JP2009298850A - スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法 - Google Patents

スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 環境適合性のある水および二酸化炭素を主発泡剤として使用し、建材及び産業資材用途に適合した強度、断熱性、難燃性および表面性を有した軽量のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法を提供する。
【解決手段】 スチレン系樹脂を加熱溶融させ、発泡剤を該スチレン系樹脂に添加し、ダイを通して押出発泡し、ダイに接続された押出成形金型を用いて成形して得られるスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法であって、発泡剤として、水および二酸化炭素よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む発泡剤を使用し、樹脂流動壁面に20〜3000μmのフッ素樹脂層を付設した押出成形金型を用い、金型温度を制御することにより、上記特性を有するスチレン系樹脂押出発泡体を安定的に得ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、建材および産業資材用断熱材などに使用される板状のスチレン系樹脂押出発泡体に関する。さらに詳しくは、環境適合性に優れ、かつ、良好な断熱性、強度物性、難燃性を有するスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
従来、スチレン系樹脂押出発泡体は、施工性、断熱特性の好適性から、建屋の断熱材として汎用されて来た。これらスチレン系樹脂押出発泡体を得るには、スチレン系樹脂を押出機にて加熱溶融し、途中、発泡剤を添加、混練して流動ゲルを得、該流動ゲルを発泡に適する温度に冷却した後、ダイを通して低圧領域に圧力開放して発泡させ、同時に、板状に成形して、発泡体を連続的に得る方法が一般的である。
スチレン系樹脂発泡体の発泡剤としては、従来、優れた断熱特性を得るために、フロン類や飽和炭化水素類が使用され、また、良好な機械的物性、発泡体寸法安定性および生産性を得るために、スチレン系樹脂に易透過性のガスである塩化メチル、塩化エチルに代表されるハロゲン化炭化水素を併用されていた。
しかし、近年、オゾン層破壊、地球温暖化、化学物質による大気や水質への影響、等の環境問題がクローズアップされてきている。例えば、フロン類に関しては、オゾン層破壊物質、地球温暖化物質として規制対象物質となり、その使用が困難な状況である。また、塩化メチル、塩化エチルについては、PRTR法における第1種指定物質として届出が義務づけられており、排出量が管理されている状況である。従って、少しでも環境に優しい発泡剤を使用することが望まれている。
これらの背景の下、環境適合性の面で非常に有効であり、また、発泡体難燃性の面でも不燃性であることから極めて有効である、水、二酸化炭素のような発泡剤を使いこなす検討がなされている。
例えば、主発泡剤として水および二酸化炭素を使用して、更に、発泡剤として炭素数1〜6のアルコールを含有させ、また、熱伝導率を低下させる為にカーボンブラックを含有させることにより、平均気泡サイズが0.05〜1.2mmに及ぶ比較的大きな一次気泡および、気泡サイズが一次気泡の平均気泡サイズの5〜50%にわたる比較的小さな二次気泡を有する発泡体を得る技術(特許文献1参照)が知られている。
しかしながら、水および二酸化炭素を主発泡剤として使用する場合、より安定的に軽量発泡体を得るには更なる改善が必要であった。
水は、クリーンな物質ではあるが、スチレン系樹脂押出発泡体の発泡剤として使用する場合、スチレン系樹脂との相溶性がほとんどない為、その使用量に制限があり、使用量が多すぎると、樹脂中に均一分散せず、安定して押出発泡することが不可能である、発泡体にボイドが発生するといった課題が存在した。本発明者らは、ベントナイト、ゼオライトのごとき有効な吸水性物質を水の分散媒体として添加することにより、押出機内で樹脂中に水を均一分散させることに成功し、水を発泡剤として有効利用できることを見出してきた(特許文献2〜3参照)。その結果、水の発泡剤としての使いこなしを実現し、環境に優しい発泡剤を使用しつつ、優れた断熱性能を有する発泡体の開発に成功してきた。ただし、更に経済的に発泡体を生産し、かつ、高発泡化して良好な発泡体を得ようとする場合、特に発泡体の良好な表面性を安定的に得ようとする場合には、改善が要望されていた。
一方、二酸化炭素は、フロン類、飽和炭化水素、ハロゲン化炭化水素類等の発泡剤に比較して、安全性、環境適合性に関しては優位な物質ではある。但し、スチレン系樹脂への相溶性が乏しい為、また、発泡体からのガス抜けが速いため、発泡体の良好な表面性を安定的に得ようとする場合には、成形技術の改良が要望されていた。
これらのように、環境に適合する発泡剤として水および二酸化炭素を使用する場合、断熱性能、強度物性、難燃性に優れ、特に表面性に優れた、軽量のスチレン系樹脂押出発泡体を安定して得る為の製造法については、更なる改良が待ち望まれている。
成形方法における改善策としては、フラットダイの出口に配置された成形金型として、上下面をポリテトラフルオロエチレン樹脂等のフッ素樹脂からなる板で構成されるものを使用する方法 (特許文献4参照)が開示されている。しかしながら、成形体の表面性改善には未だ不十分であった。
特表平7−507592号公報 特開2001−200087号公報 特開2004−182784号公報 特開2005−8739号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、水および二酸化炭素を主発泡剤として使用して、優れた断熱性能、強度物性、難燃性および表面性を持ち合わせた軽量なスチレン系樹脂押出発泡体を得る為の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題解決の為、主発泡剤として水および二酸化炭素を有効利用する技術、特に成形方法を主に検討してきた。その結果、ダイと密着または接して設置する板状成形する為の押出成形金型における、押出発泡された樹脂溶融組成物が接する壁面(以降、「樹脂流動壁面」と称する場合がある)のフッ素樹脂層の施工状態による滑り性と金型温度を適正条件に設定することが極めて有効であることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、
[1] スチレン系樹脂を加熱溶融させ、発泡剤を該スチレン系樹脂に添加し、ダイを通して押出発泡し、ダイに接続された押出成形金型を用いて成形して得られるスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法であって、発泡剤として、水および二酸化炭素よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む発泡剤を使用し、押出成形金型として、押出発泡された後の樹脂溶融組成物が接する壁面に20〜3000μmのフッ素樹脂層を付設してなる押出成形金型を使用し、かつ、押出成形金型の金型温度T(℃)を、スチレン系樹脂のビカット軟化温度t(℃)に対して、(t−50)≦T≦(t+30)とすることを特徴とする、スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法、
[2] 水および二酸化炭素発泡剤の合計量が、スチレン系樹脂100重量部に対して0.2〜7重量部、使用する発泡剤全量に対する水および二酸化炭素の合計量のmol比率が、40〜100mol%であることを特徴とする、[1]に記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法、
[3] 水および二酸化炭素以外の発泡剤が、エーテルおよび炭素数が3〜5の飽和炭化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、[1]または[2]に記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法、および
[4] 発泡体の密度が20〜200kg/mであり、かつ、厚みが5〜100mmであることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法
に関する。
本発明により、環境適合性に優れた水および二酸化炭素を含む発泡剤を用いた場合でも、押出成形金型の樹脂流動面状態および金型温度を最適条件に設定することにより、建材および産業資材用途に適正な強度、断熱性、難燃性を有し、かつ、表面性に優れる、軽量なスチレン系樹脂押出発泡体を安定的に得ることができる。
本発明のスチレン系樹脂発泡体の製造方法は、スチレン系樹脂に各種添加剤を混合した後、押出機に供給して加熱溶融し、更に押出機内にて、圧入された水および二酸化炭素を含む発泡剤と共に高温高圧下で混合混練を行い、スチレン系樹脂溶融組成物(流動ゲル)とし、該流動ゲルを冷却用押出機により押出発泡に適する樹脂温度まで冷却した後、スリットダイを通して低圧領域に押出発泡して、さらに、ダイに接続された押出成形金型を用いて成形することにより、板状発泡体を得る方法をとる。
本発明の発泡体の成形方法は、押出成形用に使用される開口部が直線上のスリット形状を有するスリットダイより圧力開放して得られた発泡体を、スリットダイと密着または接して設置した押出成形金型および、該成形金型の下流側に隣接して設置した成形ロールなどを用いて、断面積の大きい板状発泡体を成形する方法が用いられる。
本発明の製造方法に用いられる押出成形金型は、平行あるいは入口から出口に向かって緩やかに拡大するよう設置された上下2枚の板状物により構成されるものであり、必要に応じて、上記板状物の両端部に、垂直方向の2枚の板状物が設置してもよい。
本発明の製造方法においては、押出成形金型の流動面性状の調整と金型温度の調整により、所望する発泡体の断面形状、発泡体表面性、発泡体品質を有するポリスチレン系発泡体を得ることができる。
本発明の製造方法に用いられる押出成形金型としては、可塑性、溶解性に乏しい水および二酸化炭素を主発泡剤として使用する際に生じる発泡体の表面性(スキン状態)の悪化を防止する観点より、押出発泡された樹脂溶融組成物が接する壁面(樹脂流動壁面)に20〜3000μmのフッ素樹脂層を付設されたものが好ましく、25〜2000μmのフッ素樹脂層を付設されたものがより好ましい。フッ素樹脂層の付設量が20μmより少ないと、水および二酸化炭素を含有する発泡剤を使用する際に生じる発泡体の表面性の悪化を防止することが困難になる傾向にある。フッ素樹脂層の付設量が3000μmを超える場合、フッ素樹脂層の熱変形、凹凸が発生し金型壁面のフラット性が維持しにくくなり良好な発泡体表面が得られなくなる傾向にある。
本発明におけるフッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、四フッ化エチレン・六フッ化ポリプロピレン共重合体、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂 等が挙げられ、樹脂との滑り性の観点から、ポリテトラフルオロエチレン樹脂が好ましい。
フッ素樹脂層の付設方法は、金型壁面へのコーティング施工のような方法、プレート形態のフッ素樹脂を埋設する方法等、どのような方法でもよい。
本発明の製造方法においては、押出成形金型の金型温度Tを制御することにより、特に使用するスチレン系樹脂のビガット軟化温度と関連して極めて緻密なコントロールにより制御することにより、可塑性、溶解性に乏しい水および二酸化炭素を主発泡剤として使用する際に生じる発泡体の表面性悪化を抑制することができる。
本発明の製造方法における押出成形金型の金型温度T(℃)は、使用するスチレン系樹脂のビカット軟化温度t(℃)に対して、(t−50)≦T≦(t+30)で制御することが好ましく、(t−40)≦T≦(t+20)で制御することがより好ましい。押出成形金型温度T(℃)がt−50(℃)より低いと、発泡体のスキン層が伸びづらくなり、表面性の悪化を防止することが困難になる傾向にある。押出成形金型温度T(℃)がt+30(℃)より高いと、発泡体のスキン層が軟化、気泡(セル)が破泡し、表面性の悪化を防止することが困難になる傾向にある。
なお、金型温度とは、成形金型における、押出発泡された後の溶融樹脂組成物が接している領域(以降、「樹脂流動面」と称する場合がある)近傍での金型表面温度を、接触型温度計を使用して測定した温度である。すなわち、押出成形金型温度は、図1に示すように、成形金型の下板において、成形金型の最後端から5cm、樹脂流動面の左端部から5cmの位置に、接触型温度計を設置して、測定した値である。
本発明の製造方法における発泡体の密度は、建材および産業資材用途に重要な軽量性を備え、かつ、優れた断熱性および強度を付与せしめるためには、20〜200kg/mであることが好ましく、25〜100kg/mであることがより好ましい。
本発明の製造方法における発泡体の厚みは好ましくは5〜100mmであり、より好ましくは20〜100mmである。
本発明で得られるスチレン系樹脂発泡体における平均気泡径は、優れた断熱性や適正な強度を保有する観点より、0.1〜1.0mmが好ましく、0.15〜0.6mmがより好ましい。
本発明の製造方法において使用されるスチレン系樹脂の組成は、特に限定されるものではなく、スチレン単量体のみから得られるスチレンホモポリマー、スチレン単量体とスチレンと共重合可能な単量体あるいはその誘導体から得られるランダム、ブロックあるいはグラフト共重合体、後臭素化ポリスチレン、ゴム強化ポリスチレンなどの変性ポリスチレンなどが挙げられる。これらは単独あるいは2種以上混合して使用することができる。
スチレンと共重合可能な単量体としては、メチルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、トリブロモスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレンなどのスチレン誘導体、ジビニルベンゼンなどの多官能性ビニル化合物、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリロニトリルなどの(メタ)アクリル系化合物、ブダジエンなどのジエン系化合物あるいはその誘導体、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸無水物などが挙げられる。これらは、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用しても良い。
本発明の製造方法におけるスチレン系樹脂としては、加工性の面から、スチレンホモポリマーが好ましい。
本発明の製造方法においては、主発泡剤として水および二酸化炭素よりなる群から選ばれる少なくとも1種を使用することを特徴とする。
本発明の製造方法における水の使用量は、安定的な発泡体の製造、外観など良好な品質の発泡体を得る観点から、スチレン系樹脂100重量部に対して0.2〜5重量部とすることが好ましく、0.5〜4重量部とすることがより好ましい。水の使用量が0.2重量部より少ないと、高発泡倍率化が困難になる傾向にある。水の添加量が5重量部を超える場合、スチレン系樹脂への分散、吸収が許容範囲を超え、ダイからのガスの噴出し等が発生して良好な発泡体が得られなくなる傾向にある。
本発明の製造方法における二酸化炭素の使用量は、スチレン系樹脂100重量部に対して0.2〜7重量部とするのが好ましく、0.5〜6重量部とすることがより好ましい。二酸化炭素の使用量が0.2重量部より少ないと、高発泡倍率化が困難になる傾向にある。二酸化炭素の使用量が7重量部を超える場合、スチレン系樹脂への分散、吸収が許容範囲を超え、ダイからのガスの噴出し等が発生し、良好な発泡体が得られなくなる傾向にある。
本発明の製造方法においては、特に、水および二酸化炭素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の合計量を、使用発泡剤全量に対するmol比率として40〜100mol%とすることが、環境適合性の観点から好ましく、50〜100mol%がより好ましい。
本発明の製造方法における水および二酸化炭素以外の発泡剤としては、エーテルおよび、炭素数が3〜5の飽和炭化水素の少なくとも1種からなる発泡剤を使用することが可能である。これらの非ハロゲン発泡剤は、より安定的に軽量化でき、断熱性、寸法安定性の発泡体品質をより向上させるのに効果的である。
本発明の製造方法におけるエーテルとしては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテルなどが挙げられ、発泡性、発泡成形性、安定性の点から、ジメチルエーテルが好ましい。
本発明の製造方法における炭素数3〜5の飽和炭化水素としては、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタンなどが挙げられる。炭素数3〜5の飽和炭化水素のなかでは、発泡性と発泡体の断熱性能の点からn−ブタン、i−ブタン、n−ブタンとi−ブタンの混合物が好ましく、特に好ましくはn−ブタンとi−ブタンの混合物である。
本発明の製造方法における使用発泡剤全量としては、発泡倍率の設定値などに応じて適宜かわるものではあるが、発泡体密度20〜200kg/mの軽量発泡体を得ようとした場合、スチレン系樹脂100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましく、1〜9重量部がより好ましい。使用発泡剤全量が0.5重量部未満では、発泡倍率が低く、樹脂発泡体としての軽量、断熱などの特性が発揮されにくい場合があり、一方、10重量部を超えると、発泡体中にボイドなどの不良を生じる傾向がある。
本発明の製造方法では、さらに、以下に示すような発泡剤を少量使用することもできる。例えば、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルn−プロピルケトン、メチルn−ブチルケトン、メチルi−ブチルケトン、メチルn−アミルケトン、メチルn−ヘキシルケトン、エチルn−プロピルケトン、エチルn−ブチルケトン等のケトン類;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール類;蟻酸メチルエステル、蟻酸エチルエステル、蟻酸プロピルエステル、蟻酸ブチルエステル、蟻酸アミルエステル、プロピオン酸メチルエステル、プロピオン酸エチルエステル等のカルボン酸エステル類;窒素などの無機発泡剤;アゾ化合物などの化学発泡剤などを用いることができる。
本発明の製造方法においては、水および二酸化炭素の吸着剤または分散剤として、ベントナイトまたはゼオライトを使用することができる。
ベントナイトとしては、例えば、天然ベントナイト、精製ベントナイト、有機化ベントナイト等が挙げられ、ゼオライトとしては、例えば、天然ゼオライト、合成ゼオライト等が挙げられる。
本発明の製造方法におけるベントナイトまたはゼオライトの使用量は、100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.15〜10重量部がより好ましい。
本発明の製造方法においては、用途における要求に応えるために難燃剤を使用することが好ましい。
本発明の製造方法において使用される難燃剤として、ハロゲン系難燃剤から選ばれる少なくとも1種を用いることが更に好ましい。さらに、リン酸エステル系化合物、窒素含有化合物、等を共存させてもよい。
本発明製造方法において使用されるハロゲン系難燃剤としては、例えば、臭素系難燃剤として、ヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモシクロオクタン、ジブロモネオペンチルグリコール、トリブロモネオペンチルアルコール、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート、トリス(2、3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、テトラブロモエタンなどの脂肪族あるいは脂環式炭化水素の臭素化物、ヘキサブロモベンゼン、エチレンビスペンタブロモジフェニル、デカブロモジフェニルエタン、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、2,3−ジブロモプロピルペンタブロモフェニルエーテルなどの芳香族化合物の臭素化物、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テトラブロモビスフェノールA(2−ブロモエチルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAビス(アリルエーテル)、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルとトリブロモフェノールとの付加物などの臭素化ビスフェノール類およびその誘導体、テトラブロモビスフェノールAポリカーボネートオリゴマー、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルとブロモ化ビスフェノールとの付加物のエポキシオリゴマーなどの臭素化ビスフェノール類誘導体オリゴマー、エチレンビステトラブロモフタルイミド、ビス(2,4,6ートリブロモフェノキシ)エタンなどの臭素系芳香族化合物、臭素化アクリル系樹脂、エチレン−ビスジブロモノルボルナンジカルボキシイミドなどがあげられる。塩素系難燃剤として、塩素化パラフィン、塩素化ナフタレン、パークロロペンタデカンなどの塩素化脂肪族化合物、塩素化芳香族化合物、塩素化脂環式化合物などがあげられる。中でも、難燃性の点から臭素系難燃剤が好ましく、特にスチレン系樹脂との相溶性などの点からヘキサブロモシクロドデカン、テトラブロモシクロオクタン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、ジブロモネオペンチルグリコール、テトラブロモビスフェノールAビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)が好ましくい。
本発明の製造方法における難燃剤の使用量は、スチレン系樹脂100重量部に対して、1.5〜4重量部が好ましく、1.5〜2.5重量部がより好ましい。ハロゲン系難燃剤の使用量が前記未満では、難燃性が得られがたい傾向があり、一方、前記範囲を超えると、発泡体のガラス転移温度が低下し、耐熱性が低下する傾向がある
本発明の製造方法においては、以下のような加工助剤を使用することができる。加工助剤の具体例としては、シリカ、タルク、ケイ酸カルシウム、ワラストナイト、カオリン、クレイ、マイカ、酸化亜鉛、酸化チタン、炭酸カルシウムなどの無機化合物、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、流動パラフィン、オレフィン系ワックス、ステアリルアミド系化合物などが挙げられる。
本発明の製造方法において使用される安定剤としては、フェノール系抗酸化剤、リン系安定剤、ベンゾトリアゾール類、ヒンダードアミン類などの耐光性安定剤が使用される。
次に本発明のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法を実施例に基づいて、さらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
押出金型樹脂流動壁面フッ素樹脂層、スチレン系樹脂のビガット軟化温度、押出成形金型温度は下記の方法に従って調べた。
発泡体表面性、発泡体断面プロファイル、発泡体密度、発泡体平均気泡径、発泡体熱伝導率、発泡体燃焼性の発泡体物性を、下記の方法にしたがって調べた。
(1) 押出金型樹脂流動壁面フッ素樹脂層(μm)
使用する押出金型樹脂流動壁面に電磁式膜厚計を接触させフッ素樹脂層の厚みを求めた。
(2) スチレン系樹脂のビガット軟化温度(℃)
使用するスチレン系樹脂をJIS-K7206(50N荷重)に準じて測定し求めた。
(3)押出成形金型温度T(℃)
押出成形金型温度は、図1に示すように、成形金型の下板において、成形金型の最後端から5cm、樹脂流動面の左端部から5cmの位置に、接触型温度計(株式会社佐藤計量器製作所製、デジタル温度計)を設置して、測定した値である。
(4)発泡体表面性
次の内容で評価した。
○ :発泡体表面にワレ、亀裂、窪み、ボイドがなく、良好な発泡体が安定して得られて いる。得られる発泡体の断面プロファイルが一定している。
△ :発泡体表面にワレ、亀裂、窪み、ボイド等が時々みられるが、得られる発泡体の断 面プロファイルは一定している。
× :発泡体表面にワレ、亀裂、窪み、ボイド等があり、粗悪な発泡体。安定して発泡体が得られない。
(5)発泡体断面プロファイル
得られた発泡体断面の厚み方向寸法および幅方向寸法を、ノギスを用いて測定した。
なお、厚み方向寸法に関しては、幅方向両端部および幅方向中心部の3点での測定値の平均値として求めた。
(6)発泡体密度(kg/m
発泡体密度は、次の式に基づいて求め、単位をkg/mに換算して示した。
発泡体密度(g/cm)=発泡体重量(g)/発泡体体積(cm
本測定では、発泡体(厚み:約25〜30mm、幅:約150mm)の幅方向中心部にて、製品厚み×幅100mm×長さ100mmのサンプルを切り出し、密度を測定し、3点での平均値として求めた。
(7)平均気泡径(mm)
得られた発泡体における、厚み方向・幅方向・押出方向の各方向の気泡径を、ASTM D−3576に準じて測定した。
すなわち、得られた発泡体の幅方向の断面を50〜100倍に拡大投影して、厚み方向での平均気泡径(HD)および幅方向での平均気泡径(TD)を測定する。次に押出方向の断面を拡大投影して、押出方向での平均気泡径(MD)を測定した。
平均気泡径は、各方向での平均気泡径の積の3乗根として、以下の式より算出した。
平均気泡径=(HD×TD×MD)1/3
(8)発泡体熱伝導率(W/mK)
製造後7日経過したスチレン系樹脂押出発泡体の熱伝導率を、JIS A9511に準じて測定した。
(9)発泡体圧縮強度(N/cm
製造後7日経過した発泡体について、発泡体圧縮強度を測定した。発泡体製品の任意の位置からサンプルサイズ25mm×25mm×25mmを切り出し測定し、n=3の平均値で求めた。測定方法はJIS A9511 押出法ポリスチレンフォーム保温板に準じた。
(10)発泡体燃焼性
JIS A9511 押出法ポリスチレンフォーム保温板に準じて測定した。測定は製造後7日経過した発泡体について行った。3秒以内に炎が消えて、残じんがなく、燃焼限界指示線を超えて燃焼しないことの基準を満たしておれば、○(合格)とし、この基準に達しない場合は、×(不合格)とした。
(実施例1)
押出プロセスとして、第1押出機(溶融混練用φ65mm単軸押出機)−第2押出機(冷却混合用φ90mm単軸押出機)−第3押出機(冷却混合用φ150mm単軸押出機)を使用した。
ポリスチレン樹脂として、大日本インキ化学工業(株)製、商品名:HP500M(ビガット軟化温度102℃、MFR=2.8g/10分)を使用し、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、水分散剤としてゼオライト5.0重量部、ハロゲン系難燃剤としてヘキサブロモシクロドデカン(以下、「HBCD」と略称する)2.0重量部、造核剤としてタルク0.2重量部、及び、滑剤としてステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドした後、これらの樹脂混合物を押出機へ供給した。第1押出機に供給した樹脂混合物を、約200℃に加熱して溶融混練し、発泡剤としてポリスチレン樹脂100重量部に対して、水1.0重量部、二酸化炭素3.0重量部、ジメチルエーテル3.0重量部を、第1押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、第1押出機に連結された第2押出機、第3押出機で混練しながら冷却し、第3押出機の先端に設けたスリットダイより、発泡樹脂温度約110〜140℃にて大気中へ押出発泡させた後、スリットダイに密着させて設置した押出成形金型およびその下流側に設置した成形ロールにより板状成形を行った。
使用した押出成形金型の樹脂流動面でのフッ素樹脂層は30μm、押出成形金型温度は100℃の条件を設定した結果、厚み30mm×幅150mmである断面形状の押出発泡板を得た。発泡体表面にワレ、亀裂、窪み、ボイドがなく、良好な発泡体が安定して得られた。
得られた発泡体は、発泡体密度が41kg/m、平均気泡径0.42mmの発泡体であった。得られた発泡体の熱伝導率は0.034W/mK、圧縮強度は35N/cm、燃焼性についてはJIS A 9511の基準を満たしていた。
(実施例2)
押出プロセスは、実施例1と同様のプロセスを使用した。
ポリスチレン樹脂として、大日本インキ化学工業(株)製、商品名:XC515(ビガット軟化温度103℃、MFR=1.5g/10分)を使用し、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、水分散剤としてベントナイト5.0重量部、ハロゲン系難燃剤としてHBCD2.0重量部、造核剤としてタルク0.2重量部、及び、滑剤としてステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドした後、これらの樹脂混合物を押出機へ供給した。第1押出機に供給した樹脂混合物を、約200℃に加熱して溶融混練し、発泡剤としてポリスチレン樹脂100重量部に対して、水1.5重量部、二酸化炭素4.0重量部を、第1押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、第1押出機に連結された第2押出機、第3押出機で混練しながら冷却し、第3押出機の先端に設けたスリットダイより、発泡樹脂温度約110〜140℃にて大気中へ押出発泡させた後、スリットダイに密着させて設置した押出成形金型およびその下流側に設置した成形ロールにより板状成形を行った。
使用した押出成形金型の樹脂流動面でのフッ素樹脂層は50μm、押出成形金型温度は90℃の条件を設定した結果、厚み25mm×幅150mmである断面形状の押出発泡板を得た。発泡体表面にワレ、亀裂、窪み、ボイドがなく、良好な発泡体が安定して得られた。
得られた発泡体は、発泡体密度が44kg/m、平均気泡径0.31mmの発泡体であった。得られた発泡体の熱伝導率は0.034W/mK、圧縮強度は44N/cm、燃焼性についてはJIS A 9511の基準を満たしていた。
(実施例3)
押出プロセスは、実施例1と同様のプロセスを使用した。
ポリスチレン樹脂として、PSジャパン(株)製、商品名:G9401(ビガット軟化温度103℃、MFR=2.2g/10分)を使用し、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、水分散剤としてベントナイト5.0重量部、ハロゲン系難燃剤としてHBCD2.0重量部、造核剤としてタルク0.2重量部、及び、滑剤としてステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドした後、これらの樹脂混合物を押出機へ供給した。第1押出機に供給した樹脂混合物を、約200℃に加熱して溶融混練し、発泡剤としてポリスチレン樹脂100重量部に対して、水1.0重量部、二酸化炭素4.0重量部、イソブタン1.5重量部、ジメチルエーテル2.0重量部を、第1押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、第1押出機に連結された第2押出機、第3押出機で混練しながら冷却し、第3押出機の先端に設けたスリットダイより、発泡樹脂温度約110〜140℃にて大気中へ押出発泡させた後、スリットダイに密着させて設置した押出成形金型およびその下流側に設置した成形ロールにより板状成形を行った。
使用した押出成形金型の樹脂流動面でのフッ素樹脂層は100μm、押出成形金型温度は80℃の条件を設定した結果、厚み30mm×幅150mmである断面形状の押出発泡板を得た。発泡体表面にワレ、亀裂、窪み、ボイドがなく、良好な発泡体が安定して得られた。
得られた発泡体は、発泡体密度が36kg/m、平均気泡径0.34mmの発泡体であった。得られた発泡体の熱伝導率は0.030W/mK、圧縮強度は32N/cm、燃焼性についてはJIS A 9511の基準を満たしていた。
(実施例4)
押出プロセスは、実施例1と同様のプロセスを使用した。
ポリスチレン樹脂として、PSジャパン(株)製、商品名:679(ビガット軟化温度87℃、MFR=18g/10分)を使用し、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、水分散剤としてゼオライト5.0重量部、ハロゲン系難燃剤としてHBCD2.0重量部、造核剤としてタルク0.2重量部、及び、滑剤としてステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドした後、これらの樹脂混合物を押出機へ供給した。第1押出機に供給した樹脂混合物を、約200℃に加熱して溶融混練し、発泡剤としてポリスチレン樹脂100重量部に対して、水1.0重量部、二酸化炭素3.0重量部、ジメチルエーテル3.0重量部を、第1押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、第1押出機に連結された第2押出機、第3押出機で混練しながら冷却し、第3押出機の先端に設けたスリットダイより、発泡樹脂温度約110〜140℃にて大気中へ押出発泡させた後、スリットダイに密着させて設置した押出成形金型およびその下流側に設置した成形ロールにより板状成形を行った。
使用した押出成形金型の樹脂流動面でのフッ素樹脂層は3000μm(フッ素樹脂プレートを挿入した形式)、押出成形金型温度は70℃の条件を設定した結果、厚み25mm×幅150mmである断面形状の押出発泡板を得た。発泡体表面にワレ、亀裂、窪み、ボイドがなく、良好な発泡体が安定して得られた。
得られた発泡体は、発泡体密度が34kg/m、平均気泡径0.42mmの発泡体であった。得られた発泡体の熱伝導率は0.034W/mK、圧縮強度は34N/cm、燃焼性についてはJIS A 9511の基準を満たしていた。
(比較例1)
押出プロセスは、実施例1と同様のプロセスを使用した。
ポリスチレン樹脂として、大日本インキ化学工業(株)製、商品名:HP500M(ビガット軟化温度102℃、MFR=2.8g/10分)を使用し、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、水分散剤としてゼオライト5.0重量部、ハロゲン系難燃剤としてHBCD2.0重量部、造核剤としてタルク0.2重量部、及び、滑剤としてステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドした後、これらの樹脂混合物を押出機へ供給した。第1押出機に供給した樹脂混合物を、約200℃に加熱して溶融混練し、発泡剤としてポリスチレン樹脂100重量部に対して、水1.0重量部、二酸化炭素3.0重量部、ジメチルエーテル3.0重量部を、第1押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、第1押出機に連結された第2押出機、第3押出機で混練しながら冷却し、第3押出機の先端に設けたスリットダイより、発泡樹脂温度約110〜140℃にて大気中へ押出発泡させた後、スリットダイに密着させて設置した押出成形金型およびその下流側に設置した成形ロールにより板状成形を行った。
使用した押出成形金型の樹脂流動面にはフッ素樹脂層を設けず、押出成形金型温度は100℃の条件を設定した結果、発泡体表面にワレ、亀裂、窪み、ボイド等があり、粗悪な発泡体で安定して発泡体が得られなかった。
(比較例2)
押出プロセスは、実施例1と同様のプロセスを使用した。
ポリスチレン樹脂として、大日本インキ化学工業(株)製、商品名:HP500M(ビガット軟化温度102℃、MFR=2.8g/10分)を使用し、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、水分散剤としてゼオライト5.0重量部、ハロゲン系難燃剤としてHBCD2.0重量部、造核剤としてタルク0.2重量部、及び、滑剤としてステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドした後、これらの樹脂混合物を押出機へ供給した。第1押出機に供給した樹脂混合物を、約200℃に加熱して溶融混練し、発泡剤としてポリスチレン樹脂100重量部に対して、水1.0重量部、二酸化炭素3.0重量部、ジメチルエーテル3.0重量部を、第1押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、第1押出機に連結された第2押出機、第3押出機で混練しながら冷却し、第3押出機の先端に設けたスリットダイより、発泡樹脂温度約110〜140℃にて大気中へ押出発泡させた後、スリットダイに密着させて設置した押出成形金型およびその下流側に設置した成形ロールにより板状成形を行った。
使用した押出成形金型の樹脂流動面でのフッ素樹脂層は10μm、押出成形金型温度は100℃の条件を設定した結果、厚み30mm×幅150mmである断面形状の押出発泡板を得た。ただし、発泡体表面にワレ、亀裂、窪み、ボイド等が時々みられた。
得られた発泡体は、発泡体密度が40kg/m、平均気泡径0.42mmの発泡体であった。得られた発泡体の熱伝導率は0.035W/mK、圧縮強度は35N/cm、燃焼性についてはJIS A 9511の基準を満たしていた。
(比較例3)
押出プロセスは、実施例1と同様のプロセスを使用した。
ポリスチレン樹脂として、大日本インキ化学工業(株)製、商品名:HP500M(ビガット軟化温度102℃、MFR=2.8g/10分)を使用し、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、水分散剤としてゼオライト5.0重量部、ハロゲン系難燃剤としてHBCD2.0重量部、造核剤としてタルク0.2重量部、及び、滑剤としてステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドした後、これらの樹脂混合物を押出機へ供給した。第1押出機に供給した樹脂混合物を、約200℃に加熱して溶融混練し、発泡剤としてポリスチレン樹脂100重量部に対して、水1.0重量部、二酸化炭素3.0重量部、ジメチルエーテル3.0重量部を、第1押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、第1押出機に連結された第2押出機、第3押出機で混練しながら冷却し、第3押出機の先端に設けたスリットダイより、発泡樹脂温度約110〜140℃にて大気中へ押出発泡させた後、スリットダイに密着させて設置した押出成形金型およびその下流側に設置した成形ロールにより板状成形を行った。
使用した押出成形金型の樹脂流動面でのフッ素樹脂層は30μm、押出成形金型温度は40℃の条件を設定した結果、厚み30mm×幅150mmである断面形状の押出発泡板を得た。ただし、発泡体表面にワレ、亀裂、窪み、ボイド等が時々みられた。
得られた発泡体は、発泡体密度が43kg/m、平均気泡径0.38mmの発泡体であった。得られた発泡体の熱伝導率は0.034W/mK、圧縮強度は36N/cm、燃焼性についてはJIS A 9511の基準を満たしていた。
(比較例4)
押出プロセスは、実施例1と同様のプロセスを使用した。
ポリスチレン樹脂として、大日本インキ化学工業(株)製、商品名:HP500M(ビガット軟化温度102℃、MFR=2.8g/10分)を使用し、ポリスチレン樹脂100重量部に対して、水分散剤としてゼオライト5.0重量部、ハロゲン系難燃剤としてHBCD2.0重量部、造核剤としてタルク0.2重量部、及び、滑剤としてステアリン酸バリウム0.25重量部をドライブレンドした後、これらの樹脂混合物を押出機へ供給した。第1押出機に供給した樹脂混合物を、約200℃に加熱して溶融混練し、発泡剤としてポリスチレン樹脂100重量部に対して、水1.0重量部、二酸化炭素3.0重量部、ジメチルエーテル3.0重量部を、第1押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、第1押出機に連結された第2押出機、第3押出機で混練しながら冷却し、第3押出機の先端に設けたスリットダイより、発泡樹脂温度約110〜140℃にて大気中へ押出発泡させた後、スリットダイに密着させて設置した押出成形金型およびその下流側に設置した成形ロールにより板状成形を行った。
使用した押出成形金型の樹脂流動面でのフッ素樹脂層は30μm、押出成形金型温度は150℃の条件を設定した結果、厚み30mm×幅150mmである断面形状の押出発泡板を得た。ただし、発泡体表面にワレ、亀裂、窪み、ボイド等が時々みられた。
得られた発泡体は、発泡体密度が39kg/m、平均気泡径0.44mmの発泡体であった。得られた発泡体の熱伝導率は0.035W/mK、圧縮強度は33N/cm、燃焼性についてはJIS A 9511の基準を満たしていた。
前記実施例1〜4および比較例1〜4で得られた結果をまとめて、表1に示す。
金型温度の測定箇所を示す模式図である。
符号の説明
1 成形金型の上板
2 成形金型の下板
3 溶融発泡樹脂
4 金型温度の接触温度計での測定箇所(成形金型の最後端から5cm、樹脂流動面の左端部から5cmの位置)

Claims (4)

  1. スチレン系樹脂を加熱溶融させ、発泡剤を該スチレン系樹脂に添加し、ダイを通して押出発泡し、ダイに接続された押出成形金型を用いて成形して得られるスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法であって、発泡剤として、水および二酸化炭素よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む発泡剤を使用し、押出成形金型として、押出発泡された後の樹脂溶融組成物が接する壁面に20〜3000μmのフッ素樹脂層を付設してなる押出成形金型を使用し、かつ、押出成形金型の金型温度T(℃)を、スチレン系樹脂のビカット軟化温度t(℃)に対して、(t−50)≦T≦(t+30)とすることを特徴とする、スチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
  2. 水および二酸化炭素の合計量が、スチレン系樹脂100重量部に対して0.2〜7重量部であり、使用する発泡剤全量に対する水および二酸化炭素の合計量のmol比率が、40〜100mol%であることを特徴とする、請求項1に記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
  3. 水および二酸化炭素以外の他の発泡剤が、エーテルおよび炭素数が3〜5の飽和炭化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1または2に記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
  4. 発泡体の密度が20〜200kg/mであり、かつ、厚みが5〜100mmであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
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JP2013166880A (ja) * 2012-02-16 2013-08-29 Jsp Corp ポリスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法

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