JP4043624B2 - アルカリ電池用セパレータ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はアルカリ電池用セパレータ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、アルカリ電池の正極と負極とを分離して短絡を防止すると共に、起電反応を円滑に行うことができるように、これら電極間に電解液を保持できるセパレータが配置されている。
【0003】
このセパレータは水酸化カリウムなどの電解液によって侵されないことが必要であるため、耐アルカリ性に優れるポリオレフィン系繊維からなるセパレータを好適に使用できる。しかしながら、ポリオレフィン系繊維は電解液との親和性が低いため、電解液の保持性が悪いという欠点があった。
【0004】
そのため、このような欠点を解決するための手段として、ポリオレフィン系繊維からなるセパレータに対してコロナ放電処理する方法、マイクロ波放電プラズマ処理する方法、紫外線照射する方法、電子線照射する方法、低温プラズマ処理する方法或いはラジオ波を照射する方法などが提案されている。しかしながら、これらいずれの方法においても、セパレータの外側表面を改質することはできるものの、セパレータ内部を十分に改質することができないため、電解液の分布にバラツキが生じるものであった。つまり、セパレータの両表面近傍においては電解液量が多いものの、セパレータ内部においては電解液量が少ないため、過充電時における酸素吸収性が悪く、内圧特性の悪いアルカリ電池しか製造できないものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、電解液の保持性及び内圧特性の優れるアルカリ電池用セパレータ、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のアルカリ電池用セパレータ(以下、単に「セパレータ」という)は、繊維シートの外側表面及び内部に、親水性のモノマー及び/又はポリマーの重合層を有するものであり、この繊維シートの外側表面近傍における親水性のモノマー及び/又はポリマーの重合量(単位体積あたり)が、繊維シートの内部における親水性のモノマー及び/又はポリマーの重合量(単位体積あたり)の、同量以下のものである。このように親水性のモノマー及び/又はポリマーの重合層を有するため電解液の保持性に優れ、この親水性のモノマー及び/又はポリマーの重合量がセパレータ内部において多いため、内圧特性の優れるアルカリ電池を製造することができる。
【0007】
本発明のアルカリ電池用セパレータの製造方法は、対向するように配置した一対の電極(少なくとも一方の電極は対向表面に誘電体を担持している)の間に、親水性のモノマー及び/又はポリマーを担持した繊維シートを、前記電極(誘電体を担持している場合には誘電体)の両方と外側表面が接触するように配置し、前記両電極間に電圧を印加して繊維シートの内部空隙で放電を発生させて、前記親水性のモノマー及び/又はポリマーを重合させる方法である。この方法によれば、上記のセパレータを容易に製造することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のセパレータのもととなる繊維シートとしては、例えば、織物、編物、不織布、これらの複合体などがある。なお、本発明においては繊維シートを含んでいれば良く、フィルム、多孔フィルム(例えば、穴開きフィルム、凹凸構造を有するフィルムなど)、或いは発泡体などと複合一体化されているものであっても良い。これらの中でも繊維が三次元的に配置することができ、電解液の保持性のより優れる不織布を含んでいるのが好ましい。この不織布としては、例えば、乾式不織布(例えば、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、ニードルパンチ不織布、バインダ接着不織布、繊維接着不織布、水流絡合不織布など)や湿式不織布或いはこれらの複合体を使用できる。
【0009】
この繊維シートを構成する繊維としては、耐アルカリ性に優れるように、ポリオレフィン系繊維を含んでいるのが好ましく、ポリオレフィン系繊維のみからなるのがより好ましい。この好適であるポリオレフィンとしては、例えば、エチレン系樹脂(例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレンとメタクリル酸及び/又はアクリル酸との共重合体、エチレンとビニルアルコールとの共重合体など)、プロピレン系樹脂(例えば、ポリプロピレン、プロピレンと他の1種類以上のビニル化合物との共重合体)、ブテン系樹脂(例えば、ポリブテン、ブテンと他の1種類以上のビニル化合物との共重合体)、メチルペンテン系樹脂(ポリメチルペンテン、メチルペンテンと他の1種類以上のビニル化合物との共重合体など)などがある。
【0010】
また、繊維シートを構成する繊維の繊維径は特に限定するものではないが、0.1〜30μm程度が適当である。なお、繊維径が細ければ細いほど、繊維シート内部に形成される内部空隙が小さくなり、電解液の保持性が向上するため、0.1〜20μm程度であるのがより好ましい。また、繊維の断面形状が非円形である場合には、繊維断面を円形断面に換算した際の直径をその繊維の繊維径とみなす。
【0011】
なお、繊維シートを構成する繊維として、様々な特性を有するものを含んでいることができる。例えば、(1)表面積がより広く電解液の保持性を向上させることのできる繊維断面形状が非円形の繊維、(2)極板群を形成する際に、極板のバリがセパレータを突き抜けて極板同士が短絡しないようにすることのできる、引張り強さ(JIS L 1015(化学繊維ステープル試験法)によって測定した値)が5g/d以上(好ましくは7g/d以上、より好ましくは9g/d以上)の高強度繊維、(3)引張り強さや剛軟度を向上させることのできる接着繊維、などを含んでいることができる。なお、繊維径が5μm程度以下の極細繊維を発生可能な分割性繊維から極細繊維を発生させる場合には、未分割の分割性繊維を含んでいる場合もある。
【0012】
なお、繊維シートの面密度は特に限定するものではないが、引張強さが不足することなく電池の高容量化が可能であるように、30〜100g/m2であるのが好ましく、40〜80g/m2であるのがより好ましい。また、厚さは0.1〜0.3mm程度であるのが好ましい。更に、繊維シートは電解液の保持性に優れるように、95%以下の空隙率、100μm以下の平均孔径であるのが好ましく、発生したガスの透過性に優れるように、通気度0.5〜200ml/cm2・秒であるのが好ましい。なお、平均孔径は、例えば、コールターポロメーターII(コールター社製)により測定することができ、通気度はJIS L 1096(6.27.1 A法(フラジール法))に規定される方法により測定することができる。
【0013】
本発明のセパレータは、上述のような繊維シートの外側表面及び内部に、親水性のモノマー及び/又はポリマーの重合層を有するものである。この「外側表面」とは、仮想平面と接することのできる繊維シートの表面を意味し、「内部」とは、前記外側表面以外の部分を意味し、この内部には繊維が存在している。そのため、重合層は繊維シートの外側表面を構成する繊維表面、及び内部を構成する繊維表面に形成されている。
【0014】
この重合層を構成するモノマー及び/又はポリマーは、セパレータに親水性を付与できるように親水性のものからなる。例えば、水酸基、カルボキシル基、エーテル基、スルホニル基、ホスホニル基などの酸素含有官能基を含むモノマー又はポリマー、アミノ基、イミノ基、酸アミド基などの窒素含有官能基を含むモノマー又はポリマー、或いはスルホン酸基などの硫黄含有官能基を含むモノマー又はポリマーからなる。より具体的には、マレイン酸化合物(例えば、無水マレイン酸、マレイン酸ジメチルなど)、イタコン酸化合物(例えば、イタコン酸、イタコン酸ジメチルなど)、アクリルアミド化合物(例えば、アクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸など)、アクリル酸化合物(例えば、アクリル酸、メチルアクリレートなど)、メタクリル酸化合物(例えば、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、2−ヒドロキシエチルメタクリレートなど)、アリル化合物(例えば、ジアリルアミン、アリルアルコールなど)などのモノマー、或いはポリオール(例えば、ポリオキシメチレン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど)、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンイミン、ポリビニールピロリドン、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリスチレンアンモニウム塩或いは前記モノマーからなるポリマー、などのポリマーを使用できる。これらの中でもポリオールが好適であり、特にポリエチレングリコールが好適である。
【0015】
本発明のセパレータは上述のような親水性のモノマー及び/又はポリマーの重合層を有するものであるが、繊維シートの外側表面近傍における親水性のモノマー又はポリマーの重合量(単位体積あたり)が、内部における親水性のモノマー又はポリマーの重合量(単位体積あたり)の同量以下のものである。そのため、セパレータ内部においても電解液の保持性に優れているため、本発明のセパレータを使用したアルカリ電池は内圧特性の優れるものである。更には、繊維シート全体にほぼ均一に親水性のモノマー又はポリマーが重合しており、通気性も優れるため、発生したガスの透過性に優れている。なお、前記「外側表面近傍」とは外側表面とそれに連続する内部の一部をいう。
【0016】
本発明のセパレータは、セパレータ内部においても親水性のモノマー又はポリマーが強固に重合しているため、親水性の優れるものである。例えば、下記に規定する煮沸試験を実施する前の下記に規定する吸液高さ(A)と、下記に規定する煮沸試験を実施した後の下記に規定する吸液高さ(B)とが、B/A≧0.5(好ましくはB/A≧0.6、より好ましくはB/A≧0.7、更に好ましくはB/A≧0.75)の関係を満たすため、高温下で充電及び放電を行っても親水性の低下しないものである。
記
(1)吸液高さ;
アルカリ電池用セパレータ(幅:25mm)の一端から5mmまでの領域を、温度20℃±2℃に保たれた比重1.3の水酸化カリウム水溶液中に垂直に浸漬し、30分後に水酸化カリウム水溶液の上昇した高さを測定し、これを吸液高さとする
(2)煮沸試験;
アルカリ電池用セパレータを純水中で30分間煮沸した後、乾燥する
【0017】
また、実際に本発明のセパレータを使用したアルカリ電池を、下記のような充放電を600サイクル実施した後に電池を分解し、正極、負極及びセパレータの保持している電解液の重量比を計算すると、本発明のセパレータは全電解液中の15%以上(好ましくは17%以上)を保持している保持性に優れるものである。
記
温度20℃下において、充電率1Cで1.5時間充電(150%)し、終止電圧0.8ボルトになるまで放電率1Cで放電することを1サイクルとする充放電
【0018】
本発明のセパレータはセパレータ内部における電解液の保持性に優れているため、本発明のセパレータを使用したアルカリ電池を、前記のような充放電を400サイクル実施した後であっても、内圧が2kgf/cm2以下(好ましくは1.5kgf/cm2以下)の内圧特性の優れるものである。
【0019】
更には、本発明のセパレータは電解液の保持性に優れるため、前記のような充放電(温度20℃)を600サイクル実施した後であっても、初期容量の80%以上(好ましくは初期容量の85%以上、より好ましくは初期容量の90%以上)の容量を維持するものである。また、温度60℃において前記と同様の充放電を400サイクル実施した後であっても、初期容量の70%以上(好ましくは初期容量の75%以上、より好ましくは初期容量の80%以上、最も好ましくは85%以上)の容量を維持するものである。
【0020】
本発明のセパレータは電解液の保持性及び内圧特性に優れているため、例えば、アルカリマンガン電池、水銀電池、酸化銀電池、空気電池などの一次電池、ニッケル−カドミウム電池、銀−亜鉛電池、銀−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池などの二次電池のセパレータとして好適に使用できる。
【0021】
次に、本発明のセパレータの製造方法について説明する。
【0022】
まず、対向するように配置した一対の電極間に、親水性モノマー及び/又はポリマーを担持した繊維シート(以下、「担持繊維シート」という)が、前記電極(誘電体を担持している場合には誘電体)の両方と外側表面が接触するように配置する。このように両電極(誘電体を担持している場合には誘電体)と担持繊維シートの外側表面とが接触しているため、担持繊維シートの内部空隙において放電を発生させることが可能となる。なお、少なくとも一方の電極は対向表面に誘電体を担持しており、好ましくは両電極とも対向表面に誘電体を担持しているため、火花放電などを生じることなく安定して放電を発生させることができる。
【0023】
この担持繊維シートは、例えば、モノマー又はポリマーが液体である場合には、繊維シートにモノマー又はポリマーをスプレー又は塗布したり、モノマー又はポリマー液中に繊維シートを浸漬することによって得ることができ、モノマー又はポリマーが固体である場合には、適当な溶媒に溶解又は懸濁させ、繊維シートに前記溶液をスプレー又は塗布したり、前記溶液中に繊維シートを浸漬した後に溶媒のみを除去することによって、モノマー又はポリマーを繊維シートに担持させて得ることができる。
【0024】
なお、製造工程上取り扱いやすい水溶性のモノマー又はポリマーを使用するのが好ましいが、本発明においては繊維シートを構成する繊維として、疎水性の強いポリオレフィン系のものを使用するのが好ましいため、このような繊維シートに対してモノマー又はポリマーを均一に担持させるのが困難な場合がある。このような場合には、後述のような放電処理装置により放電処理して前処理をすると、繊維シート内部も均一かつ十分に処理することができ、繊維シート内部においても十分な量のモノマー又はポリマーを担持させることができるため好適である。なお、放電処理条件は後述と同様の条件であっても良いし、異なる条件であっても良い。
【0025】
なお、本発明の重合層はポリエチレングリコールの重合したものからなるのが好ましいが、このポリエチレングリコールとして、分子量が200〜2000が好ましいことが実験的に確認された。分子量が200未満であっても、2000を越えても、重合層を形成しにくく、親水性の向上があまり期待できないためである。より好ましい分子量は250〜2000である。なお、分子量はピリジン無水フタル酸法により水酸基量を測定し、単位重量あたりの水酸基数から算出することができる。
【0026】
本発明において使用することのできる放電処理装置の模式的断面図を図1〜図6に示す。
【0027】
図1の放電処理装置は誘電体2aを担持した平板状電極1aと、誘電体2bを担持した平板状電極1bとが、対向するように配置されており、これら誘電体2a、2bの両方と繊維シート5の外側表面とが接触するように繊維シート5が配置されている。これら平板状電極1a、1bに担持された誘電体2a、2bは各平板状電極1a、1bの対向側表面よりも大きいため、平板状電極1a、1b間で生じやすいスパーク放電を防止することができる。また、これら平板状電極1a、1b間に交流電圧を印加できるように、一方の平板状電極1aは交流電源4に接続され、他方の平板状電極1bはアースされている。なお、図1とは逆に、一方の平板状電極1aがアースされ、他方の平板状電極1bが交流電源に接続されていても良い。
【0028】
この平板状電極1a、1bを構成する材料は特に限定されるものではないが、比抵抗が103Ω・cm以下(好ましくは100Ω・cm以下)の導電体を用いることができ、例えば、金属(例えば、ステンレススチール、アルミニウム、タングステンなど)、導電性金属酸化物、カーボン、或いは金属粉末やカーボン粉末などの導電体とゴムとを複合した導電性ゴムなどを使用することができる。
【0029】
なお、各平板状電極1a、1bの対向側表面が、周縁から側壁にかけて曲面になっていると、各平板状電極1a、1bの側壁と各誘電体2a、2bとの間で放電が生じにくく、誘電体の損傷を抑えることができるため好適である。
【0030】
また、このような放電処理装置においては、電極によって挟まれた部分においてのみ放電が発生するため、所望の部分のみに放電を発生させることができる。例えば、一方の電極として、格子状の電極を使用すれば、その電極の形状に対応した格子状に放電を発生させることができる。したがって、親水性の高い部分と低い部分とを形成できるため、発生したガスの選択的な透過を促進させることができる。
【0031】
図1における誘電体2a、2bはスパーク放電などを生じることなく、安定して放電を発生できるように、各々の平板状電極1a、1bの対向側表面全体を被覆している。また、両平板状電極1a、1b間でスパーク放電が生じないように、各々の平板状電極1a、1bの対向側表面よりも大きく、平板状電極1a、1bの対向側表面からはみ出ている。
【0032】
なお、誘電体2a、2bは全体が非多孔質であるのが好ましいが、一部に多孔質部分を含んでいても良い。特に対向側表面に多孔質部分を含む誘電体を使用すると、この誘電体の多孔質部分においても放電が発生するため、繊維シート5の外側表面に対しても放電を作用させることができる。なお、多孔質部分が誘電体の厚さ方向に連続していると、この多孔質部分において火花放電が発生することがあるため、多孔質部分は厚さ方向に連続していないのが好ましい。
【0033】
この誘電体2a、2bを構成する材料としては、例えば、ガラス、セラミック(例えば、アルミナなど)、ゴム(例えば、シリコーンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴムなどの合成ゴム、天然ゴムなど)、或いは熱可塑性樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステルなど)を使用することができる。なお、誘電体の厚さは特に限定されるものではないが、0.05mm〜5mm程度であるのが好ましい。誘電体の厚さが0.05mm未満では機械的強度が低下し、絶縁破壊が生じやすくなり、5mmを越えると、放電させるために高い電圧が必要となるためである。
【0034】
図2の放電処理装置は、誘電体2a、2bを担持する電極として、5つの小さな円柱状電極1aと、1つの大きな円柱状電極1bとを使用したこと以外は、図1と全く同じである。このように円柱状電極を使用すると、繊維シートを損傷することなく、連続的に放電を発生させることができる。
【0035】
図3の放電処理装置は、誘電体2a、2bを担持する電極として、ベルト状電極1aと、1つの円柱状電極1bとを使用したこと以外は、図1と全く同じである。この放電処理装置も、繊維シートを損傷することなく、連続的に放電を発生させることができる。
【0036】
図4の放電処理装置は、誘電体2a、2bを担持する電極として、5つの円柱状電極1aと、ベルト状電極1bとを使用したこと以外は、図1と全く同じである。この放電処理装置も、繊維シートを損傷することなく、連続的に放電を発生させることができる。
【0037】
図5の放電処理装置は、各平板状電極の対向側表面に誘電体(以下、「対向誘電体」という)が担持されているばかりでなく、各平板状電極の側壁にも誘電体(以下、「側壁誘電体」という)が担持されていること以外は、図1と全く同じである。この放電処理装置は側壁誘電体3a、3bを担持していることにより、各平板状電極1a、1bの側壁と各対向誘電体2a、2bとの間における放電を防止することができる。なお、この側壁誘電体3a、3bを構成する材料は対向誘電体2a、2bと同様の材料から構成することができる。また、対向誘電体2a、2bと側壁誘電体3a、3bとは同じ材料から構成されている必要はなく、異なる種類の材料から構成されていても良い。更に、対向誘電体2a、2bと側壁誘電体3a、3bとが分離した状態にあっても、一体化された状態にあっても良い。
【0038】
図6の放電処理装置は、各対向誘電体2a、2bとしてベルト状のものを使用していること以外は、図5と全く同じである。この放電処理装置は各平板状電極1a、1bの側壁と各対向誘電体2a、2bとの間における放電を防止することができ、しかも繊維シートを損傷することなく、連続的に放電を発生させることができる。
【0039】
このように対向した一対の電極の間に担持繊維シートの外側表面が両電極(誘電体を担持している場合には誘電体)と接触するように配置した状態で、電極間に交流電圧を印加し、繊維シートの内部空隙で放電を発生させて、親水性のモノマー又はポリマーを重合させる。
【0040】
この対向した一対の電極の間に担持繊維シートの外側表面が両電極と接触するように配置した状態とは、電極(誘電体を担持している場合には誘電体)と繊維シートとを密着させ、電極(誘電体を担持している場合には誘電体)と繊維シートの外側表面との間に実質的に空間が形成されていない状態である。このような状態にすることにより、繊維シートの内部空隙において効率的に放電を発生させることができる。
【0041】
この電極間に印加する交流電圧は、電極間の距離(誘電体を含む)やガスの種類に依存するため限定することはできないが、放電が生じやすいように、0.25KVp以上であるのが好ましく、0.5KVp以上であるのがより好ましい。
なお、単位「KVp」は交流電圧の最大値ピークから0までの電圧差を示す。他方、交流電圧の上限は繊維シートに損傷が生じない電圧であれば良く、限定されるものではない。
【0042】
前記交流電圧の周波数は0.1KHz〜100KHzであるのが好ましい。周波数が0.1KHz未満であると、放電効率が低下する傾向があり、100KHzを越えると、誘電加熱により繊維シートが加熱状態となって破壊される恐れがあるためで、好ましくは0.5KHz〜50KHz、より好ましくは1KHz〜50KHzである。
【0043】
また、印加電圧の波形は、例えば、正弦波、三角波、矩形波、或いはパルス波などを挙げることができる。これらの中でもパルス波は発熱や火花放電を抑制し、繊維シートを損傷しにくいため好適である。特に、図5に示すような放電処理装置を用い、繊維シートを移動させながら放電を発生させる場合には、繊維シートの損傷を抑えることができるように、立ち上がりの速い(1マイクロ秒以下)パルス波が好適である。そのため、インパルス電源やパルス電源を使用するのが好ましい。なお、立ち上がり時間は基準電圧から第1のピーク電圧の90%に到達するまでの時間をいう。また、印加電圧の極性も特に限定されるものではなく、単極性電圧を使用することもできるし、両極性電圧を使用することもできるが、処理効率が高い点で両極性電圧を使用するのが好ましい。
【0044】
なお、図1、図3、図5及び図6に示すように、一対の電極により繊維シートを一定の領域で挟んで放電処理する場合には、均一に放電処理でき、しかもアーク放電が生じることがないように、1cm2あたりの出力が0.01〜5Wであるのが好ましい。また、図2及び図4に示すように、一対の電極により繊維シートを線状に挟んで放電処理する場合には、1cmあたりの出力が0.1〜9Wであるのが好ましく、0.1〜6Wであるのがより好ましい。なお、繊維シートを線状に挟んで放電処理する場合であって、複数本の電極を使用する場合には、上記の出力は電極1本あたりの値を意味する。
【0045】
このような交流電圧の印加は、大気圧下、酸素の存在下(例えば、空気の存在下など)で実施することもできるし、大気圧下、酸素の不存在下(例えば、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス存在下など)で実施することもできるが、作業性の点で、前者の大気圧下、酸素の存在下で実施するのが好ましい。なお、減圧下で実施しても良い。また、酸素の不存在下で実施する場合には、例えば不活性ガスを供給できる手段(例えば、パイプなど)や、不活性ガスを滞留させることのできる手段(例えば、チャンバーなど)を備えているのが好ましい。
【0046】
本発明における交流電圧の印加時間、つまり電極間に電圧を印加して繊維シートの内部空隙で放電を発生させる時間は、特に限定されるものではないが、大気圧下、酸素の存在下で実施する場合、0.5〜10分であるのが好ましく、2〜5分であるのがより好ましい。
【0047】
このように交流電圧を電極間に印加して、繊維シートの内部空隙で放電を発生させるため、繊維シートの電極(誘電体を担持している場合には誘電体)と接触している外側表面は放電が作用しにくい傾向がある。しかしながら、繊維シートの外側表面の面積は繊維シートの内部を構成する繊維の総表面積からみれば非常に小さいため、繊維シートの外側表面及び内部が実質的に処理され、モノマー又はポリマーの重合層が形成されると考えられる。このように、繊維シートの外側表面と内部における放電処理の程度が異なるため、繊維シートの外側表面近傍におけるモノマー又はポリマーの重合量は内部における重合量の同量以下となる。
【0048】
前述の方法は担持繊維シートに放電を作用させる方法であるが、親水性のモノマー又はポリマーを担持していない繊維シートに前述と同様の方法により放電を作用させた後に、親水性のモノマー又はポリマーと接触させても、繊維シートの外側表面近傍における親水性のモノマー及び/又はポリマーの重合量(単位体積あたり)が、繊維シートの内部における親水性のモノマー及び/又はポリマーの重合量(単位体積あたり)の同量以下のセパレータを製造することができる。
【0049】
以下に、本発明のセパレータについて実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0050】
【実施例】
(実施例1)
繊維シートとして、ポリプロピレンと高密度ポリエチレンとからなる分割性繊維を湿式抄造した後、水流により絡合すると同時に分割性繊維をポリプロピレン極細繊維(繊維径:3.6μm、略三角形断面)と高密度ポリエチレン極細繊維(繊維径:3.5μm、略三角形断面)とに分割した不織布(空隙率:70%、平均孔径:7μm、厚さ:0.2mm、面密度60g/m2)を3枚用意した。
なお、この不織布3枚を積層した時の通気度は5.56ml/cm2・秒であった。
【0051】
放電処理装置として、図1に示すような、対向誘電体2a、2bとして、全体が非多孔質のポリテトラフルオロエチレンシート(大きさ:180mm×350mm、厚さ:0.1mm)をそれぞれ担持した、ステンレス板(150mm×300mm)からなる平板状電極1a、1bが対向するように配置されたものを用意した。なお、一方の平板状電極1aは正弦波電源4に接続し、他方の平板状電極1bはアースした。
【0052】
次いで、この放電装置の対向誘電体2a、2b間に、前記不織布を3枚重ねた積層体を、両対向誘電体2a、2bと積層体の両外側表面が接触するように配置し、大気圧下かつ空気の存在下で、平板状電極1a、1b間に正弦波交流電圧(交流電圧:10KVp、周波数:20KHz、出力:800W)を3分間印加することにより積層体の内部空隙で放電を発生させ、積層体を親水化処理した。
【0053】
次いで、前記親水化処理した積層体を8%ポリエチレングリコール(分子量:1000)水溶液中に浸漬した。次いで、積層体を引き上げ、浸漬前の積層体の重量に対して3倍量のポリエチレングリコール水溶液が付着するように絞った後、60℃で乾燥した。そして、このポリエチレングリコールが付着した積層体を前記親水化処理と同じ条件で放電を作用させた後、積層体を60℃の温水により30分間、2回洗浄し、乾燥した。この積層体を各々の不織布に分離して重量を測定したところ、中央に存在していた不織布は重量が5g/m2増加したのに対して、両表面に存在していた不織布は重量が4.7g/m2増加しており、表面近傍よりも内部に多くのポリエチレングリコールが重合していることが判明した。
【0054】
(実施例2)
繊維シートとして、ポリプロピレンと高密度ポリエチレンとからなる分割性繊維を湿式抄造した後、水流により絡合すると同時に分割性繊維をポリプロピレン極細繊維(繊維径:3.6μm、略三角形断面)と高密度ポリエチレン極細繊維(繊維径:3.5μm、略三角形断面)とに分割した不織布(空隙率:80%、平均孔径:9μm、通気度15.3ml/cm2・秒、厚さ:0.3mm、面密度:75g/m2)を用意した。
【0055】
次いで、放電処理装置として実施例1と同じものを用い、放電装置の対向誘電体2a、2b間に、前記不織布の両外側表面が両対向誘電体2a、2bと接触するように配置し、大気圧下かつ空気の存在下で、平板状電極1a、1b間に正弦波交流電圧(交流電圧:3KVp、周波数:12.5KHz、出力:800W)を3分間印加することにより、不織布の内部空隙で放電を発生させて、不織布を親水化処理した。
【0056】
次いで、前記親水化処理した不織布を実施例1と全く同様に、ポリエチレングリコール水溶液中への浸漬、ポリエチレングリコール水溶液の付着量の調整、乾燥、放電処理、洗浄及び乾燥して、本発明のセパレータを製造した。このセパレータは重量が8%増加(ポリエチレングリコール量)していた。
【0057】
(比較例1)
実施例2と同様に形成した不織布(親水化処理なし)を、実施例1と全く同様に、ポリエチレングリコール水溶液中への浸漬、ポリエチレングリコール水溶液の付着量の調整及び乾燥して、ポリエチレングリコールが付着した不織布を製造した。次いで、このポリエチレングリコールが付着した不織布を、常法のグロー放電装置により放電処理(圧力:1torr、周波数:13.56MHz、単位面積あたりの出力:0.5W/cm2)を1分間実施した。次いで、この放電処理した不織布を60℃の温水により30分間、2回洗浄し、乾燥してセパレータを製造した。このセパレータは重量が8%増加(ポリエチレングリコール量)していた。
【0058】
(比較例2)
実施例2と全く同様にして製造したポリエチレングリコールが付着した不織布(ポリエチレングリコール付着後に放電処理を実施していない)をセパレータとした。このセパレータは重量が8%増加(ポリエチレングリコール量)していた。
【0059】
(比較例3)
実施例2と全く同様にして親水化処理のみを実施した不織布(ポリエチレングリコールの付着及びポリエチレングリコール付着後の放電処理を実施していない)をセパレータとした。
【0060】
(常温における電池寿命試験)
セパレータとして実施例2及び比較例1〜3のものを、正極として水酸化ニッケルを発泡ニッケル支持体に充填したものを、負極として水素吸蔵合金(メッシュメタルMmNi5型)を発泡ニッケル支持体に充填したものを、そして電解液として7.2N水酸化カリウム/1N水酸化リチウム水溶液5gを、それぞれ使用して、円筒型ペースト・ペースト式密閉ニッケル水素電池(電池容量:1750mAh)を作製した。実施例2のセパレータは電解液の吸収性が良好で電池作製時における作業性に優れていた。
【0061】
次いで、20℃の恒温槽中で、前記電池を充電率1Cで1.5時間(150%)充電し、終止電圧0.8ボルトになるまで放電率1Cで放電することを1サイクルとする充放電を5サイクル実施して、電池を活性化させた(初期)。次いで、20℃の恒温槽中で、上記と同じ充放電を600サイクル実施した。その時の容量の初期容量に対する比率を算出した結果は表1に示す通りであった。このように、本発明のセパレータは容量維持率の優れるものであった。
【0062】
【表1】
【0063】
(高温における電池寿命試験)
60℃の恒温槽中において実施したこと以外は上記(常温における電池寿命試験)と全く同様にして、充放電を400サイクル実施した。その時の容量の初期容量に対する比率を算出した結果は表1に示す通りであった。このように、本発明のセパレータは高温においても容量維持率の優れるものであった。
【0064】
(電解液の保持性)
上記のような(常温における電池寿命試験)を実施した後に電池を分解し、すぐに正極、負極及びセパレータに分離して、それぞれの重量を測定した。次いで、それぞれを乾燥して水分を除去した後、重量を測定した。この重量の減少分の総和が全電解液重量であるとみなし、セパレータに保持されていた電解液の百分率を算出した。この結果は表1に示す通りであった。このように、本発明のセパレータは電解液の保持性に優れていることがわかった。
【0065】
(煮沸前後の吸液高さ)
実施例2及び比較例1〜3のセパレータ(幅:25mm)の一端から5mmまでの領域を、温度20℃±2℃に保たれた比重1.3の水酸化カリウム水溶液中に垂直に浸漬し、30分後に水酸化カリウム水溶液の上昇した高さを測定し、これを吸液高さとした(煮沸前吸液高さ)。
【0066】
また、実施例2及び比較例1〜3のセパレータを純水中で30分間煮沸し、乾燥した後に、上記と同様にして水酸化カリウム水溶液の上昇した高さを測定し、これを吸液高さとした(煮沸後吸液高さ)。これらの結果は表1に示すとおりであった。このように、本発明のセパレータは高温においても親水性が低下しない、寿命の長い電池を製造できることがわかった。
【0067】
(電池内圧の測定)
前述の(常温における電池寿命試験)と同様に製造した円筒型ペースト・ペースト式密閉ニッケル水素電池に内圧センサーを繋いだ後、前述の(常温における電池寿命試験)と同様にして充放電を400サイクル実施した後に、過充電時における電池内圧の最大値を測定した。この結果は表1に示すとおりであった。このように、本発明のセパレータは内圧特性の優れるものであった。
【0068】
(セパレータの経時変化)
実施例2及び比較例1〜3のセパレータを温度20℃、湿度65%の室内に60日間放置した。その後、上述の(煮沸前後の吸液高さ)と同様にして、水酸化カリウム水溶液の上昇した高さを測定した。この結果は表1に示す通りであった。このように、本発明のセパレータは経時劣化のない、品質の安定したものであることがわかった。
【0069】
(実施例3)
実施例2と同様に親水化処理した不織布を8%ポリエチレングリコール(分子量:3000)水溶液中に浸漬したこと以外は、実施例2と全く同様にしてセパレータを製造した。このセパレータは重量が0.5%増加(ポリエチレングリコール量)していた。
【0070】
(実施例4)
実施例2と同様に親水化処理した不織布を8%ポリエチレングリコール(分子量:300)水溶液中に浸漬したこと以外は、実施例2と全く同様にしてセパレータを製造した。このセパレータは重量が3%増加(ポリエチレングリコール量)していた。
【0071】
(実施例5)
実施例2と同様に親水化処理した不織布を8%ポリエチレングリコール(分子量:200)水溶液中に浸漬したこと以外は、実施例2と全く同様にしてセパレータを製造した。このセパレータは重量が0.2%増加(ポリエチレングリコール量)していた。
【0072】
(実施例6)
実施例2と同様に親水化処理した不織布を8%ポリエチレングリコール(分子量:100)水溶液中に浸漬したこと以外は、実施例2と全く同様にしてセパレータを製造した。このセパレータは重量が0.05%増加(ポリエチレングリコール量)していた。
【0073】
実施例2〜6からポリエチレングリコールとして、分子量200〜2000程度のものを使用すると重合量が多く、親水性に優れていることがわかった。なお、実施例2〜6においては濃度8%の水溶液を使用しているが、濃度が1〜20%程度の範囲内において同様の傾向があった。
【0074】
【発明の効果】
本発明のアルカリ電池用セパレータは電解液の保持性及び内圧特性の優れるものである。また、本発明のアルカリ電池用セパレータの製造方法によれば、電解液の保持性及び内圧特性に優れるセパレータを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で使用できる放電処理装置の模式的断面図
【図2】 本発明で使用できる別の放電処理装置の模式的断面図
【図3】 本発明で使用できる更に別の放電処理装置の模式的断面図
【図4】 本発明で使用できる更に別の放電処理装置の模式的断面図
【図5】 本発明で使用できる更に別の放電処理装置の模式的断面図
【図6】 本発明で使用できる更に別の放電処理装置の模式的断面図
【符号の説明】
1a、1b 電極
2a、2b 対向誘電体
3a、3b 側壁誘電体
4 交流電源
5 繊維シート
Claims (5)
- 繊維シートの外側表面及び内部に、親水性のモノマー及び/又はポリマーの重合層を有するアルカリ電池用セパレータであり、この繊維シートの外側表面近傍における親水性のモノマー及び/又はポリマーの重合量(単位体積あたり)が、繊維シートの内部における親水性のモノマー及び/又はポリマーの重合量(単位体積あたり)の、同量以下であることを特徴とするアルカリ電池用セパレータ。
- 親水性のポリマーがポリエチレングリコールであることを特徴とする、請求項1記載のアルカリ電池用セパレータ。
- 対向するように配置した一対の電極(少なくとも一方の電極は対向表面に誘電体を担持している)の間に、親水性のモノマー及び/又はポリマーを担持した繊維シートを、前記電極(誘電体を担持している場合には誘電体)の両方と外側表面が接触するように配置し、前記両電極間に電圧を印加して繊維シートの内部空隙で放電を発生させて、前記親水性のモノマー及び/又はポリマーを重合させることを特徴とする、アルカリ電池用セパレータの製造方法。
- 親水性のポリマーが分子量200〜2000のポリエチレングリコールであることを特徴とする、請求項3記載のアルカリ電池用セパレータの製造方法。
- 親水性のモノマー及び/又はポリマーを担持させる前の繊維シートを、対向するように配置した一対の電極(少なくとも一方の電極は対向表面に誘電体を担持している)の間に、前記電極(誘電体を担持している場合には誘電体)の両方と外側表面が接触するように配置し、前記両電極間に電圧を印加して繊維シートの内部空隙で放電を発生させて、前記繊維シートを前処理することを特徴とする、請求項3又は請求項4のいずれかに記載のアルカリ電池用セパレータの製造方法。
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