JP2001329148A - 難燃性ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリエステル樹脂組成物

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JP2001329148A
JP2001329148A JP2000150188A JP2000150188A JP2001329148A JP 2001329148 A JP2001329148 A JP 2001329148A JP 2000150188 A JP2000150188 A JP 2000150188A JP 2000150188 A JP2000150188 A JP 2000150188A JP 2001329148 A JP2001329148 A JP 2001329148A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃焼時の溶融樹脂の滴下を防止して難燃性に
優れ、かつ機械的特性、表面外観および寸法安定性にも
優れる、難燃性ポリエステル樹脂組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 熱可塑性ポリエステル樹脂、層状化合
物、およびリン系難燃剤を含有するポリエステル樹脂組
成物であって、層状化合物が下記(a)〜(c)のうち
少なくとも一方の条件を満たす、難燃性ポリエステル樹
脂組成物。 (a)ポリエステル樹脂組成物中の層状化合物のうち、
等価面積円直径[D]が3000Å以下である層状化合
物の比率が20%以上であること (b)ポリエステル樹脂組成物中の層状化合物の等価面
積円直径[D]の平均値が、5000Å以下であること (c)[N]値が30以上であり、ここで[N]値が、
樹脂組成物の面積100μm2中に存在する、層状化合
物の単位比率当たりの粒子数であると定義されること

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性ポリエス
テル樹脂、層状化合物、およびリン系難燃剤を含有する
難燃性ポリエステル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車部品、電子・電気部品、OA部品
等に熱可塑性ポリエステル樹脂が幅広く利用されている
が、これらの用途において、機械的特性や耐熱性および
成形性のみならず、高度な難燃性を有する材料が要求さ
れるようになっている。ポリエステル樹脂の難燃化には
リン系化合物を用いる方法が数多く提示されている(例
えば、特公昭51−19858号、特公昭51−392
71号、特開昭52−102255号等)。しかしなが
ら、リン系化合物の使用によって機械的特性等が低下す
るほか、リン系化合物だけで難燃化しようとしても燃焼
時に溶融した樹脂が火種と共に滴下(ドリッピング)す
るという問題があった。そして燃焼時の樹脂の滴下を抑
制する目的から、一般に(i)フッ素系樹脂を併用する
技術が知られている。別の技術としては(ii)平均粒
径が0.5〜300μmの層状ケイ酸塩をリン系難燃剤
と併用する技術も開示されている(特開平10−601
60号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来技術(i)
は燃焼時の滴下抑制にはある程度の効力を発揮するもの
の、例えばフッ素樹脂は、樹脂100重量部当たりの添
加量を1重量部未満程度にするとフッ素系樹脂の分散不
良の為に難燃性が安定して発現しなくなり、逆に添加量
を増やすとコストアップ、フッ素系樹脂の分散不良によ
る樹脂成形体の表面外観の低下、成形流動性・加工性が
低下する等の問題があった。また従来技術(ii)では
平均粒径が0.5〜300μmの層状ケイ酸塩を併用し
ても、粒径が大きすぎるので滴下抑制効果は決して十分
ではなかった。また「平均粒径」とは粒子形状が不定形
であるかあるいは概ね球状であると解されるが、充分な
滴下抑制効果を効率的に得るためには粒子形状はアスペ
クト比が高い薄板状であることが必要である。
【0004】以上のように、燃焼時に樹脂の滴下が起こ
らず、高度な難燃性を有し、かつ機械的特性等に優れ、
成形体外観や成形流動性が低下しないポリエステル樹脂
組成物は未だ見いだされておらず、上記のような従来の
問題を解決する事が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成する為に鋭意検討した結果、リン系難燃剤と共
に、非常に微細な層状化合物を併用することによって、
燃焼時のポリエステル樹脂の滴下を抑制して難燃性を改
善するのみならず、機械的特性が改善され表面外観や成
形流動性の低下を引き起こすことがない難燃性ポリエス
テル樹脂組成物を提供できることを見出し、本発明を完
成するに至った。
【0006】即ち、本発明は熱可塑性ポリエステル樹
脂、層状化合物、およびリン系難燃剤を含有するポリエ
ステル樹脂組成物であって、層状化合物が下記(a)〜
(c)のうち少なくとも一の条件を満たす、難燃性ポリ
エステル樹脂組成物に関する。 (a)ポリエステル樹脂組成物中の層状化合物のうち、
等価面積円直径[D]が3000Å以下である層状化合
物の比率が20%以上であること (b)ポリエステル樹脂組成物中の層状化合物の等価面
積円直径[D]の平均値が、5000Å以下であること (c)[N]値が30以上であり、ここで[N]値が、
樹脂組成物の面積100μm2中に存在する、層状化合
物の単位比率当たりの粒子数であると定義されること 好ましい実施態様としては、層状化合物の平均層厚が5
00Å以下である、前記に記載の難燃性ポリエステル樹
脂組成物に関する。
【0007】さらに好ましい実施態様としては、層状化
合物の最大層厚が2000Å以下である、前記いずれか
に記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物に関する。
【0008】さらに好ましい実施態様としては、樹脂組
成物中の層状化合物の平均アスペクト比(層長さ/層厚
の比)が10〜300である、前記いずれかに記載の難
燃性ポリエステル樹脂組成物に関する。
【0009】さらに好ましい実施態様としては、層状化
合物がポリエーテル化合物で処理された物であることを
特徴とする、前記いずれかに記載の難燃性ポリエステル
樹脂組成物に関する。
【0010】さらに好ましい実施態様としては、ポリエ
ーテル化合物が環状炭化水素基を有することを特徴とす
る、前記いずれかに記載の難燃性ポリエステル樹脂組成
物に関する。
【0011】さらに好ましい実施態様としては、ポリエ
ーテル化合物が下記一般式(1)
【0012】
【化2】 (式中、−A−は、−O−、−S−、−SO−、−SO
2-、−CO−、炭素数1〜20のアルキレン基または炭
素数6〜20のアルキリデン基であり、R1、R2、R3、R
4、R5、R6、R7およびR8はいずれも水素原子、ハロゲン
原子または炭素数1〜5の1価の炭化水素基、R9、R
10はいずれも炭素数1〜5の2価の炭化水素基であり、
11、R12はいずれも水素原子、炭素数1〜20の1価
の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であっても
異なっていても良い。mおよびnはオキシアルキレン単
位の繰り返し単位数を示し、2≦m+n≦50であ
る。)で表されることを特徴する、前記いずれかに記載
の難燃性ポリエステル樹脂組成物に関する。
【0013】さらに好ましい実施態様としては、ポリエ
ーテル化合物の水酸基価が30mgKOH/g以下であ
ることを特徴とする、前記いずれかに記載のポリエステ
ル樹脂組成物に関する。
【0014】さらに好ましい実施態様としては、層状化
合物が下記一般式(2) YnSiX4-n (2) (ただし、nは0〜3の整数であり、Yは、炭素数1〜
25の炭化水素基、及び炭素数1〜25の炭化水素基と
置換基から構成される有機官能基であり、Xは加水分解
性基および/または水酸基である。n個のY、4−n個
のXは、それぞれ同種でも異種でもよい。)で表される
シラン系化合物で処理された物であることを特徴とす
る、前記いずれかに記載の難燃性ポリエステル樹脂組成
物に関する。
【0015】さらに好ましい実施態様としては、リン系
難燃剤が、リン酸エステル系化合物および/または赤リ
ン系化合物であることを特徴とする、前記いずれかに記
載の難燃性ポリエステル樹脂組成物に関する。
【0016】さらに好ましい実施態様としては、層状化
合物が層状ケイ酸塩であることを特徴とする、前記いず
れかに記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる熱可塑性ポリ
エステル樹脂とは、ジカルボン酸化合物および/または
ジカルボン酸のエステル形成性誘導体を主成分とする酸
成分、及びジオール化合物および/またはジオール化合
物のエステル形成性誘導体を主成分とするジオール成分
との反応により得られる従来公知の任意の熱可塑性ポリ
エステル樹脂である。
【0018】前記主成分とするとは、酸成分又はジオー
ル成分中に占めるそれぞれの割合が80%以上、さらに
は90%以上であることを意図し、上限は100%であ
る。
【0019】上記の芳香族ジカルボン酸としては、例え
ば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニ
ルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカル
ボン酸、4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸、
4,4’−ジフェニルスルフォンジカルボン酸、4,
4’−ジフェニルイソプロピリデンジカルボン酸等が挙
げられ、これらの置換体(例えば、メチルイソフタル酸
等のアルキル基置換体など)や誘導体(テレフタル酸ジ
メチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル等の
ようなアルキルエステル化合物など)も使用し得る。ま
た、p−オキシ安息香酸及びp−ヒドロキシエトキシ安
息香酸のようなオキシ酸及びこれらのエステル形成性誘
導体も使用し得る。これらのモノマーの内の2種以上を
混合して用いても良い。得られる難燃性ポリエステル樹
脂組成物の特性を損なわない程度の少量であれば、これ
らの芳香族ジカルボン酸と共にアジピン酸、アゼライン
酸、ドデカン二酸、セバシン酸等のような脂肪族ジカル
ボン酸を1種以上混合して使用し得る。
【0020】上記酸成分の中では、得られるポリエステ
ル樹脂の結晶性や強度、弾性率の点から、テレフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフ
ェニルジカルボン酸、およびそれらのエステル形成性誘
導体が好ましい。
【0021】また、上記のグリコール化合物としては、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレン
グリコール、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリ
コール等のような脂肪族グリコール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール等のような脂環式グリコール等が挙
げられ、これらの置換体や誘導体もまた使用し得る。ま
た、ε−カプロラクトンのような環状エステルも使用し
得る。これらの内の2種以上を混合して用いても良い。
更に、ポリエステル樹脂の弾性率を著しく低下させない
程度の少量であるならば、長鎖型のジオール化合物(例
えば、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール)、及びビスフェノール類のアルキレンオキサ
イド付加重合体等(例えば、ビスフェノールAのエチレ
ンオキサイド付加重合体等)などを組み合わせて使用し
ても良い。
【0022】前記ジオール成分の中では、取り扱い性お
よび得られるポリエステル樹脂の強度、弾性率等の点か
ら、エチレングリコール、ブチレングリコール、1,4
−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパンが好ましい。
【0023】熱可塑性ポリエステル樹脂の具体例として
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサ
メチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサン−1,4
−ジメチルテレフタレート、ネオペンチルテレフタレー
ト、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、ポリブチレンナフタレート、ポリヘキサメチレ
ンナフタレート等、またはこれらの共重合ポリエステル
を挙げることができる。それらは単独、または2種以上
組み合わせて使用しても良い。
【0024】上記の熱可塑性ポリエステル樹脂の分子量
は、成形工程における成形流動性および最終製品の諸物
性を考慮して選択され、低すぎても高すぎても好ましく
なく適した分子量を設定する必要がある。すなわち、熱
可塑性ポリエステル樹脂の分子量は、フェノール/テト
ラクロロエタン(5/5重量比)混合溶媒を用いて、2
5℃で測定した対数粘度が0.3〜2.0(dl/g)
であり、好ましくは0.35〜1.9(dl/g)であ
り、更に好ましくは0.4〜1.8(dl/g)である。
対数粘度が0.3(dl/g)未満である場合、得られ
る難燃性ポリエステル樹脂組成物の成形品の機械的特性
が低く、また2.0(dl/g)より大きい場合は成形
時の流動性等の加工性に問題が生じる傾向がある。
【0025】本発明で用いられる層状化合物とは、ケイ
酸塩、リン酸ジルコニウム等のリン酸塩、チタン酸カリ
ウム等のチタン酸塩、タングステン酸ナトリウム等のタ
ングステン酸塩、ウラン酸ナトリウム等のウラン酸塩、
バナジン酸カリウム等のバナジン酸塩、モリブデン酸マ
グネシウム等のモリブデン酸塩、ニオブ酸カリウム等の
ニオブ酸塩、黒鉛から成る群より選択される1種以上で
ある。入手の容易性、取扱い性等の点から層状ケイ酸塩
が好ましく用いられる。
【0026】上記の層状ケイ酸塩とは、主として酸化ケ
イ素の四面体シートと、主として金属水酸化物の八面体
シートから形成され、例えば、スメクタイト族粘土およ
び膨潤性雲母などが挙げられる。
【0027】前記のスメクタイト族粘土は下記一般式
(3) X1 0.20.61 231 410(OH)2・nH2O (3) (ただし、X1はK、Na、1/2Ca、及び1/2M
gから成る群より選ばれる1種以上であり、Y1はM
g、Fe、Mn、Ni、Zn、Li、Al、及びCrか
ら成る群より選ばれる1種以上であり、Z1はSi、及
びAlから成る群より選ばれる1種以上である。尚、H
2Oは層間イオンと結合している水分子を表すが、nは
層間イオンおよび相対湿度に応じて著しく変動する)で
表される、天然または合成されたものである。該スメク
タイト族粘土の具体例としては、例えば、モンモリロナ
イト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、鉄
サポナイト、ヘクトライト、ソーコナイト、スチブンサ
イト及びベントナイト等、またはこれらの置換体、誘導
体、あるいはこれらの混合物が挙げられる。前記スメク
タイト族粘土の初期の凝集状態における底面間隔は約1
0〜17Åであり、凝集状態でのスメクタイト族粘土の
平均粒径はおおよそ1000Å〜1000000Åであ
る。
【0028】また、前記の膨潤性雲母は下記一般式
(4) X2 0.51.02 23(Z2 410)(F、OH)2 (4) (ただし、X2はLi、Na、K、Rb、Ca、Ba、
及びSrから成る群より選ばれる1種以上であり、Y2
はMg、Fe、Ni、Mn、Al、及びLiから成る群
より選ばれる1種以上であり、Z2はSi、Ge、A
l、Fe、及びBから成る群より選ばれる1種以上であ
る。)で表される、天然または合成されたものである。
これらは、水、水と任意の割合で相溶する極性溶媒、及
び水と該極性溶媒の混合溶媒中で膨潤する性質を有する
物であり、例えば、リチウム型テニオライト、ナトリウ
ム型テニオライト、リチウム型四ケイ素雲母、及びナト
リウム型四ケイ素雲母等、またはこれらの置換体、誘導
体、あるいはこれらの混合物が挙げられる。前記膨潤性
雲母の初期の凝集状態における底面間隔はおおよそ10
〜17Åであり、凝集状態での膨潤性雲母の平均粒径は
約1000〜1000000Åである。
【0029】上記の膨潤性雲母の中にはバーミキュライ
ト類と似通った構造を有するものもあり、この様なバー
ミキュライト類相当品等も使用し得る。該バーミキュラ
イト類相当品には3八面体型と2八面体型があり、下記
一般式(5) (Mg,Fe,Al)23(Si4-xAlx)O10(OH)2・(M+,M2+ 1/2)x・nH2O ( 5) (ただし、MはNa及びMg等のアルカリまたはアルカ
リ土類金属の交換性陽イオン、x=0.6〜0.9、n=
3.5〜5である)で表されるものが挙げられる。前記
バーミキュライト相当品の初期の凝集状態における底面
間隔はおおよそ10〜17Åであり、凝集状態での平均
粒径は約1000〜5000000Åである。
【0030】層状ケイ酸塩の結晶構造は、c軸方向に規
則正しく積み重なった純粋度が高いものが望ましいが、
結晶周期が乱れ、複数種の結晶構造が混じり合った、い
わゆる混合層鉱物も使用され得る。
【0031】層状ケイ酸塩は単独で用いても良く、2種
以上組み合わせて使用しても良い。これらの内では、モ
ンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライトおよび層
間にナトリウムイオンを有する膨潤性雲母が、得られる
難燃性ポリエステル樹脂組成物中での分散性および難燃
性ポリエステル樹脂組成物の物性改善効果の点から好ま
しい。
【0032】本発明で用いられる層状化合物は、ポリエ
ーテル化合物で処理された物であり得る。上記のポリエ
ーテル化合物とは、主鎖がポリオキシエチレンやポリオ
キシエチレン−ポリオキシプロピレン共重合体などのよ
うなポリオキシアルキレンである化合物を意図し、繰り
返し単位数が2から100程度のものを意図する。該ポ
リエーテル化合物の側鎖および/または主鎖中に、アル
コキシシリル基やシラノール基など、Si−O−結合を
形成し得る含Si原子官能基を除いた置換基を有してい
てもよく、熱可塑性ポリエステル樹脂や層状化合物に悪
影響を与えない限りにおいて任意の置換基であり得る。
該置換基の例としては、炭化水素基、エステル結合で結
合している基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル
基、末端にカルボニル基を有する基、アミド基、メルカ
プト基、スルホニル結合で結合している基、スルフィニ
ル結合で結合している基、ニトロ基、ニトロソ基、ニト
リル基、ハロゲン原子および水酸基などが挙げられる。
これらの内の1種で置換されていても良く、2種以上で
置換されていても良い。
【0033】上記の炭化水素基とは、直鎖または分岐鎖
(すなわち側鎖を有する)の飽和または不飽和の一価ま
たは多価の脂肪族炭化水素基、および芳香族炭化水素
基、脂環式炭化水素基を意味し、例えば、アルキル基、
アルケニル基、アルキニル基、フェニル基、ナフチル
基、シクロアルキル基等が挙げられる。本明細書におい
て、「アルキル基」という場合は、特に指示が無い限り
「アルキレン基」等の多価の炭化水素基を包含すること
を意図する。同様にアルケニル基、アルキニル基、フェ
ニル基、ナフチル基、及びシクロアルキル基は、それぞ
れアルケニレン基、アルキニレン基、フェニレン基、ナ
フチレン基、及びシクロアルキレン基等を包含する。ポ
リエーテル化合物中の置換基の組成比は特に制限される
ものではないが、ポリエーテル化合物が水または水を含
有する極性溶媒に可溶である事が望ましい。具体的に
は、例えば、室温の水100gに対する溶解度が1g以
上であり、好ましくは2g以上であり、よりに好ましく
は5g以上であり、更に好ましくは10g以上であり、
特に好ましくは20g以上である。ここでいう極性溶媒
とは、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール等のグリコール
類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド等のアミド化合物、その他の溶媒としてピリジ
ン、ジメチルスルホキシドやN−メチルピロリドン等が
挙げられる。又、炭酸ジメチルや炭酸ジエチルような炭
酸ジエステルも使用できる。これらの極性溶媒は単独で
用いても良く2種類以上組み合わせて用いても良い。
【0034】本発明で用いられるポリエーテル化合物の
具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリ
エチレングリコール−ポリプロピレングリコール、ポリ
エチレングリコール−ポリテトラメチレングリコール、
ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチ
レングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールジエ
チルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエー
テル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、ポリ
エチレングリコールモノフェニルエーテル、ポリエチレ
ングリコールジフェニルエーテル、ポリエチレングリコ
ールオクチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコー
ルメチルエチルエーテル、ポリエチレングリコールメチ
ルアリルエーテル、ポリエチレングリコールグリセリル
エーテル、ポリエチレングリコールモノメタクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプ
ロピレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレ
ングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコー
ル−ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、ポ
リエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ
アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリテトラメ
チレングリコールモノメタクリレート、ポリエチレング
リコール−ポリテトラメチレングリコールモノアクリレ
ート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレ
ート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレー
ト、オクトキシポリエチレングリコール−ポリプロピレ
ングリコールモノメタクリレート、オクトキシポリエチ
レングリコール−ポリプロピレングリコールモノアクリ
レート、ラウロキシポリエチレングリコールモノメタク
リレート、ラウロキシポリエチレングリコールモノアク
リレート、ステアロキシポリエチレングリコールモノメ
タクリレート、ステアロキシポリエチレングリコールモ
ノアクリレート、アリロキシポリエチレングリコールモ
ノメタクリレート、アリロキシポリエチレングリコール
モノアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリ
コールモノメタクリレート、ノニルフェノキシポリエチ
レングリコールモノアクリレート、ポリエチレングリコ
ールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアク
リレート、ポリエチレングリコール−ポリテトラメチレ
ングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコー
ル−ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、ビ
ス(ポリエチレングリコール)ブチルアミン、ビス(ポ
リエチレングリコール)オクチルアミン、ポリエチレン
グリコールビスフェノールAエーテル、ポリエチレング
リコール−ポリプロピレングリコールビスフェノールA
エーテル、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ
メタクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノー
ルAジアクリレート、エチレンオキサイド−プロピレン
オキサイド変性ビスフェノールAジメタクリレート、ポ
リエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチ
レングリコールユレイドプロピルエーテル、ポリエチレ
ングリコールメルカプトプロピルエーテル、ポリエチレ
ングリコールフェニルスルホニルプロピルエーテル、ポ
リエチレングリコールフェニルスルフィニルプロピルエ
ーテル、ポリエチレングリコールニトロプロピルエーテ
ル、ポリエチレングリコールニトロソプロピルエーテ
ル、ポリエチレングリコールシアノエチルエーテル、ポ
リエチレングリコールシアノエチルエーテルなどが挙げ
られる。これらのポリエーテル化合物は、単独、又は2
種以上組み合わせて使用され得る。
【0035】本発明のポリエーテル化合物の中では、芳
香族炭化水素基や脂環式炭化水素基などの環状炭化水素
基を有するものが好ましく、中でも下記一般式(1)
【0036】
【化3】 (式中、−A−は、−O−、−S−、−SO−、−SO
2-、−CO−、炭素数1〜20のアルキレン基または炭
素数6〜20のアルキリデン基であり、R1、R2、R3、R
4、R5、R6、R7およびR8はいずれも水素原子、ハロゲン
原子または炭素数1〜5の1価の炭化水素基、R9、R
10はいずれも炭素数1〜5の2価の炭化水素基であり、
11、R12はいずれも水素原子、炭素数1〜20の1価
の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であっても
異なっていても良い。mおよびnはオキシアルキレン単
位の繰り返し単位数を示し、2≦m+n≦50であ
る。)で表されるものが層状化合物の分散性および熱安
定性の点から好ましい。
【0037】また、本発明で用いられるポリエーテル化
合物は、水酸基価が30mgKOH/g以下であり得、
好ましくは28mgKOH/g以下であり得、より好ま
しくは25mgKOH/g以下であり得、更に好ましく
は23mgKOH/g以下であり得、特に好ましくは2
0mgKOH/g以下であり得る。水酸基価が30mg
KOH/g以下であると、樹脂の熱安定性の点で好まし
い。水酸基価が30mgKOH/gより大きいと熱可塑
性ポリエステル樹脂の分子量が低下する傾向があり、結
果としてポリエステル樹脂組成物の強度や靭性が低下す
る。
【0038】上記の水酸基価の測定方法は特に限定され
ず任意の方法を行い得る。そのような例として、例え
ば、本発明で用いられるポリエーテル化合物1gを、塩
化アセチル、無水酢酸、氷酢酸などでアセチル化する。
次いで、水酸化ナトリウム等のアルカリ化合物で加水分
解、すなわちケン化し、それによって生じる酢酸を中和
するのに要する水酸化カリウムのmg数を水酸基価とい
う。
【0039】ポリエーテル化合物の使用量は、層状化合
物と熱可塑性ポリエステル樹脂との親和性、難燃性ポリ
エステル樹脂組成物中での層状化合物の分散性が十分に
高まるように調製し得る。必要であるならば、異種の官
能基を有する複数種のポリエーテル化合物を併用し得
る。従って、ポリエーテル化合物の使用量は一概に数値
で限定されるものではないが、層状化合物100重量部
に対する層状化合物の配合量の下限値は、0.1重量部
であり、好ましくは0.2重量部であり、より好ましく
は0.3重量部であり、更に好ましくは0.4重量部で
あり、特に好ましくは0.5重量部である。層状化合物
100重量部に対する層状化合物の配合量の上限値は、
200重量部であり、好ましくは180重量部であり、
より好ましくは160重量部であり、更に好ましくは1
40重量部であり、特に好ましくは120重量部であ
る。ポリエーテル化合物量の下限値が0.1重量部未満
であると層状化合物の微分散化効果が充分で無くなる傾
向がある。また、ポリエーテル化合物量の200重量部
を越えると効果が変わらないので、200重量部より多
く使用する必要はない。
【0040】また、本発明で用いられる層状化合物は、
下記一般式(2) YnSiX4-n (2) で表されるシラン系化合物で処理された物であり得る。
【0041】一般式(2)中のnは0〜3の整数であ
り、Yは、置換基を有していても良い炭素数1〜25の
炭化水素基である。炭素数1〜25の炭化水素基が置換
基を有する場合の置換基の例としては、例えばエステル
結合で結合している基、エーテル結合で結合している
基、エポキシ基、アミノ基、カルボキシル基、末端にカ
ルボニル基を有する基、アミド基、メルカプト基、スル
ホニル結合で結合している基、スルフィニル結合で結合
している基、ニトロ基、ニトロソ基、ニトリル基、ハロ
ゲン原子および水酸基などが挙げられる。これらの内の
1種で置換されていても良く、2種以上で置換されてい
ても良い。Xは加水分解性基および(または)水酸基で
あり、該加水分解性基の例としては、アルコキシ基、ア
ルケニルオキシ基、ケトオキシム基、アシルオキシ基、
アミノ基、アミノキシ基、アミド基、ハロゲン原子より
なる群から選択される1種以上である。一般式(2)
中、nまたは4−nが2以上の場合、n個のYまたは4
−n個のXはそれぞれ同種でも異種でも良い。
【0042】本明細書において炭化水素基とは、直鎖ま
たは分岐鎖(すなわち側鎖を有する)の飽和または不飽
和の一価または多価の脂肪族炭化水素基、および芳香族
炭化水素基、脂環式炭化水素基を意味し、例えば、アル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、フェニル基、ナ
フチル基、シクロアルキル基等が挙げられる。本明細書
において、「アルキル基」という場合は、特に指示が無
い限り「アルキレン基」等の多価の炭化水素基を包含す
ることを意図する。同様にアルケニル基、アルキニル
基、フェニル基、ナフチル基、及びシクロアルキル基
は、それぞれアルケニレン基、アルキニレン基、フェニ
レン基、ナフチレン基、及びシクロアルキレン基等を包
含する。
【0043】上記一般式(2)において、Yが炭素数1
〜25の炭化水素基である場合の例としては、デシルト
リメトキシシランの様に直鎖長鎖アルキル基を有するも
の、メチルトリメトキシシランの様に低級アルキル基を
有するもの、2−ヘキセニルトリメトキシシランの様に
不飽和炭化水素基を有するもの、2−エチルヘキシルト
リメトキシシランの様に側鎖を有するアルキル基を有す
るもの、フェニルトリエトキシシランの様にフェニル基
を有するもの、3−β−ナフチルプロピルトリメトキシ
シランの様にナフチル基を有するもの、及びp−ビニル
ベンジルトリメトキシシランの様にアラルキル基を有す
るものが挙げられる。Yが炭素数1〜25の炭化水素基
の中でも特にビニル基を有する基である場合の例として
は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラ
ン、及びビニルトリアセトキシシランが挙げられる。Y
がエステル基で結合している基で置換されている基を有
する基である場合の例としては、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシランが挙げられる。Yがエーテル
基で結合している基で置換されている基を有する基であ
る場合の例としては、γ−ポリオキシエチレンプロピル
トリメトキシシラン、及び2−エトキシエチルトリメト
キシシランが挙げられる。Yがエポキシ基で置換されて
いる基である場合の例としては、γ−グリシドキシプロ
ピルトリメトキシシランが挙げられる。Yがアミノ基で
置換されている基である場合の例としては、γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチ
ル)アミノプロピルトリメトキシシラン、及びγ−アニ
リノプロピルトリメトキシシランが挙げられる。Yが末
端にカルボニル基を有する基で置換されている基である
場合の例としては、γ−ユレイドプロピルトリエトキシ
シランが挙げられる。Yがメルカプト基で置換されてい
る基である場合の例としては、γ−メルカプトプロピル
トリメトキシシランが挙げられる。Yがハロゲン原子で
置換されている基である場合の例としては、γ−クロロ
プロピルトリエトキシシランが挙げられる。Yがスルホ
ニル基で結合している基で置換されている基を有する基
である場合の例としては、γ−フェニルスルホニルプロ
ピルトリメトキシシランが挙げられる。Yがスルフィニ
ル基で結合している基で置換されている基を有する基で
ある場合の例としては、γ−フェニルスルフィニルプロ
ピルトリメトキシシランが挙げられる。Yがニトロ基で
置換されている基である場合の例としては、γ−ニトロ
プロピルトリエトキシシランが挙げられる。Yがニトロ
ソ基で置換されている基である場合の例としては、γ−
ニトロソプロピルトリエトキシシランが挙げられる。Y
がニトリル基で置換されている基である場合の例として
は、γ−シアノエチルトリエトキシシランおよびγ−シ
アノプロピルトリエトキシシランが挙げられる。Yがカ
ルボキシル基で置換されている基である場合の例として
は、γ−(4−カルボキシフェニル)プロピルトリメト
キシシランが挙げられる。前記以外にYが水酸基を有す
る基であるシラン系化合物もまた使用し得る。その様な
例としては、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)アミ
ノ−3−プロピルトリエトキシシランが挙げられる。水
酸基はまたシラノール基(SiOH)の形であり得る。
【0044】上記の中では、Yがエステル基で結合して
いる基で置換されている基を有する基であるもの、Yが
エーテル基で結合している基で置換されている基を有す
る基であるもの、Yがエポキシ基で置換されている基で
あるもの、Yがアミノ基で置換されている基であるも
の、Yがフェニル基を有するものが好ましく用いられ
る。
【0045】上記のシラン系化合物の置換体、または誘
導体もまた使用し得る。これらのシラン系化合物は、単
独、又は2種以上組み合わせて使用され得る。
【0046】シラン系化合物の使用量は、層状化合物と
熱可塑性ポリエステル樹脂との親和性、難燃性ポリエス
テル樹脂組成物中での層状化合物の分散性が十分に高ま
るように調製し得る。必要であるならば、異種の官能基
を有する複数種のシラン系化合物を併用し得る。従っ
て、シラン系化合物物の使用量は一概に数値で限定され
るものではないが、層状化合物100重量部に対するシ
ラン系化合物の配合量の下限値は、0.1重量部であ
り、好ましくは0.2重量部であり、より好ましくは
0.3重量部であり、更に好ましくは0.4重量部であ
り、特に好ましくは0.5重量部である。層状化合物1
00重量部に対するシラン系化合物の配合量の上限値
は、200重量部であり、好ましくは180重量部であ
り、より好ましくは160重量部であり、更に好ましく
は140重量部であり、特に好ましくは120重量部で
ある。シラン系化合物量の下限値が0.1重量部未満で
あると層状化合物の微分散化効果が充分で無くなる傾向
がある。また、シラン系化合物量の200重量部を越え
ると効果が変わらないので、200重量部より多く使用
する必要はない。
【0047】ここで、層状化合物がシラン系化合物で処
理されたことは種々の方法で確認し得る。確認の方法と
しては、例えば、以下の方法が挙げられる。
【0048】まず、テトラヒドロフランやクロロホルム
などの有機溶剤を用いて処理後の層状化合物を洗浄する
事によって、単に吸着しているシラン系化合物を洗浄し
除去する。洗浄後の処理した層状化合物を乳鉢などで粉
体状にしたのち充分に乾燥する。次いで、処理後の層状
化合物を粉末状の臭化カリウム(KBr)等のような窓
材質と所定の比率で充分に混合して加圧錠剤化し、フー
リエ変換(FT)−IRを用い、透過法等により、シラ
ン系化合物に由来する吸収帯を測定する。より正確に測
定することが所望される場合、あるいは導入されたシラ
ン系化合物量が少ない場合には、充分に乾燥した粉末状
の処理後の層状化合物をそのまま拡散反射法(DRIF
T)で測定することが望ましい。
【0049】本発明において、ポリエーテル化合物やシ
ラン系化合物で層状化合物を処理する方法は特に限定さ
れず例えば、以下に示した方法で行い得る。
【0050】まず、層状化合物と分散媒を撹拌混合す
る。前記分散媒とは水または水を含有する極性溶媒を意
図する。具体的には既に上述しているのでここでは省略
する。
【0051】層状化合物と分散媒との攪拌の方法は特に
限定されず、例えば、従来公知の湿式撹拌機を用いて行
われる。該湿式撹拌機としては、撹拌翼が高速回転して
撹拌する高速撹拌機、高剪断速度がかかっているロータ
ーとステーター間の間隙で試料を湿式粉砕する湿式ミル
類、硬質媒体を利用した機械的湿式粉砕機類、ジェット
ノズルなどで試料を高速度で衝突させる湿式衝突粉砕機
類、超音波を用いる湿式超音波粉砕機などを挙げること
ができる。より効率的に混合したい場合は、撹拌の回転
数を1000rpm以上、好ましくは1500rpm以
上、より好ましくは2000rpm以上にするか、ある
いは500(1/s)以上、好ましくは1000(1/
s)以上、より好ましくは1500(1/s)以上の剪
断速度を加える。回転数の上限値は約25000rpm
であり、剪断速度の上限値は約500000(1/s)
である。上限値よりも大きい値で撹拌を行ったり、剪断
を加えてもそれ以上変わらない傾向があるため、上限値
よりも大きい値で撹拌を行う必要はない。また、混合に
要する時間は1〜10分以上である。次いで、ポリエー
テル化合物やシラン系化合物を加えてから同様の条件で
更に撹拌を続け、十分に混合する。混合時の温度は室温
で充分だが、必要に応じて加温しても良い。加温時の最
高温度は用いるポリエーテル化合物やシラン系化合物の
分解温度未満であり、かつ分散媒の沸点未満で有れば任
意に設定されうる。その後、乾燥して必要に応じて粉体
化する。
【0052】本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物に
おいて、熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対す
る層状化合物の配合量の下限値は、代表的には0.1重
量部であり、好ましくは0.3重量部であり、より好ま
しくは0.5重量部であり、さらに好ましくは1.0重
量部であり、特に好ましくは1.5重量部である。配合
量の上限値は、代表的には150重量部であり、好まし
くは100重量部であり、より好ましくは70重量部で
あり、更に好ましくは50重量部であり、特に好ましく
は30重量部となるように調製される。層状化合物の配
合量の下限値が0.1重量部未満であると燃焼時の樹脂
の滴下抑制効果、機械的特性および低反り等の寸法精度
の改善効果が不充分となる場合があり、上限値が150
重量部を超えると成形体の表面外観などが損なわれる傾
向がある。
【0053】また、層状化合物に由来する難燃性ポリエ
ステル樹脂組成物の灰分率の下限値は、代表的には0.
1重量%であり、好ましくは0.3重量%であり、より
好ましくは0.5重量%であり、さらに好ましくは1.
0重量%であり、特に好ましくは1.5重量%と成るよ
うに調製され、灰分率の上限値は、代表的には60重量
%であり、好ましくは50重量%であり、より好ましく
は40重量%であり、更に好ましくは30重量%と成る
ように調製される。灰分率の下限値が0.1重量%未満
であると燃焼時の樹脂の滴下抑制効果、機械的特性およ
び低反りなどの寸法精度の改善効果が不充分となる場合
があり、60重量%を超えると成形体の表面外観が損な
われる傾向がある。
【0054】本発明で用いられるリン系難燃剤は特に限
定されることはなく、通常一般に用いられるリン系難燃
剤であり、代表的には、ホスフェート系化合物、ホスホ
ネート系化合物、ホスフィネート系化合物、ホスフィン
オキサイド系化合物、ホスホナイト系化合物、ホスフィ
ナイト系化合物、ホスフィン系化合物等の有機リン系化
合物や、赤リン系化合物が挙げられる。
【0055】上記の有機リン系化合物の具体例として
は、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェー
ト、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシ
ル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、
トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェー
ト、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピ
ルフェニル)ホスフェート、トリス(フェニルフェニ
ル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレジ
ルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホス
フェート、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェ
ート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェー
ト、モノイソデシルホスフェート、2−アクリロイルオ
キシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイル
オキシエチルアシッドホスフェート、ジフェニル−2−
アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−
2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、メラミ
ンホスフェート、ジメラミンホスフェート、メラミンピ
ロホスフェート、トリフェニルホスフィンオキサイド、
トリクレジルホスフィンオキサイド、メタンホスホン酸
ジフェニル、フェニルホスホン酸ジエチルなどの他、下
記一般式(6)で代表される縮合リン酸エステル系化合
物が挙げられる。
【0056】
【化4】 (式中、R1〜R5は1価の芳香族基または脂肪族基、
R6とR7は2価の芳香族基、nは0〜15を示し、n
個のR3およびR6はそれぞれ同一であっても異なって
いてもよい。) 上記の縮合リン酸エステルの具体例としては、式(7)
で表されるレゾルシノールポリフェニルホスフェート、
式(8)で表されるレゾルシノールポリ(ジ−2,6−
キシリル)ホスフェート、式(9)で表されるビスフェ
ノールAポリクレジルホスフェート、式(10)で表さ
れるハイドロキノンポリ(2,6−キシリル)ホスフェ
ートならびにこれらの縮合物が挙げられる
【0057】
【化5】
【0058】
【化6】
【0059】
【化7】
【0060】
【化8】 上記式(7)〜(10)において、nは0〜15であ
る。
【0061】また、本発明で用いられる赤リン系化合物
としては、未処理の赤リンのみでなく、熱硬化性樹脂被
膜、金属水酸化物被膜、金属メッキ被膜から成る群より
選ばれる1種以上の化合物被膜により処理された赤リン
系化合物も好適に使用される。
【0062】熱硬化性樹脂被膜の熱硬化性樹脂として
は、赤リンを被膜できる樹脂であれば特に制限はなく、
例えば、フェノール−ホルマリン系樹脂、尿素−ホルマ
リン系樹脂、メラミン−ホルマリン系樹脂、アルキッド
系樹脂などが挙げられる。金属水酸化物被膜の金属水酸
化物としては、赤リンを被膜できる樹脂であれば特に制
限はなく、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化亜鉛、水酸化チタン等が挙げられる。金
属メッキ被膜の金属としては、赤リンを被膜できる樹脂
であれば特に制限はなく、例えば、Fe、Ni、Co、
Cu、Zn、Mn、Ti、Zr、Alまたはこれらの合
金等が挙げられる。更に、これらの被膜は2種以上組み
合わせて、あるいは2種以上に積層されていてもよい。
【0063】以上のリン系難燃剤は単独で、あるいは2
種以上組み合わせて使用され得る。
【0064】上記のリン系難燃剤の中で好ましい例とし
ては、ホスフェート系化合物、ホスホネート系化合物、
ホスフィネート系化合物等のリン酸エステル系化合物お
よび赤リン系化合物が挙げられる。
【0065】本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物に
おいて、熱可塑性ポリエステル樹脂100重量部に対し
て、リン系難燃剤の使用量の下限値はリン量換算値とし
て、0.01重量部であり、好ましくは0.05重量部
であり、より好ましくは0.1重量部であり、更に好ま
しくは0.2重量部であり、特に好ましくは0.5重量
部である。上限値はリン量換算値として15重量部であ
り、好ましくは10重量部であり、より好ましくは8重
量部であり更に好ましくは5重量部である。添加量が
0.01重量部より少ないと難燃効果が得られ難くな
り、15重量部より多いと機械的特性が損なわれる場合
がある。
【0066】本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物中
で分散している層状化合物の構造は、使用前の層状化合
物が有していたような、層が多数積層したμmサイズの
凝集構造とは全く異なる。すなわち、層状化合物の層同
士が劈開し、互いに独立して細分化する。その結果、層
状化合物はポリエステル樹脂中で非常に細かく互いに独
立した薄板状で分散し、その数は、使用前の層状化合物
に比べて著しく増大する。この様な薄板状の層状化合物
の分散状態は以下に述べる等価面積円直径[D]、アス
ペクト比(層長さ/層厚の比率)、分散粒子数、最大層
厚及び平均層厚で表現され得る。
【0067】まず、等価面積円直径[D]を、顕微鏡な
どで得られる像内で様々な形状で分散している個々の層
状化合物の該顕微鏡像上での面積と等しい面積を有する
円の直径であると定義する。その場合、樹脂組成物中に
分散した層状化合物のうち、等価面積円直径[D]が3
000Å以下である層状化合物の数の比率は20%以上
であり、好ましくは35%以上であり、さらに好ましく
は50%以上であり、特に好ましくは65%以上であ
る。等価面積円直径[D]が3000Å以下である比率
が20%未満であると難燃性ポリエステル樹脂組成物の
燃焼時の滴下防止効果や機械的特性の改良効果が充分で
なくなり、成形品の表面外観が損なわれる傾向がある。
また、本発明のポリエステル樹脂組成物中の層状化合物
の等価面積円直径[D]の平均値は5000Å以下であ
り、好ましくは4500Å以下であり、さらに好ましく
は4000Å以下であり、特に好ましくは3500Å以
下である。等価面積円直径[D]の平均値が5000Å
より大きいと難燃性ポリエステル樹脂組成物の燃焼時の
滴下防止効果や機械的特性の改良効果が充分でなくな
り、成形品の表面外観が損なわれる傾向がある。下限値
は特にないが、おおよそ100Å未満では効果はほとん
ど変わらなくなるので、100Å未満にする必要はな
い。等価面積円直径[D]の測定は、顕微鏡などを用い
て撮影した像上で、100個以上の層状化合物の層を含
む任意の領域を選択し、画像処理装置などを用いて画像
化して計算機処理することによって定量化できる。
【0068】平均アスペクト比を、樹脂組成物中に分散
した層状化合物の層長さ/層厚の比の数平均値であると
定義すると、本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物中
の層状化合物の平均アスペクト比は10〜300であ
り、好ましくは15〜300であり、より好ましくは2
0〜300である。層状化合物の平均アスペクト比が1
0未満であると、本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成
物の燃焼時の滴下防止効果や機械的特性などの改善効果
が十分に得られない場合がある。また、300より大き
くても効果はそれ以上変わらないため、平均アスペクト
比を300より大きくする必要はない。
【0069】また、[N]値を、樹脂組成物の面積10
0μm2における、層状化合物の単位重量比率当たりの
分散粒子数であると定義すると、本発明の難燃性ポリエ
ステル樹脂組成物における層状化合物の[N]値は、3
0以上であり、好ましくは45以上であり、より好まし
くは60以上である。上限値は特にないが、[N]値が
1000程度を越えると、それ以上効果は変わらなくな
るので、1000より大きくする必要はない。[N]値
が30未満であるとポリエステル樹脂組成物の機械的特
性や反りの改良効果が充分でなくなる場合がある。
[N]値は、例えば、次のようにして求められ得る。す
なわち、樹脂組成物を約50μm〜100μm厚の超薄
切片に切り出し、該切片をTEM等で撮影した像上で、
面積が100μm2の任意の領域に存在する層状化合物
の粒子数を、用いた層状化合物の重量比率で除すことに
よって求められ得る。あるいは、TEM像上で、100
個以上の粒子が存在する任意の領域(面積は測定してお
く)を選んで該領域に存在する粒子数を、用いた層状化
合物の重量比率で除し、面積100μm2に換算した値
を[N]値としてもよい。従って、[N]値はポリエス
テル樹脂組成物のTEM写真等を用いることにより定量
化できる。
【0070】また、平均層厚を、薄板状で分散した層状
化合物の層厚みの数平均値であると定義すると、本発明
の難燃性ポリエステル樹脂組成物中の層状化合物の平均
層厚の上限値は500Åであり、好ましくは450Åで
あり、より好ましくは400Åである。平均層厚が50
0Åより大きいと、本発明の難燃性ポリエステル樹脂組
成物の燃焼時の滴下防止効果や機械的特性などの改良効
果が十分に得られない場合がある。平均層厚の下限値は
特に限定されないが、好ましくは50Åより大きく、よ
り好ましくは60Å以上であり、更に好ましくは70Å
以上である。
【0071】また、最大層厚を、本発明の難燃性ポリエ
ステル樹脂組成物中に薄板状に分散した層状化合物の層
厚みの最大値であると定義すると、層状化合物の最大層
厚の上限値は、2000Åであり、好ましくは1800
Åであり、より好ましくは1500Åである。最大層厚
が2000Åより大きいと、本発明の難燃性ポリエステ
ル樹脂組成物の燃焼時の滴下防止効果や機械的特性が十
分に得られない場合があり、表面外観が損なわれる場合
がある。層状化合物の最大層厚の下限値は特に限定され
ないが、好ましくは100Åより大きく、より好ましく
は150Åであり、更に好ましくは200Åである。
【0072】層厚および層長さは、樹脂組成物を加熱溶
融した後に、熱プレス成形あるいは延伸成形して得られ
るフィルム、および溶融樹脂を射出成形して得られる薄
肉の成形品等を、顕微鏡等を用いて撮影される像から求
めることができる。
【0073】すなわち、いま仮に、X−Y面上に上記の
方法で調製したフィルムの、あるいは肉厚が約0.5〜
2mm程度の薄い平板状の射出成形した試験片を置いた
と仮定する。上記のフィルムあるいは試験片をX−Z面
あるいはY−Z面と平行な面で約50μm〜100μm
厚の超薄切片を切り出し、該切片を透過型電子顕微鏡な
どを用い、約4〜10万倍以上の高倍率で観察して求め
られ得る。測定は、上記の方法で得られた透過型電子顕
微鏡の象上に置いて、100個以上の層状化合物を含む
任意の領域を選択し、画像処理装置などで画像化し、計
算機処理する事等により定量化できる。あるいは、定規
などを用いて計測しても求めることもできる。
【0074】本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物の
製造方法は特に制限されるものではなく、例えば、熱可
塑性ポリエステル樹脂とリン系難燃剤および層状化合物
とを種々の一般的な混練機を用いて溶融混練する方法を
あげることができる。混練機の例としては、一軸押出
機、二軸押出機、ロール、バンバリーミキサー、ニーダ
ーなどが挙げられ、特に、剪断効率の高い混練機が好ま
しい。混練する順番は特に限定されず、熱可塑性ポリエ
ステル樹脂とリン系難燃剤および層状化合物は上記の混
練機に一括投入して溶融混練してもよく、あるいは熱可
塑性ポリエステル樹脂と層状化合物を混練した後にリン
系難燃剤を添加混練してもよく、また、予め溶融状態に
した熱可塑性ポリエステル樹脂に層状化合物およびリン
系難燃剤を添加混練しても良い。
【0075】本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物に
は、難燃性を損なわない限りに置いて必要に応じ、ポリ
ブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、アクリル
ゴム、アイオノマー、エチレン−プロピレン共重合体、
エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、天然ゴム、塩
素化ブチルゴム、α−オレフィンの単独重合体、2種以
上のα−オレフィンの共重合体(ランダム、ブロック、
グラフトなど、いずれの共重合体も含み、これらの混合
物であっても良い)、またはオレフィン系エラストマー
などの耐衝撃性改良剤を添加することができる。これら
は無水マレイン酸等の酸化合物、またはグリシジルメタ
クリレート等のエポキシ化合物で変性されていても良
い。また、難燃性、機械的特性などを損なわない範囲
で、他の任意の樹脂、例えば、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリエステルカーボネート樹脂、液晶ポリエステル
樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム質重
合体強化スチレン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹
脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹
脂、ポリサルフォン樹脂、及びポリアリレート樹脂等を
単独または2種以上組み合わせて使用し得る。
【0076】更に、本発明の難燃性ポリエステル樹脂組
成物には、目的に応じて、顔料や染料、熱安定剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、及び
帯電防止剤等の添加剤を添加することができる。本発明
の難燃性ポリエステル樹脂組成物は、射出成形や熱プレ
ス成形で成形しても良く、ブロー成形にも使用できる。
【0077】本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物は
各種の成形法により種々の形態、例えば各種成形品、シ
ート、パイプ、ボトル等に成形することができる。ま
た、本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物は、高度な
難燃性、成形流動性、外観、機械的特性および耐熱性に
優れる為、例えば、自動車部品、家庭用電気製品部品、
精密機械部品、家庭日用品、包装・容器資材、磁気記録
テープ基材、その他一般工業用資材に好適に用いられ
る。
【0078】
【実施例】以下実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるも
のではない。
【0079】実施例、及び比較例で使用する主要原料を
以下にまとめて示す。尚、特に断らない場合は、原料の
精製は行っていない。 (原料) ・熱可塑性ポリエステル樹脂:ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂(鐘紡(株)のベルペットEFG85A、対数
粘度(ηinh)=0.85(dl/g)、以降PETと称
す)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(KOLON社
製のKP210、以降PBTと称す)を用いた。 ・層状化合物:モンモリロナイト(クニミネ工業(株)
のクニピアF、以降クニピアFと称す)および膨潤性雲
母(コープケミカル(株)のソマシフME100、以降
ME100と称す)を用いた。 ・ポリエーテル化合物:主鎖にビスフェノールA単位を
含有するポリエチレングリコール(東邦化学(株)のビ
スオール18EN)、ポリエチレングリコール(三洋化
成(株)のPEG1000)を用いた。 ・シラン系化合物:γ−(ポリオキシエチレン)プロピ
ルトリメトキシシラン(日本ユニカー(株)のA−12
30、以降A1230と称す)を用いた。 ・リン系難燃剤:フェノール樹脂被覆赤リン(燐化学工
業(株)のノーバエクセル140、以降難燃剤F−1と
称す)(平均粒子径25〜35μm)、ビスフェノール
Aビス(ジクレジル)ホスフェート(大八化学(株)の
CR747(以降難燃剤F−2と称す)、レゾルシノー
ルビス(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート(大八化
学(株)製のPX200、以降難燃剤F−3と称す)、
メラミンピロホスフェート(ブッデンハイム社のBUD
IT311、以降難燃剤F−4と称す)を用いた。 ・メラミンシアヌル酸付加物:日産化学(株)のMC4
40(以降MC440と称す)を用いた。
【0080】また、実施例および比較例における評価方
法を以下にまとめて示す。 (分散状態の測定)厚み50〜100μmの超薄切片を
用いた。透過型電子顕微鏡(日本電子JEM−1200
EX)を用い、加速電圧80kVで倍率4万〜100万
倍で層状化合物の分散状態を観察撮影した。TEM写真
において、100個以上の分散粒子が存在する任意の領
域を選択し、層厚、層長、粒子数([N]値)、等価面
積円直径[D]を、目盛り付きの定規を用いた手計測ま
たはインタークエスト社の画像解析装置PIASIIIを
用いて処理する事により測定した。
【0081】等価面積円直径[D]はインタークエスト
社の画像解析装置PIASIIIを用いて処理する事によ
り測定した。[N]値の測定は以下のようにして行っ
た。まず、TEM像上で、選択した領域に存在する層状
化合物の粒子数を求める。これとは別に、層状化合物に
由来する樹脂組成物の灰分率を測定する。上記粒子数を
灰分率で除し、面積100μm2に換算した値を[N]
値とした。平均層厚は個々の層状化合物の層厚の数平均
値、最大層厚は個々の層状化合物の層厚の中で最大の値
とした。分散粒子が大きく、TEMでの観察が不適当で
ある場合は、光学顕微鏡(オリンパス光学(株)製の光
学顕微鏡BH−2)を用いて上記と同様の方法で[N]
値を求めた。ただし、必要に応じて、サンプルはLIN
KAM製のホットステージTHM600を用いて250
〜270℃で溶融させ、溶融状態のままで分散粒子の状
態を測定した。板状に分散しない分散粒子のアスペクト
比は、長径/短径の値とした。ここで、長径とは、顕微
鏡像等において、対象となる粒子の外接する長方形のう
ち面積が最小となる長方形を仮定すれば、その長方形の
長辺を意図する。また、短径とは、上記最小となる長方
形の短辺を意図する。平均アスペクト比は個々の層状化
合物の層長と層厚の比の数平均値とした。 (難燃性)本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物を乾
燥(140℃、5時間)した後、型締圧150tの射出
成形機を用い、金型温度80℃、シリンダー温度250
〜280℃にて、厚み約1.6mm、幅約12.7m
m、長さ約127mmの試験片を作製した。
【0082】上記の試験片を用い、UL−94規格に従
って難燃性を測定した。尚、規格外とは、UL−94V
規格に不適合であることを示す。 (曲げ特性)本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物を
乾燥(140℃、5時間)した。型締圧80tの射出成
形機を用い、シリンダー温度250〜280℃にて、厚
み約6.4mm、幅約12.7mm、長さ約127mm
の試験片を作製した。得られた試験片の曲げ特性を、A
STM D−790に従って測定した。 (反り)本発明の難燃性ポリエステル樹脂組成物を乾燥
(140℃、5時間)した後、型締圧80tの射出成形
機を用い、金型温度120℃、シリンダー温度250〜
280℃にて、寸法約120×120×1mmの平板状
試験片を作製した。平面上に上記の平板状試験片を置
き、試験片の4隅の内の1カ所を押さえ、残り3隅の
内、平面からの距離が最も大きい値を隙間ゲージやノギ
ス等を用いて測定した。4隅それぞれを押さえ、得られ
た反り値の平均値を求めた。反り値は小さいほど優れて
いる。 (表面光沢)反りと同条件で成形した平板状試験片の表
面光沢を測定した。ERICHSEN社のミニグロスマ
スターを用い、反射角60°で測定した。標準板50%
に対する相対値とした。表面光沢値は大きいほど優れて
いる。 (灰分率)無機物に由来する、難燃性ポリエステル樹脂
組成物の灰分率は、JIS K 7052に準じて測定し
た。 (製造例1)反応機にジメチルテレフタレート(DM
T)、DMT100重量部に対し、76重量部のプロピ
レングリコール、0.003重量部のヒンダードフェノ
ール系安定剤(旭電化(株)アデカスタブAO60、以
降AO60と称す)および0.00025重量部のTi
(OBu)4を投入し、反応温度約150〜200℃で
撹拌してDMTとプロピレングリコールをエステル交換
させた。その後、0.00025重量部のSb23を添
加し、反応温度270〜280℃、減圧下(0.8〜5.
0torr)で溶融重縮合を行い、ポリプロピレンテレ
フタレート(PPT)樹脂を得た。 (製造例2)イオン交換水と層状化合物を混合した。つ
いでポリエーテル化合物またはシラン系化合物を添加し
て15〜60分間混合を続ける事によって処理した。そ
の後、粉体化して処理粘土(粘土A−1〜A−4)を得
た。製造例で用いた原料の重量比は表1に示す。
【0083】
【表1】 (実施例1〜10)表2に示す重量比のPET、製造例
2で得た層状化合物、リン系難燃剤他を二軸押出機(日
本製鋼(株)製、TEX44)を用いて設定温度230
〜260℃で溶融混練することにより難燃性ポリエステ
ル樹脂組成物を得、評価した。結果を表2に示す。 (比較例1、2)表2に示す重量比のPET、ME10
0、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(ダイキン工業
(株)のポリフロンFA−500)、リン系難燃剤を実
施例1と同様に溶融混練し、評価した。結果を表2に示
す。
【0084】
【表2】 表2より、比較例1では、2次凝集し、平均粒径が約4
0〜120μmのME100を分散させてもリン系難燃
剤のみでは燃焼試験時に火種が滴下してUL94V規格
外となった。また比較例2ではポリテトラフルオロエチ
レン樹脂を併用することで滴下は抑制されV−0となる
ものの、機械的特性や反り、光沢など他の物性が低く、
バランスに優れるものは得られなかった。 (実施例11、12)表3に示す重量比のPBT、製造
例2で得た層状化合物、リン系難燃剤他を実施例1と同
様に溶融混練することにより難燃性ポリエステル樹脂組
成物を得、評価した。結果を表3に示す。 (比較例3、4)表3に示す重量比のPBT、ME10
0、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(ダイキン工業
(株)のポリフロンFA−500)、リン系難燃剤を実
施例1と同様に溶融混練し、評価した。結果を表3に示
す。
【0085】
【表3】 表3より、比較例3では、2次凝集し、平均粒径が約4
0〜120μmのME100が分散してもリン系難燃剤
のみでは燃焼試験時に火種が滴下してUL94V規格外
となった。また比較例4では、ポリテトラフルオロエチ
レン樹脂を併用することで滴下は抑制されV−0となる
ものの、機械的特性や反り、光沢など他の物性が低く、
バランスに優れるものは得られなかった。 (実施例13、14)表4に示す重量比の製造例2で得
たPPT、製造例1で得た層状化合物、リン系難燃剤他
を実施例1と同様に溶融混練することにより難燃性ポリ
エステル樹脂組成物を得、評価した。結果を表4に示
す。 (比較例5、6)表4に示す重量比の製造例2で得たP
PT、ME100、ポリテトラフルオロエチレン樹脂
(ダイキン工業(株)のポリフロンFA−500)、リ
ン系難燃剤を実施例1と同様に溶融混練し、評価した。
結果を表4に示す。
【0086】
【表4】 表4より、比較例5では、2次凝集し、平均粒径が約4
0〜120μmのME100が分散してもリン系難燃剤
のみでは燃焼試験時に火種が滴下してUL94V規格外
となった。比較例6では、ポリテトラフルオロエチレン
樹脂を併用することで滴下は抑制されV−0となるもの
の、機械的特性や反り、光沢など他の物性が低く、バラ
ンスに優れるものは得られなかった。
【0087】
【発明の効果】熱可塑性ポリエステル樹脂、層状化合
物、およびリン系難燃剤を含む樹脂組成物中の層状化合
物が下記(a)〜(c)のうち少なくとも一の条件を満
たせば、燃焼時の樹脂の滴下を抑制し、難燃性を付与す
ることができる。更に樹脂組成物のの機械的特性や反り
が改良されかつ良好な表面外観を有する樹脂成形品を提
供することができる。 (a)ポリエステル樹脂組成物中の層状化合物のうち、
等価面積円直径[D]が3000Å以下である層状化合
物の比率が20%以上であること (b)ポリエステル樹脂組成物中の層状化合物の等価面
積円直径[D]の平均値が、5000Å以下であること (c)[N]値が30以上であり、ここで[N]値が、
樹脂組成物の面積100μm2中に存在する、層状化合
物の単位比率当たりの粒子数であると定義されること。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 9/06 C08K 9/06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリエステル樹脂、層状化合
    物、およびリン系難燃剤を含有するポリエステル樹脂組
    成物であって、層状化合物が下記(a)〜(c)のうち
    少なくとも一の条件を満たす、難燃性ポリエステル樹脂
    組成物。 (a)ポリエステル樹脂組成物中の層状化合物のうち、
    等価面積円直径[D]が3000Å以下である層状化合
    物の比率が20%以上であること (b)ポリエステル樹脂組成物中の層状化合物の等価面
    積円直径[D]の平均値が、5000Å以下であること (c)[N]値が30以上であり、ここで[N]値が、
    樹脂組成物の面積100μm2中に存在する、層状化合
    物の単位比率当たりの粒子数であると定義されること
  2. 【請求項2】 層状化合物の平均層厚が500Å以下で
    ある、請求項1に記載の難燃性ポリエステル樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 層状化合物の最大層厚が2000Å以下
    である、請求項1または2に記載の難燃性ポリエステル
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 樹脂組成物中の層状化合物の平均アスペ
    クト比(層長さ/層厚の比)が10〜300である、請
    求項1、2または3に記載の難燃性ポリエステル樹脂組
    成物。
  5. 【請求項5】 層状化合物がポリエーテル化合物で処理
    された物であることを特徴とする、請求項1、2、3ま
    たは4に記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 ポリエーテル化合物が環状炭化水素基を
    有することを特徴とする、請求項5に記載の難燃性ポリ
    エステル樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 ポリエーテル化合物が下記一般式(1) 【化1】 (式中、−A−は、−O−、−S−、−SO−、−SO
    2-、−CO−、炭素数1〜20のアルキレン基または炭
    素数6〜20のアルキリデン基であり、R1、R2、R3、R
    4、R5、R6、R7およびR8はいずれも水素原子、ハロゲン
    原子または炭素数1〜5の1価の炭化水素基、R9、R
    10はいずれも炭素数1〜5の2価の炭化水素基であり、
    11、R12はいずれも水素原子、炭素数1〜20の1価
    の炭化水素基であり、それらはそれぞれ同一であっても
    異なっていても良い。mおよびnはオキシアルキレン単
    位の繰り返し単位数を示し、2≦m+n≦50であ
    る。)で表されることを特徴する、請求項6に記載の難
    燃性ポリエステル樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 ポリエーテル化合物の水酸基価が30m
    gKOH/g以下であることを特徴とする、請求項5、
    6または7に記載のポリエステル樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 層状化合物が下記一般式(2) YnSiX4-n (2) (ただし、nは0〜3の整数であり、Yは、炭素数1〜
    25の炭化水素基、及び炭素数1〜25の炭化水素基と
    置換基から構成される有機官能基であり、Xは加水分解
    性基および/または水酸基である。n個のY、4−n個
    のXは、それぞれ同種でも異種でもよい。)で表される
    シラン系化合物で処理された物であることを特徴とす
    る、請求項1、2、3または4に記載の難燃性ポリエス
    テル樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 リン系難燃剤が、リン酸エステル系化
    合物および/または赤リン系化合物であることを特徴と
    する、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9
    に記載の難燃性ポリエステル樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 層状化合物が層状ケイ酸塩であること
    を特徴とする、請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、9または10に記載の難燃性ポリエステル樹脂組成
    物。
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