液の製造が困難となる問題が生ずる。逆に、現像液再生部30で使用済み現像液の濃度を調整する再生処理を行う際には、新たに現像液再生部30に使用済み現像液を流入させることは好ましくなく、その場合には、使用済み現像液を廃棄する等の必要が生じ、現像液の有効なリサイクルが図れなくなるという問題を生ずる。
【0052】
一方、1枚のウエハWの現像処理に用いられる現像液の量は多いものではないので、複数枚のウエハWの処理にかかる使用済み現像液を回収タンク81に回収し、所定量ほど貯留された後に、現像液再生部30へ所定量の使用済み現像液を送液すると、現像液再生部30における濃度調整のバッチ処理が容易となる。また、現像処理ユニット(DEV)でのウエハWの現像処理と独立して現像液再生部30での使用済み現像液の再生を行うことができる。使用済み現像液の再生処理と同時にウエハWの現像処理が行われている場合には、現像処理ユニット(DEV)から排出される使用済み現像液を回収タンク81に回収することで、使用済み現像液のリサイクル効率を上げることが可能となる。
【0053】
現像処理ユニット(DEV)と回収部80との間の配管には、切替バルブ83が設けられており、現像処理ユニット(DEV)のドレイン69から流出する現像液やリンス液が、回収部80またはドレイン84の一方へ流れるように、切り替えることができるようになっている。後述するように、本発明においては、使用済み現像液を効率的に再生させる目的から、現像液の含有量が多く、リンス液含有量の少ない使用済み現像液のみを回収する。つまり、ウエハWの現像処理において、リンス液の塗布を開始してから所定時間が経過するまでのリンス液含有量の少ない使用済み現像液は回収部80で回収し、その後にドレイン69から流出する現像液含有量が少なく主にリンス液からなる排出液はドレイン84へ誘導して廃棄するように、切替バルブ83を操作する。
【0054】
なお、回収タンク81には、オーバーフローを防止するための排液機構(ドレイン)82が設けられている。この回収タンク81は複数配設してもよく、1個の回収タンクがオーバーフローしたときに、ドレインから流出する回収液を、他の回収タンクに送液するように構成してもよい。
【0055】
現像液再生部30は、処理タンク31と、ウエハWに塗布される現像液よりも高濃度に調整された濃度調整用現像液を供給する濃度調整用現像液供給装置32と、純水を供給する純水供給装置33を有している。処理タンク31内には、多孔質体からなる拡散容器34が配設されており、拡散容器34内に内室34aが、拡散容器34外で処理タンク内に外室34bがそれぞれ形成されている。なお、拡散容器34に用いられる多孔質体の材質に限定はなく、多孔質金属、多孔質セラミックス、多孔質樹脂等が用いられる。また、拡散容器34として複数の孔部が形成された金属製、樹脂製、セラミックス製等の各種の容器を用いることもできる。
【0056】
回収部80から現像液再生部30への送液は、回収部80と現像液再生部30との間の配管に設けられたポンプ35の運転とバルブ36の開閉により行われ、使用済み現像液は、外室34bへ供給される構造となっている。なお、回収部80と現像液再生部30との間の配管途中の任意の位置に、フィルタ37を配設して、使用済み現像液中の不純物を除去することも好ましい。
【0057】
濃度調整用現像液は、濃度調整用現像液供給装置32から内室34aへ導入され、拡散容器34の多孔質壁面を透過して外室34bへ流出し、使用済み現像液と混合される。このとき、内室34aから濃度調整用現像液を外室34bへ送り出すときの流出圧を調整し、濃度調整用現像液の流出勢いによって使用済み現像液に自然対流を発生させて自己撹拌を行わせることにより、濃度調整用現像液と使用済み現像液との均一混合を行うことができる。この場合、特に別の撹拌機構を必要としないが、別途、撹拌機能を設けることも可能である。
【0058】
純水供給装置33から供給される純水は、種々の濃度調整処理に用いられる。例えば、濃度調整用現像液と純水を混合することにより、ウエハWに塗布する濃度の新たな現像液(新液)を製造することが可能である。現像液の再生を多く繰り返すと、製造される現像液中に多くのゴミ等の不純物を含むようになり、使用に適さなくなる場合があることから、使用不可能な現像液を廃棄して、新液を補充することにより、現像処理特性を一定の水準に保つことが可能となる。また、純水は、使用済み現像液と濃度調整用現像液とを用いて調整した再生現像液の濃度が高い場合に、濃度の微調整に用いることもできる。
【0059】
処理タンク31には、水位センサ39およびドレイン38が設けられており、水位センサ39が処理タンク31内の処理液量を監視し、一定以上となったときに、ドレイン38から排出することができるようになっている。もちろん、ドレイン38から現像液を排出しないように処理条件を設定することが、現像液の再利用率を高める上で好ましいことはいうまでもない。
【0060】
なお、前述したように、使用に適さなくなった現像液を、ドレイン38から廃棄することができる。また、処理タンク31の上部にはバルブ29が配設された排気管28が設けられ、処理タンク31内の圧力調整を可能としており、各種処理液の処理タンク31への流入や処理タンク31からの排出を容易なものとしている。
【0061】
処理タンク31には、濃度センサ41が配設されており、外室34bの現像液濃度を監視、モニタしている。この濃度センサ41の表示値に基づいて、手動で濃度調整用現像液や純水を適量ほど供給して、再生現像液の濃度を所定値とすることが可能である。なお、このような再生現像液の製造や濃度の微調整は、使用済み現像液の濃度と量、濃度調整用現像液の濃度が明らかであれば、自動で行うように設計することも可能である。
【0062】
現像液供給部40は、現像液再生部30において製造された再生現像液または新液を現像処理ユニット(DEV)に送液する役割を果たす。現像液供給部40には、現像液再生部30から送られてくる再生現像液を貯蔵するタンク76や、再生現像液を現像処理ユニット(DEV)へ送液する機構や送液ポンプ77等が設けられている。なお、必要に応じ、現像液再生部30とは独立して、現像液の新液の貯蔵タンクを設けることもできる。
【0063】
なお、現像液供給部40を設けずに、現像液再生部30から直接に現像処理ユニット(DEV)へ送液することも可能であるが、その場合には、現像液再生部30における使用済み現像液や再生現像液等の処理液の量が一定しないために、再生現像液の製造が行い難くなる問題がある。
【0064】
現像液再生部30から現像液供給部40への送液は、ポンプ42の運転と開閉バルブ44の開閉によって行われ、現像液再生部30と現像液供給部40とを結ぶ配管には、フィルタ43を設けて再生現像液中のゴミ等の不純物を除去することが好ましく、圧力センサ45を設けて配管内の圧損を検出することにより、フィルタ43の目詰まりの状態を監視することも好ましい。
【0065】
現像液供給部40から現像処理ユニット(DEV)へ至る送液経路には、脱気機構71が設けられており、これにより送液される現像液中の気泡が除去され、ウエハWに塗布されたときに、ウエハW表面に気泡が発生して現像むらが発生することが回避される。また、この送液経路には現像液温調機構74が設けられ、現像液が所定の現像性能を発揮することができるように、適切な温度に調節された後に現像処理ユニット(DEV)へ送られるようになっている。
【0066】
現像液供給部40から現像処理ユニット(DEV)へ至る送液経路には、さらに流量センサ72が設けられており、流量センサ72の信号を受けて送液ポンプ77を制御することにより、送液される現像液流量が制御される。また、フィルタ73により、最終的に現像液としてウエハWに塗布できる程度にまで現像液中の不純物が除去される構造となっている。
【0067】
次に、上述した現像処理装置90における現像液のリサイクルの形態について説明する。先に詳しく説明した通り、露光されたウエハWがスピンチャック52上に固定された後、所定量の現像液がウエハW上に塗布され、所定時間保持される。この所定時間経過後に、ウエハWにリンス液を塗布しながらウエハWを回転させることにより、現像液とリンス液がウエハWから振り切られる。以下、この工程を第1工程ということとする。
【0068】
図7は、第1工程において発生する使用済み現像液中の現像液の濃度変化を示したものである。現像液塗布開始時間tから、現像液塗布終了時間tの間に生ずる使用済み現像液は、現像液供給ノズル86から吐出されてウエハW上に液盛りされることなく、直接に排液となった現像液であるから、この時間帯t〜tの間に発生する使用済み現像液の現像液濃度は一定である。
【0069】
続くウエハW上で現像液が保持されている時間、つまり、現像液塗布終了時間tからリンス液塗布開始時間tまでの間は現像処理中であり、通常、使用済み現像液は流出しない。従って図7では、この時間帯t〜tの間の排液における現像液の濃度は示していない。
【0070】
次いで、リンス液塗布開始時間tから洗浄処理終了時間tに至る間では、リンス液を塗布しながらウエハWを回転させて、現像液とリンス液を一緒に振り切ることから、生ずる使用済み現像液中の現像液濃度は、洗浄処理時間が経過するにつれて徐々に低下することとなり、洗浄処理終了時間tでは、使用済み現像液中の現像液濃度は、ほぼ0%とみなすことができる。
【0071】
本実施形態においては、こうして第1工程において発生する使用済み現像液のうち、現像液の含有濃度が高いもののみを回収し、現像液の含有濃度の小さい使用済み現像液は廃棄する。例えば、図7中の領域Pで示される排液、つまり現像液の塗布によって生ずる使用済み現像液は全て回収し、洗浄処理中に発生する使用済み現像液については、リンス液塗布開始時間tから所定時間を経過した時間tまでに発生する領域Pで示される部分に相当する使用済み現像液は回収するが、所定時間t経過後に発生する領域Pで示される使用済み現像液は回収せずに廃棄することとする。以下、このような使用済み現像液の回収工程を、第2工程ということとする。
【0072】
このような第2工程における使用済み現像液の回収と廃棄は、現像処理ユニット(DEV)と回収部80との間に設けられた切替バルブ83を操作することにより行う。つまり、現像液塗布開始時間tでは、切替バルブ83は、使用済み現像液が回収タンク81へ流れるように設定されており、領域Pに相当する使用済み現像液はこうして回収タンク81へ流れ込み、貯留される。この状態で、所定の時間tになった時点で、切替バルブ83をドレイン84側へ切り替えると、領域Pの使用済み現像液は回収タンク81へ回収されるが、領域Pの主にリンス液からなる使用済み現像液は、ドレイン84へと流されて廃棄される。
【0073】
なお、実際には、現像処理ユニット(DEV)で発生した排液がドレイン69を通して切替バルブ83に到達するまでには、排液が流れるための時間Δtほどのタイムラグが生ずる。このため、領域Pで示される排液を回収するためには、切替バルブ83の回収タンク81側からドレイン84側への切替を、所定時間tからこのΔtほど遅れた時間tで行うことが好ましい。切替バルブ83のドレイン84側から回収タンク81側への切替は、リンス液を多く含む排液が殆ど排出されない状態になった後、次処理の現像液が排液として流れ出す前であれば、どのタイミングで行ってもよい。例えば、次に処理するウエハWをスピンチャックに固定する時点で行うことができる。
【0074】
第2工程において、回収タンク81に回収された使用済み現像液については、領域Pに相当する使用済み現像液は、その回収以前に現像処理が行われている場合にリンス液の一部がカップ(CP)内に残留しており、その残留していたリンス液によって使用済み現像液が希釈されることを考慮しても、そのリンス液の量は多くはないことから、未使用の現像液と同程度の濃度を有するものである。一方、領域Pに相当する使用済み現像液は、一定量のリンス液を含んでいることから、結果的に、回収タンク81に回収される使用済み現像液の濃度は、ウエハWに塗布される現像液の濃度よりも小さなものとなる。
【0075】
1枚のウエハWの処理によって、回収タンク81に回収される使用済み現像液の量は多いものではないことから、好適には、複数枚のウエハWの処理が終了して、一定量の使用済み現像液が回収タンク81に貯留された後、現像液再生部30の処理タンク31の外室34bへ送られる。現像液再生部30では、濃度センサ41により送液された使用済み現像液の濃度が確認され、濃度調整用現像液供給装置32から、所定量の濃度調整用現像液が拡散容器34の内室34aに送られて、処理タンク31内でこれらの使用済み現像液と濃度調整用現像液が均一に混合されることにより、ウエハWに塗布することができる所定濃度に調整された現像液(再生現像液)が製造される。この工程を第3工程ということとする。
【0076】
例えば、1枚のウエハWについて、現像処理ユニット(DEV)でウエハWに供給された現像液の量が100mlであり、そのうち、前述した図7に示される領域P・Pに相当する使用済み現像液が、80ml回収されるとする。ウエハWに塗布される現像液の濃度が2%であり、回収された使用済み現像液80mlのうち、20%に相当する16mlがリンス液であるとすると、使用済み現像液の濃度は1.6%となる。従って、ウエハWに塗布された2%濃度の現像液100mlを再生するためには、回収された使用済み現像液80mlに、濃度3.6%に調整された濃度調整用現像液を、20ml追加すればよい。こうして、1枚のウエハWの現像処理に使用された現像液から、新しく1枚のウエハWの現像処理に使用される現像液が製造される。
【0077】
一方、例えば、図7に示される領域Pに相当する使用済み現像液まで回収した場合を考える。前例と同様に、1枚のウエハWについて、現像処理ユニット(DEV)でウエハWに供給された現像液の量が100mlであり、そのうち、前述した図7に示される領域P・P・Pに相当する使用済み現像液が、150ml回収されるとする。この場合、回収された使用済み現像液に溶質を加えたとしても、最低150mlの再生現像液が製造されることなり、1枚のウエハWの現像処理に使用された現像液から、新しく1枚以上の処理量に相当する現像液が製造されることとなる。
【0078】
このような再生現像液の製造を繰り返すと、必要量以上の現像液が製造されることとなり、結果的に、多くの現像液を廃棄する必要が生ずる。また、使用される溶質量が多くなり、コスト高の原因なる。さらに、使用されたリンス液を溶媒としているために、ゴミ等の不純物の含有量も多くなり、その後の濾過等の処理および設備に時間とコストがかかることとなる等の、種々の問題を生ずる。従って、第2工程において回収する使用済み現像液の量は、1枚のウエハWの現像処理に要する現像液の量を超えない範囲の量に抑えることが好ましい。
【0079】
切替バルブ83の切替タイミングが、現像処理ユニット(DEV)における現像処理に合わせて一定に行われていれば、回収タンク81に回収される使用済み現像液の濃度は大きくは変化することはない。しかしながら、何らかの原因により、使用済み現像液の濃度が微小に変化することで、最終的な濃度調整を行う必要も生ずる。
【0080】
そこで、純水供給装置33から供給される純水は、一度製造した再生現像液の濃度が所定値よりも高かった場合に、再生現像液を希釈する最終的な濃度調整に用いることができる。一方、一度製造した再生現像液の濃度が所定値よりも小さかった場合には、所定量の濃度調整用現像液を添加することで、再生現像液の濃度を所定値とすることができる。
【0081】
純水と濃度調整用現像液とを所定量混合することで、ウエハWに塗布することができる所定濃度の現像液を製造することも可能である。こうして製造される新液は、繰り返し現像液の再生を行った場合に、使用済み現像液に含まれるゴミ等の不純物量が増大して、使用に適さなくなった場合に、使用済み現像液を廃棄して、その廃棄による不足分を補充するように用いることができる。また、現像処理中に、回収部80のメンテナンスの必要や、回収部80と現像液再生部30との間のポンプ35の故障等が生じた場合等でも、現像液を製造して現像処理ユニット(DEV)へ送液することが可能である。
【0082】
なお、再生処理部30における再生現像液の製造は、再生処理部30へ送られた使用済み現像液の量と濃度、濃度調整用現像液の濃度が既知であれば、自動的に、濃度調整用現像液の添加量を計算して、所定量の再生現像液を製造することができる。
【0083】
現像液再生部30で製造された再生現像液は、そのまま、フィルタ43・73、現像液温調機構74を通じて、現像処理ユニット(DEV)へ送液することも可能であるが、その場合には、処理タンク31内の再生現像液量が一定せず、再生現像液の濃度調整が困難となる。そこで、本実施形態では、現像液再生部30で製造された再生現像液は、現像液供給部40へ送液され、貯留される。そして、現像液供給部40から、必要に応じて現像処理ユニット(DEV)へ所定量の現像液が送液される。つまり製造された再生現像液が、新たなウエハWの現像処理(第1工程)に用いられる。
【0084】
上述の通り、本実施形態では、第2工程は第1工程に並行して行う必要があるが、第3工程は、第1工程と並行してまたは独立して任意の時間に行うことができる。従って、現像処理ユニット(DEV)、回収部80、現像液再生部30、現像液供給部40の各部のメンテナンスは、他の部を稼働させた状態でも行うことができる。
【0085】
本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、予め濃度調整用現像液を所定量ほど処理タンク内に貯留しておき、濃度調整用現像液を撹拌しながら、そこに使用済み現像液を送液する。濃度センサの測定値が所定の濃度に低下して再生現像液が製造された時点で、使用済み現像液の送液を停止し、製造された再生現像液を現像液供給部へ送るといった方法を採ることも可能である。
【0086】
また、上記説明では、半導体ウエハ用のレジスト塗布・現像処理システムに組み込まれた現像処理ユニットを例に挙げて説明したが、現像処理装置単独で用いるものであってもよく、また半導体ウエハ以外の他の被処理基板、例えばLCD基板用の現像処理装置にも本発明を適用することができる。
【0087】
【発明の効果】
上述の通り、本発明によれば、現像液を回収するにあたって、その後に塗布されるリンス液の含有量が少なく、現像液濃度の高い使用済み現像液を回収して再生するため、効率的に汚れの少ない現像液を再生することが可能である。これにより、現像液の使用量を低減し、現像処理コストを低減することが可能となる。また、現像処理装置を現像処理ユニット(現像処理部)、回収部、現像液再生部、現像液供給部の各部に分割して構成することにより、各部の操作やメンテナンスを独立して行うことが可能となり、作業性の向上が図られる。そして、現像液再生部では、多孔質体からなる拡散容器または複数の孔部が形成された拡散を用いることにより、別途の撹拌手段を設けることなく、使用済み現像液と濃度調整用現像液とを均一に混合することができることから、構造が簡単でコンパクトな装置とすることができる。さらに、現像液再生部では、濃度調整用現像液と純水から新たな現像液を製造することが可能であり、現像液の再生の繰り返しにより、再生される現像液中の不純物等が多くなって使用に適さなくなった場合でも、容易に現像液の製造と補充が行え、別途、現像液の供給タンクを設ける必要がなくなり装置の小型化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る現像処理装置が組み込まれた半導体ウエハのレジスト塗布・現像処理システムの全体構成を示す平面図。
【図2】本発明の実施形態に係る現像処理装置が組み込まれた半導体ウエハのレジスト塗布・現像処理システムの全体構成を示す正面図。
【図3】本発明の実施形態に係る現像処理装置が組み込まれた半導体ウエハのレジスト塗布・現像処理システムの全体構成を示す背面図。
【図4】本発明の現像処理装置に用いられる現像処理ユニットの一実施形態を示す断面図。
【図5】図4記載の現像処理ユニットを示す平面図。
【図6】本発明の現像処理装置の全体構成を示す説明図。
【図7】現像処理ユニットから排出される使用済み現像液における現像液濃度の変化を示す説明図。
【符号の説明】
30;現像液再生部
31;処理タンク
32;濃度調整用現像液供給装置
33;純水供給装置
34;拡散容器
38;ドレイン
39;水位センサ
40;現像液供給部
41;濃度センサ
69;ドレイン
71;脱気装置
73;フィルタ
74;現像液温調機構
80;回収部
81;回収タンク
83;切替バルブ
82;排液機構(ドレイン)
84;ドレイン
90;現像処理装置
DEV;現像処理ユニット
W;半導体ウエハ(基板)

Claims (11)

  1. 露光処理された基板の保持手段および前記基板に現像液を塗布する現像液塗布手段ならびに現像液が塗布された基板にリンス液を塗布するリンス液塗布手段を有する現像処理部と、
    前記現像処理部から排出された使用済み現像液を回収する回収部と、
    前記回収部に貯留された使用済み現像液と前記基板に塗布される現像液よりも高濃度に調整された濃度調整用現像液とを混合して所定濃度の現像液を製造する現像液再生部と、
    前記現像液再生部において製造された再生現像液を貯留するタンクを備え、前記タンクから再生現像液を前記現像液塗布手段に送液する現像液供給部と、
    前記回収部と前記現像液再生部との間と、前記現像液再生部と前記現像液供給部との間に、それぞれ設けられた開閉バルブと、
    を具備し、
    前記回収部と前記現像液再生部と前記現像液供給部はそれぞれ独立して可動可能に構成され
    前記現像液再生部は濃度調整用タンクを有し、前記濃度調整用タンク内に多孔質体からなる容器または複数の孔部が形成された容器が配設されて内室および外室が形成され、
    前記内室へ供給される前記濃度調整用現像液が、前記回収部から前記外室へ供給された前記使用済み現像液に対して、前記多孔質体または孔部を通過する際に前記濃度調整用現像液の流出圧により対流を発生させて攪拌し、前記再生現像液が製造されることを特徴とする現像処理装置。
  2. 前記現像処理部と前記回収部との間にさらに開閉バルブが設けられ、
    前記各部の運転のタイミングに合わせて前記開閉バルブを開閉させ、所定量の前記使用済み現像液または再生現像液の送液が行われることを特徴とする請求項1に記載の現像処理装置。
  3. 前記現像液再生部は溶媒供給装置を有し、前記溶媒供給装置から供給される溶媒を用いて前記再生現像液の濃度を調整し、または前記濃度調整用現像液と混合して新液が製造されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の現像処理装置。
  4. 前記現像液再生部は濃度センサを備えた濃度調整用タンクを有し、前記濃度センサにより前記使用済み現像液および再生現像液の濃度がモニタされ、前記再生現像液の濃度が所定値に調整されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の現像処理装置。
  5. 前記現像液再生部は濃度調整用タンクを有し、前記濃度調整用タンクのオーバーフローが防止されるように、または不要な前記使用済み現像液が廃棄できるように、前記濃度調整用タンクに水位センサおよび排液機構が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の現像処理装置。
  6. 露光処理された基板の現像処理方法であって、
    前記基板に現像液を塗布し、所定時間経過後にリンス液を塗布しつつ基板上の現像液を除去し、排出する工程と、
    前記現像液塗布開始後、リンス液塗布開始から所定時間を経過するまでの間に排出される現像液濃度の高い使用済み現像液を回収タンクに回収する工程と、
    前記回収タンクに回収された使用済み現像液と、基板に塗布される現像液よりも高濃度に調整された濃度調整用現像液とを、任意の時間に混合して再生現像液を製造する工程と、
    を有し、
    前記再生現像液を製造する工程では、多孔質体または複数の孔部が形成された壁面により区切られた内室と外室へそれぞれ前記濃度調整用現像液と前記使用済み現像液を供給し、前記内室に供給された濃度調整用現像液が、前記多孔質体または孔部を通過する際の流出圧により、前記外室に供給された前記使用済み現像液に対して対流を発生させて攪拌し 、前記再生現像液が製造されることを特徴とする現像処理方法。
  7. 前記使用済み現像液を回収する工程において、リンス液の含有量が少ない使用済み現像液の後に排出されるリンス液を主成分とした排出液はドレインに誘導して廃棄することを特徴とする請求項6に記載の現像処理方法。
  8. 前記使用済み現像液を回収する工程において、1枚の基板について回収される使用済み現像液の量が1枚の基板に塗布される現像液の量よりも少ないことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の現像処理方法。
  9. 前記再生現像液を製造する工程において、前記濃度調整用現像液と前記現像液の溶媒とを混合することにより、新たな現像液を所定量調製し、補充することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の現像処理方法。
  10. 前記再生現像液を一時的に現像液供給部に貯留し、前記貯留された再生現像液を任意の現像処理に供することを特徴とする請求項6から請求項9のいずれか1項に記載の現像処理方法。
  11. 前記使用済み現像液を回収する工程は前記現像液の排出工程と並行して行い、前記再生現像液を調製する工程は前記現像液の排出工程と並行してまたは独立して任意の時間に行うことを特徴とする請求項6から請求項10のいずれか1項に記載の現像処理方法。
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