JP2003132870A - 親水性官能基を有するポリオレフィンを主体とする樹脂組成物からなる二次電池用セパレータ - Google Patents

親水性官能基を有するポリオレフィンを主体とする樹脂組成物からなる二次電池用セパレータ

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Toshio Tanaka
俊雄 田中
Hiroki Yamaguchi
裕樹 山口
Naohiko Takimoto
直彦 滝本
Masahiro Yamashita
全広 山下
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】優れた硝酸根捕捉性能を有し、しかも高い突刺
し強度を有する密閉型アルカリ二次電池用薄型セパレー
タの提供。 【解決手段】親水性官能基を有するポリオレフィンを主
体とする樹脂組成物からなる2次電池用セパレータにお
いて、該樹脂組成物は低密度ポリエチレン含有率(全樹
脂量比)が20質量%以下に抑制されており、且つ突刺
強度5〜100N,目付20〜75g/m2,厚み15
〜150μm以下,非中和親水性官能基量が1×10-3
〜5×10-2mol/m2以下であることに要旨を有す
る電池用セパレータ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はニッケル‐水素蓄電
池、ニッケル‐カドミウム蓄電池などの密閉型アルカリ
二次電池用セパレータ、及び該セパレータの製造方法に
関する発明である。詳細にはアルカリ電解液中の不純物
に対する優れた捕捉機能を有する二次電池用セパレー
タ、該セパレータを用いた電池及びセパレータ材料に親
水性官能基を付与して本発明の二次電池を製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】図5に例示する様に密閉型アルカリ二次
電池は正極と負極がセパレータにより隔絶され、電解質
液に浸漬された状態で容器内に収納されている。充電し
たアルカリ二次電池を保存しておくと、時間の経過とと
もに蓄電量が低下する自己放電現象の存在が知られてい
る。得に負極として水素吸蔵合金を用いたニッケル−水
素電池は、自己放電による蓄電量の低下が顕著であるこ
とが知られている。例えばポリアミド系繊維を用いたセ
パレータが電解液によって加水分解されて窒化化合物が
生成するが、この様な窒化化合物が原因となって自己放
電現象が生じる。硝酸根などの自己放電現象が生じる原
因物質はセパレータの加水分解によって生じる以外に
も、電池内に混入しているアンモニアが酸化して生じ
る。したがって二次電池内に存在するアンモニア量を低
減すれば硝酸根も低減でき、自己放電の抑制が可能とな
る。しかしながら電極の製造工程においてアンモニアが
混入し易いため、電池内へのアンモニア混入を完全に防
ぐことは困難である。
【0003】そこでポリアミド系繊維セパレータの様に
電解液中で加水分解することなく、しかも電解液中のア
ンモニアを捕捉できるセパレータが提案されている。例
えばポリオレフィン系繊維にスルホン化処理、或いは親
水性単量体のグラフト重合を施すなど各種親水化処理を
施してスルホン基やカルボン酸基等のイオン交換能を有
する官能基をポリオレフィン系繊維に導入する技術が提
案されている。またポリオレフィン系繊維に親水化処理
を施して高いイオン交換量を有するセパレータが提案さ
れている(特開平10-326607号、特開平10-116600号)が、
グラフト重合による親水化処理を施して官能基を導入し
たセパレータは、常温下での自己放電抑止性能は高いも
のの、耐熱性が低く実用性に欠ける。例えば該セパレー
タを60℃以上の比較的高温な環境下で使用すると、セ
パレータからカルボン酸基が脱落してしまうためにアン
モニア捕捉性能が低下し、それに伴って自己放電量が増
大する。
【0004】比較的高温下も官能基が安定しているセパ
レータとしてポリオレフィン系繊維にスルホン化処理を
施す技術がある。しかしながらポリエチレンやポリプロ
ピレンなどのポリオレフィン系繊維は耐酸性が高いため
スルホン化されにくい。したがって繊維内部までスルホ
ン基を導入すると、繊維の強度が低下するという問題が
生じていた。
【0005】またポリスチレンなどの比較的耐酸性の低
い繊維にスルホン化処理を施す技術も提案されている。
スルホン化処理したポリスチレン繊維は高いイオン交換
量を有するが、スルホン基が繊維表面に導入されやすい
ため、アンモニア捕捉性に乏しく、自己放電の進行が著
しいという問題があった。上記の如くスルホン化処理な
どの各種処理を施した繊維を用いたセパレータはいずれ
も、従来のセパレータに比べて容量保持率が高く、自己
放電をある程度抑止できるものの、セパレータの強度が
低下してしまうなどの問題も有しており、十分な実用性
を有しているとはいえない。
【0006】また近年、電池の高容量化・高出力化の要
請に伴い、セパレータの厚みを薄くしてできるだけ電池
内での占有体積を小さくする技術が開発されている。例
えばニッケル−水素電池においても高容量化を図るため
に、セパレータの厚みを150μm以下、更には120
μm以下にした薄型セパレータが開発されている。しか
しながら二次電池の高容量化を実用化するには、自己放
電を抑止して高い容量保持率を有し、しかも十分な強度
を有するセパレータが求められていた。
【0007】これまでにも各種薄型セパレータが多数提
案されている。例えばスルホン化処理して官能基を導入
したセパレータを高圧力で圧縮して薄型化したセパレー
タが提案されている。しかしながら圧縮に伴って酸素ガ
ス透過性も低下してしまい、充電末期に発生する酸素ガ
スによって内圧が上昇し易く、液漏れや電池破壊が発生
する危険性がある。 この様なセパレータの酸素ガス透
過性減少に伴う液漏れや電池破壊を生じることなく、セ
パレータを薄型化する技術としてセパレータの目付を減
少させる技術が提案されている。しかしながら目付の減
少に伴ってセパレータの強度も低下してしまうという問
題が生じていた。特に目付減少に伴ってセパレータの突
刺強度の低下が著しいため、電池製造段階において電極
バリがセパレータを突き抜けて短絡してしまい、電池不
良率の増加原因となっていた。この様な目付減少に伴う
短絡発生を抑止する技術として、繊維密度を高くする方
法が検討されている。しかしながら繊維密度を高くする
と該繊維内における空間体積が減少し、セパレータの保
液性及びガスの透過性が低下するため、電池内圧が大き
く上昇してしまうという問題が生じていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の様に従来技術で
はセパレータの強度維持と容量保持率の向上を図ること
が難しかった。本発明は優れた硝酸根捕捉性能を有し、
しかも高い突刺し強度を有する薄型セパレータの提供を
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この様な目的を達成し得
た本発明とは、親水性官能基を有するポリオレフィンを
主体とする樹脂組成物からなる2次電池用セパレータに
おいて、該樹脂組成物は低密度ポリエチレン含有率(全
樹脂量比)が20質量%以下に抑制されており、且つ突
刺強度5〜100N,目付20〜75g/m2, 厚み
15〜150μm以下であり、さらに非中和親水性官能
基量が1×10-3〜5×10-2mol/m2以下である
ことを特徴とする電池用セパレータである。
【0010】さらに本発明は、ポリオレフィンとしてポ
リプロピレンが用いられている電池用セパレータであ
る。
【0011】さらに本発明は、親水性官能基がスルホン
基,カルボキシル基,ヒドロキシル基よりなる群から選
ばれる少なくとも1種である電池用セパレータである。
【0012】親水性官能基がスルホン基であるとき、セ
パレータ中の総硫黄量が2000〜50000ppmで
ある電池用セパレータである。
【0013】さらに本発明は、セパレータ中のイオン交
換量が0.5〜10meq/m2である電池用セパレー
タである。
【0014】さらに本発明は、セパレータが多孔フィル
ム,不織布状である電池用セパレータである。
【0015】さらに本発明は、セパレータの少なくとも
1つの面に凹凸が設けられている電池用セパレータであ
る。
【0016】さらに本発明は、前記凹部表面と前記凸部
表面との平均高低差が、前記凹部表面と前記凸部表面と
の平均高低差が、セパレータが多孔フィルムのときはフ
ィルムのみかけ厚さに対して6〜60%,不織布のとき
は該不織布の6〜50%である電池用セパレータであ
る。
【0017】さらに本発明は、前記セパレータ凹凸を形
成した面の全面積に対して凹部面積が、セパレータが多
孔フィルムのときは3〜50%,不織布のときは5〜5
0%である電池用セパレータである。
【0018】さらに本発明は、上記のセパレータを使っ
た密閉型2次電池である。
【0019】さらに本発明は、セパレータの凹凸面が負
極と対向している密閉型2次電池である。
【0020】さらに本発明は、親水性官能基としてスル
ホン基を有するセパレータを製造するにあたり、スルホ
ン基を有しないセパレータ材料を、温度120℃以上,
濃度95%以上の濃硫酸浴中に、1〜10分間浸漬処理
するセパレータの製造方法である。
【0021】さらに本発明は、上記の処理をするに先立
って、セパレータ材料を20〜50℃,濃度90%以上
の濃硫酸浴中に1〜10分間浸漬した後に、前記温度1
20℃以上,濃度95%以上の濃硫酸浴に浸漬処理する
セパレータの製造方法である。
【0022】さらに本発明は、上記のセパレータ材料を
加圧処理する事を特徴とするセパレータの製造方法であ
る。
【0023】さらに本発明は、前記加圧が0.05〜5
0kPa以下である請求項14に記載の製造方法であ
る。
【0024】さらに本発明は、請求項13の処理によっ
て得られたセパレータ材料を加圧処理するセパレータの
製造方法である。
【0025】またさらに本発明は、前記加圧が0.05
〜50kPa以下である請求項16に記載の製造方法で
ある。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明者らは優れた硝酸根捕捉性
能を有し、しかも高い突刺し強度を有する薄型セパレー
タについて鋭意研究を重ねた結果、親水性官能基を有す
るポリオレフィンを主体とする樹脂組成物からなる2次
電池用セパレータにおいて、該樹脂組成物は低密度ポリ
エチレン含有率(全樹脂量比)が20質量%以下に抑制
されており、且つ突刺強度5〜100N,目付20〜7
5g/m2,厚み50〜150μm以下,非中和親水性
官能基量が1×10-3〜5×10-2mol/m2以下で
あることに要旨を有する電池用セパレータを用いること
によって該目的が達成できることを見出した。尚、この
際の非中和親水性官能基量(mol/m2)とは、非中和親水
性官能基量(mol/m2)=(総硫黄量(ppm)×目付(g/m
2)/32.66/1000−イオン交換量(meq/m
2))/1000によって求められる。この式中総硫黄
量は30cm2のセパレータを酸素気流中にて1400
℃の高温で完全に燃焼させ、赤外線検出器によりその濃
度を測定し、硫黄を含む標準物質で作成した検量線に従
って測定される値である。またイオン交換量は30cm
2のセパレータを1mol/dm3のHCl溶液に1時間
浸漬した後、イオン交換水でpHが6〜7になるまで数
回洗浄し、次いで、60℃の送風乾燥機で2時間乾燥
し、室温まで冷却し、該冷却後のセパレータを0.01
mol/dm3のKOH溶液100cm3に浸漬して45
℃で1時間振とうした後、セパレータを取り出し、溶液
25cm3を採取して、0.01mol/dm3のHCl
溶液で中和滴定し、またブランク溶液も同様に滴定し
て、イオン交換量(meq/m2)={(V0−V1)×1
00×0.01×f}/(0.003×25)よりカリ
ウムイオン交換量を算出する。この式中、V1:サンプ
ルの滴定に要したHCl溶液量(cm3),V0:ブラ
ンク溶液の滴定に要したHCl溶液量(cm3),f
:HCl溶液のファクターである。
【0027】本発明のセパレータは、不織布、織物,編
物などの繊維集合体、多孔フィルム、多孔発泡体型など
のシート状の多孔質体を用いることが推奨される。これ
らのなかでも加工性,耐久性など各種特性に優れ、しか
も後記する本発明の各種加工に適している不織布,多孔
フィルムが好ましく、不織布が最も好ましい。また本発
明のセパレータは硝酸根を捕捉して、自己放電現象を抑
制するために親水性官能基を有することが望ましい。ま
た本発明において多孔質体とは、シート状物の一方の面
から他方の面に貫通する微細な空隙を多数有しているこ
とを意味する。
【0028】電池の放電・充放電を繰り返すと、電極を
構成する活性物質が電極から遊離して微粉末状で電解液
中に存在している。そして本発明で用いるセパレータは
多孔質体であって、セパレータ表裏面を貫通する空隙が
存在している。ガス透過性を高めるためには該空隙の孔
径を大きくすることが望ましいが、セパレータの厚みを
薄くすればするほど、例えば150μm以下にすると、
微粉末状の活性物質(例えば電極から遊離する電極活性
物質)が空隙に侵入して短絡を生じさせる可能性が高く
なる。この様微粉末状物侵入による短絡発生を抑止する
観点からセパレータの孔径は小さい方が望ましい。した
がって空隙の最大孔径は好ましくは60μm以下、より
好ましくは50μm以下、更に好ましくは40μm以
下、最も好ましくは30μm以下であることが望まし
い。
【0029】またセパレータの空隙の占める体積は、セ
パレータ体積の好ましくは20%以上、より好ましくは
30%以上であって、好ましくは90%以下、より好ま
しくは70%以下とすることが望ましい。空隙の占める
体積が20%を下回ると、十分な酸素ガス透過率が得ら
れず、内圧が上昇することがある。また逆に90%を越
えると十分な突刺強度が維持できず、短絡することがあ
る。
【0030】本発明のセパレータを不織布で構成する場
合、不織布を製造する際の樹脂繊維の交絡方法等を調整
することによって不織布に任意のサイズの空隙を設ける
ことができる。セパレータの通気度(フラジール法によ
る)は好ましくは60cc/cm2/s以下、より好ま
しくは40cc/cm2/s以下であることが推奨され
る。通気度が60cc/cm2/sを超えると強度が劣
化するので好ましくない。特に不織布の場合、繊維が分
散して空隙が大きいため、繊維の交絡点が少なく、また
加圧処理による強度向上効果が十分得られないことがあ
る。また充電末期に発生する酸素ガスに対する透過性を
確保して、内圧上昇を抑制するためには、通気度は好ま
しくは2cc/cm2/s以上、より好ましくは5cc
/cm2/s以上であることが推奨される。尚、通気度
が2cc/cm2/s未満の場合、酸素ガス発生量が透
過量よりも大きくなり、内圧上昇を十分に抑制できない
ことがある。
【0031】本発明において上記の様にアルカリ溶液に
浸漬して測定した非中和親水性官能基量は、好ましくは
1×10-3mol/m2以上、より好ましくは2×10
-3mol/m2以上であって、好ましくは5×10-2
ol/m2以下、より好ましくは2×10-2mol/m2
以下であることが望ましい。スルホン基などの親水性官
能基は、アンモニアあるいはアンモニウムイオンに対し
てよりも、カリウムイオンに対して高い反応選択性を有
している。そのため電解液中にカリウムイオンなどの様
に選択反応性が高いイオンが存在すると、親水性官能基
はカリウム塩を形成して中和されてしまうため、該官能
基はアンモニアなどの容量保持率を劣化させる硝酸根に
対する捕捉能力を失ってしまう。したがって電解液中の
アンモニア等を捕捉して自己放電を抑止する観点から、
セパレータが有する非中和親水性官能基量は1×10-3
mol/m2以上であることが望ましい。また該官能基
量が5×10-3mol/m2を超えて存在すると、セパ
レータの突刺強度が劣化し、電池製造時における短絡率
が上昇することがあるので望ましくない。
【0032】本発明において「非中和」親水性官能基と
は、セパレータを上記の様にアルカリ液中に浸漬したと
きに、カリウムイオンなどによって該官能基が中和され
て塩を形成せずに残存し、アンモニウムイオンなどの容
量保持率を劣化させる硝酸根を捕捉し得る官能基を意味
する。この非中和親水性官能基の量は、上記の様に硫黄
濃量とイオン交換量を求めることによって算出できる。
【0033】本発明において「親水性官能基」とはスル
ホン酸基、カルボキシル基、ヒドロキシル基などが例示
されるが、これらに限定されずアルカリ性電解液と親水
性を示す官能基基を示し、要求されるセパレータ特性に
応じて適宜官能基選択してセパレータに導入すればよ
い。これらの中でもアンモニウムイオンに対して高い捕
捉性を有するスルホン基が望ましい。以下、スルホン基
を代表例として説明するが、スルホン基に代えて任意の
官能基を用いることもできる。
【0034】本発明のセパレータには、スルホン化処理
に伴って硫黄が導入されている。上記測定方法から求め
られるセパレータ中の総硫黄量が好ましくは2000p
pm以上、より好ましくは4000ppm以上、更に好
ましくは10000以上であって、好ましくは5000
0ppm以下、より好ましくは30000ppm以下が
望ましい。総硫黄量が2000ppm未満ではスルホン
化がセパレータ表面だけにとどまり、セパレータ内部に
有効なスルホン基が十分導入できないことがあり、この
様なセパレータは高いイオン交換量を示すもののアンモ
ニア捕捉性に乏しく、自己放電現象を十分に抑止できな
いことがある。総硫黄量を高めることによってセパレー
タ内部に導入されるスルホン基量を増加できるが、50
000ppmを超えると、セパレータ表面が剥離した
り、セパレータの突刺強度,引張強度が低下することが
ある。
【0035】また上記測定方法から求められるセパレー
タ中のイオン交換量は好ましくは0.5meq/m2
上、より好ましくは1.0meq/m2以上であって、
好ましくは10meq/m2以下、より好ましくは8m
eq/m2以下であることが望ましい。0.5meq/
2未満の場合にはセパレータと電解液との親和性が十
分得られず、容量保持率が低下することがある。またイ
オン交換量が10meq/m2を超える場合、非中和ス
ルホン基量が十分得られない場合や、セパレータ表面が
集中的にスルホン化されてしまい、内部が十分にスルホ
ン化されないばかりか、セパレータ強度(引張強度,突
刺強度)が劣化することがある。
【0036】尚、グラフト処理によってセパレータを親
水化しすぎると、セパレータが劣化しやすくなる。した
がってグラフト処理によるセパレータの質量増加は好ま
しくは40質量%以下、より好ましくは30質量%以下
に抑えることが望ましい。
【0037】本発明において突刺強度とは、電極バリの
セパレータの突き抜けやすさを示す指標であり、この値
が小さくなる程、短絡率が増加する。本発明においてセ
パレータの突刺強度は、厚み150μm以下のセパレー
タにおいて、好ましくは5N以上、より好ましくは8N
以上、更に好ましくは10N以上であることが望まし
い。5N未満の場合、十分な突刺強度を有していないた
めセパレータが破損して電池の短絡確率が増加するため
望ましくない。突刺強度は高い程、短絡率が低減する
が、突刺強度が100Nを超えるセパレータは、強度が
高過ぎるため電池用セパレータサイズに裁断するために
特殊な工具を要することがあるので望ましくない。尚、
突刺強度はセパレータを直径1.128cm,面積1c
2の円孔ホルダーに固定し、先端球状が0.5R,直
径1mmΦのニードルを2mm/秒の速度で試料を突き
抜けるまで降下させた場合のニードルに加わる最大荷重
によって求められる値である。
【0038】本発明のセパレータは、目付量は好ましく
は20g/m2以上、より好ましくは30g/m2であっ
て、好ましくは75g/m2以下、より好ましくは50
g/m2以下である。目付量が20g/m2未満の場合、
十分な突刺強度が得られず、短絡することがある。また
75g/m2を超えると、十分な通気度が得られず、内
圧上昇を十分抑制できないことがある。
【0039】尚、本発明のセパレータの厚みは特に限定
されないが、セパレータの厚みは好ましくは15μm以
上、より好ましくは50μm以上、より好ましくは70
μm以上であって、好ましくは150μm以下、より好
ましくは125μm以下、更に好ましくは120μmで
ある。この様な薄型であっても、十分な内圧上昇を抑制
可能であるとともに、電池の製造工程に特別な配慮をせ
ずに、セパレータを破損することなく電池に組み込むこ
とができる。またこの様な薄型セパレータを用いること
によって電池容量を増大できる。
【0040】電池を製造する際、正極と負極の間にセパ
レータは挟設されるが、負極と接するセパレータの表面
が表面平坦性が高い(凹凸がほとんどない)場合、該セ
パレータが高いガス透過性を有していても負極とセパレ
ータの接触面積が広いため、セパレータを透過した酸素
ガスが負極と接触する面積が十分得られないため、単位
面積当たりの負極の有する酸素ガス吸収速度が正極で発
生する酸素ガス量に比して遅く、電池内圧が上昇して最
終的に電池の破壊に繋がることがある。したがって後記
する如くセパレータの少なくとも1つの面に凹凸が設け
られていれば、電極とセパレータの間に空間を形成でき
るので、酸素ガスと負極との接触面積が増大するため酸
素ガスの吸収速度も向上し、内圧上昇に対する抑制効果
が高くなるので望ましい。また該空間に酸素ガスが一時
保存されるので、酸素ガス吸収速度が遅くても、内圧上
昇が抑制できる。またこの様に凹凸を形成すれば内圧上
昇が抑制されるため、セパレータ空隙の孔径を小さくで
きるので望ましい。尚、上記の様に凹凸による内圧上昇
抑制効果をより効率的に発揮するためにはセパレータの
凹凸面と負極とが対向するように電池を構成することが
望ましい。
【0041】セパレータに形成する凹凸の断面形状は特
に限定されず、例えば図1(a〜f)に示すようなU字
状、V字状あるいは角状など任意の形状とすることがで
きる。また上面から俯瞰(ふかん)した凹凸或いは凹又
は凸の一方のみの形状は、溝や畝のような連続的なも
の、あるいは非連続的なものいずれであってもよく、こ
れらを単独もしくは組み合わせて用いることができる。
連続的な凹凸としては例えば図2に示すような一方向に
並ぶものや、格子状またはランダムに交差するものがあ
げられる。また非連続的なものとしては凸部および/ま
たは凹部が例えば図3に示すような丸型、星型、三角、
四角、十字型等の多角形や、不定形のもの、或いはそれ
らの組み合わせによって構成されている例があげられる
が、凹凸の構成については特に限定されない。これらの
中でも連続的な凹部を有するものは特に好ましい。また
凹部はセパレータの凹部形成面の一面に渡って均一に分
散させて形成することが、より優れた凹凸形成効果を発
揮するうえで望ましい。
【0042】この様な凹凸はセパレータの少なくとも一
方の面に形成することが好ましく、より好ましくはセパ
レータの両面に凹凸を形成することが推奨される。また
凹凸を一方の面に形成した場合、該凹凸面が負極側に面
する様に電池を構成することが望ましい。該凹凸面を負
極と対向する様に配置して負極とセパレータの間に空間
を形成することによって、正極側で発生した酸素ガスが
セパレータを透過して負極側の空間に一時的に保持でき
るため、酸素ガス発生量に比して負極での酸素ガス消費
量が小さくても、内圧上昇を抑制できる。また該空間を
形成することで、酸素ガスと負極との接触面積が増大
し、負極で消費される酸素ガス量も凹凸を設けないセパ
レータよりも増加するため、酸素ガス発生に伴う内圧上
昇を効果的に抑制できるので好ましい。
【0043】セパレータに凹凸を設けた場合の凹部の深
さ(凹凸を設けた面の凸部表面から凹部表面までの平均
高低差)は、セパレータ(不織布を用いた場合)のみか
け厚みに対して好ましくは6%以上、より好ましくは1
0%以上であって、好ましくは50%以下、より好まし
くは40%以下である。(尚、セパレータが多孔フィル
ムの場合、好ましくは6%以上、より好ましくは10%
以上であって、好ましくは60%以下、より好ましくは
50%以下である。)凹部の深さが6%未満の場合には
電極表面とセパレータの間に十分な空間を設けることが
できず、上記凹凸の効果が十分得られないことがある。
また、凹部の深さが50%(多孔フィルムの場合60
%)を超える場合、極端に厚みの薄い部分ができるた
め、該部分で電池捲回時の破断や短絡を起こすことがあ
る。勿論、凹部分の厚みを増すことによって該破断や該
短絡を防止できるが、セパレータ全体が厚くなってしま
い、薄膜化が図れない。
【0044】尚、みかけ厚みはセパレータの中央部の厚
みを測定面が直径31.5mmのデジタル厚み計(ピー
コックデジタル厚み計、荷重8.8g/cm2)を用い
て測定した値であって、セパレータの30地点を測定し
たときの平均値である。また凹部の深さはセパレータの
断面形状を光学顕微鏡にて300倍に拡大し、凹部の厚
みを測定(30地点平均)し、この凹部厚みと見かけ厚
みとの差によって凹部深さを測定できる。
【0045】本発明では、前記セパレータ凹凸を形成し
た面の全面積に対して凹部面積が、セパレータが不織布
のときは好ましくは5%以上、より好ましくは10%以
上であって、好ましくは50%以下、より好ましくは3
0%以下である。またセパレータが多孔フィルムのとき
は好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上であっ
て、好ましくは50%以下、より好ましくは30%以下
である。凹部の面積がこの範囲内であれば過充電時に発
生する酸素ガスを電極とセパレータの凹凸面との界面で
効果的に分散させることができ、内圧上昇を抑止でき
る。特に負極側に凹凸面を設けると酸素ガスが効果的に
分散して負極での酸素ガス吸収が効率的に進行する。凹
部面積が5%(フィルムの場合は3%)未満の場合には
凹凸付与による上記効果が十分得られないことがある。
また凹部面積が50%を超える場合には電極との密着性
が低下して電池の内部抵抗が増加することがあり好まし
くない。この範囲の厚みとなるような凹凸をつけること
により、凹凸を設けないセパレータよりも、さらに電池
内部での内圧抑制効果が発揮される。
【0046】本発明のセパレータは薄型であっても短絡
しにくく、また該セパレータを用いた密閉型2次電池は
容量保持率も良好である。特にセパレータに凹凸を設
け、該凹凸面と負極とが対向する様に電池を構成する
と、より優れた内圧上昇抑制効果がえられる。
【0047】以下本発明のセパレータの製造方法を説明
する。本発明のセパレータは上記の如く不織布や多孔フ
ィルムなどから作成されている。使用する原料樹脂とし
ては、任意の有機樹脂を用いることができるが、電解液
中で加水分解することなく、しかも電解液中のアンモニ
アを捕捉する親水性官能基導入容易性の観点からポリオ
レフィンを主体とする樹脂組成物が推奨される。ここで
「主体」とは樹脂組成物の50質量%超(100%含
む)がポリオレフィンであることを意味する。したがっ
てポリオレフィン以外の有機樹脂と混合した樹脂組成物
も含まれる。ポリオレフィンとしては、ポリオレフィン
単独からなる樹脂、またはオレフィンとその他の単量体
との共重合体とからなる樹脂組成物が例示される。オレ
フィンと共重合が可能なその他の単量体としては、スチ
レン、酪酸ビニル、酢酸ビニル等が例示される。特に電
解液に対する耐分解性、耐酸化性、及び親水化処理時の
耐熱性等の各種特性に優れているポリプロピレンが推奨
される。もちろんポリプロピレン以外にも例えばポリエ
チレン、ポリメチルペンテン、ポリブテン、ポリエチレ
ン−プロピレン、ポリエチレン−ブテン−プロピレン等
を用いることができる。またポリフッ化ビニリデン系や
テトラフルオロエチレン系などのフッ素系高分子あるい
はこれらを一部に含有させた高分子を用いてもよい。
【0048】勿論、低分子量〜超高分子量のものまで任
意の分子量の樹脂を単独、もしくは混合して使用でき
る。ポリオレフィンを用いる場合、後記する様な親水化
処理を施して任意の親水性官能基を導入することが望ま
しい。また例えばポリオレフィンを主体とする不織布を
三酸化硫黄ガスによってスルホン化処理する際には、低
分子量成分を有している不織布(セパレータ)の方が親
水化されやすい。逆に超高分子量成分を有する不織布
(セパレータ)は突刺強度高いため、セパレータを薄型
化した際に電極バリがセパレータを突き抜ける、短絡発
生率を低減できる。従って異なる分子量からなる樹脂を
混合したものを用いて不織布や多孔フィルムとすること
が望ましい。
【0049】またセパレータを構成する樹脂の極限粘度
は好ましくは0.2dl/g以上、より好ましくは0.
4dl/g以上であって、好ましくは1.5dl/g以
下、より好ましくは1.0dl/g以下、更に好ましく
は0.9dl/g以下とすることが望ましい。極限粘度
が1.5dl/gを超える樹脂を用いると、セパレータ
の耐酸性が高くなりすぎて、スルホン化処理した際に、
例えば硫酸に浸漬させたときに樹脂表面が集中的にスル
ホン化されてしまい、セパレータ内部へ十分な有効スル
ホン基が導入されないことがある。この様にセパレータ
表面が集中的にスルホン化されると、スルホン基が導入
された表面部分の強度が低下するため、十分な突刺強度
が維持できなくなることがある。またこのスルホン化し
たセパレータ表面部分が崩壊して剥離し易くなるなどの
問題を生じることがあり、全体として十分なスルホン基
量が得られないことがある。また極限粘度が0.2dl
/g未満だと十分な突刺強度を維持できなくなることが
ある。極限粘度を測定する際に、まずGPC法を用いて
複数の樹脂成分を分離してから夫々の極限粘度を測定す
る。また分離された樹脂成分中に、上記範囲の極限粘度
を有する樹脂成分が含まれていればよい。なおGPC分
析する際に用いる溶媒、カラム、試料作製条件、温度な
どは、樹脂成分を分離できるように適宜調整すればよ
い。
【0050】極限粘度の異なる複数の樹脂成分を混合す
ると、溶融成型時における成型性が悪化することがあ
る。しかしながらセパレータに凹凸を設ける場合、異な
る樹脂成分を混合した際も良好なセパレータを得ること
ができる。また本発明では成形性悪化を抑止する観点か
ら、セパレータに用いる樹脂原料の重量平均分子量/数
平均分子量の値を、20以下とすることが望ましい。
【0051】超高分子量ポリオレフィンとしては、超高
分子量ポリエチレンまたは超高分子量ポリプロピレンが
特に好ましい。この様な超高分子量ポリオレフィンを他
の樹脂成分と混在させる場合、超高分子量ポリオレフィ
ンをセパレータの目付に対して1%以上含まれているの
が好ましく、より好ましくは3%以上であり、更に好ま
しくは5%以上である。超高分子量ポリオレフィンの含
有量が1%未満の場合、超高分子量ポリオレフィンを混
合させた効果が十分に得られないことがある。一方、超
高分子量ポリオレフィンの含有量が50%を越えるとセ
パレータの引張強度が強くなりすぎて、十分な加工性が
得られないことがある。好ましくは50%以下、より好
ましくは25%以下である。
【0052】勿論、樹脂には酸化防止剤や紫外線防止
剤、帯電防止剤、着色料、難燃剤などの各種添加物や、
金属成分を含有しても良く、またその添加量は特に制限
されず本発明の効果を阻害しない範囲で適宜決定すれば
よい。
【0053】セパレータとして不織布を用いる場合、不
織布の作成方法は特に限定されない。例えばスパンボン
ド法,メルトブロー法,フラッシュ紡糸法,エアレイ法
やカード方式などの各種乾式法や、湿式抄紙法などの公
知の方法があげられる。不織布の均一性や製造コストの
面からはスパンボンド法やメルトブロー法が望ましい。
また単一の製法によって不織布を作成しなくてもよく、
異なる製法によって作成した不織布を積層して、多層構
造を持つ不織布であってもよい。更にカード方式に代表
される乾式不織布を、接着剤で結合するケミカルボンド
法,自己接着または接着繊維で結合するサーマルボンド
法も使用可能である。またさらに、交絡の手法として、
スパンレース法,ニードルパンチ法,ステッチボンディ
ング法等の公知の方法が例示され、不織布にピンホール
が生じないように微細加工を施せば使用可能である。ま
たさらに湿式により繊維を抄紙し、上記乾式法と同様に
任意の繊維の接着方法,交絡方法を用いて不織布を作成
できる。
【0054】不織布を構成する各繊維の繊維径は、後述
する加熱処理,加圧処理が施されたときに十分な伝熱,
加圧される範囲であることが推奨される。この様な観点
から繊維径は好ましくは50μm以下、より好ましくは
30μm以下である。また加圧処理によって繊維全体が
変形したり、不織布強度が低下することを抑止するため
に繊維径は好ましくは1μm以上、より好ましくは3μ
m以上であることが推奨される。また複数の繊維を用い
る場合、上記範囲内の繊維径を有する繊維を複数組合せ
てもよい。
【0055】本発明では上述した樹脂は単独で用いても
良いし、芯鞘型複合繊維、偏心身鞘型複合繊維、並列型
複合繊維、海島型複合繊維、分割型複合繊維などのよう
に2種以上の樹脂を配合させてもよく、特に限定される
ものではない。これらの中でも芯鞘型複合繊維であれ
ば、後記する様に加圧処理することによって高い引張強
度を有するセパレータが得られるので望ましい。これら
複合繊維は公知の方法で製造すればよい。
【0056】またニッケル−カドミウム蓄電池用セパレ
ータであれば、上述の樹脂の他にポリアミド樹脂も使用
できる。
【0057】芯鞘型複合繊維を用いて不織布を作成する
場合、任意の樹脂を芯側,鞘側に用いることができる
が、好ましくはポリプロピレン/ポリエチレン(芯/
鞘)の様に、ポリエチレンが表面を覆う繊維が望まし
い。ポリエチレン含有量が多くなるとスルホン化後の突
刺強度,引張強度が低下することがあるためポリエチレ
ン、特に低密度ポリエチレンを含有する場合は好ましく
は20%以下(樹脂全量100質量%とした場合の割
合)、より好ましくは5%以下に抑制することが好まし
い。またポリエチレン成分を全く含まなくてもよい(こ
の場合は単独繊維、或いはポリエチレン以外の2種以上
の樹脂を組み合わせた複合構造である。)。例えばポリ
オレフィンを主体とする樹脂組成物として、ポリオレフ
ィンとしてポリプロピレンを用い、ポリプロピレンを主
体とした場合のポリプロピレン:ポリエチレン比は、8
0:20〜100:0(尚、100:0の場合はポリエ
チレンを含有しない構成である)とすることが望まし
い。
【0058】本発明の多孔フィルムの作成方法は特に限
定されない。例えば延伸法や溶媒抽出法、穿孔法等の公
知の方法があげられる。具体的には、未延伸フィルムを
延伸して多孔化したフィルム,抽出可能な充填剤,可塑
剤などと共に、無機微粉体等を配合した未延伸フィルム
から溶媒で充填剤、可塑剤等を抽出して多孔化し、更に
抽出前または抽出後に延伸を施して多孔化したフィル
ム,フィルムにレーザー照射して多孔化したフィルムが
挙げられる。またフィブリル化した繊維や分割型繊維な
どの極細繊維などを含む均一な不織布を熱融着させるこ
とでフィルム化した多孔フィルム,粉末状または繊維状
の樹脂またはそれらの混合物を熱融着させることでフィ
ルム化した多孔フィルムなどを用いることができる。更
にフィルム成形時に気泡または気泡を生成する物質を混
在させて多孔フィルムを作成してもよい。特にフィルム
の延伸強度を強めたり、ボイド形成剤を多量に添加する
などの方法によって、不織布と同等の多孔度(20体積
%以上の多孔度)を有するフィルムが推奨される。また
この様なフィルムであれば、本発明の不織布と同様に各
種処理を施すことが可能である。さらにこれらの不織布
を積層したものも良好に使用できる。また分割型複合繊
維などの極細繊維を混合しても良好に使用できる。また
本発明では超高分子量ポリオレフィンを主体とする高強
度繊維も同様に使用できる。例えば、フィブリル化した
繊維や極細繊維で構成された不織布中に高強度繊維を分
散させた後、プレスによりフィルム化する方法は良好に
使用できる。
【0059】本発明のセパレータに凹凸を設ける方法に
ついては特に限定されず、例えばエンボスロールやギヤ
ロールによる加圧、金型や金属メッシュ、樹脂製ネット
等とともにプレスして凹凸を転写する方法、刃物,ヤス
リ,粒子等で切削する方法、しぼり加工やもみ加工によ
る方法、凹凸を有するネット上にキャストする方法、表
面にレジンスポットやひも状の樹脂を接着する方法、樹
脂を部分的に融解して圧縮もしくは除去する方法、比較
的粒径が大きく融点の高い、有機及び/又は無機粒子を
原料ポリマー中に混在させたものを延伸し、粒子部分を
凸部とする方法などの各種公知の方法があげられる。れ
らら公知の方法を任意に組み合わせてセパレータに凹凸
を設けてもよい。またセパレータに凹凸を設ける時期に
ついては特に限定されず、親水化処理前、或いは親水化
処理後、または親水化処理と同時に凹凸を設けてもよ
い。
【0060】尚、凹凸を作製するために、例えば繊維径
の太い網材などを配置するなど特性の異なる層を作製す
る方法は、工程が複雑化すると共に、上下で隣接する層
の接着性が十分得られず、また繊維径の太い層は電解液
の保持性が悪いため高速で放電する際の放電特性が悪く
なることがある。
【0061】セパレータに上記の様な非中和親水性官能
基量を保持させるには、セパレータに後記する親水化処
理を施すことが推奨される。例えば前述した様な親水性
官能基を有するモノマーとオレフィン系モノマーとの共
重合体を単独で用いる方法、親水性官能基を有するポリ
マーと親水性官能基を持たないポリマーとを混合させる
方法、疎水性のポリオレフィン系多孔フィルムをグラフ
ト処理、スルホン化処理、界面活性剤の添着処理、コロ
ナ処理、プラズマ処理、フッ素ガス処理、樹脂コーティ
ング処理等によって親水化する方法など公知技術として
あげられる。もちろん、これら方法を単独で、或いは適
宜組み合わせて処理条件を制御することによって親水性
官能基をセパレータに導入して本発明のセパレータとし
てもよい。
【0062】尚、本発明のセパレータをニッケル−水素
充電池に用いる場合、電極から遊離するアンモニアなど
の不純物に対して極めて高い吸着能力を有するセパレー
タを用いることが推奨され、この様なセパレータとして
は、ポリエチレンまたはポリプロピレンを主体とする樹
脂を原料とするセパレータに、好ましくは上記した様な
凹凸を形成し、スルホン化処理、或いはグラフト処理を
施して親水性官能基を導入することが好ましい。
【0063】本発明では、親水化処理として例えば熱硫
酸,発煙硫酸,クロル硫酸などの硫酸液に浸積させる方
法、三酸化硫黄ガスと接触させる方法など公知の処理方
法を採用してもよい。スルホン化処理する場合、これら
処理方法を適宜組合せることできる。例えば硫酸または
発煙硫酸への浸積と三酸化硫黄ガスまたは二酸化硫黄ガ
スへの接触を繰り返し行う方法、熱硫酸に浸積したのち
三酸化硫黄ガスと接触させる方法、フッ素処理を行った
後に一酸化硫黄や二酸化硫黄と酸素の混合気体に接触さ
せる方法などが挙げられる。
【0064】本発明では上記した非中和親水性官能基
(スルホン基)量を有するセパレータを製造するにあた
り、スルホン基を有しないセパレータ材料(即ちスルホ
ン化処理前の材料)を、温度120℃以上,濃度95%
以上の濃硫酸浴中に、1〜10分間浸漬処理することが
推奨される。濃硫酸以外にも硫酸、発煙硫酸、SO3
スなどから選ばれる任意の硫酸が使用できる(尚、いず
れの濃度も95%以上である)。これらのうちでも濃度
95%以上の濃硫酸を用いることが処理時間の面から最
も好ましい。また濃硫酸を用いてスルホン化処理を行う
場合には、濃硫酸の温度は好ましくは好ましくは120
℃以上、より好ましくは125℃以上、更に好ましくは
130℃以上であることが推奨される。また強度低下を
防止する観点から好ましくは160℃以下、より好まし
くは150℃以下、最も好ましくは140℃以下である
ことが望ましい。スルホン化処理時間は生産性コストの
観点から好ましくは10分以下、より好ましくは5分以
下、更に好ましくは3分以下とすることが望ましい。該
処理時間の下限については得に限定されないが、十分な
スルホン基を導入する観点から好ましくは0.1分以
上、より好ましくは0.3分以上であることが望まし
い。また濃硫酸の濃度は好ましくは95%以上、より好
ましくは97%以上がよい。高濃度の濃硫酸を用いて高
温で処理するほどセパレータ内部のスルホン化が短時間
で進行し、セパレータの強度低下を抑えることができる
とともに、セパレータ内部にスルホン基が導入されるた
め優れた自己放電抑制能を発現する。
【0065】120℃以上の加熱硫酸では、従来の三酸
化硫黄ガス処理や発煙硫酸処理に比べて高温下での処理
にもかかわらず、穏和な反応性を示すため、高温におけ
る不織布を構成する樹脂成分の軟化と相まって、繊維内
部までスルホン化することが可能である。即ち、従来の
処理法ではセパレータ表面近傍にしか付与できなかった
親水性官能基を、セパレータ内部に大量に存在させるこ
とが可能となるため、アルカリ液に浸積後にも中和され
ない有効親水性官能基を残存させうる。しかも比較的少
ないスルホン化量で、十分な自己放電を抑制することが
可能である。
【0066】またセパレータ内部まで十分にスルホン基
(親水性官能基)を導入するために、上記処理をするに
先立って、セパレータ材料を20〜50℃,濃度90%
以上の濃硫酸浴中に1〜10分間浸漬する前処理を施す
ことが推奨される。この様な前処理を行なうことによっ
て、有効スルホン基がセパレータ内部に導入されるよう
になる機構に関しては明らかでないが、セパレータに含
有されている酸化防止剤などの添加剤や低分子量成分の
うち、特にセパレータの表面付近に存在する添加剤や低
分子量成分が該硫酸浸漬によってセパレータ表面から脱
落して微細孔が形成されるため、この微細孔を通じてス
ルホン化剤がセパレータ内部へ侵入するものと推測され
る。
【0067】前処理に使用する硫酸としては、濃度90
%以上の濃硫酸を用いることが望ましい。また硫酸浸漬
を行なう際には、セパレータ表面のみがスルホン化され
ることを抑止する観点から浴温を制御することが推奨さ
れる。例えばセパレータがポリプロピレンを主体とする
樹脂組成物によって構成されている不織布或いは多孔フ
ィルムである場合には50℃以下であることが好まし
く、より好ましくは40℃以下であることが推奨され
る。尚、浴温の下限については得に限定されず、常温程
度とすればよく得に限定されないが、より好ましくは1
0℃である。
【0068】また前処理後、得られたセパレータを上述
の如く120℃以上、濃硫酸(95%以上)に浸漬する
と硫酸がセパレータの空隙内に容易に進入し、セパレー
タ表面、及びセパレータ内部にスルホン基が導入され
る。またセパレータを120℃以上の高温浴に浸漬する
ので、セパレータ全体を均一に加熱できる。この様に加
熱された状態のセパレータを加圧処理すると、セパレー
タの引張強度が向上する。特にセパレータを好ましくは
0.05kPa以上、より好ましくは0.3 kPa以上
であって、好ましくは50kPa以下、より好ましくは
30kPa以下の圧力で加圧すると場合、セパレータの
引張強度が増大するので望ましい。例えば繊維を用いた
不織布の場合、この様に加圧されることによって加熱状
態にある繊維表面同士が融着し、不織布強度が上昇する
ものと考えられる。特にポリプロピレン(芯)とポリエ
チレン(鞘)の芯鞘型複合繊維を用いた不織布の場合、
鞘側のポリエチレンは融点が低いので、加熱による融着
効果が得られやすい。
【0069】尚、加圧が0.05kPa未満の場合、繊
維表面同士が十分に融着せず、所望の引張強度が得られ
ないことがある。また加圧が50kPaを超える場合は
繊維の形状が変形してしまうことがあり望ましくない。
加圧方法としては得に限定されず、例えば公知の加熱ロ
ールによるプレスによって繊維の交絡点を融着させても
よいが、繊維の変形や繊維にクラックが生じてしまい十
分な強度が得られないことがある。変形やクラック発生
防止の観点から上記の如く高温液中に不織布を浸漬し、
加圧する際に不織布が高温状態120〜150℃である
ことが望ましい。また加圧による好適な繊維融着状態を
得るためには、繊維を構成する樹脂の融点を5〜40℃
下回る範囲に液体温度を設定することが好ましいが、1
20℃を下回る浴温度では十分な上記効果が得られない
ことがあるので、上記した芯鞘複合型繊維を用い、鞘側
に融点の低い繊維を配置したものを用いてもよい。尚、
フィルムの場合であっても、上記加圧によって引張強度
が向上する。
【0070】また上記の如く高温硫酸による処理がスル
ホン化及び強度付与という観点からは推奨されるが、例
えば他のスルホン化処理方法と硫酸以外の高温液体を採
用し、セパレータの加熱と加圧を適宜組合せて上記高温
硫酸での処理と同等の条件とすれば、高温硫酸に相当す
る効果を得る事が可能である。
【0071】グラフト処理としては特に限定されず、例
えばビニル単量体などを樹脂に接触させると同時に紫外
線照射処理、プラズマ処理、コロナ処理などのエネルギ
ーを付与する方法や触媒を用いる方法などの公知の方法
があげられる。
【0072】上記に示した親水化処理を行うと、スルホ
ン酸基やカルボキシル基、カルボニル基、ヒドロキシル
基、フッ素系官能基といった所望の親水性官能基をセパ
レータに導入できる。
【0073】また本発明のセパレータを用いて密閉型電
池を作製する際には、(1)捲回体を作製する際にセパ
レータに加わる圧力および張力、(2)電極表面の平坦
性、(3)電極の硬度、(4)電解液量、(5)電解液
の注入方法、(6)捲回体から巻き芯を抜く際の抵抗お
よび凹凸部への応力の集中、(7)タブを溶接する際に
セパレータにかかる温度、などを少なくとも考慮するこ
とが望ましい。特にセパレータに凹凸を設けた場合、捲
回体を作製する際にセパレータに加わる圧力や張力が高
いと該凹凸がつぶれて内圧抑制効果が薄れることがあ
る。また圧力や張力が高いと短絡することがある。電極
もシート状物であるが、該電極が柔らかすぎると、セパ
レータの凹凸が電極に埋没してしまい内圧抑制効果が薄
れることがある。逆に電極が堅すぎると短絡することが
ある。使用する電解液としてはアルカリ性電解液、例え
ば水酸化カリウム水溶液が挙げられる。これら電解液量
が多すぎると内圧が上昇しやすくなる。また電解液量が
少なすぎると内部抵抗が増大し、電池の寿命が短くなる
ことがある。電解液の注入方法が悪いと電池の生産性が
悪化したり、電解液が均一に行き渡らないために、電池
の性能(出力や充電状態)がばらつくことがある。また
捲回体から巻き芯を抜く際の抵抗が大きかったり、セパ
レータ凹凸部への応力の集中が発生すると、セパレータ
が破断し、短絡してしまうことがある。電極から電気を
取りだすために必要なタブを溶接する際にセパレータが
加熱され融解または収縮すると短絡することがある。し
たがって本発明のセパレータの使用した密閉型2次電池
を作製する際には、少なくともこういった電池の作製時
に問題となる点を考慮することが推奨される。
【0074】以上のように本発明のセパレータは引張強
度,突刺強度,硝酸根捕捉性能に優れている。本発明の
セパレータを用いた密閉型2次電池は、自己放電が効果
的に抑制されて高い容量保持率を有している。しかも本
発明のセパレータを用いれば、電池製造時の短絡発生率
が低減できる。特に本発明のセパレータを用いれば、容
量保持率の優れたニッケル−水素電池、ニッケル−カド
ミウム電池等の2次電池が提供できる。
【0075】本発明のセパレータは薄型でありながら、
優れた硝酸根捕捉性能を有しているまた高い突刺し強度
を有しているので、電池製造時及び使用時における短絡
がほとんど生じることがない。しかも本発明のセパレー
タを用いた密閉型アルカリ二次電池は優れた容量保持率
(自己放電抑止能力)を有している。また本発明のセパ
レータは優れた酸素ガス透過性を有しているので、充電
末期においても、発生する酸素ガスを効率的に透過させ
ることができるので、内圧上昇を抑制できる。特に凹凸
をセパレータに設けることによって、より優れた内圧上
昇抑制効果を発揮する。
【0076】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳細に説
明するが、本発明は以下の実施例に限定する趣旨ではな
く、前記記載に従って適宜変更を加えることができる。
【0077】本発明における実施例の各特性、及び上記
説明におけるセパレータの各特性は、下記の方法によっ
て測定した値である。
【0078】・極限粘度 溶媒としてテトラリン100mLを使用し、試料(セパ
レータ0.114g)を該テトラリンに溶解し、該溶解
液をガラス濾過器で濾過した後、Ubbelohdeの粘度計を
用いて135±0.1℃の温度で測定し、その粘度の濃
度に対するプロットの最小二乗近似で得られる直線の原
点への外挿点より極限粘度を決定した。測定に際し、原
料ポリマーがパウダー状の場合はその形状のまま、塊状
である場合は、分割し、ポリマーに対して1wt%の酸化
防止剤(商品名「ヨシノックスBHT」吉富製薬製)を添
加し、135℃で5時間撹拌溶解して測定溶液を調整し
た。尚、使用するテトラリンには、予め0.2質量%の
BHT(2,4−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)を
添加しておき、試料が溶解する際の酸化劣化を防止す
る。試料溶解液濃度は、1g/1000cm3とする。Hu
ggins定数(k′)としては0.35の値を用いる。尚、
該測定法は「実験化学講座8高分子化学(上),第5章
粘度,日本化学会,1963年5月15日」を参照す
る。
【0079】・イオン交換量 30cm2のセパレータ試験片を1mol/dm3のHC
l溶液に1時間浸漬した後、イオン交換水でpHが6〜
7になるまで数回洗浄する。次いで、60℃の送風乾燥
機で2時間乾燥し、室温まで冷却し、該冷却後の試験片
を0.01mol/dm3のKOH溶液100cm3に浸
漬して45℃で1時間振とうした後、試験片を取り出
し、溶液25cm3を採取して、0.01mol/dm3
のHCl溶液で中和滴定する。ブランク溶液も同様に滴
定し、式1より、カリウムイオン交換量を算出する。 イオン交換量(meq/m2)={(V0−V1)×100×0.01×f}/(0 .003×25) ・・・(式1) 式中の記号は以下の通りである。 V1:サンプルの滴定に要したHCl溶液量(cm3) V0:ブランク溶液の滴定に要したHCl溶液量(cm
3) f :HCl溶液のファクター
【0080】・総硫黄量 硫黄量は、30cm2のセパレータ試験片を酸素気流中
にて1400℃の高温で完全に燃焼させ、赤外線検出器
によりその濃度を測定し、硫黄を含む標準物質で作成し
た検量線に従い硫黄量を測定した。具体的には、(株)
堀場製作所硫黄分析装置EMIA−120を用いて測定
を実施した。上記測定法の燃焼部分にかかわる基本原理
はフラスコ燃焼法と同等であり、酸素気流下で硫黄を完
全に燃焼させ、不織布内部の硫黄を含めた全硫黄量を測
定する手法である。フラスコ燃焼法については、基礎分
析化学講座(第11巻,日本分析化学会(共立出版),
p34〜43,1965年9月)を参照とする。
【0081】・非中和スルホン基量 前述の総硫黄量とイオン交換量の測定値を用い、下記式
2により算出した。 非中和スルホン基量(mol/m2)=(総硫黄量(ppm)×目付(g/m2)/32.6 6/1000−イオン交換量(meq/m2))/1000・・・(式2)
【0082】・容量保持率 先ずペースト式水酸化ニッケル正極とペースト式水素吸
蔵合金負極、及びセパレータを渦巻き状に捲回し、SC
サイズの密閉型電池(容量2400mAh)を作製す
る。尚この電池の電解液としては、水酸化リチウムを添
加した水酸化カリウム水溶液を用いる。前準備の初期活
性化処理として、45℃で6時間保持する。その後20
℃の空気雰囲気下において0.2Cで6時間充電の後、
0.2C放電(放電終止電圧1.0V)し、この充電・
放電の操作を7回繰り返す。次に0.2Cで6時間充電
し、1時間休止の後、0.2C放電(終止電圧1.0
V)での放電容量を測定し、測定値C0とする。そして
0.2Cで6時間充電して45℃の空気雰囲気下で16
8時間保存し、その後20℃で6時間放冷し、0.2C
放電(終止電圧1.0V)での放電容量を測定して測定
値C1とする。次いで0.2Cで6時間充電し、1時間
休止の後、0.2C放電(終止電圧1.0V)での放電
容量を測定し、測定値C2とする。尚上記0.2C放電
とは、密充電した電池を5時間かけて放電することであ
り、この際放電の電流値を適切な値に設定する。上記測
定値を基に下記式3により容量保持率を算出する。 容量保持率(%)=C1×2/(C0+C2)×100 …(式3) なお自己放電量(%)と容量保持率(%)との関係は、
下記式4で表される。 容量保持率=100−自己放電量 ・・・(式4)
【0083】・目付 セパレータより試験片(幅2.5cm,長さ10cm)
を採取し、60℃±2℃の下で、10時間乾燥した時の
重量を基に、1m2当たりの重量に換算した値を、目付
[g/m2]とした。 試験片n=20点の平均で求め
た。
【0084】・厚み(実施例1〜11) 上記試験片の中央部の厚みを300kPaの荷重下で測
定した。具体的には、10N,測定面が直径6mmであ
るマイクロメーター(Mitutoyo1102−25
型)を用いて測定した。試験片n=50点の平均で求め
た。
【0085】・みかけ厚み(実施例12〜23) 上記試験片の中央部の厚みを測定面が直径31.5mm
のデジタル厚み計(ピーコックデジタル厚み計、荷重
8.8g/cm2)を用いて測定した。試験片n=30
点の平均で求めた。
【0086】・凹部深さ セパレータの断面形状を光学顕微鏡にて300倍に拡大
し、凹部の厚みを測定する。この凹部厚みと見かけ厚み
との差を凹部深さとした。試験片n=30点の平均で求
めた。
【0087】・通気度 JIS L1096−1990の通気性測定法に準じ、
フラジール型試験機により測定した。試験片n=20点
の平均で求めた。
【0088】・引張強度 幅5cm,長さ15cmのサンプルを用いて、縦(M
D)方向における引っ張り強度をJIS L1068
(織物の引っ張り試験方法)に準じ、つかみ間隔を10
cm,引っ張り速度を30cm/分として測定を実施し
た。試験片n=20点の平均で求めた。
【0089】・突刺強度 突き刺し強度は、試料を直径1.128cm,面積1c
2の円孔ホルダーに固定し、先端球状が0.5R,直
径1mmΦのニードルを2mm/秒の速度で試料を突き
抜けるまで降下させていく際、ニードルに加わる最大荷
重とした。具体的には、カトーテック(株)KES−G
5ハンディ圧縮試験機を用いて測定を実施した。試験片
n=100点の平均で求めた。
【0090】・短絡率 本発明における、短絡率は以下の方法により測定を実施
した。1cm角に切断した発泡ニッケル板の間に、セパ
レータ試験片(2cm角)を挟み込み、発泡ニッケルの
上下により、0.5MPaの圧力で加圧し、30秒後の
発泡ニッケル間の抵抗を測定した。発泡ニッケルはウレ
タンフォーム型発泡ニッケル、住友電工セルメット(目
付470g/m2,厚み1.6mm)を用いた。発泡ニ
ッケル間の抵抗をデジタルマルチメーター(ADVANTES
T)で測定し、10MΩ未満である場合短絡と判定し
た。測定は、上記操作をn=100で実施し、短絡率は
次式にて求めた。 短絡率(%)=(抵抗が10MΩ未満の回数/100)
×100
【0091】・孔径 コールター社ポロメータ2を用い、測定原理として「AS
TM F 316−86」に準じたバブルポイント法により
測定した。
【0092】・電池内圧測定 先述の初期活性化をおこなった電池について、雰囲気温
度20℃で、0.5C充電を3時間(充電深度150
%)おこなった際の電池内圧を測定した。
【0093】・サイクル試験 初期活性化を終えた電池について、0.5Cで2.4時
間(120%)の充電と0.5Cで終止電圧1.0Vの
放電を1サイクルとするサイクル試験を実施した。この
際、放電容量が初期の80%となった時点で寿命到達と
判断した。
【0094】実施例No.1 市販のスパンボンド法により作製した平均繊維径10μ
m,目付40g/m2からなるポリプロピレン製不織布
(極限粘度1.10dl/g)を、95%,135℃の
濃硫酸に1分間浸漬した。尚、高温硫酸に浸漬された状
態において、搬送のテンション調整と硫酸中に設置した
ポリテトラフルオロエチレン製の加圧ロールの圧力調整
を実施し、セパレータに1.2kPaの圧力をかけ処理
した。この時の高温硫酸によるスルホン化処理装置の概
要を図4に示す。更に希硫酸およびイオン交換水による
洗浄の後、70℃で乾燥を行いセパレータとした。セパ
レータを電池に組み込み、容量保持率の測定を実施し
た。セパレータの各種物性及び、電池の容量保持率を表
1に示す。
【0095】実施例No.2 実施例1と目付(目付55g/m2)のみ異なる市販のポ
リプロピレン製不織布を、98%の濃硫酸を用い130
℃で1分間処理した。高温硫酸に浸漬された状態で搬送
のテンション調整と硫酸中に設置したポリテトラフルオ
ロエチレン製の加圧ロールの圧力調整を実施し、実施例
1と同様の手法により8.0kPa加圧した。純水で洗
浄後、70℃で乾燥を行いセパレータとした。セパレー
タを電池に組み込み、容量保持率の測定を実施した。セ
パレータの各種物性及び、上記電池の容量保持率を表1
に示す。
【0096】実施例No.3 極限粘度0.58dl/gのポリプロピレン樹脂を用い、
オリフイスからの押出温度を220℃、単孔吐出量を
0.5g/minとし、250℃,0.6kg/cm2
の空気流で牽引細化させて上記ポリプロピレン樹脂を繊
維化しつつ(メルトブロー法)、捕集コンベアー上で不
織布化を行った。これを25℃の98質量%の濃硫酸に
10分間浸漬した後、135℃の98質量%の濃硫酸に
3分間浸漬し(スルホン化処理)、セパレータを得た。
該セパレータの総硫黄量は13000ppm、イオン交
換量は1.50meq/m2であった。セパレータの各
種物性及び、上記電池の容量保持率を表1に示す。
【0097】実施例No.4 極限粘度0.78dl/gのポリプロピレン樹脂を用い、
上記実施例3と同様の方法により、不織布化した。これ
をこれを25℃の98質量%の濃硫酸に10分間浸漬し
た後に130℃の98質量%の濃硫酸に4分間浸漬し
(スルホン化処理)、セパレータを得た。該セパレータ
の総硫黄量は12000ppm、イオン交換量は1.7
5meq/m2であった。セパレータの各種物性及び、
上記電池の容量保持率を表1に示す。
【0098】比較例No.5 スルホン化処理条件を変更した以外は実施例1と同様に
してセパレータを作成した。スルホン化処理は30℃,
15%の三酸化硫黄ガス中で1分間処理した。得られた
セパレータは強度が弱く、電池に組み込む際に短絡が発
生した。結果を表1に示す。
【0099】比較例No.6 スルホン化処理条件を変更した以外は実施例1と同様に
してセパレータを作成した。スルホン化処理は15%,
60℃の発煙硫酸中で1分間処理した。実施例5と同様
に十分な強度を有していないため、電池に組み込む際に
短絡が発生した。結果を表1に示す。
【0100】比較例No.7 スルホン化処理条件を変更した以外は実施例1と同様に
してセパレータを作成した。スルホン化処理は、98
%,135℃の高温濃硫酸中で3分間処理した。得られ
たセパレータは実施例1に比べてスルホン化が進行して
おり、突刺強度が弱く、短絡発生率が高かった。結果を
表1に示す。
【0101】比較例No.8 スルホン化処理時に加圧を行なわなかった以外は実施例
1と同様にしてセパレータを作成した。得られたセパレ
ータは突刺強度が弱く、短絡発生率が高かった。結果を
表1に示す。
【0102】比較例No.9 芯鞘型複合繊維(芯:ポリプロピレン、鞘:低密度ポリ
エチレンが同心円状に配置された複合繊維)を用いた。
該芯鞘型複合繊維(繊維径14μm,繊維長30mm)
を、カード法により不織布化した乾式不織布(目付50
g/m2)を用い、実施例1と同様の条件で、スルホン
化処理および洗浄処理,乾燥処理を施しセパレータを作
製した。得られたセパレータは黒色化し、非常にもろい
状態であった。非中和酸性基量の算定に必要なイオン交
換量の測定の際に、スルホン化された粉末物の脱落が多
量に発生したため、有効官能基量の測定が不可能であっ
た。また電池製造に際してセパレータには短絡が生じ、
電池性能を測定できなかった。セパレータの各種物性を
表1に示す。
【0103】比較例No.10 芯鞘型複合繊維(芯:ポリプロピレン、鞘:低密度ポリ
エチレンが同心円状に配置された複合繊維)を用いた。
該芯鞘型複合繊維(繊維径14μm、繊維長さ30m
m)を、カード法により不織布化した乾式不織布(目付
50g/m2)を作成し、スルホン化処理(10%,4
0℃の発煙硫酸中で1分間処理)した。得られたセパレ
ータは突刺強度が弱く、電池に組み込む際に短絡が発生
した。スルホン化処理時の繊維劣化が大きいものと考え
られる。結果を表1に示す。
【0104】比較例No.11 スルホン化条件を変更した以外は実施例2と同様にして
セパレータを作成した。スルホン化処理は、95%,1
10℃の高温濃硫酸中で15分間処理した。得られたセ
パレータはほとんどスルホン化が進行しておらず、十分
な容量保持率が得られなかった。結果を表1に示す。
【0105】
【表1】
【0106】実施例No.12 微粉珪酸20質量%とジオクチルフタレート45質量%
を混合し、これに極限粘度4.1のポリエチレン樹脂2
0質量%と極限粘度15.3の超高分子量ポリエチレン
樹脂10%を添加し、再度混合した。該混合物をTダイ
スを取り付けた二軸押出機を用いたフィルム製造装置
で、160℃で溶融押出しし、厚さ150μmの平膜状
に成形した。この膜を塩化メチレン中に15分間浸積
し、ジオクチルフタレートを抽出したのち乾燥し、さら
に80℃の5mol/lの水酸化カリウム水溶液中に1時間
浸積し、微粉珪酸の抽出した。この膜を再び2軸延伸機
を用いて延伸することにより厚み75μmのポリエチレ
ン製多孔フィルムを得た。このフィルムを、120℃に
加熱した凸部の幅0.5mmで連続的な溝を有する凸部面
積10%のギアロールと60℃のステンレス製フラット
ロールを用いて加圧成形して、片面のみに連続的な溝状
の凹部を作製した(凹部形成後の不織布の具体的な状態
としては、図1左上の形状の溝が、図2右上のように均
一に存在している)。これを常温で濃度35%の三酸化
硫黄ガスに2分間さらした後、濃硫酸、希硫酸、および
純水で洗浄した。その後、0.5%のアルキルフェニル
エーテルスルホン酸ナトリウム水溶液に浸積した後、7
5℃で乾燥した。親水性官能基を有し、かつ表面に凹凸
を持つ多孔フィルム状のセパレータを作製した。結果を
表2に示す。
【0107】実施例No.13 極限粘度3.8のポリプロピレン製樹脂75質量%と極
限粘度10.3の超高分子量ポリプロピレン製樹脂25
質量%を溶融,混合することによって調整した原料をT
ダイスを取り付けた二軸押出機を用いて、200℃で溶
融押出し、未延伸ポリプロピレン製樹脂フィルムを得
た。その未延伸フィルムを35℃に保持されたニップロ
ール間で20%低温延伸し、次いで、125℃で高温延
伸することによって、多孔質フィルムを得た。このフィ
ルムを135℃に加熱した凸部の幅0.5mmで連続的な
溝を有する凸部面積45%のギアロールと100℃のス
テンレス製フラットロールを用いて加圧成形して、片面
のみに連続的な溝状の凹部を作製した(凹部形成後の不
織布の具体的な状態としては、図1左上の形状の溝が、
図2右上のように均一に存在している)。この凹凸を有
するフィルムに、予め窒素ガスによって飽和させたアク
リル酸20質量%、蒸留水76.7%、ベンゾフェノン
0.2質量%、硫酸第1鉄0.1質量%、ノニオン系界
面活性剤3.0質量%よりなる溶液を噴霧し、次いで、
低圧水銀ランプによる紫外線照射を5分間行い、アクリ
ル酸をグラフト重合した。次いで純水で数回洗浄し、さ
らに80℃で乾燥を行うことによって、親水化された孔
と疎水性の孔が共存し、かつ表面に凹凸を持つ多孔フィ
ルム状のセパレータとした。結果を表2に示す。
【0108】実施例No.14 微粉珪酸20質量%とジオクチルフタレート40質量%
を混合し、これに極限粘度4.5のポリエチレンとポリ
ビニルアルコールの共重合樹脂35質量%と極限粘度2
0.1の超高分子量ポリエチレン質量5%を添加し、再
度混合した。該混合物をTダイスを取り付けた二軸押出
機を用いたフィルム製造装置で、160℃で溶融押出し
し、厚さ130μmの平膜状に成形した。この膜を塩化
メチレン中に15分間浸積し、ジオクチルフタレートを
抽出したのち乾燥し、さらに80℃の5mol/lの水
酸化カリウム水溶液中に1時間浸積し、微粉珪酸の抽出
した。この膜を再び2軸延伸機を用いて延伸することに
より厚み62μmのポリエチレ−ポリビニルアルコール
共重合樹脂製多孔フィルムを得た。このフィルムを、1
10℃に加熱した凸部の幅0.5mmで連続的な溝を有す
る凸部面積20%のギアロールと60℃のステンレス製
フラットロールを用いて加圧成形して、片面のみに連続
的な溝状の凹部を作製することにより、親水性官能基を
有し、かつ表面に凹凸を持つ実施例7の多孔フィルム状
のセパレータを作製した(凹部形成後の不織布の具体的
な状態としては、図1左上の形状の溝が、図2右上のよ
うに均一に存在している)。セパレータの各種物性及び
このセパレータの凹部のある面を負極に対向させて使用
した電池の放電容量比と充電時内圧を表2に示す。
【0109】実施例No.15 市販ポリプロピレン製不織布(日本高度紙工業SLF5
0120;平均繊維径12μm、目付50g/m2)を
凸部面積率20%のギヤロール(ロール温度150℃)
と140℃のステンレス製フラットロールにより、線圧
3MPaで加圧して一方の面にのみ溝状の凹部を成型し
た。これを97%,130℃の濃硫酸に5分間浸漬処理
し、さらに純水による洗浄の後、60℃で乾燥を行いセ
パレータとした。結果を表2に示す。尚、凹凸を一方の
面のみに形成した場合は、いずれも負極に面する側に凹
凸面を向けた。
【0110】実施例No.16 実施例No.15において、ギヤロールの代わりに15
0℃に加熱した凸部面積率10%のエンボスロールをも
ちいて加圧処理をおこない、一方の面にのみ点状の凹部
を成型した。これを97%の濃硫酸を用い130℃で5
分間処理した。さらに純水による洗浄の後、60℃で乾
燥を行いセパレータとした。セパレータの各種物性及
び、このセパレータを使用した電池の評価結果を表2に
示した。
【0111】実施例No.17 実施例No.16において、加圧処理を凸部面積率40
%のエンボスロール(温度150℃)にておこなった以
外は実施例13と同様の手法によりセパレータを作成し
た。結果を表2に示す。
【0112】実施例No.18 実施例No.15と同じ不織布を、ガラス繊維製ネット
(倉敷紡績製クレネットG3300)上に重ね、カレン
ダーロール(上下ともシリコーンゴム製フラットロー
ル、線圧3MPa)により加圧して格子状の凹凸を転写
成型した。この際の凹部面積率は25%であった。これ
を97%,130℃の濃硫酸に5分間浸漬処理し、さら
に純水による洗浄の後、60℃で乾燥を行いセパレータ
とした。結果を表2に示す。
【0113】比較例No.19 実施例No.12のセパレータにおいて、微粉珪酸およ
びジオクチルフタレート抽出後の延伸工程を2回実施し
た後、130℃に加熱した凸部の幅0.5mmで連続的
な溝を有する凸部面積10%のギアロールと60℃のス
テンレス製フラットロールを用いて加圧成形して、片面
のみに連続的な溝状の凹部を作製し(凹部形成後の不織
布の具体的な状態としては、図1左上の形状の溝が、図
2右上のように均一に存在している)、その後実施例N
o.12の方法により親水化したセパレータを作製し
た。該セパレータは電池に組み込む際に、短絡が発生し
た。また充放電を繰り返すと、突然短絡する電池が存在
した。結果を表2に示す。
【0114】比較例No.20 実施例No.12のセパレータにおいて、超高分子量ポ
リエチレン成分を含有しない、ポリオレフィン系樹脂成
分として極限粘度4.1のポリエチレン樹脂のみを用
い、さらに凹凸作製工程において、凸面積65%からな
るギアロールを使用してセパレータを作製した。該セパ
レータは電池に組み込む際に短絡が発生した。結果を表
2に示す。
【0115】比較例No.21 ロールの温度を165℃にした以外は実施例No.15
同じ処理を実施してセパレータとした。結果を表2に示
す。このセパレータを使用して電池の作成を試みたが、
捲回時に全数が破断もしくは短絡を発生し、電池とする
ことができなかった。
【0116】実施例No.22 実施例No.15と同じ不織布を用い、140℃に加熱
した凸部面積率3%のエンボスロールにて加圧処理をお
こない、一方の面にのみ点状の凹部を成型した。これを
97%の濃硫酸を用い130℃で5分間処理した。さら
に純水による洗浄の後、60℃で乾燥を行いセパレータ
を得た。結果を表2に示す。
【0117】実施例No.23 実施例No.15のセパレータを用い、凹凸のない面を
負極に対向させて電池を作成した。結果を表2に示す。
【0118】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】a〜fは本発明のセパレータに凹凸を設けた場
合の断面図を例示するものである。
【図2】a〜dは本発明のセパレータ設けた凹凸を上側
から見た図を例示するものである。
【図3】a〜gは本発明のセパレータに設けられた凹凸
を上側から見た図を例示するものである。
【図4】高温硫酸によるスルホン化処理装置の一例を示
す概略図である。
【図5】密閉型2次電池の一例を示す概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 全広 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 5H021 BB02 BB09 BB12 EE04 HH00 HH01 HH03 HH05 HH06 HH07 5H028 AA01 AA05 BB10 EE06 HH01 HH03 HH08

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】親水性官能基を有するポリオレフィンを主
    体とする樹脂組成物からなる2次電池用セパレータにお
    いて、該樹脂組成物は低密度ポリエチレン含有率(全樹
    脂量比)が20質量%以下に抑制されており、且つ突刺
    強度5〜100N,目付20〜75g/m2,厚み15
    〜150μm以下,非中和親水性官能基量が1×10-3
    〜5×10-2mol/m2以下であることを特徴とする
    電池用セパレータ。
  2. 【請求項2】ポリオレフィンとしてポリプロピレンが用
    いられている請求項1に記載電池用セパレータ。
  3. 【請求項3】前記親水性官能基がスルホン基,カルボキ
    シル基,ヒドロキシル基よりなる群から選ばれる少なく
    とも1種である請求項1に記載の電池用セパレータ。
  4. 【請求項4】前記親水性官能基がスルホン基であると
    き、セパレータ中の総硫黄量が2000〜50000p
    pmである請求項3に記載の電池用セパレータ。
  5. 【請求項5】セパレータ中のイオン交換量が0.5〜1
    0meq/m2である請求項1に記載の電池用セパレー
    タ。
  6. 【請求項6】セパレータが多孔フィルム,不織布状であ
    る請求項1に記載の電池用セパレータ。
  7. 【請求項7】セパレータの少なくとも1つの面に凹凸が
    設けられている請求項1に記載の電池用セパレータ。
  8. 【請求項8】前記凹部表面と前記凸部表面との平均高低
    差が、前記凹部表面と前記凸部表面との平均高低差が、
    前記セパレータが多孔フィルムのときは該フィルムのみ
    かけ厚さに対して6〜60%,不織布のときは該不織布
    の6〜50%である請求項7に記載の電池用セパレー
    タ。
  9. 【請求項9】前記セパレータ凹凸を形成した面の全面積
    に対して凹部面積が、セパレータが多孔フィルムのとき
    は3〜50%,不織布のときは5〜50%である請求項
    5に記載の電池用セパレータ。
  10. 【請求項10】請求項1に記載のセパレータを使った密
    閉型2次電池。
  11. 【請求項11】請求項7に記載のセパレータの凹凸面が
    負極と対向している密閉型2次電池。
  12. 【請求項12】親水性官能基としてスルホン基を有する
    請求項1のセパレータを製造するにあたり、スルホン基
    を有しないセパレータ材料を、温度120℃以上,濃度
    95%以上の濃硫酸浴中に、1〜10分間浸漬処理する
    セパレータの製造方法。
  13. 【請求項13】請求項12の処理をするに先立って、前
    記セパレータ材料を20〜50℃,濃度90%以上の濃
    硫酸浴中に1〜10分間浸漬した後に、前記温度120
    ℃以上,濃度95%以上の濃硫酸浴に浸漬処理する請求
    項12に記載のセパレータの製造方法。
  14. 【請求項14】請求項12の処理において、セパレータ
    材料を加圧処理する事を特徴とするセパレータの製造方
    法。
  15. 【請求項15】前記加圧が0.05〜50kPa以下で
    ある請求項14に記載の製造方法。
  16. 【請求項16】請求項13の処理によって得られたセパ
    レータ材料を加圧処理するセパレータの製造方法。
  17. 【請求項17】前記加圧が0.05〜50kPa以下で
    ある請求項16に記載の製造方法。
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