JP2014197470A - アルカリ電池用セパレータ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、湿式不織布からなる電池用セパレータにおいて、通気性の均一性に優れ、引張強度が高く、保液性が高く、最大細孔径の小さく、ショートしにくく、ヒートシール接着強度の高い電池用セパレータを得ることである。
【解決手段】平均繊維径1.0μm以上5.0μm以下のポリオレフィン系繊維、平均繊維径5.0μm超8.0μm以下のポリオレフィン系繊維及び平均繊維径が8.0μm超13.0μm以下のポリオレフィン系繊維を含有してなる湿式不織布から構成されてなるアルカリ電池用セパレータ。
【選択図】なし
【解決手段】平均繊維径1.0μm以上5.0μm以下のポリオレフィン系繊維、平均繊維径5.0μm超8.0μm以下のポリオレフィン系繊維及び平均繊維径が8.0μm超13.0μm以下のポリオレフィン系繊維を含有してなる湿式不織布から構成されてなるアルカリ電池用セパレータ。
【選択図】なし
Description
本発明は、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池等のアルカリ二次電池に好適に使用できるアルカリ電池用セパレータに関する。
ニッケル−カドミウム電池やニッケル−水素電池等のアルカリ二次電池は、充放電特性、過充放電特性に優れ、長寿命で繰り返し使用できるため、コードレス電話、ノートパソコン、オーディオ機器等の小型電子機器の他、電動工具、電動自転車等の小型動力用途、ハイブリッド自動車、電気自動車等の大型動力用途等にも広く使用されている。このアルカリ二次電池に用いられているアルカリ電池用セパレータ(以下、「電池用セパレータ」、「セパレータ」と略記する場合がある)の役割としては、正極と負極の分離、短絡の防止、電解液(高濃度アルカリ性水溶液)の吸液及び保持、また電極反応により生じるガスの透過等が挙げられる。
従来から、電池用セパレータとしては、一般に不織布が用いられてきた。ニッケル−カドミウム電池では、電解液に濡れやすく、その保液量が大きく、しかも電解液を含んだ状態で電気抵抗の低いポリアミド系繊維からなる不織布が使用されてきた。しかし、高温における耐酸化劣化性に劣り、アルカリ二次電池の充電時に発生する酸素ガスによって酸化劣化するという欠点があるため、急速充放電により、電池内部の温度が60〜80℃に上昇した場合、性能低下が著しいという問題があった。
一方、酸化劣化に耐性を有するポリオレフィン系繊維を含有してなる不織布も電池用セパレータとして使用されているが、親水性が低いために、親水性繊維との併用、親水性単量体のグラフト処理、コロナ放電処理、界面活性剤付与処理、スルホン化処理等の親水化処理が施されるのが一般的である。
このうち、スルホン化処理は発煙硫酸や濃硫酸によって不織布にスルホン酸基を導入する方法である(例えば、特許文献1〜5参照)。スルホン化処理を施した不織布は電解液の吸液性や保液性が優れると共に、電池の自己放電反応を抑制する効果が見られる。
ここで電池の自己放電反応が促進される原因として、電池内に不純物として存在する含窒素化合物が分解され、生成したアンモニアが正極上で酸化されて硝酸イオンとなり、この硝酸イオンが移動し、負極上で還元されてアンモニアとなる繰り返し反応(シャトル機構)が生じて自己放電を加速するという説が提唱されている。スルホン化処理を施した不織布からなる電池用セパレータをこの電池内に導入することにより、繊維に導入されたスルホン酸基が生成するアンモニアを捕捉し、電池の自己放電反応を抑制すると考えられている。
近年、電子機器や、電気自動車、ハイブリッド自動車に用いられている電池は、いずれにおいても小型軽量化が求められている。そのためには電極の活物質を増やす必要があり、これに伴って使用する電池用セパレータの薄膜化が要求されている。しかしながら、薄膜化が求められているものの、薄膜化による影響として、引張強度の低下、最大細孔径の大孔径化や保液性の低下が起き、引張強度の低下と最大細孔径の大孔径化は電池作製時のショート率が上昇することから電池の不良率が増加するおそれがあり、保液性の低下は電池寿命が低下するおそれがあり、様々な方法が検討されている。
また、電池作製時に電極とセパレータを倦回するが、その際に巻き芯での電極のバリによって短絡が発生する場合があるため、それを防ぐために短セパ(バリによる短絡を防ぐ補助セパレータ)をヒートシール法等で貼り付ける必要がある。その際の融着強度が低いと、貼り付けたセパレータ同士が剥がれてしまい、電池の作製が困難となるため、ヒートシール接着強度を向上させる必要があった。
このような電池用セパレータの薄膜化に対応するために、薄膜化した電池用セパレータにおいても、引張強度の向上、電池用セパレータにおける通気性の均一性の向上、最大細孔径の縮小化によるショート率の低減といった更なる改良のために、湿式不織布からなる電池用セパレータにおいて、5μm以下の極細繊維配合や、8μm以上の高強度繊維を配合するといった方法が採られていた。しかし、いずれの方法においても、平均繊維径にばらつきがあることや、繊維径が太いなどの問題により、均一性が得られないという問題が発生していた(例えば特許文献6及び7参照)。
本発明の課題は、湿式不織布からなる電池用セパレータにおいて、通気性の均一性に優れ、引張強度が高く、保液性が高く、最大細孔径が小さく、ショートしにくく、ヒートシール接着強度の高い電池用セパレータを得ることである。
本発明者らは、この課題を解決するために鋭意検討を行った結果、湿式不織布からなる電池用セパレータにおいて、不織布を構成する繊維の繊維径と上記課題の改善との間に相関性があることを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は、
(1)平均繊維径1.0μm以上5.0μm以下のポリオレフィン系繊維、平均繊維径5.0μm超8.0μm以下のポリオレフィン系繊維及び平均繊維径が8.0μm超13.0μm以下のポリオレフィン系繊維を含有してなる湿式不織布から構成されてなるアルカリ電池用セパレータ、
(2)該湿式不織布が、ポリオレフィン系繊維として、ポリプロピレンを芯成分とし、ポリエチレンを鞘成分とする芯鞘型複合繊維を少なくとも含有してなる(1)記載のアルカリ電池用セパレータ、
(3)該湿式不織布が、ポリオレフィン系繊維として、ポリプロピレン単繊維を少なくとも含有してなる(1)又は(2)記載のアルカリ電池用セパレータ、
(4)該湿式不織布が熱板圧着方式で乾燥処理されてなる(1)〜(3)のいずれかに記載のアルカリ電池用セパレータ、
(5)湿式不織布に、親水性繊維との併用、親水性単量体のグラフト処理、コロナ放電処理、界面活性剤付与処理、スルホン化処理から選ばれる少なくともひとつの親水化処理が施されてなる(1)〜(4)のいずれか記載のアルカリ電池用セパレータ、
である。
(1)平均繊維径1.0μm以上5.0μm以下のポリオレフィン系繊維、平均繊維径5.0μm超8.0μm以下のポリオレフィン系繊維及び平均繊維径が8.0μm超13.0μm以下のポリオレフィン系繊維を含有してなる湿式不織布から構成されてなるアルカリ電池用セパレータ、
(2)該湿式不織布が、ポリオレフィン系繊維として、ポリプロピレンを芯成分とし、ポリエチレンを鞘成分とする芯鞘型複合繊維を少なくとも含有してなる(1)記載のアルカリ電池用セパレータ、
(3)該湿式不織布が、ポリオレフィン系繊維として、ポリプロピレン単繊維を少なくとも含有してなる(1)又は(2)記載のアルカリ電池用セパレータ、
(4)該湿式不織布が熱板圧着方式で乾燥処理されてなる(1)〜(3)のいずれかに記載のアルカリ電池用セパレータ、
(5)湿式不織布に、親水性繊維との併用、親水性単量体のグラフト処理、コロナ放電処理、界面活性剤付与処理、スルホン化処理から選ばれる少なくともひとつの親水化処理が施されてなる(1)〜(4)のいずれか記載のアルカリ電池用セパレータ、
である。
湿式不織布からなる電池用セパレータでは、薄膜化することにより、引張強度の低下、通気性の均一性の低下、通気度の上昇、保液性の低下、加圧保液量の低下、最大細孔径の大孔径化の問題を招いていた。本発明では、平均繊維径1.0μm以上5.0μm以下のポリオレフィン系繊維、平均繊維径5.0μm超8.0μm以下のポリオレフィン系繊維及び平均繊維径8.0μm超13.0μm以下のポリオレフィン系繊維を含有してなる湿式不織布から構成されてなるアルカリ電池用セパレータによって、これらの問題を解決することができた。
平均繊維径が5.0μm超8.0μm以下のポリオレフィン系繊維を含有することによって、電池用セパレータの引張強度を維持することができ、また、平均繊維径が1.0μm以上5.0μm以下のポリオレフィン繊維を配合することによって、通気性の均一性、保液性、最大細孔径にも優れた効果が得られることを見出した。また、本発明では、平均繊維径が8.0μm超13.0μm以下のポリオレフィン系繊維を含有することによって、通気性の均一性や保液性、加圧保液量、セパレータの厚さが出しやすく、ショートしにくく、ヒートシール接着強度が高いという効果が得られることを見出した。よって、本発明の電池用セパレータでは、通気性の均一性に優れ、引張強度が高く、保液性が高く、最大細孔径が小さく、ショートしにくく、ヒートシール接着強度が高いという、これらの性能に優れた電池用セパレータを得ることができた。
ポリオレフィン系繊維として、ポリプロピレンを芯部分としてポリエチレン繊維を鞘部分としてなる芯鞘繊維を用いることによって、鞘部分が湿式不織布内での繊維の結着に作用すると共に、芯部分のポリプロピレンの融点が165℃と高いために、繊維自体の収縮を防ぐことができ、電池用セパレータ全体の収縮を抑えることができる。また、ポリプロピレン単一繊維を配合することで、電池用セパレータ全体の収縮を抑えることができることに加え、繊維の表面が融着しにくいことから、カレンダー処理等の厚み調整後においても電池用セパレータ内に空隙を維持しやすいために、保液性や通気性を維持できる効果がある。
また、湿式不織布がシリンダードライヤーに代表される熱板圧着方式で乾燥処理した湿式不織布であることで、電池用セパレータの通気性の均一性が優れたシートを作製することができた。
また、本発明の電池用セパレータは、湿式不織布そのままでも使用できるが、親水性繊維との併用、親水性単量体のグラフト処理、コロナ放電処理、界面活性剤付与処理、スルホン化処理から選ばれる少なくともひとつの親水化処理を施されていることによって、保液性に優れた電池用セパレータを得ることができる。
本発明の電池用セパレータは、平均繊維径が1.0μm以上5.0μm以下のポリオレフィン繊維、平均繊維径5.0μm超8.0μm以下のポリオレフィン系繊維及び平均繊維径が8.0μm超13.0μm以下のポリオレフィン系繊維を含有してなる湿式不織布から構成されてなることを特徴とする。
ポリオレフィン系繊維は、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等の単一成分からなる繊維、2種類以上の異なるポリオレフィンの混合物からなる混合ポリオレフィン繊維、2種類以上の異なるオレフィンの共重合体からなる共重合ポリオレフィン繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリオレフィン等の樹脂を適宜組み合わせた、芯鞘型、サイドバイサイド型、偏芯型等の複合繊維等が挙げられる。ポリオレフィン系繊維の断面形状は、複合繊維が分割することによって得られる楔形、平板形等の異形断面やフィブリルと言った繊維形状よりも、略円形状である方が好ましい。ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンの他、ポリメチルペンテン、ポリブテン等を挙げることができる。またオレフィンと共重合可能なその他の単量体としては、酢酸ビニル、酪酸ビニル、ビニルアルコール(酢酸ビニルを重合後、鹸化)等を挙げることができる。
平均繊維径5.0μm超8.0μm以下のポリオレフィン系繊維の繊維径は、5.0μm超7.5μm未満がより好ましく、5.0μm超7.0μm未満が更に好ましい。この太さの繊維の配合を増やすことで、繊維強度及び繊維間の結合を強く維持できることから、電池用セパレータの強度向上を図ることができる。
平均繊維径8.0μm超13.0μm以下のポリオレフィン系繊維の繊維径は、8.0μm超12.0μm未満がより好ましく、8.0μm超11.0μm未満が更に好ましい。13.0μm超である場合には、平均繊維径が太すぎるために、通気度や最大細孔径が高くなりすぎ、電池作製時のショート率が高くなる。また、電池内の空隙が大きくなりすぎ、保液性が低下するといった問題が発生する。
本発明の電池用セパレータは、平均繊維径1.0μm以上5.0μm以下のポリオレフィン系繊維を含有してなる。平均繊維径1.0μm以上5.0μm以下のポリオレフィン系繊維の繊維径は、1.0μm以上4.0μm未満がより好ましく、1.0μm以上3.5μm未満が更に好ましい。平均繊維径が1.0μm未満である場合には、繊維の製造が困難であるために入手しづらいといった問題がある。
なお、本発明における平均繊維径は、湿式抄造不織布断面をマイクロスコープにて観察し、無作為に選んだ50本以上の繊維の断面積を求め、繊維断面が円形であるとして、その断面積から繊維直径に換算した値である。
平均繊維径1.0μm以上5.0μm以下のポリオレフィン系繊維の含有量は、全繊維に対して、好ましくは5質量%以上50質量%以下であり、10質量%以上40質量%以下がより好ましく、15質量%以上30質量%以下が更に好ましい。
平均繊維径5.0μm超8.0μm以下のポリオレフィン系繊維の含有量は、全繊維に対して、好ましくは30質量%以上90質量%以下であり、40質量%以上80質量%以下がより好ましく、50質量%以上70質量%以下が更に好ましい。
また、平均繊維径8.0μm超13.0μm以下のポリオレフィン系繊維の含有量は、全繊維に対して、好ましくは5質量%以上50質量%以下であり、10質量%以上40質量%以下がより好ましく、15質量%以上30質量%以下が更に好ましい。
本発明の電池用セパレータは、ポリオレフィン系繊維として、ポリプロピレンを芯成分とし、ポリエチレンを鞘成分とする芯鞘型複合繊維(以下、「PP/PE芯鞘型複合繊維」と略記する場合がある)を少なくとも含有してなることが好ましい。PP/PE芯鞘型複合繊維は、溶融紡糸機を用い、芯鞘型複合紡糸用口金を用いて溶融紡糸される。紡糸温度は、鞘成分であるポリエチレンが変質しない温度で実施され、紡糸温度200℃以上300℃以下で重合体を押し出し、所定の繊度の紡糸フィラメントを作製する。紡糸フィラメントには、必要に応じて延伸処理を実施する。延伸処理は、鞘成分であるポリエチレンが融着しない温度で実施され、例えば、延伸温度50℃以上100℃以下の範囲で、延伸倍率2倍以上で処理すると、繊維強度が向上して好ましい。得られたフィラメントには、必要に応じて繊維処理剤を付与し、親水性や分散性を制御した後、所定の長さに切断して不織布製造用の芯鞘型複合繊維として使用される。
PP/PE芯鞘型複合繊維を構成する芯成分としては、ポリプロピレンを使用するが、繊維物性を調整するため、必要に応じてポリエチレンやポリメチルペンテン等のポリオレフィンを混合することができる。前記ポリオレフィンの混合比率としては、芯成分の10質量%以下であることが好ましい。また、必要に応じて、通常のポリオレフィンに用いられる樹脂添加剤を添加することができる。樹脂添加剤としては、各種酸化防止剤、中和剤、光安定剤、紫外線吸収剤、造核剤、滑剤、帯電防止剤等が挙げられ、添加する場合の添加量としては、樹脂に対して0.01質量%以上1.0質量%以下の範囲で用いられる。
PP/PE芯鞘型複合繊維を構成する鞘成分としては、ポリエチレンを使用するが、繊維物性を調節するため、必要に応じてポリプロピレンやエチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィンを混合することができる。前記ポリオレフィンの混合比率としては、鞘成分の10質量%以下であることが好ましい。また、必要に応じて、通常のポリオレフィンに用いられる樹脂添加剤を添加することができる。樹脂添加剤としては、各種酸化防止剤、中和剤、光安定剤、紫外線吸収剤、造核剤、滑剤、帯電防止剤等が挙げられ、添加する場合の添加量としては、樹脂に対して0.01質量%以上1.0質量%以下の範囲で用いられる。
本発明の電池用セパレータに含有されるPP/PE芯鞘型複合繊維の含有量は、全繊維に対して、好ましくは、30質量%以上100質量%以下の範囲であり、より好ましくは、60質量%以上100質量%以下の範囲であり、更に好ましくは、80質量%以上100質量%以下の範囲である。含有量が30質量%未満の場合、電池用セパレータの強度不足により、電池作製時の不良率が上昇する場合がある。なお、平均繊維径5.0μm超8.0μm以下のポリオレフィン系繊維及び平均繊維径8.0μm超13.0μm以下のポリオレフィン系繊維として、PP/PE芯鞘型複合繊維を含有させることが好ましい。
本発明の電池用セパレータは、ポリオレフィン系繊維として、ポリプロピレン単繊維(以下、「PP単一繊維」と略記する場合がある)を少なくとも含有してなることが好ましい。ポリオレフィン系繊維としては、上述したPP/PE芯鞘型複合繊維の他に、PP単一繊維、ポリメチルペンテン単繊維等が挙げられるが、PP単一繊維を含有させた場合、融点が高いために、電池用セパレータの収縮が起きにくいという耐熱収縮性という効果が得られる。なお、平均繊維径1.0μm以上5.0μm未満のポリオレフィン系繊維として、PP単一繊維を含有させることが好ましい。
本発明の電池用セパレータは、PP単一繊維を含有させなくても、本発明の効果を達成できるが、PP単一繊維を含有させる場合には、その含有量は、全繊維に対して、好ましくは、5質量%以上70質量%以下の範囲であり、より好ましくは、10質量%以上60質量%以下の範囲であり、更に好ましくは、10質量%以上50質量%以下の範囲である。含有量が5質量%未満の場合、配合量が少なすぎてPP単一繊維の配合効果が見られない場合がある。70質量%を超えた場合、繊維間の結合が弱くなり、強度に問題が見られる場合がある。
ポリオレフィン系繊維以外に、本発明の電池用セパレータに含有させることができる繊維としては、全芳香族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミド;エチレン−ビニルアルコール共重合体;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリフェニレンサルファイド等を挙げることができる。ポリオレフィン系繊維以外の繊維を含有させる場合、その含有量は、全繊維に対して、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下であり、更に好ましくは30質量%以下である。
本発明の電池用セパレータに含まれる繊維の繊維長は特に限定されないが、不織布強度と製造性等から、繊維長は1mm以上20mm以下が好ましい。繊維長が1mm未満の場合には、不織布の十分な機械的強度が得られない場合がある。繊維長が20mmを超えた場合には、地合不良となり、良好な不織布が形成できなくなる場合がある。特に、湿式抄造法で作製された湿式不織布では、分散時の繊維同士の異常な絡みが発生し、均一な分散状態にならず、地合不良となる場合がある。
本発明の電池用セパレータを構成する不織布は湿式不織布であり、湿式抄造法によって製造される。湿式抄造法は、生産速度が上記方法に比べて速く、同一装置で繊維径の異なる繊維や複数の種類の繊維を任意の割合で混合できる利点がある。即ち、繊維の形態もステープル状、パルプ状等と選択の幅は広く、使用可能な繊維径も、極細繊維から太い繊維まで使用可能で、他の方法に比べ、極めて良好な地合の不織布が得られる方法である。更に、分割型複合繊維を用いた場合、該繊維を分割するに当たり、パルパーや高速ミキサーやビーター等の離解機での離解工程、及び分散工程で分割型複合繊維をほぼ完全に分割させることができる。このようなことから、極めて応用範囲が広い不織布形成法である。そこで、本発明の電池用セパレータを構成する不織布の製造方法としては、湿式抄造法が最適である。
本発明において、湿式不織布に水流交絡法による処理を行うことができる。水流交絡法はノズルから噴射された高圧の水流を上記のようにして得られた不織布に当てることにより、繊維を3次元的に交絡させる方法である。水流交絡処理は不織布の機械的強度、保液性、通気性を向上させたり、不織布に柔軟性を付与したり、分割型複合繊維を用いた場合、複合繊維を分割させるといった効果をもたらす。
また、湿式抄造法において、熱融着繊維の熱融着によるバインダー接着法により不織布を形成する場合、ウェット状態の繊維ウェブの加熱乾燥と同時に熱融着を生じさせる工程が用いられる。加熱乾燥方式としては、シリンダードライヤー、ヤンキードライヤーに代表される熱板圧着方式、バンド式スルードライヤー、エアスルードライヤーに代表される熱風通気方式等が挙げられる。本発明においては、熱板圧着方式による加熱乾燥がより好ましい。熱板圧着方式では、熱融着繊維の熱融着効率が高く、通気性の均一性が高く、強度が向上した不織布を得ることができる。熱融着繊維としては、PP/PE芯鞘型複合繊維を用いることが好ましい。
本発明の電池用セパレータにおいて、湿式不織布をそのまま電池用セパレータとして使用することもできるが、湿式不織布に、親水性繊維との併用、親水性単量体のグラフト処理、コロナ放電処理、界面活性剤付与処理、スルホン化処理から選ばれる少なくともひとつの親水化処理が施されていることが好ましい。
親水性繊維の併用としては、半芳香族ポリアミド繊維、脂肪族ポリアミド、エチレン−ビニルアルコール共重合体繊維等の併用が挙げられる。このうち、半芳香族ポリアミド繊維とは、上述したように、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとから合成される親水性の高い繊維であり、他の親水化処理を組み合わせなくても、より多くの電解液を保持できるため、優れた高率放電が可能となる。
親水性単量体のグラフト重合処理とは、例えば、親水性単量体と重合開始剤を含む溶液中に不織布を浸漬して加熱する方法、不織布に親水性単量体を塗布した後に放射線を照射する方法、不織布に放射線を照射した後に親水性単量体に接触させる方法、増感剤を含む親水性単量体溶液を不織布に塗布した後に紫外線を照射させる方法等がある。この親水性単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン等を使用することができる。なお、親水性単量体溶液と不織布とを接触させる前に、紫外線照射、コロナ放電、プラズマ放電等により、不織布を改質すると、親水性単量体溶液との親和性が高くなるため、効率的にグラフト重合できる。
コロナ放電処理は、高電圧発生機に接続した電極と、シリコンラバー等で被覆した金属ロール間に適度な間隙を設け、高周波で数千〜数万Vの電圧を印加し、コロナ放電を発生させ、この間隙に不織布を走らせ、該不織布表面にコロナ放電により生成したオゾン、酸化窒素等を反応させて、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ペルオキシド基を生成させることにより、電池用セパレータの電解液に対する親和性を向上させる表面改質法である。
界面活性剤付与処理で用いられる界面活性剤としては、アルキルリン酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、長鎖脂肪酸塩、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、特殊芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩、特殊ポリカルボン酸型高分子界面活性剤等の陰イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレン誘導体類、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。これらの群から、併用して使用することもできる。これらの界面活性剤は、含浸、塗布、スプレーした後、乾燥することにより不織布に付与することができる。
界面活性剤の付与量は、不織布に対して、0.10質量%以上1.00質量%以下が好ましく、より好ましくは0.20質量%以上0.80質量%以下であり、更に好ましくは0.30質量%以上0.60質量%以下である。付与量が0.10質量%未満の場合、電解液との親和性が付与しない場合と同じ場合がある。付与量が1.00質量%を超えた場合、電池用セパレータの強度が低下しすぎる場合がある。
スルホン化処理としては、二酸化硫黄ガス、三酸化硫黄ガス等による気相処理法や熱濃硫酸、発煙硫酸、又はクロロ硫酸等による液相処理法等を使用することができ、繊維の表面から内部にスルホン酸基を導入する。本発明の電池用セパレータにおいては、気相処理法によるスルホン化処理が好ましい。液相処理法によるスルホン化処理は、反応条件の設定が難しく、反応時間を長くし過ぎた場合や温度を高くし過ぎた場合に、不織布が炭化、収縮、フィルム化しやすいという問題がある。また、多量の強酸性廃液が出るという問題がある。
本発明の電池用セパレータは、必要に応じて、スーパーカレンダーや熱カレンダー処理により、厚みを調整して用いられることもできる。本発明の電池用セパレータの目付は、30g/m2以上100g/m2以下の範囲が好ましく、厚みは、60μm以上250μm以下の範囲が好ましい。電池用セパレータの目付及び厚みは、適用する電池の特性に応じて、適宜選択できる。ここで目付は、JIS P 8124に規定されている坪量を表し、厚みはJIS P 8118に規定される厚さを表す。
また、本発明の電池用セパレータの最大細孔径は1μm以上50μm以下の範囲が好ましい。最大細孔径が50μmを超えて大きくなると、短絡しやすくなり、電池製造時の不良率が大きくなる。また最大細孔径が1μm未満では、酸素ガス透過性やイオン導電性が低下して好ましくない。ここで最大細孔径はJIS K 3832に規定されるバブルポイント法による最大細孔径を表す。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
芯成分がポリプロピレン(融点165℃)で、鞘成分がポリエチレン(融点135℃)であるPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径7.9μm、繊維長5mm)50質量部、PP単一繊維(平均繊維径4.9μm、繊維長5mm)25質量部、PP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径12.5μm、繊維長5mm)25質量部を、パルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて抄造し、135℃に設定された熱板圧着方式であるヤンキードライヤーと併設されている熱風フードにより乾燥させると共に、PP/PE芯鞘型複合繊維の鞘部分を熱溶融接着させて、幅500mmの不織布を作製した。
芯成分がポリプロピレン(融点165℃)で、鞘成分がポリエチレン(融点135℃)であるPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径7.9μm、繊維長5mm)50質量部、PP単一繊維(平均繊維径4.9μm、繊維長5mm)25質量部、PP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径12.5μm、繊維長5mm)25質量部を、パルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて抄造し、135℃に設定された熱板圧着方式であるヤンキードライヤーと併設されている熱風フードにより乾燥させると共に、PP/PE芯鞘型複合繊維の鞘部分を熱溶融接着させて、幅500mmの不織布を作製した。
界面活性剤として、アルキルリン酸エステル塩(高松油脂製、商品名:エレナイトAB−100)とアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王製、商品名:ペレックス(登録商標)SS−H)それぞれ1:1の質量比で混合した溶液を、不織布に対して界面活性剤の付与量が0.30質量%となるように含浸塗布し、乾燥後、コロナ処理を施し、スーパーカレンダーにて、180μmに厚み調整して、電池用セパレータを得た。
(実施例2〜4)
芯成分がポリプロピレン(融点165℃)で、鞘成分がポリエチレン(融点135℃)であるPP/PE芯鞘型複合繊維及びポリプロピレン単一繊維(繊維長5mm)として、表1に記載されている平均繊維径を有するPP/PE芯鞘型複合繊維(繊維長5mm)及びPP単一繊維(繊維長5mm)を各々使用した以外は、実施例1と同様の方法で、電池用セパレータを得た。
芯成分がポリプロピレン(融点165℃)で、鞘成分がポリエチレン(融点135℃)であるPP/PE芯鞘型複合繊維及びポリプロピレン単一繊維(繊維長5mm)として、表1に記載されている平均繊維径を有するPP/PE芯鞘型複合繊維(繊維長5mm)及びPP単一繊維(繊維長5mm)を各々使用した以外は、実施例1と同様の方法で、電池用セパレータを得た。
(実施例5)
芯成分がポリプロピレン(融点165℃)で、鞘成分がポリエチレン(融点135℃)であるPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径5.9μm、繊維長5mm)60質量部、PP単一繊維(平均繊維径2.9μm、繊維長5mm)4質量部とPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径10.4μm、繊維長5mm)36質量部を、パルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて抄造し、135℃に設定された熱板圧着方式であるヤンキードライヤーと併設されている熱風フードにより乾燥させると共に、PP/PE芯鞘型複合繊維の鞘部分を熱溶融接着させて、幅500mmの不織布を作製した。
芯成分がポリプロピレン(融点165℃)で、鞘成分がポリエチレン(融点135℃)であるPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径5.9μm、繊維長5mm)60質量部、PP単一繊維(平均繊維径2.9μm、繊維長5mm)4質量部とPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径10.4μm、繊維長5mm)36質量部を、パルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて抄造し、135℃に設定された熱板圧着方式であるヤンキードライヤーと併設されている熱風フードにより乾燥させると共に、PP/PE芯鞘型複合繊維の鞘部分を熱溶融接着させて、幅500mmの不織布を作製した。
界面活性剤として、アルキルリン酸エステル塩(高松油脂製、商品名:エレナイトAB−100)とアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王製、商品名:ペレックス(登録商標)SS−H)それぞれ1:1の質量比で混合した溶液を、不織布に対して界面活性剤の付与量が0.30質量%となるように含浸塗布し、乾燥後、コロナ処理を施し、スーパーカレンダーにて、180μmに厚み調整して、電池用セパレータを得た。
(実施例6〜12)
芯成分がポリプロピレン(融点165℃)で、鞘成分がポリエチレン(融点135℃)であるPP/PE芯鞘型複合繊維及びポリプロピレン単一繊維(繊維長5mm)として、表1に記載されている平均繊維径を有する繊維(繊維長5mm)を、表1に記載されている配合量で各々使用した以外は、実施例5と同様の方法で、電池用セパレータを得た。
芯成分がポリプロピレン(融点165℃)で、鞘成分がポリエチレン(融点135℃)であるPP/PE芯鞘型複合繊維及びポリプロピレン単一繊維(繊維長5mm)として、表1に記載されている平均繊維径を有する繊維(繊維長5mm)を、表1に記載されている配合量で各々使用した以外は、実施例5と同様の方法で、電池用セパレータを得た。
(実施例13)
芯成分がポリプロピレン(融点165℃)で、鞘成分がポリエチレン(融点135℃)であるPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径6.8μm、繊維長5mm)50質量部、PP単一繊維(平均繊維径2.9μm、繊維長5mm)25質量部とPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径10.4μm、繊維長5mm)25質量部を、パルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて抄造し、135℃に設定された熱板圧着方式であるヤンキードライヤーと併設されている熱風フードにより乾燥させると共に、PP/PE芯鞘型複合繊維の鞘部分を熱溶融接着させて、幅500mmの不織布を作製した。
芯成分がポリプロピレン(融点165℃)で、鞘成分がポリエチレン(融点135℃)であるPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径6.8μm、繊維長5mm)50質量部、PP単一繊維(平均繊維径2.9μm、繊維長5mm)25質量部とPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径10.4μm、繊維長5mm)25質量部を、パルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて抄造し、135℃に設定された熱板圧着方式であるヤンキードライヤーと併設されている熱風フードにより乾燥させると共に、PP/PE芯鞘型複合繊維の鞘部分を熱溶融接着させて、幅500mmの不織布を作製した。
三酸化硫黄ガスを含む75℃の乾燥空気中で、この不織布に25秒間スルホン化処理を行い、2.5質量%の水酸化ナトリウム水溶液で中和し、イオン交換水で十分洗浄し、次いで、界面活性剤として、アルキルリン酸エステル塩(高松油脂製、商品名:エレナイトAB−100)とアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王製、商品名:ペレックス(登録商標)SS−H)それぞれ1:1の質量比で混合した溶液を、不織布に対して界面活性剤の付与量が0.30質量%となるように含浸塗布し、乾燥後、コロナ処理を施し、スーパーカレンダーにて、180μmに厚み調整して、電池用セパレータを得た。
(実施例14)
芯成分がポリプロピレン(融点165℃)で、鞘成分がポリエチレン(融点135℃)であるPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径6.9μm、繊維長5mm)50質量部、PP単一繊維(平均繊維径3.0μm、繊維長5mm)25質量部とPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径10.5μm、繊維長5mm)25質量部を、パルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて抄造し、135℃に設定された熱板圧着方式であるヤンキードライヤーと併設されている熱風フードにより乾燥させると共に、PP/PE芯鞘型複合繊維の鞘部分を熱溶融接着させて、幅500mmの不織布を作製した。
芯成分がポリプロピレン(融点165℃)で、鞘成分がポリエチレン(融点135℃)であるPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径6.9μm、繊維長5mm)50質量部、PP単一繊維(平均繊維径3.0μm、繊維長5mm)25質量部とPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径10.5μm、繊維長5mm)25質量部を、パルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて抄造し、135℃に設定された熱板圧着方式であるヤンキードライヤーと併設されている熱風フードにより乾燥させると共に、PP/PE芯鞘型複合繊維の鞘部分を熱溶融接着させて、幅500mmの不織布を作製した。
単量体としてアクリル酸モノマーを利用しグラフト処理を施した。グラフト量は9.5質量%であった。界面活性剤として、アルキルリン酸エステル塩(高松油脂製、商品名:エレナイトAB−100)とアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王製、商品名:ペレックス(登録商標)SS−H)それぞれ1:1の質量比で混合した溶液を、不織布に対して界面活性剤の付与量が0.30質量%となるように含浸塗布し、乾燥後、コロナ処理を施し、スーパーカレンダーにて、180μmに厚み調整して、電池用セパレータを得た。
(実施例15)
芯成分がポリプロピレン(融点165℃)で、鞘成分がポリエチレン(融点135℃)であるPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径6.9μm、繊維長5mm)50質量部、PP単一繊維(平均繊維径3.0μm、繊維長5mm)25質量部とPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径10.5μm、繊維長5mm)25質量部を、パルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法にて抄造し、135℃設定のバンド式スルードライヤーを使用し、PP/PE芯鞘型複合繊維の鞘部分を熱溶融接着させて、幅500mmの不織布を作製した。
芯成分がポリプロピレン(融点165℃)で、鞘成分がポリエチレン(融点135℃)であるPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径6.9μm、繊維長5mm)50質量部、PP単一繊維(平均繊維径3.0μm、繊維長5mm)25質量部とPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径10.5μm、繊維長5mm)25質量部を、パルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法にて抄造し、135℃設定のバンド式スルードライヤーを使用し、PP/PE芯鞘型複合繊維の鞘部分を熱溶融接着させて、幅500mmの不織布を作製した。
界面活性剤として、アルキルリン酸エステル塩(高松油脂製、商品名:エレナイトAB−100)とアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王製、商品名:ペレックス(登録商標)SS−H)それぞれ1:1の質量比で混合した溶液を、不織布に対して界面活性剤の付与量が0.30質量%となるように含浸塗布し、乾燥後、コロナ処理を施し、スーパーカレンダーにて、180μmに厚み調整して、電池用セパレータを得た。
(実施例16)
芯成分がポリプロピレン(融点165℃)で、鞘成分がポリエチレン(融点135℃)であるPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径5.2μm、繊維長5mm)50質量部、PP単一繊維(平均繊維径1.3μm、繊維長5mm)25質量部とPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径8.2μm、繊維長5mm)25質量部を、パルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて抄造し、135℃に設定された熱板圧着方式であるヤンキードライヤーと併設されている熱風フードにより乾燥させると共に、PP/PE芯鞘型複合繊維の鞘部分を熱溶融接着させて、幅500mmの不織布を作製した。
芯成分がポリプロピレン(融点165℃)で、鞘成分がポリエチレン(融点135℃)であるPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径5.2μm、繊維長5mm)50質量部、PP単一繊維(平均繊維径1.3μm、繊維長5mm)25質量部とPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径8.2μm、繊維長5mm)25質量部を、パルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて抄造し、135℃に設定された熱板圧着方式であるヤンキードライヤーと併設されている熱風フードにより乾燥させると共に、PP/PE芯鞘型複合繊維の鞘部分を熱溶融接着させて、幅500mmの不織布を作製した。
界面活性剤として、アルキルリン酸エステル塩(高松油脂製、商品名:エレナイトAB−100)とアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王製、商品名:ペレックス(登録商標)SS−H)それぞれ1:1の質量比で混合した溶液を、不織布に対して界面活性剤の付与量が0.30質量%となるように含浸塗布し、乾燥後、コロナ処理を施し、スーパーカレンダーにて、180μmに厚み調整して、電池用セパレータを得た。
(比較例1)
芯成分がポリプロピレン(融点165℃)で、鞘成分がポリエチレン(融点135℃)であるPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径8.4μm、繊維長5mm)50質量部、PP単一繊維(平均繊維径5.6μm、繊維長5mm)25質量部、高強度ポリプロピレン(平均繊維径21.9μm、繊維長10mm)25質量部をパルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて抄造し、135℃に設定された熱板圧着方式であるヤンキードライヤーと併設されている熱風フードにより乾燥させると共に、PP/PE芯鞘型複合繊維の鞘部分を熱溶融接着させて、幅500mmの不織布を作製した。
芯成分がポリプロピレン(融点165℃)で、鞘成分がポリエチレン(融点135℃)であるPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径8.4μm、繊維長5mm)50質量部、PP単一繊維(平均繊維径5.6μm、繊維長5mm)25質量部、高強度ポリプロピレン(平均繊維径21.9μm、繊維長10mm)25質量部をパルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて抄造し、135℃に設定された熱板圧着方式であるヤンキードライヤーと併設されている熱風フードにより乾燥させると共に、PP/PE芯鞘型複合繊維の鞘部分を熱溶融接着させて、幅500mmの不織布を作製した。
界面活性剤として、アルキルリン酸エステル塩(高松油脂製、商品名:エレナイトAB−100)とアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王製、商品名:ペレックス(登録商標)SS−H)それぞれ1:1の質量比で混合した溶液を、不織布に対して界面活性剤の付与量が0.30質量%となるように含浸塗布し、乾燥後、コロナ処理を施し、スーパーカレンダーにて、180μmに厚み調整して、電池用セパレータを得た。
(比較例2)
芯成分がポリプロピレン(融点165℃)で、鞘成分がポリエチレン(融点135℃)であるPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径8.3μm、繊維長5mm)50質量部、PP単一繊維(平均繊維径5.8μm、繊維長5mm)25質量部、高強度ポリプロピレン(平均繊維径22.0μm、繊維長5mm)25質量部をパルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて抄造し、その後135℃に設定された熱板圧着方式であるヤンキードライヤーと併設されている熱風フードにより乾燥させると共に、PP/PE芯鞘型複合繊維を熱溶融接着させて、幅500mmの不織布を作製した。
芯成分がポリプロピレン(融点165℃)で、鞘成分がポリエチレン(融点135℃)であるPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径8.3μm、繊維長5mm)50質量部、PP単一繊維(平均繊維径5.8μm、繊維長5mm)25質量部、高強度ポリプロピレン(平均繊維径22.0μm、繊維長5mm)25質量部をパルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて抄造し、その後135℃に設定された熱板圧着方式であるヤンキードライヤーと併設されている熱風フードにより乾燥させると共に、PP/PE芯鞘型複合繊維を熱溶融接着させて、幅500mmの不織布を作製した。
界面活性剤として、アルキルリン酸エステル塩(高松油脂製、商品名:エレナイトAB−100)とアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王製、商品名:ペレックス(登録商標)SS−H)それぞれ1:1の質量比で混合した溶液を、不織布に対して界面活性剤の付与量が0.30質量%となるように含浸塗布し、乾燥後、コロナ処理を施し、スーパーカレンダーにて、180μmに厚み調整して、電池用セパレータを得た。
(比較例3)
芯成分がポリプロピレン(融点165℃)で、鞘成分が低密度ポリエチレン(融点115℃)であるPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径13.3μm、繊維長5mm)50質量部、PP単一複合繊維(平均繊維径5.4μm、繊維長5mm)25質量部、PP単一繊維(平均繊維径17.5μm、繊維長5mm)25質量部をパルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて抄造した後、この繊維ウェブを無圧化、120℃で10秒間加熱した後、カレンダーロール間を通すことにより、PP/PE芯鞘型融着繊維の低密度ポリエチレン成分のみを融着して、幅500mmの不織布を作製した。
芯成分がポリプロピレン(融点165℃)で、鞘成分が低密度ポリエチレン(融点115℃)であるPP/PE芯鞘型複合繊維(平均繊維径13.3μm、繊維長5mm)50質量部、PP単一複合繊維(平均繊維径5.4μm、繊維長5mm)25質量部、PP単一繊維(平均繊維径17.5μm、繊維長5mm)25質量部をパルパーの水中で離解、分散させ、アジテーターで緩やかに撹拌して均一な抄造用スラリーを調製した。この抄造用スラリーを円網抄紙機による湿式抄造法を用いて抄造した後、この繊維ウェブを無圧化、120℃で10秒間加熱した後、カレンダーロール間を通すことにより、PP/PE芯鞘型融着繊維の低密度ポリエチレン成分のみを融着して、幅500mmの不織布を作製した。
界面活性剤として、アルキルリン酸エステル塩(高松油脂製、商品名:エレナイトAB−100)とアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム(花王製、商品名:ペレックス(登録商標)SS−H)それぞれ1:1の質量比で混合した溶液を、不織布に対して界面活性剤の付与量が0.30質量%となるように含浸塗布し、乾燥後、コロナ処理を施し、スーパーカレンダーにて、180μmに厚み調整して、電池用セパレータを得た。
<評価方法>
実施例及び比較例で得られた電池用セパレータについて、下記の評価を行い、結果を表1及び2に示した。
実施例及び比較例で得られた電池用セパレータについて、下記の評価を行い、結果を表1及び2に示した。
[平均繊維径]
不織布を構成する各繊維の平均繊維径は、マイクロスコープによって、繊維の断面を観察し、無作為に選んだ50本以上の繊維断面の面積を画像解析ソフトによって算出し、繊維直径に換算して、測定データとした。
不織布を構成する各繊維の平均繊維径は、マイクロスコープによって、繊維の断面を観察し、無作為に選んだ50本以上の繊維断面の面積を画像解析ソフトによって算出し、繊維直径に換算して、測定データとした。
[目付]
50mm×200mmの試験片の質量を電子天秤で小数点3桁まで測定し、1m2当たりの目付質量に換算し、算出した。
50mm×200mmの試験片の質量を電子天秤で小数点3桁まで測定し、1m2当たりの目付質量に換算し、算出した。
[厚み]
50mm×200mmの試験片の厚みをダイヤルシックネスゲージ((株)ミツトヨ、7321、1mm/3回転〕にて0.001mmまで測定した。
50mm×200mmの試験片の厚みをダイヤルシックネスゲージ((株)ミツトヨ、7321、1mm/3回転〕にて0.001mmまで測定した。
[引張強度]
50mm(CD方向)×200mm(MD方向)の試験片の引張強度をJIS P 8113に準ずる方法で測定した。
50mm(CD方向)×200mm(MD方向)の試験片の引張強度をJIS P 8113に準ずる方法で測定した。
[通気度]
50mm×50mmの試料を、JIS L 1096に規定される通気性A法(フラジール形法)に準じて、通気性試験機(装置名:KES−F8−AP1、カトーテック(株)製)で通気度を測定した。
50mm×50mmの試料を、JIS L 1096に規定される通気性A法(フラジール形法)に準じて、通気性試験機(装置名:KES−F8−AP1、カトーテック(株)製)で通気度を測定した。
[通気性の均一性の評価]
厚み調整済みの電池用セパレータから縦横500mm角の試験片を切り取り、ここから50mm角の通気度測定用試料100枚を作製し、JIS L 1096に規定される通気性A法(フラジール形法)に準じて、通気性試験機(装置名:KES−F8−AP1、カトーテック(株)製)で通気度を測定し、試料100枚の通気度の平均値(Q1)と標準偏差(Q2)を算出し、次の式(1)から変動係数を求めた。変動係数が小さいほど、電池用セパレータの通気性の均一性が高いことを示す。
厚み調整済みの電池用セパレータから縦横500mm角の試験片を切り取り、ここから50mm角の通気度測定用試料100枚を作製し、JIS L 1096に規定される通気性A法(フラジール形法)に準じて、通気性試験機(装置名:KES−F8−AP1、カトーテック(株)製)で通気度を測定し、試料100枚の通気度の平均値(Q1)と標準偏差(Q2)を算出し、次の式(1)から変動係数を求めた。変動係数が小さいほど、電池用セパレータの通気性の均一性が高いことを示す。
変動係数(%)=通気度の標準偏差(Q2)/通気度の平均値(Q1)×100 (1)
[保液性]
150mm×150mmの試験片を採取し、水分平衡状態の質量(W1)を測定する。次に、比重1.30のKOH水溶液中に試片を広げて浸し、1時間吸収させた後、KOH水溶液中から引き上げて10分後の試験片の質量(W2)を測定し、次の式(2)により電解液保液率を算出する。
150mm×150mmの試験片を採取し、水分平衡状態の質量(W1)を測定する。次に、比重1.30のKOH水溶液中に試片を広げて浸し、1時間吸収させた後、KOH水溶液中から引き上げて10分後の試験片の質量(W2)を測定し、次の式(2)により電解液保液率を算出する。
電解液保液率(%)=(W2−W1)/W1×100 (2)
[加圧保液量]
100mm×100mmの試験片を採取し、その質量(W3)を測定する。次に、その試料を23±5℃の水道水中に広げて1分間浸漬し、水道水から取り出した後、濾紙(アドバンテックNo.26)で挟み、クーチロール(質量16kg、直径98mmφ)に通して、その試料の質量(W4)を測定し、次の式(3)により加圧保液量を算出する。
100mm×100mmの試験片を採取し、その質量(W3)を測定する。次に、その試料を23±5℃の水道水中に広げて1分間浸漬し、水道水から取り出した後、濾紙(アドバンテックNo.26)で挟み、クーチロール(質量16kg、直径98mmφ)に通して、その試料の質量(W4)を測定し、次の式(3)により加圧保液量を算出する。
加圧保液量(g/m2)=[(W4−W3)/(0.1×0.1)] (3)
[最大細孔径]
電池用セパレータについて、JIS K 3832に規定されるバブルポイント法により最大細孔径を求めた。
電池用セパレータについて、JIS K 3832に規定されるバブルポイント法により最大細孔径を求めた。
[ヒートシール接着強度]
50mm×110mmの試験片を2枚採取し、その一部をヒートシーラーにて圧着(120℃、1秒間)した。圧着した2枚の試験片を広げ、その両端を用いてJIS P 8113記載の「引張強さ」の測定に準ずる方法で測定した。
50mm×110mmの試験片を2枚採取し、その一部をヒートシーラーにて圧着(120℃、1秒間)した。圧着した2枚の試験片を広げ、その両端を用いてJIS P 8113記載の「引張強さ」の測定に準ずる方法で測定した。
[耐ショート性試験]
50mm×50mmの試験片を採取し、その試験片を両電極(直径30mm、直径20mm、材質:銅、円柱形)間に、2.5Vの電圧を加えたまま、プレス機で挟み込み荷重をかけ、両電極間に流れる電圧が1.0Vを確認した際の荷重を測定した。
50mm×50mmの試験片を採取し、その試験片を両電極(直径30mm、直径20mm、材質:銅、円柱形)間に、2.5Vの電圧を加えたまま、プレス機で挟み込み荷重をかけ、両電極間に流れる電圧が1.0Vを確認した際の荷重を測定した。
実施例1〜16で得られた本発明の電池用セパレータは、平均繊維径1.0μm以上5.0μm以下のポリオレフィン系繊維、平均繊維径5.0μm超8.0μm以下のポリオレフィン系繊維及び平均繊維径が8.0μm超13.0μm以下のポリオレフィン系繊維を含有してなる湿式不織布から構成されてなるため、引張強度、通気性の均一性、保液性、加圧保液量、最大細孔径、耐ショート性試験において、良好な結果が得られた。
実施例1〜4、16において、通気性の均一性、保液性、加圧保液量、最大細孔径、ヒートシール接着強度、耐ショート性の評価結果から、総合的に判断すると、平均繊維径5.0μm以上8.0μm以下のポリオレフィン系繊維の繊維径は、5.0μm以上7.5μm未満がより好ましく、5.0μm以上7.0μm未満が更に好ましく、平均繊維径8.0μm超13.0μm以下のポリオレフィン系繊維の繊維径は、8.0μm超12.0μm未満がより好ましく、8.0μm超11.0μm未満が更に好ましく、平均繊維径1.0μm以上5.0μm未満のポリオレフィン系繊維の繊維径は、1.0μm以上4.0μm未満がより好ましく、1.0μm以上3.5μm未満が更に好ましいことがわかる。
実施例4、13の比較から、熱板圧着方式で乾燥処理した場合は、バンド式スルードライヤー方式と比較して、引張強度に優れていることが確認された。
比較例1〜3で得られた電池用セパレータは、平均繊維径1.0μm以上5.0μm以下のポリオレフィン系繊維、平均繊維径5.0μm超8.0μm以下のポリオレフィン系繊維及び平均繊維径が8.0μm超13.0μm以下のポリオレフィン系繊維を含有してなる湿式不織布から構成されていないため、通気度の上昇、加圧保液量の低下、最大細孔径の上昇、ヒートシール接着強度の低下、耐ショート性の低下が見られた。
以上、説明したように、本発明の電池用セパレータは、引張強度、通気性の均一性、保液性、加圧保液量、最大細孔径、ヒートシール接着強度、耐ショート性の評価において優れているため、本発明の電池用セパレータを用いたアルカリ二次電池は、優れた高率放電が可能で、ショートの発生率が低く、長期間に亘って安定した電池特性を示し、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池等のアルカリ二次電池に好適に使用できる。
Claims (5)
- 平均繊維径1.0μm以上5.0μm以下のポリオレフィン系繊維、平均繊維径5.0μm超8.0μm以下のポリオレフィン系繊維及び平均繊維径が8.0μm超13.0μm以下のポリオレフィン系繊維を含有してなる湿式不織布から構成されてなるアルカリ電池用セパレータ。
- 該湿式不織布が、ポリオレフィン系繊維として、ポリプロピレンを芯成分とし、ポリエチレンを鞘成分とする芯鞘型複合繊維を少なくとも含有してなる請求項1記載のアルカリ電池用セパレータ。
- 該湿式不織布が、ポリオレフィン系繊維として、ポリプロピレン単繊維を少なくとも含有してなる請求項1又は2記載のアルカリ電池用セパレータ。
- 該湿式不織布が熱板圧着方式で乾燥処理されてなる請求項1〜3のいずれかに記載のアルカリ電池用セパレータ。
- 湿式不織布に、親水性繊維との併用、親水性単量体のグラフト処理、コロナ放電処理、界面活性剤付与処理、スルホン化処理から選ばれる少なくともひとつの親水化処理が施されてなる請求項1〜4のいずれか記載のアルカリ電池用セパレータ。
Priority Applications (1)
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JP2013072201A JP2014197470A (ja) | 2013-03-29 | 2013-03-29 | アルカリ電池用セパレータ |
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CN106159164A (zh) * | 2016-09-29 | 2016-11-23 | 河南科高辐射化工科技有限公司 | 一种高温镍氢电池隔膜 |
JP2018088375A (ja) * | 2016-11-29 | 2018-06-07 | 日本バイリーン株式会社 | アルカリ電池用セパレータ |
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- 2013-03-29 JP JP2013072201A patent/JP2014197470A/ja active Pending
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