JP2002083582A - 2次電池用セパレータ及びその製造方法 - Google Patents

2次電池用セパレータ及びその製造方法

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JP2002083582A
JP2002083582A JP2000270390A JP2000270390A JP2002083582A JP 2002083582 A JP2002083582 A JP 2002083582A JP 2000270390 A JP2000270390 A JP 2000270390A JP 2000270390 A JP2000270390 A JP 2000270390A JP 2002083582 A JP2002083582 A JP 2002083582A
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polyolefin
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JP2000270390A
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Minoru Suezaki
穣 末崎
Motokazu Yuasa
基和 湯浅
Takuya Yara
卓也 屋良
Juichi Kamei
寿一 亀井
Masaki Yamazaki
正樹 山崎
Hidehiko Funaoka
英彦 船岡
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Sekisui Chemical Co Ltd
Tapyrus Co Ltd
Original Assignee
Tonen Tapyrus Co Ltd
Sekisui Chemical Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカリ電解液の保持性および充電時に正極
より発生する酸素ガスの透過性に優れ、しかも渦巻電極
体を作製する際の巻回時において必要な実用強度が保持
されたアルカリ2次電池用セパレータとその製造方法の
提供。 【解決手段】 アルカリ2次電池用セパレータであっ
て、繊維径1〜10μm、目付重量20〜100g/m
、厚み50〜300μm、フラジール法による通気度
1〜50cc/cm/sec、引張強度0.2〜10
kg/5cmの範囲にあるポリオレフィン系不織布を基
材として成形され、そのポリオレフィン系不織布基材の
表面が、硫黄酸化物ガス雰囲気の大気圧近傍下で行われ
る放電プラズマ処理により親水化されてなる2次電池用
セパレータ及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ電解液を
用いるアルカリ2次電池用セパレータ及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】アルカリ2次電池は、充放電特性、過充
電過放電特性に優れ、長寿命で繰り返し使用できるた
め、小型軽量化の著しいエレクトロニクス機器に広く使
用されている。また、近年、高エネルギー密度であるこ
とを生かして、電気自動車(EV)用バッテリーや、電
気モーター駆動をガソリンエンジンの補助駆動装置とし
て用いるハイブリッド車(HEV)の電源として利用が
始まっている。このようなアルカリ2次電池の特性は、
その電池セパレータの特性にも大きく依存している。
【0003】アルカリ2次電池用セパレータには、一般
に、次の性能が必要とされている。 (1)正極と負極を物理的に隔離すること。 (2)短絡を防ぐための電気的絶縁性を持つこと。 (3)耐電解液性を持つこと。 (4)耐電気化学的酸化性を持つこと。 (5)電解液を含んだ状態で低い電気抵抗を示すこと。 (6)電解液に対して濡れ易く、電解液保持性が大きい
こと。 (7)渦巻電極体を作製する際の渦巻時の引張張力に耐
え得る強度、剛性を持つこと。 (8)電池にとって有害物質を出さないこと。 (9)充電時に正極より発生する酸素ガス透過性に優れ
ていること。 (10)正極と負極との微小短絡を防ぐため、突刺し強
度が備わっていること。
【0004】そして、以上のような性能が必要とされる
アルカリ2次電池用セパレータとしては、従来、ポリア
ミド製の繊維からなる不織布シートや親水性を付与した
ポリオレフィン製の繊維からなる不織布シートが用いら
れている。
【0005】ポリオレフィン製の繊維からなる不織布シ
ートに親水性を付与する方法としては、例えば、ポリオ
レフィン製不織布を界面活性剤により処理する方法(特
開昭53−8372号公報)、ポリオレフィン不織布の
表面にアクリル酸等の親水性モノマーをグラフト共重合
処理する方法(特開昭54−13939号公報)、ポリ
オレフィン系不織布の表面をアクリル酸等をグラフト共
重合し、さらに濃硫酸等で処理してスルホン基を導入す
る方法(特開昭55−105962号公報)、ポリオレ
フィン不織布の表面をポリビニルアルコール等の親水性
ポリマーにより被覆する方法(特開昭56−13276
8号公報)、コロナ処理又はプラズマ処理する方法(特
開昭54−135328号、同60‐211764号、
特開平2−132757号の各公報)などが提案されて
いる。これらの中ではその親水効果としては、スルホン
化方法やグラフト処理する方法が好ましいとされてい
た。
【0006】しかしながら、ポリオレフィン製不織布の
スルホン化は、主として化学処理等で行われ、濃硫酸や
発煙硫酸等の腐食性の薬品を使用するので、多大の設備
と処理液の廃棄のための工程を必要とする。また、親水
化処理に伴い、ポリオレフィンの炭素−炭素結合が切れ
ることにより、繊維の脆化が大きいため、渦巻状電極体
の作製に際しての巻回時の強度低下や充放電中における
短絡が発生しやすくなり、さらに、脆化によって生じる
不純物が貯蔵中の電池の容量保持率の低下を引き起こし
やすくなる(例えば、特開平6−052843号公
報)。
【0007】また、親水性ビニルモノマーをグラフト重
合したものは、セパレータの親水性を長期間、持続する
ことはできるが、アルカリ電解液が繊維内部まで、侵入
してセパレータが膨潤するため、セパレータの多孔度が
低下し、ガスの透過性が低下する結果、充電末期に正極
で発生する酸素を効率よく負極に導くことができなくな
るという問題がある(特開平7−6745号公報)。
【0008】一方、電池の性能向上の試みとして、セパ
レータを薄くして、これによって生じる電池内の空間を
活物質の充填に充て、エネルギー密度を向上させること
が検討されている。しかし、セパレータを単純に薄くす
ると、絶縁性が低下し、微少短絡が起き易くなる。特
に、EV用、HEV用のバッテリーユニットのごとき、
製造時、使用時に非常に高い信頼性が要求される用途で
は、エネルギー密度の向上によるバッテリーユニットの
小型化、低コスト化を行う上での重大な課題となってい
る。
【0009】このようなセパレータの薄型化に伴う微少
短絡を防ぐ方法としては、繊維径を細くしてセパレータ
を構成する繊維本数を増加し、セパレータの空孔径を微
細化・均一化し短絡を防止する方法が考えられる。具体
的には、細い繊維で構成されていることが知られている
メルトブロー法によるポリオレフィン系不織布、あるい
は、極細繊維を使用した湿式法によるポリオレフィン系
不織布が最適と考えられる。
【0010】しかしながら、繊維径が細い不織布は従来
の繊維径の大きな不織布に比較して相対的に強度が低
く、さらに、スルホン化等の化学処理によって親水性を
付与すると繊維脆化がさらに進行し、渦巻電極体を作製
する際の巻回時において必要な実用強度が得られないと
いう問題がある。
【0011】従来の発煙硫酸等を使用するスルホン化処
理では、スルホン化反応の進行を制御することが難し
く、過度および部分的なスルホン化による樹脂の改質、
分子鎖の切断により、不織布繊維に対する強度の低下が
著しかった。また、このようなスルホン化反応は、繊維
表面から内部に進行するため、繊維径が細くなれば細く
なるほど強度低下の割合が大きく、極細繊維不織布の使
用を制約する要因となっている。
【0012】これらの問題を解決するものとして、メル
トブロー法あるいは湿式法による極細繊維不織布と、ス
パンボンド不織布や短繊維不織布といった比較的強度の
高い不織布を積層一体化したセパレータが挙げられる
が、積層一体化を圧着または接着剤により行ったもの
は、同じ目付重量のメルトブロー法あるいは湿式法によ
る不織布単体と比較して、強度、通気性については良好
の値が得られるが、電解液の保持性に劣り、液涸れ等に
より寿命が短いという問題がある(例えば特開平5−1
74806号公報)。また、高圧水の噴射によって積層
一体化したものは、メルトブロー不織布に貫通孔が形成
されてしまい、最大孔径が拡大してしまうため、活物質
の移動を完全に防止ずることができない(特開平7−1
30392号公報)。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な実状に鑑みて、アルカリ電解液の保持性および充電時
に正極より発生する酸素ガスの透過性に優れ、しかも渦
巻電極体を作製する際の巻回時において必要な実用強度
が保持されたアルカリ2次電池用セパレータとその製造
方法の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため、鋭意研究をすすめた結果、特定の物
性を有する不織布を硫黄酸化物ガス雰囲気に大気圧近傍
下で放電プラズマ処理によって、不織布表面をスルホン
化し、親水性を付与することにより、電解液の保持性、
酸素ガスの透過性に優れ、強度が保持されたアルカリ2
次電池用セパレータが得られることを見出し、本発明を
完成させた。
【0015】すなわち、本発明の第1(請求項1の発
明)は、アルカリ2次電池用セパレータであって、繊維
径1〜10μm、目付重量20〜100g/m、厚み
50〜300μm、フラジール法による通気度1〜50
cc/cm/sec、引張強度0.2〜10kg/5
cmの範囲にあるポリオレフィン系不織布を基材として
形成され、そのポリオレフィン系不織布基材の表面が、
硫黄酸化物ガス雰囲気の大気圧近傍下で行われる放電プ
ラズマ処理により親水化されてなることを特徴とする2
次電池用セパレータである。
【0016】また、本発明の第2(請求項2の発明)
は、親水化されたポリオレフィン系不織布基材表面の硫
黄原子の存在量が、X線電子分光測定による測定値で1
〜10原子%であることを特徴とする第1の発明に記載
の2次電池用セパレータである。
【0017】また、本発明の第3(請求項3の発明)
は、アルカリ電解液を含浸させた状態でのセパレータを
挟んだ電極間の抵抗が60Ω.cm以下であることを
特徴とする第1又は2の発明に記載の2次電池用セパレ
ータである。
【0018】また、本発明の第4(請求項4の発明)
は、互いに対向する一対の電極で構成され、その一方ま
たは双方の電極の対向面が固体誘電体で被覆されてなる
対向電極を、硫黄酸化物ガス雰囲気の大気圧近傍下に配
置し、その対向電極間に、繊維径1〜10μm、目付重
量20〜100g/m、厚み50〜300μm、フラ
ジール法による通気度1〜50cc/cm/sec、
引張強度0.2〜10kg/5cmの範囲にあるポリオ
レフィン系不織布基材を配置した状態で、対向電極間
に、パルス立ち上がり時間が20μsec以下、パルス
継続時間が1〜50μsec、周波数が1〜20kH
z、電界強度が20〜200kV/cmのパルス電圧を
印加することにより、ポリオレフィン系不織布基材に大
気圧放電プラズマ処理を施すことを特徴とする2次電池
用セパレータの製造方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明のアルカリ2次電池用セパ
レータは、極細繊維からなり、かつ高強度を有するポリ
オレフィン系不織布を基材とし、大気圧放電プラズマ法
によって、その基材表面が硫黄酸化物ガスでスルホン化
されて、親水化されているアルカリ2次電池用セパレー
タである。
【0020】硫黄酸化物ガス雰囲気の大気圧近傍下で行
われる放電プラズマ処理によるスルホン化は、不織布構
造の内部にまで浸透し、かつスルホン化反応は、単繊維
の表面領域において高密度に起こる。また、反応は、プ
ラズマ放電の発生領域内に限定され、さらに、電圧、電
流、周波数等の物理的なパラメーターにより制御できる
ため、反応の進行を容易に調節できる。これにより、単
繊維の内部に向けて、過度な、あるいは部分的な反応が
進行しにくく、繊維強度の低下を最小限に抑えることが
できる。これにより、極細繊維不織布を使用しながら、
ほとんど強度低下がなく実用強度を保った親水化セパレ
ータを得ることが可能となる。
【0021】また、該ポリオレフィン不織布の基材表面
の硫黄原子の存在量は、X線電子分光測定による測定値
で1〜10原子%であることが好ましい。硫黄原子の存
在量が、低すぎると親水性が低くなり、電池に必要な電
解液を保液せず、電池性能が低下することがあるため、
最低でも1原子%であることが必要で、より好ましくは
3原子%以上が良い。逆に、硫黄原子の存在量が10原
子%を超えて高くしようとすると、ポリオレフィン系不
織布の構造体としての強度が低下することがある。
【0022】次に、本発明の2次電池用セパレータの基
材であるポリオレフィン系不織布の樹脂材料及び物性に
ついて、以下に詳細に説明する。
【0023】本発明で用いるポリオレフィン系不織布の
ポリオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレ
ン、ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のオレフィン
のホモポリマー又はコポリマーが挙げられる。コポリマ
ーとしては、エチレン、プロピレン等と炭素数4〜20
のα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。これらの
ポリマーは単独、もしくは2種以上を混合して用いるこ
とも可能である。また、発明を損なわない範囲で目的に
応じて他の樹脂を混入してもよい。
【0024】本発明に用いるポリオレフィン系不織布の
繊維径は、1〜10μmの範囲とされ、好ましくは1〜
5μmの範囲である。繊維径が10μmを超えるとショ
ートの危険性が高まり、逆に、繊維径が1μmに満たな
いと、アルカリ2次電池用セパレータにふさわしい強度
が得られない。
【0025】また、ポリオレフィン系不織布の目付重量
は、20〜100g/mの範囲とされ、好ましくは、
40〜80g/mの範囲である。目付重量が20g/
未満では、繊維密度が粗となり過ぎ、電極間のショ
ートが発生し易く、100g/mを超えると繊維密度
が密になり過ぎ、電解液の保液量が低下して電池寿命が
短くなる。
【0026】また、ポリオレフィン系不織布の厚さは、
50〜300μmの範囲とされる。厚さが50μm未満
では、耐ショート性が不十分となり、300μmを超え
ると電池の内部抵抗が大きくなり、充放電特性が劣化す
る。
【0027】ポリオレフィン系不織布のフラジール法に
よる通気度は、1〜50cc/cm /secの範囲と
される。通気度が1cc/cm/sec未満では、電
極上で発生するガスの透過性が不十分となり、50cc
/cm/secを超えると、電極間のショートが発生
し易くなる。
【0028】さらに、ポリオレフィン系不織布の引張強
度は、0.2〜10kg/5cmの範囲とされ、好まし
くは0.5〜8kg/5cmである。引張強度が0.2
kg/5cm未満では電池製造時の機械張力に対して破
断し易く、生産性が低下する。また、10kg/5cm
を超える強度は、本特許の繊維径、目付重量、厚さの範
囲では実質的に作製が困難となる。
【0029】本発明の上記の物性を有するポリオレフィ
ン系不織布の製造方法は、公知のメルトブロー法、スパ
ンボンド法、サーマルボンド法、湿式法等の方法により
得ることができる。特に、極細繊維からなり、高強度で
ある本発明の物性を有するポリオレフィン系不織布は、
具体的には、複数個配列されたオリフィスダイから溶融
ポリマーを吐出するとともにオリフィスダイに隣接して
配置した噴射ガス口から高速ガスを噴射させてポリマー
を細繊維化し、その細繊維化された繊維をエアーサッカ
ー等でさらに延伸するというメルトブロー法とスパンボ
ンド法とを組み合わせた方法で得られる。
【0030】さらに、本発明のポリオレフィン系不織布
は、複数枚の不織布を積層することにより、前述の目付
重量、通気度、厚さの不織布を形成してもよく、また、
本発明を損なわない範囲で目的に応じて他の樹脂を用い
た不織布や、他の製法による不織布や微多孔膜を積層し
てもよい。
【0031】そして、本発明においては、以上のような
ポリオレフィン系不織布基材を、アルカリ電解液を用い
る2次電池用セパレータとして使用できるようにするた
め、ポリオレフィン系不織布基材をスルホン化して親水
性を付与し、カレンダー加工によりセパレータとしての
厚みを揃えてアルカリ2次電池用セパレータとする。そ
の親水化処理の実施時期は、カレンダー加工の前あるい
は加工後のいずれであってもよい。
【0032】ポリオレフィン系不織布をスルホン化し、
親水性を付与する方法として、本発明では、ポリオレフ
ィン系不織布基材を、硫黄酸化物ガス雰囲気の大気圧近
傍下において大気圧放電プラズマ処理するという方法を
採用する。
【0033】より具体的に説明すると、本発明の2次電
池用セパレータの製造方法は、互いに対向する一対の電
極で構成され、その一方または双方の電極の対向面が固
体誘電体で被覆されてなる対向電極を、硫黄酸化物ガス
雰囲気の大気圧近傍下に配置し、その対向電極間に、繊
維径1〜10μm、目付重量20〜100g/m、厚
み50〜300μm、フラジール法による通気度1〜5
0cc/cm/sec、引張強度0.2〜10kg/
5cmの範囲にあるポリオレフィン系不織布基材を配置
した状態で、対向電極間に、パルス立ち上がり時間が2
0μs以下、パルス継続時間が1〜50μs、周波数が
1〜20kHz、電界強度が20〜500kV/cmの
パルス電圧を印加することにより、ポリオレフィン系不
織布基材に大気圧放電プラズマ処理を施して、基材表面
をスルホン化し、親水化する。
【0034】なお、本発明において、大気圧近傍の圧力
とは、13.3〜106.4kPaの圧力を言い、中で
も、圧力調整が容易で装置構成が簡単となる93.1〜
103.74kPaの範囲が好ましい。
【0035】本発明の製造方法において、対向電極間に
パルス電圧を印加しているのは、対向電極間にパルス電
圧を印加することにより、対向電極間に生じる放電がグ
ロー放電からアーク放電に移行する前に放電を止め、再
び放電を開始するというサイクルを実現し、これにより
放電プラズマを安定して発生することができるという理
由による。
【0036】対向電極の材質としては、例えば、銅、ア
ルミニウム等の金属単体、ステンレス、真鍮等の合金、
金属間化合物からなるものが挙げられる。
【0037】対向電極は、電界集中によるアーク放電の
発生を避けるために、対向電極間の距離が略一定となる
構造であり、かつ、平面および/又は曲面で構成され、
先鋭な角を有さない構造が好ましい。例えば、平行平板
型、双曲面対向平板型、同軸円筒型、円筒対向円筒型構
造等が挙げられる。
【0038】対向電極の電極対向面の一方または双方に
は、固体誘電体を設けておく。この際、固体誘電体によ
って覆われずに電極同士が直接対向する部分があると、
そこからアーク放電が生じやすくなるため、固体誘電体
はこれを設置する側の電極に密着し、かつ、接する電極
の対向面を完全に覆うようにする。
【0039】固体誘電体としては、例えば、プラスチッ
ク、ガラス、金属酸化物、複酸化物等が挙げられる。ま
た、固体誘電体の形状は、シート状でもフィルム状でも
よいが、厚みが0.05〜4mmであることが好まし
い。厚すぎると、放電プラズマを発生するのに高電圧を
要すことがあり、薄すぎると電圧印加時に絶縁破壊が起
こりアーク放電を発生することがある。
【0040】対向電極の電極間距離は、固体誘電体の厚
さ、印加電圧の大きさ等を考慮して適宜決定されるが、
0.5〜10mmであることが好ましい。0.5mm未
満では、電極間距離が小さく、基材と電極の接触により
基材表面にほつれが生じるような不具合が発生し易い。
また、10mmを超えると均一な放電プラズマを発生さ
せにくい。
【0041】本発明の製造方法において、対向電極間に
印加するパルス電圧のパルス波形は、特に限定されるも
のではないが、図1(A)、(B)に例示するようなイ
ンパルス型や、(C)に例示するような方形波型、
(D)に例示するような変調型等を用いることができ
る。なお、図1には電圧印加が正負の繰り返しであるも
のを例示したが、正または負のいずれかの極性側に電圧
を印加する、いわゆる片波状の波形を用いても良い。
【0042】本発明の製造方法において、対向電極間に
印加するパルス電圧は、パルスの立ち上がり時間が短い
ほど、プラズマ発生の際の硫黄酸化物ガスの電離が効率
よく行われる。パルスの立ち上がり時間が20μsを超
えると放電状態がアークに移行しやすく、不安定な状態
になりやすくて不織布基材へ損傷を与えることがある。
【0043】なお、立ち上がり時間は、短い方がよい
が、硫黄酸化物ガス大気圧下にてプラズマを発生できる
程度の大きさの電圧印加が可能であること、及び、立ち
上がり時間が短い電界を発生させる装置には制約がある
ことを勘案すると、現実的には40ns未満の立ち上が
り時間のパルス電界を実現することは困難である。
【0044】本発明の製造方法において、対向電極間に
印加するパルス電圧のパルス継続時間は1〜50μsが
好ましい。パルス継続時間が50μsを超える場合は、
放電中にストリーマーが観察され、基材であるポリオレ
フィン系不織布に損傷を与えることがある。一方、パル
ス継続時間が1μsに満たない場合は、充分な親水処理
効果が発揮できないことがある。
【0045】本発明の製造方法において、対向電極間に
印加するパルス電圧の周波数は、1〜20kHzである
ことが好ましい。1kHz未満であるとプラズマ密度が
低いため処理時間がかかりすぎ、20kHzを超えると
アーク放電が発生しやすくなり、基材に損傷を与えるこ
とがある。さらに、放電を安定させるためには、放電時
間1ms内に、少なくとも1μs継続するOFF時間を
有することが好ましい。
【0046】本発明の製造方法において、対向電極間に
印加する電界強度は、20〜200kV/cmとされ、
好ましくは50〜150kV/cmである。20kV/
cm未満では放電プラズマが発生せず、また、放電プラ
ズマが発生しても処理に時間がかかりすぎる。また、2
00kV/cmを超えるとアーク放電が発生しやすくな
る。
【0047】本発明の製造方法に用いる硫黄酸化物ガス
としては、二酸化硫黄、三酸化硫黄ガス等や硫酸の気化
ガス等が挙げられ、安全を考慮すると窒素やヘリウム、
アルゴン等の希ガスの不活性ガスや空気等で希釈して用
いるのが好ましい。希釈の程度は用いるガスによって異
なるが、2体積%以下が好ましい。また、酸素、二酸化
炭素、一酸化炭素等の酸素含有ガスを添加することで水
酸基、カルボキシル基などの親水基を同時に導入するこ
とができる。この場合、添加の度合いは用いるガスによ
って異なるが、1〜50体積%が好ましい。1体積%以
下であると親水基導入の効果が得られにくく、50体積
%を超えると酸素の負イオンの生成によってプラズマが
不安定になることがある。
【0048】上記スルホン化処理により親水化されたポ
リオレフィン系不織布は、アルカリ電解液を含浸させて
測定した抵抗が、好ましくは60Ω・cm以下であ
る。本発明においては、該抵抗の指標値として、10k
Hzにおける実部インピーダンスの値を用いた。実部イ
ンピーダンスは、セパレータを介した溶液抵抗に相当
し、かつ、セパレータ起因の内部抵抗に相当する。すな
わち、常温での周波数10kHzにおける実部インピー
ダンスは、60Ω・cm以下が好ましく、より好まし
くは10Ω・cm以下である。実部インピーダンスが
60Ω・cmを超えると、内部抵抗が高くなりすぎて
好ましくない。内部抵抗が少ないことにより、電池の見
掛け容量を大きくし、発熱を少なくし、寿命を長くする
ことができる。
【0049】以上のようにして得られた本発明のスルホ
ン化処理ポリオレフィン系不織布をアルカリ2次電池セ
パレータとして用いると、アルカリ電解液の保持性およ
び充電時に正極より発生する酸素ガスの透過性に優れ、
しかも渦巻電極体を作製する際の巻回時において必要な
実用強度が保持される。
【0050】
【実施例】以下に本発明を実施例をあげて詳細に説明す
るが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例に用いた大気圧放電プラズマ処
理装置及び評価方法は、次の通りである。
【0051】(I)装置 本発明の実施例(比較例)に用いた大気圧放電プラズマ
処理装置を図2に模式的に示す。図2に示す大気圧放電
プラズマ処理装置は、処理容器1、対向電極(上部電極
2と下部電極3)、パルス電源4、ガス供給装置5、油
回転ポンプ6、巻出機7、及び巻取機8によって構成さ
れている。
【0052】処理容器1の前後(基材Fの走行方向にお
ける前後)には、それぞれ基材導入口11及び基材排出
口12が設置されている。また、処理容器1には、ガス
導入口13及びガス排出口14が設けられており、その
ガス導入口13にガス供給装置5が接続され、ガス排出
口14に減圧用の油回転ポンプ6が接続されている。
【0053】処理容器1の内部には、上部電極2と下部
電極3とが一定の間隔を隔てて設置されている。上部電
極2はパルス電源4に電気的に接続され、下部電極3は
接地されており、これら上部電極2と下部電極3との間
に、図1(A)に示す波形のパルス電圧を印加すること
ができる。
【0054】巻出機7には、処理を行うポリオレフィン
系不織布基材Fが巻かれている。このポリオレフィン系
不織布基材Fは、送りロール9,10及び巻取機8など
によって構成される一般的な基材搬送系によって、上部
電極2と下部電極3との間を走行するようになされてい
る。
【0055】そして、以上の構造の放電プラズマ処理装
置において、ガス供給装置5及び油回転ポンプ6の操作
により、処理容器1内のガスをガス排出口14から排出
し、流量調整された硫黄酸化物希釈ガス(例えば、1%
SO/30%O/69%Arガス)をガス導入口1
3から処理容器1内に導入して、処理容器1内を大気圧
近傍の圧力下で硫黄酸化物ガス雰囲気とし、この状態
で、上部電極2と下部電極3との間に、パルス電源4か
らパルス電圧を印加することによりグロー放電プラズマ
を発生させるとともに、上部電極2と下部電極3との間
にポリオレフィン系不織布基材Fを走行させることによ
って、そのポリオレフィン系不織布基材Fに表面処理
(スルホン化による親水化処理)を連続的に施すことが
できる。
【0056】ここで、図2では、対向電極(上部電極2
と下部電極3)を1組のみ示しているが、必要に応じ
て、多数組の対向電極を設置し、ポリオレフィン系不織
布基材Fが大気圧放電プラズマに接触する距離を長く
し、ポリオレフィン系不織布基材Fを高速で走行させる
ようにしてもよい。なお、処理容器1の材質は、特に限
定されず、例えば樹脂、ガラス、金属等が挙げられる。
【0057】(II)評価方法 (1)繊維径(μm):試験片の任意な5箇所を電子顕
微鏡で5枚の写真撮影を行い、1枚の写真につき20本
の繊維の直径を測定し、これら5枚の写真について行
い、合計100本の繊維径を平均して求めた。
【0058】(2)目付重量(g/m):試料の長さ
方向から、25mm×200mmの大きさの試験片を採
取し、温度20±2℃、相対湿度65±2%の状態での
水分平衡状態の重さを小数点3桁まで測定し、1m
たりの目付重量に換算した。
【0059】(3)厚さ(μm):試料の長さ方向から
25mm×200mmの大きさの試料片を採取し、ダイ
ヤルシックネスゲージ(三豊製作所製7321、1mm
回転)を用いて1μmまで測定した。
【0060】(4)フラジール法通気度(cc/cm
/sec):JIS L 1096(6.27.1.A
項)に準拠して測定した。
【0061】(5)引張強度(kg/5cm):試料の
長さ方向及び幅方向から、20mm×200mmの試験
片を採取し、JIS L 1096(6.12.1.A
項)に準じ、チャック間隔100mm、引張速度300
mm/minの条件で測定した。なお、この引張強度試
験は親水性を付与する際のスルホン化の前後にて行っ
た。
【0062】(6)電界液吸液速度(mm):20mm
×200mmの試験片を、20±2℃における比重が
1.30の苛性カリ(KOH)溶液を入れた水槽上に所
定高さの水平棒を設置し、その水平棒に試験片(20m
m×200mm)をピン止めし、次いで水平棒を降下さ
せて試験片の端を5mmだけ苛性カリ中に浸漬させ、こ
の浸漬後30分間において毛細現象により苛性カリ溶液
が上昇した高さ(mm)を測定し、その測定値を電解液
の吸液速度とした。
【0063】(7)電解液保液率(%):10cm×1
0cm角の大きさの試験片を採取し、その試験片を温度
20±2℃、相対湿度65±2%の状態での水分平衡状
態に至らせて重量Wを1mgまで測定し、次いで20±
2℃における比重が1.30の苛性カリ(KOH)溶液
中に試験片を浸漬し、1時間放置させた後、苛性カリ溶
液から取り出して、10分間、水平棒からぶら下げて、
表面の余分な苛性カリ水溶液を滴下させた後、その試験
片の重量W1を1mgまで測定した。そして、これらの
処理で得られた重量測定値WとW1を用いて、下記の式
に基づいて保液率を算出した。 保液率(%)=(W1−W)/W×100
【0064】(8)表面硫黄量:X線光電子分光装置
(XPS)を用いて、親水化処理された不織布基材表面
の硫黄量を測定した。XPSは、単色化(モノクロ使
用)ALKα線を使用し、X線印加電圧15kV、エミ
ッション電流5mAで測定を行った。
【0065】(9)ショート:二枚のアルミ電極板の間
に200mm×200mmのセパレータを挟み、電極間
に400Vの電流電圧をかけ、電流が流れた場合をショ
ート有りとし、電流が流れなかった場合をショート無し
とした。
【0066】(10)実部インピーダンス:面積2cm
のセパレータ試験片を比重1.30の苛性カリ(KO
H)溶液中に浸漬し、1時間放置させた後、苛性カリ溶
液から取り出して、10分間、水平棒からぶら下げて、
表面の余分な苛性カリ水溶液を滴下させた。その後、試
験片をAu電極ではさみ、インピーダンスアナライザー
(ソーラトロン社製1250)にて電極間のインピーダ
ンスを測定した。
【0067】実施例1 孔径0.38mm、孔数1,560のメルトブロー用紡
糸口金を用い、MFRが15g/10分(at190
℃)、融点が130℃のポリエチレン樹脂を紡糸温度2
90℃、吐出量25kg/h、温度300℃のブローイ
ング空気の圧力を3.1kg/cmとした条件で紡糸
し、その後、エアーサッカーを用いて、温度20℃、背
圧2kg/cmのエジェクター条件で延伸した後、吸
引装置付のコンベアネットに吹き付けて、目付重量60
g/m、繊維径2μmの極細繊維ウェブを得た。この
極細繊維ウェブを温度100℃の一対のロール間を通過
させカレンダー処理を行って、厚み210μmのポリオ
レフィン不織布基材を得た。
【0068】得られたポリオレフィン系不織布基材に、
以下のような大気圧放電プラズマ処理を施した。まず、
図2に示す処理装置において、Alの溶射膜(固
体誘電体)が1.5mmコートしてある上部電極2(S
US304製、大きさ120mm×50mm□)と、下
部電極3(SUS304製、大きさ120mm×50m
m□)との電極間距離を2mmとし、その上下の電極間
の空間中に、先に作製したポリオレフィン系不織布基材
(幅100mm)Fを配置した。
【0069】次に、油回転ポンプ6により処理容器1の
内圧が1.3×10Paになるまで排気を行った後、
1%SO/30%O/69%Arガスをガス導入口
13から容器内が大気圧になるまで導入した状態で、上
部電極2と下部電極3との間に、表1に示す条件のパル
ス電圧を印加して大気圧放電プラズマを発生させるとと
もに、ポリオレフィン系不織布基材Fを1m/分の速度
で走行させ、大気圧放電プラズマ処理(表面親水処理)
を行って2次電池用セパレータを得た。得られた2次電
池用セパレータの物性を測定した。結果を表1に示し
た。
【0070】実施例2 孔径0.38mm、孔数1,560のメルトブロー用紡
糸口金を用い、MFRが15g/10分(at230
℃)、融点が165℃のポリプロピレン樹脂を紡糸温度
360℃、吐出量28kg/h、温度320℃のブロー
イング空気の圧力を3.1kg/cmとした条件で紡
糸し、その後、エアーサッカーを用いて、温度20℃、
背圧2kg/cmのエジェクター条件で延伸した後、
吸引装置付のコンベアネットに吹き付けて、目付重量6
5g/m、繊維径2μmの極細繊維ウェブを得た。こ
の極細繊維ウェブを温度110℃の一対のロール間を通
過させカレンダー処理を行って、厚み180μmのポリ
オレフィン不織布基材を得た。
【0071】得られたポリオレフィン系不織布基材に、
実施例1と同様にして大気圧放電プラズマ処理を施し、
2次電池用セパレータを得た。得られた2次電池用セパ
レータの物性を測定した結果を表1に示した。
【0072】比較例1 孔径0.38mm、孔数1,560のメルトブロー用紡
糸口金を用い、MFRが15g/10分(at190
℃)、融点が130℃のポリエチレン樹脂を紡糸温度2
90℃とし、吐出量28kg/h、温度300℃のブロ
ーイング空気の圧力を3.1kg/cmとした条件で
紡糸し、その後、エアーサッカーを用いて、温度20
℃、背圧2kg/cmのエジェクター条件で延伸した
後、吸引装置付のコンベアネットに吹き付けて、目付重
量40g/m、繊維径13μmの極細繊維ウェブを得
た。この極細繊維ウェブを温度120℃の一対のロール
間を通過させ、カレンダー処理を行って、厚み190μ
mのポリオレフィン不織布基材を得た。
【0073】得られたポリオレフィン系不織布基材に、
実施例1と同様にして大気圧放電プラズマ処理を施し、
2次電池用セパレータを得た。得られた2次電池用セパ
レータの物性を測定した結果を表1に示した。
【0074】比較例2 孔径0.38mm、孔数1,560のメルトブロー用紡
糸口金を用い、MFRが15g/10分(at230
℃)、融点が165℃のポリプロピレン樹脂を紡糸温度
360℃とし、吐出量28kg/h、温度320℃のブ
ローイング空気の圧力を3.1kg/cmとした条件
で紡糸し、その後、エアーサッカーを用いて、温度20
℃、背圧2kg/cmのエジェクター条件で延伸した
後、吸引装置付のコンベアネットに吹き付けて、目付重
量50g/m、繊維径12μmの極細繊維ウェブを得
た。この極細繊維ウェブを温度120℃の一対のロール
間を通過させ、カレンダー処理を行って、厚み200μ
mのポリオレフィン不織布基材を得た。
【0075】得られたポリオレフィン系不織布基材に、
実施例1と同様にして大気圧放電プラズマ処理を施し、
2次電池用セパレータを得た。得られた2次電池用セパ
レータの物性を測定した結果を表1に示した。
【0076】比較例3 実施例2と同様にしてポリオレフィン不織布を作製し
た。この不織布にプラズマ処理を施さず、そのままセパ
レータとした。得られた2次電池用セパレータの物性を
測定した結果を表1に示した。
【0077】
【表1】
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の2次電池
用セパレータによれば、極細の繊維径でありながら、十
分な強度を有し、且つ吸液速度、保液性に優れ、電池の
アセンブリが容易でかつ良好な電池特性を示す。したが
って、本発明のセパレータをアルカリ2次電池に用いる
ことで、渦巻き電極体の巻回し時等における破損等が生
ぜず、効率よく電池を生産することができる。
【0079】また、本発明の2次電池用セパレータの製
造方法によれば、大気圧近傍の圧力下において放電プラ
ズマ処理することにより、ポリオレフィン系不織布に損
傷を与えることがなく安価で高度にスルホン化の親水処
理可能であり、電池性能を向上させながら、強度を保っ
て高い信頼性を有するアルカリ2次電池用セパレータを
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】対向電極間に印加するパルス電圧の例を示す波
形図である。
【図2】本発明の実施例で用いた大気圧放電プラズマ処
理装置の構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 処理容器 2 上部電極 3 下部電極 4 パルス電源 5 ガス供給装置 6 油回転ポンプ 7 巻出機 8 巻取機 9、10 送りロール 11 基材導入口 12 基材排出口 13 ガス導入口 14 ガス排出口 F ポリオレフィン系不織布基材
フロントページの続き (72)発明者 湯浅 基和 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内 (72)発明者 屋良 卓也 大阪府三島郡島本町百山2−1 積水化学 工業株式会社内 (72)発明者 亀井 寿一 神奈川県伊勢原市鈴川18 東燃タピルス株 式会社内 (72)発明者 山崎 正樹 神奈川県伊勢原市鈴川18 東燃タピルス株 式会社内 (72)発明者 船岡 英彦 東京都渋谷区広尾一丁目1番39号 恵比寿 プライムスクェアタワー 東燃タピルス株 式会社内 Fターム(参考) 4L047 AA14 AB02 AB07 AB08 CA19 CB01 CB08 CB10 CC12 DA00 5H021 BB15 BB19 CC02 EE04 HH00 HH01 HH03 HH06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ2次電池用セパレータであっ
    て、繊維径1〜10μm、目付重量20〜100g/m
    、厚み50〜300μm、フラジール法による通気度
    1〜50cc/cm/sec、引張強度0.2〜10
    kg/5cmの範囲にあるポリオレフィン系不織布を基
    材として形成され、そのポリオレフィン系不織布基材の
    表面が、硫黄酸化物ガス雰囲気の大気圧近傍下で行われ
    る放電プラズマ処理により親水化されてなることを特徴
    とする2次電池用セパレータ。
  2. 【請求項2】 親水化されたポリオレフィン系不織布基
    材表面の硫黄原子の存在量が、X線電子分光測定による
    測定値で1〜10原子%であることを特徴とする請求項
    1に記載の2次電池用セパレータ。
  3. 【請求項3】 アルカリ電解液を含浸させた状態でのセ
    パレータを挟んだ電極間の抵抗が60Ω・cm以下で
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載の2次電池
    用セパレータ。
  4. 【請求項4】 互いに対向する一対の電極で構成され、
    その一方または双方の電極の対向面が固体誘電体で被覆
    されてなる対向電極を、硫黄酸化物ガス雰囲気の大気圧
    近傍下に配置し、その対向電極間に、繊維径1〜10μ
    m、目付重量20〜100g/m、厚み50〜300
    μm、フラジール法による通気度1〜50cc/cm
    /sec、引張強度0.2〜10kg/5cmの範囲に
    あるポリオレフィン系不織布基材を配置した状態で、対
    向電極間に、パルス立ち上がり時間が20μsec以
    下、パルス継続時間が1〜50μsec、周波数が1〜
    20kHz、電界強度が20〜200kV/cmのパル
    ス電圧を印加することにより、ポリオレフィン系不織布
    基材に大気圧放電プラズマ処理を施すことを特徴とする
    2次電池用セパレータの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003297415A (ja) * 2002-03-28 2003-10-17 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 二次電池
JP2006156158A (ja) * 2004-11-30 2006-06-15 Sony Corp 単三形アルカリ電池

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