JPH08188658A - 基材の表面処理方法 - Google Patents

基材の表面処理方法

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JPH08188658A
JPH08188658A JP7003950A JP395095A JPH08188658A JP H08188658 A JPH08188658 A JP H08188658A JP 7003950 A JP7003950 A JP 7003950A JP 395095 A JP395095 A JP 395095A JP H08188658 A JPH08188658 A JP H08188658A
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JP
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gas
substrate
base material
monomer
nitrogen
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JP7003950A
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English (en)
Inventor
Junko Noguchi
順子 野口
Motokazu Yuasa
基和 湯浅
Shigemasa Kawai
重征 河合
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】基材表面上に優れた親水性を付与すると共に、
その親水性を長期間にわたって維持可能な基材の表面処
理方法を提供する。 【構成】基材7の表面にモノマーを付着させる第1の工
程と、該基材を少なくとも一方の対向面に固体誘電体6
を装着した相対する金属電極4,5間に配置し、該基材
7を酸素含有ガス及び不活性ガスの混合ガス(a)又は
窒素と水素からなるガス及び不活性ガスの混合ガス
(b)の雰囲気中に置き、大気圧近傍の圧力下で、該基
材7表面に金属電極4,5間に電圧を印加して発生させ
た放電プラズマを接触させ、上記モノマーに酸素又は/
及び窒素を含む極性基を有する層を形成する第2の工程
からなる

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は基材の表面処理方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチック基材の表面を親水化
する方法は数多く提案されている。例えば、界面活性剤
を含有する組成物を基材表面に塗布する方法が挙げられ
るが、この方法では、水と接触すると界面活性剤が流出
し親水性が維持できなくなるため耐久性に改善の余地が
あった。また、大気圧下でコロナ放電処理し表面を酸化
する方法は広く実用化されているが、表面処理された酸
化層の厚さは極めて薄いため、耐久性のある親水性能は
得られなかった。
【0003】そこで、親水性能の耐久性を向上させるた
めに、0.01〜10Torr程度の低い圧力でグロー
放電プラズマにより基材表面を活性化した後、アクリル
アミド等のモノマー溶液中でモノマーをグラフト重合さ
せる方法が、筏氏によって提案されている[Macromolecu
les,19, 1804 (1986)]。また、アルミニウム板上に広げ
たアクリル酸カリウム等の固体モノマーをグロー放電プ
ラズマにさらすと重合反応が起こってポリマーが生成す
る例が、辰巳氏等によって報告されている〔高分子高分
子論文集,49,133(1992)〕。
【0004】しかしながら、上記の方法では、低い圧力
でグロー放電プラズマを発生させるために、容器は高価
な真空チャンバーを必要とし、また真空排気装置を設置
する必要があった。さらに、真空中で処理するため、大
面積の基板を処理しようとすると真空容器を大きくしな
ければならず、かつ、真空排気装置も大出力のものが必
要であるため、設備自体が非常に高価なものになるとい
う問題点があった。その上、吸水率の高いプラスチック
基板の表面処理を行う場合は、真空引きに長時間を要
し、処理品がコスト高になるという問題点もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点を
解決するためになされたものであり、その目的は、基材
表面上に親水性被膜を大気圧近傍の圧力下で形成するこ
とにより優れた親水性能を付与すると共に、その親水性
能を長期間にわたって維持可能な基材の表面処理方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の基材の表面処理
方法は、基材の表面にモノマーを付着させる第1の工程
と、該基材を相対する金属電極間に配置した後、酸素含
有ガス及び不活性ガスの混合ガス(a)又は窒素と水素
からなるガス及び不活性ガスの混合ガス(b)の雰囲気
中に置き、大気圧近傍の圧力下で、該基材表面に金属電
極間に電圧を印加して発生した放電プラズマを接触さ
せ、上記モノマーに酸素又は/及び窒素を含む層を形成
する第2の工程からなる。
【0007】上記基材としては、例えば、ポリエチレ
ン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテ
レフタレート等の樹脂フィルム又はプレートなどが挙げ
られる。これらの基材には、必要に応じて公知の方法
で、化学処理、コロナ放電処理、低圧グロー放電処理等
の前処理が施されていてもよい。
【0008】本発明の第1の工程では、基材の表面にモ
ノマーを付着させる。上記モノマーとしては、プラズマ
照射によりラジカルを発生しうる部分を分子内に有する
ものであれば特に制限はなく、例えば、2重結合や3重
結合等の不飽和結合、過酸化結合、アゾ結合等を1つ以
上含有するモノマーが好適に使用される。特に、ラジカ
ル発生部分と親水性基を分子内に合わせもつものが好ま
しい。
【0009】上記親水性基としては、例えば、水酸基、
スルホン酸(塩)基、1級、2級、3級アミノ基又はア
ミド基、4級アンモニウム塩基、カルボン酸(塩)基、
ポリエチレングリコール鎖等が挙げられる。
【0010】このようなモノマーとしては、例えば、
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、(メ
タ)アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレン、ス
チレンスルホン酸ナトリウム、ポチエチレングリコール
ジ(メタ)アクリル酸エステル、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、2−ヒドロキシメチルメタクリレート
等が挙げられ、これらは単独で使用されても二種以上が
併用されてもよい。
【0011】上記のモノマーの中で、特に不飽和結合と
親水性基を合わせもつモノマーを用いる場合は、重合反
応により厚い親水層が形成されるため好ましい。また、
親水性基をもたないモノマーを使用する場合でも、プラ
ズマ処理により極性基が導入されるため、基材表面に親
水層を形成することができる。
【0012】上記モノマーは、そのまま用いてもよい
し、溶剤に溶かして用いてもよい。溶剤としては、モノ
マーの溶解性が高い有機溶剤を用いることができるが、
沸点が低く、乾燥の容易なメタノール、エタノール、ア
セトン等の有機溶剤が好ましい。これらの溶剤によって
基材表面が著しく損傷を受ける場合は、水を用いるのが
好ましい。
【0013】上記モノマーを基材に付着させる方法とし
ては、特に制限はなく、例えば、液体モノマー又はモノ
マー溶液を用いる場合は、液中に基材を浸漬する方法;
刷毛等で基材表面に塗布する方法;スプレー等で吹きつ
ける方法などが挙げられる。モノマー溶液や液体モノマ
ーを用いて基材表面にモノマーを付着させる場合は、必
要に応じて、基材に付着した溶剤を公知の方法で乾燥さ
せてもよい。また、固体モノマーの粉末を用いる場合
は、篩等を用いて基材表面に散布してもよい。
【0014】本発明の第2の工程では、第1の工程でモ
ノマーを付着させた基材を、処理用ガスとして、不活性
ガス及び酸素含有ガスとの混合ガス(a)又は不活性ガ
ス及び窒素と水素からなるガスとの混合ガス(b)の雰
囲気中に置き、大気圧近傍の圧力下で、該基材表面に金
属電極間に電圧を印加して発生させた放電プラズマを接
触させ、酸素又は/及び窒素を含む極性基を有する層を
形成する。この層は、モノマーに酸素又は/及び窒素を
導入し、基材表面で重合させることにより形成される。
【0015】本発明の第2の工程では、処理用ガスとし
て、不活性ガス及び酸素含有ガスとの混合ガス(a)又
は、不活性ガス及び窒素と水素からなるガスとの混合ガ
ス(b)が用いられる。
【0016】上記不活性ガスとしては、例えば、ヘリウ
ム、ネオン、アルゴン、キセノン等の希ガスや窒素ガス
等が挙げられ、これらは単独で使用されても二種以上が
併用されてもよい。特に、不活性ガスとして、ヘリウム
ガスは準安定状態の寿命が長く、処理用ガスの励起に都
合がよく好ましい。上記不活性ガスとしては、ヘリウム
以外のものを用いる場合は、2体積%以下のアセトンや
メタノール等の有機物蒸気や、メタン、エタン等の炭化
水素ガスを混合して使用するのが好ましい。
【0017】上記酸素含有ガスとしては、酸素、オゾ
ン、水蒸気、一酸化炭素、二酸化炭素、一酸化窒素、二
酸化窒素等が挙げられ、これらは単独で使用されても二
種以上が併用されてもよい。
【0018】上記酸素含有ガスには、50%以下の体積
比でフッ素含有ガスを添加することにより、親水化がよ
り促進される傾向がある。
【0019】上記フッ素含有ガスとしては、例えば、四
フッ化炭素(CF4)、六フッ化炭素(C2 6)、六フッ
化プロピレン(C3 6)等のフッ化炭化水素ガス;一塩
素化三フッ化炭素ガス(CClF3)等のハロゲン化炭化
水素ガス;六フッ化硫黄(SF6)等のフッ化硫黄化合物
などが挙げられる。特に、これらのフッ素含有ガスの中
で、四フッ化炭素、六フッ化炭素や六フッ化プロピレン
は、安全性が高くフッ化水素等の有害なガスを生成しな
いので好ましい。
【0020】上記窒素と水素からなるガスとしては、N
3 ガス等の他、N2 ガス又はNH 3 ガスと水素との混
合ガスが挙げられる。上記N2 ガス又はNH3 ガスと水
素との混合ガスを使用する場合は、その組成は処理され
る基材の種類や後述のプラズマ処理条件によって適宜決
定されるが、十分な親水性を得るためには、N/(N+
H)の値が1/4以上であることが好ましく、より好ま
しくは1/2〜1の範囲である。但し、ここで、窒素と
水素からなるガスにおいて、Nは窒素原子、Hは水素原
子の数をそれぞれ表す。
【0021】上記混合ガス(a)又は(b)において、
酸素含有ガス又は、窒素と水素からなるガスの濃度は、
高くなると電圧を印加しても放電プラズマが発生し難く
なるので、10体積%以下が好ましく、より好ましくは
0.1〜5体積%である。
【0022】上記混合ガスの大気圧近傍の圧力とは、1
00〜800Torrの圧力であり、実際には圧力調整
が容易で、かつ放電プラズマ処理に使用される装置が簡
便になる、700〜780Torrが好ましい。また、
基材表面に放電プラズマを接触させて活性化する際に
は、基材は加熱されていても冷却されていてもよく、室
温に保たれていてもよい。
【0023】上記放電プラズマ処理に要する時間は、印
加電圧の大きさや使用されるガス及びモノマーの種類に
よって適宜決定される。
【0024】上記放電プラズマ処理により、モノマーが
基材上で重合反応を起こしたり、あるいはモノマーが基
材とグラフト反応することによって表面処理層を形成す
る。この表面処理層はコロナ処理層に比べて厚さが厚
く、基材とモノマーが反応する場合には、基材と強固に
密着する。さらに、放電プラズマ処理により、酸素又は
/及び窒素を含む極性基が生成されることにより親水層
が形成され、耐久性に優れた親水性能が得られる。
【0025】上記放電プラズマ処理で、基材表面に未反
応のモノマーが残ったり、低分子量ホモポリマー等が生
成する場合には、必要に応じて、水や有機溶剤等で洗浄
することにより除去可能である。
【0026】本発明の表面処理方法を、図面を参照しな
がら詳細に説明する。図1は、第1工程に使用される装
置を示し、この装置は、電源部1、処理容器2、上部電
極4及び下部電極5から構成されている。電源部1は、
kHz台の周波数の電圧を印加可能であり、耐熱性の低
い基材を処理する場合には、5〜30kHzの低い周波
数が好ましい。
【0027】上記放電プラズマの発生は、電圧を電極に
印加することによって発生させるが、電界強度は、弱く
なると処理に時間がかかり過ぎ、強くなるとアーク放電
に移行する挙動を示すので、1〜40kV/cm程度が
好ましい。上記放電プラズマによる表面処理部(放電プ
ラズマ発生部)3は、対向する電極4、5の間の空間で
ある。
【0028】上記処理容器2は、耐熱ガラス製のものが
使用されるが、電極との絶縁が保たれていれば、ステン
レス、アルミニウム、銅、アルミニウム等の金属製であ
ってもよい。この処理容器2内には、相対する一対の平
行平板型の上部電極4と下部電極5とが配設されてい
る。電極構造としては、平行平板型以外の、円筒対向平
板型、球対向平板型、双曲面対向平板型又は同軸円筒型
であってもよく、複数の細線と平板からなるものであっ
てもよい。上部電極4及び下部電極5の材質としては、
ステンレス、真鍮、アルミニウム、銅等が挙げられる。
【0029】上記下部電極5の上部電極4に相対する側
には、その電極全体を覆うように固体誘電体6が配置さ
れている。電極の一部でも固体誘電体6で覆われていな
い部分があると、そこからアーク放電が起こるので好ま
しくない。また、上記固体誘電体6は、図1に示すよう
に必ずしも、下部電極5に配置される必要はなく、上部
電極4に配置されていてもよく、上部電極4と下部電極
5の両方に配置されていてもよい。
【0030】上記固体誘電体6としては、ポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)等のプラスチック類;SiO2 、Al2
3、ZrO2 、TiO2 等の金属酸化物単体やこれら
の化合物が挙げられ、その形状は、シート状、フィルム
状のいずれであってもよい。
【0031】上記固体誘電体6の厚みは、薄くなると電
圧印加時に絶縁破壊が起こってアーク放電が発生し易く
なり、厚くなると放電プラズマを発生させるのに高電圧
を要するので、0.05〜4mmが好ましい。
【0032】上部電極4と下部電極5の間の距離は、固
体誘電体6の厚み、基材7の厚み、印加電圧の大きさ、
ガス流量等によって適宜決定されるが、短くなると未使
用のガスが多くなって非能率的となり、長くなると放電
プラズマの均一性が損なわれるので、1〜30mmが好
ましい。
【0033】上記基材7は、図1では固体誘電体6上に
配置されているので、その片面(図では上面)のみがプ
ラズマ放電によって処理されるが、基材7の両面にプラ
ズマ放電処理を必要とする場合は、上部電極4と下部電
極5の間の表面処理部3に浮かせた状態で放電プラズマ
を接触させればよい。
【0034】上記放電プラズマ処理時には、酸素含有ガ
ス又は、窒素と水素からなるガスはガス導入管8を経て
多孔構造の上部電極4から、不活性ガスはガス導入管9
から、それぞれ表面処理部3に供給される。なお、上部
電極4が多孔構造の場合は、酸素含有ガス又は、窒素と
水素からなるガスを均一に供給することができ、均一な
放電プラズマを接触させることができるので好ましい
が、表面処理部3に混合ガスを攪拌しながら供給した
り、混合ガスを高速で基材7に吹きつける等、均一導入
の可能な方法が採用されれば、必ずしも多孔構造である
必要はない。
【0035】上記混合ガスは、マスフローコントローラ
ー(図示しない)によって、流量が制御されており、過
剰のガスは排出口10から排出される。なお、処理容器
2内にフッ素含有ガス及び不活性ガスを導入する際に
は、該容器2内に残存する空気を排気口11から排出す
るのが好ましい。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例に基いて説明する。 (実施例1) <第1の工程>100mm□×50μm厚のポリエチレ
ンフィルム(積菱包装社製「II-F」、接触角91度)基
材を市販のコロナ放電処理装置(春日電機社製、形式
「HFSS-103」)で30kVの電圧を印加して15秒間コ
ロナ放電処理した後、この上に10重量%のアクリルア
ミド水溶液を噴霧し、室温で放置して乾燥させた。 <第2の工程>図1に示した装置(金属電極80mm
φ)において、相対する上部電極4と下部電極5との距
離を5mmに設定し、厚さ1mm、120mm□のポリ
テトラフルオロエチレンを装着した下部電極5上に、第
1の工程で処理された基材7を配置し、1Torrまで
油回転ポンプで排気した。次いで、酸素ガスを流量10
sccmでガス導入管8から、Heガスを流量990s
ccmでガス導入管9から容器2内にそれぞれ導入し、
762Torrの大気圧とした。その後、15kHz、
3.9kVの電圧を電極に印加し20秒間放置し、基材
表面に親水層を形成した。なお、電圧印加に伴って放電
プラズマの発光が観察された。得られたプラズマ処理品
を水で洗浄した。
【0037】(実施例2) <第1の工程>実施例1と同様なコロナ放電処理ポリエ
チレンフィルム基材上にメタクリル酸メチルを塗布し
た。 <第2の工程>図1に示した装置(金属電極80mm
φ)において、相対する上部電極4と下部電極5との距
離を5mmに設定し、厚さ1mm、120mm□のポリ
テトラフルオロエチレンを装着した下部電極5上に、第
1の工程で処理された基材7を配置し、1Torrまで
油回転ポンプで排気した。次いで、酸素ガスを流量10
sccmでガス導入管8から、Heガスを流量990s
ccmでガス導入管9から容器2内にそれぞれ導入し、
762Torrの大気圧とした。その後、15kHz、
3.9kVの電圧を電極に印加し20秒間放置し、基材
表面に親水層を形成した。なお、電圧印加に伴って放電
プラズマの発光が観察された。得られたプラズマ処理品
を水で洗浄した。
【0038】(実施例3) <第1の工程>100mm□×50μm厚のポリエチレ
ンテレフタレートフィルム(東レ社製「ルミラーT5
0」、接触角70度)基材を、25重量%アクリルアミ
ド水溶液に浸漬した後取り出し、室温で乾燥した。 <第2の工程>図1に示した装置(金属電極80mm
φ)において、相対する上部電極4と下部電極5との距
離を5mmに設定し、厚さ2mm、120mm□の石英
ガラスをを装着した下部電極5上に、第1の工程で処理
された基材7を配置し、1Torrまで油回転ポンプで
排気した。次いで、流量7sccmの酸素ガスと流量3
sccmのCF4 ガスをガス導入管8から、Heガスを
流量990sccmでガス導入管9から容器2内にそれ
ぞれ導入して、762Torrの大気圧とした。その
後、15kHz、4.5kVの電圧を電極に印加し20
秒間放置し、基材表面に親水層を形成した。なお、電圧
印加に伴って放電プラズマの発光が観察された。得られ
たプラズマ処理品を水で洗浄した。
【0039】(実施例4) <第1の工程>100mm□×3mm厚のポリカーボネ
ート板(旭硝子社製「レキサン」、接触角67度)上
に、アクリルアミドの粉体を篩を用いて板表面を覆うよ
うに散布した。 <第2の工程>図1に示した装置(金属電極80mm
φ)において、相対する上部電極4と下部電極5との距
離を7mmに設定し、厚さ2mm、120mmφのTi
2 焼結体を装着した下部電極5上に、第1の工程で処
理された基材7を配置し、1Torrまで油回転ポンプ
で排気した。次いで、窒素ガスを流量10sccmでガ
ス導入管8から、Heガスを流量990sccmでガス
導入管9から容器2内にそれぞれ導入し、762Tor
rの大気圧とした。その後、15kHz、3.3kVの
電圧を電極に印加し20秒間放置し、基材表面に親水層
を形成した。なお、電圧印加に伴って放電プラズマの発
光が観察された。得られたプラズマ処理品を水で洗浄し
た。
【0040】(比較例1)実施例1と同様なコロナ放電
処理装置でポリエチレンフィルム(積菱包装社製「II-
F」、接触角91度)に30kVの電圧を印加して15
秒間コロナ放電処理を行った。
【0041】上記実施例及び比較例で使用された基材及
び実施例及び比較例で得られた処理品につき接触角を測
定し、その測定結果を表1に示した。接触角の測定に
は、2mmの水滴を1cm間隔で滴下し、協和界面科学
社製「接触角測定装置(商品名:CA−D)」を使用
し、静的接触角を測定した。尚、静的接触角の測定は、
親水層の形成直後及び60℃オーブン中で7日間放置後
にそれぞれ測定した。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】本発明の基材の表面処理方法の構成は、
上述の通りであり、簡便な装置によりプラスチック基材
表面上に優れた親水層を形成することにより親水性能を
付与するので、その親水性が長期間にわたって維持する
ことができ、プラスチック成形体の印刷性向上の前処理
や接着性向上のためのアンカー層の形成、眼鏡、鏡等の
防曇層の形成などに好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面処理方法の第2の工程で使用され
る装置を示す概要図である。
【符号の説明】
1 電源 2 耐熱性ガラス容器 3 表面処理部 4 上部電極 5 下部電極 6 固体誘電体 7 基材 8、9 ガス導入管 10 排出口 11 排気口

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の表面にモノマーを付着させる第1の
    工程と、該基材を少なくとも一方の対向面に固体誘電体
    を装着させた相対する金属電極間に配置した後、該基材
    を酸素含有ガス及び不活性ガスの混合ガス(a)又は窒
    素と水素からなるガス及び不活性ガスの混合ガス(b)
    の雰囲気中に置き、大気圧近傍の圧力下で、該基材表面
    に金属電極間に電圧を印加して発生させた放電プラズマ
    を接触させ、上記モノマーに酸素又は/及び窒素を含む
    極性基を有する層を形成する第2の工程からなることを
    特徴とする基材の表面処理方法。
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