JP3813887B2 - 現像処理方法及び現像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,基板の現像処理方法及び現像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造プロセスにおけるフォトリソグラフィー工程では,例えばウェハ表面に感光性材料であるレジスト液を塗布し,レジスト膜を形成するレジスト塗布処理,ウェハに所定パターンの光を照射し,ウェハを露光する露光処理,露光後のウェハに現像液を供給し,当該ウェハを現像する現像処理等が行われている。
【0003】
上述の現像処理では,通常レジスト膜の形成されたウェハ上に強アルカリ性の現像液を供給し,ウェハを所定時間静止現像する現像工程,当該現像工程後に,ウェハに純水等の洗浄液を供給してウェハを洗浄する洗浄工程等が行われている。前記現像工程では,現像液によりレジスト膜の所定部分,例えば露光部分が溶解され,洗浄工程では,現像液に溶解せず,現像液中に浮遊している不溶化物が除去される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで,前記静止現像後に,ウェハ上に純水が供給されると,ウェハ上の現像液が稀釈化され,ウェハ上の液体のpH値が急激に低下し,中性に近づく。このようにウェハ上の液体が中性に近づくと,当該液中に分散している,例えばレジスト粒子等の不溶化物のゼータ電位が0mVに近づく。ここで,不溶化物のゼータ電位とは,不溶化物の表面付近の電位を評価するものであり,厳密には不溶化物の無限遠を基準とした,液体中の不溶化物周りに形成される固定層周辺の拡散層の一部(すべり面)における電位である。
【0005】
そして,不溶化物のゼータ電位の絶対値が小さくなると,不溶化物相互間の電気的な反発力が低下するので,各不溶化物が凝集し,不溶化物の粒径が成長する。粒径の成長した不溶化物は,現像処理に影響を与える不純物となり,現像欠陥の原因になっていた。
【0006】
また,各不溶化物が凝集すると,ウェハやレジスト膜に付着し易くなる。これは,不溶化物の分子間力が大きくなるためであると推測される。そして,一旦ウェハ等に付着した不溶化物は,ウェハの振り切り等によっても容易には除去できず,残存したものは,現像欠陥の原因になっていた。また,付着した不溶化物をウェハ上等から除去するには,ウェハに長時間純水を供給し続ける必要があり,その結果トータルの現像処理時間が長くなるので,スループットの低下を招いていた。
【0007】
本発明は,かかる点に鑑みてなされたものであり,現像液中に浮遊している不溶化物の凝集を防止し,現像欠陥の低減及び現像処理時間の短縮を実現する現像処理方法及び現像処理装置を提供することをその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば,基板を現像処理する現像処理方法であって,レジスト膜の形成された基板上に現像液を供給し,基板を現像する現像工程と,前記現像工程後に,基板上に洗浄液を供給し,基板を洗浄する洗浄工程と,を有し,前記洗浄工程時における基板上の液体を,当該液体中に浮遊している不溶化物についてのゼータ電位の絶対値が最大になるようなpH値に調整し,前記pH値は,予め求められた前記基板上の液体のpH値と前記不溶化物のゼータ電位との相関曲線から算出されることを特徴とする現像処理方法が提供される。
【0009】
液体のpH値と,当該液体中の不溶化物のゼータ電位との間には,一定の相関関係があることが,発明者によって確認されている。本発明によれば,洗浄工程時の基板上の液体が,不溶化物のゼータ電位の絶対値が最大になるようなpH値に調整されるので,洗浄工程時に不溶化物のゼータ電位の絶対値が小さくなって不溶化物が凝集することを防止できる。したがって,不溶化物の粒径が成長することが無く,また不溶化物が基板等に付着しないので現像欠陥を低減できる。また,付着した不溶化物を除去するための洗浄時間を削減できるので,トータルの現像処理時間を短縮できる。なお,基板上の液体のpH値と不溶化物のゼータ電位との相関曲線を予め求めておき,前記所定pH値は,当該相関曲線に基づいて算出する。また,前記「不溶化物」は,前記レジスト膜から析出したものであってもよいし,液中に元々存在していたもの,外部から液中に入ったものであってもよい。
【0010】
本発明によれば,基板を現像処理する現像処理方法であって,レジスト膜の形成された基板上に現像液を供給し,基板を現像する現像工程と,前記現像工程後に,基板上に洗浄液を供給し,基板を洗浄する洗浄工程と,を有し,前記洗浄工程時における基板上の液体を,当該液体中に浮遊している不溶化物についてのゼータ電位の絶対値が所定値以上になるようなpH値に調整し,前記所定値は,前記不溶化物の凝集が開始される最低値以上であり,前記pH値は,予め求められた前記基板上の液体のpH値と前記不溶化物のゼータ電位との相関曲線から算出されることを特徴とする現像処理方法が提供される。
【0011】
この発明によれば,洗浄工程時における基板上の液体のpH値が調整され,不溶化物のゼータ電位の絶対値が,不溶化物の凝集しない所定値以上に維持されるので,不溶化物が粒径成長することを防止できる。また,不溶化物が分散安定して,基板等に付着することがないので,当該付着に起因する現像欠陥を低減できる。また,付着した不溶化物を除去するための洗浄時間を削減できるので,トータルの現像処理時間を短縮できる。なお,前記所定値は,例えばレジスト膜の種類等に応じて実験等により求められ,少なくとも30mV以上であることが望ましい。
【0012】
前記pH値の調整は,前記洗浄液に所定のpH値に調整された洗浄液を用いることによって行ってもよく,この場合,基板上の液体のpH値調整を正確に行うことができる。また,前記pH値の調整は,前記洗浄液とは別に基板上にpH値調整液を供給することによって行ってもよい。
【0013】
前記処理方法においては,前記基板上の液体を前記所定pH値に調整した後に,基板上に中性の洗浄液を供給してもよい。
【0014】
本発明によれば,基板に現像液を供給する現像工程と,その後基板に洗浄液を供給する洗浄工程とが行われる現像処理装置であって,前記洗浄工程時における基板上の液体を所定のpH値に調整するために基板上にpH調整液を供給するpH調整液供給部を備え,前記所定のpH値は,予め求められた前記基板上の液体のpH値と当該液体中の不溶化物のゼータ電位との相関曲線から,前記不溶化物のゼータ電位の絶対値が最大になるように設定されていることを特徴とする現像処理装置が提供される。
【0015】
この発明によれば,洗浄工程時の基板上の液体のpH値を,現像によって液中に浮遊している不溶化物のゼータ電位の絶対値が最大に維持されるような値に調整することができる。この結果,不溶化物同士が凝集することがなく,不溶化物の粒径成長を抑制でき,適正な現像処理を行うことができる。また,不溶化物が基板等に付着して現像欠陥を引き起こすことを防止できる。さらに,基板に付着した不溶化物を除去する洗浄時間も削減でき,トータルの現像処理時間を短縮できる。
別の観点による本発明は,基板に現像液を供給する現像工程と,その後基板に洗浄液を供給する洗浄工程とが行われる現像処理装置であって,前記洗浄工程時における基板上の液体を所定のpH値に調整するために基板上にpH調整液を供給するpH調整液供給部を備え,前記所定のpH値は,予め求められた前記基板上の液体のpH値と当該液体中の不溶化物のゼータ電位との相関曲線から,前記不溶化物のゼータ電位の絶対値が設定値以上になるように設定され,前記設定値は,前記不溶化物の凝集が開始される最低値以上であることを特徴とする。
【0016】
前記現像処理装置は,前記pH調整液供給部と,前記基板に洗浄液を供給する洗浄液供給部と,を別途備え,さらに,前記pH値調整液供給部と前記洗浄液供給部からの各液体の供給流量を制御する制御部を備えていてもよい。かかる場合,基板の洗浄工程時に,基板上にpH調整液と洗浄液とがそれぞれ所定流量で供給され,基板上の液体を所定pH値に調整できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は,本実施の形態にかかる現像処理方法が実施される現像処理装置を備えた塗布現像処理システム1の構成の概略を示す平面図であり,図2は,塗布現像処理システム1の正面図であり,図3は,塗布現像処理システム1の背面図である。
【0018】
塗布現像処理システム1は,図1に示すように例えば25枚のウェハWをカセット単位で外部から塗布現像処理システム1に対して搬入出したり,カセットCに対してウェハWを搬入出したりするカセットステーション2と,塗布現像処理工程の中で枚葉式に所定の処理を施す各種処理装置を多段配置してなる処理ステーション3と,この処理ステーション3に隣接して設けられている図示しない露光装置との間でウェハWの受け渡しをするインターフェイス部4とを一体に接続した構成を有している。
【0019】
カセットステーション2では,カセット載置台5上の所定の位置に,複数のカセットCをX方向(図1中の上下方向)に一列に載置自在となっている。カセットCは,複数のウェハWを多段に並べて収容できるものである。そして,このカセット配列方向(X方向)とカセットCに収容されたウェハWのウェハ配列方向(Z方向;鉛直方向)に対して移送可能なウェハ搬送体7が搬送路8に沿って移動自在に設けられており,各カセットCに対して選択的にアクセスできるようになっている。
【0020】
ウェハ搬送体7は,ウェハWの位置合わせを行うアライメント機能を備えている。このウェハ搬送体7は,後述するように処理ステーション3側の第3の処理装置群G3に属するエクステンション装置32に対してもアクセスできるように構成されている。
【0021】
処理ステーション3では,その中心部に主搬送装置13が設けられており,この主搬送装置13の周辺には各種処理装置が多段に配置されて処理装置群を構成している。この塗布現像処理システム1においては,4つの処理装置群G1,G2,G3,G4が配置されており,第1及び第2の処理装置群G1,G2は塗布現像処理システム1の正面側に配置され,第3の処理装置群G3は,カセットステーション2に隣接して配置され,第4の処理装置群G4は,インターフェイス部4に隣接して配置されている。さらにオプションとして破線で示した第5の処理装置群G5を背面側に別途配置可能となっている。前記主搬送装置13は,これらの処理装置群G1,G2,G3,G4,G5に配置されている後述する各種処理装置に対して,ウェハWを搬入出可能である。なお,処理装置群の数や配置は,ウェハWに施される処理の種類によって異なり,処理装置群の数は,1つ以上であれば任意に選択可能である。
【0022】
第1の処理装置群G1では,例えば図2に示すようにウェハWにレジスト液を塗布し,ウェハW上にレジスト膜を形成するレジスト塗布装置17と,本実施の形態にかかる現像処理方法が実施される現像処理装置18とが下から順に2段に配置されている。第2の処理装置群G2にも同様に,レジスト塗布装置19と,現像処理装置20とが下から順に2段に配置されている。
【0023】
第3の処理装置群G3では,例えば図3に示すようにウェハWを冷却処理するクーリング装置30,レジスト液とウェハWとの定着性を高めるためのアドヒージョン装置31,ウェハWの受け渡しを行うためのエクステンション装置32,レジスト液中の溶剤を蒸発させるためのプリベーキング装置33,34,現像処理後の加熱処理を行うポストベーキング装置35が下から順に例えば6段に積み重ねられている。
【0024】
第4の処理装置群G4では,例えばクーリング装置40,載置したウェハWを自然冷却させるエクステンション・クーリング装置41,エクステンション装置42,クーリング装置43,露光後の加熱処理を行うポストエクスポージャーベーキング装置44,45,ポストベーキング装置46が下から順に例えば7段に積み重ねられている。
【0025】
インターフェイス部4の中央部には,図1に示すように例えばウェハ搬送体50が設けられている。このウェハ搬送体50は,X方向(図1中の上下方向),Z方向(垂直方向)への移動と,θ方向(Z軸を中心とする回転方向)の回転が自在にできるように構成されており,第4の処理装置群G4に属するエクステンション・クーリング装置41,エクステンション装置42,周辺露光装置51及び図示しない露光装置に対してアクセスして,各々に対してウェハWを搬送できる。なお,露光装置は,レジスト膜の形成されたウェハWに所定パターンの光を照射し,ウェハWを露光処理するものである。
【0026】
次に,上述した現像処理装置18の構成について詳しく説明する。図4,5に示すように現像処理装置18のケーシング18a内には,ウェハWを水平に吸着保持するスピンチャック60が設けられている。例えばスピンチャック60の下方には,このスピンチャック60を駆動させる駆動機構61が設けられている。駆動機構61は,スピンチャック60を所定の回転速度で回転させる,モータ等を備えた回転駆動部(図示せず)や,スピンチャック60を上下動させる,モータ又はシリンダ等を備えた昇降駆動部(図示せず)を有している。
【0027】
スピンチャック60の外方には,スピンチャック60を取り囲むようにして,上面が開口した環状のカップ62が設けられている。このカップ62は,前記スピンチャック60に保持され回転されたウェハWから飛散した現像液等を受け止め,周辺の機器の汚染を防止する。カップ62の底部には,前記ウェハW等から飛散した現像液等を排液するドレイン管63と,カップ62内の雰囲気を排気する排気管64とが接続されている。
【0028】
このカップ62の外方には,カップ62を取り囲むようにして,上面が開口した略筒状のアウトカップ65が設けられており,カップ62では受け止めきれなかったウェハWからの現像液等を受け止め,現像液等の飛散を防止できる。
【0029】
図5に示すようにアウトカップ65の外方,例えばM方向負方向側(図5の左側)の外方には,待機部Tが設置され,当該待機部Tには,ウェハWに現像液を供給する現像液供給ノズル70が待機している。なお,本実施の形態では,例えばTMAH(N(CH3)4OH)等のpH13程度の強アルカリ性の現像液が現像液供給ノズル70から供給される。
【0030】
現像液供給ノズル70は,例えば少なくともウェハWの直径よりも長い細長形状を有しており,その下部には,長手方向に沿って一列に並べられた複数の吐出口(図示せず)が設けられている。現像液供給ノズル70は,当該複数の吐出口から同圧力で,同流量の現像液を吐出できる。
【0031】
現像液供給ノズル70は,アーム71に保持されており,このアーム71は,図示しない移動機構によりM方向(図5の左右方向)に敷設された直線状のレール72上を移動自在である。レール72は,例えば待機部Tからアウトカップ65のM方向正方向側の外方まで延びており,現像液供給ノズル70は,少なくとも待機部Tからカップ62のM方向正方向側の端部まで移動できる。現像液供給ノズル70は,長手方向がM方向の直角方向になるようにアーム71に保持されており,現像液供給ノズル70が現像液を吐出しながら,ウェハWの一端から他端まで移動することによって,ウェハW表面全面に現像液を供給できる。なお,待機部Tには,現像液供給ノズル70を洗浄するための所定の溶剤を貯留する洗浄槽73が設けられている。
【0032】
アウトカップ75のM方向正方向側(図5の右側)の外方には,待機部Uが設置されており,その待機部Uには,ウェハWに,例えば2種類の洗浄液を供給できるpH調整液供給部としての洗浄液供給ノズル80が待機している。洗浄液供給ノズル80は,リンスアーム81に保持されており,このリンスアーム81は,例えば前記アーム71と同じレール72上を移動可能である。洗浄液供給ノズル80は,カップ62内のウェハW上に移動した際に,ウェハWの中心部に洗浄液を供給できるようにリンスアーム81に保持されている。
【0033】
洗浄液供給ノズル80は,例えば図6に示すように配管82によって2つの貯留タンク83,84に連通接続されている。貯留タンク83には,所定pH値,例えばpH10に調整されたアルカリ洗浄液が貯留されている。アルカリ洗浄液は,例えば純水に現像液が添加されたものである。また,所定pH値は,予め実験により得られた,図7に示すような液体中に浮遊している不溶化物のゼータ電位と当該液体のpH値の相関曲線から求められ,不溶化物のゼータ電位の絶対値が最大となるpH値が選択される。
【0034】
一方,貯留タンク84には,例えば中性の洗浄液,例えば純水が貯留されている。図6に示すように配管82における貯留タンク83と貯留タンク84への分岐点には,三方口弁85が設けられており,洗浄液供給ノズル80には,アルカリ洗浄液と純水が選択的に供給できる。
【0035】
なお,洗浄液供給ノズル80の待機部Uには,図5に示すように例えば洗浄槽86が設けられおり,例えば溶剤の貯留された洗浄槽86内に洗浄液供給ノズル80を浸漬し,洗浄液供給ノズル80の先端部に付着した洗浄液を洗い落とすことができる。また,当該先端部に付着した洗浄液が乾燥し,パーティクルの原因となることも防止できる。
【0036】
また,ケーシング18aの側面には,ウェハWを現像処理装置18内に搬入出するための搬送口90が設けられ,この搬送口90は,シャッタ91により開閉自在である。
【0037】
次に,以上のように構成されている現像処理装置18で実施される現像処理方法について,塗布現像処理システム1で行われるフォトリソグラフィー工程のプロセスと共に説明する。
【0038】
先ず,ウェハ搬送体7によりカセットCから取り出されたウェハWは,第3の処理装置群G3に属するエクステンション装置32に搬送され,次いで主搬送装置13によってアドヒージョン装置31に搬送される。このアドヒージョン装置31においてレジストの密着性を向上させる,例えばHMDSが塗布されたウェハWは,続いてクーリング装置30に搬送され,所定の温度に冷却された後,レジスト塗布装置17に搬送される。レジスト塗布処理17では,例えばポジ型のレジスト液がウェハW上に塗布され,ウェハW上にレジスト膜が形成される。
【0039】
その後ウェハWは,主搬送装置13によってプリベーキング装置33,エクステンション・クーリング装置41に順次搬送され,さらにウェハ搬送体50によって周辺露光装置51に搬送され,各装置で所定の処理が施される。次いでウェハWは,露光装置(図示せず)に搬送され,ウェハW上に所定パターンの光が照射される。この露光により,レジスト膜の露光部分が現像液に対して可溶になる。
【0040】
この露光処理の終了したウェハWは,ウェハ搬送体50によりエクステンション装置42に搬送され,その後,ウェハWはポストエクスポージャーベーキング装置44,クーリング装置43で所定の処理が施された後,現像処理装置18に搬送される。
【0041】
現像処理装置18に搬入されたウェハWは,スピンチャック60上に吸着保持される。ウェハWが吸着保持されると,ウェハWの現像工程が開始される。この現像工程では,先ず現像液供給ノズル70が,カップ62の内側であってウェハWのM方向負方向側の端部付近のスタート位置Sまで移動し,当該スタート位置Sから現像液を吐出しながらウェハWのM方向正方向側の端部付近のエンド位置Eまで移動する。これにより,ウェハW上に所定量の現像液が液盛りされ,所定時間の静止現像が開始される。この静止現像では,露光部のレジスト膜の大部分が現像液に溶解し,レジスト膜の一部が不溶化物となって現像液中に浮遊する。
【0042】
所定時間の静止現像が行われ,現像工程が終了すると,ウェハWの洗浄工程が行われる。洗浄工程では,先ず洗浄液供給ノズル80がウェハWの中心部上方まで移動し,ウェハWが所定の速度で回転される。そして,洗浄液供給ノズル80から,先ずアルカリ洗浄液が吐出され,ウェハW上にpH10のアルカリ洗浄液が供給される。ウェハW上の現像液は,アルカリ洗浄液に置換され,ウェハW上の液体がpH10に維持される。こうすることにより,ウェハW上の液体中における不溶化物のゼータ電位が,図7に示したように例えば−70mVに維持され,当該ゼータ電位の絶対値が最大に維持される。この間,ウェハW上の不溶化物は,凝集が抑制され,遠心力によってウェハWの外方に飛散する。
【0043】
所定時間,アルカリ洗浄液が供給された後,三方口弁85が切り替えられ,今度は,純水がウェハW上に供給される。この純水の供給により,レジスト膜の現像が完全に停止され,また,ウェハW上に残存していた不溶化物も完全に除去される。所定時間経過後,純水の供給が停止され,洗浄工程が終了すると,ウェハWが高速回転されて,ウェハWは振り切り乾燥される。この乾燥工程が終了すると,スピンチャック60から主搬送装置13にウェハWが受け渡され,ウェハWが現像処理装置18外に搬出されて,一連の現像処理が終了する。
【0044】
本実施の形態によれば,洗浄工程時に,pH10のアルカリ洗浄液が供給され,ウェハW上の不溶化物のゼータ電位の絶対値が最大に維持されるので,不溶化物間の電気的な反発力が維持され,不溶化物の凝集を防止できる。したがって,不溶化物の粒径成長と不溶化物のウェハW等への付着を防止でき,この結果現像欠陥を低減できる。また,ウェハWに付着した不溶化物等を除去するための洗浄時間が必要ないので,トータルの現像処理時間を短縮できる。
【0045】
また,アルカリ洗浄液を供給した後に,純水を供給したので,レジスト膜の現像を完全に停止させることができ,また,ウェハW上に残存する不溶化物等の不純物を完全に除去することができる。
【0046】
以上の実施の形態では,予めpH値の調整されたアルカリ洗浄液をウェハWに供給してウェハW上の液体のpH値を調整していたが,洗浄液とpH調整液とを別々に供給してウェハW上の液体のpH値を調整してもよい。
【0047】
図8は,かかる一例を示すものであり,リンスアーム100は,洗浄液,例えば純水を供給する洗浄液供給部としての純水供給ノズル101と,pH調整液,例えば現像液を供給するpH調整液供給部としてのpH調整液供給ノズル102とを保持している。純水供給ノズル101とpH調整液供給ノズル102は,ウェハWの中心付近の上方まで移動できるようにリンスアーム100に保持されている。
【0048】
純水供給ノズル101は,例えば図9に示すように配管103によって純水供給装置104に連通接続されており,pH調整液供給ノズル102は,配管105によってpH調整液供給装置106に連通接続されている。純水供給装置104やpH調整液供給装置106は,図示しないポンプ等の圧送機構や貯留タンク等を備えており,所定のタイミングで所定流量の純水やpH調整液をそれぞれのノズル101,102に供給できる。
【0049】
また,純水供給装置104とpH調整液供給装置106からの各液の供給流量は,制御部107により制御されている。制御部107は,例えば洗浄工程時のウェハW上の液体が,設定pH値,例えばpH10になるように各液の供給流量を制御できる。
【0050】
そして,現像工程後に行われる洗浄工程時に,純水供給ノズル101とpH調整液供給ノズル102がウェハW中心付近の上方まで移動し,回転されたウェハW上に所定流量の純水とpH調整液が各ノズル101,102から吐出される。ウェハW上に吐出され,混合された液体は,例えばpH10付近に維持され,この状態でウェハWが洗浄される。所定時間経過後,pH調整液供給ノズル102からのpH調整液の供給が停止され,純水供給ノズル101からの純水供給のみが行われる。その後,純水の供給が停止され,上述した実施の形態と同様にウェハWが振り切り乾燥される。
【0051】
かかる例では,純水とpH調整液とがそれぞれ専用のノズルから吐出されるので,各液が互いにノズル内又は配管内で混ざることが無く,常に安定した液体供給が実現できる。また,ウェハW上に純水のみを供給する際に,pH調整液の供給を停止させれば足りるので,この切り替えがスムーズに行える。なお,pH調整液は,TMAH(N(CH3)4OH)に限られず,NH4等であってもよい。
【0052】
また,前記実施の形態では,不溶化物のゼータ電位の絶対値が最大になるようにウェハW上の液体のpH値を調整していたが,不溶化物のゼータ電位の絶対値が,不溶化物の凝集が行われない所定値以上になるように,ウェハW上の液体のpH値を調整してもよい。かかる場合,例えば図7に示すように不溶化物の凝集が行われない最小のゼータ電位の絶対値である所定値V0と,不溶化物のゼータ電位の絶対値を所定値V0以上に維持できるpH範囲,例えばpH8〜14とを予め求めておく。そして,洗浄工程時には,前記pH範囲内のpH8に調整された洗浄液がウェハW上に供給される。こうすることにより,前記実施の形態と同様に洗浄工程時の不溶化物の凝集が防止され,不溶化物の粒径成長と不溶化物のウェハWへの付着が抑制されて,現像欠陥が低減できる。
【0053】
以上の実施の形態は,本発明をウェハWの現像処理方法に適用したものであったが,本発明は半導体ウェハ以外の基板,例えばLCD基板,フォトマスク用のマスクレチクル基板等の現像処理方法にも適用できる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば,現像処理時に現像液中に浮遊している不溶化物の粒径成長を抑制し,また不溶化物の基板への付着を防止できるので,当該付着等に起因する現像欠陥を低減できる。したがって,歩留まりの向上が図られる。また,基板に付着した不溶化物を除去する洗浄時間が必要無いので,現像処理時間が短縮され,スループットの向上が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかる現像処理方法が実施される現像処理装置を有する塗布現像処理システムの外観を示す平面図である。
【図2】図1の塗布現像処理システムの正面図である。
【図3】図1の塗布現像処理システムの背面図である。
【図4】現像処理装置の縦断面の説明図である。
【図5】現像処理装置の横断面の説明図である。
【図6】洗浄液供給ノズルの供給系統を示す説明図である。
【図7】液体中の不溶化物のゼータ電位と液体のpH値との相関曲線を表すグラフである。
【図8】pH調整液供給ノズルを備えた場合の現像処理装置を示す横断面の説明図である。
【図9】図8のpH調整液供給ノズルと純水供給ノズルとの供給系統を示す説明図である。
【符号の説明】
1 塗布現像処理システム
18 現像処理装置
70 現像液供給ノズル
80 洗浄液供給ノズル
S スタート位置
E エンド位置
W ウェハ
Claims (8)
- 基板を現像処理する現像処理方法であって,
レジスト膜の形成された基板上に現像液を供給し,基板を現像する現像工程と,
前記現像工程後に,基板上に洗浄液を供給し,基板を洗浄する洗浄工程と,を有し,
前記洗浄工程時に,基板上の液体を,当該液体中に浮遊している不溶化物についてのゼータ電位の絶対値が最大になるようなpH値に調整し,
前記pH値は,予め求められた前記基板上の液体のpH値と前記不溶化物のゼータ電位との相関曲線から算出されることを特徴とする,現像処理方法。 - 基板を現像処理する現像処理方法であって,
レジスト膜の形成された基板上に現像液を供給し,基板を現像する現像工程と,
前記現像工程後に,基板上に洗浄液を供給し,基板を洗浄する洗浄工程と,を有し,
前記洗浄工程時に,基板上の液体を,当該液体中に浮遊している不溶化物についてのゼータ電位の絶対値が設定値以上になるようなpH値に調整し,
前記設定値は,前記不溶化物の凝集が開始される最低値以上であり,
前記pH値は,予め求められた前記基板上の液体のpH値と前記不溶化物のゼータ電位との相関曲線から算出されることを特徴とする,現像処理方法。 - 前記pH値の調整は,前記洗浄液に所定のpH値に調整された洗浄液を用いることによって行われることを特徴とする,請求項1又は2のいずれかに記載の現像処理方法。
- 前記pH値の調整は,前記洗浄液とは別に基板上にpH調整液を供給することによって行うことを特徴とする,請求項1又は2のいずれかに記載の現像処理方法。
- 前記基板上の液体を前記pH値に調整した後に,基板上に中性の洗浄液を供給することを特徴とする,請求項1,2,3又は4のいずれかに記載の現像処理方法。
- 基板に現像液を供給する現像工程と,その後基板に洗浄液を供給する洗浄工程とが行われる現像処理装置であって,
前記洗浄工程時における基板上の液体を所定のpH値に調整するために基板上にpH調整液を供給するpH調整液供給部を備え,
前記所定のpH値は,予め求められた前記基板上の液体のpH値と当該液体中の不溶化物のゼータ電位との相関曲線から,前記不溶化物のゼータ電位の絶対値が最大になるように設定されていることを特徴とする,現像処理装置。 - 基板に現像液を供給する現像工程と,その後基板に洗浄液を供給する洗浄工程とが行われる現像処理装置であって,
前記洗浄工程時における基板上の液体を所定のpH値に調整するために基板上にpH調整液を供給するpH調整液供給部を備え,
前記所定のpH値は,予め求められた前記基板上の液体のpH値と当該液体中の不溶化物のゼータ電位との相関曲線から,前記不溶化物のゼータ電位の絶対値が設定値以上になるように設定され,
前記設定値は,前記不溶化物の凝集が開始される最低値以上であることを特徴とする,現像処理装置。 - 前記pH調整液供給部と,前記基板に洗浄液を供給する洗浄液供給部と,を独立して備え,
さらに,前記pH調整液供給部と前記洗浄液供給部からの各液体の供給流量を制御する制御部を備えたことを特徴とする,請求項6又は7のいずれかに記載の現像処理装置。
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