JP2021006487A - 不織布ロールの製造方法および不織布ロール - Google Patents

不織布ロールの製造方法および不織布ロール Download PDF

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Abstract

【課題】不織布ロールの巻径、巻長を変えず、巻出し後の不織布の厚みが厚く、不織布ロール形状が良好な不織布ロール及びその製造方法を提供する。【解決手段】芯鞘型熱伸長性複合繊維を含むエアースルー不織布が巻き取り軸に巻き取られた不織布ロールであって、前記不織布ロールから巻出された後のエアースルー不織布の厚みが、前記巻き取り軸に巻き取られる前の前記エアースルー不織布の厚みに対して43.7%以上54.6%以下であり、巻ずれ量が3mm以上10mm以下である不織布ロール。【選択図】図1

Description

本発明は不織布ロールの製造方法および不織布ロールに関する。
近年のサニタリー商品の表面材に用いられる不織布は「厚みの厚いこと」が要求されている。この要求を満たすため、不織布を所定幅にスリットしロールに巻き取る時に、緩く巻き、厚みを潰さないことが考えられる。
特許文献1には、繊維同士が集積接合されて三次元網目状構造をもつ長尺状の三次元網目状シートが厚さ方向に圧縮された状態でロール状に巻かれたものが記載されている。
特許文献2には、繊維同士の接点が、低融点の熱可塑性樹脂の熱変形温度と高融点の熱可塑性樹脂の融点との間の温度で熱処理する嵩高不織布の製造方法が記載されている。
さらに特許文献3には、布はくの長手方向にテンションがかからず、厚さ方向に圧縮されていることとする巻物状布はくを、ベルトを利用して巻き取る、布はくの巻き取り方法が記載されている。
特開2006―129891号公報 特開2009―148912号公報 特開2012―144835号公報
不織布ロールには、一定の巻径および巻長さを確保しつつ、巻出した時の不織布厚みを厚くしたいという要求がある。そのためには、不織布を巻いて不織布ロールにする時、不織布を緩く巻く必要が有る。しかし、不織布を緩く巻くと不織布ロールの巻径が大きくなって、輸送し難くなる。またサニタリー商品の製造装置の巻出し装置に、不織布ロールが取り付かなくなる。他方、不織布ロールの巻径を小さくするため巻長を短くすると、一つの不織布ロールから生産できる製品数が減少し、生産性が低下する。生産性を維持するためには、不織布ロールの交換が頻繁になる。しかし、不織布ロールの頻繁な交換は作業負荷が大きく実際的ではない。
さらに、不織布は、ロールに巻きとる前に、所定の幅にするためにスリット加工を行う。スリット加工の後に不織布巻きとる際には、不織布を一定の比率で引き伸ばし(引き伸ばす比率をドロー比という)巻き取る。このドロー比を小さくし、不織布を巻き取ると、スリット時の不織布の幅より巻き取り軸に巻き取った後の不織布の幅が広くなる場合がある。スリット加工とは、幅広の不織布を長手方向に切断し、複数の不織布に分けて、それぞれの不織布をそれぞれ巻き取り軸に巻き取る加工である。このため、不織布がそれぞれに巻き取られた隣接する不織布ロールは互いに接触した状態になる。すなわち不織布幅がスリット直後の幅より広くなると、隣り合った不織布ロールどうしが押し合い、形状不良になる。このように巻き取り軸に巻き取られた不織布の幅が広がる理由は、巻き取り時の圧で不織布が潰され拡がるためと思われる。
特許文献1に記載されたように、シートを厚さ方向に圧縮してロールに巻き取ると、巻き取り前のシート幅よりも巻き取り後のシート幅が広くなることがある。特に不織布の場合には巻き取り後のシート幅が広くなりやすい。そのため、巻き取る前にスリット加工して、スリット加工後に隣接して不織布を巻き取る場合、上記説明したのと同様に不織布ロールが形状不良となる。
また、特許文献2では、嵩高性を回復させているための熱処理が必要になり、工程の負荷が大きくなる。熱処理を用いずに、嵩高い不織布ロールを得ることが求められる。
さらに特許文献3では、布はくの長手方向にテンションがかからず、厚さ方向に圧縮されているため、特許文献1の場合と同様になる。すなわち、巻き取った不織布ロールが形状不良となる。
本発明は、不織布ロールの巻径、巻長を変えず、巻出し後の不織布の厚みが厚く、不織布ロール形状が良好な不織布ロールの製造方法および不織布ロールを提供することに関する。
本発明は、不織布を巻き取り軸に巻き取る際の該不織布の搬送方向の伸び率を7.6%以下にして、前記不織布を前記巻き取り軸に巻き取る不織布ロールの製造方法を提供する。
また本発明は、不織布が巻き取り軸に巻き取られた不織布ロールであって、前記不織布ロールから巻出された後の不織布の幅が、前記巻き取り軸に巻き取られた前記不織布の幅に対して102%以下である不織布ロールを提供する。
本発明の不織布ロールの製造方法によれば、不織布の巻径、巻長を変えず、巻出し後の不織布の厚みが厚く、ロール形状が良好な不織布ロールを得ることができる。
本発明の不織布ロールによれば、不織布の巻径、巻長を変えず、巻出し後の不織布の厚みが厚く、ロール形状が良好なものを得ることができる。
本発明に係る不織布ロールの製造方法を実施する不織布ロールの製造装置の好ましい一実施形態を模式的に示した構成図である。 巻き出した不織布の厚みと不織布の圧縮率との関係を示したグラフである。 不織布の圧縮率と不織布の引き伸ばし率との関係を示したグラフである。 ロール巻ずれ量と、スリット直前の不織布厚み/ロール巻き取り時の不織布厚みの比との関係を示したグラフである。
本発明に係る不織布ロールの製造方法の好ましい一実施形態(第1実施形態)について、図1に示した不織布ロールの製造装置を参照して説明する。
図1に示すように、不織布ロールの製造装置1に巻出し自在に配された原反ロール10から不織布11を巻きだす。巻き出された不織布11は案内ローラ12、13間に配されたダンサーローラ14によって不織布11にテンション(張力)がかけられ、搬送方向(MD)のテンションが調整される。ダンサーローラ14には、押圧部15が配され、押圧部15が不織布11にかけるダンサーローラ14の圧力を調整する。これによって、不織布11に所望のテンションが掛けられる。押圧部15には、例えば空気圧シリンダーが用いられている。
この不織布11は、駆動ローラ16によって搬送方向に引っ張られるように搬送されている。駆動ローラ16は回動駆動装置(図示せず)により回動されるように配されている。また、駆動ローラ16に対向する位置に案内ローラ17が配されている。不織布11は駆動ローラ16によって搬送方向に送り出され、案内ローラ17によって切断刃18の方向に導かれている。切断刃18は回転刃であってもナイフのような刃物であってもよい。
切断刃18に対向する位置に受けローラ19が配されている。不織布11は受けローラ19に押圧されながら切断刃18によって幅方向に複数本にわたって長手方向に切断される。したがって、切断刃18は不織布11の切断本数より一つ少ない数が不織布11の切断間隔に合わせて配されている。
切断刃18と受けローラ19に対して、不織布11の搬送方向直前には、スリットされる不織布11を圧縮する一対の加圧ローラ21、22が配されることが好ましい。一対の加圧ローラ21、22については後述する。
案内ローラ23、24、25は、スリットされた不織布11を第1サーフェスローラ26に導くものである。以下、スリットされた不織布11を単に不織布11ともいう。
第1サーフェスローラ26はスリットされた不織布11を巻き取り軸31に押し付けながら引き伸ばすものである。そして巻き取り軸31がスリットされた不織布11を巻き取る。その際、第2サーフェスローラ27によって不織布11をさらに巻き取り軸31に押し当てるようにする。不織布11が巻き取り軸31に巻き取られる際の巻き取り軸31の周速と第1サーフェスローラ26の周速とは同等である。また、これらの周速は不織布11の基準の搬送速度と同等である。上記周速が同等とは、完全に周速が一致する場合の他、どちらかのローラがやや遅い場合またはやや早い場合も含む。さらに、第2サーフェスローラ27の周速は第1サーフェスローラ26の周速と同じかやや速くなる。第2サーフェスローラ27の周速と第1サーフェスローラ26の周速が同じ場合、第2サーフェスローラ27は不織布11を巻き取り軸31に巻きつけられた不織布11表面にこれから巻きつける不織布11を案内する役割を持つ。そして第2サーフェスローラ27の周速が第1サーフェスローラ26の周速よりも速い場合、第2サーフェスローラ27は上記の不織布11を案内する役割を果たす。それとともに、プレスロール28と同じくロールの巻き締め半径を小さくする作用を有する。
そして、巻き取り軸31に巻かれた状態で不織布11はプレスローラ28によって潰され、巻き取り軸31への不織布11の巻径が調整される。プレスローラ28には、押圧部29が配され、押圧部29が巻き取り軸31に巻き取られた不織布11にかけるプレスローラ14の圧力を調整する。押圧部29には、例えば空気圧シリンダーが用いられている。このように、プレスローラ28は、巻き取り軸31に巻かれた不織布11を圧するものである。このプレスローラ28によって巻き取り軸31に巻かれた不織布11の巻径を小さくして、しっかりと巻くことができる。すなわち、プレスローラ28による押し圧によって、第1サーフェスローラ26および第2サーフェスローラ27に載っている不織布11に巻き取り軸31に巻かれた不織布11が押し付けられる。それによって、第1サーフェスローラ26および第2サーフェスローラ27の反力による押圧によって、巻き取り軸31に巻かれた不織布11にこれから巻かれようとする不織布11が押し付けられることになる。したがって、巻き取り軸31に巻かられる不織布11の巻径は、第1サーフェスローラ26および第2サーフェスローラ27からの反力による押圧を生み出すプレスローラ28の押圧力により制御される。このようにして巻き取り軸31に不織布11が巻かれて不織布ロール41が完成する。
巻き取り軸31に不織布11が巻き取られていくと、不織布ロール41の巻き取り径と質量が増大する。不織布ロール41は第1サーフェスローラ26および第2サーフェスローラ27に載っている。このため、不織布ロール41の巻き取り径と質量が増えると、不織布ロール41を第1サーフェスローラ26および第2サーフェスローラ27に押し付ける力が大きくなる。本来、巻き取り軸31に不織布11を巻き取る時の不織布11の潰しは、プレスロール28の押圧力で制御する。しかし、不織布ロール41の巻径の増大とともに不織布11への押圧力に不織布ロール41の自重が加算されるため制御範囲から外れることになる。そこで、プレスロール28の押圧力で制御できるようにするために、巻き取り軸31には不織布ロール41の自重をキャンセルする自重キャンセル部33が配されている。自重キャンセル部33は、巻き取り軸31の巻取軸(図示せず)を下側から上に持ち上げるように、不織布ロール41の質量を支えることができる力で押し上げるものである。この自重キャンセル部33によって、プレスロール28の押圧力以外の力が不織布11を潰す力として加わらないようにすることができる。
この自重キャンセル部33は、不織布11の目付(単位面積当たりの質量)に幅と不織布11の巻長さを乗じて質量を計算し、その質量を支える力で、巻き取り軸31の回動軸を下から押し上げるように作用するものである。
なお、図面中、原反ロール10および不織布ロール41の周囲に示した矢印はそれぞれの回転方向を示す。
不織布ロール41の巻径の具体的な制御方法は、不織布11の巻き出しから巻き取られるまでの「不織布の搬送方向(以下、MD方向ともいう。)の不織布の伸び」と、巻き取り軸31上でのプレスローラ28による「不織布へのプレス圧」の二つで制御する。上記の製造方法の場合では、「搬送方向の不織布の伸び」が制限されているので、巻径を基準にプレスローラ28によるプレス圧を調整する。このため、「搬送方向の不織布の伸び」が決まると、巻径から「プレス圧」は一意的に決まる。
「搬送方向の不織布の伸び」は以下のように定義する。すなわち、フリーテンションの状態の不織布の長さと、巻き取り軸31に接触した瞬間の不織布の長さの差であり、この差を元の長さで除したものを搬送方向の不織布の伸び率とする。具体的には、以下のように求めた。
(a)原反ロール10の巻出しから不織布11が巻き取り軸31に巻かれた不織布11に接触するまでの不織布11の搬送区間を、ドロー制御の区間とテンション制御の区間に分けた。図示例では、原反ロール10の不織布11の巻だしから駆動ローラ16までがテンション制御の区間となり、駆動ローラ16から不織布ロール41の不織布11に接触するまでの区間がドロー制御の区間となる。
(b)テンション制御の区間の中の、一番後ろの区間から「搬送方向の不織布の伸び」をテンションの値から求めた。ここでいう一番後ろの区間とは、ダンサーローラ14から駆動ローラ16までの間の区間をいう。
まず引張圧縮試験機(例えば、株式会社エーアンドデイ製のテンシロン万能材料試験機)等を用いて、不織布11の搬送方向のテンションと伸び曲線を得た。同時にこの区間のテンションの値を設備の設定値から得た。テンション対伸び曲線と、テンションの設定値とにより、この区間の伸びを読み取った。
(c)上記の区間以降のドロー制御による「搬送方向の不織布の伸び」を(製造装置の設定値から)求めた。
(d)上記(b)と(c)の値を積算したものが、「搬送方向の不織布の伸び」となる。
上記不織布ロールの製造方法により不織布ロール41を製造する際に、巻き取り軸31に向かって搬送する不織布11の搬送方向の伸び率を7.6%以下にして不織布11を巻き取り軸31に巻き取る。以下、不織布11の搬送方向の伸び率をドロー比ともいう。不織布11は、搬送時に搬送方向にテンションが掛けられているため、搬送方向に伸びている。上記搬送方向の伸び率は、テンションがかけられていない状態の不織布に対して、搬送方向にテンションがかけられて不織布が伸びた長さの割合である。
次に、不織布の搬送方向の伸びについて、発明者らが測定した結果に基づいて説明する。
不織布11を「圧縮のみ」をかけて不織布を巻き取る方法、および「引き伸ばしのみ」をかけて不織布を巻き取る方法の二つの方法で不織布を巻き取った。不織布の厚みを薄くした不織布ロールを作製して96時間保管した。その後、不織布ロール41から不織布11を巻き出し、「圧縮」状態および「引き伸ばし」状態から解放して不織布11を自由状態にした。それから、自由状態の不織布11の厚みを測定した。厚みの測定は以下のようにして行った。
[不織布厚みの測定方法]
不織布の厚みの測定方法は、不織布に0.5g/cmの荷重を加えた状態で、厚み測定器を用いて測定した。厚み測定器にはオムロン株式会社製のレーザー変位計を用いた。このレーザー変位計を、その下にある物体の高さ方向の位置を表示するように取り付けた。その下に水平な台を配し、金属の円盤を水平な台に載せた。この円盤と水平な台の間に不織布が有る時と無い時の差を不織布の厚み測定値とした。この時、円盤の質量を面積で除した値が0.5g/cmである。厚み測定は、6点測定し、それらの平均値を算出して厚みとした。
具体的な試験方法を以下に説明する。
試験方法は、
(1)引張り力を負荷する不織布を一定の伸長率になるように、一方向に伸ばした状態で平らな板にテープ等で固定した。
(2)上記「不織布厚みの測定方法」を用いて上記の固定した不織布の厚みを測定した。
(3)不織布が上記の厚み測定で測定した厚みになる圧力をKES圧縮試験機(カトーテック株式会社製KES FB−3)で求めた。
(4)KES圧縮試験機で得た圧力値で不織布サンプルを加圧した。
(5)上記(1)で得た不織布を伸ばした状態で保存した。および(4)で得た不織布を加圧した状態で保存した。保存は、室温(例えば25℃)で4日間(96時間)とした。
(6)上記の保存期間後、伸ばした状態の不織布を引張状態から解放した。また、加圧した不織布を加圧状態から解放した。そして、それぞれの不織布の厚みを上記「不織布厚みの測定方法」により測定した。
この結果を図2に示す。図2では、縦軸に巻き出した不織布の厚みを示し、横軸に不織布の圧縮率を示した。この不織布の圧縮率とは、前述の(2)にある「固定した不織布の厚み」を前述の(1)にある「一方向に伸ばす前の不織布の厚み」で除した時の比率を意味する。
図2に示すように、圧縮率x=0.1928を境にして圧縮率が低い範囲で、圧縮後の不織布の厚みが、引き伸ばし後の不織布の厚みよりも厚くなることがわかった。上記圧縮率の値は、引張りのみの状態から引張り力を開放した不織布の厚みと圧縮率との相関曲線と圧縮のみの状態から圧縮力を開放した不織布の厚みと圧縮率との相関曲線との交点より求めた。
図3に不織布の圧縮率と搬送方向の不織布の伸び率(引き伸ばし率)との相関関係を示した。圧縮率が0.1928では不織布の伸び率が7.60%であった。したがって、圧縮率が0.1928以下となる不織布の伸び率が7.60%以下であれば、不織布ロール41の巻径、巻長を変えず、巻出し後の不織布11の厚みが厚い不織布ロール41を得ることができる。
上記不織布ロールの製造方法によれば、不織布11の巻径、巻長を変えず、不織布が巻き取られた不織布ロール41の不織布11の巻き形状が崩れることなく良好であった。また、巻出し後の不織布11の厚みが厚い不織布ロール41を得ることができた。
図1に示した上記一対の加圧ローラ21、22は、不織布11の搬送速度と同速度の周速で回転するものであり、加圧ローラ21、22間に不織布11を挟んで、例えば1kg/cmから400kg/cmの線圧で圧縮するものである。これにより、不織布11は厚み方向に圧縮される。スリット加工直前の不織布11の厚みを、巻き取ったロール中の不織布の厚みに対して900%以下に圧縮することが好ましい。そのため、上記圧縮率に応じて加圧ローラ21、22の加圧力は調整される。具体的には、不織布ロールの巻の状態、すなわち巻きが崩れるか、崩れないかを見ながら加圧力を調整する。巻が崩れる場合には、圧縮が不足していると判断して加圧力を高める。巻がきれいな状態であれば圧縮が十分になされていると判断して加圧力を保持する。
図4に示すように、スリット加工直前の不織布11の厚みを、巻き取り軸31に巻き取られた後の不織布11の厚みに対して、厚み方向に900%以下になるように圧縮する。これにより、巻き取り軸31に巻き取られた後の不織布11のロール巻ずれ量を10mm以下にすることができる。一方、900%を超えるように圧縮されると、ロール巻ずれ量が10mmより大きくなり、不織布11の巻き崩れが起こりやすくなる。
スリット加工された不織布11は、そのままの幅で第1サーフェスロール26に運ばれ、巻き取り軸31にロール状に巻かれる。不織布11は第1サーフェスロール26、第2サーフェスロール27およびプレスロール28の順に移動する際に、厚み方向に潰されてその分幅方向に拡がる。この幅方向の拡がりの大きさはロール状に巻き取る時の圧縮によるところが大きく、ドロー比が小さいほど大きくなる。スリットされた不織布11は、隣り合って接触しているため、幅方向の拡がりが大きくなると隣り合う不織布ロールがお互いに押し合うことになり、その結果、両端のロールにおいて巻崩れが発生することになる。
なお、加圧ローラ21、22による圧縮に関して、「スリット加工直前」とは、図示した位置に限定されるものではない。図示した位置より原反ロール10側であってもよく、場合によっては、原反ロール10の中で圧縮しても良い。通常、スリッターによる不織布11の切断は300m/分程度の高速で行われるため、例えば原反ロール10を起点に考えてもスリットまでの時間は1秒に満たず、直前の要件を満たすためである。
このように、スリット前の不織布11を圧縮することにより、巻き取り軸31に巻き取られた不織布11がずれて巻き取られた不織布11が崩れる、いわゆるロールの巻き崩れを防止できる。
次に、本発明の不織布ロール41について説明する。この不織布ロール41は、不織布11が巻き取り軸31に巻き取られたものである。不織布ロール41から巻出された後の不織布11の幅が、巻き取り軸31に巻き取られた不織布11の幅に対して105%以下である。
上記不織布ロール41によれば、不織布11の巻径、巻長を変えず、巻出し後の不織布11の厚みが厚く、巻き崩れのない、ロール形状が良好なものを得ることができる。
以下に、上述の不織布ロールの製造方法により不織布ロールを製造した実施例、および比較例により本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1の不織布として、2層構造の不織布を作製した。
第1層の不織布の構成繊維としては、芯部は融点が165℃のポリプロピレンであり、鞘部は融点が127℃のポリエチレン(PE)である同心タイプの芯鞘型熱伸長性複合繊維を用いた。第1層の不織布は上記構成の芯鞘型熱伸長性複合繊維を全体の50%用いたものであった。
第2層の不織布の構成繊維としては、芯部に融点が255℃のポリエチレンテレフタレートを用い、鞘部に融点が130℃のポリエチレン(PE)である同心タイプの芯鞘型熱伸長性複合繊維を用いた。第2層の不織布は上記構成の芯鞘型熱伸長性複合繊維を全体の50%用いたものであった。
そして上記第1層の不織布が構成されるウエブ上に第2層の不織布が構成されるウエブを重ね合わせ、エンボス加工を行い、その後にエアースルー(AT)法により融着処理を行って不織布を作製した。エンボス加工は連続線からなるキルト状の柄に加工した。上記融着条件は、温度134℃、風速0.5m/s、処理時間4秒、加工速度85m/sとした。
上記不織布の目付は、25g/mであった。
この実施例1では、巻き取り軸31に巻き取られる直前のMD方向の伸び、すなわち搬送時のドロー比を2.70%になるように管理した。また、プレスローラ28による巻き取り軸31に巻き取られた不織布11への押圧を113kg/幅に設定した。さらに、不織布11の巻き取りの前に、不織布11の幅方向を複数にわたって長手方向に切断するスリット加工を行った。そして、スリット加工直前の不織布11の厚みを、スリット加工された不織布11が巻き取り軸31に巻き取られる時の厚みに対して850%に圧縮した。このようにして不織布ロール41を作製した。
(実施例2)
実施例2は、巻き取り軸31に巻き取られる直前のMD方向の伸び、すなわち搬送時のドロー比を6.00%になるように管理した。また、プレスローラ28による巻き取り軸31に巻き取られた不織布11への押圧を44kg/幅に設定した。それ以外は実施例1と同様にして不織布ロール41を作製した。
(比較例1)
比較例1は、プレスローラ28による巻き取り軸31に巻き取られた不織布11への押圧を180kg/幅に設定した。また、スリット加工直前の不織布11の厚みを、スリット加工された不織布11が巻き取り軸31に巻き取られる時の厚みに対して940%に圧縮した。それ以外は実施例1と同様にして不織布ロール41を作製した。
(比較例2)
比較例2は、巻き取り軸31に巻き取られる直前のMD方向の伸び、すなわち搬送時のドロー比を8.00%になるように管理した。また、プレスローラ28による巻き取り軸31に巻き取られた不織布11への押圧を2kg/幅に設定した。それ以外は実施例1と同様にして不織布ロール41を作製した。
[搬送時のドロー比の測定方法]
搬送時のドロー比の測定方法は前述の搬送方向の伸び率の求め方と同じである。
[巻ずれ量の測定方法]
「巻ずれ量」は、不織布ロールに巻かれた不織布の幅方向の最大ずれ量と定義する。測定する不織布ロールの巻き取り軸を鉛直方向にして不織布ロールを水平な台の上に置いた。そして、その不織布ロールの上にロール径より長い直定規を水平に置いた。不織布ロールに接触している側の直定規の平面から垂直方向の不織布ロールに巻かれている不織布までの距離が最も長い距離を物差しで測定した。その測定値を巻ずれ量とした。
[不織布のロール巻き取り幅/不織布の巻出し幅の比の測定および評価方法]
不織布ロールの巻き取り幅は、不織布ロールの外周部の幅を物差しで測定して得た。不織布の巻き出し幅は、不織布ロール外周から巻きだした不織布をフリーテンションの状態にして水平な台の上に置き、物差しでその幅を測定して得た。
[不織布厚みの測定方法]
不織布厚みの測定方法は、不織布ロールから巻き戻した不織布を用いて厚み測定用の試験片を作製した。試験片は、巻き出した不織布のMD方向に25cm、巻き出した不織布の幅方向に20cmの大きさで切り出したものであり、3枚用意した。この試験片に0.5g/cmの荷重を加えた状態で、厚み測定器を用いて測定した。厚み測定器にはオムロン株式会社製のレーザー変位計を用いた。厚み測定は、各試験片につき2点、合計6点測定し、それらの平均値を算出して厚みとした。なお測定は、ロールからサンプルを巻き出し後30分以上35分以内に測定した。
Figure 2021006487
表1に示した結果から明らかなように、実施例1および実施例2は、比較例1よりも巻き崩れ量が少なくなるとともに、比較例2より不織布厚みが厚くなった。このように不織布ロールの巻出し後の不織布厚みを厚くすることと、巻き崩れが少ない不織布ロールとすることの両立ができた。
1 不織布ロールの製造装置
10 原反ロール
11 不織布
12,13 案内ローラ
14 ダンサーローラ
15 押圧部
16 駆動ローラ
17,23,24,25 案内ローラ
18 切断刃
19 受けローラ
21,22 加圧ローラ
26 第1サーフェスローラ
27 第2サーフェスローラ
28 プレスローラ
29 押圧部
31 巻き取り軸
33 自重キャンセル部
41 不織布ロール

Claims (5)

  1. 芯鞘型熱伸長性複合繊維を含むエアースルー不織布が巻き取り軸に巻き取られた不織布ロールであって、
    前記不織布ロールから巻出された後のエアースルー不織布の厚みが、前記巻き取り軸に巻き取られる前の前記エアースルー不織布の厚みに対して43.7%以上54.6%以下であり、巻ずれ量が3mm以上10mm以下である不織布ロール。
  2. 請求項1に記載の不織布ロールの製造方法であって、前記エアースルー不織布を巻き取り軸に巻き取る際の該エアースルー不織布の搬送方向の伸び率を2.5%以上7.6%以下にし、前記エアースルー不織布の圧縮率を0.15以上0.1928以下にして、前記エアースルー不織布を前記巻き取り軸に巻き取る不織布ロールの製造方法。
  3. 前記巻き取り軸に巻き取っていくエアースルー不織布の不織布ロールをサーフェスローラに載せ、前記不織布ロールに対してプレスローラによって押圧力を付与するとともに、巻径の増大に応じて前記不織布ロールを押し上げて自重による潰す力を抑制して、前記不織布ロールの巻径を制御する、請求項2記載のエアースルー不織布の製造方法。
  4. 前記エアースルー不織布の巻き取りの前に、該エアースルー不織布の幅方向を複数にわたって長手方向に切断するスリット加工を行う工程を備え、
    前記スリット加工直前の前記エアースルー不織布の厚みを、巻き取り軸に巻き取られたエアースルー不織布の厚みに対して厚み方向に850%以上900%以下に圧縮する請求項2又は3に記載の不織布ロールの製造方法。
  5. 前記スリット加工直前に、前記エアースルー不織布を搬送させながら、前記エアースルー不織布の搬送速度と同速度の周速で回転する一対の加圧ローラ間に前記エアースルー不織布を挟んで前記エアースルー不織布を厚み方向に圧縮する請求項4に記載の不織布ロールの製造方法。

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