JP3273101B2 - 生石灰粉の回収フード - Google Patents
生石灰粉の回収フードInfo
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は焼結機パレット上の焼結
原料の表層に石灰石粉を装入し、焼結機の点火バーナと
石灰石中の粉コークス燃焼熱により副生した生石灰粉を
吸引回収する回収フードに関するものである。
原料の表層に石灰石粉を装入し、焼結機の点火バーナと
石灰石中の粉コークス燃焼熱により副生した生石灰粉を
吸引回収する回収フードに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】図５は従来例の焼結鉱の製造工程の説明
図である。床敷ホッパ３からパレット１上に切出された
床敷鉱１０の上に給鉱ホッパ４から切り出された原料２
を積層して供給する。パレット１上の装入物は点火装置
１５で点火され、メインブロワ１４の通風により原料中
の粉コークスは燃焼し、原料は焼成され焼結鉱となり、
排鉱部２２から粉砕機５へ排出される。
図である。床敷ホッパ３からパレット１上に切出された
床敷鉱１０の上に給鉱ホッパ４から切り出された原料２
を積層して供給する。パレット１上の装入物は点火装置
１５で点火され、メインブロワ１４の通風により原料中
の粉コークスは燃焼し、原料は焼成され焼結鉱となり、
排鉱部２２から粉砕機５へ排出される。
【０００３】焼結鉱は粉砕機５で粉砕され、クーラ６で
冷却された後、篩７で分級される。篩７上の粒径８〜１
６ｍｍの製品は床敷鉱１０として床敷ホッパ３に戻さ
れ、残余は成品１３として高炉に搬送される。分級され
た粒径−５ｍｍ以下のものは返鉱１１としてミキサ８に
よって新原料１２と混合された後給鉱ホッパ４に戻され
る。一般にパレット１上の原料２の通気性を改善する手
段として、バインダを原料中に混入させることがある。
バインダとしては普通生石灰（ＣａＯ）がよく用いられ
ている。このＣａＯを安価に製造し利用する技術とし
て、特開昭５８−１３３３３１号には、図５に示すよう
に、給鉱ホッパ４と点火装置１５の間に石灰粉ホッパ１
６が設けられ、石灰粉ホッパ１６から粉コークスを混合
した石灰石（ＣａＣＯ3 ）粉９が原料２の上に切出され
る。点火装置１５の熱によって石灰石（ＣａＣＯ3 ）粉
９を生石灰（ＣａＯ）粉とし、篩７により返鉱１１とと
もに回収し、バインダとして利用する手段が提案されて
いる。しかしこの手段では、 （１）篩７での成品１３と返鉱１１との分離が完全でな
く、成品１３中にバインダが混入する。 （２）クーラ６での通風冷却によって、製造されたバイ
ンダの一部が飛散する。といった問題があった。
冷却された後、篩７で分級される。篩７上の粒径８〜１
６ｍｍの製品は床敷鉱１０として床敷ホッパ３に戻さ
れ、残余は成品１３として高炉に搬送される。分級され
た粒径−５ｍｍ以下のものは返鉱１１としてミキサ８に
よって新原料１２と混合された後給鉱ホッパ４に戻され
る。一般にパレット１上の原料２の通気性を改善する手
段として、バインダを原料中に混入させることがある。
バインダとしては普通生石灰（ＣａＯ）がよく用いられ
ている。このＣａＯを安価に製造し利用する技術とし
て、特開昭５８−１３３３３１号には、図５に示すよう
に、給鉱ホッパ４と点火装置１５の間に石灰粉ホッパ１
６が設けられ、石灰粉ホッパ１６から粉コークスを混合
した石灰石（ＣａＣＯ3 ）粉９が原料２の上に切出され
る。点火装置１５の熱によって石灰石（ＣａＣＯ3 ）粉
９を生石灰（ＣａＯ）粉とし、篩７により返鉱１１とと
もに回収し、バインダとして利用する手段が提案されて
いる。しかしこの手段では、 （１）篩７での成品１３と返鉱１１との分離が完全でな
く、成品１３中にバインダが混入する。 （２）クーラ６での通風冷却によって、製造されたバイ
ンダの一部が飛散する。といった問題があった。
【０００４】本出願人は、これらの問題を解決するため
に、特願昭６２−３０３２３０号（特開平１−１４７０
２３号公報）を開示した。特願昭６２−３０３２３０号
は、粉コークスを石灰石粉中に５〜２０％混合して焼結
し、排鉱部近傍で表層の生石灰粉を吸引回収した後、こ
れを焼結原料給鉱ホッパに供給するものであるが、図
３、図４に示すように、排鉱部２２近傍のパレット１上
で、予め焼成された生石灰２１の比重の大小を利用して
回収フード１９、スクレーパ２９、サイクロン１８、ブ
ロワ２４等により生石灰２１粉を吸引回収し回収歩留り
を向上させるものである。
に、特願昭６２−３０３２３０号（特開平１−１４７０
２３号公報）を開示した。特願昭６２−３０３２３０号
は、粉コークスを石灰石粉中に５〜２０％混合して焼結
し、排鉱部近傍で表層の生石灰粉を吸引回収した後、こ
れを焼結原料給鉱ホッパに供給するものであるが、図
３、図４に示すように、排鉱部２２近傍のパレット１上
で、予め焼成された生石灰２１の比重の大小を利用して
回収フード１９、スクレーパ２９、サイクロン１８、ブ
ロワ２４等により生石灰２１粉を吸引回収し回収歩留り
を向上させるものである。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】上述の特願昭６２−３
０３２３０号の技術においては、図３に示すように気流
ａ、ｂに乗って生石灰２１が吸引回収されるが、このと
き、気流ａは生石灰２１層の上層部を吸引し、気流ｂは
焼結原料２近傍の生石灰２１層の下部層を吸引すること
になる。
０３２３０号の技術においては、図３に示すように気流
ａ、ｂに乗って生石灰２１が吸引回収されるが、このと
き、気流ａは生石灰２１層の上層部を吸引し、気流ｂは
焼結原料２近傍の生石灰２１層の下部層を吸引すること
になる。
【０００６】一方、生石灰の回収効率を向上させるため
にはフード側板３２の下端部と生石灰２１層もしくは焼
結原料２層との間に或る範囲内の間隙を設けることが必
要であるが、焼結原料２には長手方向および幅方向にう
ねりがあり、かつ焼結原料２は生石灰２１に比べ重量が
大きく吸引することができないので、回収フード１９の
下流端側板３２と焼結原料２が接触し、間隙がなくなる
という場合がある。一度この間隙がなくなると、気流ｂ
が消滅し吸引流は全て気流ａとなるので、うねりによっ
てこの間隙が発生しない限り回収フード１９の下流端側
板３２側からの吸引が不可能となり、生石灰２１の回収
率が大幅に低下する。このため、回収フード１９を電動
シリンダ２６等で吊下支持し、うねりに合わせ回収フー
ド１９を昇降制御する手段が採られているが凸状の変位
量の大きなうねりには追従できずに焼結原料２と回収フ
ード１９が接触し回収フード１９にはパレットの進行方
向に水平力が作用する。回収フード１９は、上・下方向
には電動シリンダー２６により昇降させることができる
が、水平方向には変位させる手段をもたないためにこの
水平力により側板３２やスクレーパ２９が破損する。こ
れらが破損すると回収フード１９による生石灰の回収量
が著しく低下し、生石灰の生産ロスが発生すると共に回
収できなかった生石灰は次工程へ流出して焼結原料２の
品質が低下することになる。また、破損したフードは補
修する必要があることから補修費を必用とする等の問題
があった。
にはフード側板３２の下端部と生石灰２１層もしくは焼
結原料２層との間に或る範囲内の間隙を設けることが必
要であるが、焼結原料２には長手方向および幅方向にう
ねりがあり、かつ焼結原料２は生石灰２１に比べ重量が
大きく吸引することができないので、回収フード１９の
下流端側板３２と焼結原料２が接触し、間隙がなくなる
という場合がある。一度この間隙がなくなると、気流ｂ
が消滅し吸引流は全て気流ａとなるので、うねりによっ
てこの間隙が発生しない限り回収フード１９の下流端側
板３２側からの吸引が不可能となり、生石灰２１の回収
率が大幅に低下する。このため、回収フード１９を電動
シリンダ２６等で吊下支持し、うねりに合わせ回収フー
ド１９を昇降制御する手段が採られているが凸状の変位
量の大きなうねりには追従できずに焼結原料２と回収フ
ード１９が接触し回収フード１９にはパレットの進行方
向に水平力が作用する。回収フード１９は、上・下方向
には電動シリンダー２６により昇降させることができる
が、水平方向には変位させる手段をもたないためにこの
水平力により側板３２やスクレーパ２９が破損する。こ
れらが破損すると回収フード１９による生石灰の回収量
が著しく低下し、生石灰の生産ロスが発生すると共に回
収できなかった生石灰は次工程へ流出して焼結原料２の
品質が低下することになる。また、破損したフードは補
修する必要があることから補修費を必用とする等の問題
があった。
【０００７】本発明はこれらの問題を解決する生石灰粉
の回収フードを提供することを課題とするものである。
の回収フードを提供することを課題とするものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記問題点を
解決するもので、焼結機のパレット上の最上層にコーク
ス粉と混合した石灰石粉を装入して焼結を行い、生成し
た生石灰粉を吸引回収する排鉱部近傍のパレット直上に
配設されたフードに適用され、次の技術手段を採った。
すなわち、該回収フードをパレットの進行方向前後に揺
動自在に吊下すると共に、該回収フードに接続される吸
引管をフレキシブルとしたことを特徴とする生石灰粉の
回収フードである。
解決するもので、焼結機のパレット上の最上層にコーク
ス粉と混合した石灰石粉を装入して焼結を行い、生成し
た生石灰粉を吸引回収する排鉱部近傍のパレット直上に
配設されたフードに適用され、次の技術手段を採った。
すなわち、該回収フードをパレットの進行方向前後に揺
動自在に吊下すると共に、該回収フードに接続される吸
引管をフレキシブルとしたことを特徴とする生石灰粉の
回収フードである。
【０００９】
【作用】本発明の構成とその作用を図１により説明す
る。なお、図１（ａ）は本発明の一実施例の側面の説明
図、図１（ｂ）は本発明の作用説明図である。回収フー
ド１９は平行リンク２８と支持板２７を介して電動シリ
ンダー２６で支持されている。平行リンク２８は、２個
の継手３０と接続材３１を複数個配設して形成され、図
の左右方向に揺動するように構成されている。
る。なお、図１（ａ）は本発明の一実施例の側面の説明
図、図１（ｂ）は本発明の作用説明図である。回収フー
ド１９は平行リンク２８と支持板２７を介して電動シリ
ンダー２６で支持されている。平行リンク２８は、２個
の継手３０と接続材３１を複数個配設して形成され、図
の左右方向に揺動するように構成されている。
【００１０】従って、生石灰２１層の通常のうねりに対
しては、電動シリンダー２６を用いて回収フード１９を
昇降制御するが、凹凸の大きい急激なうねりが来ると、
電動シリンダー２６では追従できず、回収フード１９と
生石灰２１が接触するが、平行リンク２８が機能し、図
１（ｂ）に示すように、回収フード１９は生石灰２１、
焼結原料２に押されて後退し且つ上昇移動することにな
る。なお、この際、輸送管２０の回収フード１９との接
続端部はフレキシブル管３３が設けられており、回収フ
ード１９の移動変位をこのフレキシブル管３３が吸収す
るので輸送管２０が破損することはない。
しては、電動シリンダー２６を用いて回収フード１９を
昇降制御するが、凹凸の大きい急激なうねりが来ると、
電動シリンダー２６では追従できず、回収フード１９と
生石灰２１が接触するが、平行リンク２８が機能し、図
１（ｂ）に示すように、回収フード１９は生石灰２１、
焼結原料２に押されて後退し且つ上昇移動することにな
る。なお、この際、輸送管２０の回収フード１９との接
続端部はフレキシブル管３３が設けられており、回収フ
ード１９の移動変位をこのフレキシブル管３３が吸収す
るので輸送管２０が破損することはない。
【００１１】このように平行リンク２８を設けることに
より凸状の変位量の大きな生石灰２１層や焼結原料２層
のうねりが発生しても回収フード１９を破損させること
が無くなる。
より凸状の変位量の大きな生石灰２１層や焼結原料２層
のうねりが発生しても回収フード１９を破損させること
が無くなる。
【００１２】
【実施例】本発明に使用した焼結機の諸元は、パレット
幅３５００ｍｍ、長さ６０ｍ、焼結原料層厚６２０ｍｍ
である。この焼結機パレット上に層厚５０ｍｍ、装入幅
１０００ｍｍで石灰石を装入し、パレットスピード３．
８ｃｍ／ｓｅｃで操業を行なった。本操業に用いた回収
フードの平行リンク２８は図２（ｂ）に示すように、２
個の継手３０と接続材３１を３ケ所に配設して形成し、
継手３０間の距離は５００ｍｍに構成した。
幅３５００ｍｍ、長さ６０ｍ、焼結原料層厚６２０ｍｍ
である。この焼結機パレット上に層厚５０ｍｍ、装入幅
１０００ｍｍで石灰石を装入し、パレットスピード３．
８ｃｍ／ｓｅｃで操業を行なった。本操業に用いた回収
フードの平行リンク２８は図２（ｂ）に示すように、２
個の継手３０と接続材３１を３ケ所に配設して形成し、
継手３０間の距離は５００ｍｍに構成した。
【００１３】この操業条件下で副生させた生石灰２１の
吸引回収を行ったところ、凸状の大きな変位に対しては
回収フードと焼結原料が接触し回収フードにはパレット
進行方向に水平力が発生したが、回収フードは後退する
と共に上昇し、回収フードが破損することなく凸状の大
きな変位をかわすことができた。このため、生石灰の生
産ロスや焼結原料の品質低下並びに回収フードの破損発
生を無くすことが可能となった。
吸引回収を行ったところ、凸状の大きな変位に対しては
回収フードと焼結原料が接触し回収フードにはパレット
進行方向に水平力が発生したが、回収フードは後退する
と共に上昇し、回収フードが破損することなく凸状の大
きな変位をかわすことができた。このため、生石灰の生
産ロスや焼結原料の品質低下並びに回収フードの破損発
生を無くすことが可能となった。
【００１４】
【表１】
【００１５】表１に示すように、従来１回／月程度発生
していた回収フード破損に起因する生石灰生産ロスは、
２００ｔｏｎ／回、フード波損時の次工程への生石灰流
れ込みは、６ｔｏｎ／回であり、フード破損の補修費に
約２００千円／回を必要としていたが、本発明はこれら
を皆無とすることができた。
していた回収フード破損に起因する生石灰生産ロスは、
２００ｔｏｎ／回、フード波損時の次工程への生石灰流
れ込みは、６ｔｏｎ／回であり、フード破損の補修費に
約２００千円／回を必要としていたが、本発明はこれら
を皆無とすることができた。
【００１６】
【発明の効果】本発明は、焼結操業の生産性向上に優れ
た効果を奏する。
た効果を奏する。
【図１】図１（ａ）は本発明の一実施例の側面の説明
図、図１（ｂ）は本発明の作用説明図である。
図、図１（ｂ）は本発明の作用説明図である。
【図２】図２（ａ）は、図１（ａ）のＡ−Ａ矢視断面
図、図２（ｂ）は図１（ａ）のＢ−Ｂ矢視断面図であ
る。
図、図２（ｂ）は図１（ａ）のＢ−Ｂ矢視断面図であ
る。
【図３】従来例における回収フードの作用説明図であ
る。
る。
【図４】生石灰を吸引回収する工程を備えた焼結鉱の製
造工程の説明図である。
造工程の説明図である。
【図５】従来例の焼結鉱の製造工程の説明図である。
１ パレット ２ 焼結原料 ３ 床敷ホッパ ４ 給鉱ホッパ ５ 粉砕機 ６ クーラ ７ 篩 ８ ミキサ ９ 石灰石粉 １０ 床敷鉱 １１ 返鉱 １２ 新原料 １３ 成品 １４ ブロワ １５ 点火装置 １６ 石灰石ホッパ １７ 生石灰ホッパ １８ サイクロン １９ 回収フード ２０ 輸送管 ２１ 生石灰 ２２ 排鉱部 ２３ 排ガスダクト ２４ ブロワ ２５ 煙突 ２６ 電動シリンダ ２７ 支持矢板 ２８ 平行リンク ２９ スクレーパ ３０ 継手 ３１ 接続材 ３２ フード側板 ３３ フレキシブル管 ａ、ｂ 気流
Claims (1)
- 【請求項１】 焼結機のパレットの最上層にコークス粉
を混合した石灰石粉を装入して焼成を行い、生成した生
石灰粉を吸引回収するパレット直上に配設された回収フ
ードにおいて、 該回収フードをパレットの進行方向前後に揺動自在に吊
下すると共に、該回収フードに接続される吸引管をフレ
キシブルとしたことを特徴とする生石灰粉の回収フー
ド。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20876694A JP3273101B2 (ja) | 1994-09-01 | 1994-09-01 | 生石灰粉の回収フード |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20876694A JP3273101B2 (ja) | 1994-09-01 | 1994-09-01 | 生石灰粉の回収フード |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0873952A JPH0873952A (ja) | 1996-03-19 |
| JP3273101B2 true JP3273101B2 (ja) | 2002-04-08 |
Family
ID=16561741
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20876694A Expired - Fee Related JP3273101B2 (ja) | 1994-09-01 | 1994-09-01 | 生石灰粉の回収フード |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3273101B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP5550440B2 (ja) * | 2010-05-10 | 2014-07-16 | 日本碍子株式会社 | 粉体焼成プラントの運転方法 |
-
1994
- 1994-09-01 JP JP20876694A patent/JP3273101B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0873952A (ja) | 1996-03-19 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20020115 |
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