JP5042653B2 - 熱可塑性樹脂発泡体 - Google Patents
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Description
スリットダイを通して該ゲル状物質をより低圧の領域に押出す工程、および、スリットダイと密着または接して設置した成形金型を用い附形して押出発泡体を形成する工程を含む、熱可塑性樹脂押出発泡体の製造方法において、冷却工程の出口での該ゲル状物質の樹脂温度を特定温度に制御すること、押出発泡体を形成する工程において、押出発泡体表面と成形金型との抵抗を低減させること、および発泡体を成型金型において徐冷することによって、難燃剤とアンチモン化合物との相乗効果で難燃性が優れ、かつ難燃剤の使用量を著しく減少させられることにより、物性低下の極めて少ない熱可塑性樹脂発泡体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
[1]芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位およびN−アルキル置換マレイミド単位からなる共重合体(A)50〜90重量%および、芳香族ビニル単位およびシアン化ビニル単位からなる共重合体(B)50〜10重量%からなる熱可塑性樹脂混合物100重量部に対して、
5%熱重量減少開始温度が270℃以上、かつ、融点もしくは軟化点が150℃以上の臭素系難燃剤から選ばれる少なくとも1種の難燃剤を3〜10重量部、および、難燃助剤としてアンチモン化合物を0.1〜5重量部含有してなる熱可塑性樹脂組成物を加熱溶融させ、発泡剤を添加し、発泡可能なゲル状物質となす工程、
該ゲル状物質を冷却する工程、
スリットダイを通して該ゲル状物質をより低圧の領域に押出す工程、および
スリットダイと密着または接して設置した成形金型を用い附形して押出発泡体を形成する工程を含む、発泡体の厚みが10〜150mmである熱可塑性樹脂押出発泡体の製造方法であって、
上記冷却工程の出口での該ゲル状物質の樹脂温度が、該熱可塑性樹脂混合物のガラス転移温度に対して20〜70℃高い温度であること、上記押出発泡体を形成する工程において、押出発泡体表面と成形金型との抵抗を低減させること、および発泡体を成型金型において徐冷することを特徴とする、熱可塑性樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
さらに、本発明は、[2]ダイ温度が、上記樹脂温度に対して5〜50℃低い温度であることを特徴とする、[1]に記載の熱可塑性樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
さらに、本発明は、[3]表面抵抗の少ない素材を押出発泡体表面と成形金型との界面に設置することで押出発泡体と成形金型との抵抗を低減させることを特徴とする、[1]または[2]に記載の熱可塑性樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
さらに、本発明は、[4]成形金型を温度調節することで発泡体を成型金型において徐冷することを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
さらに、本発明は、[5]芳香族ビニル単位がスチレン単位であることを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
さらに、本発明は、[6]不飽和ジカルボン酸無水物単位が無水マレイン酸単位であることを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかにに記載の押出発泡体の製造方法に関する。
さらに、本発明は、[7]N−アルキル置換マレイミド単位がN−フェニルマレイミド単位であることを特徴とする、[1]〜[6]のいずれかにに記載の押出発泡体の製造方法。
さらに、本発明は、[8]シアン化ビニル単位がアクリロニトリルであることを特徴とする、[1]〜[7]のいずれかにに記載の熱可塑性樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
さらに、本発明は、[9]5%熱重量減少開始温度が270℃以上、かつ、融点もしくは軟化点が150℃以上の臭素系難燃剤が、デカブロモジフェニルエーテル、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、ビス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エタン、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルコポリマー、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルコポリマーのトリブロモフェノール付加物、2,4,6−トリス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)1,3,5−トリアジンまたはトリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートであることを特徴とする、[1]〜[8]のいずれかにに記載の熱可塑性樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
さらに、本発明は、[10]アンチモン化合物が三酸化アンチモンであることを特徴とする、[1]〜[9]のいずれかにに記載の熱可塑性樹脂押出発泡体の製造方法に関する。
なお、後述する臭素系難燃剤の内、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルコポリマー、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルコポリマーのトリブロモフェノール付加物といったエポキシ系高分子難燃剤については明解な融点を持たないため、固体物質が軟化する軟化点で代用した。
その難燃性の判断基準としては、1)試験体5個の消炎時間の平均が3秒以内であること、2)残じんがないこと、3)各試験体が燃焼限界指示線(着火限界指示線から20mm)を超えて燃焼しないこと、が求められる。
また、該樹脂組成物を用いた場合、その樹脂特性からポリスチレン系樹脂のような樹脂の伸びが期待できないために、得られる押出発泡体の表面性を確保するには、押出発泡体表面と成形金型との抵抗を低減させることが重要である。
発泡体密度は、次の式に基づいて求め、単位をkg/m3に換算して示した。
各方向のセル径をASTM D−3576に準じて測定した。
発泡体の巾方向の断面を50〜100倍に拡大投影し、厚み方向のセル径(HD)と巾方向のセル径(TD)を測定する。次に押出方向の断面を拡大投影し、押し出し方向のセル径(MD)を測定した。
平均セル径は各方向のセル径の積を3乗根した値を以下の式より算出した。
作製後7日経過した発泡体について、JIS A9511に準じて、厚み10mm×長さ200mm×幅25mmの試験片を用い、n数5で燃焼試験を行い、以下の基準により判断した。
<燃焼時間>
◎:消炎時間が5本すべて3秒以内となる。
○:消炎時間が5本の内、少なくとも1本が3秒を超えるが、5本の平均消炎時間が3秒以内となる。
×:5本の平均消炎時間が3秒を超える。
<燃焼状況>
◎:燃焼限界指示線以内で燃焼が停止し、発泡剤の燃焼が全く見られない。
○:燃焼限界指示線以内で燃焼は停止するが、発泡剤の燃焼が若干見られる。
×:燃焼限界指示線を越えて燃焼が継続する。
製造後7日経過した発泡体について、JIS K7201に準じ、厚み10mm×長さ150mm×幅10mmの試験片を用いて測定した。
発泡体作成後、23℃、湿度55%の恒温室に10日間状態調整した後、厚み25mm×長さ300mm×幅100mmに切り出し、200℃に加熱した熱溶融アスファルトを万遍なく塗布し、30分間冷却した後、厚み方向×長さ方向の発泡体断面を切取り、断面積を求め、以下の基準により耐熱性の有無を判断した。
○:発泡体断面の断面積が、もとの断面積の90%以上である。
△:発泡体断面の断面積が、もとの断面積の80%以上90%未満である。
×:発泡体断面の断面積が、もとの断面積の80%未満である。
発泡体作成後、23℃、湿度55%の恒温室に10日間状態調整したのち、厚み25mm×長さ100mm×幅100mmに切り出し、140℃±2℃に設定した熱風乾燥機で24時間加熱し、加熱前と加熱後の体積変化率を算出し、以下の基準により耐熱性の有無を判断した。
○:発泡体の体積変化率が3%以下である。
△:発泡体の体積変化率が3%を超え、5%以下である。
×:発泡体の体積変化率が5%を超える。
押出機内での熱履歴に伴う樹脂劣化の程度を評価する為に、発泡体の比粘度低下率を、以下の手順により求めた。
a)使用樹脂、あるいは発泡体サンプル250mgを共栓付の試験管に入れ、25mlのクロロホルムを加えて溶解させる。
b)試料20mlを用い、オストワルド粘度管を用いて、30℃におけるクロロホルムに対する相対粘度を測定する。比粘度は以下の式にて算出する。
○:発泡体の比粘度低下率が0.85以上である。
△:発泡体の比粘度低下率が0.75以上、0.85未満である。
×:発泡体の比粘度低下率が0.75未満である。
得られた発泡体の表面性を、目視により以下の基準により判断した。
良好:発泡体表面の押出流れ方向1m当たりに、割れ、クラック、窪み、ボイド(気孔)が3個以下である、美麗なスキン層を形成した発泡体である。
不良:発泡体表面押出流れ方向1m当たりに、割れ、クラック、窪み、ボイド(気孔)が3個超である、粗悪なスキン層しか形成できない発泡体である。
共重合体(A)として電気化学工業(株)製、商品名:デンカIP(265℃×10kg条件で、MFR=0.2g/min)、共重合体(B)として東洋スチレン(株)製、商品名:トーヨーAS(220℃×10kg条件で、MFR=1.8g/min)を使用し、共重合体(A)/共重合体(B)を60%/40%の比率で混合した。得られた熱可塑性樹脂混合物100部に対して、臭素系難燃剤としてデカブロモジフェニルエーテル(アルベマール製、商品名:SAYTEX102E、5%熱重量減少開始温度:326℃、融点:304℃)4.0部、難燃助剤として三酸化アンチモン(鈴裕化学製、商品名:FIRE CUT AT−3)2.0部、造核剤としてタルク(林化成(株)製、商品名:タルカンパウダー)0.3部をドライブレンドし、得られた樹脂組成物を口径65mmの単軸押出機(一段目押出機)と口径90mmの単軸押出機(二段目押出機)を直列に連結した二段連結型押出機へ供給した。一段目押出機に供給した樹脂組成物を、約250℃に加熱して溶融混練した後、発泡剤として、ジメチルエーテル4.0部を一段目押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後、連結された二段目押出機で混練冷却しながら、二段目押出機出口での樹脂温度を約190℃まで冷却し、二段目押出機先端に設けた矩形状スリットダイのダイリップより大気中へ押出し、成形金型中に0.8MPa蒸気を通過させることにより、成形金型温度170℃に温度設定した成形金型(表面材質:ポリテトラフルオロエチレン樹脂で表面処理した鉄:高さ25mm×幅120mm)および成形ロールにより、厚さ約30mm、幅約100mmである断面形状の押出発泡板を得た。ダイリップは170℃に設定し、厚さ方向2mm、幅方向50mmの長方形断面の空隙とした。
得られた発泡体の特性を、表1に示す。比較例1〜6と比較し、耐熱性かつ難燃性の優れた発泡体が得られた。
臭素系難燃剤デカブロモジフェニルエーテルの添加量を6.0部、難燃助剤である三酸化アンチモンの添加量を1.0部に変更した以外は、実施例1と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表1に示す。比較例1〜6と比較し、耐熱性かつ難燃性の優れた発泡体が得られた。
臭素系難燃剤デカブロモジフェニルエーテルの添加量を6.0部、難燃助剤である三酸化アンチモンの添加量を2.0部に変更した以外は、実施例1と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表1に示す。比較例1〜6と比較し、耐熱性かつ難燃性の優れた発泡体が得られた。
臭素系難燃剤デカブロモジフェニルエーテルの添加量を6.0部、難燃助剤である三酸化アンチモンの添加量を4.0部に変更した以外は、実施例1と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表1に示す。比較例1〜6と比較し、耐熱性かつ難燃性の優れた発泡体が得られた。
(実施例5)
臭素系難燃剤デカブロモジフェニルエーテルの添加量を8.0部、難燃助剤である三酸化アンチモンの添加量を0.5部に変更した以外は、実施例1と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表1に示す。比較例1〜6と比較し、耐熱性かつ難燃性の優れた発泡体が得られた。
共重合体(A)/共重合体(B)の混合比率を50%/50%に変更し、一段目押出機における加熱温度を約240℃、二段目押出機出口での樹脂温度を約180℃まで冷却し、ダイリップの温度を160℃、成形金型中に0.7MPa蒸気を通過させることにより、成形金型温度160℃に温度設定した以外は、実施例3と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表1に示す。比較例1〜6と比較し、耐熱性かつ難燃性の優れた発泡体が得られた。
共重合体(A)/共重合体(B)の混合比率を80%/20%に変更し、一段目押出機における加熱温度を約270℃、二段目押出機出口での樹脂温度を約200℃まで冷却し、ダイリップの温度を190℃とした以外は、実施例3と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表1に示す。比較例1〜6と比較し、耐熱性かつ難燃性の優れた発泡体が得られた。
共重合体(A)/共重合体(B)の混合比率を90%/10%に変更し、一段目押出機における加熱温度を約280℃、二段目押出機出口での樹脂温度を約210℃まで冷却し、ダイリップの温度を195℃とした以外は、実施例3と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表1に示す。比較例1〜6と比較し、耐熱性かつ難燃性の優れた発泡体が得られた。
発泡剤をジメチルエーテル2.0部およびイソブタン3.0部に変更した以外は、実施例3と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表1に示す。比較例1〜6と比較し、耐熱性かつ難燃性の優れた発泡体が得られた。
発泡剤をジメチルエーテル3.0部およびノルマルブタン3.0部、タルクを0.2部に変更した以外は、実施例3と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表1に示す。比較例1〜6と比較し、耐熱性かつ難燃性の優れた発泡体が得られた。
発泡剤をジメチルエーテル4.0部およびイソブタン2.0部に変更した以外は、実施例10と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表1に示す。比較例1〜6と比較し、耐熱性かつ難燃性の優れた発泡体が得られた。
発泡剤をジメチルエーテル4.0部およびノルマルブタン2.0部、難燃助剤である三酸化アンチモンの添加量を1.0部に変更した以外は、実施例10と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表1に示す。比較例1〜6と比較し、耐熱性かつ難燃性の優れた発泡体が得られた。
発泡剤をジメチルエーテル4.0部およびノルマルブタン3.5部、タルクを0.1部に変更した以外は、実施例10と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表1に示す。比較例1〜6と比較し、耐熱性かつ難燃性の優れた発泡体が得られた。
発泡剤をジメチルエーテル3.0部、ノルマルブタン3.5部およびエタノール1.0部に変更した以外は、実施例13と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表1に示す。比較例1〜6と比較し、耐熱性かつ難燃性の優れた発泡体が得られた。
臭素系難燃剤をエチレンビス(ペンタブロモフェニル)(アルベマール製、商品名:SAYTEX8010、5%熱重量減少開始温度:344℃、融点:350℃)6.0部使用した以外は、実施例3と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表1に示す。比較例1〜6と比較し、耐熱性かつ難燃性の優れた発泡体が得られた。
臭素系難燃剤をテトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルコポリマー(阪本薬品工業製、商品名:SR−T5000、5%熱重量減少開始温度:360℃、軟化点:190℃)6.0部使用した以外は、実施例3と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表1に示す。比較例1〜6と比較し、耐熱性かつ難燃性の優れた発泡体が得られた。
臭素系難燃剤をテトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルコポリマーのトリブロモフェノール付加物(阪本薬品工業製、商品名:SR−T3040 5%熱重量減少開始温度:360℃、軟化点:170℃)6.0部使用した以外は、実施例3と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表1に示す。比較例1〜6と比較し、耐熱性かつ難燃性の優れた発泡体が得られた。
臭素系難燃剤を2,4,6−トリス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)1,3,5ートリアジン(ICL industrial製、商品名:FR−245 5%熱重量減少開始温度:385℃、融点:230℃)6.0部使用した以外は、実施例3と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表1に示す。比較例1〜6と比較し、耐熱性かつ難燃性の優れた発泡体が得られた。
臭素系難燃剤をトリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート(大八化学工業製、商品名:CR900、5%熱重量減少開始温度:310℃、融点:180℃)6.0部使用した以外は、実施例3と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表1に示す。比較例1〜6と比較し、耐熱性かつ難燃性の優れた発泡体が得られた。
臭素系難燃剤をトリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェート(大八化学工業製、商品名:CR900、5%熱重量減少開始温度:310℃、融点:180℃)6.0部使用した以外は、実施例11と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表1に示す。比較例1〜6と比較し、耐熱性かつ難燃性の優れた発泡体が得られた。
臭素系難燃剤をデカブロモジフェニルエーテル4.0部に変更し、難燃助剤である三酸化アンチモンを使用しない以外は、実施例3と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表2に示す。実施例1〜20と比較して、耐熱性は満足するものの、難燃性を満足することができない。
臭素系難燃剤をデカブロモジフェニルエーテル17部に変更し、難燃助剤である三酸化アンチモンを使用しない以外は、実施例3と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表2に示す。実施例1〜20と比較して、難燃性は満足するものの、耐熱性を満足することができず、加えて臭素系難燃剤添加量増大に伴い、押出変動に起因する成形不良が生じると共に、発泡体の比粘度低下率が大きい。
臭素系難燃剤をデカブロモジフェニルエーテル20部に変更し、難燃助剤である三酸化アンチモンを使用しない以外は、実施例3と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表2に示す。実施例1〜20と比較して、難燃性は満足するものの、耐熱性を満足することができず、加えて臭素系難燃剤添加量増大に伴い、押出変動に起因する成形不良が生じると共に、発泡体の比粘度低下率が大きい。
難燃助剤を三酸化アンチモン6.0部に変更した以外は、実施例3と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表2に示す。実施例1〜20と比較して、難燃性は満足するものの、耐熱性を満足することができない。加えて難燃助剤添加量増大に伴い、押出変動に起因する成形不良が生じると共に、発泡体の比粘度低下率が大きい。
臭素系難燃剤をヘキサブロモシクロドデカン(アルベマール製、商品名:SAYTEX HP900、5%熱重量減少開始温度:244℃、融点:180℃)6.0部に変更した以外は、実施例3と同様の条件で押出発泡体を得た。
得られた発泡体の特性を、表2に示す。実施例1〜20と比較して、難燃性は満足するものの、難燃剤分解に起因する樹脂劣化が生じ、耐熱性を満足することができず、さらに発泡体の比粘度低下率が大きい。
基材樹脂として、ポリスチレン樹脂(PSジャパン(株)製、商品名:G9401、200℃×5kg条件で、MFR=0.2g/min)を使用し、PS樹脂100部に対して、臭素系難燃剤としてデカブロモジフェニルエーテル6.0部、難燃助剤として三酸化アンチモン(鈴裕化学製、商品名:FIRE CUT AT−3)を2.0部、造核剤としてタルク(林化成製、商品名:タルカンパウダー)0.3部をドライブレンドし、得られた樹脂組成物を口径65mmの単軸押出機(一段目押出機)と口径90mmの単軸押出機(二段目押出機)を直列に連結した二段連結型押出機へ供給した。前記口径65mmの一段目押出機に供給した樹脂組成物を、約220℃に加熱して溶融混練した後、発泡剤として、ジメチルエーテル4.0部を一段目押出機の先端付近で樹脂中に圧入した。その後連結された口径90mmの二段目押出機で混練冷却しながら二段目押出機出口での樹脂温度を約125℃まで冷却し、二段目押出機先端に設けた矩形状スリットダイのダイリップより大気中へ押出し、成形金型温度100℃に温度設定した成形金型および成形ロールにより、厚さ約30mm、幅約100mmである断面形状の押出発泡板を得た。ダイリップは115℃に温度設定し、厚さ方向2mm、幅方向50mmの長方形断面の空隙とした。
得られた発泡体の特性を、表2に示す。実施例1〜20と比較して、難燃性は満足するものの、耐熱性を満足することができない。
二段目押出機出口での樹脂温度が230℃になるように冷却し、ダイリップの温度を200℃に変更した以外は、実施例3と同様の条件で押出を行った。しかし、樹脂温度が高いため、ガス噴出やダイ内発泡によりスリット圧力が低下して、押出成形性が悪化し、粗悪な形状/表面しか得られず、満足な発泡体を得ることができなかった。
成形金型中に水を通過させることにより成形金型温度を50℃に温度設定した以外は、実施例3と同様の条件で押出を行った。しかし、成形金型温度が低いために発泡体内部から膨れが発生することによる表面での割れ等が極めて大きくなり、粗悪な形状/表面しか得られず、満足な発泡体を得ることができなかった。
二段目押出機出口での樹脂温度が230℃になるように冷却し、ダイリップの温度を200℃に変更した以外は、実施例11と同様の条件で押出を行った。しかし、樹脂温度が高いため、ガス噴出やダイ内発泡によりスリット圧力が低下して、押出成形性が悪化し、粗悪な形状/表面しか得られず、満足な発泡体を得ることができなかった。
成形金型中に水を通過させることにより成形金型温度を50℃に温度設定した以外は、実施例11と同様の条件で押出を行った。しかし、成形金型温度が低いために発泡体内部から膨れが発生することによる表面での割れ等が極めて大きくなり、粗悪な形状/表面しか得られず、満足な発泡体を得ることができなかった。
Claims (10)
- 芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位およびN−アルキル置換マレイミド単位からなる共重合体(A)50〜90重量%および、芳香族ビニル単位およびシアン化ビニル単位からなる共重合体(B)50〜10重量%からなる熱可塑性樹脂混合物100重量部に対して、
5%熱重量減少開始温度が270℃以上、かつ、融点もしくは軟化点が150℃以上の臭素系難燃剤から選ばれる少なくとも1種の難燃剤を3〜10重量部、および、難燃助剤としてアンチモン化合物を0.1〜5重量部含有してなる熱可塑性樹脂組成物を加熱溶融させ、発泡剤を添加し、発泡可能なゲル状物質となす工程、
該ゲル状物質を冷却する工程、
スリットダイを通して該ゲル状物質をより低圧の領域に押出す工程、および
スリットダイと密着または接して設置した成形金型を用い附形して押出発泡体を形成する工程を含む、発泡体の厚みが10〜150mmである熱可塑性樹脂押出発泡体の製造方法であって、
上記冷却工程の出口での該ゲル状物質の樹脂温度が、該熱可塑性樹脂混合物のガラス転移温度に対して20〜70℃高い温度であること、上記押出発泡体を形成する工程において、押出発泡体表面と成形金型との抵抗を低減させること、および発泡体を成型金型において徐冷することを特徴とする、熱可塑性樹脂押出発泡体の製造方法。 - ダイ温度が、上記樹脂温度に対して5〜50℃低い温度であることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂押出発泡体の製造方法。
- 表面抵抗の少ない素材を押出発泡体表面と成形金型との界面に設置することで押出発泡体と成形金型との抵抗を低減させることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂押出発泡体の製造方法。
- 成形金型を温度調節することで発泡体を成型金型において徐冷することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂押出発泡体の製造方法。
- 芳香族ビニル単位がスチレン単位であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂押出発泡体の製造方法。
- 不飽和ジカルボン酸無水物単位が無水マレイン酸単位であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の押出発泡体の製造方法。
- N−アルキル置換マレイミド単位がN−フェニルマレイミド単位であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の押出発泡体の製造方法。
- シアン化ビニル単位がアクリロニトリルであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の押出発泡体の製造方法。
- 5%熱重量減少開始温度が270℃以上、かつ、融点もしくは軟化点が150℃以上の臭素系難燃剤が、デカブロモジフェニルエーテル、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、ビス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)エタン、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルコポリマー、テトラブロモビスフェノールAジグリシジルエーテルコポリマーのトリブロモフェノール付加物、2,4,6−トリス(2,4,6−トリブロモフェノキシ)1,3,5−トリアジンまたはトリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の押出発泡体の製造方法。
- アンチモン化合物が三酸化アンチモンであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の押出発泡体の製造方法。
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