JP2002020514A - フッ素樹脂の表面改質方法 - Google Patents
フッ素樹脂の表面改質方法Info
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Abstract
脂の表面を改質する方法を提供。 【解決手段】 フッ素樹脂表面を常圧放電プラズマ処理
することを特徴とするフッ素樹脂表面の改質方法であっ
て、互いに対向する一対の電極で構成され、その一方ま
たは双方の電極の対向面が固体誘電体で被覆されてなる
対向電極を、処理ガス雰囲気の大気圧近傍下に配置し、
その対向電極間にフッ素樹脂を配置した状態で、対向電
極間に、パルス立ち上がり時間が20μs以下、パルス
継続時間が1〜50μs、周波数が1〜20kHz、電
界強度が50〜100kV/cmのパルス電圧を印加す
ることにより、フッ素樹脂に大気圧放電プラズマ処理を
施す改質方法。
Description
処理を用いたフッ素樹脂表面の改質方法、特に親水化処
理方法に関する。
グプラスチックの中でも耐熱性、耐薬品性、耐候性、摺
動性に優れることに加え、電気的特性にも優れる点から
高機能樹脂として多用な用途に使用されている。反面、
その不活性な表面故に接着剤や塗料等の塗布が困難であ
ったり、他の材料との複合化が難しいという課題があ
る。
種々のフッ素樹脂表面改質法が提案されている、例え
ば、FTFE(テトラフルオロエチレン−エチレンコポ
リマー)やPVDF(ポリフッ化ビニリデン)等はコロ
ナ放電や低圧プラズマ法等で容易に改質を行えるが、P
TFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPFA(テト
ラフルオロエチレン−ペルフルオロアルコキシエチレン
コポリマー)等の表面改質は、従来この種の方法では十
分に改質を行うことはできない。
して金属ナトリウム錯体法が用いられている(例えば、
E.R.Nelsonら、Ind.Eng.Che
m.,第5巻、第329頁(1985)参照)。その
他、アンモニアガス、アンモニア/アルゴン混合ガスま
たはH2を主成分とするガスの存在下で、低圧プラズマ
スパッタエッチングする方法(例えば、特公平3−58
375号公報、特開平2−127442号公報参照)等
がある。また、H2/N2ガスを用いて汎用的にフッ素樹
脂を低圧プラズマ処理により親水化する方法が、特開平
6−220231号公報に記載されている。
は、処理面の活性が紫外線の照射や加熱処理によって低
下する課題や、危険で不安定な処理液を用いるため、作
業性や廃液処理の点で問題がある。
置を必要とする及び処理速度が遅いという欠点があり、
それが処理コストを引き上げている。これに対して、低
圧プラズマの欠点を克服するために大気圧下でのヘリウ
ムを用いたプラズマを利用した処理方法が開示されてい
る(例えば、特開平7−85997号公報参照)。しか
しながら、これらのヘリウム等の高寿命ガスに依存する
方法は、安定的に放電させるためにヘリウムを高比率で
プラズマ中に存在させる必要があることから処理コスト
が高くなるという欠点を有している。
いることでガス種に依存しない大気圧下でのプラズマ発
生に成功し(特開平10−33976号公報参照)、こ
れを利用した表面処理方法を開示している。この大気圧
パルスプラズマ法では、ガス種に依存しないため、処理
が安価で、かつ、ヘリウムプラズマ以上に高密度なプラ
ズマを利用できるため、処理効果が高く、より高速な処
理が可能となる。
み、大気圧パルスプラズマ法を用いて、フッ素樹脂の表
面を親水化することを目的とする。
鑑み鋭意研究した結果、大気圧条件下で安定した放電状
態を実現させることができる放電プラズマ処理方法に酸
素を含むガスを用いることにより、簡便にフッ素樹脂を
親水化できることを見出し、本発明を完成した。
明)は、フッ素樹脂表面を常圧放電プラズマ処理するこ
とを特徴とするフッ素樹脂表面の改質方法である。
は、常圧放電プラズマ処理が、互いに対向する一対の電
極で構成され、その一方または双方の電極の対向面が固
体誘電体で被覆されてなる対向電極を、処理ガス雰囲気
の大気圧近傍下に配置し、その対向電極間にフッ素樹脂
を配置した状態で、対向電極間に、パルス立ち上がり時
間が20μs以下、パルス継続時間が1〜50μs、周
波数が1〜20kHz、電界強度が50〜100kV/
cmのパルス電圧を印加することにより、フッ素樹脂に
大気圧放電プラズマ処理を施すことを特徴とする第1の
発明に記載のフッ素樹脂表面の改質方法である。
は、処理ガスとして、含酸素ガスを用いることを特徴と
する第1又は2の発明に記載のフッ素樹脂表面の改質方
法である。
は、処理ガスとして、含窒素ガスを用いることを特徴と
する第1、2又は3の発明に記載のフッ素樹脂表面の改
質方法である。
は、処理ガスとして、含酸素ガス又は含窒素ガスと水素
との混合ガスを用いることを特徴とする第1、2、3又
は4の発明に記載のフッ素樹脂表面の改質方法である。
によって、フッ素樹脂に親水性等を付与する改質方法で
あり、より詳しくは、大気圧近傍の圧力下で、対向電極
の少なくとも一方の対向面に固体誘電体を設置し、対向
電極と固体誘電体との間又は固体誘電体同士の間にフッ
素樹脂を配置し、処理ガスの存在下に、当該対向電極間
にパルス電界を印加することを特徴とする方法である。
表面に凹凸を有していたとしても、本発明の表面処理方
法は、どのような凹凸を有する被処理体に対してもダメ
−ジを与えずに安定して適用可能であり、かつ、気体に
よる処理であるため、溶液に浸漬する方法より簡便な方
法である。
×104〜10.664×104Paの圧力下を指す。中
でも、圧力調整が容易で、装置が簡便になる9.331
×104〜10.397×104Paの範囲が好ましい。
を有し、当該電極の対向面の少なくとも一方に固体誘電
体が設置されている装置において行われる。プラズマが
発生する部位は、電極の一方に固体誘電体を設置した場
合は、固体誘電体と電極との間、電極の双方に固体誘電
体を設置した場合は、固体誘電体同士の間の空間であ
る。この固体誘電体と電極との間又は固体誘電体同士の
間に被処理体であるフッ素樹脂を配置して処理を行う。
ウム等の金属単体、ステンレス、真鍮等の合金、金属間
化合物等からなるものが挙げられる。上記対向電極は、
電界集中によるアーク放電の発生を避けるために、対向
電極間の距離が略一定となる構造であることが好まし
い。この条件を満たす電極構造としては、例えば、平行
平板型、円筒対向平板型、球対向平板型、双曲面対向平
板型、同軸円筒型構造等が挙げられる。
は双方に設置される。この際、固体誘電体と設置される
側の電極とが密着し、かつ、接する電極の対向面を完全
に覆うようにする。固体誘電体によって覆われずに電極
同士が直接対向する部位があると、そこからアーク放電
が生じるためである。
ィルム状でもよいが、厚みが0.01〜4mmであるこ
とが好ましい。厚すぎると放電プラズマを発生するのに
高電圧を要し、薄すぎると電圧印加時に絶縁破壊が起こ
りアーク放電が発生しやすいためである。
ラフルオロエチレン、ポリエチレンテレフタレート等の
プラスチック、ガラス、二酸化珪素、酸化アルミニウ
ム、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン等の金属酸化
物、チタン酸バリウム等の複酸化物等が挙げられる。
上(25℃環境下、以下同様)であることが好ましい。
比誘電率が2以上の誘電体の具体例としては、ポリテト
ラフルオロエチレン、ガラス、金属酸化膜等を挙げるこ
とができる。さらに高密度の放電プラズマを安定して発
生させるためには、比誘電率が10以上の固定誘電体を
用いことが好ましい。比誘電率の上限は特に限定される
ものではないが、現実の材料では18,500程度のも
のが知られている。比誘電率が10以上の固体誘電体と
しては、酸化チタニウム5〜50重量%、酸化アルミニ
ウム50〜95重量%で混合された金属酸化物皮膜、ま
たは、酸化ジルコニウムを含有する金属酸化物皮膜から
なり、その被膜の厚みが10〜1000μmであるもの
を用いることが好ましい。
印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮し
て適宜決定されるが、1〜50mmであることが好まし
い。1mm未満では、電極間の間隔を置いて設置するの
に充分でないことがある。50mmを超えると、均一な
放電プラズマを発生させにくい。
より放電プラズマを発生させる。図1にパルス波形の例
を示す。(A)、(B)はインパルス型、(C)は方形
波型、(D)は変調型の波形である。また、図1には電
圧印加が正負の繰り返しである波形のみを挙げたが、正
又は負のいずれかの極性側に電圧が印加される片波状の
波形でもよい。
圧立ち上がり時間が20μs以下、電界強度が50〜1
00kV/cmとなされていることが好ましい。このよ
うな高速のパルスを印加することは高密度のプラズマの
発生につながり、処理を高速連続化するうえで重要であ
る。ここで立ち上がり時間とは、電圧変化が連続して正
である時間を指す。
ラズマ発生の際のガスの電離が効率よく行われ、パルス
の立ち上がり時間が20μsを超えると放電状態がアー
クに移行しやすく不安定なものとなり、パルス電界によ
る高密度プラズマ状態を期待しにくくなる。また、立ち
上がり時間は早いほうがよいが、常圧でプラズマが発生
する程度の大きさの電界強度を有し、かつ、立ち上がり
時間が早い電界を発生させる装置には制約があり、現実
的には40ns未満の立ち上がり時間のパルス電界を実
現することは困難である。より好ましくは立ち上がり時
間が50ns〜5μsである。
であることが好ましく、立ち上がり時間と同様の20μ
s以下のタイムスケールであることが好ましい。パルス
電界発生技術によっても異なるが、例えば、本発明の実
施例で使用した電源装置では、立ち上がり時間と立ち下
がり時間とを同じ時間に設定できる。
あることが好ましい。1kHz未満であるとプラズマ密
度が低いため処理に時間がかかりすぎ、20kHzを超
えるとアーク放電が発生しやすくなる。このような高周
波数のパルス電界を印加することにより、処理速度を大
きく向上させることが出来る。
時間は、1〜50μsであることが好ましい。1μs未
満であると放電が不安定なものとなり、50μsを超え
るとアーク放電に移行しやすくなる。より好ましくは、
3μs〜20μsである。ここで、パルス継続時間と
は、図2中に例を示してあるが、ON、OFFの繰り返
しからなるパルス電界における、パルスが連続する時間
を言う。図2(a)のような間欠型のパルスでは、パル
ス継続時間はパルス幅時間と等しいが、図2(b)のよ
うな波形のパルスでは、パルス幅時間とは異なり、一連
の複数のパルスを含んだ時間を言う。
時間1ms内に、少なくとも1μs継続するOFF時間
を有することが好ましい。
電圧の大きさは適宜決められるが、本発明においては、
電極間の電界強度が50〜100kV/cmとなる範囲
にするのが好ましい。50kV/cm未満であると処理
に時間がかかりすぎ、100kV/cmを超えるとアー
ク放電が発生しやすくなる。また、パルス電圧の印加に
おいて、直流を重畳してもよい。
フッ素ポリマーであり、例えば、ポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ペルフ
ルオロアルコキシエチレンコポリマー(PFA)、テト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレンコポリ
マー(FEP)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフル
オロプロピレン−ペルフルオロアルコキシエチレンター
ポリマー(EPE)、テトラフルオロエチレン−エチレ
ンコポリマー(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエ
チレン(PCTFE)、トリフルオロクロロエチレン−
エチレンコポリマー(ECTFE)、ポリフッ化ビニリ
デン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)等また
はこれらの任意の混合物が挙げられる。
ッ素樹脂の具体的形状は、特に限定的でなく、例えば、
シート、フィルム、パイプ、多孔質膜及びその他の任意
の形状を有する成形体等が挙げられる。
は、放電プラズマ発生空間に存在する気体(以下、処理
用ガスという。)として、酸素を含むガスを用いること
ができる。
しては、例えば、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、水蒸
気等が挙げられる。また、窒素を含むガスも親水化に有
効であり、窒素、アンモニア、空気等も用いることがで
きる。これらのガスは、混合して用いてもよい。さら
に、これらの含酸素あるいは含窒素ガスと水素ガスとを
混合してプラズマ化すると、水素のフッ素引き抜き反応
により、フッ素樹脂の表面を効率よく親水化することが
できる。
点から、単独雰囲気でなく希ガスとの混合ガスとして用
いるのが好ましい。上記希ガスとしては、ヘリウム、ネ
オン、アルゴン、キセノン等の希ガスが挙げられる。こ
れらは単独でも2種以上を混合して用いてもよい。希ガ
ス及び/又は酸素を用いる場合、処理用ガスの割合が1
〜10体積%となるようにすることが好ましい。また、
上記希ガスからなる雰囲気中でプラズマ放電を行って表
面にラジカルを発生させた後に処理用ガスに接触させて
もよい。
る化合物の方がプラズマ密度を高め高速処理を行う上で
有利である。よって入手の容易さと経済性、処理速度を
考慮した上で最も望ましい選択は、アルゴンである。
リウムが大過剰に存在する雰囲気下で処理が行われてき
たが、本発明のアルゴンを用いる方法によれば、ヘリウ
ムに比較して安定した処理が可能であり、さらに、これ
らの分子量の大きい、電子をより多く有するガスの存在
下で処理を行うことにより、高密度プラズマ状態を実現
し、処理速度を上げることが出来るため、工業上大きな
優位性を有する。
は冷却して行ってもよいが、室温下で充分処理可能であ
る。上記処理に要する時間は、印加電圧、処理用ガスの
種類および混合気体中の割合等を考慮して適宜決定され
る。
体を設置し、かつ、パルス電界を印加することにより、
ガス雰囲気にとらわれず安定した放電プラズマを継続し
て発生させることが可能である。よって反応性ガスや電
極形状を自由に設計することが出来る。さらに高速のパ
ルス電界を用いることにより高密度のプラズマ状態を実
現し、高速で高いレベルの処理が可能である。
アーク移行する前に放電を止め、再び放電を開始すると
いうサイクルが実現されて全体として安定した放電状態
が維持されていると考えられる。さらに、急峻な立ち上
がりを有するパルス電界を印加することにより、空間中
に存在する気体分子を効率よく励起させることが出来、
空間中の電離した状態にある分子の絶対数が多い、すな
わちプラズマ密度が高いという状態が実現されていると
考えられる。
するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもので
はない。また、実施例で用いた処理装置は次の通りであ
る。
2と下部電極3、固体誘電体4、パルス電源5、ガス供
給口6、ガス排出口7によって構成される大気圧放電プ
ラズマ処理装置を用いた。
極3とが一定の間隔を隔てて設置されている。上部電極
2はパルス電源5に電気的に接続され、下部電極3は接
地されており、これら上部電極2と下部電極3との間に
パルス電圧を印加する。
ながっている油回転ポンプの操作により、処理容器1内
のガスを排出口7から排出し、流量調整された処理ガス
(矢印)をガス導入口6から処理容器1内に導入して、
処理容器1内を大気圧近傍の圧力下で処理ガス雰囲気と
し、この状態で、上部電極2と下部電極3との間にパル
ス電源5からパルス電圧を印加することにより常圧プラ
ズマ8を発生させるとともに、上部電極2と下部電極3
との間にフッ素樹脂の成形体9を設置させることによっ
て、そのフッ素樹脂の親水化を施すことができる。
ず、例えば、樹脂、ガラス、金属等が挙げられる。
誘電体4)が1.5mmコートしてある上部電極2(S
US304製、大きさ120mm×50mm)と、下部
電極3(SUS304製、大きさ120mm×50m
m)との電極間距離を2mmとし、その下部電極3上
に、PTFE製シート(50μm)を配置した。
圧が1.333×102Paになるまで排気を行った
後、10体積%O2/90体積%Arからなる混合ガス
をガス導入口6から容器内が大気圧になるまで導入した
状態で、上部電極2と下部電極3との間に、パルス波型
が図1(A)、立ち上がり時間10μs、継続時間20
μs、周波数10kHz、電界強度80kV/cmのパ
ルス電界を印加して常圧プラズマを発生させるととも
に、PTFEシートを15秒間、30秒間及び60秒
間、それぞれ処理した。
線光電子分光装置(XPS)を用いて分析した結果、表
面の酸素量と炭素量との比は、処理前がO/C=1.2
%であったのが、15秒間処理において13.6%、3
0秒間処理において25.1%、60秒間処理において
26.3%と増加し、表面が酸化されているのがわかっ
た。また、処理前後のPTFEシートの表面の水に対す
る静的接触角を、2μLの水滴を滴下し半自動接触角計
(協和界面科学社製、CA−X150)で測定した。そ
の結果、処理前の接触角が91゜であったのに対し、1
5秒間処理において72゜、30秒間処理において63
゜、60秒間処理において60゜となり、表面が親水化
されているのがわかった。
合ガスを用い、電界強度を95kV/cmとした以外
は、実施例1と同様にしてPTFEシートの親水化処理
を行った。
線光電子分光装置(XPS)を用いて分析した結果、表
面の窒素量と炭素量との比は、処理前がN/C=0.2
%であったのが、15秒間処理において5.1%、30
秒間処理において7.5%、60秒間処理において8.
5%と増加し、表面が窒化されているのがわかった。ま
た、処理前後のPTFEシートの表面の水に対する静的
接触角を、2μLの水滴を滴下し半自動接触角計(協和
界面科学社製、CA−X150)で測定した。その結
果、処理前の接触角が91゜であったのに対し、15秒
間処理において68゜、30秒間処理において58゜、
60秒間処理において55゜となり、表面が親水化され
ているのがわかった。
度を10kV/cmとする以外は、実施例1と同様に6
0秒間処理を行った。処理後のプロトン伝導性膜の表面
状態をX線光電子分光装置(XPS)を用いて分析した
結果、表面のO/C比は、9.7%であり、処理後の表
面の水に対する静的接触角は、80゜であった。親水化
の程度は、実施例1及び2に比べて低かった。なお、ヘ
リウムを使用の場合は、これ以上の電界を投入するとア
ーク放電に移行した。
波形の電圧を印加したこと以外は、実施例1と同様に処
理を行ったが、放電発生に必要な電界強度が100kV
/cmを要し、放電状態はアーク放電であったためシー
トに穴があいた。
傷を与えずに、親水化処理が高速、かつ安価に行うこと
ができ、十分な親水性を付与することができる。したが
って、フッ素系樹脂の多様化に大きく寄与する。
形図である。
構成を模式的に示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 フッ素樹脂表面を常圧放電プラズマ処理
することを特徴とするフッ素樹脂表面の改質方法。 - 【請求項2】 常圧放電プラズマ処理が、互いに対向す
る一対の電極で構成され、その一方または双方の電極の
対向面が固体誘電体で被覆されてなる対向電極を、処理
ガス雰囲気の大気圧近傍下に配置し、その対向電極間に
フッ素樹脂を配置した状態で、対向電極間に、パルス立
ち上がり時間が20μs以下、パルス継続時間が1〜5
0μs、周波数が1〜20kHz、電界強度が50〜1
00kV/cmのパルス電圧を印加することにより、フ
ッ素樹脂に大気圧放電プラズマ処理を施すことを特徴と
する請求項1に記載のフッ素樹脂表面の改質方法。 - 【請求項3】 処理ガスとして、含酸素ガスを用いるこ
とを特徴とする請求項1又は2に記載のフッ素樹脂表面
の改質方法。 - 【請求項4】 処理ガスとして、含窒素ガスを用いるこ
とを特徴とする請求項1、2又は3に記載のフッ素樹脂
表面の改質方法。 - 【請求項5】 処理ガスとして、含酸素ガス又は含窒素
ガスと水素との混合ガスを用いることを特徴とする請求
項1、2、3又は4に記載のフッ素樹脂表面の改質方
法。
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