JP2001330374A - 加圧送風フードのシール装置およびシール方法 - Google Patents
加圧送風フードのシール装置およびシール方法Info
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Abstract
層の上方に設けられる加圧送風フードのシール性を維持
し、且つ耐用性も兼ね備えた加圧送風フードのシール装
置およびシール方法を提供する。 【解決手段】 下方吸引式焼結機に装入された焼結原料
充填層2の上方に設けた加圧送風フードのシール装置に
おいて、該加圧送風フードのスカート下端部13に、硬
質剛体と弾性体の複合材からなるシール片15を、前記
焼結原料充填層2の表層に摺接するように設置する。
Description
法に関わり、焼結設備における加圧送風フードのシール
装置およびシール方法に関する。
合原料を原料ホッパー5から無端状のパレット1に装入
して、点火炉6で原料充填層2の上部に点火し、ウイン
ドボックス8、排気ダクト9、排ガス集塵機10を介し
て排気ブロアー11により下方に吸引するとともに、ガ
スの加圧送風ブロアー4を接続した加圧送風フード3か
ら原料充填層2の上部にガスを送風し、パレット1を移
動させることで、順次上層から下層へ焼成する加圧焼結
法がある。
成初期にはウインドボックス8の吸引圧力を大気圧に対
して−9.8kPa(−1000mmAq)として大気
を吸引し、燃焼溶融帯の上層から下層までの移行速度を
小さくし、高温保持時間を従来よりも大きくすること
で、原料充填層2の上部の成品歩留、焼結鉱品質を向上
することができる。焼成中期以降は、例えば、原料充填
層2の上部から空気の加圧送風ブロアー4を接続した加
圧送風フード3により大気圧に対して+19.6kPa
(+2000mmAq)で空気を押し込み、下方から−
9.8kPa(−1000mmAq)で吸引し、原料充
填層2の差圧を29.4kPa(3000mmAq)に
することで、通過ガスの密度を増大してコークス燃焼速
度を増すとともに伝熱速度を増して、燃焼溶融帯の移行
速度を大きくできる。さらに、ガス流量の増大によって
冷却速度を増すことで、原料充填層内の燃焼溶融帯の高
さ方向の厚みが小さくなり、燃焼溶融帯の通気抵抗を小
さくして、燃焼溶融帯の移行速度を大きくすることがで
きる。その結果、加圧焼結法においては焼結機の生産
率、成品歩留、焼結鉱品質を大幅に向上できる。
3と原料充填層2とのシールが極めて困難であり、実施
された例はほとんどない。特に、焼結パレット全体を覆
う場合、あるいは焼結パレットの一部分を利用してシー
ルする場合、パレット群が上下左右に揺動し、点火炉の
通過時や焼成時に受ける熱膨張などの影響を考慮して設
計する必要があることから、十分なシール技術が確立さ
れていないからである。
「固定式のフードのスカート部に適正な弾性を備えてい
る材料を設置し、焼結鉱上面に摺接せしめることにより
シールできる」と、報告されている。しかし、凹凸があ
り移動しているパレット上の焼結鉱にスカート部を摺接
しても、単独でシールが可能でかつ耐用性のある弾性体
はない。
「シール片が焼結鉱上面の上下動に追従しながら移動
し、シール体がシール片の上下動に追従して上下に伸縮
することでフード外周部のシールができる」と報告され
ている。しかし、この方法ではパレット移動方向と幅方
向のコーナー部のシールが困難であり、設備も大がかり
なものとなる。
いずれもシール片と焼結鉱、あるいはシール片間で摺動
が発生する機構である。すなわち、図2に示すように、
加圧送風フード3のスカート下端部13と原料充填層2
の間にシール片14がなければ、加圧送風フード3から
の漏れガス量が多く、加圧送風フード3内の圧力が増加
せず、加圧焼結法に必要な送風圧力を得ることができな
い。しかしながら、通常、焼結機は24時間連続稼働し
ており、シール片は原料充填層表層の硬い焼結鉱粉と常
に摺動しており、シール片14の消耗には非常に過酷な
条件なので、十分に耐用性(耐摩耗性)のあるシール片
を得ることが困難であった。従って、摺動が発生しても
シールが可能であり、耐用性も問題とならない画期的な
シール技術の開発が望まれていた。
た加圧フードから十分な加圧送風が可能であるためのシ
ール性を有し、且つ耐用性も兼ね備えた焼結設備の加圧
送風フードのシール装置およびシール方法を提供するこ
とを目的とする。
課題を解決するものであり、その要旨とするところは以
下の通りである。
原料充填層の上方に設けた加圧送風フードのシール装置
において、該加圧送風フードのスカート下端部に、硬質
剛体と弾性体の複合材からなるシール片を、前記焼結原
料充填層の表層に摺接する幅方向距離が前記焼結原料充
填層の層厚との相対比で0.1〜2の範囲になるように
設置したことを特徴とする加圧送風フードのシール装
置。
出する硬質剛体の最大径が50mm以下となるように硬
質剛体が弾性体表層に固着された複合材であることを特
徴とする前記(1)の加圧送風フードのシール装置。
金属、およびサーメットのうちの1種または2種以上か
らなることを特徴とする前記(1)または(2)の加圧
送風フードのシール装置。
とする前記(1)から(3)の何れかの加圧送風フード
のシール装置。
および円筒状のうちの1種または2種以上からなること
を特徴とする前記(1)から(4)の何れかの加圧送風
フードのシール装置。
部に支持部材を設置し、該支持部材の外側に前記シール
片の上端部を固着し、該支持部材の内側に前記シール片
の下端部をバネを介して連結したことを特徴とする前記
(1)から(5)の何れかの加圧送風フードのシール装
置。
部に支持部材を設置し、該支持部材にバルク状の弾性体
を介して前記シール片を固着したことを特徴とする前記
(1)から(5)の何れかの加圧送風フードのシール装
置。
のゴム、チューブ、および可撓性金属体のうちの1種ま
たは2種以上からなることを特徴とする前記(7)の加
圧送風フードのシール装置。
部に、内部圧力の調節が可能なエアーダクトを設置し、
該エアーダクトの底部に前記シール片を設置したことを
特徴とする前記(1)から(5)の何れかの加圧送風フ
ードのシール装置。
結原料充填層の上方に設けた加圧送風フードのシール方
法において、該加圧送風フードのスカート下端部に、硬
質剛体と弾性体の複合材からなるシール片を設置し、該
シール片を前記焼結原料充填層の表層に摺接する幅方向
距離が前記焼結原料充填層の層厚との相対比で0.1〜
2の範囲になるようにすることを特徴とする加圧送風フ
ードのシール方法。
露出する硬質剛体の最大径が50mm以下となるように
硬質剛体が弾性体表層に固着された複合材であることを
特徴とする前記(10)の加圧送風フードのシール方
法。
質金属、およびサーメットのうちの1種または2種以上
からなることを特徴とする前記(10)または(11)
の加圧送風フードのシール方法。
徴とする前記(10)から(12)の何れかの加圧送風
フードのシール方法。
状、および円筒状のうちの1種または2種以上からなる
ことを特徴とする前記(10)から(13)の何れかの
加圧送風フードのシール方法。
端部に支持部材を設置し、該支持部材の外側に前記シー
ル片の上端部を固着し、該支持部材の内側に前記シール
片の下端部をバネを介して連結することを特徴とする前
記(10)から(14)の何れかの加圧送風フードのシ
ール方法。
端部に支持部材を設置し、該支持部材にバルク状の弾性
体を介して前記シール片を固着することを特徴とする前
記(10)から(14)の何れかの加圧送風フードのシ
ール方法。
状のゴム、チューブ、および可撓性金属体のうちの1種
または2種以上からなることを特徴とする前記(16)
の加圧送風フードのシール方法。
端部に、内部圧力の調節が可能なエアーダクトを設置
し、該エアーダクトの底部に前記シール片を設置すると
ともに、該エアーダクト内へのエアー供給量により圧力
を調節することを特徴とする前記(10)から(14)
の何れかの加圧送風フードのシール方法。
る。
充填層の上方に設けられる加圧送風フードのスカート下
端部と焼結原料充填層との隙間をシールするためのシー
ル片の耐用性(耐摩耗性)及びシール性を向上するため
の設備および方法について、鋭意検討をおこなった。
れるシール片の第1の機能としては、焼結機のパレット
上に装入された焼結原料が移動する際にその焼結原料充
填層表面の凹凸に十分追従でき、常に摺接した状態とす
ることにより加圧送風フードと焼結原料充填層表面との
隙間をシールすることにある。また、シール片の第2の
機能としては、焼結原料充填層表面との摺接時の磨耗な
どに対する耐久性を維持することにある。
るために、その素材としてゴムなどの弾性体を多く用い
てきた。しかしながら、シール片と摺接する焼結原料充
填層表層部は、未燃焼の焼結鉱粉等からなる非常に硬
く、かつ鋭利な端部を有する粉体層であるため、シール
片の素材としてゴムなどの弾性体のみを用いる場合は、
短時間で摩耗してシールを維持できなくなるという問題
がある。一方、少なくとも焼結原料充填層表層部の焼結
鉱粉よりも硬度が高く摩耗性に優れた材質としてセラミ
ックなどが知られているが、このような硬質材料のみを
シール片の素材として用いる場合は、焼結原料が移動す
る際の焼結原料充填層表面の凹凸(高さ:30〜50m
m程度、周期:500〜2000mm程度)に十分追従
できず、十分なシール性を維持できず、また、耐衝撃性
に劣ると言う問題がある。
ール性と耐摩耗性との相反する両者の特性を満足する素
材について鋭意検討を重ねた結果、例えばセラミック等
の硬質剛体のチップをゴムなどの弾性体に加硫などによ
り接着してなる硬質剛体と弾性体の複合材をシール片の
素材として用いることにより、従来のシール片と同等の
シール性を維持しつつ、耐摩耗性を従来に比べて大幅に
向上できることが判った。
硬質剛体と弾性体の複合材からなるシール片として加圧
送風フードのスカート下端部に設ける場合には、シール
片が焼結原料充填層表層に摺接する幅方向距離(摺接距
離)が焼結原料充填層の層厚との相対比で0.1〜2の
範囲になるように設置することにより、シール片の摺接
領域の下方へのガス流れを阻害することなく加圧送風フ
ードのシール性を向上し、焼結鉱の生産性を向上できる
ことがわかった。
であり、下方吸引式焼結機に装入された焼結原料充填層
の上方に設けた加圧送風フードのシール装置において、
該加圧送風フードのスカート下端部に、硬質剛体と弾性
体の複合材からなるシール片を前記焼結原料充填層の表
層に摺接する幅方向距離が前記焼結原料充填層の層厚と
の相対比で0.1〜2の範囲になるように設置すること
を特徴とするものである。
端部に設置するシール片として、硬質剛体と弾性体の複
合材からなるシール片を用いることにより従来に比べ耐
磨耗性を格段に向上できるが、加圧送風フードのシール
性を良好に維持するためには、さらに、図6に示すシー
ル片15が前記焼結原料充填層表層と摺接する幅方向距
離(摺接距離)wが前記焼結原料充填層の層厚hとの関
係で所定の範囲になるようにシール片15を設置する必
要がある。
片の摺接距離w/hと漏風率ηとの関係を示すグラフ、
図8には、原料充填層厚みに対するシール片の摺接距離
w/hと焼結鉱の生産性Pとの関係を示すグラフをそれ
ぞれ示す。
内の上方から下方に吹き込まれるガスの供給量(加圧送
風量)Q0と焼結原料充填層の下部から吸引される吸引
ガス量Q2とをそれぞれ測定し、それらの測定値の差Q
0−Q2(=漏風量Q1)から以下の(1)式のように
計算するものである。
Q2:吸引ガス量を示す。
ール片の摺接距離以外は、同じ条件で加圧送風焼結操業
を行った場合の焼結生産率の最大値に対する相対割合
(%)で示した。
と焼結原料充填層2との摺接領域近傍のガスの流れを示
す概念図である。一般に加圧送風フード内のシール片1
5の摺接領域近傍のガスの流れは、焼結原料充填層2の
層厚hに依存する下方のガス流れの圧損△P1と摺接距
離wに依存する幅方向のガス流れ時の圧損△P2との関
係で決定され、摺接距離wが十分に長い△P1≦△P2
の条件下では、シール片15の摺接領域近傍のガスの流
れは下方に流れる(見かけ上の漏風がない)ガス流れ2
1となるが、摺接距離wが短い△P1>△P2の条件下
では、摺接距離wの幅方向へのガス流れ20が大きくな
り、加圧送風フードから外への漏風量が大きくなる。
接距離wが焼結原料の層厚hに対する相対比w/hで
0.1未満になると、シール片の摺動時に焼結原料充填
層の表層の凹凸に対して充分に摺接されず(シール片と
その表層間に若干隙間が空いてしまい)、シール片の摺
接領域の幅方向のガス流れが下方のガス流れに比べて大
きくなり、加圧送風フードのシール性が極度に低下(漏
風率ηが増加)し、焼結鉱の生産性Pが95%未満まで
低下する。一方、シール片の摺接距離wが焼結原料の層
厚hに対する相対比w/hで2を超えると、シール片の
摺接領域の幅方向のガス流れがなくなりシール性は良い
が、シール片15が焼結原料充填層2の表層に摺接する
領域(摺接領域)が大きくなるほど、その直下にある焼
結原料充填層へのガスの流れが阻害され、充填層へのガ
ス不足により焼成に悪影響を及ぼし、生産性Pが95%
未満まで低下する。
剛体と弾性体の複合材からなるシール片が焼結原料充填
層の表層に摺接する幅方向距離(摺接距離)wを前記焼
結原料充填層の層厚hとの相対比w/hで0.1〜2の
範囲に規定する。
からなるシール片は、例えば、硬質剛体のチップを弾性
体に加硫などにより接着して得られる。ここで、本発明
における硬質剛体は、少なくとも焼結原料充填層表層部
の焼結鉱粉よりも硬度が高く摩耗性に優れた材質であ
り、例えば、セラミック、高Cr鋼やCr−Ni合金等
の硬質金属、WC−Co合金やWC−NiCr合金等の
サーメット等が用いられる。また、本発明における弾性
体は、焼結原料が移動する際の焼結原料充填層表面の凹
凸(高さ:30〜50mm程度、周期:500〜200
0mm程度)に十分追従できるだけの硬度が小さく柔ら
かく柔軟性が高い材質であり、例えば、天然ゴム、ウレ
タンゴム、NBRゴム、CRゴム、布入り強化ゴム等の
ゴム等が用いられる。硬質剛体と弾性体の複合材として
は、例えば、市販されているベルセラシート(商品名、
日本通商(株)製)、ガムセラシート(商品名、三東化
工業(株))などのセラミックとゴムの複合材が一般に
知られている。
弾性体に固着した硬質剛体チップの形状は、特に限定す
る必要はなく板状、球状、円筒状などのどんな形状であ
っても良いが、硬質剛体チップの大きさは、弾性体表層
から露出するその最大径が50mmを超えると、シール
片の弾力性が低下しシール片と焼結原料充填層表層部と
のシール性が低下するため、弾性体表層から露出する硬
質剛体チップの最大径を50mm以下に規定する。
らなるシール片を用いたシール装置及びシール方法の実
施形態について説明する。
シール片は、充分な弾力性と耐摩耗性を有するため、図
2に示す従来のシール装置におけるシール片14を本発
明における硬質剛体と弾性体の複合材からなるシール片
に単に代えるだけでも、送風フード3の正の内圧により
シール片は焼結原料充填層表層へ密着しシールすること
は可能である。この場合、シール片の摺動時にシール片
の外側への捲れを防止するために従来のようにシール片
の下端部をワイヤーなどにより固定することもできる。
らなるシール片を加圧送風フードのスカート下端部に設
置する方法を特に限定する必要はないが、シール片と焼
結原料充填層表層との密着性を高めるためには、図3〜
図5に示すようなシール装置を用いることにより高い効
果が発揮できる。
加圧送風フードのスカート下端部13に支持部材19を
設置し、この支持部材19の外側端部にセラミックとゴ
ムの複合材からなるシール片15の上端部を固着し、支
持部材19の内側端部に前記シール片15の下端部をバ
ネ16を介して連結したシール装置を示す。なお、バネ
の連結位置は、支持部材19の内側端部に限定する必要
はなく、シール片15が焼結原料充填層2の表層に摺接
する領域に相当する幅方向の位置に複数併設してもよ
い。
バネ16を介して加圧送風フードのスカート下端部13
に設けられた支持部材19に連結することにより、バネ
16の伸縮作用によりシール片15の焼結原料充填層2
の表層への追従性・摺接性が向上し、より安定的にシー
ル性を維持できる。
加圧送風フードのスカート下端部13に支持部材19を
設置し、この支持部材19にバルク状の弾性体17を介
してセラミックとゴムの複合材からなるシール片15を
固着したシール装置を示す。
定する必要はなく、スポンジ状ゴム、気体や液体により
内圧付加されたチューブ、蛇腹構造の金属体等の可撓性
金属体等が用いられ、これらの少なくとも焼結原料充填
層2の表面と摺接する下部表面に本発明における硬質剛
体と弾性体の複合材からなるシール片15を貼り合わせ
ることにより支持部材19に固着される。
バルク状の弾性体を介して加圧送風フードのスカート下
端部13に設けられた支持部材19に連結することによ
り、バルク状の弾性体の弾力性によりシール片15の焼
結原料充填層2の表層への追従性・摺接性が向上し、よ
り安定的にシール性を維持できる。
用いる場合は、その材質として、例えば、クロロプレン
ゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、天然・
イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴムなどの一般に
知られているものを用いることができるが、この内でも
できるだけ硬度が小さく柔らかいもの、例えば、アスカ
ーCで硬度8のものを使用することが好ましい。
加圧送風フードのスカート下端部13に、内部圧力の調
節が可能なエアーダクト18を設置し、このエアーダク
ト18の底部に本発明におけるセラミックとゴムの複合
材からなるシール片15を設置したシール装置を示す。
8の上部からこのダクト内にエアーを供給することによ
り内圧を付加すると、上記シール片15はタイヤチュー
ブのように膨らみ、シール片15と焼結原料充填層2の
表層面との密着性がより向上する。また、本発明では、
このシール装置を用いてエアーダクト18内へのエアー
供給量を調整して内圧を制御し、シール片15を焼結原
料充填層2の表層面に対して全体的かつ均一に加圧し、
焼結原料充填層2の表層の不均一かつ不規則な凹凸を吸
収することにより、シール片15の摺接性を向上し、よ
りシール性及び耐用性(耐摩耗性)を向上することがで
きる。
さらにチューブ状のゴムを配し、このチューブ状のゴム
の中にエアーを供給して内圧を付加することにより、シ
ール片15の一部が破損した場合のエアーダクト18内
の内圧低下を防止し安定的な内圧制御ができる。
して、加圧送風フード側面のスカート下端部に本発明に
おけるシール片を設置した模式図を示したが、シール片
は、加圧送風フードの側面のスカート下端部に限らず、
入側、出側、さらに全周のスカート下端部に設置して良
く、また、全周に連続して設置しても所定の大きさに分
割して設置しても良い。
に、シール片の上方に磁石を設置し、磁気作用によりシ
ール片表面に原料充填層表層の焼結鉱粉を固着させてシ
ール片と焼結原料充填層の間の密着性を高め、さらにシ
ール性を向上させることも可能である。
て、焼結パレット幅4m、焼結機長さ100mの焼結機
を用いて吸引負圧は12.74kPa(1300mmA
q)、原料充填層の層厚hは550mm、パレットスピ
ードは3.5m/s一定で操業した。また、加圧送風フ
ードは、幅3.5m、長さ30mの大きさであり、スカ
ート下端部と原料充填層表層との距離は100mmと
し、排鉱側の焼結ストランド上方に設置した。加圧送風
フードからの送風量は8.5×105m3/Hr一定と
し、シール性を評価するために、加圧送風量と吸引ガス
量の差から漏風量を測定して漏風率を計算した。また、
加圧送風フードの内圧7.84kPa(800mmA
q)が6.86kPa(700mmAq)に低下した時
を複合材の寿命とした。
ール装置を図3のような構造とし、セラミックとゴムの
複合材からなるシール片15として、水平断面形状が一
辺が10mmの正方形であり、厚みが2mmのセラミッ
クチップを天然ゴムシートに加硫した全体の厚みが5m
mのセラミックとゴムの複合材シートを用い、支持部材
19の内側とこのシール片15の下端部とを加圧送風フ
ードの長手方向に300mmの間隔でバネにより連結し
た。また、このシール片15が焼結原料充填層の表層に
摺接する幅方向距離w(摺接距離)を200mm(焼結
原料充填層の層厚との相対比w/hで0.36)となる
ようにした。
ール装置を図4のような構造とし、セラミックとゴムの
複合材からなるシール片15として発明例1と同じもの
を用い、このシール片15をスポンジゴム17の表層に
貼り合わせたものを支持部材19に固着した。また、こ
のシール片15が焼結原料充填層の表層に摺接する幅方
向距離w(摺接距離)を200mm(焼結原料充填層の
層厚との相対比w/hで0.36)となるようにした。
のシール装置を図5のような構造とし、セラミックとゴ
ムの複合材からなるシール片15として、水平断面形状
が一辺が5mm、10mmまたは60mmの正方形であ
り、厚みが2mmのセラミックチップを天然ゴムシート
に加硫した全体の厚みが5mmのセラミックとゴムの複
合材シートを用い、このシール片15をエアーダクト1
8の底部開口部に固着した。また、エアーダクト18内
に上部からエアーを供給して密閉しエアーダクト18の
内圧が4.9kPa(0.05kg/cm2)の範囲に
なるように調節し、シール片15が焼結原料充填層の表
層に摺接する幅方向距離w(摺接距離)が100mm、
180mmまたは200mm(焼結原料充填層の層厚と
の相対比w/hで0.18、0.33または0.36)
となるようにした。
ール装置を図2のような構造とし、シール片14とし
て、厚みが3mmの布入りウレタンゴムを用いた。この
時、シール片14が外側にめくれないように、シートの
下端部を内側へ紐で引っ張る構造にした。なお、一般に
ウレタンゴムは、上記の発明例1〜6でシール片に用い
たNBRゴムよりも耐摩耗性に優れた材質である。ま
た、このシール片14が焼結原料充填層の表層に摺接す
る幅方向距離w(摺接距離)を200mm(焼結原料充
填層の層厚との相対比w/hで0.36)となるように
した。
距離以外は、全て発明例3と同じとした。シール片15
の摺接距離wは、本発明の範囲より短い30mm(焼結
原料充填層の層厚との相対比w/hで0.05)となる
ようにした。
距離以外は、全て発明例3と同じとした。シール片15
の摺接距離wは、本発明の範囲より長い1400mm
(焼結原料充填層の層厚との相対比w/hで2.54)
となるようにした。
ール装置を用いた場合の加圧送風フードからの漏風率、
寿命を示す。
本発明の範囲から外れる比較例1〜3に比較して、加圧
送風フードからの漏風率およびそのシール装置の寿命が
著しく向上した。
焼結パレットに装入された焼結原料充填層の上方に設け
た加圧送風フードのシール性を維持し、且つ耐用性をも
兼ね備えた加圧送風フードのシール装置及びシール方法
を提供でき、従来に比べて加圧焼結法における焼結鉱の
生産性、製品歩留り、製品品質を向上できるという顕著
な効果がえられる。
の一例を示す図である。
の一例を示す図である。
の一例を示す図である。
との摺接領域近傍のガスの流れを示す概念図である。
片の摺接距離w/hと漏風率ηとの関係を示すグラフで
ある。
片の摺接距離w/hと焼結鉱の生産性Pとの関係を示す
グラフである。
のガス流れ 21 加圧送風フード内のシール片摺接領域の直下方向
へのガス流れ
Claims (18)
- 【請求項1】 下方吸引式焼結機に装入された焼結原料
充填層の上方に設けた加圧送風フードのシール装置にお
いて、該加圧送風フードのスカート下端部に、硬質剛体
と弾性体の複合材からなるシール片を、前記焼結原料充
填層の表層に摺接する幅方向距離が前記焼結原料充填層
の層厚との相対比で0.1〜2の範囲になるように設置
したことを特徴とする加圧送風フードのシール装置。 - 【請求項2】 前記シール片は、弾性体表層から露出す
る硬質剛体の最大径が50mm以下となるように硬質剛
体が弾性体表層に固着された複合材であることを特徴と
する請求項1に記載の加圧送風フードのシール装置。 - 【請求項3】 前記硬質剛体がセラミックス、硬質金
属、およびサーメットのうちの1種または2種以上から
なることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
加圧送風フードのシール装置。 - 【請求項4】 前記弾性体がゴムであることを特徴とす
る請求項1から請求項3の何れか1項に記載の加圧送風
フードのシール装置。 - 【請求項5】 前記硬質剛体の形状が板状、球状、およ
び円筒状のうちの1種または2種以上からなることを特
徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の加
圧送風フードのシール装置。 - 【請求項6】 前記加圧送風フードのスカート下端部に
支持部材を設置し、該支持部材の外側に前記シール片の
上端部を固着し、該支持部材の内側に前記シール片の下
端部をバネを介して連結したことを特徴とする請求項1
から請求項5の何れか1項に記載の加圧送風フードのシ
ール装置。 - 【請求項7】 前記加圧送風フードのスカート下端部に
支持部材を設置し、該支持部材にバルク状の弾性体を介
して前記シール片を固着したことを特徴とする請求項1
から請求項5の何れか1項に記載の加圧送風フードのシ
ール装置。 - 【請求項8】 前記バルク状の弾性体がスポンジ状のゴ
ム、チューブ、および可撓性金属体のうちの1種または
2種以上からなることを特徴とする請求項7に記載の加
圧送風フードのシール装置。 - 【請求項9】 前記加圧送風フードのスカート下端部
に、内部圧力の調節が可能なエアーダクトを設置し、該
エアーダクトの底部に前記シール片を設置したことを特
徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の加
圧送風フードのシール装置。 - 【請求項10】 下方吸引式焼結機に装入された焼結原
料充填層の上方に設けた加圧送風フードのシール方法に
おいて、該加圧送風フードのスカート下端部に、硬質剛
体と弾性体の複合材からなるシール片を設置し、該シー
ル片を前記焼結原料充填層の表層に摺接する幅方向距離
が前記焼結原料充填層の層厚との相対比で0.1〜2の
範囲になるようにすることを特徴とする加圧送風フード
のシール方法。 - 【請求項11】 前記シール片は、弾性体表層から露出
する硬質剛体の最大径が50mm以下となるように硬質
剛体が弾性体表層に固着された複合材であることを特徴
とする請求項10に記載の加圧送風フードのシール方
法。 - 【請求項12】 前記硬質剛体がセラミックス、硬質金
属、およびサーメットのうちの1種または2種以上から
なることを特徴とする請求項10または請求項11に記
載の加圧送風フードのシール方法。 - 【請求項13】 前記弾性体がゴムであることを特徴と
する請求項10から請求項12の何れか1項に記載の加
圧送風フードのシール方法。 - 【請求項14】 前記硬質剛体の形状が板状、球状、お
よび円筒状のうちの1種または2種以上からなることを
特徴とする請求項10から請求項13の何れか1項に記
載の加圧送風フードのシール方法。 - 【請求項15】 前記加圧送風フードのスカート下端部
に支持部材を設置し、該支持部材の外側に前記シール片
の上端部を固着し、該支持部材の内側に前記シール片の
下端部をバネを介して連結することを特徴とする請求項
10から請求項14の何れか1項に記載の加圧送風フー
ドのシール方法。 - 【請求項16】 前記加圧送風フードのスカート下端部
に支持部材を設置し、該支持部材にバルク状の弾性体を
介して前記シール片を固着することを特徴とする請求項
10から請求項14の何れか1項に記載の加圧送風フー
ドのシール方法。 - 【請求項17】 前記バルク状の弾性体がスポンジ状の
ゴム、チューブ、および可撓性金属体のうちの1種また
は2種以上からなることを特徴とする請求項16に記載
の加圧送風フードのシール方法。 - 【請求項18】 前記加圧送風フードのスカート下端部
に、内部圧力の調節が可能なエアーダクトを設置し、該
エアーダクトの底部に前記シール片を設置するととも
に、該エアーダクト内へのエアー供給量により圧力を調
節することを特徴とする請求項10から請求項14の何
れか1項に記載の加圧送風フードのシール方法。
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