JP2001323098A - スチレン系樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

スチレン系樹脂発泡体の製造方法

Info

Publication number
JP2001323098A
JP2001323098A JP2000140871A JP2000140871A JP2001323098A JP 2001323098 A JP2001323098 A JP 2001323098A JP 2000140871 A JP2000140871 A JP 2000140871A JP 2000140871 A JP2000140871 A JP 2000140871A JP 2001323098 A JP2001323098 A JP 2001323098A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
foam
weight
parts
resin
boron oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000140871A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Yoshida
融 吉田
Fuminobu Hirose
文信 廣瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2000140871A priority Critical patent/JP2001323098A/ja
Priority to CA002356917A priority patent/CA2356917A1/en
Priority to CNB008024421A priority patent/CN1247674C/zh
Priority to EP00970087A priority patent/EP1164158A4/en
Priority to CA002622370A priority patent/CA2622370A1/en
Priority to PCT/JP2000/007489 priority patent/WO2001030896A1/ja
Priority to US09/868,637 priority patent/US6569912B1/en
Priority to NO20013200A priority patent/NO20013200L/no
Publication of JP2001323098A publication Critical patent/JP2001323098A/ja
Priority to US10/358,153 priority patent/US6762212B2/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境課題が低い発泡剤を用いつつ、高い断熱
性と難燃性を両立し、生産容易な発泡体を得る。 【解決手段】 発泡剤として、炭素数が3〜5である1
種以上の飽和炭化水素および水を用い、かつ、ハロゲン
系難燃剤および表面処理剤で処理した酸化ホウ素を含有
するスチレン系樹脂を加熱溶融し、発泡剤を注入し、こ
れを押出発泡させてスチレン系樹脂発泡体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環境適合性、断熱
性に優れ、かつ難燃性に優れたスチレン系樹脂発泡体の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂を押出機等にて加熱溶融
し、次いで発泡剤を注入し、冷却させ、これを低圧域に
押出すことにより発泡体を連続的に製造する方法は既に
知られており(例えば特公昭31−5393号公報、特
公昭42−19195号公報)、発泡剤に塩素原子含有
ハロゲン化炭化水素(以下、CFCと略す)、塩素原子
を部分的に水素化した塩素原子含有ハロゲン化炭化水素
(以下、HCFCと略す)などのフロン類を用いる方法
も知られている(例えば特公昭41−672号公報、特
公昭57−7175号公報)。
【0003】しかしCFC及びHCFCに代表されるフ
ロン類はオゾン層保護などの観点から、可能ならば代替
していくことが望まれている。
【0004】フロン以外の発泡剤を用いたスチレン系樹
脂発泡体として、発泡剤にプロパン、ブタンあるいはそ
れらの混合物、あるいは該炭化水素とメチルクロライ
ド、エチルクロライドあるいはそれらの混合物を用いた
スチレン系樹脂発泡体およびその製造方法が、特開平1
0−237210号公報に開示されている。さらに該公
報では、JIS A9511に規定する難燃性を満たす
ためには、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモ
ビスフェノールAを1〜3重量%用い、発泡剤のプロパ
ン、ブタンの残ガス量を、それぞれ3.5重量%以下、
2.0重量%以下に調整することにより達成されるとし
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記発
明で得られるフロンを用いない発泡体の熱伝導率は0.
025〜0.034Kcal/mhr℃(0.029〜
0.040W/mK)であり、産業上、より高度の断熱
性能を提する、熱伝導率0.025Kcal/mhr℃
(0.029W/mK)未満、例えばJIS A951
1に規定されるB類3種保温板のような、高度な断熱性
を有する難燃性発泡体は未だ提供されるに至っていな
い。断熱性をより一層向上させる手段としては、該飽和
炭化水素化合物をより多く残存させることが提案し得
る。例えば、発泡体密度にもよるが20Kg/m3〜3
5Kg/m3の範囲で有れば、プロパンであれば、4重
量%以上、ブタン類であれば、2.5重量%以上、特に
好ましくはブタン類を3重量%以上を残存させるのが好
ましいと思慮される。
【0006】しかしながら、プロパン、ブタンに代表さ
れる脂肪族炭化水素類のような燃焼性の比較的高い化合
物を多く残存させた場合、前記発明の如く、ヘキサブロ
モシクロドデカン(以下、HBCDと略記することあ
り)、テトラブロモビスフェノールAを1〜3重量%用
いただけでは、JIS A9511に規定する難燃性を
満足しない場合が生じる。これに対して、難燃性を向上
させるために、添加する難燃剤量の増量が提案される
が、単に添加量を増すだけでは、安定した難燃性は得難
い。また、発泡体の基となっているスチレン系樹脂自体
は難燃化されるが、燃焼時に発泡体から揮発する炭化水
素に着火し易く、燃焼が抑制し難いといった傾向は依然
課題とされており、改善が望まれる。さらには、該難燃
剤の増量は発泡体成形性の悪化を招き易く、満足な成形
品が得にくくなる傾向がある。
【0007】一方、合成樹脂中に水を添加、均一に分散
させ、発泡体の気泡構造を改良し、断熱性能を向上しよ
うとする方法が、特開平3−109445号、特開平3
−27304号、特開平4−80240号公報に開示さ
れている。
【0008】前記方法では、難透過性発泡剤の一例とし
て、フロンであるHCFC142bが、易透過性発泡剤
の一例として塩化メチルが用いられている。主として気
泡径が0.25mm以下の気泡と、気泡径が0.4〜1
mmの気泡とからなり、その気泡構造をうるために、表
面に水酸基を多数有する無機粉末や吸水性高分子物質と
ともに水が用いられている。
【0009】発泡剤として炭化水素を用い、かつ良好な
難燃性および断熱性を有するスチレン系樹脂発泡体とし
て、特願平11−314263号にて酸化ホウ素を含有
させることを提案した。しかしながら、更に断熱性を向
上させるために、この系において水を添加し、均一分散
させ、スチレン系樹脂発泡体を得た場合、上述した気泡
径が0.25mm以下の気泡と、気泡径が0.4〜1m
mの気泡とからなる気泡構造を発現しにくくなる傾向が
見られ、断熱性の向上につながらない傾向にあることが
わかった。また、若干ながら難燃性の低下傾向も認めら
れた。
【0010】このようなことから、水を使用した場合に
おいても、充分な難燃性が発現し、断熱性をも向上させ
うる手段が望まれる。
【0011】以上のように、発泡剤として、ハロゲン非
含有の化合物、特に飽和炭化水素を用いる系について、
断熱性に優れ高度の難燃性を得るのは非常に困難である
ことが認識される。
【0012】本発明者等はこのような状況の下、燃焼し
易い傾向を有する発泡剤を使用しても、高度な断熱性能
を有すると共に、JIS A9511に規定される、高
度の難燃性を十分に満足するスチレン系樹脂発泡体の製
造方法を提供するに至った。
【0013】
【発明が解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、炭化水素および水を発泡剤として用いたスチレ
ン系樹脂発泡体に、ハロゲン系難燃剤と表面処理剤によ
り処理した酸化ホウ素、を用いることにより、高度な断
熱性能と難燃性を両立した発泡体が得られることを見出
し、次に記す本発明をなすに至った。
【0014】すなわち本発明は、(1)ハロゲン系難燃
剤、表面処理剤で処理した酸化ホウ素を添加したスチレ
ン系樹脂を加熱溶融させ、発泡剤として、炭素数が3〜
5である1種以上の飽和炭化水素および水を該スチレン
系樹脂に添加し、低圧域に押出発泡することを特徴とす
るスチレン系樹脂発泡体の製造方法に関する。
【0015】さらに本発明は、(2)発泡体100重量
部に対して、炭素数が3〜5である1種以上の飽和炭化
水素の含有量が2〜10重量部、かつ水の含有量が0.
1〜4重量部である(1)記載のスチレン系樹脂発泡体
の製造方法に関する。
【0016】さらに本発明は、(3)発泡体100重量
部に対して、ハロゲン系難燃剤を0.1〜10重量部
と、表面処理剤で処理した酸化ホウ素を0.1〜10重
量部とを含有する(1)または(2)記載のスチレン系
樹脂発泡体の製造方法に関する。
【0017】さらに本発明は、(4)炭素数が3〜5で
ある飽和炭化水素が、n−ブタンおよび/またはi−ブ
タンである(1)〜(3)記載のいずれか1項記載のス
チレン系樹脂発泡体の製造方法に関する。
【0018】さらに本発明は、(5)表面処理剤の主た
る構成成分が熱硬化性樹脂である(1)〜(4)記載の
いずれか1項記載のスチレン系樹脂発泡体の製造方法に
関する。
【0019】さらに本発明は、(6)酸化ホウ素が三酸
化二ホウ素である(1)〜(5)記載のいずれか1項記
載のスチレン系樹脂発泡体の製造方法に関する。
【0020】さらに本発明は、(7)さらにその他の発
泡剤を含有する(1)〜(6)記載のいずれか1項記載
のスチレン系樹脂発泡体の製造方法に関する。
【0021】さらに本発明は、(8)その他の発泡体
が、ジメチルエーテルである(7)記載のスチレン系樹
脂発泡体の製造方法に関する。
【0022】
【発明の実施形態】本発明で用いられるスチレン系樹脂
は、特に限定されるものではなく、スチレン単量体のみ
から得られるポリスチレンホモポリマー、スチレン単量
体とスチレンと共重合可能な単量体あるいはその誘導体
から得られるランダム、ブロックあるいはグラフト共重
合体、後臭素化ポリスチレン、ゴム強化ポリスチレンな
どの変性ポリスチレンなどが挙げられる。
【0023】スチレンと共重合可能な単量体としては、
メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、
ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブロモスチ
レン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレン、クロロ
スチレンジクロロスチレン、トリクロロスチレン、など
のスチレン誘導体、ビニルトルエン、ビニルキシレン、
ジビニルベンゼンなどのビニル化合物、アクリル酸、メ
タクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、ブタジエン、
アクリロニトリルなどの不飽和化合物あるいはその誘導
体、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが挙げられ
る。これらは単独あるいは2種以上混合して使用するこ
とができる。
【0024】スチレン系樹脂では、ポリスチレンホモポ
リマーが特に好ましい。
【0025】本発明は発泡剤に炭素数3〜5である1種
以上の飽和炭化水素、および、水を使用することを特徴
とする。
【0026】本発明で用いられる炭素数3〜5の飽和炭
化水素としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、
n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタンなどが挙げ
られる。
【0027】炭素数3〜5の飽和炭化水素では、発泡性
と発泡体の断熱性能の点からn−ブタン、i−ブタンが
好ましく、特に好ましくはi−ブタンである。
【0028】また、炭素数3〜5の飽和炭化水素1種以
上の含有量が、発泡体100重量部に対して、2〜10
重量部であることが好ましく、更に好ましくは、飽和炭
化水素化合物の種類によっても異なるが、プロパンで
は、3〜9重量部、特に好ましくは、4〜8重量部、n
−ブタン、i−ブタンでは、2.5〜9重量部、特に好
ましくは、3〜8重量部、n−ペンタン、i−ペンタ
ン、ネオペンタンでは、3〜9重量部が断熱性能と難燃
性の点から好ましい。
【0029】本発明で用いられる水としては、特に制限
はなく、例えば純水などを用いることができる。
【0030】水の含有量は、発泡体100重量部に対し
て、0.1〜4重量部であることが好ましく、更に好ま
しくは、0.2〜1.5重量部である。本発明において
水を含有させることは、発泡体の物性、特に、熱伝導率
を向上させる上で重要である。すなわち、良好な熱伝導
率を発現させるためには、発泡体を形成する気泡が、主
として気泡径0.25mm以下の気泡径と気泡径0.3
〜1mm径の気泡より構成され、これらの気泡が気泡膜
を介して海島状に分散し、気泡径0.25mm以下の気
泡が発泡体断面積あたり10〜90%の占有面積比を有
する。水の含有量が0.2〜1.5重量部である場合
に、このような気泡構造を有する発泡体が得られ易いの
で好ましい。
【0031】なお、上記気泡構造を得るために水を均一
に分散させることが望ましく、良好な発泡体を得るには
重要である。この均一分散を目的として、別途、表層に
水酸基を有する物質、水を吸収して膨潤しうる物質等を
加えることは好ましい。この目的のために用いる物質の
具体例としては、ベントナイト、シリカ、ポリアクリル
酸系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、デンプン等が
あげられる。
【0032】これらの物質の配合量は、発泡体100重
量部に対して0.2〜10重量部、なかんづく1〜5重
量部となるように調整することが好ましい。かかる配合
量が0.2重量部未満では水の圧入量に対して水の吸着
量が不足し、押出機内で水の不分散による気孔が発生し
成形体不良になる傾向がある。また10重量部をこえる
場合には、合成樹脂中に存在する無機物粉体の量が過剰
になる為、発泡体中への均一分散が困難になり、気泡む
らが発生する傾向にある。
【0033】本発明では、ハロゲン系難燃剤とともに表
面処理剤で処理した酸化ホウ素を共存させることによっ
て、燃焼性の高い炭化水素を発泡剤として用いた場合で
も、燃焼時に揮発する炭化水素への着火を抑制すること
ができ、また、水を発泡剤としたときに発現する高い断
熱性を低下させることが無く、更に、JIS A951
1に規定される高度の難燃性を達成できるという特徴を
持たせることができる。
【0034】本発明で使用される、ハロゲン系難燃剤と
しては、熱可塑性樹脂に通常使用される難燃剤を特別に
限定することなく使用することができる。例えば、ヘキ
サブロモシクロドデカンなどの脂肪族あるいは脂環族炭
化水素の臭素化物、ヘキサブロモベンゼン、エチレンビ
スペンタブロモジフェニル、デカブロモジフェニルエー
テル、オクタブロモジフェニルエーテル、2,3−ジブ
ロモプロピルペンタブロモフェニルエーテルなどの芳香
族化合物の臭素化物、テトラブロモビスフェノールA、
テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモ
プロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA
(2−ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビスフェ
ノールAジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェ
ノールAジグリシジルエーテルとトリブロモフェノール
付加物などの臭素化ビスフェノール類およびその誘導
体、テトラブロモビスフェノールAポリカーボネートオ
リゴマー、テトラブロモビスフェノールAジグリシジル
エーテルとブロモ化ビスフェノール付加物エポキシオリ
ゴマーなどの臭素化ビスフェノール類誘導体オリゴマ
ー、エチレンビステトラブロモフタルイミド、エチレン
ビスジブロモノルボルナンジカルボキシイミド、ビス
(2,4,6ートリブロモフェノキシ)エタン、臭素化
アクリル系樹脂などの臭素系芳香族化合物、塩素化パラ
フィン、塩素化ナフタレン、パークロロペンタデカン、
塩素化芳香族化合物、塩素化脂環状化合物などが挙げら
れる。これら化合物は単独または2種以上を混合して使
用できる。
【0035】ハロゲン系難燃剤では、難燃性の点から臭
素系難燃剤が好ましく、特にスチレン系樹脂との相溶性
などの点からヘキサブロモシクロドデカンが好ましい。
【0036】スチレン系樹脂発泡体中のハロゲン系難燃
剤の含有量は、好ましくは、発泡体100重量部に対し
て、0.1〜10重量部であり、更に好ましくは、1〜
9重量部、特に好ましくは、2〜8重量部である。0.
1重量部未満では、本発明の目的とする難燃性が得られ
ず、10重量部を越えると、発泡体製造の際の成形性な
どを損なう場合がある。
【0037】本発明で使用される酸化ホウ素は、表面処
理剤で処理した酸化ホウ素である。表面処理しないまま
で用いると、難燃性が低下するとともに、高度の断熱性
を得ることができなくなる。この理由は明確ではない
が、添加する水と酸化ホウ素が反応し、酸化ホウ素の一
部あるいは全部がホウ酸となって難燃性が低下し、ま
た、水は酸化ホウ素に吸収され、発泡剤としての役割を
果たせなくなっているためではないかと推測している。
また、この時の発泡体の気泡構造は、前述したような、
主として気泡径0.25mm以下の気泡径と気泡径0.
3〜1mm径の気泡より構成されることなく、均一な気
泡径の気泡で構成されることが多い。
【0038】これに対し、酸化ホウ素を表面処理して用
いると、水を添加した場合においても難燃性の低下はな
く、気泡構造も主として気泡径0.25mm以下の気泡
径と気泡径0.3〜1mm径の気泡より構成され、これ
らの気泡が気泡膜を介して海島状に分散し、気泡径0.
25mm以下の気泡が発泡体断面積あたり10〜90%
の占有面積比を有し、良好な断熱性を保持することがで
きる。
【0039】この気泡径0.25mm以下の気泡の占有
面積比は、良好な断熱性を保持するうえで、発泡体断面
積あたり20〜90%が好ましく、更には30〜70%
であることがより好ましい。
【0040】また、表面処理剤で処理した酸化ホウ素を
用いると、長期的に良好な難燃性が得られる。表面処理
しない場合は、空気中の水分を吸収し、徐々にホウ酸と
なっていくことが原因と考えられるが、表面処理するこ
とにより、確実に水分との接触が回避でき、ホウ酸への
変化が防止できることにより、長期的に良好な難燃性が
得られるものと推定している。
【0041】酸化ホウ素を処理する表面処理剤として
は、一般的に表面処理剤として知られている物質に限ら
ず、酸化ホウ素と水の相互作用を絶縁できる物質であれ
ば構わない。例えば、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、
ユリア樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン
樹脂、イミド樹脂、ウレタン樹脂、フラン樹脂、アクリ
ル樹脂等が例示できる熱硬化性樹脂、ビニルトリクロロ
シラン、γ−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
ルカプトピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン等が例示できるシランカッ
プリング剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネ
ート、テトラアルコキシチタン、チタンアシレート、ジ
イソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン等が
例示できるチタン系表面処理剤、(アルキルアセトアセ
タト)アルミニウムジイソプロピレート、アルミニウム
トリス(アセチルアセトネート)等が例示できるアルミ
ニウム系表面処理剤、フッ素樹脂、アミド樹脂、アリレ
ート樹脂、イミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピ
レン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリメ
チルメタクリレート等が例示できる熱可塑性樹脂等が挙
げられる。また、これらの表面処理剤を2種以上併用す
ることも本発明の範疇である。さらに、最近では無機物
−無機物の組み合わせでも表面処理が可能であり、例え
ば、酸化チタン、酸化ケイ素等で酸化ホウ素に被膜を形
成することも可能である。このようなことからは、有機
物、無機物に関わらず酸化ホウ素を表面処理することが
可能である。なお、これらの表面処理剤を2種以上併用
することも本発明の範疇である。
【0042】この中で、酸化ホウ素と水の接触を防ぐこ
とを考慮すると、表面処理した後に形成される被膜は水
に不溶性、撥水性であることが好ましい。また、発泡体
を製造する際の押出発泡成形工程におけるせん断に耐
え、更に、簡単に表面処理できることを考慮すると、表
面処理剤として熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。
さらに、難燃性および高度の断熱性を発現させる点で
は、メラミン樹脂およびフェノール樹脂がより好まし
い。
【0043】酸化ホウ素の表面処理に用いる表面処理剤
の量については、特に制限はないが、酸化ホウ素100
重量部に対し、表面処理剤0.1〜10重量部が好まし
い。0.1重量部未満であれば、表面被覆率が小さく、
表面処理効果が小さい場合がある。10重量部を越える
と表面処理効果は充分であるが、酸化ホウ素による炭化
水素への着火抑制、難燃効果を阻害する場合がある。
【0044】本発明で使用される酸化ホウ素は、粒径、
組成など特に限定されるものではなく、例えば、二酸化
二ホウ素、三酸化二ホウ素、三酸化四ホウ素、五酸化四
ホウ素等が挙げられ、さらに、本発明の効果を損なわな
い範囲で、ホウ酸、メタホウ酸、オルトホウ酸などを含
有していてもよい。酸化ホウ素では難燃性等の点から、
三酸化二ホウ素が特に好ましい。
【0045】酸化ホウ素を表面処理する方法としては、
次のような方法が例示できるが、これらの方法に何ら制
限されるものではない。
【0046】(1)混合機能のある装置を用いて酸化ホ
ウ素と表面処理剤をミキシングする。混合機能のある装
置とは一般的なヘンシェルミキサー、リボンブレンダー
等で充分であるが、粉体コーティング用の混合機、例え
ば、(株)セイシン企業製ニューグラマシン、(株)奈
良機械製作所製混合造粒機NMG等も例示できる。
【0047】(2)表面処理剤を適当な有機溶剤に溶解
させ、これに酸化ホウ素を添加、浸漬した後、乾燥す
る。
【0048】(3)液状表面処理剤、あるいは固体状表
面処理剤を有機溶剤に溶解し、気流中で分散している酸
化ホウ素に噴霧した後、乾燥する。気流分散中に散布す
る装置としては、不二パウダル(株)製グローマックス
等が例示できる。
【0049】(4)機械的衝撃により酸化ホウ素の表面
に表面処理剤を被覆させる。機械的衝撃を与えることの
できる装置としては、(株)奈良機械製作所製NHS
(ハイブリダイゼーションシステム)等が例示できる。
これは、表面処理剤が固体の場合に有効である。
【0050】なお、表面処理剤として熱硬化性樹脂を用
いる場合は、(1)〜(4)により酸化ホウ素表面に熱
硬化前の樹脂の被膜を形成し、その後一般的な乾燥機や
流動層乾燥機等で加温して熱硬化すると良い。あるい
は、熱硬化後の粉末樹脂を(4)により表面処理するこ
とも可能である。
【0051】なお、表面処理を一度実施した後、同じ表
面処理剤あるいは異なる表面処理剤を用いて再び表面処
理を実施するなど、複数回表面処理を施すことにより被
覆率を向上させることも本発明の範疇である。
【0052】スチレン系樹脂発泡体中の表面処理剤で処
理した酸化ホウ素の含有量は、好ましくは、発泡体全量
100重量部に対して、0.1〜10重量部であり、更
に好ましくは、1〜9重量部、特に好ましくは、1.5
〜8重量部である。0.1重量部未満では、本発明の目
的とする難燃性が得られず、10重量部を越えると、断
熱性能などが損なわれる場合がある。
【0053】また、本発明において、良好な可塑化効果
や発泡助剤的効果を発現させるために、炭素数が3〜5
である1種以上の飽和炭化水素および水以外の発泡剤を
用いることは好ましい。例えば、ジメチルエーテル、ジ
エチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピル
エーテル、n−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル、フラン、フルフラール、2−メチルフラン、テトラ
ヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類、ジ
メチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、
メチルn−プロピルケトン、メチルn−ブチルケトン、
メチルi−ブチルケトン、メチルn−アミルケトン、メ
チルn−ヘキシルケトン、エチルn−プロピルケトン、
エチルn−ブチルケトンに例示されるケトン類、メタノ
ール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピル
アルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコー
ル、t−ブチルアルコールに例示されるアルコール類、
蟻酸メチルエステル、蟻酸エチルエステル、蟻酸プロピ
ルエステル、蟻酸ブチルエステル、蟻酸アミルエステ
ル、プロピオン酸メチルエステル、プロピオン酸エチル
エステルに例示されるカルボン酸エステル類などの有機
発泡剤、アゾ化合物などの化学発泡剤などを用いること
ができる。これらは単独又は2種以上混合して使用する
ことができる。これらの発泡剤の中でも発泡性、発泡体
成形性などの点から、ジメチルエーテル、ジエチルエー
テル、メチルエチルエーテル等のエーテル類が好まし
く、特にジメチルエーテルが好ましい。
【0054】また本発明においては、必要に応じて本発
明の効果を阻害しない範囲で、タルク、ケイ酸カルシウ
ム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化
亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの無機化合物、
フェノール系抗酸化剤、リン系安定剤、ベンゾトリアゾ
ール類、ヒンダードアミン類などの耐光性安定剤、他の
難燃剤、帯電防止剤、顔料などの着色剤などの添加剤を
含有させることができる。
【0055】本発明のスチレン系樹脂発泡体は、スチレ
ン系樹脂にハロゲン系難燃剤、表面処理剤で処理した酸
化ホウ素、必要に応じて他の添加剤を混合して押出機等
に供給し加熱溶融、あるいはスチレン系樹脂を押出機等
に供給し加熱溶融した後にハロゲン系難燃剤、表面処理
剤で処理した酸化ホウ素、必要に応じて他の添加剤を混
合して、高圧条件下で、発泡剤として炭素数が3〜5で
ある1種以上の飽和炭化水素および水をスチレン系樹脂
に添加又は注入し、流動ゲルとなし、押出発泡に適する
温度に冷却し、該流動ゲルをダイを通して低圧領域に押
出発泡して、発泡体を形成することにより製造される。
【0056】スチレン系樹脂を加熱溶融する際の加熱温
度、溶融時間及び溶融手段については特に制限するもの
ではない。加熱温度は、該スチレン系樹脂が溶融する温
度以上であればよい。溶融時間は、単位時間あたりの押
出量、溶融手段などによって異なるので一概には決定す
ることができないが、該スチレン系樹脂と発泡剤が均一
に分散混合するのに要する時間が適宜選ばれる。また溶
融手段としては、特に制限されるものではなく。例えば
スクリュー型の押出機などが挙げられる。
【0057】添加又は注入される発泡剤の添加量として
は、発泡倍率の設定値などに応じて適宜変わるものでは
あるが、通常、発泡剤の合計量を発泡体100重量部に
対して2〜20重量部とするのが好ましい。発泡剤の添
加量が2重量部未満では発泡倍率が低く、樹脂発泡体と
しての軽量、断熱等の特性が発揮されにくい場合があ
り、20重量部を越えると過剰な発泡剤量のため発泡体
中にボイドなどの不良を生じる場合がある。
【0058】発泡剤を注入する際の圧力は、特に制限す
るものではなく、押出機等の内圧力よりも高い圧力であ
ればよい。
【0059】ハロゲン系難燃剤および表面処理剤で処理
した酸化ホウ素の添加量としては、JIS A9511
に規定される難燃性を得られるよう、発泡剤添加量など
にあわせて適宜調整されるが、概ね、スチレン系樹脂1
00重量部に対して、ハロゲン系難燃剤は0.1〜10
重量部であり、表面処理剤で処理した酸化ホウ素は0.
1〜10重量部である。
【0060】ハロゲン系難燃剤および表面処理剤で処理
した酸化ホウ素の添加方法としては、特に限定されるも
のではない。例えば、あらかじめハロゲン系難燃剤およ
び酸化ホウ素をスチレン系樹脂等と混合し、押出機等の
加熱溶融手段に供給する方法、発泡剤を注入する前、注
入時、あるいは注入後に供給する等途中から供給する方
法などが挙げられる。
【0061】その他の添加剤については、必要に応じて
適宜配合量を調整して、ハロゲン系難燃剤と同様にして
添加することができる。
【0062】
【実施例】次に本発明の熱可塑性樹脂押出発泡体の製造
方法を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発
明はかかる実施例のみに制限されるものではない。な
お、特に断らない限り「部」は重量部を、「%」は重量
%を表す。
【0063】以下に示す実施例1〜7、比較例1〜4の
方法で得られた発泡体の特性として、1)発泡倍率、
2)独立気泡率、3)残存ガス量、4)熱伝導率、5)
燃焼性、6)発泡体を形成する気泡における、気泡径が
0.25mm以下の気泡(ここで気泡径が0.25mm
以下の気泡とは、円相当直径が0.25mm以下の気泡
とする)の、発泡体の断面積当たりの占有面積(以下、
小気泡占有面積という)を下記の方法にしたがって調べ
た。
【0064】1)発泡倍率:ポリスチレン樹脂のおおよ
その密度を1.05(g/cm3)として、次の式:発
泡倍率(倍)=1.05/発泡体の密度(g/cm3
に基づいて求めた。
【0065】2)独立気泡率:マルチピクノメーター
(ベックマンジャパン(株)製)を用い、ASTM D
−2856に準じて測定した。
【0066】3)残存ガス量:製造14日後の発泡体を
ガスクロマトグラフ(島津製作所製GC−14A)を使
用し、発泡体100gに対する残存量を分析した。
【0067】4)熱伝導率:JIS A 9511に準
じて測定した。測定には製造後14日経過した発泡体に
ついて行った。
【0068】5)燃焼性は、製造後14日経過した発泡
体についてJIS A9511に準じて評価し、下記の
基準に従い判定した。
【0069】 ◎:消炎時間が5本すべて3秒以内 ○:樹脂の消炎時間が5本すべて3秒以内であるが、発
泡剤の燃焼が若干見られる △:樹脂の消炎時間が5本すべて3秒以内であるが、発
泡剤の燃焼が試験片全体に見られる ×:消炎時間3秒を越える 6)小気泡占有面積 a)走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製、品番:S
−450)にて30倍に拡大して発泡体の縦断面を写真
撮影する。
【0070】b)撮影した写真の上にOHPシートを置
き、その上に厚さ方向の径が7.5mmよりも大きい気
泡(実寸法が0.25mmより大きい気泡に相当する)
に対応する部分を黒インキで塗りつぶして写しとる(一
次処理)。
【0071】c)画像処理装置((株)ピアス製、品
番:PIAS−II)に一次処理画像を取り込み、濃色部
分と淡色部分を、即ち黒インキで塗られた部分か否かを
識別する。
【0072】d)濃色部分のうち、直径7.5mm以下
の円の面積に相当する部分、即ち、厚さ方向の径は長い
が、面積的には直径7.5mm以下の円の面積にしかな
らない部分を淡色化して、濃色部分の補正を行う。
【0073】e)画像解析計算機能中の「FRACTA
REA(面積率)」を用い、画像全体に占める気泡径
7.5mm以下(濃淡で分割した淡色部分)の面積比を
次式により求める。 小気泡占有面積比(%)=(1−濃色部分の面積/画像
全体の面積)×100 実施例1 1)酸化ホウ素の表面処理 ヘンシェルミキサー(川田製作所製スーパーミキサーS
MG−20)に三酸化二ホウ素(ユーエスボラックス製
ボリックオキサイド)を3000g投入し、撹拌混合し
ながらメラミン樹脂(ハリマ化成製バンセミンSM−9
60、不揮発分61.9%品)388gを5分間かけて
投入した。その後さらに10分間撹拌混合を続けた。混
合終了後、アルミ製バットに取り出し、粒子ができるだ
け接触しないように広げた後、150℃で30分間熱硬
化させてメラミン樹脂により表面処理した三酸化二ホウ
素を得た。
【0074】2)発泡体の作製 次に、ポリスチレン樹脂(新日鐵化学(株)製、商品
名:エスチレンG−17、メルトインデックス(M
I):3.1)100部に対して、造核剤としてタルク
0.5部、ハロゲン系難燃剤としてヘキサブロモシクロ
ドデカン(HBCDと略す)3.0部、メラミン樹脂に
より表面処理した三酸化二ホウ素2.0部、ステアリン
酸バリウム0.25部、ベントナイト1.0部をドライ
ブレンドし、得られた樹脂混合物を口径65mmと口径
90mmのものを縦に連結した押出機へ約40kg/h
rの割合で供給した。前記口径65mmの押出機に供給
した樹脂混合物を、200℃に加熱して溶融ないし可塑
化、混練し、これに連結された口径90mmの押出機で
樹脂温度を120℃に冷却し、口径90mmの押出機の
先端に設けた厚さ方向2mm、幅方向50mmの長方形
断面の口金より大気中へ押し出し、直方体状の押出発泡
体を得た。このとき発泡剤として、i−ブタンをポリス
チレン樹脂100部に対して4.5部、水を0.7部と
なるように、それぞれ別のラインから、前記口径65m
mの押出機の先端付近(口径90mmの押出機の口金と
反対側の端部側に接続される側の端部)から前記樹脂中
に圧入した。得られた発泡体の特性を表1に示す。
【0075】実施例2 発泡体の作製において、メラミン樹脂により表面処理し
た三酸化二ホウ素量を5.0部とした以外は、実施例1
と同様の条件で表面処理酸化ホウ素および押出発泡体を
得た。得られた発泡体の特性を表1に示す。
【0076】実施例3 酸化ホウ素の表面処理において、メラミン樹脂に代わ
り、フェノール樹脂(大日本インキ化学工業製フェノラ
イトST−611−LV、有効成分70%)255gを
用い、発泡体作製において、フェノール樹脂により表面
処理した三酸化二ホウ素を用いた以外は、実施例1と同
様の条件で表面処理酸化ホウ素および押出発泡体を得
た。得られた発泡体の特性を表1に示す。
【0077】実施例4 1)酸化ホウ素の表面処理 ヘンシェルミキサー(川田製作所製スーパーミキサーS
MG−20)に三酸化二ホウ素(ユーエスボラックス製
ボリックオキサイド)を3000g投入し、撹拌混合し
ながらγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(東芝シリコーン製TSL8370)120gを5分間
かけて投入し、その後さらに10分間撹拌混合を続けて
表面処理を行った。
【0078】2)発泡体の作製 メラミン樹脂により表面処理した三酸化二ホウ素の代わ
りに、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
で表面処理した三酸化二ホウ素を用いた以外は、実施例
1の発泡体の作製と同様の条件で押出発泡体を得た。得
られた発泡体の特性を表1に示す。
【0079】実施例5 発泡剤として、i−ブタンをポリスチレン樹脂100部
に対して4.5部、水を0.7部の代わりに、 i−ブ
タンをポリスチレン樹脂100部に対して4.5部、ジ
メチルエーテルを1.5部、水を0.7部とした以外
は、実施例1と同様の条件で表面処理酸化ホウ素および
押出発泡体を得た。得られた発泡体の特性を表1に示
す。
【0080】実施例6 HBCDに代わり、テトラブロモビスフェノールA型エ
ポキシオリゴマーを用いた以外は実施例1と同様の条件
で表面処理酸化ホウ素および押出発泡体を得た。得られ
た発泡体の特性を表1に示す。
【0081】実施例7 HBCDに代わり、デカブロモジフェニルエタンを用い
た以外は実施例1と同様の条件で表面処理酸化ホウ素お
よび押出発泡体を得た。得られた発泡体の特性を表1に
示す。
【0082】
【表1】
【0083】比較例1 三酸化二ホウ素を添加しない以外は実施例1と同様の条
件で押出発泡体を得た。得られた発泡体の特性を表2に
示す。
【0084】比較例2 HBCDを添加しない以外は実施例1と同様の条件で表
面処理酸化ホウ素および押出発泡体を得た。得られた発
泡体の特性を表2に示す。
【0085】比較例3 三酸化二ホウ素を表面処理せずに用いた以外は実施例1
と同様の条件で押出発泡体を得た。得られた発泡体の特
性を表2に示す。
【0086】比較例4 発泡体作製時に水を用いなかった以外は、実施例1と同
様の条件で表面処理酸化ホウ素および押出発泡体を得
た。
【0087】
【表2】
【0088】
【発明の効果】本発明によれば、環境適合性に優れ、難
燃性に優れ、かつ断熱性の優れたスチレン系樹脂発泡体
を安定的に製造することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA32 AA63 AC16 AC32 AC33 AD01 AD05 AD10 AG10 BA34 BA36 BA37 BA38 BA39 BA75 CC04Y DA18 4J002 BB242 BC031 BG082 CD122 CG032 DK007 EB096 EB136 EC038 ED028 ED076 EE038 EH038 EJ056 EU026 FB097 FB167 FB267 FD132 FD136 FD137 FD328

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン系難燃剤、表面処理剤で処理し
    た酸化ホウ素を添加したスチレン系樹脂を加熱溶融さ
    せ、発泡剤として、炭素数が3〜5である1種以上の飽
    和炭化水素および水を該スチレン系樹脂に添加し、低圧
    域に押出発泡することを特徴とするスチレン系樹脂発泡
    体の製造方法。
  2. 【請求項2】 発泡体100重量部に対して、炭素数が
    3〜5である1種以上の飽和炭化水素の含有量が2〜1
    0重量部、かつ水の含有量が0.1〜4重量部である請
    求項1記載のスチレン系樹脂発泡体の製造方法。
  3. 【請求項3】 発泡体100重量部に対して、ハロゲン
    系難燃剤を0.1〜10重量部と、表面処理剤で処理し
    た酸化ホウ素を0.1〜10重量部とを含有する請求項
    1または2記載のスチレン系樹脂発泡体の製造方法。
  4. 【請求項4】 炭素数が3〜5である飽和炭化水素が、
    n−ブタンおよび/またはi−ブタンである請求項1〜
    3のいずれか1項記載のスチレン系樹脂発泡体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 表面処理剤の主たる構成成分が熱硬化性
    樹脂である請求項1〜4記載のいずれか1項記載のスチ
    レン系樹脂発泡体の製造方法。
  6. 【請求項6】 酸化ホウ素が三酸化二ホウ素である請求
    項1〜5記載のいずれか1項記載のスチレン系樹脂発泡
    体の製造方法。
  7. 【請求項7】 更にその他の発泡剤を含有する請求項1
    〜6記載のいずれか1項記載のスチレン系樹脂発泡体の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 その他の発泡体が、ジメチルエーテルで
    ある請求項7記載のスチレン系樹脂発泡体の製造方法。
JP2000140871A 1999-10-27 2000-05-12 スチレン系樹脂発泡体の製造方法 Pending JP2001323098A (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000140871A JP2001323098A (ja) 2000-05-12 2000-05-12 スチレン系樹脂発泡体の製造方法
CA002356917A CA2356917A1 (en) 1999-10-27 2000-10-26 Extruded styrene resin foams and methods for producing the same
CNB008024421A CN1247674C (zh) 1999-10-27 2000-10-26 苯乙烯系树脂挤出发泡体及其制造方法
EP00970087A EP1164158A4 (en) 1999-10-27 2000-10-26 EXTRUDED POLYSTYRENE FOAM AND PRODUCTION METHOD THEREFOR
CA002622370A CA2622370A1 (en) 1999-10-27 2000-10-26 Extruded styrene resin foams and methods for producing the same
PCT/JP2000/007489 WO2001030896A1 (fr) 1999-10-27 2000-10-26 Mousse en resine styrene extrudee et son procede de production
US09/868,637 US6569912B1 (en) 1999-10-27 2000-10-26 Extruded styrene resin foam and process for producing the same
NO20013200A NO20013200L (no) 1999-10-27 2001-06-26 Ekstrudert polystyrenskum og fremgangsmate for fremstilling av dette
US10/358,153 US6762212B2 (en) 1999-10-27 2003-02-05 Extruded styrene resin foams and methods for producing the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000140871A JP2001323098A (ja) 2000-05-12 2000-05-12 スチレン系樹脂発泡体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001323098A true JP2001323098A (ja) 2001-11-20

Family

ID=18648082

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000140871A Pending JP2001323098A (ja) 1999-10-27 2000-05-12 スチレン系樹脂発泡体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001323098A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6569912B1 (en) Extruded styrene resin foam and process for producing the same
JPWO2002051918A1 (ja) スチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法
JP5248041B2 (ja) 熱可塑性樹脂発泡体
JP5740177B2 (ja) スチレン系樹脂押出発泡体及びその製造方法
JP2006131719A (ja) 断熱性の改良された熱可塑性樹脂発泡体およびその製造方法
JP2001323098A (ja) スチレン系樹脂発泡体の製造方法
JP5642365B2 (ja) スチレン系樹脂押出発泡体
JP4053338B2 (ja) スチレン系樹脂発泡体およびその製造法
JP2009173771A (ja) スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法
JP3963618B2 (ja) スチレン系樹脂発泡体およびその製造方法
JP4031165B2 (ja) スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法
JP2022032685A (ja) 押出発泡法によるスチレン系樹脂発泡体の製造方法、及び製造される発泡体、並びに、製造方法に使用する発泡性樹脂組成物
JP4708315B2 (ja) 熱可塑性樹脂発泡体
JP2008163185A (ja) スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法
JP3976592B2 (ja) スチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法
JP2002194129A (ja) スチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法
JP2007154006A (ja) 断熱性の改良された熱可塑性樹脂発泡体およびその製造方法
JP2005054004A (ja) スチレン系樹脂発泡体及びその製造方法
JP4180350B2 (ja) スチレン系樹脂発泡体及びその製造方法
JP2009298850A (ja) スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法
JP4073129B2 (ja) スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法
JP4118125B2 (ja) スチレン系樹脂発泡体の製造方法及び発泡体
JP4474733B2 (ja) スチレン系樹脂発泡体の製造方法
JP2003342408A (ja) スチレン系樹脂発泡体およびその製造方法
JP2001316511A (ja) スチレン系樹脂発泡体の製造方法