JP4367923B2 - セパレータ材料及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アルカリ二次電池、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタ、コンデンサー等の電気化学素子、又はイオン交換セパレータ(イオンキャッチャー)等に用いられるセパレータ材料に関する。特に、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池等のアルカリ二次電池用途において、電解液保持性が高く、耐ショート性が高く、電池の内部抵抗抑制効果及び自己放電抑制効果が高いセパレータ材料に関する。
従来から、電池セパレータ用途において、フッ素ガス処理を施した不織布が提案されている。
特許文献1には、繊維径1〜50μmの繊維を50重量%含有するポリオレフィン系不織布をフッ素(0.01〜8容量%)、酸素(0.1〜95容量%)及び二酸化硫黄(1〜95容量%)を含有する混合ガスと接触させる表面処理方法が提案されている。上記方法により得られる電池セパレータは、ESCAにて測定した炭素に対する硫黄の元素組成比(S/C)が0.001〜0.50、炭素に対するフッ素の元素組成比(F/C)が0.2〜1.0、硫黄に対する酸素の元素組成比(O/S)が4.50〜1000を満足するものであることが開示されている。しかし、混合ガスで処理すると、硫黄含有官能基が付与しにくく、電池に組み込んだときに自己放電を抑制することが困難であった。
特許文献2には、ポリオレフィン系繊維を主体とする不織布を、亜硫酸含有ガス(0.5〜10vol%)に接触させ、次いで一部の亜硫酸含有ガスを排気し、フッ素含有ガス(0.1〜10vol%)を導入して複圧し、フッ素含有ガスを接触させる電池セパレータの製造方法が提案されている。しかし緻密な不織布を処理しようとしたとき、不織布の内部まで十分にガス処理できない場合があった。
特開平10−101830号公報 特開2003−128820号公報
近年、二次電池の高容量化に伴い、低厚み、低目付のセパレータが要求されている。そして、セパレータを低目付にするのに、極細繊維を含む不織布が用いられていた。しかし、極細繊維(特に4μm以下)を用いた不織布を親水化処理すると、不織布表面が選択的に処理されて内部まで処理するのが困難であった。そのため、十分な電池性能が得られなかった。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、極細繊維を含む不織布を用いて、不織布の内部に存在する繊維の表面まで均一に親水化処理できるセパレータ材料とその製造方法を提供する。
本発明のセパレータ材料は、繊維径が4μm以下の極細繊維と熱接着性繊維を含む不織布で構成されたセパレータ材料であって、前記熱接着性繊維の少なくとも一部が扁平化しており、前記不織布は、電子分光法(ESCA)を用いてX線取り出し角45度により測定される炭素原子数(C)に対するフッ素原子数(F)の比(F/C)が、1×10-2以上20×10-2以下の範囲内にあり、前記不織布は、下記(1)〜(3)を満たすことを特徴とする。
(1)電子分光法(ESCA)を用いてX線取り出し角45度により測定される炭素原子数(C)に対する硫黄原子数(S)の比(S/C)Eが、1×10-2以上10×10-2以下の範囲内にある。
(2)前記不織布は、フラスコ燃焼法により測定される炭素原子数(C)に対する硫黄原子数(S)の比(S/C)Bが、0.1×10-3以上0.5×10-3以下の範囲内にある。
(3)前記(S/C)Eと(S/C)Bの比[(S/C)E/(S/C)B]が、100以上250以下の範囲内にある。
本発明のセパレータ材料の製造方法は、繊維径が4μm以下の極細繊維と熱接着性繊維を含み、前記熱接着性繊維の少なくとも一部が扁平化している繊維ウェブまたは不織布を、密封された反応器に入れ、不活性ガス雰囲気下、減圧に保持した状態で亜硫酸含有ガスを前記反応器に導入して前記繊維ウェブまたは前記不織布を巻き出しながら繊維表面と接触反応させ、前記亜硫酸含有ガスが存在する状態でフッ素含有ガスを前記反応器に導入して、前記亜硫酸含有ガスと前記フッ素含有ガスの混合ガスを繊維表面と接触反応させることを特徴とする。
本発明は、繊維径が4μm以下の極細繊維を含む不織布をまず亜硫酸含有ガスと減圧下で反応させ、次いで前記亜硫酸含有ガスを残存させた状態でフッ素含有ガスと反応させるというバッチ式多段処理することにより、不織布の内部に存在する繊維の表面まで均一に親水化したセパレータ材料とその製造方法を提供できる。これにより、例えば電池セパレータにしたときは、電池の充放電時に生成してくるデンドライドに対する耐ショート性が高い二次電池を得ることができる。また、本発明のセパレータ材料は、繊維径が4μm以下の極細繊維を含む緻密な不織布であるにもかかわらず、不織布内部にまで硫黄含有官能基が付与されているので、電池の充放電を繰り返した時に、電解液が不織布の厚さ方向での偏在することを抑制することができ、電解液の部分的な液枯れ等がなくなり、ひいては電池の内部抵抗が低い二次電池を得ることができる。
従来のガス接触法で極細繊維を用いるなどした緻密な不織布を処理すると、硫黄含有官能基が不織布表面に集中して、不織布全体からすると表面に偏在していることが判り、本発明の製造方法を採ることにより、不織布内部にまで硫黄含有官能基を付与することができることを見出した。
本発明は、繊維径が4μm以下の極細繊維を含む不織布であって、前記不織布は、電子分光法(ESCA)を用いてX線取り出し角45度により測定される炭素原子数(C)に対するフッ素原子数(F)の比(F/C)が、1×10-2以上20×10-2以下の範囲内にあり、前記不織布は、下記(1)〜(3)を満たすセパレータ材料である。
(1)電子分光法(ESCA)を用いてX線取り出し角45度により測定される炭素原子数(C)に対する硫黄原子数(S)の比(S/C)Eが、1×10-2以上10×10-2以下の範囲内にある。
(2)フラスコ燃焼法により測定される炭素原子数(C)に対する硫黄原子数(S)の比(S/C)Bが、0.1×10-3以上0.5×10-3以下の範囲内にある。
(3)(S/C)Eと(S/C)Bの比[(S/C)E/(S/C)B]が、100以上250以下の範囲内にある。
本発明のセパレータ材料は、繊維径が4μm以下の極細繊維を含む不織布であり、電池の充放電時に生成してくるデンドライドに対する耐ショート性が高い二次電池を得ることができる。
さらに、本発明のセパレータ材料は、繊維径が4μm以下の極細繊維を含む緻密な不織布であるにもかかわらず、不織布内部にまで硫黄含有官能基が付与されているので、電池の充放電を繰り返した時に、電解液が不織布の厚さ方向での偏在することを抑制することができ、電解液の部分的な液枯れ等がなくなり、ひいては電池の内部抵抗が低い二次電池を得ることができる。
本発明において、極細繊維の繊維径は0.5μm以上4μm以下が好ましい。より好ましい極細繊維の繊維径は、1.5μm以上である。より好ましい極細繊維の繊維径は、3.5μm以下である。繊維径が4μmを超えると、電池の高容量下に伴い低目付、低厚みの不織布としたとき、不織布の緻密性が低下して、電池に組み込んだときの耐ショート性が低下する傾向にある。繊維径が0.5μm未満は、製造が難しくコストが高くなる傾向となる。繊維径は、繊維断面が円形の場合、直接的にその直径を測定した値でもって単繊維の直径とし、繊維断面が異形の場合、単繊維の繊度を測定し、この単繊維が円形と仮定して下記式で得られる直径で表すことができる。
繊維径(μm)={√4×√D×103}/{√π×√10000×√ρ}
D:単繊維の繊度(dtex)
ρ:単繊維を構成する樹脂の密度(g/cm3
本発明の不織布の比表面積は、0.7m2/g以上1.5m2/g以下の範囲が好ましい。より好ましい不織布の比表面積は、0.9m2/g以上である。より好ましい不織布の比表面積は1.2m2/g以下である。不織布の比表面積は、不織布を構成する繊維の繊維径、形状、繊維同士の結合状態、集積状態等で変わる。比表面積が小さいと、フッ素処理したときに処理が繊維内部にまで浸透するため官能基が有効に作用しない場合がある。さらに、不織布の緻密性が低下することから耐ショート性が低下する場合がある。一方、比表面積が大きいと、不織布自体が緻密な構造となりすぎるため、電池内でのガス透過性が低下し、電池の内圧上昇の要因となることがある。
前記比表面積を満足するのに、繊維径が4μm以下の極細繊維を30mass%以上80mass%以下の範囲で含むことが好ましい。より好ましい極細繊維の含有量は、40mass%以上である。より好ましい極細繊維の含有量は、60mass%以下である。
極細繊維の形状は、円形、異形、中空などいずれでもよい。単一、複合のいずれでもよい。海島型複合繊維の1成分を溶出して極細繊維を発現させる方法、分割型複合繊維を割繊させて極細繊維を発現させる方法などが挙げられ、分割型複合繊維を出発材料とすると、得られる極細繊維は扁平化されており比表面積が大きく、好ましい。
極細繊維を形成する樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのポリオレフィン樹脂が好ましい。エチレン−ビニルアルコール共重合体は、親水基を有しており、電解液との親和性を向上させることができるとともに、フッ素処理したときにフッ素との反応性が高く、容易に硫黄含有官能基を付与することができるので、好ましい。
前記エチレン−ビニルアルコール共重合体におけるエチレン含有量は、20モル%以上50モル%以下の範囲内にあることが好ましい。より好ましいエチレン含有量の下限は、25モル%である。より好ましいエチレン含有量の上限は、45モル%である。エチレン含有量が20モル%未満であると、極細繊維を得ることが困難となる場合がある。一方、エチレン含有量が50モル%を超えると、電解液との親和性、あるいはフッ素との反応性が低下する場合がある。
前記極細繊維以外に混合される他の繊維の含有量は、20mass%以上70mass%以下の範囲であることが好ましい。より好ましい他の繊維の含有量は、40mass%以上である。より好ましい他の繊維の含有量は、60mass%以下である。他の繊維は、熱接着性繊維単独、又は熱接着性繊維と繊維強度5cN/dtex以上の高強度繊維を混合して用いることが好ましい。他の繊維における熱接着性繊維と高強度繊維との比(熱接着性繊維:高強度繊維の質量比)は、100:0〜50:50であることが好ましい。より好ましい熱接着性繊維:高強度繊維の質量比は、90:10〜60:40である。熱接着性繊維が少なくなると、不織布の引張強さが不足することがある。また、高強度繊維を混合すると、電極間にセパレータ材料を積層し、又は巻回して電池を組み立てる時、電極のバリ等がセパレータ材料を突き刺した際の耐久性が高く、耐ショート性が高くなる点で好ましい。
比表面積を調整すべく、前記他の繊維における繊維径は、4μmを超え、25μm以下の範囲が好ましい。より好ましい他の繊維の繊維径は、8μm以上であり、さらにより好ましくは10μm以上である。より好ましい他の繊維の繊維径は、20μm以下である。他の繊維の繊維径が小さすぎると、前記極細繊維と大差がなく、耐ショート性に効果はあるが、不織布が緻密になりすぎるため電池内での内圧が上昇する場合がある。他の繊維の繊維径が25μmを超えると、不織布の緻密性に劣るため、充放電時のデンドライドに対する耐ショート性に劣る場合がある。
前記熱接着性繊維を構成する樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1等のホモ、コポリマーのうち少なくとも1種から選ばれるポリオレフィン樹脂であることが好ましい。特に、前記極細繊維を構成する樹脂の融点よりも10℃以上低い融点を持つポリオレフィン樹脂は、不織布の比表面積を調整し易く、好ましい。
前記熱接着性繊維の断面形状は、円形、異形、中空等の繊維断面を有する単一、又は複合形態が挙げられる。熱接着性繊維として、前記極細繊維を構成する樹脂の融点よりも10℃以上低い融点を持つポリオレフィン樹脂(以下、「低融点ポリオレフィン樹脂」という)を1成分(熱接着成分)とし、前記低融点ポリオレフィン樹脂が少なくとも繊維表面の20%を占める繊維であることが好ましい。熱接着性繊維における熱接着成分の融点が極細繊維を構成する樹脂の融点の10℃未満であると、熱接着性繊維を溶融させたときに極細繊維も溶融してしまうので、繊維間空隙を閉塞してしまい、所望の不織布の比表面積が得られない場合がある。
前記熱接着性繊維のうち、低融点ポリオレフィン樹脂を鞘成分とし、低融点ポリオレフィン樹脂より融点が10℃以上高いポリオレフィン樹脂(以下、高融点ポリオレフィン樹脂という)を芯成分とする鞘芯型複合繊維は、不織布を構成する繊維を熱接着させたときの不織布の引張強さが高く、好ましい。より好ましい鞘芯型複合繊維の形態は、鞘成分と芯成分とが同心円状に配置されたものである。
具体的な鞘芯型複合繊維の組み合わせとしては、高密度ポリエチレン/ポリプロピレン、プロピレンコポリマー/ポリプロピレン等が挙げられ、特に所望の不織布の比表面積を維持しつつ、より高い不織布の引張強さを得るのであれば、鞘成分の繊維融点が145℃以下のエチレン−プロピレンコポリマー/ポリプロピレン、エチレン−ブテン−プロピレンコポリマー/ポリプロピレンの組み合わせが熱接着部の強力が大きく、好ましい。なお、融点はJIS-K-7121(DSC法)に準じ測定したものをいう。
また、本発明のセパレータ材料は、適度な比表面積を有するとともに高い突き刺し強力の不織布を得るために、前記他の繊維として繊維強度5cN/dtex以上の高強度短繊維を含むことが好ましい。より好ましい高強度短繊維の繊維強度は、6cN/dtex以上である。前記高強度繊維を構成する樹脂としては、ポリプロピレン、超高分子量ポリエチレン等のホモ又はコポリマーなどのポリオレフィン樹脂であることが好ましい。特に、前記熱接着性繊維における熱接着成分の融点よりも10℃以上高い融点を持つポリオレフィン樹脂を用いると、不織布の比表面積を調整し易く、好ましい。
また前記不織布は、構成する繊維のうち少なくとも一部が扁平化されていると、不織布の比表面積が増加し好ましい。さらに、扁平化された繊維を含む比表面積の大きい不織布は、フッ素ガス処理すると反応物質が不織布内部に滞留しやすく、不織布内部まで硫黄原子を含む官能基を導入しやすくなり、好ましい。
比表面積を調整すべく、不織布は湿式抄紙法で形成されることが好ましい。さらに、湿式抄紙した後、水流交絡処理することが好ましい。
前記不織布における電子分光法(ESCA)を用いてX線取り出し角45度により測定される炭素原子数(C)に対するフッ素原子数(F)の比(F/C)は、1×10-2以上20×10-2以下の範囲であり、さらに5×10-2以上10×10-2の範囲内にあることが好ましい。F/Cは、不織布表面に付与された炭素原子数に対するフッ素原子数を示すものであり、フッ素処理の強さ(フッ素処理強度)を示す指標でもある。フッ素処理強度はフッ素ガスの処理濃度、処理時間、処理温度等により決定され、値が大きいほどフッ素処理が強い条件で行われたこととなる。強い条件でフッ素処理を施すと、硫黄含有官能基、あるいは酸素含有官能基を多く付与することができるが、繊維の内部まで必要以上に改質されるため、繊維強度が低下し、ひいては不織布強力が低下するので、F/Cを上記範囲内とすることにより、繊維強度の低下を抑えるとともに、繊維表面に有効量の硫黄含有官能基、あるいは酸素含有官能基を付与することができる。
前記不織布における電子分光法(ESCA)を用いてX線取り出し角45度により測定される炭素原子数(C)に対する硫黄原子数(S)の比(S/C)Eは、1×10-2以上10×10-2以下の範囲であり、さらに2×10-2以上8×10-2以下の範囲内にあることが好ましい。(S/C)Eは不織布表面に付与された硫黄原子量を示すものである。硫黄原子量は、前記フッ素処理の強さと、硫黄含有ガスの処理濃度、処理時間、処理温度等により決定される。(S/C)Eが小さいと、不織布表面に導入される硫黄含有官能基が少なくなるため、親水性が低下して電解液保持性が低下する傾向にあるだけでなく、自己放電を抑制することが困難となる場合がある。(S/C)Eが大きいと、フッ素処理が必要以上に強い条件で処理されていることとなり、繊維および不織布の劣化が激しく、不織布の引張強さが低くなる場合がある。
前記不織布におけるフラスコ燃焼法により測定される炭素原子数(C)に対する硫黄原子数(S)の比(S/C)Bは、0.1×10-3以上0.5×10-3以下の範囲であり、0.15×10-3以上0.3×10-3以下の範囲であることが好ましい。(S/C)Bは、不織布全体に付与された硫黄原子数を示すものである。(S/C)Bが少ないと、不織布全体に導入される硫黄含有官能基が少なくなるため、親水性が低下して電解液保持性が低下する傾向にあるだけでなく、自己放電を抑制することが困難となる場合がある。(S/C)Bが大きいと、フッ素処理が必要以上に強い条件で処理されていることとなり、繊維および不織布の劣化が激しく、不織布の引張強さが低くなり、ひいてはセパレータを電池に組み込む時の耐ショート性が低下する場合がある。
(S/C)Eと(S/C)Bの比[(S/C)E/(S/C)B]は、100以上250以下の範囲であり、さらに100以上200以下の範囲であることか好ましい。[(S/C)E/(S/C)B]は、不織布表面と不織布全体の硫黄原子数を比較するものであって、言い換えれば、不織布内部までどの程度硫黄含有官能基を付与することができたかを示す指標である。値が小さいほど、不織布内部の硫黄含有官能基が多いことを示す。[(S/C)E/(S/C)B]を上記範囲とし、不織布表面と不織布内部における硫黄含有官能基の偏在を抑えることにより、電池の充放電を繰り返した時に、電解液が不織布の厚さ方向での偏在することを抑制することができ、電解液の部分的な液枯れ等がなくなるので、電池の内部抵抗が低い二次電池を得ることができる。
前記不織布における電子分光法(ESCA)を用いてX線取り出し角75度により測定される炭素原子数(C)に対する硫黄原子数(S)の比を(S/C)E75としたとき、(S/C)Eと(S/C)E75の比[(S/C)E/(S/C)E75]は、1.2以上1.5以下の範囲が好ましく、さらに1.2以上1.4以下の範囲であることがより好ましい。([(S/C)E/(S/C)E75]は、ESCAにおけるX線取り出し角が異なり、X線取り出し角を45度とした場合と、取り出し角を75度とした場合では、取り出し角45度に対して取り出し角75度の方が不織布表面から約1.4倍の深さまでの硫黄原子数を測定することができる。この比が大きいほど不織布表面に存在する繊維表面の硫黄原子量が多く、繊維内部の硫黄原子量が少ないことを意味し、繊維強度を低下させることなく、有効量の硫黄含有官能基を付与することができる。
本発明のセパレータ材料の目付は、20g/m2以上100g/m2以下の範囲が好ましく、さらに20〜50g/m2の範囲がより好ましい。
本発明のセパレータ材料の厚みは、20μm以上200μm以下の範囲が好ましく、さらに50μm以上100μm以下の範囲であることがより好ましい。
本発明の製造方法は、繊維径が4μm以下の極細繊維を含む繊維ウェブまたは不織布を準備する。前記繊維ウェブの形態は、カード法、エアレイ法等により得た乾式ウェブ、湿式法により得た湿式抄紙ウェブ等の短繊維ウェブが用いられる。なかでも前記構成繊維の繊維長が1mm以上25mm以下の範囲で構成される湿式抄紙ウェブは、均質なウェブを得る点で好ましい。より好ましい繊維長の下限は、3mmである。より好ましい繊維長の上限は、15mmである。構成繊維の繊維長が1mm未満であると、後述する水流交絡処理時に繊維が飛散して不織布の最大孔径が大きくなる傾向にあり、均質な不織布を得るのが困難となる。構成繊維の繊維長が25mmを超えると、スラリー中における繊維の分散性が悪くなって均質な不織布を得るのが困難となり、不織布の最大孔径が大きくなる傾向にある。
前記湿式抄紙ウェブを得る方法としては、通常の湿式抄紙機を用いて作製することができる。湿式抄紙ウェブを得る具体的な一例としては、まず前記構成繊維を所望の範囲となるように混合し、0.01mass%以上0.6mass%以下の範囲の濃度になるように水に分散させてスラリーを調製する。このとき、極細繊維として分割型複合短繊維を用いる場合、湿式抄紙する前工程において、少なくとも一部の分割型複合短繊維を割繊して、極細繊維を形成させておくことが好ましい。前記処理を行うことにより、極細繊維は不織布中に略均一に分散されて、適度な比表面積を有する不織布を得ることができる。上記割繊処理としては、スラリーを調整する段階における離解処理及び/又は叩解処理で処理することが挙げられる。具体的には、パルパーを用いて割繊処理すると、離解・叩解処理が同時に行われるので、好ましい。
次いで、前記スラリーから円網式、短網式、あるいは長網式等の湿式抄紙機を用いて湿式抄紙ウェブを作製する。このとき、円網式湿式抄紙機を用いた円網式湿式抄紙ウェブを少なくとも1層用いると、不織布縦方向の引張強さが向上し、好ましい。得られた湿式抄紙ウェブは、1層で、又は2層以上に抄き合わせて毛布等の搬送用支持体で搬送されて、シリンダードライヤー、熱ロール等公知の熱処理機を用いて、乾燥させるか、又は熱接着性繊維を含む場合、熱接着性繊維が溶融する温度より高い温度で熱処理して、繊維同士を熱接着させて湿式抄紙を得る。このとき、不織布を構成する繊維の少なくとも一部を扁平化させることが好ましい。さらに、少なくとも一部の熱接着性繊維を扁平化させて構成する繊維同士を熱接着させることが好ましい。熱接着性繊維を扁平化させて構成する繊維同士を熱接着させることにより、水流交絡処理による不織布の引張強さの低下を抑制することができ、過度に熱処理する必要がなくなるからである。熱接着性繊維を扁平化させるには、適度な加圧状態とすることがよく、例えば20N/cm以上100N/cm以下の範囲にある線圧で処理することが好ましい。
本発明の一実施例の湿式抄紙した後の不織布構造について、図1に電子顕微鏡写真を示す。倍率は180倍である(右下点線の範囲が250μm)。不織布を構成する繊維の少なくとも一部が扁平化しているのが判る。
また、熱処理温度は、前記熱接着性繊維以外の繊維が溶融する温度より低い温度で熱処理することが好ましい。熱接着性繊維以外の繊維の溶融する温度を超えると、空隙が閉塞されて、比表面積が減少する恐れがあるからである。例えば、熱接着性繊維として、鞘成分を低融点ポリオレフィン樹脂とし、芯成分を鞘成分の融点より10℃以上高い融点を有する高融点ポリオレフィン樹脂としたポリオレフィン鞘芯型複合繊維を用い、極細繊維をポリオレフィン鞘芯型複合繊維の鞘成分の融点より10℃以上高い融点を有するポリオレフィン樹脂とした場合、熱処理温度は鞘成分の融点以上、芯成分及びポリオレフィン極細短繊維の融点より10℃低い温度以下とすることが好ましい。
次いで、繊維ウェブ、特に前記湿式抄紙に水流交絡処理を施して繊維同士を交絡することが好ましい。前記極細繊維として分割型複合繊維を用いる場合、水流交絡処理により十分に割繊されていない分割型複合繊維を割繊して極細繊維が形成される。さらに主として不織布表面近傍の繊維が解かれて再配列される。水流交絡処理は、孔径0.05mm以上0.5mm以下の範囲にあるオリフィスが0.3mm以上1.5mm以下の間隔で設けられるノズルから、水圧2MPa以上10MPa以下の範囲の水流を不織布の表裏にそれぞれ1回以上噴射するとよい。より好ましい水圧の下限は、3MPaである。より好ましい水圧の上限は、8.5MPaである。水圧を上記範囲とすることにより、不織布の厚み方向において過度に繊維が配向されることなく、主として不織布表面近傍において繊維が解かれて再配列される。そのため、フッ素ガス処理において反応物質が不織布表面近傍から適度に入り込み、不織布内部に滞留して、硫黄原子を含む官能基を不織布内部に導入し易くするものと推定する。例えば、前記湿式抄紙が熱接着性繊維により熱接着したものであれば、水流交絡処理により構成繊維を再配列させたとしても、熱接着された部分は完全に崩壊しないように処理するのが好ましい。
水流交絡処理された不織布は、熱接着性繊維の融点未満の温度で熱処理して乾燥させるか、熱接着性繊維の融点以上の温度で熱処理して、熱接着性繊維を再度溶融させて構成する繊維同士を熱接着させるとよい。上記操作によって、水流交絡処理されてなる湿式不織布の比表面積は、適度な範囲に調整されるとともに、不織布の引張強さを維持することで、最終的に得られるセパレータ材料の引張強さを維持することができる。水流交絡処理後の熱処理は、得ようとするセパレータ材料の比表面積を決定する因子の一つであり、過度に熱接着性繊維を溶融させると比表面積が低下する、又は反応物質が不織布の内部まで入り込みにくくなる可能性があるため、熱接着性繊維の融点未満の温度で熱処理することがより好ましい。より好ましい水流交絡処理後の不織布の熱処理温度は、熱接着性繊維の融点より5℃以上低い温度である。
そして、前述の方法により得られる不織布は、フッ素ガス処理が施されて硫黄原子を含む官能基を付与される。
まず、密封が可能な反応器内に不織布をセットし、1×104Pa(0.1atom)以上9.5×104Pa(0.95atom)以下の範囲の減圧下で亜硫酸含有ガスに接触させる。反応器内の亜硫酸含有ガスは、濃度が0.5vol%以上、10vol%以下の範囲の亜硫酸ガスを含有する。好ましい亜硫酸ガス濃度は、1vol%以上である。好ましい亜硫酸ガス濃度は、5vol%以下である。亜硫酸ガス濃度が0.5vol%未満であると、不織布に十分な亜硫酸ガス成分を接触させることができず、10vol%を超えると、フッ素ガス導入時、ガス同士の反応による発熱で反応器内の温度上昇が顕著になり安全性が問題となる恐れがある。
また、前記亜硫酸含有ガスには、急激な反応を抑制させるとともに、反応時の温度上昇を緩和させ、安全、かつ効率的に表面改質するために、濃度90vol%以上、99.5vol%以下の範囲の窒素ガスを含有することが好ましい。より好ましい窒素ガス濃度の下限は、95vol%以上である。より好ましい窒素ガス濃度の上限は、99vol%以下である。
前記亜硫酸含有ガスの調製手順としては、所望のガス濃度に調整する手段であれば特に限定はされず、例えば、亜硫酸ガスと窒素ガスを予め混合した混合ガスを用いる方法、あるいは窒素ガスを反応器内に所定量導入した後、最後に亜硫酸含有ガスを導入する方法が挙げられ、後者が亜硫酸ガス濃度の微妙な調整、反応時間の制御がしやすく都合が良い。具体的には、反応器内を1×102Pa(0.001atom)以上5×103Pa(0.05atom)以下の範囲に減圧し、次に窒素ガスを反応器内に50vol%以上、90vol%以下の範囲で導入する。次いで、窒素ガスで希釈された亜硫酸ガスを反応器内に導入してガスの調整を行う。このとき、1×104Pa(0.1atom)以上9.5×104Pa(0.95atom)以下の範囲の減圧下となるように亜硫酸含有ガスを導入し、不織布と接触させる。前記導入時の亜硫酸ガス濃度は、10vol%以上、20vol%以下の範囲であることが好ましい。導入時の亜硫酸ガス濃度が10vol%未満であると、反応器内を所望の亜硫酸ガス濃度に調製する際のガス濃度の調整に必要以上に時間を費やす傾向となり、工程性に劣る。導入時の亜硫酸ガス濃度が20vol%を超えると、反応器内の亜硫酸ガスの拡散が悪くなる傾向となる。
不織布と亜硫酸含有ガスの反応条件は、反応温度は0℃以上、40℃以下の範囲が好ましい。反応温度が0℃未満であると、亜硫酸ガスの液化の危険性があり、40℃を超えると、過剰反応が起こる恐れがある。また、反応時間は、30秒以上5時間以下の範囲が好ましい。なお、ここでいう反応時間とは、反応器内にガスが充填されて不織布の巻き出しを開始したときを開始時間とし、所望の回数の巻き返しが終了するまでに要した時間をいう。
次いで、反応器内の亜硫酸含有ガスに加えて、フッ素含有ガスを導入して10×104Pa(1atom)まで圧力を戻し、不織布を亜硫酸ガスとフッ素ガスの混合ガスに接触させる。
反応器内のフッ素含有ガスは、濃度が0.1vol%以上、10vol%以下の範囲のフッ素ガスを含有する。好ましいフッ素ガス濃度の下限は、0.5vol%以上である。好ましいフッ素ガス濃度の上限は、5vol%以下である。フッ素ガス濃度が0.1vol%以下であると、十分な親水化処理がされにくく、フッ素ガス濃度が10vol%を超えると、残亜硫酸ガスとの発熱反応が促進され安全性が問題となる恐れがある。
また、前記フッ素含有ガスには、急激な反応を抑制させるとともに、反応時の温度上昇を緩和させ、安全、かつ効率的に表面改質するために、窒素ガスを含有することが好ましい。窒素ガス濃度は、前記残存亜硫酸ガス濃度とフッ素ガス濃度を所望の範囲に設定することで決定される。
前記フッ素含有ガスの調製順序としては、所望のガス濃度に調整する手段であれば特に限定はされず、例えば、フッ素ガスと窒素ガスを予め混合した混合ガスを用いる方法、あるいは窒素ガスを反応器内に所定量導入した後、最後にフッ素含有ガスを導入する方法が挙げられ、後者が、あらかじめ窒素ガスの存在している雰囲気にフッ素含有混合ガスを導入するため、発熱反応が抑制され都合が良い。
反応条件は、反応温度は0℃以上、40℃以下の範囲が好ましい。反応温度が0℃未満であると、亜硫酸ガスの液化の危険性があり、40℃を超えると、過剰反応が起こる恐れがある。また、反応時間は、30秒以上5時間以下の範囲が好ましい。
以上の操作により、亜硫酸ガスを減圧下で不織布に接触反応させ、前記亜硫酸ガスを残存させた状態でフッ素ガスを不織布に接触反応させるバッチ式多段処理を行う。
前記フッ素ガス処理を完了した後、反応器内の残留ガスを排気口から排気し、窒素ガスなどで約10×104Pa(約1atom)程度まで復圧して、表面改質された不織布は取り出される。このとき、必要に応じて、反応器内のフッ素残留ガスを5×104Pa(0.5atom)以下になるまで真空ポンプの吸引装置を用いて、反応器内を減圧しながら、排気口から反応器外に排気し、さらに、その減圧系に酸素含有ガスで復圧させて約10×104Pa(約1atom)程度まで復圧した後、前記酸素含有ガス中で不織布を処理することができる。前記処理を施すことにより、不織布の表面に残留した副生成物であるフッ酸(HF)の除去や、残留フッ素ガス成分を置換の効果がある。前記酸素含有ガスは、酸素ガスのみであってもよいし、窒素ガスを含有していてもよい。窒素ガスと酸素ガスの混合比率としては、特に限定するものではなく、前記効果が期待できる量の酸素ガスが含まれていればよい。
以上のようにして表面改質された不織布は、反応器外に取り出される。前記表面改質された不織布は、表面に残留フッ酸や、フッ素ガスで分解された低分子量成分が微量に残存している恐れがあるため、アルカリ洗浄処理、温水洗浄処理、乾燥処理が施される。
以上説明のとおり、従来の混合ガス法で極細繊維を用いるなどした緻密な不織布を処理すると、硫黄含有官能基が不織布表面に集中して、不織布全体からすると表面に偏在していたが、本発明のバッチ式多段処理方法を採ることにより、不織布内部にまで硫黄含有官能基を付与することができる。
そして、前記不織布は、カレンダーロール等で加圧して厚みを調整するとよい。
以下、本発明の内容について実施例を挙げて説明する。なお、繊維の融点、単繊維強度、セパレータ材料の厚み、不織布の比表面積、分割型複合繊維の割繊率、有効硫黄原子量、及び平均孔径は、以下の方法により測定した。
[融点]
JIS K 7121(DSC法)に準じ測定した。
[単繊維強度]
JIS L 1015に準じ、引張試験機を用いて、試料の掴み間隔を20mmとし、繊維が切断したときの荷重値を測定し単繊維強度とした。
[セパレータ材料の厚み]
175kPa荷重(JIS−B−7502に準じたマイクロメーターによる測定)により、3枚の試料のそれぞれ異なる10箇所で厚みを測定し、計30箇所の平均値を求めた。
[不織布の比表面積]
比表面積計(トライスター3000形、(株)島津製作所製)を用いて測定した。不織布を3cm×8cm角に切断した後、測定セルに採る。温度60℃で2時間脱ガス処理した後、窒素ガスを用いた多点BET法で測定した。
[割繊率]
不織布の長手方向が断面となるように束ねて1mm径の穴のあいた金属プレートに通し、電子顕微鏡を用いて400倍に拡大して、割繊された極細繊維の割合を算出して求めた。
[電子分光法(ESCA)]
X線光電子分光計(PERKIN ELMAR製 アルバックファイESCA5500MT)を用いて、励起源としてMg−Kα線、印加電圧を15kv、ビーム電流値を10mA、X線取り出し角度を45度及び75度として、不織布表面から炭素原子、フッ素原子、硫黄原子、及び酸素原子のそれぞれのピーク面積を測定し、光イオン化断面積補正をして、炭素原子数(C)に対する硫黄原子数(S)の比を測定した。測定面積は800μmφで測定した。
[フラスコ燃焼法]
(1)吸収液の調製
NaHCO384mgを純水100mlに溶かし、31%H22溶液を1ml加え、吸収液を調製した。
(2)試料の調製
不織布から試料1gを採取し、13%水酸化カリウム水溶液に30分間浸漬する。しかる後に水道水で30分間洗浄し、さらに純水で30分間洗浄する。次いで、60℃で1時間乾燥して試料を調製した。
(3)酸素燃焼フラスコ法
燃焼フラスコ内に前記吸収液5mlを入れ、内壁を純水で濡らす。次に、前記試料を20mg精秤し、無灰濾紙(5C)に包み白金籠にセットした後、フラスコ内を酸素で30秒間満たす。しかる後に、白金籠に通電(引火)し試料を燃焼させる。燃焼後は、時折フラスコ注液部に純水を注ぎ足しながらよく振り、5分間冷却する。冷却後、注液部の純水により内壁を洗浄し数分間放置する。燃焼フラスコの吸収液をメスフラスコで50mlに定容し、測定溶液を採取した。
(4)(S/C)Bの測定
イオンクロマト装置(DIONEX製、DX−100)を用い、前記測定溶液のSO4 2-濃度を測定し、SO4 2-濃度と試料質量から(S/C)Bを算出した。
[有効硫黄原子量]
自己放電抑制効果を確認する代用特性として、有効硫黄原子量を下記式(1)で算出した。
有効硫黄原子量=(S/C)B×[(S/C)E/(S/C)E75]・・・(1)
自己放電抑制に効果があるとされるスルホン基等の硫黄含有官能基は、不織布全体に導入されるほど電池内で有効に作用する。また、各々の繊維については、繊維内部に対して繊維表面に多く導入されるほど電池内で有効に作用する。上記式(1)において、(S/C)Bは不織布全体に導入された硫黄原子量を指し、[(S/C)E/(S/C)E75]は繊維表面に導入された硫黄原子量を指し、これを乗じて電池内で有効に作用する硫黄含有官能基を硫黄原子量に置き換えて求めることとした。有効硫黄原子量の値が大きいほど、自己放電抑制効果が高いとした。
[平均孔径]
耐ショート性効果を確認する代用特性として、平均孔径を用いた。平均孔径は、パームポロメータ(Porous Materials Inc.製)を使用し、ASTM F 316 86に準じ、バブルポイント法によって測定した。平均孔径が小さいほど、耐ショート性が高いとした。
実施例及び比較例に用いられる繊維原料を以下のとおり準備した。
[繊維1]第1成分:ポリプロピレン、第2成分:エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる繊度1.4dtex、繊維長6mm、放射状16分割型複合繊維(大和紡績(株)製、DF−2)。割繊後の平均繊維径は約3.2μm(割繊後の繊度は約0.0875dtex)。
[繊維2]第1成分:ポリプロピレン、第2成分:エチレン−ビニルアルコール共重合体からなる繊度3.3dtex、繊維長6mm、放射状16分割型複合繊維(大和紡績(株)製、DF−2)。割繊後の平均繊維径は約5μm(割繊後の繊度は約0.2dtex)。
[繊維3]芯成分:ポリプロピレン、鞘成分:高密度ポリエチレンからなる繊度1.7dtex、繊維長10mmの芯鞘型複合繊維(大和紡績(株)製、NBF(H))。繊維径は約15.2μm。
[繊維4]ポリプロピレンからなる繊度2.2dtex、繊維長10mm、繊維強度6cN/dtexの単一繊維(大和紡績(株)製、PZ)。繊維径は約17.5μm。
[実施例1〜2]
表1に示す繊維配合で混合して0.5mass%の濃度になるように水分散スラリーを調製し、パルパーを用い撹拌時間60min、回転数1000rpmで繊維1に割繊処理を施した。得られた水分散スラリーを円網式湿式抄紙機及び短網式湿式抄紙機からそれぞれ目付約20g/m2の湿式抄紙ウェブを作製して抄き合わせた。次いでシリンダードライヤー機を用いて、線圧40N/cm、温度135℃で熱処理を施して、繊維3の鞘成分を溶融させて構成する繊維同士を接着させて湿式抄紙を得た。この湿式抄紙は、構成する繊維の一部が扁平化されていた。
次に、前記湿式抄紙に、孔径0.1mmのオリフィスが0.6mmの間隔で設けられたノズルから水圧3MPa、4MPa、8MPaの柱状水流を不織布の表側及び裏側にそれぞれ噴射して、水流交絡処理を施した。次いで、熱風ドライヤーを用いて130℃で乾燥して、水流交絡処理された湿式不織布を得た。前記湿式不織布において繊維1は、約95%が割繊してエチレン−ビニルアルコール極細繊維及びポリプロピレン極細繊維が発現していた。
次に、反応器内に湿式抄紙からなる不織布を入れ、まず1.3×103Pa(0.013atom)に真空脱気した。次にN2ガスを導入して圧力を5.8×104Pa(0.58atom)とし、その後、亜硫酸ガス10vol%/N2ガス90vol%の混合ガスを導入し、反応器内圧力を9×104Pa(0.9atom)とした。この状態で約100分間反応させた。このとき、反応器内の亜硫酸ガス/N2ガスの混合ガスの濃度は、約3.6vol%/約96.4vol%であった。
次にフッ素ガス10vol%/N2ガス90vol%の混合ガスを導入し、反応器内圧力を1×105Pa(1atom、大気圧)とした。この状態で約100分間反応させた。この反応は、亜硫酸ガスとフッ素ガスが共存した状態における反応である。また、反応器内のフッ素ガス濃度は、1vol%であった。
その後、脱気して反応器内圧力を5×104Pa(0.5atom)とし、次に酸素ガスを導入して反応器内圧力を1×105Pa(1atom、大気圧)とした。この状態で約30分間反応させた。
次に1.3×103Pa(0.013atom)に真空脱気し、その後N2ガスを導入して大気圧に戻した。以上の操作は、一つの反応器を用いたバッチ式で行った。
以上の操作により、亜硫酸ガスを減圧下で不織布に接触反応させ、前記亜硫酸ガスを残存させた状態でフッ素ガスを不織布に接触反応させるバッチ式多段処理を行った。
前記親水化処理後、温度60℃、濃度2.5%のKOH溶液で不織布を洗浄し、熱風ドライヤーを用いて75℃で乾燥した。次いで、不織布をロール温度60℃、線圧800N/cmのカレンダーロールを用いてカレンダー処理を施して、厚みを調整し、本発明のセパレータ材料を得た。
[比較例1〜3]
表1に示す繊維配合で混合した以外は、実施例1と同様の方法で水流交絡処理された湿式不織布を作製した。なお、比較例3は、分割型複合繊維を用いていないので、パルパーの使用、および水流交絡処理を省略した。
(1)比較例1の親水化処理条件
反応器内に湿式抄紙からなる不織布を入れ、まず1.3×103Pa(0.013atom)に真空脱気した。次にN2ガスを導入して圧力を9×104Pa(0.9atom)とし、その後、亜硫酸ガス10vol%/N2ガス90vol%の混合ガスを導入し、反応器内圧力を1×105Pa(1atom、大気圧)とした。この状態で約100分間反応させた。このとき、反応器内の亜硫酸ガス/N2ガスの混合ガスの濃度は、1vol%/99vol%であった。
次に真空脱気し、容器内圧力を7.6×104Pa(0.76atom)にし、その後N2ガスを導入して圧力を9.6×104Pa(0.96atom)とした。次にフッ素ガス10vol%/N2ガス90vol%の混合ガスを導入し、反応器内圧力を1×105Pa(1atom、大気圧)とした。この状態で約100分間反応させた。このとき、反応器内のフッ素ガス濃度は、0.4vol%であった。
その後は実施例1〜2と同一条件とした。
以上の操作は、一つの反応器を用いたバッチ式で行った。
(2)比較例2及び3の親水化処理条件
反応器内に不織布を入れ、まず1.3×103Pa(0.013atom)に真空脱気した。次にN2ガスを導入して圧力を8×103Pa(0.08atom)とし、その後、亜硫酸ガス10vol%/N2ガス90vol%の混合ガスを導入し、反応器内圧力を4×104Pa(0.4atom)とした。さらに、フッ素ガス10vol%/N2ガス90vol%の混合ガスを導入し、反応器内圧力を5×104Pa(0.5atom)とした後、酸素ガスを1×105Pa(1atom、大気圧)になるまで導入した。この状態で約200分間反応させた。このとき、反応器内の亜硫酸ガス/フッ素ガス/酸素ガス/N2ガスの混合ガスの濃度は、約3.2vol%/約1.1vol%/約50vol%/約45.7vol%であった。
その後、1.3×103Pa(0.013atom)まで真空脱気し、その後N2ガスを導入して1×105Pa(1atom、大気圧)に戻した。その後は実施例1〜2と同一条件とした。
以上の操作は、一つの反応器を用いたバッチ式で行った。
以上の条件と結果を表1に示す。


Figure 0004367923
以上の結果から、実施例1及び2のセパレータ材料は、4μm未満の極細繊維を含有し、不織布の表面及び内部に所望の硫黄含有官能基を付与されていたため、耐ショート性の指標である平均孔径が小さく緻密な構造を有しながらも、電池内での電解液の偏在を抑制することが可能なセパレータが得られた。さらに、実施例1及び2のセパレータ材料は、繊維表面に硫黄含有官能基が集中的に付与されていたので、自己放電抑制効果の指標である有効硫黄原子量が高い値を示していた。
一方、比較例1及び2は、緻密な構造を有する不織布であったが不織布内部まで十分にフッ素ガス処理することができず、繊維内部に反応が進んだため、自己放電抑制効果の指標である有効硫黄原子量が低い値を示していた。また、比較例3は、極細繊維を使用しないため、不織布の緻密性が低く耐ショート性の指標である平均孔径が大きいだけでなく、繊維内部に反応が進んだため、自己放電抑制効果の指標である有効硫黄原子量が低い値を示していた。
本発明のセパレータ材料は、アルカリ二次電池、リチウムイオン二次電池、電気二重層キャパシタ、コンデンサー等の電気化学素子、又はイオン交換セパレータ(イオンキャッチャー)等に用いられるセパレータ材料に関する。特に、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池等のアルカリ二次電池用途において、電解液保持性が高く、耐ショート性が高く、電池の内部抵抗抑制効果及び自己放電抑制効果が高いセパレータ材料として好適である。また、本発明のアルカリ二次電池用セパレータは、携帯電話、デジタル(ビデオ)カメラ、ノート型パソコンなどの一般民生用電池等に好適である。
本発明の一実施例の湿式抄紙した後の不織布構造について、図1に電子顕微鏡写真を示す。

Claims (10)

  1. 繊維径が4μm以下の極細繊維と熱接着性繊維を含む不織布で構成されたセパレータ材料であって、前記熱接着性繊維の少なくとも一部が扁平化しており、
    前記不織布は、電子分光法(ESCA)を用いてX線取り出し角45度により測定される炭素原子数(C)に対するフッ素原子数(F)の比(F/C)が、1×10-2以上20×10-2以下の範囲内にあり、前記不織布は、下記(1)〜(3)を満たすことを特徴とするセパレータ材料。
    (1)電子分光法(ESCA)を用いてX線取り出し角45度により測定される炭素原子数(C)に対する硫黄原子数(S)の比(S/C)Eが、1×10-2以上10×10-2以下の範囲内にある。
    (2)前記不織布は、フラスコ燃焼法により測定される炭素原子数(C)に対する硫黄原子数(S)の比(S/C)Bが、0.1×10-3以上0.5×10-3以下の範囲内にある。
    (3)前記(S/C)Eと(S/C)Bの比[(S/C)E/(S/C)B]が、100以上250以下の範囲内にある。
  2. 前記極細繊維の繊維径は、1.5μm以上3.5μm以下の範囲である請求項1に記載のセパレータ材料。
  3. 前記不織布の比表面積は、0.7m2/g以上1.5m2/g以下の範囲である請求項1に記載のセパレータ材料。
  4. 前記不織布は、繊維径が4μm以下の極細繊維を30mass%以上80mass%以下の範囲で含む請求項1又は3に記載のセパレータ材料。
  5. 前記不織布の電子分光法(ESCA)を用いてX線取り出し角75度により測定される炭素原子数(C)に対する硫黄原子数(S)の比を(S/C)E75としたとき、前記(S/C)Eと(S/C)E75の比[(S/C)E/(S/C)E75]が、1.2以上1.5以下の範囲である請求項1に記載のセパレータ材料。
  6. 前記不織布は、湿式抄紙法で形成され、水流交絡されている請求項1,3〜5のいずれかに記載のセパレータ材料。
  7. 繊維径が4μm以下の極細繊維と熱接着性繊維を含み、前記熱接着性繊維の少なくとも一部が扁平化している繊維ウェブまたは不織布を、密封された反応器に入れ、
    不活性ガス雰囲気下、減圧に保持した状態で亜硫酸含有ガスを前記反応器に導入して前記繊維ウェブまたは前記不織布を巻き出しながら繊維表面と接触反応させ、
    前記亜硫酸含有ガスが存在する状態でフッ素含有ガスを前記反応器に導入して、前記亜硫酸含有ガスと前記フッ素含有ガスの混合ガスを繊維表面と接触反応させることを特徴とするセパレータ材料の製造方法。
  8. 前記繊維ウェブまたは前記不織布が、前記反応器に入れる前に、20N/cm以上100N/cm以下の範囲にある線圧で処理されている請求項7に記載のセパレータ材料の製造方法。
  9. 前記亜硫酸含有ガスを導入した後の圧力が、1×104Pa以上9.5×104Pa以下の範囲の減圧下である請求項7又は8に記載のセパレータ材料の製造方法。
  10. 前記亜硫酸含有ガスと前記フッ素含有ガスの混合ガスを繊維表面と接触反応させた後、脱気し、酸素含有ガスを前記反応器に導入する請求項7〜9のいずれかに記載のセパレータ材料の製造方法。
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