JP2009256510A - 帯電防止性に優れた熱可塑性樹脂発泡体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、優れた帯電防止性を有し、耐熱性、表面性、成形性に優れ、かつマテリアルリサイクル可能な環境適合性にも優れる、特に、スチレン樹脂発泡体では満たすことのできない耐熱性に優れる熱可塑性樹脂発泡体を提供する。
【解決手段】 芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位およびN−アルキル置換マレイミド単位からなる共重合体(A)と、芳香族ビニル単位およびシアン化ビニル単位からなる共重合体(B)からなる熱可塑性樹脂混合物を含有する熱可塑性樹脂組成物を発泡させてなる熱可塑性樹脂発泡体であって、熱可塑性樹脂混合物100重量部に対して、カチオン系帯電防止剤、両性帯電防止剤および非イオン系帯電防止剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種である帯電防止剤(C)3〜30重量部を配合してなるものであり、発泡体の厚みが10〜150mmであることを特徴とする、帯電防止性に優れた熱可塑性樹脂発泡体。
【選択図】 なし
【解決手段】 芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位およびN−アルキル置換マレイミド単位からなる共重合体(A)と、芳香族ビニル単位およびシアン化ビニル単位からなる共重合体(B)からなる熱可塑性樹脂混合物を含有する熱可塑性樹脂組成物を発泡させてなる熱可塑性樹脂発泡体であって、熱可塑性樹脂混合物100重量部に対して、カチオン系帯電防止剤、両性帯電防止剤および非イオン系帯電防止剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種である帯電防止剤(C)3〜30重量部を配合してなるものであり、発泡体の厚みが10〜150mmであることを特徴とする、帯電防止性に優れた熱可塑性樹脂発泡体。
【選択図】 なし
Description
本発明は、優れた帯電防止性を有し、かつ耐熱性、表面性、成形性に優れ、さらに熱可塑性を併せ持つ熱可塑性樹脂発泡体に関する。本発明の熱可塑性樹脂発泡体は、建材分野の断熱材、産業資材分野のパネル芯材向けの用途に有用である。
従来、スチレン系樹脂発泡体、架橋ポリエチレン発泡体、硬質ポリウレタン発泡体は、施工性、断熱特性の好適性から建屋の断熱材として汎用されて来た。
しかしながら、スチレン系樹脂発泡体はマテリアルリサイクルを考慮した環境適合性に優れた断熱材としては有用ではあるが、基材樹脂であるスチレンの耐熱温度が80℃近傍であるため、それ以上の高温域に曝される用途(例えば、蒸気養生室、乾燥養生室のパネル断熱材等)には、形状を保持できないほど発泡体の変形をきたすために使用することができないという問題点を有していた。
また、スチレン系樹脂発泡体は、耐薬品性が低いため、例えば、屋上断熱防水分野におけるシート防水接着工法のような断熱材と防水シートとを接着剤で接着する場合には、接着剤に含有される溶剤や防水シートに含まれる可塑剤に対して耐性でなく、発泡体が溶解崩壊し、形状を保持できないほど発泡体の変形をきたすため使用することができないという問題点を有していた。
一方、架橋ポリエチレン発泡体は、耐薬品性が高いため、前記屋上断熱防水分野におけるシート防水接着工法の断熱材として好適に使用されているものの、耐熱性については前記スチレン系樹脂発泡体と同程度であり、80℃以上の高温域に曝される用途には使用することができないという問題点を有していた。加えて、架橋ポリエチレンは架橋構造を有するためにマテリアルリサイクル性に乏しく、環境適合性に優れるとは言い難い。
また、硬質ポリウレタン発泡体は、前記架橋ポリエチレン発泡体同様に耐薬品性が高く、更に硬質ポリウレタンが熱硬化性樹脂であることから、耐熱性が高いことが一般的に知られている。しかしながら、該硬質ポリウレタン発泡体は、吸湿性が高く、吸湿した状態では耐熱性が極端に悪化するために、例えば、蒸気養生室の断熱パネル等には使用することができないという問題点を有していた。加えて、硬質ポリウレタンが熱硬化性樹脂であることからマテリアルリサイクル性に乏しく、環境適合性に優れるとは言い難い。
前記3種類の発泡体には、それぞれに長所と短所があり、双方の特徴を併せ持つことは困難である。
前記3種類の発泡体には、それぞれに長所と短所があり、双方の特徴を併せ持つことは困難である。
これに対して、本発明者らは、マテリアルリサイクル性の如き環境適合性に優れ、かつ耐熱性を向上させた熱可塑性樹脂発泡体を開発してきた。(特許文献1および2参照)
しかしながら、本発明者らが開発してきた環境適合性と耐熱性を両立する熱可塑性樹脂発泡体には、表面切削時や発泡体の積み込みなどで生じる摩擦等による、発泡体表面での静電気帯電に関して、更なる改善の余地があった。
しかしながら、本発明者らが開発してきた環境適合性と耐熱性を両立する熱可塑性樹脂発泡体には、表面切削時や発泡体の積み込みなどで生じる摩擦等による、発泡体表面での静電気帯電に関して、更なる改善の余地があった。
静電気の帯電を防止するための一般的な方法としては、熱可塑性樹脂発泡体の表面に帯電防止剤を塗布したり、帯電防止剤を樹脂加工時に添加したりする方法がある。しかしながら、帯電防止剤を塗布する方法では、表面がべとつき、逆に埃を吸着してしまう恐れがある。また、樹脂加工時に添加する方法では、使用する樹脂組成と帯電防止剤の種類や量を個別に選択する必要がある。
これらのことから、マテリアルリサイクル可能な環境適合性、耐熱性、成形性に優れ、かつ、帯電防止性にも優れる熱可塑性樹脂発泡体の開発が待ち望まれている。
特開2007−186668号公報
特開2008−1885号公報
本発明の目的は、優れた帯電防止性を有し、耐熱性、表面性、成形性に優れ、かつマテリアルリサイクル可能な環境適合性にも優れる熱可塑性樹脂発泡体を提供することにある。
本発明者らは、 共重合体(A)と共重合体(B)からなる熱可塑性樹脂混合物に、特定の帯電防止剤(C)を所定量配合してなる熱可塑性樹脂組成物を発泡させてなる発泡体が上記目的を満足することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、[1]芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位およびN−アルキル置換マレイミド単位からなる共重合体(A)と、芳香族ビニル単位およびシアン化ビニル単位からなる共重合体(B)からなる熱可塑性樹脂混合物を含有する熱可塑性樹脂組成物を発泡させてなる熱可塑性樹脂発泡体であって、該熱可塑性樹脂組成物が共重合体(A)5〜95重量%および共重合体(B)95〜5重量%からなる熱可塑性樹脂混合物100重量部に対して、カチオン系帯電防止剤、両性帯電防止剤および非イオン系帯電防止剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種である帯電防止剤(C)3〜30重量部を配合してなるものであり、発泡体の厚みが10〜150mmであることを特徴とする、帯電防止性に優れた熱可塑性樹脂発泡体に関する。
さらに、本発明は、[2]帯電防止剤(C)が、非イオン系帯電防止剤から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、[1]に記載の熱可塑性樹脂発泡体に関する。
さらに、本発明は、[3]非イオン系帯電防止剤が、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルエーテル、ポリエチレンオキシドノニルフェニルエーテルおよびN,N’−ビス−(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミンよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、[1]または[2]に記載の熱可塑性樹脂発泡体に関する。
さらに、本発明は、[4]熱可塑性樹脂混合物100重量部に対して、さらに、有機酸のアルカリ金属塩(D)を0.01〜2.5重量部配合してなる、[1]〜[3]のいずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡体に関する。
さらに、本発明は、[5]有機酸のアルカリ金属塩(D)が、炭素数1〜18のアルカンスルホン酸アルカリ塩、炭素数1〜3のフルオロアルカンスルホン酸アルカリ金属塩、および炭素数2〜3のアルカンカルボン酸アルカリ金属塩よりなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする[4]に記載の熱可塑性樹脂発泡体に関する。
本発明により、帯電防止性に優れ、耐熱性、表面性、成形性に優れ、かつマテリアルリサイクル可能な環境適合性にも優れる、建築資材用途に適正な厚肉の耐熱性熱可塑性樹脂発泡体が得られる。特に、スチレン系樹脂発泡体単独では満たすことのできない耐熱性の要求品質を満たし、さらに、成形性の保持された熱可塑性樹脂発泡体を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる共重合体(A)は、芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位、およびN−アルキル置換マレイミド単位からなる。芳香族ビニル単位としては、スチレン、α―メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレンが挙げられる。これらのうち、共重合体(B)との相溶性、重合の容易性の点から、スチレン、α−メチルスチレンが好適であり、さらに価格的に安価であるスチレンが最適である。また、不飽和ジカルボン酸無水物単位としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸が挙げられ、共重合体(B)との相溶性、重合の容易性、安価の点から、無水マレイン酸が好適である。さらに、N−アルキル置換マレイミド単位としては、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−4−ジフェニルマレイミド、N−2−クロロフェニルマレイミド、N−4−ブロモフェニルマレイミド、N−1−ナフチルマレイミドが挙げられ、共重合体(B)との相溶性、重合の容易性、安価の点から、N−フェニルマレイミドが最適である。
なお、芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位およびN−アルキル置換マレイミド単位の合計量を100重量%とした場合、耐熱性を鑑み、N−アルキル置換マレイミド単位は40重量%以上であることが好ましく、また、耐吸水、吸湿性を考慮すると、不飽和ジカルボン酸無水物単位は5重量%以下であることが好ましい。
また、本発明で用いられる共重合体(B)は、芳香族ビニル単位、およびシアン化ビニル単位からなる。芳香族ビニル単位としては、上記記載のとおり、共重合体(A)との相溶性、重合の容易性の点から、スチレン、α−メチルスチレンが好適であり、さらに価格的に安価であるスチレンが最適である。また、シアン化ビニル単位としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α―クロロアクリロニトリルが挙げられ、共重合体(A)との相溶性、重合の容易性の点から、アクリロニトリルが好適である。共重合体(A)との相溶性、重合の容易性、価格的に安価であることなどから鑑み、スチレンとアクリロニトリルの共重合体が好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂組成物は、前記共重合体(A)および前記共重合体(B)からなる熱可塑性樹脂混合物を含有する熱可塑性樹脂組成物である。本発明における熱可塑性樹脂組成物とは、該樹脂混合物が、熱可塑性樹脂組成物全体に対して70%以上含有されるものである。
本発明における熱可塑性樹脂組成物は、前記共重合体(A)および前記共重合体(B)を含有してなる樹脂組成物である。該熱可塑性樹脂組成物における共重合体(A)および共重合体(B)の重量比は、耐熱性が良好で加えて成形性を保持できる点から、共重合体(A)が5〜95重量%、共重合体(B)が95〜5重量%であることが好ましく、共重合体(A)が10〜85重量%、共重合体(B)が90〜15重量%であることがより好ましく、共重合体(A)が30〜75重量%、共重合体(B)が70〜25重量%であることがさらに好ましい。
本発明で用いられる帯電防止剤(C)としては、カチオン系帯電防止剤、両性帯電防止剤および非イオン系帯電防止剤が挙げられ、これらは、単独で、または2種以上混合して使用することができる。
以下に本発明で使用できる帯電防止剤の詳細を示す。
カチオン系帯電防止剤および両性帯電防止剤の具体例としては、ココナットアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライト、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルペンジルジメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩:ラウリルベタイン、ステアリルベタイン、ラウリルカルボキシメチル−ヒドロキシエチル−イミダゾリニウムベタイン等のアルキルベタイン;ラウリルジメチルアミンオキサイド等のアミンオキサイド等が挙げられる。
非イオン系帯電防止剤の具体例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ポリオキシエチレン誘導体;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンジステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット等のポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル;グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート、自己乳化型グリセロールモノステアレート等のグリセリン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル:ポリオキシエチレンアルキルアミン;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油;アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。
これらのうちでも、耐熱性および該樹脂組成物との相溶性の観点から、非イオン系帯電防止剤が好ましい。さらに、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルおよびN,N’−ビス−(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミンが、樹脂との相溶性耐熱性の点から、より好ましい。
本発明における帯電防止剤(C)の配合量は、熱可塑性樹脂混合物100重量部に対して、3〜30重量部が好ましく、5〜25重量部がより好ましい。帯電防止剤(C)の配合量が3重量部未満では、帯電防止性が劣る傾向にあり、30重量部を超えると、押出安定性が低下し、成形性の低下に起因する表面性の悪化がみられ、さらに耐熱性が低下する傾向にある。
本発明においては、熱可塑性樹脂混合物に対して、さらに有機酸のアルカリ金属塩(D)を配合することにより、帯電防止剤(C)を減量しながら帯電防止性を維持することができる。
本発明で用いられる有機酸のアルカリ金属塩(D)としては、例えば、メタスルホン酸ナトリウム、メタスルホン酸リチウム、メタスルホン酸カリウム、プロパンスルホン酸ナトリウム、プロパンスルホン酸リチウム、ヘキサンスルホン酸ナトリウム、オクタンスルホン酸ナトリウム、ウンデシレンスルホン酸ナトリウム、パルミチンスルホン酸ナトリウム、ステアリンスルホン酸ナトリウム等の炭素数1〜18のアルカンスルホン酸アルカリ金属塩;トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、トリフルオロプロパンスルホン酸ナトリウム、トリフルオロプロパンスルホン酸リチウム等の炭素数1〜3のフルオロアルカンスルホン酸アルカリ金属塩;酢酸ナトリウム、酢酸リチウム、酢酸カリウム、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸リチウム等の炭素数2〜3のアルカンカルボン酸アルカリ金属塩;オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、ステアリルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩、オクチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸カリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸アルカリ金属塩等が挙げられる。これらは、単独で、または2種以上混合して使用することができる。
本発明における有機酸のアルカリ金属塩(D)の配合使用量は、熱可塑性樹脂混合物100重量部に対して、0.01〜2.5重量部が好ましく、0.05〜2重量部がより好ましい。アルカリ金属塩(D)の配合量が0.01重量部未満では、帯電防止性が劣る傾向にあり、2.5重量部を超えると、樹脂との相溶性の低下により耐熱性が低下する傾向にある。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体の表面抵抗率は、静的な状態でホコリが付着しない表面抵抗率領域である1×1013Ω/sq未満が好ましく、さらに動的な状態でホコリが付着しない表面抵抗率領域である1×1012Ω/sq未満がより好ましい。表面抵抗率が1×1013Ω/sq以上では、ホコリが付着、つまり静電気が帯電して帯電防止効果が発現されない傾向がある。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体を得るための発泡剤としては、上記構成単位からなる熱可塑性樹脂組成物100重量部に対して、塩素原子が含有しない発泡剤を用いることができる。また、このような発泡剤としては、物理型発泡剤および化学型発泡剤からなる群から選ばれた1種を、または2種以上混合して使用することができる。塩素原子を含有しないことにより、環境への負荷が軽減されるので好ましいが、本発明の目的を達するためには、必ずしも塩素原子を含有しないことは必要でない。
物理型発泡剤の具体例としては、例えば、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素;1,1−ジフルオロエタン、1,2−ジフルオロエタン、1,1,1−トリフルオロエタン、1,1,2−トリフルオロエタン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,2,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン、ジフルオロメタン、トリフルオロメタン等のフッ素化炭化水素;二酸化炭素、窒素、水、アルゴン、ヘリウム等の無機ガス;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、フラン、フルフラール、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類;塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化イソプロピル等の塩化アルキル類;蟻酸メチルエステル、蟻酸エチルエステル、蟻酸プロピルエステル、蟻酸ブチルエステル、蟻酸アミルエステル、プロピオン酸メチルエステル、プロピオン酸エチルエステル等のカルボン酸エステル類;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール類、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、エチル−n−プロピルケトン、エチル−n−ブチルケトン等のケトン類、等が挙げられる。これらは、単独で、または2種以上混合して使用することができる。
化学型発泡剤の具体例としては、例えば、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、p,p’−オキシビス−ベンゼンスルホニルヒドラジド、ヒドラゾジカルボンアミド、炭酸ナトリウム、アゾジカルボンアミド、テレフタルアジド、5−フェニルテトラゾール、p−トルエンスルホニルセミカルバジド等が挙げられる。これらは、単独で、または2種以上混合して使用することができる。
前述された発泡剤のうち、オゾン層保護の観点から、プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素類、二酸化炭素、窒素、水、アルゴン、ヘリウムなどの無機ガス類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル等のエーテル類、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等のアルコール類が好ましい。
また、前述された発泡剤のうち、10〜150mm厚みの発泡体を得ようとすれば、0.12mol以上の発泡剤量を用いるのが好ましく、0.15mol以上の発泡剤量を用いるのがより好ましい。また、発泡体の軽量化を考慮すれば、エーテル類、塩化アルキル類、アルコール類、ケトン類等の可塑性を有する発泡剤の量を多くすればよく、また、発泡体の形状安定化を考慮すれば、炭化水素、フッ素化炭化水素等の残存してセル内圧を保持しやすい発泡剤の量を多くすればよく、さらに、環境性能を考慮すれば、無機ガス類を使用しても良い。
なお、本発明においては、前記樹脂組成物には、必要に応じて、造核剤、安定剤、滑剤、難燃剤、可塑剤、吸水剤、輻射抑制剤等の添加剤を配合してもよい。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体は板状発泡体であるとの特徴を有していることから、発泡明の熱可塑性樹脂発泡体の厚みは10〜150mmが好ましく、20〜100mmがより好ましい。例えば、建材などの用途に使用される断熱材の場合、好ましい断熱性を付与せしめるためには、発泡体の厚みが10mm未満のシート状発泡体では得られにくい傾向にある。発泡体の厚みが150mmを超えても実験機のような小スケールでは製法上可能であるが、厚みが厚くなる分、発泡体表面層と内部層との温度差がつくために、内部蓄熱の影響により独立気泡率の低下する傾向にあり、結果として、断熱特性、寸法安定性、強度などが低下する場合がある。
本発明における熱可塑性樹脂発泡体の密度は、特に制限はないが、20〜100kg/m3の範囲であることが好ましく、25〜50kg/m3の範囲であることがより好ましい。密度が20〜100kg/m3の範囲にあれば、平面圧縮強度に代表される面圧縮強度の発現の視点から好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体を形成する気泡構造としては、均一気泡構造や、大小気泡が混在した複合気泡構造などが挙げられるが、気泡構造を特に制限するものではない。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体における気泡の平均径は、主として0.05〜2.0mmであることが好ましく、0.1〜1.0mmであることがより好ましい。なお、気泡径は、例えば、押出発泡体の断面の一部をサンプリングし、それを走査型電子顕微鏡にて拡大撮影して得られる写真から、平均気泡径をASTM D−3576に準じて測定することができる。気泡径は、必ずしも全てが上記範囲内である必要はなく、少なくとも気泡径の平均値が上記範囲内であればよい。気泡の平均径が0.05mm未満の場合、成形性が大きく低下し、安定生産が困難になる傾向がある。また、平均径が2.0mmを超えた場合、製品表面の外観が悪化する傾向がある。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体は、上記樹脂組成物を用いて公知の方法により得ることができる。例えば、上記熱可塑性樹脂組成物を、押出機などの公知の加熱溶融混練装置に供給して加熱溶融して、高圧条件下で、発泡剤を添加する工程、発泡可能なゲル状物質を形成させる工程、次いで、該ゲル状物質を冷却する工程、さらに、高圧領域からスリットダイなどのダイを通じて、該ゲル状物質を低圧領域に押出発泡する工程、ダイと密着または接して設置した成形金型を用いて附形する発泡体を形成する工程を経ることにより、厚肉の板状熱可塑性樹脂発泡体を得ることができる。
発泡剤を添加する前に、前記樹脂組成物は、そのガラス転移温度または融点、あるいは、それ以上の温度に加熱される。発泡剤の添加は、加熱溶融樹脂に分散できるような方法で行えば良い。すなわち、発泡体の製造および/または開発に関わる分野で公知の手段、例えば、押出機、混合機などにより、溶融された前記樹脂組成物に混合、圧入または配合することができる。また、各々の発泡剤成分は、個別または同時に押出機に投入することができる。さらに、各々の発泡体成分は、液体、気体のいずれの状態で配合しても良い。
熱可塑性樹脂組成物に帯電防止剤などの各種添加物を添加する手順としては、例えば、(1)熱可塑性樹脂組成物に対して帯電防止剤などの各種添加物を添加して混合した後、押出機などの溶融混練装置に供給して加熱溶融し、さらに発泡剤を添加して混合する手順、(2)熱可塑性樹脂組成物を押出機などの溶融混練装置に供給して加熱溶融した後、帯電防止剤などの各種添加物を添加して混合し、さらにさらに発泡剤を添加して混合する手順、(3)予め熱可塑性樹脂組成物に対して帯電防止剤などの各種添加物を添加して溶融混練して得られた樹脂組成物を、改めて押出機に供給して加熱溶融した後、さらに発泡剤を添加して混合する手順等が挙げられるが、各種添加剤を熱可塑性樹脂組成物に添加するタイミングは、特に限定されない。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体を製造する場合において、熱可塑性樹脂組成物、発泡剤、必要に応じて添加される各種添加剤を加熱溶融混練する際の、加熱温度、溶融混練時間および溶融混練手段については、特に制限されない。
加熱温度は、熱可塑性樹脂組成物が溶融する温度(ガラス転移温度または融点)以上であればよいが、樹脂の分解・劣化ができる限り抑制される温度が好ましい。
溶融混練時間は、単位時間あたりの押出量、溶融混練装置の種類などによって異なるので一概には決定することができないが、熱可塑性樹脂組成物と発泡剤や添加剤とが均一に分散混合するのに要する時間として適宜設定される。
溶融混練手段としては、例えば、単軸スクリュー、二軸スクリュー等のスクリュー型の押出機などがあげられるが、通常の押出発泡に用いられているものであれば、特に制約はない。ただし、発泡体の分散性を必要とする場合には、押出機としては二軸スクリュー型が好ましい。また、樹脂の分解劣化をできる限り抑えるためには、押出機のスクリュー形状を低剪断タイプのものとすることが好ましい。
本発明における押出条件として、発泡剤が押出機や金型内で気化しないように、また、樹脂に充分溶解するように、押出系内圧力を高圧に保持することが好ましい。
発泡成形方法に関しては、特に制限はないが、例えば、押出成形用に使用されるスリット形状を有するスリットダイ等のダイを通じて、発泡性ゲル状物質を高圧領域から低圧領域へ圧力開放して得られた熱可塑性樹脂押出発泡体を、スリットダイと密着または接して設置した成形金型および該成形金型の下流側に隣接して設置された成形ロールなどを用いて附形する押出発泡方法であれば、厚肉であり、さらに断面積の大きい板状発泡体を得ることができる。
スリットダイスの形状としては、矩形状、コートハンガー状、ティー状などがあげられるが、幅広の板状発泡体を得ようとする場合には、コートハンガー状、ティー状のスリットダイが好ましい。
さらに、厚み10〜150mmの板状発泡体を得ようとする場合には、スリットダイ出口形状に対する成形金型形状の厚み方向での寸法拡大率や幅方向での寸法拡大率を抑制する観点から、スリットダイ出口が平板状に拡大されたスリットダイを用いて所望の発泡体幅に成形する方法が有利である。
本発明の熱可塑性樹脂発泡体は、従来のスチレン系押出発泡体と比較して、耐熱性および耐薬品性に優れ、表面性、成形性や曲げ特性も維持できるため、例えば屋上断熱防水分野における断熱材、あるいは通常の建築資材用途に比べ、より高温域に曝される蒸気養生室、乾燥養生室などのパネル断熱材などに好適に用いられる。
以下、本発明の優れた帯電防止性と耐熱性を有する熱可塑性樹脂発泡体を具体的な実施例により詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに制限されるものではない。なお、特に断らない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を表す。
以下に示す実施例1〜13、比較例1〜3で得られた発泡体の特性については、下記の方法に従って測定した。
(1)発泡体密度(kg/m3)
発泡体密度は、次の式に基づいて求め、単位をkg/m3に換算して示した。
発泡体密度(g/cm3)=発泡体重量(g)/発泡体体積(cm3)
発泡体密度は、次の式に基づいて求め、単位をkg/m3に換算して示した。
発泡体密度(g/cm3)=発泡体重量(g)/発泡体体積(cm3)
(2)平均セル径(mm)
得られた発泡体の押出方向、巾方向および厚み方向の各方向のセル径を、ASTM D−3576に準じて測定した。
すなわち、発泡体の巾方向の断面を50〜100倍に拡大投影し、厚み方向のセル径(HD)と巾方向のセル径(TD)を測定する。次に、押出方向の断面を拡大投影し、押出方向のセル径(MD)を測定した。
平均セル径は各方向のセル径の積を3乗根した値を以下の式より算出した。
平均セル径=(HD×TD×MD)1/3
得られた発泡体の押出方向、巾方向および厚み方向の各方向のセル径を、ASTM D−3576に準じて測定した。
すなわち、発泡体の巾方向の断面を50〜100倍に拡大投影し、厚み方向のセル径(HD)と巾方向のセル径(TD)を測定する。次に、押出方向の断面を拡大投影し、押出方向のセル径(MD)を測定した。
平均セル径は各方向のセル径の積を3乗根した値を以下の式より算出した。
平均セル径=(HD×TD×MD)1/3
(3)耐熱性(発泡体の体積変化率)
発泡体作成後、23℃、湿度55%の恒温室内にて10日間状態調整した後、厚み25mm×幅100mm×長さ100mmの試験片を切り出し、熱風乾燥機内(設定温度±2℃)で24時間加熱し、以下式を用いて体積寸法変化率(%)を算出し、以下の基準により耐熱性の有無を判断した。
式・・・ [加熱後の体積(b)−加熱前の体積(a)]÷加熱前の体積(a)
◎:発泡体の体積変化率が1%以下である。
○:発泡体の体積変化率が1%を超え3%以下である。
△:発泡体の体積変化率が3%を超え5%以下である。
×:発泡体の体積変化率が5%を超える。
発泡体作成後、23℃、湿度55%の恒温室内にて10日間状態調整した後、厚み25mm×幅100mm×長さ100mmの試験片を切り出し、熱風乾燥機内(設定温度±2℃)で24時間加熱し、以下式を用いて体積寸法変化率(%)を算出し、以下の基準により耐熱性の有無を判断した。
式・・・ [加熱後の体積(b)−加熱前の体積(a)]÷加熱前の体積(a)
◎:発泡体の体積変化率が1%以下である。
○:発泡体の体積変化率が1%を超え3%以下である。
△:発泡体の体積変化率が3%を超え5%以下である。
×:発泡体の体積変化率が5%を超える。
(4)帯電防止性
発泡体作成後、23℃、湿度55%の恒温室内にて24時間放置した後、表層から10mmの厚みにおいて100mm角の試験片を切り出して、その表面抵抗率をJIS K6911に準じて測定した。
測定には、表面抵抗率計[(株)アドバンテスト製、R8340A型]を用いた。印加電圧500V、印加時間1minとし、異なる場所から切り出した5つの試験片について測定を行い、得られた値を平均して発泡体の表面抵抗率(Ω/□)を算出した。表面抵抗率の数値が小さいほど、帯電防止性に優れていることを示す。
得られた表面抵抗率から、下記の基準で帯電防止性を評価した。
○:表面抵抗率が1×1012Ω/sq未満。
△:表面抵抗率が1×1012Ω/sq以上、1×1013Ω/sq未満。
×:表面抵抗率が1×1013Ω/sq以上。
発泡体作成後、23℃、湿度55%の恒温室内にて24時間放置した後、表層から10mmの厚みにおいて100mm角の試験片を切り出して、その表面抵抗率をJIS K6911に準じて測定した。
測定には、表面抵抗率計[(株)アドバンテスト製、R8340A型]を用いた。印加電圧500V、印加時間1minとし、異なる場所から切り出した5つの試験片について測定を行い、得られた値を平均して発泡体の表面抵抗率(Ω/□)を算出した。表面抵抗率の数値が小さいほど、帯電防止性に優れていることを示す。
得られた表面抵抗率から、下記の基準で帯電防止性を評価した。
○:表面抵抗率が1×1012Ω/sq未満。
△:表面抵抗率が1×1012Ω/sq以上、1×1013Ω/sq未満。
×:表面抵抗率が1×1013Ω/sq以上。
(5)表面性
得られた発泡体の表面性は、目視により評価した。判断基準は、以下のとおりである。
良好:発泡体表面の押出流れ方向1m当たりに、割れ、クラック、窪み、ボイド(気孔)が3個以下である、美麗なスキン層を形成した発泡体である。
不良:発泡体表面押出流れ方向1m当たりに、割れ、クラック、窪み、ボイド(気孔)が3個超である、粗悪なスキン層しか形成できない発泡体である。
得られた発泡体の表面性は、目視により評価した。判断基準は、以下のとおりである。
良好:発泡体表面の押出流れ方向1m当たりに、割れ、クラック、窪み、ボイド(気孔)が3個以下である、美麗なスキン層を形成した発泡体である。
不良:発泡体表面押出流れ方向1m当たりに、割れ、クラック、窪み、ボイド(気孔)が3個超である、粗悪なスキン層しか形成できない発泡体である。
(実施例1)
共重合体(A)として電気化学工業(株)製、商品名:デンカIP(265℃×10kg条件でのメルトフローレイト(以下、MFR)=0.2g/min)、共重合体(B)として東洋スチレン(株)製、商品名:トーヨーAS(220℃×10kg条件でのMFR=1.8g/min)を使用し、共重合体(A)/共重合体(B)を10%/90%の比率にて混合した。これらの樹脂混合物100部に対して、帯電防止剤としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルエーテル(日本エマルジョン(株)製、商品名:エマレックス DAPE0215)10部、造核剤としてタルク(林化成(株)製、商品名:タルカンパウダー)0.5部、ベントナイト1.0部、二酸化ケイ素0.5部、ステアリン酸バリウム0.2部をドライブレンドし、得られた樹脂組成物を、口径65mmの一段目押出機と口径90mmの二段目押出機とを直列に連結した二段連結型押出機へ50kg/時間の割合で供給した。一段目押出機に供給した樹脂組成物を、約230℃に加熱して溶融混練した後、一段目押出機の先端付近(第二押出機に接続される側)において、発泡剤としてジメチルエーテル5.0部、ノルマルブタン2.5部、イソブタン1.0部、アルコール水溶液(エタノールを水で50%に希釈)1.0部を溶融された熱可塑性樹脂組成物に圧入した。その後、一段目押出機に連結された二段目押出機において、混練冷却しながら二段目押出機出口(冷却工程出口)で136℃まで冷却し、二段目押出機の先端に設けられた矩形状スリットダイのダイリップより、熱可塑性樹脂組成物を大気中へ押出し、成形金型および成形ロールにより、厚さ約30mm×幅約120mmである断面形状の押出発泡板を得た。ダイリップは、厚さ方向2mm、幅方向50mmの長方形断面の空隙とした。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜63と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
共重合体(A)として電気化学工業(株)製、商品名:デンカIP(265℃×10kg条件でのメルトフローレイト(以下、MFR)=0.2g/min)、共重合体(B)として東洋スチレン(株)製、商品名:トーヨーAS(220℃×10kg条件でのMFR=1.8g/min)を使用し、共重合体(A)/共重合体(B)を10%/90%の比率にて混合した。これらの樹脂混合物100部に対して、帯電防止剤としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルエーテル(日本エマルジョン(株)製、商品名:エマレックス DAPE0215)10部、造核剤としてタルク(林化成(株)製、商品名:タルカンパウダー)0.5部、ベントナイト1.0部、二酸化ケイ素0.5部、ステアリン酸バリウム0.2部をドライブレンドし、得られた樹脂組成物を、口径65mmの一段目押出機と口径90mmの二段目押出機とを直列に連結した二段連結型押出機へ50kg/時間の割合で供給した。一段目押出機に供給した樹脂組成物を、約230℃に加熱して溶融混練した後、一段目押出機の先端付近(第二押出機に接続される側)において、発泡剤としてジメチルエーテル5.0部、ノルマルブタン2.5部、イソブタン1.0部、アルコール水溶液(エタノールを水で50%に希釈)1.0部を溶融された熱可塑性樹脂組成物に圧入した。その後、一段目押出機に連結された二段目押出機において、混練冷却しながら二段目押出機出口(冷却工程出口)で136℃まで冷却し、二段目押出機の先端に設けられた矩形状スリットダイのダイリップより、熱可塑性樹脂組成物を大気中へ押出し、成形金型および成形ロールにより、厚さ約30mm×幅約120mmである断面形状の押出発泡板を得た。ダイリップは、厚さ方向2mm、幅方向50mmの長方形断面の空隙とした。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜63と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例2)
共重合体(A)/共重合体(B)の混合比率を30%/70%にし、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=148℃)した以外は、実施例1と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
共重合体(A)/共重合体(B)の混合比率を30%/70%にし、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=148℃)した以外は、実施例1と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例3)
共重合体(A)/共重合体(B)の混合比率を60%/40%にし、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=250℃、冷却工程出口での樹脂温度=170℃)した以外は、実施例1と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
共重合体(A)/共重合体(B)の混合比率を60%/40%にし、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=250℃、冷却工程出口での樹脂温度=170℃)した以外は、実施例1と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例4)
共重合体(A)/共重合体(B)の混合比率を80%/20%にし、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=250℃、冷却工程出口での樹脂温度=190℃)した以外は、実施例1と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
共重合体(A)/共重合体(B)の混合比率を80%/20%にし、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=250℃、冷却工程出口での樹脂温度=190℃)した以外は、実施例1と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例5)
共重合体(A)/共重合体(B)の混合比率を90%/10%にし、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=260℃、冷却工程出口での樹脂温度=210℃)した以外は、実施例1と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
共重合体(A)/共重合体(B)の混合比率を90%/10%にし、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=260℃、冷却工程出口での樹脂温度=210℃)した以外は、実施例1と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例6)
用いた発泡剤のうちジメチルエーテル3.0部から塩化メチル3.5部に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=145℃)した以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
用いた発泡剤のうちジメチルエーテル3.0部から塩化メチル3.5部に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=145℃)した以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例7)
用いた発泡剤のうちジメチルエーテル3.0部から塩化エチル4.0部に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=250℃、冷却工程出口での樹脂温度=170℃)した以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
用いた発泡剤のうちジメチルエーテル3.0部から塩化エチル4.0部に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=250℃、冷却工程出口での樹脂温度=170℃)した以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例8)
帯電防止剤の量を4.0部に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=150℃)した以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
帯電防止剤の量を4.0部に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=150℃)した以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例9)
帯電防止剤の量を20部に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=143℃)した以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
帯電防止剤の量を20部に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=143℃)した以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例10)
帯電防止剤の量を25部に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=140℃)した以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
帯電防止剤の量を25部に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=140℃)した以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例11)
帯電防止剤をN,N’−ビス−(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン(ミヨシ油脂(株)製、商品名:ミヨコール324)12部に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=145℃)した以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜3と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
帯電防止剤をN,N’−ビス−(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン(ミヨシ油脂(株)製、商品名:ミヨコール324)12部に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=145℃)した以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜3と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例12)
帯電防止剤をN,N’−ビス−(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン(ミヨシ油脂(株)製、商品名:ミヨコール324)12部に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=250℃、冷却工程出口での樹脂温度=165℃)した以外は、実施例3と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
帯電防止剤をN,N’−ビス−(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン(ミヨシ油脂(株)製、商品名:ミヨコール324)12部に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=250℃、冷却工程出口での樹脂温度=165℃)した以外は、実施例3と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例13)
帯電防止剤をN,N’−ビス−(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン(ミヨシ油脂(株)製、商品名:ミヨコール324)12部に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=250℃、冷却工程出口での樹脂温度=170℃)した以外は、実施例4と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
帯電防止剤をN,N’−ビス−(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミン(ミヨシ油脂(株)製、商品名:ミヨコール324)12部に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=250℃、冷却工程出口での樹脂温度=170℃)した以外は、実施例4と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例14)
帯電防止剤をポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂(株)製、商品名:ノニオンNS220)10部に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=146℃)した以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
帯電防止剤をポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂(株)製、商品名:ノニオンNS220)10部に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=146℃)した以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例15)
帯電防止剤をポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂(株)製、商品名:ノニオンNS220)10部に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=250℃、冷却工程出口での樹脂温度=168℃)した以外は、実施例3と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
帯電防止剤をポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂(株)製、商品名:ノニオンNS220)10部に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=250℃、冷却工程出口での樹脂温度=168℃)した以外は、実施例3と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例16)
帯電防止剤量を8部に変更し、さらに、有機酸のアルカリ金属塩としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(テイカ(株)製、商品名:BN2060)を2.0部添加し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=145℃)した以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
帯電防止剤量を8部に変更し、さらに、有機酸のアルカリ金属塩としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(テイカ(株)製、商品名:BN2060)を2.0部添加し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=145℃)した以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例17)
帯電防止剤量を8部に変更し、さらに、有機酸のアルカリ金属塩としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(テイカ(株)製、商品名:BN2060)を3.0部添加し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=142℃)した以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。実施例16と比較し、耐熱性がやや低下し、かつ表面に小さなクラックがみられる発泡体が得られた。
帯電防止剤量を8部に変更し、さらに、有機酸のアルカリ金属塩としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(テイカ(株)製、商品名:BN2060)を3.0部添加し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=142℃)した以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。実施例16と比較し、耐熱性がやや低下し、かつ表面に小さなクラックがみられる発泡体が得られた。
(実施例18)
帯電防止剤量を10部に変更し、さらに有機酸のアルカリ金属塩としてトリフルオロメタンスルホン酸リチウム(森田化学(株)製)を0.5部添加し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=250℃、冷却工程出口での樹脂温度=165℃)した調整した以外は、実施例9と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
帯電防止剤量を10部に変更し、さらに有機酸のアルカリ金属塩としてトリフルオロメタンスルホン酸リチウム(森田化学(株)製)を0.5部添加し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=250℃、冷却工程出口での樹脂温度=165℃)した調整した以外は、実施例9と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
(実施例19)
帯電防止剤量を8部に変更し、さらに有機酸のアルカリ金属塩として結晶酢酸ソーダ(大東化学(株)製)を0.5部に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=250℃、冷却工程出口での樹脂温度=185℃)した以外は、実施例4と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
帯電防止剤量を8部に変更し、さらに有機酸のアルカリ金属塩として結晶酢酸ソーダ(大東化学(株)製)を0.5部に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=250℃、冷却工程出口での樹脂温度=185℃)した以外は、実施例4と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。下記の比較例1〜6と比較し、必要条件を満足した発泡体が得られた。
(比較例1)
帯電防止剤を添加せず、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=147℃)以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。実施例2と比較して、求められる帯電防止性能を満足することができなかった。
帯電防止剤を添加せず、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=147℃)以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。実施例2と比較して、求められる帯電防止性能を満足することができなかった。
(比較例2)
帯電防止剤の量を2.0部に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=147℃)した以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。実施例2と比較して、求められる帯電防止性能を満足することができなかった。
帯電防止剤の量を2.0部に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=147℃)した以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。実施例2と比較して、求められる帯電防止性能を満足することができなかった。
(比較例3)
帯電防止剤の量を35部に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=140℃)した以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。実施例102と比較して、耐熱性が大きく低下し、表面に大きなクラックが発生するため、満足な発泡体が得られず、帯電防止性能を評価することができなかった。
帯電防止剤の量を35部に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=140℃)した以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。実施例102と比較して、耐熱性が大きく低下し、表面に大きなクラックが発生するため、満足な発泡体が得られず、帯電防止性能を評価することができなかった。
(比較例4)
帯電防止剤を添加せず、有機酸のアルカリ金属塩としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(テイカ(株)製、商品名:BN2060)を3.0部添加し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=147℃)以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。得られた発泡体の特性を表1に示す。実施例2と比較して、求められる帯電防止性能を満足することができず、さらに耐熱性がやや低下し、かつ表面に小さなクラックがみられるものであった。
帯電防止剤を添加せず、有機酸のアルカリ金属塩としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(テイカ(株)製、商品名:BN2060)を3.0部添加し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=147℃)以外は、実施例2と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。得られた発泡体の特性を表1に示す。実施例2と比較して、求められる帯電防止性能を満足することができず、さらに耐熱性がやや低下し、かつ表面に小さなクラックがみられるものであった。
(比較例5)
共重合体(A)/共重合体(B)の混合比率を0%/100%に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=130℃)した以外は、実施例11と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。実施例11と比較して、求められる耐熱性能を満足することができない。
共重合体(A)/共重合体(B)の混合比率を0%/100%に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=130℃)した以外は、実施例11と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。実施例11と比較して、求められる耐熱性能を満足することができない。
(比較例6)
基材樹脂として、ポリスチレン樹脂(PSジャパン(株)製、商品名:G9401、200℃×5kg条件でのMFR=0.2g/min)に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=130℃)した以外は、実施例11と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。実施例11と比較して、求められる耐熱性能を満足することができない。
基材樹脂として、ポリスチレン樹脂(PSジャパン(株)製、商品名:G9401、200℃×5kg条件でのMFR=0.2g/min)に変更し、発泡体密度が約30kg/m3となるように押出機温度を調整(一段目押出機加熱温度=230℃、冷却工程出口での樹脂温度=130℃)した以外は、実施例11と同様の条件にて押出発泡板を得た。
得られた発泡体の特性を表1に示す。実施例11と比較して、求められる耐熱性能を満足することができない。
Claims (5)
- 芳香族ビニル単位、不飽和ジカルボン酸無水物単位およびN−アルキル置換マレイミド単位からなる共重合体(A)と、芳香族ビニル単位およびシアン化ビニル単位からなる共重合体(B)からなる熱可塑性樹脂混合物を含有する熱可塑性樹脂組成物を発泡させてなる熱可塑性樹脂発泡体であって、
該熱可塑性樹脂組成物が、共重合体(A)5〜95重量%および共重合体(B)95〜5重量%からなる熱可塑性樹脂混合物100重量部に対して、カチオン系帯電防止剤、両性帯電防止剤、および非イオン系帯電防止剤よりなる群から選ばれる少なくとも1種である帯電防止剤(C)3〜30重量部を配合してなるものであり、発泡体の厚みが10〜150mmであることを特徴とする、帯電防止性に優れた熱可塑性樹脂発泡体。 - 帯電防止剤(C)が、非イオン系帯電防止剤から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1に記載の熱可塑性樹脂発泡体。
- 非イオン系帯電防止剤が、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルおよびN,N’−ビス−(2−ヒドロキシエチル)アルキルアミンよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂発泡体。
- 熱可塑性樹脂混合物100重量部に対して、さらに、有機酸のアルカリ金属塩(D)0.01〜2.5重量部を配合してなる、請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂発泡体。
- 有機酸のアルカリ金属塩(D)が、炭素数1〜18のアルカンスルホン酸アルカリ塩、炭素数1〜3のフルオロアルカンスルホン酸アルカリ金属塩および、炭素数2〜3のアルカンカルボン酸アルカリ金属塩よりなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする、請求項4に記載の熱可塑性樹脂発泡体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008109098A JP2009256510A (ja) | 2008-04-18 | 2008-04-18 | 帯電防止性に優れた熱可塑性樹脂発泡体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008109098A JP2009256510A (ja) | 2008-04-18 | 2008-04-18 | 帯電防止性に優れた熱可塑性樹脂発泡体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009256510A true JP2009256510A (ja) | 2009-11-05 |
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ID=41384353
Family Applications (1)
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JP2008109098A Pending JP2009256510A (ja) | 2008-04-18 | 2008-04-18 | 帯電防止性に優れた熱可塑性樹脂発泡体 |
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JP (1) | JP2009256510A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017031234A (ja) * | 2015-07-28 | 2017-02-09 | 株式会社ジェイエスピー | ポリスチレン系樹脂発泡板の製造方法 |
-
2008
- 2008-04-18 JP JP2008109098A patent/JP2009256510A/ja active Pending
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