JP3395996B2 - 電池用セパレータ及びその製造方法 - Google Patents

電池用セパレータ及びその製造方法

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JP3395996B2
JP3395996B2 JP16918194A JP16918194A JP3395996B2 JP 3395996 B2 JP3395996 B2 JP 3395996B2 JP 16918194 A JP16918194 A JP 16918194A JP 16918194 A JP16918194 A JP 16918194A JP 3395996 B2 JP3395996 B2 JP 3395996B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂多孔質体シー
トを用いた電池用セパレータ及びその製造方法に関す
る。さらに詳しくは、アルカリ二次電池に好適な電池用
セパレータ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルカリ二次電池において、過充電時に
電極よりガスが発生し、内部圧力が上昇する現象があ
る。内部圧力の上昇を抑制するための手段として、酸素
ガスを還元して水酸イオンとして電解液に戻す方法が取
られている。この反応を円滑に行なうため、負極に貴金
属触媒を添加し、酸素ガスの還元を促進する方法が提案
されている(特開昭60−100382号公報)。また
別の方法として、負極表面を撥水処理してガスの拡散性
を良くし、酸素の還元を速める方法が提案されている
(特開昭60−118963号公報)。さらに、セパレ
ータ自体の改良として、セパレータの片面に、フッ素樹
脂等の撥水性粉末を含浸させる方法が提案されている
(特開平5−121061号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記特開昭6
0−100382号公報で提案されている方法は、貴金
属触媒としてPt等を使うため、電極のコストアップに
なるという問題がある。また、前記特開昭60−118
963号公報で提案されている方法は、電池を生産する
各工程において、撥水剤の脱落が起こるという問題があ
る。さらに、前記特開平5−121061号公報で提案
されている方法は、セパレータの細孔が撥水剤により塞
がれ、セパレータのガス透過性が減少し、電池を生産す
る各工程において、撥水剤が脱落してセパレータの撥水
性が失われ、撥水剤をセパレータに均一に含浸させるこ
とが難しく、撥水性のバラツキが生じるという問題があ
る。
【0004】以上の通り、従来技術にはいくつかの問題
があり、内部圧力の上昇を抑制する有効な手段はいまだ
提案されていない。本発明は、前記従来の問題を解決す
るため、シート基材の強度が高く、親水性の面と撥水性
の面を有し、かつその耐久性に優れた電池用セパレータ
及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の電池用セパレータは、合成樹脂多孔質体シ
ートを用いた電池用セパレータであって、前記多孔質体
シートの断面方向からみて、一方の面近辺は親水性であ
り、他方の面近辺は撥水性であり、前記多孔質体シート
の撥水性面にフッ素元素が存在し、かつ前記多孔質体
シートの撥水性面は、JIS L−1096に従う滴下
法による水滴が吸水しないか又は親水性面に比べ吸水速
度が遅いことを特徴とする。
【0006】また本発明の電池用セパレータは、合成樹
脂多孔質体シートを用いた電池用セパレータであって、
前記多孔質体シートの断面方向からみて、一方の面近辺
は親水性であり、他方の面近辺は撥水性であり、前記多
孔質体シートの撥水性面は、JIS L−1096に従
う滴下法による水滴が吸水しないか又は親水性面に比べ
吸水速度が遅いことを特徴とする。
【0007】次に本発明の電池用セパレータの製造方法
は、合成樹脂多孔質体シートの一方の面に、親水性を付
与し得る非重合性ガス雰囲気下でプラズマ処理またはス
パッタエッチング処理を行って親水性を付与し、前記多
孔質体シートの他方の面に、含フッ素化合物の非重合性
ガス雰囲気下でスパッタエッチング処理を行い撥水性を
付与することを特徴とする。
【0008】前記構成においては、合成樹脂多孔質体シ
ートが、合成繊維製不織布及び織布から選ばれる少なく
とも一つのシートであることが好ましい。また前記構成
においては、合成繊維が、ポリオレフィン繊維またはポ
リオレフィン成分を少なくとも表面に存在させた複合繊
維であることが好ましい。
【0009】また前記構成においては、電池用セパレー
タがアルカリ二次電池用セパレータに用いられることが
好ましい。また前記製造方法の構成においては、親水性
を付与するためのプラズマ処理またはスパッタエッチン
グ処理の条件が、照射エネルギー0.01〜3W/cm
2、処理時間は1〜1800secの範囲であり、撥水
性を付与するためのスパッタエッチング処理の条件が、
照射エネルギー0.01〜1W/cm2 、処理時間1〜
600secの範囲であることが好ましい。
【0010】
【作用】前記した、本発明の電池用セパレータの構成に
よれば、合成樹脂多孔質体シートの断面方向からみて、
一方の面近辺(内部を含んでいてもよい)は親水性であ
り、他方の面近辺は撥水性であることにより、シート基
材の強度が高く、親水性の面と撥水性の面を有し、かつ
その耐久性に優れた電池用セパレータを実現できる。す
なわち、親水性の面は電解液との親和性、濡れ性が高
く、撥水性の面は負極板側に用いると、過充電時に正極
から発生する酸素ガスの負極への拡散性を良くし、酸素
ガスの還元を速める作用を発揮できる。またシートの撥
水性面にフッ素元素が存在するという構成により、優れ
た撥水性を発揮できる。この結果、負極表面近傍の高い
撥水性によりガスの拡散性を良くし、酸素の還元を速め
る作用を発揮できる。
【0011】また前記において、多孔質体シートの撥水
性面は、JIS L−1096に従う滴下法による水滴
が吸水しないか又は親水性面に比べ吸水速度が遅いとい
う構成によれば、負極表面近傍の高い撥水性によりガス
の拡散性をさらに良くし、酸素の還元を速める作用を発
揮できる。
【0012】また合成樹脂多孔質体シートを用いた電池
用セパレータであって、前記多孔質体シートの断面方向
からみて、一方の面近辺は親水性であり、他方の面近辺
は撥水性であり、前記多孔質体シートの撥水性面は、J
IS L−1096に従う滴下法による水滴が吸水しな
いか又は親水性面に比べ吸水速度が遅いことにより、
極表面近傍の高い撥水性によりガスの拡散性をさらに良
くし、酸素の還元を速める作用を発揮できる。
【0013】次に本発明の製造方法の構成によれば、合
成樹脂多孔質体シートの一方の面に、親水性を付与し得
る非重合性ガス雰囲気下でプラズマ処理またはスパッタ
エッチング処理を行って親水性を付与し、前記多孔質体
シートの他方の面に、含フッ素化合物の非重合性ガス雰
囲気下でスパッタエッチング処理を行い撥水性を付与す
ることにより、前記本発明の電池用セパレータを合理的
にかつ効率良く製造できる。
【0014】前記において、合成樹脂多孔質体シート
は、電解液が透過できるものであれば繊維シート、連続
発泡シート(スポンジシート)などのようなものでも良
いが、実用的には合成繊維製不織布及び織布から選ばれ
る少なくとも一つのシートであることが好ましい。
【0015】また前記において、合成繊維が、ポリオレ
フィン繊維またはポリオレフィン成分を少なくとも表面
に存在させた複合繊維であると、化学的に安定で、電解
液に侵されることもなく、耐久性に優れることから好ま
しい。
【0016】また前記において、本発明の電池用セパレ
ータは、アルカリ二次電池用セパレータに好適に用いる
ことができる。また前記製造方法において、親水性を付
与するためのプラズマ処理もしくはスパッタエッチング
処理の条件が、照射エネルギー0.01〜3W/c
2 、処理時間は1〜1800secの範囲であり、撥
水性を付与するためのスパッタエッチング処理の条件
が、照射エネルギー0.01〜1W/cm2 、処理時間
1〜600secの範囲であると、基材シートを傷めず
に目的とする親水性と撥水性を付与できる。
【0017】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。まず図面により説明する。図1は本発明の一
実施例のアルカリ二次電池用セパレータの厚さ方向の概
略断面図である。図1において、1はアルカリ二次電池
用セパレータ、2は基材シート、3は親水性面、4は撥
水性面である。
【0018】本発明は、ポリオレフィン等の疎水性また
は撥水性を有す合成樹脂多孔質体シート(以下「基材シ
ート」ともいう)の片面を親水性に改質し、逆面は吸水
しないか又は親水面に比べ吸水速度が遅い異方親水性を
有するアルカリ二次電池用セパレータである。その処理
方法は、下記のプラズマ処理、スパッタエッチング処理
が有効な手法の一つである。ポリオレフィンやフッ素含
有プラスチックに代表される疎水性または撥水性を有す
る合成樹脂の表面改質方法として、プラズマ処理、スパ
ッタエッチング処理が知られている。これは、減圧下に
おいて電極間にグロー放電を行ない、生じたプラズマ領
域もしくは陰極暗部に置かれた被処理物の表面にエッチ
ング、インプランテーション(官能基の導入)等の表面
改質を行なう方法である。例えば、親水化処理に用いる
導入ガスとしては、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、一
酸化窒素、二酸化窒素、窒素、アルゴン、空気、水蒸気
等が有効であるが、各ガスによりその処理効果は異な
り、工業化には酸素または窒素などを含むガスが好まし
い。プラズマ処理とスパッタエッチング処理とでは、試
料を置く場所が異なるため、同じ放電処理とはいえ、そ
の特性にはそれぞれ特徴がある。プラズマ領域はイオ
ン、ラジカル、電子等がランダムに飛び回り、方向性が
ないのに対し、プラズマ領域と電極(陰極)間にできる
陰極暗部はイオンの移動に方向性があるため、スパッタ
エッチング処理はプラズマ処理に比べエネルギーが大き
く、エッチングの効果が大きい。また、プラズマ処理が
電極、アース電極の両面から処理されるのに対し、スパ
ッタエッチング処理は電極からの一方通行の処理であ
る。したがって、織布、不織布等にスパッタエッチング
処理を行なった場合、通常は貫通して処理されるが、あ
る処理条件下では裏面は処理されにくくなる。この各処
理の特性を利用し、本発明を達成することができる。例
えば、酸素または窒素などを含むガス雰囲気下で前記基
材シートを処理すると、少なくともシート表面に−O
H,−COOH,−CHO,−NH2 ,>NHなどの親
水性官能基が導入される。
【0019】本発明は、好ましくは前記のように基材シ
ートの一方の表面及び/または内部の親水化処理を行な
った後に、片面の撥水処理を行なうものである。本発明
に用いられる基材シートは、材料自体が疎水性または撥
水性の合成樹脂を原料とするものであれば特に制限はな
い。しかし、アルカリ二次電池用セパレータとしては耐
薬品性、高強度が要求されるため、ポリプロピレン(P
P)、ポリエチレン(PE)等のポリオレフィン系の織
布及び不織布もしくは芯鞘構造複合(コンジュゲート)
繊維等に代表されるPP、PE等の複合品等が好まし
い。また、基材の厚さは、20〜500μm、好ましく
は50〜300μmが良い。厚さが20μm以下である
と、裏面を撥水処理する際、内部まで撥水化しかねな
い。また500μm以上になると、内部の親水化が困難
となり、基材の表面のみしか親水性を有さなくなる事が
ある。また、電池用セパレータとして適さない。気孔率
(空隙率)は、20〜80%、好ましくは40〜70%
が良い。80%以上であると内部まで撥水処理してしま
うことがある。また、気孔率が20%以下と低いと、親
水化できる深さが浅くなり、基材内部の親水化ができな
くなる事がある。ただし、これらの条件に関しても、処
理装置の機差があるので、限定されるものではない。ま
た前記基材シートが繊維不織布シートの場合は、ステー
プル(短繊維)を使用したものでもフィラメント(長繊
維)を使用したものでも良い。例えば熱溶融自己接着シ
ート、ニードルパンチシート、メルトブローシートなど
様々なシートを使用できる。
【0020】前記基材シートをプラズマ処理もしくはス
パッタエッチング処理により親水化する。ここでスパッ
タエッチング処理とは、耐圧容器内で減圧雰囲気下にお
いて(例えば、常温、10-3〜10-1Torr)陰陽両極間
に高周波電圧を印加し、放電域の大きい陰極暗部におい
て、放電によって生じた陽イオンを陰極上の基材シート
に衝突させる処理をいう。通常、高周波電源としては、
数百KHz〜数十MHzの高周波電源を用いることができる
が、工業的には13.56MHzが便利である。この時用
いる導入ガスは、例えば前記したガス等であるが、酸素
及び酸素ガスを混入したガスは親水化処理速度が早く、
内部の処理が比較的容易であるため工業的に有利であ
る。また、処理の照射エネルギーは0.01〜3W/c
2 、処理時間は1〜1800secが好ましい。照射
エネルギーが0.01W/cm2 未満であると基材内部
の親水化が困難となり、目的とする特性に達するまでに
時間がかかる。3W/cm2 を越えると基材の強度低下
及び溶融が起こる。処理時間に関しても同様である。た
だし、処理条件は、装置内の容積、電極面積等により若
干の機差が生じるため、必ずしも上記のものとは限らな
い。また、被処理体による差異も考えられる。
【0021】プラズマ処理もしくはスパッタエッチング
処理によって親水化された織布及び不織布等は、表裏が
ほぼ同等の吸水速度を示す。この片面のみを撥水性にす
る。もしくは親水性を低下させる方法は、上記のスパッ
タエッチング処理による方法がある。すなわち、撥水性
ガスを導入ガスとして用いてスパッタエッチング処理を
行なう方法である。
【0022】撥水化におけるスパッタエッチング処理の
場合、導入ガスは、四フッ化炭素、四フッ化エチレン、
六フッ化エタン等の含フッ素化合物の非重合性ガスが好
ましい。またこの場合、酸素を含有しているものは撥水
化の妨げになるのであまり好ましくない。これらガス
は、親水化に用いた酸素ガスと比べ、織布及び不織布の
内部への処理が行ないにくく、ある条件下では処理効果
が表面のみで内部及び裏面に到達しないので片面のみの
処理が可能となる。その条件は、照射エネルギーが0.
01〜1W/cm2 、処理時間は1〜600secが好
ましい。照射エネルギーが大きく、また、処理時間が長
いと撥水処理が内部及び親水処理面に及び好ましくな
い。
【0023】プラズマ処理は撥水処理には適さない。な
ぜなら、プラズマ処理は基材に対して両面の処理を行な
うからである。これに対しスパッタエッチング処理は、
イオンの流れに方向性のある陰極暗部にて処理を行なう
ため、片面は処理されにくくなる。
【0024】以下具体的実施例を説明する。以下の実施
例において測定方法は下記の通りとした。 (1)吸水速度(滴下法):JIS L−1096に準
ずる。すなわち、純水1滴(約0.05cc)をスポイ
トで滴下し、試料が純水を完全に吸収するまでの時間を
測定した。 (2)酸素含有量:蛍光X線分析装置により測定した。
【0025】(実施例1)厚み200μm、坪量60g
/m2 のPP/PE芯鞘構造の短繊維熱融着タイプ不織
布の一方の表面に、照射エネルギー0.8W/cm2
処理時間は30sec、処理気圧0.1Torrの条件
で、酸素ガスを導入ガスとしてプラズマ処理を行なっ
た。その後、同不織布のもう一方の面に、照射エネルギ
ー0.1W/cm2 、処理時間は20sec、処理気圧
0.1Torrの条件で四フッ化炭素(CF4 )を導入
ガスとしてスパッタエッチング処理を行なった。得られ
たシートの評価結果は、後にまとめて表1に記載する。
【0026】(実施例2)厚み150μm、坪量50g
/m2 のPP/PE芯鞘構造の短繊維熱融着タイプ不織
布の一方の表面に、照射エネルギー0.3W/cm2
処理時間は100sec、処理気圧0.2Torrの条
件で、酸素を導入ガスとしてスパッタエッチング処理を
行なった。その後、同不織布のもう一方の面に、照射エ
ネルギー0.6W/cm2 、処理時間は60sec、処
理気圧0.2Torrの条件で六フッ化エタン(CF3
CF3 )を導入ガスとしてスパッタエッチング処理を行
なった。得られたシートの評価結果は、後にまとめて表
1に記載する。
【0027】(実施例3)厚み200μm、坪量60g
/m2 のポリエチレン短繊維熱融着タイプ製不織布の一
方の表面に、照射エネルギー0.5W/cm2 、処理時
間は30sec、処理気圧0.1Torrの条件で、酸
素を導入ガスとしてスパッタエッチング処理を行なっ
た。その後、同不織布のもう一方の面に、照射エネルギ
ー0.1W/cm2 、処理時間は20sec、処理気圧
0.1Torrの条件で四フッ化炭素(CF4 )を導入
ガスとしてスパッタエッチング処理を行なった。得られ
たシートの評価結果は、後にまとめて表1に記載する。
【0028】(比較例1)厚み200μm、坪量60g
/m2 のポリエチレン製の短繊維熱融着タイプ不織布の
一方の表面に、照射エネルギー0.5W/cm2 、処理
時間は30sec、処理気圧0.1Torrの条件でス
パッタエッチング処理を行なった。なお、この時の導入
ガスは酸素とした。
【0029】(比較例2)厚み150μm、坪量50g
/m2 の芯成分がポリプロピレン、鞘成分がポリエチレ
ンの芯鞘複合繊維製の短繊維熱融着タイプ不織布の一方
の表面に、照射エネルギー0.5W/cm2 、処理時間
は30sec、処理気圧0.2Torrの条件でスパッ
タエッチング処理を行なった。なお、この時の導入ガス
は空気とした。
【0030】(比較例3)厚み150μm、坪量50g
/m2 の芯成分がポリプロピレン、鞘成分がポリエチレ
ンの芯鞘複合繊維製の短繊維熱融着タイプ不織布をその
まま用い、比較例3とした。
【0031】上記実施例及び比較例により作られたサン
プルの吸水速度及び酸素含有量を表1に示す。実施例に
おいて片面は吸水性にすぐれるが、もう一方の面はほと
んど吸水しない。比較例の場合は表裏の吸水速度がほぼ
同一である。
【0032】以上実施例1〜3と比較例1〜3の吸水速
度と酸素含有量を下記表1にまとめて示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1から明らかな通り、実施例1〜3のシ
ートの親水面は吸水速度が早く、撥水面は吸水速度が遅
く、撥水性に優れていることが確認できた。本発明の効
果の確認の一例として、得られたシートを公知の単3型
ニッケルー水素二次電池に組み込み、その過充電時の電
池内圧を比較した。ただし、比較例3によって得られた
シートは電池を構成し得ないので除外した。
【0035】用いた単3型ニッケルー水素二次電池の容
量は1000mAhで、この電池を1000mAで充電
し、50%過充電時に相当する充電開始1.5時間後の
電池内圧を測定した。結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】実施例で得られたシートを用いた電池の内
圧は2.2atm以下で、比較例のそれが4atm以上
であるのに比べて極めて低いことが確認できた。以上説
明した通り、本実施例の電池用セパレータは、出発材料
は疎水性または撥水性を有す合成樹脂からなる多孔質
体、織布及び不織布等の片面に、スパッタエッチング処
理を施すことにより、片面は吸水性を有し、その逆面は
吸水性が低いかまたは吸水しないアルカリ二次電池用セ
パレータである。また、本発明は基材がもつ特性を失う
ことはなく、また、シートの強度を低下させることもな
い。そして本発明の異方吸水性シートは、強度、親水
性、異方性、かつその耐久性に優れるものである。
【0038】
【発明の効果】前記した本発明の電池用セパレータによ
れば、合成樹脂多孔質体シートの断面方向からみて、一
方の面近辺(内部を含んでいてもよい)は親水性であ
り、他方の面近辺は撥水性であることにより、シート基
材の強度が高く、親水性の面と撥水性の面を有し、かつ
その耐久性に優れた電池用セパレータを実現できる。す
なわち、親水性の面は電解液との親和性、濡れ性が高
く、撥水性の面は負極板側に用いると、過充電時に正極
から発生する酸素ガスの負極への拡散性を良くし、酸素
の還元を速める作用を発揮できる。
【0039】また本発明の製造方法によれば、合成樹脂
多孔質体シートの一方の面に、親水性を付与し得る非重
合性ガス雰囲気下でプラズマ処理またはスパッタエッチ
ング処理を行って親水性を付与し、前記多孔質体シート
の他方の面に、含フッ素化合物の非重合性ガス雰囲気下
でスパッタエッチング処理を行い撥水性を付与すること
により、前記本発明の電池用セパレータを合理的にかつ
効率良く製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のアルカリ二次電池用セパレ
ータの厚さ方向の概略断面図。
【符号の説明】
1 アルカリ二次電池用セパレータ 2 基材シート 3 親水性面 4 撥水性面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上森 一好 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (72)発明者 橘 俊光 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (72)発明者 石田 修 大阪府茨木市丑寅1丁目1番88号 日立 マクセル株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−60956(JP,A) 特開 平6−20673(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 2/16 H01M 2/18 H01M 10/30

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂多孔質体シートを用いた電池用
    セパレータであって、前記多孔質体シートの断面方向か
    らみて、一方の面近辺は親水性であり、他方の面近辺は
    撥水性であり、前記多孔質体シートの撥水性面にはフッ
    素元素が存在し、かつ前記多孔質体シートの撥水性面
    は、JIS L−1096に従う滴下法による水滴が吸
    水しないか又は親水性面に比べ吸水速度が遅いことを特
    徴とする電池用セパレータ。
  2. 【請求項2】 合成樹脂多孔質体シートを用いた電池用
    セパレータであって、前記多孔質体シートの断面方向か
    らみて、一方の面近辺は親水性であり、他方の面近辺は
    撥水性であり、前記多孔質体シートの撥水性面は、JI
    S L−1096に従う滴下法による水滴が吸水しない
    か又は親水性面に比べ吸水速度が遅いことを特徴とする
    電池用セパレータ。
  3. 【請求項3】 合成樹脂多孔質体シートを用いた電池用
    セパレータを製造する方法であって、前記多孔質体シー
    トの一方の面に、親水性を付与し得る非重合性ガス雰囲
    気下でプラズマ処理またはスパッタエッチング処理を行
    って親水性を付与し、前記多孔質体シートの他方の面
    に、含フッ素化合物の非重合性ガス雰囲気下でスパッタ
    エッチング処理を行い撥水性を付与することを特徴とす
    る電池用セパレータの製造方法。
  4. 【請求項4】 合成樹脂多孔質体シートが、合成繊維製
    不織布及び織布から選ばれる少なくとも一つのシートで
    ある請求項1に記載の電池用セパレータ
  5. 【請求項5】 合成繊維が、ポリオレフィン繊維または
    ポリオレフィン成分を少なくとも表面に存在させた複合
    繊維である請求項1に記載の電池用セパレータ
  6. 【請求項6】 電池用セパレータがアルカリ二次電池用
    セパレータに用いられる請求項1に記載の電池用セパレ
    ータ
  7. 【請求項7】 親水性を付与するためのプラズマ処理も
    しくはスパッタエッチング処理の条件が、照射エネルギ
    ー0.01〜3W/cm2、処理時間は1〜1800s
    ecの範囲であり、撥水性を付与するためのスパッタエ
    ッチング処理の条件が、照射エネルギー0.01〜1W
    /cm2、処理時間1〜600secの範囲である請求
    項3に記載の電池用セパレータの製造方法。
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