JP2014173200A - 不織布の製造方法、不織布及び電池用セパレータ - Google Patents

不織布の製造方法、不織布及び電池用セパレータ Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、ポリオレフィン系繊維を含有する不織布の製造方法に関し、湿式抄造法により繊維ウェブが形成される際の抄造安定性を確保し、製造時の巻きずれや巻きシワを防止すると共に、幅方向の厚みプロファイルを良好に保ち、強度を有しながら低密度化可能な不織布の製造方法を提供すること、該不織布の製造方法によって製造されてなる不織布を用いて、保液性に優れ、長寿命である電池用セパレータを提供することにある。
【解決手段】少なくともポリオレフィン系繊維を含有する不織布の製造方法において、湿式抄造法により形成された繊維ウェブがヤンキードライヤーとの間隙を調整するためのクリアランス調整用ジャッキが取り付けられたタッチロールでヤンキードライヤーに圧着され、連続計測された幅方向の厚みプロファイルによって風量調整しながら、該タッチロールの上部に幅方向に並べられたエアーノズルによって厚み調整必要部分のタッチロール位置をエアー冷却して、厚みプロファイルがコントロールされ、該エアーノズルがフラット型エアーノズルであることを特徴とする不織布の製造方法、不織布が該不織布製造方法によって製造されてなる不織布、該不織布をスルホン化処理により親水化したことを特徴とする電池用セパレータ。
【選択図】なし

Description

本発明は、不織布の製造方法、この不織布の製造方法で製造された不織布、及びこの不織布を用いたニッケル−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池等のアルカリ二次電池に好適に使用できる電池用セパレータに関する。
ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−水素電池等のアルカリ二次電池は、充放電特性、過充放電特性に優れ、長寿命で繰り返し使用できるため、コードレス電話、ノートパソコン、オーディオ機器等の小型電子機器の他、電動工具、電動自転車等の小型動力用途、ハイブリッド自動車、電気自動車等の大型動力用途等にも広く使用されている。このアルカリ二次電池に用いられている電池用セパレータの役割としては、正極と負極の分離、短絡の防止、電解液(高濃度アルカリ性水溶液)の吸液及び保持、電極反応により生じるガスの透過等が挙げられる。
従来から、電池用セパレータとしては、一般に不織布が用いられてきた。ニッケル−カドミウム電池では、電解液に濡れやすく、その保液量が大きく、しかも電解液を含んだ状態で電気抵抗の低いポリアミド系繊維からなる不織布が使用されてきた。しかし、ニッケル−水素電池では、ポリアミド系繊維の加水分解による分解生成物が自己放電を促進してしまうために、耐アルカリ性及び耐酸化性に優れたポリオレフィン系繊維を主体とする不織布が主として使用されている。
一方、ポリオレフィン系繊維を主体とする不織布は親水性が低いため、スルホン化処理、親水性単量体のグラフト処理、コロナ放電処理、界面活性剤付与処理等が施されるのが一般的である。
このうち、スルホン化処理は、発煙硫酸や濃硫酸等によって不織布にスルホン酸基を導入する方法である(例えば、特許文献1〜3参照)。スルホン化処理を施した不織布は電解液の吸液性や保液性が優れると共に、電池の自己放電反応を抑制する効果が見られる。
スルホン化処理に用いられる不織布としては、乾式不織布又は湿式不織布が用いられるが、電池の高容量化や内部短絡防止のため、地合の均一性に優れる不織布が求められる。地合の均一性の良さを考慮すると、一般的に乾式不織布よりも湿式不織布が優れている。ポリオレフィン系繊維は、耐アルカリ性や耐酸化性に優れるため、電池の長寿命化に有効であるが、ポリオレフィン系繊維のみからなる不織布の製造は比較的難しい。特に、湿式不織布の製造においては、加熱乾燥時の熱収縮により、両耳側が特に低密度となりやすいため、面割れや厚みプロファイルの不均一が生じやすく、その結果、巻きずれや巻きシワが発生しやすい。また、低密度化となった場合、強度が低下しやすく、製造安定性に劣るという問題があった。
このため、ポリオレフィン系繊維と湿熱接着性に優れたエチレン−ビニルアルコール共重合体繊維を併用し、製造安定性を改善する試みが行われてきたが、エチレン−ビニルアルコール共重合体繊維に導入されたスルホン酸基は強アルカリ電解液中で劣化しやすい。そこでポリオレフィン系繊維の熱挙動を制御することにより、不織布の製造安定性を改善する試みがなされてきた(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、この取り組みでは、使用できるポリオレフィン系繊維が限定されてしまうという課題を有していた。
特開昭58−175256号公報 特開昭64−57568号公報 特開平6−140018号公報 特開2011−210701号公報
本発明の課題は、ポリオレフィン系繊維を含有する不織布の製造方法に関し、湿式抄造法により繊維ウェブが形成される際の抄造安定性を確保し、製造時の巻きずれや巻きシワを防止すると共に、幅方向の厚みプロファイルを良好に保ち、強度を有しながら低密度化可能な不織布の製造方法を提供すること、該不織布の製造方法によって製造されてなる不織布を用いて、保液性に優れ、長寿命である電池用セパレータを提供することにある。
本発明者らは、この課題を解決するために鋭意検討を行った結果、下記解決手段を見出した。
(1)少なくともポリオレフィン系繊維を含有する不織布の製造方法において、湿式抄造法により形成された繊維ウェブがヤンキードライヤーとの間隙を調整するためのクリアランス調整用ジャッキが取り付けられたタッチロールでヤンキードライヤーに圧着され、連続計測された幅方向の厚みプロファイルによって風量調整しながら、該タッチロールの上部に幅方向に並べられたエアーノズルによって厚み調整必要部分のタッチロール位置をエアー冷却して、厚みプロファイルがコントロールされることを特徴とする不織布の製造方法。
(2)エアーノズルがフラット型エアーノズルである(1)記載の不織布の製造方法。
(3)(1)又は(2)記載の不織布の製造方法によって製造されてなる不織布。
(4)(3)記載の不織布をスルホン化処理により親水化したことを特徴とする電池用セパレータ。
本発明において、ポリオレフィン系繊維を含有する不織布の製造方法において、湿式抄造法により形成された繊維ウェブがヤンキードライヤーとの間隙を調整するためのクリアランス調整用ジャッキが取り付けられたタッチロールで、適度な間隙を持たせた状態でヤンキードライヤーに圧着されることにより、該不織布のヤンキードライヤーからの剥離ラインが安定し、抄造安定性を確保できると共に、幅方向の厚みプロファイルが良好な電池用セパレータとして適切な強度を有し、低密度化した不織布を得ることができる。
また、該タッチロールの上部にエアーノズルを幅方向に並べて、連続計測された幅方向の厚みプロファイルによって風量調整しながら、厚み調整必要部分のタッチロール位置をエアー冷却し、厚みプロファイルをコントロールすることにより、更に幅方向の厚みプロファイルが良好となる。
また、エアーノズルとしてフラット型エアーノズルを使用することで、幅方向の厚みプロファイルを調整することができる。この不織布をスルホン化処理により、親水化することにより、電解液の保液性に優れ、長寿命である電池用セパレータを得ることができる。
乾燥機で乾燥された不織布をタッチロールで加圧処理して巻き取る工程を示す図である。
本発明で使用するポリオレフィン系繊維として、ポリオレフィン系芯鞘型複合繊維を挙げることができる。ポリオレフィン系芯鞘型複合繊維における芯成分と鞘成分の組合せとしては、芯成分がポリプロピレン、鞘成分が高密度ポリエチレンの組合せ、芯成分がポリプロピレン、鞘成分が中密度ポリエチレンの組合せ、芯成分がポリプロピレン、鞘成分が低密度ポリエチレンの組合せ、芯成分がポリエチレン、鞘成分が直鎖状低密度ポリエチレンの組合せ、芯成分がポリプロピレン、鞘成分がエチレン−プロピレン共重合体の組合せ、芯成分がポリプロピレン、鞘成分がポリブテン−1の組合せ等が挙げられる。これらポリオレフィン系芯鞘型複合繊維の中でも、芯成分がポリプロピレン、鞘成分が高密度ポリエチレンの組合せである芯鞘型複合繊維が抄造性に優れ、強度の高い不織布が得られるため好ましく用いられる。
前記芯成分がポリプロピレン、鞘成分が高密度ポリエチレンであるポリオレフィン系芯鞘型複合繊維において、芯成分のポリプロピレンは、繊維物性を調整するため、必要に応じて高密度ポリエチレンやポリメチルペンテン等の他のポリオレフィンを混合することができる。前記ポリプロピレン以外のポリオレフィンの混合比率としては、芯成分の10質量%以下であることが好ましい。また、鞘成分の高密度ポリエチレンについても、繊維物性を調節するため、必要に応じてポリプロピレンやエチレン−プロピレン共重合体等の他のポリオレフィンを混合することができる。前記高密度ポリエチレン以外のポリオレフィンの混合比率としては、鞘成分の10質量%以下であることが好ましい。
本発明に使用されるポリオレフィン系繊維の繊維径、繊維長は特に限定されないが、不織布強度と製造性等から、繊維径は1μm以上20μm以下が好ましく、繊維長は1mm以上20mm以下が好ましい。繊維長が1mm未満の場合には、不織布の十分な機械的強度が得られない場合がある。繊維長が20mmを超えた場合には、地合不良となり、良好な不織布が形成できなくなる場合がある。特に、湿式不織布では、分散時の繊維同士の異常な絡みが発生し、均一な分散状態にならず、地合不良となる場合がある。
本発明に使用されるポリオレフィン系芯鞘型複合繊維以外に使用可能な他のポリオレフィン系繊維としては、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等の単一成分からなるポリオレフィン系繊維、2種類以上の異なるポリオレフィンの混合物からなる混合ポリオレフィン系繊維、2種類以上の異なるオレフィンの共重合体からなる共重合ポリオレフィン系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリオレフィン等の樹脂を適宜組み合わせた、サイドバイサイド型、分割性複合型ポリオレフィン系繊維等が挙げられる。
本発明において、ポリオレフィン系繊維と併用可能な繊維としては、脂肪族ポリアミド繊維、芳香族ポリアミド繊維、半芳香族ポリアミド繊維、エチレン−ビニルアルコール共重合体繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリアクリロニトリル繊維等も使用することができる。本発明の製造方法によって製造されてなる不織布をスルホン化処理により親水化して電池用セパレータとする場合、エチレン−ビニルアルコール共重合体繊維に導入されたスルホン酸基は強アルカリ電解液中で劣化しやすいため、含有量をできるだけ少なくすることが好ましい。
これらのポリオレフィン系繊維と併用可能な繊維の繊維径、繊維長は特に限定されないが、不織布強度と製造性等から、繊維径は1μm以上20μm以下が好ましく、繊維長は1mm以上20mm以下が好ましい。また、分割性複合繊維をリファイナーにより細分化して使用することもできる。繊維長が1mm未満の場合には、不織布の十分な機械的強度が得られない場合がある。繊維長が20mmを超えた場合には、地合不良となり、良好な不織布が形成できなくなる場合がある。特に、湿式不織布では分散時の繊維同士の異常な絡みが発生し、均一な分散状態にならず、地合不良となる場合がある。
本発明において、不織布がポリオレフィン系芯鞘複合繊維を60質量%以上含有することがより好ましい。熱融着繊維であるポリオレフィン系芯鞘複合繊維を60質量%以上含有させることにより、ヤンキードライヤーとの間隙を調整するためのクリアランス調整用ジャッキが取り付けられたタッチロールで、適度な間隙を持たせた状態で、圧着することで不織布表面のフィルム化を防止しつつ、繊維同士の接着箇所が増加し、不織布強度が向上する。
繊維ウェブを形成する湿式抄造法としては、例えば、水平長網方式、傾斜ワイヤー型短網方式、円網方式等の方式、これらの方式の中から選ばれる方式を複数組み合わせたコンビネーション方式(例えば、傾斜ワイヤー型短網・円網コンビネーション方式)等が挙げられる。本発明の製造方法により得られた不織布を電池用セパレータとして使用する場合、ピンホールや欠点を防止するため、傾斜ワイヤー型短網・円網コンビネーション方式又は円網・円網コンビネーション方式が好ましい。
繊維ウェブから不織布を製造する方法としては、ポリオレフィン系芯鞘型複合繊維等の熱融着繊維を含有するウェット状態の繊維ウェブを加熱乾燥させると同時に繊維同士の熱融着を生じさせる。この加熱乾燥方式として、ヤンキードライヤーと熱風フード式乾燥機を組み合わせた方法が用いられる。
本発明においては、前記方法により熱融着させた繊維ウェブを、ヤンキードライヤーとの間隙を調整するためのクリアランス調整用ジャッキが取り付けられたタッチロールで、適度な間隙を持たせた状態で圧着することにより、繊維ウェブがヤンキードライヤーから剥離するラインが幅方向で一直線となり、幅方向の部分的な収縮や伸びが無くなるため、目付と厚みのプロファイルが均一にできると共に、間隙を保っているため、低密度のまま、不織布強度を向上させることができ、リーラーで巻き取る際の巻きずれを防止できる。
クリアランス調整用ジャッキにより、ヤンキードライヤーとタッチロールの間隙(ギャップ)は、不織布の目付と目標とする厚みにより適宜調整するが、0.1〜2.0mmの範囲で調整するのが好ましい。
タッチロールを用いない場合、熱融着繊維の配合量を増やさないと不織布強度の確保が難しくなる。また、不織布の乾燥時に両耳部分の剥離が早く、収縮が大きいため、耳上がりの目付及び厚みのプロファイルになりやすく、両耳サイドを切り落とした場合、歩留まりが悪化する。
ヤンキードライヤーとの間隙を調整するためのクリアランス調整用ジャッキが取り付けられていないタッチロールを用いた場合、熱融着繊維の配合量が多い場合、ヤンキードライヤーに接した不織布表面がフィルム化しやすく、不織布の吸液性と保液性の低下を招き、充・放電特性等の電池特性や電池寿命を低下させてしまう。不織布表面のフィルム化を防ぐために、熱融着繊維の配合量を減らした場合、不織布強度が低下する課題が出てくる。また、タッチロールはスイングアームに固定され、エアーシリンダーにより両サイドから加圧されるため、厚みプロファイルは両耳サイドが潰れやすく、両耳の厚みが薄い、両耳下がりのプロファイルとなりやすく、両サイドを切り落とした場合、歩留まりが悪化する。
タッチロールの材質としては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。タッチロールの硬度は、JIS K 6253に準じ、タイプAデュロメータで測定した値を示し、50以上85以下であり、60以上80以下がより好ましい。
また、タッチロールの表面温度は110℃以下に制御して使用することが好ましく、100℃以下に制御するのがより好ましい。タッチロールの表面温度は、不織布からの熱とヤンキードライヤーからの熱で上昇し、タッチロールの鉄芯が熱膨張で不均一に変形し、幅方向と流れ方向の厚みプロファイルのバラツキが増加するため、鉄芯内部を水冷できる構造にすることが好ましい。
さらに、本発明においては、タッチロールの上部にエアーノズルを幅方向に並べて、タッチロール表面を適宜エアーで冷却する。エアーノズルはフラット型エアーノズルであることが好ましい。また、エアーノズルの噴射幅は24〜42mmのものを好適に用いることができる。その際、B/M計等で連続計測された幅方向の厚みプロファイルによって、厚み調整必要部分のタッチロール位置のエアー冷却風量を調整することにより、厚みプロファイルを均一にコントロールすることができる。厚みが厚い部分は、エアー冷却風量を絞り、タッチロールの表面温度を上げ、厚みを潰しやすくする。一方、薄い部分はエアー冷却風量を増やし、タッチロールの表面温度を下げ、厚みを潰しにくくする操作を行う。
タッチロール表面をエアー冷却する利点としては、タッチロール温度を100℃以下に下げることができ、不織布表面の両面のフィルム化を防ぐことができ、タッチロールに当てた冷却エアーが、タッチロールから出てきた不織布をも冷却するため、不織布の強度を発現させやすく、テンション調整しやすくなり、ヤンキードライヤーからの剥離性が更に良化する。さらに、収縮しやすい不織布の両耳サイドの収縮を抑え、両耳のシボ発生を防ぐことができる。
このように、湿式抄造法により繊維ウェブが形成され、ヤンキードライヤーと熱風フード式乾燥機とを組み合わせた乾燥方式で乾燥された後、ヤンキードライヤーとの間隙を調整するためのクリアランス調整用ジャッキが取り付けられたタッチロールで、適度な間隙を持たせた状態で圧着し、タッチロールの上部にエアーノズルを幅方向に並べて、タッチロール表面を適宜エアーで冷却することで、抄造安定性を確保でき、幅方向の厚みプロファイルが良好な電池用セパレータとして適切な強度を有し、低密度化した不織布を得ることができる。
本発明の製造方法により製造された不織布は、適切な強度を有し、低密度化された不織布である。該不織布にスルホン化処理を施し、繊維の表面から内部にスルホン酸基を導入することにより、親水化した電池用セパレータを得ることができる。スルホン化処理法としては、二酸化硫黄ガス、三酸化硫黄ガス等による気相処理法や熱濃硫酸、発煙硫酸、又はクロロ硫酸等による液相処理法等を使用することができる。本発明の電池用セパレータにおいては、気相処理法によるスルホン化処理が好ましい。液相処理法によるスルホン化処理は、反応条件の設定が難しく、反応時間を長くし過ぎた場合や温度を高くし過ぎた場合に、不織布が炭化、収縮、フィルム化しやすいという問題がある。また、多量の強酸性廃液が出るという問題がある。
本発明の電池用セパレータにおいては、電解液との親和性を更に向上させるために、スルホン化処理後の不織布に、コロナ放電処理を施すことや、界面活性剤を付与することができる。用いられる界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、リン酸エステル塩、長鎖脂肪酸塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、特殊芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤等の陰イオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレン誘導体類、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。これらの界面活性剤は、含浸、塗布、スプレーした後、乾燥することにより不織布に付与することができ、界面活性剤の付与量は、スルホン化処理後の不織布に対して、0.1質量%以上1.0質量%以下が好ましい。
本発明の電池用セパレータにおいては、必要に応じて、スーパーカレンダーや熱カレンダー処理により、厚みを調整して用いられる。本発明の電池用セパレータの目付は30g/m以上100g/m以下の範囲が好ましく、厚みは60μm以上250μm以下の範囲が好ましい。電池用セパレータの目付及び厚みは、適用する電池の特性に応じて適宜選択できる。ここで、目付はJIS P 8124に規定されている坪量を表し、厚みはJIS P 8118に規定される厚さを表す。また、本発明の電池用セパレータの最大細孔径は1μm以上50μm以下の範囲が好ましい。最大細孔径が50μmを超えて大きくなると、短絡しやすくなり、電池製造時の不良率が大きくなる場合がある。最大細孔径が1μm未満では、酸素ガス透過性やイオン導電性が低下する場合がある。ここで、最大細孔径はJIS K 3832に規定されるバブルポイント法による最大細孔径を表す。
図1を用いて、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(比較例1)
芯成分がポリプロピレンで、鞘成分が高密度ポリエチレンであるポリオレフィン系芯鞘型複合繊維(繊度0.8dtex、繊維長5mm)100質量部を、パルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて繊維ウェブを形成し、138℃に設定されたヤンキードライヤー1と140℃の熱風を熱風フード2で送風して乾燥させると共に、ポリオレフィン系芯鞘型複合繊維の鞘部分を熱溶融接着(熱融着)させた。次に、繊維ウェブをクリアランス調整用ジャッキ5でヤンキードライヤー1とタッチロール4のギャップを0.80mmとして通し、ペーパーロール6を経て、巻き取り装置9で不織布3が巻き取られ、不織布の巻き取り7を得た。不織布の坪量は61.2g/mであり、厚みは340μmであった。抄造中のタッチロールの表面温度は、100〜104℃であった。図1における矢印は、不織布3の搬送方向を示している。
このようにして得られた不織布に対して、三酸化硫黄ガスを含む75℃の乾燥空気中で、25秒間スルホン化処理を行い、2.5質量%の水酸化ナトリウム水溶液で中和し、イオン交換水で十分洗浄し、次いで、界面活性剤として、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムを、スルホン化処理後の不織布に対して0.3質量%となるようにスプレー塗布し、乾燥後、スーパーカレンダー処理により厚み調整して、硫黄含有率0.65質量%、坪量63.5g/m、厚み180μmの電池用セパレータを得た。
(実施例1)
クリアランス調整用ジャッキ5でヤンキードライヤー1とタッチロール4のギャップを0.75mmとし、タッチロール4の上部に噴射幅42mmのフラット型エアーノズル8を幅方向に並べて、B/M計等で連続計測された幅方向の厚みプロファイルによって、厚み調整必要部分のタッチロール位置のエアー冷却風量を調整する以外は、比較例1と同様にして、坪量が60.2g/m、厚み341μmの不織布を製造した。抄造中のタッチロールの表面温度は、94〜96℃であった。この不織布に、比較例1と同様にして、スルホン化処理を行い、硫黄含有率0.58質量%、坪量62.3g/m、厚み179μmの電池用セパレータを得た。
(実施例2)
タッチロールの上部に噴射幅24mmのフラット型エアーノズル8を幅方向に並べて、B/M計等で連続計測された幅方向の厚みプロファイルによって、厚み調整必要部分のタッチロール位置のエアー冷却風量を調整する以外は、実施例1と同様にして、坪量が60.1g/m、厚み342μmの不織布を製造した。抄造中のタッチロールの表面温度は、95〜97℃であった。この不織布に、比較例1と同様にして、スルホン化処理を行い、硫黄含有率0.60質量%、坪量62.5g/m、厚み180μmの電池用セパレータを得た。
(実施例3)
繊維の配合を、芯成分がポリプロピレンで、鞘成分が高密度ポリエチレンであるポリオレフィン系芯鞘型複合繊維(繊度0.8dtex、繊維長5mm)60質量部とポリプロピレン単一繊維(繊度0.8dtex、繊維長5mm)40質量部に変更し、クリアランス調整用ジャッキ5でヤンキードライヤー1とタッチロール4のギャップを0.70mmとした以外は、実施例1と同様にして、坪量が60.8g/m、厚み345μmの不織布を製造した。この不織布に、比較例1と同様にして、スルホン化処理を行い、硫黄含有率0.64質量%、坪量63.0g/m、厚み181μmの電池用セパレータを得た。
(実施例4)
繊維の配合を、芯成分がポリプロピレンで、鞘成分が高密度ポリエチレンであるポリオレフィン系芯鞘型複合繊維(繊度0.4dtex、繊維長5mm)100質量部に変更し、クリアランス調整用ジャッキ5でヤンキードライヤー1とタッチロール4のギャップを0.60mmとした以外は、実施例1と同様にして、坪量が52.5g/m、厚み310μmの不織布を製造した。この不織布に、比較例1と同様にして、スルホン化処理を行い、硫黄含有率0.55質量%、坪量53.9g/m、厚み120μmの電池用セパレータを得た。
(比較例2)
タッチロールのクリアランス調整用ジャッキを使用せず、タッチロールを線圧1kN/mで使用した以外は、比較例1と同様にして、坪量61.0g/m、厚み240μmの不織布を製造した。抄造中のタッチロールの表面温度は、113〜116℃であった。この不織布に、比較例1と同様にスルホン化処理を行い、硫黄含有率0.59質量%、坪量63.2g/m、厚み181μmの電池用セパレータを得た。
(比較例3)
タッチロールのクリアランス調整用ジャッキを使用せず、タッチロールを線圧1kN/mで使用した以外は、実施例1と同様にして、坪量61.2g/m、厚み242μmの不織布を製造した。抄造中のタッチロールの表面温度は、110〜113℃であった。この不織布に、比較例1と同様にスルホン化処理を行い、硫黄含有率0.57質量%、坪量63.8g/m、厚み180μmの電池用セパレータを得た。
(比較例4)
タッチロールを開放した以外は、比較例1と同様にして、坪量60.5g/m、厚み470μm不織布を製造した。この不織布に、比較例1と同様にスルホン化処理を行い、硫黄含有率0.68質量%、坪量62.8g/m、厚み182μmの電池用セパレータを得た。
(比較例5)
タッチロールを開放した以外は、実施例1と同様にして、坪量が60.2g/m、厚み473μmの不織布を製造した。抄造中のタッチロールの表面温度は、92〜95℃であった。この不織布に、比較例1と同様にして、スルホン化処理を行い、硫黄含有率0.58質量%、坪量62.3g/m、厚み179μmの電池用セパレータを得た。
(比較例6)
タッチロールを開放した以外は、実施例3と同様にして、坪量61.0g/m、厚み463μm不織布を製造した。抄造中のタッチロールの表面温度は、92〜95℃であった。この不織布に、比較例1と同様にスルホン化処理を行い、硫黄含有率0.66質量%、目付63.7g/m、厚み182μmの電池用セパレータを得た。
(実施例5)
エアーノズルをラウンド型にした以外は、実施例1と同様にして、坪量が60.5g/m、厚み343μmの不織布を製造した。抄造中のタッチロールの表面温度は、98〜100℃であった。この不織布に、比較例1と同様にして、スルホン化処理を行い、硫黄含有率0.60質量%、坪量62.9g/m、厚み183μmの電池用セパレータを得た。
各実施例及び比較例における[硫黄含有率]の測定方法を説明する。スルホン化処理された電池セパレータから直径35mmの試料を採取し、イオン交換水200mL中で10分間、2回洗浄し、60℃で10分間乾燥して測定用試料を作製した。この試料をホルダーにセットして、蛍光X線装置(装置名:ZSX Primus II、Rhターゲット、50kV−50mA、(株)リガク製)で全元素測定を行った。硫黄含有率は、測定値を半定量分析法であるSQX計算することで算出し、スルホン化処理量を質量%で見積もった。
<評価>
実施例及び比較例で得られた不織布及び電池用セパレータについて、下記の評価を行い、結果を表1に示した。
[坪量の評価]
水分平衡状態の不織布から、100mm角の試料を幅方向から15枚採取した。各試料片の質量を測定し、質量×100で坪量を算出し、平均値を求めた。
[厚みの評価]
坪量を測定した各試料片について、テクロック式厚さ計(PG−14)を用いて、四角の厚さを4点測定し、平均値を求めた。また、試料片15枚の平均値を求めた。幅方向の厚み測定において、最大値と最小値の差「R値」を求めた。
[引張強度の評価]
水分平衡状態のスルホン化処理前の不織布から、巻き取りの流れ方向250mm、幅方向50mmの試料を10枚切り取り、JIS P 8113に準じて、卓上型材料試験機(装置名:STA−1150、(株)オリエンテック製)を用いて、引張強度を測定し、10枚の平均値を不織布の引張強度とした。
[巻きずれ及び巻きシワの評価]
不織布を巻き取る際に生じる巻きずれの評価は以下のようにして実施した。不織布を巻き取る際に、500m毎に巻き取りのコバ面に中心側から外側に向けて直線を引き、1500m巻き取った後のコバ面を観察し、各直線の曲がり具合で巻きずれを評価した。各直線に曲がりが生じていない場合を「◎」、1本のみに本来の直線から1cm未満の曲がりが生じている場合を「○」、1本のみに本来の直線から1cm以上の曲がりが生じている場合を「△」、2本に曲がりが生じている場合を「×」、3本全てに曲がりが生じている場合を「××」で表した。また、巻きシワについては、1500m巻き取る際に全く巻きシワが発生しなかった場合を「◎」、1000m未満まで巻きシワが発生せず、1000m以上1500m以内で巻きシワが発生した場合を「○」、500m未満まで巻きシワが発生せず、500m以上1000m未満で巻きシワが発生した場合を「△」、500m未満で巻きシワが発生した場合を「×」で表した。
[保液性の評価]
厚み調整済みの電池用セパレータから、100mm角の試験片をとり、水分平衡状態の質量(W1)を測定した後、比重1.3の水酸化カリウム水溶液に30分間浸漬する。その後、水酸化カリウム水溶液中から引き上げ、10分後の質量(W2)を測定し、次の式(1)より保液率を算出した。
保液率(%)=(W2−W1)/W1×100 (1)
[電池の作製]
電極の集電体として、発泡ニッケル基材を用いたペースト式水酸化ニッケル正極(40mm幅)と、ニッケルメッキパンチングメタル基材を用いた水素吸蔵合金負極(40mm幅)を1枚ずつ用い、これらの電極の間に、43mm幅の実施例及び比較例で得られた電池用セパレータを介在させて、電池構成機を用いて巻き取り、渦巻状極板群を作製した。該渦巻状極板群を円筒形の金属ケースに収納した後、1N水酸化リチウムを含む7N水酸化カリウム水溶液を主体とするアルカリ電解液を一定量注入した後、安全弁付きの封印蓋を取り付けて、公称容量が1.7Ahの単3形密閉式ニッケル水素電池を作製した。その後、正極と負極との間に240Vの電圧を印加し、電気抵抗が1kΩを超えるものを正常とした。
[電池寿命の評価]
上記のようにして製造した電池の内、正常な電池を各電池用セパレータについて10個選別した。電池の化成のため、25℃において、170mA(0.1C)の電流で15時間充電し、1.7A(1C)の電流で端子電圧が0.8Vになるまで放電するという充放電を4回繰り返し、化成処理を行った。得られた化成済みの電池10個を用い、40℃で、1.7A(1C)の電流で1.2時間充電し、次に1.7A(1C)の電流で終止電圧が1.0Vになるまで放電させるという充放電サイクルを繰り返し、電池の寿命を評価した。300サイクル未満を「×」、300サイクル以上500サイクル未満を「△」、500サイクル以上750サイクル未満を「○」、750サイクル以上を「◎」で表した。
Figure 2014173200
実施例1〜5の結果から、ヤンキードライヤーとの間隙を調整するためのクリアランス調整用ジャッキが取り付けられたタッチロールで、適度な間隙を持たせた状態で圧着することにより、該不織布のヤンキードライヤーからの剥離ラインが安定し、抄造安定性を確保でき、幅方向の厚みプロファイルを良好に保つことができる。その結果、リーラーで巻き取られた不織布について、巻きずれや巻きシワの発生を抑えることができる。また、電池用セパレータとして適切な強度を有し、低密度化した不織布を得ることができる。こうして得られた不織布を電池セパレータとした場合、寿命に優れている。また、タッチロールの上部に、エアーノズルを幅方向に並べて、連続計測された幅方向の厚みプロファイルによって、厚み調整必要部分のタッチロール位置を風量調整しながらエアー冷却することにより、厚みプロファイルをコントロールすることができ、厚みのプロファイルを更に向上させることができる。
実施例1と実施例3の比較から、ポリオレフィン系芯鞘複合繊維を60質量%含有する実施例3でも、クリアランス調整用ジャッキが取り付けられたタッチロールで、適度な間隙を持たせた状態で圧着し、タッチロールの上部にフラット型エアーノズルを幅方向に並べて、連続計測された幅方向の厚みプロファイルによって、厚み調整必要部分のタッチロール位置を風量調整しながらエアー冷却することで、厚みプロファイルの均一性に優れ、電池用セパレータとして適切な強度を確保することができる。
実施例4は、細い0.4dtexのポリオレフィン系芯鞘複合繊維からなる不織布を電池セパレータとしたものであるが、クリアランス調整用ジャッキが取り付けられたタッチロールで、適度な間隙を持たせた状態で圧着することにより、低坪量にもかかわらず、強い強度を確保することができ、タッチロールの上部にフラット型エアーノズルを幅方向に並べて、厚み調整必要部分のタッチロール位置を風量調整しながらエアー冷却することで、厚みのプロファイルも良好であった。
実施例5は、タッチロールの上部に、ラウンド型エアーノズルを幅方向に並べて、厚み調整必要部分のタッチロール位置を風量調整しながらエアー冷却した場合であるが、比較例1のエアー冷却しない場合よりも厚みプロファイルは良好となった。実施例1〜2のノズル噴射幅が24〜42mm幅のフラット型エアーノズルを用いてエアー冷却した場合の方が、ラウンド型エアーノズルを使用した実施例5よりも、風量が多くなり、厚みプロファイルが向上する結果であった。
比較例2と比較例3の結果は、クリアランス調整用ジャッキが取り付けられないタッチロールで圧着した場合であるが、ヤンキードライヤー表面に接した側の繊維ウェブの溶融が進み、フィルム化し、高密度となり、保液率が低下するため、電池寿命が短くなる。巻きずれは良化するものの、両耳サイドの厚みが薄くなり、幅方向の厚みプロファイルは悪化し、巻きシワが発生する。タッチロールの上部にフラット型エアーノズルを幅方向に並べて、厚み調整必要部分のタッチロール位置を風量調整しながらエアー冷却した比較例3は、タッチロール温度が低下し、厚みプロファイルが良化したが、繊維ウェブの溶融を防止するには至らなかった。
比較例4と比較例5はタッチロールを圧着しなかった場合であるが、両耳の乾燥収縮による坪量の増加と幅方向の厚みプロファイルの悪化で、巻きずれが大きく、巻きシワの発生も多く、歩留まりが悪くなる。タッチロールの上部にフラット型エアーノズルを幅方向に並べて、厚み調整必要部分のタッチロール位置を風量調整しながらエアー冷却した比較例5は両耳部の収縮を低減させることができたが、巻きずれや巻きシワを良化させるには至らなかった。
比較例6は、実施例3でタッチロールを圧着しなかった場合であるが、巻きずれや巻きシワが発生し、引張強度の低下が著しく、電池用セパレータとして適切な強度が得られなかった。
本発明の活用例としては、ニッケル−カドミウム二次電池、ニッケル−水素二次電池等のアルカリ二次電池用セパレータが挙げられる。また、ワイパー、フィルター、分離膜支持体、湿布基材、ガーゼ、芯地、衛生材料、マスク、紙おむつ、カーペット用基材、建材用シート、リチウムイオン電池セパレータ、キャパシタ用セパレータ、自動車用内装材、防音防振材、テープ用基材、農業・土木資材用シート、包装材料、コーヒーフィルター、水切り袋、ティーバッグ、キッチンペーパー、手芸用シート等の不織布にも利用することができる。
1 ヤンキードライヤー
2 熱風フード
3 不織布
4 タッチロール
5 クリアランス調整用ジャッキ
6 ペーパーロール
7 不織布の巻き取り
8 エアーノズル
9 巻き取り装置

Claims (4)

  1. 少なくともポリオレフィン系繊維を含有する不織布の製造方法において、湿式抄造法により形成された繊維ウェブがヤンキードライヤーとの間隙を調整するためのクリアランス調整用ジャッキが取り付けられたタッチロールでヤンキードライヤーに圧着され、連続計測された幅方向の厚みプロファイルによって風量調整しながら、該タッチロールの上部に幅方向に並べられたエアーノズルによって厚み調整必要部分のタッチロール位置をエアー冷却して、厚みプロファイルがコントロールされることを特徴とする不織布の製造方法。
  2. エアーノズルがフラット型エアーノズルである請求項1記載の不織布の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の不織布の製造方法によって製造されてなる不織布。
  4. 請求項3記載の不織布をスルホン化処理により親水化したことを特徴とする電池用セパレータ。
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