JP2010087505A - 非接触洗浄のためのシステム、リソグラフィ装置、及びデバイス製造方法 - Google Patents

非接触洗浄のためのシステム、リソグラフィ装置、及びデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、物体表面を非接触で洗浄するためのシステム、そのシステムを含むリソグラフィ装置、及びデバイス製造方法に関する。
【解決手段】 システムは、チャンバ内に含まれたHeプラズマ源と、プラズマ源の動作パラメータを修正することなくHe準安定原子の形成を増加させるべくプラズマの電子エネルギー分布といったプラズマパラメータを使用時に修正するように構成された制御ユニットとを含んでよい。制御ユニットは、プラズマからの自由電子を引き寄せるために物体に正のバイアス電圧を印加するように構成された電気バイアスユニットを含んでよい。システムは、Heとあらかじめ混合されているか、又は、更なるガス源から供給される補助ガスの供給源を含んでもよい。補助ガスは、物体の表面上にあると予想されるパーティクルのタイプの事前知識に基づいて選択されてよい。
【選択図】 図3

Description

[0001] 本発明の実施形態は、物体の表面からパーティクルを非接触で除去するためのシステム、リソグラフィ装置、及び、これらを用いてデバイスを製造する方法に関する。
[0002] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板上、通常、基板のターゲット部分上に付与する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に用いることができる。その場合、ICの個々の層上に形成される回路パターンを生成するために、マスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを用いることができる。このパターンは、基板(例えば、シリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば、ダイの一部、又は1つ以上のダイを含む)に転写することができる。通常、パターンの転写は、基板上に設けられた放射感応性材料(レジスト)層上への結像によって行われる。一般には、単一の基板が、連続的にパターニングされる隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。公知のリソグラフィ装置としては、ターゲット部分上にパターン全体を一度に露光することにより各ターゲット部分を照射するいわゆるステッパ、及び放射ビームによってある特定の方向(「スキャン」方向)にパターンをスキャンすると同時に、この方向に平行又は逆平行に基板をスキャンすることにより各ターゲット部分を照射するいわゆるスキャナが含まれる。
[0003] リソグラフィ装置では、基板上に結像可能なフィーチャのサイズは、投影放射の波長によって制限される。より高いデバイス密度を有することで、より高速に動作する集積回路を製造するためには、より微細なフィーチャを結像可能であることが望ましい。最近では、極端紫外線(EUV)放射を用いるリソグラフィ装置が提供されている。
[0004] 光学素子上に堆積するあらゆる汚染によって、最終製品の品質がかなり損なわれ得ることが、EUVリソグラフィ技術に内在する特徴である。
[0005] リソグラフィ装置の光学素子や、装置内で用いられるウェーハを洗浄するために適用可能な様々な洗浄プロトコルが現在知られている。例えば、本明細書にその全体を参照として組み込む米国特許出願公開第2006/0237667号には、レチクル又はウェーハの材料とその表面から除去されると考えられる適当なパーティクルとの間に電荷の不均衡を生じさせることによって、ヘリウム(He)プラズマを用いてレチクル又はウェーハから汚染を除去する洗浄方法が記載されている。
[0006] 米国特許出願公開第2006/0237667号に記載される方法は、レチクル又はウェーハの材料が実質的にスパッタされない洗浄方法を提供するものであるが、効率が増加した、且つ、任意選択的に汚染除去の選択性が増加した洗浄方法を提供することが望ましい。
[0007] 発明者は、物体の表面からパーティクルを非接触で除去するためのシステムであって、表面付近にHeプラズマを発生させるように構成されたプラズマ源と、プラズマ源に影響を与えることなく、Heプラズマ中のHe準安定原子の発生を増加させるべくプラズマパラメータを修正するように構成された制御ユニットとを含むシステムを見出した。
[0008] 本発明の別の態様では、EUV放射投影ビームを調整及び/又は供給するように構成された複数の光学素子を含む光学系と、物体の表面からパーティクルを非接触で除去するための前述のシステムであって、表面のすぐ付近にHeプラズマを発生させるように構成されたプラズマ源と、プラズマ源に影響を与えることなく、Heプラズマ中のHe準安定原子の発生を増加させるべくプラズマパラメータを修正するように構成された制御ユニットとを含むシステムとを含む、リソグラフィ投影装置が提供される。
[0009] 本発明の更に別の態様では、デバイス製造方法が提供される。この方法は、複数の光学素子を用いてEUV放射ビームを供給することと、放射感応材料層のターゲット部分上にビームを投影することと、Heプラズマを用いて少なくとも1つの光学素子の表面を洗浄することとを含み、Heプラズマ中のHe準安定原子の密度が、Heプラズマ源に影響を与えることなく増加される。
[0010] 本発明のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の概略図を参照して以下に説明する。これらの図面において同一の参照符号は対応する部分を示す。
[0011] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を示す。 [0012] 図2は、図1によるリソグラフィ投影装置のEUV照明システム及び投影光学系の側面図を示す。 [0013] 図3は、本発明の一実施形態による非接触洗浄のためのシステムの機能図を示す。 [0014] 図4は、本発明の一実施形態によるデバイス製造方法を示す。
[0015] 図1は、本発明の一実施形態によるリソグラフィ装置を概略的に示す。このリソグラフィ装置は、
放射ビームB(例えば、EUV放射)を調整するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、
パターニングデバイス(例えば、マスク)MAを支持するように構成され、かつ特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置付けるように構成された第1ポジショナPMに連結されたサポート構造(例えば、マスクテーブル)MTと、
基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、かつ特定のパラメータに従って基板を正確に位置付けるように構成された第2ポジショナPWに連結された基板テーブル(例えば、ウェーハテーブル)WTと、
パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付けられたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSと、を含む。
[0016] 照明システムとしては、放射を誘導、整形、又は制御するために、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光コンポーネント、あるいはそれらのあらゆる組合せなどのさまざまなタイプの光コンポーネントを含むことができる。
[0017] サポート構造はパターニングデバイスを支持する、すなわち、パターニングデバイスの重量を支える。サポート構造は、パターニングデバイスの配向、リソグラフィ装置の設計、及び、パターニングデバイスが真空環境内で保持されているか否かなどの他の条件に応じた態様で、パターニングデバイスを保持する。サポート構造は、機械式、真空式、静電式又はその他のクランプ技術を使って、パターニングデバイスを保持することができる。サポート構造は、例えば、必要に応じて固定又は可動式にすることができるフレーム又はテーブルであってもよい。サポート構造は、パターニングデバイスを、例えば、投影システムに対して所望の位置に確実に置くことができる。本明細書において使用される「レチクル」又は「マスク」という用語はすべて、より一般的な「パターニングデバイス」という用語と同義であると考えるとよい。
[0018] 本明細書において使用される「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分内にパターンを作り出すように、放射ビームの断面にパターンを与えるために使用できるあらゆるデバイスを指していると広く解釈されるべきである。なお、留意すべき点として、放射ビームに付与されたパターンは、例えば、そのパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、基板のターゲット部分内の所望のパターンに正確に一致しない場合もある。通常、放射ビームに付されたパターンは、集積回路などのターゲット部分内に作り出されるデバイス内の特定機能層に対応することになる。
[0019] パターニングデバイスは、透過型であっても、反射型であってもよい。パターニングデバイスの例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクは、リソグラフィでは公知であり、バイナリ、レべンソン型位相シフト、及びハーフトーン型位相シフトなどのマスク型、ならびに種々のハイブリッドマスク型を含む。プログラマブルミラーアレイの一例では、小型ミラーのマトリックス配列が用いられており、各小型ミラーは、入射する放射ビームを様々な方向に反射させるように、個別に傾斜させることができる。傾斜されたミラーは、ミラーマトリックスによって反射される放射ビームにパターンを付ける。
[0020] 本明細書において使用される「投影システム」という用語は、使われている露光放射に、あるいは液浸液の使用又は真空の使用といった他の要因に適切な屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁型、及び静電型光学系、又はそれらのあらゆる組合せを含むあらゆる型の投影システムを包含していると広く解釈されるべきである。本明細書において使用される「投影レンズ」という用語はすべて、より一般的な「投影システム」という用語と同義であると考えるとよい。
[0021] 本明細書に示されているとおり、リソグラフィ装置は、反射型のもの(例えば、反射型マスクを採用しているもの)であってよい。或いは、リソグラフィ装置は、透過型のもの(例えば、透過型マスクを採用しているもの)であってもよい。
[0022] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)以上の基板テーブル(及び/又は2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプのものであってもよい。そのような「マルチステージ」装置においては、追加のテーブルが並行して用いられても良く、又は予備的な工程を1つ以上のテーブル上で実行しつつ、別の1つ以上のテーブルを露光用に使うこともできる。
[0023] また、リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を満たすように、比較的高い屈折率を有する液体(例えば水)によって基板の少なくとも一部を覆うことができるタイプのものであってもよい。また、リソグラフィ装置内の別の空間(例えば、マスクと投影システムとの間)に液浸液を加えてもよい。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために、本技術分野において良く知られている。本明細書において使用される「液浸」という用語は、基板のような構造物を液体内に沈めなければならないという意味ではなく、単に、露光中、投影システムと基板との間に液体が存在することを意味するものでしかない。
[0024] 図1を参照すると、イルミネータILは、放射源SOから放射ビームを受ける。例えば、放射源がエキシマレーザである場合、放射源とリソグラフィ装置は、別体であってもよい。そのような場合には、放射源は、リソグラフィ装置の一部を形成しているとはみなされず、また放射は、放射源SOからイルミネータILへ、例えば、適切な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダを含むビームデリバリシステムBDを使って送り出される。その他の場合、放射源は、リソグラフィ装置の一体部分とすることもできる。必要に応じて、放射源SO及びイルミネータILは、ビームデリバリシステムBDと併せて放射システムと称されても良い。
[0025] イルミネータILは、放射ビームの角強度分布を調節するアジャスタADを含むことができる。一般に、イルミネータの瞳面内の強度分布の少なくとも外側及び/又は内側半径範囲(通常、それぞれσ-outer及びσ-innerと呼ばれる)が調節可能である。さらに、イルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOといったさまざまな他のコンポーネントを含んで良い。イルミネータを用いて放射ビームを調整することで、放射ビームの断面に所望とする均一性及び強度分布を与えることが可能である。
[0026] 放射ビームBは、サポート構造(例えば、マスクテーブルMT)上に保持されているパターニングデバイス(例えば、マスクMA)上に入射して、パターニングデバイスによってパターン形成される。マスクMAを通過した後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは、基板Wのターゲット部分C上にビームの焦点をあわせる。第2ポジショナPW及び位置センサIF2(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、又は静電容量センサ)を使って、例えば、さまざまなターゲット部分Cを放射ビームBの経路内に位置付けるように、基板テーブルWTを正確に動かすことができる。同様に、第1ポジショナPM及び別の位置センサIF1を使い、例えば、マスクライブラリからマスクを機械的に取り出した後又はスキャン中に、マスクMAを放射ビームBの経路に対して正確に位置決めすることもできる。通常、マスクテーブルMTの移動は、第1ポジショナPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)を使って達成することができる。同様に、基板テーブルWTの移動も、第2ポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを使って達成することができる。ステッパの場合は(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTは、ショートストロークアクチュエータのみに連結されてもよく、又は固定されてもよい。マスクMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1及びM2と、基板アライメントマークP1及びP2とを使って、位置合わせされてもよい。図示されている例では基板アライメントマークが専用ターゲット部分を占めているが、基板アライメントマークをターゲット部分とターゲット部分との間の空間内に置くこともできる(これらは、スクライブラインアライメントマークとして公知である)。同様に、複数のダイがマスクMA上に設けられている場合、マスクアライメントマークが、ダイ間に配置されても良い。
[0027] 図示された装置は、以下に説明するモードのうち少なくとも1つのモードで使用できる。
[0028] 1.ステップモードでは、マスクテーブルMT及び基板テーブルWTを基本的に静止状態に保ちつつ、放射ビームに付けられたパターン全体を一度にターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一静的露光)。その後、基板テーブルWTは、X及び/又はY方向に移動され、それによって別のターゲット部分Cを露光することができる。ステップモードにおいては、露光フィールドの最大サイズによって、単一静的露光時に結像されるターゲット部分Cのサイズが限定される。
[0029] 2.スキャンモードでは、マスクテーブルMT及び基板テーブルWTを同期的にスキャンする一方で、放射ビームに付けられたパターンをターゲット部分C上に投影する(すなわち、単一動的露光)。マスクテーブルMTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの(縮小)拡大率及び像反転特性によって決めることができる。スキャンモードにおいては、露光フィールドの最大サイズよって、単一動的露光時のターゲット部分の幅(非スキャン方向)が限定される一方、スキャン動作の長さによって、ターゲット部分の高さ(スキャン方向)が決まる。
[0030] 3.別のモードでは、プログラマブルパターニングデバイスを保持した状態で、マスクテーブルMTを基本的に静止状態に保ち、また基板テーブルWTを動かす、又はスキャンする一方で、放射ビームに付けられているパターンをターゲット部分C上に投影する。このモードにおいては、通常、パルス放射源が採用されており、さらにプログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの移動後ごとに、又はスキャン中の連続する放射パルスと放射パルスとの間に、必要に応じて更新される。この動作モードは、前述の型のプログラマブルミラーアレイといったプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
[0031] 上述の使用モードの組合せ及び/又はバリエーション、あるいは完全に異なる使用モードもまた採用可能である。
[0032] 上述したようなリソグラフィ装置は、好適にはシステムを含む。
[0033] 図2は、図1のリソグラフィ投影装置のEUV照明システム及び投影光学系の側面図を示しており、放射システム3(すなわち、「放射源−コレクタモジュール」)、照明システムIL、及び投影システムPLを含む。放射システム3は、放電プラズマ源といった放射源LAが設けられる。放射源LAは、キセノン(Xe)ガス又はリチウム(Li)蒸気といったガス又は蒸気を採用してよく、その中で、非常に高温のプラズマが、放射源の電極間の放電によって作成され、電磁スペクトルのEUV範囲における放射が放出可能となる。非常に高温のプラズマは、放電の部分的にイオン化されたプラズマを光軸0上に崩壊させることによって作成される。約0.1mbarの部分圧を有するXe、Li蒸気、又は任意の他の好適なガス又は蒸気が放射の効率のよい発生には必要となりうる。
[0034] キセノンが用いられる一実施形態では、プラズマは、約13.5nmのEUV波長領域で放射しうる。勿論、他の実施例において、約6.7nmの波長を有するEUV放射も考えられることもご理解頂きたい。放射源LAによって放出される放射は、放射源チャンバ7から汚染バリア9へと導かれることが可能である。
[0035] 放射システム3(すなわち、「放射源−コレクタモジュール」)は、例えば、かすめ入射コレクタによって形成されうる放射コレクタ10を含む。放射コレクタ10によって送られるEUV放射は、格子スペクトル清浄フィルタ又はミラー11を反射して、アパーチャにおける中間焦点12にフォーカスされる。
[0036] 投影ビームPBは、照明システムIL内で、法線入射リフレクタ13、14を介して、レチクル又はマスクテーブルMT上に位置決めされたレチクル又はマスク上に反射される。パターン付きビーム17が形成され、このビームは、投影光学系PL内で、反射素子18、19を介して、ウェーハステージ又は基板テーブルWT上に結像される。通常、図示するものより多くの素子が照明システムIL及び投影システムPL内にあってよい。
[0037] 本発明の一態様では、リソグラフィ装置は、例えば、ミラー又はレチクルといった光学素子である物体22の表面からパーティクルを非接触で除去するためのシステム20を含む。パーティクルは、窒化ケイ素(Si)パーティクル、水素(H)パーティクルであってよい。或いは、パーティクルは、炭素(C)パーティクル、又は、EUV放射がCxHy分子又は更には残留接着剤と相互作用することによって物体22の表面上に堆積される炭素化合物パーティクルであってよい。当業者であれば、物体22の表面の汚染には、1種ではなく上述した種の組み合わせを含む可能性が高いことが認識できよう。システム20は、表面のすぐ付近にHeプラズマを発生させるように構成されたプラズマ源と、プラズマ源に影響を与えることなくHeプラズマ中のHe準安定原子の発生を増加させるべくプラズマパラメータを修正するために構成された制御ユニットを含んでもよい。システム20は更に、ウェーハテーブルWT上に位置付けられた好適なウェーハから汚染パーティクルを除去するのにも適している。システム20の詳細を、図3を参照して説明する。
[0038] 図3は、本発明の一実施形態による非接触洗浄のためのシステム20の機能図を概略的に示すものである。システム20は、チャンバ20a内に含まれるプラズマ源21を含む。システム20は、リソグラフィ装置の構成要素として説明されるが、システム20は、スタンドアロン型のシステムとして実施されてもよいことは理解されたい。このために、システム20は、位置26aまでチャンバ20aの外側に平行移動可能なホルダ26を含んでいてもよい。チャンバ20a内のしかるべき真空条件を維持するために、チャンバには、ホルダ26の通過のためにチャンバ20aの外側の雰囲気と連絡可能にするバルブ23が設けられる。一実施形態では、チャンバ20a内の圧力は、約0.5乃至0.8×10−7barであるが、これは、少なくとも、388.8nm及び501.6nmの遷移線によって示されるHe準安定原子を作成するために、He準安定原子の発生に好適な圧力範囲であるとみなされている。システム20がリソグラフィ装置の一体部分である場合、かかるシステムは、例えば、ミラー、レチクル、又はウェーハといった洗浄対象の物体の付近に配置され、それにより、Heプラズマが、洗浄されるべき好適な表面の付近に供給される。「付近」という用語は、図4を参照しながら説明するように、物体の表面に悪影響を及ぼすことなく、物体22の表面へのプラズマからの電子の移動を可能にする物体22の表面への最小距離として解釈されるべきである。
[0039] 本発明の一実施形態では、Heは、プラズマを形成するために用いられ、好適なガス源(図示せず)から供給されうる。一実施形態では、プラズマ源21は、数秒から数分の間のサイクル時間を有するパルスモードでHeプラズマを発生させるように構成される。システム20は更に、プラズマ源の動作パラメータを修正することなくHe準安定原子の形成を増加させるためにプラズマの熱出力といったプラズマパラメータを、使用中に修正するように構成された制御ユニット24を含む。
[0040] 制御ユニット24は、プラズマからの自由電子を引き寄せるために、物体に正のバイアス電圧を印加するように構成された電気バイアスユニット25を含んでもよい。一実施形態では、バイアスユニット25は、浮遊電位よりも+1乃至3ボルトの範囲で高いの電気バイアスを印加するように構成される。バイアスユニットは、定常モードか又はパルスモードで動作するように構成されてもよい。パルスモードでは、デューティサイクルは、一実施形態では、少なくとも50%に設定される。別の実施形態では、デューティサイクルは、少なくとも90%に設定される。この結果、自由電子が奪われているプラズマの電子エネルギー分布が変わり、それにより、He準安定原子の形成が実質的に増加する。パルスモードでは、システム20は、約20nm/分のエッチ速度で動作されることが可能であることが分かっている。なお、本出願の文脈における「浮遊電位」という用語は、プラズマの電位に対する物体の電位に関連しており、かかる物体はプラズマ中に浸漬され、外界には電気的に連結されていないことを理解されたい。通常、浮遊電位は負の値をとる。
[0041] システム20は、炭素パーティクル、又は、炭素含有フィルムといった炭素含有パーティクルの非接触の除去に特に適している。
[0042] 更に、システム20は、Heとあらかじめ混合されているか、又は、更なるガス源(図示せず)から供給される補助ガスを含んでもよい。この補助ガスは、物体22の表面上にあると考えられるパーティクルのタイプの事前情報に基づいて選択可能である。例えば、汚染パーティクルに窒化ケイ素(Si)が含まれることが分かっている場合、水素(H)が補助ガスに選択されうる。これは、水素は、ケイ素(Si)と窒素(N)と揮発性化合物を形成し、それにより、表面からSiを効率よく除去するからである。なお、既知の汚染に対して適切な補助ガスを選択することは、技術者の通常の技術の範囲内であることは理解されたい。
[0043] 図4は、本発明の一実施形態によるデバイス製造方法を示す。本発明の一実施形態によるデバイスを製造する方法では、レチクル又はミラー、或いはウェーハといった光学素子のような適当な物体に上述したようなプラズマ洗浄が施されてよい。例えば、物体として、多層ミラー41が選択されうる。多層ミラーは、リソグラフィ装置、例えば、EUVリソグラフィ装置において、放射ビームの調整及び/又は投影に用いられる。例えば、入射ビーム48が多層ミラー41によって反射される。その後、ビームは、方向48aに伝播する。多層ミラー41の表面が、同じ又は異なる化学種であってよいパーティクルP1、P2、P3、P4で汚染されている場合、例えば、リソグラフィ装置が6.7乃至13.5nmの範囲のEUV放射を用いて動作可能であるときに、反射ビーム48aの強度が減少してしまうことがある。吸収率は別にして、ビーム48aの品質を劣化させる他の影響が発生しうることは理解されたい。例えば、レチクル上にパーティクル汚染がある場合、入射ビームのパターニングの品質が劣化することがある。
[0044] 本発明の一実施形態では、デバイス製造方法は、Heプラズマ42を用いて少なくとも1つの光学素子の表面を洗浄するステップを含み、Heプラズマ中のHe準安定原子の密度が、Heプラズマ源45に影響を与えることなく増加される。この理由から、プラズマ源45によって好適に発生されるHeプラズマは、物体41の付近に供給され、この物体は、制御ユニット43の一部を形成するバイアスユニット44によって、浮遊電位より上の+1乃至+3ボルトの範囲内の値に電気的にバイアスが印加される。その結果、電子「e」が物体41の表面に引き寄せられ、物体から排除される。バイアスユニットがバイアス電圧を、例えば、少なくとも50%のデューティサイクルで、また、別の例では、少なくとも90%のデューティサイクルでパルス式に印加することを可能にすることによって、より一層多くの電子がプラズマ42から一掃されて、正イオン「I」が残る。これは、プラズマ中の電子エネルギー分布に変化をもたらす。これは、プラズマ42中に定常密度を維持するためにより多くの電子が作成される必要があることによるもので、このことは、プラズマ42中のHe準安定原子の励起及び形成の増加につながる。
[0045] 本発明の方法の一実施形態では、プラズマ42の生成に用いられるヘリウムは、パーティクルP1、P2、P3、又はP4と揮発性化合物を形成するように意図的に選択される更なるガスで補われる。例えば、Siを除去するためには水素を用いてよい。これは、水素はSiと化学反応を起こして、Si及びNと揮発性化合物を形成することによる。なお、上述したような補助ガスは、上述したようにプラズマパラメータを積極的に修正することなくHeプラズマ洗浄の補助手段として用いることが可能であることは理解されたい。
[0046] 本明細書において、IC製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的な言及がなされているが、本明細書記載のリソグラフィ装置が、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターン及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造といった他の用途を有し得ることが理解されるべきである。当業者にとっては当然のことであるが、そのような別の用途においては、本明細書で使用される「ウェーハ」又は「ダイ」という用語はすべて、それぞれより一般的な「基板」又は「ターゲット部分」という用語と同義であるとみなしてよい。本明細書に記載した基板は、露光の前後を問わず、例えば、トラック(通常、基板にレジスト層を塗布し、かつ露光されたレジストを現像するツール)、メトロロジーツール、及び/又はインスペクションツールで処理されてもよい。適用可能な場合には、本明細書中の開示内容を上記のような基板プロセシングツール及びその他の基板プロセシングツールに適用してもよい。さらに基板は、例えば、多層ICを作るために複数回処理されてもよいので、本明細書で使用される基板という用語は、すでに多重処理層を包含している基板を表すものとしてもよい。
[0047] 本明細書で使用される「放射」及び「ビーム」という用語は、文脈によっては、紫外線(UV)(例えば、365nm、355nm、248nm、193nm、157nm、又は126nmの波長、又はおよそこれらの値の波長を有する)、及び極端紫外線(EUV)(例えば、6.7乃至13.5nmの範囲の波長を有する)、ならびにイオンビームや電子ビームなどの微粒子ビームを含むあらゆる種類の電磁放射を包含している。
[0048] 「レンズ」という用語は、文脈によっては、屈折、反射、磁気、電磁気、及び静電型光コンポーネントを含む様々な種類の光コンポーネントのいずれか1つ又はこれらの組合せを指すことができる。
[0049] 以上、本発明の具体的な実施形態を説明してきたが、本発明は、上述以外の態様で実施できることが明らかである。
[0050] 上記の説明は、制限ではなく例示を意図したものである。したがって、当業者には明らかなように、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本記載の発明に変更を加えてもよい。
SO 放射源
IL 照明システム(イルミネータ)
BD ビームデリバリシステム
MA パターニングデバイス
PM ポジショナ
IF 位置センサ
MT サポート構造
W 基板
WT 基板テーブル
B 放射ビーム
C ターゲット部分
PS 投影システム
AD アジャスタ
IN インテグレータ
CO コンデンサ
LA 放射源
3 放射システム
10 放射コレクタ
11 格子スペクトル清浄フィルタ又はミラー
12 中間焦点
13、14 法線入射リフレクタ
17 パターン付きビーム
18、19 反射素子
20 物体の表面からパーティクルを非接触で除去するためのシステム
20a チャンバ
21 プラズマ源
22 物体
23 バルブ
24 制御ユニット
25 電気バイアスユニット
26 ホルダ
26a ホルダの位置
41 多層ミラー
42 Heプラズマ
43 制御ユニット
44 バイアスユニット
45 プラズマ源
48 放射ビーム
P 汚染パーティクル
I 正イオン

Claims (12)

  1. 物体の表面からパーティクルを非接触で除去するためのシステムであって、
    前記表面の付近にHeプラズマを発生させるプラズマ源と、
    前記プラズマ源に影響を与えることなく、前記Heプラズマ中のHe準安定原子の発生を増加させるべくプラズマパラメータを修正する制御ユニットと、
    を含むシステム。
  2. 前記制御ユニットは、前記プラズマの電子エネルギー分布を変更する、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記制御ユニットは、パルスモードで前記物体に電気的に正のバイアスを印加する電気バイアスユニットを含む、請求項2に記載のシステム。
  4. 前記パルスモードのデューティサイクルは、少なくとも50%である、請求項3に記載のシステム。
  5. 前記パルスモードのデューティサイクルは、少なくとも90%である、請求項3に記載のシステム。
  6. 前記電気的に正のバイアスは、浮遊電位より1乃至3ボルト上の範囲にある、請求項3、4、又は5に記載のシステム。
  7. 前記制御ユニットは、定常モードで前記物体に電気的に正のバイアスを印加する電気バイアスユニットを含む、請求項2に記載のシステム。
  8. 前記パーティクルと化学反応を起こして前記表面から前記パーティクルを除去すると考えられる補助ガスを更に含む、請求項1に記載のシステム。
  9. 前記補助ガスは、分子状水素、原子状水素、又はそれらの組み合わせを含む、請求項8に記載のシステム。
  10. EUV放射投影ビームを調整又は供給する複数の光学素子を含む光学系と、
    前記複数の光学素子のうちの1つ以上の光学素子の表面を洗浄する、請求項1乃至9のいずれか一項に記載のシステムと、
    を含む、リソグラフィ投影装置。
  11. 複数の光学素子を用いてEUV放射ビームを供給することと、
    放射感応材料層のターゲット部分上に前記ビームを投影することと、
    Heプラズマを用いて少なくとも1つの光学素子の表面を洗浄することと、
    を含み、前記Heプラズマ中のHe準安定原子の密度が、Heプラズマ源に影響を与えることなく増加される、デバイス製造方法。
  12. 前記表面から前記パーティクルを除去すべく前記パーティクルと化学反応を起こすと考えられる補助ガスを供給するステップを更に含む、請求項11に記載のデバイス製造方法。
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