JPH08268520A - 工業機材の耐摩耗性表層構造 - Google Patents

工業機材の耐摩耗性表層構造

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JPH08268520A
JPH08268520A JP9782195A JP9782195A JPH08268520A JP H08268520 A JPH08268520 A JP H08268520A JP 9782195 A JP9782195 A JP 9782195A JP 9782195 A JP9782195 A JP 9782195A JP H08268520 A JPH08268520 A JP H08268520A
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JP
Japan
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base layer
cavity
surface base
ceramic piece
rubber
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JP9782195A
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Masahiro Uchida
昌宏 内田
Minoru Noma
稔 野間
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Nippon Tsusho Co Ltd
Original Assignee
Nippon Tsusho Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゴムの加硫成形に際してゴム素材が好適に充
填されることによりセラミック片を確実強固に結合し、
しかも、縦横何れの方向に対しても屈曲可能な工業機材
の耐摩耗性表層構造を提供する。 【構成】 ゴム等の弾性材から成る表基層の表面に複数
の平板状セラミック片を敷設したものにおいて:前記セ
ラミック片が下向きに開口するキャビティを形成すると
共に、該キャビティの下部開口縁より内側に張出す係止
部を一体に備え、前記表基層の弾性材を前記キャビティ
に充填せしめて成る構成である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンベヤベルト、プー
リ用ラッギング材、ホッパー用内張材、選別スクリーン
等の工業機材に適用される耐摩耗性表層構造に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の工業機材において、表面の早期摩
耗を防止し、又は摩耗と併せて騒音を防止するために、
当該個所にゴム等の弾性材から成る表基層を形成すると
共に、該表基層の表面に複数の平板状セラミック片を敷
設した耐摩耗性表層を設けることが公知である。
【0003】従来の公知例では、複数又は多数のセラミ
ック片が表基層に接着されており、従って、万一の接着
不良があると、セラミック片が表基層から剥離し脱落し
てしまう問題がある。例えば、耐摩耗性表層がホッパー
や選別スクリーンに適用されたときは、鉱石その他の材
料により大きな衝撃を受けるため、セラミック片が小片
であればあるほど、その接着面積が小さいので、剥離脱
落の可能性は大きくなる。一方、耐摩耗性表層がコンベ
ヤベルトに適用されるとき、ベルトは巻掛部において屈
曲されるので、また、耐摩耗性表層がプーリ用ラッギン
グ材に適用されるとき、該ラッキング材はプーリの外周
に巻回され屈曲状態にあるため、屈曲し易いゴム製の表
基層に対して、剛体を成しているセラミック片の接着面
の剥離が促進される。
【0004】この点に関して、例えば、特公平6−20
932号公報に示される如く、セラミック片を断面工字
形に形成し、このようなセラミック片を表基層に埋入せ
しめることにより、表基層からの抜止めを目的とした技
術が提案されている。これを図4に示して説明すると、
セラミック片1は、上部平板部2と下部平板部3を平行
に備え、上下の平板部2、3を連結する縦板部4を有
し、断面工字形に形成されている。そして、ゴムから成
る表基層5に対して、前記縦板部4及び下部平板部3を
埋入せしめ、前記上部平板部2を表基層5と面一になる
ように露出せしめている。従って、前記縦板部4を介し
て下部平板部3が表基層5の内部で張出し係止している
ので、セラミック片1が表基層5から剥離し脱落するこ
とを防止できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、前記公報
に記載の技術では、次のような重大な問題がある。
【0006】図4(A)に示すようなセラミック片1の
並列方向(断面工字形が隣接する列の方向)に対して表
基層5を屈曲させることは可能であるが、図4(B)に
示すようなセラミック片1の直列方向(縦板部が同一線
上に並ぶ列の方向)に対しては、表基層5を屈曲させる
ことが不可能である。蓋し、この直列方向に対して、隣
接するセラミック片1が相互に縦板部4、4の端部を上
下縦方向に亘り近接して対向せしめているため、隣接す
る縦板部4、4の間に拘束されたゴムを弾性変形せしめ
ることが困難だからである。その結果、コンベヤベルト
やプーリ用ラッギング材に適用し、或いは、ホッパー等
の円弧面に適用する際に、その屈曲方向が前述のような
セラミック片の並列方向に制限されるという問題があ
る。
【0007】また、製造に際しては、未加硫ゴムシート
の表面にセラミック片1、1を縦横に配置した状態で金
型に装入し、これをホットプレスすることによりゴム加
硫を行いながらセラミック片1をゴム中に埋入せしめる
方法が採用されるが、隣接するセラミック片の縦板部
4、4の間に向けてのゴム充填が困難であり、該縦板部
4の部分におけるゴム接着を不良ならしめる虞れがあ
る。蓋し、前記ゴム加硫に際し、ゴムは、下方から隣接
するセラミック片1、1の間に向けて流入し、セラミッ
ク片1の側方から上下の平板部2、3の間に向けて充填
されなければならないが、図4(A)(B)に示す通
り、下部の平板部3が下方からのゴムの流入を妨げるか
らである。
【0008】更に、セラミック片1は、断面工字形とさ
れているため、該セラミック片1を弾性的に支持するた
めに機能する表基層5のゴム部分は、下部平板部3より
も下側の支持ゴム層であるから、該支持ゴム層の層厚T
が小さいものとならざるを得ない。換言すれば、層厚t
で示される上下の平板部2、3により挟まれた表層部の
ゴム層は、専らセラミック片1の抜止めのために設けら
れているに過ぎず、セラミック片1を弾性的に支持する
ためには機能しない。このため、落鉱物等による騒音防
止等のために表基層5の弾性支持機能を増すためには、
前記支持ゴム層の層厚Tを厚くしなければならず、全体
として表基層5の肉厚TWが分厚くなるという問題があ
る。そして、このように表基層5を分厚くしても、セラ
ミック片1の摩耗寿命は、薄い上部平板部2の摩耗期間
に依存しているから、耐用期間には何ら寄与しないので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を一
挙に解決し得たものであり、その第一の手段として構成
したところは、ゴム等の弾性材から成る表基層の表面に
複数の平板状セラミック片を敷設したものにおいて:前
記セラミック片が下向きに開口するキャビティを形成す
ると共に、該キャビティの下部開口縁より内側に張出す
係止部を一体に備え、前記表基層の弾性材を前記キャビ
ティに充填せしめて成る点にある。
【0010】また、本発明が第二の手段として構成した
ところは、ゴム等の弾性材から成る表基層の表面に複数
の平板状セラミック片を敷設したものにおいて:前記セ
ラミック片が下向きに開口するキャビティを形成し、該
キャビティの上部に盲壁を形成すると共に、該キャビテ
ィの下部開口縁より内側に張出す係止部を一体に備え、
前記表基層の弾性材を前記キャビティに充填せしめて成
る点にある。
【0011】更に、本発明が第三の手段として構成した
ところは、ゴム等の弾性材から成る表基層の表面に複数
の平板状セラミック片を敷設したものにおいて:前記セ
ラミック片が下向きに開口するキャビティを形成し、該
キャビティをセラミック片の頂壁に向けて貫通し開口せ
しめると共に、該キャビティの下部開口縁より内側に張
出す係止部を一体に備え、前記表基層の弾性材を前記キ
ャビティに充填せしめて成る点にある。
【0012】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳述
する。
【0013】(第1実施例)図1及び図2に示す第1実
施例において、表基層11は、天然ゴム又はエラストマ
ーと称される合成ゴム等のゴム同効部材或いはその他の
弾性材から成る。
【0014】セラミック片12は、図2に示すように、
矩形平板状に形成されており、下向き開口部13を有す
るキャビティ14を形成すると共に、該キャビティ14
の下部開口縁より内側に張出す係止部15を一体に備え
ている。図示実施例の場合、前記キャビティ14は、セ
ラミック片12の下面に形成された蟻溝16から成り、
該蟻溝16をセラミック片12の全幅に亘り形成し、蟻
溝の開口縁に形成された平行なリブにより前記係止部1
5を構成している。従って、この場合、キャビティ14
の上部には盲壁17が形成されている。
【0015】この実施例の製造方法は、例えば、金型内
に前記多数のセラミック片12を縦横に配列して挿置
し、挿置されたセラミック片群の上に未加硫ゴムシート
を重合し、金型を閉塞して加硫加圧することにより、ゴ
ムの加硫工程を経て成形される表基層11の一面にセラ
ミック片12を埋入固着せしめ、その後、脱型して成形
された製品を金型より取出す。好ましくは、予めセラミ
ック片12には、下面及び周面並びにキャビティ14の
内面を含んで加硫接着用の接着剤(例えば商品名ケムロ
ック)が塗布されており、これによりセラミック片12
と表基層11とは焼付固着される。
【0016】或いは、別の製造方法として、上記と同様
に金型内にセラミック片12を縦横に配列挿置した状態
で、液状のゴム又はエラストマー原料を金型内に注入
し、金型を加熱することにより加硫工程を経て成形され
る表基層11の一面にセラミック片12を埋入固着せし
めても良い。
【0017】何れの製造方法においても、加硫工程中の
弾性材素材(ゴム素材)は、セラミック片12の開口部
13から直接にキャビティ14に向けて充填される。こ
れにより、成形された表基層11の表面には多数のセラ
ミック片12が縦横に敷設されると共に、埋入され、セ
ラミック片12の頂面を表基層11の表面とほぼ面一状
態ならしめる。この際、隣接するセラミック片12の間
には、表基層11の弾性材素材が充填された目地18を
形成することが好ましい。
【0018】従って、この第1実施例によれば、加硫中
の弾性材素材が下方からストレートに開口部13を経て
キャビティ14に好適に充填されるので、該キャビティ
14内において弾性材素材の充填不足を生じる虞れはな
く、成形された表基層11とセラミック片12の確実強
固な結合が得られる。そして、この状態で、係止部15
が表基層11内に埋入され係合されているので、セラミ
ック片12が表基層11から剥離脱落することを好適に
防止する。
【0019】しかも、図2(A)に示すように、セラミ
ック片12は、外形を概ね平板状のままの形態とされて
いるので、該セラミック片12を弾性的に支持するため
に機能する表基層11のゴム部分は、平板状セラミック
片12の下面から下側の支持ゴム層の層厚T1により決
定されるので、セラミック片12の頂面に至る表基層1
1の肉厚全体TWに占めるゴム厚T1の層厚が大きく、
セラミック片12に対する弾性支持機能が優れたものと
なる。即ち、図4に示した従来例の場合、表基層5の肉
厚全体TWに占める支持ゴム層の層厚Tの割合、従っ
て、T/TWが小さいものとならざるを得ないのに対し
て、本発明の実施例によれば、表基層11の肉厚全体T
Wに占める支持ゴム層の層厚T1の割合、従って、T1
/TWが大きいものとなる。即ち、T/TW<T1/T
Wとなるので、本発明の実施例の方がセラミック片12
を弾性的に支持する機能において格段に優れる。このた
め、落鉱物等による騒音の防止効果に優れたものとな
る。
【0020】更に、前記第1実施例によれば、蟻溝16
から成るキャビティ14が盲壁17を有するので、該盲
壁17の部分においてセラミック片12を弾性的に支持
する支持ゴム層の層厚T2は、更に大きくなり、この分
厚い層厚T2の部分でセラミック片12を好適に支持で
きるので、前述のような騒音防止効果において一層優れ
たものとなる。
【0021】そして、表基層11に埋入され敷設された
セラミック片12の多数は、全て外観を概ね平板状とさ
れているので、図1(A)(C)に示すように、セラミ
ック片12の並列方向(蟻溝断面が隣接する列の方向)
に対して表基層11を屈曲させることが可能なことは勿
論、図1(B)(D)に示すように、セラミック片12
の直列方向(蟻溝が同一線上に並ぶ列の方向)に対して
も、同様に、表基層5を屈曲させることが可能である。
このため、コンベヤベルトやプーリ用ラッギング材に適
用し、或いは、ホッパー等の円弧面に適用する際に、縦
横何れの方向に対しても表基層11を屈曲せしめること
ができる。また、その結果、図例のように、表基層11
に対してセラミック片12を特定の方向に配列(蟻溝1
6が全て同じ方向に向かうよう配列)して敷設する必要
はない。即ち、セラミック片12を正方形の平板状とし
ておけば、表基層11に対して、蟻溝16の方向性を問
うことなく、単にセラミック片12を縦横に敷設すれば
良いので、製造に際してセラミック片12を金型に挿置
する作業が極めて容易となる。
【0022】(第2実施例)図3に示す第2実施例にお
いて、表基層11は、天然ゴム又はエラストマーと称さ
れる合成ゴム等のゴム同効部材或いはその他の弾性材か
ら成り、この点は上記第1実施例と同様である。
【0023】セラミック片12は、矩形平板状に形成さ
れており、下向き開口部13を有するキャビティ14を
形成すると共に、該キャビティ14の下部開口縁より内
側に張出す係止部15を一体に備えている。図示実施例
の場合、前記キャビティ14は、セラミック片12の上
下に貫通して形成された断面漏斗状の孔19から成り、
セラミック片12の頂壁に開口する上向き開口部20を
有する。
【0024】この実施例の製造方法は、上記第1実施例
と概ね同様である。即ち、例えば、金型内に前記多数の
セラミック片12を縦横に配列して挿置し、挿置された
セラミック片群の上に未加硫ゴムシートを重合し、金型
を閉塞して加硫加圧することにより、ゴムの加硫工程を
経て成形される表基層11の一面にセラミック片12を
埋入固着せしめ、その後、脱型して成形された製品を金
型より取出す。好ましくは、予めセラミック片12に
は、下面及び周面並びにキャビティ14の内面を含んで
加硫接着用の接着剤(例えば商品名ケムロック)が塗布
されており、これによりセラミック片12と表基層11
とは焼付固着される。或いは、別の製造方法として、上
記と同様に金型内にセラミック片12を縦横に配列挿置
した状態で、液状のゴム又はエラストマー原料を金型内
に注入し、金型を加熱することにより加硫工程を経て成
形される表基層11の一面にセラミック片12を埋入固
着せしめても良い。
【0025】何れの製造方法においても、加硫工程中の
弾性材素材(ゴム素材)は、セラミック片12の下向き
開口部13から直接にキャビティ14に向けて充填され
る。これにより、成形された表基層11の表面には多数
のセラミック片12が縦横に敷設されると共に、埋入さ
れ、セラミック片12の頂面を表基層11の表面とほぼ
面一状態ならしめる。この際、隣接するセラミック片1
2の間には、表基層11の弾性材素材が充填された目地
18を形成することが好ましい。
【0026】従って、この第2実施例によれば、加硫中
の弾性材素材が下方からストレートに下向き開口部13
を経てキャビティ14に好適に充填されるので、該キャ
ビティ14内において弾性材素材の充填不足を生じる虞
れはなく、成形された表基層11とセラミック片12の
確実強固な結合が得られる。そして、この状態で、係止
部15が表基層11内に埋入され係合されているので、
セラミック片12が表基層11から剥離脱落することを
好適に防止する。
【0027】ところで、セラミック片12は、外形を概
ね平板状のままの形態とされているので、該セラミック
片12を弾性的に支持するために機能する表基層11の
ゴム部分は、平板状セラミック片12の下面から下側の
支持ゴム層の層厚T1により決定される。このため、セ
ラミック片12の頂面に至る表基層11の肉厚全体TW
に占めるゴム厚T1の層厚が大きく、セラミック片12
に対する弾性支持機能が優れたものとなる。即ち、図4
に示した従来例における表基層5の肉厚全体TWに占め
る支持ゴム層の層厚Tの割合、即ち、T/TWは小さい
ものとならざるを得ないのに対して、第2実施例におけ
る表基層11の肉厚全体TWに占める支持ゴム層の層厚
T1の割合、即ち、T1/TWは大きいものとなる。蓋
し、T/TW<T1/TWとなるので、本発明の実施例
の方がセラミック片12を弾性的に支持する機能におい
て格段に優れる。このため、落鉱物等による騒音の防止
効果に優れたものとなる。
【0028】また、前記第2実施例によれば、図3
(A)に示すように、セラミック片12のキャビティ1
4に充填された表基層11の弾性材が上向き開口部20
の部分においてセラミック片12の頂面とほぼ面一にな
る表面ゴム層21を形成するので、落鉱物等を緩衝しつ
つ受止める弾性受面22を構成する。即ち、表基層11
の表面には、前記弾性受面22と、セラミック片12の
頂面により構成された硬質面23とが混在した形態で露
呈される。このため、上記第1実施例に比して弾性受面
22が摩耗し易く高耐摩耗性の点では劣ることになる
が、耐摩耗性よりも騒音防止を優先すべき用途のために
使用する場合に実益を有する。
【0029】更に、上記第1実施例と全く同様に、この
第2実施例においても、表基層11に埋入され敷設され
たセラミック片12の多数は、全て外観を概ね平板状と
されているので、セラミック片12の並列方向と直列方
向の何れの方向に対しても表基層5を屈曲させることが
可能であり、このため、コンベヤベルトやプーリ用ラッ
ギング材に適用し、或いは、ホッパー等の円弧面に適用
する際に、縦横何れの方向に対しても表基層11を屈曲
せしめることができる。また、その結果、セラミック片
12を正方形の平板状としておけば、表基層11に対し
て、セラミック片12の方向性を問うことなく、単にセ
ラミック片12を縦横に敷設すれば良く、製造に際して
セラミック片12を金型に挿置する作業が容易となる。
【0030】(表層構造の適用例)セラミック片12を
敷設した表基層11は、各種の工業機材に対し耐摩耗性
表層構造として適用することができる。例えば、コンベ
ヤベルトの表面、スナッププーリ及び/又はベンドプリ
ーリ等のプーリ表面に貼着されるラッギング材、ホッパ
ーやシュートの内面に貼着される内張材、振動篩用のス
クリーンの表面等に適用することができる。以下、これ
らのうち代表例について説明する。
【0031】(コンベヤベルトの場合)本発明の耐摩耗
性表層構造をコンベヤベルトの表面に適用する場合、ベ
ルト本体の表面に表基層11を一体に積層すれば良い。
表基層11をベルト本体の成形と同時に形成する場合
は、該表基層11はベルトのカバーゴムにより構成さ
れ、該カバーゴムの成形時に上記各実施例に基づきセラ
ミック片12を敷設せしめられる。一方、既存のベルト
本体に後で表基層11を積層する場合は、セラミック片
12を敷設した表基層11をシート状のものとして製作
しておき、該表基層11をベルト本体の表面に接着又は
固着すれば良い。
【0032】(プーリ用ラッギング材の場合)本発明の
耐摩耗性表層構造は、プーリの周面に捲回貼着されるラ
ッギング材として用いることができる。この場合、セラ
ミック片12を敷設した表基層11をシート状のものと
して製作しておき、該表基層11をプーリの周面に接着
又は固着すれば良い。この際、上述のように表基層11
は、縦横何れの方向にも屈曲可能であるから、縦横の何
れか任意の方向を選択してプーリの外周曲面に容易に沿
わしめながら屈曲せしめることができる。
【0033】(内張材の場合)本発明の耐摩耗性表層構
造をホッパーやシュート等の内面に貼着される内張材と
して適用する場合、セラミック片12を敷設した表基層
11をシート状のものとして製作しておき、該表基層1
1をホッパー等の内面に接着又は固着すれば良い。この
際、上述のように表基層11は、縦横何れの方向にも屈
曲可能であるから、ホッパー等の内面が湾曲した曲面を
有する場合でも、表基層11を選択した縦横何れか任意
の方向に向けて屈曲させ、ホッパー等の曲面に容易に沿
わしめながら貼着することができる。一方、ホッパー等
の平坦な内面に取付けるための内張材として用意する場
合には、表基層11を成形するに際し、該表基層11の
裏面に金属板を加硫接着し、該金属板の裏面にボルトを
植設するようにしておけば、内張材としての取付けが便
利となる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、平板状のセラミック片
12が下向き開口部13を有するキャビティ14を形成
し、該キャビティの下部開口縁より内側に張出す係止部
15を一体に備えた構成であるから、表基層11の弾性
材素材を加硫しつつセラミック片12を敷設せしめるに
際し、加硫中の弾性材素材が下方からストレートに開口
部13を経てキャビティ14に充填される。このため、
キャビティ14内において弾性材素材の充填不足を生じ
る虞れはなく、成形された表基層11とセラミック片1
2の相互における確実強固な結合を可能とする。そし
て、この状態で、係止部15が表基層11内に埋入され
係合されているので、使用時において、セラミック片1
2が表基層11から剥離脱落することを好適に防止でき
る。
【0035】しかも、セラミック片12は、従来のよう
な工字形断面ではなく、外形を概ね平板状とされている
ので、表基層11を屈曲せしめることが容易であり、プ
ーリの外周や、ホッパー等の湾曲内面のような曲面に対
して表基層11を好適に取付けることが可能であり、特
に、表基層11は、縦横何れの方向に対しても屈曲可能
であるから、取付作業の自由度が大きく、作業を容易な
らしめる。
【0036】更に、セラミック片12は、従来のような
工字形断面ではなく、外形を概ね平板状とされているの
で、表基層11のうちセラミック片12を下方から弾性
的に支持する支持ゴム層の層厚T1が表基層11の肉厚
全体TWに占める層厚の割合、即ち、T1/TWを大き
くすることができ、これにより肉厚全体TWを同一条件
とした場合、従来に比してセラミック片12を弾性的に
支持する機能が格段に優れ、落鉱物等による騒音の防止
効果に優れたものとなる。
【0037】この際、キャビティ14を蟻溝16により
構成し、該キャビティ14の上部に盲壁17を備えた構
成とすれば、該盲壁17の部分においてセラミック片1
2を弾性的に支持する支持ゴム層の層厚T2は、更に大
きくなり、この分厚い層厚T2の部分でセラミック片1
2を好適に支持できるので、前述のような騒音防止効果
は一層優れたものとなる。
【0038】一方、キャビティ14を孔19により構成
し、セラミック片12の頂壁に向けて貫通する上向き開
口部20を形成した構成とすれば、該キャビティ14に
充填された表基層11の弾性材が上向き開口部20の部
分においてセラミック片12の頂面とほぼ面一になる表
面ゴム層21による弾性受面22を形成するので、表基
層11の表面に、弾性受面22と、セラミック片21の
硬質面23とが混在した形態で露呈され、耐摩耗性より
も騒音防止を優先すべき用途のために使用した場合に、
その騒音防止効果が頗る優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示しており、(A)はセ
ラミック片の並列方向に対する縦断面図、(B)はセラ
ミック片の直列方向に対する縦断面図、(C)は前記並
列方向に対して屈曲せしめた状態を示す縦断面図、
(D)は前記直列方向に対して屈曲せしめた状態を示す
縦断面図である。
【図2】本発明の第1実施例を示しており、(A)はセ
ラミック片の並列方向に対する拡大断面図、(B)はセ
ラミック片の拡大側面図、(C)はセラミック片の拡大
平面図である。
【図3】本発明の第2実施例を示しており、(A)はセ
ラミック片の並列方向に対する拡大断面図、(B)はセ
ラミック片の拡大平面図、(C)は(B)のC−C線断
面図、(D)は(B)のD−D線断面図である。
【図4】従来例を示しており、(A)はセラミック片の
並列方向に対する拡大断面図、(B)はセラミック片の
直列方向に対する拡大断面図である。
【符号の説明】
11 表基層 12 セラミック片 13 下向き開口部 14 キャビティ 15 係止部 16 蟻溝 17 盲壁 19 貫通孔 20 上向き開口部 21 表面ゴム層 22 弾性受面 23 硬質面 TW 表基層の肉厚全体 T1 セラミック片の下側における支持ゴム層の層厚 T2 盲壁の下側における支持ゴム層の層厚

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム等の弾性材から成る表基層の表面に
    複数の平板状セラミック片を敷設したものにおいて:前
    記セラミック片が下向きに開口するキャビティを形成す
    ると共に、該キャビティの下部開口縁より内側に張出す
    係止部を一体に備え、前記表基層の弾性材を前記キャビ
    ティに充填せしめて成ることを特徴とする工業機材の耐
    摩耗性表層構造。
  2. 【請求項2】 ゴム等の弾性材から成る表基層の表面に
    複数の平板状セラミック片を敷設したものにおいて:前
    記セラミック片が下向きに開口するキャビティを形成
    し、該キャビティの上部に盲壁を形成すると共に、該キ
    ャビティの下部開口縁より内側に張出す係止部を一体に
    備え、前記表基層の弾性材を前記キャビティに充填せし
    めて成ることを特徴とする工業機材の耐摩耗性表層構
    造。
  3. 【請求項3】 ゴム等の弾性材から成る表基層の表面に
    複数の平板状セラミック片を敷設したものにおいて:前
    記セラミック片が下向きに開口するキャビティを形成
    し、該キャビティをセラミック片の頂壁に向けて貫通し
    開口せしめると共に、該キャビティの下部開口縁より内
    側に張出す係止部を一体に備え、前記表基層の弾性材を
    前記キャビティに充填せしめて成ることを特徴とする工
    業機材の耐摩耗性表層構造。
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