JPH05121061A - アルカリ蓄電池用セパレータとその製造法 - Google Patents

アルカリ蓄電池用セパレータとその製造法

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JPH05121061A
JPH05121061A JP3279230A JP27923091A JPH05121061A JP H05121061 A JPH05121061 A JP H05121061A JP 3279230 A JP3279230 A JP 3279230A JP 27923091 A JP27923091 A JP 27923091A JP H05121061 A JPH05121061 A JP H05121061A
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隆 高野
Toshihisa Hiroshima
敏久 広島
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英男 海谷
Shingo Tsuda
信吾 津田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 セパレータからの撥水剤の脱落量を減少さ
せ、電池特性の優れたアルカリ蓄電池を製造できるアル
カリ蓄電池用セパレータとその効率的な製造法を提供す
る。 【構成】 撥水剤7を含有した分散液5を転写するため
に順方向回転するロール1とロール3の間にセパレータ
4を通して分散液5を塗布する工程において、ロール1
とロール3のクリアランスxをセパレータ4の厚みtよ
り小さくし、かつ、セパレータ4の送り速度uに対しロ
ール1の周速度vを大きくすることにより、撥水剤7が
塗布され、撥水剤7がセパレータ4の表面から内部まで
存在するアルカリ蓄電池用セパレータを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルカリ蓄電池に用いる
セパレータの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】活物質である水素を多量に電気化学的に
吸蔵・放出しうる水素吸蔵合金は、高エネルギー密度を
有する電極材料として注目され、高容量化を目指す密閉
形アルカリ蓄電池、特に密閉形ニッケル・水素蓄電池へ
の応用が図られている。密閉形ニッケル・水素蓄電池に
おける電極反応は以下に(化1)、(化2)として示す
とおりである。
【0003】
【化1】
【0004】
【化2】
【0005】ここで、Mは水素吸蔵合金である。この電
池を過充電すると、正極、負極ではそれぞれ(化3)、
(化4)のガス発生反応が起こる。
【0006】
【化3】
【0007】
【化4】
【0008】このとき、電池内圧の上昇を抑制する方法
として(化3)により正極から発生する酸素ガスを負極
に吸蔵されている水素と反応させて水にする方法が採ら
れている。また、(化4)の水素ガス発生を抑制するた
めに、負極の容量を正極の容量よりも大きくする方法が
採られている。しかし、急速充電時には、酸素ガスの発
生速度が、吸収速度を上回り、電池内に酸素ガスが蓄積
して電池内圧が上昇する。上記の不都合を解消するため
に、負極に白金などの貴金属触媒を添加し、酸素ガスの
還元を促進する方法(特開昭60−100382号)
や、負極に撥水層を設け、酸素ガスの負極上での吸収を
速める(特開昭61−118963号)方法などがあ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
の方法においては、いろいろな問題が存在する。すなわ
ち、負極に貴金属を添加する方法では、材料の高価格化
という問題があった。一方負極に撥水剤を塗布する方法
では、負極表面にのみ撥水剤が存在するため、搬送、切
断、群構成等の各工程で負極表面から撥水剤が脱落する
という問題があった。その結果、負極表面の撥水性が低
下し所定の撥水性が得られずガス吸収能力が低下し電池
内圧が上昇する。そこで、撥水剤の脱落量を補償するた
め負極に接する側のセパレータに撥水剤を塗布する方法
が提案された。セパレータに撥水剤を塗布する方法とし
て、撥水剤をアルコールに分散させ、その分散液をスプ
レーにて噴霧する方法が考えられる。しかし、このスプ
レー方式ではセパレータ表面にのみ撥水剤が存在してい
るため、撥水剤の脱落量が多いという問題点がある。ま
た、この脱落を防ぐため、撥水剤が塗布されたセパレー
タに圧力をかけ固定化しようとするとセパレータ表面の
撥水剤が圧力により成膜化し、セパレータ表面は撥水剤
の成膜作用により、セパレータ中の電解液の吸液量が低
下し電池の内部抵抗が増大する。さらにセパレータのガ
ス透過性が低下し、正極から発生する酸素ガスがセパレ
ータのガス透過性の低下のため負極で吸収されにくくな
り電池内圧が上昇するという問題があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】この問題を解決するため
に本発明のアルカリ蓄電池用セパレータは撥水剤が塗布
されたセパレータにおいて、その撥水剤7はセパレータ
4の一方の表面から内部まで存在することを特徴とす
る。
【0011】前記撥水剤7としては、四フッ化エチレン
六フッ化プロピレン共重合樹脂粉末および四フッ化エチ
レン重合樹脂粉末の少なくとも1種以上が好ましい。
【0012】前記セパレータ4に含有される撥水剤7の
量は3.0〜13.0g/m 2 程度が好ましい。
【0013】セパレータ4はポリプロピレンまたはポリ
エチレンの少なくとも1種以上からなる繊維または不織
布をスルホン化処理したものが好ましい。
【0014】なおセパレータ4のスルホン化度(炭素原
子数に対する硫黄原子数)は、0.15×10-2未満だ
と、撥水性が高すぎるためセパレータ4中の電解液の吸
液量が減少し電池内部抵抗が上昇し、また、0.40×
10-2を越えると、セパレータ4の引張強度が低下し電
池の群構成が困難になる。従って、セパレータ4のスル
ホン化度は、0.15×10-2〜0.40×10-2が好
ましい。
【0015】なおセパレータ4を構成する繊維の構成は
中心がポリプロピレン、周囲がポリエチレンからなり、
その体積割合が4:6〜6:4であるものが好ましい。
ポリエチレンの役割として、セパレータ4製造時、熱風
によりポリエチレンが溶融しセパレータ4繊維間のバイ
ンダーとして働くため、ポリエチレンの体積割合が6割
を越えると、熱風によるポリエチレンの溶融量が多くな
り、その結果セパレータ4繊維間がポリエチレンにより
詰まり、撥水剤7をセパレータ4内部に存在させること
が困難になり、また、ポリエチレンの体積割合が4割未
満になると、セパレータの繊維間のバインダーとしての
機能を満足することができなくなる。
【0016】なおセパレータ4の横糸と縦糸の体積比率
については、4:6〜6:4が好ましく、横糸の体積比
率が4割未満の時には、横方向の強度が足りなくなり、
横糸の体積比率が6割を越えると、縦方向の強度が足り
なくなる。
【0017】また、本発明のアルカリ蓄電池用セパレー
タの製造法はセパレータの一方の表面から内部まで撥水
剤が存在するセパレータの製造法であって、撥水剤7を
含有した分散液5を転写するために順方向回転するロー
ル1とロール3の間にセパレータ4を通して分散液5を
塗布する工程において、ロール1とロール3の間のクリ
アランスxをセパレータ4の厚みtより小さくし、か
つ、セパレータ4の送り速度uに対しロール1の周速度
vを大きくすることを特徴とする。
【0018】ロール1に転写された分散液5を、セパレ
ータ4に塗布する工程において、セパレータの厚みtmm
に対し塗布するロール1とロール3の間のクリアランス
xmmが0.1×t未満の時、撥水剤7の塗布量を規定量
塗布することが困難になり、また、t以上の時、セパレ
ータ4内部に撥水剤7を擦り込むことが困難になる。従
って、セパレータ4の厚みtmmに対し塗布するロール1
とロール3の間のクリアランスxmmは0.1×t≦x<
tの範囲が好ましい。
【0019】ロール1に転写された分散液5を、セパレ
ータ4に塗布する工程において、セパレータ4の送り速
度uに対しロール1の周速度vがv=u未満の時、セパ
レータ4内部に撥水剤7を擦り込むことが困難になり、
v=4uを越えると撥水剤7の塗布量を規定量塗布する
ことが困難になる。従って、セパレータ4の送り速度u
に対しロール1の周速度vはv=u〜4uの範囲が好ま
しい。
【0020】分散液5の溶媒としてはエチルアルコー
ル、メチルアルコール、イソプロピルアルコールの少な
くとも1種以上からなるものを用いるのが好ましい。
【0021】また、分散液5の濃度について、撥水剤7
の含有量が10wt%未満だと撥水剤7の塗布量を規定量
塗布することが困難になり、また20wt%を越えると、
撥水剤7の塗布量を規定量以上塗布することになる。従
って、撥水剤7の含有量は10〜20wt%が好ましい。
【0022】ロール1と該ロール1に分散液5を塗布す
るために逆回転するロール2の間のクリアランスについ
て、クリアランスが20μm 未満だと撥水剤7の塗布量
を規定量塗布することが困難になり、また、60μm を
越えると、撥水剤7の塗布量を規定量以上塗布すること
になる。従ってロール1とロール2の間のクリアランス
は20〜60μm が好ましい。
【0023】ロール1の周速度v m/minに対しロール2
の周速度wm/minがw=0.1v未満の時、ロール1と
ロール2の間の周速度の差が少ないため分散液5中の撥
水剤7の分散が不足する。またw=0.4vを越える
と、分散液5中の撥水剤7の分散は良いがロール1とロ
ール2の間のクリアランスによってできる分散液5の膜
厚が周速度の差が大きいため不安定になり撥水剤7の塗
布量が不安定になる。従って、ロール1の周速度v m/m
inに対し逆回転するロール2の周速度w m/minはw=
0.1v〜0.4vの範囲が好ましい。
【0024】
【作用】本発明によれば、撥水剤7が塗布されたセパレ
ータ4において、その撥水剤7はセパレータ4の一方の
表面から内部まで存在することにより、撥水剤7の脱落
量の少ないセパレータとすることができる。したがっ
て、負極表面から撥水剤7が脱落するという問題に対
し、本発明の脱落量の少ないセパレータ4を用いること
により、負極からの撥水剤7の脱落量を補償することが
できる。その結果、負極に所望の撥水性を付与すること
が可能となり内圧の上昇しない電池を提供することがで
きる。スプレー方式による撥水剤のセパレータへの塗布
は、セパレータ表面のみに撥水剤が存在するため接着能
力のない撥水剤は脱落をおこす。その結果、撥水剤量が
減少し、負極に所望の撥水性を付与することが不可とな
りガス吸収能力が低下し、電池内圧が上昇する。またこ
の脱落量を防ぐため、撥水剤が塗布されたセパレータに
圧力をかけ固定化した場合、セパレータ表面の撥水剤が
圧力により成膜化し、セパレータ中への電解液の吸液量
およびガス透過性が低下する。その結果、電池の内部抵
抗の増大をもたらし、また電池内圧が上昇する。そこで
ロール1、3を用いて、分散液5が存在した状態で撥水
剤7をセパレータ4に擦り込みながら塗布することによ
り、セパレータ4表面から内部まで撥水剤7を存在させ
ることができ、撥水剤7の脱落量を減少することができ
る。また、スプレー方式で必要であった固定化工程を除
去できる。その結果、撥水剤7が成膜化することがなく
電池内部抵抗の上昇およびガス透過性の低下を抑制し、
電池内圧を低下させるものである。
【0025】
【実施例】以下、本発明をその実施例により説明する。
【0026】本発明のセパレータ4を製造するためのロ
ール方式の転写装置を図1に示す。セパレータ4には繊
維径が9μm で中心がポリプロピレンで周囲がポリエチ
レンでその体積比率が5:5であり、その繊維の組合せ
は横糸と縦糸の体積比率を5:5とした不織布を用い
た。なおセパレータ4のスルホン化度は0.20×10
-2であり、厚みは0.15mmである。撥水剤7としては
四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合樹脂粉末を
用いた。この撥水剤7をエチルアルコール溶媒に分散さ
せ、撥水剤7の含有量が15wt%の分散液5を作成し、
分散液タンク6に入れた。この分散液5を用い、下記の
条件により前記セパレータ4表面にロール方式により塗
布した。ロール1とロール2の間のクリアランスを40
μm 、ロール1の周速度を10m/min 、ロール2の周速
度を2m/min 、ロール1とロール3の間のクリアランス
を0.05mmとした条件の下、図示しない送り装置によ
りセパレータ4の送り速度5m/min でロール1とロール
3の間を通し、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共
重合樹脂粉末を8.0g/m2 塗布した。撥水剤7の塗布
後、80℃の熱風にて5分間乾燥しセパレータ4を得
た。図2に得られたセパレータ4の断面図を示す。本実
施例によるセパレータ4は撥水剤7がセパレータ4表面
から内部まで存在し、撥水剤7の脱落量を減少すること
ができる。
【0027】比較例1 前記実施例と同じセパレータ4、撥水剤7および分散液
5を用い、スプレー方式(スプレーノズル0.7mm、ス
プレー圧力1kg/cm 2 )にて、8.0g/m 2 塗布し乾燥
しセパレータ4を得た。図3に、得られたセパレータ4
の断面図を示す。本比較例によるセパレータ4は撥水剤
7がセパレータ4表面に存在しているため、撥水剤7が
脱落し易い。
【0028】比較例2 前記実施例と同じセパレータ4、撥水剤7および分散液
5を用い、前記比較例1と同様のスプレー方式にて、
8.0g/m 2 塗布し乾燥した。その後、シリコン製固定
化ロールにより5kg/cm 2 の圧力にて撥水剤7の固定化
を行いセパレータ4を得た。図4に、得られたセパレー
タ4の断面図を示す。本比較例によるセパレータ4は撥
水剤7が固定化により成膜化するため、撥水剤7の脱落
量は固定化しない場合と比較し減少するが、成膜により
セパレータ4のガス透過性が低下する。
【0029】比較例3 前記実施例と同じセパレータ4、撥水剤7および分散液
5を用い、前記実施例と同じ製造方法で、セパレータ4
に撥水剤7を2.0g/m 2 塗布し乾燥しセパレータ4を
得た。
【0030】比較例4 前記実施例と同じセパレータ4、撥水剤7および分散液
5を用い、前記実施例と同じ製造方法で、セパレータ4
に撥水剤7を14.0g/m 2 塗布し乾燥しセパレータ4
を得た。
【0031】次に前記セパーレタを用いて円筒密閉形ニ
ッケル水素電池を作成し、特性を試験した。負極に用い
る水素吸蔵合金組成はMmNi5-X-Y-Z CoX MnY
z (X=0.7〜0.8,Y=0.3〜0.4,Z=
0.3〜0.4)である。この水素吸蔵合金粉末に水を
加えてペースト状にし、公知の多孔度95%の発泡状ニ
ッケル多孔体へ充填した後、加圧し負極表面に四フッ化
エチレン六フッ化プロピレン共重合樹脂粉末を4g/m 2
塗布し、負極板を作製した。正極は水酸化ニッケルを公
知の多孔度95%の発泡状ニッケル多孔体へ充填し容量
1400mAh の正極板を作製した。このようにして得た
負極板と正極板と上記5種類のセパレータを介して渦巻
き状に旋回し負極端子を兼ねるケースに挿入した。なお
セパレータは撥水剤が塗布されいてる面を負極側にし
た。その後、所定量のアルカリ電解液を注液して封口し
円筒密閉形ニッケル水素蓄電池を構成した。
【0032】上記で作製したセパレータおよび円筒密閉
形ニッケル水素蓄電池を次の試験により評価した。
【0033】撥水剤を塗布したセパレータを振動試験
器で振動数5回/秒、振幅2mmで1分間振動させ撥水剤
の脱落量を測定した。
【0034】作製した電池について電池内圧を測定し
た。電池内圧は、電池ケース底部に1mmφの穴をあけ、
圧力センサーを取り付けた固定装置に電池を固定して測
定した。電池内圧測定時の充電は1CmAの充電率で正
極容量200%まで行ない、その時点における電池内圧
をその充電率における電池内圧とした。
【0035】作製した電池について電池内部抵抗を測
定した。〜の試験結果を(表1)に示す。
【0036】
【表1】
【0037】(表1)から明らかなように本発明による
ロール方式を用いてセパレータに8.0g/m 2 撥水剤を
塗布したものは、撥水剤の脱落が少なく、電池内圧も4
kg/m 2 と良好であった。
【0038】比較例1はスプレー方式を用いてセパレー
タに同じ8.0g/m2 塗布したものであるが撥水剤の脱
落量が多くその結果、ガス吸収能力が低下し電池内圧が
上昇した。
【0039】比較例2はスプレー方式を用いてセパレー
タに同じ8.0g/m2 塗布したもので、その後、撥水剤
の脱落量を少なくするために、圧力をかけ固定化を行な
ったものであるが、その結果、比較例1と比べ撥水剤の
脱落量は減少したが、セパレータ表面に撥水剤膜を形成
するため、セパレータ中の電解液の吸液量が低下し電池
の内部抵抗が増大し、放電電位が低下した。さらにセパ
レータのガス透過性が低下し、電池内圧が上昇した。
【0040】比較例3のロール方式を用いてセパレータ
に2.0g/m 2 塗布したものは、撥水剤の量が少ないた
めガス吸収能力が劣り、電池内圧が上昇した。
【0041】比較例4のロール方式を用いてセパレータ
に14.0g/m 2 塗布したものは、撥水剤の量が多すぎ
るためセパレータ中の電解液の吸液量が減少し電池内部
抵抗が上昇し、放電電位が低下した。
【0042】以上の結果から、ロール方式を用いて撥水
剤をセパレータの表面から内部まで存在させたものは、
撥水剤の脱落量が少なく、ガス吸収能力が良好で放電特
性にも優れた電池を提供することができる。撥水剤の量
についてはセパレータに3.0〜13.0g/m 2 塗布し
たものが電池内圧特性の優れた電池を提供することがで
きる。
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明のアルカリ蓄電池
用セパレータによれば、撥水剤をセパレータの一方の表
面から内部まで存在させることにより、撥水剤のセパレ
ータからの脱落量を減少させ、電池特性の優れたアルカ
リ蓄電池を提供できる。また、本発明のアルカリ蓄電池
用セパレータの製造法によれば前記アルカリ蓄電池用セ
パレータを効率よく製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセパレータの製造に使用するロール方
式の転写装置の断面図
【図2】セパレータにロール方式により撥水剤を塗布し
た時のセパレータの断面図
【図3】セパレータにスプレー方式により撥水剤を塗布
した時のセパレータの断面図
【図4】セパレータにスプレー方式により撥水剤を塗布
し、その後圧力をかけて固定化した時のセパレータの断
面図
【符号の説明】
1 ロール1 2 ロール2 3 ロール3 4 セパレータ 5 分散液 6 分散液タンク 7 撥水剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 海谷 英男 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 津田 信吾 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】撥水剤が塗布されたセパレータにおいて、
    その撥水剤7はセパレータ4の一方の表面から内部まで
    存在することを特徴とするアルカリ蓄電池用セパレー
    タ。
  2. 【請求項2】撥水剤7は四フッ化エチレン六フッ化プロ
    ピレン共重合樹脂粉末および四フッ化エチレン重合樹脂
    粉末の少なくとも1種以上からなる請求項1のアルカリ
    蓄電池用セパレータ。
  3. 【請求項3】セパレータ4に含有される撥水剤7の量は
    3.0〜13.0g/m 2 である請求項1のアルカリ蓄電
    池用セパレータ。
  4. 【請求項4】セパレータ4はポリプロピレンまたはポリ
    エチレンの少なくとも1種以上からなる繊維または不織
    布をスルホン化処理したもので、そのスルホン化度(炭
    素原子数に対する硫黄原子数)が0.15×10-2
    0.40×10-2である請求項1のアルカリ蓄電池用セ
    パレータ。
  5. 【請求項5】セパレータ4の繊維は繊維径が3〜20μ
    m で、中心がポリプロピレンで周囲がポリエチレンであ
    り、その体積比率が4:6から6:4であり、その繊維
    の組合せ方法として横糸と縦糸の体積比率が4:6から
    6:4である請求項1のアルカリ蓄電池用セパレータ。
  6. 【請求項6】セパレータの一方の表面から内部まで撥水
    剤が存在するセパレータの製造法であって、撥水剤7を
    含有した分散液5を転写するために順方向回転するロー
    ル1とロール3の間にセパレータ4を通して分散液5を
    塗布する工程において、ロール1とロール3の間のクリ
    アランスxをセパレータ4の厚みtより小さくし、か
    つ、セパレータ4の送り速度uに対しロール1の周速度
    vを大きくすることを特徴とするアルカリ蓄電池用セパ
    レータの製造法。
  7. 【請求項7】ロール1に転写された分散液5を、セパレ
    ータ4に塗布する工程において、セパレータ4の厚みt
    mmに対し分散液5を塗布するロール1とロール3の間の
    クリアランスxmmを0.1×t≦x<tとした請求項6
    のアルカリ蓄電池用セパレータの製造法。
  8. 【請求項8】ロール1に転写された分散液5を、セパレ
    ータ4に塗布する工程において、セパレータ4の送り速
    度u m/minに対しロール1の周速度v m/minをv=u〜
    4uとした請求項6のアルカリ蓄電池用セパレータの製
    造法。
  9. 【請求項9】分散液5の溶媒をエチルアルコール、メチ
    ルアルコール、イソプロピルアルコールの少なくとも1
    種以上とした請求項6のアルカリ蓄電池用セパレータの
    製造法。
  10. 【請求項10】分散液5中の撥水剤7の含有量を10〜
    20wt%とした請求項6のアルカリ蓄電池用セパレータ
    の製造法。
  11. 【請求項11】ロール1と該ロールに分散液5を塗布す
    るために逆回転するロール2の間のクリアランスを20
    〜60μm の範囲とした請求項6のアルカリ蓄電池用セ
    パレータの製造法。
  12. 【請求項12】ロール1の周速度v m/minに対しロール
    2の周速度w m/minをw=0.1v〜0.4vとした請
    求項6のアルカリ蓄電池用セパレータの製造法。
  13. 【請求項13】撥水剤7は四フッ化エチレン六フッ化プ
    ロピレン共重合樹脂粉末および四フッ化エチレン重合樹
    脂粉末の少なくとも1種以上からなる請求項6のアルカ
    リ蓄電池用セパレータの製造法。
  14. 【請求項14】セパレータ4に含有される撥水剤7の量
    は3.0〜13.0g/m 2 である請求項6のアルカリ蓄
    電池用セパレータの製造法。
  15. 【請求項15】セパレータ4はポリプロピレンまたはポ
    リエチレンの少なくとも1種以上からなる繊維または不
    織布をスルホン化処理したもので、そのスルホン化度
    (炭素原子数に対する硫黄原子数)が0.15×10-2
    〜0.40×10 -2である請求項6のアルカリ蓄電池用
    セパレータの製造法。
  16. 【請求項16】セパレータ4の繊維は繊維径が3〜20
    μm で、中心がポリプロピレンで周囲がポリエチレンで
    あり、その体積比率が4:6から6:4であり、その繊
    維の組合せ方法として横糸と縦糸の体積比率が4:6か
    ら6:4である請求項6のアルカリ蓄電池用セパレータ
    の製造法。
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