JP4636784B2 - ポリスチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法 - Google Patents

ポリスチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、押出発泡法によるスチレン系樹脂発泡体及びその製造方法に関する。更に詳しくは、環境適合性に優れ、優れた断熱性能、難燃性を有するスチレン系樹脂押出発泡体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリスチレン系樹脂押出発泡体は樹脂を高温・高圧下の押出機中で溶融し、続いて発泡ガスを注入し、樹脂中に分散溶解して流動性のゲルを形成し、これを押出機のダイから低圧域に押出して急速に発泡させ冷却することにより均質な板状の押出発泡製品が得られる。
【0003】
近年、押出発泡法により得られる発泡体についても、従来から使用されてきた代表的な発泡剤である塩化メチル、塩化エチル等の塩化アルキルは、その毒性から環境上規制されることが検討されている。そこで、特許文献1及び特許文献2には、塩化メチル等の塩化アルキルを発泡剤として使用せずに、その代替としてジメチルエーテル等のエーテル類を発泡剤として使用することが開示されている。
【0004】
しかしながら、エーテル系のガスはスチレン樹脂に対して溶解度が小さいため、造核作用が大きく気泡径が小さくなりすぎて、密度が高くなり大断面がとれにくいという問題がある。特にCO2 等の組み合わせで使用した場合に双方とも溶解度が小さいため、良好なスキン品質で独立気泡の発泡体を得るためには、これらのガスの樹脂に対する溶解度を上げるために、非常に高いゲル圧力が必要となり、高価な設備までもが必要となる。
【0005】
さらに、ジメチルエーテル等のエーテル系の発泡剤は、可燃性であり、二酸化炭素と比べるとポリスチレンに対するガス透過速度が遅いために、製品の難燃性能を低下させる傾向があり、また、シクロペンタンのような炭化水素系の発泡剤と比べるとポリスチレン樹脂に対するガス透過速度が速いために、経時とともに大気中に拡散し、長時間での発泡体の熱伝導率低下に寄与しないという問題がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−158315号公報
【特許文献2】
特開平11−158317号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明で解決しようとする課題は、環境適合性に優れ、熱伝導率をはじめとして優れた物性を有するスチレン系押出発泡体及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発泡剤として環境上好ましくない塩化メチル等の塩化アルキルに代えて、シクロペンタンを使用することにより、環境適合性に優れ、熱伝導率をはじめとして優れた物性を有するスチレン系押出発泡体を得られることを見出した。
【0009】
本発明によれば下記が提供される。
【0010】
(1)発泡剤としてハロゲン系化合物を使用しないポリスチレン系樹脂押出発泡体であって、発泡剤として、シクロペンタン及びイソブタンを合計で樹脂100質量部に対して3質量部以上4.5質量部未満用い、シクロペンタンとイソブタンの質量比は20:80〜80:20であり、かつ二酸化炭素を併用し、シクロペンタンの二酸化炭素に対する質量比を0.3以上とし、かつ可燃性ガス発泡剤の合計量が樹脂100質量部に対して4.5質量部未満でありJIS A9511−1995に規定された燃焼性測定において測定方法A,B又はCのいずれかを満足することを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体。
【0011】
(2)シクロペンタン以外の発泡剤として、さらにプロパン、ノルマルブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタンのいずれか一種以上用いることを特徴とする上記(1)に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
【0013】
(3)前記発泡体の気泡が0.1〜2mmの大気泡(一次気泡)とその気泡径の5〜50%の範囲の大きさの小気泡(二次気泡)からなり、押出発泡後28日経過した時点でJIS A9511−1995に規定されたB類保温板の測定方法において測定した熱伝導率が0.028W/m・K以下である上記(1)又は(2)に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
【0014】
)前記発泡体が輻射低減剤を含有し、押出発泡後28日経過した時点でJIS A9511−1995に規定されたB類保温板の測定方法において測定した熱伝導率が0.028W/m・K以下である上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
【0015】
)スチレン系樹脂を加熱溶融させ、高温高圧下で、発泡剤を該溶融樹脂に注入し、押出発泡に適する温度に冷却し、ダイを通じて低圧下に押出発泡して製造される押出発泡体の製造方法であって、発泡剤として、ハロゲン系化合物を用いずに、シクロペンタン及びイソブタンを合計で樹脂100質量部に対して3質量部以上4.5質量部未満用い、シクロペンタンとイソブタンの質量比は20:80〜80:20であり、かつ二酸化炭素を併用し、シクロペンタンの二酸化炭素に対する質量比を0.3以上とし、かつ可燃性ガス発泡剤の合計量を樹脂100質量部に対して4.5質量部未満とし、JIS A9511−1995に規定された燃焼性測定において測定方法A,B又はCのいずれかを満足することを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明は、発泡剤として、環境上好ましくないフロン類や塩化アルキルなどのハロゲン系発泡剤を用いることなく、シクロペンタンとイソブタンを用いることを特徴とする。シクロペンタンは、ポリスチレン樹脂に対する溶解度が高いために、従来の塩化アルキルと同様な設備で同様な押出条件で気泡径のコントロ−ルも容易に大断面積の発泡体の製造を容易にする。また、シクロペンタンは、イソブタン同様にポリスチレン樹脂に対するガス透過速度も小さいことから、フロン等の高価で環境上好ましくないガスを用いなくても、長期間良好な熱伝導率を維持することに貢献する。こうして、環境適合性に優れ、難燃性、熱伝導率をはじめとして優れた物性を有するポリスチレン系押出発泡体が得られる。
【0017】
シクロペンタンはポリスチレン樹脂に対する溶解度が高いため、従来の塩化アルキルなどと同様な設備で運転の自由度が大きい同様な押出条件で気泡径のコントロールも容易に大断面の安定製造が可能である。また、スチレン樹脂に対するガス透過速度も小さいことから、フロン等の高価で環境上好ましくないガスを用いなくとも、長期間良好な熱伝導率を維持できることに貢献する。
イソブタンは、ガス透過性が小さいので長期間良好な熱伝導率を維持できることに貢献する。またイソブタンはポリスチレン樹脂に対するガス透過速度が小さいので長期間良好な熱伝導性を維持する効果に優れている。
本発明では、シクロペンタンとイソブタンを併用し、その合計量が樹脂100質量部に対して3質量部以上4.5質量部未満の量である。シクロペンタンとイソブタンを合計量を3質量部以上とすることで特に優れた熱伝導性が得られる。シクロペンタンとイソブタンを合計量が4.5質量部以上では、上記の如く、所定の難燃性が満足されない。シクロペンタンとイソブタンの質量比は、20〜80:80〜20であり、30〜70:70〜30であることが好ましい。
【0018】
さらに、本発明では、シクロペンタン以外の発泡剤として、プロパン、ノルマルブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタンのいずれか一種以上用いることで、同様な効果を得ることができ、さらに気泡径や熱伝導率の調整などが可能である。これらのガスは、ハロゲン化合物ではないので環境上好ましいガスであり、かつ、ポリスチレン系樹脂に対する溶解度が大きく、ガス透過性が小さいので押出発泡ガスとして好適である。
【0019】
ただし、本発明では、上記の可燃性ガス発泡剤の量は、合計で樹脂100質量部に対して4.5質量部未満とする。これにより、JIS A 9511に規定される燃焼性を満足できる。可燃性ガス濃度が4.5質量部以上であると、発泡体試験片表面をガス燃焼し、燃焼限界指示線を越えて燃焼してしまう。
【0021】
さらに、第三の発泡剤として二酸化炭素を併用すると、発泡体の密度を低減できるとともに発泡剤を使用して気泡径の調整が可能でその結果、機械的強度及び熱伝導率等の物性の点で好ましい。さらに、二酸化炭素は不燃性であるため難燃性に対し悪影響を及ぼさない点で好ましい。また、二酸化炭素に対するシクロペンタンの割合(質量比)を0.3以上とすることが好ましく、さらには0.35以上である。ここで、二酸化炭素に対するシクロペンタンの割合を0.3未満とすると、気泡径が小さくなり発泡体の成形性が低下し、発泡体表面のスキン状態も低下する。
【0022】
発泡体の気泡が0.1〜2mmの大気泡(一次気泡)と、その気泡径の5〜50%の範囲の大きさの小気泡(二次気泡)を組み合わせることにより、密度を低減でき、押出発泡後28日経過した時点で、JIS A9511-1995に規定されたB類保温板の測定方法において測定した熱伝導率が0.028W/m・K以下となることも見出した。ここで、断面積当たりの小気泡の割合は20〜60%が好ましい。小気泡の割合が少なすぎると熱伝導率の改善効果が小さく、多すぎでも気泡膜厚みが薄くなりすぎて、輻射を低減できない。
【0023】
また、発泡体の熱伝導率を高めるために、カーボンブラックまたはグラファイト等の輻射低減剤を添加することにより、押出発泡後28日経過した時点で、JIS A9511-1995に規定されたB類保温板の測定方法において測定した熱伝導率が0.028W/m・K以下となることも見出した。ここで、輻射低減剤の添加量は樹脂100質量部に対して5〜10質量部程度が好ましい。
【0024】
一次気泡と二次気泡を組み合わせることにより、熱伝導率が改善され、同じ熱伝導率では密度が低下できることも見出した。
【0025】
本発明で使用されるポリスチレン系樹脂は、例えばスチレン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ジメチルスチレン、t−ブチルスチレン、ビニルトルエンなどのスチレン誘導体、またはこれらの2種以上の組み合わせからなる共重合体、あるいはそれらとアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、無水マレイン酸、またはブタジエンのような他と容易に重合し得る化合物との共重合体をいう。
【0026】
本発明で使用される輻射を低減する添加剤としては、カーボンブラック、グラファイトを用いることができる。しかしながら、白色系の酸化チタン等の屈折率の大きな物質を添加することによっても熱線を散乱減衰させるため輻射を低減させる効果がある。
【0027】
本発明においてシクロペンタンと併用される発泡剤としては、前記の如く、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタンの炭化水素、及び二酸化炭素などが挙げられる。
【0028】
発泡剤は、一般的に、ポリスチレン樹脂100質量部当たり約3〜30質量部の量で注入する。
【0029】
また、本発明の発泡性樹脂混合物には、必要に応じて気泡の大きさを調整するためタルク、ケイ酸カルシウム等の気泡調整剤、難燃性を付与するためヘキサブロモシクロドデカン、モノクロロペンタブロモシクロヘキサンの如き難燃剤、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の押出助剤、酸化マグネシウム、ピロリン酸テトラナトリウム等の脱酸剤等を添加することが望ましい。
【0030】
本発明のスチレン系樹脂押出発泡体の製造は、スチレン系樹脂を加熱溶融させ、高温高圧下で、発泡剤を該溶融樹脂に注入し、押出発泡に適する温度に冷却し、ダイを通して低圧下に押出発泡して製造するが、発泡剤として、シクロペンタン及びイソブタンを合計で樹脂100質量部に対して3質量部以上4.5質量部未満用い、かつ二酸化炭素を併用し、シクロペンタンの二酸化炭素に対する質量比を0.3以上とし、また好ましくはシクロペンタンと併用される発泡剤として、前記の如く、プロパン、ノルマルブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタンから選ばれた少なくとも1種を用い、これらの可燃性ガス発泡剤の添加量は合計で樹脂100質量部に対して4.5質量部未満とする以外は、公知の方法と同様であることができる。
【0031】
【実施例】
実施例1
重量平均分子量210,000(210M)のスチレン樹脂100質量部に対して、ステアリン酸バリウム0.05質量部、タルク0.05重量部、ヘキサブロモシクロドデカン3質量部を押出機ホッパーより投入し、発泡剤としてイソブタン2質量部、シクロペンタン2質量部、二酸化炭素2.5質量部を圧入し混練した後、冷却機でゲルを均一に冷却し、最適な発泡温度に調整しダイから大気圧下に押出発泡した。押出機出口からダイ入口までのゲル圧力差(勾配)及び得られた発泡体を常温で1週間(但し、熱伝導率は常温で一ヶ月)保存した後に物性測定した結果を第1表に示した。
【0032】
得られた発泡体の物性は下記の方法で測定した。
(密度)
発泡体密度=発泡体重量/発泡体体積
(気泡径)
ASTM D 3567に準じて測定
(熱伝導率λ)
JIS A 9511-1995に準じて測定〔単位はw/m.K〕
A:λ<0.027w/m.K
B:0.027≦λ<0.0275
C:0.0275≦λ<0.0280
D:0.028≦λ
(難燃性)
JIS A 9511-1995に準じて測定し、評価した。
【0033】
測定方法A:消炎時間の平均値が3秒以下である場合は合格、3秒を超えたら不合格。
【0034】
測定方法B:燃焼時間が120秒以下で且つ燃焼距離が60mm以下である場合は合格。
【0035】
燃焼時間が120秒を超えるか若しくは燃焼距離が60mmを超えた場合は不合格。
【0036】
測定方法C:酸素濃度が26%以上である場合は合格、26%未満の場合は不合格。
(ゲル圧力)
A:現行と同等以下、もしくは設備耐圧未満
B:設備耐圧以上
実施例2〜9及び参考例1〜4
表に示した発泡剤組成を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。発泡剤の量は樹脂100重量部に対する重量部である。
【0037】
実施例10
カーボンブラックを5質量部添加した以外は、実施例4と同様に実施した。
【0038】
実施例11
カーボンブラックを7質量部添加した以外は、実施例10と同様に実施した。
【0039】
実施例12
グラファイトを5質量部添加した以外は、実施例4と同様に実施した。
【0040】
実施例13
タルク0.07質量部、発泡剤として水0.6質量部を加えた以外は、実施例4と同様に実施した。気泡構造は双峰形であり、一次気泡径は0.4mmで、平均小気泡径(二次気泡径)は約0.1mmであった。
【0041】
実施例14
カーボンブラックを5質量部添加した以外は、実施例13と同様に実施した。気泡構造は双峰形であり、一次気泡径は0.35mmで、平均小気泡径(二次気泡径)は約0.1mmであった。
【0042】
比較例1
発泡剤としてイソブタン2.5質量部、シクロペンタン2質量部、二酸化炭素2.1質量部を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。
【0043】
比較例2〜3
表1に示した発泡剤組成を用いた以外は、実施例1と同様に実施した。
【0044】
比較例4
カーボンブラックを5質量部添加した以外は、比較例3と同様に実施した。
【0045】
比較例5
発泡剤としてイソブタン4.0質量部、ジメチルエーテル2.5重量部を用い、タルクを添加しなかった以外は、実施例1と同様に実施した。押出機出口からダイ入口までのゲル系内の圧力は、現行設備の耐圧を超え、難燃性は不合格、押出されたフォームは気泡径も小さくなり、成形性が悪く、発泡体表面のスキン状態も劣った。
【0046】
比較例6
発泡剤としてイソブタン4.0質量部、ジメチルエーテル1.3重量部、タルク1.0重量部を用い、タルクを添加しなかった以外は、実施例1と同様に実施した。押出機出口からダイ入口までのゲル系内の圧力は、現行設備の耐圧を超え、難燃性は不合格、押出されたフォームは気泡径もさらに小さくなり、成形性が悪く、発泡体表面のスキン状態もさらに劣った。
【0047】
【表1】
Figure 0004636784
【0048】
【表2】
Figure 0004636784
【0049】
表1,2から次のことが理解される。
【0050】
発泡剤としてシクロペンタンと、必要に応じてプロパン、イソブタン、ノルマルブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタンのいずれか一種以上を用いることにより、環境適合性に優れ、優れた断熱性能、難燃性を有するスチレン系樹脂押出発泡体が得られた。しかも、フロン類や塩化アルキルのようなハロゲン化合物を用いることなく、現行の設備を用いながら、発泡体の気泡調整が容易で、かつ現行とほぼ同等のゲル圧力の独立気泡で良好なポリスチレン系押出発泡体を得ることができた。また、ポリスチレン樹脂に対するガス透過性も低いので、長時間にわたって熱伝導率低下を防止できる効果がある。
【0051】
特に、イソブタンとシクロペンタンの量が合計で樹脂100質量部当たり3質量部以上であれば、0.028w/mK以下を満足し、可燃性ガスの合計が樹脂100重量部当たり4.5重量部未満であれば難燃性は合格する。
【0052】
また、気泡構造を双峰形とし輻射低減剤としてカーボンブラック又はグラファイトを添加すると、さらに優れた断熱性能を有するポリスチレン系押出発泡体が得られる。
【0053】
より具体的には、実施例2では実施例1に対してシクロペンタンの量を多くすると気泡径が大きくなっている。実施例3では実施例1に対してイソブタンを減らして二酸化炭素を多くすると気泡径が小さくなり、また熱伝導度がやや低下した。実施例6では実施例1に対してイソブタン及びシクロペンタンの量を多くすると気泡径が大きくなっている。実施例8では実施例1に対してイソブタンの量が多くなり熱伝導率が向上されている。実施例14〜16ではカーボンブラック又はグラファイトを添加したので熱伝導率が向上している。実施例17、18では気泡構造を双峰形としたことで熱伝導率が向上されている。
【0054】
比較例1〜3では、可燃性ガスの総量が4.5重量部以上であるため、難燃性が不合格である。比較例5、6では発泡ガスとしてエーテルを用いたため、気泡径が小さくなって、成形性が低下している。

Claims (5)

  1. 発泡剤としてハロゲン系化合物を使用しないポリスチレン系樹脂押出発泡体であって、発泡剤として、シクロペンタン及びイソブタンを合計で樹脂100質量部に対して3質量部以上4.5質量部未満用い、シクロペンタンとイソブタンの質量比は20:80〜80:20であり、かつ二酸化炭素を併用し、シクロペンタンの二酸化炭素に対する質量比を0.3以上とし、かつ可燃性ガス発泡剤の合計量が樹脂100質量部に対して4.5質量部未満でありJIS A9511−1995に規定された燃焼性測定において測定方法A,B又はCのいずれかを満足することを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体。
  2. シクロペンタン以外の発泡剤として、さらにプロパン、ノルマルブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタンのいずれか一種以上用いることを特徴とする請求項1に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
  3. 前記発泡体の気泡が0.1〜2mmの大気泡(一次気泡)とその気泡径の5〜50%の範囲の大きさの小気泡(二次気泡)からなり、押出発泡後28日経過した時点でJIS A9511−1995に規定されたB類保温板の測定方法において測定した熱伝導率が0.028W/m・K以下である請求項1又は2に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
  4. 前記発泡体が輻射低減剤を含有し、押出発泡後28日経過した時点でJIS A9511−1995に規定されたB類保温板の測定方法において測定した熱伝導率が0.028W/m・K以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載のスチレン系樹脂押出発泡体。
  5. スチレン系樹脂を加熱溶融させ、高温高圧下で、発泡剤を該溶融樹脂に注入し、押出発泡に適する温度に冷却し、ダイを通じて低圧下に押出発泡して製造される押出発泡体の製造方法であって、発泡剤として、ハロゲン系化合物を用いずに、シクロペンタン及びイソブタンを合計で樹脂100質量部に対して3質量部以上4.5質量部未満用い、シクロペンタンとイソブタンの質量比は20:80〜80:20であり、かつ二酸化炭素を併用し、シクロペンタンの二酸化炭素に対する質量比を0.3以上とし、かつ可燃性ガス発泡剤の合計量を樹脂100質量部に対して4.5質量部未満とし、JIS A9511−1995に規定された燃焼性測定において測定方法A,B又はCのいずれかを満足することを特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体の製造方法。
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