JP2001332238A - アルカリ電池用セパレーター - Google Patents

アルカリ電池用セパレーター

Info

Publication number
JP2001332238A
JP2001332238A JP2000148343A JP2000148343A JP2001332238A JP 2001332238 A JP2001332238 A JP 2001332238A JP 2000148343 A JP2000148343 A JP 2000148343A JP 2000148343 A JP2000148343 A JP 2000148343A JP 2001332238 A JP2001332238 A JP 2001332238A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
separator
gas
nonwoven fabric
electric field
alkaline battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000148343A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Suezaki
穣 末崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2000148343A priority Critical patent/JP2001332238A/ja
Publication of JP2001332238A publication Critical patent/JP2001332238A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)
  • Cell Separators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラズマ処理に伴う樹脂の低分子量化を抑制
し、親水性界面の耐久性を維持しながら親水基の導入
量、すなわち電界液との親和性を高めたアルカリ電池用
セパレーターを提供する。 【解決手段】 対向電極の少なくとも一方の対向面に固
体誘電体を設置し、前記対向電極間にポリオレフィン製
不織布を配置し、大気圧近傍の圧力雰囲気下で前記対向
電極間に電界を印加してプラズマ放電を発生させて前記
ポリオレフィン製不織布を親水化処理する方法により得
られるアルカリ電池用セパレーターであって、前記ポリ
オレフィン製不織布は、ポリプロピレンを芯材とし、ポ
リエチレンを表面被覆材とする鞘芯構造を有する繊維か
らなるアルカリ電池用セパレーター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸液性に優れるア
ルカリ電池用セパレーターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ニッケルーカドミウム電池、ニッ
ケル水素電池といったアルカリ二次電池には、ポリアミ
ド系繊維製の不織布がセパレーターとして使用されてい
た。しかしながら、ポリアミド系樹脂の分解による不純
物が自己放電を促進する因子になることが判明したこと
から、高温・高濃度のアルカリ中においても分解しない
素材として、ポリオレフィン系繊維製の不織布、特に耐
熱性が優位なポリプロピレン繊維製不織布がセパレータ
ーとして採用されるようになった。
【0003】ところが、ポリプロピレン樹脂はアルカリ
電解液との親和性に乏しいため、電池用セパレーターと
して必要な吸液・保液性を付与することが必要であっ
た。ポリプロピレン繊維製不織布を親水化し、アルカリ
電解液親和性を付与するための方法として、界面活性
剤を繊維表面に付着させる方法、コロナ放電、プラズ
マ放電により不織布繊維表面の改質を行う方法、特開
平1−132044号公報に記載されているように、発
煙硫酸や濃硫酸に不織布を浸漬し、スルホン基を繊維表
面に付加する方法、アクリル酸のような親水性かつ重
合性のモノマーを繊維表面にグラフト重合する方法が検
討された。
【0004】これらの方法のうち、の界面活性剤を繊
維表面に付着させる方法は、経時的に界面活性剤が離脱
し、アルカリ電解液中に不純物として溶解することによ
り、自已放電を増大させる原因となることから、また、
のコロナ放電、プラズマ放電による繊維の改質は、親
水化効果の寿命が短いといった問題から現在は用いられ
ていない。これに対して、のスルホン化処理は、電解
液中への不純物の溶出もほとんどなく、また、電池の自
己放電の抑制に有効な親水化処理方法である。このよう
に、が有効な親水化処理方法となるのは、スルホン基
が自己放電の因子となる不純物イオンを捕獲するためで
はないかと考えられる。
【0005】しかしながら、スルホン化処理により親水
化したセパレーターは、電解液の浸透速度が遅いという
問題点がある。また、スルホン化処理における発煙硫酸
や濃硫酸の温度・濃度、浸漬時間等の条件範囲が狭く、
部分的に過剰な処理が生じ、不織布の機械強度が低下す
るという問題もある。一方、のアクリル酸等のグラフ
ト重合による処理は、電解液との親和性が高いため、セ
パレーターへの電解液の浸透が速く、電池の生産性に有
利である。しかしながら、電池の自己放電特性において
は、スルホン化処理に劣ることが問題となっている。更
に、、の親水化処理は、硫酸やアクリル酸といった
薬品を大量に使用し、かつ、洗浄・乾燥工程が必要であ
り、廃棄物処理・エネルギー消費といった面から、コス
ト及び環境への負荷が大きいという問題もある。
【0006】本発明者らは、プラズマ放電を利用した親
水化処理について検討を行い、例えば、特開平10−1
54598号公報に記載されているように、大気圧下で
のプラズマ放電処理技術を発明した。この大気圧下での
プラズマ放電処理は、従来の低圧プラズマ放電処理に比
べ、プラズマ密度が非常に高いことから、高速処理・高
耐久処理が可能であり、従来のプラズマ処理の問題点で
あった親水処理効果の寿命が短いという欠点を解決し
た。これにより、ポリプロピレン不織布をプラズマ親水
化処理した電池セパレーターが得られた。
【0007】しかしながら、プラズマ処理により親水化
した不織布は、プラズマ反応により繊維表面に親水基が
導入されると同時に樹脂分子の分解反応も起こる。特に
ポリプロピレン樹脂では、分子鎖のベータ位での切断反
応が比較的容易に起こるため、電解液との親和性を高め
ようとプラズマ処理強度を上げると、樹脂の分解が著し
くなる。樹脂の分解反応が進むと、分解した繊維表面の
低分子物がアルカリ電解液中へ溶出し、親水性界面が失
われて電池中での電解液の保持性が低下してしまい、セ
パレーター中の電解液が失われることにより電極反応が
阻害される、いわゆるセパレータードライアウトが起こ
り、電池寿命の低下を招くことになる。また、分解反応
を抑制した弱いプラズマ強度下での処理を行うと、親水
基の導入反応も抑制され、電解液の吸液性、保液性の初
期性能が不充分となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に
鑑み、プラズマ処理に伴う樹脂の低分子量化を抑制し、
親水性界面の耐久性を維持しながら親水基の導入量、す
なわち電界液との親和性を高めたアルカリ電池用セパレ
ーターを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、対向電極の少
なくとも一方の対向面に固体誘電体を設置し、上記対向
電極間にポリオレフィン製不織布を配置し、大気圧近傍
の圧力雰囲気下で上記対向電極間に電界を印加してプラ
ズマ放電を発生させて上記ポリオレフィン製不織布を親
水化処理する方法により得られるアルカリ電池用セパレ
ーターであって、上記ポリオレフィン製不織布は、ポリ
プロピレンを芯材とし、ポリエチレンを表面被覆材とす
る鞘芯構造を有する繊維からなるアルカリ電池用セパレ
ーターである。
【0010】上記対向電極を構成する電極は、例えば、
銅、アルミニウム等の金属単体、ステンレス、真鍮等の
合金、金属間化合物等からなるものが挙げられる。上記
対向電極の構造としては、平行平板型、円筒対向平板
型、円筒対向円筒型、双曲面対向平板型、同軸円筒型等
の構造が挙げられる。
【0011】上記固体誘電体は、上記電極の対向面の一
方又は双方に設置される。この際、固体誘電体と設置さ
れる側の電極が密着し、かつ、接する電極の対向面を完
全に覆うようにする。固体誘電体によって覆われずに電
極同士が直接対向する部位があると、そこからアーク放
電が生じるためである。上記固体誘電体は、厚みが0.
01〜4mmであることが好ましい。厚すぎると、放電
プラズマを発生するのに高電圧を要し、薄すぎると、電
圧印加時に絶緑破壊が起こりアーク放電が発生するため
である。
【0012】上記固体誘電体の材質としては、ポリテト
ラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の
プラスチック、ガラス、二酸化珪素、酸化アルミニウ
ム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン等の金属酸化
物、チタン酸バリウム等の複酸化物等が挙げられる。
【0013】上記固体誘電体はまた、比誘電率が2以上
(25℃環境下、以下同じ)であることが好ましい。比
誘電率が2以上の誘電体の具体例としては、例えば、ポ
リテトラフルオロエチレン、ガラス、金属酸化膜等を挙
げることができる。更に、高密度の放電プラズマを安定
して発生させるためには、比誘電率が10以上の固定誘
電体を用いることが好ましい。比誘電率の上限は、特に
限定されるものではないが、現実の材料では18500
程度のものが知られている。比誘電率が10以上の固体
誘電体としては、酸化チタニウム5〜50重量%、酸化
アルミニウム50〜95重量%で混合された金属酸化物
皮膜、又は、酸化ジルコニウムを含有する金属酸化物皮
膜からなり、その被膜の厚みが10〜1000μmであ
るものを用いることが好ましい。
【0014】上記電極間の距離は、雰囲気ガスの圧力・
酸素濃度、固体誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラ
ズマを利用する目的等を考慮して決定される。電極間距
離が小さいほど安定した放電プラズマが得られる傾向に
あるが、0.5〜50mmであることが好ましい。0.
5mm未満であると、被処理物又は放電雰囲気ガスを電
極間に導入しにくくなり、50mmを超えると、均一な
放電プラズマを発生させにくくなる。
【0015】本発明において、ポリオレフィン製不織布
を親水化処理する方法は、一対の対向電極を有し、該電
極の対向面の少なくとも一方に固体誘電体が設置されて
いる装置において、大気圧近傍の圧力で対向電極間に電
界を印加してプラズマ放電を発生させることにより行わ
れる。上記大気圧近傍の圧力とは、1.33×104
1.06×105 Paの圧力を意味する。圧力調整が容
易で、装置が簡便になることから、9.31×104
1.04×105 Paであることが好ましい。
【0016】上記装置において、プラズマが発生する部
位は、上記電極の一方に固体誘電体を設置した場合は、
固体誘電体と電極との間、上記電極の双方に固体誘電体
を設置した場合は、固体誘電体同士の間の空間である。
この固体誘電体と電極との間又は固体誘電体同士の間
に、ポリオレフィン系繊維製の不織布を配置して処理を
行う。
【0017】上記装置において印加する電界は、パルス
電界が好ましい。パルス波形は、インパルス型、方形波
型、変調型の波形のいずれでもよく、また、印加電圧が
正負の繰り返しであっても、正又は負のいずれかの極性
側に電圧が印加される片波状の波形であってもよい。
【0018】上記パルス電界の電圧立ち上がり時間は、
100μs以下であることが好ましい。このような高速
のパルスを印加することは、高密度のプラズマの発生に
つながり、処理を高速連続化するうえで重要である。こ
こで、立ち上がり時間とは、電圧変化が連続して正であ
る時間を意味する。
【0019】上記パルス電界の立ち上がり時間が短いほ
どプラズマ発生の際のガスの電離が効率よく行われ、パ
ルスの立ち上がり時間が100μsを超えると、放電状
態がアークに移行しやすく不安定なものとなり、パルス
電界による高密度プラズマ状態を期待できなくなる。ま
た、立ち上がり時間は早いほうがよいが、常圧でプラズ
マが発生する程度の大きさの電界強度を有し、かつ、立
ち上がり時間が早い電界を発生させる装置には制約があ
り、現実的には40ns未満の立ち上がり時間のパルス
電界を実現することは困難である。より好ましくは立ち
上がり時間が50ns〜5μsである。
【0020】また、パルス電界の立ち下がり時間も急峻
であることが好ましく、立ち上がり時間と同様の100
μs以下のタイムスケールであることが好ましい。パル
ス電界発生技術によっても異なるが、例えば、下記の本
発明の実施例で使用した電源装置では、立ち上がり時間
と立ち下がり時間とを同じ時間に設定できる。
【0021】上記パルス電界の周波数は、0.5kHz
〜100kHzであることが好ましい。0.5kHz未
満であると、プラズマ密度が低いため処理に時間がかか
りすぎ、100kHzを超えると、アーク放電が発生し
やすくなる。より好ましくは、1kHz以上であり、こ
のような高周波数のパルス電界を印加することにより、
処理速度を大きく向上させることができる。
【0022】上記パルス電界におけるパルス継続時間
は、1〜100μsであることが好ましい。1μs未満
であると、放電が不安定なものとなり、1000μsを
超えると、アーク放電に移行しやすくなる。より好まし
くは、3μs〜200μsである。ここで、パルス継続
時間とは、ON、OFFの繰り返しからなるパルス電界
における、パルスが連続する時間を意味する。また、放
電を安定させるためには、放電時間1ms内に、少なく
とも1μs継続するOFF時間を有することが好まし
い。
【0023】上記親水化処理する方法において、プラズ
マ放電を発生する雰囲気ガスは、酸素ガスや、酸素ガス
と二酸化硫黄ガス及び/又は三酸化硫黄ガスとの混合ガ
スである。二酸化硫黄ガス及び/又は三酸化硫黄ガスの
濃度は、0.1〜10体積%が好ましく、より好ましく
は、1〜3体積%である。0.1体積%未満であると、
硫黄酸化物系の官能基の導入が不充分となり、10体積
%より高濃度であると、被処理物表面への硫黄酸化物系
の官能基としての付加反応よりも、二酸化硫黄や三酸化
硫黄が遊離性の重合物として生成し、被処理物の汚染が
著しくなることがある。
【0024】上記雰囲気ガスにおいて不活性ガスを加え
ると、プラズマ放電を安定化させ、被処理物へのダメー
ジ、処理効率を改善することができることから好まし
い。従って、プラズマ放電を行う雰囲気ガスは、不活性
ガスと酸素ガスとの混合ガスが好ましく、また、不活性
ガス、酸素ガス、並びに、二酸化硫黄ガス及び/又は三
酸化硫黄ガスの混合ガスが好ましい。不活性ガスは、酸
素ガスとの比率で、1:99〜99:1のほぼ任意の比
率で混合することができるが、混合ガス中の酸素ガスの
濃度が0.5体積%以下であると、親水化処理の処理速
度が著しく低下するため不適である。
【0025】上記雰囲気ガスにおいてはまた、不活性ガ
スを加えた混合ガス中における二酸化硫黄ガス及び/又
は三酸化硫黄ガスの濃度は、上述の酸素ガスと二酸化硫
黄ガス及び/又は三酸化硫黄ガスとの混合ガス系におけ
る場合と同様の理由により、0.1〜10体積%であ
る。
【0026】上記不活性ガスとしては、例えば、アルゴ
ン、ヘリウム等のガスが使用できる。これらのガスは単
独で使用しても、混合して使用してもよい。処理コスト
の面からは、価格の安いアルゴンを高比率で用いること
が好ましい。
【0027】本発明のアルカリ電池用セパレーターは、
ポリオレフィン製不織布を親水化処理する方法により得
られる。上記ポリオレフィン製不織布は、ポリプロピレ
ンを芯材とし、ポリエチレンを表面被覆材とする鞘芯構
造を有する繊維からなる。
【0028】上記ポリオレフィン製不織布を構成する繊
維は、径0.01〜25μm、好ましくは、0.01〜
10μmである。電解液の保持性の面からは、より繊維
径が小さいものが適する。
【0029】上記ポリオレフィン製不織布の製造方法と
しては、不織布を形成する公知の方法を用いることがで
き、例えば、鞘芯構造を有する繊維を湿式法により形成
する方法や、スパンボンド法、メルトブロー法等の乾式
法において鞘芯構造の繊維を直接不織布に形成する方法
等がある。また、これらのうち異なる方法で形成した不
織布を積層したり、繊維径の異なる不織布を積層したり
してもよい。
【0030】本発明のアルカリ電池用セパレーターは、
高度かつ耐久性に優れた電解液親和性を有するものであ
り、これにより、電池中での電解液の保持性を優れたも
のとし、セパレータードライアウトを充分に抑制するこ
とができ、電池寿命を長くすることができる。
【0031】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0032】実施例1 図1にプラズマ処理装置を示す。金属製チャンバー1内
に、上部電極2〔ステンレス(SUS304)製、大き
さ=150×100mm〕と下部電極3〔ステンレス
(SUS304)製、大きさ=150×100mm〕と
が金属チャンバー1と絶縁された状態で配置され、電極
間距離は2mmである。上部電極2及び下部電極3の電
極対向面は、誘電体である1.5mm厚みのAl23
の溶射膜4によって被覆されている。
【0033】下部電極3側の溶射膜4上に、スパンボン
ド法により形成したポリプロピレンを芯材としポリエチ
レンを表面被覆材とする繊維からなる不織布9を配置し
た後、装置内が133Paになるまで油回転ポンプで排
気を行った。排気後、プラズマ雰囲気ガスとして、アル
ゴンガスと酸素ガスとを70:30の体積比で混合した
ガスを、ガス導入管5から、装置内が1.01×105
Paになるまで導入した。パルス電源6を用いて、立ち
上がり時間5μs、パルス幅100μs、周波数10k
Hz、電圧±5kVの交流パルス電界を上記電極間に印
加してプラズマ放電を発生させ、不織布9を単位面積当
たりのプラズマ照射時間が15秒となるような速度で走
行させながらプラズマ処理を行った。
【0034】実施例2 実施例1において、プラズマ雰囲気ガスを、アルゴンガ
ス、酸素ガス及び二酸化硫黄ガスの体積比が70:3
0:3である混合ガスとしたこと以外は同様にして、ポ
リプロピレンを芯材としポリエチレンを表面被覆材とす
る繊維からなる不織布にプラズマ処理を行って、セパレ
ーターを得た。
【0035】比較例1 実施例1において、ポリプロピレンを芯材としポリエチ
レンを表面被覆材とする繊維からなる不織布に換えて、
ポリプロピレンのみの繊維からなる不織布をプラズマ処
理し、セパレーターを得た。 比較例2 実施例2において、ポリプロピレンを芯材としポリエチ
レンを表面被覆材とする繊維からなる不織布に換えて、
ポリプロピレンのみの繊維からなる不織布をプラズマ処
理し、セパレーターを得た。
【0036】実施例1及び2、並びに、比較例1及び2
で得られたセパレーターについて、吸液速度、保液率、
及び、プラズマ処理による樹脂分解に伴う電解液への低
分子量物の溶出について評価を行った。
【0037】吸液速度 吸液速度は、各セパレーターより不織布の長手方向に巾
2.5cm、長さ20cmのサンプルを切り出し、サン
プルを長手方向につり下げた下端を30%水酸化カリウ
ム水溶液に5mm浸して吸液させ、30分後の吸液高さ
を吸液速度とした。
【0038】保液率 保液率は、4cm×4cmのセパレーターサンプル片を
30%水酸化カリウム水溶液に2分問浸漬した後に引き
揚げ、2分間吊り下げて過剰な液をきり、水酸化カリウ
ム水溶液吸液前のセパレーター重量W1及び吸液後のセ
パレーター重量W2から下記式により求めた。
【0039】
【数1】
【0040】プラズマ処理による樹脂分解に伴う電解液
への低分子量物の溶出 プラズマ処理による樹脂分解に伴う電解液への低分子量
物の溶出は、セパレーターを130℃の30%水酸化カ
リウム水溶液中に1時間浸漬し、水洗、乾燥を行い、水
酸化カリウム水溶液浸漬前のセパレーター重量W1及び
乾燥後のセパレーター重量W2から下記式により重量変
化率を求めることにより評価した。
【0041】
【数2】
【0042】また、溶出に伴う親水処理表面の変化につ
いて、ESCAによる表面元素比率の測定を行い変化を
調べた。上記の評価結果を表1に示した。
【0043】
【表1】
【0044】
【発明の効果】本発明のアルカリ電池用セパレーター
は、上述の構成よりなるので、グロー放電プラズマ処理
による分解に伴うアルカリ電解液中での低分子量化物の
溶出及び溶出による表面状態の変化が小さく、高度な電
解液親和性を維持するとともに、吸液性、保液性に優
れ、これにより、電池の生産性に優れ、かつ、電池の長
寿命化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において用いたポリオレフィン
製不織布の親水化処理のための装置の構成を模式的に示
した断面図である。
【符号の説明】
1 チャンバー 2 上部電極 3 下部電極 4 誘電体膜 5 ガス導入管 6 入口シールロール 7 出口シールロール 8 パルス電源 9 不織布
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // D04H 3/16 D04H 3/16

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向電極の少なくとも一方の対向面に固
    体誘電体を設置し、前記対向電極間にポリオレフィン製
    不織布を配置し、大気圧近傍の圧力雰囲気下で前記対向
    電極間に電界を印加してプラズマ放電を発生させて前記
    ポリオレフィン製不織布を親水化処理する方法により得
    られるアルカリ電池用セパレーターであって、前記ポリ
    オレフィン製不織布は、ポリプロピレンを芯材とし、ポ
    リエチレンを表面被覆材とする鞘芯構造を有する繊維か
    らなることを特徴とするアルカリ電池用セパレーター。
  2. 【請求項2】 プラズマ放電を行う雰囲気ガスは、不活
    性ガスと酸素ガスとの混合ガスであることを特徴とする
    請求項1記載のアルカリ電池用セパレーター。
  3. 【請求項3】 プラズマ放電を行う雰囲気ガスは、不活
    性ガス、酸素ガス、並びに、二酸化硫黄ガス及び/又は
    三酸化硫黄ガスの混合ガスであることを特徴とする請求
    項1記載のアルカリ電池用セパレーター。
  4. 【請求項4】 不活性ガスは、アルゴン及び/又はヘリ
    ウムであることを特徴とする請求項2又は3記載のアル
    カリ電池用セパレーター。
  5. 【請求項5】 対向電極間に印加される電界は、パルス
    電界であることを特徴とする請求項1、2、3又は4記
    載のアルカリ電池用セパレーター。
  6. 【請求項6】 パルス電界は、電圧立ち上がり時間が1
    00μs以下、周波数が0.5〜100kHzであるこ
    とを特徴とする請求項5記載のアルカリ電池用セパレー
    ター。
JP2000148343A 2000-05-19 2000-05-19 アルカリ電池用セパレーター Pending JP2001332238A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000148343A JP2001332238A (ja) 2000-05-19 2000-05-19 アルカリ電池用セパレーター

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000148343A JP2001332238A (ja) 2000-05-19 2000-05-19 アルカリ電池用セパレーター

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001332238A true JP2001332238A (ja) 2001-11-30

Family

ID=18654391

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000148343A Pending JP2001332238A (ja) 2000-05-19 2000-05-19 アルカリ電池用セパレーター

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001332238A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1293255C (zh) * 2004-03-04 2007-01-03 苏州丝绸科学研究所有限责任公司 等离子体织物处理机
EP2143493A1 (en) 2008-06-05 2010-01-13 Hitachi High-Technologies Corporation Cell made of polymers for spectra measurement and method for producing the same
CN101950799A (zh) * 2009-07-08 2011-01-19 日本高度纸工业株式会社 电池隔膜和二次电池
US20110229752A1 (en) * 2010-03-19 2011-09-22 Takashi Sakuma Battery separator and secondary battery
CN110172767A (zh) * 2019-04-11 2019-08-27 湖北枫树线业有限公司 一种1313纱线的纺纱设备及纺纱方法
US11462771B2 (en) 2016-12-22 2022-10-04 Mu Ionic Solutions Corporation Nonaqueous electrolyte solution and electricity storage device using same

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1293255C (zh) * 2004-03-04 2007-01-03 苏州丝绸科学研究所有限责任公司 等离子体织物处理机
EP2143493A1 (en) 2008-06-05 2010-01-13 Hitachi High-Technologies Corporation Cell made of polymers for spectra measurement and method for producing the same
US9028770B2 (en) 2008-06-05 2015-05-12 Hitachi High-Technologies Corporation Cell made of polymers for spectra measurement and method for producing the same
CN101950799A (zh) * 2009-07-08 2011-01-19 日本高度纸工业株式会社 电池隔膜和二次电池
US20110229752A1 (en) * 2010-03-19 2011-09-22 Takashi Sakuma Battery separator and secondary battery
US20140042661A1 (en) * 2010-03-19 2014-02-13 Nippon Kodoshi Corporation Method of forming a battery separator and secondary battery
US11462771B2 (en) 2016-12-22 2022-10-04 Mu Ionic Solutions Corporation Nonaqueous electrolyte solution and electricity storage device using same
CN110172767A (zh) * 2019-04-11 2019-08-27 湖北枫树线业有限公司 一种1313纱线的纺纱设备及纺纱方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100739914B1 (ko) 알칼리 2차 전지용 집전기, 이의 제조 방법 및 이를이용한 알칼리 2차 전지
JP2001332238A (ja) アルカリ電池用セパレーター
JP2003297680A (ja) 電気化学素子用セパレータ
JP2001214366A (ja) 不織布及びその製造方法、及び前記不織布を用いた2次電池用セパレータ及びその製造方法
CN108269957B (zh) 具有高浸润性、高热稳定性的锂电池隔膜及其制备方法
CN106532061B (zh) 一种锂离子电池正极集流体处理装置及其处理方法
JP2002020514A (ja) フッ素樹脂の表面改質方法
JP4778674B2 (ja) アルカリ電池用セパレーターの製造方法
JP3782716B2 (ja) アルカリ電解質型二次電池用セパレーター、その製造方法及びそれを用いたアルカリ電解質型二次電池
JP2001068087A (ja) 親水化処理方法及びアルカリ2次電池用セパレータ
JP4132354B2 (ja) 新規のイオウ含有原子団導入多孔質体、多孔質体の総表面へのイオウ含有原子団導入方法、及び電池用セパレータ
JP2001283816A (ja) アルカリ電池用セパレーター
JP2002298819A (ja) アルカリ電解質型二次電池用セパレーター及びその製造方法
JP3792929B2 (ja) 多孔質体の親水化方法及びアルカリ電池用セパレータの製造方法
JP3709160B2 (ja) 合成樹脂材料の表面改質方法及び電池セパレータの製造方法
JP4220341B2 (ja) スルホン化処理方法及びその方法を実施するスルホン化処理装置
JP4043624B2 (ja) アルカリ電池用セパレータ及びその製造方法
JP2002203532A (ja) 電池用セパレータおよびその製造方法ならびにそれを用いた電池
JP2002083582A (ja) 2次電池用セパレータ及びその製造方法
JP3285764B2 (ja) 放電プラズマを利用した表面処理方法
JP2003132870A (ja) 親水性官能基を有するポリオレフィンを主体とする樹脂組成物からなる二次電池用セパレータ
JP2001155706A (ja) 2次電池用セパレータ及びその製造方法
JP2002216736A (ja) アルカリ二次電池用セパレーターおよびその製造方法
JP4303943B2 (ja) 電池用セパレータ及び電池
JP2003022900A (ja) 常圧パルスプラズマ処理方法